JP2009521305A - 空気浄化用フィルタ素材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、大気中の空気から汚染物質等を効果的に浄化し、使用時間及び使用周期の延長が可能であるフィルタ濾材及びその製造方法に関するものである。さらに詳細には、密度勾配を有する二つ以上の多層からなり、空気流入口側に設けられる密度勾配を有する一つ以上の不織布繊維層と、流体の出口側に最終層として設けられるメルトブローン層を含み、メルトブローン層は、溶融温度が異なる異性分からなる空気浄化用フィルタ濾材及びその製造方法に関する。本発明のフィルタ濾材は、メルトブローン濾材を最終層にする時、発生する強度低下及び繊維離脱、後加工性を改善する。また、微細粒子の捕集効率及び捕集量の機能性が向上しているので自動車又は建物の空調機等の濾過装置等に好適に適用できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、大気中の空気から汚染物質等を効果的に浄化して、長時間の使用周期の延長が可能であるフィルタ濾材、及び、その製造方法に関するものである。さらに詳細には、密度勾配を有する二つ以上の多層からなり、空気流入口の側に設けられる密度勾配を有する一つ以上の不織布繊維層と、流体の出口側に最終層として設けられるメルトブローン層とを含み、前記メルトブローン層は、溶融温度が異なる異性分からなる空気浄化用フィルタ濾材及びその製造方法に関するものである。
一般に、内燃機関のエンジンは、ガソリン又はディーゼル油のような液化燃料と、LPG等の気体燃料とを供給して、エンジンを駆動させているが、燃料は、空気中の酸素と混合される混合ガスの形態で燃焼室に供給され、燃焼爆発が行われる。この際、混合ガスを作る為にエンジンに流入される大気中の空気は、埃等の異物質が含まれているので、不完全燃焼が誘発され、車両の円滑な運行に影響を及ぼす。また、エンジンの中に異物質が流入してエンジンのシリンダの壁に溜まると、エンジンの耐久性を低下させるという問題点がある。
従来、自動車用のエンジンに於いて、エアクリーナーには、空気の濾過媒体が装着され、オイルフィルタには、エンジンの中に入っている潤滑油に含まれた不純物を除去する為に、オイル濾過媒体が装着される。
これらの濾過媒体の中には、各種の異物質を除去する為に、異物質の大きさと量によって技術的に設計された様々な濾紙が、濾過媒体として装着される。これらの濾過媒体は、エンジンが駆動する間必要とされる空気や潤滑油の流れと、その量を十分にする為に不純物を除去する濾過効率と、濾過寿命と、を持たなければならない。
しかし、実質的に不純物を十分に捕集するように濾過媒体を製作しようとすると、濾過媒体の通気孔を微細に形成しなければならないので、通気孔が詰りやすくなる。即ち、これらの媒体は、長時間にわたって使用することができないという短所がある。逆に、通気孔を大きく形成すると、微細埃が通過して濾過効率は悪くなる。従って、濾過効率と寿命を共に満足させる濾材の開発が必要である。
一般に、自動車用のフィルタ素材としては、濾紙と不織布が多く使用されている。濾紙は、適用分野によって天然パルプと合成繊維を適切に配合した後、解離(dissociation)工程−こう解(beating)工程−シートフォーミング工程−含浸工程−乾燥工程−ワインディング工程によって製造される。不織布は、その製造方式によって、スパンボンド、スパンレース、化学結合、熱結合、ニードルパンチング、メルトブローン等の多くの種類に分類される。しかし、内燃機関用の素材として主に使用されるものは、適切な配合の繊維をカーディングした後多層構造に製作し、ニードルパンチング、熱圧着、化学処理、乾燥等の工程を経て最終の不織布濾材に製作されるものである。
濾紙と不織布のフィルタの性能を比較すれば、前述のように、各濾材の製造方式による濾紙の場合厚みが薄く、密度が高いので通気性は低いが粒子を捕集する捕集効率の面では長所がある。また、フィルタ素材として適用されると、広い面積が要求されるという短所と加工性が良いという長所がある。
