JP2010007535A - スロットル弁装置を備える内燃機関 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内燃機関Eのエアクリーナ40および電動モータ56は、スロットルボディ52により形成されるスロットル通路52aの通路中心線方向Dtに並んで配置される。スロットル弁51を開閉駆動する電動モータ56は、その回転軸の回転中心線Lmが通路中心線方向Dtに沿うように配置される。空気取入口44は、エアクリーナ40のケース41aにおいて、通路中心線方向Dtで電動モータ56側のケース壁45に設けられる。
【選択図】図5
Description
また、V型内燃機関において、V字状に配置された1対のバンクの間にスロットル弁装置のスロットルボディが配置され、エアクリーナが車体の内側の面においてスロットルボディに取り付けられたものも知られている。(例えば、特許文献2参照)
すなわち、電動モータについては、一般に、その回転軸の回転中心線に平行な回転中心線方向での寸法が、回転中心線を中心とする径方向での寸法よりも大きい。このために、電動モータをスロットル通路の通路中心線と電動モータの回転中心線との最小距離が小さくなるようにスロットルボディ周辺に配置することで、電動モータを備えるスロットル弁装置の小型化を図ることができる。しかしながら、エアクリーナの空気取入口が、エアクリーナのケースにおいて前記通路中心線方向で電動モータ側のケース壁に設けられるとき、電動モータが、その回転中心線がスロットル弁の回動中心線に、または前記通路中心線に直交する平面に、平行となるように配置されると、電動モータは、該電動モータが前記通路中心線と重なるように前記通路中心線に直交する方向から見たとき、その回転中心線が該通路中心線に直交するように配置されることになるため、電動モータをスロットルボディ周辺にコンパクトに配置しようとすると、通路中心線方向で空気取入口に向かって流れる外気が電動モータに邪魔されることに起因して空気取入口からの吸入空気量が低下することがあり、そのような場合には、所要の吸入空気量を確保するために、空気取入口の配置が電動モータの配置により制約されることになる。このことは、空気取入口において所要の吸入空気量を確保するためには、電動モータの配置の自由度が小さくなることを意味する。
そして、この制約は、スロットル弁装置がV型内燃機関の1対のバンクの間に配置される場合に、空気取入口の配置が1対のバンクにより制限されることから、一層大きくなる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の内燃機関であって、前記電動モータ(56)は、前記回転中心線(Lm)が前記通路中心線方向(Dt)に沿うように配置されるものである。
請求項3記載の発明は、クランク軸(16)の回転中心線(Le)に平行なクランク軸線方向(De)に平行であると共にバンク角(θ)を二等分する平面をバンク中心面(Pb)とするとき、該バンク中心面(Pb)を挟んでV字状に配置された第1バンク(Bf)および第2バンク(Br)を備える請求項1または2記載の内燃機関であって、前記スロットルボディ(52)と前記電動モータ(56)とが、前記第1バンク(Bf)および前記第2バンク(Br)の間に配置されるものである。
