JP2009543659A - 滅菌中に薬物を保護するためのフリーラジカルスカベンジャーを用いた薬剤溶出性埋め込み型医療機器及び関連する方法 - Google Patents

滅菌中に薬物を保護するためのフリーラジカルスカベンジャーを用いた薬剤溶出性埋め込み型医療機器及び関連する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009543659A
JP2009543659A JP2009520760A JP2009520760A JP2009543659A JP 2009543659 A JP2009543659 A JP 2009543659A JP 2009520760 A JP2009520760 A JP 2009520760A JP 2009520760 A JP2009520760 A JP 2009520760A JP 2009543659 A JP2009543659 A JP 2009543659A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
implantable medical
medical device
group
stable nitroxide
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009520760A
Other languages
English (en)
Inventor
ステファン パセッティ,
ジェシカ リネー デノワイエ,
ジーナ ツァン,
Original Assignee
アボット カーディオヴァスキュラー システムズ インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アボット カーディオヴァスキュラー システムズ インコーポレイテッド filed Critical アボット カーディオヴァスキュラー システムズ インコーポレイテッド
Publication of JP2009543659A publication Critical patent/JP2009543659A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L27/00Materials for grafts or prostheses or for coating grafts or prostheses
    • A61L27/28Materials for coating prostheses
    • A61L27/34Macromolecular materials
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L31/00Materials for other surgical articles, e.g. stents, stent-grafts, shunts, surgical drapes, guide wires, materials for adhesion prevention, occluding devices, surgical gloves, tissue fixation devices
    • A61L31/08Materials for coatings
    • A61L31/10Macromolecular materials
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L2420/00Materials or methods for coatings medical devices
    • A61L2420/08Coatings comprising two or more layers

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Transplantation (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Oral & Maxillofacial Surgery (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Prostheses (AREA)
  • Electrotherapy Devices (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • External Artificial Organs (AREA)

Abstract

本発明は、機器上の被膜層、即ち薬物を含有する層、又は薬物含有層と、機器を滅菌するために使用する自由電子源との間に位置する層のいずれかの同一層中に遊離ニトロキシド、又は現在好ましくはポリマーに結合した安定なニトロキシドを含むことを伴う、埋め込み型医療機器上、特に薬剤溶出ステント上に被覆した薬物を保護するための機器及び方法に関する。
【選択図】なし

Description

発明の詳細な説明
[分野]
本発明は、有機化学、ポリマー化学、材料科学及び医療機器の分野に関する。
[背景]
患者の体内に埋め込まれることが意図された機器は、埋め込む前に滅菌しなければならない。多くの使用可能な滅菌技術が存在するが、大筋で、エチレンオキシド滅菌、γ線照射滅菌及びeビーム滅菌の3つが当分野を支配している。
エチレンオキシドは、60年以上にわたって使用されてきた、最も古い滅菌方法の1つであり、多くの製品で効果がある、依然として有効な滅菌方法である。これは、微生物の繁殖を防止するアルカリ化反応を介して滅菌する。しかしながら、時間がかかる。まず、一般的に、滅菌すべき製品を高湿度環境に置き、エチレンオキシドガスにより浸透性をさらに高めることからなる、コンディショニング工程が必要となる。滅菌工程自体は数時間でよい。終了したら、製品を「空気に曝し」、残留エチレンオキシドを放散させなければならない。さらに、エチレンオキシド滅菌は、滅菌すべき製品と共に滅菌チャンバーに配置され、プロセスの成功を確実にするために除去後の滅菌性について試験される、特殊汚染物質である、指示薬を含むことが必要とされる場合が多い。
γ線照射滅菌は、かつては滅菌市場のわずか5%を占めるにすぎなかったが、現在は最大で50%を獲得している。これは、γ線を放出する放射線同位体であるコバルト60に、滅菌すべき製品を曝すことを伴う。γ線照射は、化学結合を形成する電子と相互作用して、結合を切断し、且つ分子を分散させることにより滅菌する。γ線照射方法は再現性があり、比較的簡便である。しかしながら、該方法は、γ線照射プラントが、設定時間にわたって特定の用量を送達するように通常設定されているという点で若干柔軟性がない。設定時間を変更して、線量を変えることもできるが、正規の方法は、滅菌した最大の構成要素の要件に用量を合わせており、これより小さい製品は単純に過剰照射することになる。当然ながら、全ての製品が同一である場合、これは問題にはならない。滅菌時間は一般的に4〜8時間の範囲であり、変色及び脆化の形態で製品が劣化する可能性は、電子ビーム滅菌等、他の形の放射線滅菌よりも高い。
電子ビーム又はeビーム滅菌は、滅菌すべき製品と接触すると、微生物の生殖細胞中のものを含め、化学結合を含む電子と相互作用し、DNA、RNA等の結合及び分子を変化させ、それにより微生物を殺滅するか、又は少なくともそれらの繁殖能力を破壊する、イオン化エネルギーの発生を伴うという点で、γ線滅菌と類似している。しかしながら、eビーム滅菌は、γ線照射よりも安全で迅速、且つ実質的により柔軟性がある。放射線同位体の使用を伴わないため、より安全である。それどころか、エネルギーは、電力の加速及び変換により生成される。現在市販されているeビーム加速器の多くは、通常約3MeV(100万電子ボルト)〜約12MeVの単一エネルギーで動作するが、様々なエネルギーで動作できる機器が利用できるという点でより柔軟性がある。製品が残存する時間が、γ細胞中の数分又は数時間と比較して、電子ビーム細胞中ではおよそ数秒間であるという点で、eビームはγ線照射よりも迅速である。曝露時間が少ないため、滅菌した製品の劣化も減少する。あいにく、薬剤溶出ステント等の薬物担持型の埋め込み型医療機器に関しては、多くの場合過敏性の生物活性分子の劣化が依然として問題である。例えば、ステント上に被覆されるエベロリムスを含有するポリ(D,L−ラクチド)ポリマーを伴う薬物安定性試験では、eビーム滅菌の結果としての劣化により、薬物の3〜5%が失われたことが判明した。
必要とされているのは、eビーム滅菌の影響から埋め込み型医療機器上に被覆した薬物を保護する一方で、滅菌プロセス全体に悪影響を与えない方法である。本発明は、本発明に基づきこのような方法及び機器を提供する。
[概要]
従って、本発明の一態様は、
機器本体、
前記機器本体上に配置された任意選択のプライマー層、
1つ又は複数の治療薬を含み、前記機器本体上又は前記プライマー層(選択された場合)上に配置された薬物貯蔵層、
前記薬物貯蔵層上に配置された任意選択の律速層、
前記薬物貯蔵層上又は前記律速層(選択された場合)上に配置された任意選択のトップコート層、及び
安定なニトロキシド
を備え、前記安定なニトロキシドが、前記薬物貯蔵層、前記律速層、前記トップコート層、前記薬物貯蔵層と外部環境との間に配置された独立層、又はこれらの任意の組合せに含有されている、
埋め込み型医療機器である。
本発明の一態様では、前記安定なニトロキシドは、ポリマーに結合した安定なニトロキシドを含む。
本発明の一態様では、前記ポリマーに結合した安定なニトロキシドは、前記安定なニトロキシドと前記ポリマーとの間の共有結合を含む。
本発明の一態様では、前記ポリマーは、ポリ(エステル−アミド)である。
本発明の一態様では、前記ポリ(エステル−アミド)は次式:
Figure 2009543659

を有し、
式中、mは、0及び1を含む0から1までの数であり、
pは、0及び1を含む0から1までの数であり、
nは、0及び1を含む0から1までの数であり、
m+p+n=1であり、
Xは次の化学構造:
Figure 2009543659

