JP2009542241A - 接触して細胞をサンプリングするための装置 - Google Patents

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Abstract

体の組織または他の要素を接触させることによって細胞をサンプリングするためのマイクロテクノロジー装置(6)であって、複数の突起物(24)を備えている下部壁(22)によって形成される少なくとも一つの回収ゾーン(22)が存在する関心のある少なくとも一つの表面を有するサポート(12)を具備している。好ましくは、前記マイクロテクノロジー装置はサンプリングされる細胞を引き付けるための力を有する被覆で覆われた少なくとも一つの回収ゾーンを備えている。

Description

本発明は臨床診断及び/または非侵襲的治療の追跡治療の分野に関連している。特に、本発明は接触により関連のある生体細胞をサンプリングするためのマイクロテクノロジー装置に関連している。
特許文献1及び特許文献2で開示された細胞学的な細胞を収集するための装置のような、細胞をサンプリングするためのスパチュラ型の道具が存在する。そのような装置は、自然な経路で直接到達可能な細胞組織の表面上で細胞を集めることを目的としている。
もし直接到達可能でない器官から細胞を集めることを望む場合、生体検査が一般的に行なわれる。収集された細胞はそれから実験施設内で分析される。このようにして、これらの技術は、サンプルの生物学的完全性(biological integrity)を改善する。さらに、サンプリング装置の挿入が、脳のようなある特定の領域で、極小でなければならないとき、それらを常に用いることはできない。
さらに、人または動物から器官の生体検査またはサンプリングが行なわれるとしても、サンプリングされた細胞または器官に損害を与えることなく、少量の細胞を回収させることが一般的に望ましい。実際には、これは、採られたサンプルの他の治療または分析を続けることを可能にしている。
米国特許第6,607,494号明細書 国際特許第99/25251号パンフレット 仏国追加特許公開第2,846,957号明細書
本発明の1つの態様は、現存するサンプリング装置の不利点を軽減することを目的としている。
本発明の1つの目的は、とりわけ少量の細胞の非侵襲的なサンプリングを行なうことが可能となるようにすることである。
この目的を達成するために、本発明はこのようにして、複数の突起を備えている下部壁によって形成された少なくとも一つの回収ゾーン上に存在する関心のある少なくとも一つの表面を有しているサポートを具備した体の組織または他の要素と接触して細胞をサンプリングするためのマイクロテクノロジー装置を提供する。
有利的に、独創的な装置の突起の高さは10μmから400μmの間、及び前記突起の表面積は3×3μmから80×80μmの間である。例えば、六角または八角の断面積を有する前記突起は、その幅が50μmより小さいギャップによって分離されうる。
回収ゾーンはカップを備えることが可能であり、前記下部壁は前記カップの下部に相当している。
有利的な実施形態に従って、回収ゾーンの下部壁及び/または突起は、例えば、接着分子及び/または抗体によって官能化される。官能化された表面はアニオンまたはカチオンである。
加えて、下部壁及び/または回収ゾーンの突起はマイクロビーズで被覆され、それによって官能化されうる。
前記官能化はとりわけシリル化された官能基によって表面に結合する触媒の存在を含む。
有利的に、独創的な装置は、関心のある同一の表面上の複数の回収ゾーンを備えている。前記回収ゾーンは初期ギャップゾーンによって分離されている。回収ゾーンを分離するための手段がギャップゾーン内に存在しうる、例えば、それは前記サポートの表面の一方の上のノッチである。
好ましい実施形態によれば、装置のサポートは平板の形態である。それは、回収ゾーン及び場合によりそれらを分離する手段を除いて第1及び第2の主要な平坦な表面を備えている。
前記サポートはプラスチックまたはマイクロテクノロジー基板、とりわけシリコンでありうる。それはまた、サポートに接続された一つの端部を有するハンドリングロッドを含みうる。
本願発明のもう一つの態様は、複数の突起を備えている下部壁によって形成された少なくとも一つの回収ゾーンに存在する関心のある少なくとも一つの表面を有するサポートを備えたマイクロテクノロジー装置を用いて、体の組織または他の要素の上または中の細胞をサンプリングするための手段に関している。細胞のサンプリングは体の細胞または要素に接触する前記少なくとも一つの回収ゾーンを配置することによって実行される。
