JP2010004825A - リグノセルロース系バイオマス原料の前処理方法及び装置 - Google Patents

リグノセルロース系バイオマス原料の前処理方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】リグノセルロース系バイオマス原料を高圧下で連続して処理することができる前処理方法及び装置を提供する。
【解決手段】摩砕装置5は、リグノセルロース系バイオマス原料から得られたセルロースを酵素糖化により糖に変換し、得られた糖を発酵させてエタノールを製造するときに、リグノセルロース系バイオマス原料を前処理するため、リグノセルロース系バイオマス原料と水とが高圧で連続供給される密閉通路4の下流側に設置される装置である。間隔tを存して相対向し、一方の砥石10が固定され、他方の砥石11が回転自在に且つ該間隔tを増減する方向に移動可能に配置された一対の砥石10,11と、他方の砥石11を回転するとともに前記方向に移動するように駆動する駆動手段12と、内部の圧力Prを検知する圧力センサ7と、検知された圧力Prと所望の圧力Peとの圧力差分ΔPに応じて間隔tを調節する制御手段13とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エタノール製造に用いられるリグノセルロース系バイオマス原料の前処理方法及び装置に関する。
従来、リグノセルロース系バイオマス原料から得られたセルロースを酵素糖化によりグルコース等の糖に変換し、得られた糖を発酵させることによりエタノールを製造する技術が知られている。
前記セルロースは、繊維状のものが集合して結晶化し、さらに結晶化したものが集合してミクロフィブリルを形成しているため、酵素の作用を受けにくい構造を備えている。また、前記セルロースは、リグニンが強固に結合している上に、前記ミクロフィブリルの周囲でヘミセルロースが細胞壁を形成しており、該リグニン及びヘミセルロースによっても酵素の作用を受けにくくなっている。
そこで、酵素糖化のために前記セルロースに前処理を施し、前記リグニンを解離し、前記ヘミセルロースを低分子化すると共に、セルロースの結晶化度を低減することが必要とされる。前記前処理として、リグノセルロース系バイオマス原料を加圧熱水に接触させた後に、得られたセルロースを主成分とする処理生成物を、ボールミルを用いて水の存在下で機械的に粉砕する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、前記従来の前処理は、高温高圧の水蒸気を用いるので、該水蒸気を得るために大きな熱エネルギーを必要とする。そして、前記熱エネルギーは、熱交換器及び蓄熱装置を設ければ回収することができ、省エネルギーが可能となるが、処理システム全体の大型化が避けられない。
そこで、前記前処理として、一対の砥石を備える摩砕装置を用いて、該摩砕装置の内部を高圧に保持した状態で、水を含んでスラリー状となったリグノセルロース系バイオマス原料を摩砕する方法が考えられる。前記摩砕装置としては、例えば、間隔を存して相対向する一対の砥石の一方を固定し、他方の砥石を回転自在に且つ該間隔を増減する方向に移動可能に配置して構成した摩砕装置を用いることが考えられる。
このような摩砕装置による前処理では、工業的に、リグノセルロース系バイオマス原料を連続して処理することが望まれる。そこで、モーノポンプ等の定量高圧ポンプにより、スラリー状のリグノセルロース系バイオマス原料を前記摩砕装置へ高圧で連続供給するとともに、摩砕物が排出される排出部に可変流量絞りバルブを設け、そのバルブ開度を調節することにより、該摩砕装置の内部を高圧に保持しながら該摩砕装置から摩砕物を連続して排出する方法が考えられる。
しかしながら、前記摩砕装置による前処理において、前記バルブ開度を小さくすると、バルブの内部に、前記スラリー状のリグノセルロース系バイオマス原料が停滞して前記排出部が閉塞することがあり、逆に、前記バルブ開度を大きくすると、前記摩砕装置の内部を高圧に保持することができなくなることがあるという不都合がある。また、前記スラリー状のリグノセルロース系バイオマス原料がバルブの内部に停滞することを防ぐために、該リグノセルロース系バイオマス原料を予め微細に粉砕しておくことが考えられるが、該粉砕のための過剰なエネルギーを必要とするという不都合がある。
特開2006−136263号公報
