JP2009521470A - シヌクレイン障害の治療 - Google Patents

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Abstract

パーキンソン病、びまん性レビー小体病および多系統萎縮症または他の神経変性疾患のようなシヌクレイン障害の治療または予防に有用な方法および組成物が提供される。この治療には、被験体にファルネシルトランスフェラーゼ阻害化合物を投与する工程を含む。一部の実施形態では、このファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤は低分子である。いくつかの実施形態では、このファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤は、本明細書に開示される式、またはその誘導体、アナログ、立体異性体、異性体、溶媒和物または塩のうちの1つである。一実施形態では、上述の組成物は、図5に示されるファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤のうち1つを含む。

Description

(関連出願)
この出願は、米国特許法§119(e)の下、2005年12月23日に出願された、米国仮特許出願USSN60/753,809(これは、参考として本明細書に援用される)への優先権を主張する。
(発明の分野)
本発明は、神経変性疾患、特に、パーキンソン病(PD)、びまん性レビー小体病(DLBD)および多系統萎縮症(MSA)のようなシヌクレイン障害の治療に関する。
(発明の背景)
シヌクレイン障害(synucleinopathy)は、選択的に攻撃を受けやすいニューロンおよびグリアの集合物中に不溶性α−シヌクレインタンパク質の異常な凝集物を含有する共通の病変を有する多様な神経変性障害の総称である。特定の証拠は、線維状凝集物が形成して、臨床症状が発症および進行し、パーキンソン病(PD)、びまん性レビー小体病(DLBD)および多系統萎縮症(MSA)を含む神経変性障害、およびパントテン酸キナーゼに関連する神経変性(例えばPANK1)を含む脳の鉄濃度の障害を受けた脳領域が変性することと関係がある。これらの疾患に対する現時点での治療法には、広範囲の利点を有する全身性医薬、例えばカルビドパ−レボドパ、抗コリン作用剤およびモノアミン酸化酵素阻害剤が含まれる。最も応答が良好な患者(つまり特発性パーキンソン病患者)であっても、典型的には、レボドパによって初期の良好な応答が得られるものの、最初の5〜7年間の治療期間中に運動変動および消耗性ジスキネジーのような薬物由来の合併症が起こり、利点が打ち消されてしまう。それ以外の障害では、現行の医薬では最低限の症状軽減効果しか与えられない。これらの障害が患者を非常に衰弱させることと、これらの障害の有病率を考えると、これらの疾患を治療または管理する新規アプローチが明らかに必要とされている。
(要旨)
本発明は、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤を用いた治療による、パーキンソン病(PD)、びまん性レビー小体病(DLBD)および多系統萎縮症(MSA)のようなシヌクレイン障害、およびパントテン酸キナーゼに関連する神経変性(PANK)を治療するための治療的アプローチに関する。異常なシヌクレイン代謝または蓄積が関与していると考えられる他の神経変性疾患、例えば、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハンチントン病(HD)およびアルツハイマー病(AD)も、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤で治療してもよい。
1つの態様では、本発明は、治療的に有効な量のファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤またはその組成物を投与することによる、シヌクレイン障害または他の神経変性疾患を発症している被験体を治療するための方法を提供する。特定の実施形態では、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤は低分子である。いくつかの実施形態では、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤は、本明細書に開示される式、またはその誘導体、アナログ、立体異性体、異性体、溶媒和物または塩のうちの1つである。一実施形態では、上述の組成物は、図5に示されるファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤のうち1つを含む。
別の態様では、本発明は、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤またはその組成物と、第2の治療薬剤またはその組成物とを投与することによる、シヌクレイン障害または他の神経変性疾患を発症している被験体を治療するための方法を提供する。上述の第2の化合物および/または組成物は、上述の両化合物を組み合わせて含む組成物として投与することができる。あるいは、上述の2つの化合物を、本明細書に記載されるように同時または逐次のいずれかで別個に(例えば2個の異なる組成物として)投与することができる。いくつかの実施形態では、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害組成物は、本明細書に開示される1つ以上のファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、またはその誘導体、アナログ、立体異性体、異性体、溶媒和物または塩を含む。一実施形態では、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害組成物は、図5に示されるファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、またはその誘導体、アナログ、立体異性体、異性体、溶媒和物または塩を含む。いくつかの実施形態では、第2の治療薬剤は、限定されないが、ドーパミンアゴニスト(例えばプラミペキソール)、モノアミン酸化酵素阻害剤(例えばラサジリン)、グルタミン酸拮抗薬(例えばメマンチン)、抗コリン作用薬剤(例えばトリヘキシフェニジル)またはアセチルコリンエステラーゼ阻害剤(例えばリバスティグミン)であってもよい。
本発明によれば、FTI−277(ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤)は、COS−7細胞中のシヌクレイン濃度を下げ、神経系に分化したSH−SY5Y細胞でのシヌクレイン毒性を阻害する。これらの神経芽腫細胞は、ドーパミン作動性細胞に分化することができ、パーキンソン病(PD)の発病を評価するのに有用である。FTI−277は、ドーパミン作動性初代培地でα−シヌクレイン毒性を阻害することも示されている。
1つのファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤と組み合わせた本明細書に記載される本発明の態様および実施形態は、2つ以上(例えば、2〜50、2〜25、2〜10、2〜5、2、3、4、5、6、7、8または9)のファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤を用いて実施されてもよいことが理解されるべきである。同様に、1つの他の薬剤と組み合わせた本明細書に記載される本発明の態様および実施形態も、2つ以上(例えば、2〜50、2〜25、2〜10、2〜5、2、3、4、5、6、7、8または9)の他の薬剤を用いて実施されてもよい。
(発明の詳細な説明)
本発明は、シヌクレイン障害の被験体または他の神経変性疾患患者を治療するためのシステムを提供する。特定の実施形態では、本発明は、典型的なシヌクレイン障害、例えば、パーキンソン病(PD)、びまん性レビー小体病(DLBD)および多系統萎縮症(MSA)、およびパントテン酸キナーゼに関連する神経変性(PANK)を発症している被験体を治療する方法を含む。特定の他の実施形態では、本発明は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハンチントン病(HD)またはアルツハイマー病(AD)のような神経変性疾患を発症している被験体を治療する方法を含む。任意の特定の理論または作用機序に束縛されることを望まないが、本発明の方法は、α−シヌクレインの変性を促進し、シヌクレイン障害の病因となる蓄積を促進するのに有用である。他の実施形態では、上述の治療方法は、α−シヌクレインの蓄積を阻害する。さらに他の実施形態では、上述の方法は、α−シヌクレインの凝集を予防するのに有用である。さらに他の実施形態では、上述の方法は、可溶性および不溶性のα−シヌクレイン濃度を下げるのに有用である。本発明は、治療的に有効な量のファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤またはその組成物を被験体に投与する工程を含む、シヌクレイン障害の被験体または他の神経変性疾患被験体を治療するための方法を提供する。特定の実施形態では、上述の被験体は哺乳動物である。好ましい実施形態では、上述の被験体はヒトである。ヒトは男性でも女性でもよく、ヒトは、任意の成長段階にあってもよい。
一実施形態では、本発明は、治療的に有効な量の式(0):
Figure 2009521470
のファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤またはその薬学的に受容可能な誘導体、アナログ、立体異性体、異性体、溶媒和物または塩を治療的に有効な用量および頻度でシヌクレイン障害の被験体に投与する工程を含む、被験体を治療する方法である。
別の実施形態では、本発明は、治療的に有効な量の式(I):
Figure 2009521470
〔式中、
点線は、キノリン−2−オン環のC−3とC−4との結合が単結合または二重結合であることを示し;
は、H、C〜C10アルキル、−(CR1314C(O)R12、−(CR1314C(O)OR15、−(CR1314OR12、−(CR1314SO15、−(CR1314(C〜C10シクロアルキル)、−(CR1314(C〜C10アリール)および−(CR1314(4〜10員環ヘテロ環)から選択され、tは0〜5の整数であり、qは1〜5の整数であり、前記シクロアルキル、アリールおよびヘテロ環のR基は、場合により、C〜C10アリール基、C〜C飽和環状基または4〜10員環ヘテロ環基へ縮合しており;上述のR基(Hを除くが、上述の任意の縮合環を含む)は、場合により1〜4個のR基で置換されており;
は、ハロ、シアノ、−C(O)OR15、またはR12の定義に記載される置換基から選択される基であり;
、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、H、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、ハロ、シアノ、ニトロ、メルカプト、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アジド、−OR12、−C(O)R12、−C(O)OR12、−NR13C(O)OR15、−OC(O)R12、−NR13SO15、−SONR1213、−NR13C(O)R12、−C(O)NR1213、−NR1213、−CH=NOR12、−S(O)12(jは0〜2の整数である)、−(CR1314(C〜C10アリール)、−(CR1314(4〜10員環ヘテロ環)、−(CR1314)(C〜C10シクロアルキル)および−(CR1314C≡CR16から選択され、上述のR、R、R、RおよびR基において、tは0〜5の整数であり;上述の基のシクロアルキル、アリールおよびヘテロ環部分は、場合により、C〜C10アリール基、C〜C飽和環状基または4〜10員環ヘテロ環基へ縮合しており;前記アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールおよびヘテロ環基は、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アジド、−NR13SO15、−SONR1213、−C(O)R12、−C(O)OR12、−OC(O)R12、−NR13C(O)OR15、−NR13C(O)R12、−C(O)NR1213、−NR1213、−OR12、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、−(CR1314(C〜C10アリール)および−(CR1314(4〜10員環ヘテロ環)から独立して選択される1〜3個の置換基によって場合により置換され、tは0〜5の整数であり;
は、H、−OR12、−NR1213、−NR12C(O)R13、シアノ、−C(O)OR13、−SR12、−(CR1314(4〜10員環ヘテロ環)(tは0〜5の整数である)またはC〜Cアルキルであり、前記ヘテロ環およびアルキル部分は、1〜3個のR置換基で場合により置換され;
は、−(CR1314(イミダゾリル)であり、tは0〜5の整数であり、前記イミダゾリル部分は、1個または2個のR置換基で場合により置換され;
10およびR11はそれぞれ、Rの定義に記載される置換基から独立して選択され;
12はそれぞれ独立して、H、C〜C10アルキル、−(CR1314(C〜C10シクロアルキル)、−(CR1314(C〜C10アリール)および−(CR1314(4〜10員環ヘテロ環)から選択され、tは0〜5の整数であり;前記シクロアルキル、アリールおよびヘテロ環のR12基は、場合により、C〜C10アリール基、C〜C飽和環状基または4〜10員環ヘテロ環基へ縮合しており;上述のR12基(Hを除く)は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アジド、−C(O)R13、−C(O)OR13、−OC(O)R13、−NR13C(O)R14、−C(O)NR1314、−NR1314、ヒドロキシ、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから独立して選択される1〜3個の置換基で置換され;
13およびR14はそれぞれ独立してHまたはC〜Cアルキルであり、−(CR1314または(CR1314の場合、R13およびR14は1個を超えるqまたはtのそれぞれの繰り返しについてそれぞれ独立して定義され;
15は、R12の定義で記載される置換基から選択されるが、ただしR15はHではなく;
16は、R12の定義で記載される置換基のリストおよび−SiR171819から選択され;
17、R18およびR19は、それぞれ独立してR12の定義で記載される置換基から選択されるが、ただしR17、R18およびR19はHではなく;
ただし、R、RおよびRのうち少なくとも1つは−(CR1314C≡CR16であり、tは0〜5の整数であり、R13、R14およびR16は上に定義されるとおりである〕
のファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤またはその薬学的に受容可能な誘導体、アナログ、立体異性体、異性体、溶媒和物または塩を治療的に有効な用量および頻度で被験体に投与する工程を含む、被験体を治療する方法である。特定の実施形態では、本発明にラセミ体を使用する。他の実施形態では、純粋なエナンチオマー化合物を使用する。他の実施形態では、あるエナンチオマーを豊富に含む混合物を使用する(例えば、あるエナンチオマーが70%、75%、80%、90%、95%、98%、99%)。
式Iの特定の化合物では、立体化学は以下の式:
Figure 2009521470
に示されるとおりである。
式Iの他の化合物では、立体化学は以下の式:
Figure 2009521470
に示されるとおりである。
式Iの特定の種類の化合物では、点線は、キノリン−2−オン環のC−3とC−4とを結合する二重結合の1つの結合をあらわす。
式Iの他の種類の化合物では、Rは、HまたはC〜Cアルキルである。本発明で有用な特定の化合物では、Rは、H、メチル、エチル、iso−プロピルまたはn−プロピルである。特定の化合物では、Rはメチルである。
式Iの他の種類の化合物では、Rは、H、ハロまたはC〜Cアルキルである。特定の化合物では、RはHである。
式Iのさらに他の種類の化合物では、R、RおよびRのうち1つは−(CR1314N)C≡CR16であり、tは0〜5の整数であり(境界値を含む)、R13、R14およびR16は上に定義されるとおりであり;R、RおよびRの他の2つはHである。他の化合物では、R、RおよびRのうち1つは−C≡CHである。さらに他の化合物では、R、RおよびRのうち1つは−C≡CHであり;R、RおよびRの他の2つはHである。
式Iの他の種類の化合物では、RはHである。
式Iの他の種類の化合物では、RはHである。
式Iのさらに他の種類の化合物では、Rは、H、−OR12または−NR1213であり、R12およびR13は上に定義されるとおりである。Rはヒドロキシまたはアミノである。他の化合物では、Rはヒドロキシである。さらに他の化合物では、Rはアミノである。
式Iの特定の種類の化合物では、Rはイミダゾリル部分であり、1個または2個のR置換基で場合により置換されており、Rは上に定義されるとおりである。特定の化合物では、Rは1個のR置換基で置換されたイミダゾリル部分であり、Rは上に定義されるとおりである。特定の化合物では、Rは1個のR置換基で置換されたイミダゾリル部分であり、Rは、C〜Cアルキル、好ましくはメチルである。特定の化合物では、R
Figure 2009521470
であり、Rは上に定義されるとおりであり、tは0〜2の整数である(境界値を含む)。他の化合物では、R
Figure 2009521470
であり、Rは上に定義されるとおりである。他の化合物では、R
Figure 2009521470
である。
式Iの特定の種類の化合物では、R10は、H、C〜C10アルキル、ハロ、シアノ、ニトロまたはアミノである。特定の化合物では、R10は、ハロ、好ましくはクロロまたはフルオロである。特定の化合物では、R10はクロロである。特定の化合物では、R10およびR11のうち少なくとも1つはHである。
式Iの特定の種類の化合物では、R11は、H、C〜C10アルキル、ハロ、シアノ、ニトロまたはアミノである。特定の化合物では、R11は、ハロ、好ましくはクロロまたはフルオロである。特定の化合物では、R11はクロロである。
式Iの特定の化合物としては、RがH、C〜Cアルキルまたはシクロプロピルメチルであり;RがHであり;Rが−C≡CR16であり;Rが−NR1213、−OR12、またはトリアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリルおよびピペリジニルから選択されるヘテロ環基であり、上述のヘテロ環基が場合によりR基によって置換されている化合物が挙げられる。式Iの他の化合物としては、Rが、場合によりC〜Cアルキルによって置換されたイミダゾリルであり;Rが、ヒドロキシ、アミノまたはトリアゾリルであり;R、R、R10およびR11がそれぞれ独立してHおよびハロから選択される化合物が挙げられる。
式Iの他の化合物としては、Rが−(CR1314(C〜C10シクロアルキル)、であり、tが0〜3の整数であり;RがHであり;Rが−C≡CR16であり;Rが、−NR1213、OR12、またはトリアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリルおよびピペリジニルから選択されるヘテロ環基であり、上述のヘテロ環基が場合によりR基によって置換されている化合物が挙げられる。式Iのさらに他の化合物としては、Rが、場合によりC〜Cアルキルによって置換されたイミダゾリルであり;Rが、ヒドロキシ、アミノまたはトリアゾリルであり;R、R、R10およびR11がそれぞれ独立してHおよびハロから選択され;Rがシクロプロピルメチルである化合物が挙げられる。
式Iの他の化合物としては、Rがエチニルであり、他の置換基が上に定義されるとおりである化合物が挙げられる。式Iの他の化合物としては、Rが−C≡CR16である化合物が挙げられる。特定の化合物では、R16はHである。他の化合物では、R16は-SiR171819である。他の化合物では、R16はC〜Cアルキルである。
本発明で有用な化合物としては、式(II)の化合物が挙げられる:
Figure 2009521470
式中、R、R、R、RおよびR11は上に定義されるとおりである。
本発明で有用な化合物としては、式(III)の化合物も挙げられる:
Figure 2009521470
式中、R、R、R、RおよびR11は上に定義されるとおりである。
本発明で有用な化合物としては、式(IV)の化合物が挙げられる:
Figure 2009521470
式中、R、R、R、RおよびR11は上に定義されるとおりである。
本発明で有用な化合物としては、式(V)の化合物が挙げられる:
Figure 2009521470
式中、R、R、R、RおよびR11は上に定義されるとおりである。
式II〜Vの他の種類の化合物では、Rは、HまたはC〜Cアルキルである。本発明で有用な特定の化合物では、Rは、H、メチル、エチル、iso−プロピルまたはn−プロピルである。特定の化合物では、Rはメチルである。
式II〜Vのさらに他の種類の化合物では、Rは−(CR1314C≡CR16であり、tは0〜5の整数であり(境界値を含む)、R13、R14およびR16は上に定義されるとおりであり;他の2つのRおよびRはHである。さらに他の化合物では、Rは−C≡CR16である。特定の化合物では、RはC〜Cアルキニルである。他の化合物では、Rは−C≡CHである。
式II〜Vの他の種類の化合物では、RはHである。式II〜Vの他の種類の化合物では、RはC〜Cアルキルである。特定の化合物では、Rはメチルである。
式II〜Vのさらに他の種類の化合物では、Rは、H、−OR12または−NR1213であり、R12およびR13は上に定義されるとおりである。Rはヒドロキシまたはアミノである。他の化合物では、Rはヒドロキシである。さらに他の化合物では、Rはアミノである。
式II〜Vの特定の種類の化合物では、R11は、H、C〜C10アルキル、ハロ、シアノ、ニトロまたはアミノである。特定の化合物では、R11は、ハロ、好ましくはクロロまたはフルオロである。特定の化合物では、R11はクロロである。
本発明で有用な化合物としては、式(VI)の化合物が挙げられる:
Figure 2009521470
式中、R、R、RおよびR11は上に定義されるとおりである。
式VIの他の種類の化合物では、Rは、HまたはC〜Cアルキルである。本発明で有用な特定の化合物では、Rは、H、メチル、エチル、iso−プロピルまたはn−プロピルである。特定の化合物では、Rはメチルである。
式VIのさらに他の種類の化合物では、Rは−(CR1314C≡CR16であり、tは0〜5の整数であり(境界値を含む)、R13、R14およびR16は上に定義されるとおりであり;R、RおよびRの他の2つはHである。特定の化合物では、RはC〜Cアルキニルである。他の化合物では、Rは−C≡CHである。
式VIの他の種類の化合物では、R11は、H、C〜C10アルキル、ハロ、シアノ、ニトロまたはアミノである。特定の化合物では、R11は、ハロ、好ましくはクロロまたはフルオロである。特定の化合物では、R11はクロロである。
本発明で有用な例示的な化合物としては、以下のものがあげられる:
6−[(4−クロロ−フェニル)−ヒドロキシ−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)−メチル]−4−(3−エチニル−フェニル)−1−メチル−1H−キノリン−2−オン(Rエナンチオマー);
6−[(4−クロロ−フェニル)−ヒドロキシ−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)−メチル]−4−(3−エチニル−フェニル)−1−メチル−1H−キノリン−2−オン(Sエナンチオマー);
6−[アミノ−(4−クロロ−フェニル)−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)−メチル]−4−(3−エチニル−フェニル)−1−メチル−1H−キノリン−2−オン(Rエナンチオマー);
6−[アミノ−(4−クロロ−フェニル)−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル]−メチル]−4−(3−エチニル−フェニル)−1−メチル−1H−キノリン−2−オン(Sエナンチオマー);
