JP2010006328A - 前後輪駆動車両の駆動状態切替制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で好適な駆動状態の切り替えを実現する前後輪駆動車両の駆動状態切替制御装置を提供する。
【解決手段】2輪駆動状態から4輪駆動状態への切り替えに際して、シンクロ機構60の同期を判定するSNR同期判定手段82(S6)と、そのSNR同期判定手段82によりシンクロ機構60の同期が判定された場合には、前輪用差動装置30と前輪34rとの間の動力伝達を接続させるように噛合クラッチ36を切り替えるADD断続切替制御手段84(S7)とを、備えたものであることから、シンクロ機構60の同期完了後に噛合クラッチ36を接続させて、前輪34rと前輪用プロペラシャフト28との間の動力伝達を成立させた後にそのシンクロ機構60におけるシンクロナイザリング68を押し分ける作動を行うことで、その作動に要する推力を可及的に小さくすることができ、特別な構成を設けることなく好適な切り替えを行うことができる。
【選択図】図10
【解決手段】2輪駆動状態から4輪駆動状態への切り替えに際して、シンクロ機構60の同期を判定するSNR同期判定手段82(S6)と、そのSNR同期判定手段82によりシンクロ機構60の同期が判定された場合には、前輪用差動装置30と前輪34rとの間の動力伝達を接続させるように噛合クラッチ36を切り替えるADD断続切替制御手段84(S7)とを、備えたものであることから、シンクロ機構60の同期完了後に噛合クラッチ36を接続させて、前輪34rと前輪用プロペラシャフト28との間の動力伝達を成立させた後にそのシンクロ機構60におけるシンクロナイザリング68を押し分ける作動を行うことで、その作動に要する推力を可及的に小さくすることができ、特別な構成を設けることなく好適な切り替えを行うことができる。
【選択図】図10
Description
本発明は、前後輪駆動車両の2輪駆動状態と4輪駆動状態とを切り替える駆動状態切替制御装置に関し、特に、好適な切り替えを保証しつつ装置の構成を簡単化するための改良に関する。
駆動力源と左右一対の主駆動輪との間の動力伝達経路に設けられた第1のプロペラシャフトと、その第1のプロペラシャフトと第2のプロペラシャフトとの間の動力伝達の遮断乃至接続を選択的に切り替える、シンクロ機構を備えた第1の動力断続装置と、前記第2のプロペラシャフトに対応して設けられた差動装置と、その差動装置と左右一対の副駆動輪のうち一方の副駆動輪との間の動力伝達の遮断乃至接続を選択的に切り替える第2の動力断続装置とを、備え、前記第1の動力断続装置及び第2の動力断続装置を介して、前記主駆動輪のみを駆動輪とする2輪駆動状態と、その主駆動輪及び前記副駆動輪を共に駆動輪とする4輪駆動状態とを切り替える前後輪駆動車両の駆動状態切替制御装置が知られている。例えば、特許文献1に記載されたパートタイム四輪駆動車がそれである。
ところで、前述したような前後輪駆動車両の駆動状態切替制御装置による走行中の2輪駆動状態から4輪駆動状態への切替時において、前記第1の動力断続装置におけるシンクロ機構の同期後、そのシンクロ機構におけるシンクロナイザリングを押し分けるための推力が足りない場合にはシフトストロークが完了せず、制御が遅延するおそれがあった。特に、装置の低温時においては上記シンクロナイザリングの押し分けに必要な荷重が増大するために、比較的大きな推力が必要となるが、前述したような従来の技術により斯かる推力を得る場合、その推力に対応する比較的大きなアクチュエータ(モータ)を設けなければならず、質量、コスト、搭載性の点で問題がある。このため、簡単な構成で好適な駆動状態の切り替えを実現する前後輪駆動車両の駆動状態切替制御装置の開発が求められていた。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、簡単な構成で好適な駆動状態の切り替えを実現する前後輪駆動車両の駆動状態切替制御装置を提供することにある。
斯かる目的を達成するための、本発明の要旨とするところは、駆動力源と左右一対の主駆動輪との間の動力伝達経路に設けられた第1のプロペラシャフトと、その第1のプロペラシャフトと第2のプロペラシャフトとの間の動力伝達の遮断乃至接続を選択的に切り替える、シンクロ機構を備えた第1の動力断続装置と、前記第2のプロペラシャフトに対応して設けられた差動装置と、その差動装置と左右一対の副駆動輪のうち少なくとも一方の副駆動輪との間の動力伝達の遮断乃至接続を選択的に切り替える第2の動力断続装置とを、備え、前記第1の動力断続装置及び第2の動力断続装置を介して、前記主駆動輪のみを駆動輪とする2輪駆動状態と、その主駆動輪及び前記副駆動輪を共に駆動輪とする4輪駆動状態とを切り替える前後輪駆動車両の駆動状態切替制御装置であって、前記2輪駆動状態から4輪駆動状態への切り替えに際して、前記シンクロ機構の同期を判定する同期判定手段と、その同期判定手段により前記シンクロ機構の同期が判定された場合には、前記差動装置と副駆動輪との間の動力伝達を接続させるように前記第2の動力断続装置を切り替える切替制御手段とを、備えたことを特徴とするものである。
