JP2010204022A - ケーブル探査方法及びケーブル探査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】タイミング検出情報を送信する専用ケーブルが不要で且つケーブルの探査が困難になる確率を低減できるケーブル探査方法を提供する。
【解決手段】探査対象ケーブルを含む複数のケーブルがケーブルトレイ内に敷設されている。タイミング検出信号及び位相検出信号を含む探査信号が探査対象ケーブルに入力される。探査信号の入力地点から離れた位置で、受信装置5に接続された信号検出器4を各ケーブルに順次取り付ける。信号検出器4で検出された探査信号は、受信装置5のタイミング検出装置6及び位相検出装置7に入力される。タイミング検出装置6はタイミング検出信号の最終端を検出し、タイミング信号を出力する。位相検出装置7はタイミング信号を基に位相検出信号の位相を求める。位相比較装置8は求められた位相が反転していない場合に信号検出器4が取り付けられたケーブルが探査対象ケーブルであると判定する。
【選択図】図2
【解決手段】探査対象ケーブルを含む複数のケーブルがケーブルトレイ内に敷設されている。タイミング検出信号及び位相検出信号を含む探査信号が探査対象ケーブルに入力される。探査信号の入力地点から離れた位置で、受信装置5に接続された信号検出器4を各ケーブルに順次取り付ける。信号検出器4で検出された探査信号は、受信装置5のタイミング検出装置6及び位相検出装置7に入力される。タイミング検出装置6はタイミング検出信号の最終端を検出し、タイミング信号を出力する。位相検出装置7はタイミング信号を基に位相検出信号の位相を求める。位相比較装置8は求められた位相が反転していない場合に信号検出器4が取り付けられたケーブルが探査対象ケーブルであると判定する。
【選択図】図2
Description
本発明は、ケーブル探査方法及びケーブル探査装置に係り、特に、既に敷設されているケーブルの敷設経路及び接続先を探査するのに好適なケーブル探査方法及びケーブル探査装置に関する。
発電所、産業プラント及びビルなどの施設では、機器の状態監視、制御及び電力供給のためのケーブルが施設内に敷設されている。ケーブルは、ケーブルトレイ内に施工図面を基にして敷設されるため、どの経路を通って敷設されているかは既知の場合が多い。ケーブルトレイには、計測用、制御用、低圧動力用、高圧動力用の各ケーブルが載っており、それぞれのケーブルが、異なるケーブルトレイに分けられている場合もあれば、区別なく1つのケーブルトレイに混在している場合もある。1つのケーブルトレイ内には、数本から数十本、場合によっては100本を超えるケーブルが敷設されている。各ケーブルは、1芯のケーブル及び多芯(2芯以上)のケーブルを含んでおり、更に、シールドの有無、太さ及び敷設長も様々である。各ケーブルの末端部には、様々な機器が接続されている場合もあれば、何も接続されていない場合もある。
このような施設では、ケーブルの劣化による短絡事故及びデータ伝送不良を防ぐために、ケーブルを交換したり、あるいは新しい機器の設置に伴い、古い機器で使用していたケーブルを撤去したりする場合がある。ケーブルの交換及び撤去において、ケーブルトレイ内に敷設された各ケーブルの末端部から目的のケーブルのみを引き抜くことは、目的のケーブルがケーブルトレイ内で他のケーブルと絡み合っていたり、目的のケーブル自体がケーブルトレイ及び他のケーブルと結束されていたりして困難な場合がほとんどである。このような場合には、末端部からケーブルを辿っていき、適当な箇所で切断し引き抜く作業を繰り返すことになる。しかしながら、ケーブルを目視でたどる作業は非常に困難である。例えば、壁及び天井の貫通部、ケーブルダクトといった、目視でケーブルをたどれない場所では、どれが探査対象ケーブル(被特定ケーブル)であるかを判別することが難しい。
このような問題に対して、被特定ケーブルに末端部から測定用の信号を流し、この信号を捕らえてケーブルを識別するケーブル探知方法が提案されている(例えば、特開2001−324530号公報、特開2005−345344号公報)。この方法は、目的のケーブルの導体部分に電極を接触させて数kHzの正弦波信号を流し、そのケーブルの周囲に発生する磁界及び電界を検出することによりケーブルを判別する。被特定ケーブル以外に隣接しているケーブルにも正弦波信号が誘導するため、判別には、ケーブルから放射する正弦波信号の位相情報を用いる。すなわち逆位相だった場合には隣接ケーブルに誘導した信号であるとして探査対象とするケーブルのみを判定する。特開2005−345344号公報にあっては、探査対象とするケーブルに電磁変換素子を用いて探査用信号を注入し、離れた位置において磁電変換素子でケーブルを流れる探査用信号の位相でケーブルを判定する方法である。
いずれの公開公報に記載されたケーブル探査方法では、位相を判定するために判定タイミングの基準が必要である。このため、以下のいずれかの対策を講じている。第1の対策は、送信器から位相判定タイミングの情報を送信する専用ケーブルを用いることである。この専用ケーブルで位相判定タイミングの情報を送信し、受信器ではこの情報を元に正弦波の位相を判定する。第2の対策は、正弦波信号を間欠的に出力するようにして、信号の立ち上がりで逆位相か否かを判定することである。さらに、正弦波信号をパルス信号にしてそのパルスパターンで位相が判定できるようにしている。
これらの対策においては以下の問題が生じる。第1の対策では、位相判定タイミング情報を伝送する専用ケーブルを用いて送信器と受信器を接続する必要がある。しかしながら、プラント内では建屋間、あるいは部屋間に跨って専用ケーブルを引き回すことは非常に困難である。専用ケーブルを引き回すことができない場合には、タイミング情報を伝送できないためケーブルを探査することができなくなるという問題が生じる。
他方、第2の対策では、リンギングによって位相判定が困難になる場合が多い。パルスなどのように不連続に振幅が変化する信号は、理想的には無限に広い高周波成分を含むことになるが、ケーブルのインダクタンス及びケーブルの伝送帯域が狭い、あるいは信号を印加するための素子及び検出素子の時定数が遅いという要因によって信号が振動する。このため、正弦波の位相情報及びパルスパターンの判定が困難になって、誤判定の要因になるという問題が生じる。
これらの問題は、特開平9−159715号公報及び特開平9−15287号公報に記載されたケーブル探査方法によって解決できる。これらのケーブル探査方法は、周波数が異なる2つのレファレンス信号を送信器から探査するケーブルに送信し、受信器で受信したこれらのレファレンス信号を用いて探査対象ケーブルを判別している。
特開平9−159715号公報に記載されたケーブル探査方法では、リファレンス信号を不要とするために、送信信号が、異なる2つの周波数を有する各信号を加算して生成される。一方の周波数をf1としたとき、他方の周波数をn倍(n>8)のf1としている。受信器では、この2つの周波数の位相関係が常に等しいとして、一方の周波数の信号を基準にし、他方の周波数信号を用いて信号の位相で判定する。
特開平9−15287号公報に記載されたケーブル探査方法では、送信信号に含まれる2つの周波数の比は2倍(n=2)になっている。
特開平9−159715号公報に記載されたケーブル探査方法では、以下の問題が生じる。プラント、鉄道車両、航空機及びビル等の敷設ケーブルは、制御盤に接続された場合、及びどこにも接続されていない場合があり、送信信号の振幅及び位相の周波数特性は多様になる。特に、送信信号の位相は、ケーブルに何らかの理由で接続されたキャパシタンス及びインダクタンスの影響で非直線となる。周波数がf1の信号と周波数がf1のn倍(n>8)であるf2の信号の位相関係が、一定にならなくなる。すなわち、送信信号に含まれた、周波数が異なる2つの信号における位相の関係を常に等しくする必要があるにもかかわらず、これらの位相の関係が崩れてしまう。したがって、受信器で一方の信号の位相を基準として他方の信号の位相に基づいて探査対象ケーブルを判定する精度が低下する、またはその判定そのものが困難になる可能性がある。
一般的にプラントに設けられた機器のノイズは、IGBT等の半導体素子のスイッチングノイズが多い。この場合、スイッチング周波数の整数倍の周波数のノイズが発生し、探査対象ケーブルに重畳する。特開平9−15287号公報に記載されたケーブル探査方法では、2つの周波数のうち、高い周波数が低い周波数の2倍の関係にある場合、一方の周波数の信号にノイズが重畳すると、周波数が異なる他方の信号にもノイズが重畳する。このため、探査対象ケーブルの判別が困難になる可能性がある。つまり、一方の周波数の信号だけにノイズが重畳して探査対象ケーブルを問題なく探査できる状況であっても、周波数が異なる両方の信号にノイズが重畳するため、探査対象ケーブルの探査が不可能になる可能性がある。
本発明の目的は、タイミング検出情報を送信する専用ケーブルが不要で且つケーブルの探査が困難になる確率を低減できるケーブル探査方法及びケーブル探査装置を提供することにある。
上記した目的を達成する本発明の特徴は、複数のケーブルのうち探査対象ケーブルの導体に、擬似ランダムの信号であるタイミング検出信号及び正弦波の位相検出信号を含む探査信号を印加し、
複数のケーブルに、順次、電磁結合装置を取り付け、
探査信号の印加により電磁結合装置が取り付けられたケーブルに流れる信号を電磁結合装置によって検出し、
検出された信号に含まれるタイミング検出信号に基づいて、検出された信号に含まれる位相検出信号の開始タイミングを決定し、
開始タイミング以降の位相検出信号の位相に基づいて探査対象ケーブルを判定することにある。
複数のケーブルに、順次、電磁結合装置を取り付け、
探査信号の印加により電磁結合装置が取り付けられたケーブルに流れる信号を電磁結合装置によって検出し、
検出された信号に含まれるタイミング検出信号に基づいて、検出された信号に含まれる位相検出信号の開始タイミングを決定し、
開始タイミング以降の位相検出信号の位相に基づいて探査対象ケーブルを判定することにある。
タイミング検出信号及び正弦波の位相検出信号を含む探査信号を探査対象ケーブルに印加するので、探査信号の探査対象ケーブルへの印加により、探査対象ケーブルを含む複数のケーブルに流れる信号が、タイミング信号を含んでいる。このため、探査対象ケーブルの判定に必要となるタイミング検出信号を専用に伝送するケーブルが不要となる。また、探査対象ケーブルを含む複数のケーブルに流れる信号が、タイミング検出信号と共に位相検出信号を含んでいるので、ケーブルの探査が困難になる確率を低減させることができる。
上記の目的は、複数のケーブルのうち探査対象ケーブルの導体に、探査信号を印加し、複数のケーブルに、順次、電磁結合装置を取り付け、探査信号の印加により電磁結合装置が取り付けられたケーブルに流れる信号を電磁結合装置によって検出し、電磁結合装置によって検出された前記信号に基づいて、探査対象ケーブルを判別するケーブル探査方法であって、
その探査信号が、キャリア周波数fを有する第1正弦波及び変移周波数Δfを有する第2正弦波を乗算して得られる波形を有し、
探査信号において、周波数(f+Δf)及び周波数(f−Δf)がいずれも2Δfで割り切れる周波数であり、及び(f+Δf)/(f−Δf)の値が8未満の非整数になっており、
探査対象ケーブルの判別を第1正弦波及び第2正弦波に基づいて行うことによっても、達成できる。
その探査信号が、キャリア周波数fを有する第1正弦波及び変移周波数Δfを有する第2正弦波を乗算して得られる波形を有し、