6−[(4−クロロ−フェニル)−ヒドロキシ−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)−メチル]−4−(3−エチニル−4−フルオロ−フェニル)−1−メチル−1H−キノリン−2−オン;
6−[(4−クロロ−フェニル)−ヒドロキシ−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)−メチル]−4−[3−(3−ヒドロキシ−3−メチル−ブタ−1−イニル)−フェニル]−1−メチル−1H−キノロン−2−オン(Sエナンチオマー);および
6−[(4−クロロ−フェニル)−ヒドロキシ−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)−メチル]−4−[3−(3−ヒドロキシ−3−メチル−ブタ−1−イニル)−フェニル]−1−メチル−1H−キノロン−2−オン(Rエナンチオマー)。
別の実施形態では、本発明は、式(VII)を有するファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤
Figure 2009521470
6−[アミノ−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)−メチル]−4−(3−クロロ−フェニル)−1−シクロプロピルメチル−1H−キノリン−2−オン(VII)
またはその薬学的に受容可能な誘導体、アナログ、立体異性体、異性体、溶媒和物または塩を治療的に有効な用量および頻度で被験体に投与する工程を含む、被験体を治療する方法である。特定の実施形態では、上述の化合物の酒石酸塩を投与する。特定の実施形態では、本発明で有用な式VIIの化合物は、(+)−6−[アミノ−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)−メチル]−4−(3−クロロ−フェニル)−1−シクロプロピルメチル−1H−キノリン−2−オンである。特定の実施形態では、本発明で有用な式VIIの化合物は、(−)−6−[アミノ−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)−メチル]−4−(3−クロロ−フェニル)−1−シクロプロピルメチル−1H−キノリン−2−オンである。
別の実施形態では、本発明は、式(VIII)を有するファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤
Figure 2009521470
〔式中、
点線は、キノリン−2−オン環のC−3とC−4とを結合する任意の第2の結合を示し;
は、H、C〜C10アルキル、−(CR1314C(O)R12、−(CR1314C(O)OR15、−(CR1314OR12、−(CR1314SO15、−(CR1314(C〜C10シクロアルキル)、−(CR1314(C〜C10アリール)および−(CR1314(4〜10員環ヘテロ環)から選択され、前記シクロアルキル、アリールおよびヘテロ環のR基は、場合により、C〜C10アリール基、C〜C飽和環状基または4〜10員環ヘテロ環基へ縮合しており;上述のR基(Hを除くが、上述の任意の縮合環を含む)は、場合により1〜4個のR基で置換されており;
は、ハロ、シアノ、−C(O)OR15、またはR12の定義に記載される置換基から選択される基であり;
、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、H、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アジド、−OR12、−C(O)R12、−C(O)OR12、−NR13C(O)OR15、−OC(O)R12、−NR13SO15、−SONR1213、−NR13C(O)R12、−C(O)NR1213、−NR1213、−CH=NOR12、−S(O)12(jは0〜2の整数である)、−(CR1314(C〜C10アリール)、−(CR1314(4〜10員環ヘテロ環)、−(CR1314(C〜C10シクロアルキル)および−(CR1314C≡CR16から選択され;上述の基のシクロアルキル、アリールおよびヘテロ環部分は、場合により、C〜C10アリール基、C〜C飽和環状基または4〜10員環ヘテロ環基へ縮合しており;前記アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールおよびヘテロ環基は、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アジド、−NR13SO15、−SONR1213、−C(O)R12、−C(O)OR12、−OC(O)R12、−NR13C(O)OR15、−NR13C(O)R12、−C(O)NR1213、−NR1213、−OR12、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、−(CR1314(C〜C10アリール)および−(CR1314(4〜10員環ヘテロ環)から独立して選択される1〜3個の置換基によって場合により置換され;
Zは、1〜4個のR置換基で置換された芳香族4〜10員環ヘテロ環基であり;
は、H、−OR12、−OC(O)R12、−NR1213、−N=CR1213、−NR12C(O)R13、シアノ、−C(O)OR13、−SR12、−(CR1314(4〜10員環ヘテロ環)であり、前記ヘテロ環のR基は、1〜4個のR置換基で場合により置換され;
は、−(CR1314(イミダゾリル)または−(CR1314(ピリジニル)であり、前記イミダゾリルまたはピリジニル部分は、1個または2個のR置換基で置換され;
12はそれぞれ独立して、H、C〜C10アルキル、−(CR1314(C〜C10シクロアルキル)、−(CR1314(C〜C10アリール)および−(CR1314(4〜10員環ヘテロ環)から選択され;前記シクロアルキル、アリールおよびヘテロ環のR12基は、場合により、C〜C10アリール基、C〜C飽和環状基または4〜10員環ヘテロ環基へ縮合しており;上述のR12基(Hを除くが、上述の任意の縮合環を含む)は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アジド、−C(O)R13、−C(O)OR13、−OC(O)R13、−NR13C(O)R14、−C(O)NR1314、−NR1314、ヒドロキシ、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから独立して選択される1〜3個の置換基で置換され;
tはそれぞれ独立して0〜5の整数であり、qはそれぞれ独立して1〜5の整数であり;
13およびR14はそれぞれ独立してHまたはC〜Cアルキルであり、−(CR1314または(CR1314の場合、R13およびR14は1個を超えるqまたはtのそれぞれの繰り返しについてそれぞれ独立して定義され;
15は、R12の定義で記載される置換基から選択されるが、ただしR15はHではなく;
16は、R12の定義で記載される置換基のリストおよび−SiR171819から選択され;
17、R18およびR19は、それぞれ独立してR12の定義で記載される置換基から選択されるが、ただしR17、R18およびR19はHではない〕
またはその薬学的に受容可能な誘導体、アナログ、立体異性体、異性体、溶媒和物または塩を治療的に有効な用量および頻度で被験体に投与する工程を含む、被験体を治療する方法である。特定の実施形態では、本発明にラセミ体を使用する。他の実施形態では、純粋なエナンチオマー化合物を使用する。他の実施形態では、あるエナンチオマーを豊富に含む混合物を使用する(例えば、あるエナンチオマーが70%、75%、80%、90%、95%、98%、99%)。
式VIIIの特定の化合物では、立体化学は以下の式:
Figure 2009521470
に示されるとおりである。
式VIIIの特定の化合物では、立体化学は以下の式:
Figure 2009521470
に示されるとおりである。
特定の実施形態では、式VIIIの化合物は、Zが、1〜4個のR置換基で置換された5員環または6員環の芳香族へテロ環基である化合物である。特定の実施形態では、式VIIIの化合物は、Zが、1〜4個のR置換基で置換されたピリジンまたはチオフェン基である化合物である。特定の実施形態では、Zは、1〜4個のR置換基で置換されたピリジン基である。特定の実施形態では、Zは、1個のR置換基で置換されたピリジン基である。特定の実施形態では、Zは
Figure 2009521470
である。特定の実施形態では、Zは1個のR置換基で置換されたピリジン基であり、置換基Rはハロ(例えばクロロ)である。特定の実施形態では、Zは
Figure 2009521470
である。他の実施形態では、式VIIIの化合物は、Zが、ベンゼン基に縮合した5員環または6員環の芳香族へテロ環基であり、1〜4個のR置換基で置換された化合物である。好ましくは、Zは、O、SおよびNから選択される1〜3個のヘテロ原子を含む。
特定の実施形態では、式VIIIの化合物は、Rが、H、C〜Cアルキルまたはシクロプロピルメチルである化合物である。特定の実施形態では、Rはシクロプロピルメチルである。
特定の実施形態では、式VIIIの化合物は、Rが、−NR1213、−OR12または1〜4個のR置換基で置換された−(CR1314(4〜10員環ヘテロ環)であり、ここで、4〜10員環ヘテロ環は、トリアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリルおよびピペリジニルから選択される。特定の実施形態では、上述のヘテロ環は1個のR基で置換されている。特定の実施形態では、Rは、ヒドロキシ、アミノまたはトリアゾリルである。特定の実施形態では、Rはヒドロキシである。特定の他の実施形態では、Rはアミノである。
特定の実施形態では、式VIIIの化合物は、Rが、H、−OR12、−OC(O)R12、−NR1213、−NR12C(O)R13、シアノ、−C(O)OR13、−SR12、または−(CR1314(4〜10員環ヘテロ環)である化合物であり、上述のヘテロ環のR基は1〜4個のR置換基で置換されている。
特定の実施形態では、式VIIIの化合物は、R、R、RおよびRが独立して、H、ハロおよびC〜Cアルコキシから選択される化合物である。特定の実施形態では、R、RおよびRのうち1つはハロ(例えばクロロ)であり、他のものは水素である。
特定の実施形態では、式VIIIの化合物は、RおよびRが両方とも水素である化合物である。
特定の実施形態では、式VIIIの化合物は、Rはイミダゾリル部分であり、1個または2個のR置換基で場合により置換されており、Rは上に定義されるとおりである。特定の化合物では、Rは1個のR置換基で置換されたイミダゾリル部分であり、Rは上に定義されるとおりである。特定の化合物では、Rは1個のR置換基で置換されたイミダゾリル部分であり、Rは、C〜Cアルキル、好ましくはメチルである。特定の化合物では、R
Figure 2009521470
であり、Rは上に定義されるとおりであり、tは0〜2の整数である(境界値を含む)。他の化合物では、R
Figure 2009521470
であり、Rは上に定義されるとおりである。他の化合物では、R
Figure 2009521470
である。
本発明で有用な化合物としては、以下の式を有する化合物が挙げられる:
Figure 2009521470
式中、R、R、R、R、R、R、RおよびRは上に定義されるとおりである。
本発明で有用な化合物としては、以下の式を有する化合物が挙げられる:
Figure 2009521470
式中、R、R、R、R、R、RおよびRは上に定義されるとおりである。
本発明で有用な化合物としては、以下の式を有する化合物が挙げられる:
Figure 2009521470
式中、R、R、R、R、RおよびRは上に定義されるとおりである。
本発明で有用な化合物としては、以下の式を有する化合物が挙げられる:
Figure 2009521470
式中、R、R、RおよびRは上に定義されるとおりである。
本発明で有用な化合物としては、以下の式を有する化合物が挙げられる:
Figure 2009521470
式中、R、R、RおよびRは上に定義されるとおりである。
本発明で有用な例示的な化合物としては、以下のものがあげられる:
6−[アミノ−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)−メチル]−4−(3−クロロ−フェニル)−1−メチル−1H−キノリン−2−オン(Rエナンチオマー);
6−[アミノ−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)−メチル]−4−(3−クロロ−フェニル)−1−メチル−1H−キノリン−2−オン(Sエナンチオマー);
4−(3−クロロ−フェニル)−6−[(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−ヒドロキシ−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)−メチル]−1−シクロプロピルメチル−1H−キノリン−2−オン;
6−[アミノ−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)−メチル]−4−(3−クロロ−フェニル)−1−シクロプロピルメチル−1H−キノリン−2−オン;
4−(3−クロロ−フェニル)−6−[(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−ヒドロキシ−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)−メチル]−1−メチル−1H−キノリン−2−オン;
6−(アミノ−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)−メチル)−4−(3−クロロ−フェニル)−1−メチル−1H−キノリン−2−オン;
6−[アミノ−(5−クロロ−ピリジン−2−イル)−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)−メチル]−4−(3−クロロ−フェニル)−1−シクロプロピルメチル−1H−キノリン−2−オン;
6−[アミノ−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)−メチル]−4−(3,5−ジクロロ−フェニル)−1−メチル−1H−キノリン−2−オン;
6−[アミノ−(5−クロロ−チオフェン−2−イル)−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)−メチル]−4−(3−クロロ−フェニル)−1−メチル−1H−キノリン−2−オン;
6−[(5−クロロ−チオフェン−2−イル)−ヒドロキシ−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)−メチル]−4−(3−エトキシ−フェニル)−1−メチル−1H−キノリン−2−オン;
アミノ−(5−クロロ−チオフェン−2−イル)−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)−メチル}−4−(3−エトキシ−フェニル)−1−メチル−1H−キノリン−2−オン;
6−[(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−ヒドロキシ−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)−メチル]−4−(3−エトキシ−フェニル)−1−メチル−1H−キノリン−2−オン;
6−[アミノ−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)−メチル]−4−(3−エトキシ−フェニル)−1−メチル−1H−キノリン−2−オン;
6−[ベンゾ[b]チオフェン−2−イル−ヒドロキシ−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)−メチル]−4−(3−クロロ−フェニル)−1−メチル−1H−キノリン−2−オン;
6−[アミノ−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)−メチル]−4−(3−クロロ−フェニル)−1H−キノリン−2−オン;
(−)−6−[アミノ−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)−メチル]−4−(3−クロロ−フェニル)−1−シクロプロピルメチル−1H−キノリン−2−オン;
6−[アミノ−(6−メチル−ピリジン−3−イル)−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)−メチル]−4−(3−クロロ−フェニル)−1−メチル−1H−キノリン−2−オン;
6−[アミノ−(ピリジン−3−イル)−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)−メチル]−4−(3−クロロ−フェニル)−1−シクロプロピルメチル−1H−キノリン−2−オン;
(+)−4−(3−クロロ−フェニル)−6−[(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−ヒドロキシ−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)−メチル]−1−シクロプロピルメチル−1H−キノリン−2−オン;および
上述の化合物の薬学的に受容可能な誘導体、アナログ、立体異性体、異性体、溶媒和物または塩。
別の実施形態では、本発明は、式(IX)を有するファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤
Figure 2009521470
〔式中、
点線は、キノリン環のC−3とC−4とを結合する任意の第2の結合を示し;
は、ハロ、シアノ、−C(O)OR15、またはR12の定義に記載される置換基から選択される基であり;
、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、H、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アジド、−OR12、−C(O)R12、−C(O)OR12、−NR13C(O)OR15、−OC(O)R12、−NR13SO15、−SONR1213、−NR13C(O)R12、−C(O)NR1213、−NR1213、−CH=NOR12、−S(O)R12(jは0〜2の整数である)、−(CR1314(C〜C10アリール)、−(CR1314(4〜10員環ヘテロ環)、−(CR1314)、−(C〜C10シクロアルキル)および−(CR1314C≡CR16から選択され;上述の基のシクロアルキル、アリールおよびヘテロ環部分は、場合により、C〜C10アリール基、C〜C飽和環状基または4〜10員環ヘテロ環基へ縮合しており;前記アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールおよびヘテロ環基は、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アジド、−NR13SO15、−SONR1213、−C(O)R12、−C(O)OR12、−OC(O)R12、−NR13C(O)OR15、−NR13C(O)R12、−C(O)NR1213、−NR1213、−OR12、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、−(CR1314(C〜C10アリール)および−(CR1314(4〜10員環ヘテロ環)から独立して選択される1〜3個の置換基によって場合により置換され;
Zは、1〜4個のR置換基で置換された芳香族4〜10員環ヘテロ環基であり;
は、H、−OR12、−OC(O)R12、−NR1213、−NR12C(O)R13、シアノ、−C(O)OR13、−SR12または−(CR1314(4〜10員環ヘテロ環)であり、前記ヘテロ環のR基は、1〜4個のR置換基で場合により置換され;
は、−(CR1314(イミダゾリル)または−(CR1314(ピリジニル)であり、前記イミダゾリルまたはピリジニル部分は、1個または2個のR置換基で置換され;
12はそれぞれ独立して、H、C〜C10アルキル、−(CR1314(C〜C10シクロアルキル)、−(CR1314(C〜C10アリール)および−(CR1314(4〜10員環ヘテロ環)から選択され;前記シクロアルキル、アリールおよびヘテロ環のR12基は、場合により、C〜C10アリール基、C〜C飽和環状基または4〜10員環ヘテロ環基へ縮合しており;上述のR12置換基(Hを除くが、上述の任意の縮合環を含む)は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アジド、−C(O)R13、−C(O)OR13、−OC(O)R13、−NR13C(O)R14、−C(O)NR1314、−NR1314、ヒドロキシ、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから独立して選択される1〜3個の置換基で置換され;
tはそれぞれ独立して0〜5の整数であり;
13およびR14はそれぞれ独立してHまたはC〜Cアルキルであり、−(CR1314の場合、R13およびR14は1個を超えるtのそれぞれの繰り返しについてそれぞれ独立して定義され;
15は、R12の定義で記載される置換基から選択されるが、ただしR15はHではなく;
16は、R12の定義で記載される置換基のリストおよび−SiR171819から選択され;
17、R38およびR19は、それぞれ独立してR12の定義で記載される置換基から選択されるが、ただしR17、R18およびR19はHではない〕
またはその薬学的に受容可能な誘導体、アナログ、立体異性体、異性体、溶媒和物または塩を治療的に有効な用量および頻度でシヌクレイン障害の被験体に投与する工程を含む、被験体を治療する方法である。特定の実施形態では、本発明にラセミ体を使用する。他の実施形態では、純粋なエナンチオマー化合物を使用する。他の実施形態では、あるエナンチオマーを豊富に含む混合物を使用する(例えば、あるエナンチオマーが70%、75%、80%、90%、95%、98%、99%)。
式IXの特定の化合物では、立体化学は以下のように定義される。
Figure 2009521470
式IXの他の化合物では、立体化学は以下のように定義される。
Figure 2009521470
特定の実施形態では、式IXの化合物は、Zが、1〜4個のR置換基で置換された5員環または6員環の芳香族へテロ環基である化合物である。特定の実施形態では、式IXの化合物は、Zが、1〜4個のR置換基で置換されたピリジンまたはチオフェン基である化合物である。特定の実施形態では、Zは、1〜4個のR置換基で置換されたピリジン基である。特定の実施形態では、Zは、1個のR置換基で置換されたピリジン基である。特定の実施形態では、Zは
Figure 2009521470
である。特定の実施形態では、Zは1個のR置換基で置換されたピリジン基であり、置換基Rはハロ(例えばクロロ)である。特定の実施形態では、Zは
Figure 2009521470
である。他の実施形態では、式IXの化合物は、Zが、ベンゼン基に縮合した5員環または6員環の芳香族へテロ環基であり、1〜4個のR置換基で置換された化合物である。好ましくは、Zは、O、SおよびNから選択される1〜3個のヘテロ原子を含む。
特定の実施形態では、式IXの化合物は、Rが、−NR1213、−OR12または1〜4個のR置換基で置換された−(CR1314(4〜10員環ヘテロ環)であり、ここで、4〜10員環ヘテロ環は、トリアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリルおよびピペリジニルから選択される。特定の実施形態では、上述のヘテロ環は1個のR基で置換されている。特定の実施形態では、Rは、ヒドロキシ、アミノまたはトリアゾリルである。特定の実施形態では、Rはヒドロキシである。特定の他の実施形態では、Rはアミノである。
特定の実施形態では、式IXの化合物は、Rが、H、−OR12、−OC(O)R12、−NR1213、−NR12C(O)R13、シアノ、−C(O)OR13、−SR12、または−(CR1314(4〜10員環ヘテロ環)である化合物であり、上述のヘテロ環のR基は1〜4個のR置換基で置換されている。
