JP2009539911A - 逆電子要求性ディールズ・アルダー反応を伴う2つの分子の共有結合方法 - Google Patents

逆電子要求性ディールズ・アルダー反応を伴う2つの分子の共有結合方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、
逆電子要求を伴うディールズ・アルダー反応(DARinv)によって2つの分子を結合させる方法であって、下記(a)と(b)との反応を含む方法に関する。
(a)ジエン・コンポーネントとしての、
−COOR
−C(O)NR
−CX(Xは、ハロゲン)
−ハロゲン
−CN
−SO−RもしくはSO−R
−PR(式中、Rは、H、アルキル基、アリール基、複素環基であって、これらは、必要に応じてアルキル基、OH基、SH基、ハロゲン、アリール基、ヘテロ環基、ニトロ基、カルボキサミド基、アミノ基で置換されていてもよい。)
−複素環[当該複素環は、少なくとも1つのカルボキシル基、スルホン酸基、またはホスホン基で置換され、かつ1、2、または3個のN原子、O原子、またはS原子を有する、環の大きさが5員環、または6員環である]
から選択される1以上の電子求引性基を環上に有する、ジエン・コンポーネントとしてのトリアジン、又はテトラジン。
(b)ジエノフィル・コンポーネントとしての、(ヘテロ)炭素環における孤立二重もしくは三重結合、または必要に応じてヘテロ原子を含有していてもよい直鎖もしくは分枝鎖状の炭化水素鎖における孤立オレフィン性二重もしくは三重結合。

