JP2009518016A - 発芽ユニットならびに連続的に配置したそれらの発芽ユニットのいくつかを含む種子テープ - Google Patents

Abstract

発芽ユニット（１）は少なくとも１つの種子（３）ならびに添加剤を含む。発芽ユニットは種子から延伸する根の先端（４）および／または新芽（５）が貫通できる支持材料（２）を含む。支持材料（２）は種子の配列を固定することができる。いくつかの発芽ユニットは結合して種子テープ（６）を形成することができる。種子テープは長手の織物（７）を含む。支持材料部分（２ａ、２ｂ、２ｃ）はそのそれぞれの種子（３ａ、３ｂ、３ｃ）を覆いまたは含む。種子がこの支持材料の切断部を通して、またはその中に挿入された管を通して支持材料に挿入されたとき、この支持材料がこの種子を挟みまたは保持するので、この種子は発芽ユニットに対するその位置を維持する。

Description

本発明は、少なくとも１種の種子ならびに栄養剤および充填剤、ならびに微生物（バクテリア）などの可能な添加物を含む種類の発芽ユニットに関する。

発芽ユニットの機械的播種に関して、この発芽ユニットが地面に置かれるとき、発芽した種子を残りの発芽ユニットに対して確実に正確に配置するのは困難である。

本発明の目的は、発芽工程が行われる前および後の両方で、個々の種子が比較的正確に配置された状態を保ち、または発芽ユニットに対して配列された状態を保ち、従来知られたものよりも確実に信頼性を高めることのできる上述の種類の発芽ユニットを提供することである。

本発明による発芽ユニットは、種子からの根および／または新芽が貫通することができ、この種子の配列を固定するのに適した支持材料を含むことを特徴とする。支持材料の切断部を通して、またはこの発芽ユニットに挿入された管によって種子が発芽ユニットに正しく配置されたとき、支持材料は例えばこの種子を挟み付けることによってこの種子を固定する効果があるので、この種子はこの発芽ユニットに対するその位置を保つ。各種子が発芽工程中に根の先端および新芽、すなわち茎を形成するとき、これらの部分は支持材料を貫通し、発芽ユニットに対するこの種子の位置を安定させる。発芽ユニットは発芽工程を施される間に同じ配列、すなわち後に地面に植え込まれるときの上下方向を示すことが非常に重要である。

本発明によれば、種子は前処理、例えば、ピリングまたはフィルムコーティングを施すことができ、これは特に有益である。

さらに本発明によれば、用いられる種子に成長促進処理を施す、すなわち、予備発芽させることができる。このようにして発芽ユニットを特に効率的に用いることが可能である。

さらに本発明によれば、支持材料は凝集性構造を有することができ、互いに連絡するセルを含むことが好ましく、この支持材料はこの種子から延伸する根の先端または新芽が貫通することができる。その結果、各種子から延伸する根の先端および新芽は特に効果的にこの種子を支持材料に固定することができる。

さらに本発明によれば、繊維状材料、例えば糊付けおよび／または熱処理によって凝集化させたセルロースファイバーの集合体によって形成することが好ましい。各種子から延伸する根の先端および新芽は、この支持材料の繊維間で比較的容易に支持材料に貫通することができるので、得られる支持材料は特に効果的に種子をその位置に保持することができる。

また、本発明は、連続的に配置された複数の発芽ユニットを含む種子テープにも関し、この種子テープは種子の発芽制御を可能にする処理に適しており、本発明によれば、この種子テープは発芽ユニットの支持材料部分が、好ましくは分解可能な、特に生物分解可能な材料の長手の織物（ｌｏｎｇｉｔｕｄｉｎａｌ ｔｉｓｓｕｅ）によって互いに保持されることを特徴とする。得られる種子テープは非常に信頼性が高く、さらに種子の発芽の後、この種子テープの地面への植え込みに関して取扱いが容易である。さらに、この種子テープは比較的製造が安価である。

本発明によれば、長手の織物は１つ以上の紐状接続部分を形成するために比較的細くすることができ、その結果種子テープに由来する汚染材料の量が顕著に低減される。

さらに本発明によれば、各支持材料部分はバッグ中に配置することができ、それによってバッグ材料および支持材料は、好ましくは多くの弱い領域を有する比較的弱い同じ種類とすることができ、この根の先端および／または新芽は種子テープから貫通することができる。このようにして、各種子の根の先端および／または新芽、すなわち茎は、それが支持材料を通して成長すると、バッグの側壁をこの壁の弱い領域中で貫通することができる。

さらに本発明によれば、長手の織物は非弾性ガーゼ、好ましくは網構造を示すガーゼ、特に、網の開口部が少なくとも約１ｍｍの主要寸法を有する構造によって形成することができる。得られる種子テープの実施形態は、種子の根の先端および新芽がこの網構造の開口部を通して比較的容易に成長することができるので特に有利である。

本発明によれば、各バッグは、種子の根の先端および／または新芽がこの継ぎ目を容易に通過して発芽ユニットから突出することができるように頂部および底部で、穿孔された溶接継ぎ目によって部分的に閉じられる。

