JP2010011290A - 信号伝達用ボード - Google Patents

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Abstract

【課題】近傍に設置された通信装置と電磁波の変化により信号を伝達することができるボードにおいて、通信性能を低下させることなく、美観の向上を図る。
【解決手段】電磁波を伝える導波層10を有し、近傍に設置された通信装置と導波層10との間で、電磁波の変化により信号を伝達することができるボードであって、導波層10は、シート状の絶縁体層13を、表側に配置されたメッシュシート状の金属製の第1導電体層11と、裏側に配置されたシート状またはメッシュシート状の金属製の第2導電体層12とで挟んで構成されている。そして、第1導電体層11の表側には、着色剤を含む塗装層17が、導波層10の通信を可能とし且つ第1導電体層10の光沢を抑制してぼかした外観を呈するように形成され、第1導電体層10が塗装等17の上から見えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、通信装置と、電磁波の変化により信号を伝達することができる信号伝達用ボードであって、特に机やテーブル等の天板としての使用に好適な信号伝達用ボードに関するものである。
パソコン(パーソナルコンピュータ)のような通信可能な装置をLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)に接続して使用する場合には、通信装置間での通信形態が有線方式と無線方式とに分けられる。このうち、無線方式は配線作業の手間が不要であり、また機器の配置に制約がない等の多くの利点があるが、その反面、電磁波を外部から傍受される可能性があるために、セキュリティに劣るという問題がある。
一般に無線LANシステムでは、天井や壁等にアンテナを配置して、室内の全ての機器とアンテナとの間で信号(電磁波)の送受信が行われるようになっており、このため電磁波はある程度の強さが必要であり、その結果、外部からの傍受が可能になっている。しかし、無線方式であっても、電磁波の届く範囲が例えばパソコンから数十cm又は数cmというように狭い範囲に限られる場合には、傍受の可能性が事実上なくなって、有線方式のような高いセキュリティを確保できる。
この点に着目して、特許文献1には、電磁波が通る導波層を有するシート状の信号伝達装置が開示されていて、この信号伝達装置とその近傍に配置された通信装置とで無線通信できるようにしている。詳細には、前記導波層は、メッシュ状の第1導電体部と、これに略平行な平板状の第2導体部とを備え、第1導電体部と第2導電体部との間に誘電体(空気等でもよい)が配置されている。誘電体を伝播する電磁波は、第1導電体部のメッシュの隙間を通過して出入りできるため第1導電体部が通信面となり、第2導体部はシールド面となる。特許文献1では、一例として、第1導体部の上面に保護シートとして、塩化ビニルを貼り付けることが記載されている。
このような導波層を有するシート状の信号伝達装置を、第1導電体部が上面側となるように机の天板に置いて使用する場合には、シート状の信号伝達装置の適宜部位に、無線通信用端末装置(インターフェース装置)をあてることで、シート状の信号伝達装置をアンテナとして機能させることができる。例えば、通信装置として無線通信方式のパソコンをその一部または全部がシート状の信号伝達装置に載る状態で使用すれば、導波層とパソコン間、あるいは導波層を介して複数のパソコン間での信号の伝達が可能となる。
特開2007−82178号公報(図2及び図5参照)
前述したようなシート状の信号伝達装置を机の天板に置いて使用するときには、第1導電体部(導波層)の損傷を防ぐために、その上に保護用のシートが貼り付けられることが望ましい。しかしながら、保護用のシートが透明であると、アルミニウム等の金属で第1導電体部を形成している場合には、金属の光沢が外部に透けて見える。第1導電体部は前述した通信機能を発揮するためにメッシュ状(格子状、多孔状)に形成されているので、金属光沢を有する部位と有しない部位とが細かく入り混じって外部に視認されることになる。従って、その上でパソコンを使用したり他の作業を行ったりするときに、第1導電体部の金属光沢がギラついた感じを与えて目障りとなり、天板としての快適性を損なうという問題があった。