不織布の場合は、厚みが厚く、密度が低いので通気性が良く、粒子を捕集する捕集寿命が非常に高いという長所はあるが、微細粒子の捕集効率が低く、後加工性が良くないという短所がある。
メルトブローンの場合、極細繊維の形成が可能であるため、空気清浄機等の様々なフィルタの素材として使用されているが、強度及び繊維離脱、そして折り曲げの際の繊維破断等の問題で、単独には使用し難い。
従来、空気清浄用素材としては、韓国特許出願第2000−0068955号(2000.11.20)には、空気の流入側から流出側に二つ以上の繊維層が密度勾配を形成し、各層の繊維は、樹脂接着剤を使用せずに熱融着結合されたものからなるフィルタ濾材が開示されている。また、韓国特許出願第1999−0058756号(1999.12.17)には、メルトブローン層と不織布が樹脂接着剤によって付着されたフィルタ濾材が開示されている。また、韓国特許出願第1999−0039101号(1999.09.13)には、粗密層、中間層、バルキー層が樹脂接着剤を使用せずに熱融着によって結合されたフィルタ濾材が開示されている。
しかし、これらの従来技術によって、メルトブローン繊維と通気性不織布を結合する過程でニードルパンチング法を使用する場合、単繊維であるメルトブローン繊維の破裂が発生して、ニードルによって大きい気孔が形成され、フィルタの効率が低下するという問題がある。そのため、フィルタの効率を良くする為に、メルトブローン素材を最終層に使用することは、好ましくなかった。これは、メルトブローン繊維が単繊維からなり、強度及び引張力が弱い為である。
現在、メルトブローン繊維を他の通気性不織布と結合する工程は、熱融着または樹脂接着方式を用いるものが知られているが、これらの工程は、製造コストが高く、使用された低融点樹脂及び接着剤等によって、繊維の気孔詰まりを招き、フィルタの性能に悪い影響を与えた。一方、メルトブローン繊維が適用されない熱結合(Thermal bond)又はニードルパンチング(Needle punching)の後、熱結合を利用した従来の濾材の場合には、密度勾配を形成した多層素材の中で最終層(Fine層)を構成する為に、極細低融点繊維及び極細繊維を50%以上使用することにより、気孔詰まりによる通気性低下、生産性低下及び高コストという短所がある。
以上の従来技術による不織布の結合方式を整理すると、不織布と他の不織布を結合する場合には、1)密度勾配形成の後ニードルパンチングを使用して結合する方法、2)化学結合する方法、3)低融点繊維を混合した密度勾配を利用して熱融着(Thermal bond)する方法、及び、4)ホットメルト接着剤類及び樹脂バインダーを利用した接着方法及びこれらを混合した方法があるが、多層の中で最終層は、極細繊維(1.5デニール以下の繊維)の比率が増加することにより混繊及び開繊の際、生産性低下及び低融点樹脂使用によるコスト上昇の問題がある。また、ニードルパンチング結合の際、ニードルによるメルトブローンの破断、及び、不織布層における孔(hole)の発生のためフィルタ効率が減少し、多量の低融点樹脂の使用による最終層の気孔詰め及び差圧上昇の問題がある。また、化学結合又はホットメルト接着剤を使用して接着する場合には、接着剤又は化学樹脂による繊維気孔詰まり(通気抵抗上昇)、コスト上昇及び環境有害性の問題がある。
従って、メルトブローン素材を濾過機能が高い極細繊維素材として活用する為には、前記問題点等を改善しなければならない。
従って、本発明の目的は従来のメルトブローン濾材を最終層に適用する時の問題点である強度低下及び繊維離脱、そして後加工性だけでなく、濾材製造工程中に伴う積層作業性及び接着性、そしてフィルタ効率が向上し、微細粒子の捕集効率及び捕集量に於いて優れたエアフィルタ素材及びその製造方法を提供することにある。
