JP2009530262A - クロマン誘導体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、式(I):
【化1】
Figure 2009530262

の化合物又は医薬的に許容されるその塩(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、A及びBは各々、本明細書に記載されるとおりであるか又は医薬的に許容される塩である)、前記化合物を含有する組成物並びに、以下に限定されるわけではないが、胃腸疾患、胃食道疾患、胃食道逆流症(GERD)、喉頭咽頭逆流症、消化性潰瘍、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、NSAID誘発性潰瘍、胃炎、ヘリコバクターピロリ感染症、消化障害、機能的消化障害、ゾリンジャー・エリソン症候群、非びらん性逆流症(NERD)、内臓痛、癌、胸焼け、吐き気、食道炎、嚥下障害、流涎過多、気道障害又は喘息等の、酸ポンプアンタゴニスト活性によって仲介される状態の治療のための前記化合物を含む治療及び使用の方法に関する。

Description

本発明は、クロマン誘導体に関する。これらの化合物は、選択的な酸ポンプ阻害活性を有する。本発明は、酸ポンプ変調活性、特に酸ポンプ阻害活性によって仲介される病状の治療のための上述の誘導体を含む、医薬組成物、治療及び使用の方法にも関する。
プロトンポンプ阻害剤(PPI)は、システイン残基に共有結合することによってH+/K+−ATPaseを阻害できる酸触媒化学的転位を受けるプロドラッグであることが十分確立されている(Sachs,G.et al.,Digestive Diseases and Sciences,1995,40,3S−23S;Sachs et al.,Annu Rev Pharmacol Toxicol,1995,35,277−305)。しかしながら、PPIとは異なり、酸ポンプアンタゴニストは、H+/K+−ATPaseの可逆的なカリウム競合的阻害を介して、酸分泌を阻害する。SCH28080は、このような可逆的阻害剤の1つであり、広範に研究されている。他の新薬(レバプラザン、ソラプラザン、AZD−0865及びCS−526)が、ヒトにおけるそれらの有効性を確認する臨床治験に入っている(Pope,A.;Parsons,M.,Trends in Pharmacological Sciences,1993,14,323−5;Vakil,N.,Alimentary Pharmacology and Therapeutics,2004,19,1041−1049)。一般的に、酸ポンプアンタゴニストは、胃腸疾患、胃食道疾患、胃食道逆流症(GERD)、喉頭咽頭逆流症、消化性潰瘍、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、非ステロイド抗炎症薬(NSAID)誘発性潰瘍、胃炎、ヘリコバクターピロリ感染症、消化障害、機能的消化障害、ゾリンジャー・エリソン症候群、非びらん性逆流症(NERD)、内臓痛、癌、胸焼け、吐き気、食道炎、嚥下障害、流涎過多、気道障害又は喘息(以後、「APA病」と呼ぶ、Kiljander,Toni O,American Journal of Medicine,2003,115(Suppl.3A),65S−71S;Ki−Baik Hahm et al.,J.Clin.Biochem.Nutr.,2006,38(1),1−8)を含む多様な疾病の治療に有用であることが発見されている。
国際公開第99/55705号、国際公開第99/55706号及び国際公開第04/046144号は、酸ポンプアンタゴニストであると報告されている化合物を開示する。前記化合物とは、イミダゾ[1,2−a]ピリジン構造を有する特定の化合物を指す。
良好な薬物候補であり、疾病を治療するためのPPIによる未だ対処されていない需要を扱う新たな酸ポンプアンタゴニストを提供する必要がある。特に、好ましい化合物は、他の受容体に対する親和性がほとんどないことを示しながら、酸ポンプに対して強く結合すべきであり、胃の中で酸分泌の阻害剤としての機能的活性を示すべきである。前記化合物は、胃腸管から十分吸収され、代謝上安定であり、好ましい薬物動態特性を有するべきである。前記化合物は、非毒性であるべきである。さらに、理想的な薬物候補は、安定であり、非吸湿性であり、簡単に製剤される物理的形態で存在するであろう。
本発明において、クロマン部分及び、3位で(ヒドロキシ基又は、インビボでヒドロキシ基へ変換可能な部分)−メチル基によって置換されるイミダゾ[1,2−a]ピリジン構造を有する化合物の新たなクラスが、酸ポンプ阻害活性及び薬物候補として好ましい特性を示し、したがって、APA病等の、酸ポンプ阻害活性によって仲介される病状の治療に有用であることが今や発見された。
本発明は、次式(I):
Figure 2009530262

の化合物又は医薬的に許容されるその塩を提供し、
式中、
−A−B−は、−O−CH2−又は−CH2−O−を表し;
1は、ヒドロキシ基又は、インビボでヒドロキシ基へ変換可能な部分を表し;
2は、C1−C6アルキル基を表し;
3及びR4は独立して、C1−C6アルキル基又はC3−C7シクロアルキル基を表し、該C1−C6アルキル基及び該C3−C7シクロアルキル基は、非置換であるか又は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基及びC3−C7シクロアルキル基からなる群より独立して選択される1〜3個の置換基で置換され;又はR3及びR4は、それらが結合する窒素原子と共に、非置換であるか又は、ヒドロキシ基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基及びヒドロキシC1−C6アルキル基からなる群より選択される1〜3個の置換基で置換される、4〜7員の複素環式基を形成し;そして
5、R6、R7及びR8は独立して、水素原子、ハロゲン原子又はC1−C6アルキル基を表す。
また、本発明は、本明細書に各々記載されている式(I)の化合物又は医薬的に許容されるその塩を、該化合物のための医薬的に許容される担体と共に含む医薬組成物を提供する。
また、本発明は、他の薬理学的に活性のある薬剤をさらに含む、本明細書に各々記載されている式(I)の化合物又は医薬的に許容されるその塩を含む医薬組成物を提供する。
また、本発明は、ヒトを含む哺乳動物対象において酸ポンプ変調活性によって仲介される状態を治療する必要のある哺乳動物へ、本明細書に各々記載されている式(I)の化合物又は医薬的に許容されるその塩の治療的有効量を投与することを含む、ヒトを含む哺乳動物対象において酸ポンプ変調活性によって仲介される状態を治療するための方法を提供する。
酸ポンプ変調活性によって仲介される状態の例には、APA病が含まれるが、それに限定されるものではない。
さらに、本発明は、酸ポンプ阻害活性によって仲介される状態の治療のための薬物の製造のための、本明細書に各々記載されている式(I)の化合物又は医薬的に許容されるその塩の使用を提供する。
さらに、本発明は、医薬品において使用するための、式(I)の化合物又は医薬的に許容されるその塩を提供する。
好ましくは、本発明は、APA病から選択される疾患の治療のための薬物の製造のための、本明細書に各々記載される式(I)の化合物又は医薬的に許容されるその塩の使用も提供する。
本発明の化合物は、良好な酸ポンプ阻害活性、低毒性、良好な吸収、良好な分配、良好な溶解度、酸ポンプ以外のタンパク質の低い結合親和性、薬物間の低い相互作用及び良好な代謝的安定性を示し得る。
本発明の化合物において:
2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、C1−C6アルキル基であり、前記C1−C6アルキル基は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の基であり得、例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二級ブチル、第三級ブチル、ペンチル、1−エチルプロピル及びヘキシルが含まれるが、それらに限定されるわけではない。これらのうち、C1−C2アルキルがより好ましい;メチルがより好ましい。
3及びR4は、C3−C7シクロアルキル基であり、これは、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基を表し、例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルが含まれる。これらのうち、C3−C5シクロアルキルがより好ましい;シクロプロピルがより好ましい。
3及びR4の置換基は、C1−C6アルコキシ基であり、これは、該C1−C6アルキル基で置換された酸素原子を表し、例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、第二級ブトキシ、第三級ブトキシ、ペンチルオキシ及びヘキシルオキシが含まれるが、それらに限定されるわけではない。これらのうち、C1−C4アルコキシが好ましい;C1−C2アルコキシが好ましい;メトキシがより好ましい。
3及びR4は、それらが結合する窒素原子と共に、4〜7員の複素環式基を形成し、前記4〜7員の複素環式基は、炭素原子、窒素原子、硫黄原子、及び該窒素原子以外の酸素原子から選択される3〜6個の環原子を有する飽和複素環式基を表し、例には、アゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、ヘキサヒドロアゼピニル、ヘキサヒドロジアゼピニル、モルホリノ、チオモルホリノ及びホモモルホリノが含まれるが、それらに限定されるわけではない。これらのうち、アゼチジニル、ピロリジニル、モルホリノ及びホモモルホリノが好ましい;モルホリノがより好ましい。
4〜7員の複素環式基の置換基は、ヒドロキシ−C1−C6アルキル基であり、これは、ヒドロキシ基で置換された該C1−C6アルキル基を表し、例には、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、3−ヒドロキシ−1−メチルプロピル、5−ヒドロキシペンチル及び6−ヒドロキシヘキシルが含まれるが、これらに限定されるわけではない。これらのうち、ヒドロキシ−C1−C3アルキルが好ましい;ヒドロキシメチルがより好ましい。
5、R6、R7及びR8は、ハロゲン原子であり、前記ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子であり得る。これらのうち、フッ素原子及び塩素原子が好ましい。
「インビボでヒドロキシ基へ変換可能な部分」とは、インビボで、例えば加水分解によって及び/又は酵素、例えばエステラーゼによってヒドロキシル基へ変換可能な部分を意味する。前記部分の例には、インビボで簡単に加水分解され得るエステル基及びエーテル基が含まれるが、それらに限定されるわけではない。前記部分は、例えば、H.Bundgaard(Elsevier,1985)による「Design of Prodrugs」において記載される「プロ部分」として当業者に周知である。インビボでヒドロキシル基へ変換可能な好ましい部分は、例えば、C1−C6アルコキシ基、C1−C6アルキル−カルボニル−オキシ基及びC1−C6アルキル−カルボニル−オキシ−メチル−オキシ基である。
−A−B−は、−O−CH2−であり、−A−は、−O−に相当し、−B−は、−CH2−に相当する。
−A−B−は、−CH2−O−であり、−A−は、−CH2−に相当し、−B−は、−O−に相当する。
本明細書で使用される「治療すること」及び「治療」という語は、前記語が適用される障害若しくは状態、又は前記障害若しくは状態の1つ若しくはそれ以上の症状を逆転させ、緩和し、その進行を阻害し、又は予防することを含む、治癒的、対症的及び予防的処置を指す。
本発明の化合物の好ましいクラスは、本明細書に各々記載されている式(I)の前記化合物又は医薬的に許容されるその塩であり、式中:
(a)−A−B−は、−O−CH2−又は−CH2−O−であり;
(b)−A−B−は、−CH2−O−であり;
(c)R1は、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基又はC1−C6アルキル−カルボニル−オキシ基であり;
(d)R1は、ヒドロキシ基であり;
(e)R2は、C1−C6アルキル基であり;
(f)R2は、C1−C2アルキル基であり;
(g)R2は、メチル基であり;
(h)R3は、C1−C6アルキル基であり;
(i)R3は、C1−C2アルキル基であり;
(j)R3は、メチル基であり;
(k)R4は、非置換であるか又はヒドロキシ基及びC1−C6アルコキシ基からなる群より選択される置換基で置換されているC1−C6アルキル基であり;
(l)R4は、非置換であるか又はヒドロキシ基及びC1−C4アルコキシ基からなる群より選択される置換基で置換されているC1−C2アルキル基であり;
(m)R4は、非置換であるか又はヒドロキシ基で置換されているC1−C2アルキル基であり;
(n)R4は、メチル基、エチル基又は2−ヒドロキシエチル基であり;
(o)R3及びR4は、それらが結合する窒素原子と共に、アゼチジニル基、ピロリジニル基、モルホリノ基又はホモモルホリノ基を形成し、該アゼチジニル基、該ピロリジニル基、該モルホリノ基及び該ホモモルホリノ基は、非置換であるか又は、ヒドロキシ基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基及びヒドロキシ−C1−C6アルキル基からなる群より選択される1〜3個の置換基で置換されており;
(p)R3及びR4は、それらが結合する窒素原子と共に、ピロリジニル基、モルホリノ基又はホモモルホリノ基を形成し、該ピロリジニル基、該モルホリノ基及び該ホモモルホリノ基は、非置換であるか又は、ヒドロキシ基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基及びヒドロキシ−C1−C6アルキル基からなる群より選択される置換基で置換されており;
(q)R5、R6、R7及びR8は独立して、水素原子、ハロゲン原子又はC1−C6アルキル基であり;
(r)R5、R6、R7及びR8は独立して、水素原子、ハロゲン原子又はC1−C2アルキル基であり;
(s)R5、R6、R7及びR8は独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、又はメチル基であり;
(t)R5、R6、R7及びR8は独立して、水素原子、フッ素原子又はメチル基であり;
(u)R5は、水素原子、フッ素原子又はメチル基であり;
(v)R6は、水素原子であり;
(w)R7は、水素原子又はフッ素原子であり;そして
(x)R8は、水素原子である。
化合物のこれらのクラスのうち、(a)〜(x)のうちの何れかの組み合わせも好ましい。
本発明の好ましい化合物は、本明細書に各々記載されている式(I)の前記化合物又は医薬的に許容されるその塩であり、式中:
(A)−A−B−は、−O−CH2−又は−CH2−O−であり;R1は、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基又はC1−C6アルキル−カルボニル−オキシ基であり;R2は、C1−C6アルキル基であり;R3及びR4は独立して、C1−C6アルキル基又はC3−C7シクロアルキル基であり、該C1−C6アルキル基及び該C3−C7シクロアルキル基は、非置換であるか又は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基及びC3−C7シクロアルキル基からなる群より独立して選択される1〜3個の置換基で置換されており;又はR3及びR4は、それらが結合する窒素原子と共にアゼチジニル基、ピロリジニル基、モルホリノ基又はホモモルホリノ基を形成し、該アゼチジニル基、該ピロリジニル基、該モルホリノ基及び該ホモモルホリノ基は、非置換であるか又は、ヒドロキシ基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基及びヒドロキシ−C1−C6アルキル基からなる群より選択される1〜3個の置換基で置換されており;及びR5、R6、R7及びR8は独立して、水素原子、ハロゲン原子又はC1−C6アルキル基であり;
(B)−A−B−は、−O−CH2−又は−CH2−O−であり;R1は、ヒドロキシ基であり;R2、R3及びR4は独立して、C1−C6アルキル基であり;又はR3及びR4は、それらが結合する窒素原子と共にモルホリノ基を形成し;R5及びR7は独立して、水素原子、ハロゲン原子又はC1−C6アルキル基であり;並びにR6及びR8は独立して、水素原子又はハロゲン原子であり;
(C)−A−B−は、−CH2−O−であり;R1は、ヒドロキシ基であり;R2、R3及びR4は独立して、C1−C6アルキル基であり;R5及びR7は独立して、水素原子、ハロゲン原子又はC1−C6アルキル基であり;並びにR6及びR8は独立して、水素原子又はハロゲン原子であり;並びに
(D)−A−B−は、−CH2−O−であり;R1は、ヒドロキシ基であり;R2、R3及びR4は各々、メチル基であり;R5及びR7は独立して、水素原子、フッ素原子又はメチル基であり;並びにR6及びR8は独立して、水素原子又はフッ素原子である。
1つ又はそれ以上の不斉炭素原子を含有する式(I)の化合物は、2つ又はそれ以上の立体異性体として存在し得る。
本発明の範囲内に含まれるのは、異性の2種類以上を呈する化合物及びその1つ又はそれ以上のその混合物を含む、式(I)の化合物の全ての立体異性体及び幾何学異性体である。酸付加塩も含まれ、その中で、対イオンは光学的に活性があり、例えば、D−乳酸塩若しくはL−リジン、又はラセミ化合物、DL−酒石酸塩又はDL−アルギニンである。
本発明の一実施態様は、
(S)−(−)−3−(ヒドロキシメチル)−N,N,2−トリメチル−8−[(5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド;
(+)−8−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルアミノ)−3−(ヒドロキシメチル)−N,N,2−トリメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド;
(S)−(−)−8−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−3−(ヒドロキシメチル)−N,N,2−トリメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド;及び
(−)−8−[(5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−3−(ヒドロキシメチル)−N,N,2−トリメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド;
からなる群より選択される化合物又は医薬的に許容されるその塩を提供する。
式(I)の化合物の医薬的に許容される塩には、その酸付加塩(二塩(disalt)を含む)が含まれる。
適切な酸付加塩は、非毒性塩を形成する酸から形成される。例には、酢酸塩、アジピン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、炭酸水素塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、サイクラミン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、2−ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロト酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ピログルタミン酸塩、サッカリン酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸塩、酒石酸塩、トシル化物、トリフルオロ酢酸塩及びキシナホ酸塩(xinofoate)が含まれる。
適切な塩に関する総説については、Stahl及びWermuthによる「Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use」(Wiley−VCH,Weinheim,Germany,2002)を参照されたい。式(I)の化合物の医薬的に許容される塩は、式(I)の化合物の溶液と所望の酸又は塩基とを適宜互いに混合することによって、容易に製造され得る。前記塩は、溶液から沈殿し、濾過によって回収され得るか、又は溶媒の蒸発によって回収され得る。前記塩におけるイオン化の程度は、完全にイオン化されているからほぼイオン化されていないまで変動し得る。
本発明の化合物の医薬的に許容される塩には、溶媒和していない形態及び溶媒和した形態の両者が含まれる。本明細書において「溶媒和化合物」という語は、本発明の化合物と1つ又はそれ以上の医薬的に許容される溶媒分子、例えばエタノールとを含む分子複合体を指すものとして使用される。「水和物」という語は、該溶媒が水である場合に使用される。
本発明に従った医薬的に許容される溶媒和化合物には、水和物及び溶媒和化合物が含まれ、その中で、結晶化の溶媒は、同位体的に置換され、例えばD2O、d6−アセトン、d6−DMSOであり得る。
本発明の範囲内に含まれるのは、クラスレート、薬物−ホスト封入複合体等の複合体であり、その中で、上述の溶媒和化合物とは対照的に、薬物及びホストは、化学量論的な又は非化学量論的な量で存在する。化学量論的な又は非化学量論的な量にあり得る2つまたはそれ以上の有機及び/又は無機成分を含有する薬物の複合体も含まれる。得られた複合体は、イオン化され得るか、部分的にイオン化され得るか、又はイオン化され得ない。このような複合体の総説に関しては、HaleblianによるJ Pharm Sci.64(8),1269−1288(August 1975)を参照されたい。
式(I)の化合物は、1つ又はそれ以上の結晶形態で存在し得る。これらの多形の混合物を含む前記多形も、本発明の範囲内に含まれる。
1つ又はそれ以上の不斉炭素原子を含有する式(I)の化合物は、2つ又はそれ以上の立体異性体として存在し得る。
本発明の範囲内に含まれるのは、異性の2種類以上を呈する化合物及びその1つ又はそれ以上のその混合物を含む、式(I)の化合物の全ての立体異性体である。
本発明には、式(I)の医薬的に許容される同位体標識される化合物全てが含まれ、その中で、1つ又はそれ以上の原子は、同一の原子番号を有するが、原子質量又は質量数が、天然で通常見られる原子質量又は質量数とは異なる原子によって置換される。
本発明の化合物における封入に適した同位体の例には、2H及び3H等の水素、11C、13C及び14C等の炭素、36Cl等の塩素、18F等のフッ素、123I及び125I等のヨウ素、13N及び15N等の窒素、15O、17O及び18O等の酸素、32P等のリン、及び35S等の硫黄の同位体が含まれる。
式(I)の同位体標識した特定の化合物、例えば、放射性同位体を組み込んでいるものは、薬物及び/又は基質の組織分布研究において有用である。放射性同位体であるトリチウム、すなわち3H、及び炭素14、すなわち14Cは、組み込みやすさ及び即時検出手段の点で、本目的のために特に有用である。
重水素、すなわち2H等のより重い同位体による置換によって、より大きな代謝の安定性、例えばインビボでの延長した半減期又は低下した薬用量の需要から結果的に生じる特定の治療上の利点が提供され得、それゆえ、幾つかの状況では好ましくあり得る。
11C、18F、15O及び13N等の同位体を放射する陽電子による置換は、基質受容体占有率を検討するための陽電子放射型断層撮影法(PET)研究において有用であり得る。
式(I)の同位体標識された化合物は一般的に、当業者に公知の従来技術によって又は、後述の実施例において記載されているものと類似の方法と、既に採用されている非標識試薬の代わりに同位体標識された適切な試薬を使用する製造とによって製造することが可能である。
