発明の概要
UEに対してコール連続性(call continuity)を維持するためにパケット切替から回路切替への(PS-to-CS)ハンドオーバーおよび回路切替からパケット切替への(CS-to-PS)ハンドオーバーを実行するための技法がここに記述される。PS-to-CSハンドオーバーの1つのデザインでは、UEは、PSコールに対する、例えば、W-CDMAにおけるハイ・スピード・パケット・アクセス(High-Speed Packet Access)(HSPA)によるボイス・オーバー・インターネット・プロトコル(Voice-over-Internet Protocol)(VoIP)に対する無線アクセス・ネットワーク(radio access network)(RAN)における第1のセル(first cell)と通信してもよい。UEは、測定レポートをRANに送信してもよく、かつRANからトリガ(trigger)を受信してもよい。そのトリガに応答して、UEは、PSコールが第1のセルでペンデイング(pending)である間に、第1のセルに対してCSコールを確立してもよい。UEまたはネットワークは、CSコールを確立した後でPSコールを終了してもよい。PSコールおよびCSコールは、音声コール(voice call)に対するものであってもよく、そしてUEまたはネットワークは、CSコールを確立し後でかつPSコールを終了する前に、音声コールに対するデータ経路をPSコールからCSコールに切り替えてもよい。UEは、次に、第1のセルから第2のセルへのCSコールのハンドオーバーを行ってもよい。第1のセルは、VoIPを支援するW-CDMAセルであってもよく、そして第2のセルは、VoIPを支援しない他のW-CDMAセルまたはGSMセルであってもよい。
他の態様では、UEは、1つのセルがVoIP能力を有するかどうかを示す放送情報をそのセルから受信してもよい。UEは、放送情報に基づいてネットワークに対する登録を更新してもよい。UEは、セルがVoIP能力を有している場合には、PSドメインにおけるコールを受信してもよく、セルがVoIP能力を有していない場合には、CSドメインにおけるコールを受信するためにネットワークに登録してもよい。UEは、それがアイドル・モード(idle mode)でありページおよびコールがそのUEに適切に配信されうる間に、登録を更新してもよい。
本発明の種々の態様および特徴が下記にさらに詳細に説明される。
詳細な説明
ここに記述されるハンドオーバー技法(handover techniques)は、CDMA、TDMA、FDMA、 OFDMA、およびSC-FDMAネットワークのような無線通信ネットワークに対して利用されうる。「ネットワーク」(”network”)および「システム」(”system”)という用語は、互換可能に用いられることが多い。明瞭のために、この技法は、3GPPベース・ネットワーク(3GPP-based networks)に対して以下において具体的に説明される。
図1は、UE(複数)に対する通信を支援するユニバーサル・テレストリアル・ラジオ・アクセス・ネットワーク(Universal Terrestrial Radio Access Network )(UTRAN)120およびコア・ネットワーク(core network)130の例示配置(example deployment )100を示している。簡単のために、図1には1つのUE 110だけが図示されている。UE 110は、モバイル・ステーション(mobile station)、アクセス・ターミナル(access terminal)、加入者装置(subscriber unit)、ステーション(station)、等とも呼称されうる。UE 110は、携帯電話、携帯情報端末(personal digital assistant )(PDA)、無線デバイス、無線モデム、ハンドヘルド・デバイス(handheld device)、ラップトップコンピュータ、等であってもよい。
UTRAN 120は、無線ネットワーク・コントローラ(RNC(複数))に結合されたノードB(複数)(Node Bs)を含む。簡単のために、図1には、3つのノードB 120a、120b、および120nだけが単一のRNCに結合されて示されている。一般に、UTRAN 120は、任意の数のノードBおよび任意の数のRNCを含んでいてもよい。各RNCは、各組のノードB(複数)とそして場合によっては1つまたはそれより多い他のRNCに結合してもよい。ノードBはまた、エボルブド・ノードB(evolved Node B)(eNode B)、ベース・ステーション、アクセンス・ポイント、等とも呼称されてもよい。各ノードBは、それのカバレージ・エリア(coverage area)内でUE(複数)に対する無線通信を支援する。ここで用いられるように、「セル」(”cell”)は、この用語が用いられる状況に応じて、無線ネットワークにおけるカバレージの最小単位および(または)このカバレージ・エリア(coverage area)に関与するノードBを指すことができる。「セル」(“cell”)および「ノードB」(“Node B”)という用語は、下記の説明では互換可能に用いられる。RNC 124は、ノードB 122に対する調整および規制を与える。例えば、RNC 124は、無線リソース管理(radio resource management)、いくつかの移動度管理機能(mobility management functions)、およびUE(複数)とUTRAN 120との間の通信を支援するための他の機能を実行する。
