JP2009523966A - 摩擦ギヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】 オフィスのテーブルや組立て作業台、病院のベッド、窓、プロセスバルブなどの調節に使用されるアクチュエータはギヤテクノロジーの応用例である。従来のギヤテクノロジーは騒音の問題を有しスペースをも要する。摩擦ギヤは動作音が静粛であるが出力軸のアライメントエラーに敏感である。こうしたアライメントエラーはギヤのジオメトリを変化させ、このジオメトリ変化は微少スリップや効率悪化をもたらしまたはギヤの寿命を縮める。
【解決手段】 この摩擦ギヤの発明は出力軸のアライメントエラーに対し敏感ではない。その理論的に最適なギヤジオメトリは、動作中のスクリューの動揺時にさえも維持される。
図3aは摩擦ギヤの原理を示している。図3bはスクリューが装着された出力軸が例えば2度傾斜しているときにどのようにして「微少スリップ」が生じるかを示している。図3cはこの発明によるギヤを示しており、固定されたレースウエイは球面状であって、出力軸に追従して運動するギヤ要素はすべて、前記固定された球面状レースウエイの中心に位置する点C1を中心としてその周りに回動(ここではギヤ中心軸から2度回動)する。
前記レースウエイの柔軟性は全てのボールに対し均等な荷重配分をもたらす。これにより前記レースウエイの許容誤差に対する要求度は減少し、ギヤ寿命は長くなる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、動作音が静粛でスリップを起こさない高効率の摩擦ギヤに関する。
(発明の背景と従来技術)
この発明は、重量物を前後または長短何れのストロークにおいても移動させることのできる直線的な力を生じる静粛で安価な機構を使用したいという要求に由来する。その外部荷重は、摩擦や重力あるいはスプリングの場合もある。この機構、さらにはアクチュエータは、できるだけ小さな容積のものでなければならない。
アクチュエータの応用技術としては、垂直移動可能なオフィステーブルや組立て作業台、病院のベッド、窓や自動車用座席の遠隔操作、バックラッシュの無いバルブの制御などである。低騒音、低製造コストの要求もときに非常に重要である。
これらの形式の応用技術において、そのモータには減速ギヤボックスを備え、減速ギヤボックスにはナットを備えたスクリューが装着されている。前記ナットは、移動されるべき対象物に装着されている。まっすぐな直線運動を創りだすことは通常は非常に困難である。前記ナットは、本来の移動方向に対して直角な面に沿って付勢される。それによりアライメントエラーも発生する。
在来のアクチュエータは、モータに減速ギヤボックスを備え、減速ギヤボックスにはらせん状のスクリューが装着され、スクリューには固定スラスト軸受が装着されている。前記スクリューの回転に伴い、ナット(通常はプラスチック製。)は前進方向または後退方向に送られる。前記モータは、多くは整流用ブラシを有するDC(直流)モータ、いわゆるブラシモータである。ただし、明らかな傾向として、整流器を備えたブラシレスモータが低価格化しより一般化している。代替的なモータ形式としては、ステップモータ、非同期モータ、同期モータなどである。
前記ギヤボックスの通常の減速比は、8対1から20対1の範囲である。前記減速比は、前記らせんねじが自己保持されること、すなわちモータ出力が断たれたときに軸方向の外部荷重によってアクチュエータが逆転しないように決められる。自己保持のための限界はピッチ角にして約8度である。前記スクリューの効率はピッチが増大するほど増大する。この理由から、最適なピッチ角は8度付近になる。前記ピッチの下限値は、実際的な製造上の理由による。軸ピッチが3mmよりも小さいときは、ヘキサゴン形の線条の代わりに効率の低い通常のねじプロファイルを使用しなければならない。
前記ギヤボックスには、動作音が静粛であるところから、しばしばウオームギヤ形式が用いられる。その問題点は、減速比8対1ないし20対1の範囲で最大60%という効率の悪さにある。また、ひとつの深刻な問題点は、互いに角度をなすモータとギヤとが大型化をもたらすということである。直線的なデザインを得るには、モータ、ギヤそしてスクリューを直列に配することである。
遊星歯車列でも直線的デザインが得られるが、その場合には騒音が問題となる。それに加えて、実際上ギヤ1段ではおよそ8対1以上の減速比は得られないので2段にする必要があり、それによりギヤボックスはより複雑(高価)なものになる。プロセス産業においてよく知られたオーデン(Oden)のギヤは、コンパクトで簡潔なデザインであり、動作音も比較的低い。これは減速比が20対1以上のときには最良の選択である。上述した応用技術において使用される範囲は8対1ないし20対1である。