特定の実施形態では、式IXの化合物は、R、R、RおよびRが独立して、H、ハロおよびC〜Cアルコキシから選択される化合物である。特定の実施形態では、R、RおよびRのうち1つはハロ(例えばクロロ)であり、他のものは水素である。
特定の実施形態では、式IXの化合物は、RおよびRが両方とも水素である化合物である。
特定の実施形態では、式IXの化合物は、Rはイミダゾリル部分であり、1個または2個のR置換基で場合により置換されており、Rは上に定義されるとおりである。特定の化合物では、Rは1個のR置換基で置換されたイミダゾリル部分であり、Rは上に定義されるとおりである。特定の化合物では、Rは1個のR置換基で置換されたイミダゾリル部分であり、Rは、C〜Cアルキル、好ましくはメチルである。特定の化合物では、R
Figure 2009521470
であり、Rは上に定義されるとおりであり、tは0〜2の整数である(境界値を含む)。他の化合物では、R
Figure 2009521470
であり、Rは上に定義されるとおりである。他の化合物では、R
Figure 2009521470
である。
本発明で有用な化合物としては、以下の式を有する化合物が挙げられる:
Figure 2009521470
式中、R、R、R、R、R、RおよびRは上に定義されるとおりである。
本発明で有用な化合物としては、以下の式を有する化合物が挙げられる:
Figure 2009521470
式中、R、R、R、R、R、RおよびRは上に定義されるとおりである。
本発明で有用な化合物としては、以下の式を有する化合物が挙げられる:
Figure 2009521470
式中、R、R、R、RおよびRは上に定義されるとおりである。
本発明で有用な化合物としては、以下の式を有する化合物が挙げられる:
Figure 2009521470
式中、R、RおよびRは上に定義されるとおりである。
本発明で有用な化合物としては、以下の式を有する化合物が挙げられる:
Figure 2009521470
式中、R、RおよびRは上に定義されるとおりである。
別の実施形態では、本発明は、式(X)を有するファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤
Figure 2009521470
〔式中、
点線は、キノリン環のC−3とC−4とを結合する任意の第2の結合を示し;
は、ハロ、シアノ、−C(O)OR15、またはR12の定義に記載される置換基から選択される基であり;
、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、H、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アジド、−OR12、−C(O)R12、−C(O)OR12、−NR13C(O)OR15、−OC(O)R12、−NR13SO15、−SONR1213、−NR13C(O)R12、−C(O)NR1213、−NR1213、−CH=NOR12、−S(O)12(jは0〜2の整数である)、−(CR1314(C〜C10アリール)、−(CR1314(4〜10員環ヘテロ環)、−(CR1314(C〜C10シクロアルキル)および−(CR1314C≡CR16から選択され;上述の基のシクロアルキル、アリールおよびヘテロ環部分は、場合により、C〜C10アリール基、C〜C飽和環状基または4〜10員環ヘテロ環基へ縮合しており;前記アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールおよびヘテロ環基は、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アジド、−NR13SO15、−SONR1213、−C(O)R12、−C(O)OR12、−OC(O)R12、−NR13C(O)OR15、−NR13C(O)R12、−C(O)NR1213、−NR1213、−OR12、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、−(CR1314(C〜C10アリール)および−(CR1314(4〜10員環ヘテロ環)から独立して選択される1〜3個の置換基によって場合により置換され;
Zは、1〜4個のR置換基で置換された芳香族4〜10員環ヘテロ環基であり;
は、H、−OR12、−OC(O)R12、−NR1213、−NR12C(O)R13、シアノ、−C(O)OR13、−SR12、−(CR1314(4〜10員環ヘテロ環)であり、前記ヘテロ環のR基は、1〜4個のR置換基で場合により置換され;
は、−(CR1314(イミダゾリル)または−(CR1314(ピリジニル)であり、前記イミダゾリルまたはピリジニル部分は、1個または2個のR置換基で置換され;
12はそれぞれ独立して、H、C〜C10アルキル、−(CR1314(C〜C10シクロアルキル)、−(CR1314(C〜C10アリール)および−(CR1314(4〜10員環ヘテロ環)から選択され;前記シクロアルキル、アリールおよびヘテロ環のR12基は、場合により、C〜C10アリール基、C〜C飽和環状基または4〜10員環ヘテロ環基へ縮合しており;上述のR12基(Hを除くが、上述の任意の縮合環を含む)は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アジド、−C(O)R13、−C(O)OR13、−OC(O)R13、−NR13C(O)R14、−C(O)NR1314、−NR1314、ヒドロキシ、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから独立して選択される1〜3個の置換基で置換され;
tはそれぞれ独立して0〜5の整数であり;
13およびR14はそれぞれ独立してHまたはC〜Cアルキルであり、−(CR1314の場合、R13およびR14は1個を超えるtのそれぞれの繰り返しについてそれぞれ独立して定義され;R15は、R12の定義で記載される置換基から選択されるが、ただしR15はHではなく;
16は、R12の定義で記載される置換基のリストおよび−SiR171819から選択され;
17、R18およびR19は、それぞれ独立してR12の定義で記載される置換基から選択されるが、ただしR17、R18およびR19はHではない〕
またはその薬学的に受容可能な誘導体、アナログ、立体異性体、異性体、溶媒和物または塩を治療的に有効な用量および頻度でシヌクレイン障害の被験体に投与する工程を含む、被験体を治療する方法である。特定の実施形態では、本発明にラセミ体を使用する。他の実施形態では、純粋なエナンチオマー化合物を使用する。他の実施形態では、あるエナンチオマーを豊富に含む混合物を使用する(例えば、あるエナンチオマーが70%、75%、80%、90%、95%、98%、99%)。
式Xの特定の化合物では、立体化学は以下のように定義される。
Figure 2009521470
式Xの他の化合物では、立体化学は以下のように定義される。
Figure 2009521470
特定の実施形態では、式Xの化合物は、Zが、1〜4個のR置換基で置換された5員環または6員環の芳香族へテロ環基である化合物である。特定の実施形態では、式Xの化合物は、Zが、1〜4個のR置換基で置換されたピリジンまたはチオフェン基である化合物である。特定の実施形態では、Zは、1〜4個のR置換基で置換されたピリジン基である。特定の実施形態では、Zは、1個のR置換基で置換されたピリジン基である。特定の実施形態では、Zは
Figure 2009521470
である。特定の実施形態では、Zは1個のR置換基で置換されたピリジン基であり、置換基Rはハロ(例えばクロロ)である。特定の実施形態では、Zは
Figure 2009521470
である。他の実施形態では、式Xの化合物は、Zが、ベンゼン基に縮合した5員環または6員環の芳香族へテロ環基であり、1〜4個のR置換基で置換された化合物である。好ましくは、Zは、O、SおよびNから選択される1〜3個のヘテロ原子を含む。
特定の実施形態では、式Xの化合物は、Rが、−NR1213、−OR12または1〜4個のR置換基で置換された−(CR1314(4〜10員環ヘテロ環)であり、ここで、4〜10員環ヘテロ環は、トリアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリルおよびピペリジニルから選択される。特定の実施形態では、上述のヘテロ環は1個のR基で置換されている。特定の実施形態では、Rは、ヒドロキシ、アミノまたはトリアゾリルである。特定の実施形態では、Rはヒドロキシである。特定の他の実施形態では、Rはアミノである。
特定の実施形態では、式Xの化合物は、Rが、H、−OR12、−OC(O)R12、−NR1213、−NR12C(O)R13、シアノ、−C(O)OR13、−SR12、または−(CR1314(4〜10員環ヘテロ環)である化合物であり、上述のヘテロ環のR基は1〜4個のR置換基で置換されている。
特定の実施形態では、式Xの化合物は、R、R、RおよびRが独立して、H、ハロおよびC〜Cアルコキシから選択される化合物である。特定の実施形態では、R、RおよびRのうち1つはハロ(例えばクロロ)であり、他のものは水素である。
特定の実施形態では、式Xの化合物は、RおよびRが両方とも水素である化合物である。
特定の実施形態では、式Xの化合物は、Rはイミダゾリル部分であり、1個または2個のR置換基で場合により置換されており、Rは上に定義されるとおりである。特定の化合物では、Rは1個のR置換基で置換されたイミダゾリル部分であり、Rは上に定義されるとおりである。特定の化合物では、Rは1個のR置換基で置換されたイミダゾリル部分であり、Rは、C〜Cアルキル、好ましくはメチルである。特定の化合物では、R
Figure 2009521470
であり、Rは上に定義されるとおりであり、tは0〜2の整数である(境界値を含む)。他の化合物では、R
Figure 2009521470
であり、Rは上に定義されるとおりである。他の化合物では、R
Figure 2009521470
である。
本発明で有用な化合物としては、以下の式を有する化合物が挙げられる:
Figure 2009521470
式中、R、R、R、R、R、RおよびRは上に定義されるとおりである。
本発明で有用な化合物としては、以下の式を有する化合物が挙げられる:
Figure 2009521470
式中、R、R、R、R、R、RおよびRは上に定義されるとおりである。
本発明で有用な化合物としては、以下の式を有する化合物が挙げられる:
Figure 2009521470
式中、R、R、R、RおよびRは上に定義されるとおりである。
本発明で有用な化合物としては、以下の式を有する化合物が挙げられる:
Figure 2009521470
式中、R、RおよびRは上に定義されるとおりである。
本発明で有用な化合物としては、以下の式を有する化合物が挙げられる:
Figure 2009521470
式中、R、RおよびRは上に定義されるとおりである。
別の実施形態では、本発明は、式(XI)を有するファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤
Figure 2009521470
〔式中、
点線は、キノリン環のC−3とC−4とを結合する任意の第2の結合を示し;
RはC〜Cアルキルであり;
は、ハロ、シアノ、−C(O)OR15、またはR12の定義に記載される置換基から選択される基であり;
、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、H、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アジド、−OR12、−C(O)R12、−C(O)OR12、−NR13C(O)OR15、−OC(O)R12、−NR13SO15、−SONR1213、−NR13C(O)R12、−C(O)NR1213、−NR1213、−CH=NOR12、−S(O)12(jは0〜2の整数である)、−(CR1314(C〜C10アリール)、−(CR1314(4〜10員環ヘテロ環)、−(CR1314(C〜C10シクロアルキル)および−(CR1314C≡CR16から選択され;上述の基のシクロアルキル、アリールおよびヘテロ環部分は、場合により、C〜C10アリール基、C〜C飽和環状基または4〜10員環ヘテロ環基へ縮合しており;前記アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールおよびヘテロ環基は、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アジド、−NR13SO15、−SONR1213、−C(O)R12、−C(O)OR12、−OC(O)R12、−NR13C(O)OR15、−NR13C(O)R12、−C(O)NR1213、−NR1213、−OR12、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、−(CR1314(C〜C10アリール)および−(CR1314(4〜10員環ヘテロ環)から独立して選択される1〜3個の置換基によって場合により置換され;
Zは、1〜4個のR置換基で置換された芳香族4〜10員環ヘテロ環基であり;
は、H、−OR12、−OC(O)R12、−NR1213、−NR12C(O)R13、シアノ、−(O)OR13、−R12または−(CR1314(4〜10員環ヘテロ環)であり、前記ヘテロ環のR基は、1〜4個のR置換基で置換され;
は、−(CR1314(イミダゾリル)または−(CR1314(ピリジニル)であり、前記イミダゾリルまたはピリジニル部分は、1個または2個のR置換基で置換され;
12はそれぞれ独立して、H、C〜C10アルキル、−(CR1314(C〜C10シクロアルキル)、−(CR1314(C〜C10アリール)および−(CR1314(4〜10員環ヘテロ環)から選択され;前記シクロアルキル、アリールおよびヘテロ環のR12基は、場合により、C〜C10アリール基、C〜C飽和環状基または4〜10員環ヘテロ環基へ縮合しており;上述のR12基(Hを除くが、上述の任意の縮合環を含む)は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アジド、−C(O)R13、−C(O)OR13、−OC(O)R13、−NR13C(O)R14、−C(O)NR1314、−NR1314、ヒドロキシ、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから独立して選択される1〜3個の置換基で置換され;
tはそれぞれ独立して0〜5の整数であり;
13およびR14はそれぞれ独立してHまたはC〜Cアルキルであり、−(CR1314の場合、R13およびR14は1個を超えるtのそれぞれの繰り返しについてそれぞれ独立して定義され;
15は、R12の定義で記載される置換基から選択されるが、ただしR15はHではなく;
16は、R12の定義で記載される置換基のリストおよび−SiR171819から選択され;
17、R18およびR19は、それぞれ独立してR12の定義で記載される置換基から選択されるが、ただしR17、R18およびR19はHではない〕
またはその薬学的に受容可能な誘導体、アナログ、立体異性体、異性体、溶媒和物または塩を治療的に有効な用量および頻度でシヌクレイン障害の被験体に投与する工程を含む、被験体を治療する方法である。特定の実施形態では、本発明にラセミ体を使用する。他の実施形態では、純粋なエナンチオマー化合物を使用する。他の実施形態では、あるエナンチオマーを豊富に含む混合物を使用する(例えば、あるエナンチオマーが70%、75%、80%、90%、95%、98%、99%)。
式XIの特定の化合物では、立体化学は以下のように定義される。
Figure 2009521470
式XIの他の化合物では、立体化学は以下のように定義される。
Figure 2009521470
特定の実施形態では、式XIの化合物は、Zが、1〜4個のR置換基で置換された5員環または6員環の芳香族へテロ環基である化合物である。特定の実施形態では、式XIの化合物は、Zが、1〜4個のR置換基で置換されたピリジンまたはチオフェン基である化合物である。特定の実施形態では、Zは、1〜4個のR置換基で置換されたピリジン基である。特定の実施形態では、Zは、1個のR置換基で置換されたピリジン基である。特定の実施形態では、Zは
Figure 2009521470
である。特定の実施形態では、Zは1個のR置換基で置換されたピリジン基であり、置換基Rはハロ(例えばクロロ)である。特定の実施形態では、Zは
Figure 2009521470
である。他の実施形態では、式XIの化合物は、Zが、ベンゼン基に縮合した5員環または6員環の芳香族へテロ環基であり、1〜4個のR置換基で置換された化合物である。好ましくは、Zは、O、SおよびNから選択される1〜3個のヘテロ原子を含む。
特定の実施形態では、式XIの化合物は、Rが、−NR1213、−OR12または1〜4個のR置換基で置換された−(CR1314(4〜10員環ヘテロ環)であり、ここで、4〜10員環ヘテロ環は、トリアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリルおよびピペリジニルから選択される。特定の実施形態では、上述のヘテロ環は1個のR基で置換されている。特定の実施形態では、Rは、ヒドロキシ、アミノまたはトリアゾリルである。特定の実施形態では、Rはヒドロキシである。特定の他の実施形態では、Rはアミノである。
特定の実施形態では、式XIの化合物は、Rが、H、−OR12、−OC(O)R12、−NR1213、−NR12C(O)R13、シアノ、−C(O)OR13、−SR12、または−(CR1314(4〜10員環ヘテロ環)である化合物であり、上述のヘテロ環のR基は1〜4個のR置換基で置換されている。
特定の実施形態では、式XIの化合物は、R、R、RおよびRが独立して、H、ハロおよびC〜Cアルコキシから選択される化合物である。特定の実施形態では、R、RおよびRのうち1つはハロ(例えばクロロ)であり、他のものは水素である。
特定の実施形態では、式XIの化合物は、RおよびRが両方とも水素である化合物である。
特定の実施形態では、式XIの化合物は、Rはイミダゾリル部分であり、1個または2個のR置換基で場合により置換されており、Rは上に定義されるとおりである。特定の化合物では、Rは1個のR置換基で置換されたイミダゾリル部分であり、Rは上に定義されるとおりである。特定の化合物では、Rは1個のR置換基で置換されたイミダゾリル部分であり、Rは、C〜Cアルキル、好ましくはメチルである。特定の化合物では、R
Figure 2009521470
であり、Rは上に定義されるとおりであり、tは0〜2の整数である(境界値を含む)。他の化合物では、R
Figure 2009521470
であり、Rは上に定義されるとおりである。他の化合物では、R
Figure 2009521470
である。
本発明で有用な化合物としては、以下の式を有する化合物が挙げられる:
Figure 2009521470
式中、R、R、R、R、R、RおよびRは上に定義されるとおりである。
本発明で有用な化合物としては、以下の式を有する化合物が挙げられる:
Figure 2009521470
式中、R、R、R、R、R、RおよびRは上に定義されるとおりである。
本発明で有用な化合物としては、以下の式を有する化合物が挙げられる:
Figure 2009521470
式中、R、R、R、RおよびRは上に定義されるとおりである。
本発明で有用な化合物としては、以下の式を有する化合物が挙げられる:
Figure 2009521470
式中、R、RおよびRは上に定義されるとおりである。
本発明で有用な化合物としては、以下の式を有する化合物が挙げられる:
Figure 2009521470
式中、R、RおよびRは上に定義されるとおりである。
本明細書で使用される場合、用語「シヌクレイン障害の被験体」または「シヌクレイン障害を発症している被験体」は、シヌクレイン障害(例えば、シヌクレイン障害進行に対する素因がある(例えば遺伝的素因がある))および/または病的なシヌクレイン凝集によって特徴付けられる任意の神経変性障害であると診断されるか、罹患しているか、または発症するリスクがある被験体を指す。パーキンソン病、びまん性レビー小体病(DLBD)および多系統萎縮症(MSA)を含むいくつかの神経変性障害を総称してシヌクレイン障害という。
シヌクレインは、不完全な繰り返し配列KTKEGV(配列番号XX)が酸性カルボキシ末端領域におけるポリペプチドのアミノ末端側の半分のほとんど全体に分布していることによって特徴付けられる低分子タンパク質である(123〜143アミノ酸)。ヒトシヌクレインタンパク質には、α、βおよびγと呼ばれる3種類が存在し、それぞれ4221.3−q22、5q23および10q23.2−q23.3という染色体に別個にマッピングされた遺伝子によってコードされている。最も最近クローン化されたシヌクレインタンパク質であるシノレチン(synoretin)は、γ−シヌクレインと最も相同性が高く、主に網膜で発現する。α−シヌクレイン(高齢者斑前駆体タンパク質の非アミロイド成分(NACP)、SYN1またはシネルフィン(synelfin)とも呼ばれる)は熱に安定であり、機能があまり判明していない「天然変性」タンパク質である。α−シヌクレインは、中枢神経系(CNS)ニューロンで主に発現し、シナプス前終末に局在化している。電子顕微鏡試験によれば、軸索末端のシナプス小胞のきわめて近傍にα−シヌクレインが局在化しており、このことは、神経伝達またはシナプス構成におけるα−シヌクレインの役割を示唆しており、生化学分析によれば、α−シヌクレインのうち小胞膜と会合しているのはごくわずかであり、ほとんどのα−シヌクレインは細胞質にあることがわかる。
遺伝的証拠および組織病理学的証拠は、α−シヌクレインが、特定の神経変性疾患に特徴的ないくつかのタンパク質含有物の主要成分であるという考えを支持している。病的なシヌクレイン凝集はα−シヌクレインアイソフォームに限定されており、β−シヌクレインおよびγ−シヌクレインは、上述の含有物から検出されない。α−シヌクレイン陽性の凝集物が存在することは疾患特異的である。パーキンソン病(PD)およびびまん性レビー小体病(DLBD)の組織病理学的な特質であるレビー小体、ニューロンの線維性細胞質含有物は、α−シヌクレインの抗体で強く標識化される。PD病変と関連する異栄養性ユビキチンに陽性の神経突起(レビー小体神経突起(LN)およびCA2/CA3ユビキチン神経突起と呼ばれる)もα−シヌクレイン陽性である。さらに、LB患者の中脳のわずかに膨潤したニューロン内部の周核体に存在するペイルボディー(pale body)、LBの推定前駆体、糸状構造物、およびグリアの銀陽性含有物も、α−シヌクレインに対して免疫反応性である。α−シヌクレインは、MSAのグリア細胞含有物(GCI)およびニューロン細胞質含有物、および脳の鉄蓄積1型(PANK1)の主成分であると考えられる。α−シヌクレイン免疫反応性は、アルツハイマー病(AD)の高齢者斑のいくつかの異栄養性神経突起、および筋萎縮性側索硬化症(ALS)の索条組織および皮質に存在する。α−シヌクレイン免疫反応性は、毒素によって誘発されたPD、AD、ALSおよびHDトランスジェニックマウスモデルで顕著である。
α−シヌクレインがLB、LNおよびGCIの線維性成分の実際の構成要素であるという考えを支持するさらなる証拠がある。免疫電子顕微鏡的試験によれば、これらの線維はin situでα−シヌクレイン抗体で強く標識化されることが示されている。DLBDおよびMSA脳抽出物中に、まっすぐな形態および曲がった形態のサルコシル不溶性のα−シヌクレイン線維も見つけることができる。さらに、α−シヌクレインは、in situで目に見えるサルコシル不溶性線維またはフィラメントと同じ幅で、インビトロで伸びたホモポリマーに整列させることができる。重合は、ランダムコイルから平行ではないβ−シート構造の二次構造内部で付随して起こる変化に関連し、このことは、これらの線維のチオフラビン−S反応性と一致する。さらに、組み換えA53T型α−シヌクレインは、野生型α−シヌクレインよりもきわめて重合しやすいため、α−シヌクレイン変異体A53TとPDとの関連により上述のプロセスが促進されることがある。この変異は、ポリマーの超微細構造にも影響を与え、2個のプロトフィラメントが整列した場合には、線維はわずかに幅広くなり、さらにねじれた外観になる。A30P変異体は、α−シヌクレインよりもやや重合しやすい傾向があるが、この変異の病理学的影響は、小胞への結合性の低下と関連している場合がある。興味深いことに、カルボキシル末端を切断したα−シヌクレインは、全長タンパク質よりもフィラメントを形成する傾向が高くなることがある。
