本発明に基づくと、情報管理のシステムと方法が開示され、ユーザーにより文書内容に行われる変更履歴を追跡するための機構を提供し、文書が導出された以前からある文書のアイデンティティに関連する情報を捕捉することと、その文書と関連するその情報の変更と記憶を行うユーザーの意向を含む。今回、開示したシステムと方法は文書の系図表示を維持する。それは、通常の文書利用のモデルに基づく複数の既存文書の間の関係の特性付けに使用できる。
操作の一方式で、今回開示されたシステムにより、ユーザーは既存文書を開き、既存文書の内容に1以上の変更又は修正を行い、変更を行うユーザーの意向を記したメタ・データを作成し(ユーザーが作成したメタ・データ)、変更された内容と新文書に関連したユーザーが作成したメタ・データを記憶し、その一方で、以前の文書の関連した最初のバージョンを保持する。例えば、以前からある文書はワークシート、スプレッド・シート、テーブル、データ・ファイル、メディア・ファイル、プログラム・ファイル、又は、他の適当なタイプの文書としうる。さらに、以前の文書が、その最初のファイル内のシステムの中に保持される。その一方で、新文書内に含まれる情報が新ファイル内のシステムの中に保持される。代わりに、以前の文書と新文書を含むファイルが、そのシステムによりアクセスできる共通データベース内に記憶される。開示されたシステムは以前の文書のアイデンティティを示すメタ・データを自動作成するために(システムが作成したメタ・データ)、そして、新しい文書を記憶する時点で、新たに作成された文書に関連して、システムが作成したメタ・データを記憶するために構成されている。もし、以前の文書が既にその中に埋込まれたアイデンティティを示すメタ・データを有している場合、新しい文書と関連するその後の記憶のために、それ以前の文書からのメタ・データにシステムがアクセスできる。
今回、開示されたシステムと方法により、ユーザーは、その文書と導出された1以上の以前からある文書の間に存在する関係を決定する文書と関連するシステムが作成した及びユーザーが作成したメタ・データにアクセスできる。多数の既存文書の間のそのような関係は一般文書利用モデルに基づいて特徴づけてよい。例えば、新しい文書は以前の文書の改訂、目的変更、フォーマット変更になることがある。代わりに、新文書は以前の文書と同じ内容を有するか、異なるメタ・データを含む。一実施例では、システムが作成したメタ・データが以前の文書のアイデンティティを示し、グローバル・ユニーク・アイデンティファイア(GUID)を含み、以前の文書の内容から作成される。システムが作成したメタ・データ、例えば、以前の文書のGUIDと、ユーザーが作成したメタ・データ、即ち、変更するというユーザーの意向の表示の両方を、その以前の文書から導出されたそれぞれの新しい文書と共に維持される。例えば、システムが作成した、及び、ユーザーが作成したメタ・データを、新文書内に埋込まれたそれぞれのメタ・データ・フィールドに記憶される。さらに、文書の各バージョン及びその文書の古いバージョンの改訂ごとに文書記憶部に記憶される。従って、ユーザーが文書を開き、その文書の内容に1以上の変更を行うたびに、例えばファイル内に変更した内容を記憶し、新しい文書を作成する。その一方で、以前の文書を例えば最初のファイルに保持される。
一実施例で、今回開示されたシステムには、文書記憶システム、少なくとも一個のプロセッサー、マウスとキーボードのような1個以上の入力装置、ビデオ・モニター又はディスプレーのような少なくとも1個以上の出力装置を含む。文書記憶システムには少なくとも1個のメモリー、ハードディスク・ドライブ、フロッピーディスク・ドライブ、書込み可能なオプティカル・ドライブ、又は、文書の維持と記憶、文書と関連していたユーザーが作成した、及び、システムが作成したメタ・データを維持、記憶するのに適当な他の記憶機構を含めて良い。ユーザーが作成した、及び、システムが作成したメタ・データは、特定のデータ構造を用いてその関連文書と共に記憶され、維持される。プロセッサーは、システムが作成するメタ・データを自動的に作成するために、又、以前の既存データから導出された新文書内に、ユーザーが作成した、及び、システムが作成したメタ・データを埋込むために、少なくとも1個のメモリーから少なくとも1件のソフトウエア・プログラムを実行するように機能する。ユーザーが、.ビデオ・ディスプレー上の各メタ・データに含まれる情報表示を見ることにより、ユーザーが作成したメタ・データ、及び、システムが作成したメタ・データの両方に、アクセスできる。さらに、文書に関連したユーザーが作成した、及び、システムが作成したメタ・データを用いて、開示されたシステムがビデオ・ディスプレー上に表示するために文書系図を示すツリー構造(「文書系図ツリー」)の表示を作成できる。