コア・ネットワーク130は、サービング・ゼネラル・パケット無線サービス(GPRS)サポート・ノード(GGSN) 132(Serving General Packet Radio Service (GPRS) Support Node (SGSN) 132)、ゲートウエイGPRSサポート・ノード(GGSN) 134(Gateway GPRS Support Node (GGSN) 134)、モバイル切替センター(Mobile Switching Center )(MSC) 136、およびCSコールおよびPSコールをアンカー(anchor)できる音声コール連続性アプリケーション・サーバー(Voice Call Continuity Application Server) (VCC AS) 138を含む。SGSN 132は、UTRAN 120とGGSN 134との間のデータ・パケットの交換を容易にし、かつPSコールを有するUE(複数)に対する移動度管理(mobility management)を行う。SGSN 132は、UTRAN 120におけるRNC 124とインタフェースを形成し、かつUTRANと通信するUEに対するPSサービスを支援する。GGSN 134は、経路選択機能(routing function)を実行し、かつ外部データ・ネットワークとデータ・パケットを交換する。MSC 136は、CSサービス(例えば、音声に対する)を支援し、かつCSコールでUE(複数)に対する移動度管理を行う。VCC AS 138は、UE(複数)に対する音声コール連続性(voice call continuity)を支援し、かつCSドメインと、PSドメインを利用するIPマルチメデイア・サブシステム(IP Multimedia Subsystem)(IMS)との間の音声コール(voice calls)を転送する能力を提供する。IMSは、ユーザにIPマルチメデイア・サービスを送るための建築フレームワーク(architectural framework)である。CSコールおよび(または)PS コールでありうるUE 110に対するすべての音声コールは、VCC AS 138にアンカー(anchored)されてもよい。VCC AS 138は、UE 110が移動する場合に、適切なドメイン(domain)に音声コール(voice call)をハンドオーバー(handover)するための機能を実行してもよい。VCC AS 138は、VCC AS 138に呼び込み(“calling into”)かつ音声コールを新しいドメインに移動することにより、UE 110をCSドメインおよびPSドメイン間で移動できるようにする。
簡単のために、SGSN 132, GGSN 134, MSC 136, and VCC AS 138は、図1では同じコア・ネットワークに属して示されている。一般に、これらのネットワーク・エンテイテイ(network entities)は同じネットワークまたは異なるネットワークに属していてもよい。例えば、VCC AS 138は、UE 110に対するホーム・ネットワークに属していてもよく、そして他のネットワーク・エンテイテイは、(例えば、UE 110がローミングしていない場合には)ホームネットワークにまたは(例えば、UE 110がローミングしている場合には)訪問ネットワーク(visited network)に属してもよい。
UTRAN 120およびコア・ネットワーク130におけるネットワーク・エンテイテイは、“Network architecture,” March 2006「ネットワーク・アーキテクチャ」2006年3月(Network architecture,” March 2006)というタイトルの3GPP TS 23.002、および「回路切替(CS)およびIPマルチメデイアサブシステム(IMS)間の音声コール連続性」2007年3月(“Voice Call Continuity (VCC) between Circuit Switched (CS) and IP Multimedia Subsystem (IMS),” March 2007)というタイトルのTS 23.206に記載されている。これらの文書は一般に入手可能である。
UTRAN 120は、3GPP リリース99以来、W-CDMAを実装する。3GPPリリース5およびそれ以降は、3GPPリリース5に導入されたハイ・スピード・ダウンリンク・パケット・アクセス(High-Speed Downlink Packet Access)(HSDPA)および3GPP リリース6に導入されたハイ・スピード・アップリンク・パケット・アクセス(High-Speed Uplink Packet Access )(HSUPA)を含むハイ・スピード・パケット・アクセス(High-Speed Packet Access )(HSPA)を支援する。HSDPAは、ダウンリンク上での高速パケットデータ伝送を可能にする1つの組のチャンネル(channels)および手順(procedures)である。HSUPAは、アップリンク上での高速パケットデータ伝送を可能にする1つの組のチャンネル(channels)および手順(procedures)である。HSPAは、パケット・データ・サービス、VoIP、等のようなPSサービスを支援する。VoIP コールは、音声データが専用のトラフィック・チャンネル(traffic channel)によるのではなくて他のパケット・データのように経路指定されるパケットで送られる音声のためのPSコールである。
