JP2009530359A - 腫瘍成長の阻害 - Google Patents

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Abstract

本発明は、癌の治療およびワクチン接種の方法だけでなく、腫瘍の成長または成立(establishment)に対する適応免疫を対象に誘導する医薬の製造における、溶解性化合物、特に、溶解性ペプチドの使用を提供する。

Description

本発明は、腫瘍性組織の治療方法に関する。特に、本発明は、ペプチドなど溶解性化合物の使用により、腫瘍細胞を溶解させることを介して炎症を誘導する方法に関する。炎症応答が誘発されることにより、自然免疫および適応免疫系の経路が活性化され、腫瘍特異的な免疫応答が促進される。そのような免疫系の誘発により、対象には、それぞれの腫瘍細胞に対する適応免疫が付与され、それによって二次性腫瘍の成長が阻害される。
制御されていない細胞の成長および分裂は、腫瘍を発生させる恐れがある。腫瘍は、典型的には、拡散および浸潤という基準に基づいて、良性または悪性のいずれかに分類される。悪性腫瘍は、周辺組織を浸潤および破壊することができる。その細胞は、腫瘍の原発部位を超えて拡散する恐れもある。良性腫瘍はこれらの特徴を有さないが、良性腫瘍は悪性段階に進行する恐れがあり、そのため、悪性腫瘍だけでなく良性腫瘍を治療することも有用であろう。例えば、口腔扁平上皮癌では、通常、新生物は治療されないが、この状態は、舌の一部または全部を外科的に切除しなければならない悪性段階に急速に進行する恐れがある。さらに良性腫瘍は、特に大型で重要な臓器に隣接して増殖する場合は、それ自体が望ましくなく、そのため、良性腫瘍を治療して、それにより続発する類似の良性腫瘍を減少させることが望ましいであろう。
悪性腫瘍由来の細胞が、一次腫瘍から剥離して血流またはリンパ系内で移動することにより体内の他の臓器に拡散する過程は転移と呼ばれる。これらの細胞は、体の新しい区域に到達すると、組織に浸潤して分裂を続け、新しい腫瘍を形成する恐れがある。そのような新しい腫瘍は、「二次性腫瘍」と呼ばれることが多い。
通常、二次性腫瘍の成長は、対象の健康に脅威をもたらし、それ故、二次性腫瘍の形成または成長を阻害する方法を開発する必要がある。
進行性の固形腫瘍の摘出は、腫瘍細胞が存続し、またそれ以前に検出できなかった微小転移巣が引き続き成長するため、長期的には不十分なことが多い。乳癌患者の中では、このことが、依然として再発および最終的な死亡の主要な原因となっている。手術後、播種した細胞は、細胞周期のG0期で休止することが多い。それ故、このような非増殖性の細胞は化学療法に耐性を示すことが多い。進行性頭頚部癌患者の治癒率は、この10年で著しく向上したとは言えない。これらの患者の再発症例のほとんどは、局所的または局部的であり、処置(access)しにくい形で存在する。一例は、局所的な進行性食道癌であり、これは予後不良で手術不可能なことが多い。
二次性腫瘍増殖の阻害法を探索する際に大きな障害となるのは、腫瘍が、対象自身の体に由来する細胞から形成されることである。免疫系は、なんとかしてそれらを異常として認識しようとする。異物細胞または異常細胞の認識は、典型的には、細胞表面に位置する分子、すなわち抗原の検出を伴う。ほとんどの腫瘍細胞は、自身を正常細胞と区別する少なくとも1種類の抗原を有し、多くの場合、抗原は、特定のタイプの癌に特異的である。種々の抗原を有し得る腫瘍細胞もあるが、他の腫瘍細胞はたった1つのタイプの抗原しか有していないこともある。細胞表面上にある抗原のタイプ、異なる抗原の数、および抗原の突出性(prominence)は全て、免疫系が腫瘍細胞を異常として認識できる可能性に影響を与え得る。腫瘍は、多くのタイプが非常に少数の抗原、または免疫系に異物と認識され難い抗原しか有さず、したがって、免疫系による認識および破壊を免れることができる。したがって、任意の特定の腫瘍タイプが有する抗原のタイプおよび量は、腫瘍がどの程度「免疫特性」であるかを決定するのに大きな役割を果たす。「免疫特性」とは、免疫応答を誘発する能力を意味し、そのため腫瘍は、免疫特性であればあるほど、免疫系により認識され攻撃され易いであろう。
免疫系を支援して腫瘍と闘わせる、種々の試みがなされてきた。初期のある手法は、免疫系の一般的な刺激を伴い、例えば、細菌(生菌または死菌)の投与を介して、腫瘍に対しても向けられるであろう一般的な免疫応答を誘発した。これは、非特異的免疫とも呼ばれる。