既存文書のアイデンティティ及びその既存文書の内容に1以上の変更を行うユーザーの意向の両方を、以前からある文書から導出されたそれぞれの新文書を用いたメタ・データとして記憶されるので、ユーザーは、それぞれの新文書及びその新文書が導出された1以上の以前の文書の間の関係を決定するためにこのメタ・データにアクセスできる。例えば、文書に埋込まれたメタ・データにアクセスすることにより、ユーザーは、その文書のより新しい及び多分より有用なバージョンの文書であるかどうか決定でき、それをユーザーが今回作成のプロセス内にある新文書で使用できる。さらに、ユーザーは、特定の文書の内容に行おうとする変更により、影響を受ける1以上の既存文書のアイデンティティを決定できる。
本発明の他の特徴、機能、側面は以下に示す本発明の詳細説明から明らかになろう。
本発明は、その図面と関連させた本発明の以下の詳細説明を参照することにより十分に理解できよう。
本出願には、「文書の系図を維持するシステムと方法」と題する特許文献1の開示全体が本明細書に参考用として組込まれている。
ユーザーにより文書内容に行われる変更履歴を追跡するための機構を示すシステムと方法が開示されていて、その文書が導出された以前からある文書のアイデンティティ、変更するためのユーザーの意向、その文書と関連した情報を記憶すること、に関連した情報を捕捉することを含む。今回開示されたシステムと方法は、文書系図の表示を維持していて、一般文書利用モデルに基づく多数の文書間の特性付け、及び、関連付けに使用できる。
図1は、本発明に基づき、ユーザーにより文書内容に行われた変更履歴を追跡するための情報管理システム100の実施例を示す。システム100には、複数のクライアント・コンピュータ102.1−102.n、少なくとも1件のパブリック又はプライベートの通信ネットワーク104及び複数のクライアント・コンピュータの要素が以下のように含まれる:ユーザー・インターフェース106、文書のアクセス、作成及び改訂の要素108、メタ・データの抽出部110、文書アイデンティファイアのメタ・データ作成部112、ユーザーの意向によるメタ・データ作成部114、メタ・データのフォーマット設定部116、文書記憶要部122。この実施例では、システム100は、複数のクライアント・コンピュータ102.1−102.n、ネットワーク104を経由してお互いに通信し、相互作用を行う協調的環境内で用いられる。各クライアント・コンピュータ102.1−102.nは、ユーザーにより操作できる別個のコンピュータ・システム内で構成される。ユーザーは典型的にはヒトのオペレーターである。別の実施例では、今回開示されたシステムのユーザーにはソフトウエア・プロセスを含めている。各クライアント・コンピュータ102.1−102.nはネットワーク104に通信可能に接続できて、種々のシステム要素106、108,110、112、114、116、122により提供された機能を実行するように操作される。図1では、図面を明確にするために機能要素106、108、110、112、114、116、122と関連するクライアント102.1のみを示している。しかしながら、実際には、システム100内で、各クライアント・コンピュータ102.1−102.nに対してそのような機能要素が複製される。
図1のシステム100内で、クライアント102.1のユーザーが、ユーザー・インターフェース106を介して機能要素108、110、112、114、116、122と相互作用をする。例えば、ユーザー・インターフェース106はグラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)を実行して、マウスとキーボードのような1以上の入力装置を介して、ユーザーがシステム操作を制御できる。そして、ビデオ・モニター又はディスプレーのような少なくとも1個の出力装置を介して、文書の内容及びその文書と関連するメタ・データを見ることができる。
