JP2009524403A - Mosトランジスタの制御デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】 漏洩電流をブロックする、トランジスタの制御デバイスを提供する。
【解決手段】 出力制御信号によってトランジスタのゲートを制御するために、トランジスタのドレインに接続されて、全体として第1の接続を形成する第1の入力と、トランジスタのソースに接続されて、全体として第2の接続を形成する第2の入力とを有する増幅デバイス(15)を備え、さらに、漏洩電流が第1の接続を通って流れることを防止するために、増幅デバイス(15)の第1の接続に直列に挿入されている少なくとも1つのスイッチング素子(T1)を有する少なくとも1つの保護デバイスと、トランジスタを制御するためにレギュレーション電圧を発生させ、第1の接続と第2の接続とにおいて、同数の半導体接合が存在するように構成されている発生デバイスとを備えている。バッテリーの充電デバイスに適用可能である。
【選択図】図4

Description

本発明は、MOSトランジスタ(MOSFET)の制御デバイスに関する。
この制御デバイスは、例えば回転電気機械、例えばオルタネータまたはオルタネータスタータに用いられる。
オルタネータスタータは、通常、次のものを有している。
− 励磁電流が流れる誘導子を意味するロータ。
− 複数の相を有する、アーマチュアを意味する多相ステータ。
オルタネータスタータは、モータモードまたは発電機モードで動作する。すなわち、オルタネータスタータは、いわゆる可逆機械である。
オルタネータモードとも呼ばれる発電機モードにおいて、この電気機械は、車両の熱機関によって駆動されるロータの回転運動を、ステータの各相に誘導される電流に変換する。この場合、ステータの各相に接続されているブリッジ整流器が、バッテリーのような、車両の電力消費機器に電力を供給するために、正弦波誘導電流を直流電流に整流する。このブリッジ整流器は、1相当たり1つのアームを有しており、各アームは、通常、2つのMOSトランジスタを備えている。
他方、モータモードにおいては、電気機械は、ロータシャフトを介して、車両の熱機関を回転駆動するための電動モータとして働く。すなわち電気機械は、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する。この場合、パワーユニットは、直流電流を交流電流に変換するためのインバータを形成する。それによって、モータトルクを発生させることが可能になる。
非特許文献1には、正弦波誘導電流を正しく整流するために、ブリッジ整流器のトランジスタを適切に制御するための制御デバイスが示されている。
ブリッジ整流器/インバータの各トランジスタに、1つの制御デバイスが接続されている。各制御デバイスは、対応するトランジスタを制御するための演算増幅器を有している。
Stephan Rees、Ulrich Ammann著「New Gate Control Unit for Automotive Synchronous Rectifiers(自動車用同期整流器のための新しいゲート制御ユニット)」、シュツットガルト大学、パワーエレクトロニクスおよび制御工学研究所
上述の制御デバイスの1つの欠点は、それに、バッテリーからの漏洩電流が流れ込むということである。
そのため、ブリッジ整流器/インバータのトランジスタは、この漏洩電流が原因でダメージを受けることがある。また、車両が停車しているとき、ブリッジ整流器/インバータは、電流を連続的に消費し、そのため、バッテリーは放電する。
本発明は、特に、これらの欠点を軽減することを目的とするものである。
本発明は、トランジスタが正しく動作するように、また、車両が停車しているときに、バッテリーが放電しないように、漏洩電流を制限するようになっている、トランジスタの制御デバイスを提供するものである。
すなわち本発明は、ゲート、ソース、およびドレインを有し、チャネルが形成されているトランジスタの制御デバイスを提供するものである。制御デバイスは、出力制御信号によって、トランジスタのゲートを制御するために、トランジスタのドレインに接続され、全体として第1の接続を形成する第1の入力と、トランジスタのソースに接続されて、全体として第2の接続を形成する第2の入力とを有する増幅デバイスを備えている。
本発明によれば、この制御デバイスは、さらに、次のものを備えている。
− 漏洩電流が第1の接続を通って流れることを防止するために、増幅デバイスの第1の接続に直列に挿入されている少なくとも1つのスイッチング素子を有する少なくとも1つの保護デバイス。
