JP2009519968A - 化学物質 - Google Patents

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Abstract

本発明は、新規インドールカルボキシアミド誘導体を対象とする。詳しくは、本発明は、式(I)で示される化合物を対象とする。本発明の化合物は、IKK2の阻害物質であり、関節リウマチ、喘息およびCOPD(慢性閉塞性肺疾患)のような不適当なIKK2(IKKβとしても知られている)活性に関連する障害の治療に有用であり得る。したがって、本発明は、さらに、本発明の化合物を含む医薬組成物を対象とする。本発明は、さらにまた、本発明の化合物または本発明の化合物を含む医薬組成物を使用するIKK2活性の阻害方法およびそれに関連する障害の治療方法を対象とする。

Description

本発明は、キナーゼ活性の阻害物質であるある種のインドールカルボキシアミド化合物を対象とする。さらに詳しくは、当該化合物は、IKK2阻害物質である。これらの化合物は、不適当なIKK2(IKKβとしても知られている)活性に関連する障害の治療において、特に、炎症性障害および組織修復障害を包含するIKK2メカニズムにより媒介される障害の治療および予防に有用である。かかる障害としては、関節リウマチ、喘息、およびCOPD(慢性閉塞性肺疾患)が挙げられる。
プロテインキナーゼ酵素ファミリーは酵素の重要な大型ファミリーである。現在、公知のプロテインキナーゼは約500種類ある。しかしながら、ヒトゲノムの3〜4%がプロテインキナーゼの形成に関する遺伝暗号であるので、人体には何千もの異なった個別のキナーゼが存在し得る。プロテインキナーゼは、ATP−Mg2+錯体のγ−リン酸エステルをタンパク質のアミノ酸側鎖へ転移させることによって種々のタンパク質のアミノ酸側鎖のリン酸化を触媒する役割を果たす。これらの酵素は、細胞内のシグナル伝達プロセスの大部分を制御し、それにより、タンパク質中のセリン、トレオニンおよびチロシン残基の可逆性リン酸化を介して細胞機能、増殖、分化および破壊(アポトーシス)を支配する。プロテインキナーゼが、シグナル伝達、転写調節、細胞運動性および細胞分裂を含む多くの細胞機能の重要な調節物質であることを示している研究がある。いくつかの発癌遺伝子は、プロテインキナーゼをコードすることが示されており、これは、キナーゼが発癌に関与することを示唆している。これらのプロセスは、しばしば、各キナーゼがそれ自体1種またはそれ以上のキナーゼによって調節される複雑な互いにかみ合った経路によって、高度に調節される。結果として、異常なまたは不適当なプロテインキナーゼ活性は、このような異常なキナーゼ活性に伴う病状の発症に寄与し得る。プロテインキナーゼは、それらの生理学的な関連性、多様性および遍在性のために、生化学的および医学的研究において最も重要なかつ幅広く研究された酵素のファミリーの1つとなっている。
酵素のプロテインキナーゼファミリーは、典型的には、それらがリン酸化するアミノ酸残基に基づいて、2つの主なサブファミリー:プロテインチロシンキナーゼおよびプロテインセリン/トレオニンキナーゼに分類される。セリン/トレオニンキナーゼ(PSTK)としては、サイクリックAMP依存性およびサイクリックGMP依存性プロテインキナーゼ、カルシウムおよびリン脂質依存性プロテインキナーゼ、カルシウム依存性およびカルモジュリン依存性プロテインキナーゼ、カゼインキナーゼ、細胞分裂周期プロテインキナーゼなどが挙げられる。これらのキナーゼは、通常、細胞質性であるか、または、おそらくアンカー型タンパク質により、細胞の微粒状フラクションと会合している。異常なタンパク質セリン/トレオニンキナーゼ活性は、関節リウマチ、乾癬、敗血症性ショック、骨減少症、多くの癌および他の増殖性疾患のような数多くの病状に関与していたか、またはその疑いがある。したがって、セリン/トレオニンキナーゼ、およびそれらが一部をなすシグナル伝達経路は、薬物設計の重要な標的である。チロシンキナーゼは、チロシン残基をリン酸化する。チロシンキナーゼは、細胞調節において同等に重要な役割を果たす。これらのキナーゼは、上皮増殖因子受容体、インスリン受容体、血小板由来増殖因子受容体などを含む増殖因子およびホルモンのような分子に対するいくつかの受容体を含む。多くのチロシンキナーゼが細胞の外部に位置するそれらの受容体ドメインおよび内部に位置するそれらのキナーゼドメインをもつ膜貫通タンパク質であることを示している研究がある。同様に、チロシンキナーゼのモジュレーターを同定する多くの研究もまた研究中である。
核内因子κB(NF−κB)は、Rel/NF−κBファミリーのポリペプチドの種々の組合せで構成された密接に関連している二量体転写因子複合体のファミリーに属する。該ファミリーは、哺乳動物における5つの個々の遺伝子産物、RelA(p65)、NF−κB1(p50/p105)、NF−κB2(p49/p100)、c−RelおよびRelBからなり、それらはすべて、ヘテロ二量体またはホモ二量体を形成することができる。これらのタンパク質は、DNA結合および二量体形成領域を含有する高度に相同性の300アミノ酸「Rel相同領域」を共有している。Rel相同領域の最もC末端には、細胞質から核までのNF−κBの輸送において重要な核移行配列がある。加えて、p65およびcRelは、それらのC末端に強力なトランス活性化ドメインを有する。
NF−κBの活性化は、阻害物質IκBファミリーのタンパク質のメンバーとの相互作用により調節される。この相互作用は、NF−κBタンパク質上の核局在化配列を有効に遮断し、かくして、核への該二量体の移動を防止する。様々な種類の刺激が、多重シグナル伝達経路であると思われるものを介してNF−κBを活性化する。細菌産物(LPS)、いくつかのウイルス(HIV−1、HTLV−1)、炎症性サイトカイン(TNFα、IL−1)、環境および酸化ストレスならびにDNA傷害剤が挙げられる。しかしながら、明らかに全ての刺激に共通しているのは、IκBのリン酸化および次なる分解である。IκBは、最近同定されたIκBキナーゼ(IKK−αおよびIKK−β)によって2つのN末端セリン上でリン酸化される。IKK−βはIKK2としても知られている。部位特異的変異誘発研究は、タンパク質が一旦リン酸化されるとユビキチン・プロテアソーム経路を介する分解を弱めるので、これらのリン酸化が次なるNF−κBの活性化にとって重要であることを示している。IκBが存在しない場合、該活性NF−κB複合体は、望ましい遺伝子特異的エンハンサー配列と選択的手法で結合する場合に核へ移行することができる。NF−κBにより調節される遺伝子には、多数のサイトカインおよびケモカイン、細胞接着分子、急性期タンパク質、免疫調節タンパク質、エイコサノイド代謝酵素および抗アポトーシス遺伝子が含まれる。
NF−κBがTNF、IL−1β、IL−6およびIL−8のようなサイトカイン、ICAMおよびVCAMのような細胞接着分子、ならびに誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)を包含する数多くの炎症誘発性メディエーターの調節された発現において重要な役割を果たすことはよく知られている。かかるメディエーターは、炎症部位での白血球の動員において役割を果たすことが知られており、iNOSの場合、いくつかの炎症性疾患および自己免疫疾患において臓器破壊を引き起こす可能性がある。
炎症性障害におけるNF−κBの重要性は、NF−κBが活性化されることが示されている喘息を包含する気道炎症の研究によってさらに強められている。これらの障害の増大したサイトカイン産生および白血球浸潤特性の根底にはこの活性化がある可能性がある。加えて、吸入ステロイド薬は、気道応答性亢進を軽減すること、および喘息性気道における該炎症応答を抑制することが知られている。NF−κBのグルココルチコイド阻害に関する最近の知見を考慮すると、これらの効果はNF−κBの阻害を介して媒介されることが推測され得る。
リウマチ様滑膜の研究から、炎症性障害におけるNF−κBの役割についてさらに立証される。NF−κBは、通常、不活性な細胞質複合体として存在するが、最近の免疫組織化学研究では、NF−κBは、リウマチ様滑膜を含む細胞において、核に存在しており、故に活性であることが示されている。さらにまた、NF−κBは、TNF−αまたはIL−1βによる刺激に応答してヒト滑膜細胞において活性化されることが示されている。かかる分布は、この組織の増加したサイトカインおよびエイコサノイド産生の根底にあるメカニズムであり得る。非特許文献1を参照。関節リウマチ患者の滑膜細胞でIKK−βの発現が示され、遺伝子導入研究は、これらの細胞における刺激された炎症メディエーター産生におけるIKK−βの中心的役割を立証している。非特許文献2および非特許文献3を参照。さらに最近、ラットにおいて、野生型IKK−βアデノウイルス構築物の関節内投与は足の腫脹を引き起したが、ドミナントネガティブIKKβの関節内投与はアジュバント誘発性関節炎を阻害したことが示された。非特許文献4を参照。
NF−κB/RelおよびIκBタンパク質はまた、悪性形質転換および転移において重要な役割を果たす可能性がある。ファミリーメンバーは、過剰発現、遺伝子増幅、遺伝子再構成または転座の結果としてインビトロおよびインビボでの細胞形質転換と関連している。加えて、ある種のヒトリンパ系腫瘍の20〜25%では、これらのタンパク質をコードしている遺伝子の再構成および/または増幅が見られる。また、NF−κBは、ヒト腫瘍において最も一般的な欠損である発癌性rasによって活性化され、NF−κB活性化の遮断は、ras媒介細胞形質転換を阻害する。加えて、アポトーシスの調節におけるNF−κBの役割が腫瘍細胞増殖の調節におけるこの転写因子の役割を強化することであることが報告されている。TNF、電離放射線およびDNA傷害剤は、いずれもNF−κBを活性化し、次いで、いくつかの抗アポトーシスタンパク質の発現をアップレギュレートさせることが示されている。反対に、NF−κBの阻害は、いくつかの腫瘍細胞タイプにおいてこれらの作用物質によるアポトーシス性死滅を増強することが示されている。これは、おそらく化学療法に対する腫瘍細胞抵抗性の主要メカニズムを表すので、NF−κB活性化の阻害物質は、単一の薬剤としてまたは補助療法として有用な化学療法剤であり得る。最近の報告書は、NF−κBを骨格細胞分化の阻害物質として、およびサイトカイン誘発性筋肉萎縮の調節物質として関係づけており(非特許文献5)、さらに、NFκB阻害物質の新しい癌療法薬としての可能性が裏付けられている。
いくつかのNF−κB阻害物質が非特許文献6、非特許文献7、非特許文献8に記載されている。
海洋性天然産物hymenialdisineがNF−κBを阻害することは知られている。非特許文献9。非特許文献10。
加えて、IKK2のアミノチオフェン阻害物質についての特許出願(特許文献1;特許文献2;特許文献3;特許文献4;特許文献5;特許文献6を参照);IKK2のイミダゾール阻害物質についての特許出願(特許文献7を参照);IKK2のアニリノフェニルピリミジン阻害物質についての特許出願(特許文献8を参照);IKK2のβ−カルボリン阻害物質についての特許出願(特許文献9;特許文献10;特許文献11;特許文献12を参照);IKK2のインドール阻害物質についての特許出願(特許文献13を参照);IKK2のベンゾイミダゾール阻害物質についての特許出願(特許文献14;特許文献15;特許文献16を参照);IKK2のアミノピリジン阻害物質についての特許出願(特許文献17;特許文献18;特許文献19を参照);IKK2のアミノピリミジン阻害物質についての特許出願(特許文献20を参照);IKK2のピラゾール阻害物質についての特許出願(特許文献21;特許文献22、特許文献23、特許文献24;特許文献25;特許文献26を参照)IKK2のピラジノン阻害物質について(特許文献27を参照);IKK2のピラゾラキナゾリン阻害物質についての特許出願(特許文献28;特許文献29;特許文献30を参照);IKK2のチオフェン三環式阻害物質についての特許出願(特許文献31を参照);IKK2のピラゾロプリン阻害物質についての特許出願(特許文献32を参照);IKK2のオキサゾロおよびチアゾロピリジン阻害物質についての特許出願(特許文献33);IKK2のキノリン阻害物質についての特許出願(特許文献34;特許文献35を参照)およびIKK2のピリジルシアノグアニジン阻害物質についての特許出願(特許文献36;特許文献37および特許文献38を参照);IKK2のチエノピリジン阻害物質(特許文献39;特許文献40を参照);IKK2のベンゾチオフェン阻害物質についての特許出願(特許文献41を参照)が出願された。天然産物スタウロスポリン、ケルセチン、K252aおよびK252bは、IKK2阻害物質であることが示されている(非特許文献11および非特許文献12を参照)。IKK2の合成阻害物質もまた記載されている(IKK2阻害物質を記載している非特許文献13、非特許文献14、非特許文献15および非特許文献16を参照)。