文書のアクセス、作成、及び、改訂の要素108を操作して、ユーザーが、現地文書記憶部122、又は、ネットワーク104にアクセスできる遠隔文書保管部(図示せず)から、少なくとも1件の既存文書にアクセスすること、既存文書を開くこと、新文書を作成すること、既存文書の少なくとも1件の新バージョン又は改訂を生じること、を可能にする。例えば、既存文書は、ワークシート、スプレッド・シート、テーブル、データ・ファイル、メディア・ファイル、プログラム・ファイル、又は、他の適当なタイプの文書、又は、情報保管機能から成る。さらに、現地及び遠隔の文書保管部が少なくとも1個のメモリー、ハードディスク・ドライブ、フロッピーディスク・ドライブ、書込み可能なオプティカル・ドライブ、又は、他の適当なタイプの文書保管機構から成る。
一実施例で、情報管理システム100が拡張マークアップ言語(XML)に基づくフォーマットを有する文書で機能する。それぞれのXMLに基づく文書はその文書の導出された以前からある文書の内容に1以上の変更又は修正をするユーザーの意向を示すユーザーが作成したメタ・データ及びその以前の文書のアイデンティティを示すシステムが作成したメタ・データを記憶するために、文書内に、又は、文書と関連した他の方法で埋込まれた複数のメタ・データ・フィールドを有する。メタ・データ抽出部110が、文書の各メタ・データ・フィールド内に記憶されたメタ・データを抽出するように、又、ビデオ・ディスプレーに後で表示するためのユーザーインターフェース106に抽出したメタ・データに含まれる情報を提供するように機能する。さらに、ユーザーが意図するメタ・データ作成部114が、文書の内容に1以上の変更を行う意向を示すメタ・データを作成するように、及び、以前の文書から導出された文書内に埋込まれた各メタ・データ・フィールドのひとつにこの記述的メタ・データを記憶するように機能する。図示された実施例では、そのようなユーザーが作成したメタ・データはテキスト・ベースのメタ・データを含む。
ユーザーが、既存文書を開くこと、既存文書の内容(即ち、ユーザーが定義した内容、及び(又は)ユーザが作成したメタ・データ)に1以上の変更を行うこと、及び、変更した文書内容を新文書に記憶することを含む一連の操作を完了するたびに、文書識別子のメタ・データ作成部112が自動的に新文書が導出された以前からある文書のアイデンティティを示すメタ・データを自動的に作成する。特に、そのメタ・データ作成部112は、以前からある文書の内容(即ち、ユーザーが定義した内容、ユーザーが作成したメタ・データ、及び、システムが作成したメタ・データ)から固有の文書識別子を作成する。例えば、固有の文書識別子は、当該分野で知られているように作成されたマルチ・ビット・ナンバーから成るユニバーサルに固有の識別子(UUID)又はグローバルに固有の識別子(GUID)としうる。別の実施例で、固有な文書識別子は、UUID、GUID、チェックサム、ハッシュ・コード、デジタル署名、及び(又は)他の数字、アルファベット、英数字、キャラクター、文書を固有に識別するのに適当なストリング形態からなっている。今回開示した実施例では、それぞれの固有の文書識別子が対応する文書の内容から生じる。従って、もし、文書にはその内容内にチェックサム、ハッシュ・コード及び(又は)デジタル署名が含まれる場合、その文書を識別するために作成された固有の文書識別子がそのチェックサム、ハッシュ・コード及び(又は)デジタル署名を組込む。もし、文書のアイデンティティを示すメタ・データが既に文書内に埋込まれている場合、システム100が、そのような文書識別子のメタ・データを自動作成する代わりに、その文書内からのそのメタ・データにアクセスしうる。