本願請求項によれば、前記サンプリングは全く外科的ではない、すなわち、例えば、組織検査法によって事前に採られた組織に関しているか、または、死体に関している。しかしながら、前記方法は生きている患者や動物にも適用され利用されうる。
特に、本発明は、前に定義されたようなサンプリング段階を備えている体の組織または他の要素を診断及び/または分析するための方法に関している。サンプリング後に装置の上に存在する細胞を、顕微鏡を用いて観測する段階は想定され、及び/またはサンプリング後に装置の上に存在する細胞を培養する段階である。
本発明の特徴と利点は、以下に続く詳細、及び純粋に実例となり、非限定的な基準として与えられる添付の図面からより理解されるだろう。
本発明の1つの実施形態に従って、接触によるサンプリングのためのシステムを示している。 独創的な装置に対する回収ゾーンの1つの実施形態を示している。 独創的な装置の表面の官能化の例を図解している。 ビーズによる官能化を図解している。 独創的な装置の回収ゾーンを分離する手段の様々な実施形態を図解している。 独創的な装置の回収ゾーンを分離する手段の様々な実施形態を図解している。 独創的な装置の回収ゾーンを分離する手段の様々な実施形態を図解している。 独創的な装置の回収ゾーンを分離する手段の様々な実施形態を図解している。 独創的な装置を使うための方法を示している。
本発明は、以下で述べられるマイクロテクノロジーサンプリング装置を用いて、体の組織または他の構成要素から少量の細胞をサンプリングすることを目的とする。
本願明細書において、「体の組織または他の要素」は、人または動物の体のいかなる構造的または機能的な構成要素を意味している。それは例えば器官、すなわち、特定の機能(脳、肺等)に対して特殊化されて区別されている機能的及び構造的な構成要素である。組織の例は腫瘍である。「体の他の要素」との用語は、とりわけ、肌、心臓血管システム、及び消化システムを参照する。
本発明による装置を用いて体の組織または他の要素からの細胞のサンプリングは、生体内または生体外で、例えば、本来の位置で実行されうる。
独創的なマイクロテクノロジーサンプリング装置は、ミリメーターまたはそれ以下の非常に小さいサイズであり、前記装置はハンドリング手段と組み合わせられる。1つのそのようなマイクロテクノロジーサンプリング装置を含むさまざまなサンプリングシステムは、計画されるサンプリングのタイプによって想定することができる。
図1は、体の組織または他の要素の中で細胞をサンプリングするためのサンプリングシステム1の例を図解している。サンプリングは、生きているか死んでいるか、人または動物、の体、あるいは動物または患者から引き出された生体検査、あるいは興味のある他のいかなる組織、に関連しうる。前記システムはガイドスリーブ2を備えており、例えばカテーテルである。ガイド2は、とりわけ、サンプリング装置の経路を定義することを可能にする。特にそれは、あらかじめ光学または放射線制御の下で任意に、体の組織または他の要素のターゲットゾーン3内に導入されうる。有利的に、ガイド2の先端4は、挿入の間にサンプリング装置6を保護し、それがいったん配置されると、興味のある体の組織または他の要素3と接触して置くことを可能にする閉塞手段5が設置されている。閉塞手段5は、好ましくは遠位末端が閉じられているガイド2の長軸に沿って位置している。閉塞手段5は例えば、回転式またはスライド式ウインドウ、または部分的に吸収性の膜でありうる。
サンプリング装置6は有利的に、その長さが使用と挿入の深さに依存しているハンドリングロッド7を備えており、ガイド2で滑ることができる。ロッド7の先端8はそれ自身でサンプリングが意図されている。有利的に、ガイド2及びそれによるハンドリングロッド7は、体の組織あるいは他の要素3に損傷を与えないため、及び非侵襲的な過程を可能にするために、非常に小さい直径を有している。そのようにして、ロッド7は数ミリメートルに制限された直径、まさに100μmを有しうる。ガイド2はロッド7の直径に近い外径を有している。ロッドは、例えば、手術のステンレススチールでありうる。
サンプリング装置6の先端8は、少なくとも1つの回収ゾーン10を有しており、その展開された表面は、通常の表面よりも3から20倍以上大きい。
そのようにしてサンプリング装置6は、好ましくはそれが例えば、接着、好ましくは生体適合性のある接着によって結合されうる端部で、ハンドリングロッド7と独立しているサポート12を備えている。とりわけ、これは、二つのハンドリング及びサンプリング部分の製造工程を切り離すことが可能であり、従来の、低コストの生体適合性のあるロッド7を使うことが可能である。以下で指定されるように、サポート12は生体適合性のある材料、とりわけシリコンで好ましくは生産される。ガイドスリーブ2を備える様々な要素は、生物学的及び/または医学的使用に互換性があり、例えば、金またはプラスチック等で作られる。