探査信号において、周波数(f+Δf)及び周波数(f−Δf)がいずれも2Δfで割り切れる周波数であり、及び(f+Δf)/(f−Δf)の値が8未満の非整数になっており、
探査対象ケーブルの判別を第1正弦波及び第2正弦波に基づいて行うことによっても、達成できる。
本発明によれば、タイミング検出情報を送信する専用ケーブルが不要で且つケーブルの探査が困難になる確率を低減することができる。
本発明の実施例を以下に説明する。
本発明の好適な一実施例である実施例1のケーブル探査方法を、図1、図2、図3及び図4を用いて説明する。
本実施例のケーブル探査方法に用いられるケーブル探査装置1は、信号発生装置2、信号検出器4及び受信装置5を備えている。信号発生装置2は被特定ケーブル10Aに接続される。受信装置5は、タイミング検出装置(タイミング決定装置)6、位相検出装置7、位相比較装置8及び表示装置9を有する。タイミング検出装置6及び位相検出装置7は、信号検出装置4に接続される。タイミング検出装置6は位相検出装置7にも接続されている。位相比較装置8が位相検出装置7及び表示装置9に接続される。受信装置5は、図示されていないが、信号増幅器及びフィルタを介して信号検出装置4に接続されている。
ケーブルトレイ内に敷設された複数のケーブル10は、探査対象となる被特定ケーブル10A(探査対象ケーブル)及びこれ以外の複数のケーブル10Bを含んでいる。各ケーブル10は、同一のケーブルトレイ内の一部または全部の区間に亘って併走して配線されている。各ケーブル10の導体の両端は、図示されていないが、端子盤、制御装置、機器及びセンサ等が接続されている。さらに別のケーブル10の導体の両端は、端子盤、機器及び制御装置に接続されていなく、開放されている。ケーブル10の端部が接地されている場合もある。図1に示されたケーブル10A,10Bは、隣り合って敷設されたケーブル10であり、接続された機器等を省略して端部が接地されている場合を示している。ケーブル10としては、平行ケーブルのほか、多芯ケーブル、単線ケーブル、同軸ケーブル及びシールド付ケーブルなどが用いられる。
両端が開放されているケーブル10は、機器を新しい機器に替えたために不要になり、ケーブルトレイから引き抜かずにそのまま残しているものである。ケーブルトレイ内に残っている理由は、不要になったケーブル10をケーブルトレイから引抜いて除去することが困難であるからである。
信号発生装置2は、配線により、被特定ケーブル10Aの導体(図示せず)の一端が接続されている、端子盤の端子に直接接続される。被特定ケーブル10Aの途中から被特定ケーブル10Aに探査信号を入力する場合には、実施例5で述べる誘導結合素子3(図14参照)を用いてもよい。信号発生装置2に接続された誘導結合素子3が、被特定ケーブル10Aの被覆を取り囲んで、非接触で被特定ケーブル10Aに誘導結合される。誘導結合素子3としては、ケーブル10の導体に接触しなくても電流を印加可能な結合トランス等が用いられる。
信号検出装置4は、例えば、電流プローブである。信号検出装置4は、信号発生装置2の接続位置から離れて被特定ケーブル10Aを判別したい位置で、ケーブル10の被覆を取り囲んで、非接触でケーブル10に取り付けられる。信号検出装置4は、被特定ケーブル10Aを探査するときに、各ケーブル10に順番に取り付けられる。信号検出装置4として、ケーブル10から放射する磁界あるいは電界を検出する微小なループアンテナを用いてもよい。
信号発生装置2は、タイミング検出信号12及び位相検出信号13を含む探査信号11(図3参照)を出力する。タイミング検出信号12は、ランダムな時系列信号であり、例えば、正規分布のランダムノイズが適している。正規分布のランダムノイズ以外にも、M系列が使用できる。ケーブル10及び信号検出器4等の周波数特性が無限に広くない場合には、タイミング検出信号12の周波数成分がこれらを通過できるようにするため、タイミング検出信号12として帯域制限をかけた信号を用いる。タイミング検出信号12の時間長及び周波数帯域幅はタイミング検出精度(時間的な精度)とトレードオフの関係にあり、信号長が長くなるほど、また帯域幅が広くなるほど検出精度は向上する。しかしながら、信号長が長くなれば、検出に要する時間が長くなる。したがって、タイミング検出信号12の信号長さ及び周波数帯域幅は、この点を考慮して設定される。タイミング検出信号12としてどのようなパターンの波形を用いるかは予め決定しておく。
探査信号11が、信号発生装置2から被特定ケーブル10Aの芯線及びシールド線などの導体に伝えられる。導体を伝わる探査信号12は、信号検出装置4が被特定ケーブル10Aに取り付けられたとき、この信号検出装置4によって検出される。被特定ケーブル10Aに探査信号11が伝わっているとき、被特定ケーブル10Aに隣接しているケーブル10Bに、被特定ケーブル10Aとケーブル10Bの電磁的な結合によって、ケーブル10Bにも探査信号11が誘導して流れる。
信号検出装置4によって検出された探査信号11は、信号増幅器及びフィルタを通ってタイミング検出装置6及び位相検出装置7に入力される。タイミング検出装置6は、探査信号11を入力してタイミング検出信号12の最終端を検出する。この最終端を検出したタイミング検出装置6は、位相検出装置7にタイミング信号を出力する。タイミング検出装置6で行われる処理を具体的に説明する。タイミング検出装置6は、信号発生装置2が出力したタイミング検出信号12と同一の波形パターン、及び入力した探査信号11を用いて、相互の相関を演算する。上記の同一の波形パターンの情報は、タイミング検出装置6に記憶されている。その演算によって得られた相関値の絶対値14の一例を図3に示す。相関値の絶対値14は、入力したタイミング検出信号12の最終端で鋭いピーク15を生じる。タイミング検出装置6は、相関値の絶対値14がピーク15になったとき、タイミング信号を出力する。タイミング信号の出力タイミングは、実質的に、相関値の絶対値14がピーク15になった時点である。しかしながら、タイミング検出装置6は、この時点から所定時間経過後にタイミング信号を出力してもよい。
位相検出装置7は、入力したタイミング信号を基に探査信号11に含まれた位相検出信号13の位相を求める。位相検出装置7は、タイミング信号を入力したとき、このタイミング信号の入力時点を、入力した探査信号11に含まれる位相検出信号13の開始タイミングとする。位相検出装置7は、開始タイミング以降の位相検出信号13に基づいて、位相検出信号13の位相を求める。この位相は、具体的には、sin(2πft+φ)で示されるφの値である。fは位相検出信号13の周波数である。位相検出装置7は、求めた位相情報を位相比較装置8に出力する。
位相比較装置8は、位相検出装置7から入力した位相φが反転しているか否か(位相φが180°になっているか否か)を判定する。被特定ケーブル10Aに隣接するケーブル10Bにも、前述したように探査信号11が誘導されて流れる。しかしながら、この誘導されてケーブル10Bに流れる探査信号は、被特定ケーブル10Aを流れる探査信号11とは原理的には位相が反転している。位相比較装置8は、位相φが反転していないとき(位相φが180°になっていないとき)に、信号検出器4が取り付けられたケーブル10が被特定ケーブル10Aであると判定し、位相φが反転しているとき(位相φが180°になっているとき)に信号検出器4が取り付けられたケーブル10が被特定ケーブル10Aではないと判定する。位相比較装置8は、得られた判定の結果を表示装置9に出力する。この判定結果が、表示装置9に表示される。
被特定ケーブル10Aに隣接したケーブル10Bに信号検出器4を取り付けた場合には、信号発生装置2から被特定ケーブル10Aに探査信号11(図3参照)を出力したとき、その信号検出器4は、図4に示す探査信号11Aを検出する。この探査信号11Aは、被特定ケーブル10Aに流れている探査信号11によって誘導されてケーブル10Bに流れる信号であり、探査信号11とは位相が反転している。探査信号11Aは、タイミング検出信号12と位相が反転したタイミング検出信号12A、及び位相検出信号13と位相が反転した位相検出信号13Aを含んでいる。
タイミング検出信号12A及び位相検出信号13Aを含む探査信号11Aが、信号増幅器及びフィルタを介してタイミング検出装置6及び位相検出装置7に入力される。タイミング検出装置6で算出された相関値の絶対値14Aは、図3で示したときと同様に、入力したタイミング検出信号12Aの最終端で鋭いピーク15Aを生じる。タイミング検出装置6は、相関値の絶対値14Aがピーク15Aになったとき、タイミング信号を出力する。
位相検出装置7は、タイミング信号を入力したときを開始タイミングとし、開始タイミング以降の位相検出信号13Aに基づいて、位相検出信号13Aの位相を求める。探査信号11Aの位相が、探査信号11の位相と反転している、すなわち、信号波形の上下が反転しているため、位相検出装置7が位相検出信号13Aから取得できる位相は180°になる。この位相を入力した位相比較装置8は、信号検出器4が取り付けられたケーブル10Bが被特定ケーブル10Aではないと判定する。
信号検出器4が取り付けられたケーブル10が被特定ケーブル10Aではないと判定された場合には、そのケーブル10から信号検出器4を取り外し、別のケーブル10にその信号検出器4を取り付ける。その後、信号発生装置2から出力された探査信号11を被特定ケーブル10Aに入力する。信号検出器4で検出した探査信号が受信装置5に入力され、信号検出装置4が取り付けられたケーブル10が被特定ケーブル10Aであるかが判定される。このように、信号検出器4のケーブル10への取り付け取り外しが、信号検出器4が取り付けられたケーブル10が被特定ケーブル10Aであると判定されるまで、行われる。
位相検出信号13だけを用いて位相検出信号13の位相を判定しようとすると、タイミングの基準が無いため、位相検出信号13の位相が反転しているか否かを判定することができない。そこで、従来は、位相検出信号13を敷設されているケーブル10に入力すると共に、タイミングの情報を含む信号を別の専用ケーブルを用いて受信装置まで伝送する必要があった。
これに対し、本実施例は、タイミング検出信号12及び位相検出信号13を含む探査信号11を信号発生装置2から出力して施設されたケーブル10に伝送させるので、タイミング検出信号12を伝送する専用のケーブルが不要となる。これは、プラント等で建屋間または部屋間に跨って、タイミング検出信号専用のケーブルを引き回すことが困難な場合でも、ケーブルの探査を行うことができる。
また、従来において、タイミング検出信号を伝送する専用ケーブルが不要になる方法として、被特定ケーブルを探査するため、敷設されたケーブルに伝送させる信号を上下非対称のパルスにし、このパルスの位相が反転しているか否かを判定する方法がある。発明者らの実験によれば、この方法では、パルス状の信号は、受信波形がリンギングによって乱れ、上下非対称の波形パターンを取得することができない場合があった。このため、上下非対称のパルスを用いるケーブルの探査方法では、正確なケーブル探査が困難になる場合がある。本実施例は、このような問題が生じないため、ケーブルの探査が困難になる確率を低減させることができ、ケーブルの探査精度を向上させることができる。
