JP2009531416A - 生物活性化合物の生体内アセンブリにおけるシュタウディンガー連結反応の使用 - Google Patents
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Abstract
本発明は、薬剤の生体内自己アセンブリのための方法及びツールを提供する。これは、完全な薬剤の選択性の欠如、低い溶解度及び他の不都合に関連する問題を緩和することを可能にする。本発明によれば、完全な生物活性化合物の2つ以上の成分の組み合わせであって、前記成分は本質的に生物活性を持たず、前記成分は、互いにコンタクトした際に前記完全な生物活性化合物と本質的に同じ活性を持つ生物活性化合物の再組み立てをもたらすように、シュタウディンガー連結反応の適合性官能基によって官能基化される組み合わせが提供される。オプションとして、前記成分のうちの少なくとも1つがターゲティング部分によりターゲットとされる。
Description
本発明は、生物活性化合物、及び生物活性化合物の供給のための方法に関し、それを別々の成分として投与して生体内でのリアセンブリを可能にすることで、完成した化合物の欠点又は毒性の作用を回避することを可能にする。
全身的に投与された薬剤の選択性の欠如は、重大な問題である。有効濃度での長引く投与は、投与量を規制する全身性の毒性によって妨げられる可能性がある。さらに、ターゲットとされていない組織における強い副作用がしばしば観察される。したがって、多くの努力が、ターゲット部位において選択的に薬剤放出を遂行するドラッグデリバリーシステムに捧げられた。提案された1つのコンセプトは、全身的に活性薬剤を投与する代わりに、ターゲット位置において、現場で薬剤を組立てることである[Rideout (1986) Science, 233, 561-563; Rideout (1994) Cancer Investigation 12, 189-202]。このコンセプトでは、薬剤の別々の比較的不活性な成分が投与される。活性薬剤は、2つの成分の間の選択的な反応を通して、両方の成分が受け入れられる場所で形成される。別々の成分が比較的不活性であるので、毒性はターゲット部位に局地化され、それによって、投薬量を規制する副作用を最小にする。さらに、生体効果に必要とされる二分子作用は、単一分子の作用から生じる生体効果と比較して、より急峻な用量反応曲線につながる可能性があることが見出された。この濃度に対する感度の増加は、治療濃度域の増加に通じることができ、ほとんど副作用を伴わない、より有効な薬剤を供給する。
ターゲット細胞において又はその中で、他の生体分子との副反応を伴わずに2つの薬剤成分間の反応を達成するために、非常に選択的な化学反応を利用しなければならない。そのような化学反応の適用が成功するためには、2つの関与する官能基が、共存する官能性との干渉が回避されるように、微妙に調整された反応性を持たなければならないことを要求する。理想的には、反応性のパートナーは、生体の、生理学的な状態の下で反応性であり、それらの細胞の/生理学的な周囲の状況を無視して、お互いのみを認識する(バイオ直交)。生体環境によって課される選択性に関する要求は、ほとんどの従来の反応の使用を排除し、ここまで、ヒドラジンアルデヒドシッフ塩基(ヒドラゾン)形成だけが、生体外で in situ 薬剤アセンブリに首尾よく用いられた。カルボニル化合物(すなわちケトン及びアルデヒド)は第一級アミンを有する可逆性のシッフ塩基を構成することができるが、水中の平衡状態はカルボニルを好む。しかしながら、カルボニル基を有するヒドラジド又はアミノオキシ基(それぞれヒドラゾン及びオキシムを供給する)からの生成物は、水中で好まれ、生理学的な状態の下で非常に安定している。ある報告において、デカナール及びオクチルアミノグアニジンは、ヒドラゾンを含む細胞溶解界面活性剤にin situで反応することが示された[Rideout (1994) Cancer Investigation 12, 189-202]。また、同じ反応を用いて、ジカチオン性プロテインキナーゼC阻害物質が、2つの不活性なモノカチオンホスホニウム塩からin situで組み立てられた[Rotenberg et al. (1991) Proc. Natl. Acad. Sci. 88, 2490-2494; Rideout et al. (1990) Biopolymers 29, 247-262] 。この場合には、モノカチオンテトラフェニルホスホニウム塩が、より大きな膜間電圧に起因した正常な細胞と比較して癌細胞中の増加した捕集を示すので、いくらかの癌選択性が達成された。
残念なことに、シッフ反応でのヒドラゾン又はオキシム形成が、生体内での薬剤アセンブリに対する全ての上述の要求を満たすというわけではない。最も重要なことに、アルデヒド及びケトンは、完全に非生物的であるわけではない。これらの官能基を含む生体分子及び代謝物質が細胞内に存在する。その結果、反応は完全にバイオ直交ではない。また、これらの反応に最適なpHは5-6周辺にあり、それは全体に生理的に重要な範囲であるというわけではない。
ヒドラジンアルデヒドシッフシステムの更なる欠点は、反応の生成物がヒドラゾン又はオキシムであることである。これは、組み立てられた活性薬剤が常にそのような基を含むことを意味する。これらの官能性を含む活性分子を得ることは可能であるが、最も知られている薬剤又は薬剤らしい分子は、これらの基を含まない。したがって、ヒドラゾン/オキシムシステムは、in situアセンブリアプローチから利益を得ることができる既知の薬剤のために全般に用いられるのに直接適していない。
さらに、ヒドラジンアルデヒドシッフシステムは、薬剤成分の一方又は両方の活性ターゲティングを容易にしない。良くても、(ホスホニウム薬剤に対して上記に示されるように(Rotenberg et al., 1991))別々の成分は、それらのターゲット組織における(受動)摂取が増加するように設計される。例えば受容体ターゲティングペプチドへの1つの成分の接合が可能であるが、このターゲティング装置は、薬剤アセンブリの後も薬剤に取り付けられたままである。これが in situ ターゲット薬剤アセンブリにおけるこのアプローチの適用を必ずしも排除するというわけではないが、それは今日知られている未修飾薬剤のアセンブリのための選択肢ではない。
シュタウディンガー反応は、生物学的適合性の、非生物的な及びバイオ直交である、代わりの化学反応である。シュタウディンガー反応(図1A)において、ホスフィン及びアジドは、アザイリドを生成するように相互に作用する。水の存在下で、この中間体は、第一級アミン及び対応するホスフィン酸化物を生ずるように自発的に加水分解する[Kohn & Breinbauer 2004) Angew. Chem. Int. Ed. 43, 3106-3116] 。Bertozzi及び協力者は、古典的なシュタウディンガー反応に基づく新たな化学選択的ライゲーション反応(シュタウディンガー連結反応(図1B))を開発した[Saxon& Bertozzi (2000) Science 287, 2007-2010]。ライゲーション反応の第二世代の変形("無痕跡(traceless)"シュタウディンガー連結反応)が開発され、アジド及びホスフィン試剤からのアミド結合をもたらした(図1C)。
シュタウディンガー連結反応は、ペプチド連結反応、ラクタム合成、バイオ接合、細胞内タグ付け、代謝細胞工学及びマイクロアレイのような、多数のアプリケーションに首尾よく用いられた。シュタウディンガー連結反応は、生体(ラット)内でも有効であることが示され、アジド及びホスフィン派生物は生体外及び生体内で毒性が無いことが判明した[Prescher et al. (2004) Nature, 430, 873-877]。プロドラッグのターゲットデリバリーは、キュリー研究所のJC Florentによって提案された。このコンセプトによれば、1つの(又は多くの)アジド官能基を帯びているモノクローナル抗体が、患者に投与される。第2のステップにおいて、トリフェニルホスフィン基を帯びている無毒性のプロドラッグが投与される。プロドラッグが体の中の局所的に結合した抗体に達するとき、アジド基のアミンへの還元及びその後の薬剤の放出によって、2つの官能基の間でシュタウディンガー反応が発生する[詳しくは、
"http://www.curie.fr/upload/recherche/unites/unit_43/umr176cnrs_ic_2001_gb.pdf"
の第2ページを参照]。しかしながら、細胞培養培地中のプロドラッグの不安定性を考慮して、このコンセプトは、決して実現されなかった。
"http://www.curie.fr/upload/recherche/unites/unit_43/umr176cnrs_ic_2001_gb.pdf"
の第2ページを参照]。しかしながら、細胞培養培地中のプロドラッグの不安定性を考慮して、このコンセプトは、決して実現されなかった。
薬剤成分の生体内アセンブリに対するシュタウディンガー連結反応の一般的な実用性は、調査されていないままだった。
