JP2009537166A - ポリフェノール成分を豊富に含むココア抽出物を得るための方法 - Google Patents

ポリフェノール成分を豊富に含むココア抽出物を得るための方法 Download PDF

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Abstract

ポリフェノール(カテキン、エピカテキン、無発酵プロシアニジンB1およびB2)を豊富に含有するココア抽出物を得るための方法であって、主要な工程として、豆の剥皮またはすり潰し工程、冷却工程、パルプ除去工程、ゆがき工程、乾燥工程、脂質除去工程、安定化工程および粉砕工程を含み、乾燥工程と脂質除去工程との間に洗浄工程および/または殻剥き工程を挿入するようにしてもよい。次に、水アルコール抽出を行った後、固相と液相とに分離する。液体抽出物を濃縮、乾燥することにより、35〜55%の全ポリフェノール含有率の粉末の水アルコール抽出物が得られる(全ての割合は乾燥重量ベースである)。また、液液抽出を行った後に分離して得られる水画分を濃縮し、乾燥することにより、全ポリフェノール含有率が20〜45%である粉末の半精製抽出物が得られる。さらに、液液抽出を行った後に分離して得られる有機画分を濃縮し、乾燥することにより、全ポリフェノール含有率が60〜90%である粉末の精製抽出物が得られる。

Description

発明の詳細な説明
〔技術分野〕
本発明は、ココア抽出物に関し、より具体的には、無発酵カカオ豆由来のポリフェノール成分を豊富に含有するココア抽出物を得るための方法に関する。
〔技術状態〕
近年、抗酸化作用を有する化合物であるポリフェノール源として、緑茶、りんご、オリーブ、ワインおよびココアなどの食品に対する関心が増加している。
医薬品におけるココアおよびチョコレートの使用、および医療補助品としての可能性は、既によく知られている。「新世界」における先住民族が、既に毎日の生活においてそれらを利用していた痕跡が残されており、スペインの最初の征服者であるハーナン・コルテスは、「ココア」および「チョコレート」について言及している。しかし、スウェーデンの博物学者であるカール・フォン・リンネ(カロルス・リンネウスとしても知られている)が分類研究を公表し、それらを「神々の食物」を意味するTheobroma Cocoaという属および種とした。かつては、いくつもの病を治療するためにTheobroma Cocoaが用いられていたが、近年、ココアが意外にも「健康の増強」のための大きな可能性を有していることが知られるまでは、だんだんと失われてきていた(T.L. Dillinger et al., “Food of the Gods: Cure for the Humanity? A cultural history of the medicinal and ritual use of chocolate”, J.Nutr., 130, 2057S-2072S (2000))。
現在、ココアを食事に含ませることにより、ココアに含有されるポリフェノール(特には、フラボノイドおよびそれらの特定の部類であるフラボノール)により健康が促進される効果の可能性を支持する非常に多量の特許文献および非特許文献がある。ココアによる健康促進効果は、例えば、循環器における健康促進効果(L.I. Meneen et al., “Consumption of foods rich in flavonoids is related to a decreased cardiovascular risk in apparently healthy French women”, J.Nutr. 13, 923-926 (2004))、心臓に対する健康促進効果(M.G. Hertog et al., “Dietary antioxidant flavonoids and risk of coronary disease: the Zutphen Elderly Study”, Lancet 342, 1007-1011 (1993))、抗がん作用(M.G. Hertog et al., “Flavonoid intake and long-term risk of coronary heart disease and cancer in the seven countries study”, Arch. Inter. Med. 155, 381-386 (1995))、および神経変性による疾患および糖尿病に対する寄与である(A. Scalbert et al., “Dietary polyphenols and the prevention of diseases”, Crit. Rev. Food Sci. Nutr. 45, 287-306 (2005))。
カカオ豆の利用は、何世紀かの間に、一般的にチョコレート(砂糖およびミルクなどのような他の添加物を有するカカオ豆処理物)と称されるものに発展している。チョコレート成分の研究は、液体クロマトグラフィを用いて行われており、チョコレートに主として含まれる精製した単量体化合物は、フラボノール、カテキンおよびエピカテキンであることが明らかにされている(J.F. Hammerstone et al., “Identification of procyanidins in cocoa (Theobroma cocoa) and chocolate using high-performance liquid chromatography/mass spectrometry”, J. Agric. Food Chem., 47, 490-496 (1999))。
ココア抽出物を得るための方法としては、いくつかの方法が知られている。米国特許公報第5,554,645号(1996年9月10日公開)には、数種類の遺伝子型のカカオ豆からのココア抽出物の作製方法が開示されている。ここでは、カカオ豆を凍結乾燥し、一旦冷凍し、パルプおよび殻を取り除くことにより得られたケーキを、溶媒(例えばメタノール、アセトン水溶液、または酢酸エチル)を用いて脱脂し、抽出することにより、ココア抽出物を作製している。数種類の遺伝子型のカカオ豆におけるココア抽出物は、合成したフェノール類と同様に、抗酸化活性、抗腫瘍性、および抗ガン性が検査されている。また、腫瘍またはガンを治療するために好適なキットについてもクレームされている。
米国特許公報第6,015,913号(2000年1月18日公開)では、カカオ豆を焙煎することなく赤外線により100〜110℃で加熱し、殻を分離する。殻を取り除いた豆から、脱脂処理を経て、ココア固形物に含有されているプロシアニジンを得る。
米国特許公報第6,312,753号(2001年11月6日公開)では、275以下の発酵因子を有するカカオ豆を、赤外線により150℃で焙煎することにより殻を分離し、ココアリカーを得るために粉末にしている。棒状およびその他の形状の食品の製造における成分として用いられている部分的に脱脂した固体は、焙煎した豆から任意で得ることができる。