図2は、3GPPのための例示配置シナリオ(example deployment scenario)を示す。GSMは、UE(複数)に対するCSサービスを支援し、かつ広い地理的領域にわたって配置されてもよい。W-CDMAは、UE(複数)に対するCSおよびPSサービスを支援し、かつGSMより小さい地理的領域にわたって配置されてもよい。W-CDMAに対するカバレージ・エリアは、完全にGSMに対するカバレージ・エリア内に存在していてもよく(図2に示されているように)、あるいはGSMに対するカバレージ・エリアと部分的にオーバーラップしていてもよい(図2には示されていない)。HSPAは、UE(複数)に対するPSサービス(例えば、VoIP)を支援し、かつW-CDMAよりも小さい地理的領域にわたって配置されうる。HSPAに対するカバレージ・エリアは、W-CDMAに対するカバレージ・エリアの一部に相当する程度であってもよい。
UE 110は、HSPAカバレージ・エリア内に配置されてもよく、またUTRAN 120内でVoIPコールを確立してもよい。VoIP コールは、VoIPのようなIPベース対話ユーザ・セッション(IP-based interactive user sessions)を開始し、修正し、終了するためのシグナリング・プロトコル(signaling protocol)であるセッション・イニシエーション・プロトコル(Session Initiation Protocol)(SIP)を用いてIMSエンテイテイ(IMS entities)によって確立されてもよい。UTRAN 120は、UE 110が音声コールに対して確立された無線アクセス・ベアラ(radio access bearers )(RAB) 、例えばSIPシグナリングを伴う従来のトラフィック・クラス(traffic class)に対するRAB(複数)に基づいたHSPA VoIPを有することを確認してもよい。代案では、UTRAN 120は、UE 110がUEとまたはコア・ネットワークと交換される明示的シグナリング(explicit signaling)に基づいたHSPA VoIPコールを有することを確認してもよい。UE 110は、VoIPコールに対するHSPAによって音声データ・パケットをUTRAN 120と交換してもよい。UE 110は、ローミングして、HSPAカバレージ・エリアからW-CDMAまたはGSMカバレージ・エリア内に移動してもよい。このような状況では、UE 110に対する音声コールを維持することが望ましい。
1つの態様では、HSPAカバレージ・エリアの外側を移動している時にUEに対する音声コール連続性を維持するために、HSPA VoIP to W-CDMA CSハンドオーバー(HSPA VoIPからW-CDMA CSへのハンドオーバー)がUE 110に対して実行されてもよい。HSPA VoIP to W-CDMA CSハンドオーバーの1つのデザインでは、UE 110は、VoIPコールが係属している間にまず同じセルでもってCSコールを確立してもよく、かつ音声コールをCSコールに転送してもよい。UE110は、次に、音声コールを維持するために、適切なように、W-CDMA CS to W-CDMA CSハンドオーバー(W-CDMA CSからW-CDMA CSへのハンドオーバー)またはW-CDMA CS to GSM CSハンドオーバー(W-CDMA CSからGSM CSへのハンドオーバー)を行ってもよい。HSPA VoIP to W-CDMA CSハンドオーバーが下記に記述される。
図3Aは、UE 110と他のエンド・パーテイ(EOP)との呼ばれるリモート・ターミナル150を有するVoIPコールのための種々のネットワーク・エンテイテイとの間の通信を示す。VoIPコールは、VCC AS 138にアンカーされうる。UE 110は、UTRAN 120内のサービング・セル(serving cell)122aおよびSGSN 132、GGSN 134、VCC AS 138、およびリモート・コントロール150によって音声データ・パケットを交換してもよい。パケットは、HSPAによってUE 110とサービング・セルとの間で交換されてもよい。
図3Bは、UE 110に対するHSPA VoIP to W-CDMA CSハンドオーバーの開始を示している。VoIPコールに対するUTRAN 120におけるサービング・セル122aと通信状態にある間に、UE 110は、他のセルからのパイロットを検知し、そしてサービング・セル122aおよび他のセルから受信されたパイロットの測定を行ってもよい。UE 110は、周期的にまたはレポーテイング・イベント(reporting event)によって実施される時に、測定レポートをUTRAN 120に送信する。あるいは、またはさらに、UE 110は、適当な時に、ロケーション・アップデート・メッセージ(location update messages)UTRAN 120に送信することができる。
