JP2010008310A - ケーブル探査方法及びケーブル探査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ケーブルの判別精度を向上することができるケーブル探査方法を提供する。
【解決手段】信号発生装置2に接続された誘導結合素子3及び受信装置4に接続された電流プローブ5がケーブル8に取り付けられる。フェライトコア6は、ケーブル8に沿って誘導結合素子3から電流プローブ5に向かう方向で電流プローブ5から離れた位置で各ケーブルに取り付けられる。信号発生装置2から出力された200kHz〜100MHzの範囲の複数の周波数を含む電気信号を誘導結合素子3からケーブル8に印加する。まず、全てのケーブルにフェライトコア6を取り付けない状態で電流プローブ5によってその電気信号を検出し、受信装置4で電流特性を求める。ケーブル8及び他のケーブル8Aに順次フェライトコア6を取り付けて受信装置4でそれぞれ電流特性を求める。これらの電流特性に基づいて被特定ケーブルを判別する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ケーブル探査方法及びケーブル探査装置に係り、特に、既に敷設されているケーブルの敷設経路及び接続先を探査するのに好適なケーブル探査方法及びケーブル探査装置に関する。
発電所、産業プラント及びビルなどの施設では、機器の状態監視、制御及び電力供給のためのケーブルが施設内に敷設されている。ケーブルは、ケーブルトレイ内に施工図面を基にして敷設されるため、どの経路を通って敷設されているかは既知の場合が多い。ケーブルトレイには、計測用、制御用、低圧動力用、高圧動力用の各ケーブルが載っており、それぞれのケーブルが、異なるケーブルトレイに分けられている場合もあれば、区別なく1つのケーブルトレイに混在している場合もある。1つのケーブルトレイ内には、数本から数十本、場合によっては100本を超えるケーブルが敷設されている。各ケーブルは、1芯のケーブル及び多芯(2芯以上)のケーブルを含んでおり、更に、シールドの有無、太さ及び敷設長も様々である。各ケーブルの末端部には、様々な機器が接続されている場合もあれば、何も接続されていない場合もある。
このような施設では、ケーブルの劣化による短絡事故及びデータ伝送不良を防ぐために、ケーブルを交換したり、あるいは新しい機器の設置に伴い、古い機器で使用していたケーブルを撤去したりする場合がある。ケーブルの交換及び撤去において、ケーブルトレイ内に敷設された各ケーブルの末端部から目的のケーブルのみを引き抜くことは、目的のケーブルがケーブルトレイ内で他のケーブルと絡み合っていたり、目的のケーブル自体がケーブルトレイ及び他のケーブルと結束されていたりして困難な場合がほとんどである。このような場合には、末端部からケーブルを辿っていき、適当な箇所で切断し引き抜く作業を繰り返すことになる。しかしながら、ケーブルを目視でたどる作業は非常に困難である。例えば、壁及び天井の貫通部、ケーブルダクトといった、目視でケーブルをたどれない場所では、どれが目的ケーブルであるかを判別することが難しい。
このような問題に対して、目的のケーブルに末端部から測定用の信号を流し、この信号を捕らえてケーブルを識別するケーブル探知方法が提案されている(例えば、特開平11-337606号公報)。この方法は、目的のケーブルの導体部分に電極を接触させて数kHzの正弦波信号を流し、そのケーブルの周囲に発生する磁界及び電界を検出することによりケーブルを判別する。この方法は、ケーブルの末端部が判明していることを前提としている。しかしながら、実際には、施設内の特定の部屋、床及び区間において、行き先不明のケーブルの経路及びその行き先を特定したいという要求が多い。この場合には、ケーブル経路途中から信号を入力する必要があり、ケーブルの途中で被覆を剥離しなければならない。このため、ケーブルの誤切断、むき出した導線の意図しない短絡または作業者の感電が起きることが危惧される。
特開2005-345344号公報に記載されたケーブル探査方法は、送信器に接続された環状の第1電磁変換素子及び受信器に接続された環状の第2電磁変換素をケーブルに取り付け、送信器から出力されて第1電磁変換素子からケーブルに印加された磁気信号は、第2電磁変換素子を介して受信器で探知される。第1電磁変換素子を基準に第2電磁変換素子とは反対側で、ケーブルにフェライトで構成されたリングコアが取り付けられる。このリングコアは、第1電変換素子からケーブルに印加された磁気信号が、第2電磁変換素子側ではなく反対側に送信されることを防止している。環状の第1及び第2電磁変換素子をケーブルに取り付けることによって、特開平11-337606号公報のようにケーブルの途中で被覆を剥離する必要が無くなる。
特開平11-337606号公報 特開2005-345344号公報
しかしながら、特開2005-345344号公報に記載されたケーブル探査方法では、リングコアにより第1電磁変換素子から反対方向(第1電磁変換素子から第2電磁変換素子に向かう方向とは逆方向)に電磁信号が伝送されることを防止している。ケーブルに電流が十分に流れるためには、還流ループが必要である。しかしながら、特開2005-345344号公報ではリングコアを設置しているので、ケーブルの接地により還流ループが形成されている場合でも、信号電流を印加してもリングコアの作用により、ケーブルには一部の電流、すなわち、印加された信号電流の一部の電流しか流れない可能性がある。このため、受信器による検出感度が低くなり、ケーブルを間違って特定する可能性が生じる。さらに、ケーブルの末端が開放されている場合、即ち、ケーブルの両端が操作盤等に接続されていなくて対地に短絡していない場合には、このケーブルは電流ループを形成できないために、電磁信号を印加しても電流が流れないという問題も生じる。この場合には、ケーブルを特定することができなくなる。
本発明の目的は、ケーブルの判別精度を向上することができるケーブル探査方法及びケーブル探査装置を提供することにある。
上記した目的を達成する本発明の特徴は、複数のケーブルのうち探査対象ケーブルに取り付けられた誘導結合手段から探査対象ケーブルの導体に電気信号を印加し、
探査対象ケーブルの導体に流れる電流を探査対象ケーブルに取り付けられた電磁結合手段によって検出し、
誘導結合手段から電磁結合手段に向う方向で電磁結合手段から離れた位置でケーブル特性変更素子の取り付け及び取り外しを複数のケーブルの少なくとも一部に対して順次行い、
ケーブル特性変更素子が前記複数のケーブルの少なくとも一部に取り付けられたそれぞれの時点で、電磁結合手段による電流の検出を行い、
検出された電流に基づいて前記探査対象ケーブルを判別することにある。
誘導結合手段から電磁結合手段に向う方向で電磁結合手段から離れた位置でケーブル特性変更素子の取り付け及び取り外しを複数のケーブルの少なくとも一部に対して順次行って、ケーブル特性変更素子が複数のケーブルの少なくとも一部に取り付けられたそれぞれの時点で、電磁結合手段による前記電流の検出を行うので、誘導結合手段からの電気信号の印加によって誘導結合手段から電磁結合手段に向って探査対象ケーブル内を流れる電流が誘導結合手段から電磁結合手段の間で抑制されない。このため、電磁結合手段で検出する電流の検出感度が向上し、探査対象ケーブル8の判別精度が向上する。
上記の目的は、複数のケーブルのうち探査対象ケーブルに取り付けられた誘導結合手段から探査対象ケーブルの導体に、200kHz〜100MHzの範囲に存在する複数の異なる周波数を含んでいる電気信号を印加し、