本実施例は、敷設されたケーブルに伝送させる探査信号として、タイミング検出信号12及び位相検出信号13を含む探査信号11を用いているので、位相検出信号13の位相が、ケーブル10に何らかの理由で接続されたキャパシタンス及びインダクタンスの影響で非直線に変化する場合でも、ケーブル10の探査が困難になることはない。したがって、本実施例は、ケーブルの探査が困難になる確率を低減させることができる。また、本実施例は、半導体素子のスイッチングによって生じるスイッチングノイズの影響によって、ケーブルの探査が困難になることもない。
同一パターンの複数のタイミング検出信号12、及び位相検出信号13を含む探査信号11B(図5参照)を、前述の探査信号11の替りに信号発生装置2から出力し、敷設された各ケーブル10に伝送させてもよい。探査信号11Bにおいて、複数のタイミング検出信号12は連続して存在する。この探査信号11Bをケーブル10に取り付けた信号検出器4で検出し、タイミング検出装置6に入力させることによって、タイミング検出装置6において、最後のタイミング信号12の最終端だけでなく、タイミング検出信号12の各境目においても、相関値の絶対値のピークがそれぞれ生じる。このように相関値の絶対値の複数のピークが発生するため、ピークが発生するタイミングを平均化することによって、位相検出信号13の開始タイミングを精度良く検出することができる。
連続した3つのタイミング検出信号12を含む探査信号11Bを用いた場合におけるタイミングの平均化を、理解を容易にするために、2つのタイミング検出信号12が連続している場合を例にとって説明する。
タイミング検出装置6において各タイミング検出信号12に基づいて算出された相関値の絶対値のピーク15Aが発生する時間間隔、すなわち、1番目のタイミング検出信号12(便宜的に、タイミング検出信号TAと称する)によって得られるピーク15Aと2番目のタイミング検出信号12(便宜的に、タイミング検出信号TBと称する)によって得られるピーク15Aの時間間隔は、本来、タイミング検出信号12の長さに等しい。しかしながら、この時間間隔は、ノイズなどの影響によって、僅かに変わる場合がある。この状態を図6に模式的に示す。
タイミング検出信号TAでピーク15Aが実際に発生したタイミングt1が、このピーク値15Aが本来発生するタイミングT1より10(任意の時間単位)だけ早く発生し、タイミング検出信号TBでピーク15Aが実際に発生したタイミングt2が、このピーク値15Aが本来発生するタイミングT2より10(任意の時間単位)だけ遅く発生したと仮定する。タイミングT1とタイミングT2の時間間隔は、図6に示すように、100であるとする。このとき、タイミングt1とタイミングt2との時間間隔は120となる。本来のタイミングT1とタイミングT2の時間間隔と異なる時間である20(=120−100)をピーク15Aの発生回数で割って得られた値10(=20/2)に基づいて、実際に得られたタイミングt1及びt2を変更する。具体的には、タイミングt1を10だけ遅らせて、タイミングt2を10だけ早める。位相検出信号13の開始タイミングは、最も最後のピーク値15Aが発生したタイミング、すなわち、タイミングt2とする。
連続した複数のタイミング検出信号を含む探査信号11Bを用いた場合には、上記した、ピーク15Aが発生するタイミングを平均化することによって、ピーク15Aが実際に発生したタイミングを、ピーク15Aが本来発生するタイミングに近づけることができる。このため、位相検出信号13の開始タイミングを精度良く検出することができ、被特定ケーブルの探査精度が向上する。
本発明の他の実施例である実施例2のケーブル探査方法を、図7を用いて説明する。本実施例のケーブル探査方法に用いられるケーブル探査装置は、実施例1で用いられるケーブル探査装置1である。本実施例で用いられるケーブル探査装置1は、信号発生装置2から、タイミング検出信号であるOFDM(Othogonal Frequency Division Multiplex)信号、及び位相検出信号を含む探査信号を出力する。
本実施例のケーブル探査方法は、信号発生装置2から出力されたOFDM信号及び位相検出信号を含む探査信号を、ケーブル10に伝送させることによって行われる。
本実施例で用いる探査信号は、OFDM信号として、図7に示すように、2つのOFDM信号16A,16Bを含んでいる。OFDM信号16A,16Bは、同一の波形パターンを、1シンボル目及び2シンボル目と、2つ連続して並べている。連続したOFDM信号16A,16Bは、擬似的なノイズ信号を得ることができ、OFDM信号16Aの最後とOFDM信号16Bの先頭が連続であるという特徴を有する。このため、図7において、破線の囲みで示した1シンボル目と2シンボル目の境界17は連続的な信号となっている。
本実施例のケーブル探査方法は、実施例1と同様に、信号発生装置2に接続された配線を被特定ケーブル10Aに接続して信号検出器4をケーブル10に取り付け、信号発生装置2から被特定ケーブル10Aに、OFDM信号16A,16Bを含む探査信号を入力することによって行われる。信号検出器4は、被特定ケーブル10Aが探査されるまで、複数のケーブル10に順番に取り付けられる。信号検出器4に接続された受信装置5は、実施例1と同様な処理を行って、信号検出器4が取り付けられたケーブル10が被特定ケーブル10Aであるか否かを判定する。
本実施例は、実施例1で生じる各効果を得ることができる。本実施例は、タイミング検出信号として同一の波形パターンの複数のOFDM信号を用いているので、以下の効果を得ることができる。
ケーブル10に印加する探査信号に付加する同一の波形パターンの複数のタイミング検出信号を、図5に示す探査信号11Bのように、単なるランダムなパターンで生成した場合には、タイミング検出信号12の境目で急激な位相の変化が発生する。この急激な位相の変化が微小なリンギングとなる。このため、タイミング検出装置6で算出される、タイミング検出信号12の境目に対する相関値の絶対値のピークは、最後のタイミング信号12の最終端におけるそのピークに比べて若干鈍ったピークになる。これは、タイミングの検出精度を若干低下させることになる。
これに対して、本実施例は、タイミング検出信号としてOFDM信号16A,16Bを含む探査信号を用いているので、OFDM信号16Aの最後とOFDM信号16Bの先頭の位相が連続であり、リンギングが発生しなくなる。このため、その絶対値の鋭いピークが得られ、タイミングの検出精度の低下を避けることができる。位相の判定精度の低下も回避することができる。
本発明の他の実施例である実施例3のケーブル探査方法を、図8、図9及び図10を用いて説明する。
本実施例のケーブル探査方法に用いられるケーブル探査装置1Aは、実施例1で用いられるケーブル探査装置1において信号発生装置2を信号発生装置2Aに替え、受信装置5を受信装置5Aに替えた構成を有する。ケーブル探査装置1Aの他の構成は、ケーブル探査装置1と同じである。受信装置5Aは、受信装置5においてタイミング検出装置6及び位相検出装置7を変調波信号位相検出装置21及び搬送波信号位相検出装置22に替えた構成を有する(図9参照)。受信装置5Aも位相比較装置8及び表示装置9を有する。変調波信号位相検出装置21及び搬送波信号位相検出装置22は信号検出装置4に接続される。変調波信号位相検出装置21は搬送波信号位相検出装置22にも接続される。位相比較装置8は搬送波信号位相検出装置22及び表示装置9に接続される。
ケーブル探査装置1Aの信号発生装置2Aは、互いに、異なる周波数成分を含む2つの信号の合成波形を有する探査信号11Cを出力する。探査信号11Cは、図10(A)に示され、(1)式で表される連続波である。
s=2×sin(2πft)×cos(2πΔft) …(1)
ここで、sは探査信号11C、fはキャリア周波数[Hz]、Δfは変移周波数[Hz]及びtは時間[s]である。ただし、キャリア周波数f及び変移周波数Δfは(2)式及び(3)式を同時に満たしている。
ここで、sは探査信号11C、fはキャリア周波数[Hz]、Δfは変移周波数[Hz]及びtは時間[s]である。ただし、キャリア周波数f及び変移周波数Δfは(2)式及び(3)式を同時に満たしている。
(f−Δf)/2Δf=m ……(2)
(f+Δf)/2Δf=n ……(3)
ここで、m及びnは自然数である。(1)式で示される探査信号11Cの波形は、キャリア周波数fの正弦波を、変移周波数Δfで変調(乗算)した波形と等しくなる。
(f+Δf)/2Δf=n ……(3)
ここで、m及びnは自然数である。(1)式で示される探査信号11Cの波形は、キャリア周波数fの正弦波を、変移周波数Δfで変調(乗算)した波形と等しくなる。
2つの異なる周波数(f+Δf)及び(f−Δf)は2Δfで割り切れる関係にある。また、これらの2つの周波数(f+Δf)及び(f−Δf)は、2つの周波数のうちで高い周波数(f+Δf)を低い周波数(f−Δf)で割った値が、8未満で非整数となる関係にある。
探査信号11Cの波形は、図10(A)に示すように、キャリア周波数fの正弦波(以下、搬送波という)24と変移周波数Δfの正弦波(以下、変調波という)23を乗算した波形である。図10(B)に示す波形は、図10(A)に示す波形と逆位相の場合の例である。探査信号11Cは、一点差線で示す変調波23及び実線で示す搬送波24を含んでいる。
(1)式で表され、(2)式及び(3)式の関係、及び周波数(f+Δf)を周波数(f−Δf)で割った値が8未満で非整数となる関係にある探査信号11Cは、例えば、変移周波数Δfが5kHzである変調波23、及びキャリア周波数fが205kHzである搬送波24を含んでいる。この探査信号11Cは、(f+Δf)/(2Δf)が21(自然数)になり、(f―Δf)/(2Δf)が20(自然数)になり、(f+Δf)/(f―Δf)が1.05(8未満の非整数)になる。この探査信号11Cが、被特定ケーブル10Aに接続された信号発生装置2Aから非特定ケーブル10Aの導体に入力される。
信号検出器4が導体と非接触で被特定ケーブル10Aに取り付けられている場合には、被特定ケーブル10Aを伝送された探査信号11Cが、信号検出器4で検出され、信号増幅器及びフィルタを通って受信装置5Aの変調波信号位相検出装置21及び搬送波信号位相検出装置22にそれぞれ入力される。信号検出器4で検出して受信装置5A、すなわち、変調波信号位相検出装置21及び搬送波信号位相検出装置22に入力される受信信号は、図10(A)に示す信号となる。以下では、まず、この受信信号を用いて、受信装置5Aで実行される、受信信号の位相を検出する処理の概略を説明する。
図10(A)に示す矢印25の位置は、上側包絡線、すなわち、変調波23のピークの位置である。図10(A)に示す探査信号11Cでは搬送波24がこの矢印25の位置で常に山となっているのに対し、図10(B)に示す受信信号11Dでは搬送波24がこの矢印25の位置で常に谷となっている。つまり、変調波23の位相(即ち山、谷)を基準にすれば、搬送波24の位相で信号検出器4を取り付けたケーブル10が被特定ケーブル10Aか否かを判定可能である。
被特定ケーブル10Aに取り付けられた信号検出器4で検出された探査信号11Cが変調波信号位相検出装置21に入力されたとき、変調波信号位相検出装置21は、変調波23の位相を検出し、位相が最も大きくなるタイミングでタイミング信号を出力する。このタイミング信号は搬送波信号位相検出装置22に入力される。変調波信号位相検出装置21は、変調波23の位相がゼロまたは最小になったタイミングでタイミング信号を出力してもよい。