本発明の目的は、薬剤若しくはプロドラッグのような代わりの又は改善された生物活性化合物を提供すること、及び生物活性化合物を供給する方法を提供することである。本発明の利点は、完全な生物活性化合物の所望の効果をin situで維持しつつ、完全な生物活性化合物の欠点又は毒性の作用を回避することを可能にすることである。これは、生物活性化合物の生体内での(再)アセンブリを保証する別々の成分として、生物活性化合物を投与することによって達成される。
したがって、本発明の第1の態様は、完全な生物活性化合物の2つ以上の成分の組み合わせを提供し、それによって、これらの成分は本質的に生物活性を持たず、これらの成分は、互いにコンタクトした際に、生物活性化合物又は前記完全な生物活性化合物と本質的に同じ活性を持つ生物活性化合物の(再)組み立てをもたらすように、シュタウディンガー連結反応の適合性官能基によって官能基化される。
特定の実施の形態によれば、前記組み合わせは生物活性化合物の2つの成分を有する。
本発明のさらに特定の実施の形態によれば、2つ以上の成分の組み合わせの成分のうちの少なくとも1つは、所望のターゲット部位における前記成分の再組み立てを保証するために、ターゲットとされる。ターゲット成分は、本質的にターゲットとされることができる。さらに又はあるいは、それらは、体内の所望のターゲット部位への化合物のターゲティングを保証するターゲティング部分(targeting moiety)を有することができる。
本発明のさらに特定の実施の形態によれば、2つ以上の成分の組み合わせの成分のうちの少なくとも1つは、当該成分の追跡を可能にするために、検出可能なラベルを備えている。
本発明の特定の実施の形態は、本発明による完全な生物活性化合物の成分の組み合わせを提供し、前記生物活性化合物はアミド基を持ち、前記成分の再組み立てはこのアミド基の生成に結びつく。
本発明による生物活性化合物の成分の組み合わせは、生体内での成分の(再)組み立てを保証するために、成分を別々に投与することを目的とする。しかしながら、本発明の組み合わせの成分は、各々が薬学的に許容できるキャリア若しくは賦形剤を有する混合剤中の別々の製薬組成物として、又は、化合物がお互いに物理的に分離されるならば、1つの製薬組成物として、提供されることができることが認識される。
本発明は、生物活性化合物の成分の組み合わせを提供し、当該成分は、無痕跡の及び無痕跡でない(non-traceless)シュタウディンガー連結反応に基づいて、完全な生物活性化合物又は前記生物活性化合物と本質的に同じ活性を持つ化合物に(再)構築するために官能基化される。
とりわけ、本発明は、完全な生物活性化合物の少なくとも2つの成分の組み合わせを提供し、それらの成分に提供される官能基は、(a)及び(b)から選択される等しい数の官能基を表す。(a)は、前記成分がアリール基のうちの1つの残りの位置の1つにおいてトリアリールホスフィンに非反応性結合を通して結合される、アルキルオキシカルボニル基によってオルト置換されるトリアリールホスフィン基、又は、トリアリールホスフィンがカルボニルオキシ(-CO-O-)結合若しくはカルボニルチオ(-CO-S-)結合を通して前記成分によってオルト置換されるように前記成分が結合されるトリアリールホスフィン基である。(b)はアジド基である。
更なる特定の実施の形態において、本発明の組み合わせにおけるホスフィンを含んだ成分の少なくとも1つは、トリアリールホスフィンのアリール基に結合されたターゲティング部分(targeting moiety)を手段としてターゲットとされる。
別の実施例において、本発明の組み合わせにおける少なくとも1つの含ホスフィン成分は、アルキルオキシカルボニル基によってオルト置換されるトリアリールホスフィン基を含み、アルキルオキシカルボニル基のアルキルに結合されるターゲティング部分(targeting moiety)を含む。
完全な生物活性化合物ではなく成分の組み合わせとして生物活性化合物を供給することで、完全な生物活性化合物の特定の不都合を回避することが可能になる。したがって、一実施例によれば、本発明の組み合わせの成分の溶解度は、対応する完全な生物活性化合物の溶解度と比較して改善されている。
より詳しくは、本発明の組み合わせの含ホスフィン成分の溶解度は、ホスフィンの修飾によって増加することができる。
さらに又は代わりに、本発明の組み合わせの成分の安定性及び/又は毒性は、対応する完全な生物活性化合物の溶解度と比較して改善される。
本発明の特定の実施の形態は、薬剤メトトレキサートの成分の組み合わせに関し、それらの成分は、アミド基の各々の側のメトトレキサート分子の部分に対応する。
本発明の特定の他の実施の形態は、薬剤ブレオマイシンの成分の組み合わせに関し、より詳しくは、第1及び第2成分の組み合わせに関し、第1成分はブレオマイシンの金属結合ドメインに対応し、第2成分はブレオマイシンのDNA結合ドメインに対応する。
別の態様においては、本発明は薬剤組成物を提供し、当該薬剤組成物は、本発明による完全な生物活性化合物の1つの成分を有する混合剤中の薬剤キャリア又は賦形剤を有し、当該成分は、実質的に生物学的活性を持たず、シュタウディンガー連結反応に反応性である基によって官能基化される成分である。
さらに他の態様において、本発明は、実質的に生物学的活性を持たない第1成分であって、第2成分とのコンタクトが完全な生物活性化合物又は完全な生物活性化合物と本質的に同じ活性を持つ化合物の(再)組み立てをもたらすようにシュタウディンガー連結反応に反応性である基によって官能基化されることをさらに特徴とする、完全な生物活性化合物の第1成分を提供し、当該成分は、ターゲティング部分(targeting moiety)を含むことをさらに特徴とする。
更に他の本発明の態様は、本発明による生物活性化合物の成分を調製する方法を提供する。本発明の本態様の特定の実施の形態は、ブレオマイシンの成分を調製するための方法に関し、それらの成分は、互いにコンタクトした際に、完全なブレオマイシンに再度組み立てられることが可能である。本方法は、(a) ブレオマイシンの金属結合ドメインを提供するステップ、(b) ブレオマイシンのDNA結合ドメインを提供するステップ、及び(c)ブレオマイシンのこれらのドメインの各々に、完全な薬剤においてこれらのドメインを結合する位置に、シュタウディンガー連結反応中に相互に作用することが可能なそれぞれの官能基を提供するステップを有する。
本発明の更に別の態様は、完全な生物活性化合物の摂取を増加させるための方法に関し、当該方法は、(a)再構築されるときに完全な生物活性化合物又は完全な生物活性化合物と本質的に同じ活性を持つ化合物をもたらす、完全な生物活性化合物の2つの成分を提供するステップ、及び(b)(完全な)生物活性化合物の(再)組み立てを可能にするために、 シュタウディンガー連結反応中に互いに反応することが可能なトリアリールホスフィン又はアジド官能基をこれらの成分の各々に提供するステップを有する。さらに、2つの成分のうちより疎水性である成分が、トリアリールホスフィン基によって修飾される。オプションとして、トリアリールホスフィン基は、成分の水溶解度を増加させる付加基によってさらに修飾される。
更に他の態様において、本発明は、完全な生物活性化合物による治療に反応する疾患の治療方法を提供し、当該方法は、そのような疾患に苦しんでいる患者に、本発明に従って、完全な生物活性化合物の成分の組み合わせを投与することを含む。
本発明は、現在用いられているシッフ反応の上述した制限を回避して、選択的なバイオ直交シュタウディンガー連結反応を用いることにより、薬剤アセンブリアプローチの範囲を広げる。シュタウディンガー連結反応の反応パートナー(ホスフィン及び有機アジド)は、完全に非生物的であり、細胞の内部又は細胞の表面上の生体分子に対して本質的に不活性であり、生理学的な状態の中で反応する。さらに、この反応は、細胞環境及びラットにおいて証明された有用性を持つ唯一のライゲーション反応である。
シュタウディンガー連結反応を用いた化合物の自己アセンブリ、例えば生物活性化合物又は生物活性化合物へと活性化されることができる化合物の生体内アセンブリは、他の疑わしいバイオ直交反応と比較して多くの利点を持つ。1) それは細胞内部でも用いられることができる真にバイオ直交な生物学的適合性の反応である。2) 無痕跡連結反応は、既知のアミド含有生物活性化合物の無痕跡な組立てを可能にする。3) 無痕跡連結反応は、生物活性化合物の効果を増加させて正常な組織に対する障害を低下させる成分の1つの無痕跡なターゲティングを可能にする。言い換えると、用量反応曲線の勾配(したがって治療濃度域)は、現在既知のヒドラジンアルデヒドシッフシステムに基づく2成分システムと比較してさえ、増加することができる。
本発明の上記の及び他の特性、特徴及び利点は、以下の詳細な説明から明らかになり、一例として本発明の原理を図示する添付の図面とともに考慮される。この説明は、単に例のために与えられており、本発明の範囲を制限しない。