を有し、
Yは次の化学構造:
Figure 2009543659

を有し、
Zは次の化学構造:
Figure 2009543659

を有し、
式中、R、R1’及びRは、(1C〜12C)アルキル及び(2C〜12C)アルケニルからなる群から独立に選択され、但し、R及びR3’が同一であるとき、R及びR1’は異なり、
、R2’、R2’’及びR2’’’は、水素及び(1C〜4C)アルキルからなる群から独立に選択され、
前記アルキル基は、−OH、−O(1C〜4C)アルキル、−SH、−S(1C〜4C)アルキル、−SeH、−COR、−NHC(NH)NH、イミダゾール−2−イル、イミダゾール−5−イル、インドール−3−イル、フェニル、4−ヒドロキシフェニル及び4−[(1C〜4C)アルキルO]フェニルからなる群から選択される部分で場合により置換されており、
式中、Rは、−OH、−O(1C〜4C)アルキル、−NH、−NH(1C〜4C)アルキル、−N(1C〜4C)アルキル(1C〜4C)アルキル、安定なニトロキシド、及び
Figure 2009543659

からなる群から選択され、又は
、R2’、R2’’及びR2’’’の1つ若しくは複数は、それが結合する炭素と隣接する窒素との間に架橋を形成してもよく、前記架橋は−CHCHCH−を含み、
及びR3’は、(1C〜12C)アルキル、(2C〜12C)アルケニル、(3C〜8C)シクロアルキル及び−(CHCHO)CHCH−からなる群から独立に選択され、qは1及び10を含む1から10までの整数であり、但し、R及びR1’が同一であるとき、R及びR3’は異なり、
は、−CH(COR)CHS−、−CH(COR)CHO−、−CH(COR)(CHNH−、−(CHCH(COR)NH−、−CH(COR)CH(CH)O−、
Figure 2009543659

であり、
式中、R、R2’、R2’’、R2’’’及びRの少なくとも1つはRを含み、Rは安定なニトロキシドを含む。
本発明の一態様では、R、R1’及びRは、−(CH−及び−(CH−からなる群から独立に選択される。
本発明の一態様では、R、R2’、R2’’及びR2’’’は、−CH、−HCHNHC(NH)NH、−CHCONH、−CHCOOH、−CHSH、−CHCHCOOH、−CHCHCONH、−CHNH
Figure 2009543659

−CH(CH)CHCH、−CHCH(CH、−(CHNH、(CHSCH
Figure 2009543659

CHOH、−CH(CH)OH、
Figure 2009543659

CH(CH及び−CHCHCH−からなる群から独立に選択され、第2の炭素はRが結合する炭素に隣接する窒素に共有結合する。
本発明の一態様では、R、R2’、R2’’及びR2’’’は−CHCH(CHである。
本発明の一態様では、Rは−(CH−であり、R3’は以下のものである。
Figure 2009543659
本発明の一態様では、Rは−(CHCORNH−であり、Rは安定なニトロキシドを含む。
本発明の一態様では、前記安定なニトロキシドは、以下のものからなる群から選択される。
Figure 2009543659

[式中、R及びRは、−NH、−OH及びC(O)OHからなる群から選択され;Rは−(CHC(O)OHであり、Rは−(CHb’CHであり、b及びb’は独立に1〜16である]
本発明の一態様では、前記安定なニトロキシドは、以下のものである。
Figure 2009543659

[式中、Rは−NHである]
本発明の一態様では、p=0である。
本発明の一態様では、p=0のとき、R及びRは、−(CH−及び−(CH−からなる群から独立に選択される。
本発明の一態様では、p=0のとき、R及びR2’は、−CH、−CHCHNHC(NH)NH、−CHCONH、−CHCOOH、−CHSH、−CHCHCOOH、−CHCHCONH、−CHNH
Figure 2009543659

−CH(CH)CHCH、−CHCH(CH、−(CHNH、(CHSCH
Figure 2009543659

CHOH、−CH(CH)OH、
Figure 2009543659

CH(CH及び−CHCHCH−からなる群から独立に選択され、第2の炭素は、Rが結合する炭素に隣接する窒素に共有結合する。
本発明の一態様では、p=0のとき、R及びR2’は、−CHCH(CHである。
本発明の一態様では、p=0のとき、Rは、−(CH−、−(CH−、及び−(CHCHO)CHCH−からなる群から選択され、qは1及び10を含む1から10までの整数である。
本発明の一態様では、p=0のとき、qは2である。
本発明の一態様では、p=0のとき、Rは、−(CHCH(COR)NH−であり、Rは安定なニトロキシドを含む。
本発明の一態様では、p=0のとき、前記安定なニトロキシドは、以下のものからなる群から選択される。
Figure 2009543659

[式中、R及びRは、−NH、−OH及びC(O)OHからなる群から選択され;Rは−(CHC(O)OHであり、Rは−(CHb’CHであり、b及びb’は独立に1〜16である]
本発明の一態様では、p=0のとき、前記安定なニトロキシドは、以下のものである。
Figure 2009543659

[式中、Rは−NHである]
本発明の一態様では、p及びnが0である。
本発明の一態様では、p及びnが0であるとき、Rは、−(CH−及び−(CH−からなる群から選択される。
本発明の一態様では、p及びnが0であるとき、R及びR2’は、−CH、−HCHNHC(NH)NH、−CHCONH、−CHCOOH、−CHSH、−CHCHCOOH、−CHCHCONH、−CHNH
Figure 2009543659

−CH(CH)CHCH、−CHCH(CH、−(CHNH、(CHSCH
Figure 2009543659

CHOH、−CH(CH)OH、
Figure 2009543659

CH(CH及び−CHCHCH−からなる群から独立に選択され、第2の炭素は、Rが結合する炭素に隣接する窒素に共有結合する。
本発明の一態様では、p及びnが0であるとき、R及びR2’はCHCH(CHである。
本発明の一態様では、p及びnが0であるとき、Rは、−(CH−、−(CH−、及び−(CHCHO)CHCH−からなる群から選択され、qは1及び10を含む1から10までの整数である。
本発明の一態様では、p及びnが0であるとき、qは2である。
本発明の一態様では、p及びnが0であるとき、Rは、−(CHCH(COR)NH−であり、Rは安定なニトロキシドを含む。
本発明の一態様では、p及びnが0であるとき、前記安定なニトロキシドは、以下のものからなる群から選択される。
Figure 2009543659

[式中、R及びR−NH、−OH及びC(O)OHからなる群から選択され;Rは−(CHC(O)OHであり、Rは−(CHb’CHであり、b及びb’は独立に1〜16である]
本発明の一態様では、p及びnが0であるとき、前記安定なニトロキシドは、以下のものである。
Figure 2009543659

[式中、Rは−NHである]
本発明の一態様では、前記治療薬は、エベロリムスである。
本発明の一態様では、前記埋め込み型医療機器は、ステントである。
本発明の一態様は、
機器本体、
前記機器本体上に配置された任意選択のプライマー層、
1つ又は複数の治療薬を含み、前記機器本体上又は前記プライマー層(選択された場合)上に配置された薬物貯蔵層、
前記薬物貯蔵層上に配置された任意選択の律速層、
前記薬物貯蔵層上又は前記律速層(選択された場合)上に配置された任意選択のトップコート層、及び
安定なニトロキシド
を備え、前記安定なニトロキシドが、前記薬物貯蔵層、前記律速層、前記トップコート層、前記薬物貯蔵層と外部環境との間に配置された独立層、又はこれらの任意の組合せに含有される、埋め込み型医療機器を提供するステップと、
フリーラジカルを生成して滅菌する方法を用いて該機器を滅菌するステップと
を含む方法である。
本発明の一態様では、本明細書の方法において、前記フリーラジカルを生成して滅菌する方法は、eビーム滅菌である。
本発明の一態様では、本明細書の方法において、前記安定なニトロキシドは、ポリマーを結合した安定なニトロキシドである。
本発明の一態様では、本明細書の方法において、前記ポリマーは、ポリ(エステル−アミド)である。
本発明の一態様では、本明細書の方法において、前記ポリ(エステル−アミド)は次式:
Figure 2009543659

を有し、
式中、mは、0及び1を含む0から1までの数であり、
pは、0及び1を含む0から1までの数であり、
nは、0及び1を含む0から1までの数であり、
m+p+n=1であり、
Xは次の化学構造:
Figure 2009543659