WO 2002030353(Callahan, et al.) WO 2001058890(Baxter, et al.) WO 2003010158(Faull, et al.) WO 2003010163(Griffiths, et al.) WO 200198290(Fancelli, et al.) WO 2003037886(Granetto, et al.) WO 200230423(Callahan, et al.) WO 2002046171(Kois, et al.) WO 2001068648(Ritzeler, et al) EP 1134221(Ritzeler, et al) DE 19807993(Nielsch, et al.) EP 1209158(Ritzeler, et al.) WO 2001030774(Ritzeler, et al.) DE 19928424(Ritzeler, et al.) WO 2001000610(Ritzeler et al) WO 2004022553(Ritzeler, et al.) WO 2002024679(Lowinger, et al) WO 2002024693(Murata, et al) WO 2002044153(Murata, et al.) WO 2004089913(Bollbuck, et al.) WO 2003024935(Bergmanis, et al.) WO 2003024936(Metz, et al.); WO 2003027075(Geng et al.) WO 2003035625(Stealey, et al.) WO 200307076(Xu, et al.) WO 2003095430(Lennon, et al.) WO 2005035527(Boys, et al.) WO 2002028860(Beaulieu, et al.) WO 2002060386(Burke et al) US 20030022898(Burke, et al.) WO 2003084959(Belema, et al.) WO 2004075846(Qiu, et al.) WO 2004106293(Pitts, et al.) WO 2002041843(Browner, et al.) US 20020161004(Browner, et al.) WO 2002094813(Bjorkling, et al.) WO 2002094322(Binderup et al) WO 200294265(Madsen, et al.) WO 2003103661(Cywin, et al.) WO 2005035537(Liu, et al.) WO 2005012283(Chen et al.) Roshak, A. K., et al., J. Biol. Chem., 271, 31496-31501 (1996) Aupperele et al. J. Immunology 1999. 163:427-433 Aupperle et al. J. Immunology 2001;166:2705-11 Tak et al. Arthritis and Rheumatism 2001, 44:1897-1907 Guttridge et al. Science; 2000; 289: 2363-2365 C. Wahl, et al. J. Clin. Invest. 101(5), 1163-1174 (1998) R. W. Sullivan, et al. J. Med. Chem. 41, 413-419 (1998) J. W. Pierce, et al. J. Biol. Chem. 272, 21096-21103 (1997) Roshak, A., et al., JPET, 283, 955-961 (1997) Breton, J. J and Chabot-Fletcher, M. C., JPET, 282, 459-466 (1997) Peet, G. W. and Li, J. J. Biol. Chem., 274, 32655-32661(1999) Wisniewski, D., et al., Analytical Biochem. 274, 220-228(1999) Burke, et al. J. Biol. Chem., 278, 1450-1456(2003) Murata, et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 13, 913-198(2003) Murata, et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 14, 4013-4017 (2004) Murata, et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 14, 4019-4022 (2004)
かくして、IKK2活性を阻害する化合物を製造しようとする試みが行われており、数多くのかかる化合物が当該技術分野において開示されている。しかしながら、IKK2によって媒介される病理学的応答の数を考慮すると、様々な症状の治療において使用することができるIKK2の阻害物質が引き続き必要とされている。
本発明者らは、キナーゼ活性、特に、不適当なIKK2活性の阻害物質である新規インドールカルボキシアミド化合物を見出した。かかるインドールカルボキシアミド誘導体は、したがって、炎症性障害および組織修復障害、特に、関節リウマチ、炎症性腸疾患、喘息およびCOPD(慢性閉塞性肺疾患);変形性関節症、骨粗鬆症および線維症;乾癬、アトピー性皮膚炎および紫外線(UV)誘発性皮膚損傷を包含する皮膚病;全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、組織および臓器拒絶反応を包含する自己免疫疾患、アルツハイマー病、脳卒中発作、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、糖尿病、糸球体腎炎、ホジキン病を包含する癌、悪液質、後天性免疫不全症候群(AIDS)を包含する感染症およびある種のウイルス感染症に伴う炎症、成人呼吸窮迫症候群、ならびに毛細血管拡張性運動失調症を包含する、不適当なキナーゼ、特に、不適当なIKK2活性に関連する障害の治療において、特に、IKK2メカニズムによって媒介される病状の治療および予防において有用である。
(発明の概要)
本発明は、新規インドールカルボキシアミド誘導体を対象とする。詳しくは、本発明は、式(I):
Figure 2009519968
[式中、R1、R2、およびR4は、以下に定義される]で示される化合物を対象とする。
本発明の化合物は、IKK2の阻害物質であり、関節リウマチ、喘息およびCOPD(慢性閉塞性肺疾患)のような不適当なIKK2(IKKβとしても知られている)活性に関連する障害の治療に有用であり得る。したがって、本発明は、また、本発明の化合物を含む医薬組成物を対象とする。本発明は、さらにまた、IKK2活性を阻害する方法、および本発明の化合物または本発明の化合物を含む医薬組成物を使用するIKK2活性に関連する障害の治療方法を対象とする。
(発明の詳細な説明)
本発明は、式(I):
Figure 2009519968
[式中、
R1は、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリールであり(ここで、アリールおよびヘテロアリールは、ハロ、置換されていてもよいC1−C6アルキル、置換されていてもよいC1−C6ハロアルキル、−CN、−N(Rb)SO2Re、−N(Rb)C(O)Ra、−C(O)NRaRb、−C(O)NRxRy、−SO2NRaRb、−SO2NRxRy、−ORc、−N(Rb)C(O)NRaRb、−N(Rb)C(O)NRxRy、および−N(Rb)C(O)ORdからなる群から各々独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、C1−C6アルキルおよびC1−C6ハロアルキルは、NRaRb、−N(Rb)SO2Re、C(O)Ra、−C(O)NRaRb、C3−C6シクロアルキル、ORc、フェニル、および1個または2個のC1−C6アルキル基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキルからなる群から各々独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい);
R2は、H、または
Figure 2009519968
であり;
R3は、置換されていてもよいC1−C6アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、または置換されていてもよいヘテロシクロアルキルであり(ここで、C1−C6アルキルは、ハロ、−ORi、−NRgRh、−NHC(O)Rg、およびRjからなる群から各々独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;アリールおよびヘテロアリールは、ハロ、−ORg、ニトロ、シアノ、−CF3、C1−C6アルキル、C(O)Rg、COORg、−NRgRh、−NHC(O)Rg、−C(O)NRgRh、−S(O)2Rg、−NHS(O)2Rg、および−S(O)2NRgRhからなる群から各々独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;C3−C6シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは、−OH、オキソ、C1−C6アルキル、およびC1−C6ハロアルキルからなる群から各々独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい);
R4は、C(O)NRaRb、置換されていてもよいC1−C6アルキル、置換されていてもよいフェニル、または置換されていてもよいヘテロアリールであり(ここで、C1−C6アルキルは、1個の−C(O)NRaRb基で置換されていてもよく;フェニルおよびヘテロアリールは、ハロ、−ORg、ニトロ、シアノ、−CF3、C1−C6アルキル、C(O)Rg、COORg、−NRgRh、−NHC(O)Rg、−C(O)NRgRh、−S(O)2Rg、−NHS(O)2Rg、および−S(O)2NRgRhから各々独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい);
各Raは、独立して、H、置換されていてもよいC1−C3アルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいC3−C7シクロアルキル、および置換されていてもよいヘテロシクロアルキルからなる群から選択され(ここで、C1−C3アルキルは、ハロ、ORc、C1−C6ハロアルキル、フェニル、およびヘテロアリールからなる群から各々独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;フェニル、ヘテロアリール、C3−C7シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルは、ハロ、ORc、C1−C6アルキル、およびC1−C6ハロアルキルからなる群から各々独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい);
各Rbは、独立して、Hおよび置換されていてもよいC1−C3アルキルからなる群から選択され(ここで、C1−C3アルキルは、1〜3個のORc基で置換されていてもよい);
各Rcは、独立して、H、置換されていてもよいC1−C6アルキル、置換されていてもよいC1−C6ハロアルキル、置換されていてもよいC3−C7シクロアルキル、置換されていてもよいヘテロシクロアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリールからなる群から選択され(ここで、C1−C6アルキルおよびC1−C6ハロアルキルは、C3−C6シクロアルキル、フェニル、ヘテロシクロアルキル、およびヘテロアリールからなる群から各々独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;アリールおよびヘテロアリールは、ハロ、C1−C3アルキル、C1−C3ハロアルキルおよびOHからなる群から各々独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;C3−C7シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは、1〜3個のC1−C3アルキル基で置換されていてもよい);
各Rdは、独立して、置換されていてもよいC1−C3アルキルであり(ここで、C1−C3アルキルは、C3−C6シクロアルキル;ハロ、C1−C6アルキル、およびC3−C6シクロアルキルからなる群から各々独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいフェニル;ならびにハロ、C1−C6アルキル、およびC3−C6シクロアルキルからなる群から各々独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいヘテロアリールからなる群から各々独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい);
