JP2009538249A - ジンバル式のロータハブ用の等速駆動システム - Google Patents

ジンバル式のロータハブ用の等速駆動システム Download PDF

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Abstract

【課題】より大きなトルクの伝達を可能にし、望ましくない動的な影響を最小限にし、且つ部品のサイズ/パッケージングの要件を満足する改良された等速駆動システムを提供する。
【解決手段】差動式トルク分配機構及びジンバル機構を備える、回転翼航空機のロータ用の等速駆動システムを開示する。差動式トルク分配機構及びジンバル機構を含む回転翼航空機用ロータを備える回転翼航空機が開示される。
【選択図】図12

Description

本発明は、ジンバル式のロータハブを備える回転翼航空機に関する。
回転翼航空機に対する顧客からの要望として、推力をより大きくすること、速度をより速くすること、より多くの荷物及び/又はより重い重量の機体を搬送することなどが増加している。例えば、より強力なチルトロータ機が求められている。当然ながら、上述したような性能基準を向上させるのであれば、所望の性能改善を得るために、回転翼航空機の機能システムを改良しなくてはならない。ロータハブの駆動システムは、回転翼航空機の性能改善に関する要求を満足するために改良しなくてはならない様々な機能システムのうちの1つである。
大抵の場合、ロータハブの駆動システムには、等速駆動システム又は等速運動駆動システム、或いは等速駆動システム又は等速運動駆動システムを含むシステムが長年にわたって使用されている。様々なタイプの回転翼航空機に対して、多数の優れた等速駆動システムが設計されている。等速駆動システムは、通常、トルク又は回転力を、第1の回転部材から第2の回転部材へ伝達するように設計されるものである。ただし、第1の回転部材と第2の回転部材とが同軸ではないこともある。等速駆動システムは、回転翼航空機において、トルクを回転マストからロータハブへ伝達する手段として用いるのに非常に適しており、特にロータハブが回転マストに対してジンバル動作する場合に適している。そのような等速駆動システムとして、2つの等速駆動システムが、Zoppitelliらによる米国特許(特許文献1)で教示されている。
特許文献1では、第1の等速駆動システムとして、ロータハブを(マストに対して)回転させたり、チルティングさせたりするために、トルク分配機構(特許文献1の図2〜6参照)が2つのジンバル装置(特許文献1の図7及び8参照)と機能的に連携するシステムを教示している。また特許文献1では、第2の等速駆動システムとして、前記トルク分配機構が、駆動リンクを介してロータハブの回転を駆動するシステムを教示している。ただし、ロータハブは、フラッピング・スラストベアリング(特許文献1の図9及び10参照)の半分を含むジンバル手段によって、マストに対してジンバル動作を行う。第2の等速駆動システムでは、差動機構が駆動リンクを介してハブを回転させる間、フラッピング・スラストベアリングを備えるチルティング手段によってハブとマストとが接続される。
ここで図1を参照すると、特許文献1で教示されたような等速駆動システムが組み込まれたチルトロータ式の回転翼航空機が図示されている。チルトロータ機17は、飛行操作モードのうちの飛行機モードで図示されている。航空機17が飛行機モードのとき、翼19(1つだけ図示)は、ロータシステム23(1つだけ図示)の作動に応じて機体21を離昇させるために用いられる。ロータシステム23のロータ−ブレードは図示されていない。2つのナセル25(1つだけ図示)はそれぞれ、実質的に等速駆動システム27を収容するものであり、図1では等速駆動システム27は図示されていない。当然ながら、各ロータシステム21は、関連するエンジン(図示なし)によって駆動される。各ナセル25の内部には、1つのエンジンが収容される。
次に図2〜6を参照すると、特許文献1で教示されている差動式トルク分配機構が図示されており、この差動式トルク分配機構は、図1を参照しつつ説明した上述の転換式航空機のチルトロータのハブを回転させるために、ロータのマストに対して取り付けられるものである。
図2〜6では、ロータのマスト29は、差動機構(全体が符号31で指示される)を支持している。ロータのマスト29は、その長手方向の軸線Z−Z周りを、そのベース(図示なし)によって回転される。この機構31は、ロータハブを等速駆動させるための手段に含まれるものであり、主として、軸線Z−Zと同軸の軸線周りに、その軸線に沿って重ねて配置された3つのディスクのアセンブリからなる。その3つのディスクのアセンブリのうちの1つの中央ディスク33は、軸線方向にて他の2つのディスク35及び37の間に配置される。2つのディスク35及び37のうち、軸線方向にて中央ディスク33とシーティングショルダ39との間に配置される1つのディスクは、内側ディスク35と呼ばれ、マスト29のベース端にて軸線Z−Zに沿って配置されるため、したがって、転換式航空機の構造体の内側に配置される。シーティングショルダ39は、シャフト又はマスト29から外側へ半径方向に突出し、環状の周縁が形成されている。一方、外側ディスクと呼ばれる第3のディスク37は、軸線方向にて中央ディスク33とアキシャルプリロード装置41との間に配置される。アキシャルプリロード装置41は、マスト29のネジ部に適合し、(軸線Z−Zに沿って)軸線方向にてスタッキングされる3つのディスク33、35及び37のアセンブリに対してプリロードをかける。その条件及び理由は後述する。
中央ディスク33は、トルクを伝達するために、その中央孔の内側の内側アキシャルスプライン43を介してマスト29と一体的に回転する。内側アキシャルスプライン43は、マスト29の円筒形のスプライン部29aの外側アキシャルスプラインと係合する。また図7で図示されるように、中央ディスク33は、中央部45と、2つの円筒形の軸頸47及び49とを備え、中央部45は、2つの円筒形の軸頸47及び49の軸線方向の端部の間に配置されている。中央部45からは、4つのスパイダアーム51が外側へ半径方向に延出している。各スパイダアーム51には、2つの円筒孔55が並んで開けられており、2つの円筒孔55の各軸線同士が平行をなしている。4つのスパイダアーム51は、2つずつ中央部45の直径方向に反対の位置に配置され、また中央ディスク33の中央部45の周囲にわたって一定の間隔をあけて配置される。
内側ディスク35及び外側ディスク37はそれぞれ、周縁部(各々57及び59)を備える。周縁部57及び59はそれぞれ、中央ディスク33の中央部45の方へ軸線方向にオフセットされ、周縁部57は、中央ディスク33の内側アキシャル軸頸47(図中下側の軸頸)を取り囲み、周縁部59は、外側アキシャル軸頸49(図中上側の軸頸)を取り囲む。また、内側ディスク35の周縁部57及び外側ディスク37の周縁部59はそれぞれ、外側へ半径方向に突出する4つのスパイダアーム(各々61及び63)を有する。4つのスパイダアーム61は、2つずつ周縁部57の直径方向に反対の位置に配置され、また周縁部57の周囲に一定の間隔をあけて配置される。4つのスパイダアーム63は、2つずつ周縁部59の直径方向に反対の位置に配置され、また周縁部59の周囲に一定の間隔をあけて配置される。そして、4つのスパイダアーム61及び63にはそれぞれ、2つの孔65及び67が並んで開けられており、2つの孔65及び67の各軸線同士が平行をなしている。その2つの孔65及び67の直径は、中央ディスク33の孔55の直径と概ね等しい。