請求項4記載の発明は、前記第1バンク(Bf)のシリンダヘッド(11f)および前記第2バンク(Br)のシリンダヘッド(11r)に接続されて前記スロットル弁(51)により流量制御された吸入空気を前記第1バンク(Bf)の第1シリンダ(10f)内および前記第2バンク(Br)の第2シリンダ(10r)内に導く吸気管(60)と、前記第1バンク(Bf)および前記第2バンク(Br)において、吸気弁(21)および排気弁(22)を開閉駆動するために、それぞれの前記シリンダヘッド(11f,11r)に設けられた第1動弁装置(26f)および第2動弁装置(26r)と、前記第1動弁装置(26f)および前記第2動弁装置(26r)をそれぞれ駆動するために、前記第1バンク(Bf)および前記第2バンク(Br)にそれぞれ設けられた第1動弁用伝動機構(30f)および第2動弁用伝動機構(30r)とを備える請求項3記載の内燃機関であって、前記スロットル弁装置(50)は、前記電動モータ(56)が発生する駆動力を前記スロットル弁(51)に伝達する伝達装置(57)を備え、前記伝達装置(57)は、前記第1バンク(Bf)および前記第2バンク(Br)の間に配置され、前記伝達装置(57)は、前記バンク中心面(Pb)に直交する直交方向(D1)で、前記スロットルボディ(52)に対して前記第1バンク(Bf)側で、かつ前記第1バンク(Bf)と対向する位置に配置され、しかも、前記クランク軸線方向(De)で、前記第1動弁用伝動機構(26f)に隣接する前記第1シリンダ(10f)内に吸入空気を導く前記吸気管(60)に対して前記第1動弁用伝動機構(30f)が位置する側とは反対側に配置されるものである。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の内燃機関であって、前記スロットルボディ(52)は、前記直交方向(D1)で前記バンク中心面(Pb)に対して前記第2バンク()側にオフセットして配置されるものである。
請求項6記載の発明は、請求項4または5記載の内燃機関であって、前記第1シリンダ(10f)への吸入空気に燃料を噴射する第1燃料噴射弁(70f)および前記第2シリンダ(10r)への吸入空気に燃料を噴射する第2燃料噴射弁(70r)が、前記電動モータ(56)に対して前記クランク軸線方向(De)での一方向側に配置されると共に、前記スロットルボディ(52)に対して前記電動モータ(56)と同じ方向に配置され、前記第1燃料噴射弁(70f)と前記第2燃料噴射弁(70r)とに接続される燃料供給管(71)が、前記第1燃料噴射弁(70f)および前記第2燃料噴射弁(70r)から前記クランク軸線方向(De)での他方向に向かって延びるにつれて前記直交方向(D1)で前記第2バンク(Br)に近づくように配置されるものである。
このため、電動モータの回転中心線がスロットル弁の回動中心線に、またはスロットル通路の通路中心線方向に直交する平面に、平行となるよう電動モータが配置される場合に比べて、回転中心線が通路中心線方向に対して平行から傾斜する範囲で電動モータの配置の自由度を大きくしながら、電動モータをスロットルボディ周辺にコンパクトに配置することが可能になり、かつ空気取入口が設けられたケース壁と電動モータが対向する方向である通路中心線方向から見て電動モータとケース壁とが重なる重合部分を小さくすることが可能になることで、空気取入器のケースにおいて通路中心線方向での電動モータ側のケース壁に設けられる空気取入口の配置に対する電動モータによる制約が小さくなって、ケース壁における空気取入口の配置の自由度が大きくなり、所要の吸入空気量の確保が容易になる。
また、電動モータの配置の自由度が大きくなることで、スロットルボディの周辺に配置される部品をスロットルボディ周辺にコンパクトに配置することが可能になる。
請求項2記載の事項によれば、電動モータは、その回転中心線がスロットル通路の通路中心線方向に沿うように配置されるので、通路中心線方向から見て電動モータとケース壁とが重なる重合部分をほぼ最小にすることが可能になるので、前記空気取入口の配置に対する電動モータによる制約が一層小さくなって、ケース壁における空気取入口の配置の自由度が一層大きくなり、所要の吸入空気量の確保が一層容易になる。
請求項3記載の事項によれば、V型内燃機関においてスロットルボディおよび電動モータが第1,第2バンクの間に配置される場合にも、電動モータをスロットルボディ周辺にコンパクトに配置することができるので、スロットルボディおよび電動モータが第1,第2バンクの間に配置されるV型内燃機関において、ケース壁における空気取入口の配置の自由度が大きくなって、所要の吸入空気量の確保が容易になる請求項1または2記載の発明の効果が奏される。