歯車の代わりに摩擦ギヤを使用した遊星ギヤ列がある。これは非常に静粛であるが滑りを起こすという問題がある。それを防止するためにスプリングによる予荷重が施される。予荷重は最大の発生負荷に合致するように容量設定される。
軽微な基本的予荷重に加えて、負荷トルクに比例した予荷重を与えるトルク継手を備えたものもある。この継手は、通常はV字溝に配置されたいくつかの硬化処理された鋼製ボールを備えている。前記V字溝は出力軸に対して径方向に配置されている。負荷トルクが増大したとき、前記ボールは前記溝の側面に沿って移動し、より大きな軸方向の予荷重を与える。前記摩擦ギヤは、ギヤボックス内のスラスト軸受に装着されたスクリューを回転させる。
(いくつかの周知の摩擦ギヤの原理)
摩擦ギヤが、これまでのところ比較的僅かしか使われてこなかった理由は、スリップ防止と非効率の問題による。スリップは寿命を著しく短縮し、騒音レベルを増大させる。その総合効率は、理論上の計算値に比較して多くの場合はるかに低い。
硬化処理され潤滑されたレースウエイに沿って転動する硬化処理されたボールによる動力損失は理論的には非常に少ない。摩擦ギヤには多数のボールが使用される。この理論的に高い効率を得るには、そのギヤジオメトリを理論モデル近くにまで合致させなければならない。
前記ギヤの構成部品における比較的小さな許容誤差は、外部からの荷重と同様に、ジオメトリを変化させ、これにより前記多数のボールは例えばそれぞれが異なった径上を転動する。これによりボール間に大きな摩擦力が発生し、「微少スリップ」を起こす、すなわちボールはレースウエイ上でも部分的なすべりを起こす。すべてのボールに対する等しい荷重配分もまた、最適に高トルクを伝達させ、摩擦ギヤの疲れ寿命を増大させるためにはきわめて重要である。
顕微鏡的に微細な表面の損傷でさえ、大きな騒音レベルと寿命悪化をもたらす。
すべりと効率の悪化は次のようにそれぞれ異なる原因で生じる:
1.外部からの負荷トルクが、組み込まれたスプリングによる予荷重が許容する最大負荷トルクを超えること。
2.外部からの荷重が、摩擦ギヤ内の回転体とレースウエイとの間の小さな位置及び荷重の変化を発生させること。
3.摩擦ギヤの構成要素における機械的な誤差に原因する、摩擦ギヤ内の回転体上の不適切な荷重配分。
ボール摩擦ギヤにおける最適な高トルクの伝達を可能にするためには、スプリングによる予荷重または外部からの荷重により、許容し得る寿命が得られる適度に高い疲れ応力を付与するように、それぞれのボールとレースウエイとの間の面圧を生じさせることである。接触点におけるヘルツの弾性変形は、よって0.001mmから0.005mmの範囲内である。このことから、非常に小さな幾何学的誤差さえもすべりを生じさせることがわかる。
トルク依存型、すなわち負荷トルクに比例した予荷重を付与するような継手を付加することも可能である。固定減速比の摩擦ギヤにおいては、このような継手の多くは高価にすぎる。無段階可変の減速機を備えたギヤではよくこうした技術が用いられる。例えばこのような摩擦ギヤには、ブロットビ(Brottby)のバリエータやコップ(Kopp)のバリエータがある。
この発明は、固定減速比のボール摩擦ギヤに関する。
図1は、第1の周知のボール摩擦ギヤの原理を示す部分断面図である。これは次のように働く:
この摩擦ギヤは入力軸1と出力軸2を有する。これらの軸は、少なくとも3個のボール3が転動するレースウエイ5をそれぞれ備えている。前記ボール3はリング4上をも転動する。前記軸1と2は、スプリング10とボール軸受9とにより互いに対向する向きに付勢されている。ハウジング11には、第2のボール軸受8がある。前記リング4は、前記ボール3が前記軸方向力により径方向に移動しないように保持する。摩擦力が各ボールの3つの接触点に生じる。各ボール3は、強制回転軸6と、それぞれ軸1と2上の接触点7.1と7.2とを有する。
入力軸1が回転すると、各ボール3の回転軸6はそれぞれボール3を接触点7.1から回転させる。(前記回転軸6は軸受(この原理図には含まれていない)により固定されたポジションを持ち、角度vに維持される。) 前記2つの接触点7.1と7.2が、それぞれ回転軸6から異なる径方向距離に位置していることにより、前記出力軸2は入力軸1とは異なる速度で回転する。このようにして、ある減速比が得られる。前記リング4は異なる速度で自由に回転する。仮に図において角度vが0度であるとすると減速比は無限大となり、すなわち出力軸2は回転しない。
この摩擦ギヤの原理は、例えば周知のコップのバリエータに使用されており、コップのバリエータは回転中に前記角度vをすべてのボールにつき同期的に変化させる機構を備えている。これにより減速比を無段階に変化させられる。比例トルク継手(この原理図には示されていない。)も用いられる。この形式のギヤは、特に固定減速比しか必要としないのであれば、高価かつ大型である。
図2は、第2の周知のボール摩擦ギヤの原理を示す部分断面図である。これは次のように働く:
入力軸12は、ボール軸受18と、2個のレースウエイ14と15を有している。レースウエイ14と15はそれぞれ角度cとdだけ軸12の軸線に対して傾斜している。少なくとも3個のボール3が前記レースウエイとそれぞれリング16と17のレースウエイ上を転動する。リング16と17のレースウエイはそれぞれ軸線に対して角度aとbだけ傾斜している。リング16は固定であり、リング17は2個のボール軸受19と20を有する出力軸13の一部である。スプリングプレート21が、前記ボール軸受19とベアリングスペーサ24とボール軸受20を介して、リング17と共に前記軸13を前記固定リング16の方向に押している。これにより前記各ボール3は4点にて荷重される。前記角度a,b,c,dは異なる。各ボール3は、前記レースウエイ14,15,25,26上に接触点を有する。前記レースウエイ14,15との接触点を通る連結線27は入力軸12に対して角度eをなす。各ボール3は前記連結線27と平行な軸線28のまわりに回転すると共に、軸線28に対して直角な軸線29の周りに回転する。良好に機能するボール摩擦ギヤを得るための一つの重要な条件は、前記ボールとレースウエイとの間にいかなる滑りも起こさないことである。前記スプリングプレート21は、これらの接触点に対して、摩擦係数を考慮してこうした滑りが避けられるような接触圧力を付与しなければならない。前記入力軸12が回転するとき、前記ボールは4つのレースウエイすべてに対して滑ることなく転動しなければならない。これを可能にするために、前記レースウエイ26を有する出力軸13は強制的に回転させられる。前記角度a,b,c,dの選択は、出力軸13の速度の減少量すなわち減速比を決める。
前記ボール3とレースウエイとの最適な接触を得るためにはハウジング22と軸受プレート23の誤差を非常に小さくする必要がある。前記入力軸12または出力軸13に対する外部からの径方向の荷重は、前記摩擦ギヤのジオメトリを変化させ、「微少スリップ」、さらにはまた「大スリップ」(滑り)を生む。図2には角度a,b,c,dの数値を例示している。これらの角度の計算は、表面の圧力や疲れ荷重などと同様に、Frej−Calcによってなされる。Frej−Calcは、この形式の摩擦ギヤ用に特別に設計されたコンピュータプログラムである。このユニークな計算方法は、この発明には含まれずここでは扱われない。
もし前記摩擦ギヤの全ての部品が「完全に製造され」(誤差なし)、内部の軸方向の予荷重がただ一つしかないとすれば、入力軸がいくらか回転したのちにギヤの運動部品がとるのは、ただ一つのシンメトリックなジオメトリしかない。前記入力軸(前記ボールと共に)の剛性は、ギヤ軸に対して直角な外部からの無用なトルクに対して低く、レースウエイ上の小さな接触角に依存する。例えば、こうした無用なトルクはモータ軸と入力軸との継手から発生する。
(この発明の目的と特徴)
この発明は、新しい形式のボール摩擦ギヤを構成するものであって、
1.出力軸のエイミングエラーに対して敏感でなく、
2.入力軸または出力軸の双方において過大トルクから保護され、
3.すべてのボールにより均等にトルクを伝達し、
4.「微少スリップ」を最小にし、
5.既知のデザインに比して少ない部品で構成される。
これらの特徴は、レースウエイ及び関連する軸のユニークなジオメトリの選択により達成される。
この発明は上述した他の摩擦ギヤが有する欠点を持っていない。
この新規なギヤデザインの特徴は次のようにも表わされる:
このギヤは、出力軸の比較的大きな変化を受け容れられる。
ボールとレースウエイとの間の滑りが、入力軸または出力軸における過大なトルクによって引き起こされることがない。
このギヤはリニアアクチュエータのスラスト軸受としても作動する。
このギヤは、シンプルで堅牢であり、効率が高く、動作が静粛であり、コンパクトで量産に適している。
その基本的な原理は、図2を示して既述したギヤと同様である。米国特許第3,955,661(1976年5月11日)を参照のこと。
この発明の効果は、請求項1にて特徴づけられた部分である所定の特性により達成される。
この発明は、次の図面の支持により以下のとおり記述される。
図3aは、摩擦ギヤの中央部の3つの部品とボールを示している。これらは互いに軸方向に押しつけられている。
図3bは、図3aによるデザインを示しており、その出力軸30が2度傾いている。
図3cは、図3aによるデザインを示しており、リング32を除くすべての部品が2度傾いている。
図4は、内部予荷重が作用する摩擦ギヤ全体を示している。
図5は、図4の摩擦ギヤを示しており、その出力軸42が2度傾いている。
図6は、モータおよびスクリュー/ナット機構と共に、図4の摩擦ギヤの分離図を示している。
図7は、内部予荷重が作用していない摩擦ギヤ全体を、スクリュー/ナット機構と共に示している。
(発明の詳細な説明と好ましい態様)