UTRAN 120は、測定レポートをUE 110から受信し、かつこのUEがHSPAカバレージ・エリアから外に移動していることを判定してもよい。例えば、測定レポートは、セル122aからセル122bへのハンドオーバーを価値あるものにするの十分な程度だけサービング・セル122aよりも強いセル122bからパイロット(pilot)を受信することを表示してもよい。UTRAN 120はまた、122aはHSPAを支援するが、セル122bはHSPAを支援しないことを認識しうる。UTRAN 120は、UE 110によるCSコール確立およびUE 110に対するPSからCSへのハンドオーバーを開始するためのトリガを送信してもよい。このトリガは、コマンド、VCC HOコマンド、指令、指示、等であると見なされうる。
図3Cは、VoIPに対するPSセッションがセル122aにおいてUE 110に対してペンデイング(pending)である間におけるCSコールのセットアップ(setup)を示す。UE 110は、UTRAN 120からのトリガを受信してもよい。UE 110は、そのトリガに応答してセル122aにおけるCS コールをMSC 136により確立してもよく、そしてこのCSコールをVCC AS 138にアンカーしてもよい。UMTS(またはW-CDMA)は、UE 110 にPSセッションに対して用いられる同じ無線リンクを用いてCSコールを確立させる。短い期間の間、UE 110は、同じセル122aにおけるCSコールとPSコールとの両方を同時に有してよく、かつ両方のコールをVCC AS 138にアンカーさせてもよい。PSコールに対する音声データ・パケットは、SGSN 132 およびGGSN 134を通じて送られてもよく、一方、CSコールに対するMSC 136を通じて送られてもよい。VCC AS 138は、例えば、CSコールおよびPSコールに対する同じUE識別名(UE ID)、同じOEP、等を用いることに基づいて、CSコールとPSコールは両方ともUE 110に対する同じ音声コールに対するものであることを認識してもよい。
図3Dは、UE 110に対する音声コールのHSPA VoIPからCSへの転送を示す。CSコールが首尾よく確立されると、VCC AS 138はUE 110に対する音声コールのデータ経路を切り替えてもよく、かつソース側におけるPSコールに対するリソースをリリース(release)してもよい。UTRAN 120は、PSコールに対する無線リソースをリリースしてもよく、そしてUE 110に対するCSコールだけを維持してもよい。この時点で、UE 110は、同じサービング・セルによるCSコールだけを有するであろう。CSコールに対するデータは、UTRAN 120、MSC 136、およびVCC AS 138によって交換されてもよい。
図3Eは、HSPA VoIP to W-CDMA CSハンドオーバーの終了を示す。UE 110が、セル122aにおいて音声コールからCSコールへの切替を終了すると、UE 110は、セル122aからHSPAを支援しないセル122bへのW-CDMA CS to W-CDMA CSハンドオーバーを実行してもよい。W-CDMA CS to W-CDMA CSハンドオーバーは、一般に入手可能な「ジェネラル・パケット・ラデイオ・サービス(GPRS);サービス・デスクリプション」2006年6月(“General Packet Radio Service (GPRS); Service description,” June 2006)というタイトルの3GPP TS 23.060に記載されている。図3Eには示されていないが、UE 110はまた、3GPPによって定義されているインターRATハンドオーバー手順(inter-RAT handover procedures)を用いてセル122aからGSMセルまで実行してもよい。
下記のハンドオーバー・シナリオ(handover scenarios)が支援されうる。
HSPA VoIP → W-CDMA CS → W-CDMA CS、
HSPA VoIP → W-CDMA CS → GSM CS.
上記の各ハンドオーバー・シナリオでは、最初の転送HSPA VoIP → W-CDMA CSは、現在のサービング・セルで生ずる。後続のハンドオーバーは、現在のサービング・セルから他のW-CDMAセルまたはGSMセルまでであってもよい。
図3A〜3Eに示されたHSPA VoIP to W-CDMAハンドオーバー・デザインは、3GPPにおけるネットワーク・エンテイテイ(network entities)に対して小さなインパクトで支援されうる。ステップ1、4、5および6は、UTRAN 120およびVCC AS 138の現在の能力によって支援される。ステップ2に対しては、UTRAN 120は、HSPA VoIP to W-CDMA CSハンドオーバーを開始すべきかどうかを判定するための適切なアルゴリズムおよび場合によってはこのハンドオーバーを開始するための新しいイベント(event)を有するネットワーク制御ハンドオーバー機構を実装してもよい。ステップ3に対しては、トリガまたはある他の新しいUTRANメッセージが、UE 110におけるCSコール確立を開始するために用いられてもよい。そのトリガは、既存の無線リソース制御(RRC)メッセージ、例えば、ページング・メッセージ(paging message)で送られうる情報要素(IE)で実装されてもよい。RRCは、W-CDMAにおけるリンク層(または層3)に存在しており、かつ下方の層1および2の構成を制御することに関与する。