本発明は、特定の図を参照して特定の実施の形態に関して説明されるが、本発明はそれらには制限されず、請求の範囲によってのみ制限される。請求項中の任意の引用符号は、その範囲を制限するように解釈されるべきでない。説明される図は単なる概要であって、制限的なものではない。図において、いくつかの要素のサイズは、説明の便宜上、誇張されている場合があり、スケール通りに描かれていない。詳細な説明及び請求の範囲において「有する;含む」との用語が用いられる場合、それは他の要素又はステップを除外しない。単数形の用語は、別途特に明示されない限り、複数を含む。
さらに、詳細な説明及び請求の範囲中の「第1」「第2」「第3」等の用語は、同様の要素を区別するために用いられ、必ずしも逐次的な又は時間的な順序を説明するためではない。そのように用いられる用語は適切な状況の下で相互に交換可能であり、本願明細書において説明される本発明の実施の形態は、本願明細書において説明又は図示された順序以外の他の順序での動作が可能であることが理解されるべきである。
本願明細書において用いられる用語又は定義は、単に本発明の理解を補助するためにのみ提供される。
本発明は、とりわけドラッグデリバリーに関連して、シュタウディンガー連結反応の新規なアプリケーションを示す。本出願において参照される「シュタウディンガー連結反応」は、シュタウディンガー反応の修正を言及し、2つの分子の連結反応をもたらす。「シュタウディンガー反応」では、ホスフィンとアジドとの間で反応が発生し、アザイリドを生成する(図1A)。水の存在下で、この中間体は自発的に加水分解し、第一級アミン及び対応するホスフィン酸化物を生ずる。ホスフィン及びアジドは、室温において水中で容易に互いに反応する。
シュタウディンガー連結反応において、シュタウディンガー反応は、アザイリド中間生成物の加水分解を回避するように変更された。これは、2つの一般的なアプローチを用いて達成されることができる。第1のアプローチでは、加水分解が起きる前に不安定な求核アザイリド中間生成物を分子内再配置して安定した付加化合物にすることを可能にする求電子トラップ(例えばメチルエステル)を帯びるホスフィンが設計された。したがって、このアプローチにおいて、シュタウディンガー連結反応は、この変更され及びバイオ接合されたトリアリールホスフィンのアジド接合体との反応によって進行し、その後、分子内環化は、アミド結合及びホスフィン酸化物を与える。この連結反応は、連結反応生成物が付加されたトリフェニルホスフィンオキシド残基を含むので、「無痕跡でない(non-traceless)」シュタウディンガー連結反応(図1B)と呼ばれる。
「無痕跡(traceless)」シュタウディンガー連結反応は、アジド及びホスフィン試剤から単純なアミド結合を生成するために開発された(図1C)。この反応は、移動可能なアシル基を帯びているホスフィンを利用する。中間のアザイリドの再配置及び加水分解の後、アジドとの反応は、アミド結合生成物及び遊離したホスフィン酸化物を生成する。
「無痕跡でない」シュタウディンガー連結反応及び「無痕跡」シュタウディンガー連結反応の両方の使用が、本発明の文脈内で予見される。
本願明細書において用いられる用語「生物活性化合物」は、一般に、患者に投与されたときに潜在的な生物活性を有する分子を参照する。したがって、それは、全ての薬剤、製薬化合物、治療用酵素及びタンパク質などを含む。それ自体が活性である化合物、及び体内の特定の分子にコンタクトすると活性化される(例えば内因性酵素により活性化される)化合物の両方が、この用語の範囲に含まれる。
本発明において用いられている用語「生物活性化合物の成分」又は「BAC成分」は、その活性に重要であるがそれ自体は生物学的に活性でない、生物活性化合物の一部を参照する。したがって、生物活性化合物の成分は、定義上、完全な有効生物活性化合物の単なる一部分であって、完全な又は無傷の生物活性化合物を含まない。本発明による生物活性化合物の成分の(再)組み立ては、完全な生物活性化合物と同じ化合物、又は完全な生物活性化合物と本質的に同じ活性を持つ化合物をもたらすことができる。
本明細書において用いられる、生物活性化合物を言及する際の用語「完全な(intact)」は、元々開発されたような、該当する場合には商業化されたような生物活性化合物を参照するために用いられる。
本願明細書において用いられる用語「官能基化」及び「官能性」は、官能基の追加又は存在を指し、本発明の文脈において、無痕跡でない又は無痕跡のシュタウディンガー連結反応において相互作用する官能基を指す。特定の実施の形態が本願明細書において説明されるが、概してホスフィン又はアジド官能基を帯びている生物活性化合物の成分は、それぞれ「含ホスフィン成分」及び「含アジド成分」と呼ばれる。連結反応は常に成分の少なくとも1つのペアを必要とするので、これらは一般に、そのようなペアの中でそれぞれ「第1」及び「第2」成分とも呼ばれるが、それにもかかわらず、1つより多くの含ホスフィン成分及び1つより多くの含アジド成分が予見されることができる。
生物活性化合物の成分を参照するために本明細書において用いられる用語「低下した製薬活性」又は「実質的に生物学的に不活性」は、標準の分析を介して決定されるとき、完全な生物活性化合物の活性又は治療上の効果と比較して低下した又は無視できる活性又は治療上の効果を示す。BAC成分の低下した活性は、完全な生物活性化合物の活性の5%未満、1%未満、0,1%未満、又は最大0,01%未満の活性であることができる。
本発明の成分の(再)組み立ての後に生体内で得られる化合物を指す際の用語「完全な生物活性化合物と本質的に同じ活性」は、(再)組み立ての後の前記生物活性化合物の薬理学的又は生物学的活性が、完全な生物活性化合物と比較して、少なくとも70%、より詳しくは少なくとも80%、さらに詳しくは少なくとも90%、最も詳しくは95〜100%の間であることを指す。
医薬組成物に関して本明細書において用いられる用語「薬学的に許容できるキャリア又は賦形剤」は、それによって本発明の成分が、治療されるべき場所へのそれらの(例えば前記成分を溶解、分散若しくは拡散することによる)適用若しくは普及を容易にするように、及び/又は、生物活性化合物へと再構築するそれらの能力を損なうことなく、それを貯蔵、輸送若しくは取扱うことを容易にするように処方されることができる、任意の材料又は物質を意味する。薬学的に許容できるキャリアは、固形、液体、又は液体を形成するように圧縮された気体であることができ、すなわち、本発明の組成物は、濃縮物、乳剤、溶液、造粒、粉末、噴霧、エアロゾル、粒剤又は粉体として適切に用いられることができる。前記製薬組成物及びそれらの処方に用いられる適切な製薬キャリアは、当業者にとって周知である。
一態様において、本発明は、その実質的に不活性な成分の形での生物活性化合物の投与は、複数の利点(例えば低下した副作用、改善された摂取、低下した全身性の毒性など)を持つことができるというコンセプトに基づく。さらに、本発明は、生体内でBAC成分を再結合するためにシュタウディンガー連結反応を用いて、生体内における成分の効率的な再組み立てが保証され得ることを提供する。最終的に、本発明は、無痕跡のシュタウディンガー連結反応を用いて、無痕跡のターゲティングも保証され得ることを提供する。
一般に、本出願の文脈の範囲内で予見される生物活性化合物の性質は、重要でない。したがって、本発明の文脈における使用に適した生物活性化合物は、抗増殖剤/抗腫瘍剤、抗生物質、抗炎症性剤、抗ウィルス剤、抗高血圧性の薬剤及び化学増感剤を含むが、これらに限定されない。それにもかかわらず、構造及び構造と活性との間の関係に基づいて、いくつかの生物活性化合物は、他のものよりも容易に本発明に適していることが予見される。これは以下で更に詳細に説明される。
本発明の第1の態様によれば、完全な生物活性化合物又は完全な生物活性化合物と本質的に同じ活性を持つ化合物に再構築することができるように、生物活性化合物の実質的に不活性な官能化された成分が提供される。
生物活性化合物の実質的に不活性な成分は、その成分の直接合成によって、又は完全な生物活性化合物を成分に解体することによって得られる。成分の性質の選択は、主として、生物活性化合物の全ての成分が実質的に不活性であるという要求、及び/又は、成分が完全な生物活性化合物の本来の不都合を示さない(又は回避するように変更されることができる)という要求によって決定される。それに加えて、成分の性質の選択は、本発明による官能基化に対する従順、成分のサイズ及び安定性、溶解度、並びにターゲティング部分(targeting moiety)(以下を参照)のような更なる部分を付加する能力等を含むそれぞれのパラメータによって影響される。但しそれらのパラメータに限定されない。特定の実施の形態によれば、本発明は生物活性化合物の2つの成分の使用を提供し、それによって、2つの成分の(再)組み立ての際に、完全な生物活性化合物又は完全な生物活性化合物と本質的に同じ活性を持つ化合物が得られる。あるいは、2つを超える成分(例えば3つ又は4つ)の使用は、完全な生物活性化合物又は完全な生物活性化合物と本質的に同じ活性を持つ化合物へのそれらの適切な(再)組み立てが保証される限り、予見されることができる。これを達成するために、本発明は、成分が、完全な生物活性化合物中のそれぞれの成分を結合する(それらの)位置において、シュタウディンガー連結反応中に相互作用することが可能な(等しい数の)官能基を備えていることを定める。
