JP2009518374A - 活性薬剤、特にジクロフェナクの経皮投与 - Google Patents
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Abstract
本発明は、全身投与の範囲を制御することができる局所的及び持続的治療効果を提供するための治療薬の経皮投与のための組成物に関する。特に、本発明は、塗布可能な組成物、又は約25℃以下の温度で固体化し、35℃以下の軟化点を有し、痛み及び/又は炎症の治療、又は局所麻酔薬の投与に使用するための組成物であって、治療薬の経皮投与が迅速か又は持続的かのいずれかである組成物に関する。
【選択図】なし
【選択図】なし
Description
本発明は、治療薬の経皮投与のための組成物に関する。
経皮吸収は、薬物投与においてよく知られた手段であり、患者に投薬する上で非侵襲的かつ簡便な方法であるという利点がある。経皮吸収は、特に他の薬剤投与方法が困難であるか又は好ましくないことがわかっている患者に薬剤を投与する有用な手段である。例えば、子供や老人は、薬剤を経口的に投与するのが困難であるし、また注射はとりわけ不快なものであることを知っている。また、子供や痴呆の患者は、コンプライアンス(服薬遵守)が欠如しているため投薬治療は困難である。それ故、治療薬の経皮投与は、薬剤を、特に子供や老人又は精神障害患者に投与する上で有益な方法である。
しかしながら、皮膚を越えて薬剤を送達させるには限界がある。皮膚の最も外側の層は、角質層であり、ケラチンに富む死細胞(角質細胞)と脂質マトリックスから成る。角質層は、大人で10〜15μmの厚さがあり、皮膚から吸収される分子の種類や吸収率を制限する効果的な隔膜を形成している。それ故、治療薬を含む製剤の経皮投与は、これまで制限されていた。
それでもなお、いくつかの治療薬は、局所的効果を与えるために経皮適用できる。例えば、イブプロフェンは、ゲル形状で局所的に適用して、皮膚内で局所的な痛みの受容体に影響を及ぼすことができる。ゲルを患部(例えば、有痛関節)に擦り込んで適用する。ゲルは皮膚から吸収されて、イブプロフェンは、局所の痛み受容体に作用して、その元における痛みの信号を遮断する。さらに、いくつかの治療薬は、全身的効果を付与するために経皮的に投与することができる。例えば、スコポラミンのような制吐薬が該当する。この場合、治療薬を含む製剤が皮膚に局所的に適用され、その結果、その薬剤は、皮膚を介して血流中に吸収される。
治療薬の経皮投与は、局所的使用であれ全身的使用であれ、治療薬の角質層を通過する能力やその効率性に依存している。このため、浸透(又は透過)促進剤が、経皮投与用に、しばしば組成物に添加される。例えば、米国特許出願第2005-0074487号を参照されたい。先行技術で開示された組成物の治療上の焦点は、問題となっている治療薬の受容体の位置に依存する傾向にある。この位置は、治療薬が皮膚を透過しなければならない範囲、及び、それによって、その薬剤が受容体に達するのを確実にする上で必要な透過促進剤の量を決定する。
治療薬の経皮投与用の先行技術の製剤は、一般に局所的治療効果をもたらすことはできないが、治療薬の全身的効果の程度を制御することは可能である。例えば、局所投与用のイブプロフェンゲルの局所適用は、皮膚に適用された薬剤量に関して低濃度の治療薬が皮膚を通って十分に遠方まで浸透し、血流に入る結果、全身にわずかながら影響を与えることができる。
いくつかのケースでは、経皮的に患者に投与された治療薬の全身投与を最小限にして、局所的効果をもたらすことが望ましいかもしれない。いくつかの治療薬の全身投与は、望ましくない副作用を引き起こし得る。例えば、イブプロフェンは、全身に投与した場合、患者によっては目眩や吐き気のような副作用を引き起こすが、局所投与ではこのような不都合を生じないことが知られている。
しかしながら、他の場合には局所的及び全身的効果の双方を有する治療薬を投与することは望ましい。例えば、炎症関節に苦しんでいる患者にとって、関節に局所的に適用する抗炎症剤は、局所の受容体に作用し、かつ循環系に入って全身に作用することから有益である。治療薬の全身投与が望まれる場合には、薬剤を経皮的に投与することが他の経路で投与するよりもむしろ好都合な場合がある。薬学的に全身的な活性のある薬剤を投与するのに最も一般的な経路は、恐らく経口経路である。
しかし、いくつかの活性薬剤の経口投与は、副作用を引き起こす場合がある。例えば、ジクロフェナクのようないくつかの薬剤は、患者によっては胃の不調を引き起こし、また胃出血を引き起こし得る。さらに、経口投与は、個体間で消化分解時間にばらつきがあることや、効率性を考えると患者によって異なる用量の薬剤を投与せねばならず、治療効果が現れる時間もさまざまであるという問題がある。全身性経皮投与により、治療薬が皮膚を介して血流に入ることが可能となり、その結果、まず、肝臓、胃及び消化系をバイパスすることができる。それ故、胃粘膜の炎症のような多くの副作用を減少させるか、又は排除することができる。さらに、消化管への投与を回避することによって、経皮投与は、血流中の薬剤の所望の治療レベルをより正確にし、その結果、適切な治療効果を達成することができる。同時に、副作用の可能性を最小限にすることができる。治療薬の初回通過代謝も回避される。
問題となる薬剤の局所的及び全身的効果が制御できるのであれば、薬剤を患者に送達する手段として経皮投与が有益であることを十分に理解できることは、明らかである。
本発明の目的は、それ故、一以上の治療薬及び製薬上許容可能な担体を含む組成物を治療薬の経皮投与のために提供することである。ここで、前記薬剤は、局所的治療効果を有し、かつ全身投与の程度及び当該薬剤の全身性治療効果を制御することができる。
治療薬を含み、局所的に適用される組成物の効果は、特定の因子によって左右される。言うまでもなく、これらの因子には、薬剤受容体の位置(すなわち、受容体が皮膚内部に存在するのか、或いは、例えば、内臓上に位置するのか)の他、製剤中の薬剤濃度、又は製剤及び/若しくは薬剤の皮膚への吸収のされ易さといった因子も含まれる。後者因子は、製剤中に存在する任意の担体物質の吸収のされ易さ、又は治療剤の放出のし易さ、及び製剤中の透過促進剤の存在及び有効性によって影響される。
本願発明者らは、経皮的に投与した治療薬の全身効果が組成物に含まれる担体物質、治療薬、透過促進剤及び溶剤の種類や量の厳選を通して上記因子を操作することにより制御可能であることを見出した。
「治療薬」、「活性薬剤」、又は「薬学的に活性のある薬剤」とは、本発明による組成物又は産物において、患者(特に、ヒトの患者)への局所適用及び皮膚投与に適したあらゆる活性のある物質を意味する。治療薬は、皮膚を通して吸収される薬剤であることが好ましい。このような薬剤は、全ての薬物、及び以下で言及する薬物の類、加えて、例えば製薬上許容可能な塩、エステル、プロドラック及び活性代謝物等の製薬上許容可能なそれらの均等物を含む。開示された全薬剤の異性体も本開示により包含される。