さらに、内側ディスク35は、(軸線Z−Zに対して)半径方向の平面内に含まれる軸線にて、円形の横断面を有する概ね円筒形状の2つの駆動ピン69を支持する。2つの駆動ピン69は、内側ディスクから外側へ突出するようにして、内側ディスクの直径方向に反対の位置に配置され、それぞれが、ディスク35の2つのスパイダアーム61の間に配置される。またその際、2つの駆動ピン69はそれぞれ、中央ディスク33の中央部45の方に軸線方向にオフセットされ、中央ディスク33の中央部45の周縁でディスク33の2つのスパイダアーム51の間に画定される切り欠き部の1つに収められる(図5及び6参照)。同様に、外側ディスク37は、2つの駆動ピン71を有する。2つの駆動ピン71は、ピン69と同じ円形の横断面を有する同じ円筒形状であり、且つピン69と同じ大きさである。2つの駆動ピン71は、ディスク37の直径方向に反対の位置に配置され、ディスク37の周縁部59から外側へ突出する。またその際、2つの駆動ピン71はそれぞれ、中央ディスク33の中央部45の方に軸線方向にオフセットされ、中央ディスク33の周縁でスパイダアーム51によって画定される4つの切り欠き部の1つに収められる。そして、2つの駆動ピン71は、これら3つのディスク33、35及び37に共通の軸線周りに、内側ディスク35の周方向にて内側ディスク35の駆動ピン69と交互に配置される。
3つのディスク33、35及び37は、図4で図示する図の左手側で示すように、軸線方向に重ねて配置され、静止しているとき、スパイダアーム51、61及び63は互いにまっすぐに重なり、孔55、65及び67がディスク同士の間で互いに整合される。そして、このようにして整合された3つの孔55、65及び67からなるグループが8つ形成され、各グループにおいて、8つの接続ピン73のうちの1つの接続ピンがそれぞれ、3つのディスクの周縁部にて前記整合された3つの孔にわたって収容される。図2で図示されるように、2つの隣接する接続ピン73からなる4つのアセンブリは、マスト29の軸線Z−Zから半径方向に同じ距離を有しており、また、接続ピン73からなる4つのペアは、2つのペアずつディスクの直径方向に反対の位置に配置され、一定の間隔をあけて、互いに直交する2つの直径面に沿って配置される。
接続ピン73はそれぞれ、マスト29の軸線Z−Zに対して実質的に平行な、長手方向の幾何学的な軸線A−Aを有する。また各接続ピン73は、軸線A−Aを中心とする3つのボールジョイント接続75、77及び79のそれぞれによって、3つの対応するスパイダアーム51、61及び63のそれぞれにヒンジ動作可能に取り付けられる。図4で図示する図の右手側で示すように、接続ピン73はそれぞれ、3つのボールジョイントを備えるピンであり、1つの中央ボールジョイント81は、他の2つの先端ボールジョイント83の直径よりも大きな直径を有するが、2つの先端ボールジョイント83の直径は同じである。ボールジョイント81及び83はそれぞれ、円筒形の積層ベアリング85(中央ボールジョイント接続75用)及び87(各先端ボールジョイント接続77及び79用)の内側で、(軸線A−Aに対して)半径方向に保持される積層ボールジョイントであり、円筒形の積層ベアリング85及び87は、対応する接続ピン73の幾何学的な軸線A−Aと実質的に同軸である。したがって、各接続ピン73は、外側から見ると、3つの部品が軸線方向にて互いにわずかに距離をあけて重ねて配置された、軸線方向に3つの部分に分かれた円筒形のスリーブの形態をしているように見える。各接続ピン73は、上端にラジアルカラーを有し(図7参照)、接続ピンに含まれる3つのボールジョイント接続75、77及び79はそれぞれ、軸線A−Aに沿ってオフセットしている。
8つの接続ピン73が取り付けられた後、中央ディスク33はマスト29と一体的に回転するようになる。中央ディスク33は、内側ディスク35及び外側ディスク37を駆動させるための駆動ディスクであり、内側ディスク35及び外側ディスク37は、機構31の被駆動ディスクである。前記ディスクはそれぞれ、軸線Z−Z周りを回転することができる。また、内側ディスク35及び外側ディスク37はそれぞれ、ハブに対してヒンジ結合されるが、その対応する2つの駆動ピン69又は71によって、少なくとも1つの駆動装置がハブと接続されると、マスト29の回転により、内側ディスク35及び外側ディスク37が回転するようになる。
以下に説明する理由により、各被駆動ディスク35及び37の間で、或いは駆動ディスク33とマスト29との間で、マスト29の回転軸線Z−Z周りで相対的な回転ができるようにするために、マスト29周囲において、マスト29の軸線方向にてマスト29を囲むようにして、2つの環状のラジアルベアリング89の間に、マスト29の軸線Z−Zと実質的に同軸に各被駆動ディスク35及び37が取り付けられる。したがって、被駆動ディスク35の中央部は、マスト29のショルダ39に対して配置された内側ラジアルベアリング89と、駆動ディスク33の軸頸47の内側軸頸端部に対して配置された外側ラジアルベアリング89との間に取り付けられ、もう一方の被駆動ディスク37の中央部は、駆動ディスク33の軸頸49の外側端面に対して配置されたラジアルベアリング89と、アキシャルプリロード装置41によって軸線方向に負荷がかけられる別のラジアルベアリング89との間に取り付けられる。前記別のラジアルベアリング89には、アキシャルプリロード装置41によって、3つのディスク33、35及び37のスタック、並びに4つのベアリング89のスタックに対するアキシャルプリローディングがかけられる方向に軸線方向に負荷がかけられる。アキシャルプリロード装置41は、図面では、マスト29の外側のネジ部29bの周囲でネジ止めされるナット91からなるものとして図式的に示されている。
環状のラジアルベアリング89に加えて、各被駆動ディスク35及び37の間で、或いはマスト29と駆動ディスク33との間で、相対的な回転をしやすくするために、2つのアキシャルブッシング93が備えられる。環状のラジアルベアリング89は、単純なものであり得るが、図示のように、ベアリングがそれぞれ、2つの金属ワッシャの間に少なくとも1つの加硫エラストマワッシャが配置された構成からなる、円筒形の積層ベアリングであることが好ましい。また場合によっては、トランケーテッドコーン形状をしたベアリングであり得る。2つのブッシング93のうちの1つは、被駆動ディスク35の周縁部57と、駆動ディスク33の軸頸47との間に取り付けられ、もう一方のアキシャルブッシング93は、他方の被駆動ディスク37の周縁部59と、駆動ディスク33のもう一方の軸頸49との間に取り付けられる。これら2つのアキシャルブッシング93もマスト29の軸線Z−Zと実質的に同軸である。
図2〜6の差動機構31では、被駆動ディスク35の2つの駆動ピン69が、軸線Z−Zに対して被駆動ディスク35の直径方向に反対の位置で配置されるだけではなく、マスト29の軸線Z−Zに対して垂直、且つ機構31の第1の直径方向軸線X−Xと同軸に、被駆動ディスク35から外側へ半径方向に突出する。ピン69は、被駆動ディスク35と一体化されて第1の直径方向駆動アームを構成する。同様に、被駆動ディスク37の2つの駆動ピン71も、軸線Z−Zに対して被駆動ディスク37の直径方向に反対の位置で配置され、軸線Z−Zに対して垂直であり、被駆動ディスク37から外側へ半径方向に突出する。また駆動ピン71は、機構31の第2の直径方向軸線Y−Yと同軸である。駆動ピン71は、第2の直径方向駆動アームを構成し、静止しているときは第1の直径方向軸線X−Xに対して垂直であり、軸線Z−Z上で第1の直径方向軸線X−Xに集束する。駆動ピン71は、被駆動ディスク37と一体的に回転し、機構31が静止しているとき、ピン69によって形成される第1の直径方向駆動アームに対して垂直である。