このようにすれば、前記2輪駆動状態から4輪駆動状態への切り替えに際して、前記シンクロ機構の同期を判定する同期判定手段と、その同期判定手段により前記シンクロ機構の同期が判定された場合には、前記差動装置と副駆動輪との間の動力伝達を接続させるように前記第2の動力断続装置を切り替える切替制御手段とを、備えたものであることから、前記シンクロ機構の同期完了後に前記第2の動力断続装置を接続させて、前記副駆動輪と第2のプロペラシャフトとの間の動力伝達を成立させた後にそのシンクロ機構におけるシンクロナイザリングを押し分ける作動を行うことで、その作動に要する推力を可及的に小さくすることができ、特別な構成を設けることなく好適な切り替えを行うことができる。すなわち、簡単な構成で好適な駆動状態の切り替えを実現する前後輪駆動車両の駆動状態切替制御装置を提供することができる。
ここで、好適には、前記同期判定手段は、予め定められた関係から、前記第2のプロペラシャフトの回転速度に基づいて前記シンクロ機構の同期を判定するものである。このようにすれば、実用的な態様で前記シンクロ機構の同期を判定することができる。
また、好適には、前記同期判定手段は、予め定められた関係から、前記2輪駆動状態から4輪駆動状態への切替開始からの経過時間に基づいて前記シンクロ機構の同期を判定するものである。このようにすれば、実用的な態様で前記シンクロ機構の同期を判定することができる。
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明が好適に適用される前置エンジン後輪駆動(FR)を基本とする前後輪駆動車両に備えられた駆動力伝達装置10の構成を説明する骨子図である。この図1に示すように、斯かる駆動力伝達装置10において、駆動力源であるエンジン12により発生させられたトルクは、トルクコンバータ14、変速機16、第1のプロペラシャフトとしての後輪用プロペラシャフト18、後輪用差動装置20、及び左右一対の後輪車軸22l、22r(以下、特に区別しない場合には単に後輪車軸22という)を介して左右一対の後輪24l、24r(以下、特に区別しない場合には単に後輪24という)へ伝達される一方、第1の動力断続装置としてのトランスファ26、第2のプロペラシャフトとしての前輪用プロペラシャフト28、前輪用差動装置30、及び左右一対の前輪車軸32l、32r(以下、特に区別しない場合には単に前輪車軸32という)を介して左右一対の前輪34l、34r(以下、特に区別しない場合には単に前輪34という)へ伝達される。また、上記前輪車軸32r(前輪用差動装置30と前輪34rとの間)には第2の動力断続装置としての噛合クラッチ36が設けられている。また、上記トランスファ26及び噛合クラッチ36の作動を制御するための電子制御装置38が設けられている。すなわち、図1に示す駆動力伝達装置10は、上記トランスファ26及び噛合クラッチ36を介して、主駆動輪としての後輪24のみを駆動輪とする2輪駆動状態と、その後輪24及び副駆動輪としての前輪34を共に駆動輪とする4輪駆動状態とを切り替えるパートタイム4輪駆動車両の駆動系の一例である。
上記エンジン12は、例えば、気筒内噴射される燃料の燃焼によって駆動力を発生させるガソリンエンジン或いはディーゼルエンジン等の内燃機関である。また、上記トルクコンバータ14は、例えば、上記エンジン12のクランク軸に連結されたポンプ翼車と、上記変速機16の入力軸に連結されたタービン翼車と、一方向クラッチを介して変速機ケースに固定されたステータ翼車とを、備えており、上記ポンプ翼車とタービン翼車との間で流体を介して動力伝達を行う流体式動力伝達装置である。また、上記変速機16は、例えば、複数の摩擦係合要素を備え、それら摩擦係合要素の係合又は解放の組み合わせに応じて複数の変速比を選択的に成立させて、入力軸から入力された駆動力を変速して出力させる自動変速機である。
前記トランスファ26は、前記後輪用プロペラシャフト18と前輪用プロペラシャフト28との間の動力伝達の遮断乃至接続を選択的に切り替える第1の動力断続装置として機能するものである。すなわち、前記トランスファ26は、前記後輪用プロペラシャフト18と同軸に、その後輪用プロペラシャフト18に対する相対回転の許可乃至阻止が同期装置(同期噛合機構)であるシンクロ機構60により切り替えられるように設けられたドライブギヤ54と、前記前輪用プロペラシャフト28と同軸に、その前輪用プロペラシャフト28に対する相対回転不能に設けられたドリブンギヤ56と、上記ドライブギヤ54とドリブンギヤ56との間を連結するチェーン58とを、備えて構成されている。斯かる構成において、前記後輪用プロペラシャフト18に対する上記ドライブギヤ54の相対回転が許可されている状態では、その後輪用プロペラシャフト18から前輪用プロペラシャフト28への動力伝達は行われない(遮断される)一方、その後輪用プロペラシャフト18に対する上記ドライブギヤ54の相対回転が阻止されている状態では、その後輪用プロペラシャフト18からドライブギヤ54、チェーン58、及びドリブンギヤ56を介して前輪用プロペラシャフト28への動力伝達が行われる(接続される)。