UE 110は、W-CDMA またはGSMカバレージ・エリア(coverage area)内に配置されてもよく、かつUTRAN 120に対するCS音声コールを確立してもよい。UE 110は、CSコールに対する通常の態様で音声データを交換してもよい。UE 110は、ローミングしていてもよく、かつHSPAカバレージ・エリア内に移動してもよい。このような状況では、HSPAを用いてUE 110に対する音声コールを継続することが望ましいことがありうる。
他の態様では、W-CDMA CS to HSPA VoIPハンドオーバーは、UEに対する音声コールに対してHSPAを利用するためにUE 110に対して実行されてもよい。W-CDMA CS to HSPA VoIPハンドオーバーは、図3A〜3Eに記載されたHSPA VoIP to W-CDMA CSハンドオーバーに対して相補性の態様で実行されてもよい。UE 110は、そのUEによって受信されるパイロットに対する測定を行い、そして測定レポートをUTRAN 120に送信してもよい。UTRAN 120は、UE 110がVoIP可能セル(VoIP capable cell)のカバレージに入ったことを、その測定レポートに基づいて判定してもよい。UTRAN 120は、UE 110によるハンドオーバーを開始するためのトリガを送信してもよい。そのトリガを受信すると、UE 110は、現在のサービング・セルから新しいサービング・セルになるVoIP可能セル(VoIP capable cell)へのCSコールのハンドオーバーを行ってもよい。UEは、次に、サービング・セルでVoIP(またはVoIPコール)に対するPSコールを設定してもよく、そしてこのVoIPコールをVCC AS 138にアンカー(anchor)してもよい。VoIPコールが首尾よく確立されると、VCC AS 138は、UE 110に対する音声コールのためのデータ経路を切り替えてもよく、そしてソースサイドにおけるCSコールに対するリソースをリリースしてもよい。UTRAN 120は、CSコールに対する無線リソースをリリースしてもよく、そしてUE 110に対するVoIPコールだけを維持してもよい。この時点で、UE 110は、新しいサービング・セルによってVoIPコールだけを有するであろう。VoIPコールに対するデータは、UTRAN 120における新しいサービング・セル、SGSN 132、GGSN 134、およびVCC AS 138を経由して交換されうる。
上述のデザインでは、UE 110は、測定レポートをUTRAN 120に送ってもよく、そしてUTRAN 120は、UE 110がHSPAカバレージ・エリアから出るまたはそのエリアに入る時に、ハンドオーバーを開始してもよい。これらのデザインでは、UTRAN 120は、HSPA VoIP能力を有するセルおよびHSPA VoIP能力を有していないセルのついての知識を有していてもよい。ハンドオーバー決定についてUTRAN 120を助成するために、HSPA VoIP能力を有するセルのバッファ・ゾーンがHSPAカバレージ・エリアの縁部に画定されてもよい。図2に示された実施例では、HSPAカバレージ・エリアは実線212によって画定されてもよく、そしてバッファ・ゾーンは実線212と破線214との間の領域として画定されてもよい。UE 110がバッファ・ゾーンに入ると、UTRAN 120は新しい測定イベント(new measurement event)をUE 110内に構成してよい。UE 110は、周期的にまたはイベントに基づいて測定レポートをUTRAN 120に送信してもよい。UTRAN 120は、(1)UE 110がVoIPコールを有しかつHSPAカバレージ・エリアから出つつあれば、HSPA VoIP to W-CDMA CSハンドオーバーを、あるいは(2)UE 110がCSコールを有しかつHSPAカバレージ・エリアに入りつつあれば、W-CDMA CS to HSPA VoIPハンドオーバーを開始するために測定レポートを用いてもよい。
他のデザインでは、UE 110は、測定を行い、そしてその測定に基づいて、HSPA VoIP へのW-CDMA CSまたはW-CDMA CSからHSPA VoIPへのハンドオーバーを自発的に決定してもよい。UE 110は、下記のように、所与のセルがHSPA VoIP能力を有するかどうかを、そのセルによって放送される情報に基づいて確認してもよい。
UE 110は、任意の時点において、接続モードまたはアイドル・モードで動作してもよい。接続モードでは、UE 110は、ペンデイング・コールを有していてもよく、UTRAN 120と通信してもよい。接続モードでは、UE 110のどのあたりかが測定レポートおよび(または)他の機構によって追跡されてもよく、そしてUE 110は、UE場所に基づいて適当なセルにハンドオーバーされてもよい。
アイドル・モードでは、UE 110は、UTRAN 120に対するペンデイング・コールを通常は有していない。アイドル・モードにある間に、UE 110は、バッテリ電力を節約するために多くの時間パワー・ダウン(powered down)されもよく、かつページおよび(または)他の情報を受信するために周期的にウエーク・アップ(wake up)してもよい。UE 110は、IMSのために(例えば、パワー・アップで)VCC AS 138に登録してもよく、そしてページとコールがUEに配信されるドメイン(例えば、CS、PS、HSPA、 VoIP、等)を提供してもよい。
