JP2010003876A - 切削装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】第1の切削手段および第2の切削手段を割り出し送り方向に移動せしめるための割り出し送り手段を同一軸線上に配置することができるとともに、メインテナンスが容易となる割り出し送り手段を備えた切削装置を提供する。
【解決手段】被加工物を保持するチャックテーブルと、チャックテーブルに保持された被加工物に切削加工を施す第1の切削手段および第2の切削手段と、第1の切削手段および第2の切削手段を割り出し送り方向にそれぞれ移動せしめる割り出し送り手段とを具備する切削装置であって、割り出し送り手段は、案内レールに沿って配設された共通の磁気シャフトと、磁気シャフトに移動可能に嵌挿され第1の切削手段の移動基台に装着された第1のコイル可動子と、磁気シャフトに移動可能に嵌挿され該第2の切削手段の移動基台に装着された第2のコイル可動子とからなっている。
【選択図】図2
【解決手段】被加工物を保持するチャックテーブルと、チャックテーブルに保持された被加工物に切削加工を施す第1の切削手段および第2の切削手段と、第1の切削手段および第2の切削手段を割り出し送り方向にそれぞれ移動せしめる割り出し送り手段とを具備する切削装置であって、割り出し送り手段は、案内レールに沿って配設された共通の磁気シャフトと、磁気シャフトに移動可能に嵌挿され第1の切削手段の移動基台に装着された第1のコイル可動子と、磁気シャフトに移動可能に嵌挿され該第2の切削手段の移動基台に装着された第2のコイル可動子とからなっている。
【選択図】図2
Description
本発明は、半導体ウエーハ等の被加工物を切削する切削装置、更に詳しくは第1の切削手段と該第1の切削手段と対向して配設された第2の切削手段とを備えた切削装置に関する。
例えば、半導体デバイス製造工程においては、略円板形状である半導体ウエーハの表面に格子状に形成されたストリートと呼ばれる分割予定ラインによって区画された多数の領域にIC、LSI等のデバイスを形成し、該デバイスが形成された各領域をストリートに沿って分割することにより個々のデバイスを製造している。半導体ウエーハを分割する分割装置としては一般に切削装置が用いられている。この切削装置は、被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物を切削する切削手段と、チャックテーブルを切削送り方向に移動せしめる切削送り手段と、切削手段を切削送り方向と直交する割り出し送り方向に移行せしめる割り出し送り手段を具備している。
近年、切削装置による切削効率を向上させるために、第1の切削手段と該第1の切削手段と対向して配設された第2の切削手段とを備えた切削装置が提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−156809号公報
第1の切削手段と第2の切削手段を備えた切削装置においては、第1の切削手段および第2の切削手段をそれぞれ割り出し送り方向に移動せしめるための第1の割り出し送り手段および第2の割り出し送り手段を備えており、この第1の割り出し送り手段および第2の割り出し送り手段はボールスクリュー機構が用いられている。
しかるに、第1の切削手段および第2の切削手段を互いの切削領域に移動するためには、第1の割り出し送り手段および第2の割り出し送り手段のボールスクリュー機構を同一軸線上に配置することができないため、第1の割り出し送り手段のボールスクリュー機構と第2の割り出し送り手段のボールスクリュー機構は互いに重ならないように平行に配設されるので、構造が比較的複雑になる。また、ボールスクリュー機構は定期的に給油する必要があるとともに、使用により磨耗し位置精度に狂いが生ずるため定期的に交換する必要がある。
しかるに、第1の切削手段および第2の切削手段を互いの切削領域に移動するためには、第1の割り出し送り手段および第2の割り出し送り手段のボールスクリュー機構を同一軸線上に配置することができないため、第1の割り出し送り手段のボールスクリュー機構と第2の割り出し送り手段のボールスクリュー機構は互いに重ならないように平行に配設されるので、構造が比較的複雑になる。また、ボールスクリュー機構は定期的に給油する必要があるとともに、使用により磨耗し位置精度に狂いが生ずるため定期的に交換する必要がある。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術課題は、第1の切削手段および第2の切削手段を割り出し送り方向に移動せしめるための割り出し送り手段を同一軸線上に配置することができるとともに、メインテナンスが容易となる割り出し送り手段を備えた切削装置を提供することにある。