以下で詳述されるように、本発明の一実施例は、その完全な形態においてアミド結合を有する生物活性化合物の成分を提供する。この化合物の成分は、(再)組み立ての際に、連結反応から生じるアミド結合が完全な生物活性化合物中のアミド結合に対応するように、生成されることができる。それから、それらの成分はそれぞれ、それらの成分間の無痕跡連結反応を可能にするために、例えばトリアリールホスフィン基及びアジド基を有するように変更される。
本発明の一実施例によれば、生物活性化合物の成分は、それらの官能基化の前でも、実質的に不活性である。他の実施例において、生物活性化合物の成分は、それらの官能基化の結果として、実質的に不活性になる。
本発明は、無痕跡でない又は無痕跡のシュタウディンガー連結反応に基づく生物活性化合物の成分の組み立てを提供する。予見される連結反応の種類に基づいて、第2成分のアジド基と相互作用する第1成分を官能基化するために用いられるホスフィン基の性質は変化する。より詳しくは、無痕跡でないシュタウディンガー連結反応のために、第1成分は、アルキルオキシカルボニル基によってオルト置換されるトリアリールホスフィン基を備える(図1Bを参照)。生物活性化合物の第1成分は、無反応性の結合を通して、アリール基の1つの残りの位置の1つにおいて、トリアリールホスフィンに結合される。無痕跡連結反応のために、第1成分は、カルボニルオキシ(-CO-O-)又はカルボニルチオ(-CO-S-)結合を通して生物活性分子の第1成分によってオルト置換されたトリアリールホスフィンをもたらすような態様で、トリアリールホスフィン基を備えている(図1Cを参照)。とりわけ、両方の実施の形態において、トリアリールホスフィンはトリフェニルホスフィン基であり、随意に置換される。したがって、予見される連結反応に基づいて、完全な生物活性化合物は、これらの連結反応に基づく(再)組み立ての後、トリアリールホスフィン酸化物に接合されるアミド結合(無痕跡でないシュタウディンガー連結反応)、又はアミド結合(無痕跡のシュタウディンガー連結反応)を有する。
依存される連結反応の選択は、完全な生物活性化合物の性質によって、ある程度決定される。たとえば、アミド結合を有することが知られている薬理学的化合物のために、又は、アミド結合の存在が、その活性に実質的に影響を及ぼさない(すなわち、完全な生物活性化合物と本質的に同じ活性を持つ化合物をもたらす)ことが知られている場合、無痕跡のシュタウディンガー連結反応が、優先して依存される。したがって、本発明の特定の実施の形態は、必然的にアミド結合を含む生物活性化合物の実質的に不活性な成分の供給に関し、それによって、当該成分は、それぞれ、移動可能なアシル基を帯びるホスフィン基及びアジドによって官能化される。この実施の形態によって、生物活性化合物の成分のリアセンブリは、薬理学的化合物、又は、完全な薬理学的化合物と同じ若しくはほとんど同じである本質的に完全な薬理学的化合物をもたらす。アミド結合を有する製薬化合物の網羅的ではないリストは、バイオ活性(ポリ)ペプチド(例えばペプチドホルモン及び酵素)、受容体バインダー、アミノ酸のような化合物から得られる薬剤、オリゴヌクレオチド、炭水化物を含み、さらに縮合重合体(例えば殺菌剤SAMMA)のような特定の種類の無機化合物を含む。本発明によるブレオマイシン及びメトトレキサートの官能性成分の使用は、実施例セクションにおいて説明される。
本発明による生物活性化合物の組み立てにおける無痕跡シュタウディンガー連結反応の使用の一般的な概念の実施の形態は、図2に示される。アミド結合を含む薬剤のようなアクティブな生物活性化合物は、本来の薬剤のアミド官能性の両側の残基に対応する2つの成分(A及びB)に分割される。成分Aは無痕跡シュタウディンガーホスフィンプローブによって官能化され、成分Bはアジドによって官能化される。両方の成分が生体内で互いに遭遇するときに、これらの2つの成分間の結果として生じる無痕跡連結反応は、完全なアミド含有薬剤を供給する。
他の実施の形態によれば、本発明は、自然にホスフィン酸化物に接合されるアミド結合を含む生物活性化合物の、又は、ホスフィン酸化物に接合されるアミド結合の存在が生物活性化合物の生物学的な若しくは治療的な活性にそれ程影響を及ぼさないことが知られている(若しくはそのように決定された)、例えば完全な生物活性化合物と本質的に同じ生物活性を持つ生物活性化合物をもたらす生物活性化合物の、実質的に不活性な成分を提供する。この実施の形態によれば、本発明は生物活性化合物の実質的に不活性な成分を提供し、それによって、第1成分は、リンに対するアリール上のオルト位におけるエステル若しくはチオエステル結合を通して(無痕跡)、又は、アルキルオキシカルボニル若しくはアルキルチオカルボニルによってオルト置換されたトリアリールホスフィンのアリール上の無反応性の結合を通して(痕跡有)、トリアリールホスフィンによって官能化され、第2成分は、アジドによって官能化される。
特定の実施の形態によれば、本発明の生物活性化合物の官能性成分の1つ以上は、ターゲットとされる成分であることができる。より詳しくは、その成分は、1つ以上の特定の器官におけるその選択的な摂取又は分散に基づいて、オプションとして投与の特定のルートと組み合わせて、本質的にターゲットとされることができる。
あるいは、それ自体は特定の分散又は親和性を持たない生物活性化合物の官能性成分は、ターゲティング部分(targeting moiety)の取り付けによってターゲットとされることができる。異なるターゲティング部分が、関心組織又は臓器に対する生物活性化合物の1つ以上の成分のターゲティングを保証するように、本発明の文脈の範囲内で予見される。実施例は、抗体若しくは抗体フラグメント(例えば、これらに限られないが、Fab2、Fab、scFV)、又は、特定の細胞、組織若しくは臓器に特異的に結合することが可能である若しくは特定の細胞、組織若しくは臓器によって特異的に摂取される他の化合物(例えば、それらに限られないが、オクトレオチド及び派生物、VIP、MSH、LHRH、走化性ペプチド、ボンベシン、エラスチン、ペプチド模倣剤、炭水化物、単糖類、多糖類、病原体、薬剤、化学療法薬、受容体リガンド、作動薬及び拮抗体、サイトカイン、ホルモン、ステロイド)を含む(但しこれらに限られない)。本発明の文脈の範囲内で予見されるターゲティング部分として適切な有機化合物の例は、エストロゲン(例えばエストラジオール)、アンドロゲン、プロゲスチン、コルチコステロイド、パクリタキセル、エトポシド、ドキソルビシン、メトトレキサート、葉酸及びコレステロールであり、又はそれらから派生される。
本発明の特定の実施の形態によれば、ターゲティング部分(targeting moiety)は、受容体のリガンド又は依然として受容体に結合するその一部(例えば、受容体結合タンパク質リガンドの場合には受容体結合ペプチド)のように、受容体と特異的に結合することが可能である。
タンパク質特性のターゲティング部分(targeting moiety)の他の例は、インターフェロン(例えばα、β及びγインターフェロン)、インターロイキン、腫瘍成長因子(例えばα、β腫瘍成長因子)のようなタンパク質成長因子、血小板由来成長因子(PDGF)、uPARターゲティングタンパク質、アポリポタンパク質、LDL、アネキシンV、エンドスタチン及びアンギオスタチンを含む。
ターゲティング部分の他の例は、それらの順序又はその部分の性質によってターゲットヌクレオチドに特にハイブリッドすることが可能である、DNA、RNA、PNA及びLNAを含む。
本発明の特定の実施の形態によれば、細胞内ターゲットに結合することができる小さな脂肪親和性プライマリ部分(primary moiety)が用いられる。
本発明では、ターゲティング部分は、体への投与の際に、そのターゲットデリバリーを確実にするために、生物活性化合物の成分の1つ以上に取り付けられる。ただ1つの成分のターゲティングで十分であり、それによって、アジド含有薬剤成分又はホスフィン含有成分がターゲットとされることができる。特定の実施の形態において、ターゲティング部分は、生物活性化合物のアジド含有成分及びホスフィン含有成分の両方に提供される。
第1の実施の形態によれば、ターゲティング部分は、生物活性化合物自体の成分上の官能基を通して取り付けられる。このアプローチを用いることにより、成分上のターゲティング部分の存在は、生物活性化合物の再組み立てによって影響を及ぼされず、したがってターゲティング部分は、再組み立ての後、生物活性化合物に取り付けられたままである。それにもかかわらず、ターゲティング部分は、他の要因(例えば細胞の代謝)によって、部分的に又は完全に除去されることができる。
他の実施の形態によれば、ターゲティング部分(targeting moiety)は、無痕跡シュタウディンガー連結反応において、生物活性化合物のホスフィン含有成分のトリアリールホスフィン基に提供される(図2中の'T')。より詳しくは、ターゲティング部分は、トリフェニルホスフィンのフェニル基の1つに結合されることができる。このアプローチを用いることにより、ターゲティング部分は、シュタウディンガー連結反応が2つの成分の間で行われるときに、再構築された生物活性化合物から解放される。
