JP2009521994A - 仮想結腸内視鏡検査を目的として結腸を準備するための、浸透圧性緩下薬および刺激性緩下薬を含むキット - Google Patents

仮想結腸内視鏡検査を目的として結腸を準備するための、浸透圧性緩下薬および刺激性緩下薬を含むキット Download PDF

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Abstract

浸透圧性緩下薬投与後の便通、それに続く刺激性緩下薬投与により、仮想結腸内視鏡検査による結腸内部可視化のための準備において結腸内の残留液体量を最小限とする、安全かつ効果的な結腸洗浄がなされる。患者に対し、低容量の水溶液中のPEGを投与し、続く生物学的に決定された間隔の後に、ビサコジルのような経口刺激性緩下薬を投与することにより、大容量の等張性洗浄液または小容量の高張性洗浄液のいずれかの経口摂取後に典型的に続く顕著で抑制不能な下痢を伴うことなく、仮想結腸内視鏡検査に備えて結腸を洗浄する。

Description

発明の分野
本発明は医学分野のものである。より具体的には、本発明は胃腸病学、およびとりわけ、仮想結腸内視鏡手法前の患者の腸洗浄の方法に関連する。
背景技術
結腸直腸癌(CRC)の早期検出を高度の臨床的優先課題として、臨床研究に何年間も費やされてきたが、この疾患は合衆国での癌関連死の第2の主要な原因に留まっている。2003年には、男性については前立腺癌および呼吸器癌、ならびに女性においては乳癌および呼吸器癌に次いで、その年の3番目に多い数の新規癌ケースを占める推定60,000人の死亡がCRCに起因していた。研究者らは2005年のみで新規CRCのケースは147,000になるであろうと推定する。従って、CRCを発症する生涯リスクは合衆国において18人に1人であると推定される。
早期癌または前癌ポリープの検出により死亡率を減少させることが可能であるスクリーニング手法の成功にも関わらず、合衆国のみで約1,000,000人の高リスクを負う人々が結腸直腸ポリープについて適切にスクリーニングをされていない。この低いスクリーニング率に対する理由は、医師、患者および健康医療プロバイダが、これらの手法を奨励し、受け入れ、または料金を支払うことに乗り気でないことを含む。これは最近では、2002年7月10日に連邦政府レベルにおいて認識され、米上院委員会では、合衆国における全ての民間の健康保険プランに対し、50歳もしくはより年配、または疾患を発症する高いリスクを有する人々に、直腸癌を検出するための結腸鏡検査および他の試験の提供を要求することを票決した。
結腸直腸ポリープをスクリーニングする最も一般的な方法は、従来型の結腸鏡検査である。従来型結腸鏡検査は患者の鎮静を要し、続いて5フィートの長さのフレキシブルな光チューブの直腸への挿入を通して結腸が検査される。この手法は約1〜2時間持続する。後に、患者は鎮静より回復せねばならず、かつしばしばその日の残りは無気力になる。従来型結腸鏡検査の侵襲的性質のため、かつ手法の間は鎮静の必要があるため、多くの患者は結腸鏡検査を回避する。S字結腸鏡検査のような他の方法およびデジタル直腸検査は結腸の一部のみを評価し、かつ従って結腸鏡検査手法ほど徹底的ではない。
仮想結腸内視鏡検査(virtual colonoscopy)(VC)は前癌性ポリープについて結腸をスクリーニングする新規の方法である。コンピューター断層撮影(CT)スキャナーおよび画像の提供または再構築を行う新規のコンピューター方法を使用して、結腸鏡検査および鎮静を用いることなく直腸が評価されうる。洗浄後に結腸は空気または二酸化炭素により拡張され、かつCTスキャンが瞬時に遂行される。過剰な液体および便が結腸付属物から落下するように、患者はうつ伏せならびに仰向けの双方でスキャンされる。
現行の結腸鏡検査洗浄手法は緩下薬、浣腸、坐剤、腸瀉下薬または直立歩行の結腸洗浄との組み合わせによる減食摂取を含む。ポリエチレングリコール/電解質溶液(PEG-ELS、GoLYTELY(登録商標)またはSF-ELS、NuLYTELY(登録商標))を用いた直立歩行の洗浄は頻繁に処方される製剤である。一般に、4リットルの溶液からなるこの製剤を患者が経口摂取するのは不快である。彼らはしばしば満腹感、吐気、けいれんおよび嘔吐を訴え、時にはその程度により処方されたレジメンを完了しない。これらの配合は一般的に有効であるが、患者がよく許容できるものではない。レジメン完了の不履行は頻繁に不適切な腸洗浄の有名な原因であり、しばしば結腸鏡検査のためには不適切に洗浄された結腸がもたらされる。
大容量タイプの製剤に付随する問題を回避する試みとして、他の研究者らは濃縮されたリン酸塩の水性溶液からなる摂取可能な製剤を利用してきている。水溶性リン酸塩濃縮により腸の内部管腔の内容物に著しい浸透圧効果を産生し、従って、水および電解質の体から腸への大量流入を伴い、腸の排便が起こる。これらのリン酸塩製剤は結腸瀉下に要する容量を減少させる目的で開発されてきている。そのような製剤の一例においては、1リットル当り480グラムのリン酸一ナトリウム(monobasic sodium phosphate)および1リットル当り180グラムのリン酸二ナトリウム(dibasic sodium phosphate)を安定化緩衝水溶液中に含み、かつFleets Phospho-Soda(登録商標)の商標名で販売されている。患者は典型的にはこの製剤の3オンス用量を3〜12時間の間隔を空けて2回、全量6オンス(180 ml)摂取することを要され、大容量の製剤に要される1ガロンの大容量と比較すると有意な減少である。さらに、リン酸ナトリウムおよび硫酸ナトリウムの非水溶性錠剤またはカプセル製剤も使用されている(例えば、米国特許第5,997,906号(特許文献1)、第6,162,464号(特許文献2)、第5,616,346号(特許文献3)参照)。