より最近の手法は、免疫系を支援して腫瘍特異的抗原を特異的に認識させることを目的とし、典型的には、アジュバント(免疫応答を引き起こすまたは亢進することが知られている物質)との併用で、腫瘍特異的抗原を対象に投与することを伴う。この手法には、抗原のin vitroでの単離および/または合成が必要であり、それには費用および時間がかかる。異なるタイプの癌の再発率を減少させる代替手法は、免疫療法の使用である。ほとんどの癌で、免疫療法の使用には幾つかの課題が提起される。癌特異的抗原は、全てが確認されるわけではないことが多く、例えば乳癌では、公知の抗原は、全腫瘍の20〜30%で見出される。それ故、腫瘍特異的ワクチンの使用が成功するのは限られている。
二次性腫瘍の成長または形成を阻害する代替法の必要性は、依然として強い。
本発明者らは、驚くべきことに、患者の第1の腫瘍の細胞を溶解し、それにより該患者のさらなる腫瘍の成長を阻害するために、溶解性化合物が使用できることを見出した。この効果は、本明細書中の実施例に記載したように、溶解性ペプチドを使用して実証されている。他の溶解性化合物は、当技術分野において公知であり、例としてトリトンX−100などの界面活性剤およびHClなどの酸が挙げられる。
当技術分野では、腫瘍細胞を溶解する能力に基づいて、腫瘍治療のために溶解性ペプチドを使用することが提唱されている(Rissoら、Cell.Immunol.[1998年]107および国際公開第01/19852号パンフレット)。そのような溶解性ペプチドが、第1の腫瘍を治療するだけでなく第2の腫瘍の増殖を阻害するためにも使用できるという知見は、完全に予想外であった。
理論に結び付けることは望まないが、第1の腫瘍の溶解が炎症応答を誘発するのではないかと思われる。この溶解は、癌細胞に特異的な抗原の曝露を引き起こし得る。「曝露」とは、抗原が、免疫系により異物と認識されるのに利用可能になることを意味する。
したがって、「曝露」は、抗原がより容易に免疫系と接触できるようにすること、および/または例えば、抗原が細胞全体ではなく細胞断片上にあるため、免疫系によってより認識され易くなるように、抗原を免疫系に提示することを含む。したがって、「曝露」という用語は、細胞内空間からの抗原の放出だけでなく、他の、抗原が免疫系により容易に認識されるようになる任意の細胞構造の変化を含む。
曝露した抗原は、免疫系の特異的B細胞および/またはT細胞を活性化し、これらの幾つかを記憶細胞に成熟させることができる。記憶細胞は、典型的には、非常に長い寿命を有し、2度目またはそれ以降に同一抗原に遭遇した際、最初のB細胞またはT細胞よりも容易に応答できる。特異的記憶細胞を産生および維持するこの過程は、一般的に「免疫記憶」または「適応免疫」と呼ばれる。したがって、本発明者らは、驚くべきことに、ペプチドなどの溶解剤が、腫瘍に対する免疫記憶を誘導するために使用できることを見出した。
本発明者らは、溶解性化合物を使った腫瘍の治療が成功することにより、第2の腫瘍の成長が認められないことを実証した。モデル実験では、事前に溶解性化合物での治療が成功(治癒)した動物由来の脾臓(免疫)細胞の養子移入により、無処置の受容個体に特異免疫が付与されることが示された。したがって、事前に治癒したマウス由来の脾臓細胞を受容した受容者は、移植された腫瘍を除去できたが、無処置のマウス由来の脾臓細胞を受容した受容者は、移植された腫瘍を除去できなかった。これらの結果は、防御効果が、さらなる腫瘍、特に同一タイプのさらなる腫瘍に対する長期の特異的な免疫を付与する、事前に成功した腫瘍根絶によるものであることを実証している。
さらに、腫瘍は一般的な免疫抑制を誘導することが多く、そのため、本発明により認められる免疫系の誘発は、非常に有利である。
したがって、一つの側面では、本発明は、溶解性化合物の有効量を対象に投与することを含む、対象における適応免疫を誘導する方法を提供する(ここで前記溶解性化合物は、第1の腫瘍の細胞溶解を介して、第2の腫瘍の成長または成立(establishment)を阻害する免疫応答を生じさせる)。
最も簡単には、本発明は、対象における適応免疫を誘導する方法であって、溶解性化合物の有効量を該対象に投与することを含む方法を提供する。
適応免疫とは、本明細書では、腫瘍の成長または成立(establishment)に対する免疫として、特に、該溶解性化合物による溶解の直接的な標的にされた腫瘍と同一または類似した腫瘍に対する免疫として理解されよう。それ故、溶解性化合物は、腫瘍細胞を溶解するように設計または選択される。
もう一つの観点からは、本発明は、有効量の溶解性化合物を対象に投与することを含み、溶解性化合物が、第1の腫瘍の細胞溶解を介して、第2の腫瘍の成長または成立(establishment)を阻害する免疫応答を生じさせる、対象の癌治療の方法を提供する。