サポート12はいかなる形状ともなりうるが、有利的には、製造工程の描写で明らかになるように、平坦であり、平面の形状である。いかなる場合において、サポート12は、第1の表面14及び第2の反対の表面16で画定されうる。サポート12が平坦でない場合において、「表面」及び「反対の表面」との用語は、サポート12の切断面に関して対称となるサポート12の外部表面の部分を示している。有利的に、表面14及び16は、(ロッドの方向において)おおよそ1cmから3cmの長さ、300μmから800μmの幅、及びおおよそ200μmから400μmの厚さであるサポート12内に備えられている。
サポート12の第1の表面14は、回収ゾーン10を備えている。回収ゾーン10は、先端8の近接した部分から、ロッド7に容易に結合を可能とするため十分長く、例えば2mmから5mm離れていることが好ましい。これによって、望ましい実施形態Pは、300μm×600μm×2cmの次元を有する長方形となるシリコンのサポート12に関連する。端から3.2mmで始まる構造化されたゾーン10はロッド7に結合される。
好ましくは、及び図解されるように、いくつかの回収ゾーン10a、10b、10c、及び10dはサポート12の表面14上に存在しており、ギャップゾーン18によって分離される。描写されるように、4つの回収ゾーンが存在するが、それらの数は、製造工程のほかに、使用、とりわけ、装置6のサイズ、ターゲットゾーン3のサイズ、及びゾーン3における興味のある細胞の量のサイズに依存していることは明らかである。同様に、ギャップゾーン18は「仮想的」なだけでありうる。すなわち、回収ゾーン10は、巨視的レベルで、区別ができない推測的なものである。しかし、微視的レベルで、それらを区別すること、それらを分離さえすることを可能にすること、を意味している。
回収ゾーン20は第2の表面16の上に配置されることも可能である。好ましくは、及びより明らかに以下で記述されるように、第2の回収ゾーン20が配列され、第1のゾーン10とは反対に位置する。第2の回収ゾーン20は、性質及び形状が第1のゾーン10に同一であるか、または、図1で図解されるように異なっている。以下で存在する様々な実施形態が組み合わせられる。
独創的なサンプリング装置の1つの態様によると、サンプリング装置の少なくとも1つの回収ゾーンは突起またはピンのグループを備えている。以下でより詳細に記述されるように、ピンは、サンプルされる細胞に接触することを目的としている。前記サンプルされた細胞は装置のピンの間に閉じ込められる。
図2は、回収ゾーンに突起のグループを含むサンプリング装置の例を図解している。回収ゾーン10は下部壁22を備えている。製造工程に従って、下部壁22は、サポート12の表面上に形成された開口キャビティの下部に位置されるか、図2で示されるように、側面にそって「開いて」いる表面である。下部壁22は表面積sを有しており、複数の突起24を有している。好ましくは、回収ゾーンがキャビティを備えている場合、突起24の高さはキャビティの深さと全く一致しているが、それらを見積もることは可能である。加えて、サポート12の表面は、回収ゾーン10及び(以下で述べられる)分離可能な手段を除いて均一、好ましくは平坦である。
このように、回収ゾーン10の展開された表面積Sは、突起24の各側壁の表面が加えられた下部壁22の表面積sに等しい。本発明によれば、前記表面積は、関係S≧3・sに従い、係数3は有利的に、例えば5または10に置き換えられる。
突起24は所望されたいかなる形状、例えば平方柱または六角断面を有する柱を有しうる。好ましくは、突起24は通常の方法、例えば、正方形または六角形のメッシュのネットワーク内に配置される。好ましい実施形態Pによると、前記表面は、高さが50μm、及び幅が20μmまたは80μmのシリコンの八角形ピン24の形態で構造化される。
様々な製造工程がそのような回収ゾーン10に対して可能である。例えば、もしサポート12がプラスチックである場合、注入または熱エンボス加工技術を利用することが可能であり、これは、あらかじめ作られた型から追加の部分を複製することによって得ることが可能である。このようにして、20μmの側面と50μmの高さを有する突起24は、ポリエチレン、ポリ(メチル)メタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、パリレン、またはTeflon(登録商標)から作られるサポート12上に低コストで生産される。これらの材料の1つ、とりわけ、パリレンまたはTeflon(登録商標)を、生体適合性を与えるためにプラスチック、金属、または他の表面上に堆積させることもひとつの選択である。
