JP2009543954A - スパッタリング標的を作成する方法及びその方法で作成されたスパッタリング標的 - Google Patents

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Abstract

本発明は、スパッタリング標的を少ないステップで作ってコストを低減することにある。
【解決手段】金属性標的材料を溶融するステップと、前記溶融された標的材料がほとんど過熱を持たないような状態でその溶融された標的材料の温度を制御するステップと、前記溶融された標的材料を望ましい標的の形状内で型穴を形成する内壁を有する型内部に導入するステップと、そして、それを固化するのに適した速度で熱をそこから取り出すことで前記型内の溶融された標的材料を固化して、セル状の非樹木状微細構造を標的全体に有するスパッタリング標的を形成するステップを含むスパッタリング標的を作成する方法。さらに、ほぼ等軸化されたセル状で非樹木状の微細構造を標的全体に有している金属性標的材料を含むスパッタリング標的が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、スパッタリング標的を作成する方法及びその方法で作成されたスパッタリング標的に係り、特に金属性のスパッタリング標的を鋳造して等軸化された、セル状で非樹木状微細構造を持つようにするスパッタリング標的を作成する方法及びその方法で作成さたスパッタリング標的に関する。
金属性スパッタリング標的を作成するために現在用いられている工法は、金属材料のスラブを破砕し、破砕された粒子を適切な粒子サイズにスクリーニング、選別し、真空化され密封された灌内で適切なサイズの粒子を熱間等静圧圧縮成形して、標的体を形成し、そして、熱間等静圧圧縮成形されたものを望ましい標的形状を加工するステップを含んでいる。
米国特許第4、832、112
従来、大型のスパッタリング標的を作成するために現在用いられているもうひとつの方法では、モリブデン粉末を冷間等静圧圧縮成形(CIP)して、前記冷間等静圧圧縮成形されたものを焼成して、さらに、その焼成されたものを望ましい長さ/幅/及び厚みを有する平板あるいは円板に熱間圧延する。この平板あるいは円板を最終的な許容誤差まで加工する。
しかし、これらの工法は、スパッタリング標的を作成するための多数のステップかなり、コストを必要としている。
本発明は、スパッタリング標的を作成する方法において、金属性標的材料を溶融するステップと、前記溶融された標的材料がほとんど過熱を持たないような状態でその溶融された標的材料の温度を制御するステップと、前記溶融された標的材料を望ましい標的の形状内で型穴を形成する内壁を有する型内部に導入するステップと、そして、それを固化するのに適した速度で熱をそこから取り出すことで前記型内の溶融された標的材料を固化して、セル状の非樹木状微細構造を標的全体に有するスパッタリング標的を形成するステップを含むことを特徴とする。
本発明は、粒度の細かい鋳造されたスパッタリング標的を、少ないステップで作ってコストを低減できる。
図1は鋼鉄製あるいは陶製金型内に鋳込状態にあるるつぼ内の溶融した標的材料を図式的に示す俯瞰図である。(実施例)
本発明は、粒度の細かい鋳造されたスパッタリング標的を作成するための方法を提供するものである。
本発明は、1つの実施の形態で、金属性標的材料を溶融し、前記溶融された標的材料がほとんど過熱を持たないような状態でその溶融された標的材料の温度を制御し、前記溶融された標的材料を望ましい標的の形状を有する型穴を画定する内壁を有する型内部に導入し、そして、それを固化するのに適した速度で熱をそこから取り出すことで前記型内の溶融された標的材料を固化して、セル状の非樹木状微細構造を標的全体に有するスパッタリング標的を形成することにより、スパッタリング標的を作成する方法を提供する。オプションとして、前記金型を、その金型の内壁に直接隣接した箇所でほぼ円柱状の粒子の形成を防ぐのに適する高い十分に昇温された金型温度まで加熱することができる。
本発明は、別の実施の形態で、ほぼ等軸化されたセル状で非樹木状の微細構造を標的全体に有している金属性スパッタリング標的を提供する。
本発明は、先行技術で用いられている多数のプロセス・ステップを用いる必要なしに鋳造スパッタリング標的を提供し、さらにスパッタリングに適した微細構造特性を有するスパッタリング標的を提供するのに適している。
