JP2010009858A - 無電極放電灯点灯装置および照明器具 - Google Patents

無電極放電灯点灯装置および照明器具 Download PDF

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Abstract

【課題】電源に瞬時的な電圧降下が生じて消灯した無電極放電灯を再始動させる際に、回路にかかるストレスを低減することができる無電極放電灯および照明器具を提供することにある。
【解決手段】無電極放電灯点灯装置は、誘導コイル1に高周波電圧を印加する点灯回路部2を備え、点灯回路部2は、電源より得た電力を元に直流電圧を出力する直流電源部3と、直流電源部3の出力電圧を高周波電圧に変換して誘導コイル1に印加する高周波電源部4と、無電極放電灯100の始動時には点灯時よりも高い始動用の高周波電圧が誘導コイル1に印加されるように高周波電源部4を制御する制御部5と、電源の瞬時的な電圧効果を検出する電源異常検出部6とを有し、制御部5は、電源異常検出部6により瞬時的な電圧降下が検知されると、始動用の高周波電圧よりも低い再始動用の高周波電圧が誘導コイル1に印加されるように高周波電源部4を制御して無電極放電灯を始動させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、無電極放電灯点灯装置および照明器具に関するものである。
従来から、放電ガスが封入されたバルブ(気密容器)を有する無電極放電灯を点灯させる無電極放電灯点灯装置が種々提供されている(例えば特許文献1参照)。
この種の無電極放電灯点灯装置は、図13に示すように、商用交流電源ACを電源とするものであって、無電極放電灯100に近接して(無電極放電灯100の近傍に)配置され高周波電圧Vcoilが印加されることにより高周波電磁界を発生して無電極放電灯100の放電ガスを励起させる誘導コイル1と、誘導コイル1に高周波電圧を印加する点灯回路部200とを備える。
点灯回路部200は、商用交流電源ACから供給された電力を元に直流電圧Vdcを出力する直流電源部3と、直流電源部3より出力される直流電圧(出力電圧)Vdcを高周波電圧Vcoilに変換して誘導コイル1に印加する高周波電源部4と、高周波電源部4を制御する制御部201とを備える。
直流電源部3は、商用交流電源ACを整流する整流器よりなる整流回路30と、昇圧チョッパ回路31とで構成される。整流回路30は、例えばダイオードブリッジよりなり、商用交流電源ACを全波整流して出力する。昇圧チョッパ回路31は、一端が整流回路30の高電位側の出力端に接続されたインダクタL1と、インダクタL1の他端と整流回路30の低電位側の出力端との間に挿入されたFETよりなるスイッチング素子Q1とを備える。また、スイッチング素子Q1には平滑用コンデンサC1が並列接続され、平滑用コンデンサC1の高電位側の端子とインダクタL1の他端との間には逆流阻止用のダイオードD1が挿入される。ダイオードD1はアノードをインダクタL1にカソードを平滑用コンデンサC1に接続する形で挿入される。昇圧チョッパ回路31は上記構成に加えて、スイッチング素子Q1をオン・オフ制御する出力制御部31aを有する。出力制御部31aは、昇圧チョッパ回路31の出力電圧(平滑用コンデンサC1の両端子間の電圧)Vdcが所定電圧(高周波電源部4の動作に必要な駆動電圧)以上になるようにスイッチング素子Q1をオン・オフ制御する。
高周波電源部4は、昇圧チョッパ回路31の出力端間(平滑用コンデンサC1の両端子間)に直列に接続されたFETよりなる2つのスイッチング素子Q2、Q3と、スイッチング素子Q3に並列接続されたインダクタL2およびコンデンサC2の直列回路よりなる共振回路と、インダクタL2とコンデンサC2との接続点に一端が接続された直流カット用のコンデンサC3とを有する。誘導コイル1は、コンデンサC3の他端と、コンデンサC2とロウサイド側のスイッチング素子Q3との接続点との間に挿入される。
制御部201は、マイクロコンピュータ(マイクロコントローラ、略称としてマイコン、広義にはCPUとも称される)であり、ロウサイド側のスイッチング素子Q3のゲートに接続されるLout端子およびソースに接続されるL−GND端子と、ハイサイド側のスイッチング素子Q2のゲートに接続されるHout端子およびソースに接続されるH−GND端子とを有する。制御部201は、各スイッチング素子Q2、Q3に対して略180°の位相差がある駆動信号をそれぞれ出力することによってスイッチング素子Q2、Q3を高周波で交互にオン・オフ制御して、誘導コイル1に高周波電圧Vcoilを印加する。
制御部201は、無電極放電灯100の点灯時には、点灯用の高周波電圧Vcoil(以下、点灯用高周波電圧Voで表す)が誘導コイル1に印加されるように高周波電源部4を制御する点灯制御を実行する。また、制御部201は、無電極放電灯100を始動させるために、点灯時よりも高い始動用の高周波電圧Vcoil(以下、始動用高周波電圧Vsで表す)が誘導コイル1に印加されるように高周波電源部4を制御する始動制御を実行する。ここで、点灯用高周波電圧Voの振幅をV1、始動用高周波電圧Vsの振幅をV2とすれば、V1<V2の関係になる。
また、制御部201には、停止用端子stが設けられており、停止用端子stにハイレベルの停止用信号Vstが入力されている期間は、スイッチング素子Q2,Q3への駆動信号の出力を停止する。この停止用端子stは、無電極放電灯100の始動時において、直流電源部の出力電圧Vdcが高周波電源部4の動作に必要な駆動電圧に達してから無電極放電灯100を始動するために使用される。
点灯回路部200は、制御部201に停止用信号Vstを与えるための構成として、電圧検出部202と、起動タイマ回路203と、信号無効回路204とを備える。
電圧検出部202は、整流回路30の出力端間に接続される抵抗R1と抵抗R2との直列回路と、抵抗R2に並列に接続されるコンデンサC4とで構成される。