− トランジスタを制御するためにレギュレーション電圧を発生させる発生デバイスであって、第1の接続と第2の接続とにおいて、同数Nの半導体接合が存在するように構成されている発生デバイス。
したがって、この保護デバイスは、漏洩電流が、バッテリーから漏れ出て、保護デバイス内に侵入することができないように、漏洩電流をブロックする。このようにして、車両が停車しているとき、バッテリーが放電するという恐れはなくなり、ブリッジ整流器/インバータは、何物も消費しなくなる。
限定することを目的とするものではない実施形態においては、本発明による保護デバイスは、次の特徴のうちの1つ以上を有することがある。
− トランジスタの制御デバイスは、増幅デバイスの出力から、2つの入力のうちの一方に至る帰還ループを備えている。
− トランジスタの制御デバイスは、帰還ループに結合された保護デバイスを備えている。
− 保護デバイスは、ダイオードを有する。
− 保護デバイスは、スイッチを有する。
− 保護デバイスは、電流によって保護デバイスにバイアスをかけるための供給源と組み合わされている。
− 増幅デバイスの第1の入力は負相入力であり、第2の入力は正相入力である。
− トランジスタの制御デバイスは、トランジスタを含むか、または含まない集積回路内に実装されている。
− 第1の接続上の1つ以上の半導体接合は、第2の接続上の1つ以上の半導体接合と同じ性質を有する。
− 半導体接合の数Nは、0に等しい。
− 半導体接合の数Nは、1に等しい。
− レギュレーション電圧の発生デバイスは、保護デバイスを有している。
本発明は、さらに、それぞれ、第1および第2のトランジスタのための第1および第2の制御デバイスを有する、自動車用の2つのバッテリーを管理するためのシステムを提供するものである。2つの制御デバイスは、2つのバッテリーを並列に配置するためのものであり、かつ、第1の制御デバイスは、上述の特性のいずれか1つを有する制御デバイスである。
第2の制御デバイスは、第2のトランジスタを2状態モードで制御する。
本発明は、さらに、パワートランジスタから成る少なくとも1つのブリッジアームを有する、多相回転電気機械用のパワーブリッジを提供するものである。ブリッジアームの各々は、多相回転電気機械の1つの相、および1つのトランジスタ当たり、上述の特性のいずれか1つを有する1つの制御デバイスと組み合わされている。
本発明は、さらに、上述の特性のいずれか1つを有する、2つのバッテリーを管理するためのシステムを備える回転電気機械を提供するものである。
本発明は、さらに、上述の特性のいずれか1つを有するパワーブリッジを備える回転電気機械を提供するものである。
本発明の他の特徴および利点は、添付図面を参照して、限定することを目的とするものではない実施形態に関する以下の説明を読むことにより、明らかになると思う。
MOSトランジスタ(以下、単にトランジスタと言う)の制御デバイス10は、図1に示すように、オルタネータスタータのブリッジ整流器に用いることができる。
以下の説明において、制御デバイス10は、この利用に関連付けて説明する。当然ながら、この利用は、制御デバイス10の利用に関する、限定することを目的とするものではない一例であるにすぎない。制御デバイス10は、以下に詳細に示すように、他の用途にも用いることができる。
図1は、オルタネータスタータALT、自動車の搭載システムRS、および、ブリッジ整流器に電圧Uaを供給するバッテリーBATに接続されたパワーブリッジPTを示している。パワーブリッジPTは、3つのアームB1、B2、B3を備えている。各アームは、2つのトランジスタ(アーム全体では、トランジスタ1〜6)を有し、オルタネータスタータのステータの各相PH1、PH2、PH3に接続されている。
制御デバイス10〜60の各々は、パワーブリッジPTのトランジスタの1つに組み合わされており、交流電流の整流が得られる(ブリッジ整流器動作)か、または、機械的なモータトルクが得られる(インバータ動作)ように、トランジスタをスイッチングする。
以下の説明においては、単一の制御デバイスについて記載するが、この例において、パワーブリッジの全ての制御デバイスは同一である。
図2は、制御デバイス10の動作スキームの第1の例を示す図である。この動作スキーム図において、制御デバイス10は、次のものを備えている。
− 出力制御信号によってトランジスタ1のゲートGを制御するための増幅デバイス15であって、
・第1の抵抗R9を介してトランジスタ1のドレインDに結合され、全体として、第1の接続を形成する第1の入力NEG(負相側)と、