無痕跡でないシュタウディンガー連結反応において、ターゲティング部分(targeting moiety)は、代わりに、シュタウディンガー連結反応に関与するアルキルオキシカルボニル基のアルキル基に提供されることができる。この実施例においても、ターゲティング部分は、成分の再組み立てにおいて、生物活性化合物中にもはや存在しない(図3)。
本発明のさらに別の態様では、生物活性化合物の官能性成分は、個別に及び別々にそれぞれ提供され、それぞれオプションとして、製薬許容キャリア又は受容体による混合材中に提供される。官能性成分は、人間の又は動物の身体への、組み合わせられた、逐次的な又は連続した投与のための部分のキットとして提供されることができる。一般的に、本発明の成分は、1つの生物活性化合物の2つ以上の成分の組み合わせとして提供される。異なる種類のパッケージング又は剤形が、当該パッケージング又は剤形が投与前の個々の成分の相互の接触を防ぐならば、予見される。
1つの生物活性化合物の異なる成分の投与は、同じルート又は異なるルートを介することができる。本発明の文脈の範囲内で予見される生物活性化合物の成分を投与するための異なるルートは、経口投与、局所投与(粘膜,皮膚)、注射(例えば静脈、皮下、筋肉、腹膜、乳房)、呼吸(吸入,鼻腔,気管)又は直腸投与を含む(但しこれらに限られない)。
したがって、本発明の更なる態様は、治療の方法に関し、当該方法は、被験者に生物活性化合物の2つ以上の成分を投与することを含み、生物活性化合物の成分は、シュタウディンガー連結反応に基づく生物活性化合物の再組み立てを保証するように官能基化される。
異なる投与レジメが、各々の成分を投与した後の生物活性化合物の再組み立ての効率を最適化するために予見される。特に、官能性成分の1つが、(本質的に又はターゲティング部分を手段として)所望の臓器又は組織に対するターゲットとされる場合、この部分(moiety)は、その所望の臓器又は組織に対してターゲットとされない或いはあまりターゲットとされない官能性成分の投与の前に投与されることができる。
したがって、一実施例に従えば、投与の方法は一般に、
- 最も大きなターゲット特異性を持つ生物活性化合物の官能性成分が体に投与される第1ステップ、
- 生物活性化合物の更なる官能性成分が投与される第2ステップ、
の2つのステップを有する。
- 最も大きなターゲット特異性を持つ生物活性化合物の官能性成分が体に投与される第1ステップ、
- 生物活性化合物の更なる官能性成分が投与される第2ステップ、
の2つのステップを有する。
オプションとして、ステップ1とステップ2との間の期間は、生物活性化合物の第1成分がそのターゲットに達することを可能にし、及び/又は残りの成分のクリアランスを可能にするように予見される。
本発明では、生物活性化合物の再組み立ては、相補的な官能性成分の両方が互いに合流する場所においてのみ発生する。
上記の成分及び投与のプロセスの異なる変形及び修正が予見されることができる。例えば、生物活性化合物の一方若しくは両方の(又はより多くの)成分は、一方若しくは両方の(又はより多くの)成分の分布の追跡を可能にするために、検出可能なラベルによってさらに修飾されることができる。これは、第1成分の追跡の結果に基づいて第2の官能性成分の投与の時点を調整すること、又は投与されるべき第2の成分の量を調整することを可能にする。
撮像プローブの検出可能なラベルの特定の例は、MRI画像形成試剤、スピンラベル、光学的ラベル、超音波に反応する試剤、X線に反応する試剤、放射性核種、(バイオ)蛍光性及びFRET型色素のような、従来の撮像システムにおいて用いられる造影剤である。本発明の文脈の範囲内で予見される例示的な検出可能なラベルは、蛍光分子(例えば自己蛍光分子、試薬と接触した際に蛍光を発する分子など)、放射性ラベル、例えばビオチンとアビディンの反応によって検出されるビオチン、蛍光タグ、常磁性金属を有するMRIのための撮像試剤、例えば米国特許番号4,741,900及び5,326,856において説明される撮像試薬など含む(但し必ずしもそれらに限られない)。
MRI画像形成試剤は、常磁性イオン又は超常磁性粒子であることができる。
超音波に反応する試剤は、その殻がリン脂質及び/又は(生分解性の)ポリマー及び/又は人間の血清アルブミンのようなタンパク質からなるマイクロバブルを含むことができる。マイクロバブルは、フッ素で処理された気体又は液体で満たされることができる。
X線に反応する試剤は、ヨウ素、バリウム、硫酸バリウム、ガストログラフィンを含み(但しそれらに限定されない)、あるいは、小胞、リポソーム又はヨウ素化合物及び/若しくは硫酸バリウムで満たされるポリマーカプセルを有することができる。
さらに、本発明の文脈の範囲内で予見される検出可能なラベルはまた、抗体結合によって、例えば検出可能なラベルをつけられた抗体の結合によって、若しくはサンドイッチ型分析による結合された抗体の検出によって、検出されることができるペプチド又はポリペプチドを含む。
一実施例において、検出可能なラベルは、小さなサイズの有機PET及びSPECTラベル(例えば18F、11C又は123I)である。
上記した一般的な2ステップ方法は、2つの成分が身体中で相互に遭遇し、十分な量のアクティブな再構築された生物活性化合物が形成されることを保証するために、ターゲットとされていない第2の官能性成分が大量に投与されることを必要とする場合がある。この潜在的な不都合に対処するために、特別の投与方法が予見される。
一実施例において、相補的な官能性成分の両方は、ターゲティング部分(targeting moiety)を伴う分解性マトリクス中に埋め込まれる。このマトリクスは、それらの成分をお互いから物理的に分離する。ターゲティング及び続くマトリクスの分解の後で、それらの官能性成分は互いの近くに存在し、効率的に反応することができる。
他の実施例において、両方の官能性成分は、ターゲットとされた小胞中に固体粒子として存在する。ターゲティング及び小胞の崩壊又は分解の後で、両方の成分は互いに反応することができる。
さらに別の実施例では、両方の官能性成分は、シュタウディンガー連結反応が発生することができない状態(例えば官能基の一方又は両方のマスキング)の下で、小胞中の溶液に存在する。崩壊又は分解の後、化合物が解放され、官能基の解放に続いて反応することができる。あるいは、小胞が浸透性であり、小胞内の状態が徐々に変化し、生物活性化合物がこの微小環境の中で形成される実施の形態が考えられる。小胞が崩壊又は分解したときに、再構築された生物活性化合物が存在する。
さらに他の実施例において、生物活性化合物の相補的な官能性成分(必要ならば一方又は両方がターゲットとされる)は、分解可能なリンカー(例えばペプチド、脂質又はオリゴ糖類)によって接続される。ターゲティング及び体の酵素によるリンカーの分解の後、両方の成分は、反応して生物活性化合物を形成することができる。
本発明は、完全な形で投与されると特定の不都合を示す生物活性化合物の投与を安全にすることを可能にする。より詳しくは、不活性成分としての投与は、完全な化合物としては一般に毒性であり又は非ターゲット組織への活性に起因した副作用を持つ生物活性化合物に対して、重要な利点であることが予想される。本発明による生物活性化合物の生体内でのアセンブリは、副作用が少ない生物活性化合物の優れた疾患選択的作用を提供する。この技術は、数々の既知の薬剤の治療濃度域を増加させることを可能にして、これらの薬剤に基づく治療の成功割合を高めること保証し、したがってアプリケーション/処方を増やすことを保証する。したがって、本発明は、完全な生物活性化合物の毒性と比較して非ターゲット細胞に対する毒性が低下した生物活性化合物の成分を提供する。生体外の毒性調査で決定されるように、より詳しくは、毒性は20%減らされ、さらにより詳しくは30%減らされ、最も詳しくは少なくとも50%減らされる。追加的に又は代わりに、本発明は、生物活性化合物の物理的及び/又は化学的不都合を克服することを可能にする。例えば、身体内の生物活性化合物の効果的な分散は、その化合物の限られた水溶解度によって、しばしば妨げられる。水溶解度を増加させるように薬剤を最適化するための既存の方法は、親水性/脂肪親和性バランス又は効果が変化するので、細胞の摂取又は薄膜拡散をしばしば減少させる。したがって、水溶性が不十分な生物活性化合物は、ドラッグデリバリーシステム(例えば十分な薬剤摂取のための疎水性区画を提供するリポソーム又は乳剤)を用いて投与される。これらのデリバリー媒体は、疎水性生物活性化合物の大きなペイロードを運ぶことができ、延長された血中半減期を提供することができる。リポゾームドラッグデリバリー又は乳化ドラッグデリバリーの不都合は、それらの高い肝臓摂取であり、それは肝臓毒性の増加の原因となる。本発明のコンセプトを用いることにより、生物活性化合物の水溶解度を増加させることが可能である。本発明の生物活性化合物の1つ以上の官能性成分の溶解度は、本質的に高いか、又は官能基の追加によって変更されることができる。したがって本発明は、溶解度が完全な生物活性化合物の溶解度と比較して改善されている生物活性化合物の成分を提供する。より詳しくは、溶解度は、少なくとも20%、より詳しくは少なくとも30%、最も詳しくは少なくとも50%以上改善されている。特定の実施の形態によれば、最も疎水性の成分は、成分の溶解度に影響を及ぼす官能基(例えば、(本明細書において「水溶性タグ」とも呼ばれる)(ポリ)アルコール基及び炭水化物)が提供されるホスフィン基を有する第1成分として官能基化される。シュタウディンガー連結反応において第2成分と反応すると、ホスフィン基は取り除かれ、付加的な基は再構築された生物活性化合物の活性に影響しない。