本発明は、また、標的の粒子サイズ制御を可能にし、材料から標的製造に至るまでの製造準備時間を減らし、さらに合金化ための選択の幅の拡大など材料選択の上での柔軟性を増大してくれる。
本発明は、金属性標的材料で構成されるスパッタリング標的を作成するための方法を提供する。この金属性標的材料は1つの金属でできていてもよいし、2つ以上の金属の合金でできていてもよい。説明のためであって限定を意図するものではないが、前記標的材料はモリブデン、タングステン、及びその他の金属と、ニッケル、クロミウム、コバルト、鉄、タンタル、モリブンデン、タングステン、その他の合金材料に基づく高温溶融合金で構成することができる。説明のためであって限定を意図するものではないが、標的合金は、この標的はCo−Ta合金、Co−Cr合金など、硼素、クロミウム、白金、タンタル、ルテニウム、ニオブ、銅、バナジウム、珪素、銀、金、鉄、アルミニウム、ジルコニウム、及びニッケルで構成される群から選択された合金化元素を含むコバルトを主体とする合金で構成することができる。こうした標的金属あるいは合金は原材料供給業者から、特定のスパッタリング標的のために適した純度で市販されている。これらの標的金属あるいは合金はブリケット、粉末、チャンク(厚切り形状)などの形状で供給されている(図1の入力;合金制御参照)。
図1に示されている本発明の1つの実施の形態は、るつぼ(C)あるいはその他の適切な溶融容器内で真空誘導溶融(VIM)あるいは電子ビーム(EB)溶融などの適切な溶融プロセスを用いて、選ばれた金属性(金属あるいは合金)標的材料(TM)を溶融するステップを含んでいる。前記るつぼあるいは溶融容器は溶融すべき特定の金属又は合金に従って選択することができる。溶融は、溶融すべき特定の金属あるいは合金がそうした溶融条件を必要とするのであれば不活性雰囲気あるいは真空(炉環境真空)内で行うことが出来る。金属あるいは合金が溶融中に不活性雰囲気あるいは真空を必要とする場合、通常の誘導溶融装置(VIM溶融システムとして図示)を用いることができる。
実施例で用いられている1つの従来型真空誘導溶融炉は、下側にある金型(M)に直接注ぎ込む溶融るつぼ用いている。しかしながら、本発明は鋳込るつぼなどの鋳込容器を、オプションとしては溶融容器と鋳造される金型(M)の間の中間容器として用いることを想定している。
好ましくは、前記溶融容器あるいは鋳込容器ないの溶融された標的材料(TM)は、どんな低密度非金属性含有物も表面に浮上してそこで溶融物から除去、排除できるように、ほぼ静止状態で保持される。例えば、充填された標的材料を溶融するために真空誘導溶融が用いられる場合、誘導コイル(IC)と溶融容器との間に黒鉛のような中間物を配置して、その中間物が加熱されて、次にその加熱された中間物がその充填物を加熱し、さらに溶融された標的材料(TM)が攪拌されないようにすることができる。あるいは、同様の結果を得るために、非常に高い周波数あるいは抵抗加熱を用いることもできる。
さらに、底鋳込るつぼを用いると、溶融物表面に漂う非金属性含有物を発生させることなく、溶融された標的材料(TM)を金型内部に導入することができる。あるいはティーポットるつぼを用いて、溶融物上に漂っている非金属性含有物が金型(M)に入り込まないようにすることができる。金型(M)に入り込む非金属性含有物の量をできるため少なくするために用いることができるその他の技術は米国特許第4、832、112に述べられており、この特許は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
本発明はさらに、溶融又は鋳込容器内で溶融された標的材料(TM)の温度を制御して、その溶融された標的材料が金型に導入される前に過熱された部分がないようにするステップを含んでいる。この溶融された標的材料の温度は、溶融された標的材料(TM)のほとんどすべての過熱部分をなくすように低くされる。この低くされた温度は溶融された標的材料全体を通じでほぼ均一になるようにしなければならず、そして、ほとんどの標的材料の場合、前記特定の金属あるいは合金鋳造の標的材料の測定された融点より−17.8〜−6.7℃(0〜20°F)の温度範囲に制御されるが、この温度範囲は用いられる特定の標的金属や合金に従って調整することができる。測定された融点は米国特許第4、832、112に述べられている手順で判定される。