・トランジスタ1のソースSに接続され、全体として第2の接続を形成する第2の入力POS(正相側)とを有する増幅デバイス15と、
− 2つの入力のうちの一方(この例においては、第1の入力NEG)に結合されている、少なくとも1つのバイアス電流源I1であって、トランジスタがオープン状態になる前には、増幅デバイスが線形モードで動作するように、レギュレーション電圧VRとも呼ばれるドレイン−ソース間電圧VDSの大きさを変更するための少なくとも1つのバイアス電流源I1と、
− 漏洩電流から保護するための保護デバイス(図2には示されていない)。
バイアス電流源という用語は、誤用されることが多いことに注意されたい。正確には、このバイアス電流源は、電流によって保護デバイスをバイアスするための供給源である。
限定することを目的とするものではない一実施形態において、制御デバイス10は、さらに、増幅デバイス15の出力から、その2つの入力のうちの一方(この例においては、第1の入力NEG)への帰還ループ16を備えている。この帰還ループ16は、第2の抵抗R18を備えている。この帰還ループ16は、帰還電流を再注入することによって、増幅デバイス15の伝達関数、特にその利得を制御する。さらに、抵抗R18およびR9に対して与えられた値を選ぶことによって、抵抗R18は、帰還ループの利得に制限を加える。
限定することを目的とするものではない一実施形態において、増幅デバイス15の第1の入力NEGは負相入力であり、また、第2の入力POSは正相入力である。変形例として、これは、反対であってもよい。このときには、帰還ループ16に、インバータゲートが設けられる。
バイアス電流源I1、I2は、例えば、電流源によって、または、一定電位に接続された抵抗によって形成されていることに注意されたい。さらに、図3に示すように、バイアス電流源I1、I2を、増幅デバイス15内に集積化することができる。その場合には、バイアス電流源I1、I2を、増幅デバイス15によってなされる増幅に役立てることもできる。したがって、外部回路を加える必要はない。これらのバイアス電流源は異なるものであってもよい。残りの図においては、バイアス電流源I1、I2は、集積化して示されている。しかしながら、それらはもちろん、外部にあってもよい。
図3は、保護デバイスの第1の実施形態を示している。この実施形態においては、保護デバイスは、増幅デバイス15の入力に配置された、少なくとも1つのダイオードを有している。
限定することを目的とするものではない一実施形態において、帰還ループ16が存在しない場合には、単一の保護ダイオードD4が、点B(第1の抵抗R9が増幅デバイス15の第1の入力NEGに接続している点)の上流で、増幅デバイス15の2つの入力のうちの一方(この例では、負相入力である第1の入力NEG)に配置される。
限定することを目的とするものではない一実施形態において、帰還ループが存在する場合には、第1の保護ダイオードD4に加えて、帰還ループ上に第2の保護ダイオードD9が存在する。帰還ダイオードである第2の保護ダイオードD9は、高ドレイン電圧(この例では、12V)をブロックすることができ、また、バッテリーを放電させる、ドレインからの漏洩電流をブロックすることができる。
限定することを目的とするものではない一実施形態において、2つの入力の電圧を等化する目的で、増幅デバイスの正相入力である第2の入力POSに、第3のダイオードD3が存在していることにも注意されたい。第3のダイオードD3は、温度の関数として、第1の保護ダイオードD4と同じ固有特性(電圧−電流特性のような)を有するように選ばれる。第3のダイオードD3は、第1の保護ダイオードD4と同じタイプであっても、異なるタイプであってもよいが、同じ特性を有する。これによって、第1の保護ダイオードD4によって発生する差分(オフセット)電圧の補償が可能になる。オフセット電圧は、ドレイン−ソース間電圧VDSの正確な大きさ、したがって、レギュレーション電圧の制御を妨害する。さらに、この第3のダイオードD3は、第2の入力POSに結合されている第2のバイアス電流源I2につながっている。したがって、2つの入力POSおよびNEG上の半導体接合に、完全な対称性(同数の半導体接合および同一の性質の構成成分)が存在する。
限定することを目的とするものではない第1の実施形態において、バイアス電流のレベルおよびダイオードの特性は、それらのダイオードの端子における電圧が同一になるように選ばれる。したがって、レギュレーション電圧VRは、温度の関数として一定であり、主として、第1の抵抗R9を通過する、第1のバイアス電流源I1の電流によって定められる。例えば、バイアス電流源I1とI2との電流を、制御デバイスの任意の供給電圧において同一かつ一定であるようにし、かつ、第3のダイオードD3と第1の保護ダイオードD4とを同一にすることができる。したがって、さらに、トランジスタ1のドレイン−ソース間電圧VDSの大きさにもオフセットを与えるオフセット電圧が取り除かれる。