そこで、第1導電体部のメッシュ状の模様を見えなくするために、保護用のシートを着色したり、保護用のシートのシート厚を厚くしたりすることも考えられるが、通信性能を阻害する虞があった。
本発明は、上記問題を解消するものであり、近傍に設置された通信装置と電磁波の変化により信号を伝達することができるボードにおいて、通信性能を低下させることなく、美観の向上を図ることを目的とするものである。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明における信号伝達用ボードは、電磁波を伝える導波層を有し、近傍に設置された通信装置と前記導波層との間で、電磁波の変化により信号を伝達することができるボードであって、前記導波層は、シート状の絶縁体層を、表側に配置されたメッシュシート状の金属製の第1導電体層と、裏側に配置されたシート状またはメッシュシート状の金属製の第2導電体層とで挟んで構成され、前記第1導電体層の表側には、着色剤を含む塗装層が、前記導波層の通信を可能とし且つ前記第1導電体層の光沢を抑制し、ぼかした外観を有するように形成されており、前記第1導電体層が前記塗装層の上から見えていることを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の信号伝達用ボードにおいて、黒色系の着色剤であることを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の信号伝達用ボードにおいて、前記塗装層には、銅とクロムを含む着色剤か、あるいは酸化鉄とマンガンを含む着色剤が含まれていることを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の信号伝達用ボードにおいて、家具の天板の一部又は全部に使用されることを特徴とするものである。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の信号伝達用ボードにおいて、前記塗装層には微粒子が含有され、前記微粒子の少なくとも一部が前記塗装層から表側に突出していることを特徴とするものである。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれかに記載の信号伝達用ボードにおいて、前記塗装層と前記第1導電体層との間には、透光性を有する樹脂製の保護層が形成されて、前記保護層と前記塗装層との間には、これらの接着性を高めるための表面処理を施すか、あるいは接着補助層を介在させていることを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明によれば、第1導電体層がメッシュシート状に形成されているから、第1導電体層には、金属光沢を有する部位と有しない部位(誘電体層が露出した部位)とが細かく混在しているが、第1導電体層の表側に、着色剤を含む塗装層が、第1導電体層の光沢を抑制しぼかした外観を有するように設けられているから、この塗装層によって第1導電体層のギラツキ感を低減させることができ、信号伝達用ボードの外観を落ち着いた印象に仕上げることができる。
なお、第1導電体層のメッシュが完全に見えなくなるように塗装層で隠すのではなく、塗装層を、第1導電体層の光沢を鈍らせるように、膜厚や着色度合いで調整する。第1導電体層のメッシュ状の模様がぼんやりと外部から視認できると、デザイン的な効果も得ることができるし、導波層の通信性能が塗装層によって阻害される虞も低減できる。
請求項2に記載の発明によれば、着色剤が黒色系である場合には、信号伝達用ボードの外観を落ち着いた雰囲気にでき、高級感も高めることができる。また、黒色系の塗装層を用いると、塗装層の下に樹脂製の他の層を設けた場合に、その樹脂が紫外線等によって変色しても、変色を隠すことができるという効果も得られる。
請求項3に記載の発明によれば、銅とクロムを含む着色剤か、あるいは酸化鉄とマンガンを含む着色剤を塗装層に用いていることで、塗装層を黒色系に着色することができる。そして、この黒色系の塗装層を用いると、本出願人の実験では、第1導電体部の金属光沢がほどよく抑制されてメッシュ形状が視認できるという、デザイン的にも優れた外観を、通信性能の低下を抑制しながら提供できることがわかった。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1から3のいずれかに記載の信号伝達用ボードが、家具の天板の一部又は全部に使用されるから、信号伝達用ボードとしての通信性能の低下を抑制しながら、金属のギラツキ感をなくし、天板として優れた外観を提供することができる。
