JP2009529362A - 骨稜エキスパンダ−コンパクタ及び付属ツール - Google Patents

Abstract

患者の口の後方領域内で骨を拡大又は圧縮するためにエキスパンダ−コンパクタ（１）が使用されることを可能にする最適な値に、その形状及び寸法が設計し直された、モータ駆動される骨稜エキスパンダ−コンパクタ（１）。エキスパンダ−コンパクタ（１）は、円柱形のねじ切りされた領域（５）及び円錐形のねじ切りされた領域（６）を有する、ねじ切りされた体部（３）を有し、ねじ切りされた体部（３）の全長が１２ｍｍ未満であることに加えて、円柱形のねじ切りされた領域（５）は円錐形のねじ切りされた領域（６）の長さの３分の２未満の長さを有している。本発明は、また、いずれも同等に最適化された、エキスパンダ−コンパクタ（１）を外科用モータに連結するコネクタ（７）及び初期掘削器具（１１）に関する。

Description

本発明は、歯科インプラントの挿入前に、患者の骨稜を拡大又は圧縮するために使用される、骨稜エキスパンダ又はツールに関する。

従来技術は、歯科インプラントの挿入前に、患者の骨稜を拡大又は圧縮するために使用されるツールである、骨稜エキスパンダ又はコンパクタを含む。前記エキスパンダ又はコンパクタ以下、「エキスパンダ」又は「エキスパンダ−コンパクタ」と呼ぶは、手動又はモータによって駆動することができ、モータ駆動される場合、エキスパンダは、外科用モータによって動作させることができるコネクタに連結される。

モータ駆動されるエキスパンダの使用は、手動エキスパンダの使用に比べて、臨床応用中にいくつかの基本的な利点を提供する。一方では、手ではなくマイクロモータを用いるエキスパンダの挿入では、エキスパンダの侵入方向又は方向性が、はるかに正確である。これは、骨が一般に、異なる密度を有する部分で形成されていること、及び、エキスパンダが、特定の密度を有する骨部分から異なる密度を有する別の骨部分へと移動するときに、偏向させられる傾向をもつことを考えると、重要な態様である。もう一方では、１０〜１５Ｎの力を、手動でエキスパンダに加えることができるが、マイクロモータを使用すると、６０Ｎより大きい力を加えることができ、すなわち骨を意図的に拡大させ、又さらには破断する目的で、エキスパンダを緻密骨に挿入することが可能になる。

本出願人によるＷＯ−２００４０１９８０７−Ａｌの明細書は、歯科インプラントを挿入するための上顎骨の準備に使用される、モータ駆動される１組の機器を記載しており、前記機器のうちの１つが、骨稜エキスパンダである。前記明細書は、骨の皮質を破断するための第１のツールすなわち初期掘削器具、骨内に空穴を形成するために使用される一連のドリル、及び、骨穴の壁部を圧縮するためにドリルと共に交互に使用される一連のエキスパンダの使用に基づく、歯科インプラント挿入手順を提案する。骨穴が、歯科インプラントを収容するために適した寸法及び質を提供すると、歯科インプラントが、骨穴内に挿入され、そのオッセオインテグレーションが生じるまで、ある期間が必要となる。

上述の明細書は、たとえば骨稜を拡大するなど、エキスパンダの他の可能な用途を記載しており、このようにして、骨稜の深さが増大されること、及び、骨稜が拡大されない場合に支持する歯科インプラントよりも、長さが大きい歯科インプラントの挿入を可能にする。

拡大又は圧縮動作を実行するために、上述の明細書は、一方の端部が外科用モータに連結されているコネクタの他方の端部を受けるための頭部を有する、エキスパンダを提案している。さらに、エキスパンダは、ねじ切りされた体部を有し、ねじ切りされた体部は、円柱形のねじ切りされた領域と、円錐形のねじ切りされた領域と、頂部又は先端部とを有する。円錐形のねじ切りされた領域は、エキスパンダが骨穴内に挿入されるときに、骨を圧縮する機能を果たし、円柱形のねじ切りされた領域は、エキスパンダが骨穴内に挿入されるときに、エキスパンダが骨に食い込み、より深くねじ込まれること、及びその前進能力を高めることを可能にする。