先の2つの特許公報と同一の出願人の米国特許公報第6,627,232号(2003年9月30日公開)では、焙煎したカカオ豆および焙煎していないカカオ豆の代わりに、発酵カカオ豆および無発酵カカオ豆からココア固体物を得るために用いられるいくつかの方法が開示されている。カフェインおよびテオブロミンを抽出するための種々の方法(好適な方法は向流式の方法である)および溶媒が検証されている。
このように、カカオ豆に含有されているポリフェノール成分の量は、カカオ豆の血統、カカオ豆の種類、生育した地域、カカオ豆の栽培に用いられた農耕の種類、植物体および豆をどのように選別して処理したのか(発酵、乾燥、焙煎、脱脂など)に多くの部分が依存している(J. Wollgast, E. Anklam, “Review on polyphenols in Theobroma cocoa: changes in composition during the manufacture of chocolate and methodology for identification and quantification”, Food Research International, 33, 423-447 (2000))。
国際公開公報2005/115160 A1(2005年12月8日公開)の特許文献では、本発明の出願人が、ココアポリフェノール濃縮物を得るための方法を開示している。上記の方法は、a)発酵させていないカカオ豆を、85〜100℃の温水で3〜15分間ゆがき、b)15%以下の含水率の豆を得るために、無発酵の豆を85℃以下の温度で乾燥し、c)先の工程において得られた豆を、少なくとも99%の粒子の粒径が300μmとなるまで粉砕し、d)粉砕した豆を抽出処理し、e)ポリフェノール含有ココア抽出物を濃縮する方法である。なお、任意で、ステップd)に先立って脱脂処理を実行してもよい。
さらに、スペイン国特許公報P200600462号では、同一の出願人が、低脂肪であり、ポリフェノール成分が豊富なココアパウダーを得るための処理を開示している。上記の処理は、1)剥皮処理、2)パルプ除去処理、3)ゆがく処理、4)乾燥処理、5)脱脂処理、6)安定化処理、7)粉砕処理、および8)微粉化処理からなる。これによって、乾燥重量で18重量%以上のポリフェノール含有量、1重量%以下の脂質含有量、7重量%の含水率、および99%が75μm以下の粒径のココアパウダーを得ることができる。
哺乳動物におけるポリフェノールの他の効果である血漿の抗酸化力は、血漿中に循環するフラボノイドの量に応じて変化する(J.P.E. Spencer et al., “Bioavailability of flavan-3-ols and procyanidins: gastrointestinal tract influences and their relevance to be active forms in vivo”, Antioxid. Redox. Signal, 3, 1023-1039 (2000))。言い換えれば、有機的組織体においてポリフェノールにより引き起こされる作用はいくつかの要因に依存しており、最も重要な要因は生体利用効率である。生体利用効率の特性は、化合物の構造に密接に関係している。カテキンおよびエピカテキン成分の重要性は、それらが単量体構造を有する化合物であること、巨大な分子サイズの化合物と比較してより容易に吸収されること、巨大分子の場合には吸収を促進するために加水分解を必要とするという事実に基づいている。このため、単量体は、有機的組織体における大きな生体利用効率を有している。
前述のように、健康促進に大きな効果のあるカカオ豆由来の物質を得るために、既に存在している既存の技術を改良したり、特別な方法を用いて抽出、生育、回収および貯蔵するだけでなく、カカオ豆中に存在するフラボノイドのようなポリフェノールを、損傷または除去することないように特に注意した処理を用いて得ることも必要である。
すなわち、本発明の目的は、ポリフェノール含有量が豊富なだけでなく、フラバン−3−オール単量体(カテキンおよびエピカテキン)、それらの2量体(プロシアニジンB1およびプロシアニジンB2)および残存する巨大分子サイズのプロシアニジン(3量体、4量体および重合体プロシアニジン)を豊富に含むココア製造物を得ることにある。
この目的を達成するために、始めに、最終的なポリフェノール含有量および全ポリフェノール含有量だけでなく、得られる生成物における単量体含有量および2量体含有量にも著しい影響を及ぼす出発作物を選別している。
また、カテキン、エピカテキン、プロシアニジンB1およびB2の濃度が高いココアを得るために、カカオ豆は発酵させることなく処理を行う。これは、様々な研究の結果、発酵させたカカオ豆よりも無発酵のカカオ豆の方が非常に高い濃度でポリフェノールを含むことが示されているからである。発酵の間に最大で70〜80%にまでポリフェノール量が低下する(例えば、米国特許公報2004/0096566 A1の〔0008〕参照)。さらに、近年、健康促進に大きな効果がある低脂肪食品として知られている、脂肪含有量の少ないココアを得ることができる。
〔図面の説明〕
図1は、ポリフェノールを豊富に含むココア抽出物を得るための処理のフローチャートを示す第1の図であり、ココアポッドの収集から粉砕したケーキ/ミールの安定化までを示した図である。
図2は、ポリフェノールを豊富に含むココア抽出物を得るための処理のフローチャートを示す第2の図であり、ケーキ/ミールの抽出から、水アルコール抽出物、半精製抽出物および精製抽出物を得るまでを示した図である。
〔発明の説明〕
無発酵カカオ豆からポリフェノールを豊富に含むココア抽出物を得るための方法であって、
a)果実の皮を剥ぎ(天然の外皮を除去し)、
b)パルプを除去し、
c)カカオ豆をゆがき、
d)カカオ豆を乾燥させ、
e)圧力により脱脂し、
f)脱脂して得られる生成物を安定化し、
g)粉砕し、
h)固液抽出し、
i)固液分離し、
j)液体抽出物を濃縮し、
k)(j)において得た濃縮物を乾燥することにより水アルコール抽出物を生成し、
l)(j)において濃縮した抽出物を液液抽出すると共に、水相と有機相とに分離し、
m)(l)において得た水相を濃縮し、
n)(m)において得た濃縮物を乾燥することにより、半精製抽出物を生成し、
o)(l)において得た有機相を濃縮し、
p)(o)において得た濃縮物を乾燥することにより、精製抽出物を生成する、
工程からなる。
ココア抽出物を生成するための処理における各工程について、以下に詳細に説明する。
a)果実の皮を剥ぐか、または天然の外皮を除去する工程
ココアポッドは、ポリフェノールを豊富に含むココア抽出物を得るための処理全体において用いられる原料が得られる果実である。
本工程は、ココアポッドを開ける処理と、外皮から新鮮な豆を取り出す処理とからなる。本工程は、カカオ豆が汚染されることを可能な限り防ぐために、衛生状態を維持しつつ、人の手により実行する。新鮮なカカオ豆は、本処理において得られる。
