JP2009540329A - 陸上輸送の犯罪リスクを減少させるための方法および構成 - Google Patents

Abstract

本発明は、概してナビゲーションシステムおよびその方法、より詳しくは車両のためのナビゲーションシステムおよび方法、さらに詳しくはルートに従った貨物の輸送中の犯罪行為発生率を減少／最小化するナビゲーションシステムおよび方法に関する。移動のための走行ルートを決定するための本発明による方法は、以下のステップからなる：(i)始点のための始点データを取得すること；(ii)終点のための終点データを取得すること；（iii）前記始点と前記終点との間の可能走行ルートにおける少なくとも一つの点について犯罪リスクデータを取得すること；(iv)前記犯罪リスクデータに基づいて前記始点と前記終点との間の安全走行ルートの一部分を決定すること；(v)前記安全走行ルートの前記部分をナビゲーション装置を介して伝達すること。
【選択図】図４

Description

本発明は、概してナビゲーションシステムおよびその方法、より詳しくは車両のためのナビゲーションシステムおよび方法、さらに詳しくはルートに従った貨物の輸送中の犯罪行為発生率を減少／最小化するナビゲーションシステムおよび方法に関連する。

ルートに従って車両を案内するための電子ナビゲーションシステムおよび方法は、かなり周知である。例えば、参考として全体が取り入れられている特許文献１には、位置把握情報を受信するための位置把握モジュールを含むとともに、ターンバイターン（進路変更ごとの）ナビゲーション情報をユーザに提供することを目的としてリアルタイム道路情報を更新することがさらに可能なターンバイターンナビゲーションシステムが記載されている。いくらか似ているが、やはり参考として全体が取り入れられている特許文献２には、現在交通量に基づいて更新されるルート計画を提供する車両のナビゲーションシステムが記載されている。最後に、やはり参考として全体が取り入れられている特許文献３には、迂回ルート計算能力を提供できる車両のナビゲーションシステムが記載されている。

上述したナビゲーションシステムに共通するのは、全地球位置把握衛星（ＧＰＳ）システムなどの無線ネットワークシステムから信号を受信してナビゲーション装置の位置を判断する能力と、さらに始点と終点との間のルートを計算する能力である。始点と終点との間のルート計算は一般的に、最短時間量を要する可能性が最も高い、あるいは始点と終点との間の最短距離であるルートを決定することができる周知の「Ａスター」（Ａ*）タイプのアルゴリズムまたはその派生物を適用することによって実施される。言うまでもなく、上述の公報に記載されているように、地点間のルートを計算するには、現在交通状況、例えば混雑など、他の検討事項も使用される。加えて、このような装置の大部分に共通するのは、ルートに従ってユーザにナビゲーション指示を伝達するための、視覚ディスプレイおよびラウドスピーカなどの視覚および／または可聴手段を含むことである。最後に、このような装置の大部分は、衛星から無線信号を受信するためのレシーバと、ルート計算を実施するためのコンピュータと、地理情報を記憶するためのメモリ装置とを含む。

ナビゲーションシステムおよび装置の重要な用途は、貨物輸送業での使用である。実際、例えばトラクタ・トレーラ、セミ・トラックなどによる陸上での貨物輸送においては、効率を高め、燃費を下げ、結局はコストを下げるために、このようなシステムおよび装置は不可欠であることが分かっている。しかし、このような装置が有効であることが分かっていても、車両の盗難、貨物の盗難、オペレータへの危害という形での犯罪行為の結果、貨物輸送業はかなりの経済的損失を依然として被っている。最近の研究から、このような現象の主な原因は、貨物輸送業の継続的な成長とともに、グローバリゼーション（世界化）およびアウトソーシング（外部調達）などの傾向から生じていることが明らかである。このような傾向は、一方ではこの業界のコスト効率の代価を高め、他方では貨物、トラック、ドライバを犯罪の脅威にさらしている。事実、サプライチェーンおよび輸送プランナーは、より長距離での物品の流れを最適化しなければならず、輸送中に通過する特定の地域に関する知識が欠如していることが多い。このような知識の欠如が、盗難および他の犯罪行為に対してドライバ、車両、貨物を無防備にしている。たとえプランナーにハイリスク地域が分かったとしても、走行効率を最適化するのと同時に盗難および／または襲撃のリスクを最小化するにはどのルートを選択すべきかに関する充分な知識が欠如しているのが一般的である。