実際、上述の明細書において使用されるエキスパンダは、アクセスが困難であり、外科手術中に操作するための咬合空間が非常に小さい、患者の上顎骨の後方領域内で使用されるときに、いくつかの欠点を有することが証明されている。本発明は、患者の上顎骨の前記後方領域における使用に最適な、エキスパンダの提供を目的とする。このエキスパンダはまた、口の開きが小さい患者における応用例にも有用である。

本発明の目的は、エキスパンダ−コンパクタを提供することであり、このエキスパンダ−コンパクタの形状及び寸法は、エキスパンダ−コンパクタが患者の口の後方領域内で骨を拡大又は圧縮するために使用されることを可能にする、最適な値に設計し直されている。すなわち、エキスパンダ−コンパクタは、他の知られたエキスパンダに比べて縮小された寸法を有し、特に、エキスパンダ−コンパクタの機能に悪影響を与えない目的で、いくつかの領域において寸法が縮小されている。このようにして、本発明のエキスパンダ−コンパクタは、アクセス困難な領域においてそれを適用するための、最小で最適化されたサイズを有すると考えられる。

本発明の別の目的は、一端部上でエキスパンダに、他端部上で外科用モータに連結することができる、コネクタを提供することであり、コネクタの寸法もまた、コネクタが最小となり、アクセス困難な領域内で最適に使用可能となるように、設計し直されている及び最適化されている。

本発明の別の目的は、初期掘削器具、すなわち、骨の皮質を破断し骨穴の開始部を穿孔するための、初期用ツールとして使用されるツールを提供することであり、骨穴は、他のドリルと関連付けられるエキスパンダ−コンパクタによって、続いて穿孔され、深く幅が拡げられる。本発明による初期掘削器具は、最適なサイズまで最大化された形状及び寸法を有し、初期掘削器具が骨の皮質を破断し穴明けを開始するだけでなく、必要とされる骨穴の深さ全体にわたり骨に進入することを保証する。この初期掘削器具を用いると、エキスパンダ−コンパクタは、穿孔し穴を深める必要がなく、初期掘削器具によって形成された穴に進入することができ、それを拡大し、又は拡げるだけでよい。

本発明の詳細は、添付の非限定的な図面内に見ることができる。

図１は、本発明による骨稜エキスパンダ−コンパクタの第１の実施例を示す、底面図、正面図、及び頂面図である。図に見られるように、エキスパンダ−コンパクタ１は、頭部２、ねじ切りされた体部３、及び頂端部４を有する。頭部２は、エキスパンダ−コンパクタ１のモータ駆動される動作をもたらすために、外科用モータに連結することができるコネクタの連結領域として作用する。一方、ねじ切りされた体部３は、実際の拡大又は圧迫を実行する。ねじ切りされた体部３は、他の知られたエキスパンダのように、円柱形のねじ切りされた領域５、及び円錐形のねじ切りされた領域６を有する。本発明によれば、円柱形のねじ切りされた領域５は、円錐形のねじ切りされた領域６の長さの３分の２未満の長さを有し、ねじ切りされた体部３の全長は、１２ｍｍ未満である。「長さ」とは、軸線１７の方向における寸法として理解される。これらの２つの形状及び寸法態様は、アクセス困難な領域における、正しい方向性を有するアクセスを可能にすることができ、且つ最適に作動及び機能する、最小サイズのエキスパンダ−コンパクタ１を提供する。