搬送波信号位相検出装置22は、入力したタイミング信号によって決まるタイミングを基準として、入力した探査信号11Cに含まれている搬送波24の位相を求め、求められた移送を位相比較装置8に出力する。位相比較装置8は、入力した位相が反転していない、すなわち、位相が0°であるので、信号検出器4を取り付けたケーブル10が被特定ケーブル10Aであると判定する。この判定結果の情報が、表示装置9に出力されて表示装置9に表示される。
図10(A)に示す探査信号11Cを入力した変調波信号位相検出装置21が、図10(A)に示す矢印25の位置でタイミング信号を出力したと仮定する。このタイミング信号を入力した搬送波信号位相検出装置22は、搬送波24の位相cos(2πf+0)を求める。求められた位相はゼロである。位相比較装置8は、入力した位相がゼロであるので、信号検出器4を取り付けたケーブル10が被特定ケーブル10Aであると判定する。
被特定ケーブル10Aに探査信号11C(図10(A)参照)が流れているとき、被特定ケーブル10Aに隣り合っているケーブル10Bには、探査信号11Cによって誘導されて、探査信号11Cと位相が反転している信号、すなわち、図10(B)に示す信号が流れる。信号検出器4が被特定ケーブル10Aに隣り合ったケーブル10Bに取り付けられている場合には、信号検出器4がケーブル10Bに取り付けられている場合には、信号検出器4から受信装置5Aに図10(B)に示す受信信号11Dが入力される。変調波信号位相検出装置21は、受信信号11Dの変調波23の位相を検出し、前述したように、タイミング信号を出力する。
搬送波信号位相検出装置22は、そのタイミング信号によって決まるタイミングを基準として、受信信号11Dに含まれた搬送波24の位相を求める。位相比較装置8は、求められた位相が反転している、すなわち、位相が180°であるので、信号検出器4を取り付けたケーブル10Bが被特定ケーブル10Aでないと判定する。
図10(B)に示す受信信号11Dを入力した変調波信号位相検出装置21が、図9(B)に示す矢印25の位置でタイミング信号を出力したと仮定する。このタイミング信号を入力した搬送波信号位相検出装置22は、搬送波24の位相cos(2πft+π)を求める。求められた位相は180°であるので、位相比較装置8は、信号検出器4を取り付けたケーブル10が被特定ケーブル10Aではないと判定する。
本実施例によれば、信号発生装置2から異なる2つの周波数の合成信号を探査信号11Cとして被特定ケーブル10Aに印加するので、タイミング情報を伝送する専用ケーブルが不要になる。本実施例は、タイミング情報を伝送する専用ケーブルが不要になることによって実施例1で生じる各効果を得ることができる。
本実施例は、探査信号11Cの占有周波数帯幅が狭いため、ケーブル10の周辺の機器及びケーブル10に接続された機器から信号及びノイズが発生している場合には、これらの周波数と異なる周波数を有する探査信号11Cを用いることができる。これによって、本実施例は、ケーブルの探査精度の低下を防ぐことができる。
敷設された複数のケーブル10は、前述したように、制御装置、機器またはセンサが端部に接続されているケーブル10、及び両端部に何も接続されていないケーブル10を含んでいる。このようなケーブル10にキャパシタンス及びインダクタンスが接続されたとき、探査信号の位相が、キャパシタンス及びインダクタンスの影響を受けて、図11に示すように周波数に応じて非直線的に変化する。特開平9−159715号公報に記載されたケーブル探査方法のように、探査信号11Cが異なる2つの周波数f及びΔfの信号を含んでおり、周波数(f+Δf)(以下、便宜的に、周波数f2と称する)が周波数(f−Δf)(以下、便宜的に、周波数f1と称する)のn倍(n>8)になっているとき(図11参照)には、周波数f1の信号と周波数f2の信号の位相関係が一定にならなくなる。すなわち、周波数f2が周波数f1のn倍(n>8)になったときには、周波数が異なる2つ周波数f及びΔfの信号を含んでいる探査信号11Cでは、周波数f1と周波数f2の位相関係を常に等しくする必要があるにもかかわらず、それらの周波数における位相関係が崩れてしまう。このため、特開平9−159715号公報に記載されたケーブル探査方法では、ケーブル探査が困難になる。
しかしながら、本実施例は、異なる2つの周波数f及びΔfの信号を含んでいる探査信号11Cでは、周波数f1及びf2が、f2/f1<8の関係にあるので、周波数f1及びf2に対応した位相の変化の非直線性による影響を無視することができる。このため、本実施例は、プラント内に敷設された、キャパシタンス及びインダクタンスが接続されケーブル10、及び線種が異なるケーブル10において、ケーブルの探査が困難になる確率を低減することができる。
好ましくは、f1及びf2がf2/f1<2を満足する場合には、図12に示すように、周波数f1と周波数f2の間隔が狭くなり、周波数f1及びf2に対応した位相の変化の非直線性による影響を受けなくなる。このため、周波数f1及びf2は、f2/f1≦2を満足する関係にあることが望ましい。この場合には、キャパシタンス及びインダクタンスが接続されケーブル10、及び線種が異なるケーブル10を対象としたケーブルの探査において、探査が困難になる確率をさらに低減することができる。
特開平9−15287号公報に記載されたケーブル探査方法では、探査信号に含まれる周波数が異なる2つの信号において、これらの周波数のうち高い周波数が低い周波数の2倍になっている。プラントに設けられているIGBT等の半導体素子のスイッチングによって発生するスイッチングノイズは、半導体素子のスイッチング周波数の整数倍の周波数を有する。この周波数を有するスイッチングノイズが探査対象のケーブルに重畳したとき、特開平9−15287号公報に記載されたケーブル探査方法では、ケーブルの探査が困難になる可能性がある。すなわち、特開平9−15287号公報では、探査信号に含まれる、異なる2つの周波数のうち、高い周波数が低い周波数の2倍になっているので、一方の周波数の信号にスイッチングノイズが重畳した場合、他方の周波数の信号にもそのノイズが重畳し、ケーブルの探査が困難になる場合がある。
これに対し、本実施例では、探査信号に含まれている、異なる2つの周波数(f+Δf)及び(f−Δf)の信号の各周波数が、(f+Δf)/(f−Δf)の値が非整数になる関係の周波数になっている。すなわち、本実施例では、(f+Δf)/(f−Δf)の値が上記したように1.05であるため、本実施例は、半導体素子のスイッチングによってスイッチングノイズが発生したとしても、ケーブルの探査が困難になる確率を低減することができる。
本発明の他の実施例である実施例4のケーブル探査方法を、図13を用いて説明する。
本実施例のケーブル探査方法に用いるケーブル探査装置1Bは、信号送信装置40、電流プローブである信号検出器4及び受信装置5及び5Aを備えている。信号検出装置4は切替え装置47に接続され、受信装置5及び5Aも切替え装置47に接続される。信号検出器4は、切替え装置47の切替え操作によって、受信装置5または受信装置5Aに接続される。信号送信装置40は、信号発生装置2及び2A、及び切替え装置46を有する。信号発生装置2及び信号発生装置2Aは、切替え装置46に接続される。
ケーブル探査装置1Bを用いた本実施例のケーブル探査方法は、以下のように行われる。信号送信装置40の切替え装置46が、被特定ケーブル10Aの一端が接続されている端子盤の端子に接続される。信号検出器4は、ケーブルトレイ内に敷設たれた複数のケーブルの1本に取り付けられる。図13では、説明を簡単にするため、信号検出器4は被特定ケーブル10Aに取り付けられている。
実施例1で述べたケーブル探査方法を実施する場合は、切替え装置46の切替え操作によって、信号発生装置2を被特定ケーブル10Aに接続する。信号検出器4は、切替え装置47の切替え操作によって、受信装置5に接続される。信号発生装置2から被特定ケーブル10Aに探査信号11が入力される。この探査信号11は被特定ケーブル10Aを伝送し、信号検出器4によって検出される。検出された探査信号11は、受信装置5のタイミング検出装置6及び位相検出装置7に入力される。受信装置5は、実施例1と同様な処理を実行し、被特定ケーブル10Aを判定する。
実施例3で述べたケーブル探査方法を実施する場合は、切替え装置46の切替え操作によって、信号発生装置2Aを被特定ケーブル10Aに接続する。信号検出器4は、切替え装置47の切替え操作によって、受信装置5Aに接続される。信号発生装置2から被特定ケーブル10Aに探査信号11Cが入力される。この探査信号11Cは被特定ケーブル10Aを伝送し、信号検出器4によって検出される。検出された探査信号11Cは、受信装置5Aの変調波信号位相検出装置21及び搬送波信号位相検出装置22に入力される。受信装置5Aは、実施例3と同様な処理を実行し、被特定ケーブル10Aを判定する。
本実施例は、実施例1及び3で生じる各効果を得ることができる。
このように、2つの探査信号を用いることができるケーブル探査装置1Bは、ノイズ、ケーブル減衰、ケーブル周辺機器への影響、他の機器との探査用信号の干渉等の状況に応じて出力する探査信号を切替えて、ケーブルの探査を行うことができる。このため、探査が困難な場合を減らすことができる。
本発明の他の実施例である実施例5のケーブル探査方法を、図14及び図15を用いて説明する。本実施例のケーブル探査方法は、分岐されたケーブルトレイ内に敷設された複数のケーブルの中から被特定ケーブルを探査するものである。
あるケーブルトレイ内に複数のケーブル10が敷設されている。このケーブルトレイは、途中で、ケーブルトレイI及びケーブルトレイIIに分岐される。ケーブルトレイI内に敷設されたケーブル群(以下、第1ケーブル群という)は複数のケーブル10Cを含んでおり、ケーブルトレイII内に敷設されたケーブル群(以下、第2ケーブル群という)は複数のケーブル10Dを含んでいる。分岐される前のケーブルトレイ内に存在する1本のケーブルを探査対象の被特定ケーブル10Aとする。この被特定ケーブル10Aは、ケーブルトレイが分岐された後で第1及び第2ケーブル群のどちらに存在しているかは、ケーブル探査を開始する時点では分かっていない。
本実施例のケーブル探査方法は、被特定ケーブル10Aが分岐された後のケーブルトレイI内の第1ケーブル群及びケーブルトレイII内の第2ケーブル群のどちらに含まれているかを探査する第1ケーブル探査、及び第1ケーブル群及び第2ケーブル群のうち、第1探査で被特定ケーブル10Aが含まれていることが確認されたケーブル群を対象に被特定ケーブル10Aを特定する第2ケーブル探査を含んでいる。第1ケーブル探査では、実施例1で使用したケーブル探査装置1、すなわち、信号発生装置2、信号検出器4及び受信装置5を用いる。第2ケーブル探査では、後述するケーブル探査装置1C、すなわち、信号発生装置2B、誘導結合素子(誘導結合装置)3、電流プローブ(電磁結合装置)4A、受信装置5B及び磁性体コアであるフェライトコア(ケーブル特性変更素子)31を用いる。
まず、第1ケーブル探査を、図14を用いて説明する。分岐される前のケーブルトレイ内に敷設された複数のケーブル10のうち1本のケーブル10を、敷設経路を確認したい(または他端を確認したい)探査対象の被特定ケーブル10Aとする。この被特定ケーブル10Aの一端が接続されている、端子盤の端子に、ケーブル探査装置1の信号発生装置2を、配線を用いて接続する。分岐されたケーブルトレイII内の第2ケーブル群のすべてのケーブル10Dを取り囲むように、これらのケーブル10Dに信号検出器4を取り付ける(図14(A)参照)。