探査対象ケーブルの導体に流れる電流を探査対象ケーブルに取り付けられた電磁結合手段によって検出し、
検出された電流に基づいて探査対象ケーブルを判別することによっても達成することができる。
200kHz〜100MHzの範囲に存在する複数の異なる周波数を含んでいる電気信号を印加することによって、探査対象ケーブルがアンテナとして作用するので、探査ケーブルの両端が開放されている場合でも探査対象ケーブルを判別することができる。このため、ケーブルの判別精度を向上することができる。
本発明によれば、ケーブルの判別精度を向上することができる。
本発明の実施例を以下に説明する。
本発明の好適な一実施例である実施例1のケーブル探査装置を、図1及び図3を用いて説明する。本実施例のケーブル探査装置1は、信号発生装置2、誘導結合素子(誘導結合手段)3、受信装置4、電流プローブ(電磁結合手段)5及びフェライトコア(磁性体コア)6を備えている。信号発生装置2が誘導結合素子3に接続され、受信装置4が電流プローブ5及び判定装置7に接続される。判定装置7は電子計算機である。受信装置4もその電子計算機で構成することも可能である。
ケーブルトレイ内に敷設された複数のケーブル8(具体的には、図3に示す被特定ケーブル8A(探査対象ケーブル)及びこれ以外の複数のケーブル8B)は複数の導線(導体)9を有している。あるケーブル8である被特定ケーブル8Aに含まれるこれらの導線9の一端は機器10に接続され、導線9の他端は制御装置11に接続されている。別のケーブル8であるケーブル8Bは、両端が機器10A及び制御装置11Aに接続されている。さらに別のケーブル8の両端は機器及び制御装置に接続されていなく、その両端が開放されている。このケーブル8は、機器を新しい機器に替えたために不要になり、ケーブルトレイから引き抜かずにそのまま残しているものである。ケーブルトレイ内に残っている理由は、不要になったケーブル8をケーブルトレイから引抜いて除去することが困難であるからである。ケーブル8としては、平行ケーブルのほか、多芯ケーブル、単線ケーブル、同軸ケーブル及びシールド付ケーブルなどが用いられる。
誘導結合素子3としては、ケーブル8の導線9に接触しなくても電流を印加可能な結合トランス等が用いられる。誘導結合素子3は探査対象のケーブル8である被特定ケーブル8Aの被覆の外側を把持するように被特定ケーブル8Aに誘導結合される。信号発生装置2から出力された電気信号が誘導結合素子3に導かれると、誘導結合素子3から被特定ケーブル8Aの導線9に非接触で探査用の電流が印加される。誘導結合は、電気信号を磁界に変換し、更に電気信号に変換して導線に電流を印加する結合方式である。図2は被特定ケーブル8Aを対象にした誘導結合の等価回路を示しており、12が誘導結合素子3による結合箇所である。図2では、結合箇所12が複数ターンの表記になっているが、実際にはターン数1:1が多い。信号発生装置2から出力された電気信号は電流が流れることで生じる磁界を介して被特定ケーブル8に電流を誘導する誘導結合素子3を用いた結合方式によって、信号発生装置2は被特定ケーブル8Aの導線9に接触することなくその導線9に電流を印加できる。導線が複数存在するケーブル及び多芯ケーブル及びシールドが設けられたケーブルでは、すべての導線に電流が印加される。
信号発生装置2から出力される電気信号は、複数の周波数成分を含んでいる。その電気信号に含まれる周波数成分の周波数の範囲は、200kHzから100MHzである。信号発生装置2から出力される電気信号は、200kHzから100MHzの範囲内の異なる少なくとも2つの周波数を含んでいる。このように、電気信号が少なくとも2つの周波数成分を含んでいる理由、周辺機器の発生するノイズと異なる周波数にすることにより、周辺機器の影響を受けない周波数にするためである。複数の周波数成分を含んだ電気信号の替りに、時間とともに周波数が変化する信号(チャープ信号あるいはスイープ信号ともいう)、もしくはOFDM(Othogonal Frequency Division Multiplexing、直交周波数分割多重)などの変調信号を用いることができる。
受信装置4は、被特定ケーブル8Aを流れる電流を測定する。受信装置4に接続される電流プローブ5は、被特定ケーブル8Aの導線9に接触せずに、誘導結合素子3から入力された探査電流を測定できる。電磁結合素子である電流プローブ5の替りに、誘導結合素子である結合トランスを被特定ケーブル8Aに取り付け、受信装置4に接続してもよい。電流プローブ5は、探査用の電気信号を印加するケーブル、すなわち、被特定ケーブル8Aの任意の位置に取り付けられる。受信装置4に接続される電流プローブ5または結合トランスは、探査電流を検出できる結合素子である。電流プローブ5の等価回路は、図2とほぼ同じであるが、ケーブルを流れる電流を効率よく検出するために、巻線比は2次側が高くしてある。電流プローブ5は、被特定ケーブル8Aを流れる電流によって生じる磁界を電気信号に変換して受信装置4に出力する。電流プローブ5は、被特定ケーブル8Aに取り付ける必要があるため、目視にて他のケーブル8Bと識別が可能な範囲内で被特定ケーブル8Aの任意の位置に被覆の外側を把持するように取り付けられる。
フェライトコア6は、ケーブルの特性、すなわち、ケーブルのインピーダンスを変更する手段であり、磁性体であるフェライトで構成されている。フェライトコア6の替りになる磁性体コアは、フェライト以外の磁性材料を用いて構成しても良い。フェライトコア6を被特定ケーブル8Aに取り付けた場合及びそれを取り付けない場合では、被特定ケーブル8Aの特性(インピーダンス)が変化して、電流プローブ5で検出されて受信装置4に入力される電気信号が変化する。受信装置4に入力されるこの電気信号の変化の有無により、フェライトコア6を取り付けたケーブル8が被特定ケーブル8Aであるか否かを判定する。このケーブルの判定方法の詳細については後述する。フェライトコア6は、被特定ケーブル8Aが複数のケーブル8のうちどれであるか、または被特定ケーブル8Aが含まれているケーブル群を判定したい位置で、ケーブル8またはケーブル群に取り付けられる。フェライトコア6を取り付ける位置は、例えば、ケーブル8の終端付近、ケーブル8を切断したい位置、ケーブル8の敷設経路であるケーブルトレイの分岐点、及びケーブル8に識別用のタグをつけたい位置などである。
探査用の電気信号を被特定ケーブル8Aに印加することによって被特定ケーブル8Aの導線9に電流が流れる原理を以下に説明する。一般的には、電流が被特定ケーブル8Aに流れるためには、被特定ケーブル8Aに対する行きと戻りの各電流経路がループ状に結合している必要がある。本実施例では、被特定ケーブル8Aを励振させ、被特定ケーブル8Aがアンテナとして作用することを利用して被特定ケーブル8Aに電流を流す。従来、任意の箇所での探索用の電気信号の被特定ケーブルへの印加は、行きと戻りの電流経路のループが形成できる被特定ケーブルの状態(例えば、行きと戻りの経路を形成する2本の導線が電気的に短絡している状態、または被特定ケーブルの両端が大地に接地して大地及び被特定ケーブルと他のケーブルによって行きと戻りのループを形成している状態)でしか行うことできなかった。しかしながら、本実施例では、被特定ケーブル8Aの末端がいかなる状態であったとしても、例えば、被特定ケーブル8Aの末端が開放されている、被特定ケーブル8Aの一端が接地されている、被特定ケーブル8Aの一端が他のケーブル8に短絡している、被特定ケーブル8Aの一端に所定負荷が接続されている、のいずれの場合であっても、被特定ケーブル8Aに電流を流すことができる。