式(I)の化合物は全て、以下の一般的な方法に記載されている手法又は実施例の段落及び製造の段落に記載されている具体的な方法、又はその通常の変法によって製造することが可能である。本発明は、式(I)の化合物を製造するためのこれらの方法において使用される何れかの新規の中間体に加えて、前記方法の何れかの1つ又はそれ以上も包含する。
一般的な合成
本発明の化合物は、例えば以下の方法Aにおいて示されるこの種の化合物の製造について周知の多様な方法によって製造され得る。
別段の記載がなければ、以下の方法におけるR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、A及びBは、上述に定義されるとおりである。以下の一般的な合成における全ての出発物質は、市販されているか又は、その開示が参照により本明細書に組み入れられる国際公開第99/55706号及び国際公開第02/20523号等の、当業者に公知の従来の方法によって得られる。
方法A:
これは、式(Ia)の化合物の製造を示しており、式中、R1はOHである。
反応式A
Figure 2009530262
反応式Aにおいて、Raは、カルボキシ保護基であり、Lvは、脱離基であり、以下同様である。
本明細書で使用される「脱離基」という語は、ヒドロキシ基、アミン又はカルボアニオン等の求核基によって置換できる基を意味し、このような脱離基の例には、ハロゲン原子、アルキルスルホニル基及びフェニルスルホニル基が含まれる。これらのうち、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子、メチルスルホニル基、トリフルオロメチルスルホニル基及び4−メチルフェニルスルホニル基が好ましい。
工程A1
本工程において、式(IV)の化合物は、式(II)の化合物の求核性置換によって製造され、式(II)の化合物は、市販されているか又は、式(III)の化合物を使用して国際公開第99/55706号及び国際公開第02/020523号に記載されている方法によって製造され得、式(III)の化合物は、市販されているか又は、国際公開第2000/07851号に記載されている方法によって製造され得る。
反応は、溶媒の存在下で普通にまた好ましく実施される。採用されるべき溶媒の性質に関して具体的な制限はないが、但し、前記溶媒は、関与する反応又は試薬に負の効果を有さず、試薬を少なくともある程度まで溶解できる。適切な溶媒の例には、テトラヒドロフラン(THF)、エチレングリコールジメチルエーテル及びジオキサン等のエーテル;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)及びN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)等のアミド;アセトニトリル等のニトリル;アセトン等のケトン;2−メチル−2−プロパノール、1−ブタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エタノール及びメタノール等のアルコール;並びにジメチルスルホキシド(DMSO)等のスルホキシドが含まれる。これらの溶媒のうち、アミド、ケトン及びアルコールが好ましい。アセトンがより好ましい。
反応は、塩基を使用して又は塩基を使用せずに実施され得る。使用される塩基の性質に関して、同様に具体的な制限はなく、この種の反応において普遍的に使用される何れの塩基も、本発明において等しく使用され得る。このような塩基の例には、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド及びカリウムtert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸セシウム及び炭酸カリウム(K2CO3)等の炭酸アルカリ金属;炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)及び炭酸水素カリウム等の炭酸水素アルカリ金属;並びにトリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルピペリジン、N−メチルモリホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)及び1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)等の有機アミンが含まれる。これらのうち、炭酸カリウムが好ましい。
反応は、ヨウ化物を使用して又はヨウ化物を使用せずに実施され得る。このようなヨウ化物の例には、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム及びヨウ化セシウムが含まれる。これらのうち、ヨウ化ナトリウム及びヨウ化カリウムが好ましい。
反応は、広範な温度にわたって実施することが可能であり、正確な反応温度は、本発明に対して重大ではない。好ましい反応温度は、溶媒の性質及び出発物質等の因子に依存するであろう。しかしながら、一般的に、約0℃〜約250℃の温度で反応を実施することが好都合である。反応に関する所要時間も、多くの因子、とりわけ反応時間並びに採用される出発物質及び溶媒の性質に依存して広範に変動し得る。しかしながら、反応が、上述に概略される好ましい条件下で実施されると、約5分〜約72時間の時間が通常、十分であろう。
工程A2
本工程において、式(VI)の化合物は、(A2a1)工程A1に記載されるとおり製造される式(IV)の化合物の加水分解後の、(A2a2)式(V)の化合物による濃縮反応又は(A2b)式(V)の化合物による式(IV)の化合物の置換反応によって製造される。
(A2a1)加水分解
反応は、溶媒の存在下で普通にまた好ましく実施される。採用されるべき溶媒の性質に関して具体的な制限はないが、但し、前記溶媒は、関与する反応又は試薬に負の効果を有さず、試薬を少なくともある程度まで溶解できる。適切な溶媒の例には、テトラヒドロフラン及びジオキサン等のエーテル;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド;エタノール及びメタノール等のアルコール;並びに水;又はそれらの混合した溶媒が含まれる。これらの溶媒のうち、メタノール、テトラヒドロフラン及び水が好ましい。
反応は、塩基の存在下で実施される。使用される塩基の性質に関して、同様に具体的な制限はなく、この種の反応において普遍的に使用される何れの塩基も、本発明において等しく使用され得る。このような塩基の例には、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)及び水酸化カリウム(KOH)等の水酸化アルカリ金属が含まれる。これらのうち、水酸化ナトリウムが好ましい。
反応は、広範な温度にわたって実施することが可能であり、正確な反応温度は、本発明に対して重大ではない。好ましい反応温度は、溶媒の性質及び出発物質等の因子に依存するであろう。しかしながら、一般的に、約0℃〜約100℃の温度で反応を実施することが好都合である。反応に関する所要時間も、多くの因子、とりわけ反応温度並びに採用される出発物質及び溶媒の性質に依存して広範に変動し得る。しかしながら、反応が、上述に概略される好ましい条件下で実施されると、約5分〜約12時間の時間が通常、十分であろう。
(A2a2)濃縮反応
反応は、溶媒の存在下で普通にまた好ましく実施される。採用されるべき溶媒の性質に関して具体的な制限はないが、但し、前記溶媒は、関与する反応又は試薬に負の効果を有さず、試薬を少なくともある程度まで溶解できる。適切な溶媒の例には、ジクロロメタン、クロロホルム及び1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素;テトラヒドロフラン及びジオキサン等のエーテル;N,N−ジメチルホルムアミド及びN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド;アセトニトリル等のニトリルが含まれる。これらの溶媒のうち、ハロゲン化炭化水素及びアミドが好ましい。ジクロロメタン及びN,N−ジメチルホルムアミドがより好ましい。
反応は、縮合剤の存在下で実施される。使用される縮合剤の性質に関して、同様に具体的な制限はなく、この種の反応において普遍的に使用される何れの縮合剤も、本発明において等しく使用され得る。このような縮合剤の例には、アゾジカルボン酸ジエチル−トリフェニルホスフィン等のアゾジカルボン酸ジ低級アルキルエステルトリフェニルホスフィン;ヨウ化2−クロロ−1−メチルピリジニウム及びテトラフルオロホウ酸2−ブロモ−1−エチルピリジニウム(BEP)等の2−ハロ−1−低級アルキルピリジニウムハロゲン化物;ジフェニルホスホリルアジ化物等のジアリールホスホリルアジ化物;クロロギ酸エチル及びクロロギ酸イソブチル等のクロロギ酸エステル;ジエチルホスホロシアニダート(DEPC)等のホスホロシアニダート;N,N’−カルボニルジイミダゾール(CDI)等のイミダゾール誘導体;N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)及び塩酸1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDCI)等のカルボジイミド誘導体;ヘキサフルオロリン酸2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム(HBTU)及びヘキサフルオロリン酸テトラメチルフルオロホルムアミジニウム(TFFH)等のイミニウム塩;並びにヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム(BOP)及びヘキサフルオロリン酸ブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウム(PyBrop)等のホスホニウム塩が含まれる。これらのうち、EDCI及びHBTUが好ましい。
4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)及びN−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)等の試薬が、本工程のために使用され得る。これらのうち、HOBtが好ましい。
反応は、塩基を使用して又は塩基を使用せずに実施され得る。使用される塩基の性質に関して、同様に具体的な制限はなく、この種の反応において普遍的に使用される何れの塩基も、本発明において等しく使用され得る。このような塩基の例には、N−メチルモリホリン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルピペリジン及びピリジン等のアミンが含まれる。これらのうち、トリエチルアミン及びN−メチルモリホリンが好ましい。
反応は、広範な温度にわたって実施することが可能であり、正確な反応温度は、本発明に対して重大ではない。好ましい反応温度は、溶媒の性質及び出発物質等の因子に依存するであろう。しかしながら、一般的に、約0℃〜約80℃の温度で反応を実施することが簡便である。反応に関する所要時間も、多くの因子、とりわけ反応温度並びに採用される出発物質及び溶媒の性質に依存して広範に変動し得る。しかしながら、反応が、上述に概略される好ましい条件下で実施されると、約5分〜約24時間の時間が通常、十分であろう。
(A2b)置換反応
反応は、標準的な条件下で、適切なアミノ化合物中で又は不活性溶媒中で反応物を加熱することによって実施可能である。使用されるべき溶媒の性質に関して具体的な制限はないが、但し、前記溶媒は、関与する反応又は試薬に負の効果を有さず、試薬を少なくともある程度まで溶解できる。適切な溶媒の例には、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン及びジオキサン等のエーテル;N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド;アセトニトリル等のニトリル;並びに2−メチル−2−プロパノール、1−ブタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エタノール及びメタノール等のアルコールが含まれる。これらの溶媒のうち、エーテル及びアルコールが好ましい。テトラヒドロフランがより好ましい。
反応は、触媒を使用して又は触媒を使用せずに実施され得る。使用される触媒の性質に関して、同様に具体的な制限はなく、この種の反応において普遍的に使用される何れの触媒も、本発明において等しく使用され得る。このような触媒の例には、シアン化ナトリウム又はシアン化カリウムが含まれる。これらのうち、シアン化ナトリウムが好ましい。
反応は、広範な温度にわたって実施することが可能であり、正確な反応温度は、本発明に対して重大ではない。好ましい反応温度は、溶媒の性質及び出発物質等の因子に依存するであろう。しかしながら、一般的に、約40℃〜約200℃の温度で反応を実施することが簡便である。反応に関する所要時間も、多くの因子、とりわけ反応温度並びに使用される出発物質及び溶媒の性質に依存して広範に変動し得る。しかしながら、反応が、上述に概略される好ましい条件下で実施されると、約30分〜約24時間の時間が通常、十分であろう。
工程A3
本工程において、式(Ia)の所望の化合物は、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド又は1,3,5−トリオキサンを使用する、工程A2に記載されるとおり製造された式(VI)の化合物のヒドロキシメチル化によって製造される。
反応は、溶媒の存在下又は不存在下で実施される。使用されるべき溶媒の性質に関して具体的な制限はないが、但し、前記溶媒は、関与する反応又は試薬に負の効果を有さず、試薬を少なくともある程度まで溶解できる。適切な溶媒の例には、ヘキサン、ヘプタン及び石油エーテル等の脂肪族炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素及び1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトロヒドロフラン及びジオキサン等のテーテル、ベンゼン、トルエン及びニトロベンゼン等の芳香族炭化水素;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド及びヘキサメチルリン酸トリアミド等のアミド;N−メチルモリホリン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルピペリジン、ピリジン、4−ピロリジノピリジン、N,N−ジメチルアニリン及びN,N−ジエチルアニリン等のアミン;メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール及び1−ブタノール等のアルコール;アセトニトリル及びベンゾニトリル等のニトリル;ジメチルスルホキシド及びスルホラン等のスルホキシド;並びに水が含まれる。これらの溶媒のうち、アセトニトリル及び水が好ましい。
反応は、酸又は塩基等の試薬の存在下で実施される。使用される酸又は塩基の性質に関して、同様に具体的な制限はなく、この種の反応において普遍的に使用される何れの酸又は塩基も、本発明において等しく使用され得る。
このような酸の例には、酢酸及びプロピオン酸等のカルボン酸;塩酸及び硫酸等の無機酸;p−トルエンスルホン酸及びトリフルオロ酢酸等の有機酸;並びにBF3、AlCl3、FeCl3、AgCl、ZnI2、Fe(NO33、CF3SO3Si(CH33、Yb(CF3SO33及びSnCl4等のルイス酸が含まれる。これらのうち、酢酸が好ましい。
このような塩基の例には、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、水酸化カリウム及び酢酸セシウム等の酢酸アルカリ金属;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド及びカリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウム等の炭酸水素アルカリ金属;並びにN−メチルモリホリン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルピペリジン、ピリジン、4−ピロリジノピリジン、ピコリン、4−(N,N−ジメチルアミン)ピリジン、2,6−ジ(t−ブチル)−4−メチルピリジン、キノリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、DBN、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、イミダゾール及びDBU等のアミンが含まれる。これらのうち、酢酸ナトリウムが好ましい。
反応は、広範な温度にわたって実施することが可能であり、正確な反応温度は、本発明に対して重大ではない。好ましい反応温度は、溶媒の性質及び出発物質等の因子に依存するであろう。しかしながら、一般的に、約0℃〜約250℃の温度で反応を実施することが好都合である。反応に関する所要時間も、多くの因子、とりわけ反応時間並びに使用される出発物質及び溶媒の性質に依存して広範に変動し得る。しかしながら、反応が、上述に概略される好ましい条件下で実施されると、約5分〜約72時間の時間が通常、十分であろう。
工程A2及び工程A3の順序は、置き換えることが可能である。例えば、式(IV)の化合物において、3位がヒドロキシメチルで置換される化合物(ここで、前記化合物を化合物(IVa)と命名する)は、工程A3において記載されるように、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、又は1,3,5−トリオキサンで式(IV)の化合物をヒドロキシメチル化することによって製造され、次に、式(I)の化合物は、工程A2において記載されるように、化合物(IVa)を式(V)の化合物と反応させることによって製造される。
方法B
これは、式(Ia)の化合物の製造を示す。
反応式B
Figure 2009530262
反応式Bにおいて、Halは、ハロゲン原子であり、以下同様である。
工程B1
本工程において、式(VIII)の化合物は、式(VII)の化合物のハロゲン化によって製造され、式(VII)の化合物は、市販されているか又は、米国特許第2199839号に記載されている方法によって製造され得る。
反応は、溶媒の存在下で正常に及び好ましく生じる。採用されるべき溶媒の性質に関して具体的な制限はないが、但し、前記溶媒は、関与する反応又は試薬に負の効果を有さず、試薬を少なくともある程度まで溶解できる。適切な溶媒の例には、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素及び1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル及びジオキサン等のエーテル;ベンゼン、トルエン及びニトロベンゼン等の芳香族炭化水素;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド及びヘキサメチレンリン酸トリアミド等のアミド;アセトニトリル及びベンゾニトリル等のニトリル;並びに酢酸等のカルボン酸;又はそれらの混合溶媒が含まれる。これらのうち、シクロペンチルメチルエーテルが好ましい。
反応は、ハロゲン化剤の存在下で実施される。使用されるハロゲン化剤の性質に関して、同様に具体的な制限はなく、この種の反応において普遍的に使用される何れのハロゲン化剤も、本発明において等しく使用され得る。このようなハロゲン化剤の例には、塩素、臭素、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド(NBS)、三臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム及び1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインが含まれる。これらのうち、N−ブロモスクシンイミドが好ましい。
反応は、広範な温度にわたって実施することが可能であり、正確な反応温度は、本発明に対して重大ではない。好ましい反応温度は、溶媒の性質及び出発物質等の因子に依存するであろう。しかしながら、一般的に、約0℃〜約80℃の温度で反応を実施することが簡便である。反応に関する所要時間も、多くの因子、とりわけ反応温度並びに採用される出発物質及び溶媒の性質に依存して広範に変動し得る。しかしながら、反応が、上述に概略される好ましい条件下で実施されると、約10分〜約8時間の時間が通常、十分であろう。
工程B2
本工程において、式(X)の化合物は、式(VIII)の化合物及び市販の式(IX)の化合物の環化によって製造される。
反応は、溶媒の存在下又は不存在下で正常に及び好ましく生じる。採用されるべき溶媒の性質に関して具体的な制限はないが、但し、前記溶媒は、関与する反応又は試薬に負の効果を有さず、試薬を少なくともある程度まで溶解できる。適切な溶媒の例には、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素及び1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン及びジオキサン等のエーテル;ベンゼン、トルエン及びニトロベンゼン等の芳香族炭化水素;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド及びヘキサメチレンリン酸トリアミド等のアミド;アセトン及び2−ブタノン等のケトン;メタノール及びエタノール等のアルコール;酢酸等のカルボン酸;並びにアセトニトリル及びプロピオニトリル等のニトリル;又はそれらの混合溶媒が含まれる。これらのうち、プロピオニトリルが好ましい。
反応は、酸又は塩基等の試薬の存在下又は不存在下で実施され得る。使用される酸又は塩基の性質に関して、同様に具体的な制限はなく、この種の反応において普遍的に使用される何れの酸又は塩基も、本発明において等しく使用され得る。このような酸の例には、塩酸、硫酸、臭化水素酸及びp−トルエンスルホン酸等の酸が含まれる。これらのうち、p−トルエンスルホン酸又は、酸の不存在が好ましい。このような塩基の例には、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウム等の炭酸水素アルカリ金属;炭酸ナトリウム及び炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属;トリエチルアミン及びジイソプロピルエチルアミン等のアミンが含まれる。これらのうち、ジイソプロピルエチルアミン又は、塩基の不存在が好ましい。
反応は、広範な温度にわたって実施することが可能であり、正確な反応温度は、本発明に対して重大ではない。好ましい反応温度は、溶媒の性質及び出発物質等の因子に依存するであろう。しかしながら、一般的に、約20℃〜約150℃の温度で反応を実施することが簡便である。反応に関する所要時間も、多くの因子、とりわけ反応温度並びに採用される出発物質及び溶媒の性質に依存して広範に変動し得る。しかしながら、反応が、上述に概略される好ましい条件下で生じると定められると、約3〜約120時間の時間が通常、十分であろう。
工程B3
本工程において、式(IV)の化合物は、式(X)の化合物を、市販され得るか又は以下の方法Cにおいて記載される方法によって製造され得る式(XI)の化合物と交差結合させることによって製造される。反応は「J.Am.Chem.Soc.,1996,118,7215」の記載と同様の条件で行われる。
反応は、溶媒の存在下又は不存在下で生じる。典型的な溶媒は、ベンゼン及びトルエン等の芳香族炭化水素である。
反応は、塩基の存在下で実施される。典型的な塩基は、上述に示される文献中に記載されているナトリウムt−ブトキシドである。