「局所投与」とは、本明細書で用いる場合、患者の皮膚に投与するための一以上の治療薬を含む組成物の提供に関連する。ここで言う治療薬は、皮膚内の受容体、及び/又は組成物の適用部位に極めて近接した範囲内の皮膚層内の受容体に適用される皮膚領域に効果があるが、血流には投与されない。
「全身投与」とは、本明細書で用いる場合、血流への治療薬の投与に関連する。
治療薬を含む組成物の経皮投与が困難であることから、経皮投与用の既知組成物は、通常、治療薬をある期間にわたって皮膚を通してゆっくりと持続的に投与する。この緩やかな皮膚吸収に対して組成物が皮膚と接触したままであることを確保するために、一般に経皮組成物は、皮膚に接着するパッチ又は硬膏中に組みこまれている。前記「医薬硬膏」は、当該分野で周知である。例えば、抗炎症剤を含むパッチは、関節炎に罹患している患者に使用されている(Gallacchi & Marcolongo, Drugs Exptl Clin Res 1993 XIX: 97-100)。
医薬硬膏は、患者の薬物レベルを持続させる他の手段よりもいくつかの点で優れている。例えば、医薬硬膏は、薬効を維持させるために頻繁に服用する必要がない。また、医薬硬膏は、薬物を投与する上で容易かつ非侵襲的方法を提供する。
現在、経皮パッチ系には大きく分けて3つのタイプがある。すなわち、膜制御系、粘着性拡散制御系、又はマトリクス(基質)系である。
膜制御系は、通常、4つの層(不浸透性支持層、薬物貯留層としての機能を果たす重合体層、速度制御微孔膜、及び接着剤)から成る。薬物貯留層は、治療薬及び皮膚を通過し薬物の吸収を促す液体賦形剤を含む。皮膚に適用した際、前記薬物は、膜を通って拡散し、その後、接着剤を通過して皮膚に達する。薬物放出速度は一定にする。つまり、最も効率的な投与方法を提供するためには、放出速度は、ちょうど皮膚の飽和限界レベルを維持しなければならない。米国特許第5,683,712号には、ホメオパシー薬を経皮投与するための膜制御系の例が開示されている。当該系では、微孔膜が、薬物放出を制御するために、膜内に分散された薬物を包含するゲルと共に用いられている。
粘着性拡散制御系は、速度制御微孔膜がないことを除けば、膜制御系に非常によく似ている。本系は、代わりに不透性プラスチックバリア、薬物貯留層、及び皮膚に隣接する一以上の速度制御粘着層から成る。ドイツ公開特許第19849823号には、粘着性拡散制御系、すなわち、支持層、活性薬剤を含む貯留層、及び皮膚との接触で活性薬剤の通過を可能にする非粘着領域を有する貯留層を覆う粘着層を含む医薬硬膏の例が開示されている。
マトリクス系では、薬物貯留層が直接皮膚に接触する。それ故、薬物の拡散速度は、皮膚の吸収速度に依存する。本系は、分散した薬物を含む親水性若しくは疎水性重合体から成る薬物貯留層と接する不透性支持体を含んでいてもよい。WO 87/00042号には、ベラパミルを実質的に一定に維持された速度で長期間にわたって経皮投与するためのそのような系が開示されている。あるいは、本系は、支持体、並びに粘着及び薬物貯留の2つの目的を果たす粘着層を含むことができる。当該系の一例は、非ステロイド抗リウマチ剤を含む硬膏に関連したWO 00/02539号に開示されている。
しかしながら、公知の硬膏系には、いくつかの点で不都合な問題がある。各系は、通常、組織寛容性重合体である物質貯留層からの薬物の放出を伴う。それ故、薬物吸収のための表面積は、いずれの場合も皮膚と接触する物質の表面積に制限される。また、膜、マトリクス及び粘着性制御系の製造は、技術的にコストがかかり、また特別な装置を必要とする。
さらに、治療薬の経皮投与に粘着性硬膏を使用することについても不都合がある。例えば、硬膏に用いられる接着剤は、治療薬と、硬膏に用いられる組成物の他の構成物質とを両立させなければならない。これは、前記硬膏が高額になり得ること、及び全ての治療薬が硬膏に包含されることに適しているとは限らないことを意味している。さらに、硬膏の適用は、特に硬膏を長期間皮膚に付着させるのであれば、非実用的であり、かつ好ましくない。
したがって、本発明の目的は、一以上の治療薬及び製薬上許容可能な担体を含み、治療薬の経皮投与の比較的簡単、かつ安価で、その上、治療薬の経皮投与における効果的な手段を提供し、局所的治療効果をもたらす組成物を提供することである。当該組成物において、全身投与の程度、ひいては当該薬剤の全身治療効果を制御することができる。
本発明のさらなる目的は、医薬硬膏又はパッチ中に組み込むことができる組成物を提供すること、並びに接着剤を用いて皮膚に貼付するための覆いと共に使用する必要のない組成物を提供することである。
さらに、一部の疾患は、治療薬の迅速な投与の恩恵を受けるであろう。例えば、痛みや炎症に悩まされている患者のように症状の迅速な緩和が望まれる場合が挙げられる。迅速な効果を得る目的で薬学的に活性のある薬剤を投与する一般的経路には、例えば、注射が含まれる。しかしながら、これらの投与経路は、しばしば局所効果をもたらすことを目的としていない。経皮吸収は、角質層によって吸収速度が制限されるため、今日まで迅速な全身的薬剤投与を提供するのに実行可能な方法であるとは考えられていなかった。
故に、本発明のさらなる目的は、一以上の治療薬及び製薬上許容可能な担体を含み、治療薬の迅速な経皮投与の手段を提供する組成物を提供することである。ここで言う薬剤は、局所的治療効果を有し、全身投与の程度、ひいては当該薬剤の全身的治療効果を制御することができる。
特に、本発明の目的は、皮膚表面上に容易に塗り広げることができ、そこから迅速に吸収されて、直ちに治療薬の送達をもたらし、それによって迅速な治療効果を与える組成物を提供することである。このような組成物は、症状の迅速な緩和が望まれる状況や、侵襲的な薬剤投与手段を用いることが患者にとって望ましくない状況で、大きな恩恵をもたらすであろう。
本発明で提供される組成物は、皮膚に適用されることで、活性薬剤の放出と、ひいては送達動態を制御する適当な組成物の使用によって迅速な又は維持的な経皮吸収の目的を達成する。これは、本発明に係る組成物から皮膚への活性薬剤の送達速度を、治療条件によって変えることができることを意味する。活性薬剤の皮膚への送達速度は、角質層を通る輸送に対する活性薬剤の親和性と比較した担体物質に対する活性薬剤の親和性を変えることで改変することができる。これは、組成物の親水性を変えるために、問題となっている活性薬剤に合わせて、組成物の特定の担体物質を調製する及び使用することによって達成される。この方法を用いて、組成物の溶剤特性、ひいては活性薬剤の溶解度プロファイルを改変することができる。これは、活性薬剤の拡散速度を制御できることを意味する。
本発明の第一の態様は、治療薬及び製薬上許容可能な担体を含む医薬組成物を提供することである。当該組成物は、哺乳動物患者の皮膚への局所適用に適しており、治療薬の経皮投与をもたらす。当該経皮投与は、局所的治療効果を与える。
いくつかの実施形態において、本発明の第一の態様に係る医薬組成物は、局所適用の際に治療薬の治療血漿濃度をももたらし、それにより、さらに全身性治療効果ももたらす。治療薬の血漿濃度レベルは、治療上、最小有効レベル〜最大有効レベルの間にあることが好ましい。