請求項4記載の事項によれば、電動モータの駆動力をスロットル弁に伝達する伝達装置は、直交方向でスロットルボディに対して第1バンク側に、かつ直交方向で第1バンクと対向する位置に配置されると共に、クランク軸線方向で第1バンクのシリンダヘッドに接続される吸気管に対して第1動弁用伝動機構が位置する側とは反対側に配置されるので、第1動弁用伝動機構が設けられるためにバンク中心面に向かって突出する突出部が第1バンクに形成されている場合にも、伝達装置の配置が該突出部により制約されることがなく、1対のバンクにより形成されるバンク空間における伝達装置の配置の自由度が大きくなる。この結果、スロットルボディと伝達装置とがバンク空間に配置されるスロットル弁装置を上下方向またはクランク軸線方向でコンパクトに配置することが可能になり、ひいては内燃機関を上下方向またはクランク軸線方向で小型化できる。
請求項5記載の事項によれば、スロットルボディは、伝達装置が対向する第1バンクとは直交方向でバンク中心面に対して反対側の第2バンク側にオフセットしているので、このオフセットの分だけ、第1バンクと伝達装置との直交方向での間隔を大きくすることができる。この結果、バンク空間における伝達装置の配置の自由度を一層大きくすることができて、請求項3記載の発明の効果を一層高めることができる。
請求項6記載の事項によれば、燃料供給管は、直交方向で第1,第2燃料噴射弁から第2バンクに近づく方向に延びているので、第1,第2バンクの間に配置された電動モータが燃料供給管と第1,第2燃料噴射弁との接続の邪魔になることが防止されて、その接続作業が容易になる。しかも、第1,第2燃料噴射弁に接続される燃料供給管が、クランク軸線方向で第1,第2燃料噴射弁から電動モータ側に延びているので、燃料供給管が、第1,第2燃料噴射弁または吸気管からクランク軸線方向で電動モータが位置する側とは反対側に突出することが抑制または防止されて、燃料供給管をクランク軸線方向でコンパクトに配置することができる。
図1を参照すると、本発明が適用された内燃機関であるV型内燃機関Eは、該内燃機関Eが備えるクランク軸16の動力が入力される変速機Mと共に、車両としての自動二輪車Vに備えられるパワーユニットを構成する。変速機Mは、例えば、メイン軸m1、ウンタ軸m2および変速歯車を備える歯車式変速機である。
内燃機関Eが発生する動力は、クランク軸16から変速機Mに入力されて変速された後、変速機Mの出力軸から、左側のスイングアーム6内に収容されたドライブ軸を備える終減速装置を介して後輪Wrに伝達される。
第1バンクとしての前バンクBfは、第1シリンダとしてのシリンダ10fと、該シリンダ10fの上端部に結合される第1シリンダヘッド11fと、シリンダヘッド11fの上端部の結合面11f1に結合される第1ヘッドカバー12fとから構成され、第2バンクとしての後バンクBrは、第2シリンダとしてのシリンダ10rと、該シリンダ10rの上端部に結合される第2シリンダヘッド11rと、シリンダヘッド11rの上端部の結合面11r1に結合される第2ヘッドカバー12rとから構成される。
ここで、各バンクBf,Brにおいて、シリンダヘッド11f,11rおよびヘッドカバー12f,12rは機関ヘッド部Hf,Hrを構成する。そして、各バンクBf,Brの基本的な構造は同一である。
左右に分割されるケース半体が結合されて構成されるクランクケース13は、クランク軸16を回転可能に支持する。