もしより高い面積/体積比率が望まれる場合、マイクロテクノロジー技術を利用することが可能である。例えば、特許文献3における図7を参照して述べられる方法が利用されうる。しかしながら、サポート12だけが機械加工されているため、この特許文献で記述された方法は単純化されている。つまり、注入チャンネルの形成及び/またはカバーの密閉がない。このような方法は、シリコンのサポート12上に5μmの側面と100μmの高さを有する突起24を得ることを可能としている。より一般には、突起24は、50μmから400μmの深さを有して、5μmから20μmの側面(この方法においてサイズが最大80μmまたは100μmでさえ製造できる)を有することができる。サポート12の機械加工は、プロセスの終わりであり、前記装置は生体適合性がある。特に、シリコンのサポート12は、ガラスと同様な生体適合性を有するSiOで覆われる。
サポート12の二つの反対の表面上に回収ゾーン10及び20を製造するために、上のように製造された(図5D参照)二つのサポート12及び12’を接着すること、または、シリコンまたはプラスチック型上にマイクロテクノロジー技術を利用して(図5C)二重表面モジュールを製造することが可能である。
上述したようなマイクロテクノロジーサンプリング装置を用いて体の細胞または他の要素の上または中で細胞をサンプリングすることは、体の細胞または要素と接触するデバイスの回収ゾーンの配置から成る。この接触は多かれ少なかれ顕著である。マイクロアブレイション効果によって、サンプリング装置の突起またはピンの間のセルを回収させることが可能である。
「最も軽い」接触可能性を有する細胞をサンプリングできるように、回収ゾーンは好ましくは、細胞に対して「引力」の力を有する被覆で覆われている。この引力の力は、電気的、化学的、または物理的性質、等でありうる。そのような被覆で覆われた回収ゾーンは、「官能化された」ものとして参照される。
被覆の例が以下で参照される。これらの例は、被覆の二つの群を包含している。第1の群は、細胞と直接反応または相互作用しうる被覆を含む。第2の群は、細胞または細胞の細胞外マトリックス内に存在するタンパク質のようなより小さな要素と反応または相互作用するための被覆を含む。第2の群の被覆に関して、細胞は、装置と細胞のより小さなターゲット要素との間の引力を経て引き付けられる。
第1の群は、とりわけ、接着タンパク質またはペプチドのような接着分子が備えられた被覆、抗体を備えた被覆、アニオンまたはカチオン被覆を含んでいる。
被覆の第2の群はDNAプローブの利用を含んでいる。
他の選択は、場合により薄い生態適合性のある絶縁層で被覆される電気的に導電性のある被覆の利用を含んでいる。そのような電気的被覆は、電気的分極化装置によって正に、または負に極性化されうる。そのような電気的分極化装置は、サンプリング装置に「搭載された」ものであり、前記装置と共に単一ユニットとしても製造されうる。
回収ゾーンの引力の力を増加させるために、回収ゾーン10の展開された表面もまた、下部壁22及び場合により突起24をマイクロビーズで被覆することによって増大されうる。前記マイクロビーズは、サンプリングされた細胞に対して突起の間の十分な空間を保つために、突起24の間の空間26を完全に満たすべきではない。
マイクロビーズは微生物学で一般に用いられる。一般的にそれらは10ナノメートルのオーダで最大100ミクロンの直径を有し、それらを官能化すること、及び生体適合性を残すことを可能にする孔質または非孔質グラスからなる。
回収ゾーンの官能化の例は図3に関して述べられる。官能化の方法は二つまたは三つの段階の中で実行される。
1)タンパク質と有機サポートの間の非共有結合性の接着を可能にするカップリング剤と呼ばれる二官能基有機分子Y‐E‐Aの合成。
2)カップリング官能基W(特に、シリコン酸化物の被覆で覆われたシリコンの基板12に対するO‐Siのシリル化された官能基W)を存在させるために前もって処理されうる無機サポート12の上へ、二つの官能基のうちのYと表面の反応によるカップリング剤の固定。他の官能基Aはタンパク質と反応し、非共有結合性結合を形成する。
3)タンパク質との吸着を可能にする末端の官能基Aが、化学的不適合性に起因してシリル化された官能基で合成されない場合、修飾されたサポートは、後者が得られるまで、一つ以上のポストシラン化反応を受ける。