本発明の局所及び全身の両効果をもたらす医薬組成物は、治療又は予防用である。好ましい実施形態において、本発明の第一の態様の組成物は、ニキビ治療用ではなく、又はホルモン補充療法、ニコチン補充療法若しくは避妊を提供するためのものではない。
本発明の組成物に有利に含むことのできる治療薬は、通常、痛み及び/又は炎症の治療に投与される治療薬(例えば、イブプロフェン、アセクロフェナク、アセメタシン、アザプロパゾン、セレコキシブ、デクスケトプロフェン、ジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、エトリコキシブ、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、メフェナム酸、メロキシカム、ナブメトン、ナプロキセン、ピロキシカム、ロフェコキシブ、スリンダク、テノキシカム、チアプロフェン酸、バルデコキシブ、ニトログリセリン、フェンタニルブプレノルフィンのようなオピオイド、サリチル酸、及び関連するサリチル酸塩)、又は、局所麻酔として使用されるあらゆる薬剤(例えば、リグノカイン、リドカイン及びプリロカイン、ブピバカイン、レボブビバカイン、プロカイン、ロピバカイン、テトラカイン、ベンゾカイン又はアメソカイン)を含む。
本発明の組成物中に含まれる治療薬は、主として局所的治療効果を有していることが好ましい。
本発明の医薬組成物は、保存及び使用の条件下でお互いに両立し得る二以上の治療薬を含むことができる。
いくつかの実施形態で、本発明の第一の態様の組成物は、皮膚に適用した後、治療薬を大気から実質的に遮へいする手段を含む。密封手段は、組成物の担体物質に適当量の蝋、油、又は脂質を使用することで提供される。
密封手段を含む前記組成物は、医薬パッチ及び硬膏の使用に関連する利点を不利益なしに提供することができる。特に、密封手段を含む組成物は、密閉下での皮膚の水和作用を増加し、皮膚における孔の拡張をもたらし、それにより組成物からの治療薬の吸収を促進させる。また、密閉手段は、組成物を環境から保護する役割を果たし、組成物が剥離(これは、結果的に組成物によりもたらされる治療薬投与量の不完全な投与となり得る)しないようにする。
いくつかの実施形態で、本発明の第一の態様の組成物は、塗布することができる。例えば、それらは、クリーム、軟膏、又はゲルの形状で提供される。このような塗布可能な組成物は、容易に適用でき、また吸収を促すために皮膚に擦り込めるという利点がある。
医薬組成物が塗布可能な組成物として提供される本発明の実施形態において、担体媒体は、治療薬が安定な方法で担持されることを可能にしなければならない。担体媒体は、感覚器を刺激するのに役立つ性質を有していてもよい。例えば、組成物は、皮膚に適用した際に油っぽい感触をなくすために水性にすることができる。担体媒体は、治療薬と両立し、治療薬に化学的安定性を与えなければならない。本発明の組成物の構成は、組成物からの、角質層を通した薬剤の流出を促進するように設計されなければならない。
クリーム、軟膏、又はゲルのベースとして一般的に使用されている成分は、本発明の組成物における担体媒体として使用することができる。これらの成分は、水、炭化水素油及び蝋、シリコンオイル、植物性、動物性又は海洋性脂肪又は油、グリセリド(例えば、飽和脂肪酸若しくはポリグリコリスグリセリドのグリセリンエステル、ココアバター、カカオ等)若しくはグリセリド誘導体、高分子量ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン、ラノリン及その誘導体、脂肪酸、脂肪性アルコール若しくは脂肪エステル(例えば、カプリル酸、トリカプリルグリセル等を含む)、レシチン、多価アルコール若しくはエステル、蝋エステル、ステロール、リン脂質等を含む。ガム又は疎水性コロイドの他の形状のような増粘剤を含んでいてもよい。担体媒体は、二以上のベース成分を含むことができる。
医薬組成物がクリームの場合、担体媒体は、実質的に水よりも油性成分を多く含み得る。医薬組成物が軟膏の場合、担体媒体は、実質的に油性成分よりも水を多く含み得る。医薬組成物がゲルの場合、担体媒体は、実質的に水から成る。
医薬組成物がクリーム、軟膏、又はゲルとして提供される場合、投与量を正確に制御して、塗布可能な組成物の一以上の単位投与量又は測定投与量を患者の皮膚に適用することが可能である。これは、患者が正確な所定量の治療薬を受け取ることを確実にするのに役立つ。本発明において、前記単位投与量又は測定投与量は、例えば、チューブや小袋のような容器に、個別に包装することができる。あるいは、本発明の組成物は、所定量を正確に分配することのできる装置によって分配することができる。
本発明のもう一つの実施形態で、迅速な経皮投与用の組成物は、約25℃以下の温度で実質的に固体であり、かつ以下で実質的に詳述するように哺乳動物患者の皮膚温度以下の軟化点を有する。特に、前記医薬組成物は、保存期間中は(25℃以下の温度において)実質的に固形である。しかしながら、当該組成物を哺乳動物患者の皮膚面に適用した後は、固形組成物は、哺乳動物患者に治療薬の皮膚投与をもたらすために、皮膚面で実質的に吸収され得る硬さにまで軟らかくなる。
約25℃以下の温度で固体である、迅速な経皮投与用組成物を提供することで、組成物の取り扱いや適用を容易にすることができる。一方、本発明の組成物が皮膚と接触したときに軟らかくなることで、組成物は、好ましい吸収特性を持ち、かつ非固体成分と関連した塗布を容易にすることができる。また、皮膚との接触時に軟化する組成物を塗布することは、古典的拡散理論に従い、皮膚と接触する組成物の面積を増やし、それによって角質層を介して拡散する治療薬のより大きな表面積を提供することで、角質層を介した組成物からの活性薬剤の通過を促進する。
皮膚との接触時に軟化する本発明の組成物で使用される担体媒体は、約25℃以下の温度で実質的に固体であり、かつ約25℃の温度で哺乳動物患者の皮膚面により一以上の治療薬を実質的に完全に吸収できる硬さにまで軟化するものが選択される。担体媒体は、30〜35℃の範囲又は約37℃までの温度で軟らかくなり、かつ塗布可能な硬さにまで変化できることが好ましい。
本発明の組成物は、ヒトの患者に適用するため提供されることが好ましい。いくつかの実施形態で、組成物は、ヒトの皮膚表面の正常温度(皮膚温度)以下の軟化点を有することが好ましい。当該温度は、通常、約35℃以下である。いくつかの実施形態で、組成物は、約25℃〜約35℃、又は約30℃〜約35℃以下の軟化点を有する。
本発明の一の実施形態で、医薬組成物は、約25℃以下の温度では固体であり、35℃以下の軟化点を有しており、組成物を哺乳動物患者の皮膚と連続して接触するように置いた場合、治療薬の実質的な適用を10分未満の時間内に哺乳動物患者の所望の皮膚面にもたらすような硬さにまで軟らかくなる。
これは、哺乳動物患者に治療薬の実質的に完全な投与を達成させるために、皮膚面で組成物を実質的に完全に吸収させる効果がある。
「軟化点」とは、本明細書で使用する場合、組成物中に存在する治療薬の経皮吸収を可能にするために、実質的固体剤形が患者の皮膚に吸収され得る堅さにまで軟らかくなり始める温度を言う。