これら先行技術による製剤の別の欠点は、不快で、苦く塩からい味覚である。これは感受性の高い患者において吐気および嘔吐を促進し得、従って、摂取を回避させる。この不快な味覚を克服するのは困難であり、グルコース、フルクトース、サッカロースおよびソルビトールのような最も一般的な自然甘味料でさえも、これらの経口投与される溶液の浸透圧を変化させる可能性があり、潜在的に危険な電解質不均衡をもたらす。これら小容量のリン酸溶液および非水溶性製剤は患者にとって臨床的に有意である、大量の電解質および液体の移行を引き起こすことが示されている。これらは永続的で、深刻な腎障害、および死亡さえもたらす可能性がある(例えば、Markowitz et al., 2005, J. Am. Soc. Nephrol. 16:3389-3396(非特許文献1); Ahmed et al., 1996, Am. J. Gastroenterol., 91:1261-1262(非特許文献2); Boivin et al., 1998, Am. J. Gastroenterol., 93:2577-2579(非特許文献3); and Orias et al., 1999, Am. J. Nephrol. 19:60-63(非特許文献4)参照)。
これらの溶液は高浸透圧性であり、溶液の電解質濃度がヒト体内の電解質濃度より著しく高い。Fleet’s Phospho-Sodaのような市販の製品、およびVisicol錠剤(リン酸ナトリウム塩)のような固体剤形のものは小容量の電解質製剤の例である。残念なことに、これら製品の全ては臨床的に有意な電解質の攪乱および体液の移行を引き起こし、患者へ投与された場合、心臓および腎臓の機能に攪乱を起こすことが示されている。
十分量の下痢容量が適切な結腸洗浄の産生に必要とされると信じられている。顕著な下痢を産生するため、PEG基盤の洗浄のような大容量の洗浄が利用されてきている。しかしながら、ほとんどの患者にとってそのような下痢を経験することは快適ではないため、研究者らは過去20年間に渡り、最も著名なものではビサコジル(bisacodyl)という緩下薬と組み合わせることにより、PEG基盤の洗浄製剤の容量を減少させることを試みてきた。これらの初期試行の多くの場合、ビサコジルを添加した場合でさえも、溶液の容量は4リットルに維持された。他の実験においては、ビサコジルまたはさらなる緩下薬を用いることなく、より小容量のPEG基盤の溶液を使用する試みがなされた。一般に、これらの試行により患者の症状は改善されたが、結腸鏡検査のクオリティーを、容認可能な基準以下に低下させた。例えば、Vilien et al.(1999, Endoscopy, 22:168-170)(非特許文献5)は結腸鏡検査のための標準的なGoLYTELY(登録商標)製剤と減少量のGoLYTELY(登録商標)レジメンを比較した50人の患者の研究を公表した。患者が受けた洗浄レジメンを告知されていない結腸鏡検査技師が、洗浄効能を評価した。検査の前日に、全ての患者は10 mgのビサコジル、続いて流動食を供与された。続いて検査の朝、患者は1.5または3リットルのGoLYTELY(登録商標)のいずれか(無作為化スケジュールに依存して)を飲用した。著者らは、より低容量の洗浄が使用された場合はより不完全な洗浄であったと結論した。しかしながら、標準的な4リットルの洗浄溶液のみとの比較において、これらの2つの処置によってどれほど腸が洗浄されたのかは明確ではない。
他の研究者らは清潔でよく許容できる準備を成し遂げるため、結腸洗浄の様相を組み合わせた。Adams et al., 1994 (Dis. Colon Rectum, 37:229-234)(非特許文献6)はビサコジルの8時間後に2リットルのGoLYTELY(登録商標)と「標準的な」4リットルのGoLYTELY(登録商標)を用いた場合の結腸の準備を比較した。これらの研究者らは、患者が検査の28〜30時間前にビサコジルを受け、かつ検査前30時間超にわたって澄清流動食を供された場合、2つの準備方法において腸洗浄のクオリティーは同等であることが明らかであることを見出した。ビサコジルを加えた2リットルのGoLYTELY(登録商標)の方法は患者によりよく許容された。しかしながら、ビサコジルを加えた2リットルのGoLYTELY(登録商標)を享受し、検査前30時間超にわたって液体を制限されなかった患者は、満足のいく準備を有していなかった。類似の研究において、結腸洗浄の結果は同一の可視化クオリティーであると判断されたが、患者の不快レベルの改善が見られなかった(Grundel, et al., 1997, Dis. Colon Rectum, 40:1348-52(非特許文献7))。
他の研究では、緩下薬が減少洗浄容量との組み合わせで使用された場合に、医師および患者の評価の、適切ならびに効果的な組み合わせを見出すことができなかった。真に、Bokemeyer, et al., 2000(Verdauungskrankheiten, 18:17-24)(非特許文献8)は、緩下薬に加えた減少洗浄容量により、緩下薬(X-Prep)との組み合わせにおける小容量のPEG洗浄溶液を用いた結腸鏡検査の準備をもたらし、これは有意により劣る結果を産生したことを見出した(Lind, et al., 1990, Tidsskr Nor Laegeforen, 110:1357-1358(非特許文献9); Brady, et al., 1987, Ann. Clin. Research, 19:34-38(非特許文献10)も参照)。
従って、これらの試みにも関わらず、緩下薬の事前処置を伴う減少容量の洗浄液体の使用によって、必ずしも患者の症状が改善されていない。また組み合わせにより、大容量の洗浄溶液が使用された場合に達成されるのと同程度の結腸の準備が確実に産生されるわけではない。