前記噛合クラッチ36は、例えば常時噛合式のドッグクラッチ等から成るものであり、前記前輪用差動装置30と前輪(右輪)34rとの間の動力伝達の遮断乃至接続を選択的に切り替える第2の動力断続装置として機能するものである。すなわち、解放状態においては前記前輪用差動装置30と前輪34rとの間の動力伝達を遮断する一方、接続状態においてはその前輪用差動装置30と前輪34rとの間の動力伝達を接続する。また、上記前輪用差動装置30は、後述するように、2輪駆動状態においては上記噛合クラッチ36によりその前輪用差動装置30と前輪34rとの間の動力伝達が遮断される所謂ADD(Automatic Disconnecting Differential)である。
前記電子制御装置34は、CPU、ROM、RAM、及び入出力インターフェイス等を含んで構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を実行する所謂マイクロコンピュータであり、前記トランスファ26に備えられた切替用アクチュエータ40の作動を制御することによるそのトランスファ26における動力伝達の切替制御、及び前記噛合クラッチ36に備えられた切替用アクチュエータ42の作動を制御することによるその噛合クラッチ36における動力伝達の切替制御等、前記駆動力伝達装置10による前後輪駆動に関する各種制御を実行する。斯かる制御を実行するために、前記動力伝達装置10には、車速に対応する前記後輪24の実際の回転速度を検出する車輪速センサ44、前記前輪用プロペラシャフト28の実際の回転速度を検出する前輪用プロペラシャフト回転速度センサ46、外気温を検出する外気温センサ48、前記トランスファ26におけるシフトストロークの完了を検出するトランスファシフト検出スイッチ50、及び前記噛合クラッチ36におけるシフトストロークの完了を検出するADDシフト検出スイッチ52等の各種センサが設けられており、それぞれのセンサから車速を表す信号、前記前輪用プロペラシャフト28の回転速度を表す信号、外気温を表す信号、前記トランスファ26におけるシフトストロークの完了を表す信号、及び前記噛合クラッチ36におけるシフトストロークの完了を表す信号等が前記電子制御装置38へ供給されるようになっている。
図2は、前記トランスファ26に備えられたシンクロ機構60の作動を説明するためにその概略的な構成を示す断面図である。この図2に示すように、前記シンクロ機構60は、回転軸としての前記後輪用プロペラシャフト18上に、クラッチハブ62、キー64、スリーブ66、シンクロナイザリング68、及びドライブギヤ54を同心に備えている。
上記クラッチハブ62は、例えばその内周側に形成されたスプライン溝により前記後輪用プロペラシャフト18に相対回転不能に嵌合されると共に、図示しないスナップリング等によってその軸心方向の位置が定められることで、その後輪用プロペラシャフト18に固定(固設)されている。また、上記クラッチハブ62の外周側には、上記スリーブ66と嵌め合わされるための外周歯62aが形成されており、そのスリーブ66の内周側には、上記クラッチハブ62と嵌め合わされるための内周歯66aが形成されている。そして、そのクラッチハブ62の外周歯62aとスリーブ66の内周歯66aとが嵌め合わされることで、それらクラッチハブ62及びスリーブ66が軸心周りの相対回転不能且つ軸心方向の相対移動可能に嵌合されている。
前記スリーブ66は、幅方向の略中央部において内周側に落ち窪んだ凹部を有している。また、前記キー64の外周部には、そのスリーブ66の凹部と嵌め合わされるように凸部が形成されている。前記キー64は、回転軸である前記後輪用プロペラシャフト18(クラッチハブ62)との間に設けられたスプリング70の付勢力により前記スリーブ66側に押しつけられるように設けられており、前記スリーブ66は、そのキー64により通常は図2に示すような動力伝達を遮断する状態である中立位置に位置させられる一方、シフトフォークシャフト72によって軸心方向へ駆動されることで、後述するように動力伝達が可能な状態である伝達位置へ移動可能に配設されている。このシフトフォークシャフト72は、前記シンクロ機構60に備えられた切替用アクチュエータ40の駆動により機械的に図2の左右方向(すなわち軸心方向)へ移動させられるようになっている。
前記ドライブギヤ54は、前記クラッチハブ62に隣接して設けられ、ベアリング74等により前記後輪用プロペラシャフト18に軸心まわりの相対回転可能に配設されると共に、図示しないスナップリング等によって軸心方向の位置が決められている。また、そのドライブギヤ54の外周側には、前記スリーブ66が前記伝達位置に移動させられる前記シンクロ機構60の作動時に、そのスリーブ66の内周歯66aと噛み合わされるための噛合歯54aが形成されている。また、前記ドライブギヤ54における前記シンクロナイザリング68との当接に係る部位には、前記クラッチハブ62に隣接してそのクラッチハブ62に向かうほど小径となる外周テーパ面(外周コーン面)54bが形成されている。