即ち、被特定ケーブル8には行きと戻りのループは形成されていないが、被特定ケーブル8Aの導線9には、電流が往復して流れる。被特定ケーブル8Aの一端または両端が接地されている場合には、大地を介して電流が流れて電流ループが形成される場合もあるが、多くは、MHzオーダの探査用信号(高周波電流)に対しては大地とのインピーダンス不整合によって電流が大地に流れにくくなるため電流ループは形成されずケーブルを往復する電流が流れることとなる。短絡や所定負荷(例えば抵抗)がある場合は、ある多芯ケーブルの芯線同士が短絡または所定負荷が接続されていることであるが、本発明では多芯ケーブルの外側から誘導結合素子を把持するため短絡でも所定負荷があっても電流ループは形成されず、やはり往復電流が流れることとなる。このため、本実施例は、被特定ケーブル8Aの敷設及び終端のそれぞれがどのような状態であっても、被特定ケーブル8Aに電流を流すことができる。被特定ケーブル8Aを励振させるために誘導結合素子3から被特定ケーブル8Aに印加される電気信号の周波数を、半波長がケーブル長よりも短い周波数にすることによって、被特定ケーブル8Aがアンテナとして作用する確率が高くなる。被特定ケーブル8Aがアンテナとして作用する確率が高くなる周波数fは式(1)で表すことができる。
f≧c・α/2l ……(1)
ここで、cは光速、lはケーブル長及びαは波長短縮率である。
プラントに敷設されているケーブル長lは最大500mである。多くのケーブルの波長短縮率αは0.7程度であるため、式(1)によれば、共振周波数は約200kHzである。これより高い周波数でフェライトコア6の有無によるケーブル特性の変化による効果が大きいので、被特定ケーブル8Aに印加する電気信号の周波数fは、200kHz以上である。この周波数よりも高い周波数を有する電気信号を印加することによって、被特定ケーブル8Aがアンテナとして作用する確率が高くなり、被特定ケーブル8Aに効率良く電流を流すことができる。ケーブル長は予め分かっていない場合が多いため、印加する電気信号は、どのケーブル長にも対応できるように、200kHz以上でかつ100MHz以下の周波数成分を含むようにするプラントに敷設されているケーブルは場合によっては最も短いものでは数メートルであり、共振周波数は数十MHzとなる。これより高い周波数で評価するため、100MHz以下の周波数成分を含む信号を用いれば、プラント内のケーブルを評価可能であり、判別精度を向上できる。100MHzより高い周波数はケーブル長に対して周波数が高すぎて電流がほとんど注入されないため、上限は100MHzとなる。
また、この周波数成分が離散的または連続的に存在する帯域を含んでいる電気信号を用いることが望ましい。
本実施例における被特定ケーブル8Aの判定方法の原理を、図3を用いて説明する。被特定ケーブル8A及びこれ以外の複数のケーブル8Bを含む複数のケーブル8は、一部または全部の区間が同一のケーブルトレイ(図示せず)内に敷設されている。探査対象の被特定ケーブル8Aに誘導結合素子3及び電流プローブ5を取り付ける。誘導結合素子3から被特定ケーブル8Aに複数の異なる周波数を含む電気信号を印加し、被特定ケーブル8Aに流れる電流を測定する(図3(A)参照)。図3(A)では、どのケーブル8にもフェライトコア6を取り付けない状態で予め被特定ケーブル8Aに流れる電流を測定する。このとき、被特定ケーブル8Aにはこのケーブルの両端部間に探査電流経路13が形成され、その両端部間を往復する電流が流れる。被特定ケーブル8Aにフェライトコア6を取り付ける(図3(B)参照)。実際にはどのケーブル8が被特定ケーブル8Aで有るか分からないが、フェライトコア6が、誘導結合素子3から電流プローブ5に向う方向で、電流プローブ5から離れた所定の位置で被特定ケーブル8Aに取り付けられたと仮定する。フェライトコア6はインダクタンスであるため、周波数が高い電気信号(200kHzから100MHzの電気信号)に対しては被特定ケーブル8Aのインピーダンスが高くなる。このため、ケーブル8に流れる高周波電流(誘導結合素子3から印加される電気信号によって発生)がフェライトコア6を取り付けた位置で抑制される。このため、被特定ケーブル8Aを流れる電流の一部または全部は、被特定ケーブル8Aの一つの末端部とフェライトコア6の間に形成される探査電流経路13Aを往復して流れる。被特定ケーブル8Aはアンテナとして作用して電流が流れている。しかしながら、図3(B)の状態は探査電流経路13Aの長さを図3(A)の探査電流経路13のそれから変更したことに相当するため、予め測定された電流特性(図3(A)の状態で測定された電流特性)とは異なる測定結果が得られる。
被特定ケーブル8Aと異なるケーブル8Bにフェライトコア6を取り付けた状態を図3(C)に示す。この場合、フェライトコア6が被特定ケーブル8Aの特性に与える影響はほとんどなく、誘導結合素子3から印加される電気信号によって被特定ケーブル8Aに生じるほとんどの電流も、図3(A)と同様に、被特定ケーブル8Aの両端部間を往復して流れる。図3(B)及び図3(C)の状態でも、被特定ケーブル8Aには信号発生装置2から出力された、複数の異なる周波数を含む電気信号が、誘導結合素子3から印加される。
受信装置4で測定された、被特定ケーブル8Aを流れる電流の特性の例を、図4に示す。実線で示す特性23は、図3(A)の状態で被特定ケーブル8Aに流れる電流のスペクトル(第1電流スペクトル情報)を示している。破線で示す特性22は、図3(B)の状態におけるその電流のスペクトル(第2電流スペクトル情報)を示している。図3(A)、図3(B)及び図3(C)の各状態では、図4の横軸に示すそれぞれの周波数を含む電気信号が、ケーブル探査用の電気信号として誘導結合素子3から被特定ケーブル8Aに印加される。このため、それぞれの状態において、図4に示す特性が受信装置4の測定結果に基づいて得ることができる。特性22は、特性23と被特定ケーブル8Aに流れる電流の特性が異なる。発明者らの実験によれば、電流のスペクトルが異なる傾向は、特に、共振周波数より高い周波数で顕著に現れる。共振周波数は式(1)で求めることができる。図3(C)の状態における被特定ケーブル8Aに流れる電流のスペクトルは、特性23とほぼ等しい。もし、このスペクトルが特性23と異なった場合には、図3(C)の状態における電流のスペクトルの変化は、特性22の変化よりも小さくなる。ケーブルが3本以上存在する場合でも同様であり、各ケーブルに、順次、フェライトコア6を取り付け、受信装置4で測定された電流の変化が最も大きいケーブルが被特定ケーブル8Aであると判定する。電流スペクトルの変化量の算出には、図3(A)、図3(B)及び図3(C)の状態における受信装置4での各測定結果の差、及びこれらの相関の演算を用いることができる。図4には例として電流の各周波数成分に対する電流の振幅の変化、すなわち、電流スペクトルの変化を示しているが、位相特性の変化量で判定しても良い。この位相特性の変化量は、電流の各周波数成分に対する電流の位相の変化で表される。周波数領域ではなく時系列で同様の演算をしても良い。
なお、フェライトコア6を用いて被特定ケーブル8Aに流れる電流の特性を変化させることによって被特定ケーブル8Aか否かを判定する本実施例は、被特定ケーブル8Aをアンテナとして作用させて流れる電流を計測する場合にだけ適用できるのではなく、例えば、被特定ケーブル8Aと大地で形成される電流ループを流れる電流を計測する場合に対しても適用可能である。この場合は、共振周波数が存在しないことが多いが、被特定ケーブル8Aか否かを判定する方法は同じである。
