以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機や他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
図1は、第1実施例のパチンコ機Pの遊技盤の正面図である。遊技盤1の周囲には、打球が入賞することにより5個から15個の球が払い出される複数の入賞口2が設けられている。また、遊技盤1の中央には、複数種類の識別情報としての図柄などを表示する液晶(LCD)ディスプレイ3が設けられている。このLCDディスプレイ3の表示画面は横方向に3分割されており、3分割された各表示領域において、それぞれ右から左へ横方向にスクロールしながら図柄の変動表示が行われる。
LCDディスプレイ3の下方には、図柄作動口(第1種始動口)4が設けられ、打球がこの図柄作動口4を通過することにより、前記したLCDディスプレイ3の変動表示が開始される。図柄作動口4の下方には、特定入賞口(大入賞口)5が設けられている。この特定入賞口5は、LCDディスプレイ3の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、大当たりとなって、打球が入賞しやすいように所定時間(例えば、30秒経過するまで、あるいは、打球が10個入賞するまで)開放される入賞口である。この特定入賞口5内には、Vゾーン5aが設けられており、特定入賞口5の開放中に、打球がVゾーン5a内を通過すると、継続権が成立して、特定入賞口5の閉鎖後、再度、その特定入賞口5が所定時間(又は、特定入賞口5に打球が所定個数入賞するまで)開放される。この特定入賞口5の開閉動作は、最高で16回(16ラウンド)繰り返し可能にされており、開閉動作の行われ得る状態が、いわゆる所定の遊技価値の付与された状態(特別遊技状態)である。
図2は、かかるパチンコ機Pの電気的構成を示したブロック図である。パチンコ機Pの主制御基板Cには、演算装置であるMPU11と、そのMPU11により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM12と、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM13とが搭載されている。図9及び図10に示すフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部としてROM12内に記憶されている。
RAM13は、送信バッファ13aと、コマンドカウンタ13bとを備えている。送信バッファ13aは、LCDディスプレイ3の変動表示の制御のために、主制御基板Cから表示用制御基板Dへ送信される制御用コマンドを記憶するためのバッファである。制御用コマンドは2バイトで構成されるので、この送信バッファ13aも2バイトで構成される。送信バッファ13aへセット(書き込み)された制御用コマンドは、タイマ割込処理によって、1バイトずつ表示用制御基板Dへ送信される。
図3は、LCDディスプレイ3の表示画面を9つの表示領域に分割した様子を示した図である。前記した通り、本実施例の変動表示は、横方向に3分割された3つの表示領域3a,3b,3cにおいて、それぞれ矢印A方向へ横方向にスクロールしながら行われる。この横方向に3分割された3つの表示領域3a,3b,3cを、縦方向に更に3分割して9つの表示領域3a1,・・・,3c3とし、その9つの表示領域3a1,・・・,3c3に対して、図3に示すように、それぞれ表示される「図柄1〜図柄9」の9つの図柄番号32aが付されている。
図2に示すコマンドカウンタ13bは、制御用コマンドの一種である停止図柄指定コマンド32(図5参照)が指定するLCDディスプレイ3の表示領域3a1〜3c3を示すためのカウンタであり、「1〜10」の範囲で「1」ずつ更新される。コマンドカウンタ13bの値が「1〜9」の範囲内にある場合には、そのコマンドカウンタ13bの値に対応する図柄番号32a(図5参照)の表示領域3a1〜3c3が指定される。また、コマンドカウンタ13bの値が「10」である場合には、いずれの表示領域も指定されない。
図2に示すように、これらMPU11、ROM12、RAM13は、バスライン14を介して互いに接続されており、バスライン14は、また、入出力ポート15にも接続されている。この入出力ポート15は表示用制御基板Dや他の入出力装置16と接続されている。主制御基板Cは、入出力ポート15を介して、表示用制御基板Dや他の入出力装置16へ各種コマンドを送り、それら各装置を制御する。なお、主制御基板Cと表示用制御基板Dとの接続は、入力および出力が固定的な2つのバッファ(インバータゲート)17,28を介して行われている。よって、主制御基板Cと表示用制御基板Dとの間における制御用コマンドの送受信は、主制御基板Cから表示用制御基板Dへの一方向にのみ行われ、表示用制御基板Dから主制御基板Cへ制御用コマンド等を送信することはできない。
表示用制御基板Dは、MPU21と、プログラムROM22と、ワークRAM23と、ビデオRAM24と、キャラクタROM25と、画像コントローラ26と、入力ポート29と、出力ポート27とを備えている。入力ポート29の入力にはインバータゲート28の出力が接続され、その入力ポート29の出力は、MPU21、プログラムROM22、ワークRAM23を接続するバスラインと接続されている。また、出力ポート27の入力には画像コントローラ26が接続され、その出力ポート27の出力にはLCDディスプレイ3が接続されている。
表示用制御基板DのMPU21は、主制御基板Cから送信される制御用コマンドに基づいて、LCDディスプレイ3の(変動)表示を制御するためのものであり、プログラムROM22には、このMPU21により実行される各種の制御プログラムが記憶されている。図11から図15に示すフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部としてプログラムROM22内に記憶されている。また、図7に示すディフォルト図柄のデータも、このプログラムROM22内に記憶されている。
ワークRAM23は、MPU21による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグが記憶されるメモリであり、受信バッファ23aと、コマンド受信フラグ23bと、9つの停止図柄1〜9メモリ23c〜23kと、上段・中段・下段の各図柄差替済フラグ23l〜23nとを備えている。
受信バッファ23aは、主制御基板Cから送信される制御用コマンドを受信するためのバッファである。制御用コマンドは2バイトで構成されるので、受信バッファ23aも同様に2バイトで構成される。コマンド受信フラグ23bは、新たな制御用コマンドが受信バッファ23aへ記憶された場合にオンされるフラグである。コマンド受信フラグ23bがオンされていると、受信バッファ23aに記憶される制御用コマンドが読み出され、その読み出された制御用コマンドに基づいて、LCDディスプレイ3の変動表示の制御が行われる。一旦オンされたコマンド受信フラグ23bは、受信バッファ23aから制御用コマンドを読み出す際にオフされる。
停止図柄1〜9メモリ23c〜23kは、制御用コマンドの一種である停止図柄指定コマンド32によって送信される停止図柄の図柄コード32b(図5参照)を記憶するためのメモリであり、LCDディスプレイ3の9つの表示領域3a1〜3c3(図3参照)に対応してそれぞれ1つ、合計9つの停止図柄1〜9メモリ23c〜23kが設けられている。なお、停止図柄1〜9メモリ23c〜23kの詳細については後述する。
上段図柄差替済フラグ23lは、LCDディスプレイ3の横方向に3分割された3つの表示領域3a,3b,3cのうち、上段の表示領域3aで変動表示される図柄の差し替えが行われたことを示すためのフラグである。変動パターン指定コマンド31によって開始される変動表示は、その変動パターン指定コマンドによって指定される一連の変動パターンを演出した後に、停止図柄指定コマンド32によって指定される停止図柄で終了しなければならない。よって、停止図柄指定コマンド32によって指定された停止図柄で一連の変動パターンが終了するように、高速変動表示中の各図柄について図柄の差し替えが行われる。上段図柄差替済フラグ23lは、かかる図柄の差し替えが上段の表示領域3aについて行われた場合にオンされるフラグである。なお、上段図柄差替済フラグ23lは、変動表示の開始時にオフされる。
上段図柄差替済フラグ23lと同様に、中段図柄差替済フラグ23mは、LCDディスプレイ3の中段の表示領域3bで変動表示される図柄の差し替えが行われたことを示すためのフラグであり、変動表示の開始時にオフされ、中段の表示領域3bについて図柄の差し替えが行われた場合にオンされるフラグである。また、下段図柄差替済フラグ23nは、LCDディスプレイ3の下段の表示領域3cで変動表示される図柄の差し替えが行われたことを示すためのフラグであり、上段図柄差替済フラグ23lと同様に、変動表示の開始時にオフされ、下段の表示領域3cについて図柄の差し替えが行われた場合にオンされるフラグである。
ビデオRAM24は、LCDディスプレイ3に表示される表示データが記憶されるメモリであり、このビデオRAM24の内容を書き換えることにより、LCDディスプレイ3の表示内容が変更される。即ち、各表示領域3a1〜3c3における図柄の変動表示は、ビデオRAM24の内容が書き換えられることにより行われる。キャラクタROM25は、LCDディスプレイ3に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ26は、MPU21、ビデオRAM24、出力ポート27のそれぞれのタイミングを調整して、データの読み書きを介在するとともに、ビデオRAM24に記憶される表示データをキャラクタROM25を参照して所定のタイミングでLCDディスプレイ3に表示させるものである。