別の観点からは、本発明者らは、溶解性化合物を第1の腫瘍の治療に使用して、第2の腫瘍に対するワクチンを産生できることを見出した。ワクチンは、その場で産生される、すなわち免疫応答を誘導し免疫記憶を作り出す抗原が、腫瘍細胞の溶解の結果として免疫系に提示される。ペプチドなどの溶解性化合物を対象に投与してその場(in vivo)で抗原を産生する、そのようなワクチンは、抗原が典型的には実験室(すなわち、in vitro)で調製され、対象に投与される従来技術とは大きく異なる。
したがって、さらなる態様では、本発明は、腫瘍の成長または増殖に対するワクチンとして使用する医薬の製造における、溶解性化合物の使用を提供する。「成長および増殖」は、腫瘍の成立(establishment)を含む。本発明は、溶解性化合物、好ましくは溶解性ペプチドの患者への投与により、対象に、腫瘍の成長または増殖に対するワクチン接種をする方法も提供する。「ワクチン」および「ワクチン接種をする」というときは、両方とも予防効果を示唆し、したがって直接的で有益な既存腫瘍の治療法があり得る一方、重要な動機は、将来における腫瘍の成立(establishment)、成長または増殖の予防および減少にある。
いずれの特定の仮説に結び付けることも望まないが、溶解事象は、1つ以上の第2の腫瘍に対して防御的な適応免疫を誘導するだけでなく、第1の腫瘍の根絶にも重要であると考えられる炎症応答を誘導すると考えられる。これは、本発明者らが同系動物モデル(無処置の免疫系を持つ)で第1の腫瘍の完全な退縮を得ることに何度も成功したのに対し、ヌードマウス(機能する免疫系を持たない)では、第1の腫瘍の増殖阻害を50%を超えて達成できていないという、本発明者らの知見により例証される。それ故、二次性腫瘍に対して防御的抗腫瘍記憶を誘導するだけでなく、腫瘍の残存細胞に対する免疫応答を亢進し得る、第1の腫瘍の部分的溶解は、十分であり得る。
したがって、腫瘍、特に、溶解された第1の腫瘍と同一タイプのまたはそれに類似の腫瘍に対する適応免疫が対象内で生じる。
本発明は、対象の適応免疫を誘導する医薬の製造における、溶解性化合物の使用も提供する。特に本発明は、対象の適応免疫を誘導する医薬の製造において、第1の腫瘍の細胞溶解を介して、第2の腫瘍の成長または成立(establishment)を阻害する免疫応答を生じさせる溶解性化合物の使用を提供する。
本発明は、対象の適応免疫を誘導するのに使用する溶解性化合物も提供する。より詳しくは、本発明は、対象の適応免疫を誘導するために使用し、第1の腫瘍の細胞溶解を介して、第2の腫瘍の成長または成立(establishment)を阻害する免疫応答を生じさせる溶解性化合物を提供する。
したがって、「第1の腫瘍」とは、対象内に認められ、その直接的および即時的な溶解を引き起こすことにより治療することが意図された腫瘍を意味する。第1の腫瘍は、典型的には、原発腫瘍、すなわち対象内で増殖したかつ/または同定されたその種類の最初の腫瘍である。しかしながら、「第1の腫瘍」は、実際は二次性腫瘍でもあり得る。そのような状況は、例えば、原発腫瘍が対象から(外科的にまたは別の方法で)取り除かれた場合に生じる。したがって、「第1の腫瘍」とは、対象内で増殖した最初の腫瘍を必ずしも意味せず、「第1の」という用語は、本発明の方法の事象の順序との関連で使用される。
溶解性化合物は、全身性の送達も企図されるが、典型的には、第1の腫瘍に局所的に投与され、例えば第1の腫瘍内にまたはそのすぐ近傍に注射されるであろう。注射溶液は、例えば、p−ヒドロキシベンゾエートなどの保存剤、またはEDTAなどの安定剤の添加など、従来の方法で生産できる。その後、溶液を、注射バイアルまたはアンプルに充填する。
本発明の方法および使用の目的は、免疫記憶を生じさせ、それによって、体内の第1の腫瘍の溶解を受けた患者における、第2の腫瘍の成長または成立(establishment)を阻害することである。成長の阻害は、腫瘍の退縮、すなわち大きさが、好ましくは腫瘍が完全に消失および/またはもはや検出不能な程度まで縮小する場合を含む。阻害は、第2の腫瘍の成立(establishment)防止も含む。したがって、本発明による効果的な治療とは、患者が、第1の腫瘍の最初の溶解治療後に、検出可能なさらなる腫瘍を決して増殖させないことを意味し得る。成長の阻害は、固形腫瘍内の血管網の構築が減速または防止され、通常の腫瘍成長率が低下することも含む。