本実施例におけるケーブル探査方法を、図5を用いて詳細に説明する。あるケーブルトレイ内に敷設された複数のケーブルのうち1本のケーブル8、すなわち、探査対象である被特定ケーブル8Aに、信号発生装置2に接続された誘導結合素子3及び受信装置4に接続される電流プローブ5を取り付ける。まず、被特定ケーブルに電気信号を印加する(ステップS1)。信号発生装置2は、200kHzから100MHzの周波数範囲に含まれる図4に示すような複数の異なる周波数を有するケーブル探査用の電気信号を誘導結合素子3に出力する。この電気信号は誘導結合素子3から被特定ケーブル8Aに印加される。いずれのケーブルにもフェライトコア6を取り付けない状態における被特定ケーブルの電流特性を測定する(ステップS2)。ケーブルトレイ内に敷設された全てのケーブル8にフェライトコア6を取り付けない状態で、被特定ケーブル8Aへの電気信号の印加によって被特定ケーブル8Aの導線9に生じた電流を電流プローグ5検出する。電流プローブ5で検出された電流に基づいた電気信号が電流プローグ5から受信装置4に入力され、受信装置4はこの電気信号に基づいて電流特性である電流の各周波数成分に対する電流の振幅の変化、すなわち、電流スペクトル(第1電流スペクトル情報)を求める。得られた測定結果を記憶する(ステップS3)。求められた電流スペクトル、すなわち、測定結果は、受信装置4から判定装置7に出力され、参照パターンとして判定装置7の記憶装置(図示せず)に記憶される。
任意の1本のケーブルにフェライトコアを取り付けてケーブルの電流特性を測定する(ステップS4)。被特定ケーブル8Aを探査したい位置で、ケーブルトレイ内の任意の1本のケーブル8(被特定ケーブル8Aまたはこれ以外のケーブル8B)にフェライトコア6を取り付ける。スッテプS1と同様に、被特定ケーブル8Aに複数の周波数を含む電気信号を印加し、電流プローブ5により被特定ケーブル8Aを流れる電流を電気信号として検出する。さらに、受信装置4は、検出した電気信号を用いて被特定ケーブル8Aの電流特性、すなわち、電流スペクトル(第2電流スペクトル情報)を求める。得られた測定結果を記憶する(ステップS5)。求められた電流スペクトル(測定結果)は、受信装置4から判定装置7に出力され、測定パターンとして判定装置7の記憶装置(図示せず)に記憶される。測定パターンと参照パターンとの差を算出する(ステップS6)。ステップS4で測定された測定パターン(電流スペクトル)とステップS2で測定された参照パターン(電流スペクトル)の差((測定パターン)−(参照パターン))が、判定装置7で算出される。具体的には、測定パターンの電流の振幅から参照パターンの電流の振幅を差し引く演算を、各周波数毎に行い、各周波数毎にそれらの差の絶対値を求める。算出された差(絶対値)は、フェライトコア6を取り付けたケーブル8の識別記号と共に、判定装置7の記憶装置に記憶される。全てのケーブル8にフェライトコアが取り付けられたかを判定する(ステップS7)。判定装置7は、探査対象のケーブル8の全てに対してフェライトコア6を取り付けて、測定パターンの計測が終了したかを判定する。ステップS7の判定が「no」である場合には、フェライトコア6を別のケーブル8に取り付け、ステップS4〜S7の各処理が実行される。ステップS4〜S7の各処理は、探査対象のケーブル8の全てに対してフェライトコア6が取り付けられ、ステップS7の判定が「yes」になるまで、繰り返し実行される。ステップS7の判定が「yes」になったとき、ステップS8の処理が実行される。
測定パターンと参照パターンの差(絶対値)が設定値以上になっているケーブルを、被特定ケーブルであると判定する(ステップS8)。判定装置7は、記憶装置に記憶されている、測定パターンと参照パターンとの差を用いて被特定ケーブル8を特定する。すなわち、この差の絶対値が設置値以上になっているケーブル8が被特定ケーブル8Aであると認定される。受信装置4及び判定装置7は、電流プローブ5で検出された電流に基づいて被特定ケーブル(探査対象ケーブル)8Aを判別する信号処理装置である。
被特定ケーブル8A以外の各ケーブル8Bの各測定パターンは、参照パターンと実質的に同じである。すなわち、各ケーブル8Bの各測定パターンは、図4の特性23のようになる。ケーブル8Bの測定パターンとこのケーブル8Bの参照パターンの差を求めると、この差の絶対値は、これらのパターンにおいて誤差がない限り、0となる。その設定値は、ケーブル8Bにおける測定パターンと参照パターンの、誤差によって生じた差を排除するために設定されている。各ケーブル8Bにおける測定パターンと参照パターンの差の絶対値は、必ず設定値よりも小さくなる。したがって、測定パターンと参照パターンの差の絶対値が設定値以上になるケーブル8は、被特定ケーブル8Aだけである。
ケーブルトレイが、途中で、第1ケーブルトレイ及び第2ケーブルトレイに分岐されており、第1ケーブルトレイ内の各ケーブル8を対象にフェライトコア6を順次取り付けてステップS4〜S8の処理を行い、ステップS8で測定パターンと参照パターンとの差が設定値以上になるケーブルが存在しない場合には、第1ケーブルトレイ内に被特定ケーブル8Aが存在しないと判定する。この場合には、分岐された第2ケーブルトレイ内の各ケーブル8に対して、ステップS1〜S8の各処理を実行する。これらの処理の実行によって、第2ケーブルトレイ内の全ケーブルの中から被特定ケーブル8Aを探査することができる。
ケーブル8と大地(アース)で形成される電流ループで電流が流れている場合には、このケーブル8にフェライトコア6が取り付けられたとき、このケーブル8における電流の流れが抑制されるため、このケーブル8において電流が流れにくくなる。したがって、本実施例では、ケーブル8にフェライトコア6を取り付けた場合とこれを取り付けない場合において、そのケーブル8に流れる電流の変化量を測定し、この電流の変化量(絶対値)が設定値以上に変化したこのケーブル8を被特定ケーブル8Aである判定する。電流の変化量とは、例えば、電流の振幅の差、すなわち、図4における特性22と特性23の差である。本実施例は、ケーブルトレイ内に敷設された複数のケーブル8に対してフェライトコア6を順番に取り付け、ケーブルにフェライトコア6を取り付けた場合とこれを取り付けない場合での測定パターンと参照パターンの差に基づいて被特定ケーブル8Aを判定しているので、ケーブル8の配線状態にかかわらず、被特定ケーブル8の誤判定を避けることができ、被特定ケーブル8Aの判別精度を向上させることができる。
前述した電流の変化量(絶対値)が設定値以上になったことによってではなく、あるケーブル8(実際には被特定ケーブル8A)にフェライトコア6を取り付けたとき、他のケーブル8(実際にはケーブル8B)にそれを取り付けたときに比べて電流の変化量が大きくなったとき、前者のケーブル8が被特定ケーブル8であると判定してもよい。