さらに、既存文書の変更された内容が新文書に記憶された時点で、文書識別子のメタ・データ作成部112が、新文書のアイデンティティを示すメタ・データを自動的に作成できる。例えば、新文書の内容から生じたGUID。次ぎに文書識別子メタ・データ作成部112が以前からある文書に対応するGUID、及び、新文書に対応するGUIDを、新文書内に埋込まれたそれぞれのメタ・データ・フィールド内に自動的に記憶する。さらに、システム100は以前の文書を例えば最初のファイルに記憶し、その一方で、新文書を記憶するが、別個のファイル内にユーザーにより変更された以前の文書からの内容を含む。例えば、以前からある文書及びその以前の文書から導出された新文書に対応したファイルを、ファイル記憶システム、共有データベース、又は、他の適当なタイプの記憶媒体に記憶しうる。
今回、開示されたシステム100の中で、文書と関連したメタ・データへのユーザーによるアクセスと制御が、ワード・プロセッサーのアプリケーション又は他の適当なソフトウエアのエージェント又はツールにより実現される。さらに、システム100はいくつかの異なるタイプの文書内容の間を区別するように機能するが、モデル、事例、データ又は他の適当なタイプの文書内容を含む。システム100内で、作成され、導出された、及び(又は)、変更された各文書が、固有で、識別でき、情報の基本単位を表示する内容の要素の論理的収集又はグルーピングである。さらに、各文書が不変であると見なされている。即ち、文書の内容は変更できない。代わりに、既存要素のそれぞれの新バージョン又は改訂が新たに作成された文書としてシステム100内に表示される。その一方で、最初のバージョンの文書の内容を例えば別個のファイル内に保持される。
図2は、例示としての論理的グルーピング内に配置されたメタ・データ204と内容206を含む文書200を示している。例えば、メタ・データと内容の例示的な論理的グルーピングが、Mathsoft(R) Engineering & Education,Inc.,Cambridge,Massachusetts,USAにより開発された工学用XMLデータ・モデル(XDME)又は他の適当なデータ・モデルに適合しうる。メタ・データ204は文書200に関連する記述的情報を含む。例えばメタ・データ204は分類、著者、修正日付、題名、又は文書200に関連する他の適当な情報を含む。示されている実施例で、メタ・データ204は、文書200のアイデンティティの表示を含む(「文書識別子」)。それは文書200の内容(即ち、メタ・データ204と内容206)から作成したグローバリ・ユニーク・アイデンティファイア(GUID)により定義された通りである。例えば、{F9BADA4E−4F92−4882−942D−371A3A814876}。メタ・データ204、及び(又は)、内容206に行われた変更には文書200のために作成される新しいGUIDを必要とすることが指摘される。さらに、メタ・データ204は、以前からある文書のアイデンティティの表示を含む(「親のアイデンティティ」)。それから文書200が導出された。以前の文書の内容から作成したGUIDにより定義された通りである。例えば、{3DF15FD9−E0EA−47b5−9DE3−8F00B21954BE}。さらに、メタ・データ204が、以前の文書の内容に1以上の変更を行うためにユーザーの意向(「意向」)を記載する情報も含み、新文書200を作成する。この場合、以前の文書の改訂(“Revision”)を作成するために変更を行うというユーザーの意向であった。文書200の内容206には文書が記載していて、ユーザーが定義した情報を含む。例えば、
文書200が記載していて、ユーザーが定義した情報にはテキスト、計算、グラフィックス、及び(又は)他の適当なタイプの情報が含まれる。
今回開示したシステム100内で用いたXDMEデータ・モデルは文書内容に関する構造記述メカニズムを提供する。ユーザーはこの構造記述メカニズムを用いて、多数のアドレス指定できる領域又は文書セグメント(ここでは「内容チャンク」という)を定義できる。システム100により、文書の内容を変更する意向を記述する文書レベルのメタ・データをユーザーが作成でき、1以上の内容チャンクを変更する意向を記述する領域レベルのメタ・データを作成できる。さらに、システム100は文書の系図表示を、又、1以上の内容チャンクの系図表示を、文書内に埋込まれたメタ・データに含まれた情報を用いて維持できる。文書の系図は、ここでは文書の修正履歴として定義され、以下に示すように、文書の系図ツリーにより今回開示されたシステム内で表示できる。