本発明の発明者らは、従来の不織布濾材の短所を解決し、さらに性能が良い濾材を開発する為に研究した結果、空気流入層(外層)に密度勾配を有する一つ以上の不織布繊維と、流体の出口層(内層)に極細メルトブローンを接着し、前記メルトブローン濾材は、溶融点が異なる二つ以上の成分から構成して濾材を製造することにより、従来のメルトブローン濾材を最終層に適用する際の問題点である強度低下及び繊維離脱、そして後加工性だけでなく、濾材製造工程中に伴う積層作業性及び接着性、そしてフィルタ効率が改善され、微細粒子の捕集効率及び捕集量に於いて優れたエアフィルタ濾材が提供できることを確認した。
本発明によるフィルタ濾材は、メルトブローン濾材を最終層に適用する際の問題点である、強度低下及び繊維離脱、そして後加工性だけでなく、濾材製造工程中に伴う積層作業性及び接着性、そしてフィルタ効率が向上した濾材として、従来濾材の短所である微細粒子の捕集効率及び捕集量の機能性が優れ自動車又は建物の空調機等の濾過装置に好適に使用できる。
本発明は、ある観点によれば、密度勾配を有する二つ以上の多層からなり、空気流入口側に設けられる密度勾配を有する一つ以上の不織布繊維層と、流体の出口側に最終層として設けられるメルトブローン層と、を含み、前記メルトブローン層は、溶融温度が異なる異性分からなる空気浄化用フィルタ濾材を提供する。
本発明で使われる用語「最終層(final layer)」は、空気がフィルタを通じて外に出る層を意味し、空気流入口側(air−inlet side)の層を、一般に外層(out layer)又は外在層と言う。また、最終層は、繊維の密度が非常に高い層という意味で、「Fine Layer」とも呼ばれる。当技術分野で内層(air−outlet)又は内在層と呼ばれる場合もある。ここで、必要に応じて最終層に流体の出口側に支持体層が追加される場合、これを後段層又は支持体層と言うが、これを最終層とは呼ばないことに有意すべきである。
本発明による濾材は、内燃機関用又は建物の空気浄化機用等様々な分野に適合である。
本発明の目的を達成する為に、流体の流入口側(pre−layer)に一つ以上の不織布層が配置され、最終層(Fine Layer)にメルトブローンが配置される。流入口層の不織布は、濾材の寿命を延ばす機能を持ち、最終層のメルトブローンは、濾過効率を向上させる機能を持つ。
エンジンに装着して空気を浄化させる濾過媒体の場合、濾過効率を向上させる為に極細繊維形成が可能であるメルトブローン不織布濾材と、捕集量を増やす為に不織布、濾紙又はこれらの混合濾材を使用することがもっと好ましく、前記各濾材層は、それぞれ密度勾配を形成してフィルタ性能を最適化することが必要である。このような濾材の構成により強度、加工性、通気性の上昇及び繊維離脱の問題が解消され、従来の濾材に比べて微細粒子の捕集効率及び捕集量、折り曲げ性及び耐圧性も著しく改善される。
本発明による濾材は、空気流入層から一つ以上の密度勾配を有する外層(pre−layer又は外材)を含み、前記外層は、スパンボンド、スパンレース、化学結合、熱結合、ニードルパンチング、エアレイド法、スパンレース法又はバルキーメルトブローンからなる群の中から選択された不織布又は濾紙(filter Paper)又はこれらの混合濾材からなる。又、これらの濾材は、エアクリーナーの製造方法によって、原料配合−多層カーディング−ニードルパンチング−含浸(Foamコーティング)−乾燥(缶、熱風)−巻き取りの手順によって製造可能であり、又は、他の方法で、原料配合−多層カーディング−ニードルパンチング−乾燥(缶、熱風)−カレンダー−巻き取りの手順によって製造できる。特に、不織布は、ニードルパンチング、化学結合、熱結合、スパンボンド、又はバルキーメルトブローン法により製造されることが好ましい。
外層を成す不織布層は、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ビスコースレーヨン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート又はポリエステルグリコール(PETG)の単独又はこれらの混合繊維からなる群の中で選択されたものを利用することができる。