前記シンクロナイザリング68は、前記ドライブギヤ54の外周テーパ面54bに摺接させられる内周テーパ面(内周コーン面)68bと、前記スリーブ66とドライブギヤ54とが相対回転している間すなわちそのスリーブ66とドライブギヤ54とが同期回転するまでの間そのスリーブ66の内周歯66aと係合しつつそのスリーブ66の軸心方向移動を阻止するための外周係合歯68bとを備え、前記クラッチハブ62に所定量以上の相対回転不能すなわち周方向に関して所定角度の相対回転が許容されつつ相対回転不能、且つ軸心方向の相対移動可能に前記ドライブギヤ54の外周側に配設されている。
以上のように構成されたシンクロ機構60において、前記スリーブ66を移動させるためのシフトフォークシャフト72の非駆動時には、前記キー64によりそのスリーブ66が前記クラッチハブ62に対して図2のような相対位置に位置決めされる。斯かる相対位置では、前記ドライブギヤ54は前記後輪用プロペラシャフト18に対して軸心まわりの相対回転可能とされており、そのドライブギヤ54はその後輪用プロペラシャフト18に対して空転させられるため、そのドライブギヤ54を介しての前記前輪用プロペラシャフト28側への動力伝達は行われない(遮断される)。
図3乃至図5は、前記シンクロ機構60のシフトストロークの進行に伴う前記スリーブ66の内周歯66a、前記シンクロナイザリング68の外周係合歯68a、及び前記ドライブギヤ54の噛合歯54aそれぞれの相対位置関係の推移を概念的に示す図である。以下、これら図3乃至図5を用いて、前記シンクロ機構60が前記ドライブギヤ54による動力伝達を行う状態を成立させるために駆動させられる場合を説明する。先ず、前記スリーブ66が中立位置すなわち図2に示す位置から伝達位置への移動が開始されるシフト開始時には、前記キー64がそのスリーブ66の移動に伴って前記シンクロナイザリング68側へ移動させられ、その側面に当接させられる。そして更に、前記キー64がそのシンクロナイザリング68を前記スリーブ66(シフトフォークシャフト72)の移動する方向へ押すことにより、そのシンクロナイザリング68の内周テーパ面68bと前記ドライブギヤ54の外周テーパ面54bとが当接させられる。
続いて、前記シフトフォークシャフト72の駆動により前記スリーブ66が更に前記ドライブギヤ54側へ移動させられると、そのスリーブ66の内周歯66aにおけるシンクロナイザリング68側の端部に形成された傾斜面と、そのシンクロナイザリング68の外周係合歯68aにおけるスリーブ66側の端部に形成された傾斜面とが当接させられ、そのスリーブ66のドライブギヤ54へ向かっての軸心方向の移動が一旦抑止される。図3はこの時点における状態を示しており、このように前記スリーブ66の内周歯66aにおける傾斜面と前記シンクロナイザリング68の外周係合歯68aにおける傾斜面とが当接させられた状態においてそのスリーブ66及びシンクロナイザリング68の回転同期、延いては前記後輪用プロペラシャフト18及びドライブギヤ54の回転同期が行われる。なお、ここで前記キー64の外周側に形成された凸部が前記スリーブ66の内周側に形成された凹部から外れることによりそのキー64によるスリーブ66に対する軸心方向の位置決め作用が解除され、以降、前記キー64及びスリーブ66は軸心方向に関して相対的な移動が可能となる。
上述のようにして前記スリーブ66及びシンクロナイザリング68の回転同期が完了した後、前記シフトフォークシャフト72の駆動により前記スリーブ66が更に前記ドライブギヤ54側へ移動させられることで、そのスリーブ66の内周歯66aが前記シンクロナイザリング68の外周係合歯68aを押し分け、その間に挿入されてゆく。図4はこの時点における状態を示している。この図4に示すように、前記スリーブ66の内周歯66aが前記シンクロナイザリング68の外周係合歯68aの間に挿入される過程においては、その内周歯66aにおける傾斜面と外周係合歯68aにおける傾斜面とが当接させられた状態でその内周歯66aがその外周係合歯68a側へ移動させられることで、その外周係合歯68a(シンクロナイザリング68)には図4の矢印に示すように軸心周りの力が加えられる。この力により、前記外周テーパ面54bと内周テーパ面68bとの間の摩擦力に抗して前記シンクロナイザリング68が前記ドライブギヤ54に対して軸心周りに回転させられ、結果として図5に示すように押し分けられて前記シンクロナイザリング68の外周係合歯68aの間に前記スリーブ66の内周歯66aが挿入される。
図5に示す状態に続いて、前記シフトフォークシャフト72の駆動により前記スリーブ66が更に前記ドライブギヤ54側へ移動させられることで、そのスリーブ66の内周歯66aが前記ドライブギヤ54の噛合歯54aの間に挿入され、それをもって前記シンクロ機構60のシンクロ作動は完了させられる。このように、前記スリーブ66の内周歯66aと前記ドライブギヤ54の噛合歯54aとが噛み合った状態では、前記後輪用プロペラシャフト18に対する前記ドライブギヤ54の軸心まわりの相対回転が阻止され、そのドライブギヤ54はその後輪用プロペラシャフト18と一体的に回転させられるため、そのドライブギヤ54乃至前記チェーン58及びドリブンギヤ56等を介しての前記前輪用プロペラシャフト28側への動力伝達が行われる(接続される)。