新鮮なカカオ豆は、それを覆うパルプの部分的な除去と同時に、新鮮なカカオ豆中に存在するポリフェノールの含有量を維持するために冷却する。冷却は、1℃以上25℃以下にした水に豆を浸漬することにより行う。このように、豆の内部温度を低下させることにより、保存している間にカカオ豆が発酵するリスクを減少させると共に、カカオ豆の酸素との接触を阻害し、酵素的な変色反応を遅くさせる。カカオ豆は、最大で24時間、この状態のまま置いておく。
b)パルプを除去する工程
本工程における目的は、完全にまたは部分的に新鮮なカカオ豆を覆うパルプを除去する処理を行うことである。これは、乾燥処理の効率を向上すると共に、一度乾燥させた豆同士が互いに固着することを防止するためである。パルプの除去は、例えば、この種の処理に適しているCI Talsa社製のD500型のステンレス鋼のパルプ除去機により行われる。このタイプの機器は、1時間あたり500〜700kgのパルプを除去する。そして、受取ホッパーから放出された豆は、重力により、3〜5mmの間のメッシュサイズのシリンダー状のふるいを通過する。このふるいは、ふるいの壁側に対して豆をよせるための、表面がゴム製の仕上げパドルの備えられた同軸シャフトを有している。パルプは、ふるいのメッシュを通過し、不要なものが取り除かれた豆は、シリンダーの開口部に取り残される。
c)カカオ豆をゆがく工程
本工程は、豆の内部温度が85℃以上100℃以下の状態で、3〜15分間、水中で豆をゆがく処理からなる(好ましくは、95℃で5分間である)。
本工程における主たる目的は、カカオ豆中に存在する初期ポリフェノール含有量を維持するために、カカオ豆中に存在する酵素であるポフェノールオキシダーゼ活性の完全な、または部分的な不活性化である。
ポリフェノールオキシダーゼは、内因性のココア酵素であり、その最も重要な構造的特性は、活性中心に2つの銅原子が存在することである。銅原子それぞれには、3つのヒスチジンが結合される。この酵素は、2つの酵素的活性を有している。1つは、モノフェノールをヒロドキシル化してジフェノールとすることであり(コレソラーゼ)、もう1つは、ジフェノールを酸化してキノンを生成することである(カテコラーゼ)。キノンは、トリフェノールに変換され、続いて、ヒ酸化されてドロキシキノンとなる。これらの化合物は、活性が非常に高いため、重合化反応を引き起こし、メラニンを生成しやすい。この一揃いの反応群は、フェノール性ココア化合物の劣化および減少を引き起こす。そのため、フェノール性ココア化合物の含有量を維持するために、ポリフェノールオキシダーゼの不活性化を行う。したがって、本工程における目的は、全ポリフェノール含有量の減少を最小限にすると同時に、単量体のカテキンおよびエピカテキン、ならびに2量体のプロシアニジンB1およびプロシアニジンB2の含有量の減少を最小限とすることである。
本工程において達成される他の目的は、豆に含まれる細菌を可能な限り減少させることである。
本工程では、例えば、連続式のゆがきシステムが用いられる。この場合、カカオ豆は、パルプ除去機からシリンダー状のふるいに直接受け渡され、ウォームスクリューにより、シリンダー内を縦方向に搬送される。この処理の間に、カカオ豆は、豆の内部温度が95℃の状態となるように温水中に浸漬される。浸漬される時間は5分である。水は、蒸気ジャケットを用いて加熱され、カカオ豆の浸漬時間は、ウォームスクリューの速度の変化により調整される。
バッチ式のゆがきシステムを用いることもできる。このシステムでは、水を加熱するための抵抗器を備えたステンレス鋼製のタンクに、カカオ豆を限界まで浸漬させることができる。カカオ豆を浸漬するために用いられる、ステンレス鋼製のふるいを備えたシリンダーは、温水の注入口を備えており、豆が外にこぼれることを防止することができる。一度、浸漬を完了した豆は、豆の入れられたシリンダーごと除去される。
d)豆の乾燥工程
本工程における目的は、細菌による発酵を最小限とするために、ゆがいた無発酵の豆における含水率を低減することである。乾燥後の豆の含水率は、1〜12%(w/w)の間にする必要がある。乾燥処理は、豆を日の当たる場所において室温で乾燥させるか、80℃以下の温度で、乾燥機で乾燥させるかして行う。
本処理において乾燥させたカカオ豆には、通常、全てのポリフェノール成分が5%(カテキン当量に換算)以上含まれており、改良フォーリンチオカルト法により測定した乾燥重量換算では、15%(カテキン当量に換算)に達する(Singleton, V.; Rossi,J. Colorimetry of total phenolics with phosphomolybdic-phosphotungstic acid reagents. Am. J. Enol. Vitic. 16, 144-158, (1965))。
豆は、例えば、空気循環システムを有するステップ乾燥機において乾燥させる。この乾燥機において、水分は、数ステップの加熱処理を通じて取り除かれる。加熱処理は、独立したチャンバーにおいて行われる。それぞれのステップにおける乾燥速度を変化させる加熱パラメータは、各チャンバーごとにおいて適用される。これによって、豆の乾燥を最適化すると共に、豆の穴が塞がることを防止することができる。冷却処理は、最後の加熱処理の後に行われ、豆の温度が30℃にまで冷却される。空気は、システムの入口で加熱され、空気の温度は、各チャンバーごとに設置されているセンサーにより、全ての処理を通して制御される。乾燥機の出口では、空気中に含まれる水分が液化処理により除去される。すなわち、空気は再循環させることができる。
乾燥処理は、乾燥プラットフォームにおけるバッチ式の乾燥機において行うこともできる。
e)圧力による脱脂工程
圧力工程における目的は、無発酵カカオ豆に存在する脂質を部分的に除去することである。この処理は、カカオ豆を押し出すことにより行われる。本工程における処理には、ねじプレス(連続圧搾機または押出機とも称される)を用いることができる。この機器は、カカオ豆を押しつぶし、圧力によりココアバターを搾り取る連続式の機械的な搾出器からなる。
このカカオ豆が放出されるホッパーを備えた機器は、続いて、35℃以上の温度で豆を加熱する容器に移動する。移動された材料は、シリンダーの内部において回転するらせん状のスクリューにより押しつぶされる。すなわち、脂質が押出され、抜き取られる。本工程において得られる生成物のうち、殻を取られたカカオ豆から得られるのものはケーキと称され、殻付きのカカオ豆から得られるものはミールと称されている。圧力をかけているときの生成物の温度は、80℃未満とする必要がある。
本工程における処理において、部分的に脱脂されており、酵素が不活性化された無発酵カカオケーキが得られる。このケーキにおける脂質含有量は、乾燥重量換算において、8〜30%の間である必要があり、例えば12%である。
f)脱脂した生成物の安定化工程
