JP2009519973A - 粒子ベースの非経口投与用製薬剤形の製造方法 - Google Patents

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Abstract

(a)製剤の粒子を提供し、(b)粒子を、少なくとも1種の増量剤の粒子と混合して、界面活性剤を含まない第1の粉末混合物を形成し、(c)第1の粉末混合物を微粉砕して、製剤の微小粒子またはナノ粒子を含む微粉砕混合物を形成し、(d)微粉砕混合物を、非経口投与用に少なくとも1種の界面活性剤を含む液体ビヒクルで再構成することを含む、製剤の非経口投薬形態の製造方法が得られる。(a)製剤の粒子を提供し、(b)これらの粒子を賦形剤の粒子と混合して、第1の混合物を形成し、(c)第1の混合物を微粉砕して、微小粒子またはナノ粒子を含む微粉砕混合物(工程(a)の粒子または第1の混合物よりも分散性、湿潤性および懸濁性の高い)を形成することを含む方法も得られる。

Description

本発明は、広義には微小粒子などの粒子を含む製剤組成物の分野におけるものであり、特に、非経口投与用の微粒子混合剤形の製造方法に関するものである。
治療薬および診断薬を含む微小粒子は、このような薬剤のヒトまたは動物への制御送達を亢進するのに有用であることが知られている。これらの用途では、これらの薬剤を効果的に送達するためにサイズとサイズ範囲とが極めて厳密な微小粒子が必要である。多くの製薬剤形が、血管注入、皮下注射または筋肉内注射用のビヒクルなどの液体培地に後から分散または溶解させることができるよう乾燥粉末状で生成される。
治療用微小粒子の非経口投薬形態では、微小粒子は、望ましくは液体培地に容易に分散または溶解される。しかしながら、微小粒子、特に難水溶性製剤からなる微小粒子は、水性媒質での湿潤性または分散性が悪いことが多い。これは、微小粒子剤形の性能、安全性および/または再現性を望ましくない形で変化させることがある。分散性および湿潤性は、微小粒子の製造に用いられる材料および方法、微小粒子の表面(すなわち、化学的および物理的)特性、懸濁用媒質またはビヒクルの組成をはじめとする多岐にわたる要因に左右される。
この分散性の悪さの問題に対する従来の対応のひとつが、粘度エンハンサーまたは他の賦形剤を液体培地に加えることである。しかしながら、これらの添加剤は、懸濁液を注射される患者に望ましくない影響を与えることがある。望ましくない添加剤を液体培地に加えることなく微小粒子の性能(分散性、注射針通過性(syringeability)、湿潤性など)を改善し、結果として送達される実用量の薬剤の信頼性を高めることが極めて望ましいであろう。したがって、容易に湿潤して分散可能な微小粒子剤形を生成する方法が得られれば有用であろう。このような製造工程は単純で、なおかつ設備と事業費を最小限に抑え、製剤の分解を回避する条件で動作するものでなければならない。
微小粒子剤形に特定の望ましい特性を与えたり、または微小粒子剤形の加工性を高めたりする目的で、微小粒子および製剤に賦形剤を加えることも多い。たとえば、賦形剤を用いることで、微小粒子の投与を容易にし、貯蔵時または再構成時の微小粒子の集塊を最小限に抑え、活性剤の適切な放出または保持を容易にする、および/または製品の貯蔵寿命を延ばすことが可能である。これらの賦形剤の代表的なタイプとして、浸透圧性薬剤、増量剤、界面活性剤、保存剤、湿潤剤、薬学的に許容される担体および希釈剤を含む。これらの賦形剤と微小粒子とを組み合わせる工程によって、均一な混合物が得られる点も重要である。ただし、これらの賦形剤を微小粒子と組み合わせると、製造が複雑化してスケールアップする可能性がある。よって、このような均一な微小粒子製薬剤形を、特に商業規模で製造するのは些細なことではない。
さらに、望ましい賦形剤材料によっては、微粉砕または製剤微小粒子との混合が困難なものがある。たとえば、液状、ワックス状、非結晶性または非脆砕性であることが特徴の賦形剤は、薬剤含有粒子とは均一に混合されにくい、および/またはミルによって処理されにくい。このような材料を従来の手法で乾燥混合しても、製薬剤形に必要な成分の均一かつ均質な混合物が得られるとは限らない。たとえば乾燥粉末剤形は、バッチ間または同一バッチ内での組成ムラの影響を受けやすいものであってはならない。むしろ、製薬剤形の生成工程は、ばらつきがなく正確な投薬形態が得られるものでなければならない。混合または微粉砕が容易ではない賦形剤を用いて乾燥粉末剤形でこのような一貫性を実現するのは困難な場合がある。したがって、微小粒子と難混合性賦形剤との均一な混合物の製造方法を提供できれば望ましいであろう。このような方法は、望ましくは効率的かつ商業規模の生成に適合可能なものである。
したがって、注射用液体ビヒクルと組み合わせると湿潤性および分散性が改善される非経口投与用の乾燥粉末混合済み粒子または微小粒子製薬剤形を製造するための改良された方法を提供できれば望ましいであろう。
非経口投与用の製薬粒子混合物剤形の製造方法が得られる。一実施形態では、この方法は、(a)製剤を含む粒子を提供する工程と、(b)この粒子を、少なくとも1種の増量剤の粒子と混合して、界面活性剤を含まない第1の粉末混合を形成する工程と、(c)第1の粉末混合物を微粉砕して、製剤の微小粒子またはナノ粒子を含む微粉砕混合物を形成する工程と、(d)非経口投与に適した液体ビヒクルでその微粉砕混合物を再構成する工程と、を含み、そのビヒクルが少なくとも1種の界面活性剤を含む。別の実施形態では、この方法は、(a)製剤を含む粒子を提供する工程と、(b)製剤の粒子を少なくとも1種の賦形剤の粒子と混合して、第1の混合物を形成する工程と、(c)この第1の混合物を微粉砕して、微小粒子またはナノ粒子を含む微粉砕混合物を形成する工程と、を含み、微粉砕混合物が、工程(a)の粒子または第1の混合物よりも分散性または懸濁性の高いものである。工程(c)の微粉砕はジェットミリング工程であってもよい。工程(a)の粒子は微小粒子であってもよい。工程(a)の粒子はポリマーをさらに含むものであってもよい。増量剤または賦形剤は、少なくとも1種の糖、糖アルコール、デンプン、アミノ酸またはこれらの組み合わせを含むものであってもよい。好適な増量剤の例として、ラクトース、スクロース、マルトース、マンニトール、ソルビトール、トレハロース、ガラクトース、キシリトール、エリスリトールおよびこれらの組み合わせを含む。液体ビヒクルはポリマーをさらに含むものであってもよい。
別の態様では、(a)製剤を含む粒子を提供する工程と、(b)工程(a)の粒子を、(i)増量剤と少なくとも1種の非脆砕性賦形剤とを溶媒に溶解させ、賦形剤溶液を形成し、(ii)賦形剤溶液から溶媒を除去して前処理済み賦形剤を乾燥粉末状で形成することによって調製される前処理済み賦形剤の粒子と混合して、乾燥粉末混合物を形成する工程とを含み、乾燥粉末混合物が、非経口投与に適した水性ビヒクル中で再構成可能なものである、非経口投与用の製剤形の製造方法が得られる。溶媒を除去する工程は噴霧乾燥または凍結乾燥を含むものであってもよい。一実施形態では、乾燥粉末混合物は界面活性剤を含まない。一実施形態では、この方法は、工程(c)として、非経口投与に適したビヒクルで乾燥粉末混合物を再構成することをさらに含む。別の実施形態では、この方法は、工程(c)として、乾燥粉末混合物を微粉砕して、製剤の微小粒子またはナノ粒子を含む微粉砕済み製薬剤形混合物を形成することをさらに含み、任意に、工程(d)として、非経口投与に適したビヒクルで乾燥粉末混合物を再構成することをさらに含む。前処理済み賦形剤の粒子は微小粒子またはナノ粒子であってもよく、その両方であってもよい。繰り返すが、増量剤は、少なくとも1種の糖、糖アルコール、デンプン、アミノ酸またはこれらの組み合わせを含むものであってもよい。非脆砕性賦形剤は、液状、ワックス状または非結晶性の化合物であればよい。一実施形態では、非脆砕性賦形剤は、界面活性剤、特にワックス状または液状の界面活性剤を含む。非脆砕性賦形剤の例として、ポリビニルピロリドン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルまたはこれらの組み合わせを含む。
別の態様では、上述した方法のうちのいずれかによって製造される製薬剤形が得られる。一実施形態では、薬学的に許容される注射用液体ビヒクルに分散された少なくとも1種の賦形剤の粒子と混合された製剤の微小粒子またはナノ粒子の微粉砕混合物の液体懸濁液を含む製薬剤形の非経口投薬形態が得られる。特定の一実施形態では、微粉砕混合物が界面活性剤を含まず、任意に、薬学的に許容される液体ビヒクルが界面活性剤の水溶液を含む。一実施形態では、製剤の25℃での水に対する溶解性が10mg/mL未満である。賦形剤粒子は、少なくとも1種の糖、糖アルコール、デンプン、アミノ酸またはこれらの組み合わせを含むものであってもよい。一実施形態では、賦形剤粒子は、増量剤と少なくとも1種の非脆砕性賦形剤とを含む前処理済み賦形剤を含む。一実施形態では、微粉砕混合物の製剤の微小粒子またはナノ粒子の体積平均直径が10μm未満である。製剤の微小粒子またはナノ粒子はポリマーをさらに含むものであってもよい。
製薬剤形の非経口投薬形態を生成し、分散性、懸濁性、湿潤性および注射針通過特性を改善する(これは、患者に送達される(注射される)実用量の薬剤の信頼性を有利に改善可能である)ための加工方法が開発されている。この方法は、難水溶性製剤の非経口剤形または放出対象となる製剤が分散された難水溶性マトリックスを生成するのに特に有用であり、バイオアベイラビリティを良くするおよび/または治療効果が発揮されるまでの時間の短縮することができる場合がある。この方法では、注射針通過性を良くし、血管内送達された微小粒子の安全性を高め、送達される実用量の薬剤の信頼性を高めるために、懸濁液中で一層制御された薬剤粒度を有益に提供できる場合がある。
製剤の粒子を賦形剤と混合した後、このようにして得られる混合物を微粉砕するという順序の工程によって、こうした工程の組み合わせなくして調製された混合物の場合よりも湿潤性または分散性がより良い乾燥粉末混合物剤形を得られる場合があることが明らかになっている。特定の理論に何ら限定されることなく、順序の臨界は、(薬剤粒子の破壊または微粉砕工程で薬剤粒子と薬剤粒子との凝集が解離されることのいずれかで)薬剤粒子の表面を曝露できるため、存在する賦形剤粒子が新たに曝露された薬剤粒子表面と相互作用して、薬剤粒子と薬剤粒子との干渉が低減されることによるものと考えられる。
また、有用ではあるが微粉砕が困難または混合が困難な、特定の賦形剤材料であっても、それ自体にまず、液状、ワックス状、そうでなければ非脆砕性の賦形剤を、乾燥粉末状での混合および微粉砕に適した乾燥粉末状に変換する「前処理」の処置を施せば、上記の方法に利用できることも有益に発見されている。混合後に微粉砕することで、乾燥粉末混合物の製剤粒子と製剤粒子との接触が有利により良いものとなるため、一層容易または一層速やかに湿潤可能または分散可能な混合物が得られることが見いだされた。よって、一層均一で再現可能な懸濁液を生成できる。