前記外層(pre−layer)に適用された不織布の物性は、それぞれ不織布の種類及び要求される性能によって異なるが、一般に、内燃機関用濾材の場合、重量が30〜500g/mの範囲であり、通気度は、125Paで50〜450cfmであり、繊維径は、1〜40μmであり、気孔の大きさは、60〜200μmであり、一つ以上の多層構造から形成されることが好ましい。
本発明で使用された、異なる成分(heterogeneous components)からなるメルトブローン不織布は、一般的な方式で製造でき、原料配合−溶融−吐出及びブローイング(Web形成)−巻き取りの手順によって製造できる。
前記メルトブローン層は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート(PC)、ポリエステルグリコール(PETG)を二つ以上混合して紡糸したり、2−コンポーネント(bi−component)(side byside、sheath/core、又は分割糸)の形態に紡糸したりして、異なる融点を有する不均一繊維(heterogeneous fiber)が製造できる。例えば、低融点PET−高融点PET、低融点PET−高融点PBT、低融点ナイロン−高融点ナイロン、PBT−ナイロン等を含む。前記メルトブローンは、高融点の樹脂を30〜90重量%含むことが好ましい。
最終層に適用されたメルトブローンは、全体濾材重量に対して約5〜40重量%からなるものが好ましく、20〜150μm範囲の気孔の大きさ、10〜300g/m範囲の重量、125Paで10〜500cfmの空気透過度、及び、0.5〜20μm範囲の繊維径を有するものが好ましい。
本発明による濾材の各層は、カレンダー法、溶融炉、又は、ベルトプレス法の熱処理工程とニードルパンチング法、低融点樹脂、又は、水溶性樹脂を利用した接着法を、単独又は並行して接着する。また、接着が容易であるように、後工程で熱処理工程を実施することが好ましい。熱処理による接着工程は、前述の様に形成された不織布及びメルトブローンウエブを、溶融炉(Fusing oven)、ベルトプレス(Belt press)、カレンダー(Calender)又は熱風(Hot air)等で100〜300℃の熱処理することで、メルトブローン層に存在する低融点樹脂が溶融されて接着される。この際、熱処理によって溶融点が異なる異形ポリマー繊維(不均一ポリマー繊維)は、熱によって捻りが発生して、従来濾材より気孔度が向上され、フィルタ効率及び使用寿命が増える。また、この方式によると、不織布とメルトブローンを積層する為の工程が単純化され、積層の途中に発生する様々な問題を改善することができる。従来、ニードルパンチングによって接着した濾材は、ニードルによって濾材に孔が発生してフィルタの性能を低下させたが、本発明の方式によるニードルパンチングの後熱処理工程を行うと、ニードルによって発生した孔が溶融された繊維によって回復され、この過程で別の接着樹脂が要らなく、メルトブローンが接着機能を行なう。もちろん、接着力を極大化する為に、ホットメルトのような化学樹脂を必要に応じて使用しても良い。
本発明による濾材は、必要に応じて、前記メルトブローン層の後段に支持体を含むのが好ましい。前記支持体は前記不織布からなり、5〜60g/mの重量を有するものが使われる。
これらの不織布濾材も、通常の製造方法を利用して製造することができる。一つの例として、スパン結合(Spun Bond)、スパンレース、ニードルパンチング(Needle punching)、化学結合(Chemical Bond)、熱結合(Thermal bond)、エアレイド(Air−Laid)及びメルトブローン(Melt blown)等の方法又は工程を利用することができる。
最終に製造された複合濾材の全体重量は、150〜500g/m、孔径(pore size)が10〜150μm、通気度は、125Paで30〜150cfm、繊維の径は0.5〜40μm、そして厚さが1.0〜4mmであるものが好ましい。
本発明は、別の観点において、前述のような濾材の製造方法を提供する。
本発明による濾材の製造方法は、一つの例として図1に示したように、通常の製造方法の結合による。この様な多層濾材を製造する実施形態において、メルトブローン層が最終層で適用され、ここに単層又は2層以上の不織布繊維ウエブ又は濾紙からなる外層及び(又は)支持体層を結合する製造方法を利用することができる。