側面視で、前バンクBfのシリンダ軸線Lfと後バンクBrのシリンダ軸線Lrとにより形成されるバンク角θは、ここでは鋭角である。そして、前バンクBfおよび後バンクBfは、直交方向D1でバンク中心面Pbを挟んでV字状に配置され、両バンクBf,Brの間に、すなわち両バンクBf,Brにより直交方向D1で挟まれた範囲、および上下方向D2で両バンクBf,Brが位置する範囲に、バンク空間Sbが形成される。
そして、この実施形態において、クランク軸線方向Deは、自動二輪車Vの左右方向に一致し、バンク中心面Pbは鉛直面であり、直交方向D1は自動二輪車Vの前後方向であり、上下方向D2は、自動二輪車Vの上下方向である。また、右方および左方の一方をクランク軸線方向Deの一方向とするとき、右方および左方の他方はクランク軸線方向Deの他方向であり、前方および後方の一方を直交方向D1の一方向とするとき、前方および後方の他方は直交方向D1の他方向である。
前バンクBfおよび後バンクBrにそれぞれ設けられる第1動弁用伝動機構30fおよび第2動弁用伝動機構30rは、いずれも、クランク軸16に設けられた駆動回転体としての駆動スプロケット31aと、カム軸27aに設けられた被動回転体としてのカムスプロケット31bと、両スプロケット31a,31bに掛け渡された無端伝動帯としてのチェーン31cとを備える。第1伝動機構30fの駆動スプロケット31aは、クランク軸16の、クランクケース13により形成されるクランク室から左方に延出する軸端部に設けられ、第2伝動機構30rの駆動スプロケット31aは、クランク軸16の、前記クランク室から右方に延出する軸端部に設けられる。
各伝動機構30f,30rの一部であるチェーン31cは、シリンダヘッド11f,11r、シリンダ10f,10rおよびクランクケース13に渡って設けられた空洞から構成される収容室としてのチェーン室32f,32rに収容される。
そして、各バンクBf,Brにおいて、各伝動機構30f,30rにより回転駆動されるカム軸27aの動弁カム27bが吸気ロッカアーム27cおよび排気ロッカアーム27dを介して、クランク軸16の回転位置に応じた所定時期に、吸気弁21および排気弁22を開閉駆動する。
そして、空気取入口44からダスト室42aに流入した吸入空気は、クリーナエレメント43を通過して清浄にされた後にクリーン室42bに流入し、さらに空気通路48aを経てスロットル弁装置50のスロットル通路52aに流入する。
さらに、ケース壁45には、エアクリーナ40を機関本体に結合するボルトが挿通される孔が設けられた複数の取付部45cと、第2ケース41bを結合するためのボルト45d1(図5参照)がねじ込まれる複数の取付座45dと、空気室42内に侵入した水を排出する排水路45eとが設けられる。
スロットル弁51は、スロットルボディ52に回動可能に支持される弁軸51aを備える。弁軸51aは直交方向D1にほぼ平行に配置され、スロットル弁51は直交方向D1にほぼ平行な回動中心線Lv(図6参照)を有する。
また、通路中心線Ltに平行な方向を通路中心線方向Dtとするとき、該通路中心線方向Dtは、クランク軸線方向Deにほぼ平行であり、また通路中心線Lcにほぼ平行である。したがって、クランク軸線方向Deは通路中心線方向Dtと実質的に同じである。
電気式アクチュエータである電動モータ56は、通路中心線方向Dtでスロットルボディ52と同じ位置でスロットルボディ52の周辺に配置されるハウジング56aと、ハウジング56aを貫通して延びていて駆動力を伝達装置57に付与する駆動部材としての回転軸56bとを備える。伝達装置57は、回転軸56bから入力された駆動力をスロットル弁51に伝達する伝達部材としての歯車列57aと、歯車列57aを収容すると共にスロットルボディ52に取り付けられて固定される収容ケース57bとから構成される。
電動モータ56およびほぼ筒形状のハウジング56aのそれぞれにおいて、回転軸56bの回転中心線Lmに平行な回転中心線方向Dmでの幅は、回転中心線Lmを中心とする径方向での幅よりも大きい。
