JP2009542533A - 接合材容器 - Google Patents

Abstract

結合材容器は、２つの相対する端壁部、および平面の床部により互いに分離されている２つの平面の側壁部から形成されるほぼ樋状の形状を有する本体を有する。本体は、端壁部へ取り付けられる。側壁部のそれぞれは、容器の床部と、それぞれの共通の丸みをおびた稜を共有する。また、該容器へ取り付けられそして該側壁部のそれぞれおよび該端壁部を補強するように形成された補強用バンドをさらに含むことができる。本発明により、使い勝手よくつかむことができ、結合材が適切かつより十分に混合でき、変形に抵抗ししかも耐久性があり掃除が容易な改良された結合材容器が提供される。
【選択図】図１

Description

本発明は、一般に容器に関し、さらに特に人造壁板（ウォールボード）の建造に使用される結合材（ｊｏｉｎｔ ｃｏｍｐｏｕｎｄ）に使用される手で持つ容器に関する。

マッド（ｍｕｄ）パンとしても知られている結合材容器は、種々のサイズで利用でき、そして人造壁板の建造のプロジェクトに必要な結合材を作業者が容易に用いることができるように使用される。作業者は、一般に、片手に容器を持ち、他方の手でテーピングナイフを持つ。このやり方では、作業者は、容器から結合材を取り出すことそして必要に応じ結合材を混合することの両方を行うのにナイフを用いる。混合作業の一部として、作業者は、しばしば、手で持っている結合材の容器を回転または「裏返し」して異なる角度から結合材を混合する。この裏返しの運動では、容器は、回転軸の周りをほぼ１８０°回転する。作業者は、日頃、混合作業の一部として、または結合材を人造壁板へ適用する前に、テーピングナイフから過剰の結合材を擦り落とすために容器の側壁部を用いる。

市場に現在出回っている結合材容器には、おおよそ２つの形状がある。１つは、端部から見たときほぼ「Ｕ」字形の外形を有するものであり、他は、ほぼ台形の外形を有する。これらの形状は、両者とも、壁板を設置する者にとり問題がある。例えば、両方の容器の形状は、平均のサイズの手を持つ成人男性が保持できるようにデザインされている。平均より短い手を有する作業者にとり、しばしば、長時間このような容器の使用は、難しくかつ使い心地が悪いことになる。

「Ｕ」字形の容器は、台形の容器に比べて長期間つかむには比較的良いが、底が平らでないので、作業者は結合材を適切に混合することができない。さらに、「Ｕ」字形の容器は、床、テーブルまたは他の支持体に置かれるとき、不安定である。特許文献１および２は、支持体上でより安定であるように、脚をもつ床部または端部のキャップを有するＵ字形の容器の例を開示している。しかし、安定性が増すことがあっても、このデザインでは、上記の混合時の問題を解決できない。

逆に、台形状の結合材容器は、支持体上に置かれたとき、安定であるが、その鋭いかつ角度のついた縁および広い底により、容器を長期間保持するのが難しい。角度のついた縁は、また結合材を完全に混合できない。結合材は、縁に沿ってこびりつくようになることが知られており、そして作業者の通常の混合手段では取り除くことができず、そのことは結合材を幾分むだにすることになる。角度のついた縁は、また、底が側壁部と接する稜に沿って残る材料の硬化により、台形状の容器をきれいにすることが難しく、この材料の硬化は、また取り除くのが困難でありそしてむだになる。このタイプの容器の角度のついた角および縁は、またそれらが作業者の衣服または皮膚に付着しそして特に容器を裏返すかまたは回転するとき、作業者が容器を落下することが知られている点で、「キャッチポインツ」としても働く。

さらに、両方の形状の従来のマッドパンには、時間の経過とともに変形する問題がある。容器は、一般に、ステンレス鋼のような金属からつくられて、耐久性がありそして掃除が楽になる。金属の使用は、落下したとき破砕するような問題を防ぐが、そのような落下は、これらの容器を変形させる。さらに、作業者は、結合材の容器の上部の縁にテーピングナイフを繰り返し擦りつけてテーピングナイフ上の結合材の量を調節する。時間が経つにつれ、比較的長い側壁部でナイフを擦りつけることは、変形を生じさせるか、または側壁部に等しくない曲がりを生じさせる。この等しくない曲がりにより、作業者は容器中で結合材を適切に混合するのが困難になる、および／またはテーピングナイフ上の結合材の量および分布のコントロールが困難になる。

米国特許５６０３４２８ 米国特許６４５４１２４

その結果、建築、家屋の修理および家屋の装飾の業界、およびＤＩＹの作業者は、使い勝手よくつかむことができ、結合材が適切かつより十分に混合でき、変形に抵抗ししかも耐久性があり掃除が容易な改良された結合材容器を長い間求めてきている。

