JP2010007566A - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】旋回スクロール部材の旋回駆動部を少ない封入潤滑油量で効率よく潤滑し、耐久性、信頼性を高めることができるとともに、加工を容易化し生産性の高いスクロール圧縮機を提供することを目的とする。
【解決手段】ハウジング3内に配設されたスクロール圧縮機構23と、ハウジング3内に回転自在に支持され、その軸端のクランクピン11Cが旋回スクロール部材27の端板背面のボス部27Cにドライブブッシュ19、旋回軸受21を介して結合されているクランク軸11とを備え、ハウジング3内に吸入されたミスト状潤滑油を含む冷媒ガスをボス部27C内に導くことにより旋回スクロール部材27の旋回駆動部回りを潤滑するスクロール圧縮機1において、ドライブブッシュ19の外周面に、その軸方向に沿ってボス部27C内にミスト状潤滑油を含む冷媒ガスを導く給油用の溝59を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧縮機構およびその駆動部を冷媒ガス中に溶解されているミスト状の潤滑油により潤滑するようにしたスクロール圧縮機に関するものである。
車両用空調装置や輸送用冷凍装置等では、冷媒ガスに潤滑油を溶解させ、冷媒に伴われて冷凍サイクル中を循環されるミスト状の潤滑油により圧縮機の所要摺動箇所を潤滑するようにした圧縮機が用いられている。このような冷凍、空調装置に用いられるスクロール圧縮機において、旋回スクロール部材を旋回駆動するクランク軸の軸端に設けられているクランクピンは、一般に旋回スクロール部材の端板背面に設けられているボス部にドライブブッシュ、旋回軸受を介して結合される構成とされている。
冷媒ガス中に溶解されたミスト状の潤滑油により潤滑する方式の圧縮機の場合、積極的な給油機構(ポンプ機構)を持っていないのが通常である。このため、上記スクロール圧縮機のように、袋小路状のボス部内にクランクピン、ドライブブッシュ、旋回軸受等の旋回駆動部が設けられた構成のものでは、旋回軸受の軸受隙間を介して冷媒ガスが循環されるのみで冷媒ガスが回り難く、自ずとミスト状潤滑油も給油され難いことから、厳しい条件下の場合、クランクピン、ドライブブッシュ、旋回軸受等により構成されている旋回スクロール部材の旋回駆動部が給油不足から潤滑不良に陥るリスクがあった。
そこで、特許文献1に示されるように、ドライブブッシュに軸方向の貫通孔を設け、該貫通孔を介してボス部内に積極的にミスト状潤滑油を含む冷媒ガスを循環させることによって、ボス部内に設けられている旋回スクロール部材の旋回駆動部に対しての潤滑性能を高め、厳しい条件下でも潤滑不良が惹起されないようにしたものが提案されている。
特開平8−49681号公報
しかしながら、上記特許文献1に示されるように、ドライブブッシュに軸方向の貫通孔を設けた構成では、軸方向に厚い寸法を有するドライブブッシュに対して径の小さい貫通孔を穿設しなければならない。このような貫通孔の加工は、工具が破損し易い等、工作上好ましくなく、生産性の低下を招くという問題がある。従って、仮に潤滑性能が向上できるにしても、実用化するには上記の如く難点があり、改善が必要であった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、旋回スクロール部材の旋回駆動部を少ない封入潤滑油量で効率よく潤滑し、耐久性、信頼性を高めることができるとともに、加工を容易化し生産性の高いスクロール圧縮機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のスクロール圧縮機は、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかるスクロール圧縮機は、ハウジング内に配設され、互いに噛み合わされて圧縮室を形成する一対の固定スクロール部材および旋回スクロール部材からなる圧縮機構と、前記ハウジング内に回転自在に支持され、その軸端に設けられたクランクピンが前記旋回スクロール部材の端板背面のボス部にドライブブッシュ、旋回軸受を介して結合されることにより該旋回スクロール部材を公転旋回駆動するクランク軸とを備え、前記ハウジング内に吸入されたミスト状潤滑油を含む冷媒ガスが前記旋回軸受の軸受隙間を介して前記ボス部内に導かれることにより前記旋回スクロール部材の旋回駆動部回りを潤滑するスクロール圧縮機において、前記ドライブブッシュの外周面に、その軸方向に沿って前記ボス部内にミスト状潤滑油を含む冷媒ガスを導く給油用の溝を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、旋回スクロール部材の旋回駆動部を構成するドライブブッシュ、旋回軸受を介してクランクピンが結合されるボス部内に、旋回軸受の軸受隙間以外にドライブブッシュの外周面に設けられた給油用の溝を介してミスト状潤滑油を含む冷媒ガスを導入することができる。