起動タイマ回路203は、コンデンサC4の高電位側の端子に接続されるトリガ端子trと、制御部201の停止用端子stに接続される出力端子opとを有する。この起動タイマ回路203は、トリガ端子trの電位(コンデンサC4の高電位側の端子の電位)が所定の閾値を越えると、一定の立上時間が経過するまでは、出力端子opよりハイレベルの停止信号Vstを出力する。上記閾値は直流電源部3に給電が開始されたか否かを判定するための閾値であり、上記立上時間は、直流電源部3への給電開始から直流電源部3の出力電圧Vdcが高周波電源部4の駆動電圧に達するまでに要する時間である。
信号無効回路204は、制御部201の停止用端子stとL−GND端子との間に挿入されるFETよりなるスイッチング素子Q7を有する。スイッチング素子Q7がオンであるときは制御部201の停止用端子stの電位がL−GND端子と同電位になるため、起動タイマ回路203の停止信号Vstがハイレベルであっても停止用端子Vstの電位は強制的にロウレベルに設定される。
また、信号無効回路204は、スイッチング素子Q7の駆動回路を有する。当該駆動回路は、スイッチング素子Q7のゲート−ソース間に挿入されたコンデンサC5と、コンデンサC5に一端が接続された抵抗R3と、平滑用コンデンサC1から電力供給され出力端に基準電位を生じる基準電源回路204aと、抵抗R3の他端と基準電源回路204aの出力端との間に挿入されるスイッチング素子Q5と、抵抗R3の他端とコンデンサC5の低電位側の端子との間に挿入された放電用の抵抗R4とを備える。このスイッチング素子Q5は、pnp形のバイポーラ・トランジスタよりなり、エミッタが基準電源回路204aの出力端、コレクタが抵抗R3と抵抗R4との間の接続点、ベースが電圧検出部202のコンデンサC4の高電位側の端子に接続される。そのため、コンデンサC4の高電位側の端子の電位が所定値以下であれば、スイッチング素子Q5がオンになって、基準電源回路204aによりコンデンサC5が充電され、スイッチング素子Q7がオンになる。
したがって、このものでは、交流商用電源ACからの電力供給の開始時および再開時において、起動タイマ回路203が出力端子opから制御部201の停止用端子stに対して停止信号Vstを出力し、停止用端子stをハイレベルにすることによって高周波電源部4の動作を停止させる一方、瞬時停電などの交流商用電源ACからの電力供給が途切れる時間が短い場合には、起動タイマ回路203の出力する停止信号Vstを停止用端子stに対して無効にすることによって、高周波電源部4を起動タイマ回路203に関係なく動作させることができる。
ここで、上記の無電極放電灯点灯装置における瞬時停電時の動作について図13を参照して説明する。なお、図13(a)は入力電圧Vinを示し、図13(b)は出力電圧Vdcを示し、図13(c)は高周波電圧Vcoilを示す。なお、入力電圧Vinは、整流装置30の両端子間の電圧である。
商用交流電源ACより給電が開始されると(時刻t41)、昇圧チョッパ回路31のコンデンサC1は入力電圧Vinにより充電されるとともに、直流電圧Vdcは昇圧チョッパ回路31のチョッパ動作によって上記所定電圧まで昇圧される(時刻t42)。そうすると、制御部201は誘導コイル1の始動用高周波電圧Vsを印加する始動制御を実行し、所定時間経過した後に点灯制御に移行する(時刻t43)。点灯制御では誘導コイル1に点灯用高周波電圧Voが印加される。
商用交流電源ACに瞬時停電が生じた場合、数百ms程度の短期間、給電が停止される(時刻t44〜t45)。その後に、商用交流電源ACより給電が再開された後、直流電圧Vdcは昇圧チョッパ回路31のチョッパ動作によって上記所定電圧まで再度昇圧される(時刻t46)。そうすると、制御部201は、再度、始動制御を実行して誘導コイル1に始動用高周波電圧Vsを印加し、所定時間経過した後に点灯制御に移行する(時刻t47)。
特開2005−135645号公報
ところで、電源に瞬時的な電圧降下(例えば、瞬時停電)が生じたような状況では、無電極放電灯点灯装置を構成する回路素子の温度は、無電極放電灯100の点灯前に比べれば高温になっている。一般に、回路素子は低温時よりも高温時のほうが電気的なストレスに対する耐性が低く、このようなときに大きなストレスがかかってしまうと、回路の寿命が短くなったり、回路が破壊されてしまったりするおそれがある。
しかしながら、上記の無電極放電灯点灯装置では、電源に瞬時的な電圧降下が生じて無電極放電灯100が消灯した際であっても、初期始動時と同様に始動制御を行うから、誘導コイル1には、始動用高周波電圧Vsが印加される。無電極放電灯100は、電極を有していないために、蛍光灯などの電極を有する放電灯に比べて、必要とする始動電圧が高い。そのため、電源に瞬時的な電圧降下が生じて無電極放電灯100が消灯した際に、始動用高周波電圧Vsを発生させると、回路素子に大きなストレスがかかってしまう。
加えて、誘導コイル1に印加する電圧(高周波電圧)を高くするためには、共振の鋭さが鋭く(換言すればQ値を大きく)なるように無電極放電灯点灯装置を設計して、高周波電圧を低損失で得られるようにする必要がある。ここで、共振が鋭いとは、微小な周波数や素子パラメータなどの変動に対して、高周波電圧が大きく変動する状態にあるという意味である。
そのため、高周波電圧が高くなるように設計された無電極放電灯点灯装置では、高周波電圧の制御が難しく、予期せずに高い高周波電圧が発生して、回路に過剰なストレスをかけてしまうおそれがあった。特に、無電極放電灯を取り付ける照明器具の器具本体に金属製の反射板などが存在し、誘導コイル1が金属の影響を大きく受けている場合には、高周波電圧の制御がより困難になるし、回路素子などが高温になっている時は、周波数や素子パラメータが回路素子の温度特性などにより変化し易くなっており、少しのばらつきで高周波電圧が大きく変化してしまう。
本発明は上述の点に鑑みて為されたもので、その目的は、電源に瞬時的な電圧降下が生じて消灯した無電極放電灯を再始動させる際に、回路にかかるストレスを低減することができる無電極放電灯および照明器具を提供することにある。