本実施例におけるフェライトコア6のケーブル8への取り付けは、施設されたケーブル8に沿って誘導結合素子3から電流プローブ5に向う方向で、電流プローブ5から離れた位置で行われる。このため、誘導結合素子3からの電気信号の印加によって誘導結合素子3から電流プローブ5に向って被特定ケーブル8A内を流れる電流が誘導結合素子3と電流プローブ5の間で抑制されないので、電流プローブ5で検出する電流の検出感度が向上する。このため、本実施例では、被特定ケーブル8Aの判別精度がさらに向上する。フェライトコア6を誘導結合素子3と電流プローブ5の間で被特定ケーブル8Aに取り付けた場合には、電流プローブ5での電流の検出感度が著しく低下し、被特定ケーブル8Aの判別に支障が生じる可能性がある。誘導結合素子3から電流プローブ5に向う方向で電流プローブ5から離れた位置においてフェライトコア6をケーブル8に取り付けるので、フェライトコア6を、誘導結合素子3及び電流プローブ5から離れた、被特定ケーブル8Aを特定したい位置、例えば、ケーブル8の末端(またはケーブルトレイの分岐点の位置)に容易に取り付けることができる。したがって、被特定ケーブル8Aを特定したい位置が誘導結合素子3及び電流プローブ5の取り付け位置から非常に離れていても、被特定ケーブル8Aを精度良く判別することができる。さらに、誘導結合素子3から電流プローブ5に向う方向で電流プローブ5から離れた位置においてフェライトコア6をケーブルに取り付けるので、電流プローブ5を、被特定ケーブル8Aを特定したい位置(例えば、ケーブル8の末端)ではなく、誘導結合素子3の近くに配置することができる。このため、電流プローブ5は、他のケーブル8Bと間違えることなく、誘導結合素子3を取り付けた被特定ケーブル8Aに容易に取り付けることができる。
電流プローブ5を誘導結合素子3の近くで被特定ケーブル8Aに取り付けることができるので、信号発生装置2及び受信装置4を一体化することができる。信号発生装置2及び受信装置4は、これらが分離している場合に比べて取り扱いが容易になる。電流プローブ5を誘導結合素子3の近くで被特定ケーブル8Aに取り付けることによって、一体化された信号発生装置2及び受信装置4と誘導結合素子3及び電流プローブ5を接続する各配線を短くすることができる。
本実施例は、信号発生器2で生成された、200kHzから100MHzの周波数の範囲に含まれる複数の異なる周波数(またはある周波数帯域)を含む電気信号を誘導結合素子3から被特定ケーブル8Aに印加しているので、被特定ケーブル8Aをアンテナとして作用させて被特定ケーブル8Aの導線9に電流を流すことができる。このため、被特定ケーブル8Aの両端が機器10及び制御装置11等に接続されていなくて開放されている場合でも、電流プローブ5がこの被特定ケーブル8A内を流れる電流を検出する感度が高くなるので、本実施例は被特定ケーブル8Aの判別精度を向上させることができる。
一般に、並走して配置された複数のケーブルのうち1本のケーブルに電流を流した場合には、並走して配置された他のケーブルにも、磁界の誘導によって電流が流れる。本実施例は、被特定ケーブル8Aがアンテナとして作用して電磁界を放射するため、より顕著に誘導電流がそれに隣接するケーブル8Bに流れる。このため、被特定ケーブル8Aと隣接するケーブル8Bの識別が困難になる可能性がある。しかしながら、本実施例は、前述したように、被特定ケーブル8Aにフェライトコア6を取り付けた場合とこれを取り付けない場合での電流の変化量に基づいて被特定ケーブル8Aを判別しているので、被特定ケーブル8Aの判別精度をさらに向上させることができる。
さらに、本実施例は、信号発生装置2から出力される電気信号の送信期間及び送信のタイミングに関する各情報(タイミング信号)を受信装置4に伝える場合に、これらの情報を伝える配線を、信号発生装置2を設置した位置から被特定ケーブル8Aを特定したい位置までの長い距離にわたって引き回す必要がない。すなわち、従来、電流プローブが被特定ケーブルを特定したい位置でケーブルに設置される場合には、それらの情報を伝える配線を、電流プローブを取り付けた位置の近くに置かれる受信装置のところまでの長い距離にわたって引き回す必要があった。本実施例では、電流プローブ5が誘導結合素子3の近くに配置されるので、信号発生装置2から受信装置4にそれらの情報を伝送する配線の長さを著しく短くすることができる。このため、それらの情報を伝送する配線の敷設に要する時間も、著しく短縮される。特に、前述したように、信号発生装置2及び受信装置4を一体化した場合には、それらの情報を伝送する配線を一体化された装置内に予め設置しておくことができるので、ケーブルの探査時にその配線を敷設する必要が無くなる。
本実施例は、始めにフェライトコア6をどのケーブル8にも取り付けない状態で被特定ケーブル8Aに流れる電流を測定し、その後、1本1本のケーブル8にフェライトコア6を順次取り付けて被特定ケーブル8Aに流れる測定する。したがって、フェライトコア6をどのケーブル8にも取り付けない状態の電流の測定結果、すなわち、参照パターンは始めの1回だけ取得すればよい。このため、ケーブル探査に要する時間を短縮できる。判定装置7の記憶装置に測定結果(電流スペクトル等)の情報を保存する必要がある場合、参照パターンが1回分であるため、その記憶装置のメモリの消費を低減できる。
スペクトル情報を用いて判別するが、ケーブル特性変更素子によるケーブル特性を変更効果が大きいのはケーブルの共振周波数より高い周波数であり、スペクトル情報を用いればより変化の大きい周波数帯域だけを利用して評価することができるため、判別精度を向上することができる。
本実施例は、電流スペクトル情報を用いて被特定ケーブル8Aを判別している。フェライトコア6によるケーブル特性の変更効果が大きいのは、ケーブルの共振周波数より高い周波数である。電流スペクトル情報を用いることによって、より変化の大きい周波数帯域だけを利用して被特定ケーブル8Aを判別することができる。したがって、被特定ケーブル8Aの判別精度を向上させることができる。
本実施例では、信号発生装置2から出力される電気信号の送信期間及び送信のタイミングに関する各情報(タイミング信号)をその配線によって受信装置4に伝えることができるので、受信装置4はこのタイミング信号を用いて適切な受信動作の同期をとることができる。このため、受信装置4は、信号発生装置2が電気信号を出力している期間の間だけ電流プローブ5で検出した電気信号を受信し、それ以外の期間では受信しないようにできる。したがって、受信装置4が信号発生装置2から電気信号が出力されていない期間に他の機器から発生するノイズを含む電気信号を電流プローブ5から入力することを防止することができ、SN(Signal to Noise)比を向上できる。これは、被特定ケーブル8Aの判別精度の更なる向上に貢献する。
図5に示す本実施例のケーブル探査方法は、図6に示すように変更しても良い。図6に示す他のケーブル探査方法は、図5に示すケーブル探査方法のステップS7をステップS9に替えたものである。図6におけるケーブル探査方法も、図5で実施するステップS1〜S6及びS8の各処理を実行する。ここでは、異なっているステップS9の処理について説明する。ステップS9では、ステップS6で求められた、測定パターンと参照パターンの差(絶対値)が、設定値以上であるかを判定する。この判定が「no」である場合にはフェライトコア6を別のケーブルに取り付け、ステップS4〜S7の各処理が実行される。ステップS4〜S7の各処理は、探査対象のケーブルの全てに対してフェライトコア6が取り付けられたステップS7の判定が「yes」になるまで、繰り返し実行される。ステップS7の判定が「yes」になったとき、ステップS8の処理が実行される。
本実施例は、敷設されたケーブル8に沿って誘導結合素子3から電流プローブ5に向う方向で電流プローブ5から離れた位置で、フェライトコア6をケーブル8に順次取り付けている。しかしながら、これとは逆に、敷設されたケーブル8に沿って電流プローブ5から誘導結合素子3に向う方向で誘導結合素子3から離れた位置で、フェライトコア6をケーブル8に順次取り付けて、被特定ケーブル8Aの探査を行っても良い。この探査によっても、実施例1で得られる各効果を得ることができる。