これにより、ボス部内へとガイドされるミスト状潤滑油の油量を増やし、より積極的な給油を実現することができる。従って、潤滑油の封入量を少なくしても効率のよい潤滑ができ、その信頼性、耐久性を向上することができるとともに、冷凍サイクル側の熱交換器での熱交換効率を改善し、冷凍、空調能力を向上することができる。また、ドライブブッシュの外周面に溝を設けるだけでよく、その加工を容易化し生産性を高めることができる。
また、本発明のスクロール圧縮機は、上記のスクロール圧縮機において、前記溝は、前記ドライブブッシュ外周面の回転方向に対向する側に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、溝がドライブブッシュ外周面の回転方向に対向する側に設けられているため、回転方向に対向して設けられている溝を介して冷媒ガスと共にミスト状潤滑油を積極的に取り込み、ボス部内へとガイドされるミスト状潤滑油の油量を更に増加することができる。従って、旋回スクロール部材の旋回駆動部の潤滑性能を高め、その信頼性、耐久性を向上することができる。
さらに、本発明のスクロール圧縮機は、上述のいずれかのスクロール圧縮機において、前記旋回軸受は、ニードル軸受とされ、該ニードル軸受と前記ドライブブッシュ外周面との間にフローティングブッシュが介装されていることを特徴とする。
旋回軸受がニードル軸受とされた場合、その内周に嵌合されるドライブブッシュの外周面に軸方向の溝を設けると、溝がニードルと干渉し、その寿命、耐久性に悪影響を及ぼすことが懸念される。本発明によれば、ニードル軸受とドライブブッシュ外周面との間にフローティングブッシュが介装されているため、溝とニードルとの干渉が回避され、溝によりニードル軸受の寿命、耐久性が低下される懸念はなくなり、ドライブブッシュの外周面に溝を設けることによりボス部内へとミスト状潤滑油を導くことができる。従って、溝を介して積極的に給油し、旋回スクロール部材の旋回駆動部の潤滑性能を改善することができる。同時に、ドライブブッシュとフローティングブッシュとの間への給油性を十分に確保することができる。
さらに、本発明のスクロール圧縮機は、上記のスクロール圧縮機において、前記溝は、前記フローティングブッシュの端面よりも軸方向に延長されて設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、溝がフローティングブッシュの端面よりも軸方向に延長されて設けられているため、溝がフローティングブッシュによって覆われてしまうことがなく、該溝により確実にミスト状潤滑油をボス部内へとガイドすることができる。従って、旋回スクロール部材の旋回駆動部の潤滑性能を高め、その信頼性、耐久性を向上することができる。
さらに、本発明のスクロール圧縮機は、上述のいずれかのスクロール圧縮機において、前記溝は、前記ドライブブッシュの素材成形時に同時成形により設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、溝がドライブブッシュの素材成形時、例えば鍛造成形あるいは鋳造成形時に同時成形により設けられているため、溝を設けるための追加加工を不要にすることができる。従って、ドライブブッシュに給油用の溝を設けても、加工工数が増加することは一切なく、孔を穿設する場合等に比べて加工を容易化し生産性を高めることができる。