を有し、
Yは次の化学構造:
Figure 2009543659

を有し、
Zは次の化学構造:
Figure 2009543659

を有し、
式中、R、R1’及びRは、(1C〜12C)アルキル及び(2C〜12C)アルケニルからなる群から独立に選択され、但し、R及びR3’が同一であるとき、R及びR1’は異なり、
、R2’、R2’’及びR2’’’は、水素及び(1C〜4C)アルキルからなる群から独立に選択され、
前記アルキル基は、−OH、−O(1C〜4C)アルキル、−SH、−S(1C〜4C)アルキル、−SeH、−COR、−NHC(NH)NH、イミダゾール−2−イル、イミダゾール−5−イル、インドール−3−イル、フェニル、4−ヒドロキシフェニル及び4−[(1C〜4C)アルキルO]フェニルからなる群から選択される部分で場合により置換されており、
式中、Rは、−OH、−O(1C〜4C)アルキル、−NH、−NH(1C〜4C)アルキル、−N(1C〜4C)アルキル(1C〜4C)アルキル、安定なニトロキシド、及び
Figure 2009543659

からなる群から選択され、又は
、R2’、R2’’及びR2’’’の1つ若しくは複数は、それが結合する炭素と隣接する窒素との間に架橋を形成してもよく、前記架橋は−CHCHCH−を含み、
及びR3’は、(1C〜12C)アルキル、(2C〜12C)アルケニル、(3C〜8C)シクロアルキル及び−(CHCHO)CHCH−からなる群から独立に選択され、qは1及び10を含む1から10までの整数であり、但し、R及びR1’が同一であるとき、R及びR3’は異なり、
は、−CH(COR)CHS−、−CH(COR)CHO−、−CH(COR)(CHNH−、−(CHCH(COR)NH−、−CH(COR)CH(CH)O−、
Figure 2009543659

であり、
式中、R、R2’、R2’’、R2’’’及びRの少なくとも1つは、Rを含み、Rは安定なニトロキシドを含む。
本発明の一態様では、本明細書の方法において、前記安定なニトロキシドは、以下のものからなる群から選択される。
Figure 2009543659

[式中、R及びRは、−NH、−OH及びC(O)OHからなる群から選択され;Rは−(CHC(O)OHであり、Rは−(CHb’CHであり、b及びb’は独立に1〜16である]
本発明の一態様では、本明細書の方法において、前記安定なニトロキシドは、以下のものである。
Figure 2009543659