Description

本発明は、逆電子要求性ディールズ・アルダー反応を伴う2つの分子の共有結合/架橋方法に関する。
バイオシステムの研究を行う際、分子生物学者、及び化学者達は、2つの分子を共有結合させる必要性に何度も直面する。例えば、オリゴ糖とペプチド、リポーター分子とバイオポリマー、2つのバイオポリマー同士、または、低分子の治療剤とバイオポリマーである。通常、前記化合物はいずれも、それぞれの反応挙動が連結反応条件下で観察されなければならない複数の化学的官能性を持っている。従って、その化学選択的連結反応は、攻撃を受けたり、活発に反応を阻害したりする官能性または基が無い、クリアーな反応経路を有さなければならないということになる。これは、選択的に相互に反応し合う2つの官能基が前記連結段階に含まれている場合にのみ実現できる。更に、このような連結反応は、前記各バイオポリマーに適したあらゆる環境およびpHにおいて、保護基の使用なしで進行することが望ましい。
これら全ての条件に完全に準拠するごくわずかな化学反応の一つは、環化付加反応であり、これは、ディールズ・アルダー反応(図1;J. Sauer, 1966, Angew. Chem. 78, 233)として知られている4+2型か、1,3双極性環化付加として知られている3+2型のいずれかである。シャープレス連結反応は、この反応を基本として発展したものである(文献)。この数年間で著しく発展を遂げた方法には、シュタウディンガー連結反応もある(Review: Angew.Chem. 2004, 116, 3168-3178)。
DE−A−100 41 221.1は、連結反応としての典型的なディールズ・アルダー反応の応用を示したものであり、ジエンは電子供与性置換基を付与され、ジエノフィルは電子求引性置換基を付与される。これに関連して、フランおよびフラン誘導体がジエンとして使用され、置換マレイミドが、ジエノフィルとして使用された。このシステムは、前記各コンポーネントが容易に入手可能であり、また、それらの化学的性質が単純である故に選択されたものである。多くのフランは、糖類から簡単に生成することができ、多量で利用できる。多くの化学反応と同様に、ディールズ・アルダー反応(以下「DAR」と称する)は、とりわけ高温においては可逆反応である。この可逆性は、前記フラン/マレイミド系において特に発現し、求核付加反応に対するマレイミドの高い反応性によって引き起こされるものである。これは、ペプチドまたはその結合を標識化するためのマレイミドの使用から容易に読み取ることができる。これに関連して、タンパク質のチオール基は、非常に急速な不可逆反応において、マレイミドの二重結合に付加する。平衡状態におけるDARの逆反応によって生成された少量のマレイミドは、このような付加によって捕獲されるので、平衡状態を開始物質側へと移行させてしまう。このことは製品の生産を著しく最小化するので、これがDARの実質的な難点となっている。
J. Sauer, 1966, Angew. Chem. 78, 233 Review: Angew.Chem. 2004, 116, 3168-3178
そのため、本発明の目的は、複雑に合成された化合物であっても、共有結合的に、かつ、不可逆的に相互に連結する方法を提供するものであり、この方法は、物質ライブラリの構築にも使用することができる。
この目的は、特許請求の範囲に記載の主題によって達成される。
この目的は、逆電子要求を伴うディールズ・アルダー反応によって2つの分子を結合させる方法であって、下記(a)と(b)との反応を含む方法によって達成される。
(a)ジエン・コンポーネントとしての、
−COOR
−C(O)NR
−CX(Xは、ハロゲン)
−ハロゲン
−CN
−SO−RもしくはSO−R
−PR(式中、Rは、H、アルキル基、アリール基、複素環基であって、これらは、必要に応じてアルキル基、OH基、SH基、ハロゲン、アリール基、複素環基、ニトロ基、カルボキサミド基、アミノ基で置換されていてもよい。)
−複素環[当該複素環は、少なくとも1つのカルボキシル基、スルホン酸基、またはホスホン基で置換され、かつ1、2、または3個のN原子、O原子、またはS原子を有する、環の大きさが5員環、または6員環である]
から選択される1以上の電子求引性基を環上に有する、1,2,4−トリアジン、1,2,4,5−テトラジン、または1,2−ジアジン。
(b)ジエノフィル・コンポーネントとしての、(ヘテロ)炭素環における孤立二重もしくは三重結合、または必要に応じてヘテロ原子を含有していてもよい直鎖もしくは分枝鎖状の炭化水素鎖における孤立オレフィン性二重もしくは三重結合。
ディールズ・アルダー反応 逆電子要求性ディールズ・アルダー反応
発明者らは、分子の一部の分離によって進行し、反応の平衡状態を完全に生成物側へと移行させる、このようなディールズ・アルダー反応を研究した。前記分離した分子部分が揮発性であった場合には、逆反応は不可能になる。シクロペンタジエノンのような、典型的なDARを基礎とするいくつかの特別なジエンと同様、この反応形式は、とりわけ逆電子要求性ディールズ・アルダー反応(図式2)に代表される。この反応は、これまでに十分に研究されてきており、とりわけ複素環合成において取り入れられてきた。この種のDARにおいて、ジエンとジエノフィル内のこの種の置換基は、O. DielsとK. Alderが明らかにしているように、転換するか、または反転する。そして、ジエンは電子求引性基を付与されて電子不足となり、一方のジエノフィルはこの置換によって電子が豊富になる。オレフィンを有するテトラクロロシクロペンタジエンのDARは、既に、逆電子要求性ディールズ・アルダー反応(以下、「DARinv」)として位置付けられている。Sauerが述べているように、このような逆電子要求性ディールズ・アルダー反応は、もはや室温で完全に進行できる。
効率的な連結反応の研究の開始時に既に確立していた基準は、それゆえにほとんどのモデル方法で逆DARによって応じされている。しかし、このための前提条件は、ジエンとして適切に官能化した1,2,4,5−テトラジン、1,2,4−トリアジン、および1,2−ジアジンの合成、及びジエノフィルとしてのオレフィンの合成である。この目的に合わせて作成された化合物は、今日まで知られていないため、特定の使用目的のためのこれら合成の開発は、本願に基づいたものである。DARinvの両方の可能な変形例は、連結反応であることを検証することができる:一方、例えば、ペプチドのような標的分子へジエンへの導入は、ジエノフィルとして生成された糖類との反応が、逆の進行と同様に、伴う。ジエンおよびジエノフィルは両方とも、可能であれば全溶媒中で、また室温においてDARinvが起きるほどの最大の安定性を伴う、最大の反応性を有する。
ジエン・コンポーネント
ペプチド、オリゴヌクレオチド、表面、または治療剤の官能化に適したジエン、合成の目的は、対称的、または、非対称的に置換された1,2,4,5−テトラジン、1,2,4−トリアジン、そして1,2−ジアジンの生成にあり、これらは、前記生体分子に容易に組み込まれることができる。しかし、既に知られている1,2,4,5−テトラジンの3,6−ジカルボン酸エステルは、ジエンとしての適切な官能化1,2,4,5−テトラジンを生成するための開始物質としては十分に適していない。鮮やかな赤結晶を形成するこの化合物は、アルコールおよび水性溶媒の中では十分な安定性を持たず、その一方で、これらの条件下では、テトラジン環上において求核試薬の攻撃が起きるので、エステル基上での求核置換反応は不可能となる(Kampchen T. et al. 1982, Chem. Ber., 115, 683-694)。
しかし、テトラジンの3段階合成は、ジアゾ酢酸エステルから始まり、ジヒドロ−1,2,4,5−テトラジンジカルボン酸エステルの段階を含む。本発明者が見出したように、エステル基の反応性が高いため、この化合物を用いることで、求核置換反応は何の問題もなく進行する。第2の求核置換反応、とりわけ第2級アミンとの反応は、第1の求核置換反応よりも進行が遅いため、モノアミドを生成することも可能である。適切な反応制御を行うことで、第2の求核置換反応を排除することが可能なので、ベンジルアミドのようなジヒドロテトラジンモノアミドを、簡単な再結晶によって純粋な形態で取得することが可能となる。これはまた、ペプチド誘導体化のための官能化ジヒドロテトラジンジアミドの生成の重要な工程である。これに関連して、さらに安定なジヒドロテトラジンを、後続のジエン・コンポーネントとして最初に導入する方が有利な場合がある。実施される全ての反応が終わると、その直後のDARinvによって、テトラジンを生成する酸化が生じる。ジアリールテトラジンを基礎とした、より安定した一官能化テトラジンの生成の可能性に関しては、後述する。
トリアジン生成のための合成経路は、1,2−ジケト誘導体のアミドヒドラゾンとの反応からなる。前記文献によると、この方法で、1,2,4−トリアジンのトリカルボン酸エステルも多量に生産することができる。ここで、エステル官能基は、アミンのような求核試薬と何の問題もなく反応することができる。アミンとの反応において、該エステル官能基を区別することは、まだ可能ではない。いずれかの分子にトリアジン残基の選択的導入を行うには、1つのエステル官能基で十分である。しかし、トリアジンのジエン活性を得るためには、十分な電気陰性度を有する置換基の存在が必要となる。
1,2,4−トリアジンは、一般的にDARinvにおいて、テトラジンよりも反応性が低い。しかし、その反応速度は連結反応、とりわけ、非常に反応性の高いジエノフィルと反応する際には十分なものである。
1,2−ジアジンは、テトラジンとオレフィンとのDARinvにおいて生じるジヒドロピリタジンの酸化で生成され、ジエンの活性よりもまだ低いDARinv活性を有する。これらは、テトラジンと三重結合またはエナミンとのDARinvにおいて直接に生じる。その結果、ジエノフィル固定基を含むいずれかの2つの分子が、相互に与えられる方法において、連続で連結する可能性も出てくる。これらは、2つの一連のDARinv反応により、ジアジンを経たテトラジンに基づくものであり、ジヒドロピリダジンのピリダジンへの酸化によって停止する。
テトラジン類、トリアジン類、およびジアジン類は、電子求引性官能基によってモノ置換、または多置換されることができ、本発明におけるジエン・コンポーネントとして適している。これらの電子求引性官能基は、
−COOR(好ましくはCOOH)
−C(O)NR
−CX(Xはハロゲン)(好ましくはCF
−ハロゲン(F,Cl,BrまたはI)
−CN
−SO−RまたはSO−R
−PR
から選択される。
官能基Rは、好ましくは、更なる分子(例えば、ペプチド、糖類、または核酸)と結合するための官能性を提供するものであり、H、アルキル基、アリール基、複素環基から選択されてもよい。ここでRは、必要に応じて、アルキル基、OH基、SH基、ハロゲン基、アリール基、複素環基、ニトロ基、カルボキサミド基、またはアミノ基で置換されていてもよい。前記官能基は、テトラジン、トリアジン、または、ジアジンと直接結合してもよい。
大きさが5員または6員である環を有し、1、2もしくは3個のN,O,またはS原子を持つ複素環は、電子求引性置換基でもあり、テトラジン、トリアジン、またはジアジンと直接結合してもよい。更なる官能基と結合するためには、少なくとも1個のカルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン基が、これらの複素環に結合していなければならない。
「アルキル」は、C−C20のもの、好ましくは、メチル、エチル、イソプロピル、tert.-ブチル等を意味する。前記アリール基またはおよび/または前記複素環基は、フェニル基、チエニル基、チオフェニル基、フリル基、フラニル基、シクロペンタジエニル基、ピラニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、インドリル基、フラザニル基、ピロリニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリニル基、チアゾリニル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ならびに、前記基が含有してもよい複素原子の位置異性体、または、炭素縮合環式からなる残基(例えば、ナチフル基またはフェナントレニル基)、縮合へテロシクロ環からなる残基(例えば、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ナフト[2,3-b]チエニル、チアントレニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、キサンテニル、フェノキサチオニル、インドリジニル、イソインドリル、3H-インドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、キノリジニル、イソキノリル、キノリル、フタルジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、キノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、β−カルボリニル、シンノリニル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、インドリニル、イソインドリニル、イミダゾピリジル、イミダゾピリドミジニル、またはまた、複素環単環からなる縮合多環系(前記で明記されているように、例えば、チオナフテニル、フロ[2,3−b]ピロール、またはチエノ[2,3−b]フラン、特にフェニル基、フリル基(例えば、2−フリル、イミダゾリル(例えば、2−イミダゾリル)、ピリジル(例えば、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)、ピリミジニル(例えば、ピリドミド−2−イル)、チアゾリル(例えば、チアゾリン−2−イル)、トリアゾリル(例えば、テトラゾール−2−イル)、ベンゾイミダゾリル(例えばベンゾイミダゾール−2−イル)、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアゾール−2−イル、プリニル(例えば、プリン−7−イル)、またはキノリル(例えば、4−キノリル)である。