限定することを目的とするものではない第2の実施形態において、バイアス電流のレベルおよびダイオードの特性は、それらのダイオードの端子における電圧が相異なるように選ばれる。この場合には、レギュレーション電圧VRは、温度上昇とともに絶対値が増加するように温度に依存し、主として、第1の抵抗R9および第1の保護ダイオードD4を通過する、第1のバイアス電流源I1の電流、および、第3のダイオードD3を通過する、第2のバイアス電流源I2の電流によって定められる。例えば、バイアス電流源I1とI2とを相異なるものとして、かつ、第3のダイオードD3と第1の保護ダイオードD4とを同一にすることができる。
トランジスタ1の内部抵抗は、温度上昇とともに増加するから、この第2の実施形態によれば、高温においてさえ、トランジスタ1がオープン状態になる前には、線形モードの動作を維持することが可能である。したがって、トランジスタ1のゲートが放電する瞬間は、レギュレーション電圧VRの値が低温における値と同一のままである場合に比して早められる。したがって、トランジスタ1内に電流反転が発生する前に、トランジスタ1のゲートが完全に放電する時間が存在する。そのために、電磁干渉が制限される。したがって、この場合には、ダイオードの温度の関数として変化するオフセット抑制が得られる。
したがって、ダイオードD3およびD4、および、場合によっては、それらに組み合わされるバイアス電流源I1およびI2(バイアス電流源が増幅デバイス15の外部にある図2の場合)を用いることによって、トランジスタのドレイン入力とソース入力と増幅デバイス15の一次側との間で、同数Nの半導体接合が得られる。この例においては、N=1である。これによって、ダイオードの電圧(約0.7V)に比して、非常に低いレギュレーション電圧VR(約40mV)を得ることができる。そのため、ジュール損失はより小さくなり、したがって、電気機械の効率はより高くなる。後で述べるように、N=0の場合もあることに注意されたい。常に、同数の半導体接合が存在する。
さらに、2つの入力に同じ種類の成分(ダイオードD4−ダイオードD3、および、バイアス電流源I1−バイアス電流源I2)を選ぶことによって、容易に、それらの成分を同じ特性を有するように選ぶことができ、したがって、2つの入力に良好な対称性を与えることができる。これによって、レギュレーション電圧VRを、温度に依存するようにする(バイアス電流源I1がI2と異なる場合)か、または、与えられた一定値になるようにする(バイアス電流源I1がI2と同一の場合)かのいずれかに、容易に調整することができる。
したがって、同数の半導体接合、および、この対称性を用いることによって、選択された構成成分から発生するオフセット電圧や、温度ドリフトによって発生するオフセット電圧を生じることなく、しかも、レギュレーション電圧VRを、容易に、非常に低い値に選ぶことができる。
慣例にしたがって、点Bの上流が、矢印AMによって、点Bの下流が、矢印AVによって表わされている。
第1および第2の保護ダイオードD4およびD9は、ブリッジ整流器/インバータがオフ状態になっているときに漏洩電流が存在する位置に配置されていることに注意されたい。すなわち、
− バッテリーからの漏洩電流は、第2の保護ダイオードD9によってブロックされ、さらに、
− バッテリーからの漏洩電流は、第1の保護ダイオードD4によってもブロックされる。
このように配置されたダイオードを有する、この保護デバイスは、さらに、ブリッジ整流器/インバータがオン状態またはオフ状態にあるときにも、漏洩電流をブロックすることができる。
したがって、図3のデバイスは、多数のなかの限定された一例である。
例えば、ダイオードD4、D3を、点Bの下流で、トランジスタ1のドレイン、ソースに直接接続することができる。この場合、帰還ループ16は、増幅デバイス15に直接接続される(図示せず)。
ダイオードをMOSトランジスタに置き換えることも可能である。ブリッジ整流器/インバータがオフ状態にあるときには、これらのMOSトランジスタは、オープン状態にあり、一方、ブリッジ整流器/インバータがオン状態にあるときには、漏洩電流を受け入れるか否かに応じて、これらのMOSトランジスタは、それぞれ、クローズ状態またはオン状態にある。