この差動機構31は、図7及び8で示すようなロータ用のダブルジンバル装置96に適合する。このダブルジンバル装置96は、差動機構31と、ロータハブが支持するブレードとの間に配置される駆動手段及びチルティング手段の両者を構成するものである。マスト29の軸線Z−Zと交差し、この軸線Z−Zから任意の方向に延在する、任意のフラッピング軸線周りでピボット動作可能なようにして取り付けられたダブルジンバル装置96は、ハブ、従ってロータが、マスト29の軸線Z−Zに対して任意の方向に傾斜した幾何学的な軸線周りを回転することができるようにする。
ここで図7及び8を参照すると、ダブルジンバル装置96は、2つの第1のベアリング101a、101bによってマスト29に対してピボット動作可能なようにして取り付けられる実質的に八角形の形状(平面で見た場合)をなす第1のジンバル97を含む。2つの第1のベアリング101a、101bは、単純な円筒形のベアリング、或いは、円筒形、円錐形、及び/又は所望に応じて球形の積層要素からなるベアリングであることが好ましい。第2のジンバル99も実質的に八角形の形状をしており、第1のジンバル97の上方に配置され、ベアリング101a及び101bと同じ種類の2つの第2のベアリング(例えば、ベアリング103a。もう一方は図示されていない)によって、第1のジンバルと同様の方法でピボット動作可能なようにして取り付けられ、第2のジンバル99がマスト29に対してピボット動作することができるようになる。
したがって、2つのジンバル97及び99はそれぞれ、通常は垂直な2つの軸線X−X及びY−Y周りでピボット動作可能となるように取り付けられることから、2つのジンバル97及び99はそれぞれ、マスト29及び駆動ディスク33によって駆動される各被駆動ディスク35及び37によって、マスト29の軸線Z−Z周りを回転するようになる。
さらに、第1のジンバル97は、2つの第1のボールジョイント接続(例えば107a、図8参照)によってケーシング又はハブ本体にヒンジ結合される。2つの第1のボールジョイント接続は、好ましくは積層ボールジョイントからなり、それぞれが円筒形の又は円錐形の積層ベアリングと組み合わされる。また2つの第1のボールジョイント接続は、マスト29の軸線Z−Zに対して直径方向に反対の位置に配置される。2つの第1のボールジョイント接続はそれぞれ、第2の直径方向軸線Y−Yを中心とし、ロータのニュートラル位置又は静止位置では、ジンバル97の軸線Y−Yと同軸の2つの小型スリーブ105内で保持される。第1のジンバル97が、第1の直径方向軸線X−X周りでピボット動作するとき、2つの第1のボールジョイント接続(例えば、107a)は、軸線Z−Zと第2の直径方向軸線Y−Yとによって画定される直径面の実質的に中心で保持される。
同様の方法で、第2のジンバル99は、2つの第2のボールジョイント接続109a及び109bによって、ハブ本体にヒンジ結合される。また2つの第2のボールジョイント接続109a及び109bは、好ましくは円筒形又は円錐形の積層ベアリングと組み合わされた積層ボールジョイントからなり、軸線Z−Zに対して直径方向に反対の位置に配置され、ロータの静止位置又はニュートラル位置では、それぞれが、第1の直径方向軸線X−Xを中心とし、ジンバル99の軸線X−Xと同軸の小型スリーブ111内で保持される。第2のジンバル99が、第2の直径方向軸線Y−Y周りでピボット動作するとき、これら第2のボールジョイント接続109a及び109bは、軸線Z−Zと第1の直径方向軸線X−Xとによって画定される直径面の実質的に中心で保持される。
本実施形態では、ロータハブは、2つの交差するジンバル97及び99によってマスト29に取り付けられる。ジンバル97及び99は、ボールジョイント接続によってハブの内側にヒンジ結合される。ボールジョイント接続(例えば、107aや、109a及び109b)は、積層されたものであることが好ましく、ベアリング(例えば、101a、101bや、103a)によって、静止しているときは垂直をなす2つの直径方向駆動アーム69−69及び71−71周りでピボット動作可能に取り付けられる。その際、その配置により、ハブとブレードとをチルティングするための機構を構成し、ハブ全体が、マスト29の軸線Z−Zと交差し、且つ軸線Z−Zから任意の方向に延在する任意のフラッピング軸線周りでピボット動作可能になるようにする。ハブの幾何学的な回転軸線周りを回転するハブ及びブレードの等速駆動をもたらす機構は、ジンバル97及び99が、各々の直径方向軸線X−X及びY−Y周りでピボット動作可能になることによって、マスト29の軸線Z−Zに対して任意の方向に傾斜され得る。トルクは、2つの伝達装置によって、マスト29とハブとの間に伝達される。2つの伝達装置はそれぞれ、マスト29、中央ディスク33、被駆動ディスク35及び37のうちの1つ、並びにそれぞれの被駆動ディスク35又は37によりピボット動作するジンバル97又は99、対応する2つのベアリング101a、101b又は103b、対応する2つのボールジョイント接続(例えば、107a又は109a、109b)及びハブを含む。
2つのジンバル97及び99を備えるタイプのピボット動作可能な装置の場合、マスト29の軸線Z−Zに対するロータのディスクのチルティング、したがって、ハブのチルティングが、2Ωの周波数で、これら2つのジンバル97及び99の周期的な相対的な回転を生じさせることが知られている(ここで、Ωはロータの回転の周波数)。2つのジンバル97及び99は、駆動軸線周りで、この駆動軸線に対して垂直な平面にて、互いに逆方向に、等振幅の回転運動を行う。差動機構31は、2つのジンバル97及び99のこの周期的な相対的な回転を、接続ピン73を用いて運動学的に補償する。接続ピン73は、被駆動ディスク35及び37を駆動ディスク33に対して接続するものであり、被駆動ディスク35及び37が、マスト29の軸線Z−Z周りを互いに逆方向に回転するのにつれてわずかに傾斜される。その際、マスト29によって2つのジンバル97及び99へ伝達される静的トルクは、接続ピン73を介して駆動ディスク33によって2つの被駆動ディスク35及び37の間で分配される。駆動軸線に対して垂直な平面にて2つのジンバル97及び99の任意の相対的な動作を可能にするという、この差動機構31の機能は、2つのジンバルを備えるチルト機構がマスト29と直接的に接続され得る装置のような過度の静特性がない。
したがって、等速特性は、差動機構31を用いて、2つのジンバル97及び99を使用するチルティング手段と駆動手段との間の運動学的比較を行うことによって得られる。
ロータからマスト29への負荷(リフト負荷及び同一平面上の負荷)の伝達が提供される。2つのジンバル97及び99を介して、ハブからマスト29へ伝達されるトルクとは逆方向で、2つのジンバル97及び99を介して、マスト29からハブへトルクが伝達される。環状のラジアルベアリング89及びアキシャルブッシング93は、(ジンバル97、99と接続された)被駆動ディスク35及び37と、マスト29に接続された駆動ディスク33との間で相対的な回転を可能にし、リフト負荷及び同一平面上の負荷の伝達を支援する。またリフト負荷は、アキシャルプリロード装置41があることにより、3つのディスク33、35及び37のスタック並びに4つの環状のラジアルベアリング89のスタックの、マスト29のショルダ39に対する弾性変形によって伝達される。
特許文献1で教示されている等速駆動システムは、あまり強力ではない、小型で軽量の回転翼航空機に適したものであり得る。特許文献1で教示されている等速駆動システムを、より強力な、大型で重量の重い回転翼航空機に対して使用することを検討した場合、非常に大きな制限があることが明らかになる。例えば、特許文献1で教示されている等速駆動システムのトルク伝達能力を向上させるには、必然的に、トルク分配機構全体のサイズが大きくなるであろう。また、トルク分配機構と機能的に連携する2つのジンバル装置は、実質的にトルク分配機構を収容しているため、必然的に、2つのジンバル装置全体のサイズも大きくなるであろう。望ましくない合力を最小限にするために、ロータシステムの回転要素をマストの回転軸線にできる限り近づけて保持する構成が求められている。より強力な、大型で重量の重い回転翼航空機用の等速駆動システムを提供するために、特許文献1で教示されているトルク分配機構及び2つのジンバル装置のサイズを大きくすることは望ましいことではなく、十分な解決策を提供するものではないことは明らかである。