次に、図4から図8を参照して、変動表示の制御のために主制御基板Cから表示用制御基板Dへ送信される制御用コマンドについて説明する。制御用コマンドは、変動パターン指定コマンド31と、停止図柄指定コマンド32と、図柄停止コマンド33との3種類のコマンドによって構成される。なお、制御用コマンドは2バイトで構成されるので、その1バイト目と2バイト目のコマンドコードを区別するために、1バイト目のコマンドコードは最上位ビットがセットされ、2バイト目のコマンドコードは最上位ビットがリセットされている。
図4は、変動パターン指定コマンド31のコマンドコードと、そのコマンド内容とを示した図である。変動パターン指定コマンド31は、変動表示を開始させると共に、変動表示の開始から終了までの一連の変動パターンを指定するためのコマンドである。1バイト目のコマンドコードはC0HまたはC1Hとされており、合計56種類の変動パターンが用意されている。
なお、変動パターン指定コマンド31によって指定される変動表示の制御は、その変動パターン指定コマンド31を受信した表示用制御基板Dによって行われるので、表示用制御基板Dの制御プログラムの内容を変更することにより、同一コードの変動パターン指定コマンド31に対する変動表示の内容を変更することができる。即ち、主制御基板Cの制御プログラムを変更することなく、表示用制御基板Dの制御プログラムを変更するだけで、変動表示の内容を変更することができるのである。
図5(a)は、停止図柄指定コマンド32のコマンドコードと、そのコマンドコードによって指定される図柄番号32aとの対応関係を示した図である。前記した通り、各図柄番号32aには、図3に示す各表示領域3a1〜3c3がそれぞれ対応付けされている。また、図5(b)は、20種類の図柄コード32bと図柄名32cとの対応関係を示した図である。
停止図柄指定コマンド32は、変動パターン指定コマンド31で指定された変動パターンの変動表示の終了時に、LCDディスプレイ3の各表示領域3a1〜3c3にそれぞれ停止表示される図柄を指定するためのコマンドである。停止図柄指定コマンド32は、変動パターン指定コマンド31が送信され変動表示が開始された後に、LCDディスプレイ3の9つの表示領域3a1〜3c3のそれぞれに対して、主制御基板Cから表示用制御基板Dへ送信される。
この停止図柄指定コマンド32は、変動パターン指定コマンド31と同様に2バイトで構成されている。停止図柄指定コマンド32の1バイト目には、図柄1〜9の表示領域3a1〜3c3を指定するコマンドコードがセットされる。図5(a)に示すように、停止図柄指定コマンド32の1バイト目のコマンドコードが「90H」であれば図柄1の表示領域3a1が、「A0H」であれば図柄2の表示領域3b1が、・・・、「B2H」であれば図柄9の表示領域3c3が、それぞれ指定される。停止図柄指定コマンド32の2バイト目には、1バイト目のコマンドコードで指定した図柄1〜9の表示領域3a1〜3c3に停止表示される図柄の図柄コード32bがセットされる。即ち、図5(b)に示すように、停止表示される図柄が「タコ」である場合には「10H」が、「ハリセンボン」である場合には「11H」が、・・・、「サメ(2)」である場合には「23H」が、それぞれ停止図柄指定コマンド32の2バイト目のコードとしてセットされる。
表示用制御基板Dは、停止図柄指定コマンド32を受信すると、実行中の変動パターンを考慮した上で、停止図柄指定コマンド32で指定された図柄コード32bの図柄で変動表示が終了するように、変動中の図柄を差し替える。この図柄の差し替えは、変動表示が高速変動されている場合に限って行われるので、遊技者に図柄の差し替えが行われたことを気づかれることがない。
図5(b)に示すように、各図柄にはすべて異なった図柄コード32bが付与されている。特に、図柄名32c「サメ(1)」と「サメ(2)」とは、LCDディスプレイ3に全く同じ図柄として表示されるが、図5(b)に示すように、両図柄には「13H」と「23H」との異なった図柄コード32bが付与されている。同様に、図柄名32c「貝(1)」〜「貝(10)」も、LCDディスプレイ3に全く同じ図柄として表示されるが、図5(b)に示すように、「19H」〜「22H」の異なった図柄コード32bが付与されている。
図6は、かかる上段・中段・下段の各段の仮想図柄リール41〜43の構成を模式的に示した図である。図6(a)には、LCDディスプレイ3の上段の表示領域3aで変動表示される上段の仮想図柄リール41の構成が模式的に図示されている。図6(a)に示すように、上段の仮想図柄リール41には、18種類の図柄が「貝(9)」,「カニ」,「貝(8)」,・・・,「タコ」の順に配列されており、最終の「タコ」の図柄の次には、先頭の図柄に戻って「貝(9)」,「カニ」,「貝(8)」,・・・の各図柄が配列される。上段の仮想図柄リール41は、かかる図柄の配列順に、LCDディスプレイ3の上段の表示領域3aで変動表示される。
同様に、図6(c)には、LCDディスプレイ3の下段の表示領域3cで変動表示される下段の仮想図柄リール43の構成が模式的に図示されている。図6(c)に示すように、下段の仮想図柄リール43には、上段の仮想図柄リール41の配列と全く逆の配列で、18種類の図柄が「タコ」,「貝(1)」,「ハリセンボン」,・・・,「貝(9)」の順に配列されている。最終の「貝(9)」の図柄の次には、先頭の図柄に戻って「タコ」,「貝(1)」,「ハリセンボン」,・・・の各図柄が配列される。下段の仮想図柄リール43は、かかる図柄の配列順に、LCDディスプレイ3の下段の表示領域3cで変動表示される。
図6(b)には、LCDディスプレイ3の中段の表示領域3bで変動表示される中段の仮想図柄リール42の構成が模式的に図示されている。図6(b)に示すように、中段の仮想図柄リール42には、下段の仮想図柄リール43の配列の最後尾に「サメ(2)」,「貝(10)」の2種類の図柄を加えた合計20種類の図柄が順に配列されている。上段および下段の仮想図柄リール41,43の場合と同様に、最終の「貝(10)」の図柄の次には、先頭の図柄に戻って「タコ」,「貝(1)」,「ハリセンボン」,・・・の各図柄が配列される。中段の仮想図柄リール42は、かかる図柄の配列順に、LCDディスプレイ3の中段の表示領域3bで変動表示される。
従って、9つの表示領域3a1〜3c3のそれぞれに対して、主制御基板Cから表示用制御基板Dへ送信される停止図柄指定コマンド32に一部の欠落があっても、各段(上段・中段・下段)について、それぞれ1以上の停止図柄指定コマンド32が正常に受信できていれば、欠落した停止図柄指定コマンド32の図柄コード32bを算出することができる。即ち、すべての図柄について異なった図柄コード32bを付与すると共に、仮想図柄リール41〜43(図6参照)の配列を固定することにより、主制御基板Cから表示用制御基板Dへ送信される停止図柄指定コマンド32に一部の欠落があっても、その欠落した停止図柄指定コマンド32の図柄コード32bを算出して、正常な変動表示(および変動表示終了時における停止表示)を行わせることができるのである。
図7は、本実施例で使用されるディフォルト図柄を模式的に示した図である。ディフォルト図柄とは、停止図柄指定コマンド32によって停止図柄を指定することができない場合に、本来の停止図柄に代わって停止図柄として使用される図柄である。例えば、停止図柄指定コマンド32の送受信時に何らかのエラーが発生して、停止図柄を全く指定することができない場合などに使用される。
前記したように、仮想図柄リール41〜43の配列は固定されており、その各仮想図柄リール41〜43を構成する図柄には、それぞれ異なった図柄コード32bが付与されている(図6参照)。よって、停止図柄指定コマンド32の送受信時に何らかのエラーが発生しても、上段・中段・下段の各表示領域3a,3b,3cのそれぞれにおいて、少なくとも1つの停止図柄を正常に受信できれば、その段の他の停止図柄をすべて算出することができるのである。
しかしながら、1の段の3つの停止図柄のすべてを受信できない場合や、1の段の2つ又は3つの停止図柄を受信できてもその図柄の配列が仮想図柄リール41〜43の配列と一致しない場合には、1の停止図柄の図柄コード32bからその段の他の停止図柄の図柄コード32bを算出することはできない。このように、停止図柄指定コマンド32により指定されない停止図柄(未指定の停止図柄)や、誤って指定された停止図柄(誤指定の停止図柄)がある場合であって、その未指定又は誤指定の停止図柄の算出が不可能である場合に、未指定又は誤指定の停止図柄に代わって停止図柄として使用されるのがディフォルト図柄である。
このディフォルト図柄は、9つの図柄のセット(組み合わせ)で構成されており、その9つの図柄はLCDディスプレイ3の9つの表示領域3a1〜3c3にそれぞれ対応付けられている。具体的には、LCDディスプレイ3の上段の表示領域3aには左から順に「貝(3)」,「カメ」,「貝(2)」のディフォルト図柄が、中段の表示領域3bには「貝(3)」,「サメ(1)」,「貝(4)」のディフォルト図柄が、下段の表示領域3cには「貝(9)」,「タコ」,「貝(1)」のディフォルト図柄が、それぞれ対応付けられている。
ディフォルト図柄は、大入賞口5の開放を伴う大当たり表示ではなく、ハズレ表示を構成する図柄の組み合わせとされている。よって、停止図柄指定コマンド32の送受信時に何らかのエラーが発生し、本来の停止図柄に代えてディフォルト図柄を使用する場合、変動表示の終了時にLCDディスプレイ3に停止表示されるのはハズレ表示となり、大当たり表示にはならない。
大当たりの判定は主制御基板Cの制御上で行われるが、かかる主制御基板Cの制御上でハズレと判定されている場合には、ディフォルト図柄によるLCDディスプレイ3のハズレ表示は、主制御基板Cの制御上の判定結果と一致する。よって、本来の停止図柄に代えてディフォルト図柄を使用しても、遊技の進行に関して問題は生じない。
一方、主制御基板Cの制御上で大当たりと判定されている場合には、ディフォルト図柄によるLCDディスプレイ3のハズレ表示は、主制御基板Cの制御上の判定結果と不一致となるが、かかる場合には、変動表示がハズレ表示で終了したにも拘わらず、大当たりとなって大入賞口5の開放などが行われるので、遊技者は不満を抱くどころか、むしろ満足する。なお、本来は大当たりが発生したのであるから、主制御基板Cにより大当たりの制御が行われても問題はない。
