本発明は、予湿潤カテーテルのような医療装置及び液体を貯蔵するための容器に関する。
医療装置を液体中に貯蔵するための容器が公知であり、この容器と共に、例えば医療装置と液体とが、例えば薬局によって貯蔵されかつその医療装置のユーザによって取り扱われることが可能なパッケージを形成する。
上記パッケージは、例えば、1日使い捨てコンタクトレンズであることがあり、この場合に、その容器は、一般的に、金属箔の蓋を有する円筒形容器であり、コンタクトレンズは生理的食塩水中に浸されている。
他のパッケージが、例えば、Coloplast A/Sによって製造されているSpeediCath(商標)が挙げられる。このSpeediCath(商標)パッケージは、被覆されたカテーテルが中で液体中に貯蔵されることが可能な密閉ポケットを形成するように端縁に沿って溶接されている2つの金属箔シートから成る金属箔容器を備えている。使用時には、この金属箔パッケージが開かれて、予湿潤カテーテルが直ぐに使用できる状態になる。
しかし、被覆されたカテーテルを湿潤するための液体のような液体と医療装置とを収容する容器を開く時には、その容器を開いて医療装置を取り外す時に、又は、容器が傾く場合に、その液体が溢れ出すことが多い。特に、カテーテルのような細長い医療装置を貯蔵するための細長い容器は、特にその細長い容器の開口部がその容器の一方の末端に配置されている時には、容器が水平位置に動かされる場合に、液体の一部分がその容器から容易に溢れ出す。
「水平位置」によって、容器の長手軸線方向、すなわち、底部から開口部への方向が、水平方向に方向配置されているか、又は、ほぼ水平方向に方向配置されているということが理解されなければならない。これとは対照的に、容器の垂直位置が、容器の長手軸線方向が概ね垂直方向に位置合わせされている時であるということが理解されなければならない。
本発明の第1の態様では、そのパッケージは、液体と少なくとも部分的に医療装置とを収容する区画部を画定している容器を備え、上記区画部はその容器の底部からその容器の開口部に向かって長手軸線方向に延び、上記区画部の第1の部分がその区画部の第2の部分の横断面積よりも小さい横断面積を有し、その第1の部分は容器の開口部と第2の部分との間に配置されている。
第1の部分の横断面積が第2の部分の横断面積よりも小さいので、その第1の部分は、容器が水平の方向配置に置かれる場合に液体に対する止め具として機能する。
これに加えて、本発明による一実施態様では、この区画部の副区画部が備えられることがある。この副区画部は、この区画部の第1の部分の最小の周縁に対して接線方向にありかつこの区画部の長手軸線に対して平行である平面と、この区画部の第2の部分とによって画定されている。この副区画部は、この区画部内に収容されている液体の体積よりも大きい体積を形成する。
このことは、有利なことに、容器が開いている状態のままで傾斜するか又は水平位置に倒れかかる場合に液体が溢れ出すことがない副区画部を実現する。
この区画部は液体を収容するようになっていなければならないということが理解されなければならない。したがって、例えばカテーテル用の膨張液を収容することが可能であるように適正に封止されなければならないだけでなく、使用前の貯蔵中に持続的な湿潤環境を可能にしかつ区画部からの漏洩を防止するように、液密性でもなければならない。
一実施態様では、本発明によるパッケージは、被覆カテーテルのような細長い医療装置を保持するために使用される。したがって、容器が細長い形状を有し、かつ、その容器がその容器のあらゆる横断面積の直径寸法よりも長手軸線方向において大きい寸法を有するパッケージが、有利な形で実現される。この横断面が必ずしも円である必要はなく、その直径寸法が楕円形、正方形、又は、他の幾何学的な又は不揃いの横断面であるように決定されてもよいということが理解されなければならない。