本発明によれば、α−シヌクレインのプロテオソーム変性は、パーキンおよびニューロンユビキチンC末端加水分解酵素(UCH−L1)によって媒介される。パーキンは、α−シヌクレインをユビキチン化し、変性のためにタグ化するE3リガーゼである。UCH−L1は、正常なニューロン組織に作用し、ポリユビキチン化タンパク質がプロテオソーム変性して得られるユビキチン化タンパク質を開裂させる。
本発明は、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤を用いてシヌクレイン障害障害を治療する方法を提供する。UCH−L1は、インビボでファルネシル化されることが発見された。UCH−L1は膜と会合し、この膜会合は、ファルネシル化によって媒介される。ファルネシル化されたUCH−L1は、α−シヌクレインの蓄積も安定化する。本発明は、UCH−L1膜の開裂およびα−シヌクレインの分解促進をもたらすUCH−L1ファルネシル化の防止または阻害に関する。α−シヌクレインの蓄積はPD、DLBDおよびMSAにおける病因であり、α−シヌクレインの分解量増加および/またはα−シヌクレイン蓄積の阻害は、α−シヌクレインの病的な蓄積と関連する毒性を弱める。
ファルネシル基によるタンパク質の修飾は、多くのタンパク質の機能に重要な影響を与えることがある。ファルネシル化されたタンパク質は、典型的には、3個のC末端アミノ酸のタンパク分解による除去およびC末端シスチンのカルボキシメチル化を含む、さらなるC末端修飾事象を受ける。これらのC末端修飾により、タンパク質−膜の会合およびタンパク質−タンパク質相互作用が容易になる。ファルネシル化は、基質タンパク質のC末端に存在するCAAXモチーフを認識するヘテロ二量体酵素であるタンパク質ファルネシルトランスフェラーゼ(FTase)によって触媒される。FTaseは、ファルネシル基をピロリン酸塩ファルネシルから移動させ、ファルネシルとCAAXモチーフのシスチン残基との間にチオエーテル結合を形成する。多くのFTase阻害剤が開発されており、当該技術分野で既知である。しかし、本発明は、特定のファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤を使用して、α−シヌクレイン蓄積に関連する症状を有する被験体を治療する新規な方法を提供する。
本発明の方法では、用語「シヌクレイン障害」は、病的なα−シヌクレイン蓄積によって特徴付けられる神経障害を指す。この障害群としては、PD、DLBDおよびMSAが挙げられる。
パーキンソン病(PD)は、動作緩慢、強直、振戦および姿勢の不安定化によって特徴付けられる神経障害である。PDの特徴的な病変は、黒質緻密部(SNpc)におけるニューロンの欠損と、残存するニューロン中でのレビー小体の発生である。運動症状があらわれるには、SNpc中の細胞の約50%以上が失われる必要があると考える。関連する症状には、手書きの字が小さくなっていくこと(小字症)、脂漏症、起立性低血圧、排尿困難、便秘および他の胃腸障害、睡眠障害、鬱病および他の神経精神現象、認知症および嗅覚障害(初期に発生する)を含むことが多い。パーキンソン病患者は、PDを発症していない一般集団と比較して死亡率が約2倍高い。このことは、衰弱が大きいか、または移動が困難になることに起因する。
用語「シヌクレイン障害の被験体」は、PDを罹患しているか、または発症するリスクがある被験体を包含する。当業者は、症状による診断および神経学的検査によって、および/またはある場合には、遺伝子検査、脳スキャン、SPEC、PET造影などと組み合わせることによって、上述の被験体を容易に同定することができる。
PDは上に列挙した臨床所見に基づいて、主に臨床的に診断される。パーキンソニズムは、動作緩慢、強直および/または振戦のうち2つの任意の組み合わせを指す。PDは、パーキンソニズムの最も一般的な原因である。パーキンソニズムの他の原因は、薬物の副作用(主に主要な精神安定剤、例えば、ハルドール)、基底核が関与する卒中、および他の神経変性障害(例えば、びまん性レビー小体病(DLBD)、進行性核上麻痺(PSP)、前頭側頭認知症(FTD)、MSAおよびハンチントン病)である。PDの特徴的な病変は、レビー小体(典型的には、黒質の罹患したニューロン、および程度は変わるが皮質に見られる細胞質内の含有物)である。近年、α−シヌクレインは、散発性パーキンソニズムにおけるレビー小体の主要成分であることが同定されている。
パーキンソニズムは、患者によっては明らかにウイルス、卒中または毒素が原因であることもあるが、ほとんどの場合には、ある特定の場合にはパーキンソン病の原因は不明である。PDの原因となり得る環境的な影響は、井戸水の飲用、農場および工場での重金属(例えば、鉄、亜鉛、銅、水銀、マグネシウムおよびマンガン)、アルキル化ホスフェートおよびorthonal chlorineの暴露が挙げられる。さらに、パラコート(除草剤)は、PDを含むパーキンソニズムの有病率の増加と関係がある。喫煙は、PDの発生率の減少と関係がある。現時点での多数意見によれば、PDは、遺伝的感受性が高い一般的ではない毒素によって生じるか、または遺伝的感受性が比較的低い一般的な毒素によって生じるかのいずれかである。
PDが進行するリスクを有する被験体の中で、例えば遺伝分析によって同定できる被験体は少数である。特定の遺伝因子がPDと関連するという十分な証拠が存在する。常染色体優性PDの大きな家系図が報告されている。例えば、ある家系ではα−シヌクレインの変異が原因となっており、他の家系ではSNCA遺伝子(α−シヌクレインをコードする遺伝子)の三重重複がPDと関連がある。
本発明の方法は、シヌクレイン障害または上述の疾患または医薬の副作用として生じる症状を治療するために現時点で使用されている医薬を含む1つ以上の他の医薬と組み合わせて使用することができる。
例えば、本発明の方法は、PDを治療するための医薬と組み合わせて使用することができる。カルボドパ(carbodopa)およびレボドパ(SinemetおよびSinemet CR)を含有する組み合わせ製品の形態のレボドパが、主に治療の主力となっており、PDの治療に最も有効な薬剤である。レボドパはドーパミン前駆体であり、この物質は、脳内の酵素によってドーパミンに変換される基質である。カルボドパは末梢性脱炭酸酵素阻害剤であり、副作用を予防し、最終的に必要な投薬量を減らす。Sinemetは、初期の投薬量は毎食前に25/100または50/200錠剤である。ジスキネジーは過剰投薬によって生じることがあり、長期間(例えば年単位)使用後に見られるのが一般的である。直接的に作用するドーパミンアゴニストには、この副作用がほとんど存在しない。患者の約15%はレボドパに応答しない。スタレボ(カルボドパ、レボドパおよびエンタカポン)は、「ウェアリングオフ」の徴候および症状がある患者に対する新規な組み合わせ処方物である。この処方物は、カルボドパおよびレボドパ(PDを治療するために最も広く使用されている薬剤)をエンタカポン、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤と組み合わせたものである。カルボドパはレボドパの副作用を減らし、エンタカポンは脳内でレボドパが活性である時間を約10%以上延ばす。
アマンチジン(SYMMETREL(R))は、ドーパミンがシナプス前ニューロンに再吸収されるのを遮断することを含む複数の機構によって作用すると考えられる効果が穏やかな薬剤である。この薬剤は、貯蔵部位からのドーパミンの放出も活性化させ、グルタミン受容体遮断効果も有する。この薬剤は初期の単剤療法で使用され、投薬量は200〜300mg/日である。アアンタジンは、振戦が顕著な患者に特に役立つ場合がある。副作用としては、手首の腫れおよび赤い斑点が挙げられる。この薬剤は、薬物によって誘発されるジスキネジーの症状を軽減するために後期段階の疾患で有用でもある。
抗コリン作用剤(トリヘキシフェニジル、メシル酸ベンズトロピン、プロシクリジン、アーテン、コゲンチン(cogentin))は、ドーパミン作動系には直接作用しない。直接作用するドーパミンアゴニストとしては、ブロモクリプチジン(bromocriptidine)(Parlodel)、ペルゴリド(Permax)、ロピニロール(Requip)およびプラミペキソール(Mirapex)が挙げられる。これらの薬剤は、レボドパ(Sinemet)よりもかなり高価であり、さらなる効果については議論の分かれるところである。ドーパミン受容体が刺激されることに依存して、D1アゴニストおよびD2アゴニストは、D1受容体およびD2受容体(例えばErgolide)を刺激することによって抗パーキンソン効果を発揮することができる。MirapexおよびRequipはさらに新しい薬剤である。これらの薬剤は両方とも、D2受容体に対して最も高いアフィニティーを有し、D3受容体にも活性を有するドーパミン受容体からいくらか選択される。直接的なドーパミンアゴニストは、一般的に、レボドパと比較して副作用として精神錯乱のような神経精神病を発症することが多い。レボドパとは異なり、直接的なドーパミンアゴニストはドーパミンには変換されず、代謝によって潜在的に毒性のあるフリーラジカルを発生しない。直接的なドーパミンアゴニストを初期に使用することによって、ドーパミンによってドーパミン受容体が直接刺激されることに関連する後期合併症(例えば、「オンオフ」効果およびジスキネジー)が進行しにくくすることも可能である。
モノアミン酸化酵素−B阻害剤(MAO)(例えば、セレギリン(DiprenylまたはEldepryl)は、低用量で投薬すると、パーキンソニズムの進行を抑えることができる。これらの化合物を補助医薬として使用することができる。ある研究からセレギリンがレボドパの必要性をほぼ3ヶ月遅らせることが示されているが、このデータの解釈は、この薬物が穏やかな臨床症状改善効果を有することとは若干矛盾する。MAOBの中のある種類の阻害剤のいくつかは神経保護効果を保持していることは理論的にもインビトロでも支持されている(例えばラサジリン)。
カテコール−O−メチルトランスフェラーゼ阻害剤(COMT)も、本発明の組み合わせ治療で使用することができる。カテコール−O−メチルトランスフェラーゼは、レボドパを分解する酵素であり、阻害剤を使用して分解速度を遅らせることができる。エンタカポンは、抹消作用性のCOMT阻害剤であり、本発明の特定の方法および組成物で使用することができる。TasmarまたはTolcapone(1997年にFDAが承認)も、本発明の特定の方法および組成物で使用することができる。PD医薬によって誘発されるかまたは悪化する副作用の精神病としては、精神病、精神錯乱、激越、幻覚および妄想が挙げられる。これらの疾患は、ドーパミン医薬を減らし、抗コリン作用剤、アマンタジンまたはセレギニンを減らすか断薬することによって、または低用量の非定型抗精神病薬(例えば、クロザピンまたはクエチアピン)を用いることによって治療することができる。
本発明の方法は、PDを治療するための外科治療と組み合わせて使用することもできる。外科的治療は、現時点では、PDを医薬で管理できない患者に推奨されている。振戦を減らすために、片側視床切除術を使用することができる。この治療は、片側振戦が医薬に応答しない患者には特に考慮される。両側の手技は勧められない。視床の片側を深く脳刺激することも、振戦の治療に有益である。片側淡蒼球切除術は、薬物によって誘発される反対側のジスキネジーを減らすための有効な技術である。ガンマナイフ治療(視床切除術または淡蒼球切除術)は、従来の手術の放射線代替法として行うことができる。しかし、現時点で好ましい脳神経外科的介入は、両側視床下核刺激である。神経移植術は、まだ実験段階である。手術および医薬に加え、パーキンソニズムの理学療法は、筋肉の正常な緊張、柔軟性を維持し、姿勢および歩き方を改善することである。
本発明によれば、用語「シヌクレイン障害の被験体」は、DLBDを罹患しているか、または発症するリスクがある被験体も包含する。当業者は、症状による診断または遺伝子検査、脳スキャン、SPECT、PET造影などによって、上述の被験体を容易に同定することができる。
DLBDは、高齢者の神経変性認知症の2番目に多い原因であり、65歳以上の人口全体の7%、80歳以上の人口全体の30%が発症している。DLBDは、シナプスタンパク質α−シヌクレインの正常な凝集に基づく共通の神経病変を有するある範囲の臨床所見の一部である。DLBDは、パーキンソン病の経過中に発生する認知症の臨床的特徴および病理学的特徴の多くを有する。「1年基準」を使用し、DLBDとPDとを区別することができる。この基準によれば、パーキンソニズム12ヶ月以内の認知症の発症はDLBDと分類され、パーキンソニズムが12ヶ月以上経過してから認知症が発症したものはPDと分類される。DLBDの中心的な特徴としては、正常な社会機能および職業人としての機能を果たせないほど顕著にひどい進行性の認識衰退が挙げられる。顕著または持続性の記憶障害は、初期段階では起こるとは限らないが、ほとんどの場合で明らかに進行していく。注意力および前頭皮質の技能および視覚空間能力の試験結果の低下が特に顕著である場合がある。
主な診断上の特徴(このうち2つは、おそらくDLBDであるという診断に必須なものと、DLBDである可能性があるという診断に必須なものである)は、注意力および警戒力に顕著な変動がある認知のゆらぎ、典型的には十分に詳細まで見える幻視が頻発すること、および自然に発生するパーキンソニズムの特徴である。さらに、いくつかの裏付けとなる特徴(例えば、落下の繰り返し、失神、一時的な意識喪失、抗精神病薬への過敏性、体系妄想、幻覚および他の様相、REM睡眠挙動障害および鬱病)が存在することがある。DLBD患者は、言葉の記憶試験ではアルツハイマー病よりも結果が良好であるが、視機能の試験では結果が悪い。このプロフィールは、疾患の重篤度にかかわらず同じであるが、後期段階では全体的に困難になるため認識するのが難しくなることがある。DLBDは、典型的には、進行性の機能低下を背景として、精神錯乱が何度も起こる。DLBD患者では、かなりの注意力欠如を伴う皮質および皮質下の神経心理障害と、顕著な前側皮質の機能不全および視覚空間の機能不全とが組み合わせて見られる。これらの症状によって、DLBD障害とアルツハイマー病とを区別することができる。
急速眼球運動(REM)、睡眠挙動障害は、REM睡眠中に、単純または複雑な運動行動を伴う鮮明で恐ろしい夢を見る、睡眠時異常行動である。この障害は、シヌクレイン障害、DLBD、PDおよびMSAと関連していることが多いが、アミロイドパチーおよびタウパチーでもまれに起こる。REM睡眠挙動障害/認知症における上述の神経心理学的不全パターンは、DLBDで報告されているものと似ており、アルツハイマー病で報告されているものとは性質が異なっている。神経変性と関連があるREM睡眠挙動障害の神経病理学的試験では、レビー小体病または多系統萎縮症が見られる。ナルコレプシーのREM睡眠覚醒による解離(REM睡眠挙動障害、日中の過剰睡眠、幻覚、脱力発作)という特徴によって、DLBDおよびPDのいくつかの特徴を説明することができる。睡眠障害は、DLBDに典型的なゆらぎの一因となり、この治療によってゆらぎおよび生活の質を改善することができる。DLBDの発症リスクがある被験体を同定することができる。落下の繰り返し、失神、一時的な意識喪失および鬱病は、認識機能障害のある高齢者では一般的であり、DLBDであり得るという診断の(警告信号)として役立つことがある。対照的に、REM睡眠挙動障害でのナルコレプシー過敏性は、DLBDの重要な指標となることがある。これらの判定は、医師がいかに多くの診断指標を有し、適切に振り分ける質問をすることができるかにゆだねられている。
DLB罹患しているか、または発症するリスクがあるシヌクレイン障害の被験体の臨床診断は、神経画像検査によって裏付けをとることができる。DLBDに関連する変化としては、MRIで判断する海馬の保存状態および側頭葉内側部の体積、およびSPECTで判断する後頭部のかん流低下が挙げられる。他の特徴(例えば、全身の萎縮、白質の変化および脳全体の萎縮進行度)は、識別判断には役立たない。ドーパミン作動性SPECTで尾状核および被殻でのドーパミン輸送体の欠損、黒質線条体変性のマーカーを検出することができ、臨床的な識別判断に役立つことがわかっている。DLBDの病理解剖診断で異常な精査結果が認められた症例では、感度83%および特異度100%が報告されている。
多数派のDLBD診断法としては、ユビキチン免疫組織化学法によるレビー小体の同定が挙げられ、レビー小体の数および分布によって、脳幹に多い、辺縁系に多い、または新皮質に多いの3つのカテゴリーに分けられる。最近開発されたα−シヌクレイン免疫組織化学法では、さらに多くのレビー小体を見ることができ、以前は識別できなかった神経病変(レビー神経突起と呼ばれる)を知ることもできるようになった。α−シヌクレインに対する抗体を使用することにより、脳幹および辺縁系から新皮質までの多くのDLBD症例を識別する診断ができるようになった。
ほとんどのDLBD患者では、α−シヌクレインまたは他のパーキンソン病に関連する遺伝子にはなんら遺伝的変異はみられない。mRNA発現が増加したことによって正常な野生型α−シヌクレインが病的に上方修正されることも機構として考えられ、またはα−シヌクレインが不溶性になるかまたは凝集しやすくなるためにレビー小体が生成するということも考えられる。例えば、プロテアソームシステムの機能不全によってα−シヌクレインが異状に生成し、有毒な「プロトフィブリル」が生成するという可能性もある。この有毒なフィブリルがレビー小体に封鎖されると、ニューロンが単純に生体変性片となるのではなく、細胞内の生体ストレスと戦うように作用する。
DLBDの正確な診断のための標的となる症状としては、錐体外路の運動特徴、認識機能障害、神経精神病的特徴(幻覚、鬱病、睡眠障害および関連する行動障害を含む)または自律神経機能障害を挙げることができる。
本発明の方法は、DLBDを治療する1つ以上の他の医薬と組み合わせて使用することができる。例えば、受容可能な最低用量のレボドパを使用してDLBDを治療することができる。D2受容体アンタゴニスト(特に、従来の神経遮断薬)は、DLBD被験体において大きな感受性を有し、死亡率が2〜3倍に増加する。上述のコリンエステラーゼ阻害剤もDLBDの治療で使用される。
本発明によれば、用語「シヌクレイン障害の被験体」は、多系統萎縮症(MSA)を罹患しているか、または発症するリスクがある被験体を包含する。当業者は、症状による診断および神経学的検査によって、および/またはある場合には、遺伝子検査、脳スキャン、SPEC、PET造影などと組み合わせることによって、上述の被験体を容易に同定することができる。
MSAは、運動、認知、自律神経または他の身体機能に影響を与える症状の組み合わせが顕著な神経変性疾患であり、そのために「多系統萎縮症」と呼ばれている。MSAの原因は不明である。MSAの症状は、発症部位の分布および重篤度の個体差がさまざまである。このために、この用語には、当初、シャイドレーガー症候群、線条体黒質変性症(SD)およびオリーブ橋小脳萎縮症(OPCA)の3つの異なる用語が含まれていた。
シャイドレーガー症候群では、最も顕著な症状は自律神経系が関与する症状であり、例えば、血圧、排尿機能および意識的に制御できない他の機能の症状である。線条体黒質変性症はパーキンソニズム症状(例えば、動作緩慢および強直)を引き起こし、OPCAは主に、平衡感覚、調整機能および発話に影響を与える。MSAの症状としては、直立性高血圧、男性の性的不能、排尿困難、便秘、発話障害および嚥下障害および視力障害が挙げられる。
MSAの初期診断は、通常は患者に注意深く質問し、身体検査を行うことによって行われる。種々の脳撮影法(コンピュータ断層撮影法、走査法、磁気共鳴磁気共鳴映像法(MRI)および陽電子放出断層撮影法(PET)を含む)を補強試験として使用することができる。不完全で比較的応答の悪いドーパミン交換法(例えばSinemet)は、動作緩慢および強直(パーキンソニズム)がPDによるものではないという裏付けになることがある。顕著な自律神経機能障害に対する複数の脳システムの特徴的な関与は、MSAを決定付ける特徴であり、病理解剖で診断を確定する特徴である。MSA患者では、特定の種類の脳細胞に同様にグリア細胞質含有物が存在していることがある。典型的なレビー小体はMSAには存在しない。しかし、免疫組織化学によるα−シヌクレイン染色は顕著である。パーキンソン病と比較すると、Sinemetに対する応答性が低いことに加え、MSAで強く示唆されるいくつかの他の観察結果(例えば、姿勢の不安定化、起立時の低血圧(起立性低血圧)および就寝時の高血圧、排尿困難、性的不能、便秘、緩慢さおよび強直と調和がとれない発話および嚥下の困難さ)が存在する。
本発明の方法は、MSAを治療するための1つ以上の代替医薬と組み合わせて使用することができる。典型的には、MSAの種々の症状を治療するために使用可能な薬物は、疾患が進行するにつれて有効性が失われていく。PDを治療するために使用するレボドパおよびドーパミンアゴニストは、MSAの緩慢さおよび強直に対して有効である場合がある。直立性高血圧は、コルチゾン、ミドドリンまたは血圧を下げる他の薬物を用いて改善させることができる。男性の性的不能は、陰茎移植または薬物で治療してもよい。失禁は、医薬または医薬またはカテーテル法で治療してもよい。便秘は、食物繊維または下剤の量を増やして改善させてもよい。
シヌクレイン障害を治療する方法を提供することに加え、本発明はさらに、他の神経変性疾患を治療する方法も提供する。治療可能な他の神経変性疾患としては、アルツハイマー病(AD)、ハンチントン病(HM)および筋萎縮性側索硬化症(ALS)が挙げられる。本発明の方法は、神経変性疾患を治療するための医薬と組み合わせて使用することができる。
本発明によれば、用語「治療」は、予防および治療を含み、被験体の症状を管理し、疾患の進行を止めることを含む。治療は、シヌクレイン障害、関連する障害または他の神経疾患を発症しているかまたは進行するリスクがある被験体において、シヌクレイン障害または他の神経疾患、および/またはシヌクレイン障害または他の神経疾患に関連する特定の症状の発症を予防すること、遅らせること、止めること、または正常に戻すこと(例えば、治癒させること)を含む。シヌクレイン障害を治療するための治療は、典型的には、シヌクレイン障害の被験体におけるα−シヌクレインの蓄積を予防すること、遅らせること、止めること、または正常に戻すこと(例えば、治癒させること)を含む。治療はさらに、シヌクレイン障害の被験体において蓄積したα−シヌクレインの量を減らすことを含む。
句「治療的に有効な量」は、本明細書で使用する場合、任意の医学的治療で適用可能な合理的な対危険便益比で被験体においてある所望の治療効果を得るのに有効な本発明の化合物、物質または本発明の化合物を含む組成物の量を意味する。従って、治療的に有効な量は、シヌクレイン障害または他の神経変性疾患に関連する疾患の進行を予防し、最小限にするか、または正常な状態に戻す。疾患の進行は、当業者にとって明らかな臨床的観察、実験室での観察および神経画像観察によって監視することができる。治療的に有効な量は、単回投与で有効な量または複数回投与の一部分として有効な量であってもよく、例えば、2回以上に分けて投与される量または長期的に投与される量であってもよい。
本明細書で記載される「薬学的に受容可能な酸付加塩または塩基付加塩」は、形成可能な治療的に活性な毒性のない酸付加塩形態および毒性のない塩基付加塩形態を含むことを意味する。塩基性化合物は、この化合物の塩基形態を適切な酸で処理することによって、薬学的に受容可能な酸付加塩に変換することができる。適切な酸としては、限定されないが、例えば、無機酸、例えば、ハロゲン化水素酸、例えば、塩酸または臭化水素酸;硫酸;硝酸;リン酸などの酸;または有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸(すなわち、ブタン二酸)、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、パモン酸などが挙げられる。特定の実施形態では、上述の塩は酒石酸塩である。酒石酸塩は、L−酒石酸塩またはD−酒石酸塩のいずれかであってもよい。いずれの酒石酸もAldrich Chemical Company,Inc.(ウィスコンシン州ミルウォーキー)から入手可能である。上述の塩は無水形態または水和物形態のいずれであってもよい。