しかし、前記ジエン・コンポーネントはアミノ酸、ペプチド、糖類、脂質、オリゴヌクレオチド、または核酸置換基を1つ以上の位置に有していてもよい。あらゆる種類の薬理活性物質、タグ、染料、複合体(例えば、カルボラン、フェロセン)、量子ドット、キレート/錯化剤、診断剤、または治療剤、そしてそれらの組み合わせが、前記ジエン・コンポーネントと結合していてもよい。
好適なジエン・コンポーネントは、調製されたテトラジン、トリアジン、およびジアジンのあらゆるエステルと、それから誘導された化合物、例えば、テトラジンモノアミド、テトラジンジアミド、テトラジン−3−トリフルオロメチル−6−カルボン酸アミド、トリアジントリカルボン酸モノアミド、ジアミド、トリアミド、3−カルボキサミド−5,6−ビス−トリフルオロメチル−トリアジン1,2,4、1,2−ジアジン3,6−ジアリール 4,5−ジカルボン酸アミドである。同様に、これらのホモログが、メチル基の代わりのエチル基またはプロピル基と共に使用可能である。上述のテトラジンは、対応するジヒドロ化合物の酸化によって比較的簡単に生成することができる。これは、ジヒドロテトラジンジカルボン酸エステルを経由して入手可能である。これは、2つの段階で入手可能なジアゾエステルから簡単に順次生成することができる。
追加活性剤なしの末端オレフィン性二重結合は、DARinvのためのジエノフィルとしては十分であり、バイオシステムにおいては生じないか、希に生じる官能基は、DARinvのためのジエノフィルとしては十分である。脂肪酸、または脂質の中で生じる二置換二重結合は、DARinvという意味では、通常の条件化では非常にゆっくりと反応し、その結果、期待する付加物を形成する。メチレン基も、例えばペリラアルコールにおいては、DARinvという意味では、室温で非常にゆっくりと反応し(60時間)、その結果、期待する付加物を形成する。しかし、二重結合が炭素環式環構造に取り込まれるとすぐに、メチレン基はジエノフィルよりもはるかに早く反応し、その反応性は、環の大きさが増加すると共に減少し、シクロプロペンから始まり、シクロヘキシンとの反応で最小化する。7員環よりも大きな環系においては、三重結合は逆ジエノフィルとしても反応可能である。
ジエノフィル・コンポーネント
追加の活性化無しの末端オレフィン二重結合は、DARinvのためのジエノフィルとしては十分であり、バイオシステムにおいては生じない、またはごくまれに生じる1つの官能性も、DARinvのためのジエノフィルとしては十分である。脂肪酸、または脂質の中で生じる二重置換の二重結合は、DARinvという意味では、通常の条件化であれば、非常にゆっくりと反応する。メチレン基も、例えばエゴマアルコールにおいて、DARinvという意味では、室温で非常にゆっくりと反応し(60時間)、その結果、目的の付加物を形成する。しかし、二重結合が炭素環式環系に取り込まれると、メチレン基はジエノフィルよりもはるかに早く反応し、その反応性は、環の大きさが増加すると共に減少し、シクロプロペンから始まり、シクロヘキシンで最小化する。7員環よりも大きな環系においては、三重結合は逆ジエノフィルとしても反応可能である。
本発明によれば、炭素環は、あらゆる単環式、二環式、または三環式の炭素環を意味すると理解される。これらの環は、ヘテロ原子(N,O,S,Si)を含有してもよい。
孤立オレフィン性二重または三重結合もまた、直鎖もしくは分枝鎖状炭化水素鎖におけるジエノフィル・コンポーネントであると考えられて、必要に応じて、ヘテロ原子(N,O,S,Si)を含有してもよい。
異なるジエノフィルの反応速度は、DARinvにおける同じジエンとは、10のべき乗で異なるので、鋳型内の二つのジエノフィルが存在下で、特異的な反応を生じさせることができる。例えば、Sauer(Eur.J.Org.Chem 1998,2885−2896)は、シクロブランとシクロペンテンの間での反応性の違いを、非置換テトラジンに関し12倍と記載しており、シクロペンテンとシクロヘキセン間では1200倍観察されるとしている。そのため、同じ分子内にシクロブランとシクロヘキセンが存在する場合、1200倍の反応速度の差異が観察されることになる。収率を元に計算すると、これはおよそ0.1パーセントの異物混入を意味することになる。異なった置換基を有するテトラジン、トリアジン、およびジアジンは、当然のことながら、同一のジエノフィルと比べると、ジエンとして異なる反応性を有するので、ジエン及びジエノフィルの反応性尺度は、非常に特異が高く選択的な複合反応を可能とすると特徴付けることができる。このスキームが典型的なディールズ・アルダー反応(この反応においてジエンおよびジエノフィルに対する電子求引は、逆変種に対して正確に直交する)により拡大されると、多様かつ効率的な連結反応のネットワークが生まれる。DARinvに対するジエノフィルは、しばしば上流の典型的なDARにより生成される。この一連の反応の非常によい例は、無水ノルボルネンを生じる、シクロペンタジエンとMSA(無水マレイン酸)との間のDAR、または、同一分子内にシクロブテン環およびシクロヘキセン環を同時に含む付加物を生じる、シクロオクタテトラエンとMSAとの間のDARである。両方の無水ノルボルネン(エキソ体(exo)およびエンド体(endo))は、二環COT無水物と同様に、速やかにアミンによって誘導体化されるので、結合に適した機能分子に容易に転換されることができる。メタセシス反応によると、二重結合を有する環系を生成することも可能である。環状1,3−ジエンの光化学的閉環反応によって、二重結合を有する環系を生成可能である。DARinvに基づく結合技術をフォトリソグフラフィと併用できるように、環状1,3−ジエンの光化学的閉環反応により、反応性ジエノフィルとして、シクロブテンを生成することもできる。
炭素(ダイアモンド、フラーレン、カーボンナノチューブ)、ゲルマニウム、およびシリコンの表面が、典型的なDARにおいてジエノフィルのように振舞うことが記載された文献がある(Roucoules V. et al., 2005, Langmuir 21, 1412-1415)。これらは、シクロペンタジエンと反応し、ノルボルネン環系を形成し、DARinvに適したジエノフィルが生じる。こうして、これらの表面は、何の支障も無くDARinvにより官能化される。1,3−ジエンのシクロブテンへの環化による光化学活性化との組み合わせにより、完全に新規な場所の機能化が、以下の一連の反応の結果として生じる:1)環状1,3−ジエンの共有結合による表面または半導体への固定 2)シクロブテンへの光化学環化 3)タンパク質または糖類等が共有結合により結合したジエンを用いたDARinv。
好ましいジエノフィル・コンポーネントは、酸および無水物、それらに由来する官能化されたイミドおよびアミド、並びにそれらの還元物であり、さらに、ストレインドまたは末端の二重結合を含有する、結合したエステル並びにそれらの置換物および還元物である。このような化合物として、例えば、エキソ−またはエンド−ノルボルネンジカルボン酸無水物、これらのノルボルネンモノカルボン酸のエステル、シクロブテンモノカルボン酸エステル、シクロブテンジカルボン酸無水物、sym.シクロペンテンカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸無水物、sym.シクロヘプテンカルボン酸、 容易に入手可能な三環COT−MSA付加物、または、COTおよびアクリル酸に由来する対応するモノカルボン酸がある。同様に入手しやすい2−アリール−2プロパルギルマロン酸エステルは、同様に2つの異なる反応ジエノフィル基を有する。さらに好ましいジエノフィル・コンポーネントは、デヒドロプロリン、アリールプロリン、アリルマロン酸エステル、アリルガラクトース、アリルシルセスキオキサン、さらに、アリール、ブテニルまたはペンテニル基を有する全ての化合物である。ジエノフィル・コンポーネントは、必要に応じて、官能基によってモノ置換または多置換されていてもよい。官能基は、例えば、アルキル鎖(C2〜C20のもの、好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert.-ブチル基等であり、必要に応じてハロゲン置換されていてもよい。)、OH基、SH基、ハロゲン基、アリール基、カルボキシル基、カルボニル基、ニトロ基、カルボキサミド基、ケト基、スルホキシド基、スルホン基、スルホン酸基、スルフィド基、硫酸基、リン酸基、またはアミノ基であり、これらは直接若しくはアルキル残基を介して結合する。ジエノフィル・コンポーネントは、同様に芳香族またはヘテロ環残基であってもよい。これらは、フェニル基、チエニル基、チオフェニル基、フリル基、シクロペンタジエニル基、フラニル基、ピラニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、インドリル基、フラザニル基、ピロリニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリニル基、チアゾリニル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基から選択することができ、ならびに、前記基が含む可能性のある該ヘテロ原子の位置異性体、または、炭素縮合環式からなる残基(例えば、ナチフル基またはフェナントレニル基)、縮合へテロシクロ環からなる残基(例えば、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ナフト[2,3-b]チエニル、チアントレニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、キサンテニル、フェノキサチオニル、インドリジニル、イソインドリル、3H-インドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、キノリジニル、イソキノリル、キノリル、フタルジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、キノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、β−カルボリニル、シンノリニル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、インドリニル、イソインドリニル、イミダゾピリジル、イミダゾピリドミジニル、またはまた、ヘテロ環単環からなる縮合多環系(前記で明記されているように、例えば、チオナフテニル、フロ[2,3−b]ピロール、またはチエノ[2,3−b]フラン、特にフェニル基、フリル基(例えば、2−フリル、イミダゾリル(例えば、2−イミダゾリル)、ピリジル(例えば、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)、ピリミジニル(例えば、ピリドミド−2−イル)、チアゾリル(例えば、チアゾリン−2−イル)、トリアゾリル(例えば、テトラゾール−2−イル)、ベンゾイミダゾリル(例えばベンゾイミダゾール−2−イル)、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアゾール−2−イル、プリニル(例えば、プリン−7−イル)、またはキノリル(例えば、4−キノリル)から選択することができる。
ジエンおよびジエノフィル中で可能な多様な置換は、DARinvにおけるジエン活性が、反応を起こすことなく、典型的なDARのジエン構造またはジエノフィル基を同時に同一の分子内に有することを可能にする。同様のことが、逆ジエノフィルについても当然に当てはまる。その結果、可能な結合形式の複数の選択肢が、同時進行する、指向されたDARおよびDARinvにより生じる。
しかし、ジエノフィル・コンポーネントは、片側に、アミノ酸、ペプチド、糖類、脂質、またはオリゴヌクレオチド若しくは核酸置換物を有してもよい。あらゆる種類の薬理活性物質、タグ、染料、複合体(例えばカルボラン、フェロセン)、量子ドット、キレート/錯化剤、診断剤、または治療剤が、ジエノフィル・コンポーネントに結合していてもよい。
生成されたジエンおよびジエノフィルに対する試験的かつ動的なDARinv測定は、期待される広い反応挙動を示す。