反応は、触媒の存在下で実施される。触媒は、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(Pd2(dba)3)等のパラジウム源と、トリ(o−トリル)ホスフィン、1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジイルビス(ジフェニルホスフィン)(BINAP)及び1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(DPPF)等のリガンドとからなる。これらのうち、上述に示される文献によると、Pd2(dba)3とBINAPとの組み合わせが好ましい。
反応は、80℃〜100℃の範囲で典型的に起こる。反応に関する所要時間は、反応温度並びに採用される出発物質及び触媒の性質に依存して広範に変動し得る。しかしながら、反応が、上述に概略される好ましい条件下で実施されると、約1〜約22時間の時間が通常、十分であろう。
工程B4
本工程において、式(VI)の化合物は、式(V)の化合物による濃縮反応後に又は、式(IV)の化合物を式(V)の化合物と置換する反応後に製造される式(IV)の化合物の加水分解によって製造される。反応は、方法Aの工程A2に記載されているのと同一の条件下で実施され得る。
工程B5
本工程において、式(Ia)の所望の化合物は、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド又は1,3,5−トリオキサンを使用する、工程B2に記載されるとおり製造された式(VI)の化合物のヒドロキシメチル化によって製造される。反応は、方法Aの工程A3に記載されているのと同一の条件下で実施され得る。
工程B4及び工程B5の順序は、置き換えることが可能である。例えば、式(IV)の化合物において、3位がヒドロキシメチルで置換される化合物(ここで、前記化合物を化合物(IVa)と命名する)は、方法Aの工程A3において記載されるように、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、又は1,3,5−トリオキサンで式(IV)の化合物をヒドロキシメチル化することによって製造され、次に、式(Ia)の化合物は、方法Aの工程A2において記載されるように、化合物(IVa)を式(V)の化合物と反応させることによって製造される。
1がOH以外である式(Ib)の化合物は、H.Bundgaardによる「Design of Prodrugs」(Elsevier,1985)等に記された、当業者に公知の従来法によって製造され得る。
方法C
これは、AがCH2である式(XIa)の化合物の製造を示している。
反応式C
Figure 2009530262
反応式Cにおいて、R5a、R6a及びR7aは、水素原子、C1−C3アルキル基又はフッ素原子であり、R8aは、水素原子又はフッ素原子である。
工程C1
本工程において、式(XIV)の化合物は、市販の式(XII)の化合物を、市販の式(XIII)の化合物と付加反応させることによって製造される。
反応は、溶媒の存在下で普通にまた好ましく実施される。採用されるべき溶媒の性質に関して具体的な制限はないが、但し、前記溶媒は、関与する反応又は試薬に負の効果を有さず、試薬を少なくともある程度まで溶解できる。適切な溶媒の例には、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素及び1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン及びジオキサン等のエーテル;ベンゼン、トルエン及びニトロベンゼン等の芳香族炭化水素;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド及びヘキサメチルリン酸トリアミド等のアミド;N−メチルモリホリン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルピペリジン、ピリジン、4−ピロリジノピリジン、N,N−ジメチルアニリン及びN,N−ジエチルアニリン等のアミン;メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール及びブタノール等のアルコール;アセトニトリル及びベンゾニトリル等のニトリル;ジメチルスルホキシド及びスルホラン等のスルホキシド;並びにアセトン及びジエチルケトン等のケトンが含まれる。これらの溶媒のうち、アセトニトリル及びテトラヒドロフランが好ましい。
反応は、塩基の存在下で実施される。使用される塩基の性質に関して、同様に具体的な制限はなく、この種の反応において普遍的に使用される何れの塩基も、本発明において等しく使用され得る。このような塩基の例には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属;水素化リチウム、水素化ナトリウム及び水素化カリウム等の水素化アルカリ金属;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド及びカリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム及び炭酸水素カリウム等の炭酸水素アルカリ金属;N−メチルモリホリン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルピペリジン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン及びDBU等のアミン;並びにフッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム(TBAF)等のフッ化テトラアルキルアンモニウムが含まれる。これらのうち、TBAFが好ましい。
反応は、広範な温度にわたって実施することが可能であり、正確な反応温度は、本発明に対して重大ではない。好ましい反応温度は、溶媒の性質及び出発物質等の因子に依存するであろう。しかしながら、一般的に、約0℃〜約100℃の温度で反応を実施することが好都合である。反応に関する所要時間も、多くの因子、とりわけ反応温度並びに採用される出発物質及び溶媒の性質に依存して広範に変動し得る。しかしながら、反応が、上述に概略される好ましい条件下で生じると定められると、約5分〜約72時間の時間が通常、十分であろう。
工程C2
本工程において、式(XV)の化合物は、式(XIV)の化合物の水素化によって製造される。
反応は、溶媒の存在下で正常に及び好ましく生じる。採用されるべき溶媒の性質に関して具体的な制限はないが、但し、前記溶媒は、関与する反応又は試薬に負の効果を有さず、試薬を少なくともある程度まで溶解できる。適切な溶媒の例には、トルエン等の炭化水素、メタノール及びエタノール等のアルコール、並びに酢酸等のカルボン酸が含まれる。これらの溶媒のうち、アルコール及びカルボン酸が好ましい。
反応は、水素大気下及び触媒の存在下で実施される。使用される触媒の性質に関して、同様に具体的な制限はなく、この種の反応において普遍的に使用される何れの触媒も、本発明において等しく使用され得る。このような触媒の例には、パラジウム炭素、白金及びラネーニッケルが含まれる。これらの触媒のうち、パラジウム炭素が好ましい。
(反応式Cにおける置換基「Hal」の)水素化脱ハロゲン化(hydrodehalogenation)は、重大な問題であり、反応は、採用される触媒の活性を低下させる添加物の存在下で実施され得る。前記添加物は、触媒に対してある程度毒性効果を示すことが公知の物質から選択される。このような添加物の例には、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム及び臭化ナトリウム等のハロゲン化イオン源、並びにジメチルスルホキシド等のスルホキシドが含まれる。これらのうち、臭化ナトリウムが好ましい。
反応は、広範な圧力の下で実施することが可能であり、正確な圧力は、本発明に対して重大ではない。好ましい圧力は、出発物質の性質及び溶媒等の因子に依存するであろう。しかしながら、一般的に、1〜約10気圧の圧力で反応を実施することが簡便である。反応は、広範な温度にわたって実施することが可能であり、正確な反応温度は、本発明に対して重大ではない。好ましい反応温度は、溶媒及び出発物質の性質等の因子に依存するであろう。しかしながら、一般的に、約0℃〜約50℃の温度で反応を実施することが簡便である。反応に関する所要時間も、多くの因子、とりわけ水素の圧力、反応温度並びに採用される出発物質及び溶媒の性質に依存して広範に変動し得る。しかしながら、反応が、上述に概略される好ましい条件下で実施されると、約30分〜約12時間の時間が通常、十分であろう。
工程C3
本工程において、式(XVI)の化合物は、式(XV)の化合物の環化によって製造される。
反応は、溶媒及び試薬として機能する酸の存在下で普通にまた好ましく実施される。採用されるべき酸の性質に関して具体的な制限はないが、但し、前記酸は、反応に負の効果を有さず、基質を少なくともある程度まで溶解できる。適切な酸の例には、硫酸及びトリフルオロメタンスルホン酸が含まれる。これらのうち、トリフルオロメタンスルホン酸が好ましい。
反応は、広範な温度にわたって実施することが可能であり、正確な反応温度は、本発明に対して重大ではない。好ましい反応温度は、溶媒の性質及び出発物質等の因子に依存するであろう。しかしながら、一般的に、約0℃〜約150℃の温度で反応を実施することが好都合である。反応に関する所要時間も、多くの因子、とりわけ反応温度並びに採用される出発物質及び溶媒の性質に依存して広範に変動し得る。しかしながら、反応が、上述に概略される好ましい条件下で実施されると、約30分〜約5時間の時間が通常、十分であろう。
工程C4
本工程において、式(XVIII)の化合物は、式(XVI)の化合物を市販の式(XVII)の化合物で還元的にアミノ化することによって製造される。式(XVII)の光学的に活性のある化合物を使用する場合、結果として生じる式(XVIII)の化合物は、光学的に活性のある化合物として得られ得る。
反応は、溶媒の存在下で普通にまた好ましく生じる。採用されるべき溶媒の性質に関して具体的な制限はないが、但し、前記溶媒は、関与する反応又は試薬に負の効果を有さず、試薬を少なくともある程度まで溶解できる。適切な溶媒の例には、ジクロロメタン及び1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン及びジオキサン等のエーテル;ベンゼン及びトルエン等の芳香族炭化水素;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド及びヘキサメチルリン酸トリアミド等のアミド;N−メチルモリホリン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N−メチルピペリジン、ピリジン、4−ピロリジノピリジン、N,N−ジメチルアニリン及びN,N−ジエチルアニリン等のアミン;並びにメタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール及びブタノール等のアルコールが含まれる。これらの溶媒のうち、テトラヒドロフランが好ましい。
反応は、脱水剤の存在下又は不存在下で実施される。使用される脱水剤の性質に関して、同様に具体的な制限はなく、この種の反応において普遍的に使用される何れの脱水剤も、本発明において等しく使用され得る。このような脱水剤の例には、チタン(IV)イソプロポキシド、硫酸マグネシウム及び分子篩が含まれる。これらのうち、チタン(IV)イソプロポキシドが好ましい。
反応は、還元剤の存在下で実施される。使用される還元剤の性質に関して、同様に具体的な制限はなく、この種の反応において普遍的に使用される何れの還元剤も、本発明において等しく使用され得る。このような還元剤の例には、水素化ホウ素ナトリウム及び水素化シアノホウ素ナトリウム等の水素化ホウ素金属;水素ガス及びギ酸アンモニウム等の水素供給源の組み合わせ;パラジウム炭素、白金及びラネーニッケル等の触媒;亜鉛及び鉄等の金属の組み合わせ;塩酸、酢酸及び酢酸−塩化アンモニウム複合体等の酸;水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウム及び水素化ジイソブチルアルミニウム等の水素化化合物;並びにホウ素−テトラヒドロフラン複合体、ホウ素−硫化ジメチル複合体(BMS)及び9−ボラビシクロ[3,3,1]ノナン(9−BBN)等のボラン試薬が含まれる。これらのうち、水素化ホウ素ナトリウムが好ましい。
反応は、広範な温度にわたって実施することが可能であり、正確な反応温度は、本発明に対して重大ではない。好ましい反応温度は、溶媒の性質及び出発物質等の因子に依存するであろう。しかしながら、一般的に、約−40℃〜約20℃の温度で反応を実施することが好都合である。反応に関する所要時間も、多くの因子、とりわけ反応温度並びに採用される出発物質及び溶媒の性質に依存して広範に変動し得る。しかしながら、反応が、上述に概略される好ましい条件下で実施されると、約30分〜約24時間の時間が通常、十分であろう。
工程C5
本工程において、式(XIa)の化合物は、式(XVIII)の化合物の水素化分解によって製造される。
反応は、溶媒の存在下で普通にまた好ましく実施される。採用されるべき溶媒の性質に関して具体的な制限はないが、但し、前記溶媒は、関与する反応又は触媒に負の効果を有さず、試薬を少なくともある程度まで溶解できる。適切な溶媒の例には、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン及びジオキサン等のエーテル;ベンゼン及びトルエン等の芳香族炭化水素;メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール及びブタノール等のアルコール;並びに酢酸等のカルボン酸;又はそれらの混合溶媒が含まれる。これらのうち、メタノールが好ましい。
反応は、水素供給源及び触媒の存在下で実施される。使用される水素供給源及び触媒の性質に関して、同様に具体的な制限はなく、この種の反応において普遍的に使用される何れの水素供給源及び触媒も、本発明において等しく使用され得る。このような水素供給源の例には、水素ガス及びギ酸アンモニウムが含まれる。これらのうち、水素ガスが好ましい。このような触媒の例には、パラジウム炭素、水酸化パラジウム及び塩化パラジウムが含まれる。これらの触媒のうち、パラジウム炭素が好ましい。
反応は、広範な圧力の下で実施することが可能であり、正確な圧力は、本発明に対して重大ではない。好ましい圧力は、出発物質の性質及び溶媒等の因子に依存するであろう。しかしながら、一般的に、1〜約10気圧の圧力で反応を実施することが簡便である。反応は、広範な温度にわたって実施することが可能であり、正確な反応温度は、本発明に対して重大ではない。好ましい反応温度は、溶媒及び出発物質の性質等の因子に依存するであろう。しかしながら、一般的に、約20℃〜約100℃の温度で反応を実施することが簡便である。反応に関する所要時間も、多くの因子、とりわけ水素の圧力、反応温度並びに採用される出発物質及び溶媒の性質に依存して広範に変動し得る。しかしながら、反応が、上述に概略される好ましい条件下で実施されると、約30分〜約12時間の時間が通常、十分であろう。
個々の鏡像体の製造/単離は、方法Cに従って製造され得る光学的に純粋な適切な前駆体からのキラル合成又は、例えばキラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用するラセミ化合物(又は塩若しくは誘導体のラセミ化合物)の分割等の従来技術によって製造可能である。
あるいは、ラセミ化合物(又はラセミ化合物前駆体)の光学的分割方法は、従来の方法、例えば優先的結晶化又は、式(I)の化合物の塩基性部分と酒石酸等の光学的に活性のある適切な酸との間のジアステレオマー塩の分割から適切に選択可能である。
式(I)の化合物及び、上述の製造方法における中間体は、蒸留、再結晶化又はクロマトグラフィー精製等の従来の方法によって単離及び精製可能である。
医薬的使用のために企図された本発明の化合物は、結晶性産物又は無定形産物として投与され得る。前記化合物は、例えば、沈殿、結晶化、凍結乾燥、スプレー乾燥又は蒸発乾燥等の方法によって、固体プラグ、粉末又はフィルムとして得られ得る。マイクロ波乾燥又は高周波乾燥は、本目的のために使用され得る。
前記化合物は、単独で、又は本発明の1つ若しくはそれ以上の他の化合物との組み合わせで、又は1つ若しくはそれ以上の他の薬物との組み合わせで(又はそれらの何れかの組み合わせとして)投与され得る。一般的に、前記化合物は、医薬組成物又は、1つ若しくはそれ以上の医薬的に許容される担体若しくは賦形剤と関連した製剤として投与されるであろう。本明細書において「担体」又は「賦形剤」という語は、本発明の化合物以外の何れの成分も示すよう使用される。担体又は賦形剤の選択は、投与の具体的な様式、溶解度及び安定性に及ぼす賦形剤の効果、並びに剤形の性質等の因子に大幅に依存するであろう。
本発明の化合物の送達に適した医薬組成物及び前記組成物の製造のための方法は、当業者に容易に明白であろう。このような組成物及び前記組成物の製造のための方法は、例えば、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」第19版(Mack Publishing Company,1995)において見出され得る。
経口投与
本発明の化合物は、経口的に投与され得る。経口投与は、嚥下に関係し得、それにより、化合物は、胃腸管に進入するか、又は前記化合物が口から直接血流に進入する口腔内投与若しくは舌下投与が採用され得る。
経口投与に適した製剤には、例えば、錠剤、粒子、液体、又は粉末を含有するカプセル、(液体を充填したものを含む)トローチ剤、咀嚼剤(chew)、マルチ及びナノ微粒子、ゲル、固溶体、リポソーム、(粘膜付着性物質を含む)フィルム、小卵形剤、スプレー等の固体製剤及び液体製剤が含まれる。
液体製剤には例えば、懸濁剤、液剤、シロップ剤及びエリキシル剤が含まれる。このような製剤は、軟質又は硬質のカプセル中で充填剤として採用され得、典型的には担体、例えば水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース、又は適切な油と、1つ又はそれ以上の乳化剤及び/又は懸濁剤とを含む。液体製剤も、例えばサシェから固体を再構成することによって製造され得る。
本発明の化合物は、Liang及びChen(2001)によってExpert Opinion in Therapeutic Patents,11(6),981−986に記載されるものなどの、迅速に溶解し、迅速に崩壊する剤形においても使用され得る。
錠剤剤形に関して、用量に依存して、薬物は、剤形の約1〜約80質量%を構成し、より典型的には剤形の約5〜約60質量%を構成する。薬物に加え、錠剤は一般的に、崩壊剤を含有する。崩壊剤の例には、グリコール酸ナトリウムデンプン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶性セルロース、低級アルキルにより置換されたヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、アルファ化デンプン及びアルギン酸ナトリウムが含まれる。一般的に、崩壊剤は、剤形の約1〜約25質量%、好ましくは約5〜約20質量%を含むであろう。
結合剤は一般的に、錠剤製剤に対して粘着性の性質を付与するために使用される。適切な結合剤には、微結晶性セルロース、ゼラチン、糖、ポリエチレングリコール、天然及び合成ガム、ポリビニルピロリドン、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース並びにヒドロキシプロピルメチルセルロースが含まれる。錠剤は、乳糖(一水和物、スプレー乾燥した一水和物、無水物等)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、ショ糖、ソルビトール、微結晶性セルロース、デンプン及びリン酸水素カルシウム二水和物等の希釈剤も含有し得る。
錠剤は場合により、ラウリル硫酸ナトリウム及びポリソルベート80等の界面活性剤、並びに二酸化シリコン及び滑石等の流動促進剤も含み得る。存在する場合、界面活性剤は、錠剤の約0.2〜約5質量%を含み得、流動促進剤は、錠剤の約0.2〜約1質量%を含み得る。
錠剤は一般的に、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリルフマル酸ナトリウム、及びステアリン酸マグネシウムのラウリル硫酸ナトリウムとの混合物等の滑沢剤も含有する。滑沢剤は一般的に、錠剤の約0.25〜約10質量%、好ましくは約0.5〜約3質量%を含む。
可能性のある他の製剤には、抗酸化剤、着色料、香料、保存料及び味覚遮蔽剤が含まれる。
典型的な錠剤は、約80%までの薬物、約10〜約90質量%の結合剤、約0〜約85質量%の希釈剤、約2〜約10質量%の崩壊剤、及び約0.25〜約10質量%の滑沢剤を含有する。
錠剤配合物は、直接又はローラーによって圧縮され、錠剤を形成し得る。錠剤配合物又は配合物の部分は、代わりに、湿式顆粒化、乾式顆粒化、又は融解顆粒化されるか、融解凝結するか、又は押し出し成形された後、錠剤化され得る。最終的な製剤は、1つ又はそれ以上の層を含み得、コーティングされ得ていてもよいしコーティングされていなくともよく、また、カプセル化されていてもよい。
錠剤の製剤化は、H.Lieberman及びL.Lachman,Marcel Dekker,N.Y.,N.Y.,1980による「Pharmaceutical Dosage Forms; Tablets,Vol.1」(ISBN 0−8247−6918−X)の中で論議されている。
経口投与のための固体製剤は、即時及び/又は改変された放出であるよう製剤され得る。改変された放出製剤には、遅延された、持続された、パルス化された、調節された、標的化された及びプログラムされた放出が含まれる。
本発明の目的のための適切な改変された放出製剤は、米国特許第6,106,864号に記載されている。高エネルギー分散並びに浸透圧性粒子及びコーティングされた粒子等の他の適切な放出技術に関する詳細は、Vermaら,Pharmaceutical Technology On−line,25(2),1−14(2001)において見出されるべきである。徐放を達成するためのチューインガムの使用は、国際公開第00/35298号に記載されている。
非経口投与
本発明の化合物はまた、血流、筋肉、又は内臓中に直接投与され得る。非経口投与のための適切な手段には、静脈内、動脈内、腹腔内、くも膜下腔内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内及び皮下が含まれる。非経口投与のための適切なデバイスには、(マイクロニードルを含む)針、注射器、針なし注射器及び注入技術が含まれる。
非経口製剤は典型的に、塩、炭水化物及び緩衝剤(好ましくは約3〜約9のpH)等の賦形剤を含有し得る水溶液であるが、幾つかの適用に関して、前記製剤は、滅菌済み非水溶液として又は、滅菌済みで発熱物質を含まない水等の適切な媒体と共に使用される乾燥した形態としてより適切に製剤され得る。
例えば、凍結乾燥による滅菌条件下での非経口製剤の製造は、当業者に周知の標準的な製薬技術を使用して容易に達成され得る。
非経口溶液の製造において使用される式(I)の化合物の溶解度は、溶解度亢進剤の組み込み等の適切な製剤技術の使用によって亢進し得る。
経口投与のための製剤は、即時及び/又は改変された放出であるよう製剤され得る。改変された放出製剤には、遅延された、持続された、パルス化された、制御された、標的化された及びプログラムされた放出が含まれる。従って、本発明の化合物は、活性化合物の改変された放出を提供する植込デポ製剤として投与するための固形剤、半固形剤、又は揺変性液体として製剤され得る。このような製剤の例には、薬物コーティングされたステント及びPGLAマイクロスフェアが含まれる。
局所投与
本発明の化合物はまた、皮膚又は粘膜へ局所的、すなわち皮膚にまたは経皮的に投与され得る。本目的のための典型的な製剤には、ゲル、ハイドロゲル、ローション、溶液、クリーム、軟膏、散布剤、包帯材、気泡、フィルム、皮膚パッチ、ウェーハー、インプラント、スポンジ、繊維、絆創膏及びマイクロエマルジョンが含まれる。リポソームも使用され得る。典型的な担体には、アルコール、水、ミネラルオイル、液状ワセリン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコール及びプロピレングリコールが含まれる。浸透亢進剤が、組み込まれ得、例えば、Finnin及びMorganによるJ Pharm Sci,88(10),955−958(October 1999)を参照されたい。