本発明は、エタノールを製造するためにリグノセルロース系バイオマス原料を前処理する技術において、かかる不都合を解消し、該リグノセルロース系バイオマス原料を高圧下で連続して処理することができる前処理方法及び装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明の前処理方法は、リグノセルロース系バイオマス原料から得られたセルロースを酵素糖化により糖に変換し、得られた糖を発酵させてエタノールを製造するために、該リグノセルロース系バイオマス原料を前処理する方法であって、前記リグノセルロース系バイオマス原料と水とが高圧で連続供給される密閉通路の下流側に、間隔を存して相対向する一対の砥石の一方を固定し、他方の砥石を回転自在に且つ該間隔を増減する方向に移動可能に配置して構成した摩砕装置を設置し、前記密閉通路から前記リグノセルロース系バイオマス原料と水とを前記一対の砥石の間に供給し、前記他方の砥石を回転することにより該リグノセルロース系バイオマス原料を摩砕するとともに、前記摩砕装置の内部が所望の圧力に保持されるように前記間隔を調節することを特徴とする。
本発明の前処理方法では、まず、前記密閉通路から、リグノセルロース系バイオマス原料が所定量の水とともに、間隔を存して相対向する前記一対の砥石の間に高圧で連続供給される。そして、一方の砥石を固定した状態で、他方の砥石を回転させる。
このようにすると、リグノセルロース系バイオマス原料と水とが、一対の砥石の間を通過する際に該砥石により摩砕されると同時に、摩砕により発生するジュール熱で加熱される。この加熱に伴って、まず、前記リグノセルロース系バイオマスを構成するリグニンが軟化される。リグニンは、摩砕のみによってもある程度解離されるが、前記加熱により軟化されたリグニンが摩砕を受けることにより、容易に解離されることとなる。
また、前記加熱に伴って、前記リグノセルロース系バイオマス原料とともに供給された水と、該リグノセルロース系バイオマス原料に含有されている水とが沸騰せしめられ、相変化を起こす。この相変化に伴って、前記リグノセルロース系バイオマス原料が膨張せしめられるとともに、前記摩砕装置の内部に水蒸気が充満して該内部の圧力が上昇せしめられる。
前記リグノセルロース系バイオマス原料は、前記のように膨張せしめられた状態で、前記摩砕に供されることにより、容易に摩砕され、リグノセルロース系バイオマス原料を構成するヘミセルロースが除去されると共に、得られたセルロースの結晶化度が低減されることとなる。そして、得られた前記リグノセルロース系バイオマス原料の摩砕物は、前記一対の砥石の間を通過して、前記摩砕装置の内部の高圧状態から解放され、外部へ排出されることとなる。
このとき、前記他方の砥石を、回転させるとともに前記間隔を増大させる方向に移動させることにより、前記一対の砥石の間を通過して前記摩砕装置の外部に排出される前記摩砕物と前記水蒸気との排出量が増大し、該摩砕装置の内部の圧力を低下させることができる。逆に、前記他方の砥石を、回転させるとともに前記間隔を減少させる方向に移動させることにより、前記一対の砥石の間を通過して前記摩砕装置の外部に排出される前記摩砕物と前記水蒸気との排出量が減少し、前記摩砕装置の内部の圧力を上昇させることができる。このようにして、前記他方の砥石を、回転させるとともに前記間隔を増減させる方向に移動させることにより、前記摩砕装置の内部を所望の圧力に保持した状態で、前記摩砕を連続して行うことができる。
したがって、本発明の前処理方法によれば、リグノセルロース系バイオマス原料を高圧下で連続して処理することができる。
また、本発明の摩砕装置は、リグノセルロース系バイオマス原料から得られたセルロースを酵素糖化により糖に変換し、得られた糖を発酵させてエタノールを製造するときに、該リグノセルロース系バイオマス原料を前処理するため、前記リグノセルロース系バイオマス原料と水とが高圧で連続供給される密閉通路の下流側に設置される装置であって、間隔を存して相対向する一対の砥石であって、一方が固定され、他方が回転自在に且つ該間隔を増減する方向に移動可能に配置された一対の砥石と、前記他方の砥石を回転するとともに前記方向に移動するように駆動する駆動手段とを備えることを特徴とする。この摩砕装置によれば、本発明の前処理方法を好適に実施することができる。
また、本発明の摩砕装置は、内部の圧力を検知する圧力センサと、該圧力センサにより検知された圧力と所望の圧力との差分に応じて前記間隔を調節するように前記駆動手段を制御する制御手段とを備えることが好ましい。好ましい形態によれば、前記圧力センサにより検知された圧力と所望の圧力との差分に応じて前記間隔を調節することにより、所望の圧力に確実に保持することができる。