エアクリーナ40および電動モータ56は通路中心線方向Dtに並んで配置され、電動モータ56は、スロットル弁51の回動中心線Lvに直交する第1平面P1、または通路中心線方向Dtに平行な第2平面P2にほぼ平行となるように、かつ通路中心線方向Dtとなす角度が90°未満、好ましくは20°以下となるように配置される。
そして、この実施形態では、回転中心線Lmが通路中心線方向Dtに沿うように、または通路中心線方向Dtにほぼ平行となるように配置される。
なお、図3,図4では、第1,第2平面P1,P2の一例としてのバンク中心面Pbが示され、図6では、第1,第2平面P1,P2の一例が示されている。両平面P1,P2の相互は、この実施形態では平行であるが、別の例では平行でなくてもよい。
また、コネクタ83は、収容ケース57b内に収容されてスロットル弁51の開度を検出する開度検出手段82d(図5に概念的に示される。)の検出信号を取り出すための電線が接続されるコネクタを兼ねる。
コネクタ83は、スロットルボディ52の上方に配置され、上下方向D2でハウジング56aと同じ位置にあり、またカバー57b2においてクランク軸線方向Deで吸気管60側および燃料噴射弁70f,70r側に位置する。
第1,第2燃料噴射弁70f,70rは、電動モータ56および伝達装置57に対して、クランク軸線方向Deでの一方向側としての左方側に配置される。そして、各燃料噴射弁70f,70rおよび燃料供給管71は、分岐通路62fa,62raの上方に配置される。
燃料供給管71は、第1燃料噴射弁70fおよび第2燃料噴射弁70rからクランク軸線方向Deでの他方向である右方に向かって、かつ燃料流の上流に向かって延びるにつれて、直交方向D1で後バンクBrに近づくように配置される(図3参照)。
伝達装置57の全体は、バンク中心面Pbに対して前バンクBf側に配置される。
空気取入口44は、スロットルボディ52および電動モータ56の上方に位置する第1取入口としての上部取入口44aと、上部取入口44aの下方に離隔して位置する第2取入口としての下部取入口44bとから構成される。
ケース壁45には、上下方向D2でスロットルボディ52に対向すると共に通路中心線方向Dtで電動モータ56側に向かって基部45aから突出する突出部45hが、庇状に、ハウジング56aの少なくとも一部を、この実施形態ではハウジング56aの過半を上方から覆うように設けられる。この突出部45hに設けられる上部取入口44aは、その上流端開口44a1にて、斜め下方に向かって、かつハウジング56aに指向して開口している。上部取入口44aにおいて、通路中心線方向Dtで吸気管60側に位置する上流端開口44a1は、平面視でハウジング56aと重なる位置にある。また、電動モータ56の全体は、通路中心線方向Dtでの位置で、基部45aと各燃料噴射弁70f,70rとの間に配置される。
そして、歯車列57aおよび収容ケース57bの少なくとも一部、この実施形態ではそれらの過半が、両バンクBf,Brの間に配置され、したがって上下方向D2で両バンクBf,Brの最上部よりも下方に位置する。なお、別の例として、歯車列57aおよび収容ケース57bの全体が、1対のバンクBf,Brの間に配置されてもよい。
内燃機関Eのエアクリーナ40および電動モータ56は、通路中心線方向Dtまたはクランク軸線方向Deに並んで配置され、電動モータ56は、回転軸56bの回転中心線Lmがスロットル弁51の回動中心線Lvに直交する第1平面P1、または通路中心線方向Dtに平行な第2平面P2にほぼ平行となるように、かつ通路中心線方向Dtとなす角度が90°未満となるように配置され、空気取入口44は、エアクリーナ40のケース41aにおいて、通路中心線方向Dtまたはクランク軸線方向Deで電動モータ56側のケース壁45に設けられる。