JP2010004605A - 直流電動機の制御装置 - Google Patents
直流電動機の制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010004605A JP2010004605A JP2008159023A JP2008159023A JP2010004605A JP 2010004605 A JP2010004605 A JP 2010004605A JP 2008159023 A JP2008159023 A JP 2008159023A JP 2008159023 A JP2008159023 A JP 2008159023A JP 2010004605 A JP2010004605 A JP 2010004605A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- current
- armature
- command signal
- field
- motor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Control Of Direct Current Motors (AREA)
Abstract
【課題】直流電動機の電機子電流と界磁電流とを別々に制御することができ、しかも電機子巻線と界磁巻線の発熱を均一化することができる制御装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る制御装置1は、制御すべき直流電動機Mの実際の回転数が、外部から入力された速度指令信号Svに応じた回転数となるような電機子電流指令信号Siaが決定され、当該信号に基づいて電機子電流Iaの電流量がフィードバック制御されるとともに、所定の関係に基づいて速度検出信号Svdに対応した仮界磁電流指令信号Sifが決定された後に、当該信号と電機子電流指令信号Siaとが比較され、2つの信号のうち、指令する電流量が少ない方の信号が界磁電流指令信号Siafとされ、当該信号に基づいて界磁電流Ifの電流量がフィードバック制御される。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係る制御装置1は、制御すべき直流電動機Mの実際の回転数が、外部から入力された速度指令信号Svに応じた回転数となるような電機子電流指令信号Siaが決定され、当該信号に基づいて電機子電流Iaの電流量がフィードバック制御されるとともに、所定の関係に基づいて速度検出信号Svdに対応した仮界磁電流指令信号Sifが決定された後に、当該信号と電機子電流指令信号Siaとが比較され、2つの信号のうち、指令する電流量が少ない方の信号が界磁電流指令信号Siafとされ、当該信号に基づいて界磁電流Ifの電流量がフィードバック制御される。
【選択図】図1
Description
本発明は、直流電動機の制御装置に関し、特に、比較的大きなトルクが要求される分野で使用される直流電動機の電機子電流と界磁電流とを別々に制御することができる制御装置に関する。
従来から、複数の車両を同時に牽引するために比較的大きなトルクが要求されるバッテリ機関車のような分野では、特性上の理由から直流直巻電動機が使用されている。また、近年では、この直流直巻電動機の界磁巻線を分巻化し、電機子電流と界磁電流を別々に制御することにより、直巻と分巻の両方の利点を併せもたせた直流電動機も使用されている(例えば、特許文献1参照)。
一般に、ヒステリシスを無視して簡略化した界磁巻線の磁束密度Bは、
[数1]
B=k・If
で表される。また、直流電動機のトルクF、誘起電圧VM、出力PMは、それぞれ以下の式で表すことができる。
[数2]
F∝B・Ia
∝k・If・Ia ・・・(1)
VM=m・B・v
=m・k・If・v ・・・(2)
PM=VM・Ia
=m・k・If・Ia・v ・・・(3)
上記各式において、Iaは電機子電流、Ifは界磁電流、vはこの直流電動機に駆動されて走行する車両の速度(本明細書では、直流電動機の「回転数」と同義)である。また、k、mは任意の係数である。
[数1]
B=k・If
で表される。また、直流電動機のトルクF、誘起電圧VM、出力PMは、それぞれ以下の式で表すことができる。
[数2]
F∝B・Ia
∝k・If・Ia ・・・(1)
VM=m・B・v
=m・k・If・v ・・・(2)
PM=VM・Ia
=m・k・If・Ia・v ・・・(3)
上記各式において、Iaは電機子電流、Ifは界磁電流、vはこの直流電動機に駆動されて走行する車両の速度(本明細書では、直流電動機の「回転数」と同義)である。また、k、mは任意の係数である。