さらに他の態様では、UTRAN 120におけるセルは、それらのHSPA VoIP能力を放送する。1つのデザインでは、所与のセルがHSPA VoIPを支援するかどうかを示すために単一のビットが用いられてもよい。W-CDMAに対しては、1つのセルは、システム情報ブロック(SIB)、例えば、3GPPにおけるSIB3および(または)他のSIBにおける、それのHSPA VoIP能力に関する情報を周期的に放送してもよい。
UE 110は、そのUEが現在キャンプ(camped)されているセルおよび(または)他のセルのHSPA VoIP能力に関する放送情報を受信してもよい。UE 110は、それのドメインが変化したかどうかを、受信された放送情報に基づいて判定してもよく、そしてドメインの変更が検知されると、ネットワーク登録を更新してもよい。例えば、UE 110は、それがHSPAカバレージ・エリアから外に出たことを、放送情報に基づいて判定してもよく、そしてそれのネットワーク登録をHSPA VoIPドメインからCSドメインに更新してもよい。ネットワーク登録を必要とされるように更新することにより、ネットワークは、アイドルUE 110がHSPAカバレージ・エリア内にあるかどうかを確認することができ、かつUEにページおよびコールを適切に配信することができる。
明瞭のために、ハンドオーバー技法は、3GPPベース・ネットワークについて具体的に記述された。その技法は、3GPP2ベース・ネットワークおよび他のネットワークに対しても用いられてもよい。3GPP2ベース・ネットワークは、ハイ・レート・パケット・データ(High Rate Packet Data)(HRPD)を支援するセルおよびCDMA2000 1Xを支援するセルを含む。HRPDは、1xEV-DO、1x-DO、等とも呼称される。CDMA2000 1Xは、1X、等とも呼称される。HRPDセルは、VoIPを支援し、1Xセルは、CSおよびPSコールを支援する。HRPD to 1Xハンドオーバー(HRPDから1Xへのハンドオーバー)は、上述したHSPA VoIP to W-CDMA CSハンドオーバーと類似の態様で実行されてもよい。1X to HRPDハンドオーバー(1XからHRPDへのハンドオーバー)は、上述したW-CDMA CS to HSPA VoIPハンドオーバーと類似の態様で実行されてもよい。
図4は、UEによるPS-to-CSハンドオーバー(PSからCSへのハンドオーバー)を実行するためのプロセス400の1つのデザインを示す。UEは、PSコールに対する、例えば、VoIPに対する第1のセルと3GPPにおけるHSPAによって通信する(ブロック412)。UEは、例えば、RANからの測定イベントに応答して、測定レポートをRANに送信してもよい(ブロック414)。UEは、このUEからの測定レポートに基づいてトリガを発行しうるRANからトリガを受信してもよい(ブロック416)。あるいは、UEは、RANにおける第1のセルおよび他のセルに対する測定を得てもよいし、またその測定に基づいてハンドオーバーを実行することを自発的に決定してもよい。
UEは、PSコールが第1のセルにおいてペンデイング(pending)である間に、第1のセルに対してCSコールを確立してもよい(ブロック418)。UEは、CSコールを確立した後でPSコールを終了してもよい(ブロック420)。PSコールおよびCSコールは、音声コールに対するものであってもよく、そしてUEは、CSコールを確立した後でかつPSコールを終了する前に、音声コールに対するデータ経路をPSコールからCSコールに切り替えてもよい。このUEは、次に、第1のセルから第2のセルへのCSのハンドオーバーを行ってもよい(ブロック422)。第1のセルは、VoIPを支援するW-CDMAセルであってもよく、そして第2のセルは、VoIPを支援していない他のW-CDMAセルまたはGSMセルであってもよい。
図5は、RANによるUEのPS-to-CSハンドオーバーを実行するためのプロセス500の1つのデザインを示す。RANは、第1のセルにおけるPSコールに対して(例えば、HSPAによりVoIPに対して)UEと通信してもよい(ブロック512)。RANは、UEがPSコールに対してカバレージ縁部にあることを判定してもよく、そしてUEに測定レポートを送信させるためにUEに測定イベントを送信してもよい。RANは、UEから測定レポートを受信し(ブロック514)、その測定レポートに基づいて第1のセルから第2のセルにUEをハンドオーバーする決定をなし(ブロック516)、そしてUEにトリガを送信してもよい(ブロック518)。
RANは、PSコールが第1のセルにおいてペンデイング(pending)である間に、第1のセルにおいてUEに対するCSコールを確立してもよい(ブロック520)。RANは、CSコールを確立した後でUEに対するPSコールを終了してもよい(ブロック522)。PSコールおよびCSコールは音声コールに対するものであってよく、そしてその音声コールに対するデータ経路は、CSコールを確立した後でかつPSコールを終了する前に、PSコールからCSコールに切り替えられてもよい。RANは、次に、UEに対するCSコールの第1のセルから第2のセルへのハンドオーバーを行ってもよい(ブロック524)。第1のセルはVoIPを支援してもよく、そして第2のセルはVoIPを支援しなくてもよい。