特に有利な実施例では、円柱形のねじ切りされた領域５は、ねじ切りされた体部の長さの、ほぼ３分の１から半分の間の長さを有し、この場合、円柱形のねじ切りされた領域５が、２ｍｍから４ｍｍの長さを有し、円錐形のねじ切りされた領域６が、６ｍｍから９ｍｍの長さを有することが、特に有利である。好ましい解として、円柱形のねじ切りされた領域５は、ほぼ３ｍｍの長さを有し、円錐形のねじ切りされた領域６は、ほぼ７ｍｍの長さを有する。図１から図４の実施例は、この特に有利な実施例に対応しており、それぞれ異なる太さのエキスパンダ−コンパクタ１を表す。具体的には、それぞれ図１から図４において、円柱形のねじ切りされた領域５の雄ねじ直径は、２．５ｍｍ、３．１ｍｍ、３．６ｍｍ、及び４．３ｍｍである。

図５は、本発明のコネクタの実施例を示す、底面図、正面図、断面図、及び頂面図である。従来技術において知られる他のコネクタと同様、前記コネクタ７は、外科的モータへの連結部８を一端部上に有し、エキスパンダ−コンパクタ１の頭部２に連結させることができる頭部９を他端部上に有する。このため、頭部９は、エキスパンダ−コンパクタ１の頭部２の少なくとも一部を受け入れる、内側凹部１０を有する。本発明は、コネクタ１が、口の後方領域内で使用されるための十分小さいサイズとなると同時に、寸法の縮小による悪影響を受けずに正しく作動するように計算され最適化された、特定の寸法を有するコネクタ７を提供する。すなわち、頭部９は、４ｍｍから４．７ｍｍの長さ、及び４．７ｍｍから５．３ｍｍの直径を有する。一方、内側凹部１０は、３．５ｍｍから４ｍｍの間の長さを有する。「直径」とは、軸線１７と直交する方向の寸法であると理解される。特に有利な解（図に表す）において、頭部９は、ほぼ４．３ｍｍの長さ、及びほぼ５ｍｍの直径を有し、内側凹部１０は、ほぼ３．７ｍｍの長さを有する。

図６は、本発明による初期掘削器具の実施例を示す正面図である。初期掘削器具１１は、本出願人によって設計された他の初期掘削器具のように、外科用モータへの連結部１２を一端部上に有し、切削先端１３を他端部上に有する。本発明の初期掘削器具１１は、口の後方領域に掘削器具がアクセスすることを可能にし、また掘削器具がその開始部のみにおいてではなく、その全長に沿って骨穴を穴明け開始することを可能にするように、最大化及び最適化された寸法を有する。前記最適化された寸法の目的は、切削先端１３が、９ｍｍから２０ｍｍ、より好ましくは１３ｍｍから１７ｍｍ、及び特に有利な解ではほぼ１５ｍｍ（図に表す解）の長さを有することである。さらに、図の実施例では、切削先端１３は、円柱形領域１４、円錐形領域１５、及び円錐形頂部１６に分割されており、円錐形頂部１６の円錐度は、図示されているように、好ましくは円錐領域１５の円錐度よりも大きい。初期掘削器具１１が、前記領域１４、１５、１６を有する状態で、円柱形領域１４が、ほぼ６．５ｍｍの長さを有し、円錐形領域１５及び円錐形頂部１６が、合計でほぼ８．５ｍｍの長さを有することが、特に有利である。

本発明によるエキスパンダ−コンパクタの実施例を示す、底面図、正面図、及び頂面図である。 本発明によるエキスパンダ−コンパクタの別の実施例を示す、底面図、正面図、及び頂面図である。 本発明によるエキスパンダ−コンパクタの別の実施例を示す、底面図、正面図、及び頂面図である。 本発明によるエキスパンダ−コンパクタの別の実施例を示す、底面図、正面図、及び頂面図である。 本発明のコネクタの実施例を示す、底面図、正面図、断面図、及び頂面図である。 本発明による初期掘削器具の実施例を示す正面図である。

Claims (12)