図5は、電機子電流Ia、界磁電流If、及び上記各式で表される直流電動機の諸特性を示すグラフである。このうち、図5(A)は、従来から使用されている直流直巻電動機のグラフで、図5(B)は、直巻と分巻の両方の利点を併せもたせた直流電動機のグラフである。図5(A)に示すように、直流直巻電動機では電機子巻線と界磁巻線が直列に接続されているので、電機子電流Iaと界磁電流Ifは全く同一である。
図5(A)を参照して、速度v0以下の低速領域では、電機子電流Iaは整流限界(最大電流)の範囲内で制御され、界磁電流Ifは所定の関係(例えば、速度vと界磁電流Ifとが一対一に関係付けられたテーブル)に基づいて最大電流で一定に保たれる。したがって、電機子電流Iaを一定に保った場合、トルクFは速度vによらず一定に保たれる(定トルク制御)。また、このとき、誘起電圧VM及び出力PMは速度vの増加とともに上昇する。そして、誘起電圧VMが定格電圧に達する速度v0以上の高速領域においては、誘起電圧VMを定格電圧以下に抑えるために、速度vが増加するにつれて界磁電流Ifが減少させられる(弱め界磁制御)。界磁電流Ifが減少すると電機子電流Iaも一緒に減少するので、結局、高速領域では、速度vの増加とともにトルクFが極端に減少していくことになる。
一方、図5(B)では、電機子電流Iaと界磁電流Ifとが別々に制御され得るようになっているので、界磁電流Ifが減少しても、それとは無関係に電機子電流Iaを整流限界の範囲内で制御することができる。したがって、界磁巻線を分巻化した直流電動機によれば、速度v0以下の低速領域においては直流直巻電動機と同等の高いトルクを発生させることができ、さらに速度v0以上の高速領域においても比較的高いトルクを維持することができる。
例えば、図5(A)に示すように、通常の直流直巻電動機は、速度v1においてトルクF1よりも大きなトルクを発生することはできない。これに対して、界磁巻線を分巻化した直流電動機は、図5(B)に示すように、速度v1においてトルクF2(F2>F1)のトルクを発生することができる。
特開平10−136678号公報
しかしながら、界磁巻線を分巻化した直流電動機では、低速領域において常に最大電流に等しい界磁電流Ifが界磁巻線に流れるのに対し、電機子電流Iaは整流限界を超えない範囲で制御される。したがって、相対的に界磁電流Ifが大きくなる場合が多く、界磁巻線の発熱が電機子巻線の発熱よりも大きくなる傾向がある。一方、高速領域において、界磁電流Ifは、速度vが増加するにつれて減少していくが、電機子電流Iaは、低速領域と同様に整流限界を超えない範囲でフィードバック制御される。したがって、相対的に電機子電流Iaが大きくなる場合があり、電機子巻線の発熱が界磁巻線の発熱よりも大きくなるおそれがある。
発熱が大きくなると、巻線が劣化しやすくなる。この点、図5(B)に示す制御では、バッテリ機関車のように低速領域で運用されることが多い場合に、界磁巻線に発熱が集中することになる。そして、安全のために、界磁巻線の点検及び交換を頻繁に行う必要があり、手間がかかるとともに、運用コストの増加が問題となっていた。
そこで、本発明は、電機子電流と界磁電流とを別々に制御することができ、しかも電機子巻線と界磁巻線の発熱を均一化することができる、直流電動機の制御装置を提供することを課題とする。
本願発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、界磁電流量を指令する界磁電流指令信号を決定する前に、予め所定の関係に基づいて仮の界磁電流指令信号(以下、「仮界磁電流指令信号」)を決定しておき、その信号と電機子電流量を指令する電機子電流指令信号とを比較していずれか一方の信号を界磁電流指令信号とすれば電機子巻線と界磁巻線の発熱を均一化することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明に係る制御装置は、電機子巻線に流れる電機子電流と、界磁巻線に流れる界磁電流とが別々に制御され得るようになっている直流電動機の制御装置であって、制御すべき直流電動機の回転数が、外部から入力された速度指令信号に応じた回転数となるような電機子電流指令信号が決定され、該電機子電流指令信号に基づいて前記電機子電流の電流量がフィードバック制御されるとともに、所定の関係に基づいて前記直流電動機の実際の回転数に対応した仮界磁電流指令信号が決定された後に、該仮界磁電流指令信号と前記電機子電流指令信号とが比較され、2つの信号のうち、指令する電流量が少ない方の信号が界磁電流指令信号とされ、該界磁電流指令信号に基づいて前記界磁電流の電流量がフィードバック制御される。
好ましくは、前記電機子電流指令信号は、制御すべき直流電動機の回転トルク方向に応じて正負が切替わり、前記仮界磁電流指令信号と前記電機子電流指令信号との比較は、前記電機子電流指令信号を絶対値化した後に行われる。