各Reは、独立して、置換されていてもよいC1−C6アルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいC5−C7シクロアルキル、および置換されていてもよいヘテロシクロアルキルからなる群から選択され(ここで、C1−C6アルキルは、ORc、トリフルオロメチル、フェニル、ヘテロアリール、ORcまたはヘテロシクロアルキルで置換されていてもよいヘテロシクロアルキル、およびNRaRbからなる群から選択される1個の置換基で置換されていてもよく;ここで、フェニルおよびヘテロアリールは、ハロ、CN、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、N(Rb)C(O)Ra、およびORfからなる群から各々独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;C5−C7シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは、ハロ、ORcで置換されていてもよいC1−C6アルキル、およびC3−C6シクロアルキルからなる群から各々独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい);
各Rfは、独立して、HおよびC1−C6アルキルからなる群から選択され;
各Rgは、独立して、H、C1−C6アルキル、C3−C6シクロアルキル、ヘテロアリール、およびフェニルからなる群から選択され;
各Rhは、独立して、H、および1個のフェニル基で置換されていてもよいC1−C6アルキルからなる群から選択され;
各Riは、独立して、H、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、およびフェニルからなる群から選択され;
Rjは、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル、または置換されていてもよいヘテロシクロアルキルであり(ここで、アリールおよびヘテロアリールは、−ORf、ニトロ、シアノ、CF3、非置換C1−C6アルキル、−C(O)Rf、−COORf、−NRfRg、−NHC(O)Rf、−C(O)NRfRg、−S(O)2Rf、−NHS(O)2Rf、および−S(O)2NRfRgからなる群から各々独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;C3−C6シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは、−OH、オキソ、C1−C6アルキル、およびC1−C6ハロアルキルからなる群から各々独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい);
各RxおよびRyは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5〜7個の構成原子を有する環を形成し(ここで、環は、構成原子として1個のさらなるヘテロ原子を含有していてもよく、環は、飽和または不飽和であるが芳香族ではなく、環は、1個または2個のC1−C3アルキル置換基で置換されていてもよい)]
で示される化合物を対象とする。
本発明の一の実施態様では、R1は、置換されていてもよいフェニルである。別の実施態様では、R1は、非置換フェニルである。
別の実施態様では、R2は、Hである。別の実施態様では、R2は、
Figure 2009519968
である。
別の実施態様では、R3は、置換されていてもよいC1−C6アルキルである。
別の実施態様では、R4は、C(O)NRaRbまたは置換されていてもよいC1−C6アルキルである。
本発明の化合物の特定の実施例としては、以下のものが挙げられる:
2−メチル−5−フェニル−1H−インドール−7−カルボアミド、および
5−フェニル−1H−インドール−2,7−ジカルボキシアミド。
用語および定義
「アルキル」とは、所定の数の構成原子を有する飽和炭化水素鎖をいう。例えば、C1−C6アルキルとは、1〜6個の構成原子を有するアルキル基をいう。アルキル基は、本明細書で定義したように1個またはそれ以上の置換基で置換されていてもよい。アルキル基は、直鎖であっても分枝鎖であってもよい。代表的な分枝アルキル基は、1、2または3個の分枝を有する。アルキルとしては、メチル、エチル、プロピル(n−プロピルおよびイソプロピル)、ブチル(n−ブチル、イソブチルおよびt−ブチル)、ペンチル(n−ペンチル、イソペンチルおよびネオペンチル)およびヘキシルが挙げられる。
「アリール」とは、芳香族炭化水素環をいう。アリール基は、単環式環系または二環式環系である。単環式アリール環とは、フェニルをいう。二環式アリール環とは、ナフチル、およびフェニルが5、6または7個の構成原子を有するシクロアルキルまたはシクロアルケニル環と縮合した環をいう。アリール基は、本明細書で定義したように1個またはそれ以上の置換基で置換されていてもよい。
「シクロアルキル」とは、所定の数の構成原子を有する飽和炭化水素環をいう。シクロアルキル基は、単環式環系である。例えば、C3−C6シクロアルキルとは、3〜6個の構成原子を有するシクロアルキル基をいう。シクロアルキル基は、本明細書で定義したように1個またはそれ以上の置換基で置換されていてもよい。シクロアルキルとしては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。
「鏡像異性的に富んだ」とは、鏡像体過剰率が0よりも大きい生成物をいう。例えば、鏡像異性的に富んだとは、鏡像体過剰率が50%eeよりも大きい、75%eeよりも大きい、90%eeよりも大きい生成物をいう。
「鏡像体過剰率」または「ee」は、パーセンテージで表された、一のエナンチオマーの他のエナンチオマーに対する過剰率である。結果として、ラセミ混合物では両方のエナンチオマーが等量存在するので、鏡像体過剰率は0である(0%ee)。しかしながら、一のエナンチオマーが生成物の95%を構成するように富んでいる場合、鏡像体過剰率は、90%ee(富んでいるエナンチオマーの量95%から他のエナンチオマーの量5%を引く)である。
「エナンチオマー的に純粋」とは、鏡像体過剰率が99%eeまたはそれ以上である生成物をいう。
「半減期」とは、インビトロまたはインビボで物質の量の半分を別の化学的に異なる種に変換するのに要する時間をいう。
「ハロ」とは、ハロゲンラジカルであるフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードをいう。
「ハロアルキル」とは、アルキル基内の構成原子と結合した少なくとも1個の水素原子がハロと置き換えられたアルキル基をいう。ハロアルキルとしては、トリフルオロメチルが挙げられる。
「ヘテロアリール」とは、環中の構成原子として1〜4個のヘテロ原子を含有する芳香環をいう。2個以上のヘテロ原子を含有するヘテロアリール基は、異なるヘテロ原子を含有することができる。ヘテロアリール基は、本明細書で定義したように1個またはそれ以上の置換基で置換されていてもよい。ヘテロアリール基は、単環式環系であるか、または縮合、スピロもしくは架橋二環式環系である。単環式ヘテロアリール環は、5または6個の構成原子を有する。二環式ヘテロアリール環は、7〜11個の構成原子を有する。二環式ヘテロアリール環としては、フェニルおよび単環式ヘテロシクロアルキル環が縮合、スピロまたは架橋二環式環系を形成するように結合している環、および単環式ヘテロアリール環および単環式シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリール環が縮合、スピロまたは架橋二環式環系を形成するように結合している環が挙げられる。ヘテロアリールとしては、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、フラニル、フラザニル、チエニル、トリアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、テトラジニル、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、インダゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、プテリジニル、シンノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベノピラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、フロピリジニル、およびナフチリジニルが挙げられる。
「ヘテロ原子」とは、窒素原子、硫黄原子または酸素原子をいう。
「ヘテロシクロアルキル」とは、環内に構成原子として1〜4個のヘテロ原子を含有する飽和環または不飽和環をいう。しかしながら、ヘテロシクロアルキル環は芳香族ではない。2個以上のヘテロ原子を含有するヘテロシクロアルキル基は、異なるヘテロ原子を含有することができる。ヘテロシクロアルキル基は、本明細書で定義したように1個またはそれ以上の置換基で置換されていてもよい。ヘテロシクロアルキル基は、4〜7個の構成原子を有する単環式環系である。ある実施態様では、ヘテロシクロアルキルは、飽和している。他の実施態様では、ヘテロシクロアルキルは不飽和であるが、芳香族ではない。ヘテロシクロアルキルとしては、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、ピラニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チアモルホリニル、1,3−ジオキソラニル、1,3−ジオキサニル、1,4−ジオキサニル、1,3−オキサチオラニル、1,3−オキサチアニル、1,3−ジチアニルおよびアゼチジニルが挙げられる。
「構成原子」とは、鎖または環を形成する原子をいう。2個以上の構成原子が鎖中および環内に存在する場合、各構成原子は、鎖または環中の隣接する構成原子と共有結合している。鎖または環上で置換基を形成する原子は、鎖または環中の構成原子ではない。
「置換されていてもよい」とは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールのような基が置換されていなくても、または本明細書で定義したように1個またはそれ以上の置換基で置換されていてもよいことを示している。基に関して「置換された」とは、基内の構成原子と結合している水素原子が置き換えられていることを示している。「置換された」なる用語は、かかる置換が置換された原子の許容された価および置換基に従っていること、および該置換が安定な化合物(すなわち、自発的には転位、環化または脱離によるような変換を受けないもの)をもたらすことという暗黙の条件を含むと理解されるべきである。ある実施態様では、単一の原子は、置換が原子の許容された価に従う限りは2個以上の置換基で置換されていてもよい。適当な置換基は、置換された基または置換されていてもよい基の各々について本明細書で定義されている。
「医薬上許容される」とは、適切な医学的判断の範囲内で、妥当な利益/リスク比に応じて、過度の毒性、刺激、または他の問題もしくは合併症を伴わずにヒトおよび動物の組織と接触させて用いるのに適しているこれらの化合物、物質、組成物および投与剤形をいう。
本明細書では、これらの方法、スキームおよび実施例で使用する記号および慣習は、現代科学文献(例えば、Journal of the American Chemical SocietyまたはJournal of Biological Chemistry)で使用されているものと一致する。アミノ酸残基の指定には標準的な一文字表記または三文字表記を一般的に使用し、特記しない限りL配置であると考えられる。特記しない限り、全ての出発物質は、商業的な供給元から入手し、さらなる精製を行わずに使用した。詳しくは、実施例において、および明細書の全体にわたって以下の略語を使用することができる:
g(グラム); mg(ミリグラム);
L(リットル); mL(ミリリットル);
μL(マイクロリットル); psi(ポンド/平方インチ);
M(モル濃度); mM(ミリモル濃度);
i.v.(静脈内); Hz(ヘルツ);
MHz(メガヘルツ); mol(モル);
mmol(ミリモル); rt(室温);
min(分); h(時間);
mp(融点); TLC(薄層クロマトグラフィー);
r(保持時間); RP(逆相);
MeOH(メタノール); i−PrOH(イソプロパノール);
TEA(トリエチルアミン); TFA(トリフルオロ酢酸);
TFAA(無水トリフルオロ酢酸); THF(テトラヒドロフラン);
DMSO(ジメチルスルホキシド); AcOEt(酢酸エチル);
DME(1,2−ジメトキシエタン); DCM(ジクロロメタン);
DCE(ジクロロエタン); DMF(N,N−ジメチルホルムアミド);
DMPU(N,N'−ジメチルプロピレン尿素);
CDI(1,1−カルボニルジイミダゾール);
IBCF(クロロギ酸イソブチル); HOAc(酢酸);
HOSu(N−ヒドロキシスクシンイミド);
HOBT(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール);
mCPBA(メタ−クロロ過安息香酸);
EDC(1−[3−ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド・塩酸塩);
BOC(tert−ブチルオキシカルボニル);
FMOC(9−フルオレニルメトキシカルボニル);
DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド);
CBZ(ベンジルオキシカルボニル);