このようにディフォルト図柄をハズレ図柄(ハズレ表示となる図柄)で構成することにより、停止図柄指定コマンド32の送受信時において何らかのエラーが発生しても、遊技者を満足させつつ、遊技を継続することができるのである。
図8は、図柄停止コマンド33のコマンドコードと、そのコマンド内容とを示した図である。図柄停止コマンド33は、指定した図柄番号32aの表示領域3a1〜3c3で変動表示されている図柄を停止表示(確定)させるためのコマンドである。表示用制御基板Dが図柄停止コマンド33を受信すると、その図柄停止コマンド33によって指定される表示領域3a1〜3c3に停止図柄指定コマンド32によって既に指定されている停止図柄が停止表示され、その表示領域3a1〜3c3の図柄が確定する。即ち、図柄停止コマンド33で指定された表示領域3a1〜3c3の変動表示が終了する。図柄停止コマンド33によって、9つすべての表示領域3a1〜3c3の図柄が確定すると、変動パターン指定コマンド31によって開始された一連の変動表示が終了する。
表示用制御基板Dは、変動パターン指定コマンド31と停止図柄指定コマンド32との内容を考慮しつつ、変動表示終了のタイミングで停止図柄指定コマンド32によって指定された図柄が該当する表示領域3a1〜3c3に表示されるように、変動表示の高速変動中に予め図柄の差し替えを行っている。しかも、主制御基板Cは、変動パターン指定コマンド31で指定した変動表示の変動パターンが終了するタイミングを見計らって、図柄停止コマンド33を表示用制御基板Dへ送信するように制御している。よって、図柄停止コマンド33による図柄の停止表示(確定)は、遊技者に違和感を与えることなく、スムースに行われる。
なお、主制御基板Cからの図柄停止コマンド33の送信タイミングが遅れた結果、変動パターン指定コマンド31で指定した変動パターンが終了したにも拘わらず、表示用制御基板Dで図柄停止コマンド33を受信できない場合には、表示用制御基板Dは、停止図柄指定コマンド32で指定された停止図柄を該当する表示領域3a1〜3c3内で行きつ戻りつさせた表示、いわゆる左右にブラブラさせた表示を継続する(図16参照)。そして、主制御基板Cから図柄停止コマンド33を受信すると、停止図柄指定コマンド32で指定された停止図柄を該当する表示領域3a1〜3c3の中央に停止表示し、その表示領域3a1〜3c3の図柄を確定する。
一方、主制御基板Cからの図柄停止コマンド33の送信タイミングが速まった結果、変動パターン指定コマンド31で指定した変動パターンの終了前であるにも拘わらず、表示用制御基板Dが図柄停止コマンド33を受信した場合には、表示用制御基板Dは、変動パターンの終了前であっても、既に停止図柄指定コマンド32で指定されている停止図柄を該当する表示領域3a1〜3c3の中央に停止表示し、その表示領域3a1〜3c3の図柄を確定する。
図柄停止コマンド33には、9つの表示領域3a1〜3c3の図柄を個別に確定させる9種類のコマンドと、9つの表示領域3a1〜3c3の図柄をすべて一度に確定させる1種類のコマンドと、上段・中段・下段の3段に分かれた3つの表示領域3a,3b,3cの図柄を各段毎に個別に確定させる3種類のコマンドとがあり、合計13種類のコマンドが用意されている。このうち、スクロールの単位となる上段・中段・下段の各段毎に、3つずつの図柄を一度に確定させる図柄停止コマンド33((1)「80H,0BH」,(2)「80H,0CH」,(3)「80H,0DH」)を用いれば、制御によってLCDディスプレイ3の表示上に表される仮想図柄リール41〜43のスクロールを、実際の図柄リールのスクロールと同じように行わせるができ、遊技者の興趣を一層向上させることができる。
次に、上記のように構成されたパチンコ機Pで実行される各処理を、図9から図15のフローチャートを参照して説明する。図9は、パチンコ機Pの主制御基板Cにおいて、4ms毎に実行されるリセット割込処理のフローチャートである。パチンコ機Pの主な制御は、このリセット割込処理によって実行される。
リセット割込処理では、まず、スタックポインタを設定し(S1)、RAM13の所定エリアに書き込まれているパターンのチェックを行う(S2)。チェックの結果、所定エリアに所定のパターンが書き込まれていれば、RAM13に異常はなく正常であるので(S2:正常)、処理をS3へ移行する。一方、S2のチェックの結果、所定エリアに所定のパターンが書き込まれていなければ、電源投入後最初に実行されたリセット割込処理であるか、或いは、RAM13に異常があるので(S2:異常)、この場合には処理をS21へ移行して、一旦、RAM13の内容をクリアした後、RAM13内へ初期値を書き込んで(S21)、次のリセット割込処理の発生を待機する。なお、このS21の処理でRAM13に書き込まれる初期値の中には、S2の処理でチェックされる所定のパターンが含まれている。
S3の処理ではタイマ割込の設定を行う(S3)。ここで設定されるタイマ割込としては、LCDディスプレイ3の変動表示を制御する制御用コマンドを表示用制御基板Dへ送信するためのストローブ信号を発生させるタイマ割込などがある。タイマ割込の設定後は、各割込を許可状態とする(S4)。割込の許可後は、特別図柄変動処理(S15)や、表示データ作成処理(S17)、ランプ・情報処理(S18)などにより、前回のリセット割込処理において更新された出力データを一度に各ポートへ出力するポート出力処理を実行する(S5)。
更に、大当たりを決定するための乱数カウンタの値を「+1」更新する乱数更新処理(S6)を実行し、記憶タイマ減算処理を実行する(S7)。記憶タイマ減算処理は、大当たり判定の保留球が所定数以上あり、且つ、LCDディスプレイ3において図柄の変動表示中である場合に、図柄の変動表示の時間短縮を行うものである。
スイッチ読込処理(S8)は、各スイッチの値を読み込んで、遊技領域1へ打ち込まれた打球の入賞口2や大入賞口5(Vゾーン5aを含む)への入賞、図柄作動口4の通過、更には賞球や貸球を検出するための処理である。カウント異常監視処理(S9)は、S8のスイッチ読込処理によって読み込まれたスイッチデータに異常があるか否かを監視するための処理である。例えば、大入賞口5が開放され、打球のVゾーン5aの通過を検出するVカウントスイッチで打球が検出されたにも拘わらず、Vゾーン5a以外の大入賞口5への入賞を検出する10カウントスイッチで1球の打球も検出できない場合には、10カウントスイッチが抜き取られるなどして、10カウントスイッチに何らかの異常が発生している。また、賞球を払い出すモータを駆動したにも拘わらず、1球の賞球も払い出されない場合には、賞球の払出装置に何らかの異常が発生している。このようにカウント異常監視処理(S9)では、スイッチ読込処理(S8)によって読み込まれたスイッチデータに基づいて、上記のような異常の有無を監視している。
図柄カウンタ更新処理(S10)では、LCDディスプレイ3で行われる変動表示の結果、停止表示される図柄を決定するためのカウンタの更新処理が行われる。また、図柄チェック処理(S11)では、図柄カウンタ更新処理(S10)で更新されたカウンタの値に基づいて、特別図柄変動処理(S15)で使用される大当たり図柄や、はずれ図柄、更にはリーチ図柄などが決定される。
S3からS11までの処理において、エラーが発生していなければ(S12:正常)、普通図柄変動処理(S13)によって、7セグメントLED(図示せず)の変動表示を行うと共に、その変動表示の結果、当たりが発生した場合には普通電動役物(図示せず)を所定時間開放する当たり処理を実行する。その後、状態フラグをチェックし(S14)、LCDディスプレイ3において図柄の変動開始または変動表示中であれば(S14:図柄変動中)、特別図柄変動処理(S15)によって、打球が図柄作動口4を通過するタイミングで読み取った乱数カウンタの値に基づいて、大当たりか否かの判定が行われると共に、LCDディスプレイ3において図柄の変動処理を実行する。一方、状態フラグをチェックした結果、大当たり中であれば(S14:大当り中)、大入賞口5を開放するなどの大当たり処理(S16)を実行する。更に、状態フラグをチェックした結果、図柄の変動中でも大当たり中でもなければ(S14:その他)、S15及びS16の処理をスキップして、S17の表示データ作成処理へ移行する。なお、S12の処理において、エラーが確認された場合には(S12:エラー)、S13〜S16の各処理をスキップして、S17の表示データ作成処理へ移行する。
表示データ作成処理(S17)では、図柄の変動表示以外にLCDディスプレイ3に表示されるデモデータや、7セグメントLEDの表示データなどが作成され、ランプ・情報処理(S18)では、保留球のランプデータをはじめ、各種のランプデータが作成される。効果音処理(S19)では、遊技の状況に応じた効果音データが作成される。なお、これらの表示データおよび効果音データは、前記したポート出力処理(S5)やタイマ割込処理によって各装置へ出力される。
効果音処理(S19)の終了後は、次のリセット割込処理が発生するまでの残余時間の間、S10と同一の処理である図柄カウンタ更新処理(S20)が繰り返し実行される。S1〜S19の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するので、次のリセット割込処理が発生するまでの残余時間は、一定の時間ではない。よって、かかる残余時間を使用して図柄カウンタ更新処理(S20)を繰り返し実行することにより、停止図柄をランダムに変更することができる。
図10は、図9におけるリセット割込処理の特別図柄変動処理(S15)内で実行されるコマンド設定処理を示したフローチャートである。このコマンド設定処理は、LCDディスプレイ3の変動表示を制御する制御用コマンドである変動パターン指定コマンド31、停止図柄指定コマンド32、図柄停止コマンド33を、主制御基板Cから表示用制御基板Dへ送信するために、各コマンド31〜33を送信バッファ13aへ書き込む(セットする)ための処理である。