本願明細書で使用する場合、「分散性」という用語は、液体内での粉末の懸濁性(微小粒子の量または用量など)を含む。このため、「改善された分散性」という用語は、液体内での粉末の微小粒子の粒子間干渉の低減を示す。分散性改善の評価については、懸濁粒子濃度の上昇または凝集体の減少を調べる方法を用いて行うことが可能である。これらの方法としては、懸濁液の濁度の目視評価、濁度計または可視分光光度計を用いる直接濁度分析、懸濁粒子濃度および/または凝集粒子濃度を評価するための光学顕微鏡法、懸濁液中の粒子粒度および濃度のコールターカウンター分析または懸濁液中の粒度の光散乱分析がある。体積平均に基づいて、濁度の上昇、懸濁粒子濃度の上昇、凝集粒子の濃度またはサイズの減少または懸濁液中の粒度の低下が生じたら、分散性が改善されたことになる。また、接触角測定を利用して、粉末の湿潤性の改善を検定することも可能である。
本願明細書にて説明するようにして生成される製薬剤形は、患者(すなわち、上記の製剤を必要とするヒトまたは動物)に投与して有効量の治療薬、診断薬または予防薬を送達させることを意図したものである。本願明細書で使用する場合、「非経口投与」とは、筋肉内投与、静脈内投与、皮下投与、皮内投与、関節内投与、滑液嚢内投与またはくも膜下腔内投与を含むがこれに限定されるものではない、いずれかの非経口経路で基本的にあらゆる臓器または体内のエリアに注射によって投与することを示す。
本願明細書で使用する場合、「含む(comprise)」「含む(comprising)」「含む(include)」および「含む(including)」という表現は、正反対のことが明示的に示されていない限り、オープンで非限定的な表現を意図したものである。
方法
一実施形態では、製剤の非経口投薬形態の製造方法は、a)製剤を含む粒子を提供する工程と、(b)この粒子を、少なくとも1種の増量剤の粒子と混合して、界面活性剤を含まない第1の粉末混合物を形成する工程と、(c)第1の粉末混合物を微粉砕して、製剤の微小粒子またはナノ粒子を含む微粉砕混合物を形成する工程と、(d)非経口投与に適した液体ビヒクルでその微粉砕混合物を再構成する工程とを含み、ビヒクルが少なくとも1種の界面活性剤を含む(図1を参照のこと)。好ましい実施形態では、工程(c)の微粉砕はジェットミリングである。さまざまな実施形態において、工程(a)の粒子は微小粒子であってもよく、25℃での水に対する溶解性が10mg/mL未満の製剤を含むものであってもよく、ポリマーまたはシェル材料をさらに含むものであってもよい。増量剤は、少なくとも1種の糖、糖アルコール、デンプン、アミノ酸またはこれらの組み合わせを含むものであってもよい。増量剤は、リン酸、酢酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、コハク酸またはグルコン酸などの酸のナトリウム塩またはカリウム塩などの薬学的に許容される緩衝剤を含むものであってもよい。好適な増量剤の例として、ラクトース、スクロース、マルトース、マンニトール、ソルビトール、トレハロース、ガラクトース、キシリトール、エリスリトールおよびこれらの組み合わせを含む。液体ビヒクルは、薬学的に許容される水溶液であってもよく、任意に、界面活性剤を有するポリマーをさらに含むものであってもよい。
別の実施形態では、非経口投与用製薬剤形の製造方法は、(a)製剤を含む粒子を提供する工程と、(b)工程(a)の粒子を、(i)増量剤と少なくとも1種の非脆砕性賦形剤とを溶媒に溶解させ、賦形剤溶液を形成し、(ii)賦形剤溶液から溶媒を除去して前処理済み賦形剤を乾燥粉末状で形成することによって調製される前処理済み賦形剤の粒子と混合して、乾燥粉末混合物を形成する工程と、を含み、乾燥粉末混合物が、非経口投与に適した水性ビヒクル中で再構成可能なものである(図2および図3を参照のこと)。さまざまな実施形態では、溶媒を除去する工程が、噴霧乾燥、真空乾燥または凍結乾燥を含むものであってもよい。一実施形態では、この方法は、工程(c)として、非経口投与に適したビヒクルで乾燥粉末混合物を再構成することをさらに含む。別の実施形態では、この方法は、工程(c)として、乾燥粉末混合物を微粉砕して、製剤の微小粒子またはナノ粒子を含む微粉砕済み製薬剤形混合物を形成することをさらに含む。この実施形態の特定の変形例では、この方法は、工程(d)として、非経口投与に適したビヒクルで乾燥粉末混合物を再構成することをさらに含む。一実施形態では、乾燥粉末混合物は界面活性剤を含まない。さまざまな実施形態において、工程(a)の製剤粒子、工程(b)の前処理済み賦形剤粒子またはその両方が、微小粒子である。さまざまな実施形態において、工程(a)の製剤粒子、工程(b)の前処理済み賦形剤粒子またはその両方が、ナノ粒子である。増量剤は、少なくとも1種の糖、糖アルコール、デンプン、アミノ酸またはこれらの組み合わせを含むものであってもよい。好適な増量剤の例として、ラクトース、スクロース、マルトース、マンニトール、ソルビトール、トレハロース、ガラクトース、キシリトール、エリスリトールおよびこれらの組み合わせを含む。非脆砕性賦形剤は、液状、ワックス状または非結晶性の化合物であっても、これを含むものであってもよい。一実施形態では、非脆砕性賦形剤は、ワックス状または液状の界面活性剤などの界面活性剤を含む。考え得る非脆砕性賦形剤の非限定的な例として、ポリビニルピロリドン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルまたはこれらの組み合わせを含む。一実施形態では、製剤の水に対する25℃での溶解性が10mg/mL未満である。
別の態様では、(a)製剤を含む粒子を提供する工程と、(b)製剤の粒子を少なくとも1種の賦形剤の粒子と混合して、第1の混合物を形成する工程と、(c)この第1の混合物を微粉砕して、微小粒子またはナノ粒子を含む微粉砕混合物を形成する工程と、を含み、微粉砕混合物が、工程(a)の粒子または工程(b)から得られる第1の混合物と比較して分散性または懸濁性の高いものである、非経口投与用の製薬剤形の製造方法が得られる。
本願明細書にて説明する工程は主に、バッチ法、連続法またはセミバッチ法を用いて実施可能なものである。これらの本願明細書にて説明する工程は任意に、混合済み剤形成分(製剤粒子、賦形剤粒子など)の一部または全部を一緒に混合する前に別途微粉砕することをさらに含むものであってもよい。好ましい実施形態では、賦形剤および製剤は乾燥粉末状である。
粒子の生成
当業者であれば、本願明細書に記載の方法および剤形に有用な粒子を生成するための多くの方法を想定することが可能であり、どのようにして粒子を形成または提供するのかを説明している後述の例は、本願明細書にて説明および特許請求の範囲に記載の方法および剤形を何ら限定することを意図したものではない。本願明細書に記載の方法および剤形にて使用され、またはこれに含まれる製剤を含む粒子は、当該技術分野において周知のさまざまな手法で製造可能である。好適な手法としては、溶媒沈殿、結晶化、噴霧乾燥、溶融押出、圧縮成形、流動床乾燥、溶媒抽出、ホットメルト封止、転相封止(phase inversion encapsulation)および溶媒蒸発をあげることができる。
たとえば、結晶化によって微小粒子を生成してもよい。結晶化方法としては、製剤の飽和溶液の蒸発時における結晶形成、高温にした製剤の飽和溶液の冷却、製剤溶液への貧溶媒の添加(沈殿晶析(drowning)または溶媒沈殿)、加圧、製剤の飽和溶液への結晶などの核生成剤の添加、接触晶析(製剤溶液とブレードなどの別の品との接触によって核生成を開始)を含む。
粒子、好ましくは微小粒子を形成するもうひとつの方法に、噴霧乾燥によるものがある。たとえば、ストローブ(Straub)らに付与された米国特許第5,853,698号明細書、バーンスタイン(Bernstein)らに付与された同第5,611,344号明細書、ストローブ(Straub)らに付与された同第6,395,300号明細書、チッカリング(Chickering)IIIらに付与された同第6,223,455号明細書を参照のこと。本願明細書で定義する場合、製剤および/またはシェル材料を含有する溶液を「噴霧乾燥」させる工程は、溶液を噴霧して細かいミストを形成し、高温のキャリアガスと直接接触させて乾燥させる工程を示す。当該技術分野において周知の噴霧乾燥設備を利用して、製剤および/またはシェル材料を含有する溶液を乾燥用のチャンバ内に噴霧し、チャンバ内で乾燥させた後、チャンバの流出口でサイクロンを介して回収する。好適な噴霧装置のタイプの代表例としては、超音波、圧送、空気噴霧および回転円板を含む。温度については、使用する溶媒または材料に応じて変化させてもよい。流入ポートおよび流出ポートの温度を制御して、所望の生成物を生成することが可能である。製剤および/またはシェル材料の微粒子のサイズは、製剤および/またはシェル材料の溶液の噴霧に用いるノズル、ノズル圧、溶液および噴霧流量、使用する製剤および/またはシェル材料、製剤および/またはシェル材料の濃度、溶媒のタイプ、噴霧温度(流入口温度と流出口温度の両方)、ポリマーなどのシェル材料または他のマトリックス材料の分子量に応じたものである。
粒子を生成する別の方法に、マシオウィッツ(Mathiowitz)ら、J.Scanning Microscopy、4:329(1990年)、ベック(Beck)ら、ファーティリティ・アンド・ステリリティ(Fertil.Steril、31:545(1979年)、ベニータ(Benita)ら、ジャーナル・オブ・ファーマシューティ カル・サイエンス(J.Pharm.Sci.、73:1721(1984年)に記載されているような溶媒蒸発を用いるものがある。さらに別の例では、マシオウィッツ(Mathiowitz)ら、Reactive Polymers、6:275(1987年)に記載されているようなホットメルトマイクロエンカプシュレーションが利用される。もうひとつの例では、マシオウィッツ(Mathiowitz)に付与された米国特許第6,143,211号明細書に記載されているような転相封止を利用してもよい。この方法を用いると、転相が起こり、一般に平均粒度10nmから10μmの離散的な粒子が自然に形成される。
さらにもうひとつの手法では、揮発性有機溶媒にシェル材料を入れた溶液中に固体製剤または液体製剤を分散または溶解させ、この混合物を有機油中で攪拌して懸濁させ、エマルジョンを形成する溶媒除去法を利用することができる。しかしながら、溶媒蒸発とは異なり、この方法では融点が高く分子量の異なるポリマーなどのシェル材料から微小粒子を生成することが可能である。この手法で生成した粒子の外部形態は使用するシェル材料のタイプに極めて大きく左右される。