図5におけるステップの幾つかまたはすべては、RANにおける所与のネットワーク・エンテイテイに適用可能であってもよい。例えば、第1のセルは、ステップ512、520、522、524、等を実行してもよい。RNCは、ステップ514、516、518、等を実行してもよい。
図6は、UEによるCS-to-PSハンドオーバーを実行するためのプロセス600の1つのデザインを示す。UEは、測定レポートをRANに送信してもよく(ブロック612)、そしてRANからトリガ(trigger)を受信してもよい(ブロック614)。UEは、第1のセルから第2のセルへのCSコールのハンドオーバーを実行してもよい(ブロック616)。UEは、次に、CSコールが第2のセルにおいてペンデイング(pending)である間に、第2のセルに対してPSコールを確立してもよい(618)。UEは、PSコールを確立した後でCSコールを終了してもよく(ブロック622)、そしてPSコールに対して、例えば、HSPAによりVoIPに対して第2のセルと通信してもよい(ブロック622)。
図7は、UEのCS-to-PSハンドオーバーをRANにより実行するためのプロセス700の1つのでザインを示す。RANは、UEがPSカバレージに入りつつあることを判定してもよく、そしてUEに測定レポートを送信させるために測定イベントをUEに送信してもよい。RANは、UEから測定レポートを受信し(ブロック712)、その測定レポートに基づいてUEに対するハンドオーバー決定を行い(ブロック714)、そしてトリガをUEに送信してもよい(716)。
RANは、UEに対するCSコールの第1のセルから第2のセルへのハンドオーバーを実行してもよい(ブロック718)。RANは、次に、CSコールが第2のセルにおいてペンデイング(pending)である間に、第2のセルにおいてUEに対するPSコールを確立してもよい(ブロック720)。RANは、PSコールを確立した後で、UEに対するCSコールを終了してもよい(ブロック722)。RANは、その後で、第2のセルにおいてPSコールに対して(例えば、HSPAによりVoIPに対して)UEと通信してもよい(ブロック724)。
図8は、UEによりネットワーク登録を更新するためのプロセス800の1つのデザインを示す。UEは(例えばアイドル・モードにある間に)、1つのセルから、そのセルがVoIP能力を有しているかどうかを示す放送情報を受信してもよい(ブロック812)。放送情報は、セルがHSPA VoIP能力を有しているかどうかを示す1つのビットまたは他の情報を備えていてもよい。UEは、放送情報に基づいてネットワークに対する登録を更新してもよい(ブロック814)。ブロック814に対して、UEは、新しいコールに対して使用するためのドメインを放送情報に基づいて判定してもよく、そしてドメインの変更が検知されれば、ネットワークに対する登録を更新してもよい。例えば、UEは、セルがVoIP能力を有していれば、PSドメインに対するネットワークに対して登録してもよく、そしてセルがVoIP能力を有していなければ、CSドメインに対するネットワークに対して登録してよい。
図9は、図1におけるUE 110および種々のネットワーク・エンテイテイのデザインのブロック図を示す。アップリンクでは、UE 110は、データおよびシグナリング(signaling)(例えば、測定レポート)をUTRAN 120における1つまたはそれより多いセル/ノードB122に送信してもよい。データおよびシグナリングは、ノードB(複数)に送信さうるアップリンク信号を生成するために、コントローラ/プロセッサ910によって処理され、そして送信機(TMTR)914によって調整(conditioned)されてもよい。各ノードB 122において、UE 110および他のUE(複数)からのアップリンク信号が受信機(RCVR) 924によって受信されかつ調整され、そしてUE(複数)によって送られたアップリンク・データおよびシグナリングを回復するようにコントローラ/プロセッサ920によって更に処理されてもよい。
ダウンリンクでは、各ノードB 122は、それのカバレージ・エリア内のUE(複数)にデータおよびシグナリングを送信してもよい。各ノードB 122において、データおよびシグナリング(例えば、VoIP能力情報、等)は、UE(複数)に送信されうるダウンリンク信号を生成するために、プロセッサ920によって処理され、そして送信機924によって調整されてもよい。UE 110において、ノードB(複数)122からのダウンリンク信号は、ダウンリンク・データおよびシグナリングを回復するために、受信機914によって受信されかつ調整され、そしてプロセッサ910によって更に処理されてもよい。
メモリ912および922は、UE 110およびノードB 122に対するプログラム・コードおよびデータをそれぞれ記憶してもよい。通信(Comm)ユニット926は、ノードB 122をRNC 124と通信させることができる。UE 110におけるプロセッサ910は、図4におけるプロセス400、図6におけるプロセス600、および(または)ハンドオーバーのためのプロセスを実行してもよい。プロセッサ910は、図8におけるプロセス800および(または)ネットワーク登録を更新するための他のプロセスを実行してもよい。