また、前記所定の関係は、前記直流電動機の実際の回転数と前記仮界磁電流指令信号とが一対一に関係付けられたテーブルとすることができる。
本発明によれば、電機子電流と界磁電流とを別々に制御することができ、しかも電機子巻線と界磁巻線の発熱を均一化することができる、直流電動機の制御装置を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る制御装置の好ましい実施形態について説明する。
図1に、実施例1に係る制御装置1と、当該装置によって制御される直流電動機Mを示す。直流電動機Mの一端とバッテリEの+端子との間にはスイッチとして機能するトランジスタTr1が接続され、このトランジスタTr1を通って直流電動機Mに向かって流れていく電機子電流Iaは電機子電流検出器DCCTaによって検出される。また、直流電動機Mの他端は、バッテリEの−端子に接続されている。そして、トランジスタTr1がON/OFFを繰り返すことにより、直流電動機M内の電機子巻線LARMを通ってバッテリEの+端子から−端子に流れる電機子電流Iaが制御される。
この他、バッテリEの+端子と−端子の間には、界磁巻線LFLDとスイッチとして機能するトランジスタTr2とが直列に接続されている。そして、トランジスタTr2がONすると、界磁巻線LFLDを通ってバッテリEの+端子から−端子に界磁電流Ifが流れる。この界磁電流Ifは、界磁電流検出器DCCTfによって検出される。
つまり、本実施例に係る制御装置1では、電機子電流Ia及び界磁電流Ifはいずれも通流方向が図1の矢印方向に限定されており、直流電動機Mの一方向の力行トルクのみを制御することができる。
制御装置1は、電機子巻線LARMに流れる電機子電流Iaと、界磁巻線LFLDに流れる界磁電流Ifとを別々に制御することができる。このうち、電機子電流Iaは、電機子電流決定部2、電機子電流制御部3、及び速度検出部4によって制御される。また、界磁電流Ifは、界磁電流仮決定部5、比較部6、及び界磁電流制御部7によって制御される。符号8、9、10は、主にフォトカプラからなり、電位の異なる回路を絶縁しつつ、当該回路間での信号の受渡しを可能にするアイソレーションである。
まず、図1を参照して、電機子電流Iaの制御について説明する。
図示しない運転者がこの制御装置1が備えられた車両のアクセルを操作すると、制御装置1に速度指令信号Svが入力される。また、直流電動機Mに備えられたパルスジェネレータPGは、直流電動機Mの実際の回転数(車両の実際の速度)に応じた時間間隔でパルス信号を出力する。アイソレーション9を介してその信号を受け取った速度検出部4は、パルスの時間間隔に応じた速度検出信号Svdを出力する。そして、電機子電流決定部2には、速度指令信号Svと速度検出信号Svdとの差信号、すなわち目標とする速度と実際の速度との誤差信号が入力される。
図示しない運転者がこの制御装置1が備えられた車両のアクセルを操作すると、制御装置1に速度指令信号Svが入力される。また、直流電動機Mに備えられたパルスジェネレータPGは、直流電動機Mの実際の回転数(車両の実際の速度)に応じた時間間隔でパルス信号を出力する。アイソレーション9を介してその信号を受け取った速度検出部4は、パルスの時間間隔に応じた速度検出信号Svdを出力する。そして、電機子電流決定部2には、速度指令信号Svと速度検出信号Svdとの差信号、すなわち目標とする速度と実際の速度との誤差信号が入力される。
電機子電流決定部2は、当該誤差信号に基づいて電機子巻線LARMに流すべき電機子電流Iaを決定し、後段の電機子電流制御部3及び後述する比較部6に電機子電流指令信号Siaを出力する。なお、電機子電流Iaの決定には種々のフィードバック制御が適用可能であるが、本実施例では、PI制御によって速度誤差が少なくなるような電機子電流Iaが決定される。また、電機子電流Iaは整流限界特性によって制限され、整流限界の範囲内で決定される。
前記のように、電機子巻線LARMに実際に流れている電機子電流Iaは電機子電流検出器DCCTaによって検出され、電機子電流検出器DCCTaはその電流量に応じた電機子電流検出信号Siadを出力する。そして、電機子電流制御部3には、この電機子電流検出信号Siadと電機子電流指令信号Siaとの差信号、すなわち目標とする電機子電流Iaの電流量と実際の電流量との誤差信号が入力される。
電機子電流制御部3は、当該誤差信号を適宜増幅し、誤差が少なくなるようにトランジスタTr1、Tr2のスイッチングを制御する。なお、電機子電流制御部3における制御についても種々のフィードバック制御が適用可能であるが、本実施例では、PI制御によってトランジスタTr1、Tr2のスイッチングが制御される。