本工程における処理の目的は、先の工程において得られたケーキ(またはミール)の温度を、続く粉砕工程を円滑に実行するために、35℃以下にまで低減することである。安定化工程は、冷却機により行う。冷却機の内部には、生成物を回転させるためのパドルが備えられている。この機器は、冷水を通すジャケットを備えており、生成物の温度を円滑に下げるために、冷水を循環させる。
g)粉砕工程
本工程における処理の目的は、抽出する際における接触面を増加するために、ケーキまたはミールの粒径を小さくすることである。本ステップにおいて、ココア生成物は、ココアの粒のうちの少なくとも80%、好ましくは90%、より好ましくは99%から得られ、かつ、得られる粒径は0.5mm以下である。
粉砕工程は、ふるいを備えたハンマーミルにより行うか、または所望の粒径とすることができる他の粉砕システムにより行うことができる。
h)固液抽出工程
本工程における目的は、ココアケーキまたはココアミールに存在するポリフェノールの選択抽出を行う。抽出溶媒へのココアケーキまたはココアミールにおけるポリフェノールの移動は、例えば、固液比率、抽出される材料の粒径、抽出混合物、抽出温度および抽出時間などの因子の組み合わせに依存している。
固体/液体の比率は、1/3より大きくする必要がある(例えば、1/5)。本抽出では、粉末のケーキまたはミールを用いることが好ましい。これは、粒径を小さくすることにより接触面を増やし、ポリフェノールの抽出を容易とするためである。本処理におけるステップは、エタノールおよび水から形成される極性抽出混合物を用いて実行される。これらの溶媒の比率は、エタノール30%、水70%(v/v)からエタノール100%までの範囲とすることができる。より好ましくは、混合物は、エタノール70%、水30%(v/v)である。
抽出温度は、40℃〜80℃の範囲とすることができる(例えば、70℃)。抽出時間は、一般的には、30分以上であり、例えば1.5時間である。
本ステップでは、所望の抽出温度を維持するための温水または蒸気ジャケットを備えたステンレス鋼製の抽出機において行うことが好ましい。混合機は、通常、抽出処理を最適化するための(機械的または電気的)速度を変化させるデバイスを備えたモーターにより駆動されるステンレス鋼製のパドルを用いて攪拌する。
i)固液分離工程
本工程における目的は、半分枯渇した固体(固相)とポリフェノール成分が豊富に含まれる水アルコール抽出物(液相)とを分離することである。
半分枯渇した固体は、新たな抽出ステップに供されるか、または残渣として除去される。これは、固体に含有されている残りのポリフェノール含有量に応じて決められる。通常、同一の原材料からは2ステップの抽出処理が実行される。これは、一般的に、3ステップ目の抽出処理における収率が非常に低いからである。収率は、水アルコール抽出物から回収した固体の量と、ケーキまたはミールの初期量との間の比率に応じる。
1ステップ目の抽出処理において得られる水アルコール抽出物は、通常、5〜100g/Lの間の乾燥残渣を含む(例えば、25g/L)。乾燥残渣は、抽出物における固体含有量を意味している。この値は、分離工程の間に洗浄することにより減らすことができる。連続的な抽出処理の場合には、抽出処理は、上述した同一の状態において行われる。2ステップ目の抽出処理において得られる抽出物は、1ステップ目の処理において得られる抽出物と合わせられる。
分離処理は、いくつかの機器を用いて行うことができる。例えば、デカンタ、任意でろ過アースを備えた真空ろ過システム、またはプレートフィルターを介した真空ろ過システムを挙げることができる。
j)液体抽出物の濃縮工程
本工程における目的は、水アルコール抽出物におけるエタノールおよび状況に応じて水の一部を除去することである。本工程は、例えば、ステンレス鋼製の濃縮機において、1ステップ、2ステップおよび最大3ステップで行われる。濃縮温度は、機器の到達する減圧度合いに応じて、30℃〜70℃の間で変えることができ、抽出物から除去される溶媒は、回収され、次の抽出処理において再利用するために精留塔において分離することができる。本工程において、エタノールは、水アルコール抽出物から完全に除去することが好ましく、水は、一部を除去することが好ましい。すなわち、抽出物は水性媒体である。
水性媒体に濃縮することは、3つの最終生成物を得ることができることを示している。水アルコール抽出物を得るために直接乾燥することもできるし、精製抽出物または半精製抽出物を得ることを目的として酢酸エチルにより精製することもできる。
k)(j)において得られた濃縮物を乾燥することにより得られる水アルコール抽出物の取得工程
本工程の目的は、粉末の特性を有するまで、抽出物に含まれる含水率を低減することである。この工程は、例えば、スプレー乾燥機、または他の吸引システムを備えた乾燥機を用いて行うことができる。乾燥温度は、40℃以上100℃以下であることが好ましい。
他の機器(例えば、ミルなど)は、最終生成物における粒径を所望値とするために用いられる。
水アルコール抽出物における含水率は、10%(w/w)以下、好ましくは5%とする必要がある(例えば、3%)。
水アルコール抽出物は、500μm以下、好ましくは200μm以下の粒径とする必要がある(例えば、50μm以下)。
全ポリフェノール含有量は、乾燥物ベースで35%〜55%の間である。全ポリフェノール含有量は、フォーリンチオカルト法により測定される。
この抽出物は、フラバン−3オールおよびプロシアニジンを含有する点が他の抽出物と著しく異なっている。このように、水アルコール抽出物におけるカテキンの濃度は、10〜70mg/gの間であり、エピカテキンの濃度は80〜350mg/gの間であり、プロシアニジンB1の濃度は1〜10mg/gの間であり、さらにプロシアニジンB2の濃度は30〜125mg/gの間である。
抽出物それぞれにおけるフラボノール含有量の決定は、C18カラムを充填し、抽出溶媒として酸性にした水およびアセトニトリルを用い、波長200nmのUVダイオードアレイを用いたAligent 1100クロマトグラフを使用したカラムクロマトグラフィにより行った。標品としては、Sigma Aldrich社製のカテキンおよびエピカテキンを用い、Extrasynthese社製のプロシアニジンB1およびB2を用いた。
l)(j)において濃縮した抽出物の液液抽出し、水相および有機溶媒相に分離する工程
水アルコール濃縮物は、液液抽出により精製する。本工程の目的は、水アルコール濃縮物から、精製抽出物および半精製抽出物を得ることである。
酢酸エチルを用いた液液抽出は、精製のために行われる。精製により、水アルコール濃縮物におけるポリフェノールの一部が酢酸エチルに移動する。水アルコール含有物が水性媒体であれば、酢酸エチルを添加することにより、極性の違いにより生じる非混和性の2つの相である水相(半精製)および有機酢酸エチル相(精製)が形成される。
精製処理は、向流式システムにより、好ましくは20〜70℃の温度(例えば、50℃)で行われる。各相は、極性に応じて分離される。1度分離された相は、濃縮、乾燥され、そこから2つの異なる生成物が得られる。水画分から得られる半精製抽出物と、有機酢酸エチル画分から得られる精製抽出物である。