表2:テトラジン(第1列)と各ジエン(第1行)との間の反応速度定数k(s -1 * mol -1 *l)
表中、ジエンとジエノフィルとの反応DARinvの反応の速度定数を、liter mol-1 s-1で示す。
n.d.は、測定していないことを意味する。n.d.(+)は、反応は行われたが、測定するには速度が遅すぎたことを意味し、DAR付加物は特定されている。
テトラジンは、520nmに充分な強度の吸収極大を有し、その減少は測光によって非常に検出しやすいので、伝導は非常に簡単である。動態解析により、2次の速度則が得られる。結果を前記表にまとめる。
速度定数の分析は、明確に、置換の種類に関わりなく、テトラジン8bおよび8cのN,N’−モノアルキルジアミドが、ジエステル5よりもわずかに低いジエン活性を有することを明確に示す。これは、分子の結合のためのDARinvBにおいてジアミドを反応性ジエンとして使用するための重要な前提条件である。ジエノフィルの速度定数を検討すると、Reppe−エステル、エキソ−ノルボルネン、エンド−ノルボルネンおよびアリール化合物の順に、それぞれ10のべき乗で減少することがよく分かる。測定された速度定数は、三環Reppe−エステル13並びにその誘導体14および16は、非常に反応性の高いジエノフィルに相当することを示す。25℃において、反応物を等モル量用いた場合、反応は10分〜60分で終了する。Reppe−エステル13と比べて、シクロブテンジカルボン酸無水物は、明らかに低い反応性を示し、エンド−ノルボルネン誘導体のように挙動する。ここで、無水環のカルボニル基の、特定のジエンのカルボニル基との反発的な相互作用は、明らかに遷移状態において起こる。この仮説は、エキソ−およびエンド−無水ノルボルネンと、それらの誘導体との反応速度の違いにより裏付けられる。このような反応は、エンド化合物を用いたときにのみ起こるので、エンド化合物は、エキソ化合物と比べて、反応速度が1/10となる。カルボニル基が低減によって除かれると、三環アミノアルコール15において見られるように、分子中で第2の二重結合がジエノフィルとして同様に反応することができる。このことは、動態測定により裏付けられる。続いてこのアミノアルコールを相手として起こるDARinvについては、後述する。
11bにおけるのと同様の唯一のジメチルアミン基の導入は、13のように、kの顕著な低下を引き起こし、反応性ジエノフィルとの測定可能な反応速度を示すだけである。このように、テトラジンジアミドの反応性を、アミド基の窒素原子における置換の程度によって、制御できる。その結果、構造の多様性は、同様に、異なるジエノフィルとの反応において選択性を高めることにも利用できる。
対応するエキソ−及びエンド−ノルボルネン誘導体のように、三環Boc−リシン16は、構造的に異なるペプチド(イラスト中の12および18を参照)中にN−末に導入されてもよい。全てのペプチドは、20℃でテトラジン8cと、モデル化合物と同様に反応し、反応速度は、リシン構成ブロック(lysine building block)16のそれよりもわずかに小さい。しかし、反応速度のペプチド構造への依存を観察することができる。ペプチド22および23は同一のジエノフィルを含むが、強塩基性のペプチド22 P[37]Pは、さらにゆっくりと反応する。塩基性ペプチドの空間構造が、反応速度の減退に寄与している可能性がある。これらの結果は、それらの構造の作用によって、より大きなペプチドでも、充分な速度でDARinvに入ることを示唆する。上述した二環および三環ジエノフィルと同様に、アミノ酸、例えば市販のアリールプロリンおよびジヒドロプロリン等も、ジエノフィルとしてペプチド鎖に組み込まれうる。発明者らは、両方のアミノ酸がテトラジンと非常に早く反応し、それによって、所望の付加物が生成されることを見出した。非天然アミノ酸は、ペプチド P[38]P内に酵素的に導入されてもよく、それゆえ、ジエノフィルの固定基を有するペプチドが、生合成を用いて選択的に得られる。
表3 テトラジン8cとペプチド21−25との間の反応の速度定数の決定のまとめ
逆ディールズ・アルダー反応は、超えるべき活性化エネルギーが低いので、これらの反応は、室温または室温よりわずかに高い温度で進行可能である。これは温度へ強く依存し、このことは、DARが高い負のエントロピーを要するであろうことを示唆する。ディールズ・アルダー反応は、高圧により促進される。近年、穏やかな条件下で、ディールズ・アルダー反応を効率よく触媒することのできる触媒が多く知られるようになっている(K. Pindur et al., Chem. Rev. 1993, 93, p. 741-761; Kundig et al., Angew. Chem. 1999, 111, p. 1298-1301)。超音波も同様にDARを促進する作用を有する。さらなる副産物を生じることなくほぼ定量的な収率を示すので、収率については、逆ディールズ・アルダー反応は大きな利点を有する。それゆえ、発明者らは、複合生体分子およびライブラリの構築に、ディールズ・アルダー反応を用いる。両開始物質(ジエンおよびジエノフィル)の官能基または残基を用いた巧妙な置換により、3または4つもの異なる残基を含む分子を利用可能にできる。
DARinvを用いることで、広範な種類の分子を、数回または次々に、互いに架橋または連結させることができる。これらは、例えば、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、抗体、糖類、核酸、ヌクレオシド、固相表面、ナノ粒子、染料、治療剤、診断剤、キレート/錯化剤、量子ドット、膜、表面、半導体である。
用語「ペプチド」および「タンパク質」は、それぞれ、あらゆる長さおよび複雑さのペプチドおよびタンパク質を含み、さらに糖質との複合体を含む。
用語「糖類」は、あらゆる種類の糖類、特に、単糖、二糖、オリゴ糖、または多糖(例えば一鎖(monoantennary)、二鎖(diantennary)、三鎖(triantennary)、多鎖(multiantennary)、さらに樹状糖類)、並びにそれらの全ての立体異性体および光学異性体を含む。これらは、ペントースまたはヘキソースであってもよく、L型であってもD型であってもよい。単糖は、特に好ましくはグルコースであり、さらに好ましくはα−及びβ−Dグルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、アラビノース、キシロース、フコース、ラムノース、ジギトキソース、並びにこれらの誘導体である。好ましい二糖の例は、特にサッカロース、マルトース、ラクトース、またはゲントビオースであり(これらの連結位置は1,4または1,6である)、さらにこれらの誘導体である。糖類とは、糖アルコール、ポリオール、イノシトール、および誘導体であり、特にシス−イノシトール、エピ−イノシトール、allo−イノシトール、myo−イノシトール、ムコ−イノシトール、チロ−イノシトール、ネオ−イノシトール、サイロ−イノシトール、ピンポリトール、ストレプトアミン、クエルシトール、 キナ酸、 シキミ酸、コンジュリトールAおよびB、バリダトール、およびケブラキトールであり、例えば、ガラクチノールや、テンサイ(ヒドロキシメチルフルフラールが得られる。F.W. Lichtenthaler, Mod. Synth. Meth. 1993, 6, p. 273-376)等の植物資源、乳製品に由来するか、酵素的な光学異性体分離により回収される。さらに、本発明では、糖類として、グリコール複合体を用いることができる。これは、糖類とペプチド、脂質、酸(--->エステル)、アルキル残基(--->エーテル)、ヘテロ環、または他の炭化水素との複合体であってもよい。グリコール複合体の一例として、10の糖結合体の混合物であるZ1−Z10が挙げられる。Z1−Z10は、天然由来の糖ペプチド、糖タンパク、およびリポ多糖である。前記糖類の誘導体は、例えば、保護基(例えば、ベンゾニル、シリル、ジメトキシトリチル)により保護された糖類、および/または官能基(アミノ基、ニトロ基、硫酸基、カルボキシル基、カルボキサミド基、ケト基、スルホキシド基、スルホン基、スルホン酸基、ホスホン酸基、モノ/ジ/トリアルキルアミド基、またはハロゲン基)で修飾された糖類である。上述の糖類は、天然由来のものであってもよいし、合成物であってもよい。
用語「核酸」は、モノヌクレオチド、ジヌクレオチド、またはオリゴヌクレオチドを意味する。オリゴヌクレオチドには、DNA、DNA付加物、DNA構造物、核酸アナログ(例えばPNAまたはLNA)、RNA(センス/アンチセンス)、またはsiRNAが含まれる。
用語「固相表面」は、生体分子が結合可能な全ての(修飾された)表面、例えば、バイオチップ/アレイ製品用の慣用の支持体、例えばガラス製、フィルム、膜(PP、PE、ナイロン、セルロース、セルロース混合エステル、PA,半導体、ナノチューブ、キチン、キトサン、半透膜、単一膜、セラミック、ハイブリッドポリマー、金属、ナノ合成物)を意味する。
用語「ナノ粒子」は、1000nm未満の範囲の大きさの粒子を意味し、特に、塗装または診断の目的で用いられる。これらは、例えば、「量子ドット」または特に生体分子の電子顕微鏡による研究に用いられる金のナノ粒子である。
診断剤は、臨床化学および生化学分析のための臨床検査において用いられる試薬を表す一般的な用語である。診断剤は、生理的または病理的な状態についての情報を生成することで、医学的診断(ギリシャ語の
=知識、評価)または治療処置のモニターに役立つ。
これらを用いた検査は、in vivoおよびin vitroで行うことができる。診断剤は、化学、生化学、免疫学、およびDNA解析手法に分類できる。用語「診断剤」は、例えば、PET検査で用いられるフルオリン18を含む放射性化学物質、in vivoおよびin vitroの検査で用いられる量子ドット、染料および抗体を含む。
DARinvは、 有機化学の標準的な手法であり、その反応条件は当業者によく知られているか、関連する教科書で調べることができる。本発明に基づいて、DARinvは、好ましくは、20℃〜100℃の間で、あらゆる溶媒中で実行可能である。好ましい溶媒は、水、メタノール若しくはエタノール等のアルコール、ジクロロメタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、または非プロトン性のポリ溶媒(例、DMF)である。
上述のシステムは、DARinvによってポリマーキャリアにジエノフィルまたはジエン・コンポーネントを固定した後に、ジエノフィルまたはジエン・コンポーネントの一部を制御下で遊離させるために好適に用いることができる。例えば、ジエノフィルが治療剤を運搬するとき、システムは、作用部位における加水分解によるまたは酵素による開裂によって、固相の薬剤を制御下でかつ制御可能に遊離させるために、用いられる。上述の反応をさらに拡張することで、本発明の方法は、ペプチドと糖類、ペプチドと核酸、糖類と核酸、及びある化合物とそれ自体(1の化合物がジエンに結合し、他がジエノフィルに結合する)との架橋を可能にする。生じるディールズ・アルダー付加物は、さらなる修飾(例えば、二重結合の酸化若しくは水素化、またはこの二重結合へ付加反応)を受けることができる。
主要クラスタまたはライブラリを合成するために、本発明の方法の工程は、連続して数回行われる。
ジエンまたはジエノフィル・コンポーネントは、分子中に数回確認されてもよい。これは典型的なDARにおける上述の可能な組み合わせにも適用される。好ましくは、容易に入手可能な化合物は、“ジエノフィルから得られるリンカーシステム”の下で特定される。これは、同じくジエンに、特にテトラジンとトリアジンという、DARinvにおいて異なるジエンの反応性のゆえに特に興味深い組み合わせにも、適用される。
本発明の重要な好ましいいくつかの側面について、以下に説明する。この説明は、広い方法の概念を限定するものではない。
そのため、以下では、ジエンについて、その後ジエノフィルについて、最終的には電子要求を伴うディールズ・アルダー反応について、あり得る事項をいくつか提示する。
置換されたトリアジンおよびテトラジン(ジエン・コンポーネント)の提示
テトラジン
テトラジンは、逆DARにおいて、ジエンと同等に高い反応性を有する。多くの研究におけるモデル化合物は、容易に入手可能なテトラジンジカルボン酸ジメチルエステルである。本発明の目的のために、この化合物に必要な修飾(例えば求核置換)は、最終的には分解される。それどころか、求核試薬とのエステル官能基の反応の多くは、ジヒドロ化合物である前駆物質を用いて、何の問題もなく、速やかに進行可能である。アミンを用いた最初の求核置換の速度は、通常、第2の置換と比べて大きく、モノ置換アミドを生成して、その結果、非対称ジアミドを生成のための経路を開くことは、容易である。続いて起こるテトラジンを与えるためのジヒドロ化合物の酸化は、Fe(III)Cl、亜硝酸塩、臭素、またはHといった酸化剤が複数存在することによって、可能となる。調製された化合物の選択の例は、図式1〜図式5に示す通りであり、合成の概念の例を描く。このように、各用途に適した化合物の生成が可能となる。これに関連して、テトラジンに起きる酸化は、テトラジンジカルボン酸アミドが、それ自体、テトラジンジカルボン酸エステルよりもはるかに安定なので、一連の反応の終結時に実施できる。
図式1
ジヒドロ−テトラジンモノ−メチルアミド