コマンド設定処理では、まず、変動表示の状態が状態チェックフラグによってチェックされる(S31)。チェックの結果、変動表示の開始であれば(S31:変動開始)、変動パターン指定コマンド31を送信バッファ13aへ書き込み(S32)、コマンドカウンタ13bの値を「1」として(S33)、この処理を終了する。送信バッファ13aへ書き込まれた変動パターン指定コマンド31は、前記した通り、S3の処理で設定されるタイマ割込処理によって、1バイトずつ表示用制御基板Dへ送信される。
S31の処理において、状態フラグをチェックした結果、図柄の変動表示中であれば(S31:変動表示中)、コマンドカウンタ13bの値が「9」以下であるか否かを調べる(S34)。コマンドカウンタ13bの値が「9」以下であれば(S34:Yes)、そのコマンドカウンタ13bの値に対応する停止図柄指定コマンド32の1バイト目を送信バッファ13aの上位バイトへ書き込む(S35)。図5(a)に示す対応関係に基づいて、例えば、コマンドカウンタ13bの値が「1」であれば「90H」が、コマンドカウンタ13bの値が「2」であれば「A0H」が、・・・、コマンドカウンタ13bの値が「9」であれば「B2H」が、それぞれ送信バッファ13aの上位バイトへ書き込まれる。
更に、コマンドカウンタ13bの値に対応する停止図柄の図柄コード32bを送信バッファ13aの下位バイトへ書き込む(S36)。例えば、コマンドカウンタ13bの値が「1」であれば図柄1(3a1)の表示領域に停止表示される図柄の図柄コード32bが、コマンドカウンタ13bの値が「2」であれば図柄2(3b1)の表示領域に停止表示される図柄の図柄コード32bが、・・・、コマンドカウンタ13bの値が「9」であれば図柄9(3c3)の表示領域に停止表示される図柄の図柄コード32bが、それぞれ図5(b)に示す対応関係に基づいて、送信バッファ13aの下位バイトへ書き込まれる。ここで、停止図柄として「タコ」の図柄が指定される場合には「10H」の図柄コード32bが、「ハリセンボン」の図柄が指定される場合には「11H」の図柄コード32bが、・・・、「サメ(2)」の図柄が指定される場合には「23H」の図柄コード32bが、それぞれ指定される。
S35およびS36の処理によって、2バイトの停止図柄指定コマンド32を送信バッファ13aへ書き込んだ後は、コマンドカウンタ13bの値を「1」加算して(S37)、この処理を終了する。なお、送信バッファ13aへ書き込まれた停止図柄指定コマンド32は、変動パターン指定コマンド31の場合と同様に、S3の処理で設定されるタイマ割込処理によって、1バイトずつ表示用制御基板Dへ送信される。
一方、コマンドカウンタ13bの値が「10」以上であれば(S34:No)、9つ全ての表示領域3a1〜3c3について停止図柄指定コマンド32を送信したということである。よって、かかる場合には、S35からS37の各処理をスキップして、この処理を終了する。
S31の処理において、状態フラグをチェックした結果、変動表示の終了のタイミングであれば(S31:変動表示終了)、9つの表示領域3a1〜3c3の全図柄を一度に停止表示(確定)させる図柄停止コマンド33(80H,0AH)を送信バッファ13aへ書き込み(S38)、この処理を終了する。送信バッファ13aへ書き込まれた図柄停止コマンド33は、変動パターン指定コマンド31の場合と同様に、S3の処理で設定されるタイマ割込処理により、1バイトずつ表示用制御基板Dへ送信される。この図柄停止コマンド33が表示用制御基板Dへ送信されることにより、変動パターン指定コマンド31によって開始された一連の変動表示が終了する。
なお、図柄停止コマンド33による図柄の停止表示(確定)は、必ずしも、9つすべての図柄を一度に確定させる必要はなく、例えば、9つの図柄をそれぞれ別々に確定させたり、或いは、スクロールが行われる単位、即ち、上段の図柄、中段の図柄、下段の図柄の各単位毎に図柄を確定させるようにしても良い。前者の場合には、図8に示すように「80H,01H」〜「80H,09H」の図柄停止コマンド33が使用され、後者の場合には「80H,0BH」〜「80H,0DH」の図柄停止コマンド33が使用される。
図11は、表示用制御基板Dの受信割込処理で実行されるコマンド受信処理のフローチャートである。このコマンド受信処理は、主制御基板Cから表示用制御基板Dへ制御用コマンドが送信されると実行される。まず、主制御基板Cから送信され表示用制御基板Dで受信した制御用コマンドを受信バッファ23aへ書き込み(S41)、更に、コマンド受信フラグ23bをオンして(S42)、新たな制御用コマンドが受信バッファ23aに記憶されていることを示して、この処理を終了する。
図12は、表示用制御基板Dのメイン処理の中で実行される変動表示処理のフローチャートである。変動表示処理では、主制御基板Cから受信した制御用コマンドに基づいて、変動表示の制御が行われる。
まず、コマンド受信フラグ23bがオンされているか否かを確認する(S51)。コマンド受信フラグ23bがオンされていれば(S51:Yes)、これをオフした後に(S52)、受信バッファ23aの上位バイトに記憶されているデータにより制御用コマンドの種類を確認する(S53)。受信バッファ23aに記憶される制御用コマンドの上位バイトが「C0H」または「C1H」であれば、その制御用コマンドは変動パターン指定コマンド31である。よって、かかる場合には(S53:変動パターン指定コマンド)、全ての停止図柄1〜9メモリ23c〜23kの内容を0クリアし(S54)、上段・中段・下段の各図柄差替フラグ23l〜23nをオフにした後(S55)、その変動パターン指定コマンド31に応じた変動表示をLCDディスプレイ3上で開始する(S56)。
一方、S53の処理において、受信バッファ23aに記憶される制御用コマンドの上位バイトが「90H〜92H」,「A0H〜A2H」または「B0H〜B2H」のいずれかであれば、その制御用コマンドは停止図柄指定コマンド32である。よって、かかる場合には(S53:停止図柄指定コマンド)、その停止図柄指定コマンド32の2バイト目のコマンドである図柄コード32bを対応する停止図柄1〜9メモリ23c〜23kへ書き込む(S57)。図5(a)(b)に示すように、例えば、受信バッファ23aに記憶される停止図柄指定コマンド32が「90H,14H」であれば、「90H」に対応する停止図柄1メモリ23cに、「14H(エビの図柄)」の図柄コード32bが書き込まれる。また、受信バッファ23aに記憶される停止図柄指定コマンド32が「B2H,21H」であれば、「B2H」に対応する停止図柄9メモリ23kに、「21H(貝の図柄)」の図柄コード32bが書き込まれる。
S53の処理において、受信バッファ23aに記憶される制御用コマンドの上位バイトが「80H」であれば、その制御用コマンドは図柄停止コマンド33である。よって、かかる場合には(S53:図柄停止コマンド)、その図柄停止コマンド33で指定された図柄番号32aの表示領域3a1〜3c3の図柄を確定し(S58)、その表示領域3a1〜3c3へ該当する図柄を停止表示する。
例えば、「80H,0AH」の図柄停止コマンド33が受信バッファ23aに記憶されていれば、9つすべての表示領域3a1〜3c3の図柄を一度に確定し、停止表示する。また、「80H,0CH」の図柄停止コマンド33が受信バッファ23aに記憶されていれば、中段の表示領域3bに表示される3つの図柄2,5,8を一度に確定し、停止表示する。
なお、変動表示の終了タイミングの到来前であっても、図柄停止コマンド33を受信した場合には、その図柄停止コマンド33により指示された表示領域3a1〜3c3の変動表示を即座に停止(確定)する。よって、図柄停止コマンド33を受信するタイミングで、変動表示を実際に終了させることができる。
S51の処理においてコマンド受信フラグ23bがオフされている場合や(S51:No)、S56,S57,S58の各処理の実行後は、変動表示の状況に応じて、上段・中段・下段の各図柄差替処理(S59〜S61)、変動表示継続処理(S62)および変動表示の制御のための他の各処理を実行し(S63)、その後、この変動表示処理を終了する。
図13は、図12の変動表示処理の中で実行される上段図柄差替処理のフローチャートである。上段図柄差替処理(S59)は、LCDディスプレイ3の上段の表示領域3aで行われる変動表示が、主制御基板Cから送信された停止図柄指定コマンド32により指定された停止図柄で終了するように、その上段の表示領域3aで変動中の図柄を差し替えるための処理である。この図柄の差し替えは、変動表示が高速に行われている場合に限って行われる。
なお、停止図柄指定コマンド32の送受信時に何らかのエラーが発生して、停止図柄指定コマンド32を表示用制御基板Dで正常に受信できない場合、即ち、停止図柄指定コマンド32により指定されない停止図柄(未指定の停止図柄)や、誤って指定された停止図柄(誤指定の停止図柄)がある場合には、その未指定又は誤指定の停止図柄に対応する正規の停止図柄の図柄コード32bが算出され、その算出された図柄コード32bが未指定又は誤指定の停止図柄の図柄コード32bとして確定され、その確定された図柄コード32bに基づいて図柄の差し替えが行われる。
上段図柄差替処理では、まず、上段図柄差替済フラグ23lによって、既に図柄の差替えが行われたか否かをチェックする(S70)。上段図柄差替済フラグ23lがオンであれば(S70:Yes)、既に、LCDディスプレイ3の上段の表示領域3aで変動表示されている図柄の差し替えは済んでいるので、この場合には、そのまま上段図柄差替処理を終了する。
上段図柄差替済フラグ23lがオフであれば(S70:No)、変動表示の終了時に上段の表示領域3aに停止表示される3つの停止図柄の図柄コード32bを記憶する3つの停止図柄1,4,7メモリ23c,23f,23iのうちに、「0」を記憶するものがあるかどうかを調べる(S71)。「0」を記憶するものがある場合には(S71:Yes)、未だ停止図柄指定コマンド32により指定されていない停止図柄(未指定の停止図柄)が存在するので、さらに、上段図柄の高速変動終了前Xms(ms:ミリ秒)以内かどうかを調べる(S72)。図柄の差し替えは、遊技者に違和感を抱かせることなく行う必要があるので、高速変動の最中に行わなければならない。よって、上段図柄の高速変動終了前Xms以内であれば(S72:Yes)、未指定の停止図柄があっても、後述するS73〜S78およびS83〜S85の各処理によって、強制的に図柄の差し替え処理を実行する。なお、上段図柄の高速変動終了前Xms以内でなければ(S72:No)、そのままこの処理を終了する。