図4は、保護デバイスの第2の実施形態を示している。この実施形態によれば、保護デバイスは、点Bの下流において、増幅デバイス15の第1の接続上に配置された保護スイッチT1である。
ブリッジ整流器/インバータに電流が流れていない(車両が停車している)ときには、このMOSトランジスタから成る保護スイッチT1は、オープン状態にある。したがって、バッテリーから、増幅デバイス15およびブリッジ整流器/インバータに漏洩電流が流れることはない。ブリッジ整流器/インバータに電流が流れている(電気機械がオルタネータモードまたはモータモードにある)ときには、保護スイッチT1はクローズ状態にある。
図5に示す一変形例において、第1の抵抗R9の先に、保護スイッチT1が配置されている。
図6は、保護デバイスの第3の実施形態を示している。この実施形態によれば、保護デバイスは、増幅デバイス15の帰還ループ16上に配置された第1の保護スイッチT2、および、第1の入力上に配置された第2の保護スイッチT3を備えている。
したがって、バッテリーからの漏洩電流が存在するときには、漏洩電流が、増幅デバイスおよびブリッジ整流器/インバータ内に伝播しないように、2つの保護スイッチT2およびT3はオープン状態になる。
第1の変形例において、第2の保護スイッチT3は、増幅デバイス15の第1の入力NEGと点Bとの間、すなわち、点Bの上流に配置されている。
第2の変形例において、第2の保護スイッチT3は、点Bと第1の接続の抵抗9との間、すなわち、点Bの下流に配置されている。
図7は、制御デバイスの動作スキームの第2の例を示す図である。この動作スキーム図において、制御デバイス10は、次のものを備えている。
− 出力制御信号を介して、トランジスタ1のゲートGを制御するための増幅デバイス15であって、
・第1の抵抗R9を介して、トランジスタ1のドレインDに結合され、全体として第1の接続を形成する、第1の入力NEG(負相側)と、
・レギュレーション電圧VRの電圧源と第3の抵抗R3とを介して、トランジスタ1のソースSに接続され、全体として第2の接続を形成する第2の入力POS(正相側)とを有する増幅デバイス15。
− 第2の抵抗R18を有する帰還ループ16。
− 漏洩電流から保護するための保護デバイス(図7には示されていない)。
この実施形態においては、レギュレーション電圧の電圧源は、増幅デバイスの外部にあることに注意されたい。
さらに、抵抗R3によって、トランジスタの入力と増幅デバイス15の一次側との間に、同じ対称性を与えることができることに注意されたい。それによって、第1の接続と第2の接続との間にオフセット電圧が発生することを防止することができて、したがって、外部電圧源のレギュレーション電圧VRの値にバイアスがかからないようにすることができる。さらに、これによって、I1=I2のときに、一定のレギュレーション電圧が容易に得られる。
第1の接続と第2の接続との抵抗の間のこの対称性は、前述および後述の実施形態の全てに適用することができることに注意されたい。
この場合の保護デバイスの実施形態は、制御デバイス10の第1の動作スキームに対するものと同様になる。
図8では、保護ダイオードが示されており、図9では、第1の接続上に、保護スイッチT1が示されている。さらに、第1の動作スキームの図5および図6の他の実施形態も適用可能であるが、これらの図には示されていない。
これらの保護デバイスを、第2の動作スキームに適用することによって、漏洩電流が残る他の解決方法、例えば、保護ダイオードが、点Bとトランジスタ1のソースSとを接続するワイヤー上に配置される解決方法と異なって、漏洩電流を完全に打ち消すことができることに注意されたい。さらに、上述の解決方法によって、帰還ループ中に過大な抵抗Rを用いることなく、大きな利得を得ることが可能になる。
保護デバイスがスイッチで実現されている場合に、このスイッチがクローズ状態のときには、第1および第2の接続の接合数は0、すなわち、N=0であることに注意されたい。
図10は、制御デバイスの動作スキームの第3の例を示す図である。この動作スキームにおいては、増幅デバイス15に関して、それが、この場合には、−15V、+15Vを印加される標準部品であるということを除いて、制御デバイス10は、第1の動作スキームにおけるものと同じである。
この場合の保護デバイスの実施形態は、制御デバイス10の第1の動作スキームにおける実施形態と同様である。
上述の各動作スキームにおいて、制御デバイス10に帰還ループがついていない場合には、ただ1つの保護デバイス(保護ダイオードまたは保護スイッチ)しか必要でないということに注意されたい。