図式2
ジヒドロ−テトラジンモノ−ジメチルアミド

図式3
テトラジンジヒドロモノベンジルアミドによる置換

図式4
テトラジンジアミドベンジル

図式5

図式6
ビス−トリフルオロメチル−ジアリルテトラジン モノカルボン酸





図式7
エステル基を有するテトラジンと同様に、芳香基を有する多くのテトラジンが、文献中で知られている。テトラジンジカルボン酸ジメチルエステルについて、それらは、ジエン活性が減少していると同時に安定性が著しく増加している。この、より大きな安定性は、テトラジン環を破壊することなく、求核試薬との反応を可能にする。その方法は、非対称に置換された化合物の生成に利用できる。フルオリン、トリフルオロメチル(図式6)、またはヘテロ原子(図式7)等の電子求引置換基のフェニル環への導入は、ジエン活性を増大させる。ここで、ピリミジン残基の使用は、非常に成功を収めている。2つのピリミジン残基の存在下で、これらに由来するモノカルボン酸アミドは、テトラジン−3,6−ジカルボン酸エステルのジエン反応性に達する。1つの窒素電子を除いただけで、ジエン反応性は顕著に低下するので、10000倍の速度の範囲が、一連のジアリールモノカルボン酸によりカバーされる。ここで、ペプチド、オリゴヌクレオチド、またはそれらの界面(surface)への固定物への取り込みのための単官能基化合物の単純な調製もまた標的である。これらのテトラジン類の調製方法が文献で知られているが、この種のモノカルボン酸は、文献には未だ記載されていない。芳香族非対称化合物の最も単純な調製方法は、2つのアミジン若しくはイミドエステルのヒドラジンとの反応、または、2つのニトリルと硫黄及びヒドラジン若しくはヒドラジン単独との反応である。安価な開始化合物の使用により可能な、この単純な合成経路は、それにも関わらず、収率の観点から満足できるものではない。同様の合成経路により非常に良い収率で得ることができるジカルボン酸を熱的に脱カルボキシル化してモノカルボン酸を得ることができるという、興味深い知見がある。水への溶解性が低いこの種のモノカルボン酸は、対応するN−酸化体への転換によって、より溶けやすくなる。親水性残基は、同様にこの目的に適している。
トリアジン
テトラジンと比較して、トリアジンは、ジエンとして著しく低い反応性を有する。しかし、化学的な安定性は非常に良く、通常の有機化合物と同等である。ここで、トリアジントリカルボン酸トリエチルエステルは、モデル化合物となる。反応性の低さと同じく、DARinvにおける異性体生成物の形成が、トリアジンの欠点となることが証明された。ここに2つの問題がある。一方はジエンとしての反応性を高めること、他方は規定されたモノ置換化合物の調製である。両方の必要性は、エステル基の、トリハロゲンメチル基、好ましくはトリフルオロメチル基との選択的な置換により、達成可能である。アミンによるトリアジンのエステル基における求核置換は、テトラジンを用いるときと同程度に簡単に実行できる。しかし、反応性がより低いという違いがあるので、クリアーなモノ置換は、それほど簡単なものではない。これは、構成ブロック中にter−ブチルエステルを用い、トリアジンにおいて異なる反応性を有する2つのエステル基を得ることで、達成できる(図10)。ここでの目的は、カルボキシ基、ヒドロキシ基、及びアミノ基等の官能基を、アミンとの求核置換を経て導入することにある。こうして、テトラジンまたはジヒドロテトラジンにおいて行われるように、レポーター分子、治療剤、ペプチド、またはオリゴヌクレオチドを、これらの官能基を介して導入できる(図式8)。
図式8

好ましいトリアジンは、最初に調製される3−カルボキシメチル−5,6−ビス−トリフルオロメチル−トリアジン1,2,4(図9)である。このトリアジンは、1つの官能基のみを有し、この官能基を介して、多くの反応性官能基が導入可能であり、所望の使用目的のために適している。2つのトリフルオロメチル基が隣接する結果、これらのトリアジンは、水和物を形成しやすい。これは、多くのトリアジンが有することが知られている特性である。この水和物形成は、とりわけDARinvにおいて、ジエンとしての活性を低減可能であるが、それでもなおDARinvは生じる。
図式9
図式10

1つのトリフルオロメチル基の、トリアジン環への導入は、充分なジエン活性を得るのには充分である(図式10及び図式11)。
図式11
ジアジン
ジヒドロジアジンは、これから酸化によりジアジンを容易に得ることができ、ジエノフィルを有するテトラジンのDARinvによって生成する。ジエノフィルがエナミンまたは置換アセチレンであれば、ジアジンは直接生成する。
ジエノフィルの調製
ジエノフィル I
環サイズの異なる公知の環式及び二環式不飽和無水物の多くは、問題なく、置換されたアミンと反応して、対応する酸イミドをもたらす。ここで、エキソ−及びエンド−ノルボルネンジカルボン酸無水物は、両方とも購入することができることを言及する(図12)。シクロペンテンカルボン酸等のモノカルボン酸は、アミノ酸またはジアミンリガンドに、それらの酸塩化物を介して、連結することができる(図13)。アリール酢酸は、同様の方法で調製可能である(図14)。これらは、DARinvによって、分子を担持するテトラジン担持に、また表面にも同様に、共有結合することができる。BocまたはFmocリシンとの反応は、ペプチドにいかなる位置でも選択的に結合できるペプチドブロックを供給する。異なる反応性を有するジエノフィルが同一のペプチド鎖中に結合した場合、これらのペプチドを、選択的な方法によって、数回標識することができる。オリゴヌクレオチドについても、同様に適用できる。
図式12
これらの反応は、エキソ−ノルボルネンジカルボン酸無水物、シクロブテンジカルボン酸無水物、及びシクロヘキセンジカルボン酸無水物または歪んだ若しくは末端二重結合を有する他の無水物に転換可能である。
図式13
図式14
ジエノフィルII
特別な場合は、三環無水物が、シクロオクタテトラエン(COTと略する)、及びMSAから容易に得られる。COTの二環形状のDARは、DARinvで使われる異なる反応性を含む2つの分子をもたらす。通常と同様に、さらなる官能基は、アミノ酸、アミン等の無水環、または固相への結合を介して導入可能である(図15)。
しかし、高反応性シクロブテン環のみが、DARinvで用いることができる。シクロヘキセン環は、ジエノフィルとしてこの三環と反応すること、つまり、無水環のエンド構造に起因する挙動ができないほどに、反応性が低下している。この挙動は、シクロブテンジカルボン酸無水物に関係して論じられている。カルボニル基が還元によって除かれると、結果として生じるアミンが、反応性ジエンを伴う二重のDARinvに入る。DARinvは、ジエンの反応性が低いとき、シクロブテン環のみにおいて起きる。反応性ジエンが追加されると、シクロヘキセン環も同様に反応する。こうして、固定基として異なるジエン活性を有するテトラジンを担持する2つの完全に異なる分子が、所定の経路によって、互いに選択的に連結することができる。
図式15
図16のアミノ酸は、購入することができ、これらの3つ全てが、DARinvにおいて、ジエノフィルとして反応する。これらの3つのアミノ段は、ペプチド合成中に、どの位置にでも導入可能であり、新たな残基は、DARinvを介してこれらの位置に導入可能である。また、これらのペプチドは、確立された方法により、詳細な構造解析のために、表面に固定されてもよい。酵素的ペプチド合成も、Bertozziグループによって示されたように、ジエノフィルを有する固定基と共にアミノ酸を導入することを可能にする。
図式16
図式17
図式18

発明者等が、ペプチド合成のために調製した化合物を図17及び図18に示す。逆の原理、すなわちペプチドへのジエンの結合もまた、固相上で行うことができる。最後に結合するアミノ酸は、テトラジンによってアミノ基が置換されたリシンである(図17)。固相からの開裂に続いて、ペプチドは、桃色の固体として分離される。COT-Lys-EILDVペプチドとの反応は、結合したジペプチドを生じる。同様のペプチドが、DARinvが速やかに固相上で行われたときに分離される(図19)。ジヒドロテトラジンジアミドのリシン構成ブロックのペプチドへの取り込みは、その後にテトラジンをもたらす酸化を行うことで可能である。この方法は、ペプチド合成の条件下でテトラジンが分解したときに有効である。以上のように、DARinvを用いることで生体分子の結合が可能であり、この結合には種々の変更が可能であることが示された。
図式19
ペプチドは、染料またはビオチンによって、固相上で、またはDARinvによる開裂後に、標識されてもよい(図式20)。
図式20
連続する2つのDARinvを、図式20aに示す。この2つの反応は、二官能性ジエノフィルにおけるテトラジンの2つの異なる反応性によって進行する。
図式20a
DARinv中でジエノフィルとしての末端二重結合を有する全ての化合物。購入可能な化合物との反応は、後に挙げる(図式21)。これらは、アリールマロン酸エステル、アリールガラクトース、及びアリールシルセスキオサンを含む。
図式21
DARinvに基づく結合技術の適用分野は、ナノ材料の表面の機能化から、染料や他のレポーター分子による生体ポリマーの標識まで至る。同様に、治療剤の薬剤標的に基づく生体ポリマーとの連結や、薬物動態パラメータの改善のためのタンパク質の糖類との連結を含む。いくつかの適用については、以下に詳細に述べる。
適用I 白金錯体
目的は、脱離基として用いられるジアミン配位子またはジカルボン酸のいずれかがジエノフィルまたはジエンとして形成される白金錯体を生産することである。図式22に列挙される構造はこの概念を明らかにするであろう。これによって、DARinvを利用した当該錯体の各部分の選択的修飾が可能になる。結果として、オリジナルの錯体のライブラリーの確立が可能になる。当該脱離基、ここではジカルボン酸、のDARinvによる修飾は特に興味深い。なぜなら、当該脱離基は前記白金錯体の細胞内の活性化の間に分離され、DARinvによってその特定の部位が連結されるからである。したがって、当該脱離基は、DARinvを利用して、例えば、これらの錯体の好ましい取り込みを伝達するペプチド性シグナル配列またはその他の生体分子によって、選択的に修飾されることができる。DNAへの活性な白金錯体の共有結合に続いて、ジエノフィルとしてのジアミン配位子の発現がDARinvによる結果的不可物の局在を可能にする。当然ながら、異なるジエノフィル活性を有するジエノフィルとしてのアミン配位子と脱離基の両方を与えることも可能であり、これにより、アミン配位子と脱離基の両方の、よく計算された同時の連結を可能にする。Pt2+がこの合成の間、オレフィン性二重結合と反応しないことを確実にする目的で、ここに示されるPt錯体が調製された。
図式22