上述したロータハブの進歩は、ロータハブの設計における大きな進展を示しているが、検討すべき課題はまだ残っている。
米国特許第6,712,313号
より大きなトルクの伝達を可能にしつつ、望ましくない動的な影響を最小限にし、さらに部品のサイズ/パッケージングの要件を満足する改良された等速駆動システムが求められている。
したがって、本発明の目的は、より大きなトルクの伝達が可能でありながら、望ましくない動的な影響を最小限にし、部品のサイズ/パッケージングの要件を満足する改良された等速駆動システムを提供することである。
この目的は、トルク分配機構を含む等速駆動システムを、実質的に、関連するジンバル機構及び/又は複数の駆動リンクの回転軸線に沿って配置することによって達成される。その等速駆動システムは、以下のように構成され得る。(1)トルク分配機構が、(回転翼航空機の機体に対してトルク分配機構よりも遠くに配置された)ジンバル機構へ力を伝達し、前記ジンバル機構がロータハブへ力を伝達する。或いは(2)トルク分配機構が、(回転翼航空機の機体に対してトルク分配機構よりも近くに配置された)ジンバル機構へ力を伝達し、前記ジンバル機構がロータハブへ力を伝達する。
本発明は、以下のような有意な利点を提供する。(1)望ましくない動的な影響を減少させた、回転翼航空機用の改良された等速駆動システムを提供する。(2)差動式トルク分配機構を介して、より大きなトルクの伝達を可能にする。(3)差動式トルク分配機構が、ダブルジンバル機構から軸線方向にて距離をあけて配置されるように、差動式トルク分配機構とダブルジンバル機構とを接続するための頑丈な構造の手段を提供する。
本発明のさらなる目的、特徴、及び利点は、以下の記載より明らかとなるであろう。
特許文献1で教示されたような等速駆動システムを有する従来のチルトロータ機の側面図である。 図1の等速駆動システムの差動機構の平面図である。 図2の切断線IIIで切り取られた図2の差動機構の側断面図である。 図2の切断線IVの概ね近傍で切り取られた図2の差動機構の側断面図である。 図2の差動機構の分解斜視図である。 図2の差動機構の斜視図である。 図1の等速駆動システムの差動機構及びダブルジンバル装置の分解斜視図である。 図1の等速駆動システムの差動機構及びダブルジンバル装置の斜視図である。 本発明に係る等速駆動システムを有するチルトロータ式の回転翼航空機の正面図である。 本発明に係る等速駆動システムの概略図である。 本発明に係る等速駆動システムの代替実施形態の概略図である。 本発明に係る等速駆動システムの好適な実施形態の側面図である。 図12の等速駆動システムの差動式トルク分配機構の側面図である。 図12の等速駆動システムのダブルジンバル機構の平面図である。 図12の等速駆動システムの差動式トルク分配機構の平面図である。 図12の等速駆動システムの差動式トルク分配機構の(図15の切断線D−Dで切り取られた)簡略化された概略側断面図である。 図12の等速駆動システムの差動式トルク分配機構の(図15の切断線C−Cで切り取られた)簡略化された概略側断面図である。 本発明に係る差動式トルク分配機構の代替実施形態の3つの要素からなるジョイントピンの代替実施形態の斜視図である。 本発明に係る等速駆動システムの代替実施形態の斜視図である。
本発明の新規の特徴と考えられる特性が特許請求の範囲に記載されている。しかしながら、添付の図面とともに以下の詳細な説明を参照することによって、本発明自体に加えて、本発明の好適な使用モードや、本発明のさらなる目的及び利点をより良く理解することができるであろう。
本発明は、回転翼航空機用の改良された等速駆動システムに関するものであり、トルクの伝達を改良しつつ、望ましくない動的な影響を最小限にする。本発明の具体的な説明は、チルトロータ式の回転翼航空機を用いて行っているが、本発明は、そのほかにも、任意の他の回転翼車両/船舶で使用されるようにすることができる。
図9は、本発明の等速駆動システムが組み込まれたチルトロータ式の回転翼航空機を図示する。図9のチルトロータ機201は、飛行操作モードのうちの飛行機モードで図示されている。飛行機モードのとき、翼203は、ロータシステム207、209の作動に応じて航空機の機体205を離昇させるために用いられる。各ロータシステム207、209は、4つのロータ−ブレード211を有するものとして図示されている。各ナセル213、215は、(付随する回転カバー216とともに)実質的に等速駆動システム217を収容するものであり、図9では等速駆動システム217は図示されていない。当然ながら、各ロータシステム207、209は、エンジン(図示なし)によって駆動される。各ナセル213、215には、実質的に1つのエンジンが収容される。
次に図10を参照すると、本発明に係る等速駆動システムの簡略化された概略図が図示されている。等速駆動システム217は、特許文献1の等速駆動システムと実質的に同様の方法で動作するように構成されている。等速駆動システム217は、通常、差動式トルク分配機構219、ジンバル機構221、及び少なくとも2つのリンキング手段223、225を含む。差動式トルク分配機構219とジンバル機構221は、ロータマスト227によって機能的に連携し、マスト227の中央回転軸線R−R周りを回転するように構成される。マスト227には、機内側部分229及び機外側部分231がある。動作させるべく組み立てたとき、エンジンとマスト227との間で、エンジン及び/又はトランスミッションリンケージと機能的に連携するようにするため、機内側部分229は、エンジン及び/又はトランスミッションリンケージに対して機外側部分231よりも近くに配置される。差動式トルク分配機構219は、機内側部分229に対してジンバル機構221よりも近くに配置され、ジンバル機構221は、機外側部分231に対して差動式トルク分配機構219よりも近くに配置される。
通常、差動機構219は、特許文献1で教示されている差動式トルク分配機構31と実質的に同様の機能を果たし、またジンバル機構221は、特許文献1で教示されているダブルジンバル装置96と実質的に同様の機能を果たす。差動機構219及びジンバル機構221が、実質的にマスト227に沿って互いに距離をあけて配置されるため、差動機構219とジンバル機構221とを接続するのにリンキング手段223、225が用いられる。リンキング手段223、225は、差動式トルク分配機構219とジンバル機構221とが補完するように、また機能的に連携するように取り付けられる。各リンキング手段223、225は、力を伝達するための少なくとも2つの別個の経路の一部をなし、差動機構219が、ジンバル機構221で生じた周期的な相対的な回転を運動学的に補償することを可能にし、その際、リンキング手段223、225は、静的トルクを差動機構219からジンバル機構221へ伝達する役割を担う。軸線R−Rに対して垂直な平面にてジンバル機構221の少なくとも2つの部分(図示なし)の任意の相対的な動作を可能にするという、この差動機構219の機能は、2つのジンバルを備えるチルト機構がマストと直接的に接続される装置のような過度の静的特性がない。動作させるべくさらに組み立てたとき、ジンバル機構221は、ロータハブを回転させるために、ロータハブ(図示なし)に取り付けられる。