酸性化合物は、酸を適切な有機塩基または無機塩基で処理することによって、薬学的に受容可能な塩基付加塩に変換することができる。適切な塩基塩形態としては、例えば、アンモニウム塩、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩など、有機塩基との塩、例えば、ベンザチン塩、N−メチル−D−グルカミン塩、ヒドラバミン(hydrabアミン)塩、およびアミノ酸との塩、例えば、アルギニン塩、リジン塩などが挙げられる。
酸付加塩または塩基付加塩との用語は、形成可能な水和物および溶媒付加形態も含む。このような形態の例は、例えば、水和物、アルコラートなどである。
化合物の立体化学異性体形態との用語は、本明細書で使用される場合、同じ結合順序で結合しているが、相互に変換可能ではない異なる三次元構造を有する同じ原子から作られる、化合物として可能なすべての化合物を含む。他に言及または指示されていない限り、化合物の化学名は、化合物として可能なあらゆる立体化学異性体形態を包含する。この混合物は、化合物の基本的な分子構造のあらゆるジアステレオマーおよび/またはエナンチオマーを含有することができる。化合物のあらゆる立体化学異性体形態は、純粋な形態または混合物の形態で、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
上述の化合物のいくつかは、互変異性体形態として存在してもよい。このような形態は、上述の式には明確に示されてはいないが、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
本発明の化合物および組成物に関連する本明細書に記載の方法および構造は、この化合物および組成物の薬学的に受容可能な酸付加塩または塩基付加塩およびあらゆる立体異性体形態にも適用される。
本発明の化合物および組成物では、用語「アルキル」は、直鎖アルキル基、分枝アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキル置換されたシクロアルキル基およびシクロアルキル置換されたアルキル基を含む基または飽和脂肪族基を指す。好ましい実施形態では、直鎖または分枝のアルキルは、骨格に12個以下の炭素原子を有し(例えば、直鎖の場合C〜C12、分枝の場合C〜C12)、さらに好ましくは6以下、さらにより好ましくは4以下の炭素原子を有する。同様に、好ましいシクロアルキルは、環構造に3〜10個の炭素原子を有し、さらに好ましくは、環構造に5個、6個または7個の炭素原子を有する。
炭素数が他に特定されていない限り、「低級アルキル」は、本明細書で使用する場合、上に定義されるようなアルキル基の中で、骨格構造に1〜10個の炭素原子、さらに好ましくは1〜6個の炭素原子、さらにより好ましくは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。同様に、「低級アルケニル」および「低級アルキニル」は、同様の鎖長を有する。好ましいアルキル基は低級アルキルである。好ましい実施形態では、本明細書でアルキルと示される置換基は低級アルキルである。
本明細書で使用される場合、用語「ハロゲン」は、−F、−Cl、−Brまたは−Iを示し、用語「スルフヒドリル」は−SHを意味し、用語「ヒドロキシル」は−OHを意味する。
用語「メチル」は一価の基−CHを指し、用語「メトキシル」は一価の基−CHOHを指す。
用語「アラルキル」または「アリールアルキル」は、本明細書で使用される場合、アリール基(例えば、芳香族基またはヘテロ芳香族基)で置換されたアルキル基を指す。
用語「アルケニル」および「アルキニル」は、上述のアルキルと同様の長さを有し、上述のアルキルと置換することが可能であるが、それぞれ少なくとも1個の二重結合または三重結合を含有する不飽和脂肪族基を指す。
用語「アリール」は、本明細書で使用される場合、0〜4個のヘテロ原子を含む5、6および7員環の単環芳香族基を含み、例えば、ベンゼン、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジンおよびピリミジンなどが挙げられる。環構造にヘテロ原子を有する上述のアリール基は、「アリールへテロ環」または「ヘテロ芳香族」とも呼ばれることがある。芳香族環は、環の1個以上の位置で上述の置換基で置換されてもよい。上述の置換基とは、例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミノ、ホスホネート、ホスフィネート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、芳香族部分またはヘテロ芳香族部分、−CF、−CNなどである。用語「アリール」は、2個または3個の環を有し、2個以上の炭素が2個の結合した環で共有されており(この環は「縮合環」である)、環のうち少なくとも1個が芳香環である多環式環系を含み、例えば、他の環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリールおよび/またはヘテロシクリルであってもよい。
用語「オルト」、「メタ」および「パラ」は、それぞれ、1,2−置換ベンゼン、1,3−置換ベンゼンおよび1,4−置換ベンゼンに対応する。例えば、1,2−ジメチルベンゼンとオルト−ジメチルベンゼンとは同じものを指す名称である。
用語「ヘテロシクリル」または「ヘテロ環基」または「ヘテロアリール」は、3〜10員環、さらに好ましくは3〜7員環の環構造であって、環構造に1〜4個のヘテロ原子を含むものを指す。へテロ環は多環であってもよい。へテロ環基としては、例えば、チオフェン、ベンゾチオフェン、チアントレン、フラン、ピラン、イソベンゾフラン、クロメン、キサンテン、フェノキサチイン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、ピリミジン、フェナントロリン、フェナジン、フェナルサジン、フェノチアジン、フラザン、フェノキサジン、ピロリジン、オキソラン、チオラン、オキサゾール、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ラクトン、ラクタム、例えば、アゼチジノンおよびピロリジノン、スルタム、スルトンなどが挙げられる。ヘテロ環は、1個以上の位置で上述の置換基で置換されてもよい。上述の置換基とは、例えば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミノ、ホスホネート、ホスフィネート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、芳香族部分またはヘテロ芳香族部分、−CF、−CNなどである。
本明細書で使用される場合、それぞれの表現(例えば、アルキル、m、nなど)の定義は、任意の構造に2個以上ある場合には、同じ構造中の他のものと独立した定義であることが意図される。
「置換」または「〜で置換された」には、置換される原子および置換基の可能な価数に従って置換され、置換の結果安定な化合物を生じるものに限ることが暗に示されていることが理解される。例えば、転位、環化、脱離などのような変換を自然には受けない。
本明細書で使用される場合、用語「置換され」は、有機化合物のあらゆる可能な置換基を含むと考えられる。より意味の広い態様では、可能な置換基は、有機化合物の非環状および環状の、分枝および非分枝の、炭素環およびヘテロ環の、芳香族および非芳香族の置換基を含む。代表的な置換基としては、例えば、上述のものが挙げられる。可能な置換基は、適切な有機化合物について1個以上であってもよく、同じであっても異なっていても良い。本発明の目的のために、窒素のようなヘテロ原子は、水素置換基および/またはヘテロ原子の価数を満たす本明細書に記載の有機化合物の任意の可能な置換基を有していてもよい。本発明を、有機化合物の可能な置換基によって任意の様式に限定することを意図するものではない。
本発明の特定の化合物は、特定の幾何異性体形態または立体異性体形態で存在してもよい。本発明は、本発明の範囲内にあるような、cis−異性体およびtrans−異性体、R−エナンチオマーおよびS−エナンチオマー、ジアステレオマー、(D)−異性体、(L)−異性体、これらのラセミ混合物、および他の混合物を含むあらゆる化合物を考慮している。アルキル基のような置換基にさらなる不斉炭素原子が存在してもよい。これらのあらゆる異性体およびその混合物は、本発明に含まれることが意図される。特定の実施形態では、本発明は、本明細書で概説されるいずれかの構造によってあらわされる化合物に関し、この化合物は単一の立体異性体である。
例えば、本発明の化合物の特定のエナンチオマーが望ましい場合、不斉合成によって調製してもよく、またはキラル補助剤を用いて誘導体化し、得られたジアステレオマー混合物を分割し、補助基を開裂させて純粋な所望のエナンチオマーを得てもよい。あるいは、分子が塩基性官能基(例えばアミノ)または酸性官能基(例えばカルボキシル)を含んでいる場合、適切な光学活性な酸または塩基を用いてジアステレオマー塩を合成し、このジアステレオマーを当業者に周知の分画結晶化またはクロマトグラフィーによって分割し、純粋なエナンチオマーを回収してもよい。
上述の化合物の考えられる等価体としては、上述のものに対応するもの以外に、全体的な性質が同じもの(例えば、抗−シヌクレイン障害ファルネシルトランスフェラーゼ阻害化合物として機能するもの)が挙げられ、1個以上の置換基が単に違うものは、その化合物の効力に悪影響を与えないように製造される。概して、本発明の化合物は、例えば、容易に入手可能な出発物質、試薬および従来の合成手順を用いて、以下に示すような一般的な反応スキームに示される方法によって、またはその改良法によって調製してもよい。上述の反応では、すでに知られているが、本明細書では述べられていない変形例を使用することも可能である。
本発明の目的のために、Handbook of Chemistry and Physics,67th Ed.,1986−87の内表紙にあるthe Periodic Table of the Elements(CASversion)にしたがって化学元素を同定する。
別の態様では、本発明は、治療的に有効な量の本明細書に記載の1つ以上の化合物を含み、1つ以上の薬学的に受容可能なキャリア(添加剤)および/または希釈剤を用いて処方化した「薬学的に受容可能な」組成物を提供する。詳細に記載されるように、本発明の薬学的組成物は、投与にあわせて固体形態または液体形態に特別に処方化されてもよい。処方形態としては、以下のものが挙げられる:経口投与、例えば、ドレンチ(drench)(水性または非水性の水溶液または懸濁物)、錠剤、例えば、口腔、舌下および全身吸収用の錠剤、舌用のボーラス(boluse)、粉末、顆粒、ペースト;例えば、皮下注射、筋肉注射、静脈注射または硬膜外注射による非経口投与、例えば、滅菌溶液または懸濁物、または徐放性処方物;局所適用、例えば、皮膚、肺または口腔に適用されるクリーム、軟膏または放出制御パッチまたはスプレー;膣内または直腸内、例えば、ペッサリー、クリームまたは泡状物;舌下;眼;経皮;または経鼻、肺および他の粘膜表面に対する投与。
本明細書で使用される場合、句「薬学的に受容可能な」は、妥当な医学的判断の範囲内でヒトに投与するのに適しており、例えば、過剰な毒性、刺激性を有さず、アレルギー反応または他の問題または合併症を引き起こさず、適度な対危険便益比を有するヒトおよび動物の組織と接触させて使用する化合物、物質、組成物および/または投薬量を指す。
句「薬学的に受容可能なキャリア」は、本明細書で試用される場合、薬学的に受容可能な物質、組成物またはビヒクルを意味し、例えば、液体または固体のフィラー、希釈剤、賦形剤、または目的の化合物をある臓器または身体の一部分から別の臓器または身体の一部分に移すかまたは移動させることにかかわる溶媒封入材料を意味する。それぞれのキャリアは、処方物の他の成分と適合し、患者に害を与えないという意味で「受容可能で」なければならない。薬学的に受容可能なキャリアとして役に立つと考えられる物質のいくつかの例を以下に示す:糖類、例えば、ラクトース、グルコースおよびショ糖;デンプン、例えば、トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプン;セルロースおよびその誘導体、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロースおよび酢酸セルロース;トラガカント末;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤、例えば、ココアバターおよび座剤ワックス;油、例えば、ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油および大豆油;グリコール、例えば、プロピレングリコール;ポリオール、例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール;エステル、例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;寒天;緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;アルギン酸;発熱性物質を含まない水;等張食塩水;Ringer溶液;エチルアルコール;pH緩衝液;ポリエステル、ポリカーボネートおよび/またはポリ酸無水物;および薬学的処方物で使用される他の毒性のない適合性基質。
本明細書で記載されるように、本発明の特定の実施形態は、薬学的に受容可能な酸を用いて薬学的に受容可能な塩を合成可能な塩基性官能基(例えば、アミノまたはアルキルアミノ)を含有してもよい。用語「薬学的に受容可能な塩」は、この観点では、本発明の化合物の無機酸付加塩および有機酸付加塩のうち、比較的毒性の低いものを指す。これらの塩は、投与ビヒクルまたは投薬形態を製造するプロセスでin situで調製することができるか、または本発明の精製した化合物を遊離塩基形態で適切な有機酸または無機酸と反応させ、生成した塩を精製工程中に単離することによって調製することができる。代表的な塩としては、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、硫化水素酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩、メシル酸塩、グルコヘプタン酸塩、ラクトビオン酸塩およびラウリル硫酸塩などが挙げられる(例えば、Bergeら(1977)「Pharmaceutical Salts」,J.Pharm.Sci.66:1−19(本明細書に参考として組み込まれる)を参照)。
目的化合物の薬学的に受容可能な塩としては、従来の毒性のない塩または四級アンモニウム塩(例えば、毒性のない有機酸または無機酸から得られる)が挙げられる。例えば、このような従来の毒性のない塩としては、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸など)から誘導される塩;および有機酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イソチオン酸など)から調製される塩が挙げられる。
他の場合では、本発明の化合物は、薬学的に受容可能な酸を用いて薬学的に受容可能な塩を合成可能な1個以上の酸性官能基を含有してもよい。用語「薬学的に受容可能な塩」は、この観点では、本発明の化合物の無機塩基付加塩および有機塩基付加塩のうち、比較的毒性の低いものを指す。これらの塩は同様に、投与ビヒクルまたは投薬形態を製造するプロセスでin situで調製することができるか、または本発明の精製した化合物を遊離塩基形態で適切な塩基(例えば、薬学的に受容可能な金属カチオンの水酸化物、炭酸塩または炭酸水素酸塩、アンモニア、または薬学的に受容可能な有機一級、二級または三級アミン)と反応させることによって調製することができる。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩およびアルミニウム塩などが挙げられる。塩基付加塩を合成するのに有用な代表的な有機アミンとしては、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジンなどが挙げられる(例えば、Bergeら(前出)を参照)。
湿潤剤、乳化剤および滑沢剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム)および着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤および香料、防腐剤および酸化防止剤も本組成物に存在してよい。
薬学的に受容可能な酸化防止剤の例としては、以下のものが挙げられる:水溶性酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸、塩酸システイン、硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなど);油溶性酸化防止剤(例えば、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α−トコフェロールなど);および金属キレート化剤(例えば、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸など)。
本発明の処方物としては、経口投与、経鼻投与、局所投与(口腔投与および舌下投与を含む)、直腸投与、膣投与および/または非経口投与に適したものが挙げられる。この処方物は、簡便には単位投薬形態で存在してもよく、製薬学分野で周知の任意の方法によって調製してもよい。単一の投薬形態を製造するためにキャリア物質と組み合わせ可能な活性成分の量は、治療される宿主および特定の投薬形態によって変わる。単一の投薬形態を製造するためにキャリア物質と組み合わせ可能な活性成分の量は、一般的には、その化合物が治療効果を与える量である。一般的には、この量は、活性成分の約1%〜約99%、好ましくは約5%〜約70%、最も好ましくは約10%〜約30%である。
特定の実施形態では、本発明の処方物は、シクロデキストリン、リポソーム、ミセル形成剤(例えば、胆汁酸)およびポリマーキャリア(例えば、ポリエステルおよびポリ酸無水物)からなる群より選択される賦形剤と、本発明の化合物とを含む。特定の実施形態では、上述の処方物は、本発明の化合物を経口投与可能な状態にする。
これらの処方物または組成物を調製する方法は、本発明の化合物とキャリアと、場合により1つ以上の補助成分とを組み合わせる工程を含む。概して、この処方物は、本発明の化合物と、液体キャリアまたは正確に分けられた固体キャリアまたは両方のキャリアとを均一かつ精密に組み合わせ、必要な場合には、成型して製品にすることによって調製される。
経口投与に適した本発明の処方物は、カプセル、小袋、丸薬、錠剤、トローチ剤(香味ベース、通常はショ糖およびアカシアまたはトラガカントを用いる)、粉末、顆粒、または水性または非水性の水溶液または懸濁物、または水中油または油中水のエマルション、またはエリキシル剤またはシロップ、または芳香錠(不活性ベース、例えばゼラチンおよびグリセリン、またはショ糖およびアカシアを用いる)および/またはマウスウォッシュなどの形態であってもよく、それぞれの形態は、所定量の本発明の化合物を活性成分として含有する。本発明の化合物は、ボーラス、舐剤またはペーストとして投与してもよい。
本発明の経口投与用の固体投薬形態(カプセル、錠剤、丸薬、糖衣錠、粉末、顆粒など)では、活性成分を1つ以上の薬学的に受容可能なキャリア、例えば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム、および/または以下のもののうちいずれかと混合する。:フィラーまたは増量剤、例えば、デンプン、ラクトース、ショ糖、グルコース、マンニトールおよび/またはケイ酸;バインダー、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖および/またはアカシア;保湿剤、例えば、グリセロール;崩壊剤、例えば、寒天−寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩および炭酸ナトリウム;溶液緩染剤、例えば、パラフィン;吸収促進剤、例えば、四級アンモニウム化合物;湿潤剤、例えば、セチルアルコール、グリセロールモノステアレートおよび非イオン性界面活性剤;吸収剤、例えば、カオリンおよびベントナイトクレー;滑沢剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムおよびその混合物;および着色剤。カプセル、錠剤および丸薬の場合には、薬学的組成物は緩衝剤を含んでもよい。ラクトースまたは乳糖および高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を用いて、同様の種類の固体組成物を軟質および硬質ゼラチンカプセルのフィラーとして使用してもよい。
場合により1つ以上の補助成分を用いて、圧縮成型または成型によって錠剤を製造してもよい。圧縮成型された錠剤は、バインダー(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、防腐剤、崩壊剤(例えば、ナトリウムデンプングリコレートまたは架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース)、表面活性剤または分散剤を用いて調製してもよい。成型された錠剤は、粉砕した化合物の混合物を不活性液体希釈剤で湿らせて、適切な機械で製造してもよい。
本発明の薬学的組成物の錠剤および他の固体投薬形態(例えば、糖衣錠、カプセル、丸薬および顆粒)は、場合により、コーティングまたはシェル(例えば、腸溶性コーティングおよび医薬処方分野で周知の他のコーティング)を用いてランク分けされるか、または調製されてもよい。上述のものは、例えば、所望の放出プロフィール、他のポリマーマトリックス、リポソームおよび/または微小球を与えるためにヒドロキシプロピルメチルセルロースを種々の比率で用いて、中に含まれる活性成分の放出を遅らせるかまたは制御するように処方化されてもよい。上述のものは、例えば、凍結乾燥して、迅速に放出するように処方化されてもよい。上述のものは、例えば、細菌保持フィルターを介する濾過によって、または使用直前に滅菌水またはいくつかの他の滅菌注射用媒体に溶解可能な滅菌固体組成物に滅菌剤を組み込むことによって滅菌されてもよい。これらの組成物は、場合により、乳白剤を含有してもよく、活性成分のみを放出するか、または胃腸管で特定の比率で、場合により遅延様式で活性成分を放出する組成物であってもよい。使用可能な埋包組成物の例としては、ポリマー基質およびワックスが挙げられる。活性成分は、マイクロカプセル化された形態であってもよく、適切な場合、1つ以上の上述の賦形剤を用いていてもよい。
本発明の化合物を経口投与するための液体投薬形態としては、薬学的に受容可能なエマルション、マイクロエマルション、溶液、懸濁物、シロップおよびエリキシル剤が挙げられる。活性成分に加え、液体投薬形態は、当該技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタン脂肪酸エステルおよびこれらの混合物を含有してもよい。
不活性希釈剤以外に、経口組成物は、補助剤(例えば、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味剤、香味剤、着色剤、香料および防腐剤)を含んでもよい。
懸濁物は、活性化合物に加えて、懸濁剤(例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微晶質セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天−寒天およびトラガカントおよびこれらの混合物)を含有してもよい。
直腸投与または膣投与のための本発明の薬学的組成物の処方物は、座剤として存在してもよく、この座剤は、1つ以上の本発明の化合物と、例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、座剤ワックスまたはサリチル酸塩を含む1つ以上の適切な非刺激性賦形剤またはキャリアとを混合することによって調製してもよく、この座剤は室温では固体であるが、体温では液体であり、これによって腸または膣では溶解し、活性化合物を放出する。
膣投与に適した本発明の処方物としては、適切な当該技術分野で既知のキャリアを含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡状物またはスプレー処方物が挙げられる。