盗難などに関連する問題の有効な解決法は一般的に、アラームなどの電子センサ、顔面／虹彩／指紋スキャナなどの使用を中心とする。これらの装置は主として、犯罪行為が開始された際に窃盗犯にその進行を思いとどまらせるという役割を果たす。例えば、車両アラームは、アラームが作動した際に窃盗犯を威嚇しようとし、車両作動停止装置は、車両が盗難された際に起動する。その他、ソフト面での解決法も採用されている。例えば、盗難またはトレーラ割込みの場合に回復作業の時間を短縮しようとして車両およびその貨物を追跡・記録することが可能なＧＰＳおよび車両管理システムが設けられている。しかしこのような解決法は、いったん開始された際に犯罪行為の続行をとどまらせるのに役立つことが概ね判明しているが、そもそも犯罪行為が開始される可能性を防止／最小化するのには概して不充分であることが分かっている。

米国特許出願公開第２００５／０２２７４４４号明細書 米国特許出願公開第２００５／０１９７７６４号明細書 米国特許出願公開第２００５／０１３７７９３号明細書

そこで必要なのは、車両および／または装置を所有するユーザに対する犯罪行為の開始を妨げる、および／または最少にするナビゲーションシステムおよび装置である。

本発明は概して、車両、特に長距離運搬トラクタ・トレーラおよびセミ・トラックなどの貨物輸送車両のための安全なエンド・ツー・エンド（出発地から目的地）移動ルートを探索して作成するためのシステムおよび方法を包含する。発明の主な目的は、犯罪行為が開始される可能性を防止・最小化することにより、車両および貨物の盗難を防止および／または最小化することに加えて、車両のオペレータへの危害を防止および／または最小化することである。トラクタ・トレーラおよび他の貨物輸送車両など、陸上での移動のための構造を持つ貨物車両に関して本発明が説明されるが、以下の説明は、このようなタイプの車両、陸上移動用の構造を持つ車両、貨物車両、この種の車両に限定される意図はないことが、当該技術の技量を有する者には理解できるはずである。例えば、適切な歩行路を決定する際にユーザを助ける携帯ナビゲーション装置を構築することが可能である。

本発明の方法によれば、始点データと、終点データと、始点と終点との間の可能走行ルートにおける少なくとも一つの地点についての犯罪リスクデータとを取得することにより、ルート走行が決定される。この情報を用いて、犯罪リスクデータに基づく始点と終点との間の安全走行ルートの一部分が決定され、少なくとも一実施例では、計算による決定を実施できるコンピュータが設けられる。次に、安全走行ルートの一部分がナビゲーション装置を介して伝達される。本発明の実施例では、ナビゲーション装置の構成部品であるコンピュータ、またはナビゲーション装置と通信状態にある遠隔配置コンピュータへ、始点データと終点データと犯罪リスクデータとが送信される。ある実施例では、遠隔配置コンピュータは、安全走行ルートの一部分を決定して、これに関連するデータをナビゲーション装置に送信することが可能である。ナビゲーション装置は、電子ディスプレイスクリーンおよびラウドスピーカなどの視覚および可聴通信装置を含む。ある実施例では、犯罪リスクデータが遠隔コンピュータデータベースに記憶され、次にこれがナビゲーション装置に伝達される。他の実施例では、犯罪リスクデータがナビゲーション装置のメモリにロードされる。ある実施例では、ナビゲーションシステムにより、例えば警察無線送信機から犯罪リスクデータが取得され、次に、安全ルートの計算のためナビゲーション装置からコンピュータへ送信される（コンピュータは、ナビゲーション装置の構成部品であるか遠隔配置コンピュータである）。ある実施例では、走行ルートの計算はさらに、輸送される少なくとも一つのアイテムに関するアイテムデータを取得することと、このアイテムデータをコンピュータに伝達することとを含む。アイテムデータは、アイテムの瞬間値、物理的輸送要件（アイテムの体積、アイテムの重量、アイテムの量、アイテムの寸法、輸送の時間的制約、アイテムの壊れやすさ、腐敗しやすさ）、輸送目的地など、アイテムの特徴を含む。ある実施例では、アイテムに関連するＲＦＩＤタグ、バーコードを用いるなど、アイテム自体によってアイテムデータがコンピュータに伝達される。ある実施例では、始点と終点との間の安全走行ルート全体がコンピュータによって計算されるが、例えば、オペレータがルートを知って、犯罪行為を行なう者に通過予定ルートを伝達するのを防止するため、その一部のみがナビゲーション装置によって順次伝達される。

