JP2009529416A - 固体燃料加熱炉からの炉底灰の粉砕および空冷/水冷装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、固体燃料加熱炉からの炉底灰を粉砕して空気と水で冷却する装置に関する。この装置は高温の大きな塊の灰も効率よく粉砕し、冷却することができる。また装置内を逆流となって流れる空気の流体ダイナミクスも向上させることができる。この装置は、予備クラッシャを一体に備えたクラッシャ(1)と、水冷装置(3、4)と、クラッシャに導入される微細材料の流れを大きな塊から分離する分離装置(5、6)を備えている。予備粉砕装置(2)によって、大きな灰の塊は部分的に粉砕される。予備粉砕装置は、粉砕領域に灰の塊があることをレーザーセンサー(7)あるいは同等のセンサーが検出すると作動するようになっている。冷却水が歯付きローター(9)のシャフト(8)中、および/または固定スラブ(10)中を流れ、そこからさらにダクト(4)とノズル(3)を通過して、粉砕領域まで流れるようにするのが好ましい。冷却水の供給は、センサー(12)で検出されるクラッシャのローター(9)またはケーシング(11)の温度に基づいて自動的に行われる。微細材料の流れの分離は、クラッシャの後壁に開口(13)を設け、灰取り出しチャンネル(14)に設けたカウンターウェイトまたは自動バルブ(5)、および回収熱交換装器(15)のトラクションヘッドの下流側の閉鎖シールド(6)によって分離することによって行う。
【選択図】図1

Description

乾燥灰排出装置(EP 0471055参照)においては、取り出し用コンベヤおよびその下流側のコンベヤ上の灰の冷却は、炉の底部で発生する負圧によって炉に戻る空気との強制対流による熱交換によって行われる。冷却空気は排出装置の側壁と、その下流側のコンベヤに形成されたポートから導入されて、対向流型コンベヤ装置に沿って灰の上方を流れ、燃焼室に達する。この装置は、排出装置とその下流側のコンベヤ/冷却装置との間に少なくとも一つの粉砕部を備え、さらに2つの下流側のコンベヤ間にも少なくとも一つの粉砕部を備え、これによって空気と灰の熱交換効率を向上させている。この粉砕装置においては、灰の粒子径を小さくすることにより、空気の対向流との熱交換のための表面積を大きくしている。この従来の灰排出装置においては、炉からの灰が送られる排出装置か、その下流側のコンベヤのいずれかの底部に、回収熱交換器が設けられている。この交換器において熱交換された灰は、重い灰の塊と共に次の装置に送られる。
クラッシャがある場合、機械のラインに対して後方の、燃焼室まで続く冷却空気供給路に沿って、一つの機械からそれより前の機械に冷却空気を送ることは特に重要である。冷却空気がクラッシャに向かって上昇し、次にホッパに向かって上昇する際、冷却空気に熱交換された微細材料が引き込まれ、細かい灰用の回収熱交換器がある底部まで灰が戻され、機械の湾曲部に滞留しやすい。これが繰り返されると、通常作動時よりも磨耗の問題がずっと深刻になり、回収熱交換器の故障や交換器に細かい灰が詰まる問題などが生じ、その結果、装置が異常作動し流量が許容値を上回るといった事態が起きる可能性がある。この問題を防ぐために従来の装置では、所定の径のバイパスダクトを介して、排出装置の上部カバーの取り出し点の近くと、下流側のコンベヤカバーの、取り出し点より下流側の部分とを接続している。このダクトを設ける目的は、冷却空気を灰のコンベヤベルトの上部からスタートして、一つのコンベヤからそれより一つ前のコンベヤまで流すようにすることである。しかしこの方法では、灰の冷却効率が大幅に低下する。なぜならこの方法では、灰の流れが落下して、灰の塊を粉砕部材で小さくすることによって、強制対流熱交換のための灰の表面積を増加させる機能があり、したがって熱交換効率が最大であるクラッシャに、最小限の空気しか供給されないためである。
また炉からの炉底灰の大きな塊は空気によって外側しか冷却されず、内部は柔らかい状態のままであるため、このような灰の塊は効果的に粉砕することができない。すなわち灰の塊は歯付きローラーで粉砕されずに、表面に溝が形成されるだけになりやすい。このため灰がクラッシャ内に滞留しやすくなる。このためポートの詰まりをなくし正常な材料の流れを確保するために、装置を停止させて清掃を行わなくてはならない。また灰がクラッシャ内に滞留すると、装置作動中に粉砕部材とクラッシャのケーシングの温度が高くなり、粉砕部材の磨耗強度が大幅に低下して、寿命が短くなりやすい。
本発明の粉砕冷却装置によって、上記問題はすべて解決することができ、炉底灰に高温の大きな塊が含まれている場合でも、粉砕効率と冷却効率を最大限にすることができ、冷却空気の流体ダイナミクスを向上させ、微細材料の回収熱交換器の故障および過度の磨耗を防ぐことができる。