本発明の他の実施例である実施例2のケーブル探査装置を、図7を用いて説明する。本実施例のケーブル探査装置1Aは、実施例1のケーブル探査装置1においてフェライトコア6の替りに金属シート(金属体)15を用いた構成を有する。ケーブル探査装置1Aの他の構成はケーブル探査装置1と同じである。金属シート15のケーブルへの取り付け位置は、実施例1と同じように、ケーブルに沿って誘導結合素子3から電流プローブ5に向う方向で電流プローブ5から離れた位置である。金属シート15は、被特定ケーブル8を特定する必要がある位置でケーブル8に順次取り付けられる。金属シート15は、例えば、アルミ箔、銅箔、アルミシートまたは銅シートであり、ケーブルの表面に巻き付けられる。金属シート15は、電線により接地される。この接地は、大地でも良いが、ケーブルトレイ16の金属部分、建屋の鉄骨、鉄筋、アンカーボルトのいずれかに行っても良い。
ケーブル探査装置1Aは、ケーブルの特性を変更する手段として、例えば、被特定ケーブル8Aと被特定ケーブル8Aの外面に取り付けられた金属シート15に発生する静電容量を介してケーブル8に流れる電流を大地に流す。図7には図示されていないが、被特定ケーブル8A以外に複数のケーブル8Bが存在する。図8は、図7に示すケーブル探査装置1Aを被特定ケーブル8Aに取り付けた本実施例の等価回路を示している。金属シート15を被特定ケーブル8Aに取り付けた場合には、被特定ケーブル8A内の導線9と金属シート15間に静電容量17が発生し、この静電容量17(実際は、金属シート15)をケーブルトレイ16に短絡させることによって、ケーブルトレイ16及び大地に電流が流れる。この電流の一部はケーブルトレイ16と導線9の間に発生する静電容量18を介して導線9に流れる。このような電流経路19が、被特定ケーブル8Aの導線9及びケーブルトレイ16によって形成される。
本実施例におけるケーブル探査方法は、実施例1で実行される図5(または図6)に示す方法で実行される。ただし、図5(または図6)のステップにおけるフェライトコア6は金属シート15に置き換えられる。金属シート15が所定の位置でケーブルトレイ17内のケーブル8(被特定ケーブル8A及び複数のケーブル8Bを含む)に順次取り付けられ、各ケーブル8に金属シート15を取り付けているそれぞれの状態で、被特定ケーブル8Aに対する測定パターンが求められる。測定パターンとステップS2で得られた参照パターンの差が設定値以上になっているケーブル8を被特定ケーブル8Aであると判定する。すなわち、被特定ケーブル8Aに金属シート15を取り付けた場合(静電結合器を付加した場合)に、被特定ケーブル8Aの電流特性が変化し、他のケーブル8Bにそれを取り付けた場合には特定ケーブル8Aの電流特性がほとんど変化しない。このため、測定された電流の変化量が設定値以上になるケーブル(または電流の変化量が最も大きいケーブル)8を被特定ケーブル8Aであると判定する。
本実施例も、実施例1で生じる各効果を得ることができる。
本発明の他の実施例である実施例3のケーブル探査方法を、図9を用いて説明する。本実施例のケーブル探査方法では、実施例1で用いられたケーブル探査装置1(図1参照)が用いられる。本実施例のケーブル探査方法は、分岐されたケーブルトレイ内に敷設された複数のケーブルの中から被特定ケーブルを探査するものである。
あるケーブルトレイ内に複数のケーブル8が敷設されている。このケーブルトレイは、途中で、ケーブルトレイI及びケーブルトレイIIに分岐される。ケーブルトレイI内に敷設されたケーブル群(以下第1ケーブル群という)は複数のケーブル8Cを含んでおり、ケーブルトレイII内に敷設されたケーブル群(以下、第2ケーブル群という)は複数のケーブル8Dを含んでいる。
分岐される前のケーブルトレイ内に存在する1本のケーブルを被特定ケーブル8Aとし、この被特定ケーブル8Aに誘導結合素子3及び電流プローブ5を取り付ける。被特定ケーブル8Aが第1及び第2ケーブル群のどちらに存在しているかは、ケーブル探査を開始する時点では分かっていない。まず、フェライトコア6を取り付けていない状態で、ステップS1〜S3の処理を実行し、フェライト6を取り付けていない状態での被特定ケーブル8Aの参照パターンを求めて記憶装置に記憶する。
分岐された一方のケーブルトレイ、例えば、ケーブルトレイII内の第2ケーブル群に含まれる全てのケーブル8Dを取り囲むように、フェライトコア6を、被特定ケーブル8を特定する位置に設置する(図9(A)参照)。この状態で、ステップS4〜S6の処理を実行する。この場合、ステップS4では、全てのケーブル8Dをフェライトコア6で取り囲んで、200kHzから100MHzの周波数の範囲に存在する複数の異なる周波数を含む電気信号を誘導結合素子3から印加することによって被特定ケーブル8Aに流れる電流を電流プローブ5で検出し、被特定ケーブル8Aの電流特性を測定する。得られた測定パターンと参照パターンの差に基づいて、第2ケーブル群に被特定ケーブル8Aが含まれているかを判定する。すなわち、測定パターンと参照パターンの差が設定値より小さいので、第2ケーブル群に被特定ケーブル8Aが含まれていないと判定する。次に、ケーブルトレイI内の第1ケーブル群を対象に、第2ケーブル群の場合と同様にして、ケーブル探査装置1を用いてケーブル探査を行う。この場合、第1ケーブル群に含まれる全てのケーブル8A,8Cを取り囲むようにフェライトコア6を取り付ける。第1ケーブル群では、測定パターンと参照パターンの差が設定値以上になるので、被特定ケーブル8Aが第1ケーブル群に含まれていると判定する。その後、第1ケーブル群に含まれるケーブル8A,8Cの1本1本を対象に、ステップS4〜S8の各処理が実行される。これによって、第1ケーブル群に含まれる被特定ケーブル8Aを特定することができる。
本実施例のケーブル探査方法も、実施例1で生じる各効果を得ることができる。さらに、本実施例は、ケーブルトレイが途中で分岐している場合に、複数のケーブル群ごとに被特定ケーブル8Aの存在の有無を判定するので、分岐後のそれぞれのケーブルトレイ内に存在する1本1本のケーブルに実施例1で述べたケーブル探査方法を適用するよりも、被特定ケーブル8Aの探査に要する時間を短縮することができる。
本実施例は、3つ以上に分岐している場合、分岐された3つ以上のケーブルトレイ内にそれぞれ敷設された多数のケーブルの中から被特定ケーブル8をより早く探査することができる。
本発明の他の実施例である実施例4のケーブル探査方法を、図10を用いて説明する。本実施例のケーブル探査方法では、実施例2で用いられたケーブル探査装置1A(図7参照)が用いられる。本実施例のケーブル探査方法は、実施例3と同様に、分岐されたケーブルトレイ内に敷設された複数のケーブルの中から被特定ケーブルを探査するものである。
本実施例は、実施例3において各ケーブル群に取り付けているフェライトコア6を金属シート15に替えたものである。アース22は、第1ケーブル群を対象に被特定ケーブル8の存在を判定する場合には金属シート15をケーブルトレイIに接続して形成し、第2ケーブル群を対象に被特定ケーブル8Aの存在を判定する場合には金属シート15をケーブルトレイIIに接続して形成する。
本実施例は、実施例3と同様に、第1及び第2ケーブル群のどちらに被特定ケーブル8Aが含まれているかを判定し、被特定ケーブル8Aが存在するケーブル群(例えば、ケーブルトレイI内の第1ケーブル群)を対象にケーブル探査を行って、被特定ケーブル8を特定する。