好適な実施例では、走行ルートに従って案内するための方法は、始点データと終点データと犯罪リスクデータとを入手することと、このデータをコンピュータに伝達することとを包含する。犯罪リスクデータの検討時に、始点と終点との間の安全走行ルートの一部分が計算され、その下位部分がナビゲーション装置を介してユーザに伝達される。次にユーザは、指定地点に到達するまで、安全走行ルートの下位部分に従って前進する。指定地点に到達すると、安全走行ルートの別の下位部分がナビゲーション装置を介してユーザに伝達される。安全走行ルートの別の下位部分は、目的地に到達するまで継続的に提供される。

本発明による安全走行ルートをナビゲーションするためのナビゲーションシステムは概して、ナビゲーション装置とコンピュータとを含む。ナビゲーション装置は、ナビゲーション装置の地理的位置を示すように構成され、コンピュータはナビゲーション装置と通信状態にあって、少なくとも始点と、終点と、始点と終点との間の可能ルートにおける少なくとも一つの地点についての犯罪リスクデータとを検討する際に、安全走行ルートを計算できる。加えて、ナビゲーション装置はアイテムデータの検討時に安全走行ルートを計算するように構成される。ナビゲーション装置が安全走行ルートを通過する際に、ナビゲーション装置は安全走行ルートの少なくとも一部分を伝達することができる。ある実施例では、システムはさらに、輸送される少なくとも一つのアイテムについてのアイテムデータ、および／または車両のオペレータに関する情報を検討する際に、安全走行ルートを計算する。ある実施例では、ナビゲーション装置は少なくとも一つの無線ネットワーク（ＧＰＳまたは非ＧＰＳ）と無線通信を送受信するトランシーバを含む。

ナビゲーション装置との通信のための構造を持つ先行技術ＧＰＳネットワークの図である。 先行技術ナビゲーション装置の概略図である。 先行技術ナビゲーション装置を用いて決定されたルートを示す道路地図の概略図である。 本発明によるナビゲーションシステムおよび装置の概略図である。 犯罪リスクデータの検討を含む、本発明による走行ルート決定のためのアルゴリズム／モジュールの概略図である。 本発明によるナビゲーションシステムおよび方法を用いて決定された走行ルートを示す道路地図の概略図である。 本発明によるナビゲーションシステムの概略図である。 ルートを通過する際にルートの一部分のみがオペレータに提供される、本発明による道路地図の図である。

ここに提示される好適な解決法により実施される方法およびこの解決法による構造を持つ構成の例が、添付図面に図示されている。

さて、本発明についてより詳細に説明および開示する。しかし、開示される実施例は本発明の例に過ぎず、これに代わる様々な形で発明が具現されることを理解すべきである。そのため、ここに開示される構造および機能に関する特定の詳細は、請求項の範囲を制限するものと解釈されてはならず、当該技術の通常の技量を有する者に本発明の製造および使用を教示するための例として挙げられたものに過ぎない。

さて図１〜２を参照すると、周知のＧＰＳナビゲーションシステム１０は、ナビゲーション装置１４と通信状態にある複数の衛星１２を包含する。図２に示されているように、周知のナビゲーション装置１４は、地球に対するナビゲーション装置１４の地理的位置を把握するため、衛星１２から信号１６を受信できる。ナビゲーション装置１４は概して、いくつかの衛星から信号を受信するためのアンテナ１８と、目的地などの情報をナビゲーション装置１４に入力するための入力装置２０と、例えば地図などのソフトウェアをロード／アンロードするための入出力ポート２２と、ソフトウェア／地図を記憶するためのメモリ２４と、ディスプレイスクリーン２６と、例えば所望の目的地など、ユーザにより装置に入力された情報に基づいてルートを計算するためのプロセッサ２８とを包含する。加えて、ナビゲーション装置は、ドライバがナビゲーション装置にデータを入力できるように入出力装置を包含する。さらに、アイテムデータに関連するデータを読み込むように設けられた通信ポートをナビゲーション装置が備える。