局所投与の他の手段には、エレクトロフォレシス、イオントフォレシス、フォノフォレシス、ソノフォレシス(sonophoresis)及びマイクロニードル若しくは針なし(例えば、Powderject(登録商標)、Bioject(登録商標)等)注射が含まれる。
局所投与のための製剤は、即時及び/又は改変された放出であるよう製剤され得る。改変された放出製剤には、遅延された、持続された、パルス化された、制御された、標的化された及びプログラムされた放出が含まれる。
吸入/鼻腔内投与
本発明の化合物は、鼻腔内又は吸入によっても投与可能であり、典型的には、乾燥粉末吸入器から乾燥粉末の形態で(単独で、混合物として、例えば、乳糖との乾燥配合物中で、又は混合成分粒子として、例えばホスファチジルコリン等のリン脂質と混合しての何れかで)、又は加圧容器、ポンプ、スプレー、噴霧器(好ましくは、電気流体学を使用して細かい霧を生じる噴霧器)、又は噴霧吸入器からエアロゾルスプレーとして、1,1,1,2−テトラフルオロエタン又は1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン等の適切な噴射剤を使用して又は使用せずに投与可能である。鼻腔内での使用については、粉末は、生物接着剤、例えばキトサン又はシクロデキストリンを含み得る。
加圧容器、ポンプ、スプレー、噴霧器、又は噴霧吸入器は、例えばエタノール、水性エタノール又は、活性成分を分散し、可溶化し、又は活性成分の放出を延長させるための適切な代替剤、溶媒としての噴射剤及び、ソルビタントリオレアート、オレイン酸又はオリゴ乳酸等の任意の界面活性剤を含む、本発明の化合物の溶液又は懸濁液を含有する。
乾燥粉末又は懸濁液製剤中での使用の前に、薬物製品は、吸入による送達に適した大きさに微小化される(典型的には5ミクロン未満)。これは、螺旋ジェット微粉砕、流動層微粉砕、ナノ粒子を形成するための超臨界流体加工、高圧均質化、又はスプレー乾燥等の何れかの適切な粉砕方法によって達成され得る。
吸入器または注入器中で使用するための(例えば、ゼラチン又はHPMCでできた)カプセル、ブリスター及びカートリッジは、本発明の化合物の粉末混合物、乳糖又はデンプン等の適切な粉末基剤及びL−ロイシン、マンニトール、又はステアリン酸マグネシウム等の性能改変剤を含有するよう製剤され得る。乳糖は、無水物又は一水和物の形態であり得、好ましくは後者である。他の適切な賦形剤には、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、果糖、ショ糖及びトレハロースが含まれる。
電気流体学を使用して細かいミストを生じる噴霧器において使用するのに適した溶液製剤は、1回の作動あたり本発明の化合物約1μg〜約20mgを含有し得、作動容積は、約1〜約100μLで変動し得る。典型的な製剤は、式(I)の化合物、プロピレングリコール、滅菌水、エタノール及び塩化ナトリウムを含み得る。プロピレングリコールの代わりに使用され得る代替的な溶媒には、グリセロール及びポリエチレングリコールが含まれる。
メントール及びレボメントール等の適切な香料、又はサッカリン若しくはサッカリンナトリウム等の甘味料は、吸入/鼻腔内投与向けに企図された本発明の前記製剤へ添加され得る。吸入/鼻腔内投与のための製剤は、例えば、ポリ(DL−乳酸−グリコール酸共重合体)(PGLA)を使用して、即時放出及び/又は改変された放出であるよう製剤され得る。改変された放出製剤には、遅延された、持続された、パルス化された、制御された、標的化された及びプログラムされた放出が含まれる。
乾燥粉末吸入器及びエアロゾルの場合、薬用量単位は、秤量された量を送達するバルブによって決定される。本発明に従った単位は、典型的には、式(I)の化合物約1〜約100μgを含有する秤量された用量又は「パフ」を投与するよう準備される。総1日量は典型的には、単一用量で、又はより通常には1日を通じて分割された用量として投与され得る約50μg〜約20mgの範囲であろう。
直腸/膣内投与
本発明の化合物は、坐薬、ペッサリー又は浣腸の形態で、直腸又は膣に投与され得る。カカオバターは、伝統的な坐薬基剤であるが、多様な代替物が、適宜使用され得る。
直腸/膣投与のための製剤は、即時及び/又は改変された放出であるよう製剤され得る。改変された放出製剤には、遅延された、持続された、パルス化された、制御された、標的化された及びプログラムされた放出が含まれる。
他の技術
本発明の化合物は、上述の投与様式の何れかにおいて使用するために、前記化合物の溶解度、溶解速度、味覚遮蔽、生物学的利用率及び/又は安定性を改善するために、シクロデキストリン及び適切なその誘導体又はポリエチレングリコール含有ポリマー等の可溶性巨大分子実体と組み合わせ得る。
例えば、薬物−シクロデキストリン複合体は、たいていの剤形及び投与経路に一般的に有用であることが発見されている。包接及び非包接の両者の複合体が使用され得る。薬物との直接的な複合体形成に対する代替物として、シクロデキストリンが、補助添加剤として、すなわち担体、希釈剤又は可溶化剤として使用され得る。これらの目的に最も普遍的に使用されるのは、α−、β−及びγ−シクロデキストリンであり、それらの例は、国際公開第91/11172号、国際公開第94/02518号及び国際公開第98/55148号において見出され得る。
キットの内容
特定の疾病又は状態を治療する目的のために、活性化合物の組み合わせを投与することが望ましくあり得るため、その少なくとも1つが、本発明に従った化合物を含有する、2つ又はそれ以上の医薬組成物を、組成物の同時投与に適したキットの形態で好都合に組み合わせることは本発明の範囲内である。
従って、本発明のキットは、2つ又はそれ以上の個別の医薬組成物を含み、そのうちの少なくとも1つは、本発明に従った式(I)の化合物と、該組成物を個別に保持するための容器、分割瓶、又は分割ホイルパケット等の手段とを含有する。このようなキットの一例は、錠剤、カプセル等の包装に使用されるおなじみのブリスターパックである。
本発明のキットは、異なる剤形、例えば、経口及び非経口剤形を投与するために、異なる投与間隔で個別の組成物を投与するために、又は個別の組成物を互いに対して用量設定するために特に適している。服薬遵守を助けるため、キットは典型的に、投与のための使用法を含み、いわゆる記憶補助手段を備えていてよい。
薬用量
ヒトの患者への投与に関し、本発明の化合物の1日量の合計は典型的に、もちろん投与の様式に依存して、約0.05〜約500mgの範囲、好ましくは約0.1〜約400mgの範囲、より好ましくは約0.5〜約300mgの範囲である。例えば、経口投与では、合計約1〜約300mgの総1日量を必要とするのに対し、静脈内投与では、約0.5〜約100mgを必要とするにすぎない。1日量の合計は、単回又は分割された用量で投与され得る。
これらの薬用量は、体重約65〜約70kgの平均的なヒトを対象に基づいている。医師は、体重がこの範囲を外れる幼児及び高齢者等の対象向けの用量を決定することが容易に可能であろう。
組み合わせ
上述に論議されるように、本発明の化合物は、酸ポンプ阻害活性を呈する。本発明の酸ポンプアンタゴニストは、特に胃食道逆流症の治療において、薬理学的に活性のある別の化合物と、又は薬理学的に活性のある2つ若しくはそれ以上の他の化合物と有用に組み合わせられ得る。例えば、酸ポンプアンタゴニスト、特に上述に定義されるような式(I)の化合物又は医薬的に許容されるその塩は、以下から選択される1つ又はそれ以上の薬剤との組み合わせで、同時に、連続して又は別個に投与され得る。
(i)ヒスタミンH2受容体アンタゴニスト、例えば、ラニチジン、ラフチジン、ニザチジン、シメチジン、ファモチジン及びロキサチジン
(ii)プロトンポンプ阻害剤、例えば、オメプラゾール、エソメプラゾール、パントプラゾール、ラベプラゾール、テナトプラゾール、イラプラゾール及びランソプラゾール
(iii)経口制酸薬混合物、例えば、Maalox(登録商標)、Aludrox(登録商標)及びGaviscon(登録商標)
(iv)粘膜保護剤、例えば、ポラプレジンク、エクベットナトリウム、レバミピド、テプレノン、セトラキサート、スクラルファート、クロロピリン銅及びプラウノトール
(v)抗胃酸剤、例えば、抗ガストリンワクチン、イトリグルミド及びZ−360
(vi)5−HT3アンタゴニスト、例えば、ドラセトロン、パロノセトロン、アロセトロン、アザセトロン、ラモセトロン、ミトラザピン、グラニセトロン、トロピセトロン、E−3620、オンダンセトロン及びインジセトロン
(vii)5−HT4アンタゴニスト、例えば、テガセロド、モサプリド、シニタプリド及びオクストリプタン
(viii)緩下剤、例えば、Trifyba(登録商標)、Fybogel(登録商標)、Konsyl(登録商標)、Isogel(登録商標)、Regulan(登録商標)、Celevac(登録商標)及びNormacol(登録商標)
(ix)GABABアゴニスト、例えば、バクロフェン及びAZD−3355
(x)GABABアンタゴニスト、例えば、GAS−360及びSGS−742
(xi)カルシウムチャネル遮断薬、例えば、アラニジピン、ラシジピン、ファロジピン、アゼルニジピン、クリニジピン、ロメリジン、ジルチアゼム、ガロパミル、エフォニジピン、ニソルジピン、アムロジピン、レルカニジピン、ベバントロール、ニカルジピン、イスラジピン、ベニジピン、ベラパミル、ニトレンジピン、バルニジピン、プロパフェノン、マニジピン、ベプリジル、ニフェジピン、ニルバジピン、ニモジピン及びファスジル
(xii)ドーパミンアンタゴニスト、例えば、メトクロプラミド、ドンペリドン及びレボスルピリド
(xiii)タキキニン(NK)アンタゴニスト、特に、NK−3、NK−2及びNK−1アンタゴニスト、例えば、ネパデュタント、サレデュタント、タルネタント、(αR,9R)−7−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−8,9,10,11−テトラヒドロ−9−メチル−5−(4−メチルフェニル)−7H−[1,4]ジアゾシノ[2,1−g][1,7]ナフチリジン(naphthridine)−6−13−ジオン(TAK−637)、5−[[(2R,3S)−2−[(1R)−1−[3,5−ビ
ス(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ−3−(4−フルオロフェニル)−4−モリホリニル]メチル]−1,2−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾール−3−オン(MK−869)、ラネピタント、ダピタント及び3−[[2−メトキシ−5−(トリフルオロメトキシ)フェニル]メチルアミノ]−2−フェニル−ピペリジン(2S,3S)
(xiv)ヘリコバクターピロリ感染症薬、例えば、クラリスロマイシン、ロキシスロマイシン、ロキタマイシン、フルリスロマイシン、テリスロマイシン、アモキシシリン、アンピシリン、テモシリン、バカンピシリン、アスポキシシリン、スルタミシリン、ピペラシリン、レナンピシリン、テトラサイクリン、メトロニダゾール、クエン酸ビスマス及び次サリチル酸ビスマス
(xv)一酸化窒素合成酵素阻害剤、例えば、GW−274150、チラルギニン、P54、グアニジオエチルジスルフィド及びニトロフルルビプロフェン
(xvi)バニロイド受容体1アンタゴニスト、例えば、AMG−517及びGW−705498
(xvii)ムスカリン受容体アンタゴニスト、例えば、トロスピウム、ソリフェナシン、トルテロジン、チオトロピウム、シメトロピウム、オキシトロピウム、イプラトロピウム、チキジウム、ダリフェナシン及びイミダフェナシン
(xviii)カルモジュリンアンタゴニスト、例えば、スクアラミン及びDY−9760
(xix)カリウムチャネルアゴニスト、例えば、ピナシジル、チリソロール、ニコランジル、NS−8及びレチガビン
(xx)β1アゴニスト、例えば、ドブタミン、デノパミン、キサモテロール、デノパミン、ドカルパミン及びキサモテロール
(xxi)β2アゴニスト、例えばサルブタモール、テルブタリン、アルフォルモテロール、メルアドリン、マブテロール、リトドリン、フェノテロール、クレンブテロール、フォルモテロール、プロカテロール、ツロブテロール、ピルブテロール、バンブテロール、ツロブテロール、ドペキサミン及びレボサルブタモール
(xxii)βアゴニスト、例えば、イソプロテレノール及びテルブタリン
(xxiii)α2アゴニスト、例えば、クロニジン、メデトミジン、ロフェキシジン、モキソニジン、チザニジン、グアンファシン、グアナベンズ、タリペキソール及びデクスメデトミジン
(xxiv)エンドセリンAアンタゴニスト、例えば、ボンセタン、アトラセンタン、アンビリセンタン、クラゾセンタン、シタクスセンタン、ファンドセンタン及びダルセンタン
(xxv)オピオイドμアゴニスト、例えば、モルヒネ、フェンタニル及びロペラミド
(xxvi)オピオイドμアンタゴニスト、例えば、ナロキソン、ブプレノルフィン及びアルビモパン
(xxvii)モチリンアゴニスト、例えば、エリスロマイシン、ミテンシナール、SLV−305及びアチルモチン
(xxviii)グレリンアゴニスト、例えば、カプロモレリン及びTZP−101
(xxix)AchE放出刺激薬、例えば、Z−338及びKW−5092
(xxx)CCK−Bアンタゴニスト、例えば、イトリグルミド、YF−476及びS−0509
(xxxi)グルカゴンアンタゴニスト、例えば、NN−2501及びA−770077
(xxxii)ピペラシリン、レナンピシリン、テトラサイクリン、メトロニダゾール、クエン酸ビスマス及び次サリチル酸ビスマス
(xxxiii)グルカゴン様ペプチド1(GLP−1)アンタゴニスト、例えば、PNU−126814
(xxxiv)小コンダクタンスカルシウム活性化カリウムチャネル3(SK−3)アンタゴニスト、例えば、アパミン、デクアリニウム、アトラクリウム、パンクロニウム及びツボクラリン
(xxxv)mGluR5アンタゴニスト、例えば、ADX−10059及びAFQ−056
(xxxvi)5−HT3アゴニスト、例えば、プモセトラグ(DDP733)
(xxxvii)mGluR8アゴニスト、例えば、(S)−3,4−DCPG及びmGluR8−A
生物活性を評価するための方法
本発明の化合物の酸ポンプ阻害活性及び他の生物学的活性を、以下の方法によって決定した。記号は、それらの通常の意味を有する:mL(ミリリットル)、μL(マイクロリットル)、Kg(キログラム)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、μg(マイクログラム)、pmol(ピコモル濃度)、mmol(ミリモル濃度)、M(モル質量(m3/mol))、mM(ミリモル質量)、μM(マイクロモル質量)、quant.(定量的収率)、nm(ナノメートル)、min(分)、Cat#(カタログ番号)、mV(ミリボルト)、ms(ミリ秒)、i.p.(腹腔内)。
ブタの新鮮な胃からの胃小胞の調製
ぴったりと合ったポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))ホモジナイザーによる4℃で0.25Mショ糖中での均質化によって、ブタ胃H+/K+−ATPase阻害アッセイ用のブタ胃小胞を、ブタの新鮮な胃中の粘膜から調製した。20,000gで30分間遠心分離することで、粗ペレットを除去した。次に、100,000gで上清を30分間遠心分離した。結果として生じるペレットを0.25Mショ糖中に再懸濁した後、132,000gで90分間密度勾配遠心分離に供した。7%Ficoll(登録商標)PM400(Amersham Biosciences)を含有する0.25Mショ糖層上の界面から胃小胞を捕集した。本方法を低温室で実施した。
イオンの漏れやすいブタ胃H + /K + −ATPaseの阻害
Biochemical Pharmacology,1988,37,2231−2236に記載されている変法に従って、イオンの漏れやすいブタ胃H+/K+−ATPaseの阻害を測定した。
単離された小胞を凍結乾燥した後、用時まで超低温フリーザー中で保存した。酵素アッセイのため、40mMビス−トリス(37℃でpH6.4)を含有する3mM MgSO4を使用して、凍結乾燥した小胞を再構成した。
酵素反応は、試験化合物を有するか又は有さない反応混合物(40mMビス−トリス、pH6.4)の最終60μL中で、5mM KCl、3mM Na2ATP、3mM MgSO4及び再構成された小胞1.0μgを37℃で30分間インキュベートして実施した。10%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を添加することによって、酵素反応を停止した。15mM酢酸亜鉛水和物中の35mMモリブデン酸アンモニウム四水和物の1部分と10%アスコルビン酸の4部分(pH5.0)との混合物と共にインキュベートして、結果的に750nmでの光学密度を有するモリブドリン酸塩を生じることによってATPから放出された無機リン酸塩を検出した。全ての実施例の化合物は、強力な阻害活性を示した。
イオンの漏れないブタ胃H + /K + −ATPaseの阻害
Biochemical Pharmacology,1988,37,2231−2236に記載されている変法に従って、イオンの漏れないブタ胃H+/K+−ATPaseの阻害を測定した。
単離された小胞を、用時まで超低温フリーザー中で保存した。酵素アッセイのため、5mMトリス(37℃でpH7.4)を含有する3mM MgSO4を使用して、小胞を希釈した。
酵素反応は、試験化合物を有するか又は有さない反応混合物(5mMトリス、pH7.4)の最終60μL中で、150mM KCl、3mM Na2ATP、3mM MgSO4、15μMバリノマイシン及び小胞3.0μgを37℃で30分間インキュベートして実施した。10%SDSを添加することによって、酵素反応を停止した。15mM酢酸亜鉛水和物中の35mMモリブデン酸アンモニウム四水和物の1部と10%アスコルビンの4部(pH5.0)との混合物と共にインキュベートして、結果的に750nmでの光学密度を有するモリブドリン酸塩を生じることによって、ATPから放出された無機リン酸塩を検出した。
以下の実施例の化合物に関する阻害活性のIC50値の結果を表1に示す。
Figure 2009530262
試験化合物は全て、酸ポンプアンタゴニスト活性を示した。
イヌ腎臓Na + /K + −ATPase阻害
40mMトリス(37℃でpH7.4)を含有する3mM MgSO4を使用して、粉末化したイヌ腎臓Na+/K+−ATPase(Sigma)を再構成した。酵素反応は、試験化合物を有するか又は有さない反応混合物(40mMトリス、pH7.4)の最終60μL中で、100mM NaCl、2mM KCl、3mM Na2ATP、3mM MgSO4及び酵素12μgを37℃で30分間インキュベートして実施した。10%SDSを添加することによって、酵素反応を停止した。15mM酢酸亜鉛水和物中の35mMモリブデン酸アンモニウム四水和物の1部分と10%アスコルビンの4部分(pH5.0)との混合物と共にインキュベートして、結果的に750nmでの光学密度を有するモリブドリン酸塩を生じることによって、ATPから放出された無機リン酸塩を検出した。
胃内腔灌流ラットにおける酸分泌の阻害
胃内腔灌流ラットにおける酸分泌を、Watanabeら[Watanabe K et al.,J.Physiol.(Paris)2000;94:111−116]に従って測定した。
実験前の18時間、断食させ、水へ自由にアクセスさせた生後8週の雄スプラーグドーリーラットをウレタン麻酔し(1.4g/kg、腹腔内)、気管切開した。腹部中央切開後、二重ポリエチレンカニューレを前胃に挿入し、1mL/分の速度で、胃を塩類溶液(37℃、pH5.0)で灌流した。0.02M NaOHによるpH5.0までの滴定によって、灌流液の酸の分泌量を5分間隔で決定した。基礎酸分泌を30分間決定した後、ペンタガストリン(16μg/kg/時)の連続した静脈内灌流によって、酸の分泌を刺激した。刺激された酸分泌がプラトー相に到達した後、静脈内急速投与又は十二指腸内投与によって試験化合物を投与した。投与後、酸分泌をモニターした。
投与0〜1.5時間後又は0〜3.5時間後までの酸分泌の合計の阻害又は投与後の最大阻害の何れかで活性を評価した。
実施例1〜9の化合物は、良好な阻害活性を示した。
ハイデンハイン嚢犬(Heidenhain pouch dog)における胃酸分泌の阻害
ハイデンハイン嚢を有する体重7〜15kgの雄ビーグル犬[Heidenhain R:Arch Ges Physiol.1879;19:148−167]を使用した。実験前の少なくとも3週間、動物を手術から回復させた。動物を12時間の明暗リズムで、1匹ずつ収容して保持した。前記動物は、午前11:00に1日1回の標準食を受容し、水道水は自由摂取とし、実験前に一晩絶食し、水へのアクセスは自由とした。実験を通じて15分ごとに重力による排水によって胃液試料を回収した。pH7.0の終点に対する滴定によって胃液の酸性度を測定した。ヒスタミン(80μg/kg/時)を連続的に静脈内注入することによって、酸の分泌を刺激した。ヒスタミン注入の開始90分後に、試験化合物の経口又は静脈内急速投与を実施した。投与後、酸分泌をモニターした。相当するコントロール値に対する最大阻害によって、活性を評価した。
ヒトのドフェチリド結合
ヒト遅延整流性カリウムイオンチャネル遺伝子(HERG)をトランスフェクションしたHEK293S細胞を調製し、室内で生育させた。1mM MgCl2、10mM KClを含有する2M HClで、25℃でpH7.5に調整された50mMトリス緩衝液の10倍容積中に、HERG産物を発現するHEK−293細胞の細胞ペーストを懸濁することが可能である。ポリトロンホモジナイザーを使用して(最大パワーで20秒間)細胞を均質化し、4℃、48,000gで20分間遠心分離した。ペレットを再懸濁し、ホモジナイズし、同一の様式でもう1回遠心分離した。結果として生じる上清を廃棄し、最終的なペレットを再懸濁し(50mMトリス緩衝液の10倍容積)、最大パワーで20秒間均質化した。膜均質物を分注し、用時まで−80℃で保存した。Protein Assay Rapid Kit(wako)及びSpectra maxプレートリーダー(Wallac)を使用して、タンパク質濃度を決定するために、一定分量を使用した。全ての操作、原液及び機器を、全ての時間、氷上で維持した。飽和アッセイのため、実験を200μLの総容積で実施した。結合全体又は非特異的結合のため、それぞれ終濃度で10μMドフェチリド(4μL)の不存在下又は存在下で、[3H]−ドフェチリド36μL及び膜均質物160μL(ウェルあたり20〜30μgタンパク質)を室温で60分間インキュベートすることによって飽和を決定した。全てのインキュベーションは、Skatron細胞回収器を使用してPEIに浸漬したガラスファイバー濾紙上で迅速に真空濾過した後、50mMトリス緩衝液(25℃でpH7.4)で2回洗浄することによって終了した。Packard LSカウンタを使用する液体シンチレーション計数によって、受容体に結合した放射能を定量化した。
競合アッセイのため、片対数フォーマットにおける4点希釈として96ウェルポリプロピレンプレート中で化合物を希釈した。全ての希釈を最初にDMSO中で実施した後、1mM MgCl2,10mM KClを含有し、その結果最終DMSO濃度が1%に等しくなる50mMトリス緩衝液(25℃でpH7.4)中に転移させた。化合物をアッセイプレート中で三通りに分注した(4μL)。結合している及び非特異的結合しているウェル全体を、それぞれビヒクル及び終濃度10μMのドフェチリドとして6個のウェル中にセットアップした。放射性リガンドを5.6×の終濃度で調製し、この溶液を各ウェルに添加した(36μL)。YSiポリLリジンSPAビーズ(50μL、1mg/ウェル)及び膜(110μL、20μg/ウェル)を添加することによって、アッセイを開始した。インキュベーションを室温で60分間続行した。ビーズが定着する室温でさらに3時間、プレートをインキュベートした。Wallac MicroBetaプレートカウンターによって、受容体に結合した放射能を定量化した。