建築および家屋の修理の専門家並びにＤＩＹ作業者により感じられてきた上記の要求に応える結合材容器が提供される。いろいろな長さ例えば１０インチ（２５４ｍｍ）、１２インチ（３０５ｍｍ）および１４インチ（３５６ｍｍ）で利用できる容器は、角のない稜を経て床部に接続される側壁部を有する。これは、結合材が集まり乾燥する割れ目を減らすことから、混合および掃除を容易にする。折り目のついた稜を除いたことは、また、容器を「裏返す」とき容器が作業者の皮膚または衣服に付着しないことを助ける。容器の形状も、より人間工学的である。容器の床部は、頂部の開口よりも実質的に狭く、それは、手の小さい人々にとり容器を保持するのをより容易にし、一方比較的広い範囲の手のサイズをもつ使用者に快適さを感じさせる。

容器は、また擦り落とす縁として機能する、側壁部の上縁から僅かに外れた補強用バンドを含む。補強用バンドは、長期間の使用から生ずる側壁部の等しくない曲がりの防止を助け、そしてまた容器を強化してそれが落下したときの変形の防止を助ける。
より詳細には、本発明の結合材容器は、２つの相対する端壁部、および平面の床部により互いに分離されている２つの側壁部から形成されるほぼ樋状の本体を有する。本体は端壁部へ取り付けられている。側壁部のそれぞれは、それぞれ共通の丸みをおびた稜を容器の床部と共有する。

他の態様では、本発明の容器は、２つの相対する端壁部、および平面の床部により互いに分離されそして端壁部へ取り付けられた２つの平面の側壁部から形成されるほぼ樋状の形状の本体を有し、さらに補強用バンドは容器へ取り付けられる。バンドは、側壁部および端壁部のそれぞれを補強し、そして擦り落とす縁を画成するのに十分な距離で上部の容器の縁から離れている。

第三の態様では、容器は、２つの相対する端壁部、および角のない共有する稜を経て平面の床部に取り付けられそしてまた端壁部へも取り付けられた２つの平面の側壁部から形成されるほぼ樋状の形状を有する本体を有する。側壁部および端壁部のそれぞれは、該床部に対して鈍角を形成する。側壁部および端壁部は、壁部の上部の縁の近くで実質的により厚い部分を有し、そして各側壁部は、その上部の縁に隣接して擦り落とす縁を有する。

本発明の結合材容器の上面斜視図である。 図１の容器の側面図である。 図１の容器の上面図である。 図１の容器の端部立面図である。 本発明の結合材容器の別の態様の端部立面図である。 本発明の結合材容器の他の別の態様の上面図である。 ほぼ指示された方向へ線７−７に沿う図６の容器の垂直断面図である。 指示されたようにゾーン８からの図７の容器の欠切垂直断面図である。 ほぼ指示された方向へ線９−９に沿う図６の容器の欠切垂直断面図である。 ほぼ指示された方向へ線１０−１０に沿う図６の容器の欠切垂直断面図である。

図１−４について、結合材容器は、広く１０と名付けられる。一般に、相対する端壁部１２および一体化した本体部分１４（２つのほぼ平面の側壁部１６および平面の床部１８からなる）からつくられた容器１０は、ほぼ樋状の形状を有する。容器１０は、好ましくはステンレス鋼から構成されるが、他の材料も考えられる。

本体１４の相対する端部に位置して、端壁部１２は、従来の方法（溶接、一体化成型、ファスナー、タブおよびスロットまたは任意の同様な固定手段を含む）によって本体へ取り付けられる。図２から分かるようように、端壁部１２は、床部１８から上方へ分かれ、床部に対して鈍角を形成する。

図４により最も良く分かるように、側壁部１６のそれぞれは、床部１８と、それぞれの共通の丸みのある稜２０を共有する。すなわち、本体１４を形成するのに使用される好ましい鋼、他の金属または他の材料は、折り目が付かず、床部１８と側壁部１６との間に稜を形成する。むしろ、材料は、床部１８と側壁部１６との間の円弧状の転移を生ずるように巻かれたりする。さらに、丸みをおびた稜２０は、側壁部１６と床部１８との間で好ましくは約１０２°と１０４°との間の鈍角βを画成する。

この構成の重要な特徴は、それが結合材の混合における困難さを軽減することである。丸みのある稜２０は、結合材の形成または早まった硬化を防ぎ、そして作業者が自然な混合のやり方によりすべての材料を取り出すことを可能にし、作業者は作業中手間がかからず、結合材のより能率的な利用を助ける。同様に、丸みをおびた稜２０は、容器１０を掃除するのを助ける。