周知の装置の大部分は、始点Ａおよび終点Ｂに基づいて通過予定ルートを計算する際に、Ａ*（Ａスター）タイプのアルゴリズムを適用して、道路タイプ、道路の平均制限速度などに基づいて、地点ＡとＢの間が最短距離であるか、最少時間量である可能性のあるルートを決定する。したがって、図３の道路３２の道路地図３０に示されているように、このような装置が最短距離または最短時間アルゴリズムに基づいて地点ＡとＢの間のルートを計算する作業を与えられた時、表示される可能性の最も高いルートは矢印３４で表されるルートである。

さて図３〜８を参照すると、これと対照的に、本発明のナビゲーションシステムおよび方法４０は、地点ＡとＢの間を移動するのに要する最短距離および／または最少時間量に加えて付加的要因を検討するように構成されている。実際、本発明のシステムおよび方法は、ルート上または地域内での犯罪行為の発生率、輸送される貨物および／または車両のオペレータの瞬間値および／または性質などの要因を検討することができる。このようにして、車両、貨物、および／またはオペレータが犯罪行為を受けるリスクがコストの点から減少する。

図４に見られるように、本発明によるナビゲーションシステム４０は、アンテナ／トランシーバ４２と、入力装置４４と、入出力ポート４６と、メモリ４８と、ディスプレイスクリーン５０などの視覚・可聴通信装置と、コンピュータ／プロセッサ５２とを含むナビゲーション装置４１を包含する。ナビゲーションシステム４０はさらに、ナビゲーションシステムのナビゲーション装置４１および／または遠隔コンピュータ、ネットワークサーバ、データベースなど（以下、「遠隔コンピュータ」と呼ばれる）５６とも通信できる、衛星１２のネットワークおよび／または無線タワー５４などの無線通信ネットワークを含む。図４０に見られるように、輸送されるアイテム／貨物５８は、ナビゲーション装置４１および遠隔コンピュータ５６と通信できるＲＦＩＤタグなどの通信装置６０を包含する。

アンテナ／トランシーバ４２は概して、衛星１２のネットワークおよび／または無線タワー５４などの無線通信ネットワークに対して信号を送受信するために設けられる。アンテナ／トランシーバ４２は、ＲＦＩＤタグ、バーコードなどの通信装置６０を含むアイテム５８に対して信号を送受信できる。アイテムに関する情報は、処理のためナビゲーション装置４１からコンピュータ／プロセッサ５２および／または遠隔コンピュータ５６へ中継される。アンテナ／トランシーバ４２はまた、交通ネットワーク、警察ネットワークなど他の情報源から情報を受信して、このような情報をコンピュータ／プロセッサ５２および／または遠隔コンピュータ５６に転送する。例えば、ルート上を移動中に、ナビゲーション装置４１がエリア内の犯罪行為／または交通渋滞に関する通信を受信し、特定のオペレーション構成に応じて、通過予定ルートを修正するためコンピュータ／プロセッサ５２または遠隔コンピュータ５６にこれを転送する。

入力４４は概して、ルート出発地および目的地情報、貨物および／または特定の車両オペレータなどについての情報などの情報を入力するために設けられる。情報の入力は、操作ボタン、ノブ、音声操作などによる手動操作など局所操作により、あるいはアイテム５８または他の装置から信号を受信する遠隔コンピュータ５６および／またはアンテナ４２を介して遠隔操作により実施される。入出力ポート４６は概して、地図および／またはルート決定アルゴリズムなどのソフトウェアアプリケーションをロード／アンロードするために設けられる。メモリ４８は、地図、データベース情報（下で述べる様々なモジュールなど）、アルゴリズムなどの情報、または関心のある場所など他の情報を記憶するために設けられる。メモリは遠隔コンピュータ５６に設けられてもよい。ディスプレイスクリーン５０は、地図、通過予定ルート、他の情報を視覚的に表示するために設けられる。ラウドスピーカなどユーザに情報を伝達するための可聴手段が設けられてもよい。コンピュータ／プロセッサ５２は、ナビゲーション装置の様々なオペレーション、例えば装置とネットワークとの間の通信、地図の表示、ソフトウェアの実行、ルート情報の表示などを実行するために設けられる。ナビゲーション装置４１は、コンピュータ／プロセッサ５２を介した装置自体での局所操作により、または遠隔コンピュータ５６を介した遠隔操作によりルート決定が実施されるように構成される。

さて図５〜８を参照すると、本発明による方法が図５に図示され、物品識別モジュール６４、道路ネットワークデータモジュール６６、ルート作成７０のための関心エリアにおける犯罪の空間分布である犯罪分布モジュール６８など、いくつかの情報源からの入力を利用するリスク最適化アルゴリズム６２により実施されるものとして描かれている。