1. 外科用モータに連結することができるコネクタを連結させるための頭部（２）と、ねじ切りされた体部（３）と、頂端部（４）とを有し、前記ねじ切りされた体部（３）が、円柱形のねじ切りされた領域（５）と、円錐形のねじ切りされた領域（６）とを有した骨稜エキスパンダ−コンパクタ（１）において、
   前記円柱形のねじ切りされた領域（５）の長さが、前記円錐形のねじ切りされた領域（６）の長さの３分の２未満であり、
   前記ねじ切りされた体部（３）の全長が、１２ｍｍ未満であることを特徴とする、骨稜エキスパンダ−コンパクタ。
2. 請求項１に記載の骨稜エキスパンダ−コンパクタにおいて、前記円柱形のねじ切りされた領域（５）の長さが、前記ねじ切りされた体部の長さのほぼ３分の１から半分の間であることを特徴とする、骨稜エキスパンダ−コンパクタ。
3. 請求項２に記載の骨稜エキスパンダ−コンパクタにおいて、前記円柱形のねじ切りされた領域（５）の長さが２ｍｍから４ｍｍの間であり、前記円錐形のねじ切りされた領域（６）の長さが６ｍｍから９ｍｍの間であることを特徴とする、骨稜エキスパンダ−コンパクタ。
4. 請求項３に記載の骨稜エキスパンダ−コンパクタにおいて、前記円柱形のねじ切りされた領域（５）の長さがほぼ３ｍｍであり、前記円錐形のねじ切りされた領域（６）の長さがほぼ７ｍｍであることを特徴とする、骨稜エキスパンダ−コンパクタ。
5. 外科用モータへの連結部（８）を一端部上に有し、エキスパンダ−コンパクタ（１）の前記頭部（２）に連結することができる頭部（９）を他端部上に有し、前記頭部（９）が前記エキスパンダ−コンパクタ（１）の前記頭部（２）の少なくとも一部を受ける内側凹部（１０）を有したコネクタ（７）において、
   前記頭部（９）が４ｍｍから４．７ｍｍの長さ及び４．７ｍｍから５．３ｍｍの直径を有し、
   前記内側凹部（１０）の長さが３．５ｍｍから４ｍｍの間であることを特徴とする、コネクタ。
6. 請求項５に記載のコネクタにおいて、前記頭部（９）がほぼ４．３ｍｍの長さ及びほぼ５ｍｍの直径を有し、前記内側凹部（１０）の長さがほぼ３．７ｍｍであることを特徴とする、コネクタ。
7. 外科用モータへの連結部（１２）を一端部上に有し、切削先端（１３）を他端部上に有した初期掘削器具（１１）において、
   前記切削先端（１３）の長さが９ｍｍから２０ｍｍの間であることを特徴とする、初期掘削器具。
8. 請求項７に記載の初期掘削器具（１１）において、前記切削先端（１３）の長さが１３ｍｍから１７ｍｍの間であることを特徴とする、初期掘削器具。
9. 請求項７に記載の初期掘削器具（１１）において、前記切削先端（１３）の長さがほぼ１５ｍｍであることを特徴とする、初期掘削器具。
10. 請求項７に記載の初期掘削器具（１１）において、前記切削先端（１３）が円柱形領域（１４）と、円錐形領域（１５）と、円錐形頂部（１６）とを有することを特徴とする、初期掘削器具。
11. 請求項１０に記載の初期掘削器具（１１）において、前記円錐形頂部（１６）の円錐度が前記円錐形領域（１５）の円錐度より大きいことを特徴とする、初期掘削器具。
12. 請求項９及び１０に記載の初期掘削器具（１１）において、前記円柱形領域（１４）がほぼ６．５ｍｍの長さを有し、前記円錐形領域（１５）及び前記円錐形頂部（１６）が合計でほぼ８．５ｍｍの長さを有することを特徴とする、初期掘削器具。
    

Images