また、図３により最も良く分かるように、頂部の開口２２は、容器１０の上部の縁２４により画成される。床部１８と側壁部１６との間に形成される鈍角βのために、床部の幅ｗ_ｆは、頂部の開口の幅ｗ_ｔよりもかなり狭い。特に、この態様における比ｗ_ｆ／ｗ_ｔは、好ましくは０．５５から０．６５の一般的な範囲にある。この構成により、頂部の開口が、作業者にとり自然な動きで容器１０を使用するのに十分に大きいこと、そしてまた容器の床部１８が、平均よりも小さい手をもつ作業者により、および／または長時間の使用にあたって、快適に保持されるのに十分に狭いことが分かった。しかし、他の比も同じ結果を得るために含まれる。

さらに、図１−４から分かるように、補強用バンド２６が、好ましくは、容器の上部の縁２４に隣接しそして擦り落とす縁２８を画成するのに十分な距離で上部の縁から離れて、容器１０へ取り付けられている。バンド２６は、リベット３０、点溶接または任意の同様な固定方法により容器１０へ取り付けられる。バンド２６は、剛い耐久性のある材料、例えば鋼または同様な材料から作られ、そして端壁部１２、側壁部１６を補強しさらに容器１０の全般的な構造上の支持を得るように配置される。特に、バンド２６は、擦り落とす縁２８にわたって、アプリケーター器具例えばテーピングナイフの繰り返される擦り落としから側壁部１６が曲がることを防ぐことを助ける。

広く４０と名付けられる結合材容器の他の態様は、図５に示される。容器１０と共有される部品は、同じ参照番号が付される。容器４０は、床部１８および側壁部１６と共有されるそれぞれの共通の丸みをおびた稜２０を含む。これは、上述のように混合および掃除を助ける。しかし、容器４０には、補強用バンド２６がない。これは、容器１０と容器４０との間の大きな相違である。

広く５０と名付けられる本発明の結合材容器の第三の態様は、図６−１０に示される。容器１０および４０と共有される部品は、同じ参照番号が付けられる。第三の態様では、容器５０は、一体化した本体５２から作られ、それは、２つの相対する端壁部５４、２つの平面の側壁部５６および平面の床部１８を有し、最初の２つの態様におけるように、ほぼ樋状の形状を記述している。この態様は、好ましくは、その軽い重量、耐久性、低コストおよび／または使用の容易さについて選択されたプラスチックから作られる。容器５０は、好ましくは、当業者に周知のように一体化成型されるが、また化学接着剤、超音波溶接などを使用して構成できる。

端壁部５４は、下方の部分５８および上方の部分６０を有し、上部の部分は、下方の部分より実質的に厚く、容器５０の剛性を増強する。スタッキングタブ６２（図１０）は、端壁部５４の上方の部分６０へ付着しそしてそれから下垂している。スタッキングタブ６２の利点は、バルク輸送中のように、複数の容器が垂直に積まれるとき、複数の容器５０の間に空気が存在する隙間が維持できることである。端壁部５４は、床部１８から上方へ曲がり、それぞれの端壁部は、床部とそれぞれの鈍角βを形成する。

それぞれの側壁部５６は、下方の部分６４および上方の部分６６を有する。上方の部分６６は、下方の部分６４よりも実質的に厚い。この付け加えられた厚さは、容器５０の全剛性が増加するのを助ける。側壁部５６は、前述したように一体化成型、化学接着剤などによって端壁部５４および床部１８へ接続される。

さらに、側壁部５６の上方の部分６６は、側壁部の上部の縁７０に横方向に沿って配置される取り付け溝６８を含む。擦り落とす縁２８は、取り付け溝６８内に取り付けられ、取り付け物質７２により確保されそして上方へほぼ垂直に延在する。取り付け物質７２は、化学接着剤、インサート成型などに使用されるプラスチックである。擦り落とす縁２８は、金属例えばステンレス鋼から製造され、そして鋭くされるかまたは鋭くないままにされる。各側壁部５６の下方の部分６４は、それぞれの角のない丸みをおびた稜２０を床部１８と共有する。それぞれの丸みをおびた稜２０は、それぞれの側壁部５６と床部１８との間で好ましくは１０２°と１０４°との間の鈍角βを形成する。

また、頂部の開口２２は、容器５０の上部の縁２４により画成される。床部１８と側壁部５６との間に形成される鈍角βのために、床部の幅ｗ_ｆは、頂部の開口ｗ_ｔよりもかなり小さい。特に、この態様における比ｗ_ｆ／ｗ_ｔは、好ましくは０．６５と０．７５との間であるが、０．５５から０．７５の一般的な範囲の比も、図１−５の態様についてと同様に、この態様でも含まれる。この構造では、頂部の開口は、作業者が容器５０を自然な動きで使用するには十分に大きいこと、そしてまた容器の床部１８が、平均より小さい手をもつ作業者にとり、および／または長時間の使用にあたって、快適に保持されるには十分に狭いことが見いだされた。