本発明の第一の態様の医薬組成物の実質的固体剤形の軟化点は、実質的固体剤形が患者の皮膚に塗布され、かつ吸収され得る硬さにまで軟らかくなり始める温度として目に見える形で測定することができ、それ故、患者の皮膚に好ましくない残余物をほとんど又は全く残さないように患者の皮膚に実質的に完全に吸収させることができる。
あるいは、本発明の第一の態様の医薬組成物における実質的固体剤形の軟化点は、5kgロードセルを適切に備えたTA-XT2テクスチャーアナライザ(Stable MicroSystems Ltd., UK)を用いて、測定することができる。本機器は、(60℃〜200℃の範囲で作動できる)温度制御室内で封入される。本発明の錠剤又は他の実質的固体剤形は、所定の温度で少なくとも10分の期間に前記室内で封入することができる。3mmの平面プローブが0.1mm/秒の速度で1mm間隔ごとに本発明の錠剤又は他の実質的固体剤形に押し込まれる。測定は、1℃の温度増分で繰り返され、(Texture Exceedソフトウェアで測定されたときに)記録された抵抗のピーク力が本発明の「固体」の錠剤又は他の実質的固体剤形のピーク力の50%を下回る温度で、錠剤又は他の投薬形態剤は「軟らかくなった」とみなす。
「拡散点」とは、本明細書で用いる場合、組成物が拡散する硬さの温度を言う。例えば、組成物は、自重で流れ出てもよく、又は少なくとも哺乳動物の皮膚上に(例えば、指圧により)広げることができる。拡散組成物の流動性は、皮膚への治療薬の移動を、例えば、拡散によって可能にすることにより、皮膚内部への治療薬の吸収を促進することができる。調製物の拡散点は、軟化点の測定に関する上記TA-XT2テクスチャーアナライザを用いて測定することができる。本アナライザでは、組成物の拡散点は、調製物内で平面プローブのアドバンス上で組成物の流出が最初に観察される温度となる。
他の実施形態において、好ましくは哺乳動物への局所的投与に適した医薬組成物は、一以上の治療薬及び担体媒体を含む。ここで、前記調製物は、哺乳動物患者の皮膚温度以下の軟化点を持ち、前記組成物は、1:1未満のアスペクト比(wall(壁面):face(正面))を有している。
他の実施形態において、好ましくは哺乳動物に対する局所投与用の医薬組成物は、一以上の治療薬及び製薬上許容可能な担体を含む圧縮粒子を含む。前記圧縮粒子は、対象となる被検体、好ましく哺乳動物患者の皮膚温度よりも高くない軟化点を有している。
いくつかの実施形態において、組成物は、皮膚への適用による投与前には固体であり、局所適用が容易な形状をしている。例えば、組成物は、少なくとも1つの平面、少なくとも1つの陥没面、少なくとも1つの凸面、2つの平面、2つの陥没面、又は2つの凸面を有することができる。組成物は、標準的な錠剤、球状、又は半球状の形状であってもよい。銃弾形及び円錐形の組成物は、本発明では好ましくない。
好ましい実施形態で、本発明の組成物は、約50mg〜1g未満、好ましくは約100mg〜約900mg、及びより好ましくは約250mg〜約750mgの総重量を有している。本発明の組成物は、必要であれば1g以上の総重量を有することもできる。
本発明のいくつかの実施形態において、組成物は、固形単位の剤形として提供され、哺乳動物患者への局所適用について少なくとも一の治療薬の治療有効量を含む。単位剤形は、最終製品では固体であり、前記哺乳動物患者の皮膚面への適用時に前記皮膚面への適用に適した塗布可能な硬さとなる。単位剤形は、個別に(例えば、前記単位剤形を分配するための取り外し可能な又は破壊可能な囲いを有するプラスチック容器内に)包装することができる。
通常、実質的に固体の単位剤形が、錠剤又は球体製剤(例えば、丸薬等)の形状で提供される。
いくつかの実施形態で、剤形は、一以上の治療剤を含み、製薬上許容可能な担体と混合した実質的に分離した複数の実質的固体粒子であってもよい。前記粒子は約30℃〜約35℃の軟化点を有する。粒子は、小袋、カプセル内に、又は粒子を個々の用量に分配するのに適した装置で、封入することができる。
特に、実質的固体剤形の形状及び構造は、組成物の軟化点及び/又は担体媒体によって決定されることが好ましい。本発明の実質的固体剤形は、実質的に単一形態から成ることが好ましい。或いは、哺乳動物患者の皮膚に吸収され得る分離した複数の粒子(例えば、複数の顆粒等のような粒子)から成っていてもよい。実質的に分離した複数の粒子は、分配された封入形態(カプセル、小袋、ブリスター包装等)で提供されて、患者の皮膚に適用されるのが好ましい。
一般に座薬に使用される組成物はいずれも、皮膚に適用した際に軟化する本発明の組成物における担体として使用することができる。これらの組成物は、哺乳動物、植物又は鉱物起源に由来するもの、及び部分合成又は全合成された物質を含む。このような担体の具体例は、オリーブオイル、コーンオイル、ヒマシ油、綿実油、コムギ胚種油、ココアバター、硬化油等のような哺乳動物または植物起源の脂質及び油、スクアラン、ペトロラタム、固形パラフィン、流動パラフィン等のような炭化水素、及びホホバ油、カルナバ蝋、蜜蝋、ラノリン等のような蝋を含む。部分又は全合成された脂肪酸エステルの例は、グリセロール、飽和直鎖脂肪酸(例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等)又は不飽和直鎖脂肪酸(たとえばオレイン酸、リノール酸、リノレン酸等)のような中級又は高級脂肪酸のモノ-、ジ-、若しくはトリ-グリセリドを含む。市販の担体で適当なものには、Witepsol(Dynamit Nobel社製)、Pharmasol(Nippon Oil and Fats Co.製)、Isocacao(Kao Corp.製)、SB(Taiyo Oil and Fats Co.製)、Novata(Henkel製)、Suppocire(Gattefosse Co.製)等が含まれる。他の合成産物の例として、ポリエチレングリコール(例えば、マクロゴール(macrogole)、セトマクロゴール(setomacrogole)等)及びそれらの誘導体(例えば、セトマクロゴール(setomacrogol))が含まれる。
本発明における組成物の所望の軟化点を得るために、必要であれば異なる担体を組み合わせて、軟化点を上げる又は下げて、適当な産物を得ることができる。例えば、軟化点を下げるために可塑剤(例えば、モノステアリン酸グリセリン、ミリスチルアルコール、ポリソルベート80、プロピレングリコール又はそれらの組み合わせ)を加えることができる。軟化点を上げるために、硬化剤(例えば、蜜蝋、セチルアルコール、ステアリン酸、ステアリルアルコール、モノステアリン酸アルミニウム、ジステアリン酸アルミニウム、トリステアリン酸アルミニウム、ベントナイト、ステアリン酸マグネシウム、コロイド状二酸化ケイ素、又はそれらの組み合わせ)を加えることができる。