図6は、従来の技術による前記駆動力伝達装置10における駆動状態切替制御すなわち2輪駆動状態から4輪駆動状態への切替制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。この制御では、先ず、ステップSP1において、運転席付近に備えられた図示しない駆動状態切替スイッチが押される等して、2輪駆動状態から4輪駆動状態へ切り替える操作が行われたか否かが判断される。このSP1の判断が否定される場合には、SP1の判断が繰り返されることにより待機させられるが、SP1の判断が肯定される場合には、SP2において、前記トランスファ26に備えられた切替用アクチュエータ40が、そのトランスファ26を接続状態に切り替えるために作動させられる。次に、SP3において、前記トランスファシフト検出スイッチ50により前記トランスファ26の接続状態への切替作動におけるシフトストロークの完了が検出されたか否かが判断される。このSP3の判断が否定される場合には、SP3の判断が繰り返されることにより待機させられるが、SP3の判断が肯定される場合には、SP4において、前記噛合クラッチ36に備えられた切替用アクチュエータ42が、その噛合クラッチ36を接続状態に切り替えるために作動させられる。次に、SP5において、前記ADDシフト検出スイッチ52により前記噛合クラッチ36の接続状態への切替作動におけるシフトストロークの完了が検出されたか否かが判断される。このSP5の判断が否定される場合には、SP5の判断が繰り返されることにより待機させられるが、SP5の判断が肯定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられる。
図7は、上述した従来の技術による前記駆動力伝達装置10における駆動状態切替制御すなわち2輪駆動状態から4輪駆動状態への切替制御について説明するタイムチャートである。この図7に示す制御では、運転席付近に備えられた図示しない駆動状態切替スイッチが押される等して、2輪駆動状態から4輪駆動状態へ切り替える操作が行われた後、先ず、時点t1において、前記スリーブ66の内周歯66aにおける傾斜面と、前記シンクロナイザリング68の外周係合歯68aにおける傾斜面とが当接させられ(図3を参照)、そのスリーブ66のドライブギヤ54へ向かっての軸心方向の移動が一旦抑止された後、前記スリーブ66及びシンクロナイザリング68の回転同期、延いては前記後輪用プロペラシャフト18及びドライブギヤ54の回転同期が行われる。図7では、前記後輪用プロペラシャフト18の回転速度を実線で、前記前輪用プロペラシャフト28の回転速度を破線でそれぞれ示しており、時点t1からのシフトストロークにより回転同期が果たされた後は、それら後輪用プロペラシャフト18及び前輪用プロペラシャフト28の回転速度は等しいものとなる。次に、時点t2までの間において、前記スリーブ66の内周歯66aが前記シンクロナイザリング68の外周係合歯68aを押し分け、その間に挿入される作動が行われる(図4を参照)。この工程において、シフトストロークは押し分け完了に向けて漸増させられ、時点t2においてその押し分け作動が完了させられる(図5を参照)。そして、その押し分け作動の完了後に、時点t3において、前記トランスファ26のシフトフォークシャフト上に配置された前記トランスファシフト検出スイッチ50によりそのトランスファ26の接続状態への切替作動におけるシフトストロークの完了が検出される。
以上に説明したように、従来の技術による前記駆動力伝達装置10における駆動状態切替制御すなわち2輪駆動状態から4輪駆動状態への切替制御では、前記トランスファ26の接続状態への切替作動におけるシフトストロークの完了が検出された後、初めて前記噛合クラッチ36の接続状態への切替作動が開始される。換言すれば、前記トランスファ26の接続状態への切替作動におけるシフトストロークの完了が検出されるまでは、前記噛合クラッチ36の接続状態への切替作動は開始されない。このため、前記トランスファ26における同期完了後、前記シンクロナイザリング68を押し分けるための推力が足りない場合にはシフトストロークが完了せず、前記トランスファシフト検出スイッチ50によりシフトストロークの完了が検出されないため、切替制御が次のシーケンスへ移行されない。以下、斯かる弊害の発生を抑えて好適な切り替えを実現するための本実施例の制御について詳述する。
図8は、前記電子制御装置38に備えられた制御機能の要部について説明する図である。この図8に示すトランスファ断続切替制御手段80は、前記トランスファ26における動力伝達の遮断乃至接続の切替制御を実行する。具体的には、前記切替用アクチュエータ40を介して前記シンクロ機構60の作動を制御することにより、前記後輪用プロペラシャフト18に対する前記ドライブギヤ54の相対回転の許可乃至阻止することで、その後輪用プロペラシャフト18から前記前輪用プロペラシャフト28への動力伝達の遮断乃至接続を切り替える制御を行う。