本発明によるパッケージの別の実施態様では、容器が区画部の第3の部分を有する形に形成されており、この第3の部分は、第1の部分の横断面積よりも大きい横断面積を有し、この第3の部分は開口部と第1の部分との間に配置されている。このことが、有利なことに、洗面台の縁のような概ね水平方向に位置合わせされている平らな表面上に容器が置かれる時に、液体止め具としての第1の部分の機能を向上させる。
カテーテルが偶発的に滑って区画部の第2の部分の中に全体的に入り込むことを防止するために、このカテーテルが遠位末端と近位末端とを備えており、この場合に、コネクタがこのカテーテルの遠位末端に取り付けられており、かつ、上記コネクタの少なくとも一部分の外側周縁が区画部の第1の部分の少なくとも一部分の周縁よりも大きい。
さらに、このコネクタは、容器の区画部内に配置されている時にその容器の開口部を越えて突き出るように形成されている。このことが、ユーザがカテーテルを容易に把持してそのカテーテルを容器から外に抜き出すことを可能にする。
特定のタイプのパッケージでは、医療装置は可とう性材料で形成されていることがあり、この可とう性材料は、医療装置が容器内に配置されるか、容器内に包装されるか、又は、他の形で容器内に貯蔵される時に、望ましくない形に湾曲する可能性がある。例えばカテーテルの捻れのようなこうした湾曲を防止するために、容器は、区画部の第2の部分の少なくとも一部分の中に配置されているそれぞれの支持部材の支持表面に向かって容器の内側表面から半径方向に延びている少なくとも1つの支持部材を備えていることが可能である。さらに、このような延長された支持部材は、さらに、容器自体を支持し、この容器が偶発的に湾曲する危険性を減少させる。
少なくとも1つの支持部材が区画部の第2の部分の少なくとも一部分内に配置されている時には、その少なくとも1つの支持部材が、意図したとおりに機能するためには、長手軸線方向に全体にわたって延びている必要は必ずしもないということが理解されなければならない。したがって、特定の実施態様では、少なくとも1つの支持部材は、例えば、区画部の第1の部分から第2の部分の中に途中まで延ており、又は、複数の支持部材が第2の区画部内に長手軸線方向に位置合わせされている形で配置されている。
さらに、1つ又は2つの支持部材が、医療装置に対する何らかの支持を与えるために備えられるということが理解されなければならない。しかし、1つの有利な実施態様では、容器の内側表面からそれぞれの支持表面に向かって半径方向に延びている少なくとも3つの支持部材が、医療装置の支持と案内とを改善するために備えられており、この少なくとも3つの支持部材では、それぞれの支持表面と、互いに隣り合う支持表面の各々の間の円周距離とが長手軸線方向に延びている管腔を画定している(この場合に、円周距離とは、互いに隣接する支持表面のそれぞれの対の各々の間の最短距離である)。さらに、これによって、支持部材の間の区画部内に多量の液体が依然として貯蔵されることが可能であると同時に、医療装置が側部上に支持されることが可能な管腔が実現される。
本発明による1つのタイプのパッケージでは、医療装置は近位部分と遠位部分とを備えている伸縮式カテーテルであり、この2つの部分の両方は導管の一部分を形成し、この2つの部分は、圧潰形状構成と伸張形状構成との形に構成されることが可能であり、圧潰形状構成における導管の長さは、伸張形状構成における導管の長さよりも小さい。したがって、この伸縮式カテーテルは、このカテーテルが伸張形状構成にある時に管腔内に配置され、その圧潰形状構成の形に圧し潰され、この場合に、支持部材は、カテーテルが湾曲して捻れて側方に出ることを防止し、むしろ、カテーテルがその圧潰形状構成に向かって伸縮式に変化するように案内する。
医療装置の近位の方向配置と遠位の方向配置と表現する場合に、術語「近位の」が、人体に対して最も近く、又は、人体内に最も遠くに挿入されるということが一般的に理解される。したがって、伸縮式カテーテルの近位部分は、そのカテーテルが使用される時に人体の尿道又は他の管の中に全体的に挿入されるようになっているそのカテーテルの一部分であり、一方、カテーテルの遠位部分は、通常は、管の外側に少なくとも部分的に配置されるようになっているか、又は、少なくとも、カテーテルが使用中である時に管の出口に最も近い部分である。