本発明に使用される担体は、医薬組成物での使用に適し、かつ少なくとも一の治療薬の投薬量における局所投与を可能にするための所望の性質を有し、局所適用及び経皮投与に適した医薬組成物を提供するあらゆる原材料を含むことができる。例えば、担体は、セルロース、或いは、例えば、一以上のグリセリド(例えば、一以上の飽和脂肪酸のグリセリンエステル又は一以上のポリグリコリスグリセリド、ココアバター、カカオ豆等)、一以上の高分子量ポリエチレングリコール、一以上のポリオキシエチレン、ラノリン及びその誘導体、並びに一以上の脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪酸エステル(例えば、カプリル酸、トリカプリルグリセル等)を含む座薬における使用に適した種類の原材料からなる群より選択される一以上の原材料を含む。また、前記原材料のいずれかを任意で一以上の有機油(例えば、硬化植物油を含む)等と混合することができる。
本発明の医薬組成物で使用される担体は、一以上のグリセリド、特に、一以上のC8〜C18脂肪酸のグリセリンエステル、又はそれ以上のポリグリゴリスグリセリドを含む、及びより好ましくはそれらから実質的に成ることが、しばしば好ましい。
本発明の医薬組成物の担体は、適当に、グリセリドの混合物を含むか、又は実質的にそれから成る。ここで、前記グリセリドは、一以上のモノ-、ジ-、若しくはトリ-グリセリドであり、任意でC12〜C18脂肪酸のグリセリンエステルを含む。一の実施形態で、グリセリド混合物は、Witepsolの等級品である。より具体的には、担体は、Witepsol H5、Witepsol H15、Witepsol H32、Witepsol S51、Witepsol S55、Witepsol S58、Witepsol W25及びWitepsol W32のいずれかの商標で市販されているWitepsolの等級品を含むか、又はそれらから実質的に成り得る。特に好ましい実施形態において、本発明の医薬組成物は、Witepsolの等級品であり、以下の商標、すなわちWitepsol H5、Witepsol H15、Witepsol S51及びWitepsol S55のいずれかで市販されている担体を含む。Witepsol H15の商標で市販されているWitepsolの等級品は、特に好ましい。
本発明の特定の実施形態で、組成物に使用される担体は、実質的に上記のようなWitepsolの等級品から成る。
或いは、担体は、グリセリドの混合物を含むか又はそれから実質的に成る。前記グリセリドは、モノ-、ジ-、若しくはトリ-グリセリドからなる群より選択することができる。グリセリドは、Cg-Cie脂肪酸のグリセリンエステル又は一以上のポリグリコリスグリセリドを含む。一の実施形態で、Gelucire又はSuppocireの商標で市販されているグリセリド混合物、例えば、以下のいずれかの商標、すなわち、Gelucire 33/01、Gelucire 39/01、Gelucire 43/01、Gelucire 44/14、又はSuppocire 標準タイプ、Suppocire Nタイプ又はSuppocire Pタイプ製品が使用される。
或いは、本発明の医薬組成物で使用される担体は、ココアバターを含むか、又はそれから実質的に成る
上述した軟化組成物の調製方法は、国際公開WO 02/00203 A1号に開示されている。
上述した軟化組成物の調製方法は、国際公開WO 02/00203 A1号に開示されている。
本明細書で開示された技術は、治療薬の迅速な経皮投与を提供するための医薬組成物に適用することができる。「迅速」とは、本明細書で使用する場合、治療薬が皮膚への適用から、例えば、約20、15、10、5、4、3若しくは2分未満、又は約1分若しくは0.5分未満以内で血流に吸収されることに関連する。
本発明の好ましい実施形態で、組成物は、皮膚への適用から20分以内での治療薬の経皮吸収を提供する。
哺乳動物患者の皮膚への組成物の局所適用が、皮膚への適用から15、10、5、4、3、若しくは2分未満、又は1分若しくは0.5分未満の期間内で治療薬の経皮投与をもたらすことが好ましい。
また、本明細書に開示された技術は、治療薬の持続的な経皮投与を提供する医薬組成物に適用することもできる。「持続的」とは、本明細書で使用する場合、治療薬をある期間(例えば、約30分を超える期間、又は約1、2、4、8、12、16、20、24、26、28、32、36、48若しくは72時間を超える期間)にわたって皮膚から吸収することのできる組成物の提供に関連する。
このように、本発明のさらなる実施形態において、組成物の局所適用は、皮膚への適用から30分を超える期間にわたり治療薬の経皮投与を提供する。
治療薬の経皮投与は、皮膚への適用から約30分を超える期間、又は約1、2、4、8、12、16、20、24、26、28、32、36、48若しくは72時間を超える期間にわたって与えられることが好ましい。
持続的治療効果は、事実上、局所的及び/又は全身的であり得る。
本発明のさらなる実施形態において、組成物は、当該組成物を覆う被覆層を含み、好ましくは前記被覆層の周辺部に位置する接着剤によって患者の皮膚に貼り付けられる医薬硬膏又はパッチに組み込まれている。このような硬膏又はパッチは、皮膚に適用されると、毛穴の拡張をもたらし、被覆層直下の皮膚の水和作用を増大する。それにより、組成物からの治療薬の吸収が増強される。また、被覆層は、組成物が剥がれ落ちないようにして、組成物より提供される治療薬の投与量における不完全な投与をもたらし得る環境から組成物を保護するのにも役立つ。
本発明の硬膏は、当該分野で公知の医薬硬膏に関するいくつかの欠点を回避する。例えば、本発明の硬膏において、所望する受容体部位への薬剤の送達速度は、技術的に費用を要し、製造に特別な装置を必要とする速度制御接着層、膜、マトリクス、又は接着制御系の使用に依ることなく、組成物自身によって制御される。さらに、本発明の前記実施形態において、硬膏の目的は、ただ組成物を皮膚と接触させておくだけである。硬膏は、接着縁を有する覆いの下で、本発明の第一の態様に従って調製された組成物の所望量を単に設置するだけで使用に対応できる。当該分野で公知の硬膏と異なり、前述のように費用を要する可能性がある、速度制御層内に組成物を取り込むための特別な製造方法は必要ない。本発明の硬膏に取り込まれた組成物は、錠剤形態であることが好ましく、錠剤化装置で作られることが好ましい。これは、公知の医薬硬膏が作られる方法とは全く異なった硬膏製造方法である。
本発明の組成物の前記硬膏又はパッチ中への取り込みは、組成物が治療薬を長期間にわたって投与するために使用される場合、特に望ましい。例えば、水溶性ビタミン及びホルモンのような薬剤の緩やかな又は持続的な放出が、数ヶ月にわたることが望まれ得る。
本発明の医薬硬膏又はパッチで使用される接着剤は、治療薬と両立する必要がある。
いくつかの実施形態で、医薬硬膏又はパッチは、さらに、医薬組成物としての被覆層と同じ側に配置された吸収剤を含む。このような実施形態において、医薬組成物は、皮膚と接触した際に軟化し、吸収剤によって吸収される。これは、被覆層下の非固体組成物の溶融貯留層若しくはプールの構成(そうしなければ硬膏又はパッチから時間と共に浸出してしまうかもしれない)を必要としない。吸収剤は、医薬組成物の吸収に適するどんな物質であってもよい。例えば、フェルト、綿、又はポリウレタンフォームが含まれる。