制御デバイス10を、パワーブリッジに応用するように説明してきた。しかしながら、制御デバイス10は、この応用に限定されるものではない。それは、トランジスタの制御デバイス10を、図11に示されているバッテリー充電デバイスに用いることもできるからである。
この応用においては、図11に示すように、制御ユニット1は、直列に配置された導電経路を有するパワーMOSトランジスタ(以下、トランジスタと言う)4および5によって、バッテリー2および3の充電を制御する。バッテリー2は、例えば、オルタネータ6またはスタータまたはオルタネータスタータに接続されており、また、バッテリー3は、搭載システム7に接続されている。バッテリー3は、トランジスタ4および5を介して、バッテリー2に並列に接続されている。
トランジスタ4は、バッテリー2と同じ側に配置されており、また、トランジスタ5は、バッテリー3と同じ側に配置されている。これらのトランジスタは、例えば外部制御信号に基づいてスイッチするように、制御ユニット1によって制御される。トランジスタ4と5は、それらの寄生ダイオードが、それぞれのカソードをバッテリー2とバッテリー3に向けるように、接続されている。したがって、2つのトランジスタが、オフ(オープン)状態にあるときには、一方のバッテリーから他方のバッテリーに、電流が流れることはできない。この制御ユニット1は、制御デバイス10を有している。
制御デバイス10は、トランジスタ5が完全なダイオードとして動作するように、トランジスタ5を自己完結的に制御する。一方トランジスタ4は、外部信号によって2状態制御で制御される。
次に制御デバイス10の動作を、2つのバッテリーを接続しているスイッチの動作に関連付けて説明する。この動作は、限定することを目的とするものではない一例である。
・バッテリーに関して
第1のステップINIT: 初期状態において、図11に示されているシステムは働いておらず、2つのバッテリーの間に、電流は流れていない。この構成は、車両が電力消費機器を使わずに停車している状態に相当する。
第2のステップ+APC: ユーザがイグニッションキーを回すと、バッテリー3で、電流(約20A)が消費される。この電流は、バッテリー3の端子に電圧降下を生じさせる。制御デバイス10は、この電圧降下を減少させるようにトランジスタ5を制御する。
第3のステップ+DEM: ユーザが、スタータまたはオルタネータスタータによって熱機関を始動させると、バッテリー2から、電流が取り出される。この大電流によって、バッテリー2の端子に、相当の電圧降下(例えば、12〜6V)が発生する。この電圧降下が、バッテリー3に接続されている搭載システム7に妨害を与えることを避けるために、制御デバイス10が、迅速にトランジスタ5をオープン状態にすることが望ましい。迅速な制御は、さらに、それがなければトランジスタ5を通過したおそれのある大電流から、トランジスタ5を保護する。
第4のステップALT: 熱機関が始動すると、オルタネータ6またはオルタネータスタータは、バッテリー2および3を再充電するための電流を供給する。オーバーヒートを防ぎ、かつ、2つのバッテリーに同じ充電電圧を保持して、バッテリー2の方がバッテリー3よりも高電位に充電させられないようにするために、トランジスタ5は、クローズ状態にならなければならない。
第2のステップ+APCおよび第4のステップALTにおいて、帰還ループ16が、次のように作用することに注意されたい。ゲート電圧Vgの関数である帰還電流が、増幅デバイス15に再注入され、その結果、増幅デバイス15の利得が、1000前後に制限される。したがって、制御デバイスの安定性が改善される。このとき、ドレイン−ソース間電圧VDSが、−30mV前後であると、トランジスタの2状態モード(Vgate−sourse=0VまたはVcc)への転換がより防止され、したがって、発振が防止される。したがって、ドレイン−ソース間電圧VDSおよびゲート−ソース間電圧VGS(帰還ループ16を介して)を変化させて、ゲート−ソース間電圧VGSを制御することにより、トランジスタ5のチャネルを変化させることができる。
第1のステップINITおよび第3のステップ+DEMにおいては、帰還電流Iretは0Aであり、ゲート−ソース間電圧VGSは0Vである。
従って、上述の保護デバイスは、次のような利点を有する。
− 第1に、車両が停車している(エンジンが切られている)とき、例えば、1か月間、駐車場にあるとき、連続的にいかなる電流も消費することがないように、保護デバイスは、オルタネータスタータのパワーブリッジを無効にする。したがって、保護デバイスは、バッテリーの起こり得る放電を防止する。