[式中、Rは−NHである]
本発明の一態様では、本明細書の方法において、前記埋め込み型医療機器は、ステントである。
本発明の一態様では、本明細書の方法において、前記治療薬は、エベロリムスである。
[詳細な説明]
本発明は、安定な常磁性ニトロキシド(以降、簡単に「安定なニトロキシド」と称する)の形態でフリーラジカルスカベンジャーを提供することによる、eビーム滅菌等、放射線分解により生成したフリーラジカルを伴う滅菌方法の影響から、薬剤溶出ステント等の埋め込み型医療機器上に被覆した治療薬を保護する方法を提供する。これは、機器に付着した薬物分子上に形成されたフリーラジカルの失活には容易に利用できるが、微生物の細胞構造内に形成されたフリーラジカルの失活には利用できないと思われるため、滅菌プロセスを妨害することは予想されないであろう。
本明細書における単数形の使用は、別段の明確な指示がない限り、複数形及びその逆も含む。即ち、「a」及び「the」とは、該用語が修飾するものはどのようなものであれ、その1つ又は複数を指す。例えば、「治療薬(a therapeutic agent)」は、1つの同種の薬物、2つの同種の薬物等を含む。同様に、「層(the layer)」は、1層、2層又は複数層を指してもよく、「ポリマー(the polymer)」は、1つ又は複数のポリマーを意味してもよい。さらに、それだけに限らないが「層(layers)」及び「ポリマー(polymers)」等の用語は、この場合もやはり、明確な指示がない限り、又はそのようなことが意図されていないことが文脈から明らかにならない限り、1層又は1つのポリマー、並びに複数層又は複数のポリマーを指すであろう。
本明細書で使用する場合、「埋め込み型医療機器」とは、患者の体内に外科的若しくは内科的に、又は天然の開口部に医学的介入により、完全に若しくは部分的に導入され、該方法後もそこにとどまることが意図されている、任意の種類の医療機器を指す。埋め込み期間は、基本的に恒久的であってよく、即ち患者の余寿命にわたって、機器が生分解するまで、又は物理的に除去されるまで、所定の場所にとどまることが意図されている。埋め込み型医療機器の例としては、それだけに限らないが、埋め込み型の心臓ペースメーカー及び除細動器;前記機器用のリード及び電極;神経、膀胱、括約筋及び隔膜の刺激装置、人口内耳等、埋め込み型器官刺激装置;プロテーゼ、血管移植片、自己拡張型ステント、バルーン拡張型ステント、ステント移植片、移植片、人工心臓弁及び脳脊髄液シャントが挙げられる。
治療薬の局所送達のためだけに特別に設計及び意図された埋め込み型医療機器は、本発明の範囲内である。
本明細書で使用する場合、「機器本体」とは、機器自体が作られている材料とは異なる材料の被膜又は層が施されていない外面を有する、完全に成形され、使用可能な埋め込み型医療機器を指す。「外面」とは、生体組織又は体液と接触する、空間的に配向されているが任意の表面を意味する。「機器本体」の一般的な例としては、BMS、即ち地金ステントがあり、これは名前が意味するように、生体組織又は体液と接触する任意の表面上に、それが作られている金属とは異なる任意の材料の層では被覆されていない、完全に成形され、使用可能なステントである。当然ながら、機器本体は、BMSだけでなく、それが何で作られているかに関わらず任意の非被覆機器も指す。
実質的には任意の材料、即ち埋め込み型医療機器の製造に有用であることが現在知られている材料、及び将来そうなることが判明し得る材料で作られた、埋め込み型医療機器は、本発明の被膜と共に使用できる。例えば、それだけに限らないが、本発明で有用な埋め込み型医療機器は、1つ又は複数の生体適合性金属又はその合金で作られたものであってよく、それだけに限らないが、コバルト−クロム合金(ELGILOY、L−605)、コバルト−ニッケル合金(MP−35N)、316Lステンレス鋼、BIODUR108等の高窒素ステンレス鋼、ニッケル−チタン合金(NITINOL)、タンタル、白金、白金−イリジウム合金、金及びそれらの組合せが挙げられる。
埋め込み型医療機器は、生体適合性及び生体安定性、又は生分解性であるポリマーで作られていてもよく、後者の用語は、生体吸収性及び生体侵食性を含む。
本明細書で使用する場合、「生体適合性」とは、ポリマーが無傷、即ち合成された状態において、及びポリマーが分解された状態、即ちその分解生成物においての両方で、生体組織に無毒であるか、又は生体組織に対する毒性が少なくとも最小限である;生体組織に傷害を与えないか、又はそれが最小限で、回復できる程度である;並びに/或いは生体組織で免疫反応を引き起こさないか、又はそれが少なくとも最小限及び/若しくは制御可能であるポリマーを指す。
生体適合性があり、比較的生体安定性のある有用なポリマーの中では、それだけに限らないがポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリハロゲン化ビニル、ポリハロゲン化ビニリデン、ポリビニルエーテル、ポリビニル芳香族、ポリビニルエステル、ポリアクリロニトリル、アルキド樹脂、ポリシロキサン及びエポキシ樹脂が挙げられる。
生体適合性、生分解性のポリマーは、それだけに限らないが、コラーゲン、キトサン、アルギン酸、フィブリン、フィブリノゲン、セルロース、デンプン、デキストラン、デキストリン、ヒアルロン酸、ヘパリン、グリコサミノグリカン、多糖類及びエラスチン等の天然ポリマーが挙げられる。
1つ又は複数の合成又は半合成の生体適合性、生分解性ポリマーも、本発明で有用な埋め込み型医療機器を作製するために使用してもよい。本明細書で使用する場合、合成ポリマーは実験室で全て生成されたものを指し、半合成ポリマーは実験室で化学的に修飾した天然ポリマーを指す。合成ポリマーの例としては、それだけに限らないが、ポリホスファジン、ポリホスホエステル、ポリホスホエステルウレタン、ポリヒドロキシ酸、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリ無水物、ポリエステル、ポリオルトエステル、ポリアミノ酸、ポリオキシメチレン、ポリ(エステル−アミド)及びポイリミドが挙げられる。
上記ポリマーのブレンド及びコポリマーも使用でき、本発明の範囲内である。本明細書の記述に基づき、当業者は、これらの埋め込み型医療機器、及び前記機器を作製できるこれらの材料が、本発明の被膜と併用することで有用であると思われることを認識されよう。現在、本発明の被膜と併用するための好ましい埋め込み型医療装置は、ステントである。
ステントとは、全般的に患者の体内において組織を所定の位置で保持するために使用する任意の機器を指す。しかしながら、特に有用なステントは、それだけに限らないが腫瘍(例えば、胆管、食道、気管/気管支等における)、良性膵疾患、冠動脈疾患、頚動脈疾患、並びに末梢血管疾患、例えばアテローム性動脈硬化症、再狭窄及び不安定プラーク等を含む、疾患又は障害により血管が狭窄又は閉塞しているとき、患者の体内で血管の開放性を維持するために使用するものである。不安定プラーク(VP)は、炎症により生じると思われる動脈での脂肪の蓄積を指す。VPは、薄い繊維性被膜で覆われており、これが破裂すると、血栓が形成される恐れがある。ステントは、VP付近の血管壁を強化するために使用され、このような破裂に対する防御物として作用し得る。ステントは、それだけに限らないが、神経、頚動脈、冠動脈、肺、大動脈、腎臓、胆管、腸骨、大腿骨及び膝窩、並びに他の末梢血管系で使用できる。ステントは、それだけに限らないが血栓症、再狭窄、出血、血管の解離又は穿孔、血管の動脈瘤、慢性完全閉塞、跛行、吻合部における増殖、胆管閉塞及び尿管閉塞等、障害の治療又は予防で使用できる。
上記の使用に加えて、ステントは、患者の体内の特定の治療部位に治療薬を局所送達するために使用してもよい。実際に、治療薬の送達は、ステントの唯一の目的であり得るか、又はステントは、副次的な利点をもたらす薬物の送達と共に、上記で考察されているような別の使用を主に対象とし得る。
開通性を維持するために使用するステントは、圧縮した状態で標的部位に普通は送達され、次いでそれが挿入された血管に適合するように拡張される。標的の位置に送達された時点で、ステントは自己拡張型又はバルーン拡張型となり得る。いずれにしても、ステントの拡張のために、ステント上の任意の被膜は、柔軟性があり、伸張可能でなくてはならない。
本明細書で使用する場合、「任意選択の」とは、該用語によって修飾される要素が存在する場合も、存在しない場合もあることを意味する。例えば、それだけに限らないが、その上に「任意選択の」プライマー層(pl)、薬物貯蔵層(dr)、「任意選択の」律速層(rc)、「任意選択の」トップコート層(tc)及び安定なニトロキシド層(sn)を被覆した機器本体(db)は、それだけに限らないが以下の機器のいずれかを指す:db+dr+sn、db+pl+dr+sn、db+dr+rc+sn、db+pl+dr+rc+sn、db+dr+tc+sn、db+pl+dr+tc+sn、db+dr+rc+tc+sn又はdb+pl+dr+rc+tc+sn。
本明細書で使用する場合、「プライマー層」とは、機器本体が作られている材料に関して良好な付着特性を示し、且つ機器本体上に被覆しようとするいずれの材料に関しても良好な付着特性を示す、ポリマー又はポリマーのブレンドからなる被膜を指す。従って、プライマー層は、機器本体と機器本体によって担持されるべき材料との間の接着中間層として利用するため、機器本体に直接施される。プライマーの例としては、それだけに限らないが、アクリレートポリマー及びメタクリレートポリマーが挙げられ、ポリ(n−ブチルメタクリレート)が現在好ましいプライマーである。
本明細書で使用する場合、例えばそれだけに限らないが機器本体又は別の層等、示された基材の「上に配置された」層として記載された材料とは、基本的に示された基材の全露出面に直接施されることが現在は好ましい材料の比較的薄い被膜を指す。「露出面」とは、使用時に生体組織又は体液と接触すると思われる基材の表面を意味する。しかしながら、「上に配置された」は、基材に施した介在層に、材料の薄層を施すことを指す場合もあり、該材料は、介在層が存在しなかった場合、実質的に基材の全露出面を覆うと思われる方法で施される。
本明細書で使用する場合、「薬物貯蔵層」とは、整然と施された1つ若しくは複数の治療薬の層、又は3次元構造内に1つ若しくは複数の治療薬を拡散させたポリマー又はポリマーのブレンドの層のいずれかを指す。高分子薬物貯蔵層は、何らかの機構により、例えばそれだけに限らないが溶出により、又はポリマーの生分解の結果として、治療物質が該層から周辺環境に放出されるように設計されている。
本明細書で使用する場合、「治療薬」とは、治療上有効な量で疾患を患っている患者に投与したとき、患者の健康(health and well−being)に対して有益な治療効果を有する任意の物質を指す。患者の健康に対して有益な治療効果としては、それだけに限らないが(1)疾患を治癒すること、(2)疾患の進行を遅延させること、(3)疾患の後退を引き起こすこと、又は(4)疾患の1つ若しくは複数の症状を緩和することが挙げられる。本明細書で使用する場合、治療薬は、予防上有効な量で、疾患に特にかかりやすいことが分かっているか、又は疑われる患者に投与したとき、患者の健康に対して予防上有益な効果を有する任意の物質も含む。患者の健康に対して予防上有益な効果としては、それだけに限らないが(1)最初の段階で疾患の発症を予防するか、若しくは遅延させること、(2)予防上有効な量で使用した物質と同じでも、若しくは異なっていてもよい、治療上有効な量の物質により後退が実現したら、後退した段階で疾患を維持すること、又は(3)予防上有効な量で使用した物質と同じでも、若しくは異なっていてもよい、治療上有効な量の物質を用いた一連の治療後に、疾患の再発を防止するか、若しくは遅延させることが挙げられる。
本明細書で使用する場合、「薬物」及び「治療薬」という用語は、互換的に用いられる。
本明細書で使用する場合、「律速層」とは、薬物貯蔵層から治療薬を環境中に放出する速度を修正するために、薬物貯蔵層上に施される高分子層を指す。律速層は、単純に、治療薬の放出速度を、施術者が所望する速度に正確に「合わせる」ために使用してもよく、又は、薬物貯蔵層としての被膜に関して、治療薬と相容性のポリマー又はポリマーのブレンドは、治療物質に透過しすぎて、患者の体内への治療物質の急激な放出及び送達を招く恐れがあるため、律速層が構築に必要な付属物となり得る。非限定的な例としては、PEA−TEMPO[2,2,6,6−テトラメチル−4−アミノピペリジン−1−オキシルが、共有結合したポリ(エステル−アミド)]を含むエベロリムス薬物貯蔵層である。PEA−TEMPOは、非常に望ましいin vivo特性を有するが、エベロリムスに対してかなり透過性である。従って、ポリ(エステル−アミド)のポリマーマトリックスからのエベロリムスの持続放出(即ち、数日、数ヶ月又はそれ以上となり得る長期間にわたって、治療上有効な量の薬物を放出すること)は難しく、場合によっては実現するのは不可能である。この状況を改善するために、エベロリムスの透過性をより制御できるようにする、律速ポリマー又はポリマーのブレンドをPEA−TEMPO層上に施してもよい。律速層を介したエベロリムスの透過性の低下は、それだけに限らないが、ポリマー固有の特性による場合、及びポリマーがエベロリムス(若しくは任意の他の治療薬)と相互作用する方法による場合、又は律速ポリマーの架橋等としての要素による場合がある。
本明細書で使用する場合、「トップコート層」とは、最外層、即ち外部環境と接触し、他の全ての層上に被覆される層を指す。トップコート層は、より良好な親水性を機器に与えるため、機器の潤滑を向上させるため、又は単に下位層の物理的な保護剤として施してもよい。しかしながら、特に、使用される治療プロトコルが、1つ又は複数の治療薬(トップコート層に含まれているもの)を基本的に即時放出した後、長期間にわたって別の1つ又は複数の治療薬を制御放出することを必要とする場合、トップコート層は治療薬も含有し得る。さらに、トップコート層は1つ又は複数の「生体に有益な薬剤」を含有し得る。
「生体に有益な」薬剤とは、例えば、機器にタンパク質が詰まる傾向を減少させることにより、機器の血液適合性を高めることにより、及び/又は抗血栓性、非炎症性、非細胞毒性、非溶血性等の機器の特性を高めることにより、埋め込み型医療機器に有益な影響を与えるものである。いくつかの代表的な生体に有益な材料としては、それだけに限らないが、ポリエーテル[ポリ(エチレングリコール)(PEG)及びポリ(プロピレングリコール)等];コポリ(エーテルエステル)[ポリ(エチレンオキシド−co−乳酸)等];ポリアルキレンオキシド[ポリ(エチレンオキシド)及びポリ(プロピレンオキシド)等];ポリホスファゼン、ホスホリルコリン、コリン、及びヒドロキシル基含有モノマーのポリマー及びコポリマー[ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)アクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)、及びn−ビニルピロリドン(VP)等];カルボン酸基含有モノマー[メタクリル酸、アクリル酸、アルコキシメタクリレート、アルコキシアクリレート、及び3−トリメチルシリルプロピルメタクリレート等];ポリスチレン−PEG、ポリイソブチレン−PEG、ポリカプロラクトン−PEG(PCL−PEG)、PLA−PEG、ポリ(メチルメタクリレート)−PEG(PMMA−PEG)、ポリジメチルシロキサン−co−PEG(PDMS−PEG)、ポリ(フッ化ビニリデン)−PEG(PVDF−PEG)、PLURONIC(商標)界面活性剤(ポリプロピレンオキシド−co−ポリエチレングリコール)、ポリ(テトラメチレングリコール)、ヒドロキシ官能化ポリ(ビニルピロリドン);生体分子[フィブリン、フィブリノゲン、セルロース、デンプン、コラーゲン、デキストラン、デキストリン、ヒアルロン酸、ヘパリン、グリコサミノグリカン、多糖類、エラスチン、キトサン、アルギン酸、シリコン、PolyActive(商標)等];並びにそれらの組合せが挙げられる。PolyActive(商標)とは、ポリ(エチレングリコール)及びポリ(ブチレンテレフタレート)のブロックコポリマーを指す。
本明細書で使用する場合、「安定なニトロキシド」とは、一般構造RR’N−O・[式中、R及びR’は、脂肪族、芳香族若しくは複素環であってよく、前記複素環は芳香族若しくは非芳香族であり;又はR及びR’は、一緒になって環を形成してもよく、前記環は非環式若しくは芳香族であってよい]を有する単離可能な常磁性有機化合物を指す。いくつかの例示的な安定なニトロキシドは、それだけに限らないが、以下のものが挙げられる。
Figure 2009543659
これらの非限定的な例では、R及びRは、−NH、−OH、−COOH等の基であってよく、Rは、それだけに限らないが、−(CHC(O)OHであってよく、及びRは、やはりそれだけに限らないが、−(CHb’CHであってよく、b及びb’は、独立に1〜16である。本発明の目的のために、安定なニトロキシドはポリマーに共有結合することが現在は好ましい。そのため、安定なニトロキシドは、ポリマー上の官能基と反応できる、少なくとも1つの官能基を含有していなければならない。ポリ(エステル−アミド)は、本明細書で使用するポリマーとして現在好ましく、さらにアミド形成要素が、20個の基本的なアミド酸にセレノアデニンを加えた内の1つであり、該アミノ酸が−OC(O)OH基、−OH基、−SH基及び−NH基を含むことが現在好ましいため、安定なニトロキシド上の官能基は、これらの基の1つ又は複数と反応できるものであるべきである。例えば、それだけに限らないが、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルは、ポリマー骨格の構成単位の1つに含まれたリジンのペンダントカルボン酸基と反応し、アミドを形成できる。共有結合した安定なニトロキシドをもたらすと思われる、他のこのような官能基は、本明細書の記述に基づき当業者には明らかであると思われ、本発明の範囲内である。上記の代表的な安定なニトロキシドの一部は、本明細書での使用に適した官能基と共に示されている。
ポリ(エステル−アミド)は、その骨格構造においてエステル結合及びアミド結合の両方を有するポリマーを指す。本発明のポリ(エステル−アミド)は、次の一般式:
Figure 2009543659