S73の処理では、停止図柄1,4,7メモリ23c,23f,23iのうち「0」を記憶するものが(未指定の停止図柄が)、いくつあるかを調べる(S73)。「0」を記憶するものが2個ある場合には(S73:2個)、「0」以外を記憶する1つの停止図柄メモリの図柄コード32bから、「0」を記憶する2つの停止図柄メモリの図柄コード32bを算出し(S74)、その算出した図柄コード32bを「0」を記憶する2つの停止図柄メモリへそれぞれ書き込んで(S75)、上段の表示領域3a1〜3a3の3つの停止図柄1,4,7メモリ23c,23f,23iの内容を確定する。
ここで、図柄コード32bの算出は、図6(a)に示す上段の仮想図柄リール41の配列に基づいて行われる。例えば、停止図柄1メモリ23cに記憶される図柄コード32bが「16H(ジュゴン)」であれば、その図柄コード32bに基づいて、未指定の停止図柄4メモリ23fの図柄コード32bとして「1EH(貝(6))」が、未指定の停止図柄7メモリ23iの図柄コード32bとして「15H(アンコウ)」が、それぞれ算出される。
S73の処理において、停止図柄1,4,7メモリ23c,23f,23iのうち「0」を記憶するものが1個の場合(S73:1個)、「0」以外を記憶する2つの停止図柄メモリに記憶される図柄コード32bの配列が正しいか否かを調べる(S76)。2つの停止図柄メモリの図柄コード32bの配列が正しければ(S76:Yes)、この2つの図柄コード32bから、「0」を記憶する停止図柄メモリの図柄コード32bを算出し(S77)、その算出した図柄コード32bを、「0」を記憶する停止図柄メモリへ書き込んで(S78)、上段の表示領域3a1〜3a3の3つの停止図柄1,4,7メモリ23c,23f,23iの内容を確定する。なお、図柄コード32bの配列の確認および未指定の図柄コード32bの算出は、図6(a)に示す上段の仮想図柄リール41の配列に基づいて行われる。
一方、S76の処理において、「0」以外を記憶する2つの停止図柄メモリに記憶される図柄コード32bの配列が誤っている場合(誤指定の停止図柄がある場合)(S76:No)、或いは、S73の処理において、停止図柄1,4,7メモリ23c,23f,23iのすべてが「0」を記憶する場合、即ち、停止図柄1,4,7メモリ23c,23f,23iのすべての停止図柄の図柄コード32bが未指定である場合には(S73:3個)、正規の図柄コード32bを算出することができない。よって、これらの場合には、ディフォルト図柄差替処理を実行し(S83)、LCDディスプレイ3の9つの表示領域3a1〜3c3に停止表示される停止図柄を、図7に示すディフォルト図柄に差し替えるのである。なお、ディフォルト図柄差替処理(S83)については後述する。
S71の処理において、いずれの停止図柄1,4,7メモリ23c,23f,23iにも「0」を記憶するものがない場合には(S71:No)、未指定の停止図柄は存在しない。よって、この場合には、図6(a)に示す上段の仮想図柄リール41の配列に基づいて、停止図柄1,4,7メモリ23c,23f,23iに記憶される図柄コード32bの配列が正しいか否かを調べる(S79)。図柄コード32bの配列が正しい場合には(S79:Yes)、上段の3つの表示領域3a1〜3a3に対する3つの停止図柄指定コマンド32がすべて正常に受信されているので、かかる場合には処理をS84へ移行する。
一方、停止図柄1,4,7メモリ23c,23f,23iに記憶される図柄コード32bの配列が誤っている場合には(S79:No)、停止図柄1,4,7メモリ23c,23f,23iに記憶される3つの図柄コード32bのうち、いずれか2つの図柄コード32bの配列が正しいかどうかを調べる(S80)。2つの図柄コード32bの配列が正しければ(S80:Yes)、その配列の正しい2つの図柄コード32bから、残りの1つの誤指定の図柄コード32bを算出し(S81)、算出した図柄コード32bを対応する停止図柄メモリへ書き込んで(S82)、上段の表示領域3a1〜3a3の3つの停止図柄1,4,7メモリ23c,23f,23iの内容を確定する。
S80の処理において、停止図柄1,4,7メモリ23c,23f,23iに記憶される3つの図柄コード32bのうち、いずれの2つの図柄コード32bの配列も誤っていれば(誤指定の停止図柄が2以上あれば)(S80:No)、正規の図柄コード32bを算出することができない。よって、かかる場合には、ディフォルト図柄差替処理を実行し(S83)、LCDディスプレイ3の9つの表示領域3a1〜3c3に停止表示される停止図柄を、図7に示すディフォルト図柄に差し替えるのである。なお、ディフォルト図柄差替処理(S83)については後述する。
S84の処理では、正常に受信された停止図柄指定コマンド32により指定された停止図柄の図柄コード32bに基づいて(S79:Yes)、或いは、S75,S78,S82の各処理により、停止図柄1,4,7メモリ23c,23f,23iに書き込まれた図柄コード32bに基づいて、変動中の上段の図柄を差し替える(S84)。上段の図柄の差し替え後は、上段図柄差替済フラグ23lをオンして(S85)、この上段図柄差替処理を終了する。
中段図柄差替処理(S60)は、上記した上段図柄差替処理(S59)に対して、停止図柄1,4,7メモリ23c,23f,23iが停止図柄2,5,8メモリ23d,23g,23jに、上段図柄差替済フラグ23lが中段図柄差替済フラグ23mに、図柄コード32bの算出時などに参照される上段の仮想図柄リール41が中段の仮想図柄リール42(図6(b)参照)に、それぞれ変更される点を除いて同様であるので、その説明は省略する。また、下段図柄差替処理(S61)も、上記した上段図柄差替処理(S59)に対して、停止図柄1,4,7メモリ23c,23f,23iが停止図柄3,6,9メモリ23e,23h,23kに、上段図柄差替済フラグ23lが下段図柄差替済フラグ23nに、図柄コード32bの算出時などに参照される上段の仮想図柄リール41が下段の仮想図柄リール43(図6(c)参照)に、それぞれ変更される点を除いて同様であるので、その説明は省略する。
なお、上段・中段・下段のいずれかの図柄差替処理(S59〜S61)で、ディフォルト図柄差替処理(S83)が実行された場合には、全ての段の図柄がディフォルト図柄に差し替えられ、全ての図柄の差し替えが終了する。
図14は、上段・中段・下段の各図柄差替処理(S59〜S61)の中で実行されるディフォルト図柄差替処理のフローチャートである。このディフォルト図柄差替処理は(S83)、停止図柄メモリに記憶されている図柄コード32bから、停止図柄指定コマンド32による未指定又は誤指定の停止図柄の図柄コード32bを算出できない場合に実行される処理である。
ディフォルト図柄差替処理では、まず、上段の表示領域3aについて図柄の差し替えが行われ(S100)、次に、中段の表示領域3bについて(S110)、最後に、下段の表示領域3cについて(S120)、それぞれ図柄の差し替えが行われる。
上段の表示領域3aについての図柄の差し替えでは(S100)、図7に示すディフォルト図柄に基づいて、まず、停止図柄1メモリ23cへ「貝(3)」の図柄コード32b「1BH」を書き込み(S101)、ついで停止図柄4メモリ23fへ「カメ」の図柄コード32b「12H」を書き込み(S102)、更に停止図柄7メモリ23iへ「貝(2)」の図柄コード32b「1AH」を書き込む(S103)。その後、S101からS103の各処理によって書き込んだ停止図柄1,4,7メモリ23c,23f,23iの内容に応じて変動中の上段の図柄を差し替え(S104)、上段図柄差替済フラグ23lをオンする(S105)。
中段の表示領域3bについての図柄の差し替えでは(S110)、同様に図7に示すディフォルト図柄に基づいて、まず、停止図柄2メモリ23dへ「貝(3)」の図柄コード32b「1BH」を書き込み(S111)、停止図柄5メモリ23gへ「サメ(1)」の図柄コード32b「13H」を書き込み(S112)、停止図柄8メモリ23jへ「貝(4)」の図柄コード32b「1CH」を書き込む(S113)。その後、S111からS113の各処理によって書き込んだ停止図柄2,5,8メモリ23d,23g,23jの内容に応じて変動中の中段の図柄を差し替え(S114)、中段図柄差替済フラグ23mをオンする(S115)。
下段の表示領域3cについての図柄の差し替えでは(S120)、まず、停止図柄3メモリ23eへ「貝(9)」の図柄コード32b「21H」を書き込み(S121)、停止図柄6メモリ23hへ「タコ」の図柄コード32b「10H」を書き込み(S122)、停止図柄9メモリ23kへ「貝(1)」の図柄コード32b「19H」を書き込む(S123)。その後、S121からS123の各処理によって書き込んだ停止図柄3,6,9メモリ23e,23h,23kの内容に応じて変動中の下段の図柄を差し替え(S124)、下段図柄差替済フラグ23nをオンする(S125)。このディフォルト図柄差替処理により、LCDディスプレイ3の上段・中段・下段の各表示領域3a〜3cについての図柄の差し替えがすべて終了する。
図15は、図12に示す変動表示処理の中で実行される変動表示継続処理のフローチャートである。変動表示継続処理は(S62)、変動表示の終了タイミングが到来したにも拘わらず、表示用制御基板Dで図柄停止コマンド33を受信できない場合に、その図柄停止コマンド33を受信するまでの間、停止図柄指定コマンド32により指定されている停止図柄を行きつ戻りつさせた移動表示を行って、変動表示を継続させる処理である。この変動表示継続処理による変動表示の継続は、上段の表示領域3a,中段の表示領域3b,下段の表示領域3cについて、それぞれ別々に行われる。
変動表示継続処理では、まず、上段の表示領域3aについて、変動表示の継続処理が行われる(S160)。上段の表示領域3a1〜3a3について、変動表示の終了タイミングが到来したにも拘わらず(S161:Yes)、変動表示が終了していなければ(S162:No)、その上段の表示領域3a1〜3a3に停止表示されるはずの停止図柄、即ち、停止図柄指定コマンド32によって指定された停止図柄を、図柄の変動方向(図柄のスクロール方向、即ち、図3の矢印A方向及び反矢印A方向)に対して行きつ戻りつさせた移動表示を、上段の表示領域3a1〜3a3において行う(S163)。