このことが、使用後に容器内においてその圧潰形状構成の形に潰れるように抑制された形で容易に圧し潰されることが可能である、膨張式カテーテルを有するパッケージを実現し、この場合に、カテーテルは廃棄されるまでその容器内に便利な形で収容されていることが可能である。この実施態様では、カテーテルを圧し潰すために必要な力が、そのカテーテルを尿道内に挿入するために必要な力よりも大きいことが望ましく、すなわち、特に男性ユーザの尿道の湾曲した通路の中を通して、又は、前立腺又は括約筋の中を通る通路を通して、そのカテーテルが入れられる時に、そのカテーテルの湾曲の最中にその伸張形状構成を維持するのに十分なだけ強力であることが望ましい。使用後には、カテーテルが尿道から取り外される時に、この結合が、一方では、2つの部分を互いの中に押し込むことによってカテーテルの圧潰を可能にしなければならず、好ましくは、この圧潰形状構成に向かう動きがカテーテルの捻れの以前に生じなければならない。
したがって、湾曲又は捻れを防止するために、カテーテルを伸張形状構成から圧潰形状構成に変化させるために必要とされる第1の長手軸線方向の力が、近位部分と遠位部分の少なくとも一方が湾曲するために必要とされる第2の長手軸線方向の力よりも小さくなければならないということが理解されなければならない。
カテーテルを尿道の中に挿入するのに必要とされる押し込み力が約1−2Nであることが明らかにされており、この力は個人ごとに様々である。さらに、PVCとPUのような材料で形成されている、男性の尿道の中への挿入のためカテーテルの場合には、第2の長手軸線方向の力が典型的には約2Nである。したがって、尿道の中に挿入される時に伸縮式カテーテルが潰れることが望ましくないので、この伸縮式カテーテルは、第1の長手軸線方向の力が約2Nよりも大きいように、好ましくはこの値よりも著しく大きく、例えば第1の長手軸線方向の力の2倍よりも大きいように寸法決定されなければならないということが理解可能である。しかし、第2の長手軸線方向の力、すなわち、捻れ力が、押し込み力に近く、場合によってはおそらくは押し込み力と同一でさえあるので、このカテーテルは、湾曲又は捻れなしに伸張形状構成から圧潰形状構成に変化させられるように、非常に正確に寸法決定される必要があり、かつ、容器の中に正確に押し込まれる必要がある。
したがって、本明細書に説明されているように、カテーテルの湾曲又は捻れを防止する容器内の支持部材を有利な形で備えていることによって、第2の長手軸線方向の力が理論的に無限大であり、したがって伸縮式カテーテルが、容器内に挿入される時に圧潰形状構成の形に伸縮式に容易に圧し潰される。
伸縮式カテーテルが湾曲して外に出て支持部材の間の開口部の中に入ることを防止するために、周囲距離の最大値が、伸縮式カテーテルの近位部分の直径よりも小さいことが有利である。
一実施態様では、横断面で見た場合に、支持表面が湾曲している。カテーテルの湾曲に一致する支持表面の湾曲。したがって、支持表面が医療装置の形状に追従するように形作られている時には、支持表面が管腔内で医療装置をより容易に案内するので、医療装置は容器の中により容易に挿入される。
本発明によるパッケージのさらに別の実施形態では、第2の部分の横断面積の最も厚い幅が、細長い医療装置の横断面積の最も厚い幅の少なくとも2倍である。このことが、細長い医療装置が折り曲げられることを可能にする容器内の空間をもたらす。