上述の課題を解決するために、請求項1の発明では、無電極放電灯に近接して配置され高周波電圧が印加されることにより高周波電磁界を発生して無電極放電灯の放電ガスを励起させる誘導コイルと、誘導コイルに高周波電圧を印加する点灯回路部とを備え、点灯回路部は、電源から供給された電力を元に直流電圧を出力する直流電源部と、直流電源部の出力電圧を高周波電圧に変換して誘導コイルに印加する高周波電源部と、無電極放電灯の始動時には点灯時よりも高い始動用の高周波電圧が誘導コイルに印加されるように高周波電源部を制御する制御部と、電源の瞬時的な電圧降下を検出する電源異常検出部とを有し、制御部は、電源異常検出部により瞬時的な電圧降下が検知されると、上記始動用の高周波電圧よりも低電圧の再始動用の高周波電圧が誘導コイルに印加されるように高周波電源部を制御して無電極放電灯を始動させることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、瞬時的な電圧降下によって無電極放電灯が立ち消えた場合、直前まで無電極放電灯が点灯していたために、無電極放電灯は比較的高温であり、低温時よりも始動に必要な電圧(始動電圧)が低くなり、また暗所で始動させる場合に比べて始動電圧が低くなるという点に着目し、始動用の高周波電圧よりも低電圧の再始動用の高周波電圧を誘導コイルに印加することにより、無電極放電灯を再始動させる。そのため、電源に瞬時的な電圧降下により消灯した無電極放電灯を再始動させる際に、始動用の高周波電圧を印加する場合に比べれば、回路にかかるストレスを低減することができる。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、上記点灯回路部に接続する電源を常用電源と非常用電源との間で切り替える電源切替部を備え、電源切替部は、常用電源が停電しているか否かを検出する停電検出部を有し、停電検出部により停電が検出された際に、上記点灯回路部に接続する電源を常用電源から非常用電源に切り替えることを特徴とする。
請求項2の発明によれば、交流電源からの給電が遮断された場合でも、非常用電源により無電極放電灯を点灯させることができる。また、電源が交流電源から非常用電源に切り替わる際に瞬時的な電圧降下が生じて無電極放電灯が消灯した場合、始動用の高周波電圧ではなく再始動用の高周波電圧を誘導コイルに印加するから、始動用の高周波電圧を印加する場合に比べて高周波電源部の消費電力を低減することができる。そのため、直流電源部にかかる負荷が低減され、誘導コイルに印加される高周波電圧の不安定化や、誤動作などの不具合の発生を抑制することができる。
無電極放電灯を再始動させる際に、回路にかかるストレスを低減することができる。
請求項3の発明では、請求項1または2の発明において、上記電源異常検出部は、上記直流電源部に入力される入力電圧を検出する入力電圧検出部と、上記直流電源部の出力電圧を検出する出力電圧検出部と、入力電圧検出部の検出電圧が給電判定用の閾値以下であるときに出力電圧検出部の検出電圧が動作判定用の閾値以上であれば、電源に瞬時的な電圧降下が発生したと判定する判定部とを備えていることを特徴とする。
請求項3の発明によれば、電源に瞬時的な電圧降下が生じた直後は、入力電圧はほぼ0になる一方で出力電圧は0まで低下していない点に着目して、電源に瞬時的な電圧降下が発生したと判定するから、電源の瞬時的な電圧降下の検出精度を向上することができる。
請求項4の発明では、請求項1〜3のうちいずれか1項の発明において、上記無電極放電灯の温度を検出する温度検出手段を有し、上記制御部は、温度検出手段で検出した温度が所定温度以下であれば、上記電源異常検出部により瞬時的な電圧降下が検知された際でも、上記始動用の高周波電圧が誘導コイルに印加されるように高周波電源部を制御することを特徴とする。
請求項4の発明によれば、電源に瞬時的な電圧降下が生じた場合に、無電極放電灯の温度が低く、始動に必要な電圧が高温時に比べて高くなっているようなときでも、無電極放電灯を再始動させることができる。
請求項5の発明では、請求項1〜4のいずれか1項に記載の無電極放電灯点灯装置と、当該無電極放電灯点灯装置により点灯される無電極放電灯が装着される器具本体とを備えていることを特徴とする。
請求項5の発明によれば、電源に瞬時的な電圧降下が生じて消灯した無電極放電灯を再始動させる際に、回路にかかるストレスを低減することができる。
本発明は、電源に瞬時的な電圧降下が生じて消灯した無電極放電灯を再始動させる際に、回路にかかるストレスを低減することができるという効果を奏する。
(実施形態1)
本実施形態の無電極放電灯装置は、図2に示すように、無電極放電灯100に近接して配置され高周波電圧Vcoilが印加されることにより高周波電磁界を発生して無電極放電灯100の放電ガスを励起させる誘導コイル1と、誘導コイル1に高周波電圧を印加する点灯回路部2とを備える。
点灯回路部2は、図1に示すように、電源から供給された電力を元に直流電圧Vdcを出力する直流電源部3と、直流電源部3の出力電圧Vdcを高周波電圧Vcoilに変換して誘導コイル1に印加する高周波電源部4と、無電極放電灯100の始動時には点灯時よりも高い始動用の高周波電圧Vcoilが誘導コイル1に印加されるように高周波電源部4を制御する制御部5と、電源の瞬時的な電圧降下(例えば瞬時停電や、瞬時電圧降下など)を検出する電源異常検出部6とを有する。なお、直流電源部3および高周波電源部4の構成については図13に示す従来例と同様であるから説明を省略する。