ブレオマイシンの生体内組み立て
ブレオマイシンの合剤(抗腫瘍抗生物質のファミリ)は、癌化学療法に用いられる(主にA2及びB2(図4))。金属イオンコファクターと結合されると、ブレオマイシンはDNAを切断することができる。薬剤は様々な必須のドメインを有し、そのうちの2つは、金属結合ドメイン及びDNA結合ドメインである。この例では、ブレオマイシン1は、金属結合ドメイン又はDNA結合ドメインをそれぞれ含んでいて2つのDNA不活性成分となっている2つの分離した成分(2及び3)として提供される。DNA切断化合物2は、癌選択ターゲティングデバイスに接合される無痕跡シュタウディンガーホスフィンプローブ(実線で囲まれている)によって、官能基化される。DNA結合化合物3は、アジド(点線で囲まれている)によって官能基化される。2の全身への投与及び癌部位におけるその蓄積の後、成分3が注入される。ターゲット部位における2と3との間の選択的な反応は、組み立てられた薬剤の放出及び活性化を同時にもたらす。
ブレオマイシンの合剤(抗腫瘍抗生物質のファミリ)は、癌化学療法に用いられる(主にA2及びB2(図4))。金属イオンコファクターと結合されると、ブレオマイシンはDNAを切断することができる。薬剤は様々な必須のドメインを有し、そのうちの2つは、金属結合ドメイン及びDNA結合ドメインである。この例では、ブレオマイシン1は、金属結合ドメイン又はDNA結合ドメインをそれぞれ含んでいて2つのDNA不活性成分となっている2つの分離した成分(2及び3)として提供される。DNA切断化合物2は、癌選択ターゲティングデバイスに接合される無痕跡シュタウディンガーホスフィンプローブ(実線で囲まれている)によって、官能基化される。DNA結合化合物3は、アジド(点線で囲まれている)によって官能基化される。2の全身への投与及び癌部位におけるその蓄積の後、成分3が注入される。ターゲット部位における2と3との間の選択的な反応は、組み立てられた薬剤の放出及び活性化を同時にもたらす。
メトトレキサートの生体外及び生体内組み立て
メトトレキサート(化合物4, 図5)は、各々がアミド結合の両側の完全な分子の1つの部分に対応する2つの成分(化合物5, 6)に分割される。これらの成分は、これら2つの成分間の反応がメトトレキサートの再組み立てをもたらすように、無痕跡シュタウディンガー連結反応の反応パートナーによって官能基化される。
メトトレキサート(化合物4, 図5)は、各々がアミド結合の両側の完全な分子の1つの部分に対応する2つの成分(化合物5, 6)に分割される。これらの成分は、これら2つの成分間の反応がメトトレキサートの再組み立てをもたらすように、無痕跡シュタウディンガー連結反応の反応パートナーによって官能基化される。
生体外でのメトトレキサート化合物の再組み立ての評価は、以下のように、人間の肉腫細胞株の増殖の低減に基づいて評価される。
人間の肉腫細胞(HT-1080)が、96マルチウェル平底マイクロタイタープレート中にまかれる。プレートは、細胞接着を可能にするために、薬剤検査の前に、37℃, 5% CO2で、24〜48時間培養される。2つのメトトレキサート成分5及び6の原液が新たに準備され、希釈溶液が完全培地において準備される。用いられる濃度の範囲は、0.1nM〜10uMである。各々の濃度は、50μl/ウェルの成分5及び50μl/ウェルの成分6を用いて4つ一組で試験され、細胞を含む100μの完全培地に加えられる。対照群では、100μlの完全培地だけが追加され、又は、50μlの完全培地が50μlの成分5若しくは6と混合される。プレートは72時間の間培養され、細胞増殖の評価はMTT比色分析によって実行される。
メトトレキサート(化合物4, 図5)は、関節炎及び他のリウマチ状態の治療と同様に、制癌化学療法薬として用いられる。それは、酵素ジヒドロ葉酸レダクターゼをブロックし、それによって、活発に成長する細胞にとって重要な一種の葉酸の製造を妨害することよって機能する。実施例1に類似して、メトトレキサート治療の治療濃度域は、ターゲット現場(in situ)アセンブリアプローチを適用することによって増加する。この目的のために、メトトレキサート化合物は、上で述べたように2つの成分に分割される。含トリアリールホスフィン成分は、ターゲティング部分(targeting moiety)によってさらに官能基化されて、この成分の癌細胞へのターゲティングを保証する。含アジド成分(6)との含トリアリールホスフィン成分(5)の連結反応は、ターゲットとされた細胞において発生し、それによってターゲティングデバイスは解放される。
ターゲティング部分(targeting moiety)としての代謝物質を用いた生物活性化合物の生体内組み立て
多くの制癌薬剤は、ブドウ糖経路の代謝物質を用いてターゲットとされることができる。細胞のブドウ糖代謝経路は、ホスフィン-ブドウ糖接合体7(図6)を認識することができる。細胞の摂取の後、最初の代謝リン酸化反応ステップの結果として、これらの修飾された糖類は、細胞中に捕らえられて累積する。全身性の投与の後、ブドウ糖は、好ましくは高いブドウ糖摂取を有する組織(例えば腫瘍組織)中に蓄積されて、好ましくは他の非ターゲット組織及び血液から取り除かれる。それから、第2の薬剤成分('8', 図6)が投与される。成分8は、無痕跡シュタウディンガー連結反応を介して、細胞中に捕らえられた成分7に接合される。連結反応で、活性アミド含有薬剤が再構築され、ホスフィン-ブドウ糖基は分子から取り除かれる。
多くの制癌薬剤は、ブドウ糖経路の代謝物質を用いてターゲットとされることができる。細胞のブドウ糖代謝経路は、ホスフィン-ブドウ糖接合体7(図6)を認識することができる。細胞の摂取の後、最初の代謝リン酸化反応ステップの結果として、これらの修飾された糖類は、細胞中に捕らえられて累積する。全身性の投与の後、ブドウ糖は、好ましくは高いブドウ糖摂取を有する組織(例えば腫瘍組織)中に蓄積されて、好ましくは他の非ターゲット組織及び血液から取り除かれる。それから、第2の薬剤成分('8', 図6)が投与される。成分8は、無痕跡シュタウディンガー連結反応を介して、細胞中に捕らえられた成分7に接合される。連結反応で、活性アミド含有薬剤が再構築され、ホスフィン-ブドウ糖基は分子から取り除かれる。
このアプローチの拡張として、アジド含有薬剤成分(8)は、ブドウ糖部分(glucose moiety)によって官能基化されることもできる。このように、両方の不活性薬剤成分が、腫瘍組織に対して特にターゲットとされる。しかしながら、この実施の形態における再構築された薬剤はブドウ糖-薬剤接合体であり、細胞の中に捕らえられたままである。
生物活性化合物の水溶解度を改善するためのシュタウディンガー連結反応の使用。
本発明によって、水溶性が低い生物活性化合物が、水溶解度が完全な生物活性化合物より高い又は完全な生物活性化合物より高くなるように修飾された2つの成分として提供される。これは、アミド官能基を運ぶ生物活性化合物にとって特に重要である。
本発明によって、水溶性が低い生物活性化合物が、水溶解度が完全な生物活性化合物より高い又は完全な生物活性化合物より高くなるように修飾された2つの成分として提供される。これは、アミド官能基を運ぶ生物活性化合物にとって特に重要である。
ピロキシカム(化合物12, 図7)は、それぞれアジド及びトリフェニルホスフィン派生物によって修飾される2つの成分(図7の成分13及び14)として提供されるアミド官能基を含む化合物である。後者は、薬剤のより疎水性の部分に取り付けられて、構造全体を水溶性にするための付加的な側基を運ぶ。オプションとして、アジド輸送成分の特性も、完全な薬剤と比較して増加した水溶解度を得るように調整される。
痛みをもつ患者の治療の際に、ピロキシカムの2つの成分が共投与される。生物活性化合物は、シュタウディンガー連結反応を介して生体内で再構築される。
プテリジンホスフィン
この実施例は、図8に図示される。
この実施例は、図8に図示される。
アジド-L-グルタミン酸(6)
アジ化ナトリウム(8.83 g; 136 mmol)が水(25 mL)に溶解され、ジクロロメタン(37.5 mL)が追加され、そして、混合物は0℃で活発に撹拌された。トリフルオロメタンスルホン酸無水物(7.89 g; 27.9 mmol)が、数分にわたって追加され、そして反応混合物が0℃で30分間、20℃で1時間撹拌された。それから、有機層が分離され、水性の層がジクロロメタン(2×15mL)によって抽出された。トリフリルアジドを含む結合有機層は、飽和Na2CO3(10mL)によって洗浄された。