この状態で、実施例1と同様に、ケーブル探査装置1を用いたケーブル探査が実行される。信号発生装置2から出力された探査信号11を被特定ケーブル10Aに入力する。ケーブルトレイII内の第2ケーブル群に被特定ケーブル10Aが含まれていれば、信号検出器4から受信装置5に図3に示す探査信号11が入力される。しかしながら、第2ケーブル群に被特定ケーブル10Aが含まれていないので、受信装置5に入力される信号は、図4に示す探査信号11Aとなる。この探査信号11Aは、被特定ケーブル10Aに隣接しているケーブル10に、探査信号11の誘導により流れる信号であり、探査信号11とは位相が反転されている。探査信号11ではなく探査信号11Aだけを入力した受信装置5は、実際例1と同様な処理を行い、位相比較装置8において、信号検出器4が取り付けられた第2ケーブル群には被特定ケーブル10Aが含まれていないと判定する。この判定結果が、表示装置9に表示される。
信号検出器4を、ケーブル10Dを含む第2ケーブル群から取り外し、分岐された他のケーブルトレイI内の、複数のケーブル10Cを含む第1ケーブル群に取り付ける(図14(B)参照)。第2ケーブル群の場合と同様に、ケーブル探査装置1を用いたケーブル探査が実行される。信号発生装置2から出力された探査信号11を被特定ケーブル10Aに入力する。第1ケーブル群には被特定ケーブル10Aが含まれているので、信号検出器4から受信装置2に入力される受信信号は、図3に示す探査信号11となる。位相比較装置8は、信号検出器4が取り付けられた第1ケーブル群には被特定ケーブル10Aが含まれていると判定する。この判定結果が、表示装置9に表示される。
その後、被特定ケーブル10Aが含まれている第1ケーブル群の各ケーブル10を対象に、第2ケーブル探査を実行する。
第2ケーブル探査に用いられるケーブル探査装置1Cの詳細構成を、図16を用いて説明する。ケーブル探査装置1Cは、信号発生装置2B、誘導結合素子3、電流プローブ4A、受信装置5B、判定装置30及びフェライトコア31を有する。信号発生装置2Bが誘導結合素子3に接続され、受信装置5Bが電流プローブ4A及び判定装置30に接続される。判定装置30は電子計算機である。受信装置5Bもその電子計算機で構成することも可能である。
ケーブルトレイI内に敷設された複数のケーブル10(具体的には、図15に示す被特定ケーブル10A(探査対象ケーブル)及びこれ以外の複数のケーブル10C)は複数の導体(例えば、導線)26を有している。あるケーブル10である被特定ケーブル10Aに含まれるこれらの導体26の一端は端子盤に接続され、導体26の他端は制御装置27に接続されている。別のケーブル10であるケーブル10Cは、両端が端子盤及び制御装置27または機器に接続されている。さらに別のケーブル10Cの両端が端子盤及び制御装置等に接続されていなく、その両端が開放されている。このケーブル10Cは、機器を新しい機器に替えたために不要になり、ケーブルトレイから引き抜かずにそのまま残しているものである。
誘導結合素子3としては、ケーブル10の導体26に接触しなくても電流を印加可能な結合トランス等が用いられる。誘導結合素子3は探査対象のケーブル10である被特定ケーブル10Aの被覆の外側を把持するように被特定ケーブル10Aに誘導結合される。信号発生装置2Bから出力された電気信号(探査信号)が誘導結合素子3に導かれると、誘導結合素子3から被特定ケーブル10Aの導体26に非接触で探査用の電流が印加される。誘導結合は、電気信号を磁界に変換し、更に電気信号に変換して導線に電流を印加する結合方式である。
信号発生装置2Bから出力される電気信号は、複数の周波数成分を含んでいる。その電気信号に含まれる周波数成分の周波数の範囲は、200kHzから100MHzである。信号発生装置2Bから出力される電気信号は、200kHzから100MHzの範囲内の異なる少なくとも2つの周波数を含んでいる。このように、電気信号が少なくとも2つの周波数成分を含んでいる理由は、周辺機器の発生するノイズと異なる周波数にすることにより、周辺機器の影響を受けない周波数にするためである。複数の周波数成分を含んだ電気信号の替りに、時間とともに周波数が変化する信号(チャープ信号あるいはスイープ信号ともいう)、もしくはOFDM(Othogonal Frequency Division Multiplexing、直交周波数分割多重)などの変調信号を用いることができる。
電流プローブ4Aが被特定ケーブル10Aに接続されているとき、受信装置5Bは被特定ケーブル10Aを流れる電流を測定する。受信装置5Bに接続された電流プローブ4Aは、被特定ケーブル10Aの導体26に接触せずに、誘導結合素子3から入力された探査電流を測定できる。電磁結合素子である電流プローブ4Aの替りに、誘導結合素子である結合トランスを受信装置5Bに接続してもよい。電流プローブ4Aは、ケーブルトレイI内で、被特定ケーブル10Aの任意の位置に取り付けられる。受信装置5Bに接続される電流プローブ4Aまたは結合トランスは、探査電流を検出できる結合素子である。電流プローブ4Aは、被特定ケーブル10Aを流れる電流によって生じる磁界を電気信号に変換して受信装置5Bに出力する。電流プローブ4Aは、被特定ケーブル10Aに取り付ける必要があるため、目視にて他のケーブル10Bと識別が可能な範囲内で被特定ケーブル10Aの任意の位置に被覆の外側を把持するように取り付けられる。
フェライトコア31は、ケーブル10の特性、すなわち、ケーブル10のインピーダンスを変更する手段であり、磁性体であるフェライトで構成されている。フェライトコア31の替りになる磁性体コアは、フェライト以外の磁性材料を用いて構成しても良い。フェライトコア31を被特定ケーブル10Aに取り付けた場合及びそれを取り付けない場合では、被特定ケーブル10Aの特性(インピーダンス)が変化して、電流プローブ4Aで検出されて受信装置5Bに入力される電気信号が変化する。受信装置5Bに入力されるこの電気信号の変化の有無により、フェライトコア31を取り付けたケーブル10が被特定ケーブル10Aであるか否かを判定する。このケーブルの判定方法の詳細については後述する。フェライトコア31は、被特定ケーブル10Aが複数のケーブル10のうちどれであるかを判定したい位置で、ケーブル10に取り付けられる。本実施例は、ケーブルトレイI内で、フェライトコア31をケーブル10に取り付ける。
信号発生装置2Bから出力された探査用の電気信号を被特定ケーブル10Aに印加することによって被特定ケーブル10Aの導体26に電流が流れる原理を以下に説明する。一般的には、電流が被特定ケーブル10Aに流れるためには、被特定ケーブル10Aに対する行きと戻りの各電流経路がループ状に結合している必要がある。本実施例では、被特定ケーブル10Aを励振させ、被特定ケーブル10Aがアンテナとして作用することを利用して被特定ケーブル10Aに電流を流す。
従来、任意の箇所での探索用の電気信号の被特定ケーブルへの印加は、行きと戻りの電流経路のループが形成できる被特定ケーブルの状態(例えば、行きと戻りの経路を形成する2本の導線が電気的に短絡している状態、または被特定ケーブルの両端が大地に接地して大地及び被特定ケーブルと他のケーブルによって行きと戻りのループを形成している状態)でしか行うことできなかった。
しかしながら、本実施例では、被特定ケーブル10Aの末端がいかなる状態であったとしても、例えば、被特定ケーブル10Aの末端が開放されている、被特定ケーブル10Aの一端が接地されている、被特定ケーブル10Aの一端が他のケーブル10に短絡している、被特定ケーブル10Aの一端に所定負荷が接続されている、のいずれの場合であっても、被特定ケーブル10Aに電流を流すことができる。すなわち、被特定ケーブル10には行きと戻りのループは形成されていないが、被特定ケーブル10Aの導体26には、電流が往復して流れる。被特定ケーブル10Aの一端または両端が接地されている場合には、大地を介して電流が流れて電流ループが形成される場合もあるが、多くは、MHzオーダの探査用信号(高周波電流)に対しては大地とのインピーダンス不整合によって電流が大地に流れにくくなるため電流ループは形成されずケーブルを往復する電流が流れることとなる。
短絡や所定負荷(例えば抵抗)がある場合は、ある多芯ケーブルの芯線同士が短絡または所定負荷が接続されていることであるが、本実施例では多芯ケーブルの外側から誘導結合素子を把持するため短絡でも所定負荷があっても電流ループは形成されず、やはり往復電流が流れることとなる。このため、本実施例は、被特定ケーブル10Aの敷設及び終端のそれぞれがどのような状態であっても、被特定ケーブル10Aに電流を流すことができる。
被特定ケーブル10Aを励振させるために誘導結合素子3から被特定ケーブル10Aに印加される電気信号の周波数を、半波長がケーブル長よりも短い周波数にすることによって、被特定ケーブル10Aがアンテナとして作用する確率が高くなる。被特定ケーブル10Aがアンテナとして作用する確率が高くなる周波数f3は式(4)で表すことができる。
f3≧c・α/2l ……(4)
ここで、cは光速、lはケーブル長及びαは波長短縮率である。
ここで、cは光速、lはケーブル長及びαは波長短縮率である。
プラントに敷設されているケーブル長lは最大500mである。多くのケーブルの波長短縮率αは0.7程度であるため、式(4)によれば、共振周波数は約200kHzである。これより高い周波数でフェライトコア31の有無によるケーブル特性の変化による効果が大きいので、被特定ケーブル10Aに印加する電気信号の周波数f3は、200kHz以上である。この周波数よりも高い周波数を有する電気信号を印加することによって、被特定ケーブル10Aがアンテナとして作用する確率が高くなり、被特定ケーブル10Aに効率良く電流を流すことができる。ケーブル長は予め分かっていない場合が多いため、印加する電気信号は、どのケーブル長にも対応できるように、200kHz以上でかつ100MHz以下の周波数成分を含むようにするプラントに敷設されているケーブルは場合によっては最も短いものでは数メートルであり、共振周波数は数十MHzとなる。これより高い周波数で評価するため、100MHz以下の周波数成分を含む信号を用いれば、プラント内のケーブルを評価可能であり、判別精度を向上できる。100MHzより高い周波数はケーブル長に対して周波数が高すぎて電流がほとんど注入されないため、上限は100MHzとなる。また、この周波数成分が離散的または連続的に存在する帯域を含んでいる電気信号を用いることが望ましい。
本実施例における被特定ケーブル10Aの判定方法の原理を、図17を用いて説明する。被特定ケーブル10A及びこれ以外の複数のケーブル10Cを含む複数のケーブル10は、ケーブルトレイI内に敷設されている。探査対象の被特定ケーブル10Aに信号発生装置2Bに接続された誘導結合素子3及び電流プローブ4Aが、分岐される前のケーブルトレイI内で被特定ケーブル10Aに取り付けられている。
誘導結合素子3から被特定ケーブル10Aに複数の異なる周波数を含む電気信号を印加し、被特定ケーブル10Aに流れる電流を測定する(図17(A)参照)。図17(A)では、どのケーブル10にもフェライトコア31を取り付けない状態で予め被特定ケーブル10Aに流れる電流を測定する。このとき、被特定ケーブル10Aにはこのケーブルの両端部間に探査電流経路28が形成され、その両端部間を往復する電流が流れる。