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルを切削送り方向に移動せしめる切削送り手段と、該チャックテーブルに保持された被加工物に切削加工を施す第1の切削手段および第2の切削手段と、該第1の切削手段および第2の切削手段を該切削送り方向と直交する割り出し送り方向にそれぞれ移動せしめる割り出し送り手段と、を具備する切削装置において、
該第1の切削手段および第2の切削手段は、それぞれ移動基台と、該移動基台にそれぞれ配設された切削ブレードを含むスピンドルユニットを備え、該第1の切削手段の移動基台および該第2の切削手段の移動基台が割り出し送り方向に沿って配設された案内レールに移動可能に支持されており、
該割り出し送り手段は、該案内レールに沿って配設された共通の磁気シャフトと、該磁気シャフトに移動可能に嵌挿され該第1の切削手段の移動基台に装着された第1のコイル可動子と、該磁気シャフトに移動可能に嵌挿され該第2の切削手段の移動基台に装着された第2のコイル可動子と、からなっている、
ことを特徴とする切削装置が提供される。
該第1の切削手段および第2の切削手段は、それぞれ移動基台と、該移動基台にそれぞれ配設された切削ブレードを含むスピンドルユニットを備え、該第1の切削手段の移動基台および該第2の切削手段の移動基台が割り出し送り方向に沿って配設された案内レールに移動可能に支持されており、
該割り出し送り手段は、該案内レールに沿って配設された共通の磁気シャフトと、該磁気シャフトに移動可能に嵌挿され該第1の切削手段の移動基台に装着された第1のコイル可動子と、該磁気シャフトに移動可能に嵌挿され該第2の切削手段の移動基台に装着された第2のコイル可動子と、からなっている、
ことを特徴とする切削装置が提供される。
本発明による切削装置によれば、第1の切削手段および第2の切削手段を割り出し送り方向にそれぞれ移動せしめる割り出し送り手段は、案内レールに沿って配設された共通の磁気シャフトと、該磁気シャフトに移動可能に嵌挿され第1の切削手段の移動基台に装着された第1のコイル可動子と、磁気シャフトに移動可能に嵌挿され第2の切削手段の移動基台に装着された第2のコイル可動子とからなっているので、構成が簡単であり、非接触で駆動するため磨耗することがなくメインテナンスが極めて容易となる。
以下、本発明に従って構成された切削装置の好適な実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1には、本発明に従って構成された切削装置の要部斜視図が示されている。
図1に示された切削装置は、基台2を具備している。この基台2上には、被加工物を保持し矢印Xで示す切削送り方向に移動せしめるチャックテーブル機構3が配設されている。
図1に示された切削装置は、基台2を具備している。この基台2上には、被加工物を保持し矢印Xで示す切削送り方向に移動せしめるチャックテーブル機構3が配設されている。
図示の実施形態におけるチャックテーブル機構3は、基台2の上面に配設された第1の案内レール31aと第2の案内レール31bを備えている。この第1の案内レール31aと第2の案内レール31bは、それぞれ一対のレール部材311、311とからなっており、図において矢印Xで示す切削送り方向に沿って互いに平行に延設されている。この第1の案内レール31aと第2の案内レール31b上には、それぞれ第1の支持基台32aと第2の支持基台32bが第1の案内レール31aと第2の案内レール31bに沿って移動可能に配設されている。即ち、第1の支持基台32aと第2の支持基台32bにはそれぞれ被案内溝321、321が設けられており、この被案内溝321、321を第1の案内レール31aと第2の案内レール31bを構成する一対のレール部材311、311に嵌合することにより、第1の支持基台32aと第2の支持基台32bは第1の案内レール31aと第2の案内レール31bに沿って移動可能に構成される。