以上のように、実施例1に係る制御装置1では、直流電動機Mの速度(回転数)が外部から入力された指令通りの速度になるような電機子電流Iaが決定され、さらに電機子巻線LARMに実際に流れている電機子電流Iaが目標とする電機子電流Iaと一致するようにフィードバック制御が行われる。これにより、直流電動機Mを指令された速度で駆動することができる。
次に、図1を参照して、界磁電流Ifの制御について説明する。
界磁電流仮決定部5には、速度検出部4から出力される速度検出信号Svdが入力される。そして、界磁電流仮決定部5は、所定の関係に基づいて速度検出信号Svdに対応する界磁電流Ifを仮決定し、後段の比較部6に仮界磁電流指令信号Sifを出力する。本実施例における界磁電流仮決定部5は、速度検出信号Svdと仮界磁電流指令信号Sifとが一対一に関係付けられたテーブルであり、入力された一の速度検出信号Svdに対応する一の仮界磁電流指令信号Sifを簡単に決定することができるようになっている。
界磁電流仮決定部5には、速度検出部4から出力される速度検出信号Svdが入力される。そして、界磁電流仮決定部5は、所定の関係に基づいて速度検出信号Svdに対応する界磁電流Ifを仮決定し、後段の比較部6に仮界磁電流指令信号Sifを出力する。本実施例における界磁電流仮決定部5は、速度検出信号Svdと仮界磁電流指令信号Sifとが一対一に関係付けられたテーブルであり、入力された一の速度検出信号Svdに対応する一の仮界磁電流指令信号Sifを簡単に決定することができるようになっている。
比較部6には、この仮界磁電流指令信号Sifと電機子電流決定部2から出力された電機子電流指令信号Siaとが入力される。そして、これらの2つの信号のうち、指令する電流量が少ない方の信号が界磁電流指令信号Siafとして出力される。例えば、電機子電流Iaよりも大きな界磁電流Ifを流すことが仮決定されている場合は(Sif>Sia)、電機子電流指令信号Siaが界磁電流指令信号Siafとして出力される。反対に、仮決定された界磁電流Ifの方が少ない場合は(Sif<Sia)、仮界磁電流指令信号Sifが界磁電流指令信号Siafとしてそのまま出力される。
前記のように、界磁巻線LFLDに実際に流れている界磁電流Ifは界磁電流検出器DCCTfによって検出され、界磁電流検出器DCCTfはその電流量に応じた界磁電流検出信号Sifdを出力する。そして、界磁電流制御部7には、この界磁電流検出信号Sifdと界磁電流指令信号Siafとの差信号、すなわち目標とする界磁電流Ifの電流量と実際の電流量との誤差信号が入力される。
界磁電流制御部7は、当該誤差信号を適宜増幅し、誤差が少なくなるようにトランジスタTr3のスイッチングを制御する。なお、界磁電流制御部7における制御には種々のフィードバック制御が適用可能であるが、本実施例では、PI制御によってトランジスタTr3のスイッチングが制御される。
以上のように、実施例1に係る制御装置1では、直流電動機Mの実施の速度(回転数)に対応する界磁電流Ifが仮決定され、この電流と電機子電流Iaとの大小が比較される。そして、界磁電流Ifは、仮決定された界磁電流Ifと電機子電流Iaのうちの電流量が少ない方に等しくなるようにフィードバック制御される。つまり、本実施例に係る制御装置1では、界磁電流Ifの電流量を電機子電流Iaの電流量によって制限することにより、界磁巻線LFLDに電機子電流Iaを超える界磁電流Ifが流れないようにすることができる。
図2及び図3は、実施例1に係る制御装置で制御された電機子電流Ia、界磁電流If、及び直流電動機Mの諸特性を示すグラフである。
まず、図2(A)を参照して、電機子電流Iaは、全速度範囲において整流限界(最大電流)を超えない範囲でフィードバック制御される。これに対して、界磁電流Ifは、所定のテーブルに基づいて一義的に決定された仮界磁電流指令信号Sif(点線)とフィードバック制御により決定された電機子電流指令信号Siaとのうち、指令する電流量が少ない方の信号に基づいてフィードバック制御される。つまり、速度v1において、電機子電流Iaの電流量がかなり少ない(=Ia1)場合、界磁電流IfはIf1ではなく電機子電流Iaの電流量Ia1に等しくなるようにフィードバック制御される。
まず、図2(A)を参照して、電機子電流Iaは、全速度範囲において整流限界(最大電流)を超えない範囲でフィードバック制御される。これに対して、界磁電流Ifは、所定のテーブルに基づいて一義的に決定された仮界磁電流指令信号Sif(点線)とフィードバック制御により決定された電機子電流指令信号Siaとのうち、指令する電流量が少ない方の信号に基づいてフィードバック制御される。つまり、速度v1において、電機子電流Iaの電流量がかなり少ない(=Ia1)場合、界磁電流IfはIf1ではなく電機子電流Iaの電流量Ia1に等しくなるようにフィードバック制御される。