被特定ケーブル10Aにフェライトコア31を取り付ける(図17(B)参照)。実際にはどのケーブル10が被特定ケーブル10Aであるか分からないが、フェライトコア31が、誘導結合素子3から電流プローブ4Aに向う方向で、電流プローブ4Aから離れた所定の位置で被特定ケーブル10Aに取り付けられたと仮定する。フェライトコア31はインダクタンスであるため、周波数が高い電気信号(200kHzから100MHzの電気信号)に対しては被特定ケーブル10Aのインピーダンスが高くなる。このため、ケーブル10に流れる高周波電流(誘導結合素子3から印加される電気信号によって発生)がフェライトコア31を取り付けた位置で抑制される。このため、被特定ケーブル10Aを流れる電流の一部または全部は、被特定ケーブル10Aの一つの末端部とフェライトコア31の間に形成される探査電流経路28Aを往復して流れる。被特定ケーブル10Aはアンテナとして作用して電流が流れている。しかしながら、図17(B)の状態は探査電流経路28Aの長さを図17(A)の探査電流経路28のそれから変更したことに相当するため、予め測定された電流特性(図17(A)の状態で測定された電流特性)とは異なる測定結果が得られる。
被特定ケーブル10Aと異なるケーブル10Bにフェライトコア31を取り付けた状態を図17(C)に示す。この場合、フェライトコア31が被特定ケーブル10Aの特性に与える影響はほとんどなく、誘導結合素子3から印加される電気信号によって被特定ケーブル10Aに生じるほとんどの電流も、図17(A)と同様に、被特定ケーブル10Aの両端部間を往復して流れる。図17(B)及び図17(C)の状態でも、被特定ケーブル10Aには信号発生装置2Bから出力された、複数の異なる周波数を含む電気信号が、誘導結合素子3から印加される。
受信装置5Bで測定された、被特定ケーブル10Aを流れる電流の特性の例を、図18に示す。実線で示す特性34は、図17(A)の状態で被特定ケーブル10Aに流れる電流のスペクトル(第1電流スペクトル情報)を示している。破線で示す特性33は、図17(B)の状態におけるその電流のスペクトル(第2電流スペクトル情報)を示している。図17(A)、図17(B)及び図17(C)の各状態では、図18の横軸に示すそれぞれの周波数を含む電気信号が、ケーブル探査用の電気信号として誘導結合素子3から被特定ケーブル10Aに印加される。このため、それぞれの状態において、図18に示す特性が受信装置5Bの測定結果に基づいて得ることができる。特性33は、特性34と被特定ケーブル10Aに流れる電流の特性が異なる。
発明者らの実験によれば、電流のスペクトルが異なる傾向は、特に、共振周波数より高い周波数で顕著に現れる。共振周波数は(4)式で求めることができる。図17(C)の状態において被特定ケーブル10Aに流れる電流のスペクトルは、特性34とほぼ等しい。もし、このスペクトルが特性34と異なった場合には、図17(C)の状態における電流のスペクトルの変化は、特性33の変化よりも小さくなる。ケーブルが3本以上存在する場合でも同様であり、各ケーブルに、順次、フェライトコア31を取り付け、受信装置5Bで測定された電流の変化が最も大きいケーブルが被特定ケーブル10Aであると判定する。
電流スペクトルの変化量の算出には、図17(A)、図17(B)及び図17(C)の状態における受信装置5Bでの各測定結果の差、及びこれらの相関の演算を用いることができる。図18には例として電流の各周波数成分に対する電流の振幅の変化、すなわち、電流スペクトルの変化を示しているが、位相特性の変化量で判定しても良い。この位相特性の変化量は、電流の各周波数成分に対する電流の位相の変化で表される。周波数領域ではなく時系列で同様の演算をしても良い。
本実施例における第2ケーブル探査を、図19を用いて詳細に説明する。ケーブルトレイI内に敷設された複数のケーブル10のうち1本のケーブル10、すなわち、探査対象である被特定ケーブル10Aに、信号発生装置2Bに接続された誘導結合素子3、及び受信装置5Bに接続された電流プローブ4Aを、分岐される前のケーブルトレイ内で被特定ケーブル10Aに取り付ける。電流プローブ4Aは誘導結合素子3の近くで被特定ケーブル10Aに取り付けられる。まず、被特定ケーブルに電気信号を印加する(ステップS1)。信号発生装置2Bは、200kHzから100MHzの周波数範囲に含まれる図18に示すような複数の異なる周波数を有するケーブル探査用の電気信号を誘導結合素子3に出力する。この電気信号は誘導結合素子3から被特定ケーブル10Aに印加される。いずれのケーブルにもフェライトコア31を取り付けない状態で被特定ケーブルの電流特性を測定する(ステップS2)。ケーブルトレイI内に敷設された全てのケーブル10にフェライトコア31を取り付けない状態で、被特定ケーブル10Aへの電気信号の印加によって被特定ケーブル10Aの導体26に生じた電流を電流プローグ5によって検出する。電流プローブ4Aで検出された電流に基づいた電気信号が電流プローグ5から受信装置5Bに入力され、受信装置5Bはこの電気信号に基づいて電流特性である電流の各周波数成分に対する電流の振幅の変化、すなわち、電流スペクトル(第1電流スペクトル情報)を求める。得られた測定結果を記憶する(ステップS3)。求められた電流スペクトル、すなわち、測定結果は、受信装置5Bから判定装置30に出力され、参照パターンとして判定装置30の記憶装置(図示せず)に記憶される。
任意の1本のケーブルにフェライトコアを取り付けてケーブルの電流特性を測定する(ステップS4)。被特定ケーブル10Aを探査したい、ケーブルトレイI内の位置で、任意の1本のケーブル10(被特定ケーブル10Aまたはこれ以外のケーブル10C)にフェライトコア31を取り付ける。ステップS1と同様に、被特定ケーブル10Aに複数の周波数を含む電気信号を印加し、電流プローブ4Aにより被特定ケーブル10Aを流れる電流を電気信号として検出する。さらに、受信装置5Bは、検出した電気信号を用いて被特定ケーブル10Aの電流特性、すなわち、電流スペクトル(第2電流スペクトル情報)を求める。得られた測定結果を記憶する(ステップS5)。求められた電流スペクトル(測定結果)は、受信装置5Bから判定装置30に出力され、測定パターンとして判定装置30の記憶装置(図示せず)に記憶される。
測定パターンと参照パターンとの差を算出する(ステップS6)。ステップS4で測定された測定パターン(電流スペクトル)とステップS2で測定された参照パターン(電流スペクトル)の差((測定パターン)−(参照パターン))が、判定装置30で算出される。具体的には、測定パターンの電流の振幅から参照パターンの電流の振幅を差し引く演算を、各周波数毎に行い、各周波数毎にそれらの差の絶対値を求める。算出された差(絶対値)は、フェライトコア31を取り付けたケーブル10の識別記号と共に、判定装置30の記憶装置に記憶される。
全てのケーブル10にフェライトコアが取り付けられたかを判定する(ステップS7)。判定装置30は、探査対象のケーブル10の全てに対してフェライトコア31を取り付けて、測定パターンの計測が終了したかを判定する。ステップS7の判定が「no」である場合には、フェライトコア31を別のケーブル10に取り付け、ステップS4〜S7の各処理が実行される。ステップS4〜S7の各処理は、探査対象のケーブル10の全てに対してフェライトコア31が取り付けられ、ステップS7の判定が「yes」になるまで、繰り返し実行される。ステップS7の判定が「yes」になったとき、ステップS8の処理が実行される。
測定パターンと参照パターンの差(絶対値)が設定値以上になっているケーブルを、被特定ケーブルであると判定する(ステップS8)。判定装置30は、記憶装置に記憶されている、測定パターンと参照パターンとの差を用いて被特定ケーブル10を特定する。すなわち、この差の絶対値が設置値以上になっているケーブル10が被特定ケーブル10Aであると認定される。受信装置5B及び判定装置30は、電流プローブ4Aで検出された電流に基づいて被特定ケーブル(探査対象ケーブル)10Aを判別する信号処理装置である。
被特定ケーブル10A以外の各ケーブル10Bの各測定パターンは、参照パターンと実質的に同じである。すなわち、各ケーブル10Bの各測定パターンは、図16の特性34のようになる。ケーブル10Bの測定パターンとこのケーブル10Bの参照パターンの差を求めると、この差の絶対値は、これらのパターンにおいて誤差がない限り、0となる。その設定値は、ケーブル10Bにおける測定パターンと参照パターンの、誤差によって生じた差を排除するために設定されている。各ケーブル10Bにおける測定パターンと参照パターンの差の絶対値は、必ず設定値よりも小さくなる。したがって、測定パターンと参照パターンの差の絶対値が設定値以上になるケーブル10は、被特定ケーブル10Aだけである。
ケーブル10と大地(アース)で形成される電流ループで電流が流れている場合には、このケーブル10にフェライトコア31が取り付けられたとき、このケーブル10における電流の流れが抑制されるため、このケーブル10において電流が流れにくくなる。したがって、本実施例では、ケーブル10にフェライトコア31を取り付けた場合とこれを取り付けない場合において、そのケーブル10に流れる電流の変化量を測定し、この電流の変化量(絶対値)が設定値以上に変化したこのケーブル10を被特定ケーブル10Aであると判定する。電流の変化量とは、例えば、電流の振幅の差、すなわち、図18における特性33と特性34の差である。
前述した電流の変化量(絶対値)が設定値以上になったことによってではなく、あるケーブル10(実際には被特定ケーブル10A)にフェライトコア31を取り付けたとき、他のケーブル10(実際にはケーブル10C)にそれを取り付けたときに比べて電流の変化量が大きくなったとき、前者のケーブル10が被特定ケーブル10Aであると判定してもよい。
本実施例における第2ケーブル探査におけるフェライトコア31のケーブル10への取り付けは、施設されたケーブル10に沿って誘導結合素子3から電流プローブ4Aに向う方向で、電流プローブ4Aから離れた位置で行われる。このため、誘導結合素子3からの電気信号の印加によって誘導結合素子3から電流プローブ4Aに向って被特定ケーブル10A内を流れる電流が誘導結合素子3と電流プローブ4Aの間で抑制されないので、電流プローブ4Aで検出する電流の検出感度が向上する。このため、第2ケーブル探査では、被特定ケーブル10Aの判別精度がさらに向上する。フェライトコア31を誘導結合素子3と電流プローブ4Aの間で被特定ケーブル10Aに取り付けた場合には、電流プローブ4Aでの電流の検出感度が著しく低下し、被特定ケーブル10Aの判別に支障が生じる可能性がある。誘導結合素子3から電流プローブ4Aに向う方向で電流プローブ4Aから離れた位置においてフェライトコア31をケーブル10に取り付けるので、フェライトコア31を、誘導結合素子3及び電流プローブ4Aから離れた、被特定ケーブル10Aを特定したい位置、例えば、分岐されたケーブルトレイI内の位置(または、ケーブル10の末端)に容易に取り付けることができる。したがって、被特定ケーブル10Aを特定したい位置が誘導結合素子3及び電流プローブ4Aの取り付け位置から非常に離れていても、被特定ケーブル10Aを精度良く判別することができる。さらに、誘導結合素子3から電流プローブ4Aに向う方向で電流プローブ4Aから離れた位置においてフェライトコア31をケーブル10に取り付けるので、電流プローブ4Aを、被特定ケーブル10Aを特定したい位置ではなく、誘導結合素子3の近くに配置することができる。このため、電流プローブ4Aは、他のケーブル10Cまたは10Dと間違えることなく、誘導結合素子3を取り付けた被特定ケーブル10Aに容易に取り付けることができる。