第1の支持基台32aと第2の支持基台32b上にはそれぞれ第1の円筒部材33aと第2の円筒部材33bが配設され、この第1の円筒部材33aと第2の円筒部材33bの上端にそれぞれ第1のチャックテーブル34aと第2のチャックテーブル34bが回転可能に配設されている。この第1のチャックテーブル34aと第2のチャックテーブル34bは多孔質セラミッックスの如き適宜の多孔性材料から構成されており、図示しない吸引手段に接続されている。従って、第1のチャックテーブル34aと第2のチャックテーブル34bを図示しない吸引手段によって吸引源に選択的に連通することにより、載置面341、341上に載置された被加工物を吸引保持する。また、第1のチャックテーブル34aと第2のチャックテーブル34bは、それぞれ第1の円筒部材33aと第2の円筒部材33b内に配設されたパルスモータ(図示せず)によって適宜回動せしめられるようになっている。なお、第1の円筒部材33aと第2の円筒部材33bの上端部には、それぞれ第1のチャックテーブル34aと第2のチャックテーブル34bを挿通する穴を有しそれぞれ上記第1の支持基台32aと第2の支持基台32bを覆う第1のカバー部材35aと第2のカバー部材35bが配設されている。この第1のカバー部材35aと第2のカバー部材35bの上面には、それぞれ後述する切削ブレードの位置を検出するための第1のブレード検出手段36aと第2のブレード検出手段36bが配設されている。
図1に基づいて説明を続けると、図示の実施形態におけるチャックテーブル機構3は、第1のチャックテーブル34aと第2のチャックテーブル34bをそれぞれ第1の案内レール31aと第2の案内レール31bに沿って図1において矢印Xで示す切削送り方向に移動させるための第1の切削送り手段37aと第2の切削送り手段37bを備えている。第1の切削送り手段37aと第2の切削送り手段37bは、それぞれ第1の案内レール31aと第2の案内レール31bを構成する一対のレール部材311、311の間に平行に配設された雄ネジロッド371と、雄ネジロッド371の一端部を回転可能に支持する軸受372と、雄ネジロッド371の他端に連結され該雄ネジロッド371を正転または逆転駆動するパルスモータ373とからなっている。このように構成された第1の切削送り手段37aと第2の切削送り手段37bは、それぞれ雄ネジロッド371が上記第1の支持基台32aと第2の支持基台32bに形成された雌ネジ322に螺合される。従って、第1の切削送り手段37aと第2の切削送り手段37bは、それぞれパルスモータ373を駆動して雄ネジロッド371を正転または逆転駆動することにより、上記第1の支持基台32aと第2の支持基台32bに配設された第1のチャックテーブル34aと第2のチャックテーブル34bをそれぞれ第1の案内レール31aと第2の案内レール31bに沿って図1において矢印Xで示す切削送り方向に移動することができる。
図示の実施形態における切削装置は、上記第1の案内レール31aと第2の案内レール31bを跨いで配設された門型の支持フレーム4を備えている。この門型の支持フレーム4は、第1の案内レール31aの側方に配設された第1の柱部41と、第2の案内レール31bの側方に配設された第2の柱部42と、第1の柱部41と第2の柱部42の上端を連結し矢印Xで示す切削送り方向と直交する矢印Yで示す割り出し送り方向に沿って配設された支持部43とからなり、中央部には上記第1のチャックテーブル34aと第2のチャックテーブル34bの移動を許容する開口44が設けられている。第1の柱部41と第2の柱部42の上端部はそれぞれ幅広に形成されており、この上端部にはそれぞれ後述する切削手段のスピンドルユニットの移動を許容する開口411と421が設けられている。上記支持部43の一方の面には矢印Yで示す割り出し送り方向(切削送り方向Xと直交する方向)に沿って一対の案内レール431、431が設けられており、他方の面には図3に示すように紙面に垂直な方向(図1において矢印Yで示す割り出し送り方向)に沿って一対の案内レール432、432が設けられている。
図示の実施形態における切削装置は、上記門型の支持フレーム4の支持部43に設けられた一対の案内レール431、431に沿って移動可能に配設された第1のアライメント手段5aと第2のアライメント手段5bを備えている。第1のアライメント手段5aと第2のアライメント手段5bは、それぞれ移動ブロック51と、該移動ブロック51を一対の案内レール431、431に沿って移動するための移動手段52、52と、移動ブロック51に装着された撮像手段53、53とからなっている。移動ブロック51、51にはそれぞれ上記一対の案内レール431、431と嵌合する被案内溝511、511が設けられており、この被案内溝511、511を一対の案内レール431、431に嵌合することにより、移動ブロック51、51は一対の案内レール431、431に沿って移動可能に構成される。