さらに詳細には、本発明による濾材の製造方法は、
a)少なくとも一つの不織布とメルトブローンを巻きロールからそれぞれ移送する段階と、
b)必要に応じて、前記不織布又はメルトブローン層に接着剤(Hot−melt又は水溶性バインダー)をスプレイ紡糸したりドット形(Dot type)で塗布したりする段階と、
c)接着剤が塗布された濾材と異なる濾材をテンションロールによって積層させる段階と、
d)積層された濾材を100〜300℃の溶融炉(Fusing oven)、ベルトプレス(Belt press)、カレンダー(Calender)又は熱風(Hot air)によって融着する段階と、
e)圧着によって接着された濾材を巻き取る段階と、を含む。
従来、カレンダー溶融炉又はベルトプレス等を利用して結合する場合、不織布の接着面に低融点繊維が多く使用され、熱処理の温度が非常に高かった。しかしながら、この様な方式で空気浄化用のフィルタ濾材を製造すると、メルトブローンから低融点樹脂が極細繊維の形態に配列されることにより、低い温度で接着が可能であり、不織布に低融点繊維の使用が最小化される。また、別の接着剤の使用が要らないので、生産性及び低コストの効果がある。
前記製造方法において、追加に後段の強度を増やす為に、製造工程の何れか一つの段階で支持体層を前記メルトブローン層の後段に接着させても良い。
また、前記方法において、接着力を高くする為にニードルパンチング法を並行する場合には、
a)少なくとも一つの不織布とメルトブローンを巻きロールからそれぞれ移送する段階と、
b)前記不織布又はメルトブローン層を積層した後、多数のニードル(Needle)によりウエブを結合する段階(ニードルパンチング不織布結合方法)と、
c)積層された濾材を溶融炉(Fusing oven)、ベルトプレス(Belt press)カレンダー(Calender)又は熱風(Hot air)で融着する段階と、
d)接着された濾材を巻き取る段階と、を含むことを特徴とする空気浄化用濾材を製造する方法を有する。
前記方法は、メルトブローン繊維を不織布層と結合する方法において、ニードルパンチング法を利用する際、フィルタ効率に致命的な繊維の破断を後加工にで結合した後カレンダー、溶融炉又はベルトプレス法を並行して復元でき、低融点メルトブローンが溶融されて不織布層の結合力が増える。また、高融点繊維が含まれているので、繊維のフィルム化による気孔詰め等が最小化され、メルトブローンの製造の時配合比率により結合力及び気孔度が調節できる。
また、本発明によって濾材をホットメルト方法により接着する場合には、
a)不織布とメルトブローンを巻きロールからそれぞれ移送する段階と、
b)前記不織布又はメルトブローン層に接着剤をスプレイ紡糸したりドット形(Dottype)で塗布したりする段階と、
c)接着剤が塗布された濾材をテンションロールによって他の濾材と積層させる段階と、
d)積層された濾材を溶融炉(Fusing oven)、ベルトプレス(Belt press)カレンダー(Calender)又は熱風(Hot air)で融着する段階と、
e)接着された濾材を巻き取る段階と、を含む。
前記製造方式において、前記外層の不織布が多層化学結合不織布である場合、最終層として適用されるメルトブローンは、別の通常の方法(例えば、韓国特許10−0438331号の原料配合−圧出−紡糸−ウエブ結合−巻き取りの手順)によって製造した後、不織布の原料を配合してカーディングした後に化学結合工程(例えば、化学結合繊維の原料混合、開繊、混繊、カーディング、ラッピング、含浸、乾燥、ワインディングの手順)の前にメルトブローンウエブを投入して樹脂による結合方法を行なうことによって濾材を製造することが良い。
この様に製造された濾材等は必要に応じて、追加に、f)折り曲げ機を利用して所定の形状に折り曲げをする段階を含むこともできる。
前記追加された段階は、後加工の工程によって前記濾材の製造方法に選択的に適用できる。