「第2の腫瘍」という用語は、典型的には、転移とも呼ばれる二次性腫瘍、すなわち別の腫瘍に由来する細胞から増殖し、新たな部位に拡散した腫瘍を指す。しかしながら、本発明の範囲内では、「第2の腫瘍」という用語は、原発腫瘍も含み得る。この状況は、2つ以上の腫瘍、例えば独立して生じた2つの原発腫瘍、または原発腫瘍および二次性腫瘍が共存する場合、ならびに、原発腫瘍を含めて、そのタイプの腫瘍に対する免疫記憶を誘導するために、二次性腫瘍が溶解性ペプチドで直接的に治療される場合に生じ得る。
「第2の」という用語は、文字通り2番目の腫瘍、および続いて生じるまたはさらなる任意の腫瘍も含む。したがって本発明によれば、幾つかの二次性腫瘍の成長が阻害され得る。「第2の」腫瘍はまた、おそらくは従来の治療法(すなわち必ずしも溶解でない)を使った最初の治療後に再発した腫瘍でもあり得る。
第1の腫瘍および第2の腫瘍は、好ましくは、類似の免疫特性を有し、好ましくは、第1の腫瘍および第2の腫瘍は、同一の癌タイプである。任意の所定の腫瘍内では、全ての細胞が同一の表現型を有さなくともよく、そのため個別の腫瘍細胞は異なる抗原を有し得ることは理解されよう。これは、溶解に際して種々多様な抗原の曝露がもたらされ、種々の癌細胞タイプに対する免疫記憶が提供し得るということになる。
上述したように、免疫記憶が誘導されるため、溶解性化合物が投与された時点で、「第2の腫瘍」は対象内にまだ存在していない、または少なくとも検出可能でないかもしれない。初期溶解事象が、対象を「刺激」して免疫系を刺激したため、その場で癌ワクチンが産生されたとみなすのが適切である。
本明細書中、「第1の」または「第2の」という指定が先行しない「腫瘍」という用語へのあらゆる言及は、文脈上明らかにそうでないと示唆されない限り、第1の腫瘍および第2の腫瘍の両方に適用されると理解されるべきである。
第1の腫瘍の「溶解」への言及は、該腫瘍の1つ以上の細胞の溶解を意味すると理解されるべきである。したがって、腫瘍全体の溶解は必要とされていない。本明細書で使用される場合、「溶解」は、細胞の完全な溶解だけでなく部分的溶解も含む。部分的溶解とは、細胞外膜が十分に不安定化して、細胞成分を細胞外に漏出させ、かつ/または外膜画分を細胞から剥離させることを意味する。抗原提示の必要条件は、腫瘍細胞の完全な崩壊を要求しない。
好ましくは、腫瘍は、リンパ腫、癌腫および肉腫からなる群から選択され、最も好ましくはB細胞リンパ腫である。黒色腫も企図される。一般的に、これらの腫瘍は、自然発生的で病理学的な腫瘍であるが、上述のように、良性腫瘍を標的にしてもよい。
さらに好ましい本発明の応用は、良性腫瘍、例えば口腔上皮の治療にある。そのような腫瘍は、これまでは、最初の発見時には治療されず、代わりに「経過観察」とされてきた可能性がある。そのような腫瘍をより早い段階で治療することにより、悪性転換に至る可能性のある過程を停止させることができる。化学療法抵抗性の良性腫瘍は、特に標的として好適である。
本発明は、化学的に誘導された腫瘍を考慮しない。「化学的に誘導された腫瘍」とは、人間の介入により、典型的には研究目的で意図的に発生させられた腫瘍を意味する。これらは、「非天然腫瘍」である。化学的に誘導された腫瘍の一例は、メチルコラントレンを使用して誘導されるMeth A線維肉腫である。したがって、本明細書中での腫瘍への言及は全て、そのような化学的に誘導された腫瘍を除外すると受け取られるべきである。
腫瘍を増殖させるいかなる意図もなく、環境化学物質に曝露した結果として対象に生じる腫瘍は、私たちの「化学的に誘導された腫瘍」の定義には当てはまらず、したがって、そのような腫瘍は本発明により企図される。「環境化学物質」とは、典型的には少ない量で存在する、風由来性、水由来性、および/または食物由来性の化学物質など、対象が自然に接触し得る任意の化学物質を意味する。
対象は、あらゆるヒトまたはヒトでない動物であってよく、好ましくは哺乳類、より好ましくはヒトである。
「溶解性化合物」とは、動物細胞の溶解を引き起こし得るあらゆる化合物を意味する。好ましくは、溶解性化合物は、腫瘍細胞に対して適度に高い特異性を有し、すなわち相当する健常細胞に優先して腫瘍細胞を溶解し、化合物が投与された対象が体験する副作用を最小限に抑えるであろう。
溶解性化合物は、好ましくは、ペプチドである。好適な溶解性ペプチドは、当技術分野において公知であり、例えば、国際公開第00/12541号パンフレット、国際公開第00/12542号パンフレット、国際公開第01/19852号パンフレットおよび国際公開第01/66147号パンフレットに記載のもの、さらに、以下の文書に記載のものを含む:Papo N、Shahar M、Eisenbach L、Shai Y.「A novel lytic peptide composed of DL−amino acids selectively kills cancer cells in culture and in mice」.J Biol Chem 2003年;第278巻(第23号):21028〜23頁。