溶融容器内の溶融された標的材料の温度は、その溶融容器が配置されている溶融炉内に供給される電源あるいはエネルギーを徐々に減少することによって減らすことができる。
例えば、以下の実施例に述べられるように真空誘導溶融によって標的材料充填物を溶融した場合、誘導コイルに供給される電力は、溶融された標的材料が金型に導入される前にほとんどすべての過熱部分が除去されるように、余裕された標的材料の温度を低くするために、徐々に減らすことができる。
溶融された材料の温度は図示されている赤外線パイロメータあるいはその他の温度測定装置(測定装置と図示)を用いて測定することができる。
金型Mは望ましいスパッタリング標的の形状を有する金型空洞を画定する内壁を有する金属あるいは陶製金型などを含むことができる。作成できるスパッタリング標的の一般的な形状は、長方形、正方形あるいはその他の多角形形状の平板あるいは円形板などの形状を含む。
焼き流し鋳造スパッタリング標的をつくる場合を除いて、本発明は、金型に導入された後、溶融された標的材料内に乱流を発生させるステップをオプションとして想定している。ほとんどの標的材料の場合、溶融された標的材料を金型に直接に鋳込むだけで十分である。前記乱流は、あるいは、米国特許第4、832、112に述べられているように、その溶融物を複数のストリームや液滴に分割するなどの方法で、金型に注入した時にその溶融物を電磁気的に攪拌したり、機械的に攪拌したり粉砕したりして、溶融された標的材料に伝えることができる。
本発明によれば、溶融された標的材料をスパッタリング標的全体にほぼ等軸化された円柱状の非樹木上粒子構造を得るのに適した速度で熱を取り去ることで、金型内で固化することができる。固化されたばかり(鋳造されたばかり)のスパッタリング標的は、好ましくはそのスパッタリング標的全体で等軸化された円筒状粒子サイズがASTM3以下である。熱を取り去る速度は、そうした等軸化された円形粒子構造を達成するように制御される。いくつかの例では、溶融された標的材料と相対的に低温の金型との間の初期温度勾配は界面に樹木上の円柱状粒子のゾーンをつくりだすのに十分な高さである。本発明はオプションとして、金型の内壁に直接隣接した領域でのほぼ円筒状粒子の形成を阻止するに十分な程度の高さの昇温金型温度(制御された予備加熱工程及び予備加熱された金型と図示)に金型を加熱するステップを想定している。固化された標的は望ましい標的のネット状あるいは近ネット状形状を有しており、標的として用いる前に最小限の加工を必要とするだけである。
金型の縦横比が増大すると、細かな粒子サイズと関連するセル上の微細構造を維持し、そして、空隙率が増したり分離の可能性が増大する傾向をできるだけ少なくするために固化しつつある標的材料からより急速に熱を取り去ることがますます重要になる。前に述べたように溶融された標的材料を金型に鋳込んだ時に破砕することで、熱除去をより容易に行うことができる。
固化された、鋳放しのスパッタリング標的が一定の空隙を有している場合、その空隙は通常の熱間等静圧圧縮成形工法を用いてその鋳放しのスパッタリング標的を熱間等静圧圧縮成形するなどの種々の技術を用いて除去することができる。この熱間等静圧圧縮成形工法におけるガス圧、温度、及び時間のパラメータは用いられる特定の標的金属あるいは合金に依存する。スパッタリング標的の鋳放しの空隙の制御及び除去は米国特許第4、832、112に述べられている。
本発明をさらに説明する目的であって、どんな意味でも本発明を限定する意図はないが、長さが68.58cm(27インチ)で巾が10.79cm(4.25インチ)、厚みが0.508cm(0.2インチ)の寸法の長方形のスパッタリング標的なら通常の真空誘導炉の下側のチェンバーに配置された通常の予備加熱陶製焼き流し金型で鋳造することができる。この予備加熱金型はスパッタリング標的の望ましい形状に非常に近い形状の金型空洞を有している。金属や例えば上に述べたタイプのコバルトを主体とした合金で構成される標的金属は前記炉の上側のチェンバー内で10ミクロン以下の真空状態で、その融点の約−6.7〜10℃(20〜50°F)の範囲の温度でジルコニア製るつぼ内で加熱することができる。この炉の誘導コイルに対する電源は溶融された標的材料の温度が上記融点の−17.8〜−6.7℃(0〜20°F)になるまで、徐々に下げることができる。そして、溶融された標的材料は金型内に注入されるが、この金型は金型空洞の中心線で急速な局所固化を起こさせる狭窄部をその上部に有していてもよい。この構造は前記中心線での相互につながった空隙の形成を阻止すると同時に、必要な場合、その標的を29KSIのガス圧と1148.9℃(2100°F)の温度下で1時間標的を熱間等静圧圧縮成形することで、鋳放しのスパッタリング標的の緻密化を可能にしてくれる。得られた熱間等静圧圧縮成形処理されたスパッタリング標的は細かな粒度の等軸化されたセル状粒子構造を示す。