次に、添付図面に示された例示的な実施形態を参照しながら、本発明をより詳細に説明する。
以下の図面には、ボールとそのレースウエイに対する接触点とのあいだの、実際にすべてのボールに同様に分配される力が示されている。
球面状あるいは円錐状の支持面における図示された力は、回転接触面上に実際に均等に分配される力である。
ボールの数は少なくとも3個であり、中心軸線の周りに均等に配置される。前記ボールは、周知の技術によるボールケージを備えるか、または備えない場合もある。ケージを備えない場合は、前記ボール中心のピッチ径は、各ボールが均等に配置されたときにボール間に小さなクリアランスが生じるように算出される。実際上は、動作中にボールどうしがある点で滑り接触する。
以下に述べられる柔軟性を有するレースウエイは、通常は3個以上のボールを備えた摩擦ギヤに適用される。
図3aにおいて、リング32はハウジング100に固定的に装着されている。(ハウジング100は、図3a,3b,3cでは斜線を付して示されている。)
出力軸30の中心軸線はリング32と同軸的である。
入力軸31の中心軸線はリング32と同軸的である。
軸方向力Faxは出力軸30に対して同軸的に作用する。
ボール3は入力軸31の球面状にへこんだ形状のレースウエイ33と34に押し付けられている。
ボール3は、リング32の球面状にへこんだ形状のレースウエイ上にそれぞれ接点35aと35bを有する。前記リング32のレースウエイの断面形状は、摩擦ギヤの中心軸線上に位置する点C1を中心とする半径R1の軌跡を有する。
(点C1は、ボール中心とリング32のレースウエイ上の接点とを結ぶ延長線が前記中心軸線と交わる点であると定義できる。点C2も同様にして定義できる。)
ボール3は、出力軸30の球面状にへこんだ形状のレースウエイ上にそれぞれ接触点36aと36bを有する。前記出力軸30のレースウエイの断面形状は、摩擦ギヤの中心軸線上に位置する点C2を中心とする半径R2の軌跡を有する。
接触点36aと36bは、出力軸30の中心軸線から半径20.6mmの距離だけ離れている。図3bと図3cも参照のこと。
図3bにおいて、入力軸31が(ボール3と一緒に)ギヤハウジング100に「溶接されている」と仮定する。
仮に出力軸30に半径方向の外力または紙面に直角な方向からのトルクが加えられたとすると、C2を中心とする半径R2の弧に沿って出力軸30が滑る。図では、反時計方向へ2度回動している。
前出の接触点35a,35b,36a,36bは、前記ボール上に残っている。しかし、接触点36aと36bについてその出力軸30の中心軸線からの距離は、それぞれ半径21.5と半径19.4に変化している。
これは、出力軸30が点C2の周りに回動するとき、ギヤに滑りが生じることを意味している。この滑りの大きさは、回動の大きさに直接的に関連している。
図3cにおいて、入力軸31が(ボール3と一緒に)、こんどは接触点36aと36bに「溶接されている」と仮定する。
仮に出力軸30に再度半径方向の外力または紙面に直角な方向からのトルクが加えられたとすると、C1を中心とする半径R1の弧に沿って出力軸30が滑る。図では、反時計方向へ2度回動している。
半径方向の距離20.6は今回は不変である。
実際には、点C1を中心として回動する出力軸30に対して入力軸31をボール3と共に追従させるために、入力軸31には円筒状部分37が取り付けられる。前記円筒状部分37は、その外側の左側部分に短い筒状の案内面38を有し、案内面38は出力軸30内の筒状孔39に対して小さな遊びをあけて挿入されている。
案内面38は、点C2から比較的長い距離S5だけ離れて位置し、出力軸30に正確な角度を与える。
入力軸31は、図において、前出の軸に代えて孔40を貫通する。
孔40の左側部分には内側スプライン41すなわち軸方向に誘導される梁部が備えられる。
点C1はギヤの位置を確定する。仮に筒状部37が無い(案内が無い)とすると、入力軸31上の小さな角度を変化させる力は、点C1からの位置とは異なるある点の周りの回動を出力軸30に引き起こす。これにより「微少スリップ」が生じる。
この発明の摩擦ギヤは、図3aのようにギヤジオメトリを崩壊させることなく、出力軸30の外力による方向変化やアライメントエラーを許容する。「微少スリップ」を避けることが必要である。
これは次のようにも表わせる。すなわち、ミスアライメントや軸に対して直角方向からの外乱トルクによる出力軸30の角度変化にあたり、入力軸31も同一の角度変化をしなければならない。これらの変化の中心は、球面状レースウエイ35の中心であるC1でなければならない。
図4は、この発明による摩擦ギヤ全体の断面を示している。この摩擦ギヤには、内部予荷重が作用している。内部予荷重は、出力軸30が、スクリュー機構からの軸力や径方向の力ないしトルクのようなあらゆる軸方向の外部荷重を受け容れ可能とする。