Ac(アセチル); atm(気圧);
TMSE(2−(トリメチルシリル)エチル);
TMS(トリメチルシリル);
TIPS(トリイソプロピルシリル); TBS(t−ブチルジメチルシリル);
DMAP(4−ジメチルアミノピリジン);BSA(ウシ血清アルブミン);
ATP(アデノシン三リン酸); HRP(西洋わさびペルオキシダーゼ);
DMEM(ダルベッコ変法イーグル培地);
HPLC(高速液体クロマトグラフィー);
BOP(ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジリニル)ホスフィン酸クロリド);
TBAF(フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム);
HBTU(O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート);
HEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸);
DPPA(ジフェニルホスホリルアジド);
fHNO3(発煙HNO3);
EDTA(エチレンジアミン四酢酸);
TMEDA(N,N,N',N'−テトラメチル−1,2−エタンジアミン);
NBS(N−ブロモスクシンイミド);
HATU(O−(7−アザベンゾベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート);
DIPEA(ジイソプロピルエチルアミン);
Imes(1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)イミダゾリウムクロリド);
dppf(1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン);および
NIS(N−ヨードスクシンイミド)。
エーテルについての言及はすべて、ジエチルエーテルをいい、ブラインは、NaClの飽和水溶液をいう。
式(I)で示される化合物は、1個またはそれ以上の不斉中心(キラル中心ともいう)を含有していてもよく、したがって、個々のエナンチオマー、ジアステレオマー、または他の立体異性体、またはその混合物として存在することができる。キラル炭素原子のようなキラル中心はまた、アルキル基のような置換基に存在することができる。式(I)または本明細書に例示するいずれもの化学構造に存在するキラル中心の立体化学が特定されていない場合、該構造は、いずれもの立体異性体およびその全ての混合物を包含するものとする。かくして、1個またはそれ以上のキラル中心を含有する式(I)で示される化合物は、ラセミ混合物として、鏡像異性的に富んだ混合物として、または鏡像異性的に純粋な個々の立体異性体として使用することができる。
1個またはそれ以上の不斉中心を含有する式(I)で示される化合物の個々の立体異性体は、当業者に知られている方法によって分割することができる。例えば、かかる分割は、(1)ジアステレオ異性体塩、複合体または他の誘導体の形成によって;(2)立体異性体特異的試薬との選択的反応によって、例えば、酵素的酸化または還元によって;または(3)キラルな環境での、例えば結合キラルリガンドを有するシリカのようなキラル支持体上またはキラル溶媒の存在下での、ガス液体クロマトグラフィーまたは液体クロマトグラフィーによって、行うことができる。当業者は、上記の分離方法の1つによって所望の立体異性体を別の化学物質に変換する場合、所望の形態を遊離するためにさらなる工程が必要であることを理解するであろう。別法として、光学的に活性な試薬、物質、触媒または溶媒を使用する不斉合成によって、または不斉転換により一のエナンチオマーを別のエナンチオマーに変換することによって、特定の立体異性体を合成することができる。
式(I)で示される化合物はまた、二重結合または幾何学的非対称の他の中心を含有することができる。式(I)または本明細書に例示した化学構造中に存在する幾何学的非対称の中心の立体化学が特定されていない場合、該構造は、トランス(E)幾何異性体、シス(Z)幾何異性体、およびそれらの全ての混合物を包含するものである。同様に、全ての互変異性体もまた、かかる互変異性体が平衡状態で存在するか主に1つの形態で存在するかにかかわらず、式(I)に含まれる。
当業者は、式(I)で示される化合物の医薬上許容される塩を調製することができることを理解できるであろう。実際、本発明のある実施態様では、式(I)で示される化合物の医薬上許容される塩は、このような塩が分子に大きい安定性または溶解性を与え、それにより投与剤形への製剤化を容易にするので、個々の遊離塩基または遊離酸よりも好ましい。したがって、本発明はまた、式(I)で示される化合物の医薬上許容される塩を対象とする。
本明細書では、「医薬上許容される塩」なる用語は、対象化合物の所望の生物学的活性を保持しており、最小限の望ましくない毒物学的影響しか示さない塩をいう。これらの医薬上許容される塩は、化合物の最終的な単離および精製の間にそのままで、または精製した化合物をその遊離酸または遊離塩基の形態でそれぞれ適当な塩基または酸と別々に反応させることによって、調製することができる。
ある実施態様では、式(I)で示される化合物は、酸性官能基を含有することができる。適当な医薬上許容される塩は、かかる酸性官能基の塩を包含する。代表的な塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩および亜鉛塩のような医薬上許容される金属塩;ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウムおよび亜鉛のような医薬上許容される金属カチオンの炭酸塩および重炭酸塩;メチルアミン、エチルアミン、2−ヒドロキシエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミンおよびシクロヘキシルアミンのような脂肪族アミン、芳香族アミン、脂肪族ジアミンおよびヒドロキシアルキルアミンを包含する医薬上許容される有機第1級、第2級および第3級アミンが挙げられる。
ある実施態様では、式(I)で示される化合物は、塩基性官能基を含有することができ、これにより適当な酸による処理によって医薬上許容される酸付加塩を形成することができる。適当な酸としては、医薬上許容される無機酸および医薬上許容される有機酸が挙げられる。代表的な医薬上許容される酸付加塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、メチル硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、スルファミン酸塩、リン酸塩、酢酸塩、ヒドロキシ酢酸塩、フェニル酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、イソ酪酸塩、吉草酸塩、マレイン酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、アクリル酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、サリチル酸塩、p−アミノサリチル酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、ヘプタン酸塩、フタル酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、o−アセトキシ安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、マンデル酸塩、タンニン酸塩、ギ酸塩、ステアリン酸塩、アスコルビン酸塩、パルミチン酸塩、オレイン酸塩、ピルビン酸塩、パモ酸塩、マロン酸塩、ラウリン酸塩、グルタル酸塩、グルタミン酸塩、エストレート、メタンスルホン酸塩(メシラート)、エタンスルホン酸塩(エシラート)、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシラート)、p−アミノベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩(トシラート)、およびナフタレン−2−スルホン酸塩が挙げられる。
本明細書では、「本発明の化合物」なる用語は、式(I)で示される化合物およびその医薬上許容される塩のどちらも意味する。
本発明の化合物は、固体形態または液体形態で存在し得る。固体状態では、本発明の化合物は、結晶形もしくは非結晶形で、またはその混合物として存在し得る。結晶形である本発明の化合物について、当業者は、結晶化の間に溶媒分子が結晶格子に取り込まれる医薬上許容される溶媒和物が形成され得ることを理解できるであろう。溶媒和物は、エタノール、イソプロパノール、DMSO、酢酸、エタノールアミンおよび酢酸エチルのような非水性溶媒の使用によって生じ得るか、または、それらは、結晶格子中に取り込まれる溶媒としての水の使用によって生じ得る。水が結晶格子中に取り込まれる溶媒である溶媒和物は、典型的には、「水和物」と称される。水和物としては、化学量論的水和物および可変量の水を含有する組成物が挙げられる。本発明は、かかる溶媒和物の全てを包含する。
当業者は、さらに、種々の溶媒和物を包含する結晶形で存在する本発明のある種の化合物が多形(すなわち、様々な結晶構造で生じる能力)を示し得ることを理解できるであろう。これらの様々な結晶形は、典型的には、「多形体」として知られている。本発明は、かかる多形体のすべてを包含する。多形体は、同一の化学組成を有するが、パッキング、幾何学的配置および他の結晶性固体状態の記述的特性が異なっている。したがって、多形体は、形状、密度、硬度、変形能、安定性および溶解特性のような様々な物理学的特性を有し得る。多形体は、典型的には、同定に使用され得る様々な融点、IRスペクトルおよびX線粉末回折パターンを示す。当業者は、例えば、化合物の製造に使用する反応条件または試薬を変更または調節することによって、異なる多形体を生成し得ることを理解できるであろう。例えば、温度、圧力または溶媒の変更は多形体を生じ得る。加えて、一の多形体は、ある種の条件下では自然に別の多形体に変換され得る。
化合物の調製
標準的な化学反応を含む様々な方法によって、本発明の化合物を製造することができる。任意の先に定義された可変要素は、特に指定しない限り、先に定義された意味を継続して有するであろう。例示的な一般的合成方法を以下に記載し、次いで実施例のセクションにおいて本発明の具体的な化合物を調製する。
式(I)で示される化合物は、例えば、下記スキーム1に従って製造することができる:
Figure 2009519968
スキーム1は、R2が定義されたとおりである式Iで示される化合物の製造のための一般的なスキームを表す。スキーム1はまた、R4がアルキル、カルボキシル、アリール、またはヘテロアリールである式Iで示される化合物の製造のための一般的なスキームを表す。スキーム1では、R1は、特記しない限り上記のように定義される。出発物質として記載されているインドリン1は、市販されている。反応条件はスキームにおいて上記したとおりである;しかしながら、当業者は、反応条件および/または使用する試薬のある種の変更が可能であることを理解できるであろう。
THFまたは塩化メチレンのような適当な溶媒中におけるインドリン1のジ炭酸ジ−tert−ブチルでの処理により所望のBOC保護生成物が得られる。所望の臭化物2へのさらなる変換は、TMEDAの存在下でsec−ブチルリチウムを使用するリチオ化、およびジ炭酸ジ−tert−ブチルでのクエンチ、次いで、N−ブロモスクシンイミドでの臭素化により行うことができる。臭化物2のDDQでの処理によりインドリンをインドールへ変換する。置換基R1の設置および3の完成は、適当な触媒およびカップリングパートナーを使用して遷移金属媒介カップリングにより行うことができる。このような変換の一例として、スキーム1の条件eの場合には、1,4−ジオキサンおよび水中にてPd(OAc)2、Imes−HClおよびCs2CO3の存在下でボロン酸エステルまたはボロン酸を用いてSuzuki交差カップリング反応を行うことができる。置換基R4の取り込みおよび4の完成は、スキーム1の条件fにおけるようにC2でのリチオ化、次いで、適当な求電子試薬R4Xでのクエンチにより行うことができる。別法として、R4がアリールまたはヘテロアリールである場合、4の完成のために様々な条件のセット、すなわち、リチオ化、次いで、亜鉛への金属交換反応、次いで、遷移金属媒介カップリング(Negishi型カップリング)が考えられる。当業者には当然のことであるが、範囲を十分に例示するためにはR4のさらなる操作が必要があり得る。このこととしては、官能および保護基操作が挙げられるが、これらに限定されるものではない。主要なカルボキシアミド4の製造は、TFAを用いる脱保護、次いで、HATUの存在下での得られたC7カルボン酸とアンモニアとの反応により行うことができる。R2がピペリジンスルホンアミドである場合、基R2の取り込みは、R2の適当なケトン前駆物質との反応により行われる。この変換は、塩基性または酸性いずれかの条件下で行うことができる。基R2が完全に飽和している場合、中間生成物の次なる還元により、所望の生成物5が生成されるであろう。このような還元の例として、スキーム1の条件jの場合には、Pd(OH)2の存在下での水素添加反応により5への変換が完了する。R2および/またはR1が適当な保護基を含有する場合、適当な条件下での保護基の除去および他の生成物へのさらなる変換を行うことができる。その後の基R2のアミン官能基のスルホンアミドR3への変換は、R3の適当なスルホニル塩化物または無水物を用いて行うことができる。当業者には当然のことであるが、いずれかのスルホンアミドR3への変換後、得られた生成物は、R3へのさらなる作用を必要とし得る。このこととしては、適当な保護および官能基操作が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