別の実施形態において、本発明の組成物は、組成物が患者の皮膚に適用されると保護層を形成することのできる一以上の被膜材を含む。これらの被膜材は、皮膚に適用すると直ちに軟化するのではなく、むしろ保護層を形成する。それによって、保護層直下にある治療薬の皮膚を介した吸収を可能にする。
組成物における被膜層の包含は、硬膏又は接着被膜部材の他の構造を必要としない。これは、上記で論じたように、硬膏及び接着剤の使用に関連する困難性を回避する上で、有利な点になり得る。被膜層の包含は、組成物が皮膚温度で揮発又は蒸発し得る担体材料及び/又は活性薬剤を含む場合に特に役に立つであろう。
本発明の組成物は、ほとんどの医薬組成物や製剤用の保存条件に従って、約25℃以下の温度で保存されなければならない。
担体媒体は、本発明の組成物において、医薬組成物の重量に基づき、少なくとも約60重量%、より好ましくは少なくとも約80重量%、及び一層好ましくは少なくとも約90重量%を構成することが好ましい。
本発明の組成物中の治療薬は、医薬組成物の重量に基づき、少なくとも0.01重量%の治療有効濃度で医薬組成物中に存在するのが好ましい。
本発明の医薬組成物は、適当な場合、一以上の浸透促進剤(表面活性剤、アルコール、エステル、グリコール等、又は他のあらゆる適当な浸透促進剤)、湿潤剤、表面活性剤(陽イオン性、非イオン性、陰イオン性、又は重合体であってもよい)、乳化剤、酸化防止剤、防腐剤、粘土、消泡剤、拡散剤、皮膚軟化剤、バリア(障壁剤)、治療薬用の可溶化剤等の付加的含有物をさらに含んでいてもよい。
本発明の医薬組成物は、エタノール、メンソール、チモール、ユーカリプトール、ユーカリ油、ベンジルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、変性アルコール、フェノール、シクロデキストリン、オレイン酸エチル、オイゲノール、グリセロール、レボメノール、オレイン酸モノエタノールアミン、ミリスチルアルコール、オクチルドデカノール、メチルアルコール、ココナツ油又はシリコン油等の溶剤を含むこともできる。
本発明の組成物における溶剤の存在は、治療薬の経皮投与の制御を可能にする。局所的に投与された組成物から治療薬の局所及び全身投与が生じる範囲及び速度は、皮膚を通した治療薬の浸透する深さと速度に関連する。本発明で提供される組成物は、上記で論じたように、親水性を変えるため組成物に特定の担体物質を使用すること、及び溶剤を包むことによって、局所的経皮投与及び制御された全身的経皮投与の目的を達成する。本発明の組成物における溶剤の存在は、組成物内の薬剤の可溶化を補助する。
また、本発明で使用する溶剤は、角質層、特に角質層内にある角質細胞間のタイトジャンクションを通過する又は橋渡しする能力によって選択される。それ故、本発明における溶剤の存在は、薬剤を可溶化することにより経皮吸収速度、及び治療薬の浸透深度を変え、角質層を通しての薬剤の拡散をもたらす。したがって、本発明の組成物において、血流及び局所受容体への治療薬の送達速度及び深度、並びにそれによる薬剤の効果は、特定の種類及び量の溶剤を選択及び使用することにより改変することができる。
本発明の医薬組成物は、さらに感覚刺激剤を含み、組成物の感覚的性質を改変することができる。このような薬剤には、アーモンドオイル、グリセロール、亜麻仁油、オレイン酸モノエタノールアミン、ブドウ油、ナツメグ油、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パームカーネル油、カカオ油、羊毛アルコールが含まれる。感覚刺激剤の包含は、例えば、組成物の感触を強めるために使用され得る。これにより、患者のコンプライアンスの改善が可能となる。さらに、このような薬剤は、感覚的な冷却効果を有しており、特に、例えば、炎症関節に適用する場合に、好ましい心理的効果を与えることができる。
本発明の医薬組成物は、さらに、アニス油、シトロネラ油、丁子油、ユーカリプトール、ユーカリ油、オイゲノール、杜松油、レモングラス油、レモン油、テルペン非含有レモン油、メラレウカ油、橙花油、ナツメグ油、オリーブ油、オレンジ油、テルペン非含有オレンジ油、ケシ油、松根油、バラ油、セージ油、スペアミント油、ラベンダー油、タイム油、バニリン等の感覚刺激物を含むことができる。
組成物における前記刺激物の包含は、使用時に、患者に心地よい感覚フィードバックを与えることができ、薬剤を適用する患者及び/又は人に投与が完了したことを認識することを可能にし、また投与の記憶の助けとなり得る。このような因子は、患者のコンプライアンスを改善し、好ましい心理的効果を与えることができる。
本発明の医薬組成物は、さらにシトロネラ又はレモングラスのような昆虫忌避薬を含んでいてもよい。
本発明のいくつかの実施形態では、組成物は、実質的に浸透促進剤を含まない。このような実施形態において、組成物は、無菌条件下で行われる工程を使用して調製されることが好ましい。
防腐剤の使用は、過敏な患者ではそれらがアレルギー反応を誘発するかもしれないので、望ましくない場合がある。また、本発明は、このようなアレルギー反応のリスクを回避し又は軽減することが利点となり得る。アレルギー反応に関連する防腐剤には、クロロクレゾール、ヒドロキシ安息香酸(パラベン)、ポリソルベート、ソルビン酸等が含まれる。これらの防腐剤は、多数の公知の局所組成物(例えば、以下のいずれかの商標で市販されている組成物に含まれる:Drapolene、Medicaid、Siopel、Sprilon、Eurax、Efcortelan、Mildison、Fucidin H、Nystaform、Quinocort、Terra-Cortril Nystatin、Timodine、Locoid、Locoid Crelo、Modrasone、Propaderm、Betnovate、Betnovate RD、Diprosone、Dermovate、Eumovate、Trimovate、Nerisone、Haelan、Synalar、Ultralanum Plain、Zorac、Carbo-Dome、Exorex、Differin及びExelderm)に含まれている。
本発明の特に好ましい実施形態において、医薬組成物は、以下で説明するように、皮膚若しくは経皮投与を対象とする組成物に通常含まれるタイプの防腐剤を実質的に含まないか、又は少なくとも皮膚若しくは経皮投与を対象とする組成物において通常必要とされる量より少ない前記防腐剤を含むか、又は一般に過敏な患者に実質的なアレルギー反応を誘発しない量の前記防腐剤を含む。
皮膚又は経皮投与を対象とする組成物で通常使用される防腐剤は、当該組成物の汚染を防ぐ又は低減するために含まれる。汚染は、組成物が繰り返し空気に晒されるか又は繰り返し手に触れる場合に、特に問題となる。防腐剤は、組成物が単位投与量形態の場合、特にその投与量が個別に包装されている場合、本発明の組成物には不要とすることができる。
一方、本発明の医薬組成物は、製造中に本発明の組成物の汚染を実質的に防止するために一般的に包含されるが、上記で説明したように手を使用したことによる感染を防止するために一般的に使用されるタイプのものではない、フェノキシエタノール等のような一以上の防腐剤を含むことができる。