前出のリング32はここではリング43に置き換わる。リング43は、半径R3の球面状レースウエイ44と、半径R1の球面状レースウエイ45と中心C1を有する。出力軸30には径方向の孔46が設けられている。出力タップ42は、前記孔46とタップ42の孔48とに挿入された円筒状のピン47によって出力軸30に装着されている。ハウジング49は、内側に球面状の面50を有している。この面に対向するように、球面状の背面52を有する平らな軸受リング51が押し付けられている。前記球面状の面50と52は、それぞれ半径R4と中心C4を有する。軸受リング51と出力軸30の平坦面53との間には、円筒状のスラストローラ軸受54が設けられている。1個のスプリングプレート55が、ハウジング49のフランジ58にリベット57により取り付けられている。スプリングプレート55には、中心をC1とする半径R3の球面56が設けられ、ハウジング49の合わせ部59に嵌り合う同心円状の合わせ部57が設けられている。
孔40内に挿入された継手軸60は、その左端部外側に、軸方向に配置された王冠状の梁部61を有する。この梁部61は内側スプライン41とスムーズに噛み合う。継手軸61の右端部には円筒面62が設けられている。
この発明による前記摩擦ギヤは、2つのラジアルシール63と64によりシールがなされている。シール63は継手軸62の箇所にて円筒面62を、シール64は出力軸30の箇所にて円筒面65をそれぞれシールしている。Oリング68が、ハウジング49とスプリングプレート55の間のシールをしている。
リング43は、スプリングプレート55の筒状孔66と、リング43の部分における筒状部67の外側面との間の径方向の遊びが限界を定める角度範囲内で、中心点C1の周りに自由に動くことができる。
図4の摩擦ギヤには2つの軸方向力FpとFaxが加えられる。
力Fpはスプリングプレート55により生じる。スプリングプレート55は、好ましくはバネ鋼製としてリベット69によりフランジ58に固定し、これにより軸方向に可撓性を備えて、すべてのボール接触点、スラスト軸受54、球面44、45、50、52に予荷重を付与する。
外力Faxは出力タップ42の中心軸線に対して同心である。
これらの力の合計を力Fとする。
外力Faxの大きさが、予荷重を与える力Fpと同じ大きさにまで増大したとき、スラスト軸受け54は荷重が解かれ、力F=Faxとなる。
この予荷重を与えるシステムの特長は、ボールとレースウエイに対する軸方向荷重が外力Faxよりも決して大きくならないことである。
仮に外力Faxが反対向きであるとすると、ボール及びレースウエイに予荷重を与える力Fpは一定となり、ギヤの最大伝達トルクの大きさを制限することになる。このことは、ハウジング49の軸方向の剛性がスプリングプレート55よりも大きいか(よりバネ定数が高いか)否かに関係する。
図4は、ボールの接触点に生じる力N1とN2、球面状の支持面に生じる力N3を示している。ボールと入力軸31のレースウエイとの間に生じる力は図示されていない。
出力タップ42へと伝達し得る最大トルクは、出力タップ42の中心軸線からの半径方向の距離によって計算されるタンジェント方向の摩擦力によって決まる。ギヤのすべての接触点と接触面の摩擦係数の大きさは同一であると仮定しても正確な推定が可能である。滑りは接触点と接触面とのあいだで発生し、摩擦トルクを最小にする。
摩擦トルクには異なる5つのものがある:
M1=N1×S1×my
M2=N2×S2×my
M3=N3×S3×my
M4=N4×S4×my (図示されていない。)
M5=N5×S5×my (図示されていない。)
(ただし、my=摩擦係数)
上記摩擦トルクは、前述したコンピュータプログラムFrej−Calcによって計算される。
ボールと入力軸31のレースウエイとの間の摩擦トルクは、2つのレースウエイ33,34の摩擦トルクM4とM5の合計であって、これらはM1,M2,M3の合計の最大値よりも常に大きいから、ボールと入力軸31のレースウエイとの間の滑りは決して起こらない。
これらのうち最も小さいトルクはM3である。出力タップ42における外部からの過大なトルクは、球面44と56との間に滑りを生じさせる。
ボールとレースウエイとの間の滑りは、これらを非常に急速に破壊し、騒音レベルを増大させ、ギヤの寿命を著しく短くする。過大負荷による表面44と56との間の滑りは、予荷重を与える力Fpと外力Faxの大きさには依存しない。
トルクM3の大きさは、半径S3(またはN3)の大きさを変えるか、協働する表面44と56との間の摩擦係数を調節することで調節することができる。表面44と56との間の摩擦係数は、その表面粗さを変えるか、または例えば銅による電気メッキを施すことにより調節することができる。
初めのほうで述べたように、このギヤの原理において必要なのは、出力軸30とリング43の双方の回転を許容することである。さもなくば、ボール3とレースウエイとの間に滑りが発生する。