請求項5に記載の発明によれば、微粒子が塗装層の表側に突出しているから、塗装層の表面に細かい凹凸が形成されて、信号伝達用ボードの表面にシボ感を付加することができる。また、微粒子に透明なものを用いると、第1導電体層の金属光沢を微粒子によって拡散(乱反射)させることができるので、金属光沢をつや消しする効果も得られ、ギラツキ感の低減にも寄与することができる。さらに、硬い素材の微粒子を選択すれば、塗装層の表面硬度を上げる効果も得ることができる。
請求項6に記載の発明によれば、塗装層と第1導電体層との間には、透光性を有する樹脂製の保護層が設けられているから、製造の途中では、第1導電体層を保護層と一体化した状態で取り扱うことができる。つまり、第1導電体層はメッシュシート状であるため、膜厚が薄いと単体での取り扱いが極めて困難であるが、第1導電体層よりも厚い保護層に第1導電体層を蒸着等の方法で形成して一体化すると、取り扱い性を大幅に改善できる。
以下に、本発明を具体化した実施形態を、図面を用いて説明する。図1は、実施形態の信号伝達用ボード1を、天板3の一部として使用した机2の斜視図である。天板3は左右に長く形成されていて、使用する人から見て奥側に、信号伝達用ボード1が配置されている。なお、以下の説明で使う「表」とは、天板3として使用するときの上面(使用面)側を指し、「裏」とは下面側を指している。
天板3は、左右長手の補強フレームで鋼板を支持してこの鋼板の上にメラミン化粧板を貼った構造であり、この天板3の奥側の表面(上面)に薄板状に形成された信号伝達用ボード1を載置している。信号伝達用ボード1のずれを防ぐために、信号伝達用ボード1と天板3との間に、接着剤や両面粘着テープを介在させて固定してもよい。また、天板3の表面と信号伝達用ボード1の表面とを面一にするために、天板3の表面に、信号伝達用ボード1の大きさに対応する段部を凹設し、この段部に信号伝達用ボード1を嵌め込んで固定してもよい。
なお、信号伝達用ボード1は、その厚みが数ミリ程度と薄く、ボードではなくシートと言い換えることも可能である。そのため、図では簡略化して、信号伝達用ボード1が載置された天板3全体を厚板状に記載している。天板3の素材は、メラミン化粧板に限定するものではなく、天然素材を圧縮したボードや、人工大理石等を使ったボード、ガラス板等を適用してもよい。
天板3は、使用する人が向かい合わせになるように前後に2枚並んで配置されていて、前後2枚の天板はそれぞれの左右両端部の下方に配置された脚4で支持されている。脚4は板状に形成されているが、フレーム方式等の他の形態でもよい。また、前後の天板3の間には、ケーブルやコンセント、コネクタ等を収納する配線ダクト5が設けられていて、配線ダクト5の表面は、着脱式の蓋板6で塞がれている。
また、前後の2枚の信号伝達用ボード1、1間を電磁波が通るように接続する接続装置8が、配線ダクト5を跨ぐように取り付けられている。接続装置8には、後述する導波層10と同じ構造(第1導電体層11と第2導電体層12が上下逆に配置されている場合もある)が内蔵されていて、接続装置8の前後の側面を、2枚の信号伝達用ボード1の対向する側面で挟んで密着している。
信号伝達用ボード1は、図2に示すように多層構造に形成されており、積層方向の中間部に電磁波を伝える導波層10を有し、導波層10の表裏面が他の層で覆われている。なお、図2は模式的に示したもので、各層の厚みを正確に反映したものではない。
導波層10は、特許文献1にシート状の信号伝達装置として記載されているように、シート状の絶縁体層13を、表側に配置されたメッシュシート状の金属製の第1導電体層11と、裏側に配置されたシート状の金属製の第2導電体層12とで挟んで形成されている。つまり、導波層10では、金属製の第1導電体層11と第2導電体層12とで表裏面をシールドすることで、信号の電磁波が絶縁体層13を伝わる。
なお、ここで用いる導電体及び絶縁体とは、通信に用いる周波数の電磁波に対して導電体または絶縁体として機能するものを指しており、シート状とは、面としての広がりを持ち厚さが薄いものを指している。
メッシュシート状の第1導電体層11は、金属膜(箔)に信号の電磁波長よりも細かい孔が多数形成されていて、孔から外側にエバネッセント場が滲み出す。無線通信用端末装装置(インターフェース装置)を内蔵した通信装置7を近傍に配置しておくと、導波層10と通信装置7との間で信号の出入りが可能となるのである。通信装置7としては、無線通信方式のパソコンだけでなく、各種の通信素子、通信回路、センサ、RFタグ、アクチュエータなどがある。