カプリング官能基Aは存在する全ての有機及び無機官能基に相当する。CH、アルケン、アルキン、アリール誘導体、ハロゲン(Br,Cl,I,F)、有機金属誘導体、アルコール、フェノール、ジオール、エーテル、エポキシド、カルボニル誘導体(アルデヒド、ケトン、カルボン酸、カルボキシレ−ト、エステル、アミド、及び塩酸化物、三無水物)、窒素誘導体(アミン、ニトロ化誘導体、ジアゾ化誘導体、イミン、エナミン、オキシム、ニトリル)、リン誘導体(ホスフィン、亜リン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩)、シリコン誘導体、硫黄誘導体(硫化物、二硫化、チオール、チオエーテル、スルホン、亜硫酸塩、硫酸塩、スルホン酸、スルホン酸塩、アザスルホニウム(azasulfoniums))、セレン誘導体、等。
カップリング剤の二つの官能基A及びYの間に用いられるスペーサ基Eはシラン化によって得られるフィルム上の特別な性質と比較することを可能にしている。基Eは組織化単分子層を得ることを可能にするラジカルの間から選ばれる。長鎖アルキレンラジカルEは中間鎖相互作用(特に好ましくはアルキレンラジカルEは8から24の炭素原子を有している)を可能にする。三重結合−C≡C−を備えているラジカルEはクロスリンクを可能にする。共役芳香族鎖(例えば、フェニレン‐ビニレン及びフェニレンアセチレンラジカル)を備えているラジカルEは非線形光学特性を授与する。ピロール、チオフェン、またはポリシランラジカルEは電子伝導を授与する。ヘテロ置換ポリ芳香族ラジカルE(例えば、キノン及びジアゾ化合物)は光/電界発光の特性を授与する。アルキルまたはフルオロアルキルグループE、とりわけ、3から24の炭素原子を有するアルキルまたはフルオロアルキルグループはクロマトグラフィーまたは電気泳動で得られた層を用いることを可能にしている。
ビーズの官能化に関して、同様の原理が用いられる。
加えて、サンプリングゾーン10iによるビーズの様々なタイプを堆積すること、及びそれによって親和性官能基Aの集まりを示すツールを得ることを可能にしている。
例えば、シラン化された、SiOのような親水性表面を有する基板12に対して、ツール上に位置している表面のエステル基は、第一水酸基を運ぶ官能化されたビーズと反応するだろう。ビーズの固定の後に、ツールは親水性の展開された表面(図4)を有する。
本発明によれば、サンプリング装置が細胞の回収ゾーン上に存在するピンの効力によって、興味のある組織または他の要素の細胞の一つ以上の層を回収させることが可能となる。高さが数十ミクロンの場合、収集された細胞のサイズに依存して、最大で10の細胞層を回収することが可能である。
いったん細胞のサンプリングが行われると、サンプリングされた細胞の層の空間構成を解析することが可能となる。一つは、例えば、サンプリングされた細胞の性質を視覚的に識別するために顕微鏡を用いる。
本発明によればサンプリング装置の利点は、細胞の多数の層の存在が、体の組織または他の要素の組織切片を得ることを可能にしている。
サンプリングの後に、回収した組織は、より多数の細胞を利用可能とするために培養されうる。
サンプリングされた、及び/または培養された細胞から、ゲノムまたはトランスクリプトミク解析を実行することが可能になる。
加えて、本発明によればサンプリング装置が、「離散された」細胞ではなく細胞の「集合体」を回収することを可能にしている。それ故、細胞集合体を培養することは、培養された細胞の良好な収率と良好な質を得ることを可能にしている。これによって、本願発明による装置によりサンプリングされた細胞、とりわけ細胞集合体から細胞治療の診療を予想することが可能となる。
例えば、1つのそのような治療は、「病気の」自己細胞を採取すること、(とりわけ培養によって)それらを増大させること、それらのゲノムを修正すること、及び治療されるべき体の組織または他の要素内にそれらを再導入することよりなる。
加えて、本発明による装置を用いて採られた細胞から、細胞内に存在しているか、またはそれから生成された分子の様々な分析を実行することは可能である。
回収ゾーンが第2の群の被覆で覆われている場合、回収ゾーンの突起の間に存在している細胞も排除され、それから被覆によって「閉じ込められた」分子が分析されうる。
加えて、サンプリング装置6がいくつかの回収ゾーン10iを持っている場合(図1を参照)、各々の回収ゾーン上で同じ官能基を使うこと、または、例えばDNAチップで知られている液滴(「スポッティング」)の局所的な堆積によるような空間区分を行なうが可能となる。
サンプリングされた分子の利用、及びとりわけ分析に従って、同様の装置6の回収ゾーン10a‐10dを分離することが望まれても良い。特に、サポート12は先行する実施形態ごとに区分されうる。
サポート12を区分することを容易にするため、有利的に、回収ゾーン10の間のギャップゾーン18は分離の手段を備えている。例えば、突起24及び/または壁が作り出されるとき、ノッチがエッチングされうる:図5。ギャップゾーン18はそれから容易に区分されうる。