Papo N、Braunstein A、Eshhar Z、Shai Y.Suppression of human prostate tumor growth in mice by a cytolytic D−,L−amino Acid Peptide: membrane lysis,increased necrosis, and inhibition of prostate−specific antigen secretion.Cancer Res 2004年;第64巻(第16号):5779〜86頁。
Leuschner C、Hansel W.Membrane disrupting lytic peptides for cancer treatments. Curr Pharm Des 2004年;第10巻(第19号)2299〜310頁。
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Selsted ME、Novotny MJ、Morris WL、Tang YQ、Smith W、Cullor JS.Indolicidin,a novel bactericidal tridecapeptide amide from neutrophils.J Biol Chem 1992年;第267巻(第7号):4292〜5頁。
溶解性ペプチドは、溶解剤として特に好ましい。典型的には、溶解性ペプチドは半減期が短い、すなわち一般的には細胞の溶解後に、例えばプロテアーゼなどが細胞から放出されるため、急速に分解する。半減期が短いことは、全身毒性の危険性を低下させ、そのため有利であり得るが、場合によってはより長い半減期が望ましいこともあり得る。ペプチドの半減期は、操作できる、すなわち所望であれば、延長または短縮することができる。例えば、ペプチドの半減期は、D−アミノ酸の導入ならびに/またはC末端側および/もしくはN末端側終端の修飾により延長できる。
好ましい溶解性化合物のさらなる種類は、公知のまたは推定される溶解性ペプチドのペプチド類似物である。
ペプチドまたはタンパク質に基づく活性剤、例えば治療用ペプチドを、機能的に等価な活性を有するそのようなペプチド類似物に置換することは、現在では、当技術分野でよくあることである。一般的にそのような化合物は単純に、ペプチドの(−C(R)CONH)−骨格が、柔軟性のある代替的直鎖骨格、例えば(−C(R)NHCO)−もしくは(−C(R)CHCH)−に、あるいは非直鎖骨格(例えば融合シクロヘキサン環のひもに基づいたもの)に、置換されている。骨格の変化にも関わらず、懸垂官能基(元のペプチドの側鎖)は類似の様式で存在し、化合物は類似の溶解活性を保有することになる。
種々の分子ライブラリーおよびコンビナトリアルケミストリー技術が存在し、標準技術を使用して、そのような化合物の特定、選択、および/または合成を容易にさせるために利用できる(Kieber−Emons,T.ら Current Opinion in Biotechnology 1997年第8巻:435〜441頁)。
ペプチドは、典型的には、少なくとも3個のアミノ酸の長さであり、例えば4〜30個、好ましくは5〜30個のアミノ酸の長さであり、好ましくは7〜25個のアミノ酸の長さであり、1つ以上の、好ましくは2〜8個の、より好ましくは4〜8個の正電荷を有するであろう。好ましくは、ペプチドは、嵩高い、例えば4個以上の、より好ましくは7個以上の非水素原子で、親油性の基を含み、これらの基は細胞膜と相互作用して溶解に寄与すると考えられ、好ましくは、ペプチドは2〜6個のそのような基を有するだろう。好ましい実施形態では、溶解性ペプチドは、少なくとも1個のビフェニルアラミン(Bip)および/または少なくとも1個のジフェニルアラミン(Dip)残基を含む。さらに好ましいペプチドは、1〜5個の、例えば2〜4個のトリプトファン残基を含む。
好ましくは、溶解性ペプチドはラクトフェリンに由来するペプチドではなく、より詳しくは、環状LFB(その一次配列は、FKCRRWQWRMKKLGAPSITCVRRAFである)ではないのが好ましい。