本発明による濾材は、折り曲げが可能である。従って、折り曲げ工程は、前述のように、不織布濾材を所定の形状に折り曲げて、該当大きさ別に切断し、通常の方式で所定の温度で所定の時間の間硬化させる手順からなる。この際、使用される樹脂及び工程によっては、硬化過程を省略しても良い。従って、本発明は、別の観点において、前記濾材を折り曲げさせて製造されたことを特徴とするフィルタエレメントを提供する。前記フィルタエレメントは、星形(Star−Type)又は平板形(Flat Panel Type)である。
前述のような成型の為に折り曲げ機を利用する工程において、折り曲げ機は、ロータリー、ミニフリット、ナイフ折り曲げ機等を利用でき、その中でナイフ折り曲げ機を利用して濾材を折り曲げすることが好ましい。折り曲げられた形状を固定する硬化温度は、通常の不織布の硬化温度とほぼ同じである130〜180℃の範囲で硬化させる。
このように製造された最終の濾材は、孔径(pore size)が10〜150μmであり、全体重量は150〜500g/mであり、厚さは1.0〜4mmであり、通気度は、125Paで30〜150cfmであることが好ましい。繊維の径は、0.5〜40μm繊維を配合したものを使用する。
以下に、本発明を実施例によってさらに詳しく説明する。しかしこれらは例示的なものであり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
下に示した原料比を利用して各接着方法を異なる様に行なった後、得られた濾材に対する性能を表した。試験方法に使われた埃は、ACfineであり、試験流量は25m/min、濾過面積は176.6cm、埃の投入量は0.5g/2minの方法で終期圧力損失400mmAgまで測定した。
(比較例、実施例1、2)
次の表1に示す原料を適切に配合して、多層カーディング−ニードルパンチング−乾燥(缶、熱風)−カレンダー−巻き取り方式で製造した後、その物性を試験した。
また、メルトブローン不織布の場合、樹脂を圧出−紡糸−ウエブ結合−巻き取りの通常の製造方式によって製造した後、物性及びフィルタ性能を試験して、その低融点の樹脂比による効率の比較結果を表2及び表3に表した。表2は、熱カレンダー方式を利用した場合の結果であり、表3は、ニードルパンチだけ利用した場合の結果である。
Figure 2009521305
Figure 2009521305
前記結果において、比較例1の場合、実施例と比較して捕集量が低いのは、2番目の層の低融点樹脂が接着されながらメルトブローンの気孔を詰めるからである。又、効率の面では、メルトブローンに異なる成分を適用した実施例の方が良い。これは、溶融点が低いPET成分が溶融されて二つの濾材層を接着させるだけでなく、繊維の捻りと気孔を小さくする現象による。特に、実施例2の場合、最終層の微細繊維の含量を高くする為にPBT(IV0.54)10%を混合した結果、効率が更に高くなるのが分かる。接着強度の側面において、不織布層に低融点樹脂(LM(4D)25%)を適用した比較例1と、低融点樹脂が適用されてない実施例1、2では、全て等しい接着強度を表した。
Figure 2009521305
メルトブローンと不織布層とをニードルパンチングを利用して接着した場合、熱融着方法に比べて接着強度及び効率が低く、捕集量は、相対的に上昇した。これはニードルによって繊維が破断されて孔が発生する為である。
一方、下の表4は、ニードルパンチングの後、熱結合(ホットプレス)を利用した時の接着力及び効率の比較結果を表したものである。各1、2層をニードルパンチング法で接着した後、熱カレンダー(150℃)を利用して接着した。
Figure 2009521305
ニードルパンチングの後熱融着を利用した場合には、表2、3の結果に比べて非常に優れた結果を表した。即ち、接着強度だけでなく効率及び使用寿命が増えたことが分かる。これは、ニードルパンチングによる結合の際、各不織布層の繊維がメルトブローン層に混合され、熱融着の際、メルトブローン層の低融点樹脂が固定化されて接着力が向上するからである。また、熱融着法だけ利用する場合、融着力を増やす為に融着温度又は圧力を増やすことによって発生する気孔詰まりの現象を最小化することができる。