様々な実施形態が可能である。例えば、マスキングとエッチングによって、表面14と反対の表面16上でサポート12をエッチングすることによってセクショニングプライマー42を形成することが可能である(図5A)。このノッチ44は同様に「前方の」表面14上にも作り出され、または、例えばKOHを有する等方性化学的エッチングを選択することが可能となる(図5B)。
回収ゾーン10及び20が、それぞれ表面14及び16上に存在している場合、前記表面の1つだけ(図5C)、または両方(図5D)の上に分離の手段を置くことは可能である。この点において、2つの実施形態は、それぞれ対向する表面14及び16の上に回収ゾーン10及び20を備えている装置に対して、一つのサポート12(図5C)または二つの結合されたサポート12及び12’(図5D)であることに注意されるべきである。
ノッチ42及び44の様々な実施形態が交互に及び結合して用いられうる。
好ましい実施形態Pによれば、直径100mmのシリコンウェーハは、切断の後で142個の最終装置を得るために機械にかけられる。シリコンのサポート12は有利的にマークされる。とりわけ、装置の名前、アラインメントクロス、及び切断マーク等は、マスキング及びドライエッチングを有するフォトリソグラフィーによって例えば500nmでエッチングされる。
反対の表面は、ノッチを形成するために類似の処理(前回で整列されたマスキングを有するフォトリソグラフィー、5μmから10μmのドライエッチング、マスク樹脂の縮小)を受ける。前方の表面はそれから、整列されたマスクを有するフォトリソグラフィー、50μmの深さでのドライエッチング、及び樹脂の縮小を有して、微小化のために描画されて、エッチングされる。前記表面はそれから生物学的及び/または医学的な使用を可能にするために処理される。特に、エッチングの間にキャビティの側面上に形成されたポリマー(例えばC)が、完全な脱酸素、続いて、100nmでのウェット酸化、それから、全体の脱酸化によって排除される。SiOの最終的な層は500nmでのウェット酸化によって得られる。
図6で図解された独創的な装置の使用の方法に従って、ガイド2が最初に導入され、好ましくはターゲットゾーン3における制御を受ける。サポート12はロッド7の端部に付着される。ロッド7はガイド2内に挿入され、その位置の精度を保証するため、及び特にそれぞれ回収ゾーン10a‐10dに一致する腫瘍3のゾーンA,B,C及びDを決定するために光学的制御を受ける。いったん回収ゾーン10a‐10dが所定の場所に配置されると、閉塞手段5が開口され、サンプリングが付着によって実行される。前記装置自身のどれも触診を必要とせず、回収ゾーン10の接触表面が(例えば被覆なしで)直接到達しやすい。これはユニット、とりわけサポート12が小型化されることも可能にしている。閉塞手段5はそれから選択的に閉塞できる。ロッド7はそれからガイド2から引き抜かれ、サポート12はそこから分離され、回収ゾーン10a‐10dは分析されうる。
とられたサンプルを処理することの2つのアプローチが分析の間に実行される。
1)装置6は分けることができ、それぞれのゾーン10a‐10dが独立して扱われる。実際、ロッド7が引き抜かれると、サポート12は分解され、様々なゾーン10a‐10dはそれぞれ処理されて、分析されうる。例えば、細胞A、B、C及びDが抽出され、それから管50a‐50d内に導入されて、回収ゾーンから細胞を抽出する溶液で「洗浄」される。
2)サポート12を分離させないことも可能である。それによって腫瘍3の範囲で段階分けされた有効なゾーンA‐Dの定義を維持する。それは装置60の最終分析、例えば顕微鏡の下で観察、または細胞を培養、に対する基板として機能するサポート12自身である。
どのアプローチが選択されても、興味のある細胞のマッピング、及び、ターゲットゾーン3の深さの関数として細胞及びタンパク質の組成に関する結果が得られうる。
独創的なサンプリング装置はそれによって次の特に有利な特徴を示す。
‐サンプリングは相対的に非侵襲的である。特に、装置6、及びシステム1でさえ、直径が減少され、とりわけ数ミリメーター、好ましくは1mmとなる。
‐サンプリングは相対的に非侵略的である。それは、細胞3を区切ることなく、接触(または「付着」)によって達成される。
‐サンプリングのために実際に利用される機械加工された部分は、減少され、及び低コストのハンドリングロッド7に結合されうるサポート12を包含するだけである。
‐サンプリングのために利用される部分の機械加工は、他の機械的要素、あるいは密封または結合の追加の段階もなく、接触ゾーン10及び20の製造に減少される。