− これは、上述のように、1つ以上の保護ダイオードを用いることによって、パワーブリッジがオフ状態にあろうと(車両が停車していようと)、オン状態にあろうと(車両が走行していようと)、漏洩電流が存在しないからである。
− さらに、上述のように、1つ以上の保護スイッチを用いることによって、パワーブリッジがオフ状態にあるとき、漏洩電流は存在しない。パワーブリッジがオン状態にあるときには、漏洩電流は存在する。しかしながら、この場合には、漏洩電流が、パワーブリッジによって出力される電流(すなわち、上述の第1の応用においては約50A)に比して無視できるから、このことは、重要なことではない。
− 第2に、保護ダイオードであれ、保護スイッチであれ、上述の保護デバイスは、制御デバイスの各動作スキーム図に示されている点Bに発生する過電圧に対して保護する。
− 第3に、帰還ループ内に安定化コンデンサが存在する(その安定化コンデンサは、概ね12Vから0.7Vまで放電する)場合には、安定化コンデンサの入力(12V)が符号を変えたとき、保護ダイオードは、安定化コンデンサの迅速な放電を可能にする。
− 第4に、漏洩電流の打ち消しによって、許容総漏洩電流が100μAであるような製造標準に合わせることができる。
− 第5に、オルタネータが腐食を促進する湿潤環境内にあることが多いパワーブリッジへの応用の場合には、漏洩電流を防止することによって、オルタネータのステータの各相の酸化が防止されるという、別の長所が存在する。これは、漏洩電流が存在するときには、各相と、車両アースに接続された、オルタネータのケーシングとの間に、電位差が存在するからである。
− 第6に、この制御デバイスの製造は単純であり、したがって、ASIC(特定用途向け集積回路)に、または、直接にパワーMOSトランジスタと同じ基板に、この制御デバイスを容易に集積化することができる。さらに、いくつかのパワーMOSトランジスタを制御するために、同一の基板または同一のASICに、いくつかの制御デバイス(例えば、パワーブリッジアーム、またはパワーブリッジの全アームを制御するデバイス等)を配置することが可能である。
本発明による制御デバイスを第1の利用面で用いることができる回路の第1の例を示す図である。 本発明による制御デバイスの第1の動作スキームを示す図である。 図2の制御デバイスに含まれる保護デバイスの第1の実施例を示す図である。 図2の制御デバイスに含まれる保護デバイスの第2の実施例を示す図である。 図2の制御デバイスに含まれる保護デバイスの第2の実施例の一変形例を示す図である。 図2の制御デバイスに含まれる保護デバイスの第3の実施例を示す図である。 本発明による制御デバイスの第2の動作スキームを示す図である。 図7の制御デバイスに含まれる保護デバイスの第1の実施例を示す図である。 図7の制御デバイスに含まれる保護デバイスの第2の実施例を示す図である。 本発明による制御デバイスの第3の動作スキームを示す図である。 本発明による制御デバイスを第2の応用に用いることができる回路の第2の例を示す図である。
符号の説明
1 パワートランジスタ
2、3 バッテリー
6 オルタネータ
7、RS 搭載システム
10、20、30、40、50、60 制御デバイス
11、12 バイアス電流源
15 増幅デバイス
16 帰還ループ
ALT オルタネータスタータ
AM、AV 矢印
B 点
B1、B2、B3 アーム
BAT バッテリー
D ドレイン
D3 第3のダイオード
D4 第1の保護ダイオード
D9 第2の保護ダイオード
G ゲート
I1、I2 バイアス電流源
NEG 第1の入力
PH1、PH2、PH3 ステータの相
POS 第2の入力
PT パワーブリッジ
R3、R9、R18 抵抗
S ソース
T1、T2、T3 保護スイッチ
Ua 電圧
DS ドレイン−ソース間電圧
R レギュレーション電圧

Claims (17)

  1. ゲート、ソースおよびドレインを有するチャネルが形成されているパワートランジスタ(1)の制御デバイスであって、
    − 出力制御信号によって前記パワートランジスタのゲートを制御するために、
    − 前記パワートランジスタのドレインに接続され、全体として第1の接続を形成する第1の入力(NEG)と、
    − 前記パワートランジスタのソースに接続され、全体として第2の接続を形成する第2の入力(POS)とを有する増幅デバイス(15)を備えており、
    − 漏洩電流が前記第1の接続を通って流れることを防止するために、前記増幅デバイス(15)の第1の接続に直列に挿入されている少なくとも1つのスイッチング素子(D4、T1、T3)を有する少なくとも1つの保護デバイスと、