SNR同期判定手段82は、前記2輪駆動状態から4輪駆動状態への切り替えすなわち前記シンクロ機構60における前記トランスファ26の動力遮断状態から動力接続状態への切り替えに際して、前記シンクロ機構60の同期を判定する。具体的には、前記スリーブ66及びシンクロナイザリング68の回転同期の完了、延いては前記後輪用プロペラシャフト18及びドライブギヤ54の回転同期の完了を判定する。
上記SNR同期判定手段82は、好適には、予め定められた関係から、前記前輪用プロペラシャフト回転速度センサ46により検出される前記前輪用プロペラシャフト28の回転速度に基づいて、前記シンクロ機構60の同期を判定する。すなわち、前記車輪速センサ44により検出される車速に対応する前記後輪用プロペラシャフト18の回転速度NRrと前記前輪用プロペラシャフト回転速度センサ46により検出される前記前輪用プロペラシャフト28の回転速度NFrとを比較し、その差ΔN(=|NRr−NFr|)が予め定められた所定値N以下となった場合に、前記シンクロ機構60の同期を判定する。この所定値Nは、例えば零から誤差の範囲内の値である。また、前記後輪用プロペラシャフト18の回転速度NRrは、図示しないエンジン回転速度センサにより検出される前記エンジン12の回転速度等から算出するものであっても構わない。
また、前記SNR同期判定手段82は、好適には、予め定められた関係から、前記シンクロ機構60の切替開始からの経過時間に基づいて、そのシンクロ機構60の同期を判定する。すなわち、前記シンクロ機構60による動力遮断状態から動力接続状態への切替動作の開始時点T0(乃至は2輪駆動状態から4輪駆動状態への切替操作が検出された時点)から予め定められた所定時間Tsが経過した時点で前記シンクロ機構60の同期を判定する。この所定時間Tsは、好適には、予め定められた関係から、前記外気温センサ48により検出される外気温に基づいて決定される。図9は、この外気温に応じて所定時間Tsを決定するために用いられる関係の一例を示す図である。この図9に示すように、斯かる所定時間Tsは、前記外気温センサ48により検出される外気温が低いほど長い時間となるように決定される。これは、装置各部における作動油の粘性が温度の低下に伴って高くなるため、前記シンクロ機構60の同期完了までに要する時間が長くなることに対応したものである。また、好適には、図9に示すように、車速に応じてそれぞれ個別の関係が定められたものであってもよい。この図9に示す例では、車速V1>V2であり、車速が高くなるほど上記所定時間Tsが長い時間となるように決定される関係が定められている。
図8に戻って、ADD断続切替制御手段84は、前記噛合クラッチ36における動力伝達の遮断乃至接続の切替制御を実行する。具体的には、前記切替用アクチュエータ42を介して前記前輪用差動装置30と前輪34rとの間の動力伝達の遮断乃至接続を切り替える制御を行う。
また、上記ADD断続切替制御手段84は、前記SNR同期判定手段82により前記シンクロ機構60の同期が判定された場合には、前記前輪用差動装置30と前輪34rとの間の動力伝達を接続させるように前記噛合クラッチ36を切り替える制御を行う。換言すれば、前記2輪駆動状態から4輪駆動状態への切り替えに際して、前記SNR同期判定手段82により前記シンクロ機構60の同期が判定されるまでは前記噛合クラッチ36の接続状態への切替制御を開始せず、そのシンクロ機構60の同期が判定されて初めて前記噛合クラッチ36の接続状態への切替制御を行う。
前記シンクロ機構60の同期が完了した時点で、前記前輪用差動装置30におけるリングギヤの回転は既に立ち上がっているため、アクスル軸上において回転の同期した2つの車軸(インターミディエイティッドシャフト及びドライブシャフト)の継合はシンクロ機構を有しない前記噛合クラッチ36により容易に実現される。また、前記噛合クラッチ36により前輪用差動装置30と前輪34rとの間の動力伝達が接続されると、前記前輪用差動装置30の差動作用が開始されて前輪系の回転が前記前輪用プロペラシャフト28に伝達されるため、同様の原理により前記スリーブ66が前記シンクロナイザリング68を押し分けるために必要な推力を可及的に低減させることができるのである。
図10は、前記電子制御装置38による駆動状態切替制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
先ず、S1において、前記駆動力伝達装置10が2輪駆動状態での走行中であるか否かが判断される。このS1の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、S1の判断が肯定される場合には、S2において、前記車輪速センサ44により検出される車速から前記後輪用プロペラシャフト18の回転速度NRrが算出される。次に、S3において、運転席付近に備えられた図示しない駆動状態切替スイッチが押される等して、2輪駆動状態から4輪駆動状態へ切り替える操作が行われたか否かが判断される。このS3の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、S3の判断が肯定される場合には、前記トランスファ断続切替制御手段80の動作に対応するS4において、前記トランスファ26に備えられた切替用アクチュエータ40により、そのトランスファ26を動力伝達遮断状態から動力伝達接続状態へ切り替える作動が実行される。