を有し、
式中、X、Y及びZは、ポリマーの構成単位を指す。m、p及びnという数は、1及び0を含む0と1との間の小数を指し、ポリマー中の各構成単位のモル分率を示す。例えば、それだけに限らないが、m=0.5、p=0.25及びn=0.25は、ポリ(エステル−アミド)が50mol%X、25mol%Y及び25mol%Zからなることを意味するであろう。これは、当然ながら、m+p+nが1.0でなくてはならないことを意味する。m、p又はnのいずれかが0である場合、これは単純に、構成単位がポリマーから欠けていることを意味する。例えば、それだけに限らないが、p=0の場合、得られたポリマーは、次の一般構造:
Figure 2009543659

を有し、m+nは1.0である。
現在好ましいポリ(エステル−アミド)は、X、Y及びZのトリブロックコポリマー、X及びZのジブロックコポリマー又は構成単位Xのホモポリマーである。一般的に、構成単位X及びYは、ジオールと反応して、ジアミノエステルをもたらし、次いで二塩基酸と反応するアミノ酸を含む。非限定的な例としては、1,6−ヘキサンジオールとL−ロイシンとが反応し、ジアミノジエステルをもたらし、次いでセバシン酸と反応して、X又はYをもたらすことであろう。
任意のアミノ酸が、本発明のポリ(エステル−アミド)を構成するために使用できるが、特に有用なアミノ酸は、いわゆる基本的なアミノ酸であり、現在、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン及びバリンの20がある。もっと最近では、セレノアデニンがいくつかの天然のタンパク質に組み込まれていることが判明したが、これは本発明の特に有用なアミノ酸として含まれている。天然の生体タンパク質では、これらのアミノ酸は、L−鏡像体として出現するが、本発明の目的のために、該アミノ酸は、それらのL−若しくはD−鏡像体として、又はラセミ混合物として使用してもよい。
一方で、構成単位Zは、二塩基酸と三官能性アミノ酸との反応の結果であり、官能基の内の2つは、二塩基酸と反応できる。例としては、セバシン酸又はその活性誘導体と、L−リジン、2,6−ジアミノヘキサン酸との反応であろう。
本明細書で使用する場合、「アルキル」とは、完全に飽和(二重結合又は三重結合なし)した直鎖又は分枝鎖の炭化水素(炭素及び水素のみ)基を指す。本発明のアルキル基は、C〜C12、好ましくはC〜C10及び現在最も好ましくはC〜Cの範囲であってよい。アルキル基の例としては、それだけに限らないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第三ブチル、ペンチル、ヘキシル、エテニル、プロペニル、ブテニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルが挙げられる。
本明細書で使用する場合、m及びnが整数である「mC〜nC」とは、示された基における可能な炭素原子の数を指す。即ち、該基は、「m」及び「n」を含む「m」から「n」までの炭素原子を含有できる。本発明のアルキル基は、1〜12個の炭素原子を含むことができ、即ちmは1であってよく、nは12であってよい。当然ながら、特定のアルキル基は、例えばそれだけに限らないが3〜8個の炭素原子等、さらに限定でき、この場合、(3C〜8C)アルキル基として示されるであろう。該数は、末端の数を含み、示された数の炭素原子を有する全ての直鎖構造又は分枝鎖構造を包含する。例えば、それだけに限らないが、「C〜Cアルキル」基とは、1〜4個の炭素を有する全てのアルキル基、即ちCH−、CHCH−、CHCHCH−、CHCH(CH)−、CHCHCHCH−、CHCHCH(CH)−及び(CHCH−を指す。
本明細書で使用する場合、「シクロアルキル」とは、アルキル鎖の末端炭素原子が、互いに共有結合するアルキル基を指す。次いで、数「m」〜「n」は、そのように形成された環における炭素原子の数を指す。従って、例えば(3C〜8C)シクロアルキル基は、3員環、4員環、5員環、6員環、7員環又は8員環、即ちシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン及びシクロオクタンを指す。
本明細書で使用する場合、「アルケニル」とは、直鎖又は分枝の炭化水素鎖中に1つ又は複数の二重結合を含有するアルキル基を指す。
本発明の基が、「場合により置換されている」として記載されている場合は常に、該基は、置換されていなくても、又は示された置換基の1つ若しくは複数で置換されていてもよい。
当業者に周知の標準的な省略名称は、本明細書で終始使用されている。従って、意図した構造は、必要な水素原子全てが提供されていることを了解した上で、任意の特定の原子の必須原子価から、当業者であれば容易に認識できるであろう。例えば、炭素は四価であるので、−CORは、次の構造:
Figure 2009543659