移動手段52、52は、それぞれ一対の案内レール431、431の間に平行に配設された雄ネジロッド521と、雄ネジロッド521の一端部を回転可能に支持する軸受522と、雄ネジロッド521の他端に連結され該雄ネジロッド521を正転または逆転駆動するパルスモータ523とからなっている。このように構成された移動手段52、52は、それぞれ雄ネジロッド521が上記移動ブロック51、51に形成された雌ネジ512に螺合される。従って、移動手段52、52は、それぞれパルスモータ523を駆動して雄ネジロッド521を正転または逆転駆動することにより、移動ブロック51、51を一対の案内レール431、431に沿って図1において矢印Yで示す割り出し送り方向に移動することができる。
上記移動ブロック51、51にそれぞれ装着された撮像手段53、53は、それぞれ撮像素子(CCD)を備えており、撮像した画像信号を図示しない制御手段に送る。
上記門型の支持フレーム4を構成する支持部43の他方の面(上記第1のアライメント手段5aと第2のアライメント手段5bが配設された面と反対側の面)には、第1の切削手段6aと第2の切削手段6bが配設されている。第1の切削手段6aおよび第2の切削手段6bについて、図2および図3を参照して説明する。第1の切削手段6aおよび第2の切削手段6bは、それぞれ割り出し移動基台61および切り込み移動基台62およびスピンドルユニット63を具備している。第1の切削手段6aの割り出し移動基台61および第2の切削手段6bの割り出し移動基台61は、それぞれ一方の面に上記支持部43の他方の面に設けられた一対の案内レール432、432と嵌合する被案内溝611、611が設けられており、この被案内溝611、611を一対の案内レール432、432に嵌合することにより、割り出し移動基台61は一対の案内レール432、432に沿って移動可能に構成される。なお、第1の切削手段6aの割り出し移動基台61および第2の切削手段6bの割り出し移動基台61の一方の面には、それぞれ後述する割り出し送り手段が配設される凹部613が形成されている。また、第1の切削手段6aの割り出し移動基台61および第2の切削手段6bの割り出し移動基台61の他方の面には、それぞれ図3に示すように矢印Zで示す切り込み送り方向(第1のチャックテーブル34aと第2のチャックテーブル34bの載置面341に垂直な方向)に沿って一対の案内レール612、612(図3には一方の案内レールのみが示されている)が設けられている。
上記第1の切削手段6aの切り込み移動基台62および第2の切削手段6bの切り込み移動基台62は、それぞれ上下方向に延びる被支持部621と、該被支持部621の下端から直角に水平に延びる装着部622とからなっている。図3に示すように被支持部621における装着部622側の面には上記割り出し移動基台61の他方の面に設けられた一対の案内レール612、612と嵌合する被案内溝623、623(図3には一方の被案内溝のみが示されている)が設けられており、この被案内溝623、623を一対の案内レール612、612に嵌合することにより、切り込み移動基台62は一対の案内レール612、612に沿って矢印Zで示す切り込み送り方向に移動可能に構成される。このようにして割り出し移動基台61に装着された切り込み移動基台62は、図1に示すように装着部622が門型の支持フレーム4の上記割り出し移動基台61が装着された他方の面側から開口44を通して上記第1のアライメント手段5aと第2のアライメント手段5bが装着された一方の面側に突出して配置される。
上記スピンドルユニット63は、第1の切削手段6aと第2の切削手段6bの切り込み移動基台62を形成する装着部622の下面にそれぞれ装着されている。この第1の切削手段6aのスピンドルユニット63および第2の切削手段6bのスピンドルユニット63は、それぞれ図2および図3に示すようにスピンドルハウジング631と、該スピンドルハウジング631に回転可能に支持された回転スピンドル632と、該回転スピンドル632の一端に装着された切削ブレード633と、切削水を供給する切削水供給管634および回転スピンドル632を回転駆動する図示しないサーボモータを具備しており、回転スピンドル632の軸線方向が矢印Yで示す割り出し送り方向に沿って配設されている。このように第1の切削手段6aの切り込み移動基台62を形成する装着部622および第2の切削手段6bの切り込み移動基台62を形成する装着部622にそれぞれ装着されたスピンドルユニット63は、図2に示すように上記第1のアライメント手段5aと第2のアライメント手段5bと近接して配置されることになる。また、第1の切削手段6aのスピンドルユニット63を構成する切削ブレード633と第2の切削手段6bのスピンドルユニット63を構成する切削ブレード633は、互いに対向して配設されている。