本発明によるフィルタ濾材は、メルトブローン濾材を最終層に適用する時、発生する強度低下及び繊維離脱、そして後加工性だけでなく、濾材製造工程中に伴う積層作業性及び接着性、そしてフィルタの効率が向上されるので、従来濾材の短所である微細粒子の捕集効率及び捕集量の機能性が向上し、自動車又は建物の空調機等の濾過装置に好適に利用できる。
本発明によるエアフィルタ素材の製造工程の一実施形態を示す概略図である。

Claims (10)

  1. 密度勾配を有する二つ以上の多層からなり、
    空気流入口側に設けられ、密度勾配を有する一つ以上の不織布繊維層と、
    流体の出口側に最終層として設けられるメルトブローン層と、
    を含み、
    前記メルトブローン層は、溶融温度が異なる異性分からなる、空気浄化用フィルタ濾材。
  2. 前記メルトブローンの重量は、10〜300g/mであり、
    前記フィルタ濾材の重量は、150〜500g/mであり、
    孔径は、10〜150μmであり、
    通気度は、125Paにおいて30〜150cfmであり、
    繊維の径は、0.5〜40μmであり、
    厚さは、1.0〜4mmである、請求項1に記載の空気浄化用フィルタ濾材。
  3. 前記メルトブローン層は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート(PC)、ポリエステルグリコール(PETG)の中で融点が異なる二つ以上の樹脂を、混合して紡糸したり、2−コンポーネント形態に紡糸したりして、融点の異なる不均一繊維から構成される、請求項1に記載の空気浄化用フィルタ濾材。
  4. 前記濾材における各層は、熱結合、ニードルパンチング、化学結合、ホットメルトスプレイ、ホットメルトドット塗布法、または、これらの方法を組み合わせたものにより積層される、請求項1に記載の空気浄化用フィルタ濾材。
  5. 前記メルトブローンは、高融点の樹脂を30〜90重量%含む、請求項1に記載の空気浄化用フィルタ濾材。
  6. 後段に追加される支持層を含む、請求項1に記載の空気浄化用フィルタ濾材。
  7. 請求項1に記載の空気浄化用フィルタ濾材を折り曲げて構成される、フィルタエレメント。
  8. a)少なくとも一つの不織布とメルトブローンを巻きロールからそれぞれ移送する段階と、
    b)必要に応じて、前記不織布又はメルトブローン層に接着剤をスプレイ紡糸したりドット形に塗布したりする段階と、
    c)接着剤が塗布された濾材と異なる濾材とをテンションロールによって積層させる段階と、
    d)積層された濾材を100〜300℃の溶融炉、ベルトプレス、カレンダー又は熱風によって融着する段階と、
    e)圧着によって接着された濾材を巻き取る段階と、
    を含む、空気浄化用フィルタ濾材を製造する方法。
  9. a)少なくとも一つの不織布とメルトブローンを巻きロールからそれぞれ移送する段階と、
    b)前記不織布又はメルトブローン層を積層した後、多数のニードルによってウエブ(web)を結合する段階と、
    c)積層された濾材を、溶融炉、ベルトプレス、カレンダー又は熱風によって融着する段階と、
    d)接着された濾材を巻き取る段階と、
    を含む、空気浄化用濾材を製造する方法。
  10. a)不織布とメルトブローンを巻きロールからそれぞれ移送する段階と、
    b)前記不織布又はメルトブローン層に、接着剤をスプレイ紡糸したりドット形に塗布したりする段階と、
    c)接着剤が塗布された濾材をテンションロールによって異なる濾材と積層させる段階と、
    d)積層された濾材を、溶融炉、ベルトプレス、カレンダー又は熱風によって融着する段階と、
    e)接着された濾材を巻き取る段階と、
    を含む、空気浄化用フィルタ濾材の製造方法。
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