出力タップ42を急停止させることまたはその他の加速/減速による動的なトルクは、モータロータの慣性に基づき、摩擦トルクM3よりも大きくなることがある。このときリング43が回転を始め、過大な荷重を逃がすように構成された継手のように働く。この機能はトルクがM3よりも大きいときにも働く。言い換えれば、出力タップ42に伝達される最大モータトルクはM3よりも小さくなければならない。この要求が適合するのは、出力タップ42にトルクによる負荷が加わり、力FaxがFpよりも小さいときまたはFaxが負すなわち図で左方を向いているときである。
仮にFaxがFpよりも大きいとき(図で右方を向いているとき)、滑りトルクM3はFaxに比例して増大する。しかし他の摩擦トルクに対する関係はそのままである。
図5は、図4の摩擦ギヤの断面を示しており、ただしここでは出力タップ42が中心点C1の周りに2度傾いている。したがって軸受リング51とスラストローラ軸受54はその中心点C4の周りに同じ角度だけ傾けられる。C4は、軸受リング51上の球面52の中心点である。点C1とC4は、この摩擦ギヤの中心軸線上の異なる位置に設けられる。これにより、スラストローラ軸受54は、主として出力タップ42の中心軸線に対して直角な面内に動きを変換する。スラストローラ軸受54は、通常は樹脂製のローラケージと、径方向を向き鋼製ローラを備えた多数の矩形の開口とを備えた市販品の軸受であり、前述のような径方向の動きを許容するようになっている。このような軸受の荷重容量は荷重FaxやFbに比較してより高い。
この図には継手軸60も示されている。継手軸60は、好ましくは型成形した樹脂製であり、その内側スプライン70には、モータ軸77(図6参照)外側の王冠状のスプライン78がスムーズに嵌合する。
図6は、摩擦ギヤ71の分離状態を示している。この摩擦ギヤ71では前出の出力タップ42がスクリュー72に、前出の筒状ピン47がスプリングピン73にそれぞれ置き換えられている。スクリュー72は、多くは樹脂製のナット74を備える。スクリュー72の外側の他端部にはボール軸受75がある。
この図には、王冠状のスプライン78と、ネジ孔80を有する突当て面79とを備えたモータ76も示されている。
アダプタプレート81には孔83が備えられている。ネジ82は突当て面79に挿入される。
図には継手軸60も示されている。
スクリュー72は、摩擦ギヤの回転中または停止時の何れのときも、円錐角±V度の範囲内で中心点C1の周りに動くことができる。
この摩擦ギヤの挙動は球面ボール軸受と同様であって、セルフアライメントを許容し、この特徴は多くの応用技術において大きな利点となる。
この動きは、摩擦ギヤが回転するとき、リング43のレースウエイ上をボールがいかなる滑りも生じることなく転動するときに得られる。
停止中の摩擦ギヤにおいて滑りが生じることもあるが、この滑りは通常は表面に影響することはない。
ボール軸受75は、スクリュー72が長く、あるいはナット74が摺動中に径方向に支持するものを持たないときは、径方向の支持体として必要になる。
ボール軸受75の外側リングに加わる軸方向力Fp2は、摩擦ギヤに、より高いトルクの伝達を可能にするための予荷重を増大させるうえで必要になることがある。
図7は、スクリュー機構を備えた摩擦ギヤの全体を示している。この摩擦ギヤでは内部予荷重は施されていない。
線条96を備えたスクリュー72は、ここではネジピッチを省略して簡潔に表わされている。
ハウジング84内の円錐面85上で、摩擦ギヤの中心軸線からの距離S3の箇所にて直交する線は中心点C1を通る。ハウジング84は、円錐面85と同心的に円筒面86を有する。
ハウジング84は、いくつかの取付け孔86と、前記円筒面86と同心的に、モータまたはアダプタフランジを案内するための孔87を有する。
リング88は、半径R1の球面状のレースウエイ96と、半径R5の外側球面とを有する。これらの半径R1とR5は何れも同じ点C1を中心とする。リング88は、円筒面86に対してある程度小さな半径方向の遊びをあけて嵌り合う円筒状内側面89を有する。
出力軸90は、前出の出力軸30に相当するものであるが、それよりも少し短い。入力軸91は、前出の入力軸31に相当するものであるが、それよりも少し短い。前出の内側スプライン41は、ここでは点C5の位置に移動されている。
継手軸92は、前出の継手軸60に相当するものであるが、それよりも少し短く作られている。その外側の王冠状のスプライン93の中心点は点C5の位置に置かれている。
Oリング94とラジアルシール95がこの摩擦ギヤのシールをしている。
スクリュー機構は、先に図6にて説明したものに相当する。
この摩擦ギヤは内部予荷重を持たないので、スプリングの作用により、外部からの予荷重Fp2は前記ボール軸受の外側リングから与えることができる。