電流プローブ4Aを誘導結合素子3の近くで被特定ケーブル10Aに取り付けることができるので、信号発生装置2B及び受信装置5Bを一体化することができる。信号発生装置2B及び受信装置5Bは、これらが分離している場合に比べて取り扱いが容易になる。電流プローブ4Aを誘導結合素子3の近くで被特定ケーブル10Aに取り付けることによって、一体化された信号発生装置2B及び受信装置5Bと誘導結合素子3及び電流プローブ4Aを接続する各配線を短くすることができる。
第2ケーブル探査は、信号発生器2で生成された、200kHzから100MHzの周波数の範囲に含まれる複数の異なる周波数(またはある周波数帯域)を含む電気信号を誘導結合素子3から被特定ケーブル10Aに印加しているので、被特定ケーブル10Aをアンテナとして作用させて被特定ケーブル10Aの導体26に電流を流すことができる。このため、被特定ケーブル10Aの両端が端子盤及び制御装置27等に接続されていなくて開放されている場合でも、電流プローブ4Aがこの被特定ケーブル10A内を流れる電流を検出する感度が高くなるので、第2ケーブル探査は被特定ケーブル10Aの判別精度を向上させることができる。
一般に、並走して配置された複数のケーブルのうち1本のケーブルに電流を流した場合には、並走して配置された他のケーブルにも、磁界の誘導によって電流が流れる。第2ケーブル探査は、被特定ケーブル10Aがアンテナとして作用して電磁界を放射するため、より顕著に誘導電流がそれに隣接するケーブル10Cに流れる。このため、被特定ケーブル10Aと隣接するケーブル10Cの識別が困難になる可能性がある。しかしながら、第2ケーブル探査は、前述したように、被特定ケーブル10Aにフェライトコア31を取り付けた場合とこれを取り付けない場合での電流の変化量に基づいて被特定ケーブル10Aを判別しているので、被特定ケーブル10Aの判別精度をさらに向上させることができる。
さらに、第2ケーブル探査は、信号発生装置2Bから出力される電気信号の送信期間及び送信のタイミングに関する各情報(タイミング信号)を受信装置5Bに伝える場合に、これらの情報を伝える配線を、信号発生装置2Bを設置した位置から被特定ケーブル10Aを特定したい位置までの長い距離にわたって引き回す必要がない。すなわち、従来、電流プローブが被特定ケーブルを特定したい位置でケーブルに設置される場合には、それらの情報を伝える配線を、電流プローブを取り付けた位置の近くに置かれる受信装置のところまでの長い距離にわたって引き回す必要があった。第2ケーブル探査では、電流プローブ4Aが誘導結合素子3の近くに配置されるので、信号発生装置2Bから受信装置5Bにそれらの情報を伝送する配線の長さを著しく短くすることができる。このため、それらの情報を伝送する配線の敷設に要する時間も、著しく短縮される。特に、前述したように、信号発生装置2B及び受信装置5Bを一体化した場合には、それらの情報を伝送する配線を一体化された装置内に予め設置しておくことができるので、ケーブルの探査時にその配線を敷設する必要が無くなる。
第2ケーブル探査は、始めにフェライトコア31をどのケーブル10にも取り付けない状態で被特定ケーブル10Aに流れる電流を測定し、その後、1本1本のケーブル10にフェライトコア31を順次取り付けて被特定ケーブル10Aに流れる電流を測定する。したがって、フェライトコア31をどのケーブル10にも取り付けない状態の電流の測定結果、すなわち、参照パターンは始めの1回だけ取得すればよい。このため、ケーブル探査に要する時間を短縮できる。判定装置7の記憶装置に測定結果(電流スペクトル等)の情報を保存する必要がある場合、参照パターンが1回分であるため、その記憶装置のメモリの消費を低減できる。
第2ケーブル探査は、電流スペクトル情報を用いて被特定ケーブル10Aを判別している。フェライトコア31によるケーブル特性の変更効果が大きいのは、ケーブルの共振周波数より高い周波数である。電流スペクトル情報を用いることによって、より変化の大きい周波数帯域だけを利用して被特定ケーブル10Aを判別することができる。したがって、被特定ケーブル10Aの判別精度を向上させることができる。
第2ケーブル探査では、信号発生装置2Bから出力される電気信号の送信期間及び送信のタイミングに関する各情報(タイミング信号)をその配線によって受信装置5Bに伝えることができるので、受信装置5Bはこのタイミング信号を用いて適切な受信動作の同期をとることができる。このため、受信装置5Bは、信号発生装置2Bが電気信号を出力している期間の間だけ電流プローブ4Aで検出した電気信号を受信し、それ以外の期間では受信しないようにできる。したがって、受信装置5Bが信号発生装置2から電気信号が出力されていない期間に他の機器から発生するノイズを含む電気信号を電流プローブ4Aから入力することを防止することができ、SN(Signal to Noise)比を向上できる。これは、被特定ケーブル10Aの判別精度の更なる向上に貢献する。
本実施例は、分岐された3つ以上のケーブルトレイ内にそれぞれ敷設された多数のケーブルの中から被特定ケーブル10Aを探査する場合にも適用できる。
本実施例の第1ケーブル探査では、実施例1と同様なケーブル探査が行われるので、実施例1で生じる各効果を得ることができる。さらに、本実施例は、本実施例は、分岐された各ケーブルトレイ内に敷設されたそれぞれのケーブル群ごとに第1ケーブル探査を行い、被特定ケーブル10Aが含まれているケーブル群に対してケーブル10ごとの第2ケーブル探査を行うので、被特定ケーブル10Aの探査に要する時間を短縮することができる。
プラントに設けられたケーブルトレイは、ほとんどが、複数の分岐点を有する。ケーブルの探査時間を短縮するために、ケーブルの探査を行う各作業員をケーブルトレイの各分岐点に配置させる場合を想定する。第2ケーブル探査は、前述したように、ケーブルにフェライトコア31を取り付けたケーブルの特性変化を利用している。このため、1人の作業員が、ある分岐点でケーブルトレイ内のケーブルにフェライトコア31を取り付けてケーブルの探査を行っているときに、他の作業員が他の分岐点でケーブルに別のフェライトコア31を取り付けてしまうと、後者のフェライトコア31の取り付けによってもケーブルの特性が変化する。この場合には、正しいケーブルの探査結果が得られなくなる。
しかしながら、第1ケーブル探査は、位相によって被特定ケーブル10Aを判定するため、複数の分岐点で同時にケーブルの探査を行うことができる。第1ケーブル探査を先に実行することによって、ケーブルトレイに複数の分岐点が存在する場合でも、被特定ケーブル10Aが施設されているケーブルトレイを特定することができる。したがって、誘導結合素子3を被特定ケーブル10Aに取り付けた位置から、複数の分岐点を通過した後の位置で、該当するケーブルトレイ内に敷設されているケーブル群に含まれる複数のケーブルに対して、順次、フェライトコア31を取り付けることによって、被特定ケーブル10Aを判別することができる。
以上に説明した理由により、第1ケーブル探査を行った後に第2ケーブル探査を行うことによって、ケーブルの探査に要する時間を短縮することができる。
第1ケーブル探査で用いるケーブル探査装置1の信号検出器4にループアンテナを用いた場合は、このループアンテナによって、各ケーブル群から放射される電磁界を検出する。被特定ケーブル10Aが含まれるケーブル群(例えば、第1ケーブル群)から放射される電磁界をループアンテナによって検出した場合には、受信装置に入力される受信信号の位相は、反転しなく、被特定ケーブル10Aに入力した探査信号に含まれる位相検出信号の位相と同じである。被特定ケーブル10Aが含まれていないケーブル群(例えば、第2ケーブル群)から放射される電磁界をループアンテナによって検出した場合には、受信装置に入力される受信信号の位相は、被特定ケーブル10Aに入力した探査信号に含まれる移送検出信号の位相が反転した状態になっている。このように位相に基づいたケーブル探査は、分割されたケーブル群単位で被特定ケーブル10Aの有無を判定することができ、タイミング情報伝送する専用ケーブルが不要になり、ケーブルの探査が困難になる確率を低減させることができる。
被特定ケーブル10Aが含まれていると特定されたケーブル群内の各ケーブルごとに、本実施例で適用した、フェライトコアをケーブルごとに取り付け取り外しを行ってケーブル探査を行うので、ケーブルごとに被特定ケーブル10Aであるか否かを精度良く判定することができる。したがって、複数のケーブル群のいずれかに含まれている被特定ケーブル10Aを短時間に且つ精度良く特定することができる。
本実施例の第1ケーブル探査は、実施例2または3のケーブル探査方法を適用してもよい。また、第1ケーブル探査を、ケーブル探査装置1Cを用いて行い、第2ケーブル探査を、ケーブル探査装置1及び1Aのいずれかを用いて行ってもよい。
本実施例において、信号発生装置2及び2Bを一体化した信号送信装置を用いてもよい。この信号送信装置40Aを、図20を用いて説明する。信号送信装置40は、信号発生装置2及び2B及び切替え装置41及び42を有する。切替え装置41と切替え装置42は互いに接続される。切替え装置41は、切替え操作によって、信号発生装置2に接続された端子44A及び信号発生装置2Bに接続された端子44Bの一方に接続される。切替え装置42は、切替え操作によって、端子43A及び端子43Bの一方に接続される。誘導結合素子3が配線によって端子43Aに接続され、接続端子45が配線によって端子43Bに接続される。
実施例5のケーブル探査方法を実施する場合には、被特定ケーブル10Aの一端が接続される、端子盤の端子に接続端子45を接続する。さらに、誘導結合素子3を被特定ケーブル10Aに取り付ける。第1ケーブル探査を実行するときには、切替え装置41を端子44Aに接続し、切替え装置42を端子43Aに接続する。信号発生装置2で発生した探査信号11が、切替え装置41及び42及び接続端子45を経て被特定ケーブル10Aに入力される。この探査信号11または探査信号11によって誘導された受信信号が、第1ケーブル群または第2ケーブル群に取り付けられた信号検出器4によって検出される。
第2ケーブル探査を実行するときには、切替え装置41を端子44Bに接続し、切替え装置42を端子43Bに接続する。信号発生装置2Bで発生した探査用の電気信号が、切替え装置41及び42を経て誘導結合素子3より被特定ケーブル10Aに印加される。この電気信号は被特定ケーブル10Aに取り付けられた電流プローブ4Aで検出される。
信号送信装置40Aを用いることによって、第1及び第2ケーブル探査時に探査信号を被特定ケーブル10Aに入力する操作が、切替え装置41及び42の操作になるので、容易になる。
本発明は、プラント及び建屋内で既に敷設されているケーブルの敷設経路及び接続先を探査する際に適用することができる。
1,1A,1B,1C…ケーブル探査装置、2,2A,2B…信号発生装置、3…誘導結合素子、4…信号検出器、4A…電流プローブ、5,5A,5B…受信装置、6…タイミング検出装置、7…位相検出装置、8…位相比較装置、10,10B,10C,10D…ケーブル、10A…被特定ケーブル、21…変調波信号位相検出装置、22…搬送波信号位相検出装置、30…判定装置、31…フェライトコア、40,40A…信号送信装置、41,42,46,47…切替え装置。
Claims (13)
- 複数のケーブルのうち探査対象ケーブルの導体に、擬似ランダムの信号であるタイミング検出信号及び正弦波の位相検出信号を含む探査信号を印加し、