本発明の化合物を局所投与または経皮投与するための投薬形態としては、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチおよび吸入剤が挙げられる。活性化合物を、薬学的に受容可能なキャリアと、所望な場合に任意の防腐剤、バッファーまたは噴射剤と滅菌条件下で混合してもよい。
軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、本発明の活性成分に加えて、賦形剤(例えば、動物脂肪および植物脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛またはこれらの混合物)を含有してもよい。
粉末およびスプレーは、本発明の活性成分に加えて、賦形剤、例えば、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの基質の混合物を含有してもよい。スプレーは、一般的な噴射剤(例えば、クロロフルオロ炭化水素)およびブタンおよびプロパンのような揮発性非置換炭化水素をさらに含有してもよい。
経皮パッチは、本発明の化合物を制御しながら身体に送達できるというさらなる利点を有する。この化合物を適切な媒体に溶解または分散させ、このような投薬形態を製造することができる。吸収性向上剤を使用して、皮膚への化合物の流動性を高めてもよい。膜の速度を制御するかまたはポリマーマトリックスまたはゲル中に化合物を分散させることにより、このような流動速度を制御することができる。
眼用処方物、眼用軟膏、粉末、溶液なども本発明の範囲内であると考える。
非経口投与に適した本発明の薬学的組成物は、1つ以上の薬学的に受容可能な滅菌等張食塩水または非水溶液、分散物、懸濁物またはエマルション、または使用直前に滅菌注射用溶液または分散液に再構築可能な滅菌粉末と組み合わせて、1つ以上の本発明の化合物を含み、糖、アルコール、酸化防止剤、バッファー、静菌剤、目的の受容者の血液を用いて処方物を等張性にする溶質または懸濁剤または増粘剤を含有してもよい。
本発明の薬学的組成物で使用可能な適切な水溶性および非水溶性キャリアの例としては、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)およびこれらの適切な混合物、植物油(例えばオリーブ油)および注射用有機エステル(例えばオレイン酸エチル)が挙げられる。例えば、分散剤の場合にはコーティング物質(例えばレシチン)を用いて所望な粒径を維持することによって、界面活性剤を使用することによって適切な流動性を維持させることができる。
これらの組成物は、アジュバント、例えば、防腐剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤を含有してもよい。目的化合物を種々の抗菌剤および抗真菌剤を含むことによって微生物の作用を予防することは、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸によって達成される。糖、塩化ナトリウムなどの等張剤を組成物に入れることも望ましい場合がある。それに加えて、注射用医薬形態の長期間にわたる吸収は、吸収を遅らせる薬剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)を加えることによってもたらされてもよい。
いくつかの場合には、薬物の効果を長続きさせるために、皮下注射または筋肉内注射後の薬物の吸収を遅らせることが望ましい。この効果は、水溶性の低い結晶またはアモルファス物質の液体懸濁物を用いることによって達成してもよい。薬物の吸収速度は分解速度に依存し、分解速度は結晶の大きさおよび形状に依存する場合がある。
あるいは、非経口投与された薬物の遅延吸収は、油性ビヒクルに薬物を溶解または懸濁させることによって達成される。
注射用デポー形態は、目的の化合物を生分解性ポリマー(例えばポリラクチド−ポリグリコリド)内にマイクロカプセル化したマトリックスを作成することによって製造される。ポリマーに対する薬物の比率と使用する特定のポリマーの性質を変えることによって、薬物放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ酸無水物が挙げられる。注射用デポー処方物は、身体組織に適合性のあるリポソームまたはマイクロエマルションの中に薬物を入れることによっても調製される。
特定の実施形態では、化合物または製剤は経口投与される。他の実施形態では、化合物または製剤は、静脈投与される。それ以外の投与経路としては、舌下投与、筋肉投与および経皮投与が挙げられる。
本発明の化合物が医薬品としてヒトおよび動物に投与される場合、そのままの状態で与えてもよいし、例えば、活性成分0.1%〜99.5%(さらに好ましくは0.5%〜90%)を薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて含有する薬学的組成物で与えられてもよい。
本発明の製剤は、経口投与、非経口投与、局所投与または直腸投与されてもよい。製剤は、各投与経路に適した形態で与えられることはもちろんである。例えば、錠剤またはカプセルの形態で注射、吸入によって投与され、眼用ローション、軟膏、座剤の形態で注射、注入または吸入によって投与され、ローションまたは軟膏の形態で局所投与され、座剤の形態で直腸投与される。経口投与が好ましい。
句「非経口投与」および「非経口投与される」は、本明細書で使用される場合、腸投与および局所投与以外の投与態様(通常は、注入による)を意味し、限定されないが、静脈、筋肉、膜下、関節、眼窩内、心腔内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、髄腔内および胸骨内への注射および注入を意味する。
句「全身投与」、「全身に投与される」、「抹消投与」および「抹消に投与される」は、本明細書で使用される場合、中枢神経系に直接投与する以外の方法で化合物、薬物または他の物質を投与する(例えば、代謝および他の同様のプロセスを目的とする患者のシステムに入れる、例えば、皮下投与する)ことを意味する。
これらの化合物は、任意の適切な投与形態(例えば、スプレーによる経口、経鼻、粉末、軟膏または点薬による直腸、膣内、非経口、槽内、および口腔および舌下を含む局所を含む)によって、治療目的でヒトおよび他の動物に投与されてもよい。
選択した投与経路にかかわらず、本発明の化合物(適切な水和形態で使用されてもよい)および/または本発明の薬学的組成物は、当業者に既知の従来の方法によって薬学的に受容可能な投薬形態に処方化される。
本発明の薬学的組成物中の活性成分の実際の投薬濃度は、患者にとって有毒ではない状態で、特定の患者、組成物および投与態様で所望な治療応答を達成する活性成分の量が得られるように変えてもよい。
投薬濃度の選択は、使用する本発明の特定の化合物またはそのエステルまたは塩の活性、投与経路、投与時間、使用する特定の化合物の排出速度または代謝速度、治療期間、使用する特定の化合物と組み合わせて使用する他の薬物、化合物および/または物質、治療される患者の年齢、性別、体重、状態、健康状態および病歴などの医学分野で周知の因子を含む種々の因子によって変わる。
当該技術分野の技術常識を有する医師または獣医師は、必要な薬学的組成物の有効量を容易に決定し、処方することができる。例えば、医師または獣医師は、薬学的組成物で使用する本発明の化合物を所望な治療効果を達成する濃度よりも低い濃度で投薬を開始し、望ましい効果が得られるまで徐々に投薬量を上げていく。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物または薬学的組成物は、シヌクレイン障害の被験体に継続して与えられる。継続的な治療としては、長期間投与するための任意の形態の繰り返し投与が挙げられ、例えば、1ヶ月以上、1ヶ月から1年、1年以上、またはそれ以上の繰り返し投与が挙げられる。多くの実施形態では、継続的な治療は、本発明の化合物または薬学的組成物をシヌクレイン障害の被験体に一生にわたって繰り返し投与することを含む。好ましい継続的な治療は、規則的な投与(例えば、1日に1回以上、週に1回以上、または1ヶ月に1回以上)を含む。概して、本発明の化合物の1日分として適切な投薬量は、治療効果を発揮するのに有効な必要最低限の量である。このような有効な投薬量は、一般的に、上述の因子に依存する。患者にとって指定の効果を与えるために使用される本発明の化合物の一般的な投薬量は、体重1kgあたり約0.0001〜約100mg/日である。好ましくは、化合物の1日の投薬量は、体重1kgあたり0.001〜50mg/kg、さらに好ましくは体重1kgあたり0.01〜10mg/kgである。しかし、この量よりも少ない投薬量または多い投薬量を用いることもできる。いくつかの実施形態では、被験体に投与される投薬量は、被験体の年齢、体重、疾患の進行度または他の因子による被験体の生理的変数によって変えてもよい。
望ましい場合、活性化合物の有効な1日分の投薬量は、1日のうち適切な間隔をあけて2回、3回、4回、5回、6回またはそれ以上にわけて、場合によっては単一の投薬形態で投与してもよい。
本発明の化合物を単独で投与することも可能であるが、上述の薬学的処方物(組成物)として投与することが好ましい。
本発明の化合物は、他の医薬品と同様に、ヒト用または動物用の医薬で使用する任意の簡便な様式で投与するために処方化されてもよい。
本発明によれば、神経状態または疾患を治療するための化合物は、上述の化合物が血液脳関門(BBB)を通り抜ける方法を用いて処方化または投与することができる。脊椎動物の脳[およびCNS]は、身体の任意の他の臓器とは異なる固有の毛管系を有している。この固有の毛管系は、血液脳関門(BBB)を形成する形態的特徴を有している。血液脳関門は、脳の間質腔と血液とを分けるシステム全体の膜として作用する。
BBBを形成する脳の毛管の固有の形態的特徴は以下のとおりである:(a)上皮に似た高い抵抗を有し、脳の毛管の内皮がすべて文字通り強固に結合して密着結合している、および(b)抹消臓器の内皮には豊富にある飲作用が低いかまたは経内皮チャネルが少ない。血液脳関門が固有の特徴を有することによって、身体の他の組織には容易に接近可能な親水性の薬物およびペプチドは、脳に入ることができないか、または入る速度が抑えられ、および/または脳の蓄積量は非常に低くなる。
本発明の1つの態様では、BBBを通り抜けるファルネシルトランスフェラーゼ阻害化合物は、シヌクレイン障害を治療するのに特に有用である。一実施形態では、電荷を有していない(例えば、正電荷を有していない)および/または脂溶性ではないファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤は、電荷を有している(例えば、正電荷を有している)および/または脂溶性の化合物よりも効率よくBBBを通過すると予想される。それ故に、本発明の化合物のうちいくつかはBBBを容易に通過することを当業者は理解するであろう。あるいは、本発明の化合物は、例えば、あまり親水性を上げずにBBBを容易に通過できるような種々の置換基を加えることによって改変することができる。
上述の薬物を脳に導入するために、血液脳関門を通過させる方法以外の種々の方法論が開発されている。広く使用されている方法論は、薬物を脳に直接送達する侵襲的手技を含む。このうちの1つの手技は、血液脳関門を迂回するために脳室系にカテーテルを移植し、脳に薬物を直接送達する方法である。これらの手技は、髄膜に関する脳疾患(例えば脳の白血病障害)の治療に使用されている(US4,902,505、その全体が本明細書に参考として組み込まれる)。
薬物を脳室に直接送達するための侵襲的手技によってある程度成功例もあるが、この方法では脳組織の表面領域にしか薬物を分配することしかできず、脳の深部構造には分配できないという制限がある。さらに、侵襲的手技は患者にとって悪影響を与える可能性が高い。
血液脳関門を迂回する他のアプローチは、薬物の変換または親水性薬物を脂溶性薬物に変換することを含む薬理学に基づいた手順を使用する。薬物を変換する主なアプローチは、薬物のヒドロキシル基、カルボキシル基および一級アミン基をブロックして脂溶性を上げ、血液脳関門を通りやすくすることを含む。
薬物のBBB透過性を上げる別のアプローチは、血液脳関門を一時的に開かせる高張性基質を動脈内に吸入し、親水性薬物の通り道を作ることを含む。しかし、高張性基質は潜在的に有毒であり、血液脳関門にダメージを与えることがある。
本発明のペプチド組成物は、親水性ペプチド薬物を移動可能なペプチドに接合したキメラペプチドを用いて投与し、親水性ペプチド単独よりもきわめて速い速度でトランスサイトーシスによって血液脳関門を通してもよい。適切な移動可能なペプチドとしては、限定されないが、ヒストン、インスリン、トランスフェリン、インスリン様成長因子I(IGF−I)、インスリン様成長因子II(IGF−II)、塩基性アルブミンおよびプロラクチンが挙げられる。
本発明の組成物を送達するための別の方法は、抗体を用いる方法である。例えば、脳毛管内皮細胞に存在するトランスフェリン受容体に反応する抗体を神経薬剤に接合し、抗体−神経薬剤接合体を製造することができる(米国特許第5,004,697号、その全体が本明細書に参考として組み込まれる)。この方法は、抗体が、脳毛管内皮細胞に存在するトランスフェリン受容体に結合し、神経薬剤が薬学的に活性な形態で血液脳関門を通って移動する条件下で行われる。抗体の脳への吸収量または移動量は、抗体をカチオン化して、8.0〜11.0の等電点を有するカチオン化抗体を合成することによって大きく高めることもできる(米国特許第5,527,527号、その全体が本明細書に参考として組み込まれる)。
リガンド−神経薬剤融合タンパク質を用いる方法は、組成物を宿主に送達するのに有用な別の方法である(米国特許第5,977,307号、その全体が本明細書に参考として組み込まれる)。このリガンドは、脳毛管の内皮細胞受容体と反応する。この方法は、リガンドが、脳毛管内皮細胞に存在する受容体に結合し、神経薬剤が薬学的に活性な形態で血液脳関門を通って移動する条件下で行われる。いくつかの実施形態では、リガンド結合特性と、神経薬剤の特徴をあわせもつリガンド−神経薬剤融合タンパク質は、遺伝子操作技術を用いて、隣接するタンパク質として製造することができる。遺伝子構築物は、タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドをコードするDNAに融合するリガンドをコードするDNAを含み、血液脳関門を通って送達されるように調製することができる。所望な融合タンパク質を適切に発現させるために、リガンドコード配列および薬剤コード配列を適切な様式で発現ベクターに挿入する。遺伝子融合物は、リガンド部分と神経薬剤部分とを含有する隣接するタンパク質分子として発現する。
血液脳関門の透過性は、血液脳関門アゴニスト(例えばブラジキニン)を投与することによって上げることができ(米国特許第5,112,596号、その全体が本明細書に参考として組み込まれる)、または受容体媒介性透過剤(RMP)と呼ばれるポリペプチド(米国特許第5,268,164号、その全体が本明細書に参考として組み込まれる)によって上げることができる。外因性分子は、宿主の血流に皮下注射、静脈注射または筋肉注射によって、または身体組織(例えば、消化管、呼吸器系または皮膚)からの吸収によって非経口投与することができる。分子の投与形態(例えば、カプセル、錠剤、溶液、エマルション)は、少なくとも一部分は、投与形態に依存する。宿主の血流への外因性分子の投与と、血液脳関門透過性を有するアゴニストの静脈注射とは、同時または逐次的に行ってもよい。例えば、治療薬物を錠剤形態で経口投与し、血液脳関門透過性を有するアゴニストの静脈投与をその後で行ってもよい(例えば、30分後〜数時間後)。これにより、アゴニストが血液脳関門の薬物透過性を上げる前に、薬物が胃腸管に吸収され、血流に入る時間ができる。一方、薬物を静脈注射する前またはそれと同時に、血液脳関門透過性を有するアゴニスト(例えばブラジキニン)を投与することができる。このように、用語「同時投与」は、本明細書では、血液脳関門アゴニストと外因性分子とが、血液脳関門の透過性を上げる効果と、血液から中枢神経系の細胞に外因性薬物を最大限輸送可能にするという効果とを同時に得るために十分な血中濃度を達成するタイミングで投与することを意味する。
他の実施形態では、本発明の化合物は、脂肪酸キャリア(と、場合により、別の神経活性薬物)を用いてプロドラッグとして処方化することができる。プロドラッグは、胃および血流の両方の環境下で安定であり、経口摂取によって送達可能になる。プロドラッグは血液脳関門を容易に通過する。プロドラッグは、好ましくは、脳透過指数が薬物単独の場合の少なくとも2倍である。中枢神経系に入ると、プロドラッグ(好ましくは不活性である)は、脂肪酸キャリアとファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(と、場合により別の薬物)に加水分解する。キャリアは、好ましくは、中枢神経系の通常の成分であり、不活性で無毒である。化合物および/または薬物は、脂肪酸キャリアから放出されると、活性になる。好ましくは、脂肪酸キャリアは、約16〜26個の炭素原子、さらに好ましくは20〜24個の炭素原子を有する部分的に飽和の直鎖分子である。脂肪酸キャリアの例は、米国特許第4,939,174号;同第4,933,324号;同第5,994,932号;同第6,107,499号;同第6,258,836号;および同第6,407,137号に記載されている(開示内容はその全体が本明細書に参考として組み込まれる)。
本発明の薬剤は、予防目的または治療目的のいずれで投与されてもよい。予防的に与えられる場合、この薬剤は、疾患の症状が進行するより前に与えられる。薬剤を予防的に投与することは、シヌクレイン障害の症状の発症を予防するか、または発症率を下げることに役立つ。治療的に与えられる場合、この薬剤は、実際の疾患の症状の発症時(または発症してすぐ)に与えられる。いくつかの実施形態では、薬剤を治療的に投与することは、疾患の重篤度を下げ、継続期間を短くするのに役立つ。
本発明の上述の実施形態および他の実施形態の機能および利点は、以下に記載される実施例を見ればもっと完全に理解されるであろう。以下の実施例は、本発明の利点を示すためのものであるが、本発明の範囲全体を示したものではない。
(実験手順)
組織培養物:全細胞株はATCCから得た。SH−SY5YおよびCos−7を10% FBS DMEM(Sigma)中で成長させた。トランスフェクション、代謝標識および薬物治療を含む実験前日に細胞を分けた。
タンパク質および抗体:UCH−L1改変体を公開された手順にしたがって精製した。シヌクレイン抗体(SYN−1)をSigma Transduction Labから購入した。アクチン抗体およびFLAG抗体(M2)をSigmaから購入した。UCH−L1抗体(抗−Pop 9.5)をChemiconから購入した。
化学物質:FTI−277およびラクタシスチンをCalbiochemから購入した。架橋試薬DEをPierceから購入した。DMEMおよびMEMをGibcoから購入した。他の物質は全てSigmaから購入した。
プラスミド:C220S cDNAは、PCR部位特異的突然変異によって作成した。PCRの場合、5’プライマーはuchforw配列番号1(CTAAAGCTTATGCAGCTCAAGCCGATGGAG)であり、3’プライマーはuchc220s配列番号2(CTAAGACTCGAGTTAGGCTGCCTTGCTGAGAGC)である。Wt UCH−L1をテンプレートとして準備した。PCRフラグメントをpcDNAベクターに挿入した。SUNC220S変異体、S18Y UCH−L1をPCRのテンプレートとして準備した。FLAGタグ化UCH−L1の場合、5’プライマーはFLAGuchforw配列番号3(CTAAAGCTTATGGACTACAAGGATGACGACGACAAAGATGCAGCTCAAGCCGATGGAG)であり、3’プライマーはuchrev配列番号4(ATCCTCGAGTTAGGCTGCCTTGACGAGAGC)である。Wt UCH−L1またはC220Sをテンプレートとして準備した。PCRフラグメントを精製し、pcDNAベクターに挿入した。FLAGタグ化UCH−L3の場合、5’プライマーはL3HindIII配列番号5(CTAAAGCTTATGGACTACAAGGATGACGACGACAAAGATGGAGGGTCAACGCTGGCTG)であり、3’プライマーはL3XhoISAA配列番号6(ATCCTCGAGCTATGCTGCAGAAAGAGCAATCGCA)である。UCH−L3 CKAA改変体の場合、5’プライマーはL3HindIIIであり、3’プライマーはL3XhoICKAA配列番号7(ATCCTCGAGCTATGCTGCCTTAGAAAGAGCAATCGCATTAAATC)である。
α−シヌクレイン変性アッセイ:リポフェクタミン2000を使用し、Invitrogenプロトコルに従ってCOS−7細胞をトランスフェクトした。トランスフェクトされた細胞を37℃で48時間培養した後、35μMラクタシスチンまたはDMSOで処理した。24時間インキュベートした後、細胞をTrisバッファー(50mM Tris、2% SDS、0.1% NP−40)に溶解させ、SDS−PAGEを行い、定量ウェスタンブロッティングを行った。
SVフラクションの塩処理および洗剤処理:SVフラクションを他の文書に記載されているように調製した。SVを種々の塩または1% Triton X−100とともに所定濃度で氷上で30分間インキュベートするか、または塩も洗剤も存在しないコントロールを同様にインキュベートした。処理したSVを100,000gで30分間ペレット状にした。上清およびペレットについて、SDS−PAGEおよびウェスタンブロッティングを行った。
膜分画:細胞を収集し、PBSで洗浄した。プロテアーゼ阻害剤混合物(Sigma)を追加した溶解バッファー(50mM Tris−HCl、1mM EDTA)に細胞ペレットを懸濁させ、26G針を10回通して均一にした。懸濁物を600gで5分間回転させ、透明にした。透明懸濁物を100,000gで2時間遠心分離し、膜と細胞質ゾルとに分けた。膜フラクションを洗浄バッファー(50mM Tris−HCl、1mM EDTA、1M NaCl)で洗浄し、それぞれベンチトップ遠心分離機でペレット状にした。
2D電気泳動:全ての細胞タンパク質を単離するために、培養したSH−SY5Y細胞を上述のように維持しておき、これを氷冷したPBSで洗浄した。細胞をプロテアーゼ阻害剤混合物を追加したSDSバッファー1ml(50mM Tris−HCl、pH8.0 0.1%SDS)に溶解させた。溶解物を3分間沸騰させ、上述のようにDnaseおよびRnaseで処理した。溶解物を氷冷したアセトンで2時間処理して沈殿させ、ペレットを2Dサンプルバッファー(8M 尿素、0.5% CHAPS、0.2% DTT、0.5% IPGバッファー、0.002%ブロモフェノールブルー)に懸濁させた。2D電気泳動を製造者のプロトコル(Amersham Life Science)に従って行った。7cmのpH4〜7片を使用した。SH−SY5Y膜フラクション、培養したSH−SY5Y細胞を冷PBSで洗浄し、溶解バッファー(50mM Tris−HCl、pH8.0、1mM ZnAc2、250mM ショ糖)を用いて集めた。溶解物を25G針に数回通し、1000gで5分間回転させた。上清を200,000gで2時間遠心分離した。ペレットを溶解バッファーで十分に洗浄し、冷アセトンで抽出した。ペレットを2Dサンプルバッファーに再懸濁させた。
ウイルス感染:SH−SY5Y細胞のウイルス感染およびMTTアッセイ:ウイルスを増殖させ、公開されている手順に従って精製した。SH−SY5Y細胞を100mmペトリ皿で成長させ、100nM レチノイン酸で3〜5日間誘発させ、所望のM.I.O75でウイルス感染させた。ウイルスをDPBSで希釈して所望のM.I.O.にした。4時間インキュベーションした後、成長培地10mlを添加した。2日目に、細胞を96ウェルプレートに分け、化合物で48時間処理した。各ウェルの成長培地を5ug/ml MTTと交換した。3時間インキュベーションした後に培地を取り除き、イソプロピル(0.04N HCl)を各ウェルに添加した。シグナルを570nmで読み取った。
生存細胞計測:所定の時間点で、SH−SY5Y細胞を100ul トリプシン−EDTAで1分間トリプシン化し、成長培地400ulで中和した。成長倍地中の細胞0.2ml、HBSS0.3mlおよび0.4% Trypan Blue溶液0.5mlを混合することによって細胞懸濁物を作成した。標準的な細胞計測チャンバによって生存細胞数を計測した。