メッシュシート状の金属膜は、網目状に形成する必要はなく、格子状、多孔状でもよい。シート状の金属膜は、金属を平板状(箔状)に形成したものである。この実施形態では、第1及び第2導電体層11、12として、膜厚が10μm前後のアルミニウム膜を用いており、絶縁体層13としては、膜厚2mmのポリプロピレン樹脂を用いている。なお、第1導電体層11だけでなく、第2導電体層12もメッシュシート状の金属膜で構成すれば、信号伝達用ボード1の裏面も、電磁波の伝達が可能となる。
導波層10の第2導電体層12の裏面側には、合成樹脂製の裏面保護層14が設けられている一方、導波層10の第1導電体層11の表面側には、透光性を有する合成樹脂製の保護層15、アンカーコート層16、塗装層17が、順次積層されている。
この実施形態では、保護層15及び裏面保護層14として、いずれも250μmのポリエチレンテレフタレート樹脂を用いている。アンカーコート層16は、保護層15と塗装層17との接着性を高めるための層であり、保護層15と塗装層17の両方の素材に親和性を有する接着補助剤を薄く塗布したものを用いているが、非常に薄い接着剤フィルムを用いたり、保護層15の表面を粗くする表面処理(コロナ放電、フレーム処理)を施したりしてもよい。
上記構成の信号伝達用ボード1の製造においては、保護層15に、金属蒸着等の方法により第1導電体層11をメッシュシート状に形成して一体化する一方、裏面保護層14に、同じく金属蒸着等の方法によって第2導電体層12をシート状に形成して一体化し、これらの間に絶縁体層13を挟んで接着固定する。そして、保護層15の表側にアンカーコート層16を介して塗装層17を塗布している。第1導電体層11や第2導電体層12は極めて膜厚が薄く単体では取り扱い難いが、保護層15や裏面保護層14とそれぞれ一体化させておくことで、取り扱い性が改善される。
上記構成において、仮に塗装層17を設けないあるいは塗装層17が透明であると、第1導電体層11のメッシュ状の金属光沢が外観に鮮明に表れ、金属光沢のある部位とない部位が細かく混在して見えるため、ギラツキ感を生じてしまう。また、塗装層17を設けずに保護層15が露出していると、表面が傷つき易くなる。そこで、本発明では、保護層25を塗装層17で覆い、その塗装層17に着色剤を配合することで、第1導電体層11の金属光沢の抑制を図った。
しかしながら、塗装層17の厚さや、選択する着色剤の種類によっては、導波層10の通信性能を阻害する虞があるので、本出願人は後述する実験を行って、塗装層17の最適化を図った。
最適化の検討を行うに際して、実施形態の信号伝達用ボード1が天板3として使用されることを考慮して、まず、塗装層17に、黒色系の着色剤を混合することとした。黒色系の色調は、高級感や落ち着いた雰囲気を醸し出すことができるためである。次に、塗装層17に微粒子18を混合し、この微粒子18を塗装層17の表面から突出させるようにした。微粒子18の突出によって塗装層17の表面に細かい凹凸を形成されることで、シボ感を付加し外観や手触りの質を向上させることができるためである。
そこで、第1の実験では、黒色系の着色剤として酸化鉄・マンガン系の着色剤を選択し、塗装層17の厚みと微粒子18の直径を変えた実験サンプルを作成して、塗装層17の厚みと微粒子18の直径が通信性能に与える影響について検討した。各実験サンプルは、図2に示す多層構造を、30×22.5cm2の大きさに形成したものである。
塗装層17は、酸化鉄・マンガン系の着色剤の他に、アクリル系の樹脂、溶剤、添加剤を含んだもので、着色剤の含有率(配合率)は、約8wt%である。アクリル系の樹脂に代えて、ウレタン系、セラミックス系、ポリエステル系の樹脂を用いてもよい。微粒子18には透明なアクリルビーズを用いた。なお、アクリルビーズに代えて、ガラスビーズを用いてもよい。
通信性能の測定は、実験サンプル上に2つのインターフェース装置を載置して、一方のインターフェース装置から他方のインターフェース装置に送った電磁波の透過係数を測定することで行った。使用した電磁波の周波数は、5.25GHzである。一方のインターフェース装置を実験サンプル上の特定の位置に固定し、他方のインターフェース装置を実験サンプル全体に渡って動かして236箇所で測定を行い、測定した透過係数の平均値を各実験サンプルの透過係数として示した。透過係数の値はゼロに近い方が、通信性能に優れていることを意味している。