次に、S5において、前記前輪用プロペラシャフト回転速度センサ46により前記前輪用プロペラシャフト28の回転速度NFrが検出される。次に、前記SNR同期判定手段82の動作に対応するS6において、S2にて算出された前記後輪用プロペラシャフト18の回転速度NRrとS5にて検出された前記前輪用プロペラシャフト28の回転速度NFrとが比較され、その差ΔN(=|NRr−NFr|)が予め定められた所定値N以下であるか否かが判断される。このS6の判断が否定される場合には、そのS6の判断が繰り返されることにより待機させられるが、S6の判断が肯定される場合には、前記ADD断続切替制御手段84の動作に対応するS7において、前記噛合クラッチ36に備えられた切替用アクチュエータ42により、その噛合クラッチ36を動力伝達遮断状態から動力伝達接続状態へ切り替える作動が実行される。次に、S8において、前記ADDシフト検出スイッチ52により前記噛合クラッチ36のシフトストロークの完了が検出されたか否かが判断される。このS8の判断が否定される場合には、そのS8の判断が繰り返されることにより待機させられるが、S8の判断が肯定される場合には、S9において、前記トランスファシフト検出スイッチ50により前記トランスファ26のシフトストロークの完了が検出されたか否かが判断される。このS9の判断が否定される場合には、そのS9の判断が繰り返されることにより待機させられるが、S9の判断が肯定される場合には、S10において、前記駆動力伝達装置10の2輪駆動状態から4輪駆動状態への切替制御が完了したと判断された後、本ルーチンが終了させられる。
図11は、前記電子制御装置38による駆動状態切替制御の他の一例の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。なお、この図11に示す制御において、上述した図10に示す制御と共通するステップについては同一の符号を付してその説明を省略する。
図11に示す制御では、前記S1の判断が肯定される場合、すなわち前記駆動力伝達装置10が2輪駆動状態での走行中であると判断された場合に、S11において、前記車輪速センサ44により車速が検出されると共に前記外気温センサ48により外気温が検出された後、前記S3以下の処理が実行される。また、そのS3の判断が肯定される場合、すなわち運転席付近に備えられた図示しない駆動状態切替スイッチが押される等して、2輪駆動状態から4輪駆動状態へ切り替える操作が行われたと判断される場合には、S12において、予め定められた関係から、S11にて検出された車速及び外気温に基づいて、同期完了までの時間Tsが算出された後、前記S4以下の処理が実行される。また、そのS4の処理に続いて、前記SNR同期判定手段82の動作に対応するS13において、前記シンクロ機構60の切替開始時点T0からS12にて算出された所定時間Tsが経過したか否かが判断される。このS13の判断が否定される場合には、そのS13の判断が繰り返されることにより待機させられるが、S13の判断が肯定される場合には、前記S7以下の処理が実行される。
このように、本実施例によれば、前記2輪駆動状態から4輪駆動状態への切り替えに際して、前記シンクロ機構60の同期を判定するSNR同期判定手段82(S6、S13)と、そのSNR同期判定手段82により前記シンクロ機構60の同期が判定された場合には、前記前輪用差動装置30と前輪34rとの間の動力伝達を接続させるように前記噛合クラッチ36を切り替えるADD断続切替制御手段84(S7)とを、備えたものであることから、前記シンクロ機構60の同期完了後に前記噛合クラッチ36を接続させて、前記前輪34rと前輪用プロペラシャフト28との間の動力伝達を成立させた後にそのシンクロ機構60におけるシンクロナイザリング68を押し分ける作動を行うことで、その作動に要する推力を可及的に小さくすることができ、特別な構成を設けることなく好適な切り替えを行うことができる。すなわち、簡単な構成で好適な駆動状態の切り替えを実現する前後輪駆動車両の駆動状態切替制御装置を提供することができる。
また、前記SNR同期判定手段82は、予め定められた関係から、前記前輪用プロペラシャフト28の回転速度に基づいて前記シンクロ機構60の同期を判定するものであるため、実用的な態様でそのシンクロ機構60の同期を判定することができる。
また、前記SNR同期判定手段82は、予め定められた関係から、前記2輪駆動状態から4輪駆動状態への切替開始からの経過時間に基づいて前記シンクロ機構60の同期を判定するものであるため、実用的な態様でそのシンクロ機構60の同期を判定することができる。
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