仮にナットに作用する力Faxが図の左向きであるとすると、Fp2はFaxと同程度となるだけでなく、スクリューが必要とするトルクを引き出すために十分な予荷重となりうる。
仮にナットに作用する力Faxが図の右向きの重力であるとき、理論的な摩擦ギヤの解決手法が、前述したFrej−Calcによって充足される滑りを起こさない基準に合致するならば、予荷重Fp2は不要である。
この摩擦ギヤの代替的なデザインにおいて、入力軸31上の内側スプライン41は,点C1からの距離がS6である中心点C5に置かれる。V度傾斜すると、スプライン41は、半径r=S6×tanVだけ移動する。前記継手軸60は、その両端にて可撓軸継手として機能し、すなわちそれぞれの端部にて自在継手のように作動する。半径方向の動きrのために空間が必要である。
リング88は、次の2つの理由から比較的薄く作られている:
第一には、前記リングはいくらか弾性を有し、それによってすべてのボールがほぼ同じ接触圧をもって同じ摩擦トルクを与えることを確実にする。これにより製造上の誤差は解消される。
第二には、軸方向力Faxがリングに弾性的にねじれを与える。リング88はスプリングプレートとみなせる。このねじれにより、前記ボールの接触角度がレースウエイ96上にて変化し、これが摩擦ギヤの減速比を変化させる。図中右向きの軸方向力Faxが増大するとき、半径R1も増大する。中心点C1は図中左方向に移動する。前記ボールの接触角度は、レースウエイ98上の対応する角度に近くなる。計算上は、4度のねじれに対して減速比は約25%増大する。
基本的な条件として、出力軸90はリング88よりも高剛性である。
このような減速比の増大は、多くの応用技術において利点となる。例えば、出力軸42すなわちスクリュー72において一時的にトルクが増大し、動き出すまでの静摩擦に打ち勝つことができる。
前記レースウエイのボール接触点の柔軟性、スプリングプレート55及びリング88のバネ定数は、FEM計算(有限要素解析法)により高精度に決めることができる。
前記ボール接触点の摩擦係数を高めるために、摩擦ギヤのための特殊なタイプのグリースまたはオイルを使用できる。このグリースまたはオイルは、ボール接触点の潤滑部分で圧力が増大すると瞬時に粘性が増大する特性を有している。この凝固過程の間に、摩擦係数が増大して摩擦ギヤの最大伝達トルクが増大する。
(この発明に基づく可能な代替的デザイン)
この発明の第1の態様は、主として対抗的に作用する外力によって負荷される出力軸を備えたボール摩擦ギヤに関し、この摩擦ギヤそれ自体がスラスト軸受のように構成されている。前記出力軸は、この摩擦ギヤの利点として述べたように効率に影響を及ぼすことなく摩擦ギヤに関する方向の変化を許容する。この摩擦ギヤは、リング43と88によって、前記ボールとレースウエイとの間の滑りから保護される。リング43と88は、摩擦ギヤのハウジングへの取付けにより、滑り軸継手のように作動する。
少なくともレースウエイのうちの1つはいくらかの柔軟性を備え、すべてのボールがほぼ同一の摩擦トルクを伝達することを確実にする。
この発明の第2の態様は、前記第1の態様において、スラスト軸受54を備えることによってすべての方向からの外部負荷を受けうる出力軸を有するボール摩擦ギヤに関する。この態様では、前記ボールとレースウエイ上に、内部のスプリングによる予荷重の発生を許容する。
この発明の第3の態様は、前記第1,第2の態様において、リング32,43,88または出力軸30,90がねじれに対して柔軟であって、外部からの軸方向力の変化に応じて減速比が自動的に変化するボール摩擦ギヤに関する。
この発明の第4の態様は、前記第1,第2,第3の態様において、少なくとも1つのレースウエイが球面状の表面を有しているボール摩擦ギヤに関する。
この発明の第5の態様は、前記第1,第2,第3の態様において、1つのレースウエイが球面状の表面を有し、他のレースウエイの少なくとも1つが円錐状の表面を有しているボール摩擦ギヤに関する。
第1の周知のボール摩擦ギヤの原理を示す説明図。 第2の周知のボール摩擦ギヤの原理を示す説明図。 図3aは、本発明に係る摩擦ギヤの中央部の3つの部品とボールを示す説明図。図3bは図3aにおいてその出力軸30が2度傾いた状態を示す説明図。図3cは図3aにおいてそのリング32を除くすべての部品が2度傾いた状態を示す説明図。 内部予荷重が作用する摩擦ギヤ全体を示す説明図。 図4においてその出力軸42が2度傾いた状態を示す説明図。 図4の摩擦ギヤをモータおよびスクリュー/ナット機構と共に示した分離状態の説明図。 内部予荷重が作用しない摩擦ギヤ全体を、スクリュー/ナット機構と共に示した説明図。

Claims (9)