仮想結腸内視鏡検査にとって、腸および結腸の糞便物質が完全に洗浄されており、かつ、結腸内に残留液体が、最小限のみ存在し、または全く存在しないことが重要である(Fenlon, et al., 1999, N. Engl. J. Med. 341:1496-1503(非特許文献11); Lefeve, et al., 2006, Onkologic 29:281-286(非特許文献12)参照)。とりわけ、仮想結腸内視鏡法による良好な放射線写真を得るためには、腸管粘膜の適切な可視化を許容するため、液体および糞便物質が可能な限り結腸から除去されることが必須である。結腸内の残留液体により医師が結腸内のポリープを観察するのを妨害する可能性があり、従って結腸内の残留液体を非常に少量とする手法が強く所望される。例えば、Macari et al. (2001)(非特許文献13)およびGryspeerdt et al. (2002)(非特許文献14)は仮想結腸内視鏡検査において放射線学的評価を妨げるため、4リットル容量の準備後の残留液体量は容認可能でないと報告している。光学的大腸内視鏡検査と異なり、仮想結腸内視鏡検査において、過剰な液体を除去することは可能でない。Macari, et al., 2001, Radiology, 218 (1):274-7(非特許文献13); Gryspeerdt, et al., 2002, JBR-BTR, 85:289-96(非特許文献14)。
患者は仮想結腸内視鏡検査の準備において従来結腸を洗浄するために使用された方法を最適には許容せず、かつ上記記載の方法は結腸内に非常に多くの残留液体量を残す、または潜在的に危険な副作用を有するため、仮想結腸内視鏡検査の準備における効果的な結腸洗浄の方法に対する必要性が残されている。
米国特許第5,997,906号 米国特許第6,162,464号 米国特許第5,616,346号 Markowitz et al., 2005, J. Am. Soc. Nephrol. 16:3389-3396 Ahmed et al., 1996, Am. J. Gastroenterol., 91:1261-1262 Boivin et al., 1998, Am. J. Gastroenterol., 93:2577-2579 Orias et al., 1999, Am. J. Nephrol. 19:60-63 Vilien et al., 1999, Endoscopy, 22:168-170 Adams et al., 1994, Dis. Colon Rectum, 37:229-234 Grundel, et al., 1997, Dis. Colon Rectum, 40:1348-52 Bokemeyer, et al., 2000, Verdauungskrankheiten, 18:17-24 Lind, et al., 1990, Tidsskr Nor Laegeforen, 110:1357-1358 Brady, et al., 1987, Ann. Clin. Research, 19:34-38 Fenlon, et al., 1999, N. Engl. J. Med. 341:1496-1503 Lefeve, et al., 2006, Onkologic 29:281-286 Macari, et al., 2001, Radiology, 218 (1):274-7 Gryspeerdt, et al., 2002, JBR-BTR, 85:289-96
発明の概要
減少容量の浸透圧洗浄溶液を投与し、便通および引き続き刺激性緩下薬の投与が続く特定のレジメンにより、最小限の結腸液体の残留を伴う適切に洗浄された結腸、および手法に対する患者の許容の改善の優れた組み合わせが産生されることが発見されている。この発見により、仮想結腸内視鏡による検査のための結腸の準備、および適切に準備された結腸内部の可視化に関連する本発明の開発がなされた。
本発明の1つの局面においては、浸透圧性緩下薬が哺乳動物へ経口的に投与され、かつ便通を生じさせる。便通が起こった後に初めて、有効量の刺激性緩下薬が哺乳動物に経口的に投与される。後に、哺乳動物は結腸から排便させられ、従って仮想結腸内視鏡検査を許容するために、結腸が適切に洗浄される。1つの態様においては、本方法は有効量の刺激性緩下薬の投与の後にさらに清澄液体を哺乳動物へ投与する段階を含む。
いくつかの態様においては、浸透圧性緩下薬はラクツロース(lactulose)シロップ、ソルビトール、マグネシウム塩、グリセロール、またはポリオールでありうる。ある態様においては、ポリオールはポリエーテルポリオールである。他の態様においては、ポリエーテルポリオールはポリエチレングリコールまたはポリエチレンポリプロピレングリコールのいずれかを含む。また他の態様においては、浸透圧性緩下薬は室温で固体であるPEGの水溶性懸濁液である。特定の態様においては、有効量の浸透圧性緩下薬は約2リットルの等張性溶液中の約50グラム〜約400グラムのPEGである。いくつかの態様においては、浸透圧性緩下薬はPEGの分割用量として投与され、各用量は約8液体オンスの等張性溶液中に約68グラム〜約75グラムのPEGを含む。この用量は約2時間にわたり投与される。他の態様においては、浸透圧性緩下薬はPEG 3350である。1つの態様においては、有効量の浸透圧性緩下薬は約2リットルの等張性溶液中の119 g〜約221 gのPEG 3350である。