今回開示されたシステム100内で、文書は不変であるので、文書の変更は新文書の作成になる。文書の内容に変更を行うというユーザーの意向に基づいて、得られた新文書が、いくつかの異なる範疇のひとつに例えば新文書に、古い文書の改訂(「改訂」)に、古い文書の目的変更(「目的変更」)に、古い文書のフォーマット変更(「フォーマット変更」)に、メタ・データの変更のみを含む新文書(「メタ・データ変更」)に置くことができる。今回、開示されたシステム100の中で、それから新文書が導出された既存文書(「親文書」)は文書系図ツリーの根により表示できる。システム100も文書系図ツリーの根として表示される親文書から新文書を導出できる。図4を参照して以下に示すとおりである。
導出された文書の改訂の範疇が、親文書の内容を浸食する意向を持つ内容を有する新文書を包含する。例えば、改訂の範疇に置かれた文書の内容を親文書の内容より新しい又はより良好であると見なされる。改訂を行うユーザーの意向の再検討を追加することは可能である。例えば、改訂は、親文書の修正、改良、強化等に関連しうる。
導出された文書の目的変更の範疇は、親文書のとは異なる目的を有するように意図した内容を持つ新文書を包含する。例えば、文書の目的変更をするとき、典型的に、ユーザーは親文書の内容を置換えることを意図しないが、異なる目的に適するように変更することを意図している。文書の目的変更は一般的に文書内容の有効性について意味を持たない。文書の目的変更するためのユーザーの意向をさらに再検討できる。例えば、目的変更は文書の一般的な目的変更に、又は、その文書の場合の特定の目的変更に関連付けられる。
導出された文書のフォーマット変更の範疇はフォーマット変更をされる内容を有する新文書を包含する。例えば、親文書がフォーマット変更をされる時、得られる新文書は実質的に親文書と同じ意味の内容を保持する。文書のフォーマット変更についてのユーザーの意向を再検討できる.例えば、フォーマット変更は親文書内に含まれる情報の公表形態、抽出、又は、凝集に関連する。
導出された文書のメタ・データ変更の範疇が、埋込まれたメタ・データが変更された内容を有する新文書を包含する(例えば、文書200のメタ・データ204、図2参照)。メタ・データ変更の範疇内の新文書に対して、ユーザーが定義した内容に変更を行わない(例えば、その文書200のユーザーが定義した内容206、図2参照)。文書のメタ・データを変更する時、ユーザーの意向は再分類する又は他の方法で文書に注釈をつけることであろう。例えば、ユーザーは、文書の承認、プロジェクトの変更、文書の状況(例えば、暫定的又は最終)等を示すためにメタ・データを変更する。
図3は、情報管理システム100(図1参照)を用いて作成できる導出された文書の種々の範疇を示す線図である。図3に示すように、文書の改訂は4件の文書のスタック302、304、306、308により示されている。文書の目的変更は実線310、312、314により示されている。文書のフォーマット変更は点線316及び318により示す。例えば、スタック302に含まれる文書320−322が、親文書324の各改訂を示す。スタック304内に含まれる文書325は親文書326の改訂を示す。スタック306内に含まれる文書327が親文書328の改訂を示す。又、スタック308内に含まれる文書329が親文書330の改訂を示す。さらに、文書326は文書321の内容の目的変更を示す。文書328は文書322の内容の目的変更を示す。又、文書330は文書329の内容の目的変更を示す。さらに、文書332が文書329の内容のフォーマット変更を示し、文書331が文書327の内容のフォーマット変更を示すs。