使用方法
本発明の化合物は、IKK2の阻害物質である。これらの化合物は、根拠となる病状が(少なくとも一部で)関節リウマチ、炎症性腸疾患、喘息およびCOPD(慢性閉塞性肺疾患)のような不適当なIKK2(IKKβとしても知られている)活性に起因する障害の治療に有用であり得る。「不適当なIKK2活性」とは、特定の患者において予想される正常なIKK2活性から逸脱するいずれものIKK2活性をいう。不適当なIKK2活性は、例えば、活性の異常な亢進、またはIKK2活性のタイミングおよび/または制御の異常の形態をとり得る。そこで、かかる不適当な活性は、例えば、不適当なまたは未制御の活性化を引き起こすプロテインキナーゼの過剰発現または変異によりもたらされ得る。したがって、別の態様では、本発明は、かかる障害の治療方法を対象とする。
かかる障害としては、炎症性障害および組織修復障害、特に、関節リウマチ、炎症性腸疾患、喘息およびCOPD(慢性閉塞性肺疾患);変形性関節症、骨粗鬆症および線維症;乾癬、アトピー性皮膚炎および紫外線(UV)誘発性皮膚損傷を包含する皮膚病;全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、組織および臓器拒絶反応を包含する自己免疫疾患、アルツハイマー病、脳卒中発作、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、糖尿病、糸球体腎炎、ホジキン病を包含する癌、悪液質、後天性免疫不全症候群(AIDS)を包含する感染症およびある種のウイルス感染症に伴う炎症、成人呼吸窮迫症候群、ならびに毛細血管拡張性運動失調症が挙げられる。
本発明の治療方法は、かかる治療を必要とする患者に式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩の安全かつ有効な量を投与することを含む。本発明の個々の実施態様は、上記障害のいずれか1つの治療方法であって、かかる治療を必要とする患者に式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩の安全かつ有効な量を投与することによる方法を包含する。
本明細書では、障害に関する「治療する」とは、(1)障害または該障害の生物学的兆候の1つもしくはそれ以上を寛解または予防すること、(2)(a)障害を引き起こすかまたは障害の原因である生物学的カスケードにおける1つもしくはそれ以上のポイントまたは(b)障害の生物学的兆候の1つもしくはそれ以上を妨げること、(3)障害に伴う症状または作用の1つまたはそれ以上を軽減すること、または(4)障害または該障害の生物学的兆候の1つもしくはそれ以上の進行を遅延させることをいう。
上記のとおり、障害の「治療」は、障害の予防を包含する。当業者は、「予防」が絶対的な用語ではないことを理解できるであろう。医学では、「予防」とは、障害またはその生物学的兆候の可能性または重篤度を実質的に減少させるため、またはかかる障害またはその生物学的兆候の開始を遅延させるための薬物の予防的投与をいうと解される。
本明細書では、本発明の化合物または他の医薬活性物質に関する「安全かつ有効な量」とは、患者の症状を処置するのに十分な化合物の量であるが、適切な医学的判断の範囲内で重大な副作用を(妥当な利益/リスク比で)回避できるほど十分に低いことを意味する。化合物の安全かつ有効な量は、選ばれた特定の化合物(例えば、化合物の効力、有効性および半減期を考慮する);選ばれた投与経路;処置される障害;処置される障害の重篤度;処置される患者の年齢、大きさ、重さおよび健康状態;処置される患者の病歴;治療期間;併用療法の性質;所望の治療効果;および同様の因子に応じて異なるであろうが、当業者によって慣用的に決定され得る。
本明細書では、「患者」とは、ヒトまたは他の動物をいう。
本発明の化合物は、全身投与および局所投与のどちらも包含するいずれもの適当な投与経路によって投与することができる。全身投与としては、経口投与、非経口投与、経皮投与、直腸投与および吸入による投与が挙げられる。非経口投与とは、経腸、経皮または吸入以外の投与経路をいい、典型的には、注射または注入によるものである。非経口投与としては、静脈内、筋肉内および皮下の注射または注入が挙げられる。吸入とは、口からの吸入または鼻からの吸入にかかわらず患者の肺への投与をいう。局所投与としては、皮膚への塗布、ならびに眼内、耳、膣内および鼻内投与が挙げられる。
本発明の化合物は、1回で投与されても、または、多数回の投与が所定の期間に様々な時間間隔で行われる投与計画に従って投与されてもよい。例えば、投与は、1日に1回、2回、3回または4回行うことができる。投与は、所望の治療効果が達成されるまで、または、所望の治療効果を維持するために無期限に行うことができる。本発明の化合物に適する投与計画は、当業者によって決定され得る、吸収、分布および半減期のような化合物の薬物動態学的特性に依存する。加えて、本発明の化合物の、投与計画が施される期間を包含する適当な投与計画は、当業者の知識および専門知識の範囲内で、処置される障害、処置される障害の重篤度、処置される患者の年齢および健康状態、処置される患者の病歴、併用療法の性質、所望の治療効果、および同様の因子に依存する。さらに、適当な投与計画には、該投与計画に対する個々の患者の応答を考慮して、または個々の患者が変更を必要とするのとともに、調節が必要であり得ることは当業者により理解されるであろう。
典型的な1日投与量は、選択された特定の投与経路に応じて異なり得る。経口投与について典型的な1日用量は全体重1kgにつき0.001mg〜50mgの範囲である。
さらに、本発明の化合物は、プロドラッグとして投与され得る。本明細書では、本発明の化合物の「プロドラッグ」は、患者への投与後、最終的にはインビボで本発明の化合物を遊離する化合物の機能性誘導体である。本発明の化合物のプロドラッグとしての投与により、当業者は以下のことの1つまたはそれ以上を行うことができる:(a)インビボでの化合物の発生を変更すること;(b)インビボでの化合物の作用期間を変更すること;(c)インビボでの化合物の輸送または分布を変更すること;(d)インビボでの化合物の溶解性を変更すること;および(e)化合物によりもたらされる副作用または他の障害を克服すること。プロドラッグの調製に使用される典型的な機能性誘導体は、インビボで化学的または酵素的に開裂される化合物の修飾を包含する。ホスフェート、アミド、エステル、チオエステル、カーボネートおよびカルバメートの調製を包含するかかる修飾は、当業者に周知である。
本発明はまた、医療用、および、特に、IKK2活性によって媒介される障害の治療用の本発明の化合物を提供する。かくして、さらなる態様では、本発明は、不適当なIKK2活性を特徴とする障害の治療用の薬剤の製造における式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩の使用を対象とする。
不適当なIKK2活性を特徴とする特定の障害としては、プロテインキナーゼIKK2の阻害の結果としての、炎症性障害および組織修復障害、特に、関節リウマチ、炎症性腸疾患、喘息およびCOPD(慢性閉塞性肺疾患);変形性関節症、骨粗鬆症および線維症;乾癬、アトピー性皮膚炎および紫外線(UV)誘発性皮膚損傷を包含する皮膚病;全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、組織および臓器拒絶反応を包含する自己免疫疾患、アルツハイマー病、脳卒中発作、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、糖尿病、糸球体腎炎、ホジキン病を包含する癌、悪液質、後天性免疫不全症候群(AIDS)を包含する感染症およびある種のウイルス感染症に伴う炎症、成人呼吸窮迫症候群、ならびに毛細血管拡張性運動失調症が挙げられる。
組成物
本発明の組成物は、絶対的ではないが通常、患者への投与の前に医薬組成物に製剤化される。したがって、別の態様では、本発明は、本発明の化合物および1種またはそれ以上の医薬上許容される賦形剤を含む医薬組成物を対象とする。
本発明の医薬組成物は、本発明の化合物の安全かつ有効な量が抽出され得るバルク形態で調製され、包装され得、例えば散剤またはシロップ剤で患者に投与される。別法として、本発明の医薬組成物は、物理的に分離した各ユニットが本発明の化合物の安全かつ有効な量を含有する単位投与剤形で調製され、包装され得る。単位投与剤形に調製する場合、本発明の医薬組成物は、典型的には、例えば、本発明の化合物0.5mg〜1g、または1mg〜700mg、または5mg〜100mgを含有することができる。
本発明の医薬組成物は、典型的には、1種類の本発明の化合物を含有する。しかしながら、ある実施態様では、本発明の医薬組成物は、2種類以上の本発明の化合物を含有する。例えば、ある実施態様では、本発明の医薬組成物は、2種類の本発明の化合物を含有する。加えて、本発明の医薬組成物は、1種類またはそれ以上のさらなる医薬活性化合物を含有していてもよい。
本明細書では、「医薬上許容される賦形剤」とは、医薬組成物に形態またはコンシステンシーを与えることに関与している医薬上許容される物質、組成物またはビヒクルを意味する。各賦形剤は、混ぜ合わせた場合に、患者に投与した場合に本発明の化合物の有効力を実質的に低減させる相互作用および医薬上許容されない医薬組成物を生じる相互作用を回避するように該医薬組成物の他の成分と適合していなければならない。加えて、各賦形剤は、もちろん、それが医薬上許容されるようになるように十分に高い純度のものでなければならない。
本発明の化合物および医薬上許容される賦形剤は、典型的には、所望の投与経路による患者への投与に適した投与剤形に製剤化される。例えば、投与剤形としては、(1)錠剤、カプセル剤、カプレット剤、丸剤、トローチ剤、散剤、シロップ剤、エリキシル剤、懸濁剤、液剤、乳剤、サシェ剤およびカシェ剤のような経口投与に適したもの;(2)滅菌液剤、懸濁剤、および、再構成用散剤のような非経口投与に適したもの;(3)経皮用パッチ剤のような経皮投与に適したもの;(4)坐剤のような直腸投与に適したもの;(5)エアゾール剤、液剤および乾燥散剤のような吸入に適したもの;ならびに(6)クリーム剤、軟膏剤、ローション剤、液剤、ペースト剤、スプレー剤、フォーム剤およびゲル剤のような局所投与に適したものが挙げられる。
適当な医薬上許容される賦形剤は、選択された特定の投与剤形に応じて異なる。加えて、適当な医薬上許容される賦形剤は、それらが医薬組成物において役立つことができる特定の機能のために選択され得る。例えば、ある医薬上許容される賦形剤は、均一な投与剤形の生成を容易にするそれらの能力のために選択され得る。ある医薬上許容される賦形剤は、安定な投与剤形の生成を容易にするそれらの能力のために選択され得る。ある医薬上許容される賦形剤は、患者に投与されると1つの臓器または体の一部から別の臓器または体の別の部分への本発明の化合物の運搬または輸送を容易にするそれらの能力のために選択され得る。ある医薬上許容される賦形剤は、患者の服薬遵守を増強するそれらの能力のために選択され得る。
適当な医薬上許容される賦形剤としては、以下のタイプの賦形剤が挙げられる:希釈剤、充填剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動促進剤、造粒剤、コーティング剤、湿潤剤、溶媒、共溶媒、懸濁化剤、乳化剤、甘味剤、矯味矯臭剤、フレーバーマスキング剤、着色剤、アンチケーキング剤、保湿剤、キレート剤、可塑剤、増粘剤、抗酸化剤、保存剤、安定剤、界面活性剤および緩衝剤。当業者は、ある医薬上許容される賦形剤は、2種類以上の機能を果たすことができ、どれぐらいの量の賦形剤が製剤中に存在しているかおよびどのような他の成分が製剤中に存在しているかに応じて別の機能を果たすことができることを理解できるであろう。
当業者は、当業者が本発明における使用に適当な量の適当な医薬上許容される賦形剤を選択することができるようにする当該技術分野における知識および技術を有する。加えて、医薬上許容される賦形剤を記載する当業者に利用可能であり、適当な医薬上許容される賦形剤を選択するのに有用であり得る多くの情報源がある。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences (Mack Publishing Company), The Handbook of Pharmaceutical Additives (Gower Publishing Limited)、およびThe Handbook of Pharmaceutical Excipients (the American Pharmaceutical Association and the Pharmaceutical Press)が挙げられる。