いくつかの態様においては、刺激性の緩下薬はアロエ、ビサコジル、カサンスラノール(casanthranol)、カスカラ(cascara)芳香性液体抽出産物、カスカラサグラダ(cascara sagrada)樹皮、カスカラサグラダ抽出産物、カスカラサグラダ液体抽出産物、キャスターオイル、ダンスロン(danthron)、デヒドロコール酸、フェノールフタレイン、センナ(senna)、センノシド(sennoside)AおよびB、またはピコスルファート(picosulfate)である。ある態様においては、刺激性緩下薬はビサコジルを含む。特定の態様においては、有効量のビサコジルは約5 mg〜約40 mg、または約10 mg〜約20 mgである。
他の態様においては、造影剤が対象へ投与される物に含まれる。ある態様においては、造影剤は残留糞便物質に対するタグである。ある態様においては、造影剤は残留液体に対するタグである。特定の態様においては、残留糞便物質に対するタグはバリウム剤である。他の特定の態様においては、残留液体に対するタグは水溶性ヨウ素化剤である。いくつかの態様においては、セミチコン(semithicone)のような抗気泡剤が対象へ投与される物に含まれる。いくつかの態様においては、残留糞便物質および残留液体に対するタグ、ならびに抗気泡剤は一緒に、または任意の可能な組み合わせにおいて使用される。
また別の局面においては、仮想結腸内視鏡検査のための結腸洗浄において使用される構成成分は、浸透圧性緩下薬の濃縮溶液、刺激性緩下薬、および少なくとも1つの造影剤を含むキットとしてパッケージされてもよい。ある態様においては、キットはさらにセミチコンを含んでもよい。いくつかの態様においては、キットの浸透圧性緩下薬はPEGを含む。他の態様においては、キットに含まれる刺激性緩下薬はビサコジルを含む。また他の態様においては、キットはさらに仮想結腸内視鏡検査の準備のためのの指示書を含む。
さらに別の局面においては、本発明は哺乳動物の結腸内部を可視化する方法を提供する。この方法は、有効量の浸透圧性緩下薬を経口的に投与する段階;緩下薬による便通を生じさせる段階;有効量の刺激性緩下薬を経口的に投与する段階;哺乳動物の結腸からの排便を生じさせる段階;および続いて哺乳動物において仮想結腸内視鏡検査を遂行する段階を含む。いくつかの態様においては、検出された任意の病巣もしくはポリープを除去または検査するため、仮想結腸内視鏡検査の後に従来型結腸鏡検査が遂行される。
詳細な記載
今や、大量の残留液体を残すことのない、仮想結腸内視鏡検査のための準備における結腸の安全および効果的な洗浄が、大容量の洗浄溶液を摂取することなく、不快で、苦く、かつ危険な高張性塩溶液を用いることなく起こりうることが決定されている。減少容量の浸透圧性洗浄溶液を投与し、続いて便通を生じ、および続いて刺激性緩下薬を投与する特定のレジメンにより、最小限の結腸の残留液体を伴う適切に洗浄された結腸、および手法に対する患者の許容の改善の優れた組み合わせが産生されることが決定されている。さらに、仮想結腸内視鏡検査の後の、同日の光学的または従来型結腸鏡検査のための結腸洗浄の程度も適切である。
この発見により、仮想結腸内視鏡による検査のための結腸準備に関連する本発明の開発がなされた。このレジメンの、(1)洗浄;(2)生物学的に規定された間隔;および(3)刺激性緩下薬により、先行技術と比べて仮想結腸内視鏡検査にとってより良好である、より乾燥しおよび清潔な結腸が生じる。さらに、本レジメンにより患者が経験する最も共通の否定的症状の減少がもたらされる。この二重様式の処置は、もし、便通を待つことによって、その二つの構成成分の投与タイミングが適切に調節されれば最も有利である。この知見は極めて予想外であり、かつ仮想結腸内視鏡検査の分野において以前には理解されていなかった。ここで「結腸洗浄」として典型的に言及される場合、本発明は十二指腸から肛門を包括的に含む、腸管および直腸全体の洗浄における価値を有する。
上記に記載されるように、レジメンの最初の段階は浸透圧性緩下薬の投与である。いかなる特定の理論にも拘束されないが、浸透圧性緩下薬は腸から吸収される水量を減少させ、かつ便の水量を増加させることにより作用すると理解されている。これにより便が軟化しかつ通過が容易になる。いくつかの非制限的な浸透圧性緩下薬の例はラクツロースのような消化できない炭水化物、およびソルビトール、およびリン酸ナトリウム基盤の生理食塩水緩下薬、クエン酸マグネシウム、あるいは他のマグネシウム塩、グリセロール、およびポリエーテルポリオールを含む。これらの緩下薬は例えば、Apotex、 Weston Fl、およびCumberland Pharmaceuticals Inc., Nashville, TNから市販されている。
浸透圧性緩下薬のうちの1つの有用な群はポリエーテルポリオールである。ポリエーテルポリオールはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、または他の環状エーテル(別々にまたは混合物として)と、ポリエーテル(すなわち、二つ以上のエーテル結合を伴う化合物)を形成するための1つまたは複数の反応性水素を有する化合物(すなわち、窒素、酸素、リン、硫黄等に結合した水素原子)との重合作用を通して形成される化合物である。重合作用の後に、これらのポリエーテルポリオールは1つより多くの水酸基ラジカルを含む。本発明において、約900〜約20,000の範囲の分子量を有するポリエーテルポリオールは有用である。ポリエーテルポリオールの非制限的例はポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリエチレン−ポリプロピレングリコールブロックコポリマーおよびランダムポリマー、ならびにポリブチレンポリオールである。