次に図11を参照すると、本発明に係る等速駆動システム233を簡略化した概略図が図示されている。等速駆動システム233は、実質的に等速駆動システム217と同様の機能を果たすものである。しかしながら、等速駆動システム233は、差動式トルク分配機構219が、機外側部分231に対してジンバル機構221よりも近い位置に配置され、ジンバル機構221が、機内側部分229に対して差動式トルク分配機構219よりも近い位置に配置されているという点で、等速駆動システム217とは異なる。
等速駆動システム217、233は異なるものであるが、各等速駆動システム217、233は、差動式トルク分配機構又はジンバル機構の物理的なサイズが、(マストの回転軸線周りで)半径方向に大きくなることなく、より大きなトルク負荷を伝達可能な所望の等速駆動システムを提供するため、特許文献1の等速駆動システム27に対して改善されている。このことは、差動式トルク分配機構を、(マストの回転軸線R−R周りで)ジンバル機構とは別個にすることによって概ね達成される。差動式トルク機構をジンバル機構とは別個にすることによって、等速駆動システムの入力(マストから差動式トルク機構へ伝達されるトルク)は、必然的に等速駆動システムの出力(ジンバル機構から関連するロータハブへ伝達されるトルク)の方へ(マストの回転軸線に沿って)移動する。
次に図12〜17を参照すると、本発明の好適な実施形態に係る等速駆動システム301が図示されている。等速駆動システム301は、等速駆動システム217によって提供されるような効果を提供するべく相互に関連して機能する、差動式トルク分配機構303(図13、15〜17で詳細に図示)と、ダブルジンバル機構305(図12及び14で図示)とを含む。差動式トルク分配機構303は、回転軸線S−S周りをマスト309と一体的に回転するように構成された中央駆動ディスク307を含む。また差動式トルク分配機構は、内側被駆動チューブ311及び外側被駆動チューブ313を含む。内側被駆動チューブ311は、ベース部315、ライザ部317、及び駆動アーム部319を備える。同様に、外側被駆動チューブ313は、ベース部321、ライザ部323、及び駆動アーム部325を備える。
ベース部315及び321は、実質的にディスク形状をしたものであり、回転軸線S−Sに対して概ね垂直に配置される。内側被駆動チューブ311及び外側被駆動チューブ313は、回転軸線S−Sに対して同心円状に配置され、内側被駆動チューブ311は、外側被駆動チューブ313とマスト309との間に配置される。図15及び16でより明確に図示するように(図16は、図15の軸線/切断線D−Dでとられた概略横断面図であり、図17は、図15の軸線/切断線C−Cでとられた概略横断面図である)、ベース部315及び321は、3つの要素からなるジョイントピン327を使用して、中央駆動ディスク307と協働する。このため、3つの要素からなるジョイントピン327は、マスト309の回転軸線S−S周りで、中央駆動ディスク307と内側被駆動チューブ311との間、並びに中央駆動ディスク307と外側被駆動チューブ313との間で相対的な回転ができるようにする。3つの要素からなるジョイントピン327はそれぞれ、1つの中央ジョイント、及び2つの先端ジョイント(明瞭化のため符号は付与していない)からなる3つのボールジョイントを含む。3つの要素からなるジョイントピン327はそれぞれ、1つの中央ジョイントが、中央駆動ディスク307と機能的に連携し、残りの2つの先端ジョイントが、ベース315、321と機能的に連携する。本実施形態では、内側ベース部315が、中央駆動ディスク307の上方に配置され、外側ベース部321が、中央駆動ディスク307の下方に配置される。当然ながら、他の必要なベアリング、アキシャルプリロード装置、ブッシング、及び/又はインタフェース要素が、必要に応じて差動式トルク分配機構303と一体的に形成される。そのような一体的な形成は、当業者には周知であり、また本発明の教示する内容を考慮して本実施形態に適用されるようにすることもできる。
ライザ部317及び323は、実質的に管状のものであり、それぞれが、ベース部315、321から回転軸線S−Sに沿って延在する。ライザ部317、323は、図10及び11のリンキング手段223、225と実質的に同様の機能を果たし、それぞれが、ベース部315、321から駆動アーム部319、325へトルクを伝達するように構成される。ライザ部317、323のサイズ及び形状に関して、通常、ライザ部317、323が実用上可能な限り軸線S−Sに近づけて配置され、且つマスト309とライザ部317との間、並びにライザ部317とライザ部323との間に、任意の所要の空間が保持されるように、ライザ部317、323のサイズ及び形状が定められる。
駆動アーム部319及び325はそれぞれ、通常、ライザ部317、323から延出する円筒形のピン状の突起を含み、前記突起は、回転軸線S−Sから遠ざかるように半径方向に延出する。駆動アーム部319、325はそれぞれ、通常、内側被駆動チューブ311とダブルジンバル装置305との間、並びに外側被駆動チューブ313とダブルジンバル装置305との間のインタフェースとして機能する。図15で明瞭に図示されているように、駆動アーム部319は、軸線D−Dに沿って配置され、一方、駆動アーム部325は、軸線C−Cに沿って配置される。駆動アーム部319及び駆動アーム部325は、互いに対して概ね垂直であり、両者とも回転軸線S−Sに対して概ね垂直である。
図14で図示するように、ダブルジンバル機構305は、第1のジンバル329及び第2のジンバル331を含む。第1のジンバル329は、ジンバルアーム333及びジンバルジョイント335を備え、第2のジンバル331は、ジンバルアーム337及びジンバルジョイント339を備える。ダブルジンバル装置305は、軸線S−Sから半径方向にて最も外側に配置された4つのジンバルジョイント335、339に組み込まれたボールジョイント(図示なし)を介して、ロータハブ(図示なし)の内側に接続されるように構成される。ダブルジンバル機構305は、図7及び8のダブルジンバル装置96と実質的に同様の方法で、ロータハブ及びロータハブに取り付けられたブレードのチルティングを行うための機構が構成されており、軸線S−Sと交差し、且つ軸線S−Sから任意の方向に延在する任意のフラッピング軸線周りで、ハブ全体のピボット動作を可能にする。またロータハブの等速駆動及びブレードの等速駆動を行う機構は、ロータハブの回転軸線周りで、ジンバル329及び331をそれぞれ、軸線D−D及びC−C周りでピボット動作させることができるため、ジンバル329及び331が、軸線S−Sに対して任意の方向に傾斜し得る。
駆動アーム部319は、第2のジンバル331とフレキシブルに接続し、第2のジンバル331を駆動させるように構成される。具体的には、駆動アーム部319は、軸線D−Dに沿ってジンバルジョイント339´に接続される。同様に、駆動アーム部325は、第1のジンバル229とフレキシブルに接続し、第1のジンバル229を駆動させるように構成される。具体的には、駆動アーム部325は、軸線C−Cに沿ってジンバルジョイント335´に接続される。図13で明瞭に図示されるように、内側被駆動チューブ311は、外側被駆動チューブ313の内側に同心円状に配置されるため、駆動アーム部319をダブルジンバル機構305と接続するための経路が設けられるように、ライザ部323は、適切に大きさが定められた切り欠き部341を有する。