また、本実施形態の無電極放電灯装置は、点灯回路部2に接続する電源を常用電源である商用交流電源ACと非常用電源(非常用バッテリ)である二次電池BATとの間で切り替える電源切替部7を備える。電源切替部7は、例えば、商用交流電源ACから直流電源部3に電力を供給するための配電路(図示せず)と、当該配電路より得た電力(すなわち商用交流電源ACより得た電力)を元にして二次電池BATに充電電流を出力する充電装置(図示せず)と、二次電池BATに蓄えられた電力を直流電源部3に供給する放電装置(図示せず)と、商用交流電源ACの停電を検出する停電検出装置(図示せず)と、充電装置および放電装置を制御するマイコンなどからなる制御装置(図示せず)とで構成される。当該制御装置は、停電検出装置で停電が検出されていない場合、充電装置により二次電池BATを充電し、放電装置の動作を停止する。この場合、商用交流電源ACから直流電源部3に電力が供給される。一方、停電検出装置で停電が検出された場合、上記制御装置は、放電装置より放電電流を出力させることで、二次電池BATの放電を行わせる(二次電池BATより直流電源部3に給電する)。このとき、充電装置の動作は停止される。
電源切替部7は、上述の動作を行うことによって、商用交流電源ACの停電時に、二次電池BATから点灯回路部2に電力を供給させる。なお、本実施形態において、商用交流電源ACは、200Vの交流電源を想定しているので、電源切替部7の放電装置は、二次電池BATの電圧を200Vに昇圧して出力する。
電源異常検出部6は、直流電源部3への給電状態を監視する電力監視部となる入力電圧検出部60と、直流電源部3の出力電圧Vdcを検出する出力電圧検出部61と、判定部62とを備える。
入力電圧検出部60は、整流装置30の両端子間の電圧(以下、「入力電圧」と称する)Vinを検出することで直流電源部3への給電状態を監視するものであり、整流回路30の出力端間に接続される抵抗R1,R2の直列回路よりなる分圧回路と、当該分圧回路の抵抗R2に並列に接続されるコンデンサC4とで構成される。一方、出力電圧検出部61は、直流電源部3の出力電圧Vdcに応じた検出電圧Vrefを出力する。入力電圧検出部60および出力電圧検出部61の回路構成は従来周知の種々のものに置換可能である。
判定部62は、制御部5に異常検出信号Vaを出力するコンパレータCMPを有し、コンパレータCMPの非反転入力端子は、コンデンサC5を介して整流装置30の低電位側の出力端に接続される。つまりコンデンサC5の両端子間の電圧VcがコンパレータCMPの非判定入力端子に入力される。また、コンパレータCMPの非反転入力端子には、抵抗R3の一端が接続される。この抵抗R3の他端はコンデンサC5の放電用の抵抗R4を介して整流装置30の低電位側に接続される。さらに、抵抗R3の他端と、出力電圧検出部61の出力端との間には、pnp形のバイポーラ・トランジスタよりなるスイッチング素子Q5が挿入される。ここで、スイッチング素子Q5は、エミッタが出力電圧検出部61の出力端に、コレクタが抵抗R3の他端に接続される形で挿入される。また、スイッチング素子Q5のベースは入力電圧検出部60のコンデンサC4の高電位側の端子に接続される。そのため、コンデンサC4の両端子間の電圧が、検出電圧Vrefより低い場合に、スイッチング素子Q5がオンになり、出力電圧検出部61の検出電圧VrefによりコンデンサC5が充電される。この電源異常検出部6では、給電時にはコンデンサC4の両端子間の電圧が検出電圧Vrefより低くならないように、入力電圧検出部60および出力電圧検出部61が設計される。
一方、出力電圧検出部61の出力端には抵抗R5,R6よりなる分圧回路が接続され、抵抗R5,R6により分圧された検出電圧VrefはコンパレータCMPの反転入力端子に入力される。そのため、スイッチング素子Q5がオンになったときに、コンパレータCMPの出力はハイレベルになる(ハイレベルの異常検出信号が出力される)。
制御部5は、上述した制御部201と同様にLout端子、L−GND端子、Hout端子、およびH−GND端子を有し、上述の点灯制御と、上述の始動制御とを実行する。
ここで、瞬時的な電圧降下によって無電極放電灯100が立ち消えた場合、直前まで無電極放電灯100が点灯していたために、無電極放電灯100は比較的高温である。無電極放電灯100は、一般に、高温時のほうが低温時よりも始動に必要な電圧(始動電圧)が低くなるという特性を有している(図3参照)ため、高温時には低温時よりも始動電圧が低くなる。また、無電極放電灯100は、一般に暗所に長期間置かれていた場合には、高い始動電圧を必要とするが、直前までは点灯していたために、暗所に置かれていた場合に比べて始動電圧が低くなる。
始動用高周波電圧Vsは、無電極放電灯100が比較的低温であり且つ暗所に置かれていた場合であっても始動させることができるよう十分に高い電圧値に設定される。しかし、瞬時的な電圧降下によって無電極放電灯100が立ち消えた場合には上記の理由により始動電圧が低くなっているから、再始動させるにあたっては始動用高周波電圧Vsほど高い電圧は必要がない。そこで、本実施形態における制御部5は、無電極放電灯100を再始動させるために、始動用高周波電圧Vsよりも低電圧の再始動用の高周波電圧Vcoil(以下、再始動用高周波電圧Vrで表す)が誘導コイル1に印加されるように高周波電源部4を制御する再始動制御を実行する。
ここで、点灯用高周波電圧Voの振幅をV1、始動用高周波電圧Vsの振幅をV2、再始動用高周波電圧Vrの振幅をV3とすれば、V1<V3<V2の関係になる。
制御部5には、コンパレータCMPの出力端子に接続される入力端子を設けてあり、上記再始動制御は、入力端子にハイレベルの異常検出信号Vaが入力された際(異常検出部6よりハイレベルの異常検出信号Vaを受け取った際)に実行される。なお、点灯用高周波電圧Vo、始動用高周波電圧Vs、および再始動用高周波電圧Vrは、使用する無電極放電灯100の規格(サイズや、放電ガスの種類など)、誘導コイル1のインダクタンス、共振回路を構成するインダクタL2のインダクタンスおよびコンデンサC2の静電容量(キャパシタンス)など、種々の条件によって適宜設定される。
なお、制御部5は、図示しない監視回路により直流電圧Vdcを監視しており、直流電圧Vdcが所定電圧(本実施形態では、高周波電源部4の駆動電圧)以上になった際に、始動制御または再始動制御を実行し、当該制御の実行から所定時間経過後に、点灯制御に移行するように構成される。