もうひとつの手法では、押出法を利用してシェル材料の微小粒子を生成することができる。たとえば、このような微小粒子については、シェル材料(ポリホスファゼンまたはポリメチルメタクリレートなどのゲルタイプのポリマー)を水溶液に溶解させ、この混合物を均一化し、この材料を微小液滴形成装置から押し出して、逆に荷電したイオンまたはポリ電解質溶液のゆっくりと攪拌された硬化浴に落ちる微小液滴を生成することで、生成すればよい。
賦形剤の前処理
液状、ワックス状、そうでなければ非脆砕性の賦形剤を、混合および微粉砕に適した乾燥粉末状に変えることが必要であるか望ましい場合、これらの微粉砕が困難かつ混合が困難な賦形剤材料を「前処理」する。好ましい実施形態では、本願明細書に記載の方法および剤形で使用するまたはこれに含まれる前処理済み賦形剤は、(i)増量剤と少なくとも1種の非脆砕性賦形剤とを溶媒に溶解させ、賦形剤溶液を形成した後、(ii)賦形剤溶液から溶媒を除去して前処理済み賦形剤を乾燥粉末状で形成して調製される(図3を参照のこと)。増量剤および少なくとも1種の非脆砕性賦形剤を溶媒に溶解させるには、これらの3種類の成分を適量ずつ任意の順序で混合し、十分に混合された溶液を形成するだけでよい。この工程には、当該技術分野において周知の多岐にわたる好適な溶媒除去方法を利用できる。一実施形態では、溶媒を除去する工程は噴霧乾燥を含む。もうひとつの実施形態では、溶媒を除去する工程は、凍結乾燥、真空乾燥またはフリーズドライを含む。乾燥粉末状の前処理済み賦形剤を、製剤を含む粒子と混合する前に任意に微粉砕してもよい。
前処理済み賦形剤粒子を調製するもう一つの例では、少なくとも1種の賦形剤の粒子が、乾燥粉末増量剤を少なくとも1種の非脆砕性賦形剤と混合することによって生成される。少なくとも1種の非脆砕性賦形剤は、基本的に乾燥粒子状であればよく、あるいは、少なくとも1種の非脆砕性賦形剤を増量剤と混合する時点で溶媒に溶解されてもよい。残留溶媒を除去して前処理済み賦形剤粒子を形成する。
製剤の粒子(原薬微小粒子など)を1種または複数種の前処理済み賦形剤と混合することが可能であり、任意に、前処理済みではない1種または複数種の賦形剤と組み合わせることが可能であることが企図される。粒子を前処理済み賦形剤と混合するのは、前処理済みではない賦形剤と混合する前であっても後であってもよい。1種または複数種の賦形剤を、製剤微小粒子と組み合わせる前に微粉砕してもよい。
混合および微粉砕
製剤の粒子を、1つまたは複数の工程で1種または複数種の他の賦形剤微粒子材料と混合し、続いて、このようにして得られる混合物を微粉砕する。固体−固体製薬混合物の含量均一性は非常に重要である。比較研究から、混合物(薬剤プラス賦形剤)を微粉砕することで、微粉砕した後に混合するか、微粉砕なしで混合をして得られる剤形よりも湿潤性および/または分散性が改善された乾燥粉末製薬剤形を得ることが可能であることが分かる。すなわち、最終的な非経口投薬形態の性能には、2つの工程の順番が重要である。好ましい実施形態では、製剤微小粒子を該当する1種または複数種の賦形剤と混合し、得られた混合物をジェットミル処理して微小粒子と賦形剤との均一な混合物を得る。
1.混合
当業者であれば、本願明細書に記載の方法および剤形における粒子ならびにそのための粒子を混合する多くの方法を想定可能であり、粒子がどのように混合されるかについて説明している後述の例は、本願明細書にて説明し、特許請求の範囲に記載の方法および剤形を何ら限定することを目的としたものではない。混合については、連続法、バッチ法またはセミバッチ法の1種または複数種の工程で実施可能である。たとえば、2種類以上の賦形剤を用いる場合、製剤微小粒子と混合する前またはこれと同時に混合可能である。
混合については、基本的に、混合物の均一性を達成するのに効果的な1種または複数種の他の材料(賦形剤など)と微小粒子とを組み合わせるのに適したどのような手法または装置を用いてでも実施可能である。混合工程を行うには、さまざまなブレンダーを用いることができる。好適なブレンダーの代表例として、V型ブレンダー、傾斜コーンブレンダー、キューブブレンダー、ビンブレンダー、静的連続ブレンダー、動的連続ブレンダー、軌道(orbital)スクリューブレンダー、プラネタリーブレンダー、フォーバーグ(Forberg)ブレンダー、横型ダブルアームブレンダー、横型高強度ミキサー、縦型高強度ミキサー、攪拌羽根ミキサー、ツインコーンミキサー、ドラムミキサーおよびタンブルブレンダーを含む。ブレンダーは、好ましくは、医薬品に必要な衛生面が厳密に管理されたデザインのものである。
バッチ操作にはタンブルブレンダーが好ましいことが多い。一実施形態では、好適な容器内にて2種類以上の成分(乾燥成分と少量の液体成分の両方を含み得る)を無菌状態で組み合わせて混合を達成する。タンブルブレンダーの一例に、米国ニュージャージー州クリフトン(Clifton,NJ)のグレン・ミルズ・インコーポレイテッド(Glen Mills Inc.)から販売され、スイスのバーゼル州、マシーネンファブリック(Maschinenfabrik)のウィリー(Willy) A.バッハオーフェン(Bachofen) AGが製造しているターブラー(TURBULA)(商標)がある。
連続操作または半連続操作のために、ブレンダーには任意に、1種または複数種の乾燥粉末成分を制御しながらブレンダーに導入するためのロータリーフィーダー、スクリューコンベアまたは他のフィーダー機構を備え付けていてもよい。
2.微粉砕
微粉砕工程を利用して、混合済み粒子を破砕および/または脱塊し、所望の粒度およびサイズ分布を達成するとともに、混合内の粒子の分散性を高める。当業者であれば、本願明細書に記載の方法および剤形の粒子または混合物を微粉砕するための多くの方法を想定することが可能であり、どのようにしてこのような粒子または混合物を微粉砕できるのかを説明している後述の例は、本願明細書にて説明し、特許請求の範囲に記載の方法および剤形を何ら限定することを目的としたものではない。当該技術分野において周知の多岐にわたる微粉砕工程および設備を利用できる。例として、ハンマーミル、ボールミル、ローラミル、ディスクグラインダなどがある。好ましくは、ドライミリング工程を利用する。
好ましい手法では、微粉砕はジェットミリングを含む。ジェットミリングについては、たとえば、チッカリング(Chickering)IIIらに付与された米国特許第6,962,006号明細書に記載されている。本願明細書で使用する場合、「ジェットミル」および「ジェットミリング」という用語は、内部の空気分級機の有無を問わず、スパイラルジェットミル、ループジェットミルおよび流動床式ジェットミルをはじめとする、いずれかのタイプの流体エネルギーインパクトミルを使用することを含み、これを意味する。一実施形態では、微粉砕後の個々の微小粒子のサイズおよび形態が体積平均サイズの減少で少なくとも15%、数平均サイズの減少で75%以下になるようにジェットミリング工程条件を選択する。一実施形態では、粒子をフィーダー経由で無菌のままジェットミルに供給し、好ましくは乾燥窒素である好適な気体を用いて、ミルで微小粒子を供給および研磨する。研磨および供給時のガス圧を、材料の特性に応じて調節することが可能である。微小粒子のスループットは、ミルのサイズと容量とに左右される。微粉砕後の微小粒子については、濾過、より好ましくはサイクロンによって捕集可能である。
非経口投薬形態への加工
当業者であれば、本願明細書に記載の方法および剤形における粒子混合物を加工するための多くの方法を想定することが可能であり、どのようにして非経口投薬形態を生成できるのかを説明している後述の例は、本願明細書にて説明し、特許請求の範囲に記載の方法および剤形を何ら限定することを想定したものではない。注射可能な剤形の場合、微粉砕済み乾燥粉末混合を容器(バイアルなど)に直接充填し、封止した上で、使用する前に再構成用媒質を加えて剤形を再構成する。このようにして得られる微小粒子剤形では、注射性が改善され、注射器の針を一層容易に通過することが可能である。再構成用媒質は、注射に適し、微粉砕済み乾燥粉末混合物と相溶の液体ビヒクルである。液体ビヒクルは、当該技術分野において周知の水性ビヒクルであっても非水性ビヒクルであってもよい。好適な媒質の例として、注射用の水、生理食塩水、5%デキストロース、リン酸緩衝液生理食塩水、5%マンニトール、リンゲル液、乳酸加リンゲル液、乳酸加リンゲル液中5%デキストロース、注射用の静菌水、静菌生理食塩水、10%デキストロース水溶液、10%マンニトール水溶液、6%デキストラン、5%デキストロース、6%デキストラン、0.9%塩化ナトリウム、10%果糖、5%転化糖、1/6M乳酸ナトリウム、アミノ酸注射などの非経口栄養溶液、イントラリピド(Intralipid)などの非経口栄養エマルジョンを含む。非水性ビヒクルの例として、アルコール、グリセリン、n−メチルピロリドン(NMP)および固定植物油を含む。これらの媒質は、抗菌薬、保存剤、緩衝液および浸透圧性薬剤を含むものであってもよい。これらの媒質は、ポリソルベート80、ポリソルベート20およびこれらの組み合わせなどの1種または複数種の界面活性剤を含むものであってもよい。
一実施形態では、薬学的に許容される注射用液体ビヒクルに分散された少なくとも1種の賦形剤の粒子と混合された製剤の微小粒子またはナノ粒子の微粉砕混合の液体懸濁液を含む製薬剤形の非経口投薬形態が得られる。一実施形態では、微粉砕混合は界面活性剤を含まない。任意に、薬学的に許容される液体ビヒクルは、界面活性剤の水溶液を含む。好ましい実施形態では、製剤は25℃での水に対する溶解性が10mg/mL未満である。さまざまな実施形態において、賦形剤粒子は、少なくとも1種の糖、糖アルコール、デンプン、アミノ酸またはこれらの組み合わせを含む。一実施形態では、賦形剤粒子は、増量剤と少なくとも1種の非脆砕性賦形剤とを含む前処理済み賦形剤を含む。別の実施形態では、製剤の微小粒子またはナノ粒子は、当該技術分野において周知の生分解性または生体内分解性の合成ポリマーなどのポリマーをさらに含む。
微粉砕混合に対し、最終的に非経口投薬形態とする前に上記以外の処理を任意に施してもよい。このような処理の代表例として、残留溶媒をさらに除去するための凍結乾燥または真空乾燥、材料をアニールするための温度調節、特定の粒子画分を回収または除去する(すなわち、サイズ分布を最適化する)ための分粒、顆粒化および滅菌を含む。一実施形態では、微粉砕混合物を、微粉砕混合物の賦形剤材料と同一であっても異なっていてもよい1種または複数種の別の乾燥粉末賦形剤材料(賦形剤微小粒子など)とさらに混合する。
粒子および剤形成分
本願明細書にて説明するようにして生成される非経口投薬剤形は、粒子の混合物を含む。この混合物は主に、(1)製剤を含み、任意にシェル材料を含んでもよい微小粒子またはナノ粒子と、(2)少なくとも1種、一般に2種以上の賦形剤材料の粒子と、を含む。
粒子