m)(l)において得られた水性抽出物を濃縮する工程
本工程の目的は、半精製抽出物から水を除去することである。濃縮は、ステンレス鋼製の濃縮機において、1ステップ、2ステップおよび最大3ステップまでで行われる。濃縮温度は、システムにより到達される減圧度合いに応じて、30℃〜70℃の間で変えることができる。抽出物は、15%〜40%(w/w)の間の固体濃度とすることが好ましい(例えば、20%(w/w))。
n)(m)において得られた濃縮物を乾燥することにより半精製抽出物を得る工程
乾燥工程の目的は、粉末特性を有するまで抽出物に含まれる含水率を低減することである。この工程は、例えば、スプレー乾燥機か、または他の真空システムを備えた乾燥機を用いて行うことができる。乾燥温度は、40℃以上80℃以下であることが好ましい。
他の機器(例えば、ミル)は、最終生成物の粒径を所望値にするために用いることができる。半精製抽出物は、粒径を500μm以下、好ましくは200μm以下にする必要がある(例えば、50μm)。半精製抽出物は、含水率を10%(w/w)、好ましくは5%以下にする必要がある(例えば、3%)。
全ポリフェノール含有量は、乾燥重量ベースで20%〜45%の間である(例えば、35%)。全ポリフェノール含有量は、フォーリンチオカルト法により測定される。
半精製抽出物におけるカテキンの濃度は、10〜50mg/gの間であり、エピカテキンの濃度は、50〜250mg/gの間であり、プロシアニジンB1の濃度は、1〜8mg/gの間であり、そしてプロシアニジンB2の濃度は、25〜90mg/gの間である。
ポリフェノール特性分析は、水アルコール抽出物において説明されているものと同一条件で行った。
o)(l)において得られた有機相を濃縮する工程
本工程における目的は、精製抽出物から有機溶媒(ここでは酢酸エチル)を除去することである。濃縮は、ステンレス鋼製の濃縮機において、1ステップ、2ステップおよび最大3ステップで行われる。濃縮温度は、システムにより到達される減圧度合いに応じて、30℃〜70℃の間で変えることができる。抽出物は、15%〜40%(w/w)の間の固体濃度とすることが好ましい(例えば、20%w/w)。
p)(o)において得られた濃縮物を乾燥することにより精製抽出物を得る工程
乾燥工程の目的は、粉末特性を有するまで抽出物に含まれる溶媒を除去することである。この工程は、例えば、スプレー乾燥機か、または他の真空システムを備えた乾燥機を用いて行うことができる。乾燥温度は、40℃以上80℃以下であることが好ましい。
他の機器(例えば、ミル)は、最終生成物の粒径を所望値にするために用いることができる。精製抽出物は、粒径を500μm以下、好ましくは200μm以下にする必要がある(例えば、50μm)。精製抽出物は、含水率を10%(w/w)、好ましくは5%以下にする必要がある(例えば、3%)。
全ポリフェノール含有量は、乾燥重量ベースで60%〜90%の間である(例えば、85%)。全ポリフェノール含有量は、フォーリンチオカルト法により測定される。
精製抽出物におけるカテキンの濃度は、40〜200mg/gの間であり、エピカテキンの濃度は、200〜500mg/gの間であり、プロシアニジンB1の濃度は、5〜20mg/gの間であり、そしてプロシアニジンB2の濃度は、80〜250mg/gの間である。
ポリフェノール特性分析は、水アルコール抽出物において説明されているものと同一条件で行った。
付加的な工程
(洗浄工程)
洗浄工程は、任意であり、その目的は、カカオ豆に付随する外的な物質の残留物を除去することである。この洗浄工程は、2〜10mmのメッシュサイズのふるいシステムからなり、任意で外的な物質を分離する空気吸引システムを備えたBulher装置により行うことができる。
(殻剥き工程)
殻剥き工程は、任意であり、その目的は、カカオ豆の周囲の殻を部分的に除去することである。この工程は、機械的に行われる。乾燥した無発酵カカオ豆は、全自動システムによりばらばらにし、剥ぎ取られた殻は、吸引処理により除去され、ココアニブが得られる(ニブなる語句は、殻の取り去られたカカオ豆を意味している)。例えば、ニブに残余する殻の重量が2%になるような、Martin Lloveras社、Bauermeister社、Lehmann社などにより製造された機器を用いることができる。
本工程において、殻の残余したココアニブは、7%以下、好ましくは2%以下とする必要がある。
〔実施例1〕
臨床試験:脂質含有量の異なるココアケーキを原料として用いることにより得られる水アルコール性ポリフェノール抽出物の比較。
本発明において説明した処理に従って得ることができるココア抽出物の違いを比較することにより、抽出物における原料依存性を検証することができる。そのために、脂質含有量が異なり、かつ、原料におけるポリフェノール含有量が異なるココアケーキを用いて、3つの平行した抽出ステップを有する2つの抽出処理を実行した。
いずれの抽出物に対しても、抽出物を変化させるために用いたココアケーキ以外は、処理条件を同様とした。
(抽出検査において用いた原材料の説明)
いずれの場合においても、ココアケーキは、エクアドル産のアマゾン品種のカカオ豆(クローンCCN51)であり、発酵させず、ゆがき、乾燥し、殻を取り除いている。2つの間の違いは、押圧工程における条件のみである。
1.抽出処理1では、30%の脂質含有率であり、乾燥重量ベースで10%のポリフェノール含有率であり、5.82%の含水率を有するココアケーキを用いた。
2.抽出処理2では、12%の脂質含有率であり、乾燥重量ベースで18%のポリフェノール含有率であり、6.77%の含水率を有するココアケーキを用いた。
(処理の条件の説明)
処理条件について以下に説明する。これらの条件は、2つの試験において同一である。
・固液抽出
100gのココアケーキを、冷却システムを有する2リットルのガラス製反応フラスコを用いて、エタノール:水の混合比率が70:30の混合溶液で固液抽出した。固液抽出のために、羽根状のパドルを備えたモーター(Heidolph社製)を用いて、機械的に攪拌した。抽出条件は、1/5の固液比率で1時間半、70℃とした。
・固液分離
固液分離のために、no.411 ALBET 15〜25μmのフィルタによるラボスケールでのろ過プロセスを用いた減圧ろ過処理により、半枯渇化した固体から抽出物を分離した。
半枯渇化した固体は、蒸留水により数回洗浄し、続いて、質量収率および各段階において得られるポリフェノールの回収を検討するために、2段階目および3段階目の固液抽出ステップに供した。
・抽出物の濃縮
得られた抽出物は、抽出物の濃縮のために、ラボスケールのロータリエバポレータシステム(Heidolph V V200)を用いて、150mbrの減圧下、55℃で濃縮した。
・抽出物の乾燥
濃縮した抽出物は、減圧システムを備えたラボスケールの乾燥機(Gallenkam Model 5 A−5799 OVL−570010J)を用いて、70℃で乾燥した。