さらに、本発明のスクロール圧縮機は、上述のいずれかのスクロール圧縮機において、前記ドライブブッシュには、バランスウェイトが一体に設けられ、該バランスウェイトの外周部に弧状に成形された立ち上げ部の内周面に対向して前記溝が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、ドライブブッシュに一体に設けられたバランスウェイトの外周部に弧状に成形された立ち上げ部の内周面に対向して給油用の溝が設けられているため、バランスウェイトの旋回により弧状の立ち上げ部の内周面に衝突してドライブブッシュの外周面側に導かれるミスト状潤滑油を含む冷媒ガスを積極的に溝内に取り込むことができる。従って、ボス部内へとガイドされるミスト状潤滑油の量を増やし、旋回スクロール部材の旋回駆動部の潤滑性能を高めることができる。
本発明によると、旋回スクロール部材の端板背面のボス部内にガイドされるミスト状潤滑油の油量を増やし、より積極的な給油を実現することができるため、潤滑油の封入量を少なくしても効率のよい潤滑ができ、その信頼性、耐久性を向上することができるとともに、冷凍サイクル側の熱交換器での熱交換効率を改善し、冷凍、空調能力を向上することができる。また、ドライブブッシュの外周面に溝を設けるだけでよく、その加工を容易化し生産性を高めることができる。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1ないし図4を用いて説明する。
図1には、本発明の第1実施形態に係るスクロール圧縮機1の縦断面図が示され、図2には、その旋回駆動部の断面図が示されている。スクロール圧縮機1は、その概略外形を構成するハウジング3を有している。ハウジング3は、フロントハウジング5とリアハウジング7とをボルト9により一体的に締め付け固定することによって構成されている。
フロントハウジング5およびリアハウジング7には、各々円周上の複数箇所、例えば4箇所に等間隔で締め付け用のフランジ5A,7Aが一体に形成されている。このフランジ5A,7A同士をボルト9で締め付けることにより、フロントハウジング5とリアハウジング7とが一体に結合されている。フロントハウジング5の内部には、クランク軸(駆動軸)11が、メイン軸受13およびサブ軸受15を介して軸線L回りに回転自在に支持されている。
クランク軸11の一端側(図において左側)は小径軸部11Aとされ、この小径軸部11Aは、フロントハウジング5を貫通して外部(図1の左側)に突出されている。小径軸部11Aの外部への突出部には、公知の如く、動力を受ける図示省略の電磁クラッチ、プーリー等が設けられ、図示省略されたエンジン等の駆動源からVベルト等を介して動力が伝達されるようになっている。メイン軸受13とサブ軸受15との間には、リップシール(またはメカニカルシール)17が設置され、ハウジング3内と大気との間を気密にシールしている。
クランク軸11の他端側(図において右側)には、大径軸部11Bが設けられ、この大径軸部11Bには、クランク軸11の軸線Lより所定寸法だけ偏心した状態でクランクピン11Cが一体に設けられている。クランク軸11は、大径軸部11Bと小径軸部11Aがメイン軸受13と軸受15で支持されることにより、フロントハウジング5に回転自在に設けられている。
クランクピン11Cには、ドライブブッシュ19および旋回軸受(ニードル軸受)21を介して後述する旋回スクロール部材27が結合され、クランク軸11が回転されることにより、旋回スクロール部材27が旋回駆動される構成とされている。ドライブブッシュ19には、旋回スクロール部材27が旋回駆動することにより発生するアンバランス荷重を除去するためのバランスウェイト19Aが一体に成形され、旋回スクロール部材27の旋回駆動と共に旋回されるようになっている。
ハウジング3の内部には、スクロール圧縮機構(圧縮機構)23を構成する一対の固定スクロール部材25と旋回スクロール部材27が組み込まれている。固定スクロール部材25は、端板25Aと該端板25Aから立設された渦巻き状ラップ25Bとから構成されており、一方、旋回スクロール部材27は、端板27Aと該端板27Aから立設された渦巻き状ラップ27Bとから構成されている。
本実施形態の固定スクロール部材25および旋回スクロール部材27は、それぞれ渦巻き状ラップ25B,27Bの先端面とボトム面の渦巻き方向に沿う所定位置に、それぞれ段部を備えている。この段部を境に、ラップ先端面においては、軸線L方向に外周側の先端面が高く、内周側の先端面が低くされている。また、ボトム面においては、軸線L方向に外周側のボトム面が低く、内周側のボトム面が高くされている。これによって、渦巻き状ラップ25B,27Bは、その外周側におけるラップ高さが内周側のラップ高さよりも高くされている。