ここで、図13に示す上段図柄差替処理(S59)により、変動パターン指定コマンド31で指定された変動表示の終了のタイミングでは、停止図柄指定コマンド32により指定された停止図柄は、その停止図柄が停止表示されるべき表示領域3a1〜3a3に表示されるように、高速変動中に図柄の差し替えが行われている。よって、かかる移動表示への移行を違和感無くスムースに行うことができる。
一方、上段の表示領域3a1〜3a3について、変動表示の終了タイミングが到来していなかったり(S161:No)、或いは、変動表示の終了タイミングが到来していても(S161:Yes)、既に変動表示が終了していれば(S162:Yes)、S163の処理をスキップする。
次に、中段の表示領域3bについて、変動表示の継続処理が行われる(S170)。中段の表示領域3b1〜3b3について、変動表示の終了タイミングが到来したにも拘わらず(S171:Yes)、変動表示が終了していなければ(S172:No)、その中段の表示領域3b1〜3b3に停止表示されるはずの停止図柄、即ち、停止図柄指定コマンド32によって指定された停止図柄を、図柄の変動方向(図柄のスクロール方向、即ち、図3の矢印A方向及び反矢印A方向)に対して行きつ戻りつさせた移動表示を、中段の表示領域3b1〜3b3において行う(S173)。
一方、中段の表示領域3b1〜3b3について、変動表示の終了タイミングが到来していなかったり(S171:No)、或いは、変動表示の終了タイミングが到来していても(S171:Yes)、既に変動表示が終了していれば(S172:Yes)、S173の処理をスキップする。
更に、下段の表示領域3cについて、変動表示の継続処理が行われる(S180)。下段の表示領域3c1〜3c3について、変動表示の終了タイミングが到来したにも拘わらず(S181:Yes)、変動表示が終了していなければ(S182:No)、その下段の表示領域3c1〜3c3に停止表示されるはずの停止図柄、即ち、停止図柄指定コマンド32によって指定された停止図柄を、図柄の変動方向(図柄のスクロール方向、即ち、図3の矢印A方向及び反矢印A方向)に対して行きつ戻りつさせた移動表示を、下段の表示領域3c1〜3c3において行う(S183)。
一方、下段の表示領域3c1〜3c3について、変動表示の終了タイミングが到来していなかったり(S181:No)、或いは、変動表示の終了タイミングが到来していても(S181:Yes)、既に変動表示が終了していれば(S182:Yes)、S183の処理をスキップする。
図16は、中段の表示領域3b1〜3b3においてのみ停止図柄を行きつ戻りつさせた移動表示が行われている状態を示した図である。即ち、上段及び下段の表示領域3a1〜3a3,3c1〜3c3については変動表示が終了しており、中段の表示領域3b1〜3b3については、変動表示の終了タイミングが到来したにも拘わらず、表示用制御基板Dが図柄停止コマンド33を受信できないために、その中段の表示領域3b1〜3b3においてのみ移動表示が行われている状態を示した図である。
移動表示は、まず、図16(a)に示すように、図柄のスクロール方向に若干行き過ぎた状態まで行われ、次に、図16(b)に示すように、本来の停止表示の位置へ戻される。更に、図16(c)に示すように、図柄のスクロール方向とは反対方向へ若干行き過ぎた状態まで行われ、また、図16(b)に示すように、本来の停止表示の位置へ戻される。即ち、図16の(a),(b),(c),(b),(a),・・・の順にスムースに移動しつつ行われる。
このように移動表示が行われている間は、常に、停止図柄が該当する表示領域3a1〜3c3の付近に表示されている。よって、図柄停止コマンド33を受信することにより、即座に、移動表示を止めて、停止図柄を該当する表示領域3a1〜3c3に停止表示させても、遊技者には図柄がスムースに移動したように見えるので、移動表示から停止表示へ違和感無く移行することができるのである。
次に、図17及び図18のタイミングチャートを参照して、上述の説明に基づく変動表示のタイミングについて説明する。まず、図17を参照して、9つ全ての図柄を一度に停止表示(確定)させる場合のタイミングについて説明する。主制御基板Cから表示用制御基板Dへ変動パターン指定コマンド31が送信されると、図柄1(3a1)〜図柄9(3c3)の全ての図柄について変動表示が開始される。この変動パターン指定コマンド31に続いて、高速変動の最中に、停止図柄指定コマンド32が9つの表示領域3a1〜3c3に対して順に送信される。停止図柄指定コマンド32が表示用制御基板Dによって受信されると、その停止図柄指定コマンド32により指定される停止図柄に合わせて、高速変動中に図柄の差し替えが行われる。
その後、変動パターン指定コマンド31で指定された変動パターンで、表示用制御基板Dによって変動表示が継続され、変動表示の終了タイミングで、主制御基板Cから表示用制御基板Dへ、9つの全図柄を一度に停止表示(確定)させる図柄停止コマンド33(80H,0AH(図8参照))が送信される。この図柄停止コマンド33が表示用制御基板Dにより受信されると、変動パターン指定コマンド31によって開始された一連の変動表示が終了する。変動表示の終了後は、所定時間の経過により、各表示領域3a1〜3c3に停止表示されている停止図柄指定コマンド32で指定した停止図柄の表示が別の表示に切り替えられる。
なお、前記した通り、変動表示の終了タイミングが到来しても、表示用制御基板Dが図柄停止コマンド33を受信できない場合には、その図柄停止コマンド33を受信するまでの間、停止図柄指定コマンド32により指定された停止図柄を、図柄の変動方向(図柄のスクロール方向、即ち、図3の矢印A及び反矢印A方向)に対して、行きつ戻りつさせた移動表示を継続する(図16参照)。
逆に、変動表示の終了タイミングが到来する前に、表示用制御基板Dが図柄停止コマンド33を受信した場合には、変動パターン指定コマンド31で指定された変動表示の終了タイミングが到来していなくても、停止図柄指定コマンド32により指定された停止図柄を、指定された表示領域3a1〜3c3へ、即座に、停止表示する。かかる制御により、図柄停止コマンド33の送信(受信)タイミングに合わせて、変動表示を終了させることができるのである。
次に、図18のタイミングチャートを参照して、上段、下段、中段の順に、9つの図柄を3図柄ずつ停止表示(確定)させる場合のタイミングについて説明する。停止図柄指定コマンド32の送信までは、図17のタイミングと同様に行われ、高速変動中に図柄の差し替えが行われる。
変動表示終了のタイミングで、主制御基板Cから表示用制御基板Dへ、まず、上段の表示領域3aに表示される図柄を停止表示(確定)させる図柄停止コマンド33が送信される(80H,0BH(図8参照))。この図柄停止コマンド33が表示用制御基板Dにより受信されると、上段の図柄1,4,7が停止表示(確定)する(図3参照)。次に、下段の表示領域3cに表示される図柄を停止表示(確定)させる図柄停止コマンド33が送信され(80H,0DH(図8参照))、下段の図柄3,6,9が停止表示(確定)する(図3参照)。更に、中段の表示領域3bに表示される図柄を停止表示(確定)させる図柄停止コマンド33が送信され(80H,0CH(図8参照))、中段の図柄2,5,8が確定する(図3参照)。以上3つの図柄停止コマンド33により、変動パターン指定コマンド31によって開始された一連の変動表示が終了する。
このように図柄のスクロール方向に合わせて、上段、下段、中段の順に図柄を停止表示(確定)させることにより、制御によって表示上に表される仮想図柄リール41〜43を、実際の図柄リールのように表現することができる。なお、図柄のスクロール方向が縦方向の場合には、図柄の停止表示(確定)は、例えば、左、右、中の順に行われる。
以上説明したように、本実施例のパチンコ機Pによれば、変動パターン指定コマンド31によって一連の変動パターンを一度に指定することができるので、変動表示の状態が変化する各ポイント毎に主制御基板Cから制御用コマンドを送信する必要がない。よって、主制御基板Cによる変動表示の制御負担を軽減することができると共に、変動表示の制御のために主制御基板Cに搭載されるプログラム容量やデータ容量を減少させて、主制御基板Cのプログラム開発を容易にすることができる。
また、表示用制御基板D側で、変動パターン指定コマンド31に対応する変動表示の制御を変更すれば、主制御基板Cのプログラムをそのままにして変動パターンを変更することができる。よって、主制御基板Cを共通化しつつ、単に表示用制御基板Dを取り替えるだけで、LCDディスプレイ3上に異なった変動表示を行わせることができる。
次に、図19から図21を参照して第2実施例について説明する。第2実施例では、前記した第1実施例に対して、次の2点が変更されている。
第1に、制御用コマンドの中に「変動開始コマンド30」を新たに加えて、この変動開始コマンド30により変動表示を開始させ、変動パターン指定コマンド31では変動表示の変動パターンのみを指定するように構成している。かかる変動開始コマンド30は「D0H,01H」で構成される。
第2に、停止図柄指定コマンド32を上段の表示領域3a(図柄1,4,7)、中段の表示領域3b(図柄2,5,8)、下段の表示領域3c(図柄3,6,9)の順に送信するように構成して、図柄の差し替え処理の実行タイミングを分散し、処理の効率を向上させている。図柄の差し替えは、上段・中段・下段の各表示領域3a〜3cの単位で行われるので、各表示領域3a〜3cについて、その段の停止図柄がすべて指定されなければ行うことはできない。即ち、第1実施例のように、停止図柄指定コマンド32により停止図柄を図柄1(3a1)、図柄2(3b1)、・・・、図柄9(3c3)の順に送信すると、表示用制御基板Dでは、主制御基板Cから7番目に送信される図柄7(3a3)の停止図柄を受信して上段の表示領域3aの図柄の差し替えを行い、8番目に送信される図柄8(3b3)の停止図柄を受信して中段の表示領域3bの図柄の差し替えを行い、9番目に送信される図柄9(3c3)の停止図柄を受信して下段の表示領域3cの図柄の差し替えを行う。よって、図柄の差し替え処理を短い間隔に連続して行うことになり、その間の制御負担が大きくなって処理の効率が悪い。そこで、第2実施例では、停止図柄指定コマンド32を、LCDディスプレイ3の上段の表示領域3a(図柄1,4,7)、中段の表示領域3b(図柄2,5,8)、下段の表示領域3c(図柄3,6,9)の順に送信するように構成している。