細長い医療装置がカテーテルである場合に、このカテーテルが典型的にはPVS又はPUのような可とう性材料で作られており、かつ、したがって容器の中に挿入される時に折れ曲がることが可能であるので、このことは特に有利である。このことが、カテーテルが押される時に丸まって容器の中に入るので、容器の長手軸線方向の長さよりも長い長手軸線方向の長さを有するカテーテルが容器内に配置されることを可能にする。特に、使用時には伸張形状構成の形でロックされる伸縮式カテーテルが、使用前にそのカテーテルが圧潰形状構成で中に貯蔵されていた同一の容器内に、使用後の廃棄まで貯蔵される。ロックされることによって、伸縮式カテーテルの近位部分と遠位部分との間の連結部が伸張形状構成において非常に不とう性であり、したがってカテーテルをその圧潰形状構成に戻すためにそのカテーテルを伸縮式に圧し潰す試みが実際的には不可能であり、又は、言い換えると、カテーテルを伸縮式に圧し潰すために必要とされる力が、第2の長手軸線方向の力よりも少なくとも大きく、これによってカテーテルが伸縮式に潰れる前にそのカテーテルが捻れるか湾曲するということが理解される。
さらに、使用済みのカテーテルが丸められて容器の中に入れられる時に、そのカテーテルが変形させられ、これによってそのカテーテルが使用不可能にされ、したがって、カテーテルの再使用が非衛生的でありかつ感染又は疾病の危険性を大きく増大させるので、そのカテーテルが再使用されることがこのようにして防止される。
典型的には、本発明によるパッケージで使用されるカテーテルは、その遠位末端上に、すなわち、人体の尿道又は他の管の中に挿入されることがないカテーテルの末端上に、コネクタを備えている。このコネクタは、例えば尿袋のような外部装置に連結されるようになっている。さらに、このコネクタはグリップとしての役割を果たし、このグリップは、カテーテルを挿入する時に指の間に保持される。このことが、カテーテルの挿入可能な部分に手が接触することを防止し、カテーテルが中に挿入される管の汚染とその後の感染との危険性を低減させる。
本発明によるパッケージのさらに別の実施態様では、コネクタの外側周縁が区画部の第1の部分の周縁よりも大きい。したがって、第1の部分が止め具として機能するので、包装される時にこのコネクタが偶発的に第2の部分の中に全体的に挿入されることはない。したがって、このコネクタに容易に手が届き、カテーテルが容易に容器から引き出される。さらにより一層有利であることに、これに加えて、コネクタの長手軸線方向の長さが第3の部分の長手軸線方向の長さよりも長い。したがって、コネクタは第3の部分の外に部分的に延び、把握がより容易である。
上記の第1の態様と無関係であるか、又は、この第1の態様と組み合わされてもよい、本発明の第2の態様では、パッケージが、液体と少なくとも部分的に医療装置とを収容するための区画部を画定している容器を備え、上記区画部は容器の底部からその容器の開口部に向かって長手軸線方向に延び、この長手軸線方向の少なくとも一部分において縮小する容器の外側周縁を有する。こうした周縁の縮小は、例えば、容器の一部分を円錐形に形成することによって得られ、この場合に、この円錐の基部が容器の底部に配置される。このことが、容器が垂直位置に配置される時に、その容器がより安定していることを可能にする。さらに、このことは、ユーザが片方の手で医療装置を引っ張り、かつ、容器の周りを把持して容器の外側表面の縮小した周縁をしっかりと支えるために他方の手を使用するので、医療装置が容器の外により容易に引き出されることを可能にする。
図1aは、本発明によるパッケージで使用される容器1を分解組立図で示し、図1bは、この容器1を組立図で示す。この容器は、3つの射出成形部品、すなわち、キャップ2と、ハウジング3と、栓4とから成る。生産の後に、栓4が、容器の底部6を形成するハウジング3の底部末端5の中に固定される。接着、溶接、又は、構成要素を互いに取り付けるための当業で公知の他の方法が、底部末端内に栓を固定するために使用されることが可能である。底部末端とは反対側の位置には、開口部7が存在する。したがって、図2、図3a及び図3bとに見てとれるように、栓が容器に固定されている時に、開口部とハウジングと栓が区画部11を画定している。
開口部の付近には、キャップ2上の内側ねじ山9を受けるように形成されている、ハウジング3上の外側ねじ山8が備えられている。