次に、本実施形態の無電極放電灯点灯装置の動作について図4を参照して説明する。なお、図4(a)は入力電圧Vinを示し、図4(b)は出力電圧Vdcを示し、図4(c)は高周波電圧Vcoilを示す。
点灯回路部2に電力を供給する前(時刻t11以前)は、入力電圧Vinおよび直流電圧Vdcのいずれも0であるから、コンパレータCMPの出力はロウレベルになる(ロウレベルの異常検出信号Vaが出力される)。ここで、商用交流電源ACより給電が開始されると(時刻t11)、昇圧チョッパ回路31のコンデンサC1は入力電圧Vinにより充電されるとともに、直流電圧Vdcは昇圧チョッパ回路31のチョッパ動作によって上記所定電圧まで昇圧される(時刻t12)。そうすると、制御部5は始動制御を実行して誘導コイル1に始動用高周波電圧Vsを印加し、所定時間経過した後に点灯制御に移行する(時刻t13)。点灯制御では誘導コイル1に点灯用高周波電圧Voが印加される。
その後に、商用交流電源ACに瞬時停電が生じた場合、数百ms程度の短期間、給電が停止される(時刻t14〜t15)。この場合、入力電圧Vinは0になるが、給電が停止された期間は短期間であるためにコンデンサC1は十分に放電されず、徐々に低下するものの直流電圧Vdcは0にはならない(図4(b)参照)。そのため、コンデンサC4の両端子間の電圧が検出電圧Vrefより低くなって、スイッチング素子Q5がオンになり、コンデンサC5が充電される。よって、コンパレータCMPの出力がハイレベルになる(ハイレベルの異常検出信号Vaが出力される)。
そして、商用交流電源ACより給電が再開された後、直流電圧Vdcは昇圧チョッパ回路31のチョッパ動作によって上記所定電圧まで再度昇圧される(時刻t16)。そうすると、制御部5は、ハイレベルの異常検出信号Vaを受け取っているから、始動制御ではなく再始動制御を実行して誘導コイル1に再始動用高周波電圧Vrを印加し、所定時間経過した後に点灯制御に移行する(時刻t17)。
以上述べたように、本実施形態の無電極放電灯点灯装置によれば、瞬時的な電圧降下によって無電極放電灯100が立ち消えた場合、直前まで無電極放電灯100が点灯していたために、無電極放電灯100は比較的高温であり、低温時よりも始動電圧が低くなり、また暗所で始動させる場合に比べて始動電圧が低くなるという点に着目し、始動用高周波電圧Vsよりも低電圧の再始動用高周波電圧Vrを誘導コイル1に印加することにより、無電極放電灯100を再始動させる。そのため、電源に瞬時的な電圧降下により消灯した無電極放電灯100を再始動させる際に、始動用高周波電圧Vsを印加する場合に比べれば、回路にかかるストレスを低減することができる。
また、電源に瞬時的な電圧降下が生じ給電量が減少した後に、再度通常通りの給電が開始された場合、直流電源部3の出力電圧Vdcは0まで低下していない点に着目して、入力電圧Vinが低下した際に、出力電圧検出部61の検出電圧Vrefが所定値以上であれば、電源に瞬時的な電圧降下が発生したと判定するから、電源の瞬時的な電圧降下の検出精度を向上することができる。
なお、入力電圧検出部60の検出結果より直流電源部3に給電が開始されたことを検知した際に出力電圧検出部61の検出電圧Vrefが所定値以上であれば、電源に瞬時的な電圧降下が発生したと判定するようにしてもよい。
ところで、本実施形態の無電極点灯装置は、電源切替部7を備えており、商用交流電源ACが停電した際には、商用交流電源ACに代わって非常用電源である二次電池BATより給電される。ここで、商用交流電源ACが停電してから、二次電池BATより給電されるまでの間(すなわち電源切替部7が電源を切り替えている間)は、入力電圧Vinが0になる。つまり、このときにおいても電源に瞬時的な電圧降下が生じることになる。
このような場合、図13に示す点灯回路部200によれば、図6に示すような動作が行われる。なお、図6(a)は入力電圧Vinを示し、図6(b)は出力電圧Vdcを示し、図6(c)は高周波電圧Vcoilを示す。
商用交流電源ACより給電が開始されると(時刻t31)、直流電圧Vdcは昇圧チョッパ回路31のチョッパ動作によって上記所定電圧まで昇圧される(時刻t32)。そうすると、制御部5は始動制御を実行して誘導コイル1に始動用高周波電圧Vsを印加し、所定時間経過した後に点灯制御に移行する(時刻t33)。
その後に、停電が発生して商用交流電源ACからの給電が停止されると(時刻t34)、電源切替部7によって電源が商用交流電源ACから二次電池BATに切り替えられ、二次電池BATより給電が開始される(時刻t35)。
二次電池BATより給電が開始された後、直流電圧Vdcは昇圧チョッパ回路31のチョッパ動作によって上記所定電圧まで再度昇圧される(時刻t36)。そうすると、制御部5は、始動制御を実行して誘導コイル1に始動用高周波電圧Vsを印加しようとするが、始動制御時には、点灯制御時に比べて高周波電源部4の消費電力が大きく、重負荷になるため、直流電源部3が直流電圧Vdcを上記所定電圧に維持できなくなり、その結果、高周波電源部4の動作に必要な電力が不足する。このような場合に、保護回路(図示せず)が設けられていれば、電力不足がトリガになって、高周波電源部4の動作が停止される(時刻t37)から、無電極放電灯Lは立ち消えてしまう。
このような点は以下の理由により引き起こされると考えられる。すなわち、無電極放電灯100は、始動時においてインダクタ負荷であり、特に無電極放電灯100が点灯していない始動時や無負荷時において、蛍光灯などの電極を有する他の放電灯に比べて大きな電力を必要とするからである。そのため、安定した始動、点灯を行うには、高周波電源部4の共振回路のQ値を大きくして、さらに、高周波電源部4の動作周波数(スイッチング素子Q2,Q3のオン・オフの周波数)を負荷インピーダンスの共振周波数に近い値に設定する必要がある。このようにした場合、無負荷時における高周波電源部4の消費電力は通常点灯時の2倍以上に達することがある。