本実施例も、実施例3で生じる各効果を得ることができる。
実施例1〜4において、どのケーブル8にもフェライトコア6(または金属シート15)を取り付けないで特定ケーブル8Aの電流を計測することを省略することとも可能である。すなわち、図5に示すステップS1〜S3の処理を省略しても良い。この場合には、ステップS4〜S7を実行し、ステップS8において、フェライトコア6を各ケーブル8に順次取り付けることによって電流プローブ5で検出された電流に基づいて得られた各測定パターンの相互の差が設定値以上になるケーブル8を被特定ケーブル8Aであると判定する。このような被特定ケーブルの判別によっても、該当する実施例で生じる各効果を得ることができる。
本発明の好適な一実施例である実施例1のケーブル探査装置の構成図である。 図1に示すケーブル探査装置の誘導結合素子の設置位置での誘導結合の等価回路を示す説明図である。 図1に示すケーブル探査装置を用いて行われる被特定ケーブルの判定方法の原理を示した説明図であり、(A)、(B)及び(C)はケーブルの探査を行う過程におけるフェライトコアのケーブルへの取り付け状態を示す説明図である。 被特定ケーブルにフェライトコアを取り付けない場合とこれを取り付けた場合における電流特性の変化を示す特性図である。 図1に示すケーブル探査装置を用いた本発明の好適な一実施例である実施例1のケーブル探査方法の手順を示すフローチャートである。 図5に示すケーブル探査方法の他の手順を示すフローチャートである。 本発明の他の実施例である実施例2のケーブル探査装置の構成図である。 図7に示すケーブル探査装置の等価回路を示す説明図である。 本発明の他の実施例である実施例3のケーブル探査方法を示す説明図である。 本発明の他の実施例である施例4のケーブル探査方法を示す説明図である。
符号の説明
1,1A…ケーブル探査装置、2…信号発生装置、3…誘導結合素子、4…受信装置、5…電流プローブ、6…フェライトコア、7…判定装置、8,8A…ケーブル、9…導線、13,13A…探査電流経路、15…金属シート。

Claims (19)

  1. 複数のケーブルのうち探査対象ケーブルに取り付けられた誘導結合手段から前記探査対象ケーブルの導体に電気信号を印加し、
    前記探査対象ケーブルの前記導体に流れる電流を前記探査対象ケーブルに取り付けられた電磁結合手段によって検出し、
    前記誘導結合手段から前記電磁結合手段に向う方向で前記電磁結合手段から離れた位置でケーブル特性変更素子の取り付け及び取り外しを前記複数のケーブルの少なくとも一部に対して順次行い、
    前記ケーブル特性変更素子が前記複数のケーブルの少なくとも一部に取り付けられたそれぞれの時点で、前記電磁結合手段による前記電流の検出を行い、
    検出された前記電流に基づいて前記探査対象ケーブルを判別することを特徴とするケーブル探査方法。
  2. 複数のケーブルのうち探査対象ケーブルに取り付けられた誘導結合手段から前記探査対象ケーブルの導体に電気信号を印加し、
    前記探査対象ケーブルの前記導体に流れる電流を前記探査対象ケーブルに取り付けられた電磁結合手段によって検出し、
    前記電磁結合手段から前記誘導結合手段に向う方向で前記電磁結合手段から離れた位置でケーブル特性変更素子の取り付け及び取り外しを前記複数のケーブルの少なくとも一部に対して順次行い、
    前記ケーブル特性変更素子が前記複数のケーブルの少なくとも一部に取り付けられたそれぞれの時点で、前記電磁結合手段による前記電流の検出を行い、
    検出された前記電流に基づいて前記探査対象ケーブルを判別することを特徴とするケーブル探査方法。
  3. 複数のケーブルを含む第1ケーブル群及び前記第1ケーブル群が分割された複数の第2ケーブル群に跨って敷設された探査対象ケーブルの判別が、
    前記第1ケーブル群に含まれる複数のケーブルのうち探査対象ケーブルに取り付けられた誘導結合手段から前記探査対象ケーブルの導体への第1電気信号の印加を、各第2ケーブル群にケーブル特性変更素子をそれぞれ取り付けた状態で順次行い、
    前記第1電気信号の印加により前記探査対象ケーブルの前記導体に流れる第1電流を前記探査対象ケーブルに取り付けられた電磁結合手段によって検出し、
    検出された前記第1電流に基づいて前記探査対象ケーブルが含まれている前記第2ケーブル群を判別することによって、
    行われ、
    前記探査対象ケーブルが存在する前記第2ケーブル群の複数のケーブルを対象にした前記探査対象ケーブルの判別が、
    対象となる前記第2ケーブル群に存在する前記複数のケーブルのうち探査対象ケーブルに取り付けられた誘導結合手段から前記探査対象ケーブルの導体に第2電気信号を印加し、
    前記第2電気信号の印加により前記探査対象ケーブルの前記導体に流れる第2電流を前記探査対象ケーブルに取り付けられた電磁結合手段によって検出し、
    前記誘導結合手段から前記電磁結合手段に向う方向で前記電磁結合手段から離れた位置でケーブル特性変更素子の取り付け及び取り外しを対象となる前記第2ケーブル群に存在する前記複数のケーブルの少なくとも一部に対して順次行い、
    前記ケーブル特性変更素子が前記第2ケーブル群の前記複数のケーブルの少なくとも一部に取り付けられたそれぞれの時点で、前記電磁結合手段による前記第2電流の検出を行い、
    検出された前記第2電流に基づいて前記探査対象ケーブルを判別することによって、
    行われることを特徴とするケーブル探査方法。
  4. 印加される前記電気信号が200kHz〜100MHzの範囲に存在する複数の異なる周波数を含んでいる電気信号である請求項1ないし3のいずれか1項に記載のケーブル探査方法。
  5. 複数のケーブルのうち探査対象ケーブルに取り付けられた誘導結合手段から前記探査対象ケーブルの導体に電気信号を印加し、
    前記探査対象ケーブルの前記導体に流れる電流を前記探査対象ケーブルに取り付けられた電磁結合手段によって検出し、
    前記誘導結合手段から前記電磁結合手段に向う方向で前記電磁結合手段から離れた位置でケーブル特性変更素子の取り付け及び取り外しを前記複数のケーブルの少なくとも一部に対して順次行い、
    前記ケーブル特性変更素子が前記複数のケーブルの全てに取り付けられていない第1の状態、及び前記ケーブル特性変更素子が前記複数のケーブルの少なくとも一部に取り付けられた第2の状態であって前記ケーブル特性変更素子が前記複数のケーブルの少なくとも一部に取り付けられたそれぞれの時点で、前記電磁結合手段による前記電流の検出を行い、
    前記第1の状態で検出された第1の前記電流及び前記第2の状態で検出された第2の前記電流に基づいて前記探査対象ケーブルを判別することを特徴とするケーブル探査方法。
  6. 複数のケーブルを含む第1ケーブル群及び前記第1ケーブル群が分割された複数の第2ケーブル群に跨って敷設された探査対象ケーブルの判別が、
    前記第1ケーブル群に含まれる複数のケーブルのうち探査対象ケーブルに取り付けられた誘導結合手段から前記探査対象ケーブルの導体への第1電気信号の印加を、各第2ケーブルコイル群にケーブル特性変更素子をそれぞれ取り付けた状態で順次行い、
    前記第1電気信号の印加により前記探査対象ケーブルの前記導体に流れる第1電流を前記探査対象ケーブルに取り付けられた電磁結合手段によって検出し、