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は実施形態の前処理方法を実施するシステムの構成を示す説明的断面図である。図2は実施形態におけるコントローラの構成を示すブロック図である。図3は押付け荷重を算出する際に用いられるデータテーブルを圧力と荷重の関係を示すグラフで表した図であり、図3(a)は砥石設定値をパラメータとするデータテーブルの例を示すグラフ、図3(b)は摩砕回転数設定値をパラメータとする例を示すグラフである。図4はコントローラの作動を示すフローチャートである。
図1に示す前処理システム1は、例えば、稲わら等のリグノセルロース系バイオマス原料から得られたセルロースを酵素糖化により糖に変換し、得られた糖を発酵させてエタノールを製造するときに、リグノセルロース系バイオマス原料の前処理を行うものである。
前処理システム1は、リグノセルロース系バイオマス原料と水とを混合するミキサー2と、ミキサー2により混合されたリグノセルロース系バイオマス原料と水とを高圧で連続供給するモーノポンプ等の定量ポンプ3と、定量ポンプ3により連続供給されたリグノセルロース系バイオマス原料と水とを流通させる密閉通路4と、密閉通路4の下流側に設置された摩砕装置5とを備える。
密閉通路4は、連続供給されたリグノセルロース系バイオマス原料と水とを加熱する加熱ユニット6を備える。加熱ユニット6としては、例えば、密閉通路4の周壁部を加熱する電気ヒータ、密閉通路4の内部に水蒸気を供給するクッカー等が挙げられる。密閉通路4の内部であって加熱ユニット6の下流側には、摩砕装置5の内部に通じる密閉通路4内の圧力を検知する圧力センサ7と、加熱ユニット6による加熱温度を制御するために密閉通路4内の温度を検知する温度センサ8とが設けられている。
摩砕装置5は、密閉通路4の下流側に接続された円筒状の耐圧容器9内において、密閉通路4から供給された前記リグノセルロース系バイオマス原料と水とを摩砕する一対の砥石10,11と、砥石11を駆動する駆動手段としての駆動機構12と、駆動機構12を制御する制御手段としてのコントローラ13とを備える。摩砕装置5の内部の圧力は、圧力センサ7によって検知される。
耐圧容器9は、密閉通路4から供給されたリグノセルロース系バイオマス原料と水とが供給される供給口9aを上部に備え、一対の砥石10,11により摩砕された摩砕物を排出する排出口9bを底部に備える。
一対の砥石10,11は、円環状の上側の砥石10と円盤状の下側の砥石11とが相対向して配置されている。上側の砥石10は下面に摩砕面10aを備え、下側の砥石11は上面に摩砕面11aを備える。各摩砕面10a,11aは、所定の間隔(クリアランス)t(例えば60〜140μm)を存して相対向しており、面上に粒度の粗さ番#80の砥粒(図示せず)を備える。一対の砥石10,11は、砥石10,11の質量、摩砕面10a,11aの砥粒の粒度等により決定される砥石設定値Sで識別される。
上側の砥石10は、内周部10bが耐圧容器9の供給口9aの真下に位置するように配置され、耐圧容器9に固定されている。一方、下側の砥石11は、駆動機構12に連結された支軸11bによって支持され、回転自在且つ前記間隔tを増減する方向に移動可能に構成されている。支軸11bは、略円錐形状の上端部11cが、砥石11の上面から上方に突出するとともに砥石10の内周部10bの内方に収容されている。
駆動機構12は、砥石11を回転させるモータ(図示省略)と、砥石11を昇降させて砥石11に押付け荷重F(例えば9.8kN以下)を付与するボールスプライン機構(図示省略)とを備え、コントローラ13により制御される。
コントローラ13は、ユーザにより予め設定された摩砕装置5の圧力設定値Peと圧力センサ7により検知された摩砕装置5の圧力実測値Prとが入力され、前記圧力設定値Peと前記圧力実測値Prとの圧力差分に応じて駆動機構12の作動を制御するものである。
図2に示すように、コントローラ13は、ユーザにより予め設定された、砥石10,11が備える砥石設定値Sと砥石11の摩砕回転数設定値Nと摩砕装置5の内部の圧力設定値Peとを格納し、これらの設定値S,N,Peを基に、砥石11に付与する押付け荷重Fを算出する処理部21と、前記圧力設定値Peと前記圧力実測値Prとの圧力差分ΔP(=Pe−Pr)を算出する減算器22と、圧力差分ΔPに対応する荷重差分ΔFに変換する圧力−荷重変換器23と、前記押付け荷重Fを荷重差分ΔFだけ補正して補正荷重f(=F−ΔF)を算出し、この補正荷重fに基づく信号を駆動機構12に出力する補正荷重算出部24とで構成される。