塗装層17は、第1導電体層11のメッシュを完全に隠すように形成する必要はなく、金属光沢によるギラツキ感を抑制できればよい。換言すれば、第1導電体層11のメッシュが、つや消しされて(ぼかされて)視認される方が、通信性能の減衰も抑制できるうえに、デザイン的にも特長のある天板を提供することができると考えた。つまり、塗装層17は適度に薄く、また程よく黒色系に着色されればよい。
そこで、図3(a)に示す4種類の実験サンプルを試作した。実験サンプル1は、塗装層17を12μm、微粒子径を14μm、実験サンプル2は、塗装層17を15μm、微粒子径を14μm、実験サンプル3は、塗装層17を12μm、微粒子径を20μm、実験サンプル4は、塗装層17を15μm、微粒子径を20μm、に設定した。これらの実験サンプルはいずれも、第1導電体層11のメッシュが、適度に光沢をぼかされた感じの外観に仕上がった。
比較として、保護層15の上に塗装層17を設けない比較サンプル1と、塗装層17の代わりにオレフィンフィルム(140μm)を保護層15に貼り付けた比較サンプル2についても、実験サンプルと同様の通信性能の測定を行った。前記オレフィンフィルムは、微粒子を含まない黒色フィルムである。
各サンプルの通信性能の測定結果を図3(b)に示すが、比較サンプル1の結果は一点鎖線の直線で、比較サンプル2の結果は二点鎖線の直線で示している。実験の結果、比較サンプル1は、塗装層17がないため通信性能が最も優れており、これと同じ程度の通信性能は、何れの実験サンプルでも得ることができなかったが、試作した実験サンプルの中では実験サンプル1が、比較サンプル2よりも良好な結果を得ることができた。つまり、塗装膜17の膜厚を12μmにすると、黒色系の着色剤を含んでいても、透明なオレフィンフィルムを貼った場合よりも良好な通信性能が得られた。
しかしながら、同じ膜厚12μmの実験サンプル3は、膜厚15μmの実験サンプル4よりも通信性能が悪く、12μmと15μmの膜厚の違いが通信性能に与える影響は明確であるとは言えない。また、膜厚が12μmである実験サンプル1と3を比べると、微粒子径が大きい実験サンプル3の方が通信性能が悪く、膜厚が15μmである実験サンプル2と4を比べると、微粒子径の小さい実験サンプル4の方が通信性能が悪いため、微粒子径の影響も明確であるとは言えない。
そこで、第2の実験では、塗装膜17の厚みを、第1の実験で最も通信性能がよかった12μmに設定して、着色剤の種類が通信性能に与える影響について検討した。実験サンプルの構造は図2と同様で、図4(a)に示す3種類の顔料系の着色剤を用いた。実験サンプル11には、第1の実験と同じ酸化鉄・マンガン系の着色剤を用い、実験サンプル12は、銅・クロム系の着色剤を用い、実験サンプル13は、カーボンブラック系の着色剤を用いた。各実験サンプルでの、着色剤の含有率(配合率)は、約8wt%である。なお、実験サンプル11〜13に混合した微粒子18の直径は20μmである。
また、第2の実験でも、第1の実験と同様に、保護層15の上に塗装層17を設けない比較サンプル11と、塗装層17の代わりにオレフィンフィルム(140μm)を保護層15に貼り付けした比較サンプル12を形成し、実験サンプル11〜13と同様の通信性能の測定を行った。各サンプルの大きさは、第1の実験よりも小さいサイズの26.5×19cm2である。
なお、予備試作で、黒色の染料系着色剤を用いた実験サンプルを作成したが、この場合、塗装層17を薄くすると黒色がきれいに表れず、見た目の色彩が優れなかったので、第2の実験では評価を行わなかった。
第2の実験における各サンプルの測定結果を図4(b)に示すが、比較サンプル11の結果は一点鎖線の直線で、比較サンプル12の結果は二点鎖線の直線で示している。第2の実験の結果、酸化鉄・マンガン系の着色剤を用いた実験サンプル11では、透明なオレフィンフィルムを保護層15に貼り付けた比較サンプル12と略同じ程度の通信性能が得られ、さらに、銅・クロム系の着色剤を用いた実験サンプル12では、塗装層17を設けない比較サンプル11に極めて近い通信性能が得られることがわかった。実験サンプル13は、3つの中で最も通信性能が悪く、黒色の色彩も優れなかった。