固定スクロール部材25と旋回スクロール部材27は、その中心を旋回半径分だけ離すとともに、渦巻き状ラップ25B,27Bの位相を180度ずらして噛合され、それぞれの渦巻き状ラップ25B,27Bの先端面とボトム面との間に常温で僅かなラップ高さ方向の隙間(数十〜数百ミクロン)を有するように組み付けられる。これにより、図1に示されるように、両スクロール部材25,27間には、端板25A,27Aと渦巻き状ラップ25B,27Bとにより限界される一対の圧縮室29がスクロール中心に対して対称に形成されるとともに、旋回スクロール部材27が固定スクロール部材25の周りをスムーズに旋回できるようにされている。
また、圧縮室29は、軸線L方向高さが渦巻き状ラップ25B,27Bの外周側において内周側の高さよりも高くされることにより、渦巻き状ラップ25B,27Bの周方向およびラップ高さ方向に圧縮ができる三次元圧縮が可能な圧縮機構23を構成している。なお、固定および旋回スクロール部材25,27の渦巻き状ラップ25B,27Bの先端面には、相手方スクロール部材のボトム面との間に形成されるチップシール面をシールするためのチップシール部材51,52,53,54が、先端面に設けられた溝に嵌合されて設けられている。
固定スクロール部材25は、リアハウジング7の内面にボルト31により固定設置されている。一方、旋回スクロール部材27は、端板27Aの背面に設けられているボス部27Cに、上述のとおり、クランク軸11の一端側に設けられているクランクピン11Cがドライブブッシュ19および旋回軸受21を介して結合され、旋回駆動されるように構成されている。また、旋回スクロール部材27は、フロントハウジング5に形成されているスラスト面5Bに端板27Aの背面が支持され、このスラスト面5Bと端板27Aの背面との間に設けられたピンリング式の自転阻止機構33によって、自転が阻止されながら固定スクロール部材25の周りを公転旋回駆動されるように構成されている。
固定スクロール部材25の端板25A中央部には、圧縮された冷媒ガスを吐出する吐出ポート25Kが開口され、該吐出ポート25Kには、端板25Aにリテーナ35を介して取り付けられる吐出リード弁37が設けられている。さらに、固定スクロール部材25の端板25Aの背面側には、リアハウジング7の内面に密接されるようにOリング等のシール材39が介装され、リアハウジング7との間でハウジング3の内部空間から区画される吐出チャンバー41を形成している。これにより、吐出チャンバー41を除くハウジング3の内部空間が、吸入チャンバー43として機能するように構成されている。
吸入チャンバー43には、フロントハウジング5に設けられている吸入口45を介して冷凍サイクルから戻ってくる冷媒ガスが吸入され、この吸入チャンバー43を経て圧縮室29に冷媒ガスが吸い込まれるように構成されている。また、フロントハウジング5とリアハウジング7との間の接合面には、Oリング等のシール材47が介装され、ハウジング3内に形成される吸入チャンバー43を大気から気密にシールしている。
以下に、上述したクランク軸11により旋回スクロール部材27を旋回駆動する駆動部の構成について、図2ないし図4を参照して更に詳しく説明する。
クランク軸11の大径軸部11Bには、クランク軸11の軸中心より所定寸法だけ偏心した位置に上記クランクピン11Cが一体に設けられている。また、このクランクピン11Cに嵌合されるドライブブッシュ19には、ブッシュ中心より所定寸法だけ偏心した位置に偏心穴19Bが設けられている。そして、この偏心穴19Bがクランクピン11Cに嵌合されることによって、ドライブブッシュ19がクランクピン11C周りに回動可能とされている。
ドライブブッシュ19の外周には、旋回スクロール部材27の端板背面に設けられているボス部27Cが、旋回軸受(ニードル軸受)21を介して回転自在に嵌合されるようになっている。これにより、上記のブッシュ中心とクランク軸中心との距離が、旋回スクロール部材27の旋回半径となる構成とされている。この旋回半径は、ドライブブッシュ19がクランクピン11Cの周りに回動され、ブッシュ中心とクランク軸中心間の距離を変化させることによって可変されるように構成されている。