本願明細書に記載の方法において開始材料として提供される、製剤を含む粒子は、多岐にわたるサイズおよび組成で提供可能なものである。本願明細書で使用する場合、「粒子」という用語は、微小粒子およびナノ粒子ならびに、これよりも大きな粒子(寸法の最も長い部分で最大5mmなど)を含む。好ましい実施形態では、粒子は微小粒子である。本願明細書で使用する場合、「微小粒子」という用語は、特に明記しない限りミクロスフェアおよびマイクロカプセルならびに微小粒子を包含し、サイズが1から1000ミクロンの粒子を示す。本願明細書で使用する場合、「ナノ粒子」はサイズが1から1000nmである。粒子は、意図した投与経路に適したサイズ(すなわち直径)になるように作られる。粒度もRESの取り込みに影響する可能性がある。さまざまな実施形態において、微粉砕済み製薬剤形混合物における製剤の微小粒子またはナノ粒子は、体積平均直径が100μm未満、好ましくは20μm未満、より好ましくは10μm未満である。血管内投与用では、粒子は好ましくは数平均直径が0.5から8μmである。皮下または筋肉内の投与用では、粒子は好ましくは数平均直径が約1から100μmである。一実施形態では、微粉砕済み製薬剤形混合物の粒子の体積平均直径が約0.5から20μmである。
微小粒子は、形状が球状であってもなくてもよい。微小粒子は、ロッド様、球状、針状(幅と厚さとが同程度の細長い針のような粒子)、円柱状(幅と厚さが針状粒子よりも大きい、長くて薄い粒子)、フレーク状(長さと幅とが同程度の薄くて平らな粒子)、板状(長さと幅とが同程度であるがフレークよりも厚い平らな粒子)、ラス(長くて細い刃のような粒子)、エカント(長さ、幅、厚さが同程度の粒子であり、立方体形と球状の両方を含む)、薄板状(積層板)または円盤状であってもよい。「マイクロカプセル」は、外側のシェルが他の材料(本例では製剤)からなるコアを囲んでいる微小粒子として定義される。コアは、気体、液体、ゲル、固体またはこれらの組み合わせであってもよい。「ミクロスフェア」は、固体の球であってもよいし、多孔性で、マトリックス材料またはシェルに設けられた孔または空隙で形成されたスポンジのような構造またはハニカム構造を含むものであってもよく、あるいは、マトリックス材料またはシェルに設けられた多数の離散的な空隙を含み得る。
一実施形態では、粒子は全体が製剤から形成される。もうひとつの実施形態では、粒子は、製剤のコアがシェルの中に封入されたものである。さらにもうひとつの実施形態では、製剤がシェルまたはマトリックス中にちりばめられている。なおさらにもうひとつの実施形態では、製剤はシェルまたはマトリックスを含む材料中に均一に混合される。
粒子に関して「サイズ」または「直径」という用語は、特に明記しない限り、数平均粒度を示す。数平均粒度を説明するのに用いることが可能な(なおかつコールターカウンターに用いられる方法の代表例である)式の一例を以下に示す。
Figure 2009519973
式中、n=特定の直径(d)あたりの粒子数である。
本願明細書で使用する場合、「体積平均直径」とは、体積で重み付けした直径平均である。コールターカウンターに用いられる方法の代表例である、体積平均直径を説明するのに用いることが可能な式の一例を以下に示す。
Figure 2009519973
式中、nは特定の直径(d)あたりの粒子数を示す。
レーザ回折粒子分析法に用いられる式の代表例である、体積平均を説明するのに用いることが可能な式のもうひとつの例を以下に示す。
Figure 2009519973
式中、dは直径を示す。
コールターカウンター法を利用する場合、生データを(数学的に体積分布に変換可能な)数ベースの分布に直接換算する。レーザ回折法を利用する場合、生データを(数学的に数の分布に変換可能な)体積分布に直接換算する。
非球状粒子の場合、データを球状粒子から得られたものであるかのように扱うことで、生データを粒度分布に換算してコールターカウンターまたはレーザ回折法を用いて粒子を分析することが可能である。顕微鏡法を利用して非球状粒子の粒度を検定するのであれば、粒子体積(V)を以下のようにして求め、最も長い軸を利用して直径(d)を表すことが可能である。
Figure 2009519973
式中、rは粒子の半径(0.5d)であり、数平均と体積平均がコールターカウンターに用いられる同じ式で計算される。
粒度分析に関しては、コールターカウンター、光学顕微鏡法、走査形電子顕微鏡、透過電子顕微鏡、レーザ回折法、光散乱法または飛行時間法で実施可能である。コールターカウンター法について述べる場合、粉末を電解質中に分散させ、得られる懸濁液を、50μm開口の管を取り付けたコールターマルチサイザーIIで分析する。レーザ回折法を用いる場合、粉末を水性媒質に分散させ、試験対象となる材料に合わせて屈折率値を適宜選択したコールターLS230を用いて分析する。
懸濁液の肉眼で見える凝集体を調べる目視評価、顕微鏡でしか見えない凝集体の濃度を調べる光学顕微鏡法、コールターカウンター分析または懸濁液における粒度を分析する光散乱法によって、凝集体の分析を行うことができる。体積平均に基づく懸濁液における粒度の減少から、凝集体濃度が低下したことが分かる。
1.製剤
この製剤は、治療薬、診断薬または予防薬である。これは原薬(「API」)であってもよいし、本願明細書では広義に「薬剤」または「活性剤」と呼ぶこともある。製剤は、非晶質状態で存在してもよいし、結晶状態またはこれらの混合物の状態で存在してもよい。製剤を、蛍光標識、放射性標識などの検出可能な標識または酵素的またはクロマトグラフィ用検出剤で標識してもよい。
水溶解度が低い、たとえば製剤の水に対する25℃での溶解性が10mg/mL未満であるような製剤の場合に、本願明細書に記載の方法を有利に利用することが可能である。
この方法は、非経口投与に適した多種多様な治療薬、診断薬および予防薬に適用可能である。好適な薬剤の代表例として、鎮痛剤/解熱剤(アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ナプロキセンナトリウム、ブプレノルフィン、塩酸プロポキシフェン、ナプシル酸プロポキシフェン、メペリジン塩酸塩、ヒドロモルホン塩酸塩、モルヒネ、オキシコドン、コデイン、酒石酸水素ジヒドロコデイン、ペンタゾシン、酒石酸水素ヒドロコドン、レボルファノール、ジフルニサル、サリチル酸トロラミン、塩酸ナルブフィン、メフェナム酸、ブトルファノール、サリチル酸コリン、ブタルビタール、クエン酸フェニルトロキサミンおよびメプロバメートなど)、抗喘息薬、抗生剤(ネオマイシン、ストレプトマイシン、クロラムフェニコール、セファロスポリン、アンピシリン、ペニシリン、テトラサイクリンおよびシプロフロキサシンなど)、抗うつ剤(ネフォパム、オキシペルチン、ドキセピン、アモキサピン、トラゾドン、アミトリプチリン、マプロチリン、フェネルジン、デシプラミン、ノルトリプチリン、トラニルシプロミン、フルオキセチン、イミプラミン、パモ酸イミプラミン、イソカルボキサジド、トリミプラミンおよびプロトリプチリンなど)、抗糖尿病薬(ビグアニドおよびスルホニル尿素誘導体など)、抗真菌薬(グリセオフルビン、ケトコナゾール、イトラコニゾール(itraconizole)、ヴィルコナゾール(virconazole)、アムホテリシンB、ナイスタチンおよびカンジシジンなど)、降圧薬(プロパノロール、プロパフェノン、オキシプレノロール、ニフェジピン、レセルピン、トリメタファン、フェノキシベンザミン、パルギリン塩酸塩、デセルピジン、ジアゾキシド、一硫酸グアネチジン、ミノキシジル、レシナミン、ニトロプルシドナトリウム、インド蛇木、アルセルオキシロン(alseroxylon)およびフェントラミンなど)、抗炎症薬((非ステロイド系)セレコキシブ、ロフェコキシブ、インドメタシン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、ナプロキセン、イブプロフェン、ラミフェナゾン、ピロキシカム、(ステロイド系)コルチゾン、デキサメタゾン、フルアザコルト、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロンおよびプレドニゾンなど)、抗新生物薬(シクロホスファミド、アクチノマイシン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、マイトマイシン、メトトレキサート、フルオロウラシル、カルボプラチン、カルムスチン(BCNU)、メチル−CCNU、シスプラチン、抗アポトーシス剤、エトポシド、カンプトセシンおよびその誘導体、フェネステリン、パクリタキセルおよびその誘導体、ドセタキセルおよびその誘導体、ビンブラスチン、ビンクリスチン、タモキシフェンおよびピポスルファンなど)、抗不安薬(ロラゼパム、ブスピロン、プラゼパム、クロルジアゼポキシド、オキサゼパム、クロラゼプ酸二カリウム、ジアゼパム、パモ酸ヒドロキシジン、塩酸ヒドロキシジン、アルプラゾラム、ドロペリドール、ハラゼパム、クロルメザノンおよびダントロレンなど)、免疫抑制薬(シクロスポリン、アザチオプリン、ミゾリビンおよびFK506(タクロリムス)、シロリムスなど)、抗偏頭痛薬(エルゴタミン、プロパノロールおよびジクロラールフェナゾンなど)、鎮静剤/睡眠薬(ペントバルビタール、ペントバルビタールおよびセコバルビタールなどのバルビツレート;および塩酸フルラゼパムおよびトリアゾラムなどのベンゾジアザピンなど)、抗狭心症薬(β−アドレナリンブロッカー;ニフェジピンおよびジルチアゼムなどのカルシウムチャネルブロッカー;およびニトログリセリンおよび四硝酸エリスリチルなどのニトレートなど)、抗精神病薬(ハロペリドール、コハク酸ロキサピン、塩酸ロキサピン、チオリダジン、塩酸チオリダジン、チオチキセン、フルフェナジン、デカン酸フルフェナジン、エナント酸フルフェナジン、トリフルオペラジン、クエン酸リチウム、プロクロルペラジン、アリピプラゾールおよびリスペルジオン(risperdione)など)、抗躁薬(炭酸リチウムなど)、抗不整脈薬(トシル酸ブレチリウム、エスモロール、ベラパミル、アミオダロン、エンカイニド、ジゴキシン、ジギトキシン、メキシレチン、リン酸ジソピラミド、プロカインアミド、硫酸キニジン、キニジングルコン酸、酢酸フレカイニド、トカイニドおよびリドカインなど)、抗関節炎薬(フェニルブタゾン、スリンダク、ペニシラミン、サルサラート、ピロキシカム、アザチオプリン、インドメタシン、メクロフェナム酸、金チオリンゴ酸ナトリウム、ケトプロフェン、オーラノフィン、アウロチオグルコースおよびトルメチンナトリウムなど)、抗痛風薬(コルヒチンおよびアロプリノールなど)、抗凝血薬(ヘパリン、低分子量ヘパリン、デシルジン、ヘパリンナトリウムおよびワルファリンナトリウムなど)、血栓溶解剤(ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼおよびアルテプラーゼなど)、抗線維素溶解薬(アミノカプロン酸など)、血液レオロジー薬(hemorheologic