そのような有用なポリエーテルポリオールの1つはポリエチレングリコール(「PEG」)である。任意の食品用または医薬品等級のPEG重合体が、本明細書において考慮される組成物に利用されてもよい。室温で固体であり、および室温で水溶性(または混和性)である比較的高分子量(例えば、約900を上回る)のポリマーは記載されたレジメンで有用である。少なくとも1000(および一般に20,000を超えない)の平均分子量を有するポリマーは使用可能である。とりわけ、約3000〜約8000の範囲の分子量を伴うPEGが使用されてもよい。PEG 3350(平均分子量を同定するための数値名称)が有用であることが示されている。
他の有用なポリエーテルポリオールはポリエチレンポリプロピレングリコール(「PPG」)である。PPGはまた「pluronic」、「pluronic F68」または「poloxamer 188」の名称でも公知である。Pluronic F68は分子量8350であり、かつその界面活性、潤滑性、および非発泡性の特性のため食品添加物として使用されている。Pluronic F68は様々な供給源から購入可能である(例えば、BASF, Mount Olive, New Jersey)。
本発明において有用なクラスまたは範囲の記載は、そこに含まれる任意のサブクラスまたは部分的範囲の記載、ならびに、クラス中の各要素または値の個別的な記載も含む。
本明細書において記載されているレジメンにとって、仮想結腸内視鏡検査のための適切に洗浄されおよび乾燥した腸を産生する際に効果的であるために、浸透圧性緩下薬の投与後、刺激性緩下薬の投与以前に便通が起こらねばならない。便通は典型的に24時間以内に起こる。時に便通は18時間以内、他の場合には12時間以内、6時間以内、またはそれ未満で起こる。ポリエチレングリコール基盤の洗浄(GoLYTELY(登録商標)およびNuLYTELY(登録商標))の場合には、便通は通常1時間半〜3時間以内に迅速に起こる。浸透圧性緩下薬の投与後、刺激性緩下薬の投与以前に腸が空になるのを待たない場合、よく洗浄された結腸がもたらされない(Brady, et al., 1987, Ann. Clin. Research, 19:34-38)。
便通が起こった後、刺激性緩下薬が投与される。いかなる特定の理論に拘束されることなく、刺激性緩下薬は大腸での周期的な筋収縮を引き起こすと理解されている。いくつかの非制限的な刺激性緩下薬の有効量は、約250 mg〜約1000 mgのアロエ;約5 mg〜約80 mgのビサコジル;約30 mg〜約360 mgのカサンスラノール;約2 ml〜約24 mlのカスカラ芳香性液体抽出産物;約300 mg〜約4000 mgのカスカラサグラダ樹皮;約300 mg〜約2000 mgのカスカラサグラダ抽出産物;約0.5 ml〜約5 mlのカスカラサグラダ液体抽出産物;約15 ml〜約240 mlのキャスターオイル;約75 mg〜約300 mgのダンスロン;約250 mg〜約2000 mgのデヒドロコール酸;約30 mg〜約1000 mgのフェノールフタレイン;約50 mg〜約400 mgのセンノシドAおよびB;約0.6 g〜約5 gのセンナ;および約1 mg〜約100 mgのピコスルファートを含む。これらの刺激性緩下薬は例えば、Boehinger Engleheim, Ingleheim, Germany; Purdue Pharma, Stamford, Connecticut; Schering Plough, Kenilworth, New Jereyから市販されている。もちろん、不要な不快感を回避し便通を生じさせるため、必要に応じて大用量または小用量が使用されてもよい。
そのような有用な刺激性緩下薬の1つは、処方箋なく市販されているビサコジルである。ビサコジルは錠剤、座薬、および事前混合されている浣腸製剤の形態で利用可能である。ビサコジル浣腸は通常約20分内で便通を生じさせるのに有効である;座薬は通常約1時間内で便通を生じさせる;かつ錠剤の経口投与により通常約3〜6時間内に便通をもたらす。ビサコジルは腸管および直腸を刺激し便通を生じさせる。刺激性緩下薬であるアロエは便秘の処置に効果的でありうるが、結腸鏡検査または手術的手法前の満足のいく患者の腸洗浄を行うにはあまり効果的ではない。
約5 mg〜約40 mgのビサコジルの経口投与は投与後約3〜約6時間以内に便通を生じさせるのに通常効果的である。しかしながら、約5 mg〜約80 mgまたは約10 mg〜約20 mgのビサコジルが便通を生じさせるため患者に投与されてもよい。
X線の減少は液体とガス気泡との間で異なっており、もし気泡が充満している場合、液体の境界線を明確に画定することが放射線専門医にとって困難になるため、残留液体中に存在するガス気泡が減少されてもよい。シメチコン(simethicone)の添加により望ましくないガス気泡を減少させる。シメチコンはいくつかの抗ガス減少製品の活性成分である(すなわち、Phazyme(登録商標);Flatulex(登録商標);Mylicon(登録商標);Gas-X(登録商標);Mylanta Gas(登録商標))。約20 mg〜約100 mgの用量が錠剤またはチューインガムの形態でさえも、対象により経口摂取されうる。シメチコンは、約20 mg〜約100 mgの用量が供給されるよう本発明の組成物に含有されうる。シメチコンは任意の段階で調製物へ直接添加されうる。例えば、浸透圧性および/または刺激性緩下薬が投与される際に投与されうる、または浸透圧性および/または刺激性緩下薬の投与以前もしくは後に添加されることが可能である。また本方法における、一つより多い段階で、または本方法の各段階で投与されることも可能である。