リスク最適化モジュール６２は概して、盗難／犯罪傾向指数および犯罪空間分布に基づいてリスク指数を計算し、これを道路ネットワークに割り当てるリスク機能を包含する。この文書において、「リスク指数」は概して頻度と重大性との関数であると考えられる。したがって、道路区分ｉの長さをＬ_ｉ、物品の値をＣ_ｇｖと仮定すると、リスクはＲ_ｉ＝（ｆ_ｉ／Ｌ_ｉ）ｘＣ_ｇｖによって計算される。概して、リスク指数は道路ネットワークの各道路区分に割り当てられ、既存の理論およびアルゴリズムを用いてリスク最適化が実施される。この方法は、盗難／犯罪リスク要因により道路ネットワークデータベース内の各道路区分（ネットワークグラフのエッジ）を分類し、次に効率指数によってこれが均衡化される。この値は次に、最少リスク経路計算のためのコスト値として使用される。このようにして、ユーザは、ルート効率を維持しながら、盗難／犯罪リスクの高いエリアを回避するためのルートを計画できる。

同じように、犯罪リスク要因についての同様の手法を用いてルートを最適化できる。例えば、いくつかの道路区分の中で、配達地点に加えて、休憩停車、給油停車、計量所、他の現地法による強制停車などの事柄のために、停車が必要とされる。これらの要因は、最も効率の高いルートの選択をさらに向上させるため特定の道路区分の一部として考慮される。休憩停車など、これらの状況のうちいくつかでは、車両は静止したままであり、車両、貨物、オペレータが犯罪に遭うリスクがおそらくは高くなる。これらの停車はさらに、盗難／犯罪リスク要因に基づく道路区分の分類の際に考慮される。

物品識別モジュール６４は、輸送される物品を盗難／犯罪統計と相関させるために設けられる。概して、物品識別モジュール６４は、犯罪行為を最も受けやすい物品に関する情報を百分率および場所で提示する。盗難／犯罪傾向指数が導出され、リスク最適化に使用される。

図６に図示されているように、道路ネットワークモジュール６６は、エッジ（道路）により相互に連結された頂点および節点を包含する道路ネットワークの図形表示を包含する。周知の発見的方法によれば、各エッジはコスト値を特徴とする。

犯罪空間分布モジュール６８は、地理コード化された犯罪統計を包含し、犯罪のレベルと頻度を考慮する目的で使用される。犯罪空間分布モジュールは地域内の犯罪に関する既存のデータから導出され、特定の場所、犯罪のタイプ、時刻などを含むがこれらに限定されないいくつかの要因に基づく。これに関して、犯罪率と犯罪が行なわれる場所との間に関係が存在することが研究から分かっている。したがって、地理情報システム（ＧＩＳ）は犯罪行為データを監視するのに使用され、空間分布分析のため地理的分布を表す。空間分布分析は周知の「クラスタリング・アルゴリズム」に基づく。本発明による方法は、空間座標と結合された単一の犯罪事象に関する記憶情報を使用して、犯罪データを空間座標と関連させる。したがって、犯罪が発生しやすいエリアを計算して特定し、道路ネットワークのどの道路区分がここを通過するか、および／または犯罪行為を受けやすいかを特定することが可能である。

図６に示されているように、上記のモジュールを適用して検討を行なう際には、地図７２の地点ＡとＢとの間の最小リスクルート７４が作成され、ナビゲーション装置のオペレータに伝達される。作成されたルートは、道路ネットワークの表示として機能する幾何学形状（点と線）の集合を包含する。地図７２によって示されているように、ルート７４は図３のルート３４よりも距離が長いが、犯罪行為多発エリア７６，７８，８０と特定の犯罪行為地点８０とが回避されている。

最も効果の高いルートの選択をさらに支援するため、選択されたルートにランダム変化が導入されてもよい。この状況では、特定のルートが選択されると、特定の道路区分でのランダム変化が実行され、この変化に基づいて最適化が実施される。経路にランダム変化を導入することによって、付加的な計算ではさらに、前回の最適ルートを評価してより良い解決法が存在するかどうかを判断する。このランダム変化は、一回または数回実施される。反復の回数、または最適化基準の変化など別の所定の基準に基づいて、付加的なランダム変化は終了する。