Caco−2透過性
Shiyin Yee,Pharmaceutical Research,763(1997)に記載されている方法に従って、Caco−2透過性を測定した。
Caco−2細胞をフィルター支持体(Falcon HTSマルチウェルインサートシステム)上で14日間生育させた。先端区画及び基底区画の両者から培地を除去し、振盪器水槽中で50周期/分で、あらかじめ加温しておいた0.3mL先端緩衝液及び1.0mL基底緩衝液と共に、単層を37℃で0.5時間プレインキュベートした。先端緩衝液は、ハンクス平衡塩溶液、25mM D−グルコース一水和物、20mM 2−モルホリノエタンスルホン酸(MES)生物学的緩衝液、1.25mM CaCl2及び0.5mM MgCl2(pH6.5)からなった。基底緩衝液は、ハンクス平衡塩溶液、25mM D−グルコース一水和物、20mM 2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸(HEPES)生物学的緩衝液、1.25mM CaCl2及び0.5mM MgCl2(pH7.4)からなった。プレインキュベーションの終了時に、培地を除去し、緩衝液中の試験化合物溶液(10μM)を先端区画に添加した。1時間で、新鮮な基底緩衝液を含有するウェルに挿入物を移動させた。緩衝液中の薬物濃度をLC/MS分析によって測定した。
レシーバーでの基質の累積的な出現の傾きから、流速(F、質量/時)を算出し、見かけの浸透性係数(Papp)を次式から算出した。
app(cm/秒)=(F×VD)/(SA×MD)
SAが、輸送のための表面積(0.3cm2)である場合、VDは、ドナーの容積(0.3mL)であり、MDは、t=0でのドナー側での薬物の総量である。全てのデータは、2個の挿入物の平均を表す。単層の完全性を、ルシファーイエローの輸送によって決定した。
ヒト肝臓ミクロソーム(HLM)における半減期
96深底ウェルプレートで、100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)中の3.3mM MgCl2及び0.78mg/mL HLM(HL101)と共に試験化合物(1μM)を37℃でインキュベートした。反応混合物を非P450及びP450群の2群に分けた。NADPHを、P450群の反応混合物にのみ添加した。P450群の試料の一定分量を0、10、30及び60分の時点で捕集し、0分の時点は、NADPHをP450群の反応混合物中に添加したときの時点を示した。非P450群の試料の一定分量を、−10及び65分の時点で捕集した。内部標準物質を含有するアセトニトリル溶液で、捕集された一定分量を抽出した。沈殿したタンパク質を遠心分離(2000rpm、15分)で遠心沈殿した。上清中の化合物濃度を、LC/MS/MSシステムによって測定した。
化合物/内部標準物質対時間のピーク面積比の自然対数をプロットすることによって、半減期の値を得た。時点を通じての最良の適合に関する線の傾斜によって、代謝率(k)を得た。次式を使用して、これを半減期値へ変換した。
半減期=ln2/k
hERGパッチクランプアッセイ
化合物が、急速に不活性化する遅延整流性カリウム電流(IKr)のクローン化された対応物であるhERGチャネルを阻害する可能性を決定した。
hERGチャネルを安定して発現するHEK293細胞を、室温(26.5〜28.5℃)でのホールセルパッチクランプ電気生理学研究において使用した。HEK293細胞における前記チャネルの安定したトランスフェクションのための方法論は、他で見出され得る(Zhou et al 1998,Biophysical Journal,74,pp230−241)。実験に使用される溶液は、以下の組成、すなわち、137mM NaCl、4mM KCl、1.8mM CaCl2、1mM MgCl2、10mMグルコース、10mM HEPES、NaOH/HClによるpH7.4±0.05の標準的な細胞外溶液、及び以下の組成、すなわち、130mM KCl、1mM MgCl2、10mM HEPES、5mM EGTA、5mM MgATP、KOHによるpH7.2±0.05の標準的な細胞内溶液であった。hERGチャネルを活性化させ、薬物によるチャネルの遮断の測定を可能にするために、応用電位プロトコールをデザインし、前記プロトコールは、以下のとおりである。まず、−80mVの保持電位から+30mVまで1秒間、膜電位を段階的に上げた。この後、0.5mV/ミリ秒の速度で、−80mVの保持電位まで電位勾配を低下させて戻し、再分極勾配の間に観察される外向きピーク電流を測定した。本プロトコールを4秒ごとに反復して誘発した(0.25Hz)。ビヒクル(0.1%(v/v)DMSO)の存在下で、安定したベースライン期間を確立した後、反応が定常状態に到達するまで又は10分まで(最初に何れかが生じる)、試験化合物の4つの上昇する濃度を連続して槽で適用した。内部ポジティブコントロールとして、最大遮断を定義するために、各実験の終了時に10μmol/Lのドフェチリドを使用した。
ラットにおける生物学的利用率
Sprague−Dawley系の成体ラットを使用した。実験の1〜2日前に、麻酔下で右頸静脈のカニューレ挿入によって全てのラットを準備した。頸部の項部で、カニューレを露出させた。試験化合物の静脈内又は経口投与の24時間後まで一定間隔で、頸静脈から血液試料(0.2〜0.3mL)を採血した。分析時まで試料を凍結した。経口投与又は静脈内投与後の血漿濃度曲線下の面積(AUC)間の商を算出することによって、生物学的利用率を評価した。
イヌにおける生物学的利用率
Beagle成犬を使用した。試験化合物の静脈内又は経口投与の24時間後まで一定間隔で、頭部静脈から血液試料(0.2〜0.5mL)を採血した。分析時まで試料を凍結した。経口投与又は静脈内投与後の血漿濃度曲線下の面積(AUC)間の商を算出することによって、生物学的利用率を評価した。
血漿タンパク質結合
96ウェルプレート型の装置を使用して、平衡透析の方法によって、試験化合物(1μM)の血漿タンパク質結合を測定した。再生セルロースメンブレン(分子量カットオフ12,000〜14,000、22mm×120mm)であるSpectra−Por(登録商標)を蒸留水中に一晩浸漬した後、30%エタノール中で20分間浸漬し、最後に透析緩衝液(ダルベッコのリン酸塩類緩衝生理食塩液、pH7.4)中で15分間浸漬した。ヒト、Sprague−Dawleyラット及びBeagle犬の凍結された血漿を使用した。透析装置を組み立て、各ウェルの片側に化合物を添加された血漿150μLを添加し、各ウェルのもう片側に透析緩衝液150μLを添加した。37℃、150rpmで4時間インキュベートした後、血漿および緩衝液の一定分量をサンプリングした。分析用内部標準化合物を含有するアセトニトリル300μLで、血漿及び緩衝液中の化合物を抽出した。化合物の濃度をLC/MS/MS分析で決定した。
結合していない化合物の画分を次式によって算出した。
fu=1−{([血漿]eq−[緩衝液]eq)/([血漿]eq)}
式中、[血漿]eq及び[緩衝液]eqはそれぞれ、血漿及び緩衝液中の化合物の濃度である。
水性溶解度
培地(a)〜(c)における水性溶解度を以下の方法によって決定した。
化合物0.5mgを超える量と各培地0.5mLとを含有するWhatman mini−UniPrepチャンバー(Clifton,NJ,USA)を室温で一晩(8時間にわたって)振盪した。分析前に、0.45μmポリビニリデンジフルオリド(PVDF)メンブレンを通じてWhatman mini−UniPrepプランジャー中に全ての試料を濾過した。濾液をHPLCによってアッセイした。
<培地>(a)酵素を有さないpH1.2の模擬胃液(SGN):10M HCl7.0mL中にNaCl2.0gを溶解し、十分な水で1000mLにする;(b)pH6.5のリン酸塩類緩衝液(PBS):KH2PO46.35g、Na2HPO42.84g及びNaCl5.50gを十分な水中に溶解し、1000mLにし、pHを6.5に調整する;(c)PBS(pH6.5)1mL中のタウロコール酸ナトリウム(NaTC)3.94mg及び1−パルミトイル−2−オレイル−L−ホスファチジルコリン(POPC)1.06mg。
ヒト肝細胞において代謝の安定性を使用する肝クリアランスの評価
試験化合物(1μM)をヒト由来の肝細胞と共に、37℃、95%空気/5%CO2中で、0.5×106個/mLの標的細胞密度及び50μLの総容積で、静的にインキュベートした。氷冷アセトニトリル(ACN)の添加によって、各時点でインキュベーションを停止した。試料の一定分量を、LC/MS/MS分析用の内部標準物質を含有する10%ACNと混合した。試料を10分間超音波処理した後、試料を2,000rpmで15分間遠心分離した後、上清を分析用の他のプレートに転移した。上清中の化合物濃度を、LC/MS/MSシステムによって測定した。
化合物/内部標準物質対時間のピーク面積比の常用対数をプロットすることによって、試験化合物の消失速度を得た。複数の点を通じての最良の適合に関する線の傾斜によって、代謝率(ke)を得た。この値を測定して、肝細胞性、肝臓重量及び体重を考慮し、式1に示されるmL/分/kgで固有クリアランス値(CLint)を得た。式2に示される平行チューブモデルを使用して、この固有クリアランス値から肝クリアランス(CLh)を予測した。予測されるクリアランスを肝血流(Qh)で除すると、抽出比(Eh)を生じた(式3)。
式1:ke×(肝臓g/体重kg)×(インキュベーション物mL/インキュベーション中の細胞数)×(細胞数/肝臓g)
式2:CLh=Qh×{1−exp(−CLint/Qh)}
式3:Eh=CLh/Qh
式中、「肝臓重量g/体重kg」は、21であり、「細胞数/肝臓g」は、1.2×108であり,「インキュベーション物mL/インキュベーション中の細胞数」は、2.0×10-6であり、Qhは、20mL/分/kgである。
肝臓の代謝が、薬物除去の主要経路であると仮定すると、経口投与後の全身性曝露(AUCpo)は、式4を使用して算出される。
式4:AUCpo=用量×(1−Eh)/CLh
以下の実施例は、さらなる説明目的のためにのみ提供され、開示される発明を制限するよう企図されるものではない。以下の実施例において別段の記載がなければ、一般的な実験条件は次のとおりである。全ての操作を室温又は外界温度、すなわち18〜25℃の範囲で実施し、60℃までの槽温度で減圧下で回転式蒸発器を使用して溶媒の蒸発を実施し、薄層クロマトグラフィー(TLC)によって反応をモニターし、反応時間を説明のためにのみ付与し、得られる融点(mp)を補正せず(多形性は、異なる融点を生じ得る)、以下の技術、すなわちTLC(Merckシリカゲル60F254であらかじめコーティングされたTLCプレート又はMerck NH2ゲル(アミンコーティングされたシリカゲル)F254sであらかじめコーティングされたTLCプレート)、質量分析、核磁気共鳴スペクトル(NMR)、赤外線吸収スペクトル(IR)又は微量分析の少なくとも1つによって、単離された全ての化合物の構造及び純度を確認した。説明目的のためにのみ収量を示す。Biotage KP−SIL(40〜63μm)、Biotage KP−NH(アミンコーティングされたシリカゲル)(40〜75μM)又はWakoシリカゲル300HG(40〜60μM)を使用して、フラッシュカラムクロマトグラフィーを実施した。Merckシリカゲル60F254であらかじめコーティングされたTLCプレート(厚さ0.5又は1.0mm)を使用して、分取用TLCを実施した。ZMD(登録商標)又はZQ(登録商標)(Waters)および質量分析計を使用して、低分解能質量スペクトルデータ(ESI)において、全ての質量データを得た。別段の記載がなければ、百万分率(ppm)における内部標準物質としてのテトラメチルシラン(TMS)に対し、溶媒として重水素化クロロホルム(99.8%)又はジメチルスルホキシド(99.9%)を使用して、270MHz(JEOL JNM−LA270分光計)又は300MHz(JEOL JNM−LA300分光計)でNMRデータを決定した。使用される従来の略語は、s=一重項、d=二重項、m=多重項、dd=二重項の二重項、sep=七重項、br.s=ブロードな一重項、br.d=ブロードな二重項、等である。フーリエ変換赤外分光計(Shimazu FTIR−8300)によって、IRスペクトルを測定した。P−1020 Digital Polarimeter(Japan Spectroscopic CO,Ltd.)を使用して、旋光を測定した。自動試料交換器、2θ−θ角度計、ビーム分岐スリット、二次モノクロメータ及びシンチレーションカウンタを装備したRigaku RINT−TTR粉末X線回折計を使用して、粉末X線回折(PXRD)パターンを決定した。アルミニウム製の試料ホルダーに粉末を装填することによって、試料を調製した。標本を60.00rpmで回転し、室温でCu−ka照射により4°/分ほど走査した。
実施例1
3−(ヒドロキシメチル)−N,N,2−トリメチル−8−[(5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド
Figure 2009530262
工程1:4−クロロ−5−メチルクロマン
ジエチルエーテル(370mL)中の塩化チオニル(81mL、1.1mol)の溶液を、0℃でジエチルエーテル(80mL)及びクロロホルム(200mL)中の5−メチルクロマン−4−オール(61g、370mmol、Tetrahedron Asym.,1997,8,3059)とピリジン(1.4mL)との混合物に添加した。反応混合物を室温で13時間撹拌した。混合物を真空蒸発させた後、残留物を氷水中に注ぎ、酢酸エチル(500mL×2)で抽出した。合わせた抽出液を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空下で濃縮すると、表題化合物が黄色の油として得られた(68g、定量的収量)。
1H NMR(CDCl3,300MHz)δ:7.21−7.04(m,1H),6.86−6.62(m,2H),5.36−5.17(m,1H),4.59−4.43(m,1H),4.43−4.30(m,1H),2.41(s,3H),2.57−2.24(m,2H)ppm。
工程2:8−アミノ−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸イソプロピル
シクロヘキサノン(500mL)中の5,6−ジアミノニコチン酸イソプロピル(65g、333mmol)の溶液に、ブロモアセトン(51g、333mmol)を室温で添加した。反応混合物を95℃で2時間撹拌した。混合物を0℃に冷却した後、生じた沈殿物を濾過し、n−へキサン(500mL)及びジイソプロピルエーテル(500mL)で洗浄した。ジクロロメタン(1000mL)及び飽和炭酸水素ナトリウム溶液(800mL)中に固体を溶解した。有機層を分離し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空で濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(溶離剤としてジクロロメタン:酢酸エチル=1:1)によって残留物を精製すると、表題化合物が褐色のシロップとして得られた(43g、55%)。
1H NMR(CDCl3,270MHz)δ:8.30(d,J=1.3Hz,1H),7.33(s,1H),6.84(d,J=1.3Hz,1H),5.35−5.15(m,1H),4.60−4.39(m,2H),2.45(s,3H),1.37(d,J=6.0Hz,6H)ppm。
MS(ESI)m/z:234(M+H)+
工程3:2−メチル−8−[(5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸イソプロピル
アセトン(480mL)中の8−アミノ−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸イソプロピル(43g、183mmol、工程2)、ヨウ化ナトリウム(14g、91mmol)及び炭酸カリウム(88g、640mmol)の混合物に、45℃のアセトン(80mL)中の4−クロロ−5−メチルクロマン(50g、274mmol、工程1)の溶液を添加し、混合物を56℃で15時間撹拌した。室温へ冷却した後、混合物を水(300mL)でクエンチし、ジクロロメタン(500mL×2)で抽出した。合わせた抽出液を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空で蒸発させた。残留物をn−へキサン(300mL)、2−プロパノール/ジイソプロピルエーテル(20mL/200mL)及びメタノール(80mL)で洗浄すると、表題化合物が黄色の固体として得られた(30g、43%)。
1H NMR(CDCl3,300MHz)δ:8.26(s,1H),7.31(s,1H),7.12(t,J=8.1Hz,1H),6.85−6.68(m,3H),5.36−5.21(m,2H),4.78−4.67(m,1H),4.33−4.15(m,2H),2.39(s,3H),2.35−2.00(m,5H),1.40(d,J=5.9Hz,6H)ppm。
MS(ESI)m/z:380(M+H)+
工程4:2−メチル−8−[(5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸
メタノール(15mL)及びテトラヒドロフラン(15mL)中の2−メチル−8−[(5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸イソプロピル(8.6g、23mmol、工程3)及び2M水酸化ナトリウム溶液(34mL)の混合物を60℃で0.5時間撹拌した。室温へ冷却した後、混合物を2M塩酸(34mL)で中和した。結果として生じる沈殿物を濾過により回収し乾燥させると、表題化合物が白色の固体として得られた(7.5g、98%)。
1H NMR(DMSO−d6,270MHz)δ:8.52(s,1H),7.72(s,1H),7.13(t,J=7.9Hz,1H),6.83−6.66(m,3H),5.71−5.62(m,1H),4.86−4.75(m,1H),4.30−4.06(m,2H),2.28(s,3H),2.20−1.85(m,5H)ppm。(−COOHは、観察されなかった)
MS(ESI)m/z:338(M+H)+,336(M−H)-
工程5:N,N,2−トリメチル−8−[(5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド
ジクロロメタン(110mL)中の2−メチル−8−[(5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸(7.5g、22mmol、工程4)、N−メチルメタンアミン塩酸塩(2.7g、33mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBt)(4.1g、27mmol)及びトリエチルアミン(9.3mL、67mmol)の撹拌した混合物に、0℃の1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)(5.1g、27mmol)を添加し、反応混合物を室温で1日撹拌した。反応混合物に水を添加し、ジクロロメタンで抽出した。抽出物を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空で蒸発させた。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(溶離剤としてジクロロメタン:酢酸エチル=1:2〜1:3)によって残留物を精製すると、表題化合物が白色の固体として得られた(8.1g、定量的収量)。
1H NMR(CDCl3,300MHz)δ:7.63(s,1H),7.27(s,1H),7.12(t,J=8.1Hz,1H),6.75(t,J=8.1Hz,2H),6.26(s,1H),5.36(d,J=6.6Hz,1H),4.69−4.61(m,1H),4.31−4.17(m,2H),3.13(s,6H),2.38(s,3H),2.32−2.15(m,4H),2.12−1.95(m,1H)ppm。
MS(ESI)m/z:365(M+H)+,363(M−H)-
工程6:3−(ヒドロキシメチル)−N,N,2−トリメチル−8−[(5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド(実施例1−1)
アセトニトリル(220mL)中のN,N,2−トリメチル−8−[(5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド(8.1g、22mmol、工程5)、水中の37質量%ホルムアルデヒド(18g、222mmol)、酢酸(3.2mL、56mmol)及び酢酸ナトリウム(4.6g、56mmol)を80℃で1.3時間加熱した。室温に冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(200mL)を反応混合物に添加し、酢酸エチル(200mL×2)で抽出した。合わせた抽出液を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空で蒸発させた。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(溶離剤としてジクロロメタン:メタノール=20:1)によって残留物を精製すると、表題化合物が白色の固体として得られた(8.4g、95%)。
1H NMR(CDCl3,300MHz)δ:7.77(s,1H),7.12(t,J=8.1Hz,1H),6.75(t,J=8.1Hz,2H),6.35(s,1H),5.38(d,J=6.6Hz,1H),4.88(s,2H),4.72−4.62(m,1H),4.33−4.16(m,2H),3.13(s,6H),2.37(s,3H),2.31−2.14(m,4H),2.14−1.98(m,1H),1.88−1.78(m,1H)ppm。
MS(ESI)m/z:395(M+H)+,393(M−H)-
工程7:(S)−(−)−3−(ヒドロキシメチル)−N,N,2−トリメチル−8−[(5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド(画分1)及び(R)−(+)−3−(ヒドロキシメチル)−N,N,2−トリメチル−8−[(5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド(画分2)
以下のとおり、HPLCによって、ラセミの3−(ヒドロキシメチル)−N,N,2−トリメチル−8−[(5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド(5.9g)から画分1(2.46g)及び画分2(2.39g)を製造した。
単離条件
カラム:CHIRALPAK(登録商標)OD−H(内径20mm×250mm、DAICEL)
移動相:n−ヘキサン:エタノール:ジエチルアミン(85:15:0.1)
流量:18.9mL/分
(S)−(−)−3−(ヒドロキシメチル)−N,N,2−トリメチル−8−[(5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド(画分1)(実施例1−2)
NMR:スペクトルデータは、ラセミ化合物のものと同一であった。
旋光度:[α]D 22=−5.3°(C=1.03、メタノール)
保持時間:8分
(R)−(+)−3−(ヒドロキシメチル)−N,N,2−トリメチル−8−[(5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド(画分2)(実施例1−3)
NMR:スペクトルデータは、ラセミ化合物のものと同一であった。
旋光度:[α]D 21=+6.0°(C=1.08、メタノール)
保持時間:14分
実施例2