ウェスタンブロッティング:NC膜にSDSゲルを移した後、全部の膜をTBST(50mM Tris−HCl pH7.4、150mM NaCl、0.1% Tween 20)中の5%無脂肪乳でブロックし、一次抗体をTBST中の1%BSAとともに一晩インキュベートし、TBSTで3回洗浄し、西洋ワサビペルオキシダーゼに接合した二次抗体とともに1時間インキュベートした(Promega)。結合した抗体を増感化学発光法(NEM)を用いて検出した。
(実施例1:UCH−L1をインビボおよび細胞培養物で集める)
UCH−L1配列はCXXX配列、コンセンサスファルネシル化部位をC末端に含んでいる。この配列はUCI−L3には存在しない。この配列をインビボで改変する可能性を調べた。第1に、UCH−L1とラットの脳由来のシナプス小胞とのすでに報告されている結合について調べた。
結果を図1に示す。パネルA:SVフラクションのアリコートを、KCl、NaCl、MgClまたは1% Triton X−100で処理することによって、SV由来のシナプシンI、シナプシンおよびUCH−L1の結合に対する種々の量の塩および非イオン性洗剤の効果を分析した。膜フラクションおよび可溶性フラクションを遠心分離によって分け、各フラクションについてSDS−PAGEを行った後、ウェスタンブロットを行った。a(シナプシンI)、c(シナフィジン(synaphysin))およびe(UCH−L1)はペレットの結果であり、(シナプシンI)、d(シナフィジン)およびf(UCH−L1)は上清フラクションの結果である。内在性膜タンパク質ではないシナプシン(図1のパネルA、列aおよびb)とは異なり、シナフィジン(列cおよびd)と同様に、UCH−L1(列eおよびf)は、塩濃度が増加することによって小胞フラクションから分離しなくなった。洗剤を用いて処理した場合にはUCH−L1のみが十分に可溶化し、この現象はファルネシル化と一致していた。
二次元SDS−PAGE電気泳動によるSH−SY5Y神経芽腫細胞由来の種々のフラクションの分析(ラットの脳でも同様の結果が得られたが、示していない)により、全ホモジネートで主要な2つの種および少量の2つの種が示され、膜と結合したフラクションで1つの種が示された(図1のパネルB:2D電気泳動分析を用いて検出した後、ウェスタンブロッティングによってSH−SY5Y細胞では3種以上のUCH−L1が存在した(ゲルa))。
これらのうち1種のみ(白矢印)が膜と結合している(ゲルb)。SH−SY5Y細胞をFTI−277で処理したもの(ゲルd)では、DMSOで処理した細胞(ゲルc)と比較して、細胞質(黒矢印)の量に影響を与えることなく、膜に結合したUCH−L1(白矢印)の量が顕著に減少している。この種は、完全にファルネシル化され、処理された(切断され、末端がメチル化された)種であると考えられる。
この仮定と一致して、この細胞をファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤FTI−277で処理すると、膜に結合した種の量が減少した。さらに、UCH−L1を含有する種を抗−ファルネシル抗体(Calbiochem)によって全細胞溶解物から免疫沈降させた。最後に、この細胞を14C−メバロン酸またはH−ファルネソールで処理すると、UCH−L1に放射能標識が組み込まれた(図1のパネルC)。
UCH−L1は、インビボで[14C]メバロネート修飾され(ゲルa)、[H]ファルネソール修飾された(ゲルb)。
C220S変異体をCOS−7細胞にトランスフェクトすると放射能取り込みが抑えられ、膜に結合した種がなくなった(示していない)。図1のパネルDは、いずれかのUCH−1L改変体でトランスフェクトされたCOS−7細胞の膜フラクションで、C220S変異体ではなくWT UCH−L1が検出されたことを示している。
(実施例2:ファルネシル化部位の除去は、UCH−L1のインビトロ酵素活性または凝集性に影響を与えない)
C220S変異体を公開された方法を用いてE.coliで発現させ、精製した。UCH−L1の構造モデルの実験から予想されるように、点変異はインビトロ加水分解酵素活性になんら影響を与えず(図2のパネルA)、またはリガーゼ活性にもなんら影響を与えなかった(パネルB)。(A)UCH−1,1 WT(黒色の円)またはC220S(白色の円)のいずれかに対して種々の量のUb−AMCを滴定した場合のMichaelis−Mentenプロットから、同程度の加水分解活性があることが示された。(B)変異は、リガーゼ活性においてUCH−L1に影響を与えない。それに加えて、C220S変異体は、S18をオリゴマー化させる性質を失っていなかった。この発見から、細胞培養物中のC220Sの効果を試験する方法が明らかになった。
(実施例3:UCH−L1をファルネシル化し、膜に結合させるには、COS−7細胞におけるα−シヌクレインの蓄積を促進する必要がある)
C220S変異によって、COS−7細胞においてS18がα−シヌクレイン蓄積を促進する能力が失われたが、SM18Y多形体ではなんら影響がなかった(図2のパネルC:
16kDa α−シヌクレインの相対量を定量し、UCH−L1改変体存在下でトランスフェクトされたCOS−7細胞のアクチン量に対して正規化した。プロテアソーム阻害剤ラクタシスチンで処理した細胞ではα−シヌクレインが100%蓄積した。この発見は、UCH−L1ファルネシル化と膜への結合の両方が必要であることを示唆していた。後者の可能性を別々に考えるために、変異体形態UCH−L3を構築し、UCH−L1ファルネシル化配列をUCH−L3のC末端に追加した。このタンパク質では、α−シヌクレインは、ファルネシル化され、膜に組み込まれているにもかかわらず(示さない)、蓄積しなかった(パネル(D):UCH−L1およびUCH−L3改変体でトランスフェクトされたCOS−7細胞内のα−シヌクレイン相対量を比較した)。従って、活性加水分解酵素が膜に結合するだけでは、α−シヌクレインが蓄積するには不十分であった。
(実施例4:ファルネシル化の阻害が、SH−SY5Y細胞で過剰発現したα−シヌクレインによって生じる細胞死を防ぐ)
α−シヌクレインの神経毒性は用量依存であるため、UCH−L1のファルネシル化によって生じるα−シヌクレインの蓄積によって毒性が上がるはずである。本願発明者らは、哺乳動物の神経芽細胞腫のSH−SY5Y細胞でこのことが正しいことを示した。このドーパミン作動性細胞株を使用し、パーキンによってα−シヌクレイン毒性が下がり、一次ドーパミン性培養物でもこの効果が示されることを示した。これらの細胞は、高濃度の内因性UCH−L1を発現する。アデノウイルスベクターで感染させると、α−シヌクレイン遺伝子が過剰に発現し(内因性の濃度と比較した場合)、この毒性をTrypanブルー(図3)およびMTTアッセイ(図4)で示した。図3は、α−シヌクレインを発現するアデノウイルスに感染したSH−SY5Y細胞をDMSOで処理したもの(A)、FTI−277で処理したもの(B)、LDN57414で処理したもの(C)、FTI−277およびLDN57414で処理したもの(D)を示す。(E)DMSOで処理した細胞(下側の黒色の円)、FTI−277で処理した細胞(上側の黒色の円)、LDN57414で処理した細胞(白色の三角)またはLDN57414およびFTI−277で処理した細胞(黒色の三角)をトリパンブルーで染色せずに計測することによって生存細胞数を定量した。y軸の単位は10/mlである。(F)MTTアッセイを用いた代謝活性量によって細胞生存率を評価した。図4は、以下のことを示す:(A)DMSOで処置した後(黒色の三角)またはFTI−277で処置した後(白色の三角)のα−シヌクレインを発現するアデノウイルスで感染したSH−SY5Y細胞の生存率、およびDMSOで処置した後(黒色の丸)またはFTI−277で処置した後(白色の丸)lacZを発現するアデノウイルスで感染した細胞の生存率、およびDMSOで処置した後(黒色の四角)またはFTI−277で処置した後(白色の四角)の空のアデノウイルス(empty adenovirus)で感染した細胞の生存率をMTTアッセイで評価した。α−シヌクレインを発現するアデノウイルスで感染したSH−SY5Yでのα−シヌクレイン蓄積に対するFTI−277の効果をウェスタンブロッティングによって評価し(B)、α−シヌクレインの量(C)をNIH Imageプログラムを用いて定両氏、アクチン量で正規化した。
市販の低分子ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤FTI−277は、膜に結合するファルネシル化種の量を減らすことがすでに示されており(図1のパネルBの列d)、細胞の減少率が顕著に減った(図3のパネルBとパネルAとを比較)。この神経保護効果は、低分子UCH−L1阻害剤を同時投与することによって失われ(示さない)、このことは、FTI効果が主にUCH−L1に対する効果であることを示唆している。FTI−277で処置すると、膜に結合したタンパク質の量が減るのに加え、SH−SY5Y細胞のUCH−L1量が減り、ターンオーバー率が上昇した(パルスチェイス実験、示さない)。この処置によって、これらの細胞でのα−シヌクレインの量も減った(図4のパネルBおよびC)。
以下の刊行物は、有用なトランスフェラーゼ阻害化合物、その構造的アナログおよび機能的アナログおよび組成物および関連する合成方法を記載している:US6,258,824、US6,388,092、US6,710,209、US6,479,513、US6,740,757、US6,734,308、US6,645,982、US6,579,887、US6,545,020、US6,458,800、US6,451,812、US6,420,387、US6,294,552、US6,187,786、US6,177,432、US6,169,096、US6,150,377、US6,037,350、US5,968,952、WO2002050058、WO2002085364、WO2002064142、WO2002043733、WO2001064252、US2002019530、US2002120145、US2003212008、WO2001064246、US2003022918、WO2001064226、US2003027808、US2003114487、US2004192727、WO2001064218、US2003125326、WO2001064217、US2003078281、WO2001064199、US2003181473、WO2001064198、US2003050323、WO2001064197、US2003125268、WO2001064196、US2003060480、WO2001064195、US2003186925、WO2001064194、US2003100553、WO2001062234、US2003060450、WO2001056552、US2003027839、WO2000001411、US6545020、WO2000001386、US6451812、WO9855124、US6365600、US2002091138、WO9721701、US6169096、US6420387、WO2002024687、US2003199547、WO2002024686、US2003207887、WO2002024683、WO2002072574、US6358961、WO2003080058、WO2003/021355、WO2001/53289、WO2000/47574およびWO2000/12499(これらはそれぞれ本明細書に参考として組み込まれる)。これらの特許、公開された特許文書および化学文献の開示は、その全体が本明細書に参考として組み込まれる。
(実施例5:Zarnestraで処置すると、脳内のα−シヌクレインの濃度が下がる)
ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤であるZarnestraおよびOSI−754を、Masliahら(Masliahら「Dopaminergic loss and inclusion body formation in alpha−synuclein mice: implications for neurodegenerative disorders」Science 287(5456):1265−69,2000(本明細書に参考として組み込まれる)に記載のα−シヌクレイントランスジェニック株を有するマウスに投与した。この株由来の動物は、α−シヌクレインニューロン含有物を皮質、海馬および嗅球に有している(Masliahら「Dopaminergic loss and inclusion body formation in alpha−synuclein mice: implications for neurodegenerative disorders」Science 287(5456):1265−69,2000(本明細書に参考として組み込まれる)。20%シクロデキストリン溶液中のFTIまたは同じ体積のビヒクルのみのいずれかを、1日に2回、30日間または90日間トランスジェニックマウスに経口投与した。いくつかの場合では、トランスジェニックではないマウスにも、ビヒクルを1日に2回、30〜90日間与えた。処置終了時に、マウスを殺し、脳を取り出し、二等分した。二等分したもののうち1つを4%パラホルムアルデヒド/PBS(pH7.4)で固定し、冷凍保存し、組織に分けた。もう一つの二等分したものを皮質および海馬を含む4つの脳領域に分け、均質にし、細胞質および膜フラクションに分けた。
Zamestra 35mg/kgで1日に2回、30日間処理したトランスジェニック動物は、ビヒクルのみを投与したトランスジェニック動物よりも含有物が少なかった。皮質および海馬でのα−シヌクレイン含有物の形成を、全長ヒトα−シヌクレインの交代を用いて免疫染色させることによって調べた。ヒトα−シヌクレインに対して陽性の細胞を定量した。両方の領域で、Zarnestraを投与したトランスジェニックマウスは、ビヒクルで処理したものと比べて、1mmあたりのα−シヌクレイン陽性細胞の量が顕著に少なくなっていた(図6)。代表的な画像を図7に示す。これらの領域をユビキチン免疫反応性含有物について分析し、銀染色を用いるCampbell Switzer法によって分析した。ユビキチンは、レビー小体の構築物であることが知られており、トランスジェニックマウス株におけるα−シヌクレイン含有物がこの試験では使用されている(Masliahら「Dopaminergic loss and inclusion body formation in alpha−synuclein mice: implications for neurodegenerative disorders」Science 287(5456):1265−69,2000(本明細書に参考として組み込まれる)。Zarnestraを投与されたトランスジェニックマウスでは、ビヒクル単独で処理したものよりもユビキチン免疫反応性含有物が少なくなっていた(図8)。Campbell−Switzer染色は、レビー小体型の含有物の一般的なマーカーである(Uchiharaら「Silver stainings distinguish Lewy Body and glial cytoplasmic inclusions:comparison between Gallyas−Braak and Campbell−Switzer methods」Acta Neuropathol.(Berl.)110(3):255−60,2005(本明細書に参考として組み込まれる))。Zarnestraで処理したトランスジェニックマウスでは、ビヒクル単独のものよりも含有物が少なくなっていた(図9)。
Zamestra 35mg/kgで1日に2回、30日間処置すると、トランスジェニックマウスの皮質のα−シヌクレインタンパク質濃度およびトランスジェニックマウスの皮質のファルネシル化UCH−L1量が減少した。全α−シヌクレイン量をすでに記載されているものと同様のサンドイッチELISAアッセイで分析した(El−Agnafら「Detection of oligomeric forms of alpha−synuclein protein in human plasma as a potential biomarker for Parkinson’s disease」FASEB J.20(3):419−25,2006(本明細書に参考として組み込まれる))。ビヒクルで処理した動物の皮質では、α−シヌクレイントランスジェニック株のα−シヌクレインタンパク質濃度は、トランスジェニックではないマウスよりも、細胞質(図10)でも膜フラクション(図11)でも高い。Zarnestraを投与されたトランスジェニックマウスは、ビヒクルで処理したトランスジェニックマウスよりもα−シヌクレインタンパク質濃度が低く、細胞質(図10)でも膜フラクション(図11)(それぞれ可溶性α−シヌクレインおよび不溶性α−シヌクレインをあらわす)でもトランスジェニックではないマウス群とほぼ同じ値が検出された。皮質のファルネシル化UCH−L1は、膜フラクションに含まれている。UCH−L1の量を定量ウェスタン Blotで算出した。ビヒクルで処理したα−シヌクレイントランスジェニックマウスは、トランスジェニックではないマウスよりもファルネシル化UCH−L1が顕著に多かった。Zarnestraで処置すると、ビヒクルのみを投与したトランスジェニックではないマウスと比較してトランスジェニックマウスのファルネシル化UCH−L1の量が減った(図12)。
OST−754 45mg/kgで1日2回、30日間処置すると、トランスジェニックマウスの皮質のα−シヌクレインタンパク質濃度およびトランスジェニックマウスの皮質のファルネシル化UCH−L1量が減少した。全α−シヌクレイン量をサンドイッチELISAアッセイで分析した。OSI−754を投与したトランスジェニックマウスは、ビヒクルで処理したトランスジェニックマウスと比べて、α−シヌクレインタンパク質濃度が細胞質(図13)でも膜フラクション(図14)でも低かった。ファルネシル化UCH−L1の量を定量ウェスタン Blotによって算出し、アクチンに対して正規化した。OST−754で処置すると、トランスジェニックマウスのファルネシル化UCH−L1量が減った(図15)。
OST−754 45mg/kgで1日2回90日間、またはOST−754 9mg/kgで1日2回90日間処置したトランスジェニックα−シヌクレインマウスは、ビヒクル単独を投与したトランスジェニックマウスと比べて含有物が少なくなっていた。皮質および海馬でのα−シヌクレイン含有物の形成を、全長ヒトα−シヌクレインに対する抗体を用いた免疫染色によって調べた。ヒトα−シヌクレインに対して陽性の細胞を定量した。両方の領域で、OSI−754を投与したトランスジェニックマウスは、ビヒクルで処理したものと比べて、1mmあたりのα−シヌクレイン陽性細胞の量が少なくなっていた(図16)。代表的な画像を図17に示す。
本発明のいくつかの代表的な実施形態を示したが、上述の実施形態は単に代表的なものであり、一例としてあらわされているだけで、限定するものではないことは当業者にとっては明らかなはずである。数の変更および他の代表的な実施形態は、当業者の技術常識の範囲内であり、本発明の範囲に入ると考える。特に、本明細書に示された例の多くは、特定の方法作用の組み合わせまたはシステム要素の組み合わせを含み、これらの作用および要素を他の様式で組み合わせて同じ目的を達成してもよいことが理解されるべきである。作用、要素および特徴がたった1つの実施形態と組み合わせた状態でのみ記載されている場合であっても、他の実施形態での同様の役割を排除することを意図しているものではない。さらに、特許請求の範囲に引用される1つ以上のmeans−plus−functionによる限定では、引用された機能を発揮させるのに本明細書に開示された手段に限定されることを意図したものではなく、引用された機能を発揮させるのに現時点で既知である任意の手段または将来開発される任意の手段を含むことを意図している。特許請求の範囲で特許請求される要素を改変するための順序をあらわす用語(例えば、「第1」、「第2」、「第3」など)の使用は、優先度、優位性またはある要素の別の要素に対する順序または方法の作用が発揮される一時的な順序を暗示するものではなく、ある特許請求される特定の名称を有する要素を、そのクレームの要素を区別するための同じ名称を有する別の要素と区別するためのラベルとして使用している(一般的な用語として使用する場合)。同様に、(a)、(b)など、または(i)、(ii)などは、優先度、優位性または特許請求の範囲の工程の順序を暗示するものではない。同様に、明細書中のこれらの用語の使用は、優先度、優位性または順序を暗示するものではない。
この明細書は、当業者が本発明を実施することができるようほど十分なものであると考える。実施零は本発明の1つの態様を代表するものに過ぎず、他の機能的に等価な実施形態が本発明の範囲内にあることが意図されているため、本発明は、記載された実施例の範囲に限定されるものではない。本明細書に図示され、記載されたものに加え、本発明の種々の改変は、上の記載から当業者にとっては明らかであり、添付の特許請求の範囲内にある。本発明の利点および目的は、本発明の各実施形態に必ずしも包含されているわけではない。
図1は、UCH−L1の膜結合がファルネシル化によって制御されていることを示す。 図2は、C220S変異が、α−シヌクレイン分解に対するUCH−1L WTの阻害効果に影響しないことを示す。 図3Aは、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤が、α−シヌクレインを過剰発現する感染したSH−SY5Y細胞におけるα−シヌクレインの毒性を下げることを示す。 図3Bは、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤が、α−シヌクレインを過剰発現する感染したSH−SY5Y細胞におけるα−シヌクレインの毒性を下げることを示す。 図3Cは、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤が、α−シヌクレインを過剰発現する感染したSH−SY5Y細胞におけるα−シヌクレインの毒性を下げることを示す。 図3Dは、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤が、α−シヌクレインを過剰発現する感染したSH−SY5Y細胞におけるα−シヌクレインの毒性を下げることを示す。 図3Eは、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤が、α−シヌクレインを過剰発現する感染したSH−SY5Y細胞におけるα−シヌクレインの毒性を下げることを示す。 図3Fは、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤が、α−シヌクレインを過剰発現する感染したSH−SY5Y細胞におけるα−シヌクレインの毒性を下げることを示す。 図4は、FTI−277が、α−シヌクレイン蓄積量を下げることによって、SH−SY5Y細胞におけるα−シヌクレイン毒性を下げることを示す。 図5は、化合物OSI−754(CP−609,754)およびOS1−427(CP−663,427)の式を示す。 図6は、11月齢のα−シヌクレイントランスジェニックマウスをZarnestraおよびコントロールで30日間処置した後の皮質(上側パネル)および海馬(下側パネル)におけるα−シヌクレイン免疫反応性が陽性の細胞数を示すグラフである。 図7は、(A)ビヒクルで処置したα−シヌクレイントランスジェニックマウス(左側パネル)またはZarnestraで処置したα−シヌクレイントランスジェニックマウス(右側パネル)の前頭皮質;および(B)ビヒクルで処置したα−シヌクレイントランスジェニックマウス(左側パネル)またはZarnestraで処置したα−シヌクレイントランスジェニックマウス(右側パネル)の海馬を示す。脳の部分の免疫蛍光分析は、全長ヒトα−シヌクレインに対する一次抗体を用い、次いで、二次Cy2接合抗体を用いて行った。拡大:100倍。 図8は、ビヒクルで処置したα−シヌクレイントランスジェニックマウス(左側パネル)またはZarnestraで処置したα−シヌクレイントランスジェニックマウス(右側パネル)の皮質および海馬のニューロン層の一部分でのユビキチン免疫組織化学を示す。拡大:200倍。 図9は、ビヒクルで処置したα−シヌクレイントランスジェニックマウス(左側パネル)またはZarnestraで処置したα−シヌクレイントランスジェニックマウス(右側パネル)のレビー小体型の含有物のCampbell Switzer染色を示す。拡大:400倍。 図10は、トランスジェニックではないマウス(ntg)またはα−シヌクレイントランスジェニックマウス(syn tg)を30日間処置した後の皮質フラクションのELISAによるα−シヌクレインの定量結果を示す。 図11は、トランスジェニックではないマウス(ntg)またはα−シヌクレイントランスジェニックマウス(syn tg)を30日間処置した後の膜フラクションのELISAによるα−シヌクレインの定量結果を示す。 図12は、トランスジェニックではないマウス(ntg)またはα−シヌクレイントランスジェニックマウス(syn tg)を30日間処置した後の皮質由来の膜フラクションのファルネシル化UCH−L1の定量結果を示す。 図13は、トランスジェニックではないマウス(ntg)またはα−シヌクレイントランスジェニックマウス(syn tg)を30日間処置した後の皮質由来の細胞質フラクションのELISAによるα−シヌクレインの定量結果を示す。 図14は、トランスジェニックではないマウス(ntg)またはα−シヌクレイントランスジェニックマウス(syn tg)を30日間処置した後の皮質由来の膜フラクションのELISAによるα−シヌクレインの定量結果を示す。 図15は、α−シヌクレイントランスジェニックマウスを30日間処置した後の皮質由来の膜フラクションのUCH−L1の定量結果を示す。 図16は、7月齢のα−シヌクレイントランスジェニックマウスを90日間処置した後の皮質(上側パネル)および海馬(下側パネル)におけるα−シヌクレイン免疫反応性が陽性の細胞数を示すグラフである。 図17は、ビヒクルまたはOSI−754で90日間処置した後の7月齢のα−シヌクレイントランスジェニックマウスの海馬を示す。脳の部分の免疫蛍光分析は、全長ヒトα−シヌクレインに対する一次抗体を用い、次いで、二次Cy2接合抗体を用いて行った。拡大:20倍。