さて図７を参照すると、本発明によるナビゲーションシステムは以下のように使用することもできる。アイテム５８が目的地への輸送のため出発地点８４でトラックに積み込まれる。アイテムのアイデンティティが判断され、例えばアイテムに関連する貨物引換券、バーコード、ＲＦＩＤタグ６０にしたがって、または他の手段により入力９２される。次にアイテム情報は、ナビゲーション装置自体（５２）のプロセッサまたは遠隔コンピュータ５６のプロセッサであるコンピュータ／プロセッサ９４へ転送される。アイテムについての情報は、アイテムのタイプ、量、出発地地図座標、目的地地図座標、タイムスタンプなどを含む。特定の構成（局所または遠隔制御）に応じて、プロセッサは詳細情報を受信し、ルートの計算を開始する。例を挙げると、コンピュータプロセッサは、ＣＰＵ、記憶装置、ＲＡＭメモリを含み、分析に必要な様々なデータベース９６にアクセスすることが可能である。

これまでに説明したルート決定プログラムはコンピュータ／プロセッサ９４にインストールされることが好ましく、グラフィカル・インタフェース９８（ディスプレイ装置／可聴装置）によりユーザと通信および対話を行なう。データベース９６は、道路ネットワーク、商用車／乗用車盗難統計、他の犯罪統計、および物品カテゴリ盗難統計を含む。

計算が終了すると、プロセッサは安全な通過ルートに戻り、ナビゲーション装置によりルート案内指示の形でこれが伝達される。ナビゲーション装置／システムの特定構成に応じて、ナビゲーション装置自体に格納されるプロセッサによってルートが決定および伝達されるか、遠隔コンピュータからナビゲーション装置へ伝達／計算される。同様に、ナビゲーション装置／システムの特定構成に応じて、計算されたルート全体がオペレータへ一度に伝達されるか、または図８に示されたように、ルート部分９０（実線で示される）が断続的に、または通過予定ルート上の途中通過目標地点に到達した際に、オペレータに伝達される。このような通過予定ルートの断続的伝達は、内部スパイ行為から生じる犯罪行為を回避するために使用される。このようにして、最終目的地に到達するまで、通過予定ルート全体がオペレータには秘密にされるのである。

本発明のシステムおよび方法の主な長所は、輸送ルートを計画する時にルートプランナが車両、貨物、オペレータの安全に集中できることである。既存のルートプランナにより計算される短距離または短時間ルートと比較して、安全だが距離の長いルートを通過することの経済的長所をアルゴリズムが計算し、これを示す。センサに基づく解決法（顔面／虹彩／指紋走査）と比較して、本発明は、犯罪行為多発エリアまたは犯罪行為が発生しそうなエリアを回避するように機能することにより、犯罪行為の開始を防ぐのに役立つ。実際、既存の「追跡・記録」システムは、確かに本発明の補助的役割を果たすが、単独では犯罪行為の発生を防止するのに役立たない。

構造的特徴に固有の用語および／または方法論上の行為で本発明を説明したが、添付の請求項に規定された発明が、記載された特定の特徴または行為に必ずしも限定されないことは言うまでもない。むしろ、特定の特徴および行為は請求項に記載の発明を実行する形の例として開示されている。加えて、主として陸上での貨物輸送に関して本発明を説明したが、本開示は例示的であり、発明をそのように限定することを意図するものではない。

Claims (28)