処理部21は、砥石設定値Sと摩砕回転数設定値Nと圧力設定値Peとから押付け荷重Fを算出する図示しないデータテーブルを備える。前記データテーブルは、例えば、図3(a)に示すように、摩砕回転数設定値Nを一定とするとともに砥石設定値Sをパラメータとして、圧力設定値Prに対応する押付け荷重Fを算出するものであってもよく、また、図3(b)に示すように、砥石設定値Sを一定とするとともに摩砕回転数Nをパラメータとして、圧力設定値Prに対応する押付け荷重Fを算出するものであってもよい。さらに、図3(a),(b)の各データテーブルを組み合わせて押付け荷重Fを算出するものであってもよい。
コントローラ13の動作を、図4に示すフローチャートにより説明する。まず、処理部21により、ユーザにより設定された砥石設定値Sと摩砕回転数設定値Nと圧力設定値Peとが処理部21に格納されているか否かを判定し(ステップ(以下STと記載する)1)、格納されている場合にはST2に進み、格納されていない場合には格納があるまで待機する。
次に、処理部21により、砥石設定値Sと摩砕回転数設定値Nと圧力設定値Peとに基づいて、押付け荷重Fを算出する(ST2)。
次に、圧力センサ7により検知された圧力実測値Prを検知し(ST3)、減算器22により、圧力設定値Peと圧力実測値Prとの圧力差分ΔPを算出する(ST4)。
次に、圧力−荷重変換器23により、前記圧力差分ΔPに対応する荷重差分ΔFを生成する(ST5)。
次に、補正後荷重算出部24により、前記押付け荷重Fと前記荷重差分ΔFとの差分から補正荷重fを算出し(ST6)、前記補正荷重fに基づいて制御信号を駆動機構12に出力して駆動機構12を制御する(ST7)。
次に、実施形態の前処理方法について説明する。摩砕装置5では、まず、リグノセルロース系バイオマス原料として予め粉砕され1.0mmの平均粒度を備える稲わらと所定量の水とをミキサー2により混合し、含水率が80%である稲わらと水とからなる混合原料を得る。次に、得られた混合原料を定量ポンプ3により密閉通路4に高圧で連続供給し、密閉通路4を通過する混合原料を加熱ユニット6により加熱して、密閉通路4の内部の温度が180℃且つ圧力が1MPaとなるように調整する。加熱された混合原料は、耐圧容器9の供給口9aから落下し、支軸11bの上端部11cの円錐斜面に沿って砥石10,11の各摩砕面10a,11aの間に案内される。
次に、コントローラ13により、前述のように、砥石設定値S及び摩砕回転数設定値Nを基に押付け荷重Fを算出し、この押付け荷重Fを砥石11に加える信号を駆動機構12に送る。これにより、駆動機構12は、前記押付け荷重Fを砥石11に付与する。そして、駆動機構12は、砥石11に押付け荷重Fを付与した状態で、摩擦回転数設定値Nで砥石11を回転させる。砥石11の回転に伴い、一対の砥石10,11の各摩砕面10a,11aの間に案内された混合原料が、砥石10,11により摩砕されると同時に、該摩砕により発生するジュール熱により加熱される。
この加熱に伴って、まず、稲わらを構成するリグニンが軟化され、解離される。また、前記加熱に伴って、稲わらとともに供給された水と、稲わらに含有されている水とが、沸騰せしめられて相変化を起こす。そして、この相変化に伴って、稲わらが膨張せしめられるとともに、摩砕装置5の内部に水蒸気が充満して該内部の圧力が上昇せしめられる。
稲わらは、前記のように膨張せしめられた状態で、前記摩砕に供されることにより、容易に摩砕され、稲わらを構成するヘミセルロースが除去されると共に、得られたセルロースの結晶化度が低減されることとなる。そして、得られた稲わらの摩砕物は、砥石10,11の間を通過して砥石10,11の周縁部から排出され、このとき摩砕装置5の内部の高圧状態から解放されることとなる。そして、砥石10,11の周縁部から排出された稲わらの摩砕物は、耐圧容器9の排出口9bから外部へ排出される。
このとき、前述したように、前記摩砕装置5の内部に充満する水蒸気により、内部の圧力が上昇する。前記圧力上昇に伴って砥石11が下降すると、摩砕面10a,11aの間隔tが増大し、砥石10,11の間から排出される稲わらの摩砕物及び水蒸気の排出量が増大し、内部の圧力が低下する。したがって、このままでは、摩砕装置5の内部を所望の圧力(圧力設定値Pe)に保持した状態で前記摩砕を連続して行うことができない。