図2は、テーブル又は浴室洗面器のような平らな又は水平の表面12上に底部8が置かれている、垂直位置に配置されている容器を示す。この図から見てとれるように、ハッチングされた区域によって示されている液体が、容器の区画部11内に収容されている。図3aと図3bは、平らな又は水平の表面12に対して軸線A−Aが概ね平行である水平位置に置かれている容器を示す。
液体を区画部内に収容するために容器が液密の囲いを実現するということが理解されなければならない。したがって、キャップ2と栓4の両方が封止状にハウジングに係合することが可能である。
図3aでは、点線i−iと点線ii−iiとが、i−iとii−iiとの間に配置されている第1の部分Iと、ii−iiと容器の底部6との間に配置されている第2の部分IIと、容器の開口部7とi−iとの間に配置されている第3の部分IIIとを概略的に示す。
図2に見てとれるように、第2の部分IIは、底部6に向かって拡大する外側周縁を有する。このことが容器のためのより大きい基部を生じさせ、これによって、容器が平らな表面上に垂直位置で置かれる時にその容器がより安定している。さらに、液体が底部に向かって自然に移動するので、その容器の安定性がさらに増大させられる。
第1の部分I内の区画部の横断面積が、第2の部分II内の区画部の横断面積よりも小さい。さらに、第3の部分III内の容器の横断面積が第1の部分I内の容器の横断面積よりも大きいので、第1の部分Iが高さにおいて持ち上げられ、したがって、第2の部分II内の液体に対する障壁としてより効果的である。したがって、容器が偶発的に傾斜するか、又は、そうでない場合には、図3aに示されているように容器がその水平位置に置かれなければならない場合には、液体が第2の部分IIから第1の部分Iを通過して第3の部分IIIの中に流入することが有利に防止される。したがって、容器が水平位置にある時にキャップが所定の位置にない場合に、液体が開口部7を通って溢れ出ることが防止される。
図3bから見てとれるように、平面Lと、内側肩部14と区画部の底部15との間の区画部の周縁とが、副区画部13を画定している。平面Lは、内側肩部14の周縁に対する正接平面であり、かつ、区画部の長手軸線A−Aに対して平行である。
副区画部の体積よりも小さい液体10の体積を容器内に備えていることによって、図3aと図3bとに見てとれるように、キャップ2が取り外される場合に、液体は開口部7の中を通って溢れ出ることがない。
図1から図3bに示されている容器は細長く、カテーテル(図示されていない)を格納するようになっている。このカテーテルは典型的には被覆されており、液体と共に貯蔵される時に、予湿潤されており、親水性の特性を有し、かつ、容器が開かれた直後に直ぐに使用できる状態にある。
図4と図5は変更された容器100を示し、この容器100は、特に、伸縮式のカテーテルが使用後に容器の中に再び挿入される時に、そのカテーテルの湾曲及び捻れを防止するように変更されている。図4では、この変更された容器がその長手軸線方向に沿った断面図の形で示されており、図5では、この変更された容器は、長手軸線断面なしに図4の線V−Vに沿った横断面図の形で示されている。
この変更された容器100は、密閉された末端102と出口部分103とを有するハウジング101を有する。この出口部分は、キャップ(図示されていないが、図1から図3bに示されているキャップに類似している)上の対応する内側ねじ山と結合するための外側ねじ山104を有し、出口部分は、ハウジングと密閉末端と出口部分とによって画定されている区画部106の外にカテーテルが中を通して引き出されるか又はこの区画部の中にカテーテルが中を通して挿入されることが可能である開口部105を有する。