残留糞便物質および/または残留液体を同定し、かつ実際のポリープと混同しないようにするため、調製物中に残留糞便物質または残留液体を同定するための「タグ」が含有されうる。そのようなタグはこれらの残留物のコントラストを改変させ、これにより放射線専門医によってより容易に正常または疾患性の組織が区別されうる。例えば、仮想結腸内視鏡検査の画像ソフトウエアを使用する際に、放射線専門医が糞便および液体と病巣とを区別する能力を増強するため、糞便に対するタグ(バリウム)および/または残留液体に対するタグ(例えば、Gastrografin(登録商標))が腸の準備の一部として消費されうる。ポリープを検出する仮想結腸内視鏡検査技術の感度および特異性を増強するため、対象者は約250 mlの2% CTバリウム溶液(例えば、SCAN C(登録商標) Preservative-Free Barium Sulfate Suspension, Lafayette Pharmaceuticals, Lafayette IN)を経口摂取する(Pickhardt et al., 2003, N. Engl. J. Med., 349:2191)。タグは任意の段階で調製物へ直接添加されうる。例えば、浸透圧性および/または刺激性緩下薬が投与される際に投与されるか、または浸透圧性および/または刺激性緩下薬の投与の前もしくは後に添加されうる。
ポリープを検出する仮想結腸内視鏡検査方法の感度および特異性を増強するため、対象者はまた、水溶性のダイアトリゾエート(Diatrizoate)を含むヨウ素化造影剤(例えば、Gastrografin(登録商標) Diatrizoate Meglumine & Diatrizoate Sodiumu Solution USP, Bracco Diagnostics, Princeton, NJ)を経口摂取しうる。ダイアトリゾエート溶液は残留液体のX線撮影のコントラストを改変させ、液体とポリープとをより容易に区別する(Pickhardt et al., 2003, 前記)。水溶性のヨウ素化造影剤は任意の段階で調製物へ直接添加されうる。例えば、浸透圧性および/または刺激性緩下薬が投与される際に投与される、または浸透圧性および/または刺激性緩下薬の投与の前もしくは後に添加されうる。
仮想結腸内視鏡検査のための準備によって清潔な結腸が生じるため、仮想結腸内視鏡検査は患者の下痢様溶出物から固形砕片がなくなった後、任意の時間に開始されてもよい。これは通常準備完了後約2時間以内に達成される。一旦結腸が洗浄されたら、仮想結腸内視鏡検査はその後任意の時間で起こりうる。実際的な理由および患者の快適さのため、検査は準備開始の36時間以内に起こるべきである。必要な場合、もし患者がグルコースのようなエネルギー源も含む補水溶液の飲用を許容されている場合、より長い期間が許容される。この様式において、長引く断食による患者への影響が克服されうる。
仮想結腸内視鏡検査は最先端の技術を使用して遂行される。手短には、使用されるCTスキャナーは最低限4または8チャネルのCTスキャナーである。例えば、複数列検出器スキャナー(Marconi MX 8000(Philips Medical Systems, N.A., Bothell, WA)またはLight-SpeedおよびLightSpeed Ultra(General Electric Medical Systems Milwaukee, WI)のような)が使用されうる。送達システム浣腸先端(挿入を容易にするための潤滑剤を伴う)が結腸へガス(二酸化炭素または空気)を吹送するために使用される。カテーテルの先端が直腸へ挿入され、続いて患者は仰臥位に位置される。例えば、二酸化炭素を使用してCT画像のために結腸を拡張するため、EZ-EM Protocol Colon Insufflator(登録商標)(E-Z-EM Inc., 1111 Marcus Avenue, Suite LL26, Lake Success, NY 11042)または類似の自動装置が使用された場合、圧力が20 mmHg〜25 mmHgへゆっくりと増加される。患者の快適さによって最適量の2〜4リットルの吹送が起こるスピードが指示される。あるいは、患者または技師が各スキャン前に空気または他の適切なガスを結腸へ吹送するため、手動バルブを使用することが可能である。吹送が完了した際、適切な吹送に関して結腸の評価を行うため、探索画像が取得される。結腸の拡張が不十分であるとみなされる場合、追加の吹送および新規の探索画像が要されてもよい。医師または技師により拡張の程度が適切であると判断された場合、最初は仰臥位で、および続いて腹臥位で仮想結腸内視鏡検査の画像が得られる。
各データセット(仰臥位および腹臥位)が一呼吸こらえる間に得られうる。CTセットで患者が過ごす全時間は平均約45分間である。
以下は、Marconi MX8000システムを用いたCTスキャンのために使用した特定のパラメータの非制限的例である。
(表1)
Figure 2009521994
仮想結腸内視鏡検査は、本目的のため特異的に設計された専用のワークステーションを使用して、訓練された放射線専門医または技師により解釈される。ワークステーションは、スキャナーから直接得られる軸位像(未処理データ)、ならびに直腸の「フライスルー(fly through)」を許容し、かつ複雑な湾曲をポリープのような真の病巣と区別するために必要である二次元(2D)および三次元(3D)レンダリングの同時可視化を許容する。画像プロセシングおよび解釈は、Viatronix V3D、version 1.3(Viatronix, Stony Brook, NY)のような、市販の利用可能なCT結腸造影法システムの1つで遂行される。もし結腸鏡検査専門医が便もしくは水を「タグ」する造影剤または他の化合物を用いる患者の準備を選択した場合、これらの干渉の電子的控除を成し遂げるソフトウエアパッケージが使用されうる。「人工知能」を所有し、かつポリープおよび他の病状を検出することが可能で、かつ結腸鏡検査専門医にそれらの存在を警告する新規のソフトウエアシステムも使用されうる。