  1. 互いに異なる方向に傾斜した2つのレースウエイ(33),(34)を備えた入力軸(31)と、レースウエイ(35)を備えたリング(32)が取り付けられたギヤハウジング(100)と、レースウエイ(36)を備えた出力軸(30)とが、中心軸線上に同心的に配置され、少なくとも3個のボール(3)と、ボール(3)に対して2つのレースウエイ(35),(36)を押しつける力であって、このときボール(3)が他の2つのレースウエイ(33),(34)から押される、2つの互いに異なる軸方向の力を有するトルク伝達のための摩擦ギヤであって、
    前記レースウエイ(35)は球面状であり、
    前記入力軸(31)の中心軸線は、前記出力軸(30)の中心軸線と常時略一致するように配置され、
    すべての前記ボール(3)の重心点は、前記出力軸(30)の中心軸線に対して略直角な共通の平面内で移動し、それは正常時の前記ギヤ構成物(30),(31),(3)間のジオメトリにいかなる変化も起こすことなく、前記出力軸(30)の中心軸線の角度量の変化を許容し、
    正常時には回転しないリング(32)が、ハウジング(100)内に取り付けられたその支持体を、あるトルクで回転させるのを許容すること
    を特徴とする摩擦ギヤ。
  2. 請求項1において、
    前記複数のレースウエイ(33),(34),(36)のうち1つ以上のものが球面状であること
    を特徴とする摩擦ギヤ。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記リング(32,88)は、ギヤハウジング(100,84)内の円錐面ないし球面にて支持された球面状の支持面を有すること
    を特徴とする摩擦ギヤ。
  4. 請求項1から請求項3の何れかにおいて、
    前記入力軸(31,91)は、円筒状の軸方向を向いた部分(37)を有し、前記部分(37)はその外側端部に短い軸受面(38)を有し、前記軸受面(38)は、出力軸(30,90)の円筒状の孔(39)に小さな遊びをあけて嵌り合い、前記入力軸(31,91)と前記ボール(3)をその重心点が共有する平面内で点C1を中心として強制的に回転させ、前記点C1は、前記出力軸(30,90)の角度量が変化するとき、前記球面状レースウエイ(35)の中心であること
    を特徴とする摩擦ギヤ。
  5. 請求項1から請求項4の何れかにおいて、
    前記リング(32,43,88)は、中心を点C1とする半径R1の軌跡からなる球面状のレースウエイ(35,45,96)を有し、その背面は点C1の付近を中心とする半径R5の軌跡からなる球面状であって、ギヤハウジング(100,84)内で短い円筒面(86)により径方向に案内され、軸方向を向いた円錐状または球面状の表面(85)に、出力軸(30,90)の中心軸線の周りにある高トルクが加えられたときに、この接触円上でのみ滑りが生じるように選ばれた径方向の接触位置S3を有すること
    を特徴とする摩擦ギヤ。
  6. 請求項5において、
    摩擦ギヤに対抗する向きの外部からの軸方向力が、リング(32,43,88)を変形させ、この変形が前記レースウエイ(35,96)のボール接触角を変化させ、この変化が摩擦ギヤの減速比を変化させること
    を特徴とする摩擦ギヤ。
  7. 請求項1から請求項6の何れかにおいて、
    前記リング(32,43,88)は、点C1の付近を中心とする半径R3の軌跡からなる球面状の背面(44)を持ち、ギヤハウジング(100,49)内に取り付けられたスプリングプレート(55)の球面状の表面(56)に支持されて、前記スプリングプレート(55)が軸方向に弾性変形して、スラスト軸受(54)によって反作用力が発生したときに望ましい内部予荷重を与えるようになし、
    前記スラスト軸受(54)は、ギヤハウジング(100,49)内の部分的な球面状の表面(50)と接する球面状の支持面(52)を有する軸受プレート(51)と、出力軸(30)の表面(32)とをそのレースウエイとして、出力軸(30,90)の角度量の変化が生じたときに、スラスト軸受(54)の回転と半径方向に変換された移動との組合せによる自律的な位置決めを許容するようになしたこと
    を特徴とする摩擦ギヤ。
  8. 請求項1から請求項7の何れかにおいて、
    入力軸(31)が前記孔(40)内に内側スプライン(41)を有し、継手軸(60)の王冠状の梁部(61)との協働により可撓軸継手の一部として働き、前記スプライン(41)が前記点C1に可能な限り近くに位置して、前記出力軸(30,90)に角度量の変化が起きたときの径方向に変換される動きが最小となるようにしたこと
    を特徴とする摩擦ギヤ。
  9. 請求項1から請求項8の何れかにおいて、
    前記ボール(3)に対する前記何れかのレースウエイのうちの1つ以上が、僅かに弾性を有して、すべてのボールがほぼ同一の負荷で接触し、騒音レベルを低減させるようにしたこと
    を特徴とする摩擦ギヤ。
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