上に本発明のいくつかの実施の形態について述べたが、当業者であれば本発明がこれらの実施の形態に限定されるものではなく、添付請求項に記述されている本発明の精神と範囲の中で修正、変更が可能であることは分かるであろう。
本発明のスパッタリング標的を作る方法を、他の物の製造にも適用できる。
C るつぼ
EB 電子ビーム
IC 誘導コイル
M 金型
TM 標的材料
VIM 真空誘導溶融

Claims (13)

  1. スパッタリング標的を作成する方法において、金属性標的材料を溶融するステップと、前記溶融された標的材料がほとんど過熱を持たないような状態でその溶融された標的材料の温度を制御するステップと、前記溶融された標的材料を望ましい標的の形状内で型穴を形成する内壁を有する型内部に導入するステップと、そして、それを固化するのに適した速度で熱をそこから取り出すことで前記型内の溶融された標的材料を固化して、セル状の非樹木状微細構造を標的全体に有するスパッタリング標的を形成するステップを含むことを特徴とするスパッタリング標的を作成する方法。
  2. 前記標的材料を高い十分に昇温された金型温度まで加熱して、前記金型の内壁に直接隣接した領域でほぼ円柱状の粒子が形成されるのを防ぐステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のスパッタリング標的を作成する方法。
  3. 前記溶融された標的材料の温度は、その標的材料の溶融温度の−17.8〜−6.7℃(0〜20°F)内に制御されることを特徴とする請求項1に記載のスパッタリング標的を作成する方法。
  4. さらに、前記固化されたスパッタリング標的を熱間等静圧圧縮成形するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のスパッタリング標的を作成する方法。
  5. 鋳放しスパッタリング標的内での粒子サイズがASTM3以下とするのに適した速度で熱を引き出すことを特徴とする請求項1に記載のスパッタリング標的を作成する方法。
  6. 前記金型は、陶製、黒鉛製、あるいは金属性の金型であることを特徴とする請求項1に記載のスパッタリング標的を作成する方法。
  7. 前記溶融標的材料の温度は、誘導コイルに供給される電源を減らすことをによって制御されることを特徴とする請求項1に記載のスパッタリング標的を作成する方法。
  8. 前記標的材料を加工の必要性が最小限であるような標的形状に固化するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のスパッタリング標的を作成する方法。
  9. 前記標的材料は、硼素、クロミウム、白金、タンタル、ルテニウム、ニオブ、銅、バナジウム、珪素、銀、金、鉄、アルミニウム、ジルコニウム、及びニッケルで構成される群から選択された合金化元素を含むコバルトに基づく合金を含んでいることを特徴とする請求項1に記載のスパッタリング標的を作成する方法。
  10. ほぼ等軸化されたセル状で非樹木状の微細構造を標的全体に有している金属性標的材料を含むことを特徴とするスパッタリング標的。
  11. 粒子サイズは、ASTM3以下であることを特徴とする請求項8に記載のスパッタリング標的。
  12. 熱間等静圧圧縮成形で緻密化されることを特徴とする請求項8に記載のスパッタリング標的。
  13. 硼素、クロミウム、白金、タンタル、ルテニウム、ニオブ、銅、バナジウム、珪素、銀、金、鉄、アルミニウム、ジルコニウム、及びニッケルで構成される群から選択された合金化元素を含むコバルトに基づく合金を含んでいることを特徴とする請求項10に記載のスパッタリング標的。
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