このことを具体的に示したのが図2(B)に示すグラフである。
速度vが0〜v0の領域において電機子電流Iaが電流量Ia0に制御されると、仮界磁電流指令信号Sifによって指令される電流量と電流量Ia0との比較が行われ、界磁電流Ifは電流量Ia0に等しくなるようにフィードバック制御される。速度v0〜v2の領域についても同様に、界磁電流Ifは電流量Ia1に等しくなるようにフィードバック制御される。
速度vが0〜v0の領域において電機子電流Iaが電流量Ia0に制御されると、仮界磁電流指令信号Sifによって指令される電流量と電流量Ia0との比較が行われ、界磁電流Ifは電流量Ia0に等しくなるようにフィードバック制御される。速度v0〜v2の領域についても同様に、界磁電流Ifは電流量Ia1に等しくなるようにフィードバック制御される。
速度vがv2を超える領域では、電機子電流Iaは最大電流で制御される。この領域では、仮界磁電流指令信号Sifによって指令される電流量の方が少ない。したがって、界磁電流Ifは、電機子電流Iaによって制限されることなく、仮界磁電流指令信号Sifのみに基づいて制御される。
図3は、本実施例に係る制御の他の具体例を示すグラフであって、(A)は電機子電流Iaが全速度領域において最大電流に保たれる場合のグラフである。この場合、仮界磁電流指令信号Sifによって指令される電流量は、電機子電流Iaの電流量と等しいか、または電機子電流Iaの電流量よりも少ない。したがって、界磁電流Ifは、電機子電流Iaによって制限されることなく、仮界磁電流指令信号Sifのみに基づいて制御される。結局、この場合の制御は、図5(B)に示す従来の制御と実質的に同一となる。
一方、図3(B)は、電機子電流Iaの電流量が全速度領域においてかなり少ない場合のグラフである。この場合、電機子電流Iaの電流量は、仮界磁電流指令信号Sifによって指令される電流量を常に下回っている。したがって、界磁電流Ifは電機子電流Iaによって制限され、電流量Ia0に等しくなるようにフィードバック制御される。
以上のように、本発明に係る制御装置によれば、電機子電流と界磁電流とを別々に制御することができるとともに、特に低速領域において界磁巻線と電機子巻線の発熱を均一化することにより、界磁巻線のみに発熱が集中するのを回避することができる。
なお、(1)式より、界磁電流Ifが電機子電流Iaによって制限されると、トルクFが低下し、所望のトルクFが得られないようにも思える。しかしながら、本発明に係る制御装置では、トルクFが不足しそうな場合に、まず電機子電流Iaが増加し、さらに制限されていた界磁電流Ifも電機子電流Iaに合わせて増加する。これにより、電機子巻線LARMと界磁巻線LFLDとが等しく発熱を負担しつつ、所望のトルクFを確保することができる。
なお、(1)式より、界磁電流Ifが電機子電流Iaによって制限されると、トルクFが低下し、所望のトルクFが得られないようにも思える。しかしながら、本発明に係る制御装置では、トルクFが不足しそうな場合に、まず電機子電流Iaが増加し、さらに制限されていた界磁電流Ifも電機子電流Iaに合わせて増加する。これにより、電機子巻線LARMと界磁巻線LFLDとが等しく発熱を負担しつつ、所望のトルクFを確保することができる。
図4に、実施例2に係る制御装置1’と、当該装置によって制御される直流電動機Mを示す。本実施例では、直流電動機M内の電機子巻線LARMに流れる電機子電流Ia(Ia’)が、バッテリEの+端子と−端子の間に備えられたHブリッジを構成する4つのトランジスタTr1〜Tr4によって制御される。すなわち、4つのトランジスタTr1〜Tr4がON/OFFを繰り返すことにより、直流電動機Mの正転力行、正転回生、逆転力行、及び逆転回生の4象限の領域を連続的に制御することができる。電機子電流は、各象限における直流電動機Mの回転トルク方向に対応して、矢印IaまたはIa’の方向に流れる。電機子電流Ia(Ia’)の電流量及び通流方向は、電機子電流検出器DCCTaによって検出される。
また、実施例1と同様に、バッテリEの+端子と−端子の間には、界磁巻線LFLDとトランジスタTr5とが直列に接続されている。そして、トランジスタTr5がONすると、界磁巻線LFLDを通ってバッテリEの+端子から−端子に界磁電流Ifが流れる。この界磁電流Ifは、界磁電流検出器DCCTfによって検出される。