Claims (77)

  1. シヌクレイン障害の被験体を治療する方法であって、該方法が、治療的に有効な量の式:
    Figure 2009521470
    のファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤またはその薬学的に受容可能な誘導体、アナログ、立体異性体、異性体、溶媒和物または塩をシヌクレイン障害の被験体に投与する工程を含む、方法。
  2. シヌクレイン障害の被験体を治療する方法であって、該方法が、治療的に有効な量の式:
    Figure 2009521470
    のファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤またはその薬学的に受容可能な誘導体、アナログ、立体異性体、異性体、溶媒和物または塩をシヌクレイン障害の被験体に投与する工程を含む、方法。
  3. 前記ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤が酒石酸塩形態である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記シヌクレイン障害の被験体が、パーキンソン病、びまん性レビー小体病および多系統萎縮症からなる群より選択されるシヌクレイン障害を有する、請求項1または2に記載の方法。
  5. 前記被験体がヒトである、請求項1または2に記載の方法。
  6. 前記治療的に有効な量が、1日に1回〜1ヶ月に1回の投与頻度で体重1kgあたり約10ng〜約1000mgを含む、請求項1または2に記載の方法。
  7. 神経障害を治療するのに有効な量の1つ以上のファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤ではない化合物を前記被験体に投与する工程をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
  8. 前記ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤ではない化合物はそれぞれ、ドーパミンアゴニスト、ドーパ脱炭酸酵素阻害剤、ドーパミン前駆体、モノアミン酸化酵素遮断剤、カテコールO−メチルトランスフェラーゼ阻害剤、抗コリン作用剤およびNMDAアンタゴニストからなる群より選択される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤ではない化合物はそれぞれ、メマンチン、アリセプトおよび他のアセチルコリンエステラーゼ阻害剤からなる群より選択される、請求項7に記載の方法。
  10. 請求項1または2に記載のファルネシルトランスフェラーゼ阻害化合物と、薬学的に受容可能な賦形剤とを含む、シヌクレイン障害の被験体を治療するための薬学的組成物。
  11. 前記シヌクレイン障害が、パーキンソン病、びまん性レビー小体病および多系統萎縮症からなる群より選択される、請求項10に記載の薬学的組成物。
  12. 神経障害を治療するのに有効な1つ以上のファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤ではない化合物をさらに含む、請求項10に記載の薬学的組成物。
  13. 前記ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤ではない化合物はそれぞれ、ドーパミンアゴニスト、ドーパ脱炭酸酵素阻害剤、ドーパミン前駆体、モノアミン酸化酵素遮断剤、カテコールO−メチルトランスフェラーゼ阻害剤、抗コリン作用剤およびNMDAアンタゴニストからなる群より選択される、請求項12に記載の薬学的組成物。
  14. 包装材料と、請求項1または2に記載のファルネシルトランスフェラーゼ阻害化合物とを含み、シヌクレイン障害を治療するために被験体に該ファルネシルトランスフェラーゼ阻害化合物を投与することができることを指示するラベルまたは添付文書をさらに備えている、製造物品。
  15. 前記シヌクレイン障害が、パーキンソン病、びまん性レビー小体病および多系統萎縮症からなる群より選択される、請求項14に記載の製造物品。
  16. 神経障害を治療するのに有効な1つ以上のファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤ではない化合物をさらに含む、請求項14に記載の製造物品。
  17. 前記ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤ではない化合物はそれぞれ、ドーパミンアゴニスト、ドーパ脱炭酸酵素阻害剤、ドーパミン前駆体、モノアミン酸化酵素遮断剤、カテコールO−メチルトランスフェラーゼ阻害剤、抗コリン作用剤およびNMDAアンタゴニストからなる群より選択される、請求項14に記載の製造物品。
  18. シヌクレイン障害の被験体を治療する方法であって、該方法が、治療的に有効な量の式(I):
    Figure 2009521470
    〔式中、
    点線は、キノリン−2−オン環のC−3とC−4との結合が単結合または二重結合であることを示し;
    は、H、C〜C10アルキル、−(CR1314C(O)R12、−(CR1314C(O)OR15、−(CR1314OR12、−(CR1314SO15、−(CR1314(C〜C10シクロアルキル)、−(CR1314(C〜C10アリール)および−(CR1314(4〜10員環ヘテロ環)から選択され、tは0〜5の整数であり、qは1〜5の整数であり、該シクロアルキル、アリールおよびヘテロ環のR基は、場合により、C〜C10アリール基、C〜C飽和環状基または4〜10員環ヘテロ環基へ縮合しており;上述のR基(Hを除くが、上述の任意の縮合環を含む)は、場合により1〜4個のR基で置換されており;
    は、ハロ、シアノ、−C(O)OR15、またはR12の定義に記載される置換基から選択される基であり;
    、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して、H、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、ハロ、シアノ、ニトロ、メルカプト、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アジド、−OR12、−C(O)R12、−C(O)OR12、−NR13C(O)OR15、−OC(O)R12、−NR13SO15、−SONR1213、−NR13C(O)R12、−C(O)NR1213、−NR1213、−CH=NOR12、−S(O)12(jは0〜2の整数である)、−(CR1314(C〜C10アリール)、−(CR1314(4〜10員環ヘテロ環)、−(CR1314(C〜C10シクロアルキル)および−(CR1314C≡CR16から選択され、上述のR、R、R、RおよびR基において、tは0〜5の整数であり;上述の基のシクロアルキル、アリールおよびヘテロ環部分は、場合により、C〜C10アリール基、C〜C飽和環状基または4〜10員環ヘテロ環基へ縮合しており;該アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールおよびヘテロ環基は、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アジド、−NR13SO15、−SONR1213、−C(O)R12、−C(O)OR12、−OC(O)R12、−NR13C(O)OR15、−NR13C(O)R12、−C(O)NR1213、−NR1213、−OR12、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、−(CR1314(C〜C10アリール)および−(CR1314(4〜10員環ヘテロ環)から独立して選択される1〜3個の置換基によって場合により置換され、tは0〜5の整数であり;
    は、H、−OR12、−NR1213、−NR12C(O)R13、シアノ、−C(O)OR13、−SR12、−(CR1314(4〜10員環ヘテロ環)(tは0〜5の整数である)またはC〜Cアルキルであり、該ヘテロ環およびアルキル部分は、1〜3個のR置換基で場合により置換され;
    は、−(CR1314(イミダゾリル)であり、tは0〜5の整数であり、前記イミダゾリル部分は、1個または2個のR置換基で場合により置換され;
    10およびR11はそれぞれ、Rの定義に記載される置換基から独立して選択され;
    12はそれぞれ独立して、H〜C10アルキル、−(CR1314(C〜C10シクロアルキル)、−(CR1314(C〜C10アリール)および−(CR1314(4〜10員環ヘテロ環)から選択され、tは0〜5の整数であり;前記シクロアルキル、アリールおよびヘテロ環のR12基は、場合により、C〜C10アリール基、C〜C飽和環状基または4〜10員環ヘテロ環基へ縮合しており;上述のR12基(Hを除く)は、場合により、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、アジド、−C(O)R13、−C(O)OR13、−OC(O)R13、−NR13C(O)R14、−C(O)NR1314、−NR1314、ヒドロキシ、C〜CアルキルおよびC〜Cアルコキシから独立して選択される1〜3個の置換基で置換され;
    13およびR14はそれぞれ独立してHまたはC〜Cアルキルであり、−(CR1314または(CR1314の場合、R13およびR14は1個を超えるqまたはtのそれぞれの繰り返しについてそれぞれ独立して定義され;
    15は、R12の定義で記載される置換基から選択されるが、ただしR15はHではなく;
    16は、R12の定義で記載される置換基のリストおよび−SiR171819から選択され;
    17、R18およびR19は、それぞれ独立してR12の定義で記載される置換基から選択されるが、ただしR17、R18およびR19はHではなく;
    ただし、R、RおよびRのうち少なくとも1つは−(CR1314C≡CR16であり、tは0〜5の整数であり、R13、R14およびR16は上に定義されるとおりである〕
    のファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤またはその誘導体、アナログ、立体異性体、異性体、溶媒和物または塩をシヌクレイン障害の被験体に投与する工程を含む、方法。
  19. がメチルである、請求項18に記載の方法。
  20. 前記点線が単結合をあらわす、請求項18に記載の方法。
  21. が水素またはC1〜6アルキルである、請求項18に記載の方法。
  22. が水素である、請求項18に記載の方法。
  23. が、水素、ハロゲンまたはC〜Cアルキルである、請求項18に記載の方法。
  24. が水素であり、Rが水素であり、Rがエチニルである、請求項18に記載の方法。
  25. 、RおよびRのうち少なくとも1つがエチニルである、請求項18に記載の方法。
  26. 、RおよびRのうち少なくとも1つが−(CR1314C≡CR16である、請求項18に記載の方法。
  27. が水素である、請求項18に記載の方法。
  28. が水素である、請求項18に記載の方法。
  29. が、水素、−OR12または−NR1213である、請求項18に記載の方法。
  30. が−OHである、請求項18に記載の方法。
  31. が−NHである、請求項18に記載の方法。

  32. Figure 2009521470
    である、請求項18に記載の方法。

  33. Figure 2009521470
    である、請求項18に記載の方法。
  34. 10が水素である、請求項18に記載の方法。
  35. 10がハロゲンである、請求項18に記載の方法。
  36. 10が塩素である、請求項18に記載の方法。
  37. 10およびR11のうち少なくとも1つが水素である、請求項18に記載の方法。
  38. 前記化合物の立体化学が以下の式:
    Figure 2009521470
    に示されるとおりである、請求項18に記載の方法。
  39. 前記化合物の立体化学が以下の式:
    Figure 2009521470
    に示されるとおりである、請求項18に記載の方法。
  40. 前記化合物が以下の式:
    Figure 2009521470
    である、請求項18に記載の方法。
  41. 前記化合物が以下の式:
    Figure 2009521470
    である、請求項18に記載の方法。
  42. 前記化合物が以下の式:
    Figure 2009521470
    のうちの1つである、請求項18に記載の方法。
  43. 前記化合物が以下の式:
    Figure 2009521470
    である、請求項18に記載の方法。
  44. 前記シヌクレイン障害の被験体が、パーキンソン病、びまん性レビー小体病および多系統萎縮症からなる群より選択されるシヌクレイン障害を有する、請求項18に記載の方法。
  45. 前記被験体がヒトである、請求項18に記載の方法。
  46. 有効量が、1日に1回〜1ヶ月に1回の投与頻度で体重1kgあたり約10ng〜約1000mgを含む、請求項18に記載の方法。
  47. 神経障害を治療するのに有効な量の1つ以上のファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤ではない化合物を前記被験体に投与する工程をさらに含む、請求項18に記載の方法。
  48. 前記ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤ではない化合物はそれぞれ、ドーパミンアゴニスト、ドーパ脱炭酸酵素阻害剤、ドーパミン前駆体、モノアミン酸化酵素遮断剤、カテコールO−メチルトランスフェラーゼ阻害剤、抗コリン作用剤およびNMDAアンタゴニストからなる群より選択される、請求項47に記載の方法。
  49. 前記ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤ではない化合物はそれぞれ、メマンチン、アリセプトおよび他のアセチルコリンエステラーゼ阻害剤からなる群より選択される、請求項47に記載の方法。
  50. 請求項18に記載のファルネシルトランスフェラーゼ阻害化合物と、薬学的に受容可能な賦形剤とを含む、シヌクレイン障害を治療するための薬学的組成物。
  51. 前記シヌクレイン障害が、パーキンソン病、びまん性レビー小体病および多系統萎縮症からなる群より選択される、請求項50に記載の薬学的組成物。
  52. 神経障害を治療するのに有効な1つ以上のファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤ではない化合物をさらに含む、請求項50に記載の薬学的組成物。
  53. 包装材料と、請求項18に記載のファルネシルトランスフェラーゼ阻害化合物とを含み、シヌクレイン障害を治療するために被験体に該ファルネシルトランスフェラーゼ阻害化合物を投与することができることを指示するラベルまたは添付文書をさらに備えている、製造物品。
  54. 前記シヌクレイン障害が、パーキンソン病、びまん性レビー小体病および多系統萎縮症からなる群より選択される、請求項53に記載の製造物品。
  55. 神経障害を治療するのに有効な1つ以上のファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤ではない化合物をさらに含む、請求項53に記載の製造物品。
  56. 前記ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤ではない化合物はそれぞれ、ドーパミンアゴニスト、ドーパ脱炭酸酵素阻害剤、ドーパミン前駆体、モノアミン酸化酵素遮断剤、カテコールO−メチルトランスフェラーゼ阻害剤、抗コリン作用剤およびNMDAアンタゴニストからなる群より選択される、請求項55に記載の製造物品。
  57. シヌクレイン障害の被験体を治療する方法であって、該方法が、治療的に有効な量の6−[(4−クロロ−フェニル)−ヒドロキシ(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)−メチル]−4−(3−エチニル−フェニル)−1−メチル−1H−キノリン−2−オン,2,3−ジヒドロキシブタンジオエートをシヌクレイン障害の被験体に投与する工程を含む、方法。
  58. シヌクレイン障害の被験体を治療する方法であって、該方法が、治療的に有効な量の6−[アミノ−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)−メチル]−4−(3−クロロ−フェニル)−1−シクロプロピルメチル−1H−キノリン−2−オンをシヌクレイン障害の被験体に投与する工程を含む、方法。
  59. 前記シヌクレイン障害の被験体が、パーキンソン病、びまん性レビー小体病および多系統萎縮症からなる群より選択されるシヌクレイン障害を有する、請求項57または58に記載の方法。
  60. 前記被験体がヒトである、請求項57または58に記載の方法。
  61. 前記有効な量が、1日に1回〜1ヶ月に1回の投与頻度で体重1kgあたり約10ng〜約1000mgを含む、請求項57または58に記載の方法。
  62. 神経障害を治療するのに有効な量の1つ以上のファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤ではない化合物を前記被験体に投与する工程をさらに含む、請求項57または58に記載の方法。
  63. 前記ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤ではない化合物はそれぞれ、ドーパミンアゴニスト、ドーパ脱炭酸酵素阻害剤、ドーパミン前駆体、モノアミン酸化酵素遮断剤、カテコールO−メチルトランスフェラーゼ阻害剤、抗コリン作用剤およびNMDAアンタゴニストからなる群より選択される、請求項62に記載の方法。
  64. 前記ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤ではない化合物はそれぞれ、メマンチン、アリセプトおよび他のアセチルコリンエステラーゼ阻害剤からなる群より選択される、請求項62に記載の方法。
  65. 6−[(4−クロロ−フェニル)−ヒドロキシ(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)−メチル]−4−(3−エチニル−フェニル)−1−メチル−1H−キノリン−2−オン,2,3−ジヒドロキシブタンジオエートと薬学的に受容可能な賦形剤とを含む、シヌクレイン障害を治療するための薬学的組成物。
  66. 6−[アミノ−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)−メチル]−4−(3−クロロ−フェニル)−1−シクロプロピルメチル−1H−キノリン−2−オンと薬学的に受容可能な賦形剤とを含む、シヌクレイン障害を治療するための薬学的組成物。
  67. 前記シヌクレイン障害が、パーキンソン病、びまん性レビー小体病および多系統萎縮症からなる群より選択される、請求項65または66に記載の薬学的組成物。
  68. 神経障害を治療するのに有効な1つ以上のファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤ではない化合物をさらに含む、請求項65または66に記載の薬学的組成物。
  69. 包装材料と、6−[(4−クロロ−フェニル)−ヒドロキシ(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)−メチル]−4−(3−エチニル−フェニル)−1−メチル−1H−キノリン−2−オン,2,3−ジヒドロキシブタンジオエートとを含み、シヌクレイン障害を治療するために被験体に該ファルネシルトランスフェラーゼ阻害化合物を投与することができることを指示するラベルまたは添付文書をさらに備えている、製造物品。
  70. 包装材料と、6−[アミノ−(6−クロロ−ピリジン−3−イル)−(3−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)−メチル]−4−(3−クロロ−フェニル)−1−シクロプロピルメチル−1H−キノリン−2−オンとを含み、シヌクレイン障害を治療するために被験体に該ファルネシルトランスフェラーゼ阻害化合物を投与することができることを指示するラベルまたは添付文書をさらに備えている、製造物品。
  71. 前記シヌクレイン障害が、パーキンソン病、びまん性レビー小体病および多系統萎縮症からなる群より選択される、請求項69または70に記載の薬学的組成物。
  72. 神経障害を治療するのに有効な1つ以上のファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤ではない化合物をさらに含む、請求項69または70に記載の薬学的組成物。
  73. 前記ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤ではない化合物はそれぞれ、ドーパミンアゴニスト、ドーパ脱炭酸酵素阻害剤、ドーパミン前駆体、モノアミン酸化酵素遮断剤、カテコールO−メチルトランスフェラーゼ阻害剤、抗コリン作用剤およびNMDAアンタゴニストからなる群より選択される、請求項72に記載の製造物品。
  74. 細胞におけるα−シヌクレイン毒性を減らす方法であって、該方法は、治療的に有効な量の式:
    Figure 2009521470
    のファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤またはその薬学的に受容可能な誘導体、アナログ、立体異性体、異性体、溶媒和物または塩を細胞に投与する工程を含む、方法。
  75. 細胞におけるα−シヌクレイン毒性を減らす方法であって、該方法は、治療的に有効な量の式:
    Figure 2009521470
    のファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤またはその薬学的に受容可能な誘導体、アナログ、立体異性体、異性体、溶媒和物または塩を細胞に投与する工程を含む、方法。
  76. 前記細胞が神経細胞である、請求項74または75に記載の方法。
  77. 前記細胞がα−シヌクレインを発現する、請求項74または75に記載の方法。
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