    検出された前記第1電流に基づいて前記探査対象ケーブルが含まれている前記第2ケーブル群を判別することによって、
    行われ、
    前記探査対象ケーブルが存在する前記第2ケーブル群の複数のケーブルを対象にした前記探査対象ケーブルの判別が、
    対象となる前記第2ケーブル群に存在する前記複数のケーブルのうち探査対象ケーブルに取り付けられた誘導結合手段から前記探査対象ケーブルの導体に第2電気信号を印加し、
    前記第2電気信号の印加により前記探査対象ケーブルの前記導体に流れる第2電流を前記探査対象ケーブルに取り付けられた電磁結合手段によって検出し、
    前記誘導結合手段から前記電磁結合手段に向う方向で前記電磁結合手段から離れた位置でケーブル特性変更素子の取り付け及び取り外しを対象となる前記第2ケーブル群に存在する前記複数のケーブルの少なくとも一部に対して順次行い、
    前記ケーブル特性変更素子が前記複数のケーブルの全てに取り付けられていない第1の状態、及び前記ケーブル特性変更素子が前記複数のケーブルの少なくとも一部に取り付けられた第2の状態であって前記ケーブル特性変更素子が前記第2ケーブル群の前記複数のケーブルの少なくとも一部に取り付けられたそれぞれの時点で、前記電磁結合手段による前記第2電流の検出を行い、
    前記第1の状態で検出された前記第2電流及び前記第2の状態で検出された前記第2電流に基づいて前記探査対象ケーブルを判別することによって、
    行われることを特徴とするケーブル探査方法。
  7. 印加される前記電気信号が200kHz〜100MHzの範囲に存在する複数の異なる周波数を含んでいる電気信号である請求項5または6に記載のケーブル探査方法。
  8. 前記探査対象ケーブルの判別が、検出された前記第1の電流に基づいて得られた第1電流スペクトル情報、及び検出された前記第2の電流に基づいて得られた第2電流スペクトル情報を用いて行われる請求項4に記載のケーブル探査方法。
  9. 前記探査対象ケーブルの判別が、前記第1の状態で検出された前記第2電流に基づいて得られた第1電流スペクトル情報、及び前記第2の状態で検出された前記第2電流に基づいて得られた第2電流スペクトル情報を用いて行われる請求項6に記載のケーブル探査方法。
  10. 前記ケーブル特性変更素子として磁性体コアを用いる請求項1ないし7のいずれか1項に記載のケーブル探査方法。
  11. 前記ケーブル特性変更素子としてフェライトコアを用いる請求項1ないし7のいずれか1項に記載のケーブル探査方法。
  12. 前記ケーブル特性変更素子として金属シートを用い、前記金属シートを接地する請求項1ないし7のいずれか1項に記載のケーブル探査方法。
  13. 複数のケーブルのうち探査対象ケーブルに取り付けられた誘導結合手段から前記探査対象ケーブルの導体に、200kHz〜100MHzの範囲に存在する複数の異なる周波数を含んでいる電気信号を印加し、
    前記探査対象ケーブルの前記導体に流れる電流を前記探査対象ケーブルに取り付けられた電磁結合手段によって検出し、
    検出された前記電流に基づいて前記探査対象ケーブルを判別することを特徴とするケーブル探査方法。
  14. 複数のケーブルを含む第1ケーブル群及び前記第1ケーブル群が分割された複数の第2ケーブル群に跨って敷設された探査対象ケーブルの判別が、
    前記第1ケーブル群に含まれる複数のケーブルのうち探査対象ケーブルに取り付けられた誘導結合手段から前記探査対象ケーブルの導体への200kHz〜100MHzの範囲に存在する複数の異なる周波数を含んでいる第1電気信号の印加を、各第2ケーブルコイル群にケーブル特性変更素子をそれぞれ取り付けた状態で順次行い、
    前記第1電気信号の印加により前記探査対象ケーブルの前記導体に流れる第1電流を前記探査対象ケーブルに取り付けられた電磁結合手段によって検出し、
    検出された前記第1電流に基づいて前記探査対象ケーブルが含まれている前記第2ケーブル群を判別することによって、
    行われ、
    前記探査対象ケーブルが存在する前記第2ケーブル群の複数のケーブルを対象にした前記探査対象ケーブルの判別が、
    対象となる前記第2ケーブル群に存在する前記複数のケーブルのうち探査対象ケーブルに取り付けられた誘導結合手段から前記探査対象ケーブルの導体に、200kHz〜100MHzの範囲に存在する複数の異なる周波数を含んでいる第2電気信号を印加し、
    前記第2電気信号の印加により前記探査対象ケーブルの前記導体に流れる第2電流を前記探査対象ケーブルに取り付けられた電磁結合手段によって検出し、
    検出された前記第2電流に基づいて前記探査対象ケーブルを判別することによって、
    行われることを特徴とするケーブル探査方法。
  15. 電気信号を生成する信号発生装置と、前記信号発生装置に接続されて探査対象ケーブルに取り付けられ、前記探査対象ケーブルの導体に前記電気信号を印加する誘導結合手段と、前記探査対象ケーブルに取り付けられ、前記探査対象ケーブルの前記導体に流れる電流を検出する電磁結合手段と、前記誘導結合手段から前記電磁結合手段に向う方向で前記電磁結合手段から離れた位置で前記探査対象ケーブルを含む複数のケーブルの少なくとも一部に順次取り付けられるケーブル特性変更素子と、前記ケーブル特性変更素子が前記複数のケーブルの少なくとも一部に取り付けられたそれぞれの時点で前記電磁結合手段によって検出された前記電流に基づいて前記探査対象ケーブルを判別する信号処理装置とを備えたことを特徴とするケーブル探査装置。
  16. 電気信号を生成する信号発生装置と、前記信号発生装置に接続されて探査対象ケーブルに取り付けられ、前記探査対象ケーブルの導体に前記電気信号を印加する誘導結合手段と、前記探査対象ケーブルに取り付けられ、前記探査対象ケーブルの前記導体に流れる電流を検出する電磁結合手段と、前記誘導結合手段から前記電磁結合手段に向う方向で前記電磁結合手段から離れた位置で前記探査対象ケーブルを含む複数のケーブルの少なくとも一部に順次取り付けられるケーブル特性変更素子と、前記ケーブル特性変更素子が前記複数のケーブルの全てに取り付けられていない第1の状態、及び前記ケーブル特性変更素子が前記複数のケーブルの少なくとも一部に取り付けられた第2の状態であって前記ケーブル特性変更素子が前記複数のケーブルの少なくとも一部に取り付けられたそれぞれの時点で前記電磁結合手段によって検出された前記電流であって、前記第1の状態で検出された第1の前記電流及び前記第2の状態で検出された第2の前記電流に基づいて前記探査対象ケーブルを判別する信号処理装置とを備えたことを特徴とするケーブル探査装置。
  17. 前記ケーブル特性変更素子が磁性体コアである請求項15または16に記載のケーブル探査装置。
  18. 前記ケーブル特性変更素子が接地される金属シートである請求項15または16に記載のケーブル探査装置。
  19. 200kHz〜100MHzの範囲に存在する複数の異なる周波数を含んでいる電気信号を生成する信号発生装置と、前記信号発生装置に接続されて探査対象ケーブルに取り付けられ、前記探査対象ケーブルの導体に前記電気信号を印加する誘導結合手段と、前記探査対象ケーブルに取り付けられ、前記探査対象ケーブルの前記導体に流れる電流を検出する電磁結合手段と、前記電磁結合手段によって検出された前記電流に基づいて前記探査対象ケーブルを判別する信号処理装置とを備えたことを特徴とするケーブル探査装置。
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