本発明のさらなる実施形態において、組成物は、抗酸化剤を実質的に含まない。このような場合、組成物は、窒素等の実質的に不活性なガス中に包装されていることが好ましい。
抗酸化剤の使用は、過敏な患者ではアレルギー反応を誘発し得る。本発明は、過敏な患者において、このようなアレルギー反応のリスクを回避し又は低減する点で有利となり得る。アレルギー反応と関連する抗酸化剤は、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン等を含み、また、先行技術においてImuderm、Siopel等のいずれかの商標で市販されているような局所組成物を利用できることが知られている。
本発明の第二の態様は、本発明の第一の態様の組成物を患者の皮膚に適用するための塗布器を提供することである。
一の実施形態で、塗布器は、パッド、スポンジ、棒、ブラシ、綿球、又は手袋である。
他の実施形態で、塗布器は、医薬組成物の単位投与量又は測定投与量を受け、かつ輸送するための受け取り手段、及びユーザが当該塗布器を把持し、かつ操作を可能にするためのグリップを含む。グリップ及び受取り手段は、グリップで塗布器を把持しているユーザがうっかり組成物に触れることから守るような配置にすることができる。
好ましい実施形態で、組成物は、25℃を下回る温度では実質的に固体であり、患者の皮膚に接した時に軟化する。組成物は、固形単位剤形の形態であってもよい。
いくつかの実施形態で、塗布器は、単位剤形と結合した第一部分、及びユーザの把持用に設定された第二部分を含むことができる。
他の実施形態で、塗布器は、組成物と接触する中間部材を含んでいてもよく、かつ塗布器の受け取り手段がその中間部材に取り外し可能で取り付けられるように設定されていてもよい。
前記塗布器は、個別に密封された包装で提供されることが好ましい。
本発明の第三の態様は、本願第一の態様の医薬組成物を含むキットを提供することである。キットは、さらに本発明の第二の態様の塗布器のような塗布器を含んでいてもよい。
一の実施形態で、キットは、本発明の第一の態様に従った少なくとも一の組成物であり、治療薬の迅速投与用の医薬組成物及びそれと同一の又は異なる治療薬の持続的投与用の医薬組成物を含む。キットは、迅速な及び持続的な経皮投与療法を提供する本発明の第一の態様に従った二以上の組成物を含んでいてもよい。
あるいは、前記キットは、本発明の経皮組成物と、他の経路を介する投与用に製剤された治療薬(例えば、経口剤形)との組み合わせを含むことができる。
前記キットは、治療薬の持続的投与が必要な場合において重要であるが、迅速かつ一過的に治療薬の血液レベルを上げることが望まれる場合(例えば、症状の悪化や特定の「発症」を軽減するため)にも重要である。
一の実施形態で、キットは、少なくとも一の投与量の持続的経皮投与のための医薬組成物、及び一の持続的経皮組成物が対象とする期間を通して一定間隔で投与するための二以上の投与量の迅速経皮投与用の医薬組成物を含む。迅速投与用及び持続的投与用の医薬組成物の投与数は、医学的提言に従って提供することができる。
一の実施形態で、キットは、少なくとも一の投与量の持続的経皮投与のための医薬組成物、及び一の持続的経皮組成物が対象とする期間を通して一定間隔で服用するのに十分な投与数の迅速経皮投与用の医薬組成物、並びに本発明の第二の態様の一以上の塗布器を含む。
本発明のキットは、使用説明書を包含することができる。
本発明を以下の実施例によって例証するが、本発明は、以下のいずれの方法においても制限されない。
実験例1
材料: %重量/重量
ソフティサン(Softisan)133 80
マイギロル(Migylol)812N 5
レクソール(Lexol)IPM 2.5
フィトデルム(Fitoderm) 1.5
ドライフローAFピュア(Dry Flo AF Pure) 10
ジクロフェナクナトリウム 1
材料: %重量/重量
ソフティサン(Softisan)133 80
マイギロル(Migylol)812N 5
レクソール(Lexol)IPM 2.5
フィトデルム(Fitoderm) 1.5
ドライフローAFピュア(Dry Flo AF Pure) 10
ジクロフェナクナトリウム 1
実験例2
材料: %重量/重量
ソフティサン142 80
マイギロル812 N 5
レクソール IPM 2.5
フィトデルム 1.5
ドライフローAFピュア 10
ジクロフェナク 1
材料: %重量/重量
ソフティサン142 80
マイギロル812 N 5
レクソール IPM 2.5
フィトデルム 1.5
ドライフローAFピュア 10
ジクロフェナク 1
実施例3
材料: %重量/重量
ソフティサン142 79
マイギロル 812N 5
レクソールIPM 2.5
フィトデルム 1.5
ドライフローAFピュア 10
プロピレングリコール 1
ジクロフェナク 1
材料: %重量/重量
ソフティサン142 79
マイギロル 812N 5
レクソールIPM 2.5
フィトデルム 1.5
ドライフローAFピュア 10
プロピレングリコール 1
ジクロフェナク 1
実施例1〜3の調製方法
ジクロフェナク及びドライフローを除く全材料を溶解するまで融かした。その後、原体の温度を60℃に維持した。ジクロフェナク及びドライフローを、Silversonミキサーを用いて注意深く原体中に混合した。原体を低温(例えば、4℃)に曝すことによって固化させた。固化した原体を同様に低温下(例えば、4℃)で粉末及び粒状にした。
ジクロフェナク及びドライフローを除く全材料を溶解するまで融かした。その後、原体の温度を60℃に維持した。ジクロフェナク及びドライフローを、Silversonミキサーを用いて注意深く原体中に混合した。原体を低温(例えば、4℃)に曝すことによって固化させた。固化した原体を同様に低温下(例えば、4℃)で粉末及び粒状にした。
実施例4
材料: %重量/重量
ソフティサン142 78
マイギロル812 N 5
レクソールIPM 2.5
フィトデルム 1.5
ドライフローAFピュア 10
エタノール 1
プロピレングリコール 1
ジクロフェナクナトリウム 1
材料: %重量/重量
ソフティサン142 78
マイギロル812 N 5
レクソールIPM 2.5
フィトデルム 1.5
ドライフローAFピュア 10
エタノール 1
プロピレングリコール 1
ジクロフェナクナトリウム 1
実施例5
材料: %重量/重量
ソフティサン133 79
マイギロル 812N 5
レクソールIPM 2.5
フィトデルム 1.5
ドライフローAFピュア 10
エタノール 1
ジクロフェナクナトリウム 1
材料: %重量/重量
ソフティサン133 79
マイギロル 812N 5
レクソールIPM 2.5
フィトデルム 1.5
ドライフローAFピュア 10
エタノール 1
ジクロフェナクナトリウム 1
実施例6
材料: %重量/重量
ソフティサン 142 79
マイギロル 812 N 5
レクソ−ルIPM 2.5
フィトデルム 1.5