バイパスダクトに常時閉の自動バルブを設けたり、細かい灰の取り出し部を灰の塊から分離させるなどの方策により、従来の装置と比較して冷却空気の流体ダイナミクスおよび空気と灰の熱交換効率が大幅に向上する。空気の流れの全体は、空気の強制流中に灰が自由落下し、粉砕により熱交換のための表面積が大きくなっていることにより、空気と灰の熱交換効率が最大であるクラッシャを通過する。灰の回収熱交換器の取り出しチャンネルが接続されているクラッシャの後壁に専用の開口を形成すると共に、細かい灰の取り出し部を、取り出しチャンネルに設けたバルブと、細かい灰の回収熱交換器のトラクションヘッドの下流側に設けた閉鎖シールドによって、クラッシャ内部から隔離することによって、細かい灰の取り出し部を分離している。細かい灰は粉砕領域を避けてコンパクトな流れとなってクラッシャ内部に供給されるため、自由落下中に分散しにくく、したがってクラッシャ中の空気の対向流に引き込まれにくい。
大きな灰の塊の粉砕および冷却効率は、予備クラッシャと水冷装置を設けることにより最大限にすることができる。
予備クラッシャはクラッシャのポートを塞いでいる高温の大きな灰の塊をまず粉砕するものであり、これによりローターの歯による粉砕速度と効率を向上させる。予備クラッシャは、レーザーまたは同等のセンサーによって粉砕領域に大きな灰の塊が入ってきたことが検出されると作動するようになっている。
冷却装置の水は、歯付きのローターおよび/または固定スラブに設けたノズルから粉砕領域に供給される。この冷却装置は、高温の灰または灰の塊が存在することにより、歯付きローラーとクラッシャのケーシングの温度が上昇したことがセンサーによって検出され、作動するようになっている。ノズルに供給される水の流量は、センサーによって検出される、クラッシャから排出される灰の温度に基づいて調整される。クラッシャの内部は細かい灰の回収熱交換器から隔離されているため、冷却工程中に発生する蒸気は冷却空気の流れに引き込まれ、燃焼室に直接送られる。
この発明の構成によって、細かい灰の回収熱交換器の故障や早期の磨耗を防止し、やはり微細材料を処理するためのクラッシャの磨耗も減らすことができ、また一つのコンベヤ装置と次のコンベヤ装置の間で、冷却空気全体が落下中の灰と衝突するため、空気と灰の熱交換効率も向上し、その結果、高温の大きな灰の塊も効率よく冷却、粉砕することができ、さらにクラッシャの冷却効率も向上する。
本発明の新規な特徴、目的、効果は下記の実施例の説明と図面から明らかになる。実施例は本発明を限定するものではない。
異なる図面の同じ参照番号は、同一または同等の部品を示す。
以下に記載する粉砕および冷却装置によって、細かい灰の回収熱交換器の閉塞や早期の磨耗を防止し、やはり微細材料を処理するためのクラッシャの磨耗も減らすことができ、また一つのコンベヤ装置と次のコンベヤ装置の間で、冷却空気全体が落下中の灰と衝突するため、空気と灰の熱交換効率も向上し、その結果、高温の大きな灰の塊も効率よく冷却、粉砕することができ、さらにクラッシャの粉砕部材の冷却効率も向上する。
この装置は、1つまたは2つの歯付きローラ9を備えたクラッシャ1と、予備粉砕装置2と、空冷装置3および水冷装置4を備え、塊状の灰の入り口とは別の細かい灰の入り口13を側面に設けた点を特徴としている。
クラッシャ1からの細かい灰の取り出し部5、6、13は、主灰取り出し部16とは独立して設けられたチャンネル14によって形成されている。チャンネル14は、クラッシャ1の後壁に形成された開口13に接続されている。細かい灰の入り口は、クラッシャ1の粉砕部材9と交差しない位置に設けられている。細かい灰の取り出しチャンネル14内には、クラッシャ内に逆流が生じているときに空気の取り入れを防止しつつ、細かい灰を排出することを可能にするカウンターウェイトすなわち自動バルブ5が設けられている。細かい灰用の回収熱交換器のトラクションヘッド15の下流側に設けた閉鎖シールド6によって、この領域をコンベヤ装置の取り出し部16から分離すると共に、細かい灰用の回収熱交換器15内を空気が循環するのを防止している。この構成と、バイパスダクトに設けた常時閉の自動バルブ17によって、冷却空気をクラッシャ1に供給することが可能になり、その結果、空気と灰との熱交換効率を最大にすると共に、過度の磨耗を防ぎ、回収熱交換器15の故障を防ぐこともできる。クラッシャ1の下流側の圧力上昇を検出する差圧送信器によって、クラッシャ1が閉塞していることが検出された場合のみ、バイパスダクトに設けた自動バルブ17が開いて、バイパスダクトを冷却空気が流れる。
クラッシャ1中を空気が流れている間、灰の自由落下によって空気と灰の熱交換効率が最大になり、また空気の強制流による灰の流れの開口も最大になり、灰粉砕後の熱交換のための表面積が大きくなる。