要約すると、本発明の結合材容器は、結合材が集まりそして硬化する割れ目を減らすことにより、混合および掃除を助ける角のない共有する稜を経て床部へ接続する側壁部を有する。容器は、また人間工学的であり、比較的狭い床部および比較的広い頂部の開口を有し、それは、広い範囲の手のサイズをもつ作業者が長期間容器を快適に保持することを可能にし、さらに結合材を取り出したりまたは混合するとき自然な動きを可能にする。最後に、補強用バンドは、容器へ強さおよび剛性をあたえ、そして長期間の使用による側壁部の等しくない曲がりを避けることを助け、そしてまたもし容器が落下したときの変形を防ぐことを助ける。

本発明の結合材容器の特別な態様が記述されたが、請求の範囲に記述されそしてそのより広い範囲で本発明から離れることなく変化および改変を行うことができることは当業者にとり明らかであろう。

１０ 結合材容器
１２ 端壁部
１４ 本体
１６ 側壁部
１８ 床部
２０ 丸みをおびた稜
２２ 頂部の開口
２４ 上部の縁
２６ 補強用バンド
２８ 擦り落とす縁
４０ 結合材容器
５０ 結合材容器
５２ 一体化した本体
５４ 端壁部
５６ 側壁部
６０ 上方の部分
６２ スタッキングタブ
６４ 下方の部分
６６ 上方の部分
６８ 取り付け溝
７０ 上部の縁
７２ 取り付け物質

Claims (17)

1. ２つの相対する端壁部；および
   平面の床部により互いに分離された２つの平面の側壁部から形成されたほぼ樋状の形状を有し、該端壁部へ取り付けられた本体からなり、
   該側壁部のそれぞれは、それぞれの共通の丸みをおびた稜を該床部と共有していることを特徴とする結合材容器。
2. 該側壁部のそれぞれおよび該端壁部が、該床部に対して鈍角を形成している請求項１の容器。
3. 該容器へ取り付けられ、該側壁部のそれぞれおよび該端壁部を補強するように形成された補強用バンドをさらに含む請求項１の容器。
4. 該バンドが、該側壁部および該端壁部の上部の縁に隣接して配置されている請求項３の容器。
5. 該バンドが、擦り落とす縁を画成するのに十分な距離で該結合材容器の該上部の縁から離れている請求項３の容器。
6. 該床部の断面の幅と、該側壁部および該端壁部の上部の縁により画成される頂部の開口の断面の幅との比が、おおよそ０．５５と０．７５との間にある請求項１の容器。
7. 該本体が一体化している請求項１の容器。
8. 該丸みをおびた稜が約１０２°−１０４°の角度を画成している請求項１の容器。
9. ２つの相対する端壁部；
   平面の床部により互いに分離された２つの平面の側壁部から形成されたほぼ樋状の形状を有し、該端壁部へ取り付けられた本体；および
   該容器へ取り付けられ、該側壁部のそれぞれおよび該端壁部を補強するように形成された補強用バンドからなり、
   該補強用バンドが、擦り落とす縁を画成するのに十分な距離で該結合材容器の該上部の縁から離れていることを特徴とする結合材容器。
10. 該本体が一体化している請求項９の容器。
11. 該側壁部のそれぞれが、それぞれの共通の丸みをおびた稜を該床部と共有している請求項９の容器。
12. 該丸みをおびた稜が、約１０２°−１０４°の角度を画成している請求項１１の容器。
13. ２つの相対する端壁部；
    角のない共通の稜を経て床部に取り付けられた２つの平面の側壁部から形成されたほぼ樋状の形状を有し、該端壁部へ取り付けられた本体からなり、
    該端壁部のそれぞれおよび該側壁部が該床部に対して鈍角を形成し、該側壁部および該端壁部が壁部の上部の縁に近く実質的に厚い部分を有し、そしてそれぞれの側壁部に、該側壁部の該上部の縁に隣接して擦り落とす縁が設けられていることを特徴とする結合材容器。
14. 該本体が一体化している請求項１３の容器。
15. 該実質的に厚い部分が、擦り落とす縁を画成するのに十分な距離で該結合材容器の該上部の縁から離れている補強用バンドにより形成されている請求項１３の容器。
16. 該角のない共通の稜が丸みをおびており、そして約１０２°−１０４°の角度を画成している請求項１３の容器。
17. 該床部の断面の幅と、該側壁部および該端壁部の上部の縁により画成される頂部の開口の断面の幅との比が、おおよそ０．５５と０．７５との間にある請求項１３の容器。

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