文書の内容を変更する時、ユーザーは典型的にその変更を行うための明確な意向を有する。今回開示されたシステム100の中で、ユーザーの意向は宣言的になる。なぜなら、新文書の内容と、新文書を導出した親文書の内容を比較するだけではそのような意向を決定することは不可能である。例えば、親文書内の材料の比熱容量の値を比較する時、その変更をするユーザーの意向では親文書を修正すべきかも知れない.即ち、親文書の内容改訂を生じる。代わりに、変更するユーザーの意向は、親文書内で行われる計算の目的を変更すべきかも知れない。例えば、もし、新しい値が異なる材料の比熱容量に対応していれば、新しい比熱容量の値を用いる計算は、異なる目的を持つかも知れない。特に、発泡スチレンのカップがどれだけ長くコーヒーを温かく保つかに関する計算は紙カップのモデルに対しては目的変更になる。
上記のように、文書の内容に変更を行うというユーザーの意向はテキスト・ベースのメタ・データを用いて記述される。一実施例では、そのような変更を行うユーザーの意向の記述が、事前定義されたリストから選択しうる。新文書の内容とその新文書を導出させた親文書の内容を検査することにより、変更を行うユーザーの意向の種々の可能性が、ある時に、狭くされる。例えば、もし、親文書がテンプレートであれば、親文書の内容を変更するというユーザーの意向により、新文書を作成する可能性がある。同様に、もし、新文書の内容と、その新文書を導出させた親文書の内容が同じであるが、各文書に関連したメタ・データは異なる場合、親文書の内容を変更するというユーザーの意向により、メタ・データの変更を行う可能性がある。一実施例で、情報管理システム100(図1参照)は、文書の内容とその文書を導出させた親文書の内容を比較することにより、文書の内容を変更するというユーザーの意向を自動的に検出又は計算するように構成されている。さらに、システム100も、導出された文書と関連した変更(例えば、新文書の作成、文書の改訂、文書の目的変更、又は、文書のフォーマット変更、又は、メタ・データの変更)を行うというユーザーの意向を記述するメタ・データを自動的に作成又は記憶するように構成できる。ある場合に、文書の内容に行われる変更が化粧程度に過ぎない、例えば、そのような変更に含まれるのは文書に用いられるフォントのスタイル、フォントのサイズ、及び(又は)フォントの色である。従って、システム100は文書内容へのそのような化粧程度の変更を感じるように、また、最初の文書内容に行われた変更が化粧程度であったことを示した最初の文書から導出された新文書と関連した記述性メタ・データを作成し、記憶するように構成できる。
図4は例示的文書系図ツリー400の表示を示していて、文書404、406、408、410、412、414、416、418を含む。今回開示された実施例では、情報管理システム100(図1参照)はビデオ・ディスプレー上に後で表示するために、ユーザー・インターフェース106向けの文書系図ツリー400のような文書系図ツリーの1以上の表示を作成し、提供するように構成される。図4に示すように、新文書404は文書系図ツリー400の根である。上記のように、新文書404は対応する親文書、例えば、親文書402を有しているけれども、ユーザーは、新文書404がツリー400の根により表示されていることを明確に宣言できる。文書406,408と文書404の間、文書410と文書406の間、文書412、414と文書408の間、及び、文書416、418と文書412の間に配置された矢印及びそれに関連した注記が、親文書の内容に1以上の変更を行うユーザーの意向を記したユーザーが作成させたメタ・データ、及び、親文書のアイデンティティを示すシステムが作成させたメタ・データを示している。例えば、文書404及び406の間の矢印は文書404を指して、文書404が文書406の親文書であることを示している。さらに、文書404、406の間の矢印と関連した注記「改訂」は、親文書404の内容に変更を行うユーザーの意向が、文書404を改訂して、文書406を作成することだと示している。