得られた抽出物における全ポリフェノール含有量は、カテキン当量としてポリフェノール量を示す、改良したフォーリンチオカルト法により定量した(Singleton, V.; Rossi,J. Colorimetry of total phenolics with phosphomolybdic-phosphotungstic acid reagents. Am. J. Enol. Vitic. 16, 144-158, 1965)。
テーブル1には、脂質30%のココアケーキおよび脂質12%のココアケーキを用いた抽出処理において得られた、水アルコール抽出物における全ポリフェノール含有量、質量回収収率およびポリフェノールの回収収率を示している。第2段階および第3段階の収率は、初期原料含有量に対する値である。
Figure 2009537166
〔実施例2〕
臨床試験:抽出混合物におけるエタノール濃度を変化させることにより得られるポリフェノールの水アルコール抽出物の比較。
この試験では、抽出混合物におけるエタノール濃度を変えることにより得られるココア抽出物を比較する。3つの異なるエタノール濃度でラボスケールでの3つの抽出プロセスを行った。用いた濃度は、50%、70%および90%(v/v)である。
3つの試験においてエタノール濃度を変えた以外の処理条件は同一とした。原料としては、エクアドル産のアマゾン品種のカカオ豆(クローンCCN51)であり、発酵させず、ゆがき、乾燥し、殻を取り除いたココアケーキを使用した。ケーキは、乾燥重量ベースで12%の脂質を含有しており、18%のポリフェノールを含有している。ケーキにおける含水率は、6.77%である。
(水アルコール抽出物をえるための処理条件の説明)
・固液抽出
100gのココアケーキを、単一回固液抽出した。抽出は、冷却システムを有する2リットルのガラス製反応フラスコを用いて行った。攪拌は、羽状のパドルを備えたモーター(Heidolph社製)を用いて、機械的に攪拌した。抽出条件は、1/5の固液比率で1時間半、70℃とした。
それぞれの処理において用いた抽出混合物は、
処理1:エタノール:水(50:50)
処理2:エタノール:水(70:30)
処理3:エタノール:水(90:10)
である。
・固液分離
半枯渇化した固体からの抽出物の分離は、no.411 ALBET 15〜25μmのフィルタによるラボスケールでのろ過プロセスを用いた減圧ろ過処理により行った。
ろ過後に得られた固体残渣は除去した。
・抽出物の濃縮
得られた抽出物は、ラボスケールのロータリーエバポレータシステム(Heidolph V V200)を用いて、150mbrの減圧下、55℃で濃縮した。
・抽出物の乾燥
濃縮した抽出物は、減圧システムを備えたラボスケールの乾燥機(Gallenkam Model 5 A−5799 OVL−570010J)を用いて、70℃で乾燥した。
得られた抽出物における全ポリフェノール含有量は、カテキン当量としてポリフェノール量を示す、改良したフォーリンチオカルト法により定量した(Singleton, V.; Rossi,J. Colorimetry of total phenolics with phosphomolybdic-phosphotungstic acid reagents. Am. J. Enol. Vitic. 16, 144-158, 1965)。
テーブル2は、異なるエタノール濃度で得られた、ポリフェノール含有量、質量収率およびポリフェノールの回収収率を示している。
Figure 2009537166
結果には、エタノール濃度を増加されることにより、抽出物中に含まれる全ポリフェノール濃度が増加することが示されている。抽出物におけるポリフェノール濃度が増加するに応じて、ポリフェノール質量収率および回収率は原料している。
グラフ1は、抽出混合物におけるエタノール濃度に応じたポリフェノール濃度の増加を示している。
Figure 2009537166
グラフ2は、エタノール濃度の増加による抽出物の質量収率の減少を示している。
Figure 2009537166
グラフ3は、エタノール濃度が増加したときのポリフェノール回収率の減少を示している。
Figure 2009537166
〔実施例3〕
検証試験:精製抽出物の取得。
本試験では、エクアドル産のアマゾン品種のカカオ豆(クローンCCN51)を発酵させず、ゆがき、乾燥し、殻を取り除いたココアケーキを使用した。ケーキにおける脂質含有率およびポリフェノール含有率は、乾燥重量ベースでそれぞれ12%、18%であった。ケーキにおける含水率は、6.77%であった。
(精製抽出物をえるための処理条件の説明)
・固液抽出
100gのココアケーキを、単一回の処理で固液抽出した。抽出は、冷却システムを有する2リットルのガラス製反応フラスコを用いて行った。攪拌は、羽状のパドルを備えたモーター(Heidolph社製)を用いて、機械的に攪拌した。抽出条件は、1/5の固液比率で1時間半、70℃とした。
・固液分離
半枯渇化した固体からの抽出物の分離は、no.411 ALBET 15〜25μmのフィルタによるラボスケールでのろ過プロセスを用いた減圧ろ過処理により行った。
ろ過後に得られた固体残渣は除去した。
・水アルコール抽出物の濃縮
得られた抽出物は、ラボスケールのロータリーエバポレータシステムを用いて、エタノールが完全に除去されるまで、150mbrの減圧下、55℃で濃縮した。
・液液抽出
本工程において、濃縮した抽出物に、酢酸エチルを用いた液液抽出により精製処理を施した。濃縮した抽出物を水により2倍に希釈し、続いて、それに比例した量の酢酸エチルを加えた。混合物は、2リットルのガラス製の反応フラスコにおいて50℃で30分間、勢いよく攪拌した。攪拌は、Heidolph社製の攪拌モーターを用いて、機械的に行った。混合物は、注入ろうとにより分離し、酢酸エチル層に相当する画分を回収した。
・精製抽出物の濃縮
得られた抽出物は、ラボスケールのロータリーエバポレータシステム(Heidolph V V200)を用いて、エタノールが完全に除去されるまで、150mbrの減圧下、55℃で濃縮した。
・乾燥した抽出物の乾燥
濃縮した抽出物は、5.4%の含水率になるまで、外部空調システムを備えた空気循環式乾燥機において乾燥させた。
この工程の後、全ポリフェノール含有率の87%を有する精製抽出物を2.43g得た。
得られた抽出物における全ポリフェノール含有率は、カテキン当量としてポリフェノール量を示す、改良したフォーリンチオカルト法により定量した(Singleton, V.; Rossi,J. Colorimetry of total phenolics with phosphomolybdic-phosphotungstic acid reagents. Am. J. Enol. Vitic. 16, 144-158, 1965)。
テーブル3は、全ポリフェノール含有率、質量回収率および本試験において得られたポリフェノールの回収率を示している。