8−[(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルアミノ)−3−(ヒドロキシメチル)−N,N,2−トリメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド
Figure 2009530262
工程1:8−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルアミノ)−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸イソプロピル
実施例1の工程3と同一の方法によって、4−クロロクロマン(7.6g、45mmol、Indian Journal of Chemistry,Section B,1981,20B(12),1063)及び8−アミノ−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸イソプロピル(7.0g、30mmol、実施例1の工程2)から93%の収率(10.2g、油)で表題化合物を製造した。
1H NMR(CDCl3,300MHz)δ:8.26(s,1H),7.37−7.17(m,3H),6.98−6.82(m,2H),6.77(s,1H),5.47−5.38(m,1H),5.35−5.21(m,1H),4.87−4.76(m,1H),4.33−4.23(m,2H),2.40(s,3H),2.30−1.95(m,2H),1.39(d,J=5.9Hz,6H)ppm。
MS(ESI)m/z:366(M+H)+
工程2:8−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルアミノ)−3−(ヒドロキシメチル)−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸イソプロピル
実施例1の工程6と同一の方法によって、8−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルアミノ)−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸イソプロピル(10.2g、27.9mmol、工程1)から、表題化合物を63%の収率で製造した(7.0g、白色の固体)。
1H NMR(CDCl3,300MHz)δ:8.37(s,1H),7.40−7.14(m,2H),6.95−6.81(m,3H),5.44−5.37(m,1H),5.36−5.22(m,1H),4.97(d,J=5.1Hz,2H),4.88−4.79(m,1H),4.33−4.24(m,2H),2.42(s,3H),2.30−2.20(m,2H),1.40(d,J=6.6Hz,6H)ppm。(−OHは、観察されなかった)
MS(ESI)m/z:396(M+H)+
工程3:8−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルアミノ)−3−(ヒドロキシメチル)−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸
実施例1の工程4と同一の方法によって、8−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルアミノ)−3−(ヒドロキシメチル)−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸イソプロピル(5.1g、12.9mmol、工程2)から、表題化合物を定量的収量(4.8g、黄色の固体)で製造した。
1H NMR(DMSO−d6,300MHz)δ:13.2−12.9(m,1H),8.35(s,1H),7.31−7.07(m,2H),6.93−6.68(m,3H),6.20−5.90(m,1H),5.30−5.13(m,1H),5.08−4.90(m,1H),4.84−4.66(m,2H),4.36−4.13(m,2H),2.32(s,3H),2.24−2.01(m,2H)ppm。
MS(ESI)m/z:354(M+H)+,352(M−H)-
工程4:8−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルアミノ)−3−(ヒドロキシメチル)−N,N,2−トリメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド(実施例2−1)
ジメチルホルムアミド(15mL)中の8−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルアミノ)−3−(ヒドロキシメチル)−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸(760mg、工程3)及び塩酸N−メチルメタンアミン(370mg、4.5mmol)及びトリエチルアミン(0.84mL、6.0mmol)の撹拌した混合物に、0℃のヘキサフルオロリン酸O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム(HBTU)(1.1g、3.0mmol)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物に水を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空で蒸発させた。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(溶離剤としてメタノール:ジクロロメタン=1:20)によって残留物を精製すると、表題化合物が白色の固体として得られた(344mg)。
1H NMR(CDCl3,300MHz)δ:7.75(s,1H),7.34−7.16(m,2H),6.94−6.82(m,2H),6.30(s,1H),5.52(d,J=6.6Hz,1H),4.93−4.82(m,2H),4.81−4.72(m,1H),4.33−4.22(m,2H),3.10(s,6H),2.46−2.10(m,5H)ppm。(−OHは、観察されなかった)
MS(ESI)m/z:381(M+H)+,379(M−H)-
工程5:(+)−8−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルアミノ)−3−(ヒドロキシメチル)−N,N,2−トリメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド(画分1)及び(−)−8−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルアミノ)−3−(ヒドロキシメチル)−N,N,2−トリメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド(画分2)
以下のとおり、HPLCによって、ラセミの8−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルアミノ)−3−(ヒドロキシメチル)−N,N,2−トリメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド(335mg)から画分1(132mg)及び画分2(130mg)を製造した。
単離条件
カラム:CHIRALPAK(登録商標)OD−H(内径20mm×250mm、DAICEL)
移動相:n−ヘキサン:エタノール:ジエチルアミン(85:15:0.1)
流量:18.9mL/分
(+)−8−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルアミノ)−3−(ヒドロキシメチル)−N,N,2−トリメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド(画分1)(実施例2−2)
NMR:スペクトルデータは、ラセミ化合物のものと同一であった。
旋光度:[α]D 21=+12.3°(C=0.20、メタノール)
保持時間:8分
(−)−8−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルアミノ)−3−(ヒドロキシメチル)−N,N,2−トリメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド(画分2)(実施例2−3)
NMR:スペクトルデータは、ラセミ化合物のものと同一であった。
旋光度:[α]D 21=−10.0°(C=0.27、メタノール)
保持時間:13分
実施例3
8−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−3−(ヒドロキシメチル)−N,N,2−トリメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド
Figure 2009530262
工程1:5,7−ジフルオロクロマン−4−オール
メタノール(30mL)中の5,7−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−4H−クロメン−4−オン(2.0g、11mmol、米国特許出願第2005038032号)の撹拌した溶液に、0℃の水素化ホウ素ナトリウム(0.49g、13mmol)を添加し、混合物を室温で20時間撹拌した。混合物を真空蒸発させた後、残留物を水(20mL)で処理し、酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。合わせた抽出液を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空下で濃縮すると、表題化合物が白色の固体として得られた(2.0g、97%)。
1H NMR(CDCl3,270MHz)δ:6.50−6.33(m,2H),5.07−4.95(m,1H),4.36−4.18(m,2H),2.16−1.94(m,2H)ppm。(−OHは、観察されなかった)
工程2:4−クロロ−5,7−ジフルオロクロマン
実施例1の工程1と同一の方法によって、5,7−ジフルオロクロマン−4−オール(2.0g、11mmol、工程1)から表題化合物を定量的収量(2.1g、黄色の油)で製造した。
1H NMR(CDCl3,300MHz)δ:6.56−6.30(m,2H),5.45−5.25(m,1H),4.62−4.33(m,2H),2.53−2.20(m,2H)ppm。
工程3:8−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸イソプロピル
実施例1の工程3と同一の方法によって、8−アミノ−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸イソプロピル(1.6g、7.0mmol、実施例1の工程2)及び4−クロロ−5,7−ジフルオロクロマン(2.1g、11mmol、工程2)から表題化合物を82%収率(2.8g、黄色の固体)で製造した。
1H NMR(CDCl3,300MHz)δ:8.28(s,1H),7.32(s,1H),6.78(s,1H),6.48−6.34(m,2H),5.37−5.20(m,2H),4.98−4.89(m,1H),4.38−4.23(m,2H),2.41(s,3H),2.36−2.24(m,1H),2.21−2.01(m,1H),1.39(d,J=6.6Hz,6H)ppm。
MS(ESI)m/z:402(M+H)+
工程4:8−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸
実施例1の工程4と同一の方法によって、8−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸イソプロピル(2.8g、6.8mmol、工程3)から、表題化合物を64%の収率で製造した(1.5g、黄色の固体)。
1H NMR(DMSO−d6,300MHz)δ:8.37(s,1H),7.66(s,1H),6.83−6.67(m,2H),6.67−6.48(m,1H),6.02(d,J=7.3Hz,1H),4.99−4.86(m,1H),4.37−4.15(m,2H),2.27(s,3H),2.17−1.83(m,2H)ppm。(−COOHは、観察されなかった)
MS(ESI)m/z:360(M+H)+
工程5:8−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−N,N,2−トリメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド
実施例1の工程5と同一の方法によって、8−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸(0.80g、2.2mmol、工程4)から、表題化合物を92%の収率で製造した(0.79g、白色の固体)。
1H NMR(CDCl3,300MHz)δ:7.64(s,1H),7.27(s,1H),6.50−6.33(m,2H),6.26(s,1H),6.35(d,J=5.8Hz,1H),4.91−4.80(m,1H),4.36−4.25(m,2H),3.12(s,6H),2.40(s,3H),2.34−2.20(m,1H),2.08−1.91(m,1H)ppm。
MS(ESI)m/z:387(M+H)+
工程6:8−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−3−(ヒドロキシメチル)−N,N,2−トリメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド(実施例3−1)
実施例1の工程6と同一の方法によって、8−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−N,N,2−トリメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド(0.79g、2.0mmol、工程5)から、表題化合物を94%の収率で製造した(0.79g、白色の固体)。
1H NMR(CDCl3,270MHz)δ:7.76(s,1H),6.52−6.25(m,3H),5.40(d,J=5.9Hz,1H),4.97−4.76(m,3H),4.41−4.18(m,2H),3.12(s,6H),2.34(s,3H),2.32−2.12(m,2H),2.11−1.91(m,1H)ppm。
MS(ESI)m/z:417(M+H)+
工程7:(R)−(+)−8−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−3−(ヒドロキシメチル)−N,N,2−トリメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド(画分1)及び(S)−(−)−8−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−3−(ヒドロキシメチル)−N,N,2−トリメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド(画分2)
以下のとおり、HPLCによって、ラセミの8−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−3−(ヒドロキシメチル)−N,N,2−トリメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド(0.78g)から画分1(0.25g)及び画分2(0.26g)を製造した。
単離条件
カラム:CHIRALPAK(登録商標)AD−H(内径20mm×250mm、DAICEL)
移動相:n−ヘキサン:2−プロパノール:ジエチルアミン(90:10:0.1)
流量:18.9mL/分
(R)−(+)−8−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−3−(ヒドロキシメチル)−N,N,2−トリメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド(画分1)(実施例3−2)
NMR:スペクトルデータは、ラセミ化合物のものと同一であった。
旋光度:[α]D 24=+48.7°(C=1.01、メタノール)
保持時間:13分
(S)−(−)−8−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−3−(ヒドロキシメチル)−N,N,2−トリメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド(画分2)(実施例3−3)
NMR:スペクトルデータは、ラセミ化合物のものと同一であった。
旋光度:[α]D 24=−49.9°(C=1.01、メタノール)
保持時間:18分
融点:186℃
PXRDパターン角度(2θ°):10.6、13.0、14.4、16.7、19.7、22.6、26.5
実施例4
8−[(5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−3−(ヒドロキシメチル)−N,N,2−トリメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド
Figure 2009530262
工程1:5−フルオロクロマン−4−オール
実施例3の工程1と同一の方法によって、5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−4H−クロメン−4−オン(英国公開特許第2355264号)から、表題化合物を黒色の油として定量的な収量で製造した。
1H NMR(CDCl3,300MHz)δ:7.25−7.11(m,1H),6.75−6.60(m,2H),5.13−5.02(m,1H),4.40−4.18(m,2H),2.25−1.95(m,3H)ppm。
工程2:4−クロロ−5−フルオロクロマン
実施例1の工程1と同一の方法によって、5−フルオロクロマン−4−オール(13g、77mmol、工程1)から表題化合物を定量的収量(15g、オレンジ色の油)で製造した。
1H NMR(CDCl3,270MHz)δ:7.24−7.10(m,1H),6.71−6.56(m,2H),5.43−5.33(m,1H),4.58−4.32(m,2H),2.50−2.19(m,2H)ppm。
工程3:8−[(5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸イソプロピル
実施例1の工程3と同一の方法によって、4−クロロ−5−フルオロクロマン(14g、77mmol、実施例4の工程2)及び8−アミノ−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸イソプロピル(2.2g、7.1mmol、実施例1の工程2)から表題化合物を61%の収率(12g、黄色の固体)で製造した。
1H NMR(CDCl3,270MHz)δ:8.27(s,1H),7.31(s,1H),7.24−7.10(m,1H),6.80(s,1H),6.74−6.57(m,2H),5.40−5.21(m,2H),5.04−4.93(m,1H),4.36−4.25(m,2H),2.40(s,3H),2.36−2.23(m,1H),2.19−1.97(m,1H),1.39(d,J=5.9Hz,6H)ppm。
MS(ESI)m/z:384(M+H)+
工程4:8−[(5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸
実施例1の工程4と同一の方法によって、8−[(5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸イソプロピル(11g、28mmol、工程3)から、表題化合物を98%の収率で製造した(9.5g、白色の固体)。
1H NMR(DMSO−d6,300MHz)δ:8.51(s,1H),7.72(s,1H),7.32−7.16(m,1H),6.78−6.64(m,3H),6.12(d,J=7.3Hz,1H),5.06−4.94(m,1H),4.35−4.15(m,2H),2.29(s,3H),2.16−1.93(m,2H)ppm。(−COOHは、観察されなかった)
工程5:8−[(5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−N,N,2−トリメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド
実施例1の工程5と同一の方法によって、8−[(5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸(0.64g、1.9mmol、工程4)から、表題化合物を99%の収率で製造した(0.67g、白色の固体)。
1H NMR(CDCl3,270MHz)δ:7.63(s,1H),7.33−7.23(m,1H),7.24−7.10(m,1H),6.76−6.55(m,2H),6.27(s,1H),5.43(d,J=5.8Hz,1H),4.97−4.84(m,1H),4.36−4.23(m,2H),3.12(s,6H),2.39(s,3H),2.32−2.22(m,1H),2.11−1.93(m,1H)ppm。
MS(ESI)m/z:369(M+H)+
工程6:8−[(5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−N,N,2−トリメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド(画分1)及び(画分2)
以下のとおり、HPLCによって、ラセミの8−[(5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−N,N,2−トリメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド(0.66g)から画分1(0.25g)及び画分2(0.25g)を製造した。
単離条件
カラム:CHIRALPAK(登録商標)OD−H(内径20mm×250mm、DAICEL)
移動相:n−ヘキサン:エタノール:ジエチルアミン(80:20:0.1)
流量:20mL/分
8−[(5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−N,N,2−トリメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド(画分1)
NMR:スペクトルデータは、ラセミ化合物のものと同一であった。
保持時間:7分
MS(ESI)m/z:369(M+H)+
8−[(5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−N,N,2−トリメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド(画分2)
NMR:スペクトルデータは、ラセミ化合物のものと同一であった。
保持時間:11分
MS(ESI)m/z:369(M+H)+
工程7:(−)−8−[(5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−3−(ヒドロキシメチル)−N,N,2−トリメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド(実施例4−2)
実施例1の工程6と同一の方法によって、8−[(5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−N,N,2−トリメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド(0.13g、0.35mmol、工程6の画分1)から、表題化合物を93%の収率で製造した(0.13g、白色の固体)。
1H NMR(CDCl3,300MHz)δ:7.78(s,1H),7.25−7.