例えば、前述の実施例では、単一のシンクロナイザリング68を備えてそのシンクロナイザリング68によりシンクロ作動を行うワーナー型の同期噛合装置であるシンクロ機構60を有するトランスファ26を備えた前後輪駆動車両に本発明が適用された例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、コーン面(テーパ面)を有するアウタシンクロナイザリング及びインナシンクロナイザリングと、それらの間にあってそれらテーパ面とそれぞれ摺接させられるテーパ面を有するミドルリングとで構成される所謂マルチコーンシンクロ機構やコンスタントロード型の同期噛合装置等を有するトランスファを備えた前後輪駆動車両にも本発明は好適に適用されるものである。
また、前述の実施例では、前記切替用アクチュエータ40の駆動により機械的に左右方向へ移動させられるシフトフォークシャフト72によって前記スリーブ66が軸方向へ移動させられる形式のシンクロ機構60に本発明が適用された例を説明したが、油圧アクチュエータなどの駆動手段によって前記スリーブ66を軸方向へ移動させることにより切替制御を行う形式のトランスファにも本発明は好適に適用され得る。
また、前述の実施例では、前置エンジン後輪駆動(FR)を基本とする前後輪駆動車両すなわち前記後輪24を主駆動輪、前記前輪34を副駆動輪とする車両に本発明が適用された例を説明したが、前置エンジン前輪駆動(FF)を基本とする前後輪駆動車両すなわち前記前輪34を主駆動輪、前記後輪24を副駆動輪とする車両にも本発明は好適に適用され得る。
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
12:エンジン(駆動力源)
18:後輪用プロペラシャフト(第1のプロペラシャフト)
24:後輪(副駆動輪)
26:トランスファ(第1の動力断続装置)
28:前輪用プロペラシャフト(第2のプロペラシャフト)
30:前輪用差動装置
34:前輪(主駆動輪)
36:噛合クラッチ(第2の動力断続装置)
60:シンクロ機構
82:SNR同期判定手段
84:ADD断続切替制御手段
18:後輪用プロペラシャフト(第1のプロペラシャフト)
24:後輪(副駆動輪)
26:トランスファ(第1の動力断続装置)
28:前輪用プロペラシャフト(第2のプロペラシャフト)
30:前輪用差動装置
34:前輪(主駆動輪)
36:噛合クラッチ(第2の動力断続装置)
60:シンクロ機構
82:SNR同期判定手段
84:ADD断続切替制御手段
Claims (3)
- 駆動力源と左右一対の主駆動輪との間の動力伝達経路に設けられた第1のプロペラシャフトと、
該第1のプロペラシャフトと第2のプロペラシャフトとの間の動力伝達の遮断乃至接続を選択的に切り替える、シンクロ機構を備えた第1の動力断続装置と、
前記第2のプロペラシャフトに対応して設けられた差動装置と、
該差動装置と左右一対の副駆動輪のうち少なくとも一方の副駆動輪との間の動力伝達の遮断乃至接続を選択的に切り替える第2の動力断続装置と
を、備え、
前記第1の動力断続装置及び第2の動力断続装置を介して、前記主駆動輪のみを駆動輪とする2輪駆動状態と、該主駆動輪及び前記副駆動輪を共に駆動輪とする4輪駆動状態とを切り替える前後輪駆動車両の駆動状態切替制御装置であって、
前記2輪駆動状態から4輪駆動状態への切り替えに際して、前記シンクロ機構の同期を判定する同期判定手段と、
該同期判定手段により前記シンクロ機構の同期が判定された場合には、前記差動装置と副駆動輪との間の動力伝達を接続させるように前記第2の動力断続装置を切り替える切替制御手段と
を、備えたものであることを特徴とする前後輪駆動車両の駆動状態切替制御装置。 - 前記同期判定手段は、予め定められた関係から、前記第2のプロペラシャフトの回転速度に基づいて前記シンクロ機構の同期を判定するものである請求項1に記載の前後輪駆動車両の駆動状態切替制御装置。
- 前記同期判定手段は、予め定められた関係から、前記2輪駆動状態から4輪駆動状態への切替開始からの経過時間に基づいて前記シンクロ機構の同期を判定するものである請求項1に記載の前後輪駆動車両の駆動状態切替制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008170901A JP2010006328A (ja) | 2008-06-30 | 2008-06-30 | 前後輪駆動車両の駆動状態切替制御装置 |
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Family Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015134522A (ja) * | 2014-01-16 | 2015-07-27 | 株式会社ジェイテクト | 四輪駆動車の制御装置及び四輪駆動車の制御方法 |
CN110001808A (zh) * | 2019-04-24 | 2019-07-12 | 北京海风智能科技有限责任公司 | 一种履带式排爆机器人驱动轮切换系统 |
-
2008
- 2008-06-30 JP JP2008170901A patent/JP2010006328A/ja active Pending
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