Figure 2009537166
〔実施例4〕
工業用試験:工業レベルでのポリフェノールを豊富に含むココア抽出物の取得。
本試験は、エクアドルのケベド地方産であり、カカオの遺伝子型がアマゾン品種のクローンCCN51を用いて行った。
本工程は、10,000kgの粘性を有するパルプ中の新鮮なカカオ豆を用いて行った。そして、豆には、ウェットベースで約65%の水分が含有されており、その水分は、17%の脂質、4%の殻、3.5%のポリフェノールを備えたパルプに相当する。これらの豆に対して、この種の処理を行うステンレス鋼製のパルプ除去機(D500型 CI Talsa)を用いてパルプ除去処理を施す。豆はホッパーに積載し、そして、重力によりシリンダー状のふるいを通過させた。このふるいは、3〜5mmの間のメッシュサイズであり、内部には、豆をふるいの壁側に押し付けるためのパドルが備えられている。これによって、豆に付着していたパルプの90%を分離することができ、3%の残存パルプ、47%の水分、23.5%の脂質、5.5%の殻および4.8%のポリフェノールを含むパルプ除去豆(7,210kg)が得られる。
パルプの大半が豆から除去された後でゆがき処理が施される。これを受けて、豆をパルプ除去機から、ウォームスクリューによりシリンダーを縦方向に搬送するシリンダー状のメッシュへと直接移動させる。この処理の間に、豆は、その内部温度が95℃となるまで、5分間温水中に浸漬される。水は、蒸気ジャケットにより加熱され、豆の浸漬時間は、ウォームスクリューの速度の変化により制御される。
ゆがき処理により得られた豆は、含水率が50%近くとなるため、含水率が約6%に減少するまで、70℃で乾燥させる。乾燥には、この処理のために設計された空気循環システムを備えたステップ乾燥機を用いた。この乾燥機では、カカオ豆は、各ステップにおいて、乾燥速度を変化させるために、異なる乾燥条件で乾燥される。この処理により、含水率が6%であり、脂質が44%であり、殻が10.5%でありポリフェノールが9.1%含まれる、3,805kgの乾燥した豆が得られた。
乾燥した豆には、例えば、ロープ、石などのような外的粒子を除去する洗浄処理を施される。この洗浄は、Buhler社製の洗浄機により行った。豆が洗浄されると、断片化および脱穀処理が行われる。豆は断片化され、得られた微細な粒子は大きさにより分類される。殻は、吸引により除去され、豆に付着している殻の少なくとも90%を除去する、この処理は、DK100 Martin Lloveras型の脱殻機により行い、殻が2%であり、含水率が6.5%であり、脂質が48%であり、ポリフェノールが10%である3,475kgの脱殻したココアニブを得た。
この処理により得られた豆に、連続圧搾機における押圧による脱脂処理を施す。この処理は、ココアニブを押し出すことにより行い、脂質画分の一部を除去する。この処理を実行するためには、連続式のKP Harburgur Einsem Bronzewerkeプレスを用いた。この処理により、脂質含有率が9%であり、ウェットベースでポリフェノールが18%であり、ケーキの含水率が10%である1910kgのココアケーキが得られた。
この処理において得られたケーキの温度は、35℃以上であるため、それを粉砕すために、冷却し安定化させなければならない。これは、回転羽根式の冷却機により行われる。冷却機によりケーキの温度は、約15℃となる。
ケーキが安定化されると、ふるい搭載型の衝撃式製粉機(MS−33−M1)(Gruber Hons. S.A.社製)により粉砕処理が行われ、含水率が10%であり、ケーキにおける粒子の99%が粒径500μm以下である、1,890kgの粉末ケーキが得られた。
ポリフェノールを豊富に含む抽出物を得るために、乾燥重力で1,850kgの乾燥ケーキを固液抽出処理する、抽出は、エタノール:水(70:30)の混合溶液を用いて、70℃で1時間半一定の速度で攪拌することにより行う。この処理の後、抽出物は、減圧ろ過処理により、枯渇した固体から分離する。得られた抽出物は、全てのエタノールが除去されるまで、150mbrに減圧した濃縮機において55℃で濃縮する。これにより、質量収率が23%であり、ポリフェノールの回収率が64%である水アルコール濃縮物を得た。この濃縮物の半分は、含水率が約10%に減少するまで、スプレー乾燥システムにおいて乾燥させる。この工程により、乾燥ベースでのポリフェノール含有率が50%であり、ケーキに対する質量収率が11%であり、ポリフェノールの回収率が32%である、190kgの水アルコール抽出物を得た。
残された濃縮抽出物は、抽出機において、50℃で液液抽出する。この処理により、水相および酢酸エチル相の2の相が得られる。水相は、濃縮機において55℃で濃縮され、スプレー乾燥システムを備えた乾燥機において70℃で乾燥される。これにより、乾燥ベースでのポリフェノール含有率が40%である、142kgの半精製抽出物を得た。この工程では、初めのケーキに対する質量収率が9%であり、ポリフェノールの回収率が20%であった。
酢酸エチル相は、40℃で濃縮され、スプレー乾燥システムにより乾燥される。これにより、乾燥ベースでのポリフェノール含有率が85%である精製抽出物を得た。この工程では、初めのケーキに対する質量収率が2.5%であり、ポリフェノールの回収率が11.9%であった。
ポリフェノールを豊富に含むココア抽出物を得るための処理のフローチャートを示す第1の図であり、ココアポッドの収集から粉砕したケーキ/ミールの安定化までを示した図である。 ポリフェノールを豊富に含むココア抽出物を得るための処理のフローチャートを示す第2の図であり、ケーキ/ミールの抽出から、水アルコール抽出物、半精製抽出物および精製抽出物を得るまでを示した図である。

Claims (23)

  1. ポリフェノールを豊富に含有するココアパウダー抽出物であって、
    a)果実から皮を剥ぐか、または、天然の外皮を除去する工程と、
    b)豆からパルプを除去する工程と、
    c)上記豆をゆがく工程と
    d)上記豆を乾燥する工程と、
    e)圧力をかけることにより脱脂する工程と、
    f)脱脂することにより得られる生成物を安定化する工程と、
    g)粉砕する工程と、
    h)固液抽出する工程と、
    i)固液分離する工程と、
    j)液体抽出物を濃縮する工程と、
    k)(j)において得られた濃縮物を乾燥することにより、水アルコール抽出物を得る工程と、
    l)(j)において濃縮された抽出物を液液抽出することにより、水相と有機相とに分離する工程と、
    m)(l)において得られた水相を濃縮する工程と、
    n)(m)において得られた濃縮物を乾燥することにより、半精製抽出物を得る工程と、
    o)(l)において得られた有機相を濃縮する工程と、
    p)(o)において得られた濃縮物を乾燥することにより、精製抽出物を得る工程と、
    を含むことにより得られることを特徴とするポリフェノールを豊富に含有するココアパウダー抽出物。