図示の実施形態における第1の切削手段6aと第2の切削手段6bは、図2に示すように上記割り出し移動基台61、61を一対の案内レール432、432に沿って矢印Yで示す割り出し送り方向に移動するための割り出し送り手段64を具備している。割り出し送り手段64は、上記一対の案内レール432、432に沿って配設された共通の磁気シャフト640と、該共通の磁気シャフト640に移動可能に嵌挿され第1の切削手段6aの割り出し移動基台61に装着された第1のコイル可動子644aと、共通の磁気シャフト640に移動可能に嵌挿され第2の切削手段6bの割り出し移動基台61に装着された第2のコイル可動子644bとからなっている。共通の磁気シャフト640は、図4に示すように複数の円柱状の永久磁石641をN極同士、S極同士を接合して軸状に構成し、この軸状に構成された複数の円柱状の永久磁石641をステンレス鋼等の非磁性材からなる円筒状のケース642内に配設して構成されている。このように構成された共通の磁気シャフト640は、その両端部に図2に示すように支持部材643、643が装着されており、この支持部材643、643を介して上記支持フレーム4の支持部43に取付けられる。この共通の磁気シャフト640に移動可能に嵌挿された第1のコイル可動子644aおよび第2のコイル可動子644bは、それぞれ第1の切削手段6aの割り出し移動基台61および第2の切削手段6bの割り出し移動基台61に設けられた凹部613に配設され、それぞれ割り出し移動基台61の一方の面に装着される。
上記のように共通の磁気シャフト640と第1のコイル可動子644aおよび第2のコイル可動子644bとからなる割り出し送り手段64は、所謂シャフトモータを構成しており、第1のコイル可動子644aおよび第2のコイル可動子644bに電流が流れると磁界が発生し、フレミングの左手の法則により推力が発生する。従って、第1のコイル可動子644aおよび第2のコイル可動子644bに印加する電流の方向を変えることにより、第1のコイル可動子644aおよび第2のコイル可動子644bが共通の磁気シャフト640に沿って移動する方向を変更することができる。このように所謂シャフトモータによって構成された割り出し送り手段64は、共通の磁気シャフト640に第1のコイル可動子644aおよび第2のコイル可動子644bを摺動可能に嵌挿した構成であるため、構成が簡単であり、非接触で駆動するため磨耗することがなくメインテナンスが極めて簡単となる。
また、図示の実施形態における第1の切削手段6aと第2の切削手段6bは、図2および図3に示すように上記切り込み移動基台62、62を一対の案内レール612、612に沿って矢印Zで示す切り込み送り方向に移動するための切り込み送り手段65、65を具備している。切り込み送り手段65、65は、それぞれ一対の案内レール612、612と平行に配設された雄ネジロッド651と、雄ネジロッド651の一端部を回転可能に支持する軸受652と、雄ネジロッド651の他端に連結され該雄ネジロッド651を正転または逆転駆動するパルスモータ653とからなっている。このように構成された切り込み送り手段65、65は、それぞれ雄ネジロッド651が上記切り込み移動基台62の被支持部621に形成された雌ネジ622aに螺合される。従って、切り込み送り手段65、65は、それぞれパルスモータ653を駆動して雄ネジロッド651を正転または逆転駆動することにより、切り込み移動基台62を一対の案内レール622、622に沿って図3において矢印Zで示す切り込み送り方向に移動することができる。
図示の実施形態における切削装置は以上のように構成されており、以下その作動について主に図1を参照して説明する。