つまり、本実施例に係る制御装置1’では、電機子電流の通流方向は矢印IaとIa’の二方向があるのに対して、界磁電流Ifの通流方向は一方向に限定されており、電機子電流の通流方向を切替えることによって、直流電動機Mの回転トルク方向を切替えることができる。なお、本実施例において、電機子電流は、正転力行制御及び逆転回生制御が行われる場合には矢印Iaの方向に通流し、正転回生制御及び逆転力行制御が行われる場合には矢印Ia’の方向に通流する。
つまり、本実施例に係る制御装置1’では、直流電動機Mの回転トルク方向によっては、電機子電流指令信号Siaと電機子電流検出信号Siadとが負の値となることがある。したがって、電機子電流指令信号Siaと仮界磁電流指令信号Sifとの大小を単純に比較することはできない。
そこで、本実施例に係る制御装置1’は絶対値化部11を備え、電機子電流指令信号Siaは、この絶対値化部11によって絶対値化された後に比較部6に入力される。これにより、電機子電流の通流方向が矢印Ia、Ia’のいずれの方向であっても、実施例1と同様の発熱の均一化の効果を得ることができる。
以上、本発明に係る制御装置の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの構成に限定されるものではない。
例えば、主にトランジスタからなる直流電動機の周辺回路の構成は図1(実施例1)及び図4(実施例2)のものに限定されず、電機子電流と界磁電流が別々にフィードバック制御し得るようになっている他のあらゆる回路構成に変更することができる。
また、各実施例ではフィードバック制御としてPI制御を適用したが、PID制御等の他のフィードバック制御を適用することもできる。
例えば、主にトランジスタからなる直流電動機の周辺回路の構成は図1(実施例1)及び図4(実施例2)のものに限定されず、電機子電流と界磁電流が別々にフィードバック制御し得るようになっている他のあらゆる回路構成に変更することができる。
また、各実施例ではフィードバック制御としてPI制御を適用したが、PID制御等の他のフィードバック制御を適用することもできる。
1 制御装置
2 電機子電流決定部
3 電機子電流制御部
4 速度検出部
5 界磁電流仮決定部
6 比較部
7 界磁電流制御部
8〜10 アイソレーション
E バッテリ
DCCTa 電機子電流検出器
DCCTf 界磁電流検出器
LARM 電機子巻線
LFLD 界磁巻線
M 電動機
PG パルスジェネレータ
2 電機子電流決定部
3 電機子電流制御部
4 速度検出部
5 界磁電流仮決定部
6 比較部
7 界磁電流制御部
8〜10 アイソレーション
E バッテリ
DCCTa 電機子電流検出器
DCCTf 界磁電流検出器
LARM 電機子巻線
LFLD 界磁巻線
M 電動機
PG パルスジェネレータ
Claims (3)
- 電機子巻線に流れる電機子電流と、界磁巻線に流れる界磁電流とが別々に制御され得るようになっている直流電動機の制御装置であって、
制御すべき直流電動機の回転数が、外部から入力された速度指令信号に応じた回転数となるような電機子電流指令信号が決定され、該電機子電流指令信号に基づいて前記電機子電流の電流量がフィードバック制御されるとともに、
所定の関係に基づいて前記直流電動機の実際の回転数に対応した仮界磁電流指令信号が決定された後に、該仮界磁電流指令信号と前記電機子電流指令信号とが比較され、2つの信号のうち、指令する電流量が少ない方の信号が界磁電流指令信号とされ、該界磁電流指令信号に基づいて前記界磁電流の電流量がフィードバック制御されることを特徴とする制御装置。 - 前記電機子電流指令信号は、制御すべき直流電動機の回転トルク方向に応じて正負が切替わり、前記仮界磁電流指令信号と前記電機子電流指令信号との比較は、前記電機子電流指令信号を絶対値化した後に行われることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
- 前記所定の関係は、前記直流電動機の実際の回転数と前記仮界磁電流指令信号とが一対一に関係付けられたテーブルであることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008159023A JP2010004605A (ja) | 2008-06-18 | 2008-06-18 | 直流電動機の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008159023A JP2010004605A (ja) | 2008-06-18 | 2008-06-18 | 直流電動機の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010004605A true JP2010004605A (ja) | 2010-01-07 |
Family
ID=41585841