本発明の医薬組成物は、当業者に知られている技術および方法を使用して調製される。当該技術分野で一般的に使用される方法には、Remington's Pharmaceutical Sciences (Mack Publishing Company)に記載されているものがある。
一の態様では、本発明は、本発明の化合物の安全かつ有効な量および希釈剤または充填剤を含む錠剤またはカプセル剤のような固体経口投与剤形を対象とする。適当な希釈剤および充填剤としては、ラクトース、シュークロース、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、デンプン(例えば、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、およびアルファ化デンプン)、セルロースおよびその誘導体(例えば、微結晶性セルロース)、硫酸カルシウム、および第二リン酸カルシウムが挙げられる。固体経口投与剤形は、さらに、結合剤を含むことができる。適当な結合としては、デンプン(例えば、コーンスターチ、ジャガイモデンプンおよびアルファ化デンプン)、ゼラチン、アカシア、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、トラガカント、グアーガム、ポビドン、ならびにセルロースおよびその誘導体(例えば、微結晶性セルロース)が挙げられる。固体経口投与剤形は、さらに、崩壊剤を含むことができる。適当な崩壊剤としては、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロース、アルギン酸およびカルボキシメチルセルロースナトリウムが挙げられる。固体経口投与剤形は、さらに、滑沢剤を含むことができる。適当な滑沢剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、およびタルクが挙げられる。
必要に応じて、経口投与用の投与単位製剤は、マイクロカプセル化することができる。該組成物はまた、例えばポリマーまたはワックスなどの中で粒状物質をコーティングするかまたは埋め込むことによって、放出を延長したり持続したりするように調製することができる。
本発明の組成物はまた、目標設定可能な薬物担体としての可溶性ポリマーとカップリングすることができる。かかるポリマーとしては、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド−フェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノール、またはパルミトイル基で置換されているポリエチレンオキシドポリリシンを挙げることができる。さらにまた、本発明の化合物は、薬物の制御放出を行うのに有用な生分解性ポリマーの群(例えば、ポリ乳酸、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、およびヒドロゲルの架橋結合または両親媒性ブロックコポリマー)とカップリングすることができる。
別の態様では、本発明は、液体経口投与剤形を対象とする。液剤、シロップ剤およびエリキシル剤のような経口液剤は、所定の量が本発明の化合物の所定量を含有するような投与単位剤形に調製することができる。シロップ剤は、本発明の化合物を適当に矯味矯臭した水溶液に溶解することによって調製することができ、一方、エリキシル剤は、非毒性アルコール性ビヒクルの使用により調製される。懸濁剤は、本発明の化合物を非毒性ビヒクルに分散させることによって製剤化することができる。エトキシ化したイソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエーテルのような可溶化剤および乳化剤、保存剤、ペパーミントオイルのようなフレーバー添加剤、または天然甘味料またはサッカリンもしくは他の人工甘味料などを添加することもできる。
別の態様では、本発明は、吸入により患者に投与するのに適した投与剤形を対象とする。例えば、本発明の化合物は、乾燥粉末、エアゾール、懸濁液または溶液として肺に吸入され得る。
吸入による肺への送達のための乾燥粉末組成物は、典型的には、微細粉末としての本発明の化合物を微細粉末としての1種またはそれ以上の医薬上許容される賦形剤と一緒に含む。乾燥粉末で使用するのに特に適している医薬上許容される賦形剤は当業者に知られており、ラクトース、デンプン、マンニトール、ならびに単糖類、二糖類および多糖類が挙げられる。
複数(計量されていない量)の乾燥粉末形態の薬物を貯蔵するのに適したリザーバーを有するリザーバー乾燥粉末吸入器(RDPI)により、乾燥粉末を患者に投与することができる。RDPIは、典型的には、リザーバーから送達位置までの各薬物量を計量する手段を含む。例えば、計量手段は計量カップを含むことができ、該計量カップは、該カップをリザーバーからの薬物で満たすための第1の位置から、計量した薬物を吸入のために患者に利用可能にする第2の位置へ移動できる。
別法として、乾燥粉末は、カプセル(例えば、ゼラチンまたはプラスチック)、カートリッジ、または複数回投与用乾燥粉末吸入器(MDPI)で使用するためのブリスターパック中にて提供することができる。MDPIは、薬物の数回の所定の投与量(またはその一部)を含有する(または運搬する)複数回投与用パック内に薬物を含んでいる吸入器である。乾燥粉末がブリスターパックとして提供される場合、それは、薬物を乾燥粉末形態で収容するための複数のブリスターを含む。ブリスターは、典型的には、そこから薬物を放出することの容易さのために規則的に配置される。例えば、ブリスターは、ディスク型ブリスターパック上におおむね円形に配置され得るか、またはブリスターは、例えば、ストリップまたはテープを含む細長い形態であり得る。各カプセル、カートリッジまたはブリスターは、例えば、本発明の化合物20μg〜10mgを含有することができる。
エアゾール剤は、本発明の化合物を液体噴射剤に懸濁または溶解することによって調製することができる。適当な噴射剤としては、ハロカーボン、炭化水素、および他の液体ガスが挙げられる。代表的な噴射剤としては、トリクロロフルオロメタン(propellant 11)、ジクロロフルオロメタン(propellant 12)、ジクロロテトラフルオロエタン(propellant 114)、テトラフルオロエタン(HFA−134a)、1,1−ジフルオロエタン(HFA−152a)、ジフルオロメタン(HFA−32)、ペンタフルオロエタン(HFA−12)、ヘプタフルオロプロパン(HFA−227a)、パーフルオロプロパン、パーフルオロブタン、パーフルオロペンタン、ブタン、イソブタンおよびペンタンが挙げられる。本発明の化合物を含むエアゾール剤は、典型的には、定量型吸入器(MDI)により患者に投与される。かかる装置は、当業者に知られている。
エアゾールは、製剤の物理的安定性を向上させるため、弁特性を向上させるため、溶解性を向上させるため、または味を改善するために、界面活性剤、滑沢剤、共溶媒、および他の賦形剤のようなMDIと一緒に典型的に使用されるさらなる医薬上許容される賦形剤を含有することができる。
本発明の化合物を含む懸濁剤および液剤はまた、ネブライザーにより患者に投与することができる。噴霧のために利用される溶媒または懸濁剤は、水、生理食塩水、アルコールまたはグリコール、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどまたはそれらの混合物のようないずれもの医薬上許容される液体であり得る。生理食塩水は、投与後にあまりまたは全く医薬活性を示さない塩を利用する。両方の有機塩、例えば、アルカリ金属またはアンモニウムハロゲン塩、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウムまたは有機塩、例えば、カリウム、ナトリウムおよびアンモニウム塩または有機酸、例えば、アスコルビン酸、クエン酸、酢酸、酒石酸などをこの目的のために使用することができる。
他の医薬上許容される賦形剤を懸濁液または溶液に添加することができる。本発明の化合物は、無機酸、例えば、塩酸、硝酸、硫酸および/またはリン酸;有機酸、例えば、アスコルビン酸、クエン酸、酢酸、および酒石酸など、錯化剤、例えば、EDTAまたはクエン酸およびその塩;または抗酸化剤、例えば、ビタミンEまたはアスコルビン酸の添加によって安定化させることができる。これらは、単独でまたは一緒に使用して本発明の化合物を安定化させることができる。塩化ベンザルコニウムまたは安息香酸およびその塩のような保存剤を添加することができる。界面活性剤は、特に懸濁液の物理的安定性を向上させるために添加することができる。これらの界面活性剤としては、レシチン、ジオクチルスルホコハク酸二ナトリウム、オレイン酸およびソルビタンエステルが挙げられる。
経皮投与に適している医薬組成物は、長期間、患者の表皮と密接に接触したままにすることが意図される個別パッチ剤として提供され得る。例えば、該活性成分は、Pharmaceutical Research、3(6)、318 (1986)に一般的に記載されているイオントフォレーシスによってパッチから送達され得る。
局所投与に適している医薬組成物は、軟膏剤、クリーム剤、懸濁剤、ローション剤、散剤、液剤、ペースト剤、ゲル剤、スプレー剤、エアゾール剤またはオイル剤として製剤化され得る。
眼または他の外部組織、例えば、口および皮膚の治療については、当該組成物は、局所軟膏剤またはクリーム剤として塗布され得る。軟膏剤に製剤化する場合、本発明の化合物は、パラフィン系または水混和性軟膏基剤と一緒に用いることができる。別法として、本発明の化合物は、水中油型クリーム基剤または油中水型基剤と一緒にクリーム剤に製剤化することができる。
担体が固体である鼻腔投与に適している医薬組成物は、鼻を塞いだままの散剤容器から鼻道を通る急速な吸入によって投与される、例えば20〜500ミクロンの範囲の粒径を有する粗粉末が挙げられる。鼻腔用スプレー剤または点鼻剤として投与するための、担体が液体である適当な組成物としては、本発明の化合物の水性液剤または油剤が挙げられる。
非経口投与に適している医薬組成物としては、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、および製剤を所定のレシピエントの血液と等張性にする溶質を含有することができる水性および非水性滅菌注射液剤;ならびに懸濁化剤および増粘剤を含むことができる水性および非水性滅菌懸濁剤が挙げられる。当該組成物は、単位投与用または複数回投与用容器、例えば、密封したアンプルおよびバイアル中にて提供することができ、使用直前に滅菌液体担体(例えば、注射用液)の添加を必要とするだけの凍結乾燥状態で貯蔵され得る。即席注射液剤および懸濁剤は、滅菌散剤、顆粒剤および錠剤から調製することができる。
以下の実施例は本発明を例示する。これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものではく、当業者に本発明の化合物、組成物および方法を調製および使用する指針を与えるものである。本発明の特定の実施態様を記載するが、当業者は、本発明の精神および範囲を逸脱することなく様々な変更および修飾を行うことができることが理解できるであろう。
特記しない限り、出発物質はすべて、商業的供給者から入手し、それ以上精製せずに使用した。特記しない限り、温度はすべて℃(摂氏)で表される。特記しない限り、反応はすべて、室温にて不活性雰囲気下で行われる。逆相HPLC精製については(特記しない限り)、0.1%TFAを含有するアセトニトリルおよび0.1%TFAを含有する水を使用する50×20mmI.D. Luna C18 5μカラムならびに215nMおよび254nMでのUV検出を使用した。
核磁気共鳴スペクトルは、Bruker AC 400分光計を使用して400MHzで記録した。CDCl3はジュウテリオクロロホルムであり、DMSO−d6はヘキサジュウテリオジメチルスルホキシドであり、CD3ODはテトラジュウテリオメタノールである。内部標準テトラメチルシランから低磁場側への化学シフトを百万分率(δ)で報告する。NMRデータの略語は以下のとおりである:s=一重線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、m=多重線、dd=二重の二重線、dt=二重の三重線、app=みかけ、br=幅広。Jは、ヘルツで測定したNMR結合定数を示す。質量スペクトルは、エレクトロスプレー(ES)イオン化法を用いて、PE Sciex Single Quadrupole LC/MS API−150にて得た。元素分析は、Perkin−Elmer 240C元素分析器を使用して得た。
薄層クロマトグラフィーにはAnaltech Silica Gel GFおよびE. Merck Silica Gel 60 F−254薄層プレートを使用した。フラッシュクロマトグラフィーおよび重力クロマトグラフィーのどちらもE. Merck Kieselgel 60(230〜400メッシュ)シリカゲルにて行った。
(1)2−メチル−5−フェニル−1H−インドール−7−カルボアミド
1a)2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル
Figure 2009519968
インドリン(10g、84mmol)をテトラヒドロフラン(100mL)に溶解し、炭酸ジ−tert−ブチル(22g、0.1mol)を添加した。該混合物を不活性窒素雰囲気下にて室温で16時間撹拌した。テトラヒドロフランを真空除去し、粗生成物を真空蒸留により精製して、標記化合物(15.1g)を透明な薄ピンク色の油状物として得、放置して結晶化させた(温度:160〜162℃、圧力:1〜0.1mmHg)。