結腸鏡検査専門医は全ての検出された病巣、それらの位置(例えば、盲腸、上方向、横方向、下方向、S字結腸および直腸内)、ならびに電子測径器およびワークステーションで利用可能な測定手段を使用して、病巣の大きさを記録することが可能である。従来型結腸鏡検査は、仮想結腸内視鏡検査の後、病巣を処置するために実施されることが可能である。
以下に続く実施例は本発明の実行モデルを例証しているが、代替方法が類似の結果を取得するため使用されてもよいため、本発明の範囲を限定することを意味するものではない。
実施例
実施例1
仮想結腸内視鏡検査のためにスケジュールされた、継続的な患者が臨床研究へ採用された(F38 VC-002)。患者は仮想結腸内視鏡検査の前日に軽い朝食を消費し、続いて清澄液体の昼食後、正午と午後2時との間に、2リットルのNuLYTELY(登録商標)(ポリエチレングリコール3350、NF, 210 g、塩化ナトリウム、USP 5.60 g、炭酸水素ナトリウム、USP 2.86 g、塩化カリウム、USP 0.74 g、および任意で1 gの香料成分;Braintree Labs, Inc., Braintree, MA)の飲用を開始した。彼らは、全量で2リットルの溶液を消費するまで、コップ1杯(8 oz)のNuLYTELY(登録商標)溶液を10〜15分毎に消費し始めた。患者のほとんどは、溶液を消費する間、または後に1〜数回の便通があったと報告した。研究患者は、NuLYTELY(登録商標)の完了の約3時間後に、腸溶性物質で被覆されたビサコジル錠剤を4個摂取した。患者らはその後清澄液体を除いては、いかなるものも経口消費しないよう指示された。
仮想結腸内視鏡検査は、約20 mmHg〜約25 mmHgでの結腸への二酸化炭素吹送を伴う、複数列検出器スキャナー(Marconi MX 8000(Philips Medical Systems, N.A., Bothell, WA)を用いて遂行された。探索画像の後、各データセット(仰臥位および腹臥位)が一呼吸こらえる間に得られた。仮想結腸内視鏡検査はスキャナーから直接得られる軸位像(未処理データ)、ならびに2Dおよび3Dレンダリングの同時可視化を許容するワークステーションを使用して解釈された。結腸の5つの区分における残留便および液体の量が5点法を使用して定量化された(Gryspeerdt et al., 2002、前記)。
7人の患者がこのレジメンを完了した。洗浄後に結腸に残った残留便および残留液体の評点は放射線専門医により決定され、かつ以下の表に提示されている。これらの結果は、20人の患者においてPEGおよび電解質を含む4リットルの製剤を採用したGryspeerdt et al.(前記)のものと比較される。
(表2)仮想結腸内視鏡検査における、残留便および液体に対する異なる腸処置の効果
Figure 2009521994
表2に示されるように、糞便のない結腸を生じる効率の観点において、ビサコジルを加えた2リットルのNuLYTELY(登録商標)による腸処置は、電解質を加えた4リットルのPEG処置と比較して改善された。しかしながら、残留液体量を比較した場合、ビサコジルを加えた2リットルのNuLYTELY(登録商標)による腸処置は、4リットルのNuLYTELY(登録商標)処置より優れていた。本発明の方法を使用した患者で、結腸内に過剰の液体を有するものはいなかった。実際に、7人中1人を除く全ての患者は、ほとんどまたは全く残留液体を有していなかった。残りの患者は1つの結腸区分にのみ局在する「中程度の」量の液体を有していた。研究者らは、これらの全ての患者を非常に優れた準備を有していると評価した。繰り返し準備を要求された患者はいなかった。
従来型結腸鏡検査は類似した結果であった。全ての従来型結腸鏡検査は完了したとみなされ、かつほとんどは良好または優れているとみなされた。存在する便の量はほとんどの区分において、欠如または少量と判断された。1人のみ過剰の便を有しており、吸引法により除去された。99%の区分において液体は全く検出されなかった、またはごく少量が検出された。
従って、同日の仮想結腸内視鏡検査および従来型結腸鏡検査により、単一の腸洗浄準備を用いて医師がスクリーンし、同定し、かつ、もし必要な場合、結腸ポリープを除去する様式が提供され、患者の利便性も改善される。
実施例2
本研究において、本発明の方法が仮想結腸内視鏡検査のための別の腸準備の方法と比較される。
全ての患者は仮想結腸内視鏡検査前日に軽い朝食、および清澄液体の昼食を消費する。続いて全ての患者は彼らの処置を投与される。
第1の処置グループ(グループ1)において、研究患者は2リットルのNuLYTELY(登録商標)(ポリエチレングリコール3350、NF, 210 g、塩化ナトリウム、USP 5.60 g、炭酸水素ナトリウム、USP 2.86 g、塩化カリウム、USP 0.74 g、および任意で1 gの香料成分;Braintree Labs, Inc., Braintree, MA)を消費する。グループ1患者は2リットルのNuLYTELY(登録商標)摂取後に便通が起こるのを待つよう指示される。ほとんどの患者はNuLYTELY(登録商標)の飲用の間に少なくとも1回の便通を有する。患者がNuLYTELY(登録商標)の飲用を完了し、かつ少なくとも1回の便通を有した後、続いて彼らは20 mgのビサコジルを服用する。
グループ2においては、患者は腸洗浄のために標準用量のNuLYTELY(登録商標)を投与される(4リットル)。NuLYTELY(登録商標)の経口摂取後には、いかなる刺激性緩下薬も投与されない。