水冷装置3、4によって、高温の灰の大きな塊をさらに効果的に冷却することができる。この装置はセンサー12によって検出されるローター9およびケーシング11の温度に基づいて作動する。この温度は粉砕領域に大きな灰の塊が存在する場合や、高温の灰が高流量で流れている場合上昇する。
水冷装置3、4は、好ましくはローター9および/または固定スラブ10に設けた噴射ノズル3を備えている。ローター9のシャフト8中および/または固定スラブ10上を流れる水が、ダクト4とノズル3を通って粉砕領域に供給され、クラッシャ1に送られる灰を冷却すると共に、作動部材9、10も効果的に冷却する。ノズル3から噴射される水の流量は、クラッシャの下流側に設けたセンサー19によって検出される、クラッシャ1から排出される灰の温度に基づいて調整する。
冷却工程で発生する蒸気は、クラッシャ1の内部が分離装置5、6、13によって灰の回収熱交換器から分離されているため、冷却空気によって直接燃焼室に吸い込まれるため、回収熱交換器15に不都合が生じることはない。
予備クラッシャ2は、耐摩耗性材料製のパンチ20を備えたプレートから成る。パンチ20は油圧シリンダー22によって作動して、クラッシャ1のポートに接続された固定フレーム21に対してスライドする。この予備クラッシャによって、高温の大きな灰の塊がクラッシャ1の入口でつかえた場合でも、パンチ20を備えたプレートが移動して、灰の塊を部分的に粉砕することにより、クラッシャ1のローター9の歯の働きが遅くなるのを防ぐことができる。予備クラッシャ2の作動は、粉砕領域に灰の大きな塊があることを検出するレーザーまたは同等のセンサー7によって制御される。
本発明の粉砕および空冷/水冷装置は、冷却空気流体ダイナミクスを改善する大きな効果によって、クラッシャ1と細かい灰用の回収熱交換器15の閉塞や停止を防ぐことができ、高温の大きな塊の灰も高速で粉砕することが可能であり、さらに粉砕部材9を間接的に冷却することにより、クラッシャ1の寿命を延ばすこともできる。
一体化した粉砕および空冷/水冷装置の横断面図である。 図1の装置を排出および冷却空気供給装置に取り付けた位置を示す概略図である。 粉砕および空冷/水冷装置を不等角図法で示す図である。

Claims (6)

  1. 高温で大きな灰の塊も高効率で粉砕し冷却することが可能で、クラッシャ(1)のポートと一体の予備クラッシャ(2)と、水冷装置(3、4)を設け、クラッシャ(1)に送られる微細材料を大きな灰の塊から分離することによって、冷却空気流体ダイナミクスを改善し、これによって、クラッシャ(1)中の灰の流れに対する冷却空気の対向流を最適化して、熱交換された微細材料が冷却空気の流れに引き込まれるのを防ぐようにした、固体燃料加熱炉からの炉底灰の粉砕および空冷/水冷装置。
  2. クラッシャ(1)のポートと一体の予備クラッシャ(2)が、パンチ(20)を備えたスラブから成り、耐摩耗性材料製であり、油圧シリンダー(22)によって作動して、クラッシャ(1)のポートに接続された固定フレーム(21)に対してスライドするようになっており、パンチ(20)を備えたスラブによってクラッシャ(1)の入口を閉塞している大きな灰の塊を粉砕することを特徴とする請求項1に記載の粉砕および空冷/水冷装置。
  3. 水冷装置の水が歯付きローター(9)のシャフト(8)中および/またはスラブ(10)中を流れて、ダクト(4)とノズル(3)から粉砕領域に供給され、クラッシャ(1)に導入される灰を冷却すると共に、粉砕部材(9)を間接的に冷却することを特徴とする請求項1に記載の粉砕および空冷/水冷装置。
  4. クラッシャ(1)の後壁に、回収熱交換器(15)のトラクションヘッドの下流側に設けた取り出しチャンネル(14)と閉鎖プレート(6)に接続された専用の開口(13)を設けて、クラッシャ(1)の微細材料用の入口を大きい灰の塊から分離し、冷却空気の対向流がクラッシャを通過する際、熱交換された微細な灰がこの対向流に引き込まれないようにしたことを特徴とする請求項1に記載の粉砕および空冷/水冷装置。
  5. 予備クラッシャ(2)の作動を、粉砕領域に大きな灰の塊があることを検出するためのレーザーまたは同等のセンサー(7)により制御することを特徴とする請求項2に記載の粉砕および空冷/水冷装置。
  6. 水冷工程は、センサー(12)によって検出されるローター(9)およびケーシング(11)の温度に基づいて制御し、ノズル(3)から噴射される水の流量は、クラッシャ(1)の下流側に設けたセンサー(19)によって検出される、クラッシャ(1)から排出される灰の温度に基づいて調整することを特徴とする請求項3に記載の粉砕および空冷/水冷装置。
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