なお、他の部分は前記した第1実施例と同様であるので、第1実施例と同一の部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図19は、図9におけるリセット割込処理の特別図柄変動処理(S15)内で実行される第2実施例のコマンド設定処理を示したフローチャートである。このコマンド設定処理は、LCDディスプレイ3の変動表示を制御する制御用コマンドである変動開始コマンド30、変動パターン指定コマンド31、停止図柄指定コマンド32、図柄停止コマンド33を、主制御基板Cから表示用制御基板Dへ送信するために、各コマンド30〜33を送信バッファ13aへ書き込む(セットする)ための処理である。
コマンド設定処理では、まず、変動表示の状態が状態チェックフラグによってチェックされる(S130)。チェックの結果、変動表示の開始であれば(S130:変動開始)、変動開始コマンド30を送信バッファ13aへ書き込み(S131)、コマンドカウンタ13bの値を「0」として(S132)、この処理を終了する。送信バッファ13aへ書き込まれた変動開始コマンド30は、図9のS3の処理で設定されるタイマ割込処理によって、1バイトずつ表示用制御基板Dへ送信される。
S130の処理において、状態フラグをチェックした結果、図柄の変動表示中であれば(S130:変動表示中)、コマンドカウンタ13bの値が「0」である否かを調べる(S133)。コマンドカウンタ13bの値が「0」であれば(S133:Yes)、変動表示の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド31を送信バッファ13aへ書き込み(S134)、コマンドカウンタ13bの値を「1」として(S135)、この処理を終了する。送信バッファ13aへ書き込まれた変動パターン指定コマンド31は、図9のS3の処理で設定されるタイマ割込処理によって、1バイトずつ表示用制御基板Dへ送信される。
S133の処理において、コマンドカウンタ13bの値が「0」でなければ(S133:No)、更に、コマンドカウンタ13bの値が「9」以下である否かを調べる(S136)。コマンドカウンタ13bの値が「9」以下であれば(S136:Yes)、そのコマンドカウンタ13bの値に対応する停止図柄指定コマンド32の1バイト目を送信バッファ13aの上位バイトへ書き込み(S137)、コマンドカウンタ13bの値に対応する停止図柄の図柄コード32bを送信バッファ13aの下位バイトへ書き込んで(S138)、表示用制御基板Dへ送信する停止図柄指定コマンド32をセットする。
その後は、コマンドカウンタ13bの値に「3」を加算し(S139)、加算後の値が「9」以下であれば(S140:Yes)、この処理を終了する。一方、加算後の値が「9」以下でなければ(S140:No)、更にその加算後の値が「11」以下であるか否かを調べる(S141)。S139の処理による加算後の値が「11」以下であれば(S141:Yes)、コマンドカウンタ13bの値から「8」を減算して(S142)、この処理を終了する。一方、S139の処理による加算後の値が「11」以下でなければ(S141:No)、そのまま、この処理を終了する。
なお、S141の処理でNoに分岐される場合のコマンドカウンタ13bの値は「12」である。よって、かかる場合には、次回以降のコマンド設定処理において、図柄の変動表示が継続される間、S130:変動表示中,S133:No,S136:Noの分岐を経由して、このコマンド設定処理を終了する。
S136からS142の各処理により、停止図柄指定コマンド32は、図柄1(3a1)、図柄4(3a2)、図柄7(3a3)、図柄2(3b1)、図柄5(3b2)、・・・、図柄9(3c3)の順に送信バッファ13aへセットされ、図9のS3の処理で設定されるタイマ割込処理によって、1バイトずつ表示用制御基板Dへ送信される。停止図柄指定コマンド32の送信後は、変動表示されている図柄の確定タイミング(停止表示のタイミング)が到来するまで制御用コマンドの送信を待機する。
S130の処理において、状態フラグをチェックした結果、上段の3つの図柄1,4,7(3a)の確定タイミングであれば(S130:上段図柄停止)、その3つの図柄1,4,7を一度に確定させる図柄停止コマンド33(80H,0BH)を送信バッファ13aへ書き込み(S143)、この処理を終了する。また、下段の3つの図柄3,6,9(3c)の確定タイミングであれば(S130:下段図柄停止)、その3つの図柄3,6,9を一度に確定させる図柄停止コマンド33(80H,0DH)を送信バッファ13aへ書き込み(S144)、この処理を終了する。更に、中段の3つの図柄2,5,8(3b)の確定タイミングであれば(S130:中段図柄停止)、その3つの図柄2,5,8を一度に確定させる図柄停止コマンド33(80H,0CH)を送信バッファ13aへ書き込み(S145)、この処理を終了する。
送信バッファ13aへ書き込まれた図柄停止コマンド33は、変動開始コマンド30の場合と同様に、S3の処理で設定されるタイマ割込処理により、1バイトずつ表示用制御基板Dへ送信される。3つ目の図柄停止コマンド33が表示用制御基板Dへ送信されることにより、変動開始コマンド30によって開始された一連の変動表示が終了する。なお、図柄停止コマンド33による図柄の停止表示(確定)では、9つすべての図柄を一度に確定させたり、或いは、9つの図柄をそれぞれ別々に確定させるようにしても良い。
図20は、表示用制御基板Dのメイン処理の中で実行される第2実施例の変動表示処理のフローチャートである。変動表示処理では、主制御基板Cから受信した制御用コマンドに基づいて、変動表示の制御が行われる。なお、図20のステップ符号のうち、第1実施例の変動表示処理を示した図12のステップ符号と同一の符号が付されているステップについては、図12の場合と同一内容であるので、その説明を省略する。
S53の処理において、受信バッファ23aに記憶される制御用コマンドの上位バイトが「D0H」であれば、その制御用コマンドは変動開始コマンド30である。よって、かかる場合には(S53:変動開始コマンド)、全ての停止図柄1〜9メモリ23c〜23kの内容を0クリアし(S151)、上段・中段・下段の各図柄差替フラグ23l〜23nをオフにした後(S152)、LCDディスプレイ3上で変動表示を開始する(S153)。
S53の処理において、受信バッファ23aに記憶される制御用コマンドの上位バイトが「C0H」または「C1H」であれば、その制御用コマンドは変動パターン指定コマンド31である。よって、かかる場合には(S53:変動パターン指定コマンド)、その変動パターン指定コマンド31によって指定された変動表示のパターンを設定する(S154)。
S53の処理において、受信バッファ23aに記憶される制御用コマンドの上位バイトが「90H〜92H」,「A0H〜A2H」または「B0H〜B2H」のいずれかであれば、その制御用コマンドは停止図柄指定コマンド32である。よって、かかる場合には(S53:停止図柄指定コマンド)、その停止図柄指定コマンド32の2バイト目のコマンドである図柄コード32bを対応する停止図柄1〜9メモリ23c〜23kへ書き込む(S155)。
前記した通り、停止図柄指定コマンド32は、LCDディスプレイ3の上段の表示領域3aに対応する図柄1,4,7、中段の表示領域3bに対応する図柄2,5,8、下段の表示領域3cに対応する図柄3,6,9の順に送信されるので、上段・中段・下段の各図柄差替処理(S59〜S61)によって、図柄の差し替えが効率よく行われる。また、変動表示の終了タイミングが到来しても、表示用制御基板Dが図柄停止コマンド33を受信することができない場合には、その図柄停止コマンド33を受信するまでの間、変動表示継続処理(S62)によって、停止図柄を行きつ戻りつさせた移動表示が継続される(図16参照)。
S53の処理において、受信バッファ23aに記憶される制御用コマンドの上位バイトが「80H」であれば、その制御用コマンドは図柄停止コマンド33である。よって、かかる場合には(S53:図柄停止コマンド)、その図柄停止コマンド33で指定される図柄番号32aの表示領域3a1〜3c3の図柄を確定し(S156)、その表示領域3a1〜3c3に該当する図柄を停止表示する。すべての表示領域3a1〜3c3の図柄を確定すると、変動表示処理が終了する。
なお、変動表示の終了タイミングの到来前に、図柄停止コマンド33を受信した場合には、その図柄停止コマンド33により指示された表示領域3a1〜3c3の変動表示を即座に停止(確定)する。よって、図柄停止コマンド33を受信するタイミングで、変動表示を実際に終了させることができる。
次に、図21のタイミングチャートを参照して、上述の説明に基づく第2実施例の変動表示のタイミングについて説明する。主制御基板Cから表示用制御基板Dへ変動開始コマンド30が送信されると、図柄1(3a1)〜図柄9(3c3)の全ての図柄について変動表示が開始される。この変動開始コマンド30に続いて、変動パターン指定コマンド31が送信され、更に、LCDディスプレイ3の9つの表示領域3a1〜3c3に対して、停止図柄指定コマンド32が、図柄1(3a1)、図柄4(3a2)、図柄7(3a3)、図柄2(3b1)、図柄5(3b2)、・・・、図柄9(3c3)の順に送信される。