1. 始点のための始点データを取得することと、
   終点のための終点データを取得することと、
   前記始点と前記終点との間の可能走行ルートにおける少なくとも一つの点について犯罪リスクデータを取得することと、
   前記犯罪リスクデータに基づいて前記始点と前記終点との間の安全走行ルートの一部分を決定することと、
   前記安全走行ルートの前記部分をナビゲーション装置を介して伝達することと、
   を包含する、移動のための走行ルートを決定するための方法。
2. 前記始点データと前記終点データと前記犯罪リスクデータとがコンピュータに送信される、請求項１に記載の方法。
3. 前記コンピュータが遠隔配置コンピュータである、請求項２に記載の方法。
4. 前記遠隔配置コンピュータが前記安全走行ルートの前記部分を決定して、該部分に関連するデータを前記ナビゲーション装置に送信する、請求項３に記載の方法。
5. 前記ナビゲーション装置が視覚的伝達装置を含む、請求項１に記載の方法。
6. 前記ナビゲーション装置が可聴伝達装置を含む、請求項１に記載の方法。
7. 前記犯罪リスクデータが遠隔配置コンピュータデータベースに記憶される、請求項２に記載の方法。
8. 前記犯罪リスクデータが前記ナビゲーション装置から前記コンピュータへ送信される、請求項２に記載の方法。
9. 前記走行ルートの決定がさらに、輸送される少なくとも一つのアイテムに関するアイテムデータを取得することと、該アイテムデータを前記コンピュータに伝達することとを含む、請求項２に記載の方法。
10. 前記アイテムデータが前記少なくとも一つのアイテムにより伝達される、請求項１０に記載の方法。
11. 前記始点と前記終点との間の前記安全走行ルート全体が前記コンピュータによって計算され、該ルートの一部分が前記ナビゲーション装置を介して伝達される、請求項２に記載の方法。
12. 始点データと終点データと犯罪リスクデータとを取得して該データをコンピュータに伝達することと、
    前記始点と前記終点との間の安全走行ルートの一部分を決定することであって、前記犯罪リスクデータの検討時に該安全走行ルートの該部分が前記コンピュータにより計算されることと、
    前記安全走行ルートの下位部分をナビゲーション装置を介してユーザに伝達することと、
    伝達された下位部分に対応する前記安全走行ルートの前記下位部分に従って前進することと、
    前記安全走行ルートを通過する際に、前記ナビゲーション装置を介して該安全走行ルートの別の下位部分をユーザに伝達することと、
    を包含する、走行ルートに従ってナビゲーションするための方法。
13. 前記コンピュータが遠隔配置コンピュータを包含し、該遠隔配置コンピュータが前記ナビゲーション装置と通信状態にある、請求項１２に記載の方法。
14. 前記コンピュータが前記ナビゲーション装置の構成部品を包含する、請求項１２に記載の方法。
15. 前記犯罪リスクデータが中央データベースに記憶される、請求項１２に記載の方法。
16. 前記犯罪リスクデータが前記ナビゲーション装置から前記コンピュータへ送信される、請求項１２に記載の方法。
17. 前記走行ルートの決定がさらに、輸送される少なくとも一つのアイテムに関するアイテムデータを取得することと、該アイテムデータを前記コンピュータに伝達することとを含み、該アイテムデータの検討時に前記安全走行ルートの前記部分が計算される、請求項１２に記載の方法。
18. 前記少なくとも一つのアイテムにより前記アイテムデータが伝達される、請求項１７に記載の方法。
19. 前記始点と前記終点との間の前記安全走行ルート全体が前記コンピュータにより計算され、該安全走行ルートの一部分が前記ナビゲーション装置を介して伝達される、請求項１２に記載の方法。
20. 安全走行ルートをナビゲーションするためのナビゲーションシステムであって、
    ナビゲーション装置と、
    コンピュータと、
    を包含し、
    前記ナビゲーション装置が該装置の地理的位置を示し、前記コンピュータが該ナビゲーション装置と通信状態にあり、少なくとも始点、終点、および該始点と該終点との間の可能ルートにおける少なくとも一つの地点についての犯罪リスクデータの検討時に、該コンピュータが安全走行ルートを決定し、該ナビゲーション装置が該安全走行ルートを通過する際に、該ナビゲーション装置が該安全走行ルートの少なくとも一部分を伝達する、
    システム。
21. 輸送される少なくとも一つのアイテムについてのアイテムデータの検討時に前記安全走行ルートを決定することをさらに包含する、請求項２０に記載のシステム。
22. 前記アイテムにより前記アイテムデータが前記コンピュータに伝達される、請求項２０に記載のシステム。
23. 前記コンピュータが遠隔配置コンピュータを包含する、請求項２０に記載のシステム。
24. 前記コンピュータが前記ナビゲーション装置の構成部品を包含する、請求項２０に記載のシステム。
25. 前記ナビゲーション装置がトランシーバを包含する、請求項２０に記載のシステム。
26. 前記ナビゲーション装置がＧＰＳネットワークと通信する、請求項２０に記載のシステム。
27. 前記ナビゲーション装置が非ＧＰＳ無線ネットワークと通信する、請求項２０に記載のシステム。
28. 前記アイテムを輸送するため選択される車両のオペレータの検討時に前記安全走行ルートを決定することをさらに包含する、請求項２１に記載のシステム。

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