を指していなければならないが、これは、示されていない水素又は他の原子を追加せずに、炭素が四価となり得る唯一の方法であるためである。
本発明の埋め込み型医療機器は、1つ又は複数の治療薬を含む。実質的に、埋め込み型医療機器上に導入した場合に有用であることが判明した任意の治療薬は、該機器及び本発明の方法で使用できる。治療薬の例としては、それだけに限らないが、抗増殖剤、抗炎症薬、抗新生物薬、抗血小板薬、抗凝固剤、抗フィブリン、抗血栓薬、抗有糸分裂薬、抗生物質、抗アレルギー性物質及び抗酸化化合物が挙げられる。従って、治療薬は、やはりそれだけに限らないが、合成の無機又は有機の化合物、タンパク質、ペプチド、多糖類及び他の糖類、脂質、DNA及びRNA核酸配列、アンチセンスオリゴヌクレオチド、抗体、受容体リガンド、酵素、接着性ペプチド、血液凝固剤(ストレプトキナーゼ及び組織プラスミノゲン活性化因子等)、抗原、ホルモン、増殖因子、リボザイム、レトロウイルスベクター、抗増殖剤[ラパマイシン、40−O−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシン(エベロリムス)、パクリタキセル、ドセタキセル、メトトレキサート、アザサイオプリン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、フルオロウラシル、塩酸ドキソルビシン、及びマイトマイシン等]、抗血小板化合物、抗凝固剤、抗フィブリン、抗トロンビン剤[ヘパリンナトリウム、低分子量ヘパリン、ヘパリノイド、ヒルジン、アルガトロバン、ホルスコリン、バピプロスト、プロスタサイクリン、プロスタサイクリン同族体、デキストラン、D−phe−pro−arg−クロロメチルケトン(合成抗トロンビン剤)、ジピリダモール、糖タンパク質IIb/IIIa血小板細胞膜受容体アンタゴニスト抗体、組換えヒルジン、トロンビン阻害薬(Angiomax a等)等]、カルシウムチャンネル遮断薬(ニフェジピン等)、コルヒチン、繊維芽細胞増殖因子(FGF)アンタゴニスト、魚油(オメガ3−脂肪酸)、ヒスタミンアンタゴニスト、ロバスタチン、モノクローナル抗体、ニトロプルシド、ホスホジエステラーゼ阻害薬、プロスタグランジン阻害薬、スラミン、セロトニン阻害薬、ステロイド、チオプロテアーゼ阻害薬、トリアゾロピリミジン、酸化窒素又は酸化窒素供与体、スーパーオキシドジスムターゼ、スーパーオキシドジスムターゼ模倣薬、エストラジオール、抗癌剤、栄養補助食品(ビタミン等)、抗炎症剤(アスピリン、タクロリムス、デキサメタゾン及びクロベタゾール等)、細胞増殖抑制物質(アンジオペプチン等)、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(カプトプリル、シラザプリル又はリシノプリル等)、抗アレルギー性物質(ペルミロラストカリウム、αインターフェロン、生物活性RGD、及び遺伝子組換え上皮細胞等)であってよい。埋め込み型医療機器と併用するために、現在利用できるか、又は将来開発され得る、他の治療薬も同様に使用でき、全て本発明の範囲内である。
本発明に関して、免疫抑制マクロライド抗体であるエベロリムスは、現在好ましい治療薬である。
有効であるために、本発明の安定なニトロキシドは、治療薬と同じ層、即ち薬物貯蔵層に含まれているか、又は薬物貯蔵層と、フリーラジカル源、例えばそれだけに限らないがeビーム発生器等との間に配置されたそれぞれの独立した層を含む、任意の層に含まれている。
[実施例]
実施例1
本実施例は、治療薬、本実施例においてはエベロリムスを電子ビーム滅菌の影響から保護するために、本発明のポリマーに結合した安定なニトロキシドの1つをどのように使用できるのかを例示している。
ポリマー骨格中のアミノ酸の1つとして、リジンカルボキシル基に共有結合した、4−アミノTEMPOとして知られる安定なニトロキシドである、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、又は同一のカルボキシル基に共有結合したベンジル基のいずれかと共に、エベロリムス及びポリ(エステル−アミド)を含有する薬物貯蔵層は、薬物負荷100μg/cmに相当する、全乾燥重量392μgの物質を付着させる方法で、12mmの小さなVision(登録商標)ステント上にスプレーコーティングした。
ポリマーに結合した同一の安定なニトロキシド又はベンジル基からなるトップコートは、トップコート中の物質の全乾燥重量が約400μgになるように施した。各層は、無水エタノール中の2重量%溶液として施した。次いで、ステントをeビーム滅菌に曝した。
表1は、eビーム滅菌前後の薬物の純度及び回復を示している(各試験でn=6)。安定なニトロキシドによって得られる保護は、純度比較からは明らかにはならないが、回復率から容易に明らかになる。従って、滅菌の結果として、ベンジル含有試料はエベロリムスを約5.6%失ったのに対して、安定なニトロキシド含有試料は約2.5%であり、他の係数は全て、均等に保たれた。
Figure 2009543659

Claims (41)

  1. 機器本体、
    前記機器本体上に配置された任意選択のプライマー層、
    1つ又は複数の治療薬を含み、前記機器本体上又は前記プライマー層(選択された場合)上に配置された薬物貯蔵層、
    前記薬物貯蔵層上に配置された任意選択の律速層、
    前記薬物貯蔵層上又は前記律速層(選択された場合)上に配置された任意選択のトップコート層、及び
    安定なニトロキシド
    を備え、前記安定なニトロキシドが、前記薬物貯蔵層、前記律速層、前記トップコート層、前記薬物貯蔵層と外部環境との間に配置された独立層、又はこれらの任意の組合せに含有されている、埋め込み型医療機器。
  2. 前記安定なニトロキシドが、ポリマーに結合した安定なニトロキシドを含む、請求項1に記載の埋め込み型医療機器。
  3. 前記ポリマーに結合した安定なニトロキシドが、前記安定なニトロキシドと前記ポリマーとの間の共有結合を含む、請求項2に記載の埋め込み型医療機器。
  4. 前記ポリマーがポリ(エステル−アミド)である、請求項3に記載の埋め込み型医療機器。
  5. 前記ポリ(エステル−アミド)が次式:
    Figure 2009543659

    を有し、
    式中、mは、0及び1を含む0から1までの数であり、
    pは、0及び1を含む0から1までの数であり、
    nは、0及び1を含む0から1までの数であり、
    m+p+n=1であり、
    Xは次の化学構造:
    Figure 2009543659