次に図18を参照すると、本発明に係る3つの要素からなるジョイントピンの一部の代替実施形態が図示されている。3つの要素からなるジョイントピン327は、3つのボールジョイントを含むものとして説明したが、3つのジョイントのうちの1つが、ボールジョイント以外の種類のジョイントに置き換えられたとしても、駆動ピンの3つの接続動作が保たれるようにすることができることは明らかであろう。具体的には、3つの要素からなるジョイントピン401は、1つの円筒形の中央ジョイント部403と、2つの先端ボールジョイント部405とを備える。1つの円筒形ジョイント部403は、軸線Q−Qと同軸に配置される。2つのボールジョイント部405は、軸線P−Pを中心として配置され、軸線P−Pに沿って距離をあけて配置される。軸線Q−QとP−Pは、実質的に垂直である。3つの要素からなるジョイントピン401は、軸線Q−Qが、回転軸線S−Sから概ね半径方向に延在するような方向に向きを合わせて配置されることが好ましい。3つの要素からなるジョイントピン401は、中央駆動ディスク、内側被駆動チューブ、及び外側被駆動チューブの間で、3つの要素からなるジョイントピン327と同様の相互作用が提供されるようにすることができる。そして、3つの要素からなるジョイントピン401は、3つの要素からなるジョイントピン401が軸線Q−Qに沿って移動し、また軸線Q−Q周りを回転するという機能の改善を提供し得る。当然ながら、3つの要素からなるジョイントピン401を、中央駆動ディスク、内側被駆動チューブ、及び外側被駆動チューブ(又は力に対処するための他の同様な機構)と相互作用させるために、追加のベアリング及び/又は別のベアリングが必要とされる構成は、当業者には周知であり、本発明の教示する内容を考慮して本実施形態に適用されるようにすることもできる。
次に図19を参照すると、本発明に係る等速駆動システムが図示されている。等速駆動システム501は、通常、差動式トルク分配機構503、ダブルジンバル装置505、及び駆動アーム507を含み、駆動アーム507により、トルクが差動式トルク分配機構503からダブルジンバル装置505へ伝達される。差動式トルク分配機構503は、実質的に差動機構31と同様の形状及び機能を有しているが、駆動ピン509は、ダブルジンバル装置505と直接的に接続されるというよりは、むしろ駆動アーム507と接続するように構成される。さらに、ダブルジンバル装置505は、実質的にダブルジンバル装置96と同様のものであるが、ダブルジンバル装置505は、実質的に差動式トルク分配機構503を収容するわけではなく、それよりもむしろ、ダブルジンバル装置505は、軸線W−W(マスト511の回転軸線)に沿って実質的に差動式トルク分配機構503から距離をあけて配置される。駆動アーム507は、不規則な曲線形状を有する部材であるのに対して、駆動アームの代替実施形態として、駆動アームの望ましくない変形が生じることなく、依然として十分にトルクが伝達される様々な方法により、駆動アームの代替実施形態の形状及び大きさが定められるようにすることができる。具体的には、駆動アーム507は、一方の端部が、差動式トルク分配機構503の駆動ピン509と接続し、残りのもう一方の端部が、ダブルジンバル装置505の駆動ジョイント513と接続するように構成される。通常、等速駆動システム501のトルク伝達経路は、実質的に等速駆動システム27のトルク伝達経路と同様のものであるが、トルクはさらに駆動アーム507を介して伝達されることにより、軸線方向にて距離をあけて配置された差動式トルク分配機構503とダブルジンバル装置505との間が接続される。
有意な利点を有する発明に関して説明及び図示されたことは明らかである。本発明について、限られた数の形態にて説明を行ったが、本発明はこれらの形態だけに限定されるものではなく、本発明の精神から逸脱することなく様々な変更及び変形を行うことが可能である。

Claims (20)

  1. 等速駆動機構を備える回転翼航空機用ロータであって、
    その長手方向の軸線周りを回転可能なロータマストと、
    前記マストの前記軸線に対して任意の方向に傾斜し得る幾何学的な回転軸線周りを、前記マストによって等速回転可能となるように、前記マストの前記軸線に集束し、且つ前記マストの前記軸線に対して垂直な任意のフラッピング軸線周りでピボット動作可能にするチルティング機構及び、等速駆動機構を介して前記マストと接続されるハブと、
    ブレードを保持し、且つピッチ変更可能にヒンジ支持するカプリングにより、前記ハブと接続される少なくとも2つのブレードとを含み、
    前記等速駆動機構は、前記マストの前記軸線に対して垂直な平面にて前記ハブを駆動するための少なくとも2つの駆動装置の間で静的トルクを分配し、且つ前記少なくとも2つの駆動装置を相対運動させるための差動機構を含み、
    前記差動機構は、実質的に互いに重ねられ、且つ実質的に前記マストの前記軸線と同軸に配置される一連の3つのディスクを含み、
    前記一連の3つのディスクのうちの第1のディスクは、前記マストと一体的に回転する駆動ディスクであり、前記マストの前記軸線に沿って、前記一連の3つのディスクのうちの第2及び第3のディスクの間に配置され、且つ前記マストの前記軸線と実質的に平行な長手方向の幾何学的な軸線を有する少なくとも1つの接続ピンによって、前記第2及び第3のディスクのそれぞれと接続され、前記第2及び第3のディスクが駆動されるようにし、
    前記少なくとも1つの接続ピンは、実質的に前記接続ピンの前記長手方向の幾何学的な軸線を中心とする3つのボールジョイント接続のそれぞれによって、前記一連の3つのディスクのそれぞれのディスクに対してヒンジ動作可能であり、
    前記第2及び第3のディスクはそれぞれ、前記ハブに対してヒンジ結合される前記少なくとも2つの駆動装置のうちの少なくとも1つの駆動装置によって前記ハブと接続され、前記ハブが、前記ハブの前記幾何学的な回転軸線周りを回転するようにし、
    前記少なくとも2つの駆動装置は、前記差動機構から前記マストの前記軸線に沿って実質的に距離をあけて配置されることを特徴とする回転翼航空機用ロータ。
  2. 飛行機のプロペラとして動作する第1の位置と、ヘリコプタのメインリフティングロータとして動作する第2の位置とへ可動する少なくとも1つのチルティングロータを含む転換式航空機であって、
    前記少なくとも1つのチルティングロータは、
    その長手方向の軸線周りを回転可能なロータマストと、
    前記マストの前記軸線に対して任意の方向に傾斜し得る幾何学的な回転軸線周りを、前記マストによって等速回転可能となるように、前記マストの前記軸線に集束し、且つ前記マストの前記軸線に対して垂直な任意のフラッピング軸線周りでピボット動作可能にするチルティング機構及び、等速駆動機構を介して前記マストと接続されるハブと、
    ブレードを保持し、且つピッチ変更可能にヒンジ支持するカプリングにより、前記ハブと接続される少なくとも2つのブレードとを含み、
    前記等速駆動機構は、前記マストの前記軸線に対して垂直な平面にて前記ハブを駆動するための少なくとも2つの駆動装置の間で静的トルクを分配し、且つ前記少なくとも2つの駆動装置を相対運動させるための差動機構を含み、
    前記差動機構は、実質的に互いに重ねられ、且つ実質的に前記マストの前記軸線と同軸に配置される一連の3つのディスクを含み、
    前記一連の3つのディスクのうちの第1のディスクは、前記マストと一体的に回転する駆動ディスクであり、前記マストの前記軸線に沿って、前記一連の3つのディスクのうちの第2及び第3のディスクの間に配置され、且つ前記マストの前記軸線と実質的に平行な長手方向の幾何学的な軸線を有する少なくとも1つの接続ピンによって、前記第2及び第3のディスクのそれぞれと接続され、前記第2及び第3のディスクが駆動されるようにし、
    前記少なくとも1つの接続ピンは、実質的に前記接続ピンの前記長手方向の幾何学的な軸線を中心とする3つのボールジョイント接続のそれぞれによって、前記一連の3つのディスクのそれぞれのディスクに対してヒンジ動作可能であり、
    前記第2及び第3のディスクはそれぞれ、前記ハブに対してヒンジ結合される前記少なくとも2つの駆動装置のうちの少なくとも1つの駆動装置によって前記ハブと接続され、前記ハブが、前記ハブの前記幾何学的な回転軸線周りを回転するようにし、