agent)(ペントキシフィリンなど)、抗血小板薬(アスピリン、クロピドグレルなど)、抗痙攣薬(バルプロ酸、ジバルプロエクスナトリウム、フェニトイン、フェニトインナトリウム、クロナゼパム、プリミドン、フェノバルビトール(phenobarbitol)、カルバマゼピン、アモバルビタールナトリウム、メトスクシミド、メタルビタール、メホバルビタール、パラメタジオン、エトトイン、フェナセミド、セコバルビトール(secobarbitol)ナトリウム、クロラゼプ酸二カリウム、オクスカルバゼピンおよびトリメタジオンなど)、抗パーキンソン病薬(エトスクシミドなど)、抗ヒスタミン薬/かゆみ止め薬(ヒドロキシジン、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、マレイン酸ブロムフェニラミン、塩酸シプロヘプタジン、テルフェナジン、フマル酸クレマスチン、アザタジン、トリペレナミン、マレイン酸デクスクロルフェニラミン、メトジラジンなど)、カルシウム調節に有用な剤(カルシトニンおよび副甲状腺ホルモンなど)、抗菌薬(硫酸アミカシン、アズトレオナム、クロラムフェニコール、パルミチン酸クロラムフェニコール、シプロフロキサシン、クリンダマイシン、パルミチン酸クリンダマイシン、リン酸クリンダマイシン、メトロニダゾール、メトロニダゾール塩酸塩、硫酸ゲンタマイシン、塩酸リンコマイシン、硫酸トブラマイシン、塩酸バンコマイシン、硫酸ポリミキシンB、コリスチンナトリウム、クラリスロマイシンおよび硫酸コリスチンなど)、抗ウィルス薬(インターフェロン、ジドブジン、塩酸アマンタジン、リバビリンおよびアシクロビルなど)、抗菌剤(セフタジジムなどのセファロスポリン;ペニシリン;エリスロマイシン;および塩酸テトラサイクリン、ドキシサイクリン水和物および塩酸ミノサイクリン、アジスロマイシン、クラリスロマイシンなどのテトラサイクリンなど)、抗感染薬(GM−CSFなど)、気管支拡張剤(塩酸エピネフリン、硫酸メタプロテレノール、硫酸テルブタリン、イソエタリン、メシル酸イソエタリン、塩酸イソエタリン、硫酸アルブテロール、アルブテロール、メシル酸ビトルテロール、塩酸イソプロテレノール、硫酸テルブタリン、酒石酸水素エピネフリン、硫酸メタプロテレノール、エピネフリンおよび酒石酸水素エピネフリンなどの交感神経刺激薬;臭化イプラトロピウムなどの抗コリン薬;アミノフィリン、ジフィリン、硫酸メタプロテレノールおよびアミノフィリンなどのキサンチン;クロモリンナトリウムなどの肥満細胞安定剤;サルブタモール;臭化イプラトロピウム;ケトチフェン;サルメテロール;キシナホ酸塩;硫酸テルブタリン:テオフィリン;ネドクロミルナトリウム;硫酸メタプロテレノール;アルブテロールなど)、コルチコステロイド(ジプロピオン酸ベクロメタゾン(BDP)、ジプロピオン酸ベクロメタゾン一水和物;ブデゾニド、トリアムシノロン;フルニソリド;プロピオン酸フルチカゾン;モメタゾンなど)、ステロイド系化合物およびホルモン(ダナゾール、テストステロンシピオネート、フルオキシメステロン、エチルテストステロン、テストステロンエナタート(enathate)、メチルテストステロン、フルオキシメステロンおよびテストステロンシピオネートなどのアンドロゲン;エストラジオール、エストロピペートおよび結合形エストロゲンなどのエストロゲン;酢酸メトキシプロゲステロンおよび酢酸ノルエチンドロンなどのプロゲスチン;トリアムシノロン、ベタメタゾン、リン酸ベタメタゾンナトリウム、デキサメタゾン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、プレドニゾン、酢酸メチルプレドニゾロン懸濁液、トリアムシノロンアセトニド、メチルプレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、トリアムシノロンヘキサアセトニド、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾンシピオネート、プレドニゾロン、酢酸フルドロコルチゾン、酢酸パラメタゾン、テブト酸プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウムおよびコハク酸ヒドロコルチゾンナトリウムなどのコルチコステロイド;およびレボチロキシンナトリウムなどの甲状腺ホルモンなど)、血糖降下薬(ヒトインスリン、精製ウシインスリン、精製ブタインスリン、グリブリド、クロルプロパミド、グリピジド、トルブタミドおよびトラザミドなど)、抗高脂血症薬(クロフィブラート、デキストロチロキシンナトリウム、プロブコール、プラバスチチン、アトルバスタチン、ロバスタチンおよびナイアシンなど)、タンパク質(DNase、アルギナーゼ、スーパーオキシドジスムターゼおよびリパーゼなど)、核酸(治療上有用なあらゆるタンパク質(本願明細書に記載のあらゆるタンパク質を含む)をコードする、センス核酸またはアンチセンス核酸など)、赤血球生成促進に有用な薬剤(エリスロポエチンなど)、抗潰瘍/逆流防止剤(ファモチジン、シメチジンおよび塩酸ラニチジンなど)、制嘔吐剤/鎮吐剤(塩酸メクリジン、ナビロン、プロクロルペラジン、ジメンヒドリナート、塩酸プロメタジン、チエチルペラジンおよびスコポラミンなど)、脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、Kなど)、およびミトタン、ハロニトロソ尿素、アントラサイクリンおよびエリプチシンなどの他の薬剤ならびにこれらの薬剤の代替塩形態、遊離酸形態、遊離塩基形態および水和物などの、代替形態を含む。。これらのクラスならびに他のクラスの有用な薬剤についての説明と、各クラス内に含まれる種の一覧を、マーチンダーレ(Martindale)、「The Extra Pharmacopoeia」、第30版(The Pharmaceutical Press、ロンドン、1993年)に見ることが可能である。
好ましい実施形態では、本願明細書に記載の方法および剤形に用いられる製剤は、疎水性化合物、特に疎水性治療薬である。このような疎水性薬剤の例として、クロピドグレル、セレコキシブ、ロフェコキシブ、パクリタキセル、ドセタキセル、アシクロビル、アルプラゾラム、アミオダロン、アモキシシリン、アナグレリド、バクトリム、バイアキシン、ブデゾニド、ブルスルファン、カルバマゼピン、セフタジジム、セフプロジル、シプロフロキシン、クラリスロマイシン、クロザピン、シクロスポリン、ジアゼパム、エストラジオール、エトドラク、ファムシクロビル、フェノフィブラート、フェキソフェナジン、ゲムシタビン、ガンシクロビル、イトラコナゾール、ラモトリギン、ロラチジン、ロラゼパム、メロキシカム、メサラミン、ミノサイクリン、モダフィニル、ナブメトン、メシル酸ネルフィナビル、オランザピン、オクスカルバゼピン、フェニトイン、プロポフォール、リトナビル、SN−38、スルファメタキサゾール、スルファサラジン、タクロリムス、チアガビン、チザニジン、トリメトプリム、ベイリウム、バルサルタン、ボリコナゾール、ザフィルルカスト、ジレウトンおよびジプラシドンを含む。
本願明細書に記載の方法および剤形の特定の例では、薬剤は、クロピドグレル、抗てんかん剤(特にトピラマートおよびオクスカルパゼピン(oxcarpazepine))、プロポフォール、パクリタキセル、ドセタキセル、セレコキシブおよびアセトアミノフェンから選択される。
他に考え得る薬剤の例として、アルブテロール、アダパレン、メシル酸ドキサゾシン、フロン酸モメタゾン、ウルソジオール、アムホテリシン、マレイン酸エナラプリル、フェロジピン、塩酸ネファゾドン、バルルビシン、アルベンダゾール、結合形エストロゲン、酢酸メドロキシプロゲステロン、塩酸ニカルジピン、酒石酸ゾルピデム、ベシル酸アムロジピン、エチニルエストラジオール、オメプラゾール、ルビテカン、ベシル酸アムロジピン/塩酸ベナゼプリル、エトドラク、塩酸パロキセチン、パクリタキセル、アトバクォン、フェロジピン、ポドフィロクス、パリカルシトール、ジプロピオン酸ベタメタゾン、フェンタニル、二塩酸プラミペキソール、ビタミンDおよび関連の類縁体、フィナステリド、フマル酸クエチアピン、アルプロスタジル、カンデサルタン、シレキセチル、フルコナゾール、リトナビル、ブスルファン、カルバマゼピン、フルマゼニル、リスペリドン、カルベマゼピン(carbemazepine)、カルビドパ、レボドパ、ガンシクロビル、サキナビル、アンプレナビル、カルボプラチン、グリブリド、塩酸セルトラリン、ロフェコキシブカルベジロール、プロピオン酸ハロベタソール、クエン酸シルデナフィル、セレコキシブ、クロルタリドン、イミキモド、シンバスタチン、シタロプラム、シプロフロキサシン、塩酸イリノテカン、スパルフロキサシン、エファビレンツ、シサプリド一水和物、ランソプラゾール、塩酸タムスロシン、モファフィニル、クラリスロマイシン、レトロゾール、塩酸テルビナフィン、マレイン酸ロシグリタゾン、ジクロフェナクナトリウム、塩酸ロメフロキサシン、塩酸チロフィバン、テルミサルタン、ジアゼパム、ロラタジン、クエン酸トレミフェン、サリドマイド、ジノプロストン、塩酸メフロキン、トランドラプリル、ドセタキセル、塩酸ミトキサントロン、トレチノイン、エトドラク、酢酸トリアムシノロン、エストラジオール、ウルソジオール、メシル酸ネルフィナビル、インジナビル、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、オキサプロジン、フルタミド、ファモチジン、ニフェジピン、プレドニゾン、セフロキシム、ロラゼパム、ジゴキシン、ロバスタチン、グリセオフルビン、ナプロキセン、イブプロフェン、イソトレチノイン、クエン酸タモキシフェン、ニモジピン、アミオダロンおよびアルプラゾラムを含む。
本願明細書に記載の方法および剤形において有用となり得る薬剤の別の例として、セフトリアキソン、ケトコナゾール、セフタジジム、オキサプロジン、アルブテロール、バラシクロビル、ウロフォリトロピン、ファムシクロビル、フルタミド、エナラプリル、メトフォルミン、イトラコナゾール、ブスピロン、ガバペンチン、ホシノプリル、トラマドール、アカルボース、ロラゼパム、フォリトロピン、グリピジド、オメプラゾール、フルオキセチン、リシノプリル、トラマドール、レボフロキサシン、ザフィルルカスト、インターフェロン、成長ホルモン、インターロイキン、エリスロポエチン、顆粒球刺激因子、ニザチジン、ビュープロピオン、ペリンドプリル、エルブミン、アデノシン、アレンドロネート、アルプロスタジル、ベナゼプリル、ベタキソロール、硫酸ブレオマイシン、デキスフェンフルラミン、ジルチアゼム、フェンタニル、フレカイニド、ゲムシタビン、酢酸グラチラマー、グラニセトロン、ラミブジン、マンガフォジピル三ナトリウム、メサラミン、フマル酸メトプロロール、メトロニダゾール、ミグリトール、モエキシプリル、モンテルカスト、酢酸オクトレオチド、オロパタジン、パリカルシトール、ソマトロピン、コハク酸スマトリプタン、タクリン、ベラパミル、ナブメトン、トロバフロキサシン、ドラセトロン、ジドブジン、フィナステリド、トブラマイシン、イスラジピン、トルカポン、エノキサパリン、フルコナゾール、ランソプラゾール、テルビナフィン、パミドロネート、ジダノシン、ジクロフェナク、シサプリド、ベンラファキシン、トログリタゾン、フルバスタチン、ロサルタン、イミグルセラーゼ、ドネペジル、オランザピン、バルサルタン、フェキソフェナジン、カルシトニンおよび臭化イプラトロピウムを含む。これらの薬剤は一般に、水溶性であるとされている。