図式22に示す配位子および脱離基は、文献において公知である。
図示した 1,2,3−トリアミノプロパンの白金錯体は、Pt錯体のタンパク質、糖類、およびその他の生体分子、および治療剤への取り込みのための別の構築ブロックが存在するように、その遊離アミノ基を介するテトラジンへの結合が可能であることが知られている。
適用II PET
ポジトロン断層法は、放射性で、非侵襲的であるが非常に高感度の診断方法である。最も広く用いられているポジトロンエミッターは、F18であり、これは18分の半減期で,元素酸素へと崩壊し、これによってポジトロンを放出する。この短い半減期により、適当なF18標識化合物の調製は特別な合成方法を必要とする。それらは、迅速に進行されなければならず、また必要とされる精製方法も単純でなければならない。現在もっとも頻繁に使用される化合物は2−フルオロ18−2−デオキシ−グルコースである。DARinvに基づく連結反応はペプチド、オリゴヌクレオチド、および糖類のF18での標識に、非常に好適に用いることができる。芳香族化合物における求核置換反応は、その環における窒素原子の数が増加する場合(例、ベンゼン、ピリジン、ピリミジン、およびトリアジンの系列)に、促進される。例えば、1,2,4-トリアジンにおけるチオメチル残基は、多数の求核試薬、およびハロゲンによって、容易に置き換えられる。このようなトリアジンはDARinvにおいてジエンとして反応するので, このようなトリアジンへのF18の先の導入は、上述のバイオポリマーのDARinvの手段によるF18での標識の的確な可能性をもたらし、これによってPETによる検出に到達させる。しかし、トシル化物におけるフッ素での求核置換を介する古典的な経路もまた、可能である。(図式23)
図式23
上述のテトラジンおよびトリアジンのアミン官能基を介するF18標識されたトリフルオロアセチル基の導入もまた、ここで用いることができる。したがって、当該テトラジンは、ピリジンにおいてトリフルオロアセチル化されることができ、DARinvを溶液中で直接実施することができる(図式24)。しかし、ジヒドロテトラジンの段階でF18を導入し、その後酸化を実施してテトラジンを得てもよい。これらの全ての反応に関して、DARinvが非常に短い反応時間を 可能にし、通常副生成物の形成無しで進行することが重要である。
図式24

適用III 表面
ジエンの調製において既に述べたとおり、ジヒドロテトラジン ジカルボン酸エステルは室温で一級アミンと反応してアミドを生じることができる。この高い反応性を、反応性固相の合成に利用することができる(図式25)。ここに示した反応は、70〜90%の収率で実施することができる。結果として、固相は利用可能になり、DARinvのためにジエンまたはジエノフィルを担持する。これに関連して、DARinvにおける反応性はジエノフィル担持固相について十分に高く、実際にテトラジンで滴定される。これらの適用は、オリゴヌクレオチド、タンパク質、または糖類のためのチップ技術から触媒表面および固相試薬に及ぶ。調製されたトリメトキシ−シリル化合物は、表面への固着、表面への固着に適用されるジエンおよびジエノフィルの両方に、用いられうる(図式26)。しかし、ジアリールテトラジン モノカルボン酸の酸塩化物およびジヒドロテトラジン グリシン酸塩化物もまたこの目的で利用可能である。
図式25

図式26
DARinvは大変早い反応なので、粘着の意味で2つの表面を共有的に連結することも可能である。表面の反応は通常溶液中の反応よりも遅い速度で進行する。これは、反応の機動力が高くテトラジンが貧溶性である場合(例、水中)でも、明らかな窒素生成の元でテトラジン粒子の表面上で進行するDARinvに関して観察される。
適用IV DNA付加物
DNA付加物を検出する方法はいまだ自動化されていない。P32ポスト標識法は、いまだ最も高感度の方法である。しかし、異なる付加タイプの同時検出を可能にする方法は、いまだ存在しない。キャピラリー電気泳動とその後の蛍光検出は5−メチル−シトシンの検出に非常に適しているが、32Pポスト標識法の検出限界を少なくとも100倍損なう。ここで、本明細書に記載の連結反応は、治療法にも用いることができる。文献に従ったより最近の方法によって、ノルボルネン由来のアミンは、ヌクレオシドのリン酸基にカップリングされることができる。次に、テトラジンまたはトリアジンに連結されている任意の蛍光色素を、DARinvによってカップリングでき、次いで、キャピラリー電気泳動法によって検出できる(図式27)。
図式27

一般的な方法と同様に、構造的にDARinv可能な二重結合(例、dAおよびdCのエテノ付加)を含むDNA付加物の直接検出の可能性がある。これらの付加物は、酸化ストレスの評価において重要な役割を果たす。
この新たな連結反応法によって、任意の置換基を合成によって得られるオリゴヌクレオチドに導入することができる。このために必要なアミダイトが調製されている(図式28)。この方法で、マルチ標識もまた可能である。
図式28
この目的については、合成中のヌクレオチドの導入で十分であり、これはアルキル基に末端二重結合を導入する。
適用V 光化学
シクロブテンを与える1,3−ジエンの光化学環化は、高い量子収率で進行し、高反応性逆ジエノフィルが生じる。したがってフォトリソグラフィーがDARinvによる連結に結びつきうる。2+2シクロ付加はUV光が照射されているときにのみ起こり、そこでのみDARinvが引き続き進行する。したがって、ここで、置換テトラジンおよびトリアジンが表面に良好に付加されることができる(図式29)。

ここで、アミノ官能基との反応による1,3−ジヒドロ−フタル酸無水物−5,6の導入もまた、よく適している。かつて未知であった1,3−シクロヘプタジエン−6−カルボン酸もまた、よく適している。
適用VI デンドリマーおよびポリマーの合成
COT−MSA無水物の反応は迅速であり、クリアなので、デンドリマー構造をポリアミンとの反応によって合成できる。これは、さらに、DARinvを用いた任意のジエン類との反応により、さらに修飾可能である。ここに説明した化合物を図示し、特徴を記載する(図式30)。三重のDARinvを、問題なく実施できる。カルボニル基の還元後のアミン類形成は、2環当たり、2つの異なる分子を導入することを可能にする。これは、4員環および6員環は著しくジエノフィル活性が異なるからである。しかし、他の多官能性分子(例、イノシトール)は、容易にアリル基で供給され、その結果、デンドリマー構造の鋳型として用いられる。これらの化合物は、キトサンも包含する。
図式30
このような技術によって、例えば、ペプチド、または糖類を治療剤、診断剤、またはペプチドまたは糖類の互いの相互作用、または他の生体分子との相互作用の研究に結びつけることができる。ジヒドロテトラジン ジカルボン酸もまた、濃縮の間にポリアミドに取り込まれ、酸化後にDARinvにより修飾されて、テトラジンを与える。ジアリールテトラジン ジカルボン酸もまた、ナイロン/ペルロン型のポリアミドへの取り込みに適している。異なるジエン反応性を有するテトラジンを統計分布において取り込んだ場合、それらは異なった方式で選択的に修正される(図式31)。テトラジンオリゴマーまたはテトラジン/トリアジン混合オリゴマーを上述の構造ブロックを用いて生産し、ついでDARinvによって選択的に修飾できる。ここで同様に、対応するポリマーが考えられる。
図式31
適用VII 量子ドット
量子ドットは、CdSまたはCdSeのような化合物から構成され、かつ特別な光学的性質を有するナノ粒子を意味すると理解される。量子ドットは、レーザで励起されて、非常に強い蛍光を発し、それによって、だんだんと広く特に診断分野で用いられてきている。これは量子ドットが個々の分子の検出を可能にするからである。しかし、このための前提条件は、官能基によるそれらのドーピングであり、これはSH基を介して進行し、その後の分子の相互作用を検出可能にする。金ナノ粒子は、その特別な性質の理由で、生体分子の電子顕微鏡検査に考慮される。ここで、表面上の分子の固定は、SH基を介して達成される。DARinvによって、新しい連結技術もまた使用できる。そのために、SH基含有トリアジンおよびテトラジンが生産され、最初はジスフィルド類が生産され、次いで、それからメルカプト化合物が、ジチオスレイトールを用いた還元によって調製された。ノルボルネン型のSH基−含有ジエノフィル類もまた、全く同様に生産できる。このような汁フィルド類もまた、金表面に固定できる(図式32)。
したがって、ジエン類(テトラジン類、トリアジン類、およびジアジン類)およびジエノフィル類は当該ジスルフィド基を介して量子ドットまたはその他の金属の表面に付加され、その結果、DARinvに 利用可能になる。例えば、抗体、糖類、または治療剤を、診断または治療目的のために、量子ドットの表面に固定することができる。
図式32
適用VIII 糖類
複合糖構造の合成は、精緻な保護基の戦略を必要とする。これに関連して、還元末端はしばしばアリル基またはペンテノイル基で保護される。
天然のソースから単離されたオリゴ糖は、その還元末端に、容易にアリル基またはペンテノイル基を与えることができる。したがって、これらのオリゴ糖の固相または表面へのDARinvによる固定の前提条件は与えられている。DE-A-100 41 221.1 に記載のフラン糖模倣体もまた、このDARinv技術の手段によって生体分子または表面に固定できる。その前提条件は、アリルエーテル基の導入または(図式33)に記載のリンカー分子の導入である。
図式33
この方法により、DE-A-100 41 221.1に記載の化合物を、本明細書の記載において使用できる。