    前記少なくとも2つの駆動装置は、前記差動機構から前記マストの前記軸線に沿って実質的に距離をあけて配置されることを特徴とする転換式航空機。
  3. 回転翼航空機のロータ用の等速駆動システムであって、
    前記等速駆動システムは、
    マストの長手方向の回転軸線周りで前記マストと相互作用するように適合された差動式トルク分配機構と、
    ジンバル機構とを含み、
    前記差動式トルク分配機構は、
    前記マストの前記回転軸線と同軸に配置され、前記マストと一体的に回転するように適合された駆動ディスクと、
    内側被駆動部材と、
    外側被駆動部材と、
    3つのジョイント接続を有する、3つの要素からなる接続ピンとを含み、
    前記内側被駆動部材は、
    前記マストの前記軸線と同軸で、且つ前記駆動ディスクに隣接する内側ベース部と、
    前記マストの前記軸線と同軸で、且つ前記内側ベース部から延出する内側ライザ部と、
    前記内側ライザ部から概ね半径方向に延出し、且つ前記内側ベース部から前記マストの前記軸線に沿って実質的に距離をあけて配置される内側駆動アームとを含み、
    前記外側被駆動部材は、
    前記マストの前記軸線と同軸で、且つ前記駆動ディスクに隣接する外側ベース部と、
    前記マストの前記軸線と同軸で、且つ前記外側ベース部から前記内側駆動アームの方へ延出する外側ライザ部と、
    前記外側ライザ部から概ね半径方向に延出し、且つ前記外側ベース部から前記マストの前記軸線に沿って距離をあけて配置される外側駆動アームとを含み、
    前記3つの要素からなる接続ピンの前記3つのジョイント接続はそれぞれ、前記駆動ディスク、前記内側ベース部、又は前記外側ベース部とピボット動作可能に係合し、
    前記ジンバル機構は、前記内側駆動アーム及び前記外側駆動アームによって回転するように構成され、前記ジンバル機構とロータハブとの接続は、前記ロータハブが前記マストに対してジンバル動作可能となるように適合されることを特徴とする等速駆動システム。
  4. 少なくとも1つの前記3つの要素からなる接続ピンは、
    反対の位置に配置される2つの先端ボールジョイントと、
    中央円筒ジョイント軸線を有する1つの円筒形の中央ジョイントとをさらに含み、
    前記円筒形の中央ジョイントは、前記駆動ディスクとピボット動作可能に係合し、
    前記中央円筒ジョイント軸線は、実質的に前記マストの前記軸線に対して半径方向の軸線であり、
    前記少なくとも1つのピボット動作可能なピンは、前記中央円筒ジョイント軸線に沿って並進するように構成されることを特徴とする請求項3に記載の等速駆動システム。
  5. 少なくとも1つの前記3つの要素からなる接続ピンは、
    少なくとも1つの細長いジョイントをさらに含み、
    前記細長いジョイントの長手方向の軸線は、前記マストの前記軸線に対して概ね半径方向に配置されることを特徴とする請求項3に記載の等速駆動システム。
  6. 回転翼航空機のロータ用の等速駆動システムであって、
    前記等速駆動システムは、
    差動機構と、
    ロータハブを駆動するための、及び前記ロータハブがマストに対してジンバル動作可能となるようにするためのジンバル装置とを含み、
    前記差動機構は、
    前記マストと一体的に回転するように適合された駆動ディスクと、
    少なくとも部分的に前記駆動ディスクの上方に配置される上側部材と、
    少なくとも部分的に前記駆動ディスクの下方に配置される下側部材と、
    前記上側部材及び前記下側部材を前記駆動ディスクと接続するための少なくとも1つのリンクとを含み、
    前記少なくとも1つのリンクは、前記駆動ディスクが、前記上側部材及び前記下側部材を前記駆動ディスクとともに回転するようにし、また前記上側部材及び前記下側部材が、前記駆動ディスクの回転する方向に対して異なる方向へ回転されるようにし、
    前記ジンバル装置は、前記差動機構から前記マストの長手方向に沿って距離をあけて配置され、
    前記上側部材及び前記下側部材は、前記ジンバル装置を回転させるように適合されることを特徴とする等速駆動システム。
  7. 前記上側及び下側部材がそれぞれ、管状の部分を備え、
    前記各管状の部分は、同心であることを特徴とする請求項6に記載の等速駆動システム。
  8. 前記ジンバル装置は、第1の駆動経路及び第2の駆動経路を含み、
    前記上側部材が、前記第1の駆動経路に取り付けられ、前記下側部材が、前記第2の駆動経路に取り付けられることを特徴とする請求項6に記載の等速駆動システム。
  9. 前記少なくとも1つのリンクは、
    反対の位置に配置される2つの先端ジョイントと、
    1つの中央ジョイントとを含み、
    前記1つの中央ジョイントは、前記駆動ディスクとピボット動作可能に係合し、
    前記2つの先端ジョイントはそれぞれ、前記上側部材及び前記下側部材の1つとピボット動作可能に係合することを特徴とする請求項6に記載の等速駆動システム。
  10. 前記反対の位置に配置される2つの先端ジョイント及び前記1つの中央ジョイントはそれぞれ、ボールジョイントであることを特徴とする請求項9に記載の等速駆動システム。
  11. 前記反対の位置に配置される2つの先端ジョイントはそれぞれ、ボールジョイントであり、
    前記1つの中央ジョイントは、中央円筒ジョイント軸線を有する概ね円筒形のジョイントであり、
    前記中央円筒ジョイント軸線は、実質的に前記マストに対して半径方向の軸線であり、
    前記少なくとも1つのリンクは、前記中央円筒ジョイント軸線に沿って並進するように構成されることを特徴とする請求項9に記載の等速駆動システム。
  12. 前記リンクは、少なくとも1つの細長いジョイントを含み、
    前記細長いジョイントの長手方向の軸線は、前記マストに対して概ね半径方向に配置されることを特徴とする請求項6に記載の等速駆動システム。
  13. 等速駆動機構を備える回転翼航空機用ロータであって、
    その長手方向の軸線周りを回転可能なロータマストと、
    前記マストの前記軸線に対して任意の方向に傾斜し得る幾何学的な回転軸線周りを、前記マストによって等速回転可能となるように、前記マストの前記軸線に集束し、且つ前記マストの前記軸線に対して垂直な任意のフラッピング軸線周りでピボット動作可能にするチルティング機構及び、等速駆動機構を介して前記マストと接続されるハブと、
    ブレードを保持し、且つピッチ変更可能にヒンジ支持するカプリングにより、前記ハブと接続される少なくとも2つのブレードとを含み、
    前記等速駆動機構は、前記マストの前記軸線に対して垂直な平面にて前記ハブを駆動するための少なくとも2つの駆動装置の間で静的トルクを分配し、且つ前記少なくとも2つの駆動装置を相対運動させるための差動機構を含み、
    前記差動機構は、実質的に互いに重ねられ、且つ実質的に前記マストの前記軸線と同軸に配置される一連の3つのディスクを含み、
    前記一連の3つのディスクのうちの第1のディスクは、前記マストと一体的に回転する駆動ディスクであり、前記マストの前記軸線に沿って、前記一連の3つのディスクのうちの第2及び第3のディスクの間に配置され、且つ前記マストの前記軸線と実質的に平行な長手方向の幾何学的な軸線を有する少なくとも1つの接続ピンによって、前記第2及び第3のディスクのそれぞれと接続され、前記第2及び第3のディスクが駆動されるようにし、