もうひとつの実施形態では、本明細書に記載される方法および剤形に使用される製剤が画像診断用の造影剤(contrast agent)である。たとえば、診断薬が、陽電子放出型断層撮影法(PET)、コンピュータ支援断層撮影法(CAT)、シングルフォトンエミッションCT、X線、蛍光透視法、磁気共鳴映像法(MRI)または超音波映像法に有用な造影剤であってもよい。これらの造影剤が内包された微小粒子は、従来技術において利用できる標準的な手法と商業的に入手可能な設備とを用いて検出可能なものである。MRI造影剤として用いられる好適な材料の例として、可溶性の鉄化合物(グルコン酸第一鉄、クエン酸第二鉄アンモニウム)およびガドリニウム−ジエチレントリアミン五酢酸(Gd−DTPA)を含む。
2.シェル材料
製剤を含む粒子は、シェル材料をも含むものであってもよい。シェル材料は、賦形剤材料と同一であっても異なるものであってもよい。シェル材料には、たとえば、選択する特定の非経口投薬形態および所望の放出動態に応じて、水溶性または水不溶性、分解可能または非分解可能、腐食性または非腐食性、天然または合成のものが可能である。シェル材料のタイプの代表例として、ポリマー、アミノ酸、糖、タンパク質、炭水化物および脂質を含む。ポリマー系シェル材料には、分解可能または非分解可能、腐食性または非腐食性、天然または合成のものが可能である。非経口投与には非腐食性ポリマーを利用してもよい。一般に、合成および分解の再現性が高いため、合成ポリマーのほうが好ましいことがあるが、天然ポリマーも利用できる。ポリマーについては、貯蔵寿命、送達が望まれる部位まで安定的に分布させるのに必要な時間、分解率、機械的特性、ポリマーのガラス転移点をはじめとする多岐にわたる性能要因に基づいて選択すればよい。
合成ポリマーの代表例として、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)およびポリ(乳酸−co−グリコール酸)などのポリ(ヒドロキシ酸)、ポリ(ラクチド)、ポリ(グリコライド)、ポリ(ラクチド−co−グリコライド)、ポリ酸無水物、ポリオルトエステル、ポリアミド、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのポリアルキレン、ポリ(エチレングリコール)などのポリアルキレングリコール、ポリ(エチレンオキシド)などのポリアルキレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルエステル、ポリビニルピロリドン、ポリ(ビニルアルコール)、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、ニトロセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシ−プロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、カルボキシエチルセルロース、三酢酸セルロースおよびセルローススルフェートナトリウム塩などの誘導体化セルロース(本願明細書では、「合成セルロース」と総称)、ポリ(酪酸)、ポリ(吉草酸)およびポリ(ラクチド−co−カプロラクトン)、これらのコポリマーおよび混合物を含む。本願明細書で使用する場合、「誘導体」には、置換、たとえばアルキル、アルキレンなどの化学基の付加、水酸化、酸化および当業者が日常的に行っている他の修飾を有するポリマーが含まれる。
好ましい生分解性ポリマーの例としては、乳酸およびグリコール酸などのヒドロキシ酸のポリマーならびに、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ酸無水物、ポリ(オルト)エステル、ポリ(酪酸)、ポリ(吉草酸)、ポリ(ラクチド−co−カプロラクトン)、これらの混合物およびコポリマーとのコポリマーを含む。
好ましい天然ポリマーの例としては、アルブミンおよびプロラミンなどのタンパク質(たとえばゼイン)、アルギン酸塩、セルロースおよびポリヒドロキシアルカノエートなどの多糖類(たとえばポリヒドロキシブチレート)を含む。生成時に、PEGと共重合させたポリラクチド−co−グリコライドなどのポリマーを利用してマトリックスの生体内安定性を調節することが可能である。PEGは、外面に露出させると、PEGが親水性であり、細網内皮系(RES)認識を遮蔽することが実証されているため、これらの材料が脈管内投与後に循環する時間を長くできる場合がある。
シェルに利用できる代表的なアミノ酸には、天然に発生するアミノ酸と非天然に発生するアミノ酸の両方が含まれる。アミノ酸は、疎水性であっても親水性であってもよく、Dアミノ酸、Lアミノ酸またはラセミ混合物であり得る。使用可能なアミノ酸としては、グリシン、アルギニン、ヒスチジン、トレオニン、アスパラギン、アスパラギン酸、セリン、グルタミン酸塩、プロリン、システイン、メチオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、トリプトファン、フェニルアラニン、チロシン、リジン、アラニンおよびグルタミンを含む。このアミノ酸を、増量剤として利用してもよいし、非晶質状態の薬剤用の結晶化防止剤として利用してもよく、あるいは、結晶状態の薬剤用の結晶成長阻害剤または湿潤剤として利用してもよい。ロイシン、イソロイシン、アラニン、グリシン、バリン、プロリン、システイン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンなどの疎水性アミノ酸は、結晶化防止剤または結晶成長阻害剤として有効なことのほうが多い。また、アミノ酸は、溶解性、溶解率または濡れ性などのシェルの製薬特性に影響を与えるのに利用可能なpH依存性をシェルに持たせるよう機能することが可能である。
賦形剤、増量剤
薬剤粒子を、1種または複数種の賦形剤粒子と混合する。「賦形剤」という用語は、製剤の取り扱い性、安定性、懸濁性、湿潤性、放出動態および/または非経口投与または経鼻投与を容易にすることを意図した、剤形の非活性の成分を示す。賦形剤は、当該技術分野において周知の薬学的に許容される担体または増量剤であってもよい。賦形剤には、シェル材料、タンパク質、アミノ酸、糖または他の炭水化物、デンプン、脂質またはこれらの組み合わせを含み得る。一実施形態では、賦形剤は、微小粒子状である。一実施形態では、賦形剤微小粒子は体積平均サイズが約1から20μmであり得る。
一実施形態では、本願明細書に記載の方法および剤形の賦形剤は前処理済み賦形剤である。前処理済み賦形剤とは、最初は乾燥粉末状で容易に取り扱うことができず、乾燥粉末での処理(微粉砕または混合など)に適した形態に変換された賦形剤である。好ましい前処理工程については上述してある。好ましい実施形態では、前処理済み賦形剤の賦形剤は、液状、ワックス状、非結晶性化合物または他の非脆砕性化合物を含む。好ましい実施形態では、非脆砕性賦形剤は、ワックス状または液状の界面活性剤などの界面活性剤を含む。「液状」とは、材料が周囲温度および圧力条件(15〜25℃および大気圧など)で液体であることを意味する。このような界面活性剤の例として、ドクセートナトリウム(DSS)およびポリソルベートを含む。好ましい実施形態では、界面活性剤はトゥイーン(Tween)または他の親水性非イオン系界面活性剤である。前処理済み賦形剤はさらに、少なくとも1種の増量剤を含む。好ましい実施形態では、本願明細書に記載の方法および剤形に用いられる増量剤は、少なくとも1種の糖、糖アルコール、デンプン、アミノ酸またはこれらの組み合わせを含む。好適な増量剤の例として、ラクトース、スクロース、マルトース、マンニトール、ソルビトール、トレハロース、ガラクトース、キシリトール、エリスリトールおよびこれらの組み合わせを含む。
本願明細書に記載の方法の特定の一実施形態では、単糖(マンニトールなど)と界面活性剤(トゥイーン(TWEEN)(商標)80など)とを水の存在下で混合した後、噴霧乾燥または凍結乾燥によって水を除去し、単糖と界面活性剤の前処理済み賦形剤を得る。次に、前処理済みの単糖/界面活性剤混合物を、APIからなるまたはAPIを含む微小粒子と混合する。
賦形剤に利用できる代表的なアミノ酸には、天然に発生するアミノ酸と非天然に発生するアミノ酸の両方が含まれる。アミノ酸は、疎水性であっても親水性であってもよく、Dアミノ酸、Lアミノ酸またはラセミ混合物であり得る。使用可能なアミノ酸としては、グリシン、アルギニン、ヒスチジン、トレオニン、アスパラギン、アスパラギン酸、セリン、グルタミン酸塩、プロリン、システイン、メチオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、トリプトファン、フェニルアラニン、チロシン、リジン、アラニンおよびグルタミンを含む。このアミノ酸を、増量剤として利用してもよいし、結晶状態の薬剤用の湿潤剤または結晶成長阻害剤として利用してもよい。ロイシン、イソロイシン、アラニン、グリシン、バリン、プロリン、システイン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンなどの疎水性アミノ酸は、結晶成長阻害剤として有効なことのほうが多い。また、アミノ酸は、溶解性、溶解率または濡れ性などのマトリックスの製薬特性に影響を与えるのに利用可能なpH依存性をマトリックスに持たせるよう機能することが可能である。
賦形剤の例としては、界面活性剤、分散剤、浸透圧性薬剤、または希釈剤を含む。例として、デソキシコール酸ナトリウム;ドデシル硫酸ナトリウム;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、たとえば、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノラウレート(トゥイーン(TWEEN)(商標)20)、ポリオキシエチレン4ソルビタンモノラウレート(トゥイーン(TWEEN)(商標)21)、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノパルミテート(トゥイーン(TWEEN)(商標)40)、ポリオキシエチレン20ソルビタンモノオレエート(トゥイーン(TWEEN)(商標)80);ポリオキシエチレンアルキルエーテル、たとえば、ポリオキシエチレン4ラウリルエーテル(BRIJ(商標)30)、ポリオキシエチレン23ラウリルエーテル(BRIJ(商標)35)、ポリオキシエチレン10オレイルエーテル(BRIJ(商標)97);ポリオキシエチレングリコールエステル、たとえば、ポロキシ(poloxy)エチレン8ステアレート(MYRJ(商標)45)、ポロキシエチレン40ステアレート(MYRJ(商標)52);チロキサポール;スパン(Span)およびこれらの混合物を含む。