この区画部内には、この区画部内で出口部分と密閉末端との間を長手軸線方向に延び、かつ、それぞれの支持表面109a、109b、109c、109dに向かってこの区画部の内壁から半径方向に延びている、第1、第2、第3、第4の支持部材107a、107b、107c、107dが備えられている。見てとれるように、これらの支持部材は、互いに接触するほど遠くまでは延びず、このことが、第1、第2、第3、及び、第4の通路110a、110b、110c、110dが、支持表面と通路とによって画定されている管腔111と、第1、第2、第3、及び、第4の溝112a、112b、112c、112dとの間の連通を実現することを可能にする。
したがって、図5に点線の円115で示されているカテーテルが管腔内に挿入される時に、支持表面が、上述したカテーテルの湾曲力又は捻れ力を越える長手軸線方向の力が加えられる場合にカテーテルが側方へと曲がることを防止する。さらに、カテーテルが動くか、湾曲するか、又は、捻れて、溝112a、112b、112c、112dのどれかの中に入り込むことを防止するために、通路の幅、すなわち、それぞれの互いに隣り合う各支持表面の間の最短距離が、カテーテルの直径よりも小さい。特に、通路の幅は、近位部分の直径、すなわち、尿道の中に全体が挿入されるようになっている伸縮式カテーテルの一部分の直径よりも小さくなければならず、このカテーテルの一部分は、遠位部分よりも高い可とう性を通常は有し、したがって、より小さい長手軸線方向の力の作用によって湾曲するか捻れる。
図示されている溝を備えていることによって、容器が水平の方向配置に置かれる場合にも、この容器は、区画部の外に液体が溢れ出ることを防止することが依然として可能である。この溝が、図3を参照して上述した副区画部13と極めて類似しているということが理解可能である。したがって、個別の溝の体積よりも小さい体積を有する区画部106内に液体を備えていることによって、容器が水平の方向配置に置かれる時の液体の溢れ出しの危険性が、さらに最小限にされる。
さらに、液体が支持表面上を流れて容器の外に出ることを防止するために、第1、第2、第3、第4の凹み(第4の凹みは図に示されていない)113a、113b、113cが、支持部材と、狭窄する縁114として形成されている第1の部分との間に備えられている。
本発明によるパッケージ200が図6に示されている。このパッケージは、長手軸線断面の形で示されておりかつ図1から図3bを参照して上述した容器1から成る。この容器の区画部内には、液体10と親水性被覆カテーテル201とが入れられている。このカテーテルは、カテーテル本体202と、このカテーテル本体の一方の末端204(典型的には遠位末端と呼ばれる)に取り付けられているコネクタ203とによって形成されている。カテーテル本体の他方の末端205(典型的には近位末端と呼ばれる)には、カテーテル本体の遠位末端に備えられている出口開口部207に対するカテーテル本体の入口開口部の間の、及び、コネクタ203の中を通って外への、流体連通を可能にする入口開口部206が備えられている。
コネクタ203は、中空の円錐形要素として形成されている。このコネクタは軸方向の長さを有し、この軸方向の長さは、容器が閉じられている時に、コネクタが依然として区画部の中に収容されたままであると同時に容器の開口部7から外に突き出ることを可能にする。したがって、ユーザはそのコネクタの突出部分を容易に把持してその容器からカテーテルを引き出すことができる。
図1aは、本発明によるパッケージで使用するための容器の分解組立図である。
図1bは、アセンブリされた形状構成で上記容器を示す。
図2は、本発明によるパッケージで使用するための容器を、垂直位置において、図1bの線II−IIに沿った断面で示す。
図3aは、本発明によるパッケージで使用するための容器を、水平位置において、図1bの線II−IIに沿った断面で示す。
図3bは、本発明の一実施形態による副区画部の表示を伴う、図3aの場合と同じものを示す。
図4は、本発明によるパッケージで使用するための容器の別の実施形態を長手軸線断面図の形で示す。
図5は、図4の線V−Vに沿った横断面図の形で同じ実施形態を示す。
図6は、カテーテルがすでに中に配置されている、図1〜図3bに示されている容器の実施形態を示す。