また、直流電源部3は、一般的には無電極放電灯点灯装置のサイズやコストを考慮して、無電極放電灯100の通常点灯時の負荷状態を基準にして設計される。このように設計された直流電源部3に対して、無電極放電灯100の始動時には、高周波電源部4は重負荷となるから、直流電源部3の電圧レギュレーションが十分でなく、直流電圧Vdcが低下してしまうおそれがある。その結果、直流電圧Vdcを高周波電源部4の駆動電圧以上に維持することができなくなって、高周波電源部4の動作が停止してしまうことがある。
さらに、同じ電圧の電源であっても、交流電源よりも直流電源のほうが直流電源部3の制御が難しい。例えば、ともに200Vである交流電源と直流電源とから得た電力を元に直流電圧Vdcを420Vまで昇圧する場合を考慮する。電源が200Vの交流電源であるとき、直流電源部3がチョッパ動作を行っていなくても、コンデンサC1によって平滑されるから、入力電圧Vinは約288(=200×1.414)Vの直流電圧になる。一方、電源が200Vの直流電源であるときは、入力電圧Vinは200Vである。つまり、電圧が同じであれば電源が直流電源のときのほうが昇圧比が高くなるため、直流電源部3の動作が厳しくなる。その結果、誘導コイル1に印加される高周波電圧Vcoilの不安定化や、誤動作などの不具合が発生し易くなる。
しかしながら、本実施形態の無電極放電灯点灯装置によれば、上記の問題を解決することができる。以下、本実施形態の無電極放電灯点灯装置の電源切替時の動作について図5を参照して説明する。なお、図5(a)は入力電圧Vinを示し、図5(b)は出力電圧Vdcを示し、図5(c)は高周波電圧Vcoilを示す。
点灯回路部2に電力を供給する前(時刻t21以前)は、入力電圧Vinおよび直流電圧Vdcのいずれも0であるから、コンパレータCMPの出力はロウレベルになる(ロウレベルの異常検出信号Vaが出力される)。ここで、商用交流電源ACより給電が開始されると(時刻t21)、直流電圧Vdcは昇圧チョッパ回路31のチョッパ動作によって上記所定電圧まで昇圧される(時刻t22)。そうすると、制御部5は始動制御を実行して誘導コイル1に始動用高周波電圧Vsを印加し、所定時間経過した後に点灯制御に移行する(時刻t23)。
その後に、停電が発生して商用交流電源ACからの給電が停止されると(時刻t24)、電源切替部7によって電源が商用交流電源ACから二次電池BATに切り替えられ、二次電池BATより給電が開始される(時刻t25)。
この電源切替部7が電源を商用交流電源ACから二次電池BATに切り替える期間(時刻t24〜t25)、入力電圧Vinは0になるが、この期間は短期間であるためにコンデンサC1は十分に放電されず、徐々に低下するものの直流電圧Vdcは0にはならない。そのため、コンデンサC4の両端子間の電圧が検出電圧Vrefより低くなって、スイッチング素子Q5がオンになり、その結果、ハイレベルの異常検出信号Vaが出力される。
二次電池BATより給電が開始された後、直流電圧Vdcは昇圧チョッパ回路31のチョッパ動作によって上記所定電圧まで再度昇圧される(時刻t26)。そうすると、制御部5は、ハイレベルの異常検出信号Vaを受け取っているから、始動制御ではなく再始動制御を実行して誘導コイル1に再始動用高周波電圧Vrを印加し、所定時間経過した後に点灯制御に移行する(時刻t27)。
上述したように、本実施形態の無電極放電灯点灯装置によれば、商用交流電源ACからの給電が遮断された場合でも、非常用電源である二次電池BATにより無電極放電灯100を点灯させることができる。また、電源が商用交流電源ACから二次電池BATに切り替わる際に瞬時的な電圧降下が生じて無電極放電灯100が消灯した場合、始動用高周波電圧Vsではなく再始動用高周波電圧Vrを誘導コイル1に印加するから、始動用高周波電圧Vsを印加する場合に比べて高周波電源部4の消費電力を低減することができる。そのため、直流電源部3にかかる負荷が低減され、直流電源部3の動作が厳しくなることを抑制することができる。これによって、直流電源部3が直流電圧Vdcを高周波電源部4の駆動に必要な駆動電圧以上に維持することができるようになり、誘導コイル1に印加される高周波電圧Vcoilの不安定化や、誤動作などの不具合の発生を抑制することができる。
ところで、本実施形態の無電極放電灯点灯装置に使用する無電極放電灯100としては、例えば図7に示すものが挙げられる。
図7に示す無電極放電灯100は、放電ガスおよび水銀が封入されたバルブ110と、バルブ110の基端部(図7における下端部)111側に設けられバルブ110をカプラ80に固定する口金120とを備えている。
バルブ110は、透光性材料(図7に示す例では石英ガラス)により中空の球形状(図示例では電球形状)に形成された気密容器である。なお、バルブ110は硬質ガラスにより形成されていてもよい。
バルブ110の頂(先端)部(図7における上端部)には突起部112が一体に形成される。突起部112は、中空の円錐形状に形成されたものであって、バルブ110の表面側(外面側)において円錐形状の凸部を構成するとともに、バルブ110の裏面側(内面側)において円錐形状の凹部を構成している。突起部112は無電極放電灯100の点灯方向をBUとした場合に最冷部となる。
バルブ110の基端部111の中央部にはカプラ80の先部が内部に配置される円柱状の空洞部(キャビティ)113が凹設されている。この空洞部113の底部には、空洞部113の開口部側(すなわち口金120側)に向けて円筒状の排気管114が一体に突設されている。排気管114の内部とバルブ110の内部とは連通している。この排気管114の長さ寸法は、排気管114の先端部(図7における下端部)が、空洞部113より外方に突出するような値に設定されている。
バルブ110の内部には、アルゴンやクリプトンなどの希ガスなどの放電ガスが封入されている。また、バルブ110の内面全面には、バルブ110内部で発生した紫外線を可視光に変換するための蛍光体層115が形成されている。本例では、バルブ110を石英ガラスにより形成しているため、石英ガラスと水銀との反応を抑えるための保護膜116を蛍光体層115とバルブ110の内面との間に介在させている。なお、図7では、蛍光体層115と保護膜116を一部だけ図示している。