この構造により、電動モータ56は、スロットル通路52aの通路中心線方向Dtまたはクランク軸線方向Deにエアクリーナ40と並んで配置されると共に、その回転中心線Lmが回動中心線Lvに直交する第1平面P1、または通路中心線方向Dtに平行な第2平面P2にほぼ平行となるように、かつ通路中心線方向Dtとなす角度が90°未満となるように配置されるので、電動モータ56は、回転中心線Lmが第1平面P1または第2平面P2にほぼ平行となり、かつ通路中心線方向Dtに平行または傾斜するように配置される。このため、電動モータ56の回転中心線Lmが回動中心線Lvに、またはスロットル通路52aの通路中心線方向Dtに直交する平面に、平行となるよう電動モータ56が配置される場合に比べて、回転中心線Lmが通路中心線方向Dtに対して平行から傾斜する範囲で電動モータ56の配置の自由度を大きくしながら、電動モータ56をスロットルボディ52周辺にコンパクトに配置することが可能になり、かつ空気取入口44が設けられたケース壁45と電動モータ56が対向する方向である通路中心線方向Dtまたはクランク軸線方向Deから見て電動モータ56とケース壁45とが重なる重合部分を小さくすることが可能になることで、エアクリーナ40のケース41a,41bにおいて通路中心線方向Dtまたはクランク軸線方向Deでの電動モータ56側のケース壁45に設けられる空気取入口44の配置に対する電動モータ56による制約が小さくなって、ケース壁45における空気取入口44の配置の自由度が大きくなり、所要の吸入空気量の確保が容易になる。さらに、回転中心線Lmと通路中心線方向Dtとなす前記角度が20°以下となるように電動モータ56が配置されることで、前述の効果が一層高められる。
また、スロットルボディ52周辺での電動モータ56の配置の自由度が大きくなることで、スロットルボディ52の周辺に配置される部品、例えば燃料噴射弁70f,70r、燃料供給管71、接続管72および燃料導管73を、スロットルボディ52周辺にコンパクトに配置することが可能になる。
第1シリンダ(または第2シリンダ)が、複数のシリンダから構成される場合、シリンダ中心面は、クランク軸線方向Deで伝動機構30f,30rに隣接するシリンダのシリンダ軸線Lf,Lrを含む平面である。
請求項における第1バンクおよび第2バンクは、それぞれ実施形態の後バンクBf,Brおよび前バンクBf,Brであってもよく、さらに第1,第2バンクは、前後のバンク以外のバンク、例えば左右のバンクであってもよい。
電動モータが発生する駆動力をスロットル弁51に伝達する伝達装置は、電動モータにより直接または中間歯車を介して駆動されるウォームと、該ウォームと噛合して回転駆動されると共にスロットル弁51の回動中心線Lvに平行な回転中心線を有するウォームホイールとからなるウォームギヤを含むものであってもよい。
電動モータ56のハウジング56aは、平面視でスロットルボディ52およびスロットル通路52aと重なる位置に配置されてもよく、さらにバンク中心面Pbと交わる位置に配置されてもよい。
アクチュエータは、電動モータ以外の電気式アクチュエータまたは非電気式アクチュエータであってもよい。
内燃機関がV型内燃機関以外の場合、基準平面は、クランク軸線方向Deに平行で、かつシリンダ軸線Lf,Lrを含む平面であり、また、機関中心面は、単気筒内燃機関の場合、シリンダ軸線Lf,Lrを含む平面であり、クランク軸線方向Deに複数の気筒が直列に配置される直列多気筒気筒の場合、気筒配列方向での両端に位置するシリンダのシリンダ軸線Lf,Lrから等距離にある平面である。
空気取入口は、ケース壁45とは別個の部材(例えば、ダクト)により形成され、該部材がケース壁45に取り付けられることにより、ケースに設けられてもよい。また、空気取入口は、互いに離隔する複数の取入口から構成されることなく、1つの取入口から構成されてもよい。
空気取入器は、エアクリーナ以外に、空気を清浄にする機能を有しておらず、単に、外気を吸入空気として取り入れるための装置であってもよい。