    前記少なくとも1つの接続ピンは、実質的に前記接続ピンの前記長手方向の幾何学的な軸線を中心とする、反対の位置に配置される2つの先端ボールジョイント接続及び1つの円筒形の中央ジョイント接続のそれぞれによって、前記一連の3つのディスクのそれぞれのディスクに対してヒンジ動作可能であり、
    前記第2及び第3のディスクはそれぞれ、前記ハブに対してヒンジ結合される前記少なくとも2つの駆動装置のうちの少なくとも1つの駆動装置によって前記ハブと接続され、前記ハブが、前記ハブの前記幾何学的な回転軸線周りを回転するようにすることを特徴とする回転翼航空機用ロータ。
  14. 前記少なくとも2つの駆動装置は、前記差動機構から前記マストの前記軸線に沿って実質的に距離をあけて配置されることを特徴とする請求項13に記載の回転翼航空機用ロータ。
  15. 飛行機のプロペラとして動作する第1の位置と、ヘリコプタのメインリフティングロータとして動作する第2の位置とへ可動する少なくとも1つのチルティングロータを含む転換式航空機であって、
    前記少なくとも1つのチルティングロータは、
    その長手方向の軸線周りを回転可能なロータマストと、
    前記マストの前記軸線に対して任意の方向に傾斜し得る幾何学的な回転軸線周りを、前記マストによって等速回転可能となるように、前記マストの前記軸線に集束し、且つ前記マストの前記軸線に対して垂直な任意のフラッピング軸線周りでピボット動作可能にするチルティング機構及び、等速駆動機構を介して前記マストと接続されるハブと、
    ブレードを保持し、且つピッチ変更可能にヒンジ支持するカプリングにより、前記ハブと接続される少なくとも2つのブレードとを含み、
    前記等速駆動機構は、前記マストの前記軸線に対して垂直な平面にて前記ハブを駆動するための少なくとも2つの駆動装置の間で静的トルクを分配し、且つ前記少なくとも2つの駆動装置を相対運動させるための差動機構を含み、
    前記差動機構は、実質的に互いに重ねられ、且つ実質的に前記マストの前記軸線と同軸に配置される一連の3つのディスクを含み、
    前記一連の3つのディスクのうちの第1のディスクは、前記マストと一体的に回転する駆動ディスクであり、前記マストの前記軸線に沿って、前記一連の3つのディスクのうちの第2及び第3のディスクの間に配置され、且つ前記マストの前記軸線と実質的に平行な長手方向の幾何学的な軸線を有する少なくとも1つの接続ピンによって、前記第2及び第3のディスクのそれぞれと接続され、前記第2及び第3のディスクが駆動されるようにし、
    前記少なくとも1つの接続ピンは、実質的に前記接続ピンの前記長手方向の幾何学的な軸線を中心とする、反対の位置に配置される2つの先端ボールジョイント接続及び1つの円筒形の中央ジョイント接続のそれぞれによって、前記一連の3つのディスクのそれぞれのディスクに対してヒンジ動作可能であり、
    前記第2及び第3のディスクはそれぞれ、前記ハブに対してヒンジ結合される前記少なくとも2つの駆動装置のうちの少なくとも1つの駆動装置によって前記ハブと接続され、前記ハブが、前記ハブの前記幾何学的な回転軸線周りを回転するようにすることを特徴とする転換式航空機。
  16. 前記少なくとも2つの駆動装置は、前記差動機構から前記マストの前記軸線に沿って実質的に距離をあけて配置されることを特徴とする請求項15に記載の転換式航空機。
  17. 等速駆動機構を備える回転翼航空機用ロータであって、
    その長手方向の軸線周りを回転可能なロータマストと、
    前記マストの前記軸線に対して任意の方向に傾斜し得る幾何学的な回転軸線周りを、前記マストによって等速回転可能となるように、前記マストの前記軸線に集束し、且つ前記マストの前記軸線に対して垂直な任意のフラッピング軸線周りでピボット動作可能にするチルティング機構及び、等速駆動機構を介して前記マストと接続されるハブと、
    ブレードを保持し、且つピッチ変更可能にヒンジ支持するカプリングにより、前記ハブと接続される少なくとも2つのブレードとを含み、
    前記等速駆動機構は、前記マストの前記軸線に対して垂直な平面にて前記ハブを駆動するための少なくとも2つの駆動装置の間で静的トルクを分配し、且つ前記少なくとも2つの駆動装置を相対運動させるための差動機構を含み、
    前記差動機構は、実質的に互いに重ねられ、且つ実質的に前記マストの前記軸線と同軸に配置される一連の3つのディスクを含み、
    前記一連の3つのディスクのうちの第1のディスクは、前記マストと一体的に回転する駆動ディスクであり、前記マストの前記軸線に沿って、前記一連の3つのディスクのうちの第2及び第3のディスクの間に配置され、且つ少なくとも1つの接続ピンによって、前記第2及び第3のディスクのそれぞれと接続され、前記第2及び第3のディスクが駆動されるようにし、
    前記第2及び第3のディスクはそれぞれ、前記ハブに対してヒンジ結合される前記少なくとも2つの駆動装置のうちの少なくとも1つの駆動装置によって前記ハブと接続され、前記ハブが、前記ハブの前記幾何学的な回転軸線周りを回転するようにし、
    前記接続ピンは、本質的に、実質的に前記接続ピンの長手方向の幾何学的な軸線を中心とする3つのボールジョイント接続から構成されるものではないことを特徴とする回転翼航空機用ロータ。
  18. 前記少なくとも2つの駆動装置は、前記差動機構から前記マストの軸線に沿って実質的に距離をあけて配置されることを特徴とする請求項17に記載の回転翼航空機用ロータ。
  19. 飛行機のプロペラとして動作する第1の位置と、ヘリコプタのメインリフティングロータとして動作する第2の位置とへ可動する少なくとも1つのチルティングロータを含む転換式航空機であって、
    前記少なくとも1つのチルティングロータは、
    その長手方向の軸線周りを回転可能なロータマストと、
    前記マストの前記軸線に対して任意の方向に傾斜し得る幾何学的な回転軸線周りを、前記マストによって等速回転可能となるように、前記マストの前記軸線に集束し、且つ前記マストの前記軸線に対して垂直な任意のフラッピング軸線周りでピボット動作可能にするチルティング機構及び、等速駆動機構を介して前記マストと接続されるハブと、
    ブレードを保持し、且つピッチ変更可能にヒンジ支持するカプリングにより、前記ハブと接続される少なくとも2つのブレードとを含み、
    前記等速駆動機構は、前記マストの前記軸線に対して垂直な平面にて前記ハブを駆動するための少なくとも2つの駆動装置の間で静的トルクを分配し、且つ前記少なくとも2つの駆動装置を相対運動させるための差動機構を含み、
    前記差動機構は、実質的に互いに重ねられ、且つ実質的に前記マストの前記軸線と同軸に配置される一連の3つのディスクを含み、
    前記一連の3つのディスクのうちの第1のディスクは、前記マストと一体的に回転する駆動ディスクであり、前記マストの前記軸線に沿って、前記一連の3つのディスクのうちの第2及び第3のディスクの間に配置され、且つ少なくとも1つの接続ピンによって、前記第2及び第3のディスクのそれぞれと接続され、前記第2及び第3のディスクが駆動されるようにし、
    前記第2及び第3のディスクはそれぞれ、前記ハブに対してヒンジ結合される前記少なくとも2つの駆動装置のうちの少なくとも1つの駆動装置によって前記ハブと接続され、前記ハブが、前記ハブの前記幾何学的な回転軸線周りを回転するようにし、
    前記接続ピンは、本質的に、実質的に前記接続ピンの長手方向の幾何学的な軸線を中心とする3つのボールジョイント接続から構成されるものではないことを特徴とする転換式航空機。
  20. 前記少なくとも2つの駆動装置は、前記差動機構から前記マストの軸線に沿って実質的に距離をあけて配置されることを特徴とする請求項19に記載の転換式航空機。
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