    − 前記トランジスタを制御するためにレギュレーション電圧(VR)を発生させる発生デバイス(R9−I1、I1−D4−I2−D3)であって、前記第1の接続と第2の接続とにおいて、同数Nの半導体接合が存在するように構成されている発生デバイスとを備えていることを特徴とする、パワートランジスタ(1)の制御デバイス。
  2. 前記増幅デバイス(15)の出力から、前記2つの入力(NEG、POS)のうちの一方に至る帰還ループ(16)を、さらに備えていることを特徴とする、請求項1に記載のパワートランジスタ(1)の制御デバイス。
  3. 前記帰還ループ(16)に結合された保護デバイス(D9)を、さらに備えていることを特徴とする、請求項2に記載のパワートランジスタ(1)の制御デバイス。
  4. 前記保護デバイスはダイオード(D4、D9)を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1つに記載のパワートランジスタ(1)の制御デバイス。
  5. 前記保護デバイスは、スイッチ(T1、T2、T3)を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載のパワートランジスタ(1)の制御デバイス。
  6. 前記保護デバイスは、電流によって該保護デバイスにバイアスをかけるための供給源(I1)と組み合わされていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1つに記載のパワートランジスタ(1)の制御デバイス。
  7. 前記増幅デバイスの第1の入力は、負相入力(NEG)であり、第2の入力は、正相入力(POS)であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1つに記載のパワートランジスタ(1)の制御デバイス。
  8. 前記パワートランジスタ(1)を含むか、または含まない集積回路(ASIC)内に実装されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1つに記載のパワートランジスタ(1)の制御デバイス。
  9. 前記第1の接続上の1つ以上の半導体接合は、前記第2の接続上の1つ以上の半導体接合と同じ性質を有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1つに記載のパワートランジスタ(1)の制御デバイス。
  10. 前記半導体接合の数Nは0に等しいことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1つに記載のパワートランジスタ(1)の制御デバイス。
  11. 前記半導体接合の数Nは、1に等しいことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1つに記載のパワートランジスタ(1)の制御デバイス。
  12. 前記レギュレーション電圧の発生デバイスは、前記保護デバイスが組み込まれていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1つに記載のパワートランジスタ(1)の制御デバイス。
  13. それぞれ、第1および第2のトランジスタ(5、4)のための第1および第2の制御デバイスを有する、自動車用の2つのバッテリーを管理するためのシステムであって、前記2つの制御デバイスは、前記2つのバッテリーを並列に配置するためのものであり、かつ前記第1の制御デバイス(10)は、請求項1〜12のいずれか1つに記載の、パワートランジスタの制御デバイスであることを特徴とする、2つのバッテリーを管理するためのシステム。
  14. 前記第2の制御デバイスは、前記第2のトランジスタ(4)を2状態モードで制御する制御装置を備えることを特徴とする、請求項13に記載の2つのバッテリーを管理するためのシステム。
  15. パワートランジスタから成る少なくとも1つのブリッジアームを有する、多相回転電気機械用のパワーブリッジであって、前記ブリッジアームの各々は、前記多相回転電気機械の1つの相、および1つのパワートランジスタ当たり、請求項1〜12のいずれか1つに記載の1つの制御デバイスと組み合わされているパワーブリッジ。
  16. 請求項13または14に記載の2つのバッテリーを管理するためのシステムを有する回転電気機械。
  17. 請求項15に記載のパワーブリッジを有する回転電気機械。
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