排気管114の内部には、バルブ110の内部に水銀を供給する(水銀を蒸発させ、必要な水銀蒸気圧を確保する)ための水銀供給部117が封入される。水銀供給部117は、円柱状のガラスロッド118と、排気管114に形成された突出部119との間に配置され、これによって水銀供給部117が排気管114内を移動しないようにしている。
水銀供給部117としては、Zn−Hg(亜鉛−水銀)アマルガムを、鉄−ニッケル合金製の金属容器内に収納したものが用いられる。また、Zn−Hgアマルガムの代わりに、ビスマス−インジウム−水銀アマルガムを用いてもよい。
口金120は、合成樹脂を用いて両端が開口した円筒状に形成されている。バルブ110は、基端側を口金120の一端開口(図7における上端開口)から口金120の内部に挿入した形で、口金120に固定されている。また、口金120は、カプラ80に固定できるように構成されており、口金120をカプラ80に固定した際には、カプラ80の先部がバルブ110の空洞部113内に位置するようになっている。
一方、本実施形態の無電極放電灯点灯装置は、図8に示すように、無電極放電灯100に装着されるカプラ80を備える。誘導コイル1はカプラ80に設けられており、点灯回路部2および電源切替部7は金属製のケース81に収納される。また、誘導コイル1と点灯回路部2とは電線82で接続される。なお、ケース81には二次電池BATも収納される。
そして、本実施形態の無電極放電灯点灯装置は、図9(a)〜(c)に示すような照明器具に備えられる。図9に示す照明器具は、いわゆるトンネル灯であって、無電極放電灯100が装着される器具本体90を備える。図9に示す器具本体90は、一面(前面)が開放された直方体の箱状に形成されており、器具本体90には一面開口を覆う透光パネル91が取り付けられる。また、器具本体90の内部には、無電極放電灯1から放射された光を一面開口側に反射する反射板92が設けられる。無電極放電灯点灯装置のカプラ80およびケース81は、無電極放電灯100とともに器具本体90の内部に収納される(図9ではケース81のみ図示している)。なお、図9中の93は端子台であって、商用交流電源ACの給電線を無電極放電灯点灯装置に接続するために使用される。
無電極放電灯100は、長寿命および省メンテナンスであるという利点があって、メンテナンスが面倒なトンネル灯として無電極放電灯100を採用するメリットが大きい。また、本実施形態の無電極放電灯点灯装置は、電源切替部7を有するので、停電時におけるトンネル内の消灯時間が短くなり、結果的に、トンネル内の安全性の向上につながる。
ところで、本実施形態の無電極放電灯点灯装置は、図9に示す照明器具の他に、図10に示す照明器具や、図11に照明器具にも採用することができる。
図10に示す照明器具は、例えば街路灯として使用されるものであり、器具本体90は、深皿状に形成されている。この器具本体90には上面を覆う透光パネル91が取り付けられ、また内部には、無電極放電灯1から放射された光を上方に反射する反射板92が設けられる。無電極放電灯点灯装置のカプラ80およびケース81は、無電極放電灯100とともに器具本体90の内部に収納される(図10では電線82の図示を省略している)。
図11に示す照明器具は、例えば電柱などのポールPに取り付けられて、防犯灯として使用されるものであり、器具本体90は下面が開口されている。この器具本体90には下面開口を覆う透光パネル91が取り付けられ、また内部には、無電極放電灯1から放射された光を下方に反射する反射板92が設けられる。無電極放電灯点灯装置のカプラ80およびケース81は、無電極放電灯100とともに器具本体90の内部に収納される(図11ではカプラ80、ケース81、および電線82の図示を省略している)。
このような図9〜図11に示す照明器具によれば、本実施形態の無電極放電灯点灯装置を備えているので、電源に瞬時的な電圧降下が生じて消灯した無電極放電灯100を再始動させる際に、回路にかかるストレスを低減することができる。
以上述べた本実施形態の無電極放電灯点灯装置の構成はあくまでも本発明の一実施形態であって、本発明の技術的範囲を上記の例に限定する趣旨ではなく、本発明の趣旨を逸脱しない程度に変更することができる。特に、点灯回路部2の各部の回路構成は、あくまでも一例であって、上述の例に限定されず、同様の動作を行う回路構成に置き換えることができる。この点は、後述する実施形態2においても同様である。
(実施形態2)
本実施形態の無電極放電灯点灯装置は、図12に示すように、電源異常検出部6の構成が実施形態1と異なっており、その他の構成については実施形態1と同様である。よって、実施形態1と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態における電源異常検出部6は、温度判定部63を備えている点で、実施形態1と異なる。なお、入力電圧検出部60、出力電圧検出部61、および判定部62については実施形態1と同様である。
温度判定部63は、無電極放電灯100の温度を検出する温度検出手段となる感温抵抗THを備える。本実施形態では、無電極放電灯100の温度は、厳密な意味での無電極放電灯100の温度ではなく、無電極放電灯100の温度とおおむね等しいと考えることができる温度、例えば無電極放電灯100の周囲の温度をいう。
感温抵抗THは、抵抗R7とともに出力電圧検出部61の検出電圧Vrefを分圧する分圧回路63aを構成する。また、温度判定部63は、コンパレータCMPの出力端子と制御部5の入力端子と間に挿入された抵抗R8と、スイッチング素子Q6とを備える。スイッチング素子Q6は、分圧回路63aで分圧された検出電圧Vref、すなわち抵抗R7の両端間の電圧が所定値(温度判定用の閾値)を上回った際に、オンになるように構成される。なお、温度判定用の閾値は、使用する無電極放電灯100の規格(サイズや、放電ガスの種類など)など、種々の条件によって適宜設定される。