アジ化ナトリウム(8.83 g; 136 mmol)が水(25 mL)に溶解され、ジクロロメタン(37.5 mL)が追加され、そして、混合物は0℃で活発に撹拌された。トリフルオロメタンスルホン酸無水物(7.89 g; 27.9 mmol)が、数分にわたって追加され、そして反応混合物が0℃で30分間、20℃で1時間撹拌された。それから、有機層が分離され、水性の層がジクロロメタン(2×15mL)によって抽出された。トリフリルアジドを含む結合有機層は、飽和Na2CO3(10mL)によって洗浄された。
L-グルタミン酸(2.06g; 14.0mmol), K2CO3(5.80g; 42.0mmol)及びCu(II)SO4.5H2O (35 mg; 0.14 mmol)が、水(50mL)に溶解され、そして、メタノール(90mL)及びトリフリルアジド溶液が追加された。反応混合物は、20℃で20時間撹拌された。揮発性の溶媒は真空内で蒸発され、水(250mL)が追加され、溶液は6Mの塩化水素酸(約80mL)によって中和され、pH=6.2のリン酸塩緩衝液(250mL)が追加された。混合物は酢酸エチル(4×200mL)によって洗浄され、pHは6Mの塩化水素酸(約6mL)の追加によって2に調整された。これは、酢酸エチル(3×200mL)によって抽出され、結合有機層はMgSO4によって乾燥され、ろ過され、そして無色の液体としての生成物(1.98g; 82%)を産するために、乾燥するまで濃縮された。1H-NMR (CDCl3): δ4.13 (t, 1H, J=6.5 Hz), 2.4-2.7 (br. m, 2H), 2.22 (m, 2H) ppm。13C-NMR (CDCl3): δ178.8, 175.8, 60.5, 29.6, 26.0 ppm。FT-IR (ATR): ν2927, 2107, 1704, 1413, 1208, 1056, 913, 857, 792 cm-1。
4-[N-[(2,4-ジアミノ-6-プテリジニル)メチル]-N-メチルアミノ]安息香酸(15)
2,4-ジアミノ-6-(ヒドロキシメチル)プテリジン塩酸塩(4.40g; 19.19mmol)は熱水(150mL)中に溶解され、溶液は1MのNaOH(約20mL)の追加によって中和された。沈澱物はろ過され、水によって洗浄され、そしてP2O5上で真空内で乾燥された。続いて、これはDMAc(25mL)中に懸濁され、トリフェニルホスフィンジブロミド(18.12g; 42.92mmol)が追加された。混濁した反応混合物は、20℃で20時間撹拌された。4-(メチルアミノ)安息香酸(2.95g; 19.50mmol)及びDIPEA(5.04g; 39.00mmol)が追加され、混濁した反応混合物は、20℃で3日間撹拌された。それから、それは0.33MのNaOH溶液(250mL)中に注入されて、沈澱物がろ過され、濾過液は、10%酢酸水溶液(約20mL)の追加によって中和された。沈澱物がろ過されて、水によって洗浄されて、メタノール(30mL)によって粉末にされ、ベージュ/オレンジ色の粉体(3.48g; 56%)としての生成物を生ずるために、P2O5によって真空内で乾燥された。1H-NMR (DMSO): δ8.59 (s, 1H), 7.53 (d, 2H, 8.8 Hz), 7.7 (br. s, 1H), 7.5 (br. s, 1H), 6.83 (d, 2H, 8.8 Hz), 4.79 (s, 2H), 3.23 (s, 3H) ppm。FT-IR (ATR):ν3335, 3194, 2964, 1651, 1597, 1292, 1187 cm-1。
2,4-ジアミノ-6-(ヒドロキシメチル)プテリジン塩酸塩(4.40g; 19.19mmol)は熱水(150mL)中に溶解され、溶液は1MのNaOH(約20mL)の追加によって中和された。沈澱物はろ過され、水によって洗浄され、そしてP2O5上で真空内で乾燥された。続いて、これはDMAc(25mL)中に懸濁され、トリフェニルホスフィンジブロミド(18.12g; 42.92mmol)が追加された。混濁した反応混合物は、20℃で20時間撹拌された。4-(メチルアミノ)安息香酸(2.95g; 19.50mmol)及びDIPEA(5.04g; 39.00mmol)が追加され、混濁した反応混合物は、20℃で3日間撹拌された。それから、それは0.33MのNaOH溶液(250mL)中に注入されて、沈澱物がろ過され、濾過液は、10%酢酸水溶液(約20mL)の追加によって中和された。沈澱物がろ過されて、水によって洗浄されて、メタノール(30mL)によって粉末にされ、ベージュ/オレンジ色の粉体(3.48g; 56%)としての生成物を生ずるために、P2O5によって真空内で乾燥された。1H-NMR (DMSO): δ8.59 (s, 1H), 7.53 (d, 2H, 8.8 Hz), 7.7 (br. s, 1H), 7.5 (br. s, 1H), 6.83 (d, 2H, 8.8 Hz), 4.79 (s, 2H), 3.23 (s, 3H) ppm。FT-IR (ATR):ν3335, 3194, 2964, 1651, 1597, 1292, 1187 cm-1。
3-ヨード-4-ヒドロキシ安息香酸(16)
3-アミノ-4-ヒドロキシ安息香酸(10.00g; 65.30mmol)は、濃塩化水素酸(100mL)中に溶解され、亜硝酸ナトリウム(4.73g; 68.56mmol)の水溶液(30mL)が0℃の液滴で追加された。反応混合物は、0℃で30分間撹拌され、続いて、ヨウ化カリウム(54.20g; 326.5mmol)の水溶液(100mL)が、0℃の液滴で追加された。0℃での30分間の撹拌の後、反応混合物は、もはや気体が放出されなくなるまで(約1時間)、70℃に加熱された。混合物はエーテル(3×250mL)によって抽出され、結合有機層は1MのNaHSO3(100mL)によって洗浄された。水性の層は、エーテル(150mL)によって逆抽出された。結合有機層は、Na2SO4上で乾燥され、ろ過されて、乾燥するまで濃縮された。残りの固形物は、茶色の結晶(8.95g; 52%)としての生成物を生ずるために、メタノール(30mL)及び水(70mL)の混合物から再結晶化された。1H-NMR (MeOD):δ8.34 (d, 1H, J=2.2 Hz), 7.85 (dd, 1H, J=2.2, 8.6 Hz), 6.86 (d, 1H, J=8.6 Hz) ppm。FT-IR (ATR):ν3271, 1679, 1574, 1362, 1288, 1239, 1195, 767 cm-1。
3-アミノ-4-ヒドロキシ安息香酸(10.00g; 65.30mmol)は、濃塩化水素酸(100mL)中に溶解され、亜硝酸ナトリウム(4.73g; 68.56mmol)の水溶液(30mL)が0℃の液滴で追加された。反応混合物は、0℃で30分間撹拌され、続いて、ヨウ化カリウム(54.20g; 326.5mmol)の水溶液(100mL)が、0℃の液滴で追加された。0℃での30分間の撹拌の後、反応混合物は、もはや気体が放出されなくなるまで(約1時間)、70℃に加熱された。混合物はエーテル(3×250mL)によって抽出され、結合有機層は1MのNaHSO3(100mL)によって洗浄された。水性の層は、エーテル(150mL)によって逆抽出された。結合有機層は、Na2SO4上で乾燥され、ろ過されて、乾燥するまで濃縮された。残りの固形物は、茶色の結晶(8.95g; 52%)としての生成物を生ずるために、メタノール(30mL)及び水(70mL)の混合物から再結晶化された。1H-NMR (MeOD):δ8.34 (d, 1H, J=2.2 Hz), 7.85 (dd, 1H, J=2.2, 8.6 Hz), 6.86 (d, 1H, J=8.6 Hz) ppm。FT-IR (ATR):ν3271, 1679, 1574, 1362, 1288, 1239, 1195, 767 cm-1。
トリエチルアンモニウム 3-ジフェニルホスフィン-4-ヒドロキシベンゾアート(17)
3-ヨード-4-ヒドロキシ安息香酸(4.00g; 15.15mmol)が、アセトニトリル(90mL)中に懸濁され、トリエチルアミン(9.19g; 90.9mmol), パラジウム酢酸塩(0.17g; 0.76mmol)及びジフェニルホスフィン(4.23g; 22.73mmol)が追加された。反応混合物は、アルゴン雰囲気下で、90℃まで20時間加熱された。沈澱物は、ろ過され、アセトニトリルによって洗浄されて、淡褐色の固形物(5.06g; 79%)としての生成物を生ずるために乾燥された。1H-NMR (DMSO): δ7.78 (dd, 1H, J=2.2, 8.6 Hz), 7.61 (m, 1H), 7.38 (br. m, 6H), 7.20 (br. m, 4H), 6.84 (dd, 1H, J=4, 8.6 Hz), 2.60 (q, 6H, J=7.0 Hz), 1.00 (t, 9H, J=7.0 Hz) ppm。31P (DMSO): δ-17.0 ppm。FT-IR (ATR):ν2409, 1825, 1584, 1529, 1390, 1354, 1339, 1286, 1123, 791, 743, 700 cm-1。