E…内燃機関、Bf,Br…バンク、Pb…バンク中心面、De…クランク軸線方向、D1…直交方向、Dm…回転中心線方向、Dt…通路中心線方向、Ai…吸気装置、Le,Lm…回転中心線、Lt,Lc…通路中心線。
Claims (6)
- 吸入空気を取り入れる空気取入口が設けられたケースを備える空気取入器と、前記空気取入器からの吸入空気の流量を制御するスロットル弁が配置されたスロットル通路を形成するスロットルボディを備えるスロットル弁装置とを備える内燃機関において、
前記スロットル弁装置は、前記スロットル弁を開閉駆動する電動モータを備え、
前記空気取入器および前記電動モータは、前記スロットル通路の通路中心線に平行な通路中心線方向に並んで配置され、
前記電動モータは、その回転軸の回転中心線が前記スロットル弁の回動中心線に直交する第1平面、または前記通路中心線方向に平行な第2平面にほぼ平行となるように、かつ前記通路中心線方向となす角度が90°未満となるように配置され、
前記空気取入口は、前記空気取入器の前記ケースにおいて、前記通路中心線方向で前記電動モータ側のケース壁に設けられることを特徴とする内燃機関。 - 請求項1記載の内燃機関であって、
前記電動モータは、前記回転中心線が前記通路中心線方向に沿うように配置されることを特徴とする内燃機関。 - クランク軸の回転中心線に平行なクランク軸線方向に平行であると共にバンク角を二等分する平面をバンク中心面とするとき、該バンク中心面を挟んでV字状に配置された第1バンクおよび第2バンクを備える請求項1または2記載の内燃機関であって、
前記スロットルボディと前記電動モータとが、前記第1バンクおよび前記第2バンクの間に配置されることを特徴とする内燃機関。 - 前記第1バンクのシリンダヘッドおよび前記第2バンクのシリンダヘッドに接続されて前記スロットル弁により流量制御された吸入空気を前記第1バンクの第1シリンダ内および前記第2バンクの第2シリンダ内に導く吸気管と、
前記第1バンクおよび前記第2バンクにおいて、吸気弁および排気弁を開閉駆動するために、それぞれの前記シリンダヘッドに設けられた第1動弁装置および第2動弁装置と、
前記第1動弁装置および前記第2動弁装置をそれぞれ駆動するために、前記第1バンクおよび前記第2バンクにそれぞれ設けられた第1動弁用伝動機構および第2動弁用伝動機構とを備える請求項3記載の内燃機関であって、
前記スロットル弁装置は、前記電動モータが発生する駆動力を前記スロットル弁に伝達する伝達装置を備え、
前記伝達装置は、前記第1バンクおよび前記第2バンクの間に配置され、
前記伝達装置は、前記バンク中心面に直交する直交方向で、前記スロットルボディに対して前記第1バンク側で、かつ前記第1バンクと対向する位置に配置され、しかも、前記クランク軸線方向で、前記第1動弁用伝動機構に隣接する前記第1シリンダ内に吸入空気を導く前記吸気管に対して前記第1動弁用伝動機構が位置する側とは反対側に配置されることを特徴とする内燃機関。 - 請求項4記載の内燃機関であって、
前記スロットルボディは、前記直交方向で前記バンク中心面に対して前記第2バンク側にオフセットして配置されることを特徴とする内燃機関。 - 請求項4または5記載の内燃機関であって、
前記第1シリンダへの吸入空気に燃料を噴射する第1燃料噴射弁および前記第2シリンダへの吸入空気に燃料を噴射する第2燃料噴射弁が、前記電動モータに対して前記クランク軸線方向での一方向側に配置されると共に、前記スロットルボディに対して前記電動モータと同じ方向に配置され、
前記第1燃料噴射弁と前記第2燃料噴射弁とに接続される燃料供給管が、前記第1燃料噴射弁および前記第2燃料噴射弁から前記クランク軸線方向での他方向に向かって延びるにつれて前記直交方向で前記第2バンクに近づくように配置されることを特徴とする内燃機関。
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