1H NMR(400MHz,DMSO−D6)δ ppm 1.50(s,9H)3.04(t,J=8.7Hz,2H)3.89(t,J=8.8Hz,2H)6.91(td,J=7.3,0.8Hz,1H)7.13(t,J=7.5Hz,1H)7.18(d,J=7.3Hz,1H)7.5−7.8(bs,1H)。
1b)2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1,7−ジカルボン酸ビス(1,1−ジメチルエチル)
Figure 2009519968
−65℃未満の温度でアルゴン下にて2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(25.7g、120mmol)およびTMEDA(27.2mL、180mmol)の乾燥ジエチルエーテル250mL中撹拌溶液にsec−ブチルリチウム(129mL、180mmol、シクロヘキサン中1.4M溶液)を滴下した。添加後、該混合物を−40℃に加温し、1.5時間撹拌した後、−78℃に再冷却し、乾燥ジエチルエーテル100mL中にてジ炭酸ビス(1,1−ジメチルエチル)(42.85g、180mmol)で処理した。次いで、得られた混合物を8時間にわたってゆっくりと室温に加温し、室温でさらに24時間撹拌した。その後、塩化アンモニウム飽和溶液およびジエチルエーテルの添加により該混合物をクエンチした。有機層を水で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空濃縮した。次いで、得られた淡褐色の油状物をクロマトグラフィー処理(石油エーテル中5%酢酸エチル)により精製して、標記化合物を薄黄色固体として得た(23.2g、60%)。MH+: 320、rt:4.26分。
1c)5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1,7−ジカルボン酸ビス(1,1−ジメチルエチル)
Figure 2009519968
室温で2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1,7−ジカルボン酸ビス(1,1−ジメチルエチル)(23.2g、72.6mmol)を乾燥ジクロロメタン350mL中にて撹拌し、N−ブロモスクシンイミド(13.5g、75.2mmol)で処理した。得られた混合物を室温で48時間撹拌した。該混合物を水200mLで処理し、10分間撹拌した。有機層を分取し、5%炭酸水素ナトリウム溶液で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、次いで、真空濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィー処理(石油エーテル中3%酢酸エチル)により精製した。これにより標記化合物(25.27g、87%)を得た。1HNMR(CDCl3):1.52(9H,d)、1.61(9H,s)、3.06(2H,t)、4.08(2H,t)、7.34(1H,s)、7.52(1H,s)。
1d)5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1,7−ジカルボン酸ビス(1,1−ジメチルエチル)
Figure 2009519968
5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1,7−ジカルボン酸ビス(1,1−ジメチルエチル)(25.20g、63.2mmol)を1,4−ジオキサン250mLに溶解し、フェニルボロン酸(8.71g、70.9mmol)および炭酸セシウム(126mL、水中2M溶液)を添加した。得られた混合物をアルゴンで脱気し、次いで、[1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(2.0g、2.4mmol)を添加した。この混合物を再度アルゴンで脱気した後、80℃で2.5時間撹拌した。該混合物を室温に冷却し、酢酸エチルで希釈し、次いで、水で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。次いで、有機層を真空濃縮した。次いで、クロマトグラフィー処理(石油エーテル中3%酢酸エチル)により標記化合物(17g、69%)を得た。1HNMR(CDCl3):1.52(9H,s)、1.61(9H,s)、3.10(2H,t)、4.15(2H,t)、7.30(1H,t)、7.42(3H,m)、7.58(2H,d)、7.68(1H,s)。
1e)5−フェニル−1H−インドール−1,7−ジカルボン酸ビス(1,1−ジメチルエチル)
Figure 2009519968
窒素下にて室温で2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(11.50g、50.25mmol)を5−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1,7−ジカルボン酸ビス(1,1−ジメチルエチル)(17.20g、43.5mmol)の乾燥トルエン250mL中撹拌溶液に滴下した。次いで、混合物を還流させながら3時間撹拌した。該混合物を室温に冷却し、酢酸エチルおよび水で希釈した。次いで、有機層を水で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空濃縮した。得られた茶色の油状物をクロマトグラフィー処理(石油エーテル中3%酢酸エチル)により精製して、標記化合物(11.10g、65%)を得た。1HNMR(CDCl3):1.55(18H,m)、6.62(1H,d)、7.36(1H,m)、7.48(2H,m)、7.53(1H,d)、7.65(2H,m)、7.74(1H,s)、7.82(1H,s)。
1f)2−メチル−5−フェニル−1H−インドール−1,7−ジカルボン酸ビス(1,1−ジメチルエチル)
Figure 2009519968
アルゴン下にて−78℃で5−フェニル−1H−インドール−1,7−ジカルボン酸ビス(1,1−ジメチルエチル)(1.0g、2.53mmol)およびTMEDA(0.573mL、2.53mmol)の乾燥ジエチルエーテル30mL中撹拌溶液にsec−ブチルリチウム(3.63mL、5.04mmol、シクロヘキサン中1.4M溶液)を添加した。得られた混合物を−78℃で1.5時間撹拌した後、乾燥ジエチルエーテル(89mg/mL)中のヨウ化メチル(7.98mL、5.0mmol)溶液を添加した。得られた赤/茶色の溶液を8時間にわたってゆっくりと室温に加温した後、塩化アンモニウム溶液の添加によりクエンチした。次いで、有機層を水で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空濃縮した。得られた赤/茶色の油状物をクロマトグラフィー処理(石油エーテル中2%酢酸エチル)により精製し、次いで、n−ペンタンでトリチュレートし、標記化合物(295mg、28%)を得た。それ以上精製せずに標記化合物および出発物質5−フェニル−1H−インドール−1,7−ジカルボン酸ビス(1,1−ジメチルエチル)の混合物として使用した。
1g)2−メチル−5−フェニル−1H−インドール−7−カルボアミド
Figure 2009519968
2−メチル−5−フェニル−1H−インドール−1,7−ジカルボン酸ビス(1,1−ジメチルエチル)(250mg、0.72mmol)をジクロロメタン中50%トリフルオロアセテート3mL中にて室温で30分間撹拌した。次いで、溶媒を除去した。該残留物にジクロロメタンを2回添加し、次いで、真空濃縮した。粗物質をジイソプロピルエチルアミンで緩衝化し、乾燥DMF 1mLに溶解した後、室温でDMF 2mL中にてHATU(548mg、1.44mmol)で処理した。次いで、この溶液を塩化アンモニウム(156mg、2.88mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(440uL)のDMF 5mL中撹拌混合物に添加した。得られた混合物を30℃で24時間撹拌した。次いで、溶媒を真空除去し、残留物を酢酸エチルに溶解し、水、0.5M水酸化ナトリウム溶液、次いで、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、真空濃縮した。粗生成物を、TFAを用いてHPLCにより精製して、標記化合物を薄黄色固体として得た(71mg、39%)。MH+:251、rt:10.40分。
(2)5−フェニル−1H−インドール−2,7−ジカルボキシアミド
2a)1,7−ビス{[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}−5−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸
Figure 2009519968
アルゴン下にて−78℃で5−フェニル−1H−インドール−1,7−ジカルボン酸ビス(1,1−ジメチルエチル)(4.0g、10.1mmol)およびTMEDA(2.29mL、10.1mmol)の乾燥ジエチルエーテル100mL中撹拌溶液にsec−ブチルリチウム(14.5mL、20.2mmol、シクロヘキサン中1.4M溶液)を滴下した。該混合物を−78℃で1.5時間撹拌した後、6時間にわたって該溶液にCO2ガスを通気させながらゆっくりと室温に加温した。次いで、塩化アンモニウム飽和溶液の添加により該混合物をクエンチし、次いで、有機層を水で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィー処理(ジクロロメタン〜ジクロロメタン中5%メタノール)により精製し、黄/茶色の固体2.5gを得た。この固体をさらにジエチルエーテルに溶解し、1M水酸化ナトリウム溶液で抽出し、水層をジエチルエーテルで洗浄した後、10%クエン酸でpH=6.0に酸性化し、次いで、該混合物をジエチルエーテルで抽出し、次いで、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空濃縮して、標記化合物を薄黄色の固体として得た(2.23g、50%)。1HNMR(CDCl3):1.55(18H,m)、7.36(1H,m)、7.48(3H,m)、7.66(2H,m)、7.94(1H,s)、7.98(1H,s)、10.36(1H,s)。
2b)2−[(ジメチルアミノ)カルボニル]−5−フェニル−1H−インドール−1,7−ジカルボン酸ビス(1,1−ジメチルエチル)
Figure 2009519968
1,7−ビス{[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}−5−フェニル−1H−インドール−2−カルボン酸(500mg、1.14mmol)を乾燥DMF 1mLに溶解し、HATU(866mg、2.28mmol)の乾燥DMF 1mL中溶液に添加した。得られた黄色溶液をジイソプロピルエチルアミン(530uL、11.4mmol)のジメチルアミンで飽和した乾燥DMF 3mL中混合物にゆっくりと添加した。該混合物を30℃で48時間撹拌した後、真空濃縮した。残留物を酢酸エチルに溶解し、再度、水、0.5M水酸化ナトリウム溶液、次いで、水で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空濃縮した。次いで、クロマトグラフィー処理(石油エーテル中30%酢酸エチル)により標記化合物(122mg、23%)を得た。MH+ − Boc(100):366.32、rt:4.39。
2c)5−フェニル−1H−インドール−2,7−ジカルボキシアミド
Figure 2009519968
2−[(ジメチルアミノ)カルボニル]−5−フェニル−1H−インドール−1,7−ジカルボン酸ビス(1,1−ジメチルエチル)(122mg、0.33mmol)を50%トリフルオロアセテート/ジクロロメタン3mL中にて室温で30分間撹拌した。次いで、溶媒を真空除去した。残留物をジクロロメタンに2回溶解し、次いで、真空濃縮した。ジイソプロピルエチルアミンの添加により粗酸を緩衝化し、DMF 1mLに溶解した後、HATU(251mg、0.66mmol)のDMF 1mL中溶液で処理した。次いで、溶液を塩化アンモニウム(72mg、1.33mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(201uL)のDMF 3mL中撹拌混合物にゆっくりと添加した。次いで、得られた溶液を30℃で24時間撹拌した後、溶媒を除去した。残留物を酢酸エチルに溶解し、水、0.5M水酸化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空濃縮した。TFAを用いてHPLCで精製して、標記化合物(15mg、13%)を得た。MH+:280、rt:8.06。
生物学的データ
IKK2アッセイ