‐装置6は生体内、または手術後の工程で利用されるか、またはインビトロでサンプリングされた組織上で利用され、及び細胞の、そして場合により分子の解析に対する基礎として機能する。
‐段階分けされた回収ゾーン10a‐10dの存在は、サンプリングゾーン3において興味のある細胞の分布を印刷した後で、分析することを可能にする。
‐それぞれの回収ゾーン10は、目標とされた細胞及び/または次の分析または処理のタイプによって官能化されうる。
‐それぞれの回収ゾーン10a‐10dは互いに分離され、それぞれの技術によって分析されうる。
‐装置のサポート12は、次の分析あるいは処理のために使われるどんな装置とでも互換性を有しうる。
‐分析されたゾーン3の深さ軸によるマッピングが、装置に沿って連続した、及び分化した活性ゾーンA‐Dに従って確立されることができる。立体鏡の下での手順は、実際に正確に装置6を導き、及び正確にどの領域A‐Dが調査されたか知ることを可能にする。
アニオン被覆の例が以下に記述される。
前の装置P(八角形の突出部24を有する600×300μmのSiにおけるサポート12)は、カルボン酸基を与えるためにシラン化されて、それから官能化される。実際に、生理学のpHにおいて、生物学システムが必然的に帯電される。イオンの相互作用は(クロマトグラフィーの原理に基づいて)、特にタンパク質マーカーを吸収するために使われうる。(負に帯電された)アニオン表面に対して、カルボン酸塩誘導体が最も一般的に使われる。
カルボン酸塩とシラン基は互換性がないので、トリメトキシシリルアンデカン‐10‐oic酸メチルエステルを経る二次的な合成の方法が選択された。
Figure 2009542241
酸性基は、硫酸及びメタノールを有するウンデセン酸の反応の後でメチルエステルの形態で保護される。シリル化された官能基の混和がヒドロシリル化反応によって古典的に実行される。
例えば、10‐ウンデス‐1‐エノイック酸メチルは、以下の工程によってトリメトキシシリルアンデカン‐10‐oic酸メチルエステルを形成するために生産される。
‐濃縮硫酸(12.88g;7ml;131mmol;2.3eq)が500mlのメタノール内で溶解されたウンデセン酸(98%)(10.47g;11.5ml;56mmol)溶液に加えられる。反応は4時間進む。
‐脱メタノール後、エチルアセテートが取り出され、反応混合物は、EDI(×2)、及び飽和塩化ナトリウム溶液で連続して洗浄され、無水硫酸マグネシウム上で乾燥され、及びそれから無色液体(10.99g;99%)を生産するために濃縮される。以下の特性が得られる。
δ(200MHz;CDCl
:1.30(10H;m;H5−9
1.62(2H;m;H
2.04(2H;m;H10
2.31(2H;t;HH−H=7.4Hz)
3.67(3H;s;H
4.97(2H;m;H12
5.81(1H;m;H11
δ(200MHz;CDCl):25.31
29.26
29.42
29.50
29.58
29.66
34.16
34.44
51.76(C
114.51(C12
139.46(C11
174.61(C
‐10‐ウンデス‐1エノイック酸メチルエステル(10.58g;53mmol)がトリメトキシシラン(95%)(8.75g;9.1ml;68mmol;1.3eq)と混合される。カールシュテット触媒(0.13g;0.13mmol;0.0025eq)が非常にゆっくりと加えられる。反応は16時間室温で進行する。未加工の反応生成物は、無色の液体(0.5mbarで120−125℃;11.7g;70%)を生成するために蒸留によって浄化される。
δ(200MHz;CDCl
:0.65(2H;m;H12
1.27(14H;m;H5−11
1.62(2H;m;H
2.30(2H;t;HH−H=7.4Hz)
3.57(9H;s;H13
3.67(3H;s;H
δ(200MHz;CDCl):9.21(C12
22.68
25.04
29.23
29.38(2C)
29.50(2C)
33.17
34.19
50.55(C13
51.46(C
174.38(C
δsi(200MHz;CDCl):−41.30(s)
500nmの熱酸化物被覆で覆われたシリコン基板のヒドロキシル化は、無水トリクロロエチレン内で10−2Mのシラン化溶液と共に、3.5mのソーダ溶液で2時間行なわれる。シラン化反応は、2℃の制御された温度で24時間行なわれる。
修飾されたサポートは、カルボン酸基を解放するために、アルミニウムヨウ化物溶液と接触して置かれ、対応するカルボキシル基を生産するために水性ソーダ溶液と順に反応させる。
この分野における当業者であれば、一つのそのような装置の他の利用の他に、本発明によるサンプリング装置の他の実施形態を創造することは可能である。
1 サンプリングシステム
2 ガイドスリーブ
3 ターゲットゾーン