先ず、図示しない被加工物搬送手段によって被加工物としての半導体ウエーハWが第1のチャックテーブル34a上に搬送される。このとき第1のチャックテーブル34aは、図1に示す被加工物着脱位置に位置付けられている。なお、半導体ウエーハWは、表面に格子状に形成された複数の分割予定ライン(ストリート)によって複数の矩形状の領域が形成され、この複数の矩形状の領域にそれぞれデバイスが形成されている。このように形成された半導体ウエーハWは、環状のフレームFに装着された保護テープTの表面に貼着されている。第1のチャックテーブル34a上に載置された半導体ウエーハWは、図示しない吸引手段を作動することにより、第1のチャックテーブル34a上に吸引保持される(第1の被加工物保持工程)。
上述したように半導体ウエーハWを吸引保持した第1のチャックテーブル34aは、第1の切削送り手段37aの作動により第1のアライメント領域に移動せしめられる。次に、第1のアライメント手段5aの移動手段52を作動して、第1のアライメント手段5aの撮像手段53を第1のチャックテーブル34aの直上に位置付ける。次に、第1のアライメント手段5aの撮像手段53によって第1のチャックテーブル34a上に保持された半導体ウエーハWの表面が撮像され、半導体ウエーハWの表面に形成された切削領域であるストリートが検出される。そして、割り出し送り手段64の第1のコイル可動子644aを駆動して第1の切削手段6aの切削ブレード633と上記撮像手段53によって検出されたストリートとの位置合わせを行うとともに、割り出し送り手段64の第2のコイル可動子644bを駆動し第2の切削手段6bの切削ブレード633と上記撮像手段53によって検出されたストリートとの位置合わせを行うアライメントが実施される(第1のアライメント工程)。
第1のチャックテーブル34a上に保持された半導体ウエーハ10に対して第1のアライメント工程を実施している間に、図示しない被加工物搬送手段によって被加工物としての半導体ウエーハWが図1に示す被加工物着脱位置に位置付けられている第2のチャックテーブル34b上に搬送される。第2のチャックテーブル34b上に載置された半導体ウエーハWは、図示しない吸引手段を作動することにより、第2のチャックテーブル34b上に吸引保持される(第2の被加工物保持工程)。
第2のチャックテーブル34b上に半導体ウエーハWを吸引保持したならば、第2のチャックテーブル34bは第2の切削送り手段37bの作動により第2のアライメント領域に移動せしめられる。次に、第2のアライメント手段5bの移動手段52を作動して、第2のアライメント手段5bの撮像手段53を第2のチャックテーブル34bの直上に位置付ける。次に、第2のアライメント手段5bによって第2のチャックテーブル34bに保持された半導体ウエーハWの切削すべき領域を検出する第2のアライメント工程を実施する。なお、第2のアライメント工程は、上述した第1のアライメント工程と同様に実施する。
一方、上記第1のアライメント工程が終了したならば、第1のチャックテーブル34aを切削領域に移動する。次に、割り出し送り手段64の第1のコイル可動子644aを駆動して図5に示すように第1の切削手段6aの切削ブレード633を第1のチャックテーブル34aに保持された半導体ウエーハWに形成された中央のストリートと対応する位置に位置付け、更に切り込み送り手段65を作動して切削ブレード633を下降して所定の切り込み送り位置に位置付ける。また、割り出し送り手段64の第2のコイル可動子644bを駆動して第2の切削手段6bの切削ブレード633を第1のチャックテーブル34a保持された半導体ウエーハWに形成された最端のストリートと対応する位置に位置付け、更に切り込み送り手段65を作動して切削ブレード633を下降して所定の切り込み送り位置に位置付ける。そして、第1の切削手段6aの切削ブレード633および第2の切削手段6bの切削ブレード633を回転しつつ第1の切削送り手段37aを作動して第1のチャックテーブル34aを図5において矢印X1で示す切削送り方向に移動することにより、第1のチャックテーブル34aに保持された半導体ウエーハWは高速回転する第1の切削手段6aの切削ブレード633および第2の切削手段6bの切削ブレード633の作用を受けて、上記所定のストリートに沿って切削される(第1の切削工程)。この第1の切削工程においては、切削水供給管634、634から切削水が切削部に供給される。