これらの糖模倣物もまた、DARinvにおける逆ジエノフィルとして適しており、その結果、任意の生体分子に導入することができる。
適用IX 治療
医薬治療、特に腫瘍治療の副作用は、いまだに臨床上、日々の日常的事項である。これは部分的には、特に、いまだに罹患細胞に選択的な治療活性物質の導入が可能になっていないことによる。したがって、治療剤と当該細胞への好適な取り込みを可能にする分子との連結を可能にする単純な連結反応が、求められている。腫瘍治療の参照が、EP-A-1 051 421に対して行われている。ここでは、テトラカルボランを含むボロンのアリルエーテルが生産され、これは、ペプチドまたは糖類へのDARinv法による連結のためのジエノフィルのモデルであることが証明されている。しかし、ビタミンA、ビタミンC、クルクミン、またはその他の治療剤をこの方法によってタンパク質又を表面に連結することができ、そこで、それらは加水分解もしくは酵素開裂によって放出される(図式34)。この適用の別の例は、脳腫瘍の治療に用いられるテモゾロマイドである。これは、その酸官能基を介して、テトラジン又はジエノフィルのいずれかにカップリングされることができる。ペプチドへのカップリングは、その後、DARinvを介して可能である(図式35)。リポソームは、DARinvにおいて活性な二重結合を有し、この技術によって、より良いターゲティングまたは修飾された薬物動態を達成するように、容易に修飾することができる
図式34
図式35
適用X オリゴヌクレオチド
これまでの文献におけるDAR法によるオリゴヌクレオチド連結反応は、 環状ジエン類およびジエノフィル マレインイミド類を使用している(Tona R. and Haner Robert, 2005, BioconjugateChem 16, 837-842; Hill K.W. et al. 2001, JOC, 66, 5352-5358)。しかし、この系における反応速度は高くなく、最大7日であるか、大過剰の試薬を用いる必要がある。ここで、DARinvは、それ自体がより効率的なので、好ましい連結反応である。この目的で、アリル基またはペンテニル基をオリゴ合成の最後に5’末端に導入するため、2つのアミダイト試薬が生産された。これは、DARinvにおいてジエノフィルとして活性である(図式28)。
ジエノフィルIからのリンカー系
図式36

両方の系が、L1820のような同一のジエノフィルまたはL1825のような異なるジエノフィルを担持する分子の逐次的な連結に適している(図式36)。この連結型は、また同時に、カルボニル基を用いた反応による固相への固定にも適している。
ジエノフィルIIからのリンカー系
図式37

ケトン ジシクロペンタジエノンは通常のDAR およびDARinvの双方に利用可能な直交ジエノフィルである。しかし、これをまた、ブタジエンを用いた反応によって二重逆ジエノフィルへと転換することができる(図式37)。
ジエノフィル由来のこれらのリンカーと同様に、DARおよびDARinvを可能にするジエン由来のリンカーもまた利用できる。これらのテトラジンまたはトリアジンとジエノフィル(例、マレインイミド)との組み合わせもまた、古典的DARについて、可能である。構造を下記に列挙する(図式38)。
図式38

以下に、DARinvが古典的なDARと同時に進行できることを示す(図式39)。両方のジエノフィルが存在する場合、
迅速なDARinvが最初に起こり、より遅い古典的なDARが続く。生産物を詳述する。
図式39

適用XI 物質ライブラリー
上記の新規テトラジン、トリアジンおよびジアジンをジエン類としてDARinvに用いて、新しい活性物質の探索のための新規物質ライブラリーを、ジエノフィル(例、エナミン類、エノールエーテル類等)を用いて構築することができる。上記のように、ジアミド類自体は様々なアミンとの 連続的な反応、およびその後の多くの酸化によって、利用可能である。(図式40)。 この反応シーケンスは、自動化できる。治療剤の開発のため、十分な水溶性が、重要な前提条件である。水溶性、およびそれゆえの経口可用性の改良のための可能なアプローチは、それによって複合体を形成する活性物質の糖との共有結合である。本発明のアプローチの手段によって、十分な水溶性の問題を、DARinvにおける適当なアミン構成ブロックを用いてまさに最初からコンビナトリーのアプローチによって、考慮することができる。これはまた、これらの構成ブロックが、糖及びそれらの誘導体に基づく活性物質の部分になり、活性物質のその標的への結合の強さに貢献する利点も与える。、これらの新規な構造は、その合成および構造に関して、ペプチド模倣物にあてはまるものである。テトラジン−3,6−ジカルボン酸エステルおよびそのジアミドおよびさらなる誘導体はグリシンから誘導される。
本発明は、さらに下記の図によって記載される。
図1:ディールズ・アルダー反応
図2:逆電子要求性ディールズ・アルダー反応
(実施例1)
下記化合物

5,6−ビス−トリフルオロメチル−1,2,4−トリアジン−3−カルボン酸エチルエステルの合成
5g(25.7mmol)のヘキサフルオロブテンを、アルゴン中、100mlのDMFに溶解させて、容量500mlの丸底フラスコに移し、0℃で冷やしながら、100mlDMF中のオキサルアミドヒドラゾンを一滴ずつゆっくりと加えた(発熱反応)。添加を終え、反応液を室温でさらに一晩撹拌した。処理のため、50℃の高真空下でDMFを除去して、残渣を酢酸エステルで取り出し、希塩酸および水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。酢酸エステルを蒸発させて、ジイソプロピルエーテルからの再結晶を行った。メチルエステルも同様の操作によって得られた。両化合物は二水和物として得られるが、水分子は容易に遊離するので、一水和物が結晶形で得られる。マススペクトルおよび1H−NMRにより構造が確認される。
同様の方法によって、下記トリアゼンを同様に得た。
(実施例2)
下記化合物の合成

シクロオクタテトラエンおよび無水マレイン酸から得られた10mmolの環状無水物を、10mmolのBoc−リシンを含む50mlのメタノール中で3時間還流させた。溶媒を蒸発させた後の残渣は直接再結晶させることができた。結晶化が失敗した場合には、1%メタノール含有クロロホルムを用いたシリカゲルによるクロマトグラフィを精製に用いることができる。生成物は放置することで結晶化する。マススペクトルおよびNMRにより構造が確認される。
下記化合物を調製し、同様に特性を調べた。
下記化合物の合成
1mmolのトリス−(2−エチルアミノ)−アミンを、3mmolの三環無水物を含む20mlのメタノール中で5時間還流させた。冷却することで沈殿が形成されるので、それを吸い取る。収率は80%。マススペクトルは、言及するほどのフラグメンテーションを示すことなく、m/e698に分子ピークを示す。
同様にして下記化合物を得た。
下記化合物の合成
三環状無水物とFp.135℃のN−Bocエチレンジアミンとの反応により得られる4mmol(1.36g)のアミドを、10mlのメタノールおよび20mlの1N塩酸の混合物中で、室温で一晩撹拌し、溶解させる。凍結乾燥に続いて、塩酸塩が定量的収率で白い残渣として得られる。マススペクトルは、244にアミンの分子ピークを示す。
0.5mmolのこの塩酸塩を、10mlのクロロホルム中に懸濁させ、0.5mmolの固形の塩化ダンシルを加えた。0℃で冷却しながら、0.28mlのトリエチルアミン(2mmolに相当)を、5mlクロロホルムに一滴ずつ加えた。このバッチを室温で一晩撹拌した。処理用に、有機相を3回、それぞれ10mlの水で洗い、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。精製するために、ヘキセン/酢酸エチルエーテルを2:1で用いてシリカゲルによるクロマトグラフィを行った。240mgの固形の生成物が分離され、収率は50%であった。マススペクトルは、ポジティブモードおよびネガティブモードの両方で477に分子ピークを示した。
ジエノフィル修飾ペプチド:
ペプチドは、合成装置で生成され、最終段階に上述したリシン誘導体が結合されている。このペプチドをHPLCで精製し、マススペクトルで確認した。分子ピークはm/e899であった。

前記ペプチドのテトラジン−3,6−ジカルボン酸ジメチルエステルとのディールズ・アルダー反応:
0.01mmol(9mg)のペプチドを0.5mlのDMFに溶解させ、0.01Mのテトラジン溶液を一滴ずつ混合した。全て添加すると、テトラジンの赤色が速やかに消失し、テトラジンを赤色がちょうど消失するまで添加する。高真空下でDMFを蒸発させた。残渣のマスは、m/e1096に分子ピークを示すと共に、少量の未反応のペプチドがm/e899にピークを示す。
(実施例3)
ジヒドロテトラジン−3,6−ジカルボン酸ジメチルエステルと1級アミンとの反応
200mg(1mmol)のジヒドロテトラジン−3,6−ジカルボン酸ジメチルエステルを、5mlのメタノールに懸濁し、(2.5mmol)グリシンメチルエステル(2.5mmolグリシンメチルエステル塩酸塩および2.5mmolトリエチルアミンから調製)を一滴ずつメタノールに添加し、室温で一晩撹拌した。赤みを帯びた溶液は、薄い黄色に変化し、黄色の沈殿物が生じた。−18℃で冷却した後、この沈殿物を吸出して、メタノールから再結晶させた。収率は55%であった。マススペクトルおよびNMRにより構造が確認される。
同様に下記化合物を調製し、特性を調べた。
ジヒドロテトラジンカルボン酸メチルエステルモノベンジルアミドL1842

の調製の説明
ジヒドロテトラジンジカルボン酸ジメチルエステル(5mmol)を30mlメタノールに懸濁した懸濁液を、50℃に加熱し、10mlメタノールに溶かしたベンジルアミン(5.5mmol)を室温で2時間に渡って一滴ずつ加えた。その後、同温度でさらに2時間撹拌し、−20℃で一晩冷却した。この結合において、いくらかのジアミドを含むモノアミドが沈殿する。メタノールから生じた再結晶において、モノアミドのみが溶解し、黄色の薄片として再結晶する。収率は50〜80%の間である。
ジヒドロテトラジンのテトラジン