また、ドライブブッシュ19と一体をなすバランスウェイト19Aと、クランク軸11の大径軸部11Bとの間には、バランスウェイト19A側に設けられた突起55と、該突起55が遊嵌される大径軸部11B側に設けられた規制穴57とによって構成され、ドライブブッシュ19の回動範囲を規制する規制機構が設けられている。なお、ドライブブッシュ19とバランスウェイト19Aは、鍛造成形または鋳造成形等によって一体に素材成形され、所要箇所を切削加工して仕上げ品とされたものであり、バランスウェイト19Aには、外周部に弧状の立ち上げ部19Cが成形されている。
上記した旋回スクロール部材27の旋回駆動部を含め、圧縮機内部の摺動箇所は、全て冷媒ガス中に溶解され、冷媒に伴われて冷凍サイクル中を循環されるミスト状の潤滑油によって潤滑される。つまり、吸入口45を介して冷凍サイクル側から吸入チャンバー43内に吸入された冷媒ガス中に含まれるミスト状潤滑油は、冷媒ガスと共に旋回スクロール部材27の旋回駆動部、スラスト面5B、自転阻止機構33、メイン軸受13等の摺動箇所に回り、当該摺動箇所を潤滑するとともに、圧縮室29内に吸い込まれ、固定スクロール部材25と旋回スクロール部材27との間の摺動部を潤滑し、シールする。
かかる潤滑箇所のうち、旋回スクロール部材27の旋回駆動部を構成するクランクピン11C、ドライブブッシュ19、旋回軸受(ニードル軸受)21等は、上述の如く、袋小路状のボス部27C内に設けられているため、冷媒ガスが回り難く、従って、ミスト状潤滑油も給油され難い環境下に置かれている。このような給油環境を改善するため、本実施形態では、ドライブブッシュ19の外周面に所定の幅および深さを有する給油用の溝59を軸方向に沿って設けている。
この溝59は、ドライブブッシュ19の外周面上において、その回転方向Nに対向する側に設けられ、冷媒ガスおよびミスト状潤滑油が溝59に取り込まれ易いように構成されている。また、ドライブブッシュ19の外周面に溝59を設けると、旋回軸受21がニードル軸受とされている場合、ニードルが溝59と干渉し、寿命、耐久性に悪影響を及ぼすことが懸念される。このため、本実施形態では、ドライブブッシュ19の外周にリング状のフローティングブッシュ61を嵌合し、ドライブブッシュ19と旋回軸受(ニードル軸受)21が直接嵌合されないようにしている。
また、上記の如くフローティングブッシュ61を設けても、溝59がフローティングブッシュ61により覆われてしまわないように、溝59をフローティングブッシュ61の端面よりも軸方向に延長して設けている(図1参照)。さらに、溝59は、ドライブブッシュ19がバランスウェイト19Aと共に一体に鍛造成形または鋳造成形される際に、その成形素材に同時成形されるようにしている。また、該溝59は、ドライブブッシュ19と一体に成形されたバランスウェイト19Aの外周部に弧状に設けられる立ち上げ部19Cの内周面に対向して設けられている。
さらに、メイン軸受13を挟んで反圧縮機構収容部側の空間、すなわちメイン軸受13とリップシール(またはメカニカルシール)17との間の空間に冷媒およびミスト状潤滑油を導くために、クランク軸11の大径軸部11Bに貫通孔63を設けている。この貫通孔63は、大径軸部11Bに設けられている規制穴57の底部から軸方向に穿設され、途中から半径方向に曲げられて上記空間に開口された孔とされており、メイン軸受13の両側空間を連通するように設けられている。
以上の説明の構成により、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
外部駆動源から図示省略のプーリーおよび電磁クラッチ等を介して回転駆動力をクランク軸(駆動軸)11に伝達し、クランク軸11を回転すると、クランク軸11のクランクピン11Cにドライブブッシュ19および旋回軸受21を介して連結されている旋回スクロール部材27が、自転阻止機構33により自転を阻止されながら、固定スクロール部材25の周りに公転旋回駆動される。
この旋回スクロール部材27の公転旋回駆動により、半径方向最外方に形成される圧縮室29内に、吸入チャンバー43内の冷媒ガスが吸い込まれる。圧縮室29は、所定の旋回角位置で吸入締め切りされた後、その容積が周方向およびラップ高さ方向に減少されながら中心側へと移動される。この間に冷媒ガスは圧縮され、当該圧縮室29が吐出ポート25Kに連通する位置に達すると、吐出リード弁37が押し開かれて圧縮されたガスは吐出チャンバー41内に吐き出され、この高圧冷媒ガスは、吐出チャンバー41を経て冷凍サイクルへと送出される。