ここで、スイッチング素子Q6がオンになると、制御部5の入力端子がスイッチング素子Q6を介してグラウンドに接続される。よって、スイッチング素子Q6がオンである間は、異常検出信号Vaは強制的にロウレベルに設定される。そのため、仮にコンパレータCMPがハイレベルの異常検出信号Vaを出力していても、制御部5には、ロウレベルの異常検出信号Vaが入力される結果になる。
このようなスイッチング素子Q6としては、例えばnpn形のバイポーラ・トランジスタを使用することができる。この場合、スイッチング素子Q6のコレクタを制御部5の入力端子に、エミッタをグラウンド(整流装置30の低電位側の出力端)に、ベースを感温抵抗THと抵抗R7との接続点に接続すればよい。
感温抵抗THは、例えば、正の温度係数(温度が高くなれば抵抗が大きくなる)を有するいわゆるPTC(positive temperature coefficient)サーミスタ(正特性サーミスタ)であり、無電極放電灯100の近傍に配置される。したがって、無電極放電灯100の温度が高くなれなるほど感温抵抗THの抵抗値は大きくなり、無電極放電灯100の温度が低くなればなるほど感温抵抗THの抵抗値は小さくなる。すなわち、分圧回路63aの分圧比は無電極放電灯100の温度に依存する。そのため、無電極放電灯100の温度が低くなって、感温抵抗THの抵抗値が小さくなり、抵抗R7の両端間の電圧が上記温度判定用の閾値を上回った際にスイッチング素子Q6がオンする。
つまり、本実施形態では、温度判定部63を設けたことにより、温度検出手段で検出した温度(無電極放電灯100の温度)が所定温度以下であれば、電源異常検出部6により瞬時的な電圧降下が検知された際でも、再始動制御ではなく、始動制御が実行され、誘導コイル1には、始動用高周波電圧Vsが印加される。
そのため、本実施形態の無電極放電灯点灯装置によれば、電源に瞬時的な電圧降下が生じた場合であっても、無電極放電灯100の温度が低く、始動電圧が高くなっているようなときでも、無電極放電灯100を再始動させることができる。なお、本実施形態の無電極放電灯点灯装置の他の効果については実施形態1と同様である。
実施形態1の無電極放電灯点灯装置の回路説明図である。 同上における電源切替部の概略説明図である。 無電極放電灯の温度と始動電圧との関係を示すグラフである。 同上の無電極放電灯点灯装置の瞬時停電時の動作説明図である。 同上の無電極放電灯点灯装置の電源切替時の動作説明図である。 従来の無電極放電灯点灯装置の電源切替時の動作説明図である。 同上の無電極放電灯点灯装置に使用する無電極放電灯の概略説明図である。 同上の無電極放電灯点灯装置の外観図である。 同上の無電極放電灯点灯装置を用いた照明器具を示し、(a)は前面図、(b)は長手方向の側面図、(c)は短手方向の側面図である。 同上の無電極放電灯点灯装置を用いた照明器具の他例の概略断面図である。 同上の無電極放電灯点灯装置を用いた照明器具の他例の概略断面図である。 実施形態2の無電極放電灯点灯装置の回路説明図である。 従来の無電極放電灯点灯装置の回路説明図である。 同上の無電極放電灯点灯装置の動作説明図である。
符号の説明
1 誘導コイル
2 点灯回路部
3 直流電源部
4 高周波電源部
5 制御部
6 電源異常検出部
7 電源切替部
60 入力電圧検出部
61 出力電圧検出部
62 判定部
90 器具本体
100 無電極放電灯
TH 感温抵抗(温度検出手段)
AC 商用交流電源(常用電源)
BAT 二次電池(非常用電源)

Claims (5)

  1. 無電極放電灯に近接して配置され高周波電圧が印加されることにより高周波電磁界を発生して無電極放電灯の放電ガスを励起させる誘導コイルと、誘導コイルに高周波電圧を印加する点灯回路部とを備え、
    点灯回路部は、電源から供給された電力を元に直流電圧を出力する直流電源部と、直流電源部の出力電圧を高周波電圧に変換して誘導コイルに印加する高周波電源部と、無電極放電灯の始動時には点灯時よりも高い始動用の高周波電圧が誘導コイルに印加されるように高周波電源部を制御する制御部と、電源の瞬時的な電圧降下を検出する電源異常検出部とを有し、
    制御部は、電源異常検出部により瞬時的な電圧降下が検知されると、上記始動用の高周波電圧よりも低電圧の再始動用の高周波電圧が誘導コイルに印加されるように高周波電源部を制御して無電極放電灯を始動させることを特徴とする無電極放電灯点灯装置。
  2. 上記点灯回路部に接続する電源を常用電源と非常用電源との間で切り替える電源切替部を備え、
    電源切替部は、常用電源が停電しているか否かを検出する停電検出部を有し、停電検出部により停電が検出された際に、上記点灯回路部に接続する電源を常用電源から非常用電源に切り替えることを特徴とする請求項1記載の無電極放電灯点灯装置。
  3. 上記電源異常検出部は、上記直流電源部に入力される入力電圧を検出する入力電圧検出部と、上記直流電源部の出力電圧を検出する出力電圧検出部と、入力電圧検出部の検出電圧が給電判定用の閾値以下であるときに出力電圧検出部の検出電圧が動作判定用の閾値以上であれば、電源に瞬時的な電圧降下が発生したと判定する判定部とを備えていることを特徴とする請求項1または2記載の無電極放電灯点灯装置。
  4. 上記無電極放電灯の温度を検出する温度検出手段を有し、
    上記制御部は、温度検出手段で検出した温度が所定温度以下であれば、上記電源異常検出部により瞬時的な電圧降下が検知された際でも、上記始動用の高周波電圧が誘導コイルに印加されるように高周波電源部を制御することを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項記載の無電極放電灯点灯装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の無電極放電灯点灯装置と、当該無電極放電灯点灯装置により点灯される無電極放電灯が装着される器具本体とを備えていることを特徴とする照明器具。
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