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008159023A Pending JP2010004605A (ja) | 2008-06-18 | 2008-06-18 | 直流電動機の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010004605A (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS449845Y1 (ja) * | 1966-02-28 | 1969-04-21 | ||
JPS50157819A (ja) * | 1974-06-13 | 1975-12-20 | ||
JP2001238486A (ja) * | 2000-02-28 | 2001-08-31 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | フォークリフト搭載の他励式モータの電流制御方法 |
-
2008
- 2008-06-18 JP JP2008159023A patent/JP2010004605A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS449845Y1 (ja) * | 1966-02-28 | 1969-04-21 | ||
JPS50157819A (ja) * | 1974-06-13 | 1975-12-20 | ||
JP2001238486A (ja) * | 2000-02-28 | 2001-08-31 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | フォークリフト搭載の他励式モータの電流制御方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4965924B2 (ja) | 可変磁束ドライブシステム | |
WO2014091602A1 (ja) | モータ制御装置 | |
US20160141996A1 (en) | Electric motor system for vehicles and method of adjusting coil winding number of electric motor for vehicles | |
JP5077348B2 (ja) | モータ駆動装置、モータ装置、および集積回路装置 | |
US20160241133A1 (en) | Boost control apparatus | |
JP2006246618A (ja) | インバータ装置 | |
JP2016208633A (ja) | モータ駆動装置 | |
JP2008259348A (ja) | モータ制御装置 | |
JP6080996B1 (ja) | 電動機駆動システム | |
WO2013132606A1 (ja) | 車両用発電電動機の電力変換装置および車両用発電電動機の制御方法 | |
JP6216639B2 (ja) | モータ制御装置 | |
WO2018129819A1 (zh) | 一种电子变极的感应电机控制系统及其控制方法 | |
JP4788949B2 (ja) | 誘導電動機の可変速駆動装置 | |
JP2010004605A (ja) | 直流電動機の制御装置 | |
JP6013073B2 (ja) | 電動機駆動装置及びその運転方法 | |
KR101656591B1 (ko) | 전기차용 인버터 장치 | |
JP2007215260A (ja) | 誘導電動機の制御方法 | |
JP2021111986A (ja) | モータ制御装置 | |
JP2015033188A (ja) | 誘導電動機の駆動システム | |
JP2015220944A (ja) | 同期電動機のセンサレス駆動装置 | |
TWI691159B (zh) | 馬達控制裝置 | |
JP2014207765A (ja) | 電動機の駆動制御装置 | |
KR20170038396A (ko) | 전기자동차 구동 제어 장치 | |
JP6539538B2 (ja) | 電気車制御装置 | |
JP2019054621A (ja) | 同期電動機の制御装置及び制御方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100825 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100901 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20101222 |