上述したように第1のチャックテーブル34aに保持された半導体ウエーハWを所定のストリートに沿って切削したならば、割り出し送り手段64の第1のコイル可動子644aおよび第2のコイル可動子644bを駆動して第1の切削手段6aおよび第2の切削手段6bをストリートの間隔分だけ図5において矢印Y1で示す割り出し送り方向に移動し(割り出し送り工程)、上記第1の切削工程を実施する。このようにして、割り出し送り工程と第1の切削工程を繰り返し実施することにより、半導体ウエーハWは所定方向に形成された全てのストリートに沿って切削される。所定方向に形成された全てのストリートに沿って半導体ウエーハW切削したならば、半導体ウエーハWを保持した第1のチャックテーブル34aを90度回転させる。そして、第1のチャックテーブル34aに保持された半導体ウエーハWに上記割り出し送り工程と第1の切削工程を繰り返し実施することにより、半導体ウエーハWは格子状に形成された全てのストリートに沿って切削され、個々のチップに分割される。なお、半導体ウエーハWは個々のチップに分割されても図示しない環状のフレームFに装着された保護テープTに貼着されているので、バラバラにはならずウエーハの形態が維持されている。
上述した第1の切削工程が終了したならば、上記第2のアライメント工程が実施された半導体ウエーハWを保持した第2のチャックテーブル34bを第2の切削領域に移動する。そして、上記第1の切削工程を実施した後に第1の切削手段6aおよび第2の切削手段6bによって上述した第1の切削工程と同様に第2のチャックテーブル34bに保持された半導体ウエーハWに対して第2の切削工程を実施する。
上述した第2の切削工程を実施している間に、第1の切削工程が終了した半導体ウエーハWを保持した第1のチャックテーブル34aは第1に切削領域から被加工物着脱位置に向けて移動せしめられる。ここで、第1のチャックテーブル34a上に保持されている個々のチップに分割された半導体ウエーハWの吸引保持が解除される。そして、個々のチップに分割された半導体ウエーハWは、図示しない被加工物搬送手段によって次工程に搬送される。
以上のようにして、個々のチップに分割された半導体ウエーハWを次工程に搬送したならば、第1のチャックテーブル34aに次の半導体ウエーハWを保持する上記第1の被加工物保持工程を実施する。そして、上記第1のアライメント工程、第1の切削工程を順次実施する。
一方、上述した第2の切削工程が実施された半導体ウエーハWを保持した第2のチャックテーブル34bは、第1のチャックテーブル34aに保持された次の半導体ウエーハWに対して第1の切削工程を実施している間に第2の切削領域から被加工物着脱位置に向けて移動せしめられる。ここで、第2のチャックテーブル34b上に保持されている個々のチップに分割された半導体ウエーハWの吸引保持が解除される。そして、個々のチップに分割された半導体ウエーハWは、図示しない被加工物搬送手段によって次工程に搬送される。このようにして、個々のチップに分割された半導体ウエーハWを次工程に搬送したならば、第2のチャックテーブル34bに次の半導体ウエーハWを保持する上記第2の被加工物保持工程を実施する。そして、上記第2のアライメント工程、第2の切削工程を順次実施する。
以上のようにして、第1のチャックテーブル34aに保持された半導体ウエーハWがストリートに沿って分割されたならば、第1のチャックテーブル34aを上述した被加工物着脱位置に移動し、半導体ウエーハWの吸引保持を解除する。
上述したように第1のチャックテーブル34aに保持された半導体ウエーハWに対してアライメント作業と割り出し送り工程および切削工程を実施しているとき、図示しない被加工物搬送手段によって被加工物としての半導体ウエーハWが被加工物着脱位置に位置付けられている第2のチャックテーブル34b上に搬送される。第2のチャックテーブル34b上に載置された半導体ウエーハWは、図示しない吸引手段を作動することにより、第2のチャックテーブル34b上に吸引保持される。
第2のチャックテーブル34b上に半導体ウエーハWを吸引保持したならば、第2のアライメント手段5bによって上記アライメント作業を実施するとともに、第2の切削手段6bによって上記割り出し送り工程と切削工程を実施する。
上述したアライメント工程および割り出し送り工程においては割り出し送り手段64を作動して、第1の切削手段6aおよび第2の切削手段6bを割り出し送り方向に移動するが、割り出し送り手段64は上述したように共通の磁気シャフト640と第1のコイル可動子642aおよび第2のコイル可動子642bとからなる所謂シャフトモータによって構成されているので、非接触で駆動するためボールスクリュー機構のようにバックラッシュがなく、従って、第1の切削手段6aおよび第2の切削手段6bを高精度に位置付けることができる。