以下の非限定的な実施例を参照すれば、本発明についてさらに理解することが可能である。
以下の製造元から材料を入手した。セレコキシブおよびオクスカルバゼピン(カナダのオンタリオ州、リッチモンドヒル(Richmond Hill)のオンバイオ(Onbio)社)、マンニトール(ニュージャージー州ニューブランズウィック(New Brunswick)のスペクトラム・ケミカルズ(Spectrum Chemicals)社;またはアイオワ州キオカク(Keokuk)のロケット・アメリカ・インコーポレイテッド(Roquette America Inc.)のペアリトール(Pearlitol)100SD、トゥイーン(TWEEN)(商標)80(ニュージャージー州ニューブランズウィック(New Brunswick)のスペクトラム・ケミカルズ(Spectrum Chemicals)社)およびプラスドン(Plasdone)−C15(ニューヨーク州ウェイン(Wayne)のインターナショナル・スペシャルティ・プロダクツ(International Specialty Products)社)。トゥイーン(TWEEN)(商標)80を、以下、「トゥイーン(Tween)80」と呼ぶ。
ターブラー(TURBULA)(商標)反転(inversion)ミキサー(型番:T2F)を混合に利用した。ホソカワ製アルピネ・エアロプレックス(Alpine Aeroplex)スパイラルジェットミル(型番:50AS)または流体エネルギーアルジェット(Aljet)ジェットミルを利用した。微粉砕用のインジェクターガスおよび研磨用ガスとして、乾燥窒素ガスを用いた。研究では、乾燥粉末を手作業でジェットミルに供給したため、粉末供給量は一定ではなかった。粉末の供給は手作業であったが、供給量を計算で求めたところ、すべての研究で約1から5g/分であった。供給量は、総バッチ時間に対する1つのバッチで処理される材料の総量の比である。特に明記しない限りジェットミル処理後の試料の粒度測定は、開口50μmのコールターマルチサイザーIIを用いて実施したものである。
実施例1:PLGA微小粒子と、トゥイーン(Tween)80およびマンニトールを含む前処理済み賦形剤粒子との混合物のジェットミリング
賦形剤を前処理して乾燥粉末状にする第1の工程と、粒子(製剤の粒子を示す)を前処理済み賦形剤の粒子と組み合わせる第2の工程という2つの工程で混合を実施した。第1の工程では、マンニトールおよびトゥイーン(Tween)80を液状で混合し、トゥイーン(Tween)80、マンニトールおよび水から、トゥイーン(Tween)80/マンニトールビヒクル500mLを調製した。ビヒクルを冷凍した後、真空乾燥を施し、前処理済み賦形剤すなわち、マンニトールと一緒に均一に分散されたトゥイーン(Tween)80を含む粉末を得た。第2の工程では、ポリ(ラクチド−co−グリコライド)(50:50)(「PLGA」)微小粒子(製剤粒子を示す)を、前処理したマンニトール/トゥイーン(Tween)80と組み合わせ、タンブラーミキサー内で混合して混合済みの乾燥粉末を得た。PLGA微小粒子はXn=2.83ミクロンおよびXv=8.07ミクロンとした。続いて、この混合済み乾燥粉末を、手作業でジェットミルに供給し、3通りの動作条件で動作させた。このようにして得られる微粉砕混合試料の粒度を分析した。比較のため、対照試料(混合済みであるがジェットミル処理なし)も同様に分析した。コールターマルチサイザーIIでの結果を表1に示す。
Figure 2009519973
これらの結果から、微粉砕混合物剤形で得られる分散性(体積平均(Xv)で検定したものであり、Xvが小さければ小さいほど凝集体が少ないことになる)に対する利点が明らかになる。
実施例2:トゥイーン(Tween)80、プラスドン(Plasdone)−C15およびマンニトールを含むセレコキシブと前処理済み賦形剤粒子との混合物のジェットミリング
セレコキシブ:マンニトール:トゥイーン(Tween)80:プラスドン(Plasdone)−C15を10:10:1:1の比で含有する2種類の混合を生成した。セレコキシブ、マンニトール(ペアリトール(Pearlitol)100SD)、トゥイーン(Tween)80およびプラスドン(Plasdone)−C15の混合物を直接ジェットミリング処理して(賦形剤の前処理なく)試料2aを生成した。セレコキシブと前処理済みマンニトール/トゥイーン(Tween)80/プラスドン(Plasdone)−C15の混合物をジェットミリング処理して試料2bを生成した。マンニトールおよびトゥイーン(Tween)80については、水に溶解(749gの水に85.2gのマンニトールと8.54gのトゥイーン(Tween)80)させた後、冷凍と凍結乾燥によって、10:1の比で前処理済みであった。
ターブラー(Turbula)ミキサーを利用して各試料を混合し、混合済み乾燥粉末を生成した。この混合済み乾燥粉末を手作業で流体エネルギーアルジェット(Aljet)ジェットミルに供給した。微粉砕の加工しやすさに関して観察を行い、観察結果を表2にあげておく。前処理済み賦形剤を用いて生成した材料は、非前処理賦形剤を用いて生成した材料よりも微粉砕が容易であった。
Figure 2009519973
試料2aおよび試料2bで得られた微粉砕混合物を水で再構成し、顕微鏡検査によって調べた。非凍結乾燥マンニトール/トゥイーン(Tween)80を含む剤形に凝集体が観察された。しかしながら、凍結乾燥マンニトール/トゥイーン(Tween)80/PVPを含む材料では大きな凝集体は見えなかったことから、トゥイーン(Tween)80賦形剤を前処理することで、図4A〜図4B(試料2a)および図5A〜図5B(試料2b)に示すように、分散が改善される。
実施例3:混合物中に界面活性剤を含む、再構成後のセレコキシブ非経口混合物剤形の微小粒子分散性の比較
3通りの異なる工程のうちの1つによって乾燥粉末混合物剤形を調製した後、水に入れて再構成した。この乾燥粉末混合物は、5:10:1:1の比で、セレコキシブ、マンニトール、プラスドン(Plasdone)−C15およびトゥイーン(Tween)80からなるものであった。マンニトール(ペアリトール(Pearlitol)100SD)およびトゥイーン(Tween)80については、水に溶解(104mLの水に18gのマンニトールと1.8gのトゥイーン(Tween)80)させた後、冷凍して−80℃で凍結乾燥させることで、10:1の比で前処理済みであった。比較した3通りの工程は、(1)セレコキシブと賦形剤粒子とを微粉砕なしで混合し、(2)セレコキシブ粒子を別に微粉砕した後、微粉砕粒子を賦形剤と混合するか、(3)セレコキシブと賦形剤粒子とを混合した後、得られた混合物を微粉砕することであった。このようにして得られる混合物を、振盪しながら水に入れて再構成し、LS230レーザ回折粒度アナライザ(ベックマン・コールター(Beckman Coulter)、カリフォルニア州フラートン(Fullerton))を用いて光散乱で分析した。3通りの工程各々での粒子のサイズを比較した。サイズの比較結果を、懸濁液品質についての目視評価結果と一緒に表3に示す。図6A〜図6Bは、賦形剤粒子とセレコキシブ粒子との混合物から再構成後のセレコキシブの顕微鏡検査の結果を示す(工程1)。図7A〜図7Bは、賦形剤粒子と微粉砕済みセレコキシブ粒子との混合物から再構成後のセレコキシブの顕微鏡検査の結果を示す(工程2)。図8A〜図8Bは、賦形剤粒子とセレコキシブ粒子とのジェットミル処理した混合物から再構成後のセレコキシブの顕微鏡検査の結果を示す(工程3)。
Figure 2009519973
これらの結果から、加工方法が得られる懸濁液の品質に影響することが明らかに分かる。また、上記の結果から、他の方法で生成される剤形に比して微粉砕混合物剤形のほうが利点があることも分かる。
得られる微細懸濁液に肉眼で見える粒子が少ししか含まれないことから分かるように、混合済みセレコキシブ粒子をジェットミル処理すると、分散性の改善された粉末が得られた。この懸濁液は、未処理のセレコキシブ微小粒子や混合済みセレコキシブ微小粒子の懸濁液よりも良いものであった。
懸濁液の光学顕微鏡画像(図6〜図8)では、他の2つの微小粒子試料と比較して、混合とジェットミリングのどちらの後でも懸濁される微小粒子の数が増え、なお一層均一になったことから分かるように、個々の粒子の分散性が変化しただけで、個々の粒子形態の有意な変化は何ら認められない。
実施例4:混合物中に界面活性剤を含まない再構成後のセレコキシブ非経口混合物剤形の微小粒子分散性の比較
3通りの異なる工程のうちの1つによって、界面活性剤を含まない乾燥粉末混合形を調製した後、界面活性剤を含むビヒクルに入れて再構成した。この混合は、セレコキシブとマンニトール(ペアリトール(Pearlitol)100SD)とを5:10の比で含んでいた。比較した3通りの工程は、(1)セレコキシブ粒子とマンニトール粒子とを微粉砕なしで混合する、(2)セレコキシブ粒子を別に微粉砕した後、微粉砕粒子をマンニトール粒子と混合するか、(3)セレコキシブ粒子とマンニトール粒子とを混合した後、得られた混合物を微粉砕することであった。このようにして得られる混合物を、5.46mg/mLのトゥイーン(Tween)80と5.46mg/mLのプラスドン(Plasdone)−C15とを含む水に入れて振盪しながら再構成した。得られる懸濁液を、LS230を用いて光散乱で分析した。3通りの工程について粒度を比較し、結果を以下の表4にあげておく。
Figure 2009519973
これらの結果から、加工方法が懸濁液の品質に影響することが明らかに分かる。また、上記の結果から、他の方法で生成した剤形に比して微粉砕混合物剤形のほうが利点が得られることも分かる。さらに、上記の結果から、乾燥混合物ではなく非経口投与用の再構成でビヒクルに界面活性剤を添加可能であることが分かるが、これは特定の形および製造工程で特に好都合となり得る。
実施例5:オクスカルバゼピンとトゥイーン(Tween)80およびマンニトールの前処理済み賦形剤粒子との混合物のジェットミリング
オクスカルバゼピン:マンニトール:トゥイーン(Tween)80を10:5:0.273の比で含む混合物を生成した。この生成物については、オクスカルバゼピンと前処理済みマンニトール/トゥイーン(Tween)80との混合物をジェットミリングして生成した。マンニトール(ペアリトール(Pearlitol)100SD)とトゥイーン(Tween)80との組み合わせについては、水に溶解(60gの水に10gのマンニトールと0.546gのトゥイーン(Tween)80)させた後、冷凍と凍結乾燥によって、5:0.273の比で前処理済みであった。