ドライフローAFピュア 10
エタノール 1
ジクロフェナクナトリウム 1
材料: %重量/重量
ソフティサン 142 79
マイギロル 812 N 5
レクソ−ルIPM 2.5
フィトデルム 1.5
ドライフローAFピュア 10
エタノール 1
ジクロフェナクナトリウム 1
実施例4〜6の調製方法
ジクロフェナク、ドライフロー及びエタノールを除く全材料を溶解するまで融かした。その後、原体の温度を60℃に維持した。ジクロフェナク及びドライフローを、Silversonミキサーを用いて注意深く原体中に混合した。原体の温度が適切な低温(例えば、20℃未満)にまで下がった時点で、エタノールを混合した。原体を低温(例えば、4℃)に曝すことによって固化させた。固化した原体を同様に低温下(例えば、4℃)で粉末及び粒状にした。
ジクロフェナク、ドライフロー及びエタノールを除く全材料を溶解するまで融かした。その後、原体の温度を60℃に維持した。ジクロフェナク及びドライフローを、Silversonミキサーを用いて注意深く原体中に混合した。原体の温度が適切な低温(例えば、20℃未満)にまで下がった時点で、エタノールを混合した。原体を低温(例えば、4℃)に曝すことによって固化させた。固化した原体を同様に低温下(例えば、4℃)で粉末及び粒状にした。
実施例7
材料: %重量/重量
フェンタニル(Fentanyl) 0.72
ソフティサン133 83.28
ドライフローAFピュア 10
マイギロル 812N 5
フィトデルム (veg squalene) 1
材料: %重量/重量
フェンタニル(Fentanyl) 0.72
ソフティサン133 83.28
ドライフローAFピュア 10
マイギロル 812N 5
フィトデルム (veg squalene) 1
実施例7の調製方法
フェンタニル及びドライフローを除く全材料を溶解するまで融かした。その後、原体の温度を60℃に維持した。フェンタニル及びドライフローを、Silversonミキサーを用いて注意深く原体中に混合した。原体を低温(例えば、4℃)に曝すことによって固化させた。固化した原体を同様に低温下(例えば、4℃)で粉末及び粒状にした。
フェンタニル及びドライフローを除く全材料を溶解するまで融かした。その後、原体の温度を60℃に維持した。フェンタニル及びドライフローを、Silversonミキサーを用いて注意深く原体中に混合した。原体を低温(例えば、4℃)に曝すことによって固化させた。固化した原体を同様に低温下(例えば、4℃)で粉末及び粒状にした。
パーセンテージは、一体にした材料の総重量に基づいた重量%である。
Claims (25)
- 治療薬及び製薬上許容可能な担体を含む、局所的治療効果をもたらすための治療薬の経皮投与用の局所適用用医薬組成物。
- 全身治療効果をももたらす、請求項1に記載の医薬組成物。
- 前記治療薬が痛み若しくは炎症治療用の公知の薬剤群から選択される薬剤、又は局所麻酔薬である、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
- 前記治療薬がジクロフェナクである、請求項3に記載の医薬組成物。
- 前記担体がグリセリド、ココアバター、カカオ、高分子量ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン、ラノリン若しくはその誘導体、脂肪酸、脂肪アルコール若しくは脂肪エステル、又は有機オイルを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 防腐剤を実質的に含まない、請求項1〜5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 調製中の医薬組成物の汚染を防止又は低減するために一以上の防腐剤をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 抗酸化剤を実質的に含まない、請求項1〜7のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 前記担体が医薬組成物の重量に基づいて少なくとも約60重量%を構成する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の医薬組成物又は単位投与量。
- 一以上の溶剤をさらに含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 前記溶剤がエタノール、メンソール、チモール、ユーカリプトール、ユーカリ油、ベンジルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、変性アルコール、フェノール、シクロデキストリン、オレイン酸エチル、オイゲノール、グリセロール、レボメノール、オレイン酸モノエタノールアミン、ミリスチルアルコール、オクチルドデカノール、メチルアルコール、ココナツ油又はシリコン油を含む、請求項10に記載の医薬組成物。
- 塗布可能である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 軟膏、クリーム又はゲル形状である、請求項12に記載の医薬組成物。
- 約25℃以下の温度で実質的に固体であり、かつ哺乳動物患者の皮膚温度以下の軟化点を有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 適用に際し、医薬組成物を実質的に空気から遮へいする手段をさらに含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 被験体への局所的適用後、20分以内に治療薬の経皮投与をもたらす、請求項1〜15のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 被験体への局所的適用後、わずか15、10、5、4、3、2、1分、又は30秒以内に治療薬の経皮投与をもたらす、請求項16に記載の医薬組成物。
- 被験体への局所的適用後、少なくとも30分間にわたって治療薬の経皮投与をもたらす、請求項1〜17のいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 局所的適用後、少なくとも約1、2、4、8、12、24、48、又は72時間にわたって治療薬の経皮投与をもたらす、請求項18に記載の医薬組成物。
- 請求項1〜19のいずれか1項に記載の医薬組成物を含む薬用硬膏。
- 請求項1〜19のいずれか1項に記載の医薬組成物を適用するための塗布器。
- 請求項1〜19のいずれか1項に記載の医薬組成物を含むキット。
- 請求項1〜19のいずれか1項に記載の医薬組成物を含む医薬の製造における治療薬の使用。
- 前記医薬が痛み若しくは炎症を治療するためのものであるか、又は局所麻酔を提供するためのものである、請求項23に記載の使用。
- 本願明細書の実施例のいずれか一つに実質的に記載の医薬組成物又は産物。
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