への酸化
1mmol(342mg)のジヒドロテトラジンを10mlのクロロホルムに溶解させ、小過剰(small excess)のイソアミル亜硝酸塩と混合する。溶液は鮮やかな赤色であり、クロロホルムをロータリーエバポレーターにより除き、赤い残渣をアセトンから再結晶させる。マススペクトルおよびNMRによりテトラジンの構造を確認する。
(実施例4)
ジヒドロテトラジン−3,6−ジカルボン酸ジメチルエステルのグリシンメチルエステルとの比率1:1での反応
ジヒドロテトラジン−3,6−ジカルボン酸ジメチルエステル 200mg(1mmol)を10mlのメタノールに懸濁し、0℃で、固形の塩酸塩として1mmolのグリシンメチルエステルに加える。そして、10mlのメタノール中の1mmolのトリエチルアミンを一滴ずつゆっくりと加える。室温でさらに3時間撹拌し、冷却を停止して、撹拌しながら溶液を室温まで温める。溶液の色は薄い赤であり、黄色の沈殿物が形成される。この沈殿物を−20℃に冷やした後に吸い取り、冷メタノールおよびエーテルで洗浄したのち乾燥させる。さらに精製するために、メタノールから再結晶させる。マススペクトルおよび1H−NMRにより構造が明確に確認される。
同様に下記化合物を生成した。
(実施例5)
アザ−ジアリールテトラジンモノカルボン酸、例えばL1892

の調製の説明
10mmolの対応するニトリルを、5倍過剰のエタノール中で4時間、沸騰するまで過熱する。冷却した後、生じた沈殿を吸い取り、アセトンを用いて沸騰させた。この結合において、ジヒドロテトラジンは、カルボキシル基の無い状態に分解される。残渣を氷酢酸中で亜硝酸塩を用いて酸化させ、桃色のテトラジン混合物の沈殿をろ過する。DMF中で沸騰させつつ、対応するモノカルボン酸を溶解させると、ジカルボン酸が残渣として残る。モノカルボン酸は、さらなる合成に用いるために充分な純度で堆積する。
逆電子要求を伴うDARのジエンおよびジエノフィルの反応
三環無水物のテトラジン−3,6−ジカルボン酸ジメチルエステルとの反応
5mlのテトラヒドロフランに1mmol(198mg)のテトラジン−3,6−ジカルボン酸ジメチルエステルを懸濁させた懸濁液に、5mlの同溶媒に溶かした三環無水物の溶液をゆっくりと一滴ずつ、冷却しながら加えた。窒素の発生に伴って、真っ赤な溶液が形成され、その色は無水物の最後の一滴で黄色に変化した。濃縮を行い、残渣を酢酸エチルエステルから再結晶させた。収率は定量的であり、Fp.は165℃である。マススペクトルは、m/e372の無水物の分子ピークを示す。
固相上での電子要求を伴うディールズ・アルダー反応の解析:
まず、1gのアミノ基付加シリカゲル(シリカゲル1g当たり1mmolのアミノ基を、製造者の説明書に沿って作製した)を、振盪により10mlのメタノールに懸濁し、2mmolのテトラジン−3,6−ジカルボン酸エステルを加えて、密封された容器中で、60℃で5時間振盪した。そして、吸い取ってから、メタノールおよびエーテルで数回洗浄して、乾燥させた。900mgのシリカゲルが得られた。元素分析により、C/N比の算出が用いられ、約70%の占有を与えた。
亜硝酸イソアミルを用いた酸化
得られたシリカゲルを酢酸エステル中に懸濁し、室温で5時間、5倍過剰の亜硝酸イソアミルで振盪した。ろ過を行い、酢酸エステルおよびエーテルで数回洗浄し,
乾燥させた。シリカゲルは、わずかに桃色を呈した。元素分析では、C/N比の変化はわずかであった。
ディールズ・アルダー反応を、既に数回用いられている三環無水物を用いて行った。目的のために、テトラジンを負荷した100mgのシリカゲルを、酢酸中に懸濁し、0.3mmolの無水物と共に、室温で2時間振盪した。再度ろ過を行い、酢酸エステルにより5回洗浄して、乾燥させた。元素分析により、C/N比は、シリカゲルがジヒドロテトラジンを約70%の割合で負荷されていることが確認された。
他のディールズ・アルダー反応を、ダンシル誘導体を用いて行った。このダンシル誘導体の合成についてはジエノフィルに関連して上述した。この目的のために、テトラジンが結合した50mgのシリカゲルを、0.05mmolの三環ダンシル(dansyltricycle)と共に酢酸エステル中で1時間懸濁させ、吸い取って、10回洗浄して乾燥させた。得られたシリカゲルは、UV光下で濃い緑色蛍光を示した。対照として、ジヒドロテトラジン結合シリカゲルを同様に反応させた場合は、シリカゲルに蛍光は観察されなかった。
固相上でのジエノフィルのとしての三環の固定:
アミノ基付加シリカゲル(1g)を、10mlのエタノールに懸濁し、2mmol(400mg)の三環無水物を加えて、80℃で3時間振盪した。得られた生成物をフリット(frit)を用いて吸い取り、エタノールで数回、最終的にはエーテルで洗浄し、乾燥させた。C/N比を元素分析によって決定し、存在するアミノ基の占有率は70%程度であった。
100mgのアミノ基付加シリカゲルを、テトラヒドロフラン中に懸濁し、0.5MのテトラジンエステルのTHF溶液で滴定した。テトラジンは、ディールズ・アルダー反応により非常に速やかに変色した。テトラジンの消費量から、約70%という元の占有率が維持されているものと結論付けられた。
同様の方法によって、下記生成物を、電子要求を伴うディールズ・アルダー反応により生成、分離し、その特性を調べた。
(実施例6)
テトラジン

の官能性化
5,6−ビス−トリフルオロメチル−トリアジン−3−カルボン酸メチルエステルの、グリシンメチルエステルとの反応
3mmol(375mg)のグリシンメチルエステル塩酸塩を、10mlのジオキサンに懸濁し、3mmolのトリエチレンアミン(0.42ml)を加えた。30分後、2mmol(550mg)のビス−トリフルオロメチル−トリアジン−カルボン酸エステルを含む10mlのジオキサンを加え、80℃で5時間保持した。濃縮し、残渣を、ヘキセン/酢酸エステルを用いてシリカゲルによるクロマトグラフィを行った。400mgの生成物が得られた。マスにより構造が確認され、化合物は明らかに一水和物であった。
同様にして、下記化合物を生成し、その特性を調べた。
トリアジン

のディールズ・アルダー反応
1mmol(255mg)のトリアジン−トリ−カルボン酸メチルエステルを2mlのTHFに溶解させ、1mmol(248ng)の三環ジカルボン酸ジメチルエステルを含む1mlのTHF溶液と、1滴ずつ混合した。窒素が発生し、色が薄くなることが観察される。2時間後室温で濃縮を行い、残渣を、ヘキサン/酢酸エステル比1:1で、シリカゲルを用いてクロマトグラフを行う。250mgの付加物が得られ、収率は50%に相当した。マススペクトルにより、m/e475に分子ピークが見られ、構造が確認された。

Claims (9)

  1. 逆電子要求を伴うディールズ・アルダー反応(DARinv)によって2つの分子を結合させる方法であって、下記(a)と(b)との反応を含む方法。
    (a)ジエン・コンポーネントとしての、
    −COOR
    −C(O)NR
    −CX(Xは、ハロゲン)
    −ハロゲン
    −CN
    −SO−RもしくはSO−R
    −PR(式中、Rは、H、アルキル基、アリール基、複素環基であって、これらは、必要に応じてアルキル基、OH基、SH基、ハロゲン、アリール基、複素環基、ニトロ基、カルボキサミド基、アミノ基で置換されていてもよい。)
    −複素環[当該複素環は、少なくとも1つのカルボキシル基、スルホン酸基、またはホスホン基で置換され、かつ1、2、または3個のN原子、O原子、またはS原子を有する、環の大きさが5員環、または6員環である]
    から選択される1以上の電子求引性基を環上に有する、ジエン・コンポーネントとしてのジアジン、トリアジン、又はテトラジン。
    (b)ジエノフィル・コンポーネントとしての、(ヘテロ)炭素環における孤立二重もしくは三重結合、または必要に応じてヘテロ原子を含有していてもよい直鎖もしくは分枝鎖状の炭化水素鎖における孤立オレフィン性二重もしくは三重結合。
  2. 1以上のアミノ酸、ペプチド、糖類、脂質、またはオリゴヌクレオチドもしくは核酸置換物、薬剤活性物質、タグ、染料、複合体、量子ドット、キレート/錯化剤、診断剤、または治療剤が、前記ジエンおよび/またはジエノフィル・コンポーネントとカップリングしている
    請求項1に記載の方法。
  3. 前記ジエンおよび/またはジエノフィル・コンポーネントは、ディールズ・アルダー反応を誘導するための、反応性の異なる1以上の官能性を含む
    請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記ジエンは、テトラジンモノアミド、テトラジンジアミド、テトラジン−3−トリフルオロメチル−6−カルボン酸アミド、トリアジントリカルボン酸モノアミド、トリアジントリカルボン酸ジアミド、トリアジントリカルボン酸トリアミド、または1,2−ジアジン−3,6−ジカルボン酸アミドから選択される
    請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記ジエンは、3−カルボキシメチル−5,6−ビス−トリフルオロメチル−トリアジン−1,2,4、または1,2,4,5−テトラジンジカルボン酸ジメチルエステルである
    請求項4に記載の方法。
  6. 前記ジエノフィルは、エキソ−またはエンド−ノルボルネンジカルボキシル酸無水物、シクロブテンジカルボン酸無水物、シクロヘキセンジカルボン酸無水物、デヒドロプロリン、アリルプロリン、アリルマロン酸エステル、アリルガラクトース、アリルシルセスキオキサン、またはジシクロペンタジエノンから選択される
    請求項1、2または3に記載の方法。
  7. 前記テトラジン化合物は、その後の酸化により、対応するジヒドロ化合物から回収される
    請求項4に記載の方法。
  8. 前記ジエン・コンポーネントおよび前記ジエノフィル・コンポーネントは、リンカーを介して互いに連結されている
    請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記逆電子要求を伴うディールズ・アルダー反応は、水溶液またはアルコール溶液において、20〜100℃で行われる
    請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
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