ペプチドまたはペプチド類似物の、特に上述のペプチドのエステル、アミド、または環状誘導体の使用も、本発明により企図される。溶解性ペプチドまたはペプチド類似物(またはそのエステル、アミド、もしくは環状誘導体)は、その遊離型で使用してもよく、または例えば抱合体もしくは塩として使用してもよい。塩は、好ましくは薬学的に許容される塩、例えば酢酸塩であろう。好ましい実施形態では、溶解性ペプチドまたはペプチド類似物は、トリフルオロ酢酸(TFA)塩として存在する。トリフルオロ酢酸は、ペプチド合成後のペプチド精製に使用されるクロマトグラフィー技術で頻繁に使用される。
ペプチドではない溶解剤は、好ましくは、腫瘍内送達されよう。溶解性ペプチドは、このように送達されてもよいが、溶解性ペプチドは、同一の組織タイプの健常細胞と比べて腫瘍細胞に対する選択性があるので、全身的に送達されてもよい。このように高度に選択的である溶解性ペプチドが好ましい。全ての溶解剤は、他の方法、例えばリポソーム送達、デキストリン抱合体、または他の好適な担体溶液を使用して、第1の腫瘍の部位を標的にできる。したがって、全身送達は、非ペプチド溶解剤でも可能である。
溶解性化合物それ自体には、好ましくはごく弱い免疫特性しかなく、より好ましくは全く免疫特性がなく、すなわちそれ自体では抗体応答を誘導しない。
これから以下の非限定的な実施例を参照して、本発明を説明する。
[実施例1]
a)Balb/c同系マウスを、モデル系として使用した。B細胞リンパ芽球A20の細胞(5x106個)を、皮下注射を介してマウスに接種した。20〜30mm2の大きさまで腫瘍を成長させた。マウスを6〜8群に無作為化し、腫瘍を下記の表1から選択されたペプチドで直接的に治療した。治療は、50μlのペプチド溶液の注射を伴い、0.5mgのペプチドを3日間連続で1日1回与えた。
腫瘍の進行を、腫瘍の大きさを測定することにより経過観察した。図1に見られるように、対照腫瘍(未治療)の大きさは、15日間にわたって着実な増大を示した。表1のペプチドで腫瘍を治療すると、腫瘍の大きさに退縮が引き起こされ、腫瘍の見かけ上の完全な消失に繋がった。
b)上述したようにB細胞リンパ芽球腫瘍A20の根絶が成功したマウスに、5x106個のB細胞リンパ腫の腫瘍A20の細胞を再接種した。未治療のマウスは、陰性対照としての役割を果たした。ペプチドまたは他の任意の抗腫瘍剤は、それ以上投与しなかった。結果を図2に示す。
未治療のマウスに腫瘍細胞を接種した際には、著しい腫瘍の成長が起こった。事前にcLfinBで治療したマウスに腫瘍細胞を再接種した際には、腫瘍の初期成長が幾らか起こったが、その腫瘍は1日目で対照マウスの腫瘍より有意に小さく、成長はそれ以上起こらなかった。幾らかの腫瘍退縮さえ見られた。
C12またはL−Mod39で事前に治療されたマウスに腫瘍細胞を接種すると、最初に非常に小さな腫瘍の出現がおこったが、それぞれ6日後または10日後に完全に消失した。
[実施例2]
B細胞リンパ芽球腫瘍A20に対する、3つの異なるペプチドの抗腫瘍活性を、Balb/c同系マウスで研究した。ペプチドは、実施例1で定義されたモデル28、モデル39およびC12であった。腫瘍細胞(5x106個)をマウスの腹部に皮下接種し、ペプチド治療前に、適切な大きさ(20〜30mm2)にまで成長させた。マウスを5〜6群に無作為化し、腫瘍は、3日間連続で1日1回、0.5mg/50μlのペプチドで、腫瘍内治療された。腫瘍の大きさ(縦および横の平均)は、電子カリパスで測定した。3週間後、治療が成功した、すなわち完全な腫瘍退縮を示したマウスは、同一数で同一タイプの腫瘍細胞を、上述と類似の条件で受容した。結果は図3〜5に提示した。
[実施例3]
ペプチドである、Ad−LFB14−31 A2、3、6、10、17、F7,R4、K11、L14−NH2(NDD01)の抗腫瘍活性を、Balb/c同系マウスで確立したマウス結腸癌C26モデルにおいて試験した。C26細胞(50μl中に5x106個の細胞)をマウス(3匹)の腹部に皮下接種し、治療を開始する前に適切な大きさ(20〜30mm2)にまで成長させた。7日目に、腫瘍を、3日間連続で1日1回、0.5mg/50μlのペプチドで、腫瘍内治療し、進行を経過観察した。1匹のマウスで、完全な腫瘍退縮を得た(図6)。ペプチド治療の3週間後に、このマウスにC26腫瘍細胞(50μl中に5x106個の細胞)を皮下的に再接種した。初期成長の後、治療をそれ以上せずに腫瘍退縮が得られ(図7)、このマウスは適応免疫応答を獲得したことが示唆された。
[実施例4]
最初の腫瘍治療