    を有し、
    Yは次の化学構造:
    Figure 2009543659

    を有し、
    Zは次の化学構造:
    Figure 2009543659

    を有し、
    式中、R、R1’及びRは、(1C〜12C)アルキル及び(2C〜12C)アルケニルからなる群から独立に選択され、但し、R及びR3’が同一であるとき、R及びR1’は異なり、
    、R2’、R2’’及びR2’’’は、水素及び(1C〜4C)アルキルからなる群から独立に選択され、
    前記アルキル基は、−OH、−O(1C〜4C)アルキル、−SH、−S(1C〜4C)アルキル、−SeH、−COR、−NHC(NH)NH、イミダゾール−2−イル、イミダゾール−5−イル、インドール−3−イル、フェニル、4−ヒドロキシフェニル及び4−[(1C〜4C)アルキルO]フェニルからなる群から選択される部分で場合により置換されており、
    式中、Rは、−OH、−O(1C〜4C)アルキル、−NH、−NH(1C〜4C)アルキル、−N(1C〜4C)アルキル(1C〜4C)アルキル、安定なニトロキシド、及び
    Figure 2009543659

    からなる群から選択され、又は
    、R2’、R2’’及びR2’’’の1つ若しくは複数は、それが結合する炭素と隣接する窒素との間に架橋を形成してもよく、前記架橋は−CHCHCH−を含み、
    及びR3’は、(1C〜12C)アルキル、(2C〜12C)アルケニル、(3C〜8C)シクロアルキル及び−(CHCHO)CHCH−からなる群から独立に選択され、qは1及び10を含む1から10までの整数であり、但し、R及びR1’が同一であるとき、R及びR3’は異なり、
    は、−CH(COR)CHS−、−CH(COR)CHO−、−CH(COR)(CHNH−、−(CHCH(COR)NH−、−CH(COR)CH(CH)O−、
    Figure 2009543659

    であり、
    式中、R、R2’、R2’’、R2’’’及びRの少なくとも1つは、Rを含み、Rは安定なニトロキシドを含む、請求項4に記載の埋め込み型医療機器。
  6. 、R1’及びRが、−(CH−及び−(CH−からなる群から独立に選択される、請求項5に記載の埋め込み型医療機器。
  7. 、R2’、R2’’及びR2’’’が、−CH、−HCHNHC(NH)NH、−CHCONH、−CHCOOH、−CHSH、−CHCHCOOH、−CHCHCONH、−CHNH
    Figure 2009543659

    −CH(CH)CHCH、−CHCH(CH、−(CHNH、(CHSCH
    Figure 2009543659

    CHOH、−CH(CH)OH、
    Figure 2009543659

    CH(CH及び−CHCHCH−からなる群から独立に選択され、第2の炭素はRが結合する炭素に隣接する窒素に共有結合する、請求項6に記載の埋め込み型医療機器。
  8. 、R2’、R2’’及びR2’’’が−CHCH(CHである、請求項7に記載の埋め込み型医療機器。
  9. が−(CH−であり、R3’
    Figure 2009543659

    である、請求項8に記載の埋め込み型医療機器。
  10. が−(CHCORNH−であり、Rが安定なニトロキシドを含む、請求項9に記載の埋め込み型医療機器。
  11. 前記安定なニトロキシドが、以下のものからなる群から選択される、請求項10に記載の埋め込み型医療機器。
    Figure 2009543659

    [式中、R及びRは、−NH、−OH及びC(O)OHからなる群から選択され;Rは−(CHC(O)OHであり、Rは−(CHb’CHであり、b及びb’は独立に1〜16である]
  12. 前記安定なニトロキシドが以下のものである、請求項11に記載の埋め込み型医療機器。
    Figure 2009543659

    [式中、Rは−NHである]
  13. p=0である、請求項1に記載の埋め込み型医療機器。
  14. 及びRが、−(CH−及び−(CH−からなる群から独立に選択される、請求項13に記載の埋め込み型医療機器。
  15. 及びR2’が、−CH、−CHCHNHC(NH)NH、−CHCONH、−CHCOOH、−CHSH、−CHCHCOOH、−CHCHCONH、−CHNH
    Figure 2009543659

    −CH(CH)CHCH、−CHCH(CH、−(CHNH、(CHSCH
    Figure 2009543659

    CHOH、−CH(CH)OH、
    Figure 2009543659

    CH(CH及び−CHCHCH−からなる群から独立に選択され、第2の炭素が、Rが結合する炭素に隣接する窒素に共有結合する、請求項14に記載の埋め込み型医療機器。
  16. 及びR2’が、−CHCH(CHである、請求項15に記載の埋め込み型医療機器。
  17. が、−(CH−、−(CH−及び−(CHCHO)CHCH−からなる群から選択され、qが1及び10を含む1から10までの整数である、請求項16に記載の埋め込み型医療機器。
  18. qが2である、請求項17に記載の埋め込み型医療機器。
  19. が−(CHCH(COR)NH−であり、Rが安定なニトロキシド化合物を含む、請求項18に記載の埋め込み型医療機器。
  20. 前記安定なニトロキシドが、以下のものからなる群から選択される、請求項19に記載の埋め込み型医療機器。
    Figure 2009543659

    [式中、R及びRは、−NH、−OH及びC(O)OHからなる群から選択され;Rは−(CHC(O)OHであり、Rは−(CHb’CHであり、b及びb’は独立に1〜16である]
  21. 前記安定なニトロキシドが以下のものである、請求項20に記載の埋め込み型医療機器。
    Figure 2009543659

    [式中、Rは−NHである]
  22. p及びnが0である、請求項5に記載の埋め込み型医療機器。
  23. が、−(CH−及び−(CH−からなる群から選択される、請求項22に記載の埋め込み型医療機器。
  24. 及びR2’が、−CH、−HCHNHC(NH)NH、−CHCONH、−CHCOOH、−CHSH、−CHCHCOOH、−CHCHCONH、−CHNH
    Figure 2009543659

    −CH(CH)CHCH、−CHCH(CH、−(CHNH、(CHSCH
    Figure 2009543659

    CHOH、−CH(CH)OH、
    Figure 2009543659

    CH(CH及び−CHCHCH−からなる群から独立に選択され、第2の炭素が、Rが結合する炭素に隣接する窒素に共有結合する、請求項23に記載の埋め込み型医療機器。
  25. 及びR2’が、CHCH(CHである、請求項24に記載の埋め込み型医療機器。
  26. が、−(CH−、−(CH−、及び−(CHCHO)CHCH−からなる群から選択され、qは1及び10を含む1から10までの整数である、請求項25に記載の埋め込み型医療機器。
  27. qが2である、請求項26に記載の埋め込み型医療機器。
  28. が−(CHCH(COR)NH−であり、Rが安定なニトロキシドを含む、請求項27に記載の埋め込み型医療機器。
  29. 前記安定なニトロキシドが、以下のものからなる群から選択される、請求項28に記載の埋め込み型医療機器。
    Figure 2009543659

    [式中、R及びR−NH、−OH及びC(O)OHからなる群から選択され;Rは−(CHC(O)OHであり、Rは−(CHb’CHであり、b及びb’は独立に1〜16である]
  30. 前記安定なニトロキシドが以下のものである、請求項29に記載の埋め込み型医療機器。
    Figure 2009543659

    [式中、Rは−NHである]
  31. 前記治療薬がエベロリムスである、請求項1に記載の埋め込み型医療機器。
  32. ステントである、請求項1に記載の埋め込み型医療機器。
  33. 機器本体、
    前記機器本体上に配置された任意選択のプライマー層、
    1つ又は複数の治療薬を含み、前記機器本体上又は前記プライマー層(選択された場合)上に配置された薬物貯蔵層、
    前記薬物貯蔵層上に配置された任意選択の律速層、
    前記薬物貯蔵層上又は前記律速層(選択された場合)上に配置された任意選択のトップコート層、及び
    安定なニトロキシド
    を備え、前記安定なニトロキシドが、前記薬物貯蔵層、前記律速層、前記トップコート層、前記薬物貯蔵層と機器を滅菌するために生成したフリーラジカル源との間に配置された独立層に含有される、埋め込み型医療機器を提供するステップと、
    フリーラジカルを生成して滅菌する方法を用いて該機器を滅菌するステップと
    を含む方法。
  34. 前記フリーラジカルを生成して滅菌する方法が、eビーム滅菌である、請求項33に記載の方法。
  35. 前記安定なニトロキシドがポリマーを結合した安定なニトロキシドである、請求項33に記載の方法。
  36. 前記ポリマーがポリ(エステル−アミド)である、請求項35に記載の方法。
  37. 前記ポリ(エステル−アミド)が次式を有する、請求項36に記載の方法。
  38. 前記安定なニトロキシドが以下のものからなる群から選択される、請求項37に記載の方法。
    Figure 2009543659