図柄1(3a1)、図柄4(3a2)、図柄7(3a3)の停止図柄指定コマンド32が受信された段階で、上段の表示領域3aについて図柄の差し替えが行われる。次に、図柄2(3b1)、図柄5(3b2)、図柄8(3b3)の停止図柄指定コマンド32が受信された段階で、中段の表示領域3bについて図柄の差し替えが行われる。更に、図柄3(3c1)、図柄6(3c2)、図柄9(3c3)の停止図柄指定コマンド32が受信された段階で、下段の表示領域3cについて図柄の差し替えが行われる。図柄の差し替え後は、変動パターン指定コマンド31で指定された変動パターンに基づいて変動表示が行われる。
かかる変動表示の終了のタイミングで、主制御基板Cから表示用制御基板Dへ、まず、上段の表示領域3aに表示される図柄を停止表示(確定)させる図柄停止コマンド33が送信される(80H,0BH(図8参照))。この図柄停止コマンド33が表示用制御基板Dにより受信されると、上段の図柄1,4,7が停止表示(確定)される(図3参照)。次に、下段の表示領域3cに表示される図柄を停止表示(確定)させる図柄停止コマンド33が送信され(80H,0DH(図8参照))、下段の図柄3,6,9が停止表示(確定)される(図3参照)。更に、中段の表示領域3bに表示される図柄を停止表示(確定)させる図柄停止コマンド33が送信され(80H,0CH(図8参照))、中段の図柄2,5,8が停止表示(確定)される(図3参照)。以上3つの図柄停止コマンド33により、変動開始コマンド30によって開始された一連の変動表示が終了する。変動表示の終了後は、所定時間の経過により、各表示領域3a1〜3c3に停止表示されている停止図柄指定コマンド32で指定した停止図柄の表示が別の表示に切り替えられる。
なお、この第2実施例において、変動パターン指定コマンド31を停止図柄指定コマンド32の送信後に主制御基板Cから送信したり、或いは、変動パターン指定コマンド31をいくつかの停止図柄指定コマンド32の送信後に送信するようにしても良い。
次に、図22を参照して第3実施例について説明する。前記した第1実施例では、未指定又は誤指定の停止図柄がある場合、正常に受信された停止図柄の図柄コード32bから未指定又は誤指定の停止図柄の図柄コード32bを算出する一方、かかる算出が不可能な場合に限って、すべての停止図柄を図7に示すディフォルト図柄に変更した。これに対し、第3実施例では、正常に受信された停止図柄の図柄コード32bから未指定又は誤指定の停止図柄の図柄コード32bを算出することはせずに、未指定又は誤指定の停止図柄がある場合には、その未指定又は誤指定の停止図柄のみをディフォルト図柄に変更している。
また、第1実施例のディフォルト図柄としては、すべて仮想図柄リール41〜43上の図柄、即ち、通常の図柄が用いられたが、第3実施例のディフォルト図柄としては、仮想図柄リール41〜43上にない図柄が用いられる。具体的には、第3実施例では、未指定の停止図柄に対しては図柄コード32bが「30H」の無図柄(絵柄の無いもの、即ち、ブランク表示)が、誤指定の停止図柄に対しては図柄コード32bが「31H」の「?」マークの図柄が、それぞれディフォルト図柄として使用される。
なお、未指定の停止図柄のディフォルト図柄と、誤指定の停止図柄のディフォルト図柄とを、同様の図柄で構成しても良い。例えば、未指定および誤指定の停止図柄のディフォルト図柄として、図柄コード32bが「30H」の無図柄(絵柄の無いもの、即ち、ブランク表示)や、図柄コード32bが「31H」の「?」マークの図柄を用いるようにしても良いのである。
このように、ディフォルト図柄を仮想図柄リール41〜43上にある通常の図柄とは異なった図柄で構成することにより、停止図柄指定コマンド32の送受信時に何らかのエラーが発生して未指定又は誤指定の停止図柄が生じると、かかる通常の図柄とは異なった図柄がLCDディスプレイ3に表示される。よって、LCDディスプレイ3の表示を確認するだけで、何らかのエラーが発生したことを容易に認識することができるのである。なお、その他の部分は前記した第1実施例と同様であるので、第1実施例と同一の部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図22は、図12の変動表示処理の中で実行される第3実施例の上段図柄差替処理のフローチャートである。上段図柄差替処理(S59)は、LCDディスプレイ3の上段の表示領域3aで行われる変動表示が、主制御基板Cから送信された停止図柄指定コマンド32により指定された停止図柄で終了するように、その上段の表示領域3aで変動中の図柄を差し替えるための処理である。この図柄の差し替えは、変動表示が高速に行われている場合に限って行われる。
上段図柄差替済フラグ23lがオフで(S70:No)、3つの停止図柄1,4,7メモリ23c,23f,23iのうちに「0」を記憶するものが1つでもあり(S71:Yes)、且つ、上段図柄の高速変動終了前Xms以内であれば(S72:Yes)、停止図柄1,4,7メモリ23c,23f,23iのうち「0」を記憶するメモリへ、未指定の停止図柄であることを示す「無図柄(ブランク図柄)」のディフォルト図柄の図柄コード32b「30H」を書き込み(S161)、上段の表示領域3a1〜3a3の3つの停止図柄1,4,7メモリ23c,23f,23iの内容を確定する。図柄の差し替えは高速変動中に行わなければならないので、上段図柄の高速変動終了前Xms以内であれば、停止図柄指定コマンド32が主制御基板Cから送信されるのを、これ以上待たずに、未指定の停止図柄をディフォルト図柄に置き換えるのである。
一方、S71の処理において、いずれの停止図柄1,4,7メモリ23c,23f,23iにも「0」を記憶するものがない場合には(S71:No)、未指定の停止図柄は存在しない。よって、この場合には、図6(a)に示す上段の仮想図柄リール41の配列に基づいて、停止図柄1,4,7メモリ23c,23f,23iに記憶される図柄コード32bの配列が正しいか否かを調べ(S79)、その配列が誤っている場合には(S79:No)、停止図柄1,4,7メモリ23c,23f,23iに記憶される3つの図柄コード32bのうち、いずれか2つの図柄コード32bの配列が正しいかどうかを調べる(S80)。
2つの図柄コード32bの配列が正しければ(S80:Yes)、その2つの図柄コード32bは正規の図柄コード32bであると判断できるので、配列が誤っている図柄コード32bを記憶する残りの1つの停止図柄メモリへ、誤指定であることを示す「?」マークのディフォルト図柄の図柄コード32b「31H」を書き込み(S163)、上段の表示領域3a1〜3a3の3つの停止図柄1,4,7メモリ23c,23f,23iの内容を確定する。
また、S80の処理において、停止図柄1,4,7メモリ23c,23f,23iに記憶される3つの図柄コード32bのうち、いずれの2つの図柄コード32bの配列も誤っていれば(誤指定の停止図柄が2以上あれば)(S80:No)、どれが正規の図柄コード32bであるか判断できないので、かかる場合には、すべての停止図柄1,4,7メモリ23c,23f,23iへ、誤指定であることを示す「?」マークのディフォルト図柄の図柄コード32b「31H」を書き込み(S162)、上段の表示領域3a1〜3a3の3つの停止図柄1,4,7メモリ23c,23f,23iの内容を確定する。
上段の表示領域3a1〜3a3の3つの停止図柄1,4,7メモリ23c,23f,23iの内容を確定した後は、その停止図柄1,4,7メモリ23c,23f,23iの内容に基づいて、変動中の上段の図柄を差し替え(S84)、上段図柄差替済フラグ23lをオンして(S85)、この上段図柄差替処理を終了する。
なお、第3実施例の中段図柄差替処理(S60)は、上記した第3実施例の上段図柄差替処理(S59)に対して、停止図柄1,4,7メモリ23c,23f,23iが停止図柄2,5,8メモリ23d,23g,23jに、上段図柄差替済フラグ23lが中段図柄差替済フラグ23mに、それぞれ変更される点を除いて同様であるので、その説明は省略する。また、第3実施例の下段図柄差替処理(S61)も、上記した第3実施例の上段図柄差替処理(S59)に対して、停止図柄1,4,7メモリ23c,23f,23iが停止図柄3,6,9メモリ23e,23h,23kに、それぞれ変更される点を除いて同様であるので、その説明は省略する。図22を参照すれば明確であるように、第3実施例では、ディフォルト図柄差替処理(S83)は存在しない。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施例では、本発明の制御用コマンドを主制御基板Cから変動表示の制御を行う表示用制御基板Dへ直接送信した。しかし、これに代えて、主制御基板Cから一旦、表示用制御基板D以外の他のサブ基板へ制御用コマンドを送信し、そのサブ基板から表示用制御基板Dへ制御用コマンドを送信して変動表示を制御したり、或いは、そのサブ基板によって制御用コマンドを変動表示が変化するポイント毎に詳細に展開し、その展開されたコマンドをサブ基板から表示用制御基板Dへ送信して、変動表示を制御するようにしても良い。なお、後者の構成にすれば、主制御基板Cおよび表示用制御基板Dでの変動表示の制御負担を軽減することができる。
また、本発明の制御用コマンドは、LCDディスプレイ3の変動表示の制御のために用いられたが、かかる制御用コマンド又はそのコマンド体系を用いて、効果音を発する効果音基板や、各種のランプを点滅させるランプ基板を制御するようにしても良い。
以下に本発明の変形例を示す。請求項1記載の遊技機の制御装置において、前記表示装置の各行(又は各列)には前記変動表示の終了時にそれぞれ複数の図柄が停止表示されると共に、前記図柄停止コマンドは、それら複数の図柄を一度に停止表示させることを特徴とする遊技機の制御装置1。
請求項1記載の遊技機の制御装置、または、遊技機の制御装置1において、前記変動表示を開始させる変動表示開始コマンドを前記制御用コマンドの一種として備えていることを特徴とする遊技機の制御装置2。
請求項1記載の遊技機の制御装置、または、遊技機の制御装置1若しくは2において、前記制御用コマンドを前記主制御基板から一方向にのみ送信する一方向手段を備えていることを特徴とする遊技機の制御装置3。
請求項1記載の遊技機の制御装置、又は、遊技機の制御装置1から3のいずれかにおいて、前記主制御基板から送信される制御用コマンドは、前記表示用制御基板へ直接送信されることを特徴とする遊技機の制御装置4。