全ての患者について、一般に仮想結腸内視鏡検査は翌日の午前中に予定される。仮想結腸内視鏡検査は約20 mmHg〜約25 mmHgでの結腸への二酸化炭素吹送を伴う、複数列検出器スキャナーを用いて遂行される。探索画像の後、各データセット(仰臥位および腹臥位)が一呼吸こらえる間に得られる。仮想結腸内視鏡検査は、スキャナーから直接得られる軸位像(未処理データ)、ならびに2Dおよび3Dレンダリングの同時可視化を許容するワークステーションを使用して解釈される。結腸の5つの区分における残留便および液体の量が5点法を使用して定量化される(Gryspeerdt et al., 2002、前記)。
グループ1患者が、結腸内に極めて少量の液体を伴い、グループ2との比較において同等または優れた洗浄を有し、優れた仮想結腸内視鏡検査を許容するという、表2に類似した結果が予想される。本方法のさらなる利点は、患者の準備の全体時間が著しく減少されることである。
均等物
例証的態様の前述の記載により、本方法の一般的な性質が明らかにされる。他の当業者らは、通常の技術を適用することにより、開示された方法を過度の実験を伴うことなく容易に改変または適合してもよいことを理解するであろう。例証的態様の記載は例証的であり、制限的ではない。本方法は例証のため詳細にわたり記載されている。特定の詳細に対するバリエーションは当業者により作製されうる。有用なクラスまたは範囲についての記載は、その中に含まれる任意の部分的範囲またはサブクラスの記載、ならびに、クラス中の各要素または値の個別的な記載を含む。

Claims (24)

  1. a)有効量の浸透圧性緩下薬を哺乳動物へ経口的に投与する段階;
    b)浸透圧性緩下薬により便通を生じさせる段階;
    c)有効量の刺激性緩下薬を哺乳動物へ経口的に投与する段階;
    d)哺乳動物の結腸からの排便を生じさせる段階
    を含む、哺乳動物の結腸を仮想結腸内視鏡検査のために準備する方法であって、
    これにより残留結腸液体の存在を最小限とし、かつ、これにより仮想結腸内視鏡検査を許容するよう結腸が適切に洗浄される、方法。
  2. 有効量の刺激性緩下薬の投与後に清澄液体を哺乳動物へ投与するさらなる段階を含む、請求項1記載の方法。
  3. 浸透圧性緩下薬が、ラクツロース(lactulose)シロップ、ソルビトール、マグネシウム塩、グリセロール、およびポリオールからなる群より選択される、請求項1記載の方法。
  4. ポリオールがポリエーテルポリオールを含む、請求項3記載の方法。
  5. ポリエーテルポリオールがポリエチレングリコールまたはポリエチレンポリプロピレングリコールを含む、請求項4記載の方法。
  6. 浸透圧性緩下薬が、室温で固体であるポリエチレングリコールの水溶性懸濁液である、請求項5記載の方法。
  7. 有効量の浸透圧性緩下薬が、約2リットルの等張性溶液中の約50グラム〜約400グラムのPEGである、請求項6記載の方法。
  8. PEGが分割用量として投与され、各用量は約8液体オンスの等張性溶液中に約68グラム〜約75グラムのPEGを含み、2時間にわたり投与される、請求項6記載の方法。
  9. 刺激性緩下薬が、アロエ、ビサコジル、カサンスラノール(casanthranol)、カスカラ(cascara)芳香性液体抽出産物、カスカラサグラダ(cascara sagrada)樹皮、カスカラサグラダ抽出産物、カスカラサグラダ液体抽出産物、キャスターオイル、ダンスロン(danthron)、デヒドロコール酸、フェノールフタレイン、センナ(senna)、センノシド(sennoside)AおよびB、ならびにピコスルファート(picosulfate)からなる群より選択される、請求項2記載の方法。
  10. 刺激性緩下薬がビサコジルである、請求項9記載の方法。
  11. 有効量のビサコジルが約5 mg〜約40 mgである、請求項10記載の方法。
  12. 有効量のビサコジルが約10 mg〜約20 mgである、請求項10記載の方法。
  13. 浸透圧性緩下薬がPEG 3350であり、有効量の浸透圧性緩下薬が約119 g〜約221 gのPEG 3350を含む約2リットルの水性溶液であり;刺激性緩下薬がビサコジルであり、有効量のビサコジルが約10 mg〜約20 mgである、請求項1記載の方法。
  14. セミチコン(semithicon)の投与をさらに含む、請求項1記載の方法。
  15. 造影剤の投与をさらに含む、請求項1記載の方法。
  16. 造影剤が残留糞便物質に対するタグまたは残留液体に対するタグである、請求項15記載の方法。
  17. 残留糞便物質に対するタグがバリウム造影剤を含む、請求項16記載の方法。
  18. 残留液体に対するタグが水溶性ヨウ素化造影剤を含む、請求項16記載の方法。
  19. 水溶性ヨウ素化造影剤がダイアトリゾエート(diatrizoate)を含む、請求項18記載の方法。
  20. 仮想結腸内視鏡検査の準備における結腸の洗浄時に使用するための、浸透圧性緩下薬、刺激性緩下薬、および少なくとも1つの造影剤を含む、キット。
  21. 浸透圧性緩下薬がPEGである、請求項18記載のキット。
  22. 刺激性緩下薬がビサコジルである、請求項18記載のキット。
  23. a)有効量の浸透圧性緩下薬を哺乳動物へ経口的に投与する段階;
    b)浸透圧性緩下薬により便通を生じさせる段階;
    c)有効量の刺激性緩下薬を哺乳動物へ経口的に投与する段階;
    d)哺乳動物の結腸からの排便を生じさせ、残留結腸液体の存在を最小限とし、かつ仮想結腸内視鏡検査を許容するために結腸を適切に洗浄する段階;および
    e)仮想結腸内視鏡検査を遂行する段階
    を含む、哺乳動物の結腸内部を可視化する方法。
  24. 従来型結腸鏡検査を段階(e)に続けて遂行する段階をさらに含む、請求項23記載の方法。
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