C末端GST標識融合タンパク質として、バキュロウイルス中にて組換えヒトIKKβ(残基1−737)を発現させ、時間分解性蛍光共鳴エネルギー転移(TR−FRET)アッセイを使用してその活性を評価した。すなわち、種々の濃度の化合物またはDMSOビヒクル(最終3%)を含有するウェルにアッセイバッファー(50mM HEPES、10mM MgCl2、1mM CHAPS pH7.4ならびに1mM DTTおよび0.01%w/v BSA)で希釈したIKK2(最終5nM)を添加した。合計容量30μlのGST−IκBα基質(最終25nM)/ATP(最終1μM)の添加により反応を開始した。反応物を室温で30分間インキュベートし、次いで、50mM EDTA 15μlの添加により終わらせた。W−1024ユウロピウムキレート(Wallac OY、フィンランド国トゥルク)で標識した抗ホスホセリン−IκBα−32/36モノクローナル抗体12C2(Cell Signalling Technology、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ベバリー)およびAPC標識抗GST抗体(Prozyme、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンリアンドロ)を含有するバッファー(100mM HEPES pH7.4、150mM NaClおよび0.1%w/v BSA)中の検出試薬(15μl)を添加し、反応物をさらに室温で60分間インキュベートした。Packard Discoveryプレートリーダー(Perkin-Elmer Life Sciences、イギリス国パンボーン)を使用して、特定の665nmエネルギー移動シグナル対参照ユウロピウム620nmシグナルの比としてGST−IκBαのリン酸化の程度を測定した。
結果
実施例1および2の化合物をIKK2に対する活性について試験し、どちらの化合物もIKK2の阻害物質であることが判明した。どちらの化合物も5.0またはそれ以上のplC50を有していた。

Claims (10)

  1. 式(I):
    Figure 2009519968
    [式中、
    R1は、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリールであり(ここで、アリールおよびヘテロアリールは、ハロ、置換されていてもよいC1−C6アルキル、置換されていてもよいC1−C6ハロアルキル、−CN、−N(Rb)SO2Re、−N(Rb)C(O)Ra、−C(O)NRaRb、−C(O)NRxRy、−SO2NRaRb、−SO2NRxRy、−ORc、−N(Rb)C(O)NRaRb、−N(Rb)C(O)NRxRy、および−N(Rb)C(O)ORdからなる群から各々独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、ここで、C1−C6アルキルおよびC1−C6ハロアルキルは、NRaRb、−N(Rb)SO2Re、C(O)Ra、−C(O)NRaRb、C3−C6シクロアルキル、ORc、フェニル、および1個または2個のC1−C6アルキル基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキルからなる群から各々独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい);
    R2は、H、または
    Figure 2009519968
    であり;
    R3は、置換されていてもよいC1−C6アルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル、置換されていてもよいヘテロアリール、または置換されていてもよいヘテロシクロアルキルであり(ここで、C1−C6アルキルは、ハロ、−ORi、−NRgRh、−NHC(O)Rg、およびRjからなる群から各々独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;アリールおよびヘテロアリールは、ハロ、−ORg、ニトロ、シアノ、−CF3、C1−C6アルキル、C(O)Rg、COORg、−NRgRh、−NHC(O)Rg、−C(O)NRgRh、−S(O)2Rg、−NHS(O)2Rg、および−S(O)2NRgRhからなる群から各々独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;C3−C6シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは、−OH、オキソ、C1−C6アルキル、およびC1−C6ハロアルキルからなる群から各々独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい);
    R4は、C(O)NRaRb、置換されていてもよいC1−C6アルキル、置換されていてもよいフェニル、または置換されていてもよいヘテロアリールであり(ここで、C1−C6アルキルは、1個の−C(O)NRaRb基で置換されていてもよく;フェニルおよびヘテロアリールは、ハロ、−ORg、ニトロ、シアノ、−CF3、C1−C6アルキル、C(O)Rg、COORg、−NRgRh、−NHC(O)Rg、−C(O)NRgRh、−S(O)2Rg、−NHS(O)2Rg、および−S(O)2NRgRhから各々独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい);

    各Raは、独立して、H、置換されていてもよいC1−C3アルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいC3−C7シクロアルキル、および置換されていてもよいヘテロシクロアルキルからなる群から選択され(ここで、C1−C3アルキルは、ハロ、ORc、C1−C6ハロアルキル、フェニル、およびヘテロアリールからなる群から各々独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;フェニル、ヘテロアリール、C3−C7シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルは、ハロ、ORc、C1−C6アルキル、およびC1−C6ハロアルキルからなる群から各々独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい);
    各Rbは、独立して、Hおよび置換されていてもよいC1−C3アルキルからなる群から選択され(ここで、C1−C3アルキルは、1〜3個のORc基で置換されていてもよい);
    各Rcは、独立して、H、置換されていてもよいC1−C6アルキル、置換されていてもよいC1−C6ハロアルキル、置換されていてもよいC3−C7シクロアルキル、置換されていてもよいヘテロシクロアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリールからなる群から選択され(ここで、C1−C6アルキルおよびC1−C6ハロアルキルは、C3−C6シクロアルキル、フェニル、ヘテロシクロアルキル、およびヘテロアリールからなる群から各々独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;アリールおよびヘテロアリールは、ハロ、C1−C3アルキル、C1−C3ハロアルキルおよびOHからなる群から各々独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;C3−C7シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは、1〜3個のC1−C3アルキル基で置換されていてもよい);
    各Rdは、独立して、置換されていてもよいC1−C3アルキルであり(ここで、C1−C3アルキルは、C3−C6シクロアルキル;ハロ、C1−C6アルキル、およびC3−C6シクロアルキルからなる群から各々独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいフェニル;ならびにハロ、C1−C6アルキル、およびC3−C6シクロアルキルからなる群から各々独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよいヘテロアリールからなる群から各々独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい);
    各Reは、独立して、置換されていてもよいC1−C6アルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいC5−C7シクロアルキル、および置換されていてもよいヘテロシクロアルキルからなる群から選択され(ここで、C1−C6アルキルは、ORc、トリフルオロメチル、フェニル、ヘテロアリール、ORcまたはヘテロシクロアルキルで置換されていてもよいヘテロシクロアルキル、およびNRaRbからなる群から選択される1個の置換基で置換されていてもよく;ここで、フェニルおよびヘテロアリールは、ハロ、CN、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、N(Rb)C(O)Ra、およびORfからなる群から各々独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;C5−C7シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは、ハロ、ORcで置換されていてもよいC1−C6アルキル、およびC3−C6シクロアルキルからなる群から各々独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい);
    各Rfは、独立して、HおよびC1−C6アルキルから成る群から選択され;
    各Rgは、独立して、H、C1−C6アルキル、C3−C6シクロアルキル、ヘテロアリール、およびフェニルからなる群から選択され;
    各Rhは、独立して、H、および1個のフェニル基で置換されていてもよいC1−C6アルキルからなる群から選択され;
    各Riは、独立して、H、C1−C6アルキル、C1−C6ハロアルキル、およびフェニルからなる群から選択され;
    Rjは、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル、または置換されていてもよいヘテロシクロアルキルであり(ここで、アリールおよびヘテロアリールは、−ORf、ニトロ、シアノ、CF3、非置換C1−C6アルキル、−C(O)Rf、−COORf、−NRfRg、−NHC(O)Rf、−C(O)NRfRg、−S(O)2Rf、−NHS(O)2Rf、および−S(O)2NRfRgからなる群から各々独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく;C3−C6シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは、−OH、オキソ、C1−C6アルキル、およびC1−C6ハロアルキルからなる群から各々独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい);
    各RxおよびRyは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5〜7個の構成原子を有する環を形成し(ここで、環は、構成原子として1個のさらなるヘテロ原子を含有していてもよく、環は、飽和または不飽和であるが芳香族ではなく、環は、1個または2個のC1−C3アルキル置換基で置換されていてもよい)]
    で示される化合物またはその医薬上許容される塩。
  2. R1が置換されていてもよいフェニルである、請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
  3. R2がHである、請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
  4. R2が
    Figure 2009519968
    である、請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
  5. R3が置換されていてもよいC1−C6アルキルである、請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
  6. R4がC(O)NRaRbまたは置換されていてもよいC1−C6アルキルである、請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
  7. 2−メチル−5−フェニル−1H−インドール−7−カルボアミドまたは
    5−フェニル−1H−インドール−2,7−ジカルボキシアミド
    である、請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
  8. 請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩および1種類またはそれ以上の医薬上許容される賦形剤を含む医薬組成物。
  9. 不適当なIKK2活性によって媒介される障害の治療方法であって、該治療を必要とする患者に請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩の安全かつ有効な量を投与することを含む方法。
  10. 不適当なIKK2活性によって媒介される障害が関節リウマチ、喘息またはCOPDである、請求項9記載の方法。
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