  2. 豆の発酵を遅らせるために、上記(a)の果実から皮を剥ぐ工程後の豆を、1℃以上25℃以下の温度で冷却する工程をさらに含むことにより得られることを特徴とする請求項1に記載のポリフェノールを豊富に含有するココアパウダー抽出物。
  3. 上記(c)の豆をゆがく工程において、豆の内部温度が85℃から100℃の間で、3分から15分間、当該豆をゆがくことにより得られることを特徴とする請求項1または2に記載のポリフェノールを豊富に含有するココアパウダー抽出物。
  4. 上記(c)の豆をゆがく工程において、豆の内部温度が95℃の状態で5分間行われることにより得られることを特徴とする請求項3に記載のポリフェノールを豊富に含有するココアパウダー抽出物。
  5. 上記(d)の乾燥する工程における豆の温度が80℃未満であることにより得られることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のポリフェノールを豊富に含有するココアパウダー抽出物。
  6. 上記(d)の乾燥する工程の後の豆の最終的な含水率が、乾燥ベースにおいて1〜12%の間であることを特徴とする請求項5に記載のポリフェノールを豊富に含有するココアパウダー抽出物。
  7. 上記(d)の工程の後に、乾燥した豆を洗浄する工程をさらに含むことにより得られることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のポリフェノールを豊富に含有するココアパウダー抽出物。
  8. 上記(d)の乾燥する工程か、または上記洗浄する工程の後に、豆を脱穀する工程をさらに含むことにより得られることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のポリフェノールを豊富に含有するココアパウダー抽出物。
  9. 上記(e)の圧力をかけることにより脱脂する工程における温度が80℃未満であり、それにより得られるココアケーキまたはココアミールにおける脂質含有率が乾燥ベースで8〜30%の間であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のポリフェノールを豊富に含有するココアパウダー抽出物。
  10. 上記(g)の粉砕する工程において粒径を0.5mm未満とすることにより得られることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のポリフェノールを豊富に含有するココアパウダー抽出物。
  11. 上記(h)の固液抽出工程において、固液比率が1/3より大きく、抽出溶媒が水とエタノールとの混合物であり、抽出温度が40℃から80℃であり、かつ、抽出時間が30分以上であることにより得られることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のポリフェノールを豊富に含有するココアパウダー抽出物。
  12. 上記固液抽出工程における上記抽出溶媒が、70%がエタノールであり、30%が水である混合溶液であることにより得られることを特徴とする請求項11に記載のポリフェノールを豊富に含有するココアパウダー抽出物。
  13. 上記(j)の液体抽出物を濃縮する工程における温度が70℃未満であることにより得られることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載のポリフェノールを豊富に含有するココアパウダー抽出物。
  14. 上記(k)の濃縮物を乾燥する工程により得られる粉末(水アルコール抽出物)が、10%(w/w)未満、好ましくは5%(w/w)未満、例えば3%(w/w)の含水率であり、500μm未満、好ましくは200μm未満、例えば50μmの粒径であり、上記水アルコール抽出物における全ポリフェノール含有率が、乾燥ベースで35%から55%の間であることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載のポリフェノールを豊富に含有するココアパウダー抽出物。
  15. 上記水アルコール抽出物が、10〜70mg/gのカテキンと、80〜350mg/gのエピカテキンと、1〜10mg/gのプロシアニジンB1と、30〜125mg/gのプロシアニジンB2とを含むことを特徴とする請求項14に記載のポリフェノールを豊富に含有するココアパウダー抽出物。
  16. 上記液液抽出における有機溶媒が酢酸エチルであることにより得られることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載のポリフェノールを豊富に含有するココアパウダー抽出物。
  17. 上記(l)の有機相および水相を濃縮する工程における温度が70℃未満であることにより得られることを特徴とする請求項1〜13および16のいずれか1項に記載のポリフェノールを豊富に含有するココアパウダー抽出物。
  18. 上記(n)の水相を濃縮し、乾燥する工程により得られる粉末(半精製抽出物)が、10%(w/w)未満、好ましくは5%未満(w/w)、例えば3%(w/w)の含水率であり、500μm未満、好ましくは200μm未満、例えば50μmの粒径であることを特徴とする請求項1から13、16および17のいずれか1項に記載のポリフェノールを豊富に含有するココアパウダー抽出物。
  19. 上記半精製抽出物における全ポリフェノール含有率が、乾燥ベースで20%から45%の間であることを特徴とする請求項18に記載のポリフェノールを豊富に含有するココアパウダー抽出物。
  20. 上記半精製抽出物が、10〜50mg/gのカテキンと、50〜250mg/gのエピカテキンと、1〜8mg/gのプロシアニジンB1と、25〜90mg/gのプロシアニジンB2とを含むことを特徴とする請求項18に記載のポリフェノールを豊富に含有するココアパウダー抽出物。
  21. 上記(o)の有機相を濃縮し、乾燥する工程により得られる粉末(精製抽出物)が、10%(w/w)未満、好ましくは5%未満(w/w)、例えば3%(w/w)の含水率であり、500μm未満、好ましくは200μm未満、例えば50μmの粒径であることを特徴とする請求項1から13、16および17のいずれか1項に記載のポリフェノールを豊富に含有するココアパウダー抽出物。
  22. 上記精製抽出物における全ポリフェノール含有率が、乾燥ベースで60%から90%の間であることを特徴とする請求項21に記載ののポリフェノールを豊富に含有するココアパウダー抽出物。
  23. 上記精製抽出物が、40〜100mg/gのカテキンと、200〜500mg/gのエピカテキンと、5〜20mg/gのプロシアニジンB1と、80〜250mg/gのプロシアニジンB2とを含むことを特徴とする請求項21に記載のポリフェノールを豊富に含有するココアパウダー抽出物。
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