この混合物を、ターブラー(Turbula)ミキサーで混合し、混合済み乾燥粉末を生成した。続いて、この混合済み乾燥粉末を流体エネルギーアルジェット(Aljet)ジェットミルに手作業で供給した。このようにして得られる微粉砕混合を水で再構成し、顕微鏡検査で調べたところ、微小粒子が十分に分散された懸濁液であることが明らかになった(図9)。
実施例6:混合物中に界面活性剤を含まないオクスカルバゼピン非経口混合物剤形の微小粒子分散性
オクスカルバゼピン:マンニトールを10:5の比で含む混合物を生成した。この生成物については、オクスカルバゼピンとマンニトールとの混合物をジェットミリングして生成した。この混合物を、ターブラー(Turbula)ミキサーで混合し、混合済み乾燥粉末を生成した。続いて、この混合済み乾燥粉末を流体エネルギーアルジェット(Aljet)ジェットミルに手作業で供給した。このようにして得られる微粉砕混合物を、水または5.46mg/mLのトゥイーン(Tween)80を含む水で再構成し、顕微鏡検査で調べた。
水で再構成した試料では、微小粒子があまり分散していない懸濁液であることが明らかになった(図10)のに対し、トゥイーン(Tween)80を含む水で再構成した試料は、微小粒子が十分に分散された懸濁液であることが明らかになった(図11)。これらの結果から、オクスカルバゼピンで十分に分散されている懸濁液を生成するには界面活性剤が必要であるが、界面活性剤はジェットミリング前に混合の成分である必要はないことが分かる。
これらの結果から、微粉砕混合物剤形を用いて、非経口投与に適したオクスカルバゼピンの十分に分散されている懸濁液を製造可能であることが分かる。
本願明細書に引用した文献ならびに、そこに引用されている資料を、参照によって明確に援用する。上述した詳細な説明から、当業者には本願明細書に記載の方法および装置の修正および改変が自明であろう。このような修正および改変は、添付の特許請求の範囲内に包含されるものとする。
製薬混合物剤形の非経口投薬形態を生成するための工程の一実施形態の工程図である。 本願明細書に記載したような薬剤と前処理済み賦形剤との微粉砕済み乾燥粉末混合物を含む製薬混合物剤形の非経口投薬形態を生成するための工程の一実施形態の工程図である。 非脆砕性賦形剤を前処理して乾燥粉末状にするための工程の一実施形態の工程図である。 図4A及び図4Bは、セレコキシブと非前処理賦形剤とのジェットミル処理した混合物から再構成後のセレコキシブ粒子の光学顕微鏡画像である。 図5A及び図5Bは、セレコキシブと前処理済み賦形剤とのジェットミル処理した混合物から再構成後のセレコキシブ粒子の光学顕微鏡画像である。 図6A及び図6Bは、賦形剤粒子とセレコキシブ粒子との混合物から再構成後のセレコキシブの光学顕微鏡画像である。 図7A及び図7Bは、賦形剤粒子と微粉砕済みセレコキシブ粒子との混合物から再構成後のセレコキシブの光学顕微鏡画像である。 図8A及び図8Bは、賦形剤粒子とセレコキシブ粒子とのジェットミル処理した混合物から再構成後のセレコキシブの光学顕微鏡画像である。 界面活性剤で前処理した賦形剤粒子とオクスカルバゼピン粒子とのジェットミル処理した混合物から再構成後のオクスカルバゼピンの光学顕微鏡画像である。 賦形剤粒子とオクスカルバゼピン粒子とのジェットミル処理した混合物から、水のみで再構成後のオクスカルバゼピンの光学顕微鏡画像である。 賦形剤粒子とオクスカルバゼピン粒子とのジェットミル処理した混合物から、トゥイーン(Tween)80を含む水で再構成後のオクスカルバゼピンの光学顕微鏡画像である。

Claims (37)

  1. 非経口投与用製薬剤形の製造方法であって、
    a)製剤を含む粒子を提供する工程と、
    b)前記粒子を、少なくとも1種の増量剤の粒子と混合して、界面活性剤を含まない第1の粉末混合物を形成する工程と、
    c)前記第1の粉末混合物を微粉砕して、前記製剤の微小粒子またはナノ粒子を含む微粉砕混合物を形成する工程と、
    d)非経口投与に適した液体ビヒクルで前記微粉砕混合物を再構成する工程と、を含み、前記ビヒクルが少なくとも1種の界面活性剤を含む、方法。
  2. 前記ビヒクルがポリマーをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記粒子がポリマーをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  4. 非経口投与用製薬剤形の製造方法であって、
    a)製剤を含む粒子を提供する工程と、
    b)工程a)の前記粒子を、i)増量剤と少なくとも1種の非脆砕性賦形剤とを溶媒に溶解させ、賦形剤溶液を形成し、ii)前記賦形剤溶液から前記溶媒を除去して前処理済み賦形剤を乾燥粉末状で形成することによって調製される前記前処理済み賦形剤の粒子と混合して、乾燥粉末混合物を形成する工程と、
    を含み、前記乾燥粉末混合物が、非経口投与に適した水性ビヒクル中で再構成可能なものである、方法。
  5. 前記乾燥粉末混合物が界面活性剤を含まない、請求項4に記載の方法。
  6. c)非経口投与に適したビヒクルで前記乾燥粉末混合物を再構成する工程をさらに含む、請求項4に記載の方法。
  7. 工程a)の前記粒子、前処理済み賦形剤の前記粒子またはその両方が、微小粒子である、請求項4に記載の方法。
  8. 工程a)の前記粒子、前処理済み賦形剤の前記粒子またはその両方が、ナノ粒子である、請求項4に記載の方法。
  9. 前記非脆砕性賦形剤が、液状、ワックス状または非結晶性の化合物を含む、請求項4に記載の方法。
  10. 前記非脆砕性賦形剤が界面活性剤を含む、請求項4に記載の方法。
  11. 前記界面活性剤が、ワックス状または液状の界面活性剤を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記非脆砕性賦形剤が、ポリビニルピロリドン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルまたはこれらの組み合わせを含む、請求項4に記載の方法。
  13. 前記増量剤が、少なくとも1種の糖、糖アルコール、デンプン、アミノ酸またはこれらの組み合わせを含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記増量剤が、ラクトース、スクロース、マルトース、マンニトール、ソルビトール、トレハロース、ガラクトース、キシリトール、エリスリトールおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記溶媒を除去する前記工程が噴霧乾燥または凍結乾燥を含む、請求項4に記載の方法。
  16. c)前記乾燥粉末混合物を微粉砕して、前記製剤の微小粒子またはナノ粒子を含む微粉砕済み製薬剤形混合物を形成する工程をさらに含む、請求項4に記載の方法。
  17. d)非経口投与に適したビヒクルで前記乾燥粉末混合物を再構成する工程をさらに含む、請求項16に記載の方法。
  18. 非経口投与用製薬剤形の製造方法であって、
    a)製剤を含む粒子を提供する工程と、
    b)製剤の前記粒子を、少なくとも1種の賦形剤の粒子と混合して、第1の混合物を形成する工程と、
    c)前記第1の混合物を微粉砕して、微小粒子またはナノ粒子を含む微粉砕混合物を形成する工程と、
    を含み、前記微粉砕混合物が、工程a)の前記粒子または前記第1の混合物よりも分散性または懸濁性の高いものである、方法。
  19. 少なくとも1種の賦形剤の前記粒子が、乾燥粉末増量剤を少なくとも1種の非脆砕性賦形剤と混合することによって調製される前処理済み賦形剤粒子である、請求項18に記載の方法。
  20. 前記少なくとも1種の非脆砕性賦形剤を、少なくとも1種の非脆砕性賦形剤を前記増量剤と混合する時点で溶媒に溶解し、続いて前記溶媒を除去して前記前処理済み賦形剤粒子を形成する、請求項19に記載の方法。
  21. 前記微粉砕混合物の前記製剤の微小粒子またはナノ粒子の体積平均直径が10μm未満である、請求項18に記載の方法。
  22. 工程a)の前記粒子がポリマーをさらに含む、請求項18に記載の方法。
  23. 前記賦形剤が、少なくとも1種の糖、糖アルコール、デンプン、アミノ酸またはこれらの組み合わせを含む、請求項18に記載の方法。
  24. 工程c)の前記微粉砕がジェットミリングを含む、請求項1、16または18に記載の方法。
  25. 工程a)の前記粒子が微小粒子である、請求項1〜24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記製剤の水に対する25℃での溶解性が10mg/mL未満である、請求項1〜25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法で生成される非経口投与用の製薬剤形。
  28. 前記製剤がオクスカルバゼピンを含む、請求項27に記載の製薬剤形。
  29. 薬学的に許容される注射用液体ビヒクルに分散された少なくとも1種の賦形剤の粒子と混合された、製剤の微小粒子またはナノ粒子の微粉砕混合物の液体懸濁液を含む、製薬剤形の非経口投薬形態。
  30. 前記微粉砕混合物が界面活性剤を含まない、請求項29に記載の非経口投薬形態。
  31. 前記薬学的に許容される液体ビヒクルが、界面活性剤の水溶液を含む、請求項29に記載の非経口投薬形態。
  32. 前記製剤の水に対する25℃での溶解性が10mg/mL未満である、請求項29に記載の非経口投薬形態。
  33. 前記賦形剤粒子が、少なくとも1種の糖、糖アルコール、デンプン、アミノ酸またはこれらの組み合わせを含む、請求項29に記載の非経口投薬形態。
  34. 前記賦形剤粒子が、増量剤と少なくとも1種の非脆砕性賦形剤とを含む前処理済み賦形剤を含む、請求項29に記載の非経口投薬形態。
  35. 製剤の前記微小粒子またはナノ粒子がポリマーをさらに含む、請求項29に記載の非経口投薬形態。
  36. 水に対する溶解性が25℃で10mg/mL未満である製剤の微小粒子またはナノ粒子と、
    少なくとも1種の糖、糖アルコール、デンプン、アミノ酸またはこれらの組み合わせを含む少なくとも1種の賦形剤の粒子と、
    の微粉砕混合物と、
    前記微粉砕混合物が分散された薬学的に許容される注射用液体ビヒクルと、
    を含み、
    (i)前記賦形剤粒子が、界面活性剤を含むように前処理済みであるか、(ii)前記液体ビヒクルが界面活性剤の水溶液を含むか、(iii)(i)と(ii)の両方である、請求項29に記載の非経口投薬形態。
  37. 前記製剤がオクスカルバゼピンを含む、請求項29〜36のいずれか一項に記載の非経口投薬形態。
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