Balb/c同系マウスをモデル系として選択し、溶解性ペプチド(H2N−WKKWdipKKWK−COOH、すなわちMod39)を使った最初の治療により付与された、B細胞リンパ芽球腫A20に対する抗腫瘍長期免疫を調査した。腫瘍細胞(5x106個)をマウスの腹部に皮下接種し、治療を開始する前に適切な大きさ(20〜30mm2)にまで成長させた。3日間連続1日1回、0.5mg/50μlのペプチドで、マウスを腫瘍内治療し、進行を経過観察した。腫瘍根絶の3週間後に、治療が成功したマウスを、脾臓細胞の養子移入用のドナー(治療されたドナー)として選択した。
脾臓細胞の移入
1日目−無処置の受容マウスを500cGyの全身照射(Total Body Irradiation、TBI)にかけ、脾臓ドナー由来の免疫細胞の養子移入を受容させる準備をした。
2日目−治療されたドナーマウスおよび無処置のマウス由来の赤血球が枯渇した脾臓細胞の単細胞浮遊液を、塩化アンモニウムの代わりに滅菌したH2Oを使用して赤血球を除去した以外は、既に記述されているように(Ward,B.A.ら、J.Immunology 1988年8月、第141巻 1047頁)調製した。
ドナーの脾臓細胞(約4千万個)を、Bogen B.ら、Eur J Immunology、1983年5月、第13巻(第5号)、353〜359頁に記載の方法により、受容マウスの尾静脈に静脈注射した。
3日目−腫瘍細胞(5x106個)をマウスの腹部に皮下接種し、腫瘍の大きさをカリパスで測定することにより、成長を経過観察した。
その結果は、以前に治療が成功したマウス由来の免疫細胞の移入により、同一の腫瘍タイプに対する免疫が、受容マウスに付与されることを実証する(図8−「治癒」群)。対照的に、無処置のドナーマウス由来の免疫細胞を移入した後では、移植された腫瘍は退縮しない(図8−「無処置」群)。これらの結果は、防御効果が、その腫瘍タイプに対する特異的な長期免疫を付与する、以前に成功した腫瘍根絶によるものであることを実証する。
実施例1〜3は、トリフルオロ酢酸(TFA)塩形態の前述ペプチドを使用して実施した。
種々のペプチドで治療した際の、Balb/cマウス内でのB細胞リンパ腫A20の進行を示したグラフである。 種々のペプチドを使って固形腫瘍A20の治療が成功した1ヵ月後に、A20細胞を再接種したマウス内での腫瘍の増殖を示すグラフである。 Mod28またはMod39を使って治療が成功した動物にA20細胞を再接種した効果を示すグラフである。 C12を使って治療が成功した動物にA−20細胞を再接種した効果を示すグラフである。a)およびb)という文字は、異なるマウスを指す。 Mod28またはMod39を使って治療が成功した動物に、A−20細胞を再接種した効果を示すグラフである。陽性対照は、ペプチドを使った事前治療をしていないマウス内でのA20細胞の成長を示す。 結腸癌C26に対するNDD01の一次効果を示すグラフである。 NDD01を使って治療が成功したマウスに、C26細胞を再接種した効果を示すグラフである。 治癒が成功したマウス(溶解性ペプチドMod39で治療した)からの特異的抗A20癌免疫の養子移入と、無処置の未治療マウスからのそれとを示すグラフである。事前に治癒されたマウス由来の脾臓細胞を受容した受容動物は、移植された腫瘍を拒絶できたにも関わらず、無処置のマウス由来の脾臓細胞を受容した受容動物は、腫瘍を拒絶できなかった。

Claims (37)

  1. 対象の腫瘍の成長または成立(establishment)に対する適応免疫を誘導する医薬の製造における、溶解性化合物の使用。
  2. 対象の腫瘍の成立(establishment)、成長または増殖に対するワクチンとして使用する医薬の製造における、溶解性化合物の使用。
  3. 前記溶解性化合物が、第1の腫瘍の細胞溶解を介して、第2の腫瘍の成立(establishment)、成長または成立(establishment)を阻害する免疫応答を生じさせる、請求項1または2に記載の使用。
  4. 前記溶解性化合物がペプチドである、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用。
  5. 前記ペプチドが、最少で3個のアミノ酸の長さであり、1以上の正電荷を有する、請求項4に記載の使用。
  6. 前記ペプチドが、かさ高く親油性である基を含む、請求項4または5に記載の使用。
  7. 前記かさ高く親油性である基が7個以上の非水素原子を有する、請求項6に記載の使用。
  8. 前記溶解性ペプチドが、少なくとも1個のビフェニルアラミン(Bip)および/または少なくとも1個のジフェニルアラミン(Dip)残基および/または1〜5個のトリプトファン残基を含む、請求項7に記載の使用。
  9. 前記溶解性化合物がペプチド類似物である、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用。