4 先端
5 閉塞手段
6 サンプリング装置
7 ハンドリングロッド
8 先端
10,20 回収ゾーン
12 サポート
14 第1の表面
16 第2の表面
18 ギャップゾーン
22 下部壁
24 突起
42 セクショニングプライマー
44 ノッチ

Claims (26)

  1. 体の組織または他の要素に接触させることによって細胞をサンプリングするためのマイクロテクノロジー装置(6)であって、
    複数の突起物(24)を備えている下部壁(22)によって形成されている少なくとも一つの回収ゾーン(22)が存在する関心のある少なくとも一つの表面(14)を有するサポート(12)を具備した装置。
  2. 一つの回収ゾーンの前記下部壁(22)及び/または前記突起物(24)は官能化されている請求項1に記載の装置。
  3. 前記官能化は接着分子によって達成される請求項2に記載の装置。
  4. 前記官能化は抗体によって達成される請求項2に記載の装置。
  5. 前記官能化された表面はアニオンまたはカチオンである請求項2に記載の装置。
  6. 少なくとも一つの回収ゾーンはカップを備えており、前記下部壁(22)は前記カップの下部に一致している請求項1ないし5のいずれか一項に記載の装置。
  7. 前記関心のある同一の表面(14)上に複数の回収ゾーン(10a‐10d)を備えており、前記回収ゾーンは初期のギャップゾーン(18)によって分離されている請求項1ないし6のいずれか一項に記載の装置。
  8. 前記ギャップゾーン(18)内で回収ゾーン(10a‐10d)を分離するための手段(42,44)を備えている請求項7に記載の装置。
  9. 前記分離するための手段として、前記サポート(12)の表面(14,16)の一方の上にノッチを備えている請求項8に記載の装置。
  10. 前記サポート(12)は平板の形態である請求項1ないし9のいずれか一項に記載の装置。
  11. 前記サポート(12)は、回収ゾーン(10,20)及び場合によってそれらを分離するための手段(42,44)を除いて、第1及び第2の主要な平坦な表面(14,16)を備えている請求項10に記載の装置。
  12. 前記サポート(12)はプラスチックである請求項1ないし11のいずれか一項に記載の装置。
  13. 前記サポート(12)はマイクロテクノロジー基板、とりわけシリコンである請求項1ないし11のいずれか一項に記載の装置。
  14. 前記突起(24)の高さは10μmから400μmの間であり、前記突起(24)の表面積は3×3μm及び80×80μmの間である請求項1ないし13のいずれか一項に記載の装置。
  15. 前記突起(24)はその幅が50μmより小さいスペース(26)によって分離されている請求項1ないし14のいずれか一項に記載の装置。
  16. 前記突起(24)は六角または八角の断面積を有している請求項1ないし15のいずれか一項に記載の装置。
  17. 回収ゾーンの前記下部壁(22)及び/または前記突起(24)はマイクロビーズで覆われている請求項1ないし16のいずれか一項に記載の装置。
  18. 前記マイクロビーズは官能化されている請求項17に記載の装置。
  19. 前記官能化はシリル化された官能基によって表面に結合された触媒の存在を備えている請求項2,3,4,5または18に記載の装置。
  20. ハンドリングロッド(7)を備えており、前記サポート(12)は前記ロッドの一つの先端に付着することができる請求項1ないし19のいずれか一項に記載の装置。
  21. 請求項20に記載の装置(6)、及びガイドスリーブ(2)を備えているサンプリングシステム(1)。
  22. 複数の突起(24)を備えている下部壁(22)が備えられた少なくとも一つの回収ゾーン(10)が存在する関心のある少なくとも一つの表面(14)を有しているサポート(12)を具備したマイクロテクノロジー装置を用いて、体の組織または他の要素の上または中の細胞をサンプリングするための方法であって、
    細胞のサンプリングは、体の組織または要素と接触している前記少なくとも一つの回収ゾーンを配置することで実行される方法。
  23. 請求項22に記載のサンプリングの段階を備えている診察の方法。
  24. 請求項22に記載のサンプリングの段階を備えている体の組織または他の要素を分析するための方法。
  25. 顕微鏡によってサンプリング後に装置上に存在する細胞を観察する段階を備えている請求項23または24に記載の方法。
  26. サンプリング後に装置上に存在する細胞を培養する段階を備えている請求項23または24に記載の方法。
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