2:基台
3:チャックテーブル機構
34a:第1のチャックテーブル
34b:第2のチャックテーブル
36a:第1のブレード検出手段
36b:第2のブレード検出手段
37a:第1の切削送り手段
37b:第2の切削送り手段
4:門型の支持フレーム
5a:第1のアライメント手段
5b:第2のアライメント手段
52:移動手段
53:撮像手段
6a:第1の切削手段
6b:第2の切削手段
61:割り出し移動基台
62:切り込み移動基台
63:スピンドルユニット
632:回転スピンドル
633:切削ブレード
64:割り出し送り手段
640:共通の磁気シャフト
642a:第1のコイル可動子
642b:第2のコイル可動子
65:切り込み送り手段
3:チャックテーブル機構
34a:第1のチャックテーブル
34b:第2のチャックテーブル
36a:第1のブレード検出手段
36b:第2のブレード検出手段
37a:第1の切削送り手段
37b:第2の切削送り手段
4:門型の支持フレーム
5a:第1のアライメント手段
5b:第2のアライメント手段
52:移動手段
53:撮像手段
6a:第1の切削手段
6b:第2の切削手段
61:割り出し移動基台
62:切り込み移動基台
63:スピンドルユニット
632:回転スピンドル
633:切削ブレード
64:割り出し送り手段
640:共通の磁気シャフト
642a:第1のコイル可動子
642b:第2のコイル可動子
65:切り込み送り手段
Claims (1)
- 被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルを切削送り方向に移動せしめる切削送り手段と、該チャックテーブルに保持された被加工物に切削加工を施す第1の切削手段および第2の切削手段と、該第1の切削手段および第2の切削手段を該切削送り方向と直交する割り出し送り方向にそれぞれ移動せしめる割り出し送り手段と、を具備する切削装置において、
該第1の切削手段および第2の切削手段は、それぞれ移動基台と、該移動基台にそれぞれ配設された切削ブレードを含むスピンドルユニットを備え、該第1の切削手段の移動基台および該第2の切削手段の移動基台が割り出し送り方向に沿って配設された案内レールに移動可能に支持されており、
該割り出し送り手段は、該案内レールに沿って配設された共通の磁気シャフトと、該磁気シャフトに移動可能に嵌挿され該第1の切削手段の移動基台に装着された第1のコイル可動子と、該磁気シャフトに移動可能に嵌挿され該第2の切削手段の移動基台に装着された第2のコイル可動子と、からなっている、
ことを特徴とする切削装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008161400A JP2010003876A (ja) | 2008-06-20 | 2008-06-20 | 切削装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008161400A JP2010003876A (ja) | 2008-06-20 | 2008-06-20 | 切削装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010003876A true JP2010003876A (ja) | 2010-01-07 |
Family
ID=41585350
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008161400A Pending JP2010003876A (ja) | 2008-06-20 | 2008-06-20 | 切削装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010003876A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2008
- 2008-06-20 JP JP2008161400A patent/JP2010003876A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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