実験サンプルによって多少のばらつきはあるものの、以下に、第1及び第2の実験の結果から得られた知見をまとめる。まず、酸化鉄・マンガン系の着色剤を用いると、塗装層17の代わりにオレフィンフィルムを貼り付けた場合と同じかそれよりも優れた通信性能が得られることがわかった。さらに、銅・クロム系の着色剤を用いると、酸化鉄・マンガン系よりも通信性能がよく、塗装膜17を設けない場合に近い優れた通信性能が得られることがわかった。
つまり、銅・クロム系、あるいは酸化鉄・マンガン系を着色剤として含む塗装層17を用いると、導波層10の通信が十分可能であった。そして、これらの着色剤を使用すると、第1導電体層11のメッシュをデザインとして外部に視認させながら、その金属光沢を抑制して(ぼかして)ギラツキ感をなくすことができるので、黒色系であることとの相乗効果で、極めて高級感と落ちつき感のある信号伝達用ボードを実現することができ、天板として好適である。
また、塗装層17の膜厚を12μmにすると良好な通信性能が得られたが、第1の実験では、膜厚15μmとの差異が明確ではなかった。塗装層17の膜厚を薄くすると、通信性能に対する影響が少なくなることは容易に推察できるので、塗装層17の膜厚として、15μm以下に設定するのが望ましいと考えられる。
微粒子18については、塗装層17に混合していても、第2の実験の実験サンプル12のように良好な通信性能を得られることがわかった。つまり、微粒子16の混合によって、通信性能を損なうことなく、表面に微細な凹凸を形成して質感を向上させ、表面硬度も高められるという利点が得られる。なお、微粒子18に着色(黒色系他)したものを用いてもよいが、透明な微粒子18を用いると、金属光沢を乱反射(拡散)するので、塗装層17が薄くても金属光沢を抑制する効果が高められると考えられる。もちろん、微粒子18を混合せずに塗装層17を構成してもよい。
なお、上記実施形態では、信号伝達用ボード1を天板に適用したが、これに限定するものではなく、通信を行う可能性がある部位であれば、壁や棚板等に適用してもよい。
また、塗装層の着色は、黒色系に限定するものではなく、白色系や、青色等の寒色系、赤色等の暖色系など、信号伝達用ボード1を適用する形態に応じて変更してもよい。
本発明の信号伝達用ボードを適用した机の斜視図である。 信号伝達用ボードの構造を示す断面図である。 第1の実験の結果を示す図である。 第2の実験の結果を示す図である。
符号の説明
1 信号伝達用ボード
2 机
3 天板
7 通信装置
10 導波層
11 第1導電体層
12 第2導電体層
13 絶縁体層
14 裏面保護層
15 保護層
16 アンカーコート層
17 塗装層
18 微粒子

Claims (6)

  1. 電磁波を伝える導波層を有し、近傍に設置された通信装置と前記導波層との間で、電磁波の変化により信号を伝達することができるボードであって、
    前記導波層は、シート状の絶縁体層を、表側に配置されたメッシュシート状の金属製の第1導電体層と、裏側に配置されたシート状またはメッシュシート状の金属製の第2導電体層とで挟んで構成され、
    前記第1導電体層の表側には、着色剤を含む塗装層が、前記導波層の通信を可能とし且つ前記第1導電体層の光沢を抑制し、ぼかした外観を有するように形成されており、前記第1導電体層が前記塗装層の上から見えていることを特徴とする信号伝達用ボード。
  2. 前記着色剤は、黒色系の着色剤であることを特徴とする請求項1に記載の信号伝達用ボード。
  3. 前記塗装層には、銅とクロムを含む着色剤か、あるいは酸化鉄とマンガンを含む着色剤が含まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の信号伝達用ボード。
  4. 家具の天板の一部又は全部に使用されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の信号伝達用ボード。
  5. 前記塗装層には微粒子が含有され、前記微粒子の少なくとも一部が前記塗装層から表側に突出していることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の信号伝達用ボード。
  6. 前記塗装層と前記第1導電体層との間には、透光性を有する樹脂製の保護層が形成されて、前記保護層と前記塗装層との間には、これらの接着性を高めるための表面処理を施すか、あるいは接着補助層を介在させていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の信号伝達用ボード。
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