前記複数のケーブルに、順次、電磁結合装置を取り付け、
前記探査信号の印加により前記電磁結合装置が取り付けられた前記ケーブルに流れる信号を前記電磁結合装置によって検出し、
検出された前記信号に含まれる前記タイミング検出信号に基づいて、検出された前記信号に含まれる前記位相検出信号の開始タイミングを決定し、及び
前記開始タイミング以降の前記位相検出信号の位相に基づいて前記探査対象ケーブルを判別することを特徴とするケーブル探査方法。 - 前記探査信号が、同じパターンの波形を有する複数の前記タイミング検出信号を含んでいる請求項1に記載のケーブル探査方法。
- 前記タイミング信号がOFDM信号である請求項1または2に記載のケーブル探査方法。
- 擬似ランダム信号の信号であるタイミング検出信号及び正弦波の位相検出信号を含む探査信号を発生する信号発生装置と、ケーブルに取り付けられ、前記ケーブルに流れる、前記タイミング検出信号及び前記位相検出信号を含む信号を検出する電磁結合装置と、前記電磁結合装置で検出された前記信号に含まれる前記タイミング検出信号に基づいて、前記位相検出信号の開始タイミングを決定するタイミング決定装置と、前記電磁結合装置で検出された前記信号を入力し、決定された前記開始タイミング以降の前記位相検出信号の位相に基づいて前記位相検出信号の位相情報を求める位相検出装置と、得られた前記位相情報に基づいて前記探査対象ケーブルを判別するケーブル判定装置とを備えたことを特徴とするケーブル探査装置。
- 複数のケーブルのうち探査対象ケーブルの導体に、探査信号を印加し、前記複数のケーブルに、順次、電磁結合装置を取り付け、前記探査信号の印加により前記電磁結合装置が取り付けられた前記ケーブルに流れる信号を前記電磁結合装置によって検出し、前記電磁結合装置によって検出された前記信号に基づいて、前記探査対象ケーブルを判別するケーブル探査方法であって、
前記探査信号が、キャリア周波数fを有する第1正弦波及び変移周波数Δfを有する第2正弦波を乗算して得られる波形を有し、
前記探査信号において、周波数(f+Δf)及び周波数(f−Δf)がいずれも2Δfで割り切れる周波数であり、及び(f+Δf)/(f−Δf)の値が8未満の非整数になっており、
前記探査対象ケーブルの判別を前記第1正弦波及び前記第2正弦波に基づいて行うことを特徴とするケーブル探査方法。 - 擬似ランダムの信号であるタイミング検出信号及び正弦波の位相検出信号を含む第1探査信号を発生する第1信号発生装置、及びキャリア周波数fを有する第1正弦波及び変移周波数Δfを有する第2正弦波を乗算して得られる波形を有し、周波数(f+Δf)及び周波数(f−Δf)がいずれも2Δfで割り切れる周波数であり、(f+Δf)/(f−Δf)の値が8未満の非整数になっている第2探査信号を発生する第2信号発生装置を有する信号送信装置を用い、
第1探査信号を用いたケーブルの探査が、
複数のケーブルのうち探査対象ケーブルの導体に、第1探査信号を印加し、
前記複数のケーブルに、順次、電磁結合装置を取り付け、
前記第1探査信号の印加により前記電磁結合装置が取り付けられた前記ケーブルに流れる信号を前記電磁結合装置によって検出し、
検出された前記信号に含まれる前記タイミング検出信号に基づいて、検出された前記信号に含まれる前記位相検出信号の開始タイミングを決定し、及び
前記開始タイミング以降の前記位相検出信号の位相に基づいて前記探査対象ケーブルを判別することによって、行われ、
第2探査信号を用いたケーブルの探査が、
前記複数のケーブルのうち探査対象ケーブルの導体に、第2探査信号を印加し、
前記複数のケーブルに、順次、電磁結合装置を取り付け、
前記第2探査信号の印加により前記電磁結合装置が取り付けられた前記ケーブルに流れる信号を前記電磁結合装置によって検出し、及び
前記電磁結合装置によって検出された前記信号に基づいて、前記探査対象ケーブルを判別することによって、行われることを特徴とするケーブル探査方法。 - (f+Δf)/(f−Δf)の値が2未満の非整数である請求項5または6に記載のケーブル探査方法。
- 敷設されている複数のケーブルが、これらのケーブルの一部を含む複数のケーブル群に分かれているときに行われる、前記複数のケーブルに対するケーブル探査方法であって、
前記複数のケーブルのうち探査対象ケーブルの導体に、擬似ランダムの信号であるタイミング検出信号及び正弦波の位相検出信号を含む第1探査信号を印加し、
前記複数のケーブル群に、順次、電磁結合装置を取り付け、
前記第1探査信号の印加により前記電磁結合装置が取り付けられた前記ケーブル群の各前記ケーブルに流れる信号を前記電磁結合装置によって検出し、
検出された前記信号に含まれる前記タイミング検出信号に基づいて、検出された前記信号に含まれる前記位相検出信号の開始タイミングを決定し、
前記開始タイミング以降の前記位相検出信号の位相に基づいて前記探査対象ケーブルが含まれている前記ケーブル群を判別して抽出し、
前記探査対象ケーブルに取り付けられた誘導結合装置から前記探査対象ケーブルの前記導体に、第2探査信号を印加し、
前記誘導結合装置から前記電磁結合装置に向う方向で前記電磁結合装置から離れた位置でケーブル特性変更素子の取り付け及び取り外しを、抽出された前記ケーブル群に含まれた複数の前記ケーブルの少なくとも一部に対して順次行い、
前記ケーブル特性変更素子が抽出された前記ケーブル群に含まれた前記複数のケーブルの少なくとも一部に取り付けられたそれぞれの時点で、前記第2探査信号の印加によって前記探査対象ケーブルの前記導体に流れる電流を、前記探査対象ケーブルに取り付けられた電磁結合装置によって検出をし、
検出された前記電流に基づいて、前記抽出されたケーブル群に含まれた前記探査対象ケーブルを判別することを特徴とするケーブル探査方法。 - 敷設されている複数のケーブルが、これらのケーブルの一部を含む複数のケーブル群に分かれているときに行われる、前記複数のケーブルに対するケーブル探査方法であって、
前記複数のケーブルのうち探査対象ケーブルの導体に、キャリア周波数をf及び変移周波数をΔfとしたとき、周波数(f+Δf)の信号及び周波数(f−Δf)の信号を加算して得られる波形を有し、周波数(f+Δf)及び周波数(f−Δf)がいずれも2Δfで割り切れる周波数であり、及び(f+Δf)/(f−Δf)の値が8未満の非整数になっている第1探査信号を印加し、
前記複数のケーブル群に、順次、電磁結合装置を取り付け、
前記第1探査信号の印加により前記電磁結合装置が取り付けられた前記ケーブル群の各前記ケーブルに流れる信号を前記電磁結合装置によって検出し、
前記電磁結合装置によって検出された前記信号に基づいて、前記探査対象ケーブルが含まれている前記ケーブル群を判別して抽出し、
前記探査対象ケーブルに取り付けられた誘導結合装置から前記探査対象ケーブルの前記導体に、第2探査信号を印加し、
前記誘導結合装置から前記電磁結合装置に向う方向で前記電磁結合装置から離れた位置でケーブル特性変更素子の取り付け及び取り外しを、抽出された前記ケーブル群に含まれた複数の前記ケーブルの少なくとも一部に対して順次行い、
前記ケーブル特性変更素子が抽出された前記ケーブル群に含まれた前記複数のケーブルの少なくとも一部に取り付けられたそれぞれの時点で、前記第2探査信号の印加によって前記探査対象ケーブルの前記導体に流れる電流を、前記探査対象ケーブルに取り付けられた電磁結合装置によって検出し、
検出された前記電流に基づいて、前記抽出されたケーブル群に含まれた前記探査対象ケーブルを判別することを特徴とするケーブル探査方法。 - 印加される前記第2探査信号が200kHz〜100MHzの範囲に存在する複数の異なる周波数を含んでいる電気信号である請求項8または9に記載のケーブル探査方法。
- 敷設されている複数のケーブルが、これらのケーブルの一部を含む複数のケーブル群に分かれているときに行われる、前記複数のケーブルに対するケーブル探査方法であって、
前記複数のケーブルに含まれている探査対象ケーブルに取り付けられた誘導結合装置から前記探査対象ケーブルの導体に、第1探査信号を印加し、
前記誘導結合装置から前記探査対象ケーブルに取り付けられた電磁結合装置に向う方向で前記電磁結合装置から離れた位置でケーブル特性変更素子の取り付け及び取り外しを、前記ケーブル群に対して順次行い、
前記ケーブル特性変更素子が抽出された前記ケーブル群に含まれた前記複数のケーブルの少なくとも一部に取り付けられたそれぞれの時点で、前記第1探査信号の印加によって前記探査対象ケーブルの前記導体に流れる電流を、前記探査対象ケーブルに取り付けられた電磁結合装置によって検出し、
検出された前記電流に基づいて、前記探査対象ケーブルが含まれている前記ケーブル群を判別して抽出し、
前記探査対象ケーブルの導体に、擬似ランダムの信号であるタイミング検出信号及び正弦波の位相検出信号を含む第2探査信号を印加し、
前記抽出された前記ケーブル群に含まれた複数の前記ケーブルに、順次、前記電磁結合装置を取り付け、
前記第2探査信号の印加により前記電磁結合装置が取り付けられた前記ケーブルに流れる信号を前記電磁結合装置によって検出し、
検出された前記信号に含まれる前記タイミング検出信号に基づいて、検出された前記信号に含まれる前記位相検出信号の開始タイミングを決定し、
前記開始タイミング以降の前記位相検出信号の位相に基づいて、前記抽出されたケーブル群に含まれている前記探査対象ケーブルを判別することを特徴とするケーブル探査方法。 - 敷設されている複数のケーブルが、これらのケーブルの一部を含む複数のケーブル群に分かれているときに行われる、前記複数のケーブルに対するケーブル探査方法であって、
前記複数のケーブルに含まれている探査対象ケーブルに取り付けられた誘導結合装置から前記探査対象ケーブルの導体に、第1探査信号を印加し、
前記誘導結合装置から前記探査対象ケーブルに取り付けられた電磁結合装置に向う方向で前記電磁結合装置から離れた位置でケーブル特性変更素子の取り付け及び取り外しを、前記ケーブル群に対して順次行い、
前記ケーブル特性変更素子が抽出された前記ケーブル群に含まれた前記複数のケーブルの少なくとも一部に取り付けられたそれぞれの時点で、前記第1探査信号の印加によって前記探査対象ケーブルの前記導体に流れる電流を、前記探査対象ケーブルに取り付けられた電磁結合装置によって検出し、
検出された前記電流に基づいて、前記探査対象ケーブルが含まれている前記ケーブル群を判別して抽出し、
前記探査対象ケーブルの導体に、キャリア周波数をf及び変移周波数をΔfとしたとき、周波数(f+Δf)の信号及び周波数(f−Δf)の信号を加算して得られる波形を有し、周波数(f+Δf)及び周波数(f−Δf)がいずれも2Δfで割り切れる周波数であり、及び(f+Δf)/(f−Δf)の値が8未満の非整数になっている第2探査信号を印加し、
前記抽出された前記ケーブル群に含まれた複数の前記ケーブルに、順次、前記電磁結合装置を取り付け、
前記第2探査信号の印加により前記電磁結合装置が取り付けられた前記ケーブルに流れる信号を前記電磁結合装置によって検出し、
前記電磁結合装置によって検出された前記信号に基づいて、前記抽出されたケーブル群に含まれている前記探査対象ケーブルを判別することを特徴とするケーブル探査方法。 - 印加される前記第1探査信号が200kHz〜100MHzの範囲に存在する複数の異なる周波数を含んでいる電気信号である請求項11または12に記載のケーブル探査方法。
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