上記の圧縮動作の間、吸入チャンバー43内に吸入された冷媒ガス中に含まれるミスト状潤滑油は、冷媒ガスと共に吸入チャンバー43内に配設されている旋回スクロール部材27の旋回駆動部、スラスト面5B、自転阻止機構33、メイン軸受13等の摺動箇所に回り、当該摺動箇所を潤滑する。ここで、旋回スクロール部材27の旋回駆動部が設けられている旋回スクロール部材27のボス部27C内には、旋回軸受(ニードル軸受)21の軸受隙間だけでなく、ドライブブッシュ19の外周面に設けられた給油用の溝59からもミスト状潤滑油を含む冷媒ガスを導入することができる。
このため、ボス部27C内へとガイドされるミスト状潤滑油の油量を増やし、より積極的な給油を実現することができる。従って、潤滑油の封入量を少なくしても効率のよい潤滑ができ、旋回駆動部の潤滑に対する信頼性、および旋回駆動部の耐久性を向上することができる。また、少ない量の潤滑油で効率よく潤滑できることから、潤滑油により阻害される冷凍サイクル側の熱交換器での熱交換効率を改善し、冷凍、空調能力を向上することができる。さらに、旋回駆動部の潤滑改善のために、ドライブブッシュ19の外周面に溝59を設けるだけでよく、その加工を容易化し生産性を高めることができる。
また、給油用の溝59を、ドライブブッシュ19の外周面の回転方向Nに対向する側に設け、この溝59を介して冷媒ガスと共にミスト状潤滑油を積極的に取り込むようにしているため、ボス部27C内へとガイドされるミスト状潤滑油の油量を一段と増加することができる。これにより、旋回スクロール部材27の旋回駆動部の潤滑性能を高め、その信頼性、耐久性を向上することができる。
さらに、旋回軸受(ニードル軸受)21とドライブブッシュ19の外周面との間にフローティングブッシュ61を介装しているので、旋回軸受21にニードル軸受を用いた場合でも、溝59とニードルとの干渉を回避することができる。このため、溝59によりニードル軸受21の寿命、耐久性が低下される懸念はなく、ドライブブッシュ19の外周面に溝59を設けてボス部27C内へとミスト状潤滑油を導くことができる。従って、溝59を介して積極的に給油し、旋回スクロール部材27の旋回駆動部の潤滑性能を改善することができる。同時に、ドライブブッシュ19の外周面とフローティングブッシュ61の内周面との間への給油性を十分に確保することができる。
また、上記の如く、フローティングブッシュ61を設けても、溝59がフローティングブッシュ61の端面よりも軸方向に延長されて設けられているため、溝59がフローティングブッシュ61によって覆われてしまうことがなく、該溝59により確実にミスト状潤滑油をボス部27C内へとガイドすることができる。従って、旋回スクロール部材27の旋回駆動部の潤滑性能を高め、その信頼性、耐久性を向上することができる。
また、溝59をドライブブッシュ19に一体に設けられたバランスウェイト19Aの外周部に弧状に成形された立ち上げ部19Cの内周面に対向して設けているため、バランスウェイト19Aの旋回により弧状の立ち上げ部19Cの内周面に衝突してドライブブッシュ19の外周面側に導かれるミスト状潤滑油を含む冷媒ガスを積極的に溝59内に取り込むことができる。これによって、ボス部27C内へとガイドされるミスト状潤滑油の量を増やし、旋回スクロール部材27の旋回駆動部の潤滑性能を高めることができる。
さらに、上記溝59は、ドライブブッシュ19を鍛造成形あるいは鋳造成形する素材成型時に同時成形により設けているため、溝59を設けるための追加加工を不要にすることができる。従って、ドライブブッシュ19に給油用の溝59を設けても、加工工数が増加することは一切なく、孔を穿設する場合等に比べて加工を容易化し生産性を高めることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、旋回軸受21の構成が異なる。その他の点については、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
本実施形態では、旋回軸受21として、ニードル軸受に代えて内輪を備えたボール軸受あるいはコロ軸受を採用した構成としている。この場合、フローティングブッシュ61は省略することができる。