しかしながら、摩砕装置5は、コントローラ13により、圧力センサ7により検知された圧力実測値Prを検知し、前記圧力実測値Prとユーザにより設定された圧力設定値Peとから荷重差分ΔFを求めて補正荷重fを算出し、駆動機構12を制御するように構成されている。
コントローラ13により算出される補正荷重fは、圧力実測値Prが圧力設定値Peよりも大きい場合には、補正前の押付け荷重Fよりも大きい値となる。このとき、駆動機構12の制御により、砥石11が下降され、摩砕面10a,11aの間隔tが増大せしめられることにより、砥石10,11の間から排出される稲わらの摩砕物及び水蒸気の排出量を増大させ、摩砕装置5の内部の圧力を低下させることができる。
一方、圧力実測値Prが圧力設定値Peよりも小さい場合には、補正荷重fは補正前の押付け荷重Fよりも小さい値となる。このとき、駆動機構12の制御により、砥石11が上昇され、摩砕面10a,11aの間隔tが減少せしめられることにより、砥石10,11の間から排出される稲わらの摩砕物及び水蒸気の排出量を減少させ、摩砕装置5の内部の圧力を上昇させることができる。このようにすることにより、摩砕装置5の内部を所望の圧力(圧力設定値Pe)に保持した状態で、前記摩砕を連続して行うことができる。
したがって、本実施形態の方法によれば、稲わらを高圧下で連続して処理することができる。
また、摩砕装置5は、内部の圧力を検知する圧力センサ7と、圧力センサ7により検知された圧力実測値Prと所望の圧力(圧力設定値Pe)との圧力差分ΔPに応じて、砥石11を昇降させて間隔tを調節する駆動機構12とを備えているので、所望の圧力(圧力設定値Pe)に確実に保持することができる。
また、稲わらの摩砕物は、砥石10,11の間を通過して砥石10,11の周縁部から排出されて摩砕装置5の内部の高圧状態から解放されるときに、耐圧容器9の内壁面に高速で衝突することとなるので、更なる粉砕効果を得ることができる。
実施形態の前処理方法を実施するシステムの構成を示す説明的断面図。 実施形態におけるコントローラの構成を示すブロック図。 押付け荷重を算出する際に用いられるデータテーブルを圧力と荷重の関係を示すグラフで表した図。 コントローラの作動を示すフローチャート。
符号の説明
4…密閉通路、 5…摩砕装置、 10…一方の砥石、 11…他方の砥石、 12…駆動手段、 13…制御手段、 7…圧力センサ、 Pe…所望の圧力、 Pr…検知された圧力、 ΔP…圧力差分。

Claims (3)

  1. リグノセルロース系バイオマス原料から得られたセルロースを酵素糖化により糖に変換し、得られた糖を発酵させてエタノールを製造するために、該リグノセルロース系バイオマス原料を前処理する方法であって、
    前記リグノセルロース系バイオマス原料と水とが高圧で連続供給される密閉通路の下流側に、間隔を存して相対向する一対の砥石の一方を固定し、他方の砥石を回転自在に且つ該間隔を増減する方向に移動可能に配置して構成した摩砕装置を設置し、
    前記密閉通路から前記リグノセルロース系バイオマス原料と水とを前記一対の砥石の間に供給し、前記他方の砥石を回転することにより該リグノセルロース系バイオマス原料を摩砕するとともに、前記摩砕装置の内部が所望の圧力に保持されるように前記間隔を調節することを特徴とする前処理方法。
  2. リグノセルロース系バイオマス原料から得られたセルロースを酵素糖化により糖に変換し、得られた糖を発酵させてエタノールを製造するときに、該リグノセルロース系バイオマス原料を前処理するため、前記リグノセルロース系バイオマス原料と水とが高圧で連続供給される密閉通路の下流側に設置される装置であって、
    間隔を存して相対向する一対の砥石であって、一方が固定され、他方が回転自在に且つ該間隔を増減する方向に移動可能に配置された一対の砥石と、
    前記他方の砥石を回転するとともに前記方向に移動するように駆動する駆動手段と
    を備えることを特徴とする摩砕装置。
  3. 内部の圧力を検知する圧力センサと、
    該圧力センサにより検知された圧力と所望の圧力との差分に応じて前記間隔を調節するように前記駆動手段を制御する制御手段とを備える請求項2記載の摩砕装置。
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