    [式中、R及びRは、−NH、−OH及びC(O)OHからなる群から選択され;Rは−(CHC(O)OHであり、Rは−(CHb’CHであり、b及びb’は独立に1〜16である]
  39. 前記安定なニトロキシドが以下のものである、請求項38に記載の方法。
    Figure 2009543659

    [式中、Rは−NHである]
  40. 前記埋め込み型医療機器がステントである、請求項33に記載の方法。
  41. 前記治療薬がエベロリムスである、請求項33に記載の方法。
JP2009520760A 2006-07-14 2007-07-09 滅菌中に薬物を保護するためのフリーラジカルスカベンジャーを用いた薬剤溶出性埋め込み型医療機器及び関連する方法 Pending JP2009543659A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US11/487,253 US20080014245A1 (en) 2006-07-14 2006-07-14 Drug-eluting implantable medical device with free radical scavenger for protecting drugs during sterilization and related method
PCT/US2007/015723 WO2008008334A2 (en) 2006-07-14 2007-07-09 Drug-eluting implantable medical device with free radical scavenger for protecting drugs during sterilization and related method

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009543659A true JP2009543659A (ja) 2009-12-10

Family

ID=38923832

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009520760A Pending JP2009543659A (ja) 2006-07-14 2007-07-09 滅菌中に薬物を保護するためのフリーラジカルスカベンジャーを用いた薬剤溶出性埋め込み型医療機器及び関連する方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20080014245A1 (ja)
EP (1) EP2046406A2 (ja)
JP (1) JP2009543659A (ja)
WO (1) WO2008008334A2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012035614A (ja) * 2010-07-14 2012-02-23 Teijin Chem Ltd 樹脂製グレージング積層体

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7910152B2 (en) * 2006-02-28 2011-03-22 Advanced Cardiovascular Systems, Inc. Poly(ester amide)-based drug delivery systems with controlled release rate and morphology
US7731987B2 (en) * 2006-07-13 2010-06-08 Advanced Cardiovascular Systems, Inc. Implantable medical device comprising a pro-healing poly(ester-amide)
CN101952348B (zh) * 2007-11-29 2013-08-07 康奈尔大学 温敏精氨酸基底水凝胶为生物载体
US8092822B2 (en) 2008-09-29 2012-01-10 Abbott Cardiovascular Systems Inc. Coatings including dexamethasone derivatives and analogs and olimus drugs
CN102341133A (zh) * 2009-02-02 2012-02-01 麦德托尼克公司 植入式医疗器械的抗菌配件
US20100278895A1 (en) * 2009-04-30 2010-11-04 Medtronic, Inc. Antioxidants and antimicrobial accessories including antioxidants
US8715719B2 (en) * 2010-06-16 2014-05-06 Abbott Vascular, Inc. Stable chitosan hemostatic implant and methods of manufacture
US8911427B2 (en) 2010-12-28 2014-12-16 Medtronic, Inc. Therapeutic agent reservoir delivery system

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4304767A (en) * 1980-05-15 1981-12-08 Sri International Polymers of di- (and higher functionality) ketene acetals and polyols
US4733665C2 (en) * 1985-11-07 2002-01-29 Expandable Grafts Partnership Expandable intraluminal graft and method and apparatus for implanting an expandable intraluminal graft
US4800882A (en) * 1987-03-13 1989-01-31 Cook Incorporated Endovascular stent and delivery system
US4886062A (en) * 1987-10-19 1989-12-12 Medtronic, Inc. Intravascular radially expandable stent and method of implant
HU222501B1 (hu) * 1991-06-28 2003-07-28 Endorecherche Inc. MPA-t vagy MGA-t tartalmazó nyújtott hatóanyag-felszabadulású gyógyászati készítmény és eljárás előállítására
GB2281161B (en) * 1993-08-04 1997-05-28 Fulcrum Communications Limited Optical data communications networks
US6703040B2 (en) * 2000-01-11 2004-03-09 Intralytix, Inc. Polymer blends as biodegradable matrices for preparing biocomposites
US6503538B1 (en) * 2000-08-30 2003-01-07 Cornell Research Foundation, Inc. Elastomeric functional biodegradable copolyester amides and copolyester urethanes
US20050265960A1 (en) * 2004-05-26 2005-12-01 Pacetti Stephen D Polymers containing poly(ester amides) and agents for use with medical articles and methods of fabricating the same
US8007775B2 (en) * 2004-12-30 2011-08-30 Advanced Cardiovascular Systems, Inc. Polymers containing poly(hydroxyalkanoates) and agents for use with medical articles and methods of fabricating the same

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012035614A (ja) * 2010-07-14 2012-02-23 Teijin Chem Ltd 樹脂製グレージング積層体

Also Published As

Publication number Publication date
EP2046406A2 (en) 2009-04-15
US20080014245A1 (en) 2008-01-17
WO2008008334A2 (en) 2008-01-17
WO2008008334A3 (en) 2008-09-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8377462B2 (en) PEA-TEMPO/PEA-BZ coatings for controlled delivery of drug from implantable medical devices
JP5523670B2 (ja) ステント様インプラントにコートされたヘパリンを含有するブロックコポリマー
EP1748806B1 (en) Biocompatible polyacrylate compositions for medical applications
US7901703B2 (en) Polycationic peptides for cardiovascular therapy
JP5463003B2 (ja) 医療用生体分解性組成物
JP2009543659A (ja) 滅菌中に薬物を保護するためのフリーラジカルスカベンジャーを用いた薬剤溶出性埋め込み型医療機器及び関連する方法
ES2379574T3 (es) Copolímeros de metacrilato para dispositivos médicos
JP5366155B2 (ja) 血栓症を低減するためにホスホリルコリンアクリレートポリマーの上塗層を備え、機械特性が改善された埋め込み型医療デバイス
US8034364B2 (en) Implantable medical device comprising a pro-healing(ester-amide)
CN102596278B (zh) 包含含有双-(α-氨基-二醇-二酯)的聚酯酰胺的涂层
JP2008517719A (ja) コーティング特性の調節のためのポリ(エステルアミド)フィラーブレンド
JP6387359B2 (ja) ラパマイシン誘導体を含む埋め込み型医療用デバイスの製造方法
JP2008521495A (ja) 生体有益性コーティングとしてのポリ(エステルアミド)誘導体
JP2007520260A (ja) 生体有益性コーティング組成物及びその製造方法及びその使用
JP2009542852A (ja) メタクリレート及びアクリレートのランダムコポリマー
JP2016508752A (ja) 薬物送達のためのポリエステルアミドコポリマーを含むコーティング
JP2010516339A (ja) 脂肪族チオエステルのポリマー
JP5201486B2 (ja) メトキシエチルメタクリレートのミッドブロックを含むブロックコポリマー
JP2016510608A (ja) 大環状トリエンラクトン薬物および最少量の抗酸化安定剤を含む埋込型医療機器ならびに製造方法
JP2009543897A (ja) ポリ(エステル−アミド)、それらの誘導体、及び埋め込み型医療デバイスへのそれらの使用
JP2016500686A (ja) 大環状トリエン活性薬剤及び酸化防止剤を含む植え込み型医療機器の製作方法
US20090181063A1 (en) Implantable medical device comprising a pro-healing poly(ester-amide)
US20070160642A1 (en) Implantable medical devices coated with a polymer-bound superoxide dismutase mimic