12(m,1H),6.73−6.55(m,2H),6.36(s,1H),5.42(d,J=5.8Hz,1H),4.97−4.82(m,3H),4.36−4.20(m,2H),3.13(s,6H),2.38(s,3H),2.32−2.20(m,1H),2.12−1.92(m,1H),1.80-1.65(m,1H)ppm。
MS(ESI)m/z:399(M+H)+
旋光度:[α]D 23=−49.9°(C=1.01、メタノール)
工程8:(+)−8−[(5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−3−(ヒドロキシメチル)−N,N,2−トリメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド(実施例4−3)
実施例1の工程6と同一の方法によって、8−[(5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−N,N,2−トリメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド(0.13g、0.35mmol、工程6の画分2)から、表題化合物を94%の収率で製造した(0.13g、白色の固体)。
1H NMR(CDCl3,300MHz)δ:7.78(s,1H),7.24−7.10(m,1H),6.73−6.56(m,2H),6.36(s,1H),5.42(d,J=5.8Hz,1H),4.97−4.83(m,3H),4.36−4.19(m,2H),3.13(s,6H),2.39(s,3H),2.34−2.21(m,1H),2.12−1.92(m,1H),1.69-1.53(m,1H)ppm。
MS(ESI)m/z:399(M+H)+
旋光度:[α]D 24=−54.3°(C=1.01、メタノール)
実施例5
(S)−3−(ヒドロキシメチル)−N,N,2−トリメチル−8−[(5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド
Figure 2009530262
工程1:3−(2−クロロ−5−メチルフェノキシ)アクリル酸メチル
アセトニトリル(30mL)中の2−クロロ−5−メチルフェノール(10.0g、70.1mmol)及びプロピオール酸メチル(5.95mL、71.5mmol)の溶液を、室温のTHF(1.0M市販溶液、14mL、14mmol)中のTBAFの撹拌した溶液に1時間かけて添加した。溶液の添加が完了した後、撹拌を1時間続行した。反応混合物をトルエン(50mL)で希釈し、水(50mL+25mL)で2回洗浄した。分離した有機層を減圧下で濃縮すると、表題化合物が褐色の油として得られ(17.2g、99%超、トルエン約10質量%を有するシス及びトランス異性体の6:4の混合物)、さらに精製せずに次の工程において使用した。
1H NMR(CDCl3,300MHz)δ:7.71(d,J=12.5Hz,0.4H),7.30(m,1H),6.98−6.93(m,2H),6.74(d,J=7.3Hz,0.6H),5.47(d,J=12.5Hz,0.4H),5.20(d,J=7.3Hz,0.6H),2.77(s,1.8H),3.73(s,1.3H),2.34−2.33(2つの一重項,3H)ppm。
工程2:3−(2−クロロ−5−メチルフェノキシ)プロパン酸メチル
メタノール(5mL)中の3−(2−クロロ−5−メチルフェノキシ)アクリル酸メチル(1.00g、4.41mmol、工程1)、臭化ナトリウム(10mg、0.097mmol)及び10%パラジウム炭素(50mg)を室温でH2(1気圧)下で一晩撹拌した。反応混合物をCelite(登録商標)パッドで濾過し、触媒をトルエン(10mL)ですすいだ。組み合わせた濾液を水(5mL)で洗浄し、減圧下で濃縮すると、表題化合物(963mg、95%)がオレンジ色の油として得られ、さらに精製せずに次の工程において使用した。
1H NMR(CDCl3,300MHz)δ:7.21(d,J=8.1Hz,1H),6.78(br.s,1H),6.73(br.d,J=8.8Hz,1H),4.30(t,J=6.6Hz,2H),3.74(s,3H),2.86(t,J=6.6Hz,2H),2.32(s,3H)ppm。
工程3:8−クロロ−5−メチル−2,3−ジヒドロ−4H−クロメン−4−オン
3−(2−クロロ−5−メチルフェノキシ)プロパン酸メチル(430mg、1.88mmol、工程2)及びトリフルオロメタンスルホン酸(0.86mL、2mL/基質g)の混合物を80℃で40分間撹拌した。室温に冷却した後、反応混合物を水で希釈し、生成物をトルエンで抽出した。有機層をK2CO3の水溶液及び水で連続的に洗浄し、減圧下で濃縮すると、表題化合物(355mg、96%)が淡褐色の固体として得られ、さらに精製せずに次の工程において使用した。
1H NMR(CDCl3,300MHz)δ:7.41(d,J=8.1Hz,1H),6.76(d,J=8.1Hz,1H),4.61(t,J=6.6Hz,2H),2.85(t,J=6.6Hz,2H),2.61(s,3H)ppm。
工程4:(4S)−8−クロロ−5−メチル−N−[(1S)−1−フェニルエチル]クロマン−4−アミン−4−メチルベンゼンスルホン酸塩
テトラヒドロフラン(4mL)中の8−クロロ−5−メチル−2,3−ジヒドロ−4H−クロメン−4−オン(1.97g、10mmol、工程3)の溶液に、22℃で、(S)−1−フェニルエチルアミン(1.64mL、13mmol)及びチタン(IV)イソプロポキシド(4.44mL、15mmol)を添加した。黄色の溶液を22℃で18時間撹拌した。反応完了(1H−NMRによりチェック)後、混合物をメタノール(20mL)で希釈し、約−30℃に冷却した。この溶液に、トリエチレングリコールジメチルエーテル(2.5mL、5mmol)中の水素化ホウ素ナトリウム2.0M溶液を窒素下で30分かけて添加した(内部温度を−20〜−25℃に維持した)。反応混合物を−20℃で30分間撹拌した後、クエン酸ナトリウムの10%(w/v)水溶液(35mL)を添加した。この黄色の混合物を22℃で5分間激しく撹拌した後、酢酸エチル(60mL)を添加した。得られた混合物を22℃で15時間撹拌し、2層を分離した。有機層を塩化ナトリウムの5%(w/v)水溶液(20mL)で洗浄し、濃縮した。粗生成物(HPLCによる69.8%のジアステレオマー過剰率)をメタノール(65mL)中に溶解し、溶液を70℃(外部温度)まで加温した。この黄色の溶液に、4−メチルベンゼンスルホン酸一水和物(2.47g、水15mL中の13mmol)の水溶液を10分かけて滴下して添加した。水(45mL)をさらに添加し、混合物を22℃に徐々に冷却し、22℃で一晩(12時間)撹拌した。濾過後、白色の固体を酢酸エチル(20mL)で洗浄した後、真空オーブン中で50℃で2時間乾燥させると、表題化合物(2.82g、59%、99.3%のジアステレオマー過剰率)が白色の固体として得られた。
1H NMR(DMSO−d6,300MHz)δ:8.98(br.s,1H),8.71(br.s,1H),7.65(d,J=6.6Hz,2H),7.49−7.46(m,5H),7.39(d,J=8.1Hz,1H),7.12(d,J=7.3Hz,2H),6.87(d,J=8.1Hz,1H),4.72−4.68(m,2H),4.42−4.32(m,2H),2.40(s,3H),2.29(s,3H),2.13−2.00(m,2H),1.69(d,J=5.8Hz,3H)ppm。
分析条件(HPLC)
カラム:Xterra MS C18 3.5μm(内径2.1mm×150mm、Waters)
温度:40℃
検出:UV(230nm)
移動相:CH3CN(A)、10mM CH3COONH4(B)。勾配表を以下に示す。
Figure 2009530262
保持時間
画分1:21.8分(所望ではないジアステレオマー)
画分2:22.6分(所望のジアステレオマー)
工程5:塩酸(4S)−5−メチルクロマン−4−アミン
酢酸エチル(19mL)中の4−メチルベンゼンスルホン酸(4S)−8−クロロ−5−メチル−N−[(1S)−1−フェニルエチル]クロマン−4−アミン(2.37g、5.0mmol、工程4)の懸濁液に、22℃で、1Mの水酸化ナトリウム水溶液(10mL)を添加した。懸濁液を22℃で10分間激しく撹拌した。2層を分離した。有機層を水(5mL)で洗浄し、濃縮すると、遊離アミンが無色の油として得られた。遊離アミンをメタノール(20mL)中に溶解し、50℃、水素(1気圧)下で、溶液を10%パラジウム炭素(31mg)の存在下で3時間水素化分解した。反応混合物を22℃にまで冷却した後、触媒をCelite(登録商標)パッドで濾過し、メタノールで洗浄した。濾液を濃縮すると、表題化合物(1.00g、100%、99.4%のエナンチオマー過剰率)が白色の固体として得られた。
1H NMR(DMSO−d6,300MHz)δ:8.52(br.s,3H),7.17(t,J=8.0Hz,1H),6.79(d,J=7.0Hz,1H),6.70(d,J=8.0Hz,1H),4.55(s,1H),4.32(d,J=10.3Hz,2H),2.39(s,3H),2.30(d,J=14.7Hz,1H),2.05−2.20(m,1H)ppm。
分析条件(HPLC)
カラム:CHIRALPAK(登録商標)AD−H
温度:40℃
検出:UV(230nm)
移動相:n−ヘキサン:エタノール:ジエチルアミン(90:10:0.1)
流量:1.0mL/分
保持時間
画分1:8.0分(R異性体)
画分2:9.6分(S異性体)
工程6:2−メチル−8−{[(4S)−5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル]アミノ}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸イソプロピル工程6−1:6−アミノ−5−ブロモニコチン酸イソプロピル
シクロペンチルメチルエーテル(CPME)(150mL)中に6−アミノニコチン酸イソプロピル(14.9g、82.5mmol)の懸濁液を含有する500mLの三つ口フラスコに、22℃で、NBSを7回に分けて(2.93g×7、全体として116mmol)、10分間隔で添加した。撹拌15分後、チオ硫酸ナトリウム(Na223)の3%水溶液(150mL)及びNaHCO3の5%水溶液(150mL)で反応をクエンチした。この混合物にトルエン(300mL)を添加し、混合物を10分間撹拌した。分離した有機層を減圧下で濃縮し、溶媒を2−プロパノール(90mL×2)で除去し、75mLまで部分的に濃縮した。混合物を室温で15時間撹拌した後、0℃で5時間撹拌した。得られた固体を濾過し、冷2−プロパノール(30mL)で2回洗浄すると、表題化合物(16.4g、63.3mmol、77%)が黄褐色の固体として得られた。
1H NMR(CDCl3,300MHz)δ:8.66(s,1H),8.24(s,1H),5.40(br.s,2H),5.22(七重項,J=6.6Hz,1H),1.35(d,J=6.6Hz,6H)ppm。
工程6−2:8−ブロモ−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸イソプロピル
6−アミノ−5−ブロモニコチン酸イソプロピル(15.0g、57.9mmol、工程6−1)、クロロアセトン(14.0mL、174mmol)及びプロピオニトリル(150mL)の混合物を100℃で撹拌した。撹拌71時間後、クロロアセトン(4.7mL、58mmol)を添加し、撹拌を同一温度で24時間続行した。次に、クロロアセトン(4.7mL、58mmol)及びプロピオニトリル(60mL)をさらに添加した。9時間撹拌した後、反応混合物を室温に冷却した後、0.5M NaOH溶液(116mL)及び水(34mL)でクエンチした。この混合物にトルエン(150mL)を添加し、混合物を15分間撹拌した。分離した有機層を減圧下で濃縮し、混合溶媒(ヘプタン:酢酸エチル=1:1、50mL×2)で溶媒を除去した。残留物をヘプタンと酢酸エチルとの1:1の混合物(300mL)で希釈し、シリカゲル(30g)を添加した。10分間撹拌した後、混合物を濾過し、ヘプタンと酢酸エチルとの1:1の混合物(150mL×2)で洗浄した。減圧下で濾液を濃縮した。溶媒を2−プロパノール(150mL×2)で除去し、約20mLまで部分的に濃縮した。ヘプタン(70mL)を添加し、混合物を室温で1時間撹拌した後、0℃で3時間撹拌した。得られた固体を濾過し、ヘプタンと2−プロパノールとの19:1の混合物(30mL)で2回洗浄すると、表題化合物(8.3g、28mmol、48%)が淡乳褐色の固体として得られた。
1H NMR(CDCl3,300MHz)δ:8.78(d,J=1.4Hz,1H),7.96(s,1H),7.50(s,J=8Hz,1H),5.28(七重項,J=5.8Hz,1H),2.52(s,3H),1.39(d,J=5.8Hz,6H)ppm。
工程6−3:2−メチル−8−{[(4S)−5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル]アミノ}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸イソプロピル
還流冷却器を装備した二つ口の丸底フラスコ(20mL)にPd2(dba)3(3.7mg、0.004mmol)及びBINAP(5.6mg、0.009mmol)を充填し、窒素でパージした。トルエン(1mL)を添加し、混合物を22℃で5分間撹拌した結果、不均一な紫色の溶液を生じた。(4S)−5−メチルクロマン−4−アミン塩酸塩(80mg、0.4mmol、工程5)、ナトリウムtert−ブトキシド(85mg、0.88mmol)及びトルエン(1mL)を添加し、混合物を60℃で5分間撹拌した。8−ブロモ−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸イソプロピル(119mg、0.4mmol、工程6−2)及びトルエン(1mL)を添加した後、混合物を80℃で5時間撹拌した。反応混合物を22℃に冷却させた後、ジイソプロピルエーテル(3mL)で希釈した。得られた懸濁液をCelite(登録商標)パッドで濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:酢酸エチル=4:1)によって精製すると、表題化合物(118mg、78%)が明桃色の粉末として得られた。
1H NMR(CDCl3,300MHz)δ:8.26(s,1H),7.32(s,1H),7.12(t,J=8.1Hz,1H),6.78−6.72(m,3H),5.32−5.24(m,2H),4.73(br.,1H),4.27−4.19(m,2H),2.39(s,3H),2.29(d,J=15.0Hz,1H),2.22(s,3H),2.14−2.09(m,1H),1.40(d,J=5.8Hz,6H)ppm。
工程7:2−メチル−8−{[(4S)−5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル]アミノ}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸
実施例1の工程4と同一の方法によって、2−メチル−8−{[(4S)−5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル]アミノ}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸イソプロピル(工程6−3)から表題化合物を製造した。
工程8:N,N,2−トリメチル−8−{[(4S)−5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル]アミノ}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド
実施例1の工程5と同一の方法によって、2−メチル−8−{[(4S)−5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル]アミノ}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸(工程7)から表題化合物を製造した。
工程9:3−(ヒドロキシメチル)−N,N,2−トリメチル−8−{[(4S)−5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル]アミノ}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド
実施例1の工程6と同一の方法によって、N,N,2−トリメチル−8−{[(4S)−5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル]アミノ}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド(工程8)から表題化合物を製造した。
実施例6
[2−メチル−8−[(5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−6−(モリホリン−4−イルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メタノール
Figure 2009530262
工程1:2−メチル−N−(5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)−6−(モリホリン−4−イルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−アミン
ジクロロメタン(8.0mL)中の2−メチル−8−[(5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸(0.60g、1.8mmol、実施例1の工程4)及びモリホリン(0.31g、3.6mmol)の撹拌した混合物に、0℃で、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBt)(0.36g、2.7mmol)及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)(0.51g、2.7mmol)を添加し、反応混合物を室温で20時間撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液でクエンチし、ジクロロメタン(30mL×2)で抽出した。合わせた抽出液を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空で蒸発させた。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(溶離剤としてヘキサン:酢酸エチル=1:2)によって残留物を精製すると、表題化合物が白色の固体として得られた(0.73g、定量的収量)。
1H NMR(CDCl3,300MHz)δ:7.64(s,1H),7.28(s,1H),7.18−7.07(m,1H),6.80−6.69(m,2H),6.21(s,1H),5.41(d,J=5.8Hz,1H),4.70−4.60(m,1H),4.34−4.17(m,2H),3.81(m,8H),2.38(s,3H),2.22(s,3H),2.31−1.95(m,2H)ppm。
MS(ESI)m/z:407(M+H)+
工程2:2−メチル−N−(5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)−6−(モリホリン−4−イルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−アミン(画分1及び画分2)
以下のとおり、HPLCによって、ラセミの2−メチル−N−(5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)−6−(モリホリン−4−イルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−アミン(0.72g)から画分1(0.27g)及び画分2(0.28g)を製造した。
単離条件
カラム:CHIRALPAK(登録商標)OJ−H(内径20mm×250mm、DAICEL)
移動相:n−ヘキサン:エタノール:ジエチルアミン(65:35:0.1)
流量:20mL/分
2−メチル−N−(5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)−6−(モリホリン−4−イルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−アミン(画分1)
NMR:スペクトルデータは、ラセミ化合物のものと同一であった。
MS(ESI)m/z:407(M+H)+
保持時間:8分
2−メチル−N−(5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)−6−(モリホリン−4−イルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−アミン(画分2)
NMR:スペクトルデータは、ラセミ化合物のものと同一であった。
MS(ESI)m/z:407(M+H)+
保持時間:14分
工程3:(−)−[2−メチル−8−[(5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−6−(モリホリン−4−イルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メタノール(実施例6−2)
アセトニトリル(5mL)中の2−メチル−N−(5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)−6−(モリホリン−4−イルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−アミン(0.22g、0.55mmol、工程2の画分1)、水中のホルムアルデヒド37質量%(0.45g、5.5mmol)、酢酸(0.78mL、1.4mmol)及び酢酸ナトリウム(0.11g、1.4mmol)を70℃で3時間加熱した。室温へ冷却した後、反応混合物を1M水酸化ナトリウム溶液でクエンチし、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。合わせた抽出液を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空で蒸発させた。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(溶離剤としてジクロロメタン:メタノール=15:1)およびNHゲル(養離剤としてエチルアセテート)によって残留物を精製すると、表題化合物が白色の固体として得られた(0.18g、76%)。
1H NMR(CDCl3,300MHz)δ:7.76(s,1H),7.13(t,J=8.1Hz,1H),6.81−6.69(m,2H),6.30(s,1H),5.46(d,J=6.6Hz,1H),4.91−4.78(m,2H),4.70−4.60(m,1H),4.33−4.17(m,2H),3.87−3.60(m,8H),2.49−2.38(m,1H),2.33(s,3H),2.21(s,3H),2.29−2.15(m,1H),2.15−1.97(m,1H)ppm。