RNC 124は、コントローラ/プロセッサ930、メモリ932、およびCommユニット934を含んでいる。VCC AS 138は、コントローラ/プロセッサ940、メモリ942、およびCommユニット944を含んでいる。各ネットワーク・エンテイテイに対して、コントローラ/プロセッサは、そのネットワーク・エンテイテイに対する該当の処理を行ってもよく、メモリは、プログラム・コードおよびデータを記憶してもよく、そして通信ユニットは、他のネットワーク・エンテイテイとの通信を支援してもよい。ノードB 122におけるプロセッサ920および(または)RNC 124におけるプロセッサ930は、図5におけるプロセス500、図7におけるプロセス700、および(または)ハンドオーバーのためのプロセスを実行してもよい。
一般に、各エンテイテイは、任意の数のプロセッサ、メモリ、通信ユニット、送信機、受信機、コントローラ、等を含んでいてもよい。
当業者は、情報および信号が種々の異なる技術および技法のうちの任意のものを用いて表示されうることを理解するであろう。例えば、上記の説明全体にわたって参照されうるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボルは、電圧、電流、電磁気、波形、磁界または粒子、光場または粒子、またはそれらの任意の組み合わせによって表されうる。
当業者はまた、ここにおける開示に関連して記述された種々の例示的論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズム・ステップは、電子的ハードウエア、コンピュータ・ソフトウエア、または両者の組み合わせとして実装されてもよいことを理解するであろう。ハードウエアとソフトウエアとのこの互換可能性を明白に例証するために、種々の例示的コンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、それらの機能性について上記において一般的に記述された。このような機能性がハードウエアとしてあるいはソフトウエアとして実装されるかどうかは、システム全体に課せられる特定の用途およびデザイン上の制約による。当業者は、各特定の用途に対して種々の態様で上記の機能性を実装してもよいが、このような実装は、本発明の範囲からの逸脱を生じさせると解釈されるべきではない。
ここでの開示に関連して記述された種々の例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途用集積回路(ASIC)、書換え可能ゲートアレイまたは他のプログラム可能論理デバイス、デイスクリート・ゲートまたはトランジスタ・ロジック、デイスクリート・ハードウエア・コンポーネント、あるいはここに記述された機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせで実装または実行されてもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、代案では、そのプロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステート・マシンであってもよい。プロセッサはまた、計算デバイスの組み合わせ、例えば、DSPおよびマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに関連した1つまたはそれより多いマイクロプロセッサ、または任意の他のこのような構成として実装されてもよい。
ここでの開示に関連して記述された方法およびアルゴリズムのステップは、ハードウエアで、プロセッサによって実行されるソフトウエア・モジュールで、またはそれら2つの組み合わせで直接に具体化されてもよい。ソフトウエア・モジュールは、RAMメモリ、フラッシュ・メモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードデイスク、リムーバブル・デイスク、CD-ROM、または任意の他の形式の公知の記憶媒体内に存在していてもよい。例示的な記憶媒体は、プロセッサがこの記憶媒体から情報を読み取りかつその記憶媒体に情報を書き込むことができるように、そのプロセッサに連結される。代案では、記憶媒体は、プロセッサと一体であってもよい。プロセッサおよび記憶媒体はASICに存在していてもよい。ASICはユーザ端末内に存在していてもよい。代案では、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末内にデイスクリート・コンポーネントとして存在していてもよい。
本発明についての上記の記述は、当業者が本発明を実施するまたは使用することができるようにするために提示されている。この開示に対する種々の修正が当業者には容易に明らかになるであろう、そしてここに定義された一般的な原理は、本発明の範囲から逸脱することなしに、他の変更に適用されうる。従って、本発明は、ここに記述された実施例およびデザインに限定されるように意図されておらず、ここに開示された原理および新規な特徴に合致した最も広い範囲を与えられるべきである。