上記のように、旋回軸受21として、内輪を備えたボール軸受、コロ軸受等を採用することにより、ドライブブッシュ19の外周面に給油用の溝59を設けても、溝59の外側が軸受の内輪により覆われるだけで、溝59とボール、コロ等が直接干渉することにはならない。従って、フローティングブッシュ61を省略しても、軸受の寿命や耐久性が低下されるおそれはなく、部品数を削減して構成をより簡素化することができる。
なお、本発明は、上記実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。例えば、上記実施形態では、クランク軸11が外部に突出され、外部駆動源により駆動されるタイプのスクロール圧縮機について説明したが、ハウジング内にモータを内蔵したタイプのスクロール圧縮機にも同様に適用することができる。また、固定スクロール部材25および旋回スクロール部材27の渦巻き状ラップ25B,27Bの先端面とボトム面に段部を設けたスクロール圧縮機構23について説明したが、段部が設けられていないスクロール圧縮機構であってもよい。
さらに、ドライブブッシュ19とバランスウェイト19Aとは、必ずしも一体成形されたものである必要はなく、別体で構成されていてもよい。また、旋回スクロール部材27の旋回半径を可変とする機構は、上記実施形態の如くドライブブッシュ19を回動する方式(スイング方式)としたものに限らず、スライド方式としたものにも同様にできることはもちろんである。
本発明の第1実施形態に係るスクロール圧縮機の縦断面図である。 図1に示すスクロール圧縮機の旋回駆動部の断面図である。 図2に示す旋回駆動部を構成するドライブブッシュの平面図である。 図3に示すドライブブッシュの左側面図である。
符号の説明
1 スクロール圧縮機
3 ハウジング
11 クランク軸
11C クランクピン
19 ドライブブッシュ
19A バランスウェイト
19C 立ち上げ部
21 旋回軸受(ニードル軸受)
23 スクロール圧縮機構(圧縮機構)
25 固定スクロール部材
27 旋回スクロール部材
27C ボス部
29 圧縮室
59 給油用の溝(溝)
61 フローティングブッシュ

Claims (6)

  1. ハウジング内に配設され、互いに噛み合わされて圧縮室を形成する一対の固定スクロール部材および旋回スクロール部材からなる圧縮機構と、
    前記ハウジング内に回転自在に支持され、その軸端に設けられたクランクピンが前記旋回スクロール部材の端板背面のボス部にドライブブッシュ、旋回軸受を介して結合されることにより該旋回スクロール部材を公転旋回駆動するクランク軸とを備え、
    前記ハウジング内に吸入されたミスト状潤滑油を含む冷媒ガスが前記旋回軸受の軸受隙間を介して前記ボス部内に導かれることにより前記旋回スクロール部材の旋回駆動部回りを潤滑するスクロール圧縮機において、
    前記ドライブブッシュの外周面に、その軸方向に沿って前記ボス部内にミスト状潤滑油を含む冷媒ガスを導く給油用の溝を設けたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 前記溝は、前記ドライブブッシュ外周面の回転方向に対向する側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記旋回軸受は、ニードル軸受とされ、該ニードル軸受と前記ドライブブッシュ外周面との間にフローティングブッシュが介装されていることを特徴とする請求項1または2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 前記溝は、前記フローティングブッシュの端面よりも軸方向に延長されて設けられていることを特徴とする請求項3に記載のスクロール圧縮機。
  5. 前記溝は、前記ドライブブッシュの素材成形時に同時成形により設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のスクロール圧縮機。
  6. 前記ドライブブッシュには、バランスウェイトが一体に設けられ、該バランスウェイトの外周部に弧状に成形された立ち上げ部の内周面に対向して前記溝が設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のスクロール圧縮機。
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