同様に、文書404と408の間の矢印は文書404を指して、文書404が文書408の親であることを示している。又、その矢印と関連した注記「目的変更」は、変更をするユーザーの意向が文書404の目的変更であって、文書408の作成になることを示している。文書410と406の間の矢印は文書406を指して、文書406が文書410の親であることを示している。又、その矢印と関連する注記「改訂」は変更を行うユーザーの意向が文書406を改訂して、文書410を作成することだと示している。文書408と412の間の矢印が文書408を指しているのは、文書408が文書412の親であることを示している。その矢印と関連した注記「改訂」は、変更を行うというユーザーの意向が文書408の改訂をして、文書412作成することだと示している。文書408と414の間の矢印は文書408を指していて、文書408が文書414の親であることを示している。又、その矢印と関連した注記「目的変更」は変更するユーザーの意向は文書408の目的変更で、文書414の作成になることを示している。文書412と416の間の矢印は文書412を指しているが、文書412が文書416の親であることを示している。その矢印と関連した注記「改訂」は変更するというユーザーの意向は文書412の改訂を行い、文書416の作成になることを示している。文書412と418の間の矢印が文書412を指しているが、文書412が文書418の親であることを示していて、且つ、その矢印と関連する注記「目的変更」は、変更するというユーザーの意向は文書412の目的変更であり、文書418の作成になるということを示している。
ユーザーにより文書内容に行われた変更履歴を追跡するための今回開示された情報管理システムを操作する例示的方法を、図5を参照して以下に示す。ステップ502に示すように、ユーザーは例えばワード・プロセッサーのアプリケーションを用いて、既存の文書又はテンプレートを開く。次ぎに、ステップ504に示すように、ユーザーは既存の文書に含まれたユーザーが定義できる内容に1以上の変更を行う。そして、ステップ506に示すように、ユーザが既存文書の内容に変更を行うという意向を示すメタ・データを入力する。一実施例では、ユーザーにより現在変更されている文書は、その文書内に埋込まれた複数の有効なメタ・データ・フィールドを有する。ユーザーが作成したメタ・データを入力するために、ユーザーはマウスを用いて、有効なメタ・データ・フィールドの選択したひとつをクリックして、ビデオ・ディスプレー上にポップ・アップ表示ウインドウが見えるようにする。そして、ユーザーがキーボードを用いて、ポップ・アップ・ウインドウを経由して、その文書にテキスト・ベースのメタ・データを入力することにより、その文書内容に変更を行う意向を記したメタ・データを入力する。例えば、文書200に埋込まれたメタ・データ204を参照して、図2に示すように、ユーザーが作成したメタ・データ「意向−改訂」をユーザーが入力する。
次ぎに、ステップ508に示すように、システムが新ファイル内に記憶できる新文書として、内容に行われた変更及びユーザーが作成したメタ・データを含めて、その文書に含まれる情報をユーザーが記憶し、又は、記憶する。その一方で、以前からある文書(親文書)をその最初のファイルに保持する。システムは親文書のアイデンティティを示すメタ・データも作成する(又は、親文書からアクセス)。そして、ステップ510に示すように、新ファイル内に記憶された新文書と共にこのシステムが作成したメタ・データを記憶し又は記憶する。次ぎに、同じユーザー又は異なるユーザーが新たに作成された文書を含む新ファイルを開き、又、ステップ512に示すように、親文書の内容と親文書のアイデンティティのそれぞれに変更を行うというユーザーの意向を決定するために新文書と関連して、記憶又は記憶されたユーザーが作成した、又、システムが作成したメタ・データにアクセスする。一実施例で、ユーザーは新文書内で選択された有効メタ・データ・フィールドをクリックして、ポップアップ表示ウインドウをビデオ・ディスプレー上に表示させ、ポップアップ・ウインドウ内に表示すべき、ユーザーが作成した、及び、システムが作成したメタ・データに含まれる情報を表示させる。例えば、文書200内に埋込まれたメタ・データ204に含まれた、ユーザーが作成した及びシステムが作成したメタ・データ(図2参照)がポップアップ・ウインドウ内に表示される。
文書の系図を維持するための上記システム及び方法の修正及び変更をここで開示した発明のコンセプトから逸脱せずに行なえることを当該分野の通常技術者であれば理解するであろう。従って、本発明を添付した請求項の範囲と精神による場合を除いて限定されると見るべきではない。