  10. 前記溶解性化合物が腫瘍内に送達される、請求項1から9のいずれか一項に記載の使用。
  11. 前記成長の阻害が前記腫瘍の退縮である、請求項1から10のいずれか一項に記載の使用。
  12. 前記成長の阻害が第2の腫瘍の成立(establishment)防止を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の使用。
  13. 前記第2の腫瘍が二次性腫瘍である、請求項1から12のいずれか一項に記載の使用。
  14. 前記第1の腫瘍および前記第2の腫瘍が類似の免疫特性を有する、請求項1から13のいずれか一項に記載の使用。
  15. 前記第1の腫瘍および前記第2の腫瘍が同一の癌タイプである、請求項14に記載の使用。
  16. 前記腫瘍がリンパ腫、癌腫および肉腫からなる群から選択される、請求項1から15のいずれか一項に記載の使用。
  17. 前記腫瘍が良性腫瘍である、請求項1から15のいずれか一項に記載の使用。
  18. 前記対象がヒトである、先行する請求項のいずれかに記載の使用。
  19. 対象における腫瘍の成立(establishment)、成長または増殖に対する適応免疫を誘導する方法であって、前記対象に溶解性化合物の有効量を投与することを含む方法。
  20. 対象に、腫瘍の成立(establishment)、成長または増殖に対するワクチン接種をする方法であって、前記対象に溶解性化合物の有効量を投与することを含む方法。
  21. 前記溶解性化合物が、第1の腫瘍の細胞溶解を介して、第2の腫瘍の成長または成立(establishment)を阻害する免疫応答を生じさせる、請求項19または20に記載の方法。
  22. 対象に有効量の溶解性化合物を投与することを含み、前記溶解性化合物が、第1の腫瘍の細胞溶解を介して、第2の腫瘍の成長または成立(establishment)を阻害する免疫応答を生じさせる、対象の癌の治療方法。
  23. 前記溶解性化合物がペプチドである、請求項19から22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記ペプチドが、最少で3個のアミノ酸の長さであり、1以上の正電荷を有する、請求項23に記載の方法。
  25. 前記ペプチドが、かさ高く親油性である基を含む、請求項23または24に記載の方法。
  26. 前記かさ高く親油性である基が7個以上の非水素原子を有する、請求項25に記載の方法。
  27. 前記溶解性ペプチドが、少なくとも1個のビフェニルアラミン(Bip)および/または少なくとも1個のジフェニルアラミン(Dip)残基および/または1〜5個のトリプトファン残基を含む、請求項26に記載の方法。
  28. 前記溶解性化合物がペプチド類似物である、請求項19から22のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記溶解性化合物が腫瘍内に送達される、請求項19から28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記成長の阻害が前記腫瘍の退縮である、請求項21から29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記成長の阻害が第2の腫瘍の成立(establishment)防止を含む、請求項21から30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記第2の腫瘍が二次性腫瘍である、請求項21から31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記第1の腫瘍および前記第2の腫瘍が類似の免疫特性を有する、請求項21から32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記第1の腫瘍および前記第2の腫瘍が同一の癌タイプである、請求項33に記載の方法。
  35. 前記腫瘍がリンパ腫、癌腫、および肉腫からなる群から選択される、請求項19から34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記腫瘍が良性腫瘍である、請求項19から34のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記対象がヒトである、請求項19から36のいずれか一項に記載の方法。
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