3-ヨード-4-ヒドロキシ安息香酸(4.00g; 15.15mmol)が、アセトニトリル(90mL)中に懸濁され、トリエチルアミン(9.19g; 90.9mmol), パラジウム酢酸塩(0.17g; 0.76mmol)及びジフェニルホスフィン(4.23g; 22.73mmol)が追加された。反応混合物は、アルゴン雰囲気下で、90℃まで20時間加熱された。沈澱物は、ろ過され、アセトニトリルによって洗浄されて、淡褐色の固形物(5.06g; 79%)としての生成物を生ずるために乾燥された。1H-NMR (DMSO): δ7.78 (dd, 1H, J=2.2, 8.6 Hz), 7.61 (m, 1H), 7.38 (br. m, 6H), 7.20 (br. m, 4H), 6.84 (dd, 1H, J=4, 8.6 Hz), 2.60 (q, 6H, J=7.0 Hz), 1.00 (t, 9H, J=7.0 Hz) ppm。31P (DMSO): δ-17.0 ppm。FT-IR (ATR):ν2409, 1825, 1584, 1529, 1390, 1354, 1339, 1286, 1123, 791, 743, 700 cm-1。
プテリジンホスフィン(5)
4-[N-[(2,4-ジアミノ-6-プテリジニル)メチル]-N-メチルアミノ]安息香酸(15)(0.650g; 2.00mmol)が、DMAc(15mL)中に懸濁された。DIPEA(0.79g; 6.14mmol)及びHBTU(0.92g; 2.43mmol)が追加され、反応混合物は、20℃で20時間撹拌された。沈澱物は、ろ過され、DMAc及びエーテルによって洗浄されて、中間体HOBt-エステル(0.668g; 1.51mmol)を生ずるために乾燥された。
4-[N-[(2,4-ジアミノ-6-プテリジニル)メチル]-N-メチルアミノ]安息香酸(15)(0.650g; 2.00mmol)が、DMAc(15mL)中に懸濁された。DIPEA(0.79g; 6.14mmol)及びHBTU(0.92g; 2.43mmol)が追加され、反応混合物は、20℃で20時間撹拌された。沈澱物は、ろ過され、DMAc及びエーテルによって洗浄されて、中間体HOBt-エステル(0.668g; 1.51mmol)を生ずるために乾燥された。
トリエチルアンモニウム3-ジフェニルホスフィン-4-ヒドロキシベンゾアート(17)(0.639g; 1.51mmol)がDMSO(5mL)中に懸濁され、カリウム三級ブトキシド(0.339g; 3.02mmol)が追加された。中間体HOBt-エステルのDMSO溶液(5mL)がこの溶液に追加され、反応混合物は20℃で20時間撹拌された。続いて、それは、ろ過されて、水(100mL)中に注入されて、酢酸によって中和されて、遠心分離機で分離された。母液は別の容器へ移され、沈澱物は水(100mL)中で撹拌されて再び遠心分離機で分離され、上澄みが別容器に移された。残留物は、アセトン(100mL)に溶解されて、黄色の粉体としての生成物(0.360g; 29%)を産するために-20度Cで再結晶化された。1H-NMR (DMSO):δ8.60 (s, 1H), 8.01 (dd, 2H, J=2, 8.6 Hz), 7.65 (br.s, 2H), 7.50 (d, 2H, J=9.2 Hz), 7.42 (br. m, 8H), 7.23 (m, 3H), 6.76 (d, 2H, J=9.2 Hz), 6.62 (br. s, 2H), 4.81 (s, 2H), 3.25 (s, 3H) ppm。31P-NMR (DMSO): -16.6 (product), +23.4 (small, phosphine oxide) ppm。FT-IR (ATR):ν3319, 3182, 3053, 1717, 1634, 1600, 1523, 1435, 1367, 1272, 1244, 1172, 1115, 1063, 1045, 742, 691 cm-1。LC-MS(CH3CN/H2O):tr=8.9分:m/z=630.1(M+H)+; tr=7.5分:m/z=646.0(ホスフィン酸化物)。
Claims (22)
- 完全な生物活性化合物の2つ以上の成分の組み合わせであって、前記成分は本質的に生物活性を持たず、前記成分は、互いにコンタクトした際に前記完全な生物活性化合物と本質的に同じ活性を持つ生物活性化合物の再組み立てをもたらすように、シュタウディンガー連結反応の適合性官能基によって官能基化される組み合わせ。
- 前記成分のうちの少なくとも1つがターゲットとされる請求項1に記載の組み合わせ。
- 前記ターゲットとされた成分がターゲティング部分を有する請求項2に記載の組み合わせ。
- 前記成分のうちの少なくとも1つが検出可能ラベルを有することを特徴とする請求項1に記載の組み合わせ。
- 前記完全な生物活性化合物がアミド基を持ち、前記成分の再組み立てが前記アミド基の生成をもたらす請求項1に記載の組み合わせ。
- 前記成分が、各々が薬学的に許容できるキャリア又は賦形剤を有する混合剤中に存在する別々の薬剤組成物として提供される請求項1に記載の組み合わせ。
- 前記官能基が無痕跡シュタウディンガー連結反応に反応性である請求項1に記載の組み合わせ。
- 前記官能基が、
(a)前記成分がアリール基のうちの1つの残りの位置の1つにおいてトリアリールホスフィンに非反応性結合で結合される、アルキルオキシカルボニル基によりオルト置換されるトリアリールホスフィン基、又は、トリアリールホスフィンがカルボニルオキシ(-CO-O-)結合若しくはカルボニルチオ(-CO-S-)結合を通して前記成分によってオルト置換されるように前記成分が結合されるトリアリールホスフィン基、及び
(b)アジド基、
から選択される同数の官能基を示す請求項1に記載の組み合わせ。 - 2つの成分を含む請求項1に記載の組み合わせ。
- ホスフィンを含む成分のうちの少なくとも1つが、ターゲティング部分を手段としてターゲットとされる請求項8に記載の組み合わせ。
- 前記ターゲティング部分が、前記トリアリールホスフィンのアリール基に結合される請求項10に記載の組み合わせ。
- 前記少なくとも1つのホスフィンを含む成分が、アルキルオキシカルボニル基によってオルト置換されたトリアリールホスフィン基を含み、前記ターゲティング部分が前記アルキルオキシカルボニル基のアルキルに結合されている請求項10に記載の組み合わせ。
- 前記成分の溶解度が、前記完全な生物活性化合物の溶解度と比較して改善されている請求項1に記載の組み合わせ。
- 前記成分のうちの少なくとも1つがホスフィンを含む成分であり、前記ホスフィンを含む成分のホスフィンが、前記ホスフィンを含む成分の溶解度を増加させるために修飾されている請求項13に記載の組み合わせ。
- 前記成分の安定性及び/又は毒性が、前記完全な生物活性化合物の安定性と比較して改善されている請求項1に記載の組み合わせ。
- メトトレキサートの2つの成分を含み、それらの成分が、アミド基の各々の側におけるメトトレキサート分子の部分に対応する請求項1に記載の組み合わせ。
- ブレオマイシンの2つの成分を含み、当該成分のうちの第1成分はブレオマイシンの金属結合ドメインに対応し、当該成分のうちの第2成分はブレオマイシンのDNA結合ドメインからなる請求項1に記載の組み合わせ。
- 完全な生物活性化合物の成分を伴う混合剤中の薬剤キャリア又は賦形剤を有する薬剤組成物であって、前記成分は実質的に生物活性を持たず、当該成分はシュタウディンガー連結反応に反応性である基によって官能基化される薬剤組成物。
- 完全な生物活性化合物の、生物活性を実質的に持たない第1成分であって、第2成分とのコンタクトが前記完全な生物活性化合物と本質的に同じ活性を持つ生物活性化合物の再組み立てをもたらすように、シュタウディンガー連結反応に反応性である基によって官能基化されていることを特徴とし、ターゲティング部分を有することをさらに特徴とする第1成分。
- 互いにコンタクトした際に完全なブレオマイシンへの再組み立てが可能なブレオマイシンの成分を調剤する方法であって、
a)ブレオマイシンの金属結合ドメインを提供するステップ、
b)ブレオマイシンのDNA結合ドメインを提供するステップ、
c)ブレオマイシンの前記ドメインの各々に、完全な薬剤にこれらのドメインを結合する位置に、シュタウディンガー連結反応において相互作用することが可能なそれぞれの官能基を提供するステップ、
を有する方法。 - 完全な生物活性化合物の摂取を増加させる方法であって、
a)再構築されるときに前記生物活性化合物又は前記完全な生物活性化合物と本質的に同じ活性を持つ化合物をもたらす、前記生物活性化合物の2つの成分を提供するステップ、及び
b)前記再構築を可能にするために、 シュタウディンガー連結反応中に互いに反応することが可能なトリアリールホスフィン又はアジド官能基を前記成分の各々に提供するステップを有し、
前記2つの成分のうちより疎水性の成分が、トリアリールホスフィン基によって修飾される方法。 - 前記トリアリールホスフィン基が、前記成分の水溶解度を増加させる付加的な基によってさらに修飾される請求項21に記載の方法。
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