MS(ESI)m/z:437(M+H)+
旋光度:[α]D 23=−12.0°(c=1.01、メタノール)
工程4:(+)−[2−メチル−8−[(5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−6−(モリホリン−4−イルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メタノール(実施例6−3)
実施例6の工程3と同一の方法によって、2−メチル−N−(5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)−6−(モリホリン−4−イルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−アミン(0.23g、0.56mmol、工程2の画分2)から、表題化合物を73%の収率で製造した(0.18g、白色の固体)。
1H NMR(CDCl3,300MHz)δ:7.76(s,1H),7.13(t,J=8.1Hz,1H),6.81−6.69(m,2H),6.30(s,1H),5.46(d,J=6.6Hz,1H),4.91−4.78(m,2H),4.70−4.60(m,1H),4.33−4.17(m,2H),3.87−3.60(m,8H),2.81−2.64(m,1H),2.33(s,3H),2.21(s,3H),2.29−2.15(m,1H),2.15−1.97(m,1H)ppm。
MS(ESI)m/z:437(M+H)+
旋光度:[α]D 24=+11.8°(c=1.01、メタノール)
実施例7
[8−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルアミノ]−2−メチル−6−(モリホリン−4−イルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メタノール
Figure 2009530262
工程1:[8−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルアミノ)−2−メチル−6−(モリホリン−4−イルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メタノール(実施例7−1)
ジメチルホルムアミド(70mL)中の8−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルアミノ)−3−(ヒドロキシメチル)−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸(2.4g、6.9mmol、実施例2の工程3)、モリホリン(1.8g、21mmol)及びトリエチルアミン(1.44mL、10mmol)の撹拌した混合物に、0℃で、ヘキサフルオロリン酸O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム(HBTU)(3.9g、10mmol)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物に水を添加し、混合物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空で蒸発させた。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(溶離剤として酢酸エチル:メタノール=20:1)によって残留物を精製すると、表題化合物が白色の固体として得られた(1.6g、53%)。
1H NMR(CDCl3,300MHz)δ:7.78(s,1H),7.33−7.16(m,2H),6.94−6.82(m,2H),6.25(s,1H),5.57−5.50(m,1H),4.94−4.86(m,2H),4.80−4.70(m,1H),4.32−4.23(m,2H),3.80−3.60(m,8H),2.40(s,3H),2.30−2.15(m,2H)ppm。(−OHは、観察されなかった)
MS(ESI)m/z:423(M+H)+,421(M−H)-
工程2:(−)−[8−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルアミノ)−2−メチル−6−(モリホリン−4−イルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メタノール(画分1)及び(+)−[8−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルアミノ)−2−メチル−6−(モリホリン−4−イルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メタノール(画分2)
以下のとおり、HPLCによって、ラセミの[8−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルアミノ)−2−メチル−6−(モリホリン−4−イルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メタノール(1.4g)から画分1(570mg)及び画分2(570mg)を製造した。
単離条件
カラム:CHIRALPAK(登録商標)AD−H(内径20mm×250mm、DAICEL)
移動相:n−ヘキサン:2−プロパノール:ジエチルアミン(85:15:0.1)
流量:18.9mL/分
(−)−[8−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルアミノ)−2−メチル−6−(モリホリン−4−イルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メタノール(画分1)(実施例7−2)
NMR:スペクトルデータは、ラセミ化合物のものと同一であった。
旋光度:[α]D 24=−3.21°(C=1.00、メタノール)
保持時間:16分
(+)−[8−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルアミノ)−2−メチル−6−(モリホリン−4−イルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メタノール(画分2)(実施例7−3)
NMR:スペクトルデータは、ラセミ化合物のものと同一であった。
旋光度:[α]D 25=+4.21°(C=0.91、メタノール)
保持時間:19分
実施例8
[8−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−2−メチル−6−(モリホリン−4−イルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メタノール
Figure 2009530262
工程1:N−(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)−2−メチル−6−(モリホリン−4−イルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−アミン
実施例6の工程1と同一の方法によって、8−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸(5.00g、13.9mmol、実施例3の工程4)から、表題化合物を75%の収率で製造した(4.49g、白色の固体)。
1H NMR(CDCl3,300MHz)δ:7.64(d,J=1.3Hz,1H),7.27(s,1H),6.47−6.36(m,2H),6.22(s,1H),5.40(d,J=6.6Hz,1H),4.95(m,1H),4.35−4.23(m,2H),3.71(m,8H),2.39(s,3H),2.30−2.22(m,1H),2.09−1.95(m,1H)ppm。
MS(ESI)m/z:429(M+H)+
工程2:[8−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−2−メチル−6−(モリホリン−4−イルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メタノール(実施例8−1)
実施例6の工程3と同一の方法によって、N−(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)−2−メチル−6−(モリホリン−4−イルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−アミン(4.49g、10.5mmol、工程1)から、表題化合物を97%の収率で製造した(4.68g、白色の固体)。
1H NMR(CDCl3,300MHz)δ:7.76(s,1H),6.45−6.35(m,2H),6.30(s,1H),5.48(d,J=6.6Hz,1H),4.86(s,3H),4.92−4.85(m,1H),4.38−4.22(m,2H),3.71(m,8H),2.33(s,3H),2.33(m,1H),2.10−1.95(m,1H)ppm。
MS(ESI)m/z:459(M+H)+
工程3:(+)−[8−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−2−メチル−6−(モリホリン−4−イルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メタノール(画分1)及び(−)−[8−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−2−メチル−6−(モリホリン−4−イルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メタノール(画分2)
以下のとおり、HPLCによって、ラセミの[8−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−2−メチル−6−(モリホリン−4−イルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メタノール(1.50g)から画分1(0.49g)及び画分2(0.48g)を製造した。
単離条件
カラム:CHIRALPAK(登録商標)AD−H(内径20mm×250mm、DA
ICEL)
移動相:n−ヘキサン:エタノール:ジエチルアミン(85:15:0.1)
流量:18.9mL/分
(+)−[8−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−2−メチル−6−(モリホリン−4−イルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メタノール(画分1)(実施例8−2)
NMR:スペクトルデータは、ラセミ化合物のものと同一であった。
旋光度:[α]D 23=+54.2°(c=1.20、メタノール)
保持時間:11分
(−)−[8−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−2−メチル−6−(モリホリン−4−イルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メタノール(画分2)(実施例8−3)
NMR:スペクトルデータは、ラセミ化合物のものと同一であった。
旋光度:[α]D 24=−51.2°(c=1.34、メタノール)
保持時間:18分
実施例9
[8−[(5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−2−メチル−6−(モリホリン−4−イルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メタノール
Figure 2009530262
工程1:N−(5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)−2−メチル−6−(モリホリン−4−イルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−アミン
実施例6の工程1と同一の方法によって、8−[(5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸(3.9g、11mmol、実施例4の工程4)から、表題化合物を96%の収率で製造した(4.5g、淡褐色の固体)。
1H NMR(CDCl3,300MHz)δ:7.64(s,1H),7.35−7.10(m,2H),6.78−6.57(m,2H),6.29(s,1H),5.80−5.68(m,1H),5.00−4.85(m,1H),4.40−4.27(m,2H),3.88−3.61(m,8H),2.39(s,3H),2.33−1.84(m,2H)ppm。
MS(ESI)m/z:411(M+H)+
工程2:[8−[(5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−2−メチル−6−(モリホリン−4−イルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メタノール(実施例9−1)
実施例6の工程3と同一の方法によって、N−(5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)−2−メチル−6−(モリホリン−4−イルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−アミン(4.5g、11mmol、工程1)から、表題化合物を93%の収率で製造した(4.4g、白色の固体)。
1H NMR(CDCl3,270MHz)δ:7.77(s,1H),7.24−7.12(m,1H),6.72−6.57(m,2H),6.32(s,1H),5.50−5.45(m,1H),4.94−4.84(m,3H),4.37−4.22(m,2H),3.81−3.61(m,8H),2.35(s,3H),2.30−2.20(m,1H),2.12−1.98(m,1H)ppm。(−OHは、観察されなかった)
MS(ESI)m/z:441(M+H)+
工程3:(+)−[8−[(5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−2−メチル−6−(モリホリン−4−イルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メタノール(画分1)及び(−)−[8−[(5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−2−メチル−6−(モリホリン−4−イルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メタノール(画分2)
以下のとおり、HPLCによって、ラセミの[8−[(5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−2−メチル−6−(モリホリン−4−イルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メタノール(1.5g)から画分1(0.59g)及び画分2(0.61g)を製造した。
単離条件
カラム:CHIRALPAK(登録商標)AD−H(内径20mm×250mm、DAICEL)
移動相:n−ヘキサン:2−プロパノール:ジエチルアミン(80:20:0.1)
流量:20mL/分
(+)−[8−[(5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−2−メチル−6−(モリホリン−4−イルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メタノール(画分1)(実施例9−2)
NMR:スペクトルデータは、ラセミ化合物のものと同一であった。
旋光度:[α]D 24=+51.7°(c=1.04、メタノール)
保持時間:7分
(−)−[8−[(5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−2−メチル−6−(モリホリン−4−イルカルボニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル]メタノール(画分2)(実施例9−3)
NMR:スペクトルデータは、ラセミ化合物のものと同一であった。
旋光度:[α]D 24=−53.1°(c=1.04、メタノール)
保持時間:10分
本願において引用される、発行された特許、特許出願及び刊行物・論文を含むがそれに限定されるわけではない全ての刊行物は、その全ての内容が全体として参照により本明細書に各々組み入れられる。
本発明は、開示された実施態様に関して上述に記載されているが、当業者は、詳細な具体的な実験が単に本発明を説明するのみであることを容易に理解するであろう。多様な変更が、本発明の精神から逸脱せずになし得ることが理解されるべきである。

Claims (10)

  1. 式I:
    Figure 2009530262
    [式中、
    −A−B−は、−O−CH2−又は−CH2−O−を表し;
    1は、ヒドロキシ基又は、インビボでヒドロキシ基へ変換可能な部分を表し;
    2は、C1−C6アルキル基を表し;
    3及びR4は独立して、C1−C6アルキル基又はC3−C7シクロアルキル基を表し、該C1−C6アルキル基及び該C3−C7シクロアルキル基は、非置換であるか又は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基及びC3−C7シクロアルキル基からなる群より独立して選択される1〜3個の置換基で置換され;又はR3及びR4は、それらが結合する窒素原子と共に、非置換であるか又は、ヒドロキシ基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基及びヒドロキシC1−C6アルキル基からなる群より選択される1〜3個の置換基で置換される、4〜7員の複素環式基を形成し;そして
    5、R6、R7及びR8は独立して、水素原子、ハロゲン原子又はC1−C6アルキル基を表す]
    の化合物又は医薬的に許容されるその塩。
  2. 1は、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基又はC1−C6アルキル−カルボニル−オキシ基であり;そして
    3及びR4は独立して、C1−C6アルキル基又はC3−C7シクロアルキル基であり、該C1−C6アルキル基及び該C3−C7シクロアルキル基は、非置換であるか又は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基及びC3−C7シクロアルキル基からなる群より独立して選択される1〜3個の置換基で置換され;又はR3及びR4は、それらが結合する窒素原子と共にアゼチジニル基、ピロリジニル基、モルホリノ基又はホモモルホリノ基を形成し、該アゼチジニル基、該ピロリジニル基、該モルホリノ基及び該ホモモルホリノ基は、非置換であるか又は、ヒドロキシ基、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基及びヒドロキシC1−C6アルキル基からなる群より選択される1〜3個の置換基で置換される;
    請求項1に記載の化合物又は医薬的に許容される塩。
  3. −A−B−は、−CH2−O−であり;
    1は、ヒドロキシ基であり;
    2、R3及びR4は独立して、C1−C6アルキル基であり;
    5及びR7は独立して、水素原子、ハロゲン原子又はC1−C6アルキル基であり;そして
    6及びR8は独立して、水素原子又はハロゲン原子である;
    請求項1に記載の化合物又は医薬的に許容される塩。
  4. (S)−(−)−3−(ヒドロキシメチル)−N,N,2−トリメチル−8−[(5−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド;
    (+)−8−(3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イルアミノ)−3−(ヒドロキシメチル)−N,N,2−トリメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド;
    (S)−(−)−8−[(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−3−(ヒドロキシメチル)−N,N,2−トリメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド;及び
    (−)−8−[(5−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−4−イル)アミノ]−3−(ヒドロキシメチル)−N,N,2−トリメチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキサミド
    から選択される、請求項1に記載の化合物又は医薬的に許容されるその塩。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の化合物又は医薬的に許容されるその塩と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物。
  6. 他の薬理学的に活性のある薬剤をさらに含む、請求項5に記載の医薬組成物。
  7. ヒトを含む哺乳動物対象において酸ポンプ阻害活性によって仲介される状態を治療する必要のある哺乳動物に、請求項1〜4の何れか一項に記載の化合物又は医薬的に許容されるその塩の治療的有効量を投与することを含む、ヒトを含む哺乳動物対象において酸ポンプ阻害活性によって仲介される状態を治療するための方法。
  8. 該状態が、胃腸疾患、胃食道疾患、胃食道逆流症(GERD)、喉頭咽頭逆流症、消化性潰瘍、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、NSAID誘発性潰瘍、胃炎、ヘリコバクターピロリ感染症、消化障害、機能的消化障害、ゾリンジャー−エリソン症候群、非びらん性逆流症(NERD)、内臓痛、癌、胸焼け、吐き気、食道炎、嚥下障害、流涎過多、気道障害又は喘息である、請求項7に記載の方法。
  9. 酸ポンプ阻害活性によって仲介される状態の治療のための薬物の製造のための、請求項1〜4の何れか一項に記載の式(I)の化合物又は医薬的に許容されるその塩の使用。
  10. 該状態が、胃腸疾患、胃食道疾患、胃食道逆流症(GERD)、喉頭咽頭逆流症、消化性潰瘍、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、NSAID誘発性潰瘍、胃炎、ヘリコバクターピロリ感染症、消化障害、機能的消化障害、ゾリンジャー−エリソン症候群、非びらん性逆流症(NERD)、内臓痛、癌、胸焼け、吐き気、食道炎、嚥下障害、流涎過多、気道障害又は喘息である、請求項9に記載の使用。
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