さらに本発明によれば、各バッグは頂部および底部で完全に閉じることができ、したがって、種子の根の先端および新芽がバッグを通して突出するためには、この根の先端およびこの新芽は溶接継ぎ目に隣り合うバッグの１方の側壁または両側壁を貫通しなければならない。その結果、種子および材料は特に信頼性高く有利に保持される。

さらに本発明によれば、各支持材料部分は支持材料の容積の少なくとも２５％の空気容積を含み、この支持材料の容積の少なくとも６０％を水で充填することができる。このようにして、支持材料部分は、この種子が最適な程度に成長できる十分な量の酸素と水を十分信頼性高く種子に供給することができる。

さらに本発明によれば、各種子または種子群の支持材料は、長手の織物上に配置された所定長さの吸引材料によって形成することができ、この吸引材料は、例えば、糊付けによって長手の織物に固定された所定長さの吸い取り紙である。このようにして、各種子、場合によって各種子群を長手の織物に対して保持することを非常に簡単に達成される。

さらに本発明によれば、用いられる吸い取り紙は少なくとも毎秒５０ｇ／ｍ^２の水を吸収する能力を有する木質繊維塊を含むことができ、これは特に有益である。

本発明によれば、種子テープは最大３０ｍｍの幅ｂを有することができ、これによって各長さの吸い取り紙は実質上対応する幅を有することができ、各吸い取り紙の長さＬに関して、８ｍｍ＜Ｌ＜３５ｍｍの式が当てはまる。種子テープのこれらの寸法はこの種子テープに最適条件を提供する。

さらに本発明によれば、吸い取り紙の長さはモラーズ（ｍｏｌｅｒｓ）、ベントナイトなどの材料、場合によってその中に吸引された栄養剤を含むことができる。さらに、場合によって、例えばこれらの所定長さの吸い取り紙に吸収された、例えば、トリコダーマ（Ｔｒｉｃｏｄｅｒｍａ）、スードノーマ（Ｓｅｕｄｏｎｏｍａｓ）、チューリンギエンス（Ｔｈｕｒｉｇｉｅｎｓｉｓ）等の微生物などの生物制御有機物（ＢＣＯ）を堆積させることができる。その結果、例えば、種子に隣り合わせて効率的に栄養剤等の形の補助剤の堆積が特に簡単に得られる。

本発明によれば、代替として、これらの補助剤は場合によって錠剤の形で、十分画定された領域内に堆積することができる。

本発明によれば、最終的に、ガーゼ織物または紐状接続部品は、ナイフまたは熱線、好ましくは白金線によって個々の発芽ユニットを種子テープから切断することのできる厚さを有することができる。その結果、発芽ユニットが地面に植え込まれるとき、これらの発芽ユニットは非常に効率的に種子テープから分離することができる。

添付図面を参照して本発明を以下でより詳細に説明する。

図１は、支持材料２およびこの支持材料に挿入された種子３を含む発芽ユニット１を示す。支持材料１は種子３から延伸する根の先端４および／または新芽５が貫通することができる。根の先端４および／または新芽５は発芽工程中に支持材料２に対する種子の配列の固定を助ける。根の先端４は自動的に実質上縦の下方向に発展し、新芽５は自動的に実質上縦に上方向に発展する。発芽ユニット１が発芽したときには、その配列を維持することが重要である。このときの根の先端４および／または新芽５の成長方向の変化が、発芽ユニットの配列が変化する場合には種子から多くのエネルギーを必要とするためである。さらに重要なことは、それらの種子から生じて完全に発展した植物は必要とされるよりも小さくおよび／または弱いことである。

種子３は、例えば、ピリングまたはフィルムコーティングなどの前処理を行うことができ、また、成長促進処理（ｐｒｉｍｉｎｇ）を施す、すなわち、予備発芽させることができる。

支持材料２は種子から延伸する根の先端４および新芽５が貫通することができ、この支持材料は凝集性構造を有し、互いに連絡するセル（図示せず）を含むことが好ましい。支持材料２は、繊維状材料によって形成することができ、例えば、凝集化されたセルロースファイバーの集合体を含む。ここで説明している発芽ユニットは図３に示される。

図４はいかにして上述の発芽ユニットが本発明による種子テープ６の部分を形成できるかを示す。この種子テープは処理を施されてテープ中の全ての種子の発芽を制御することができる。種子テープは、好ましくは綿など、土中で分解可能な材料から作られた少なくとも１つの長手の織物７を含む。支持材料部分２ａ、２ｂ、２ｃは長手の織物７上に規則的な間隔で配置され、種子３ａ等を含むこの支持材料部分２ａ、２ｂ、２ｃは、この長手の織物７によって互いに保持される。

長手の織物はいくつかの比較的細い長手の織物、場合によって図５の１つ以上の紐状接続部品７ａ、７ｂ、７ｃの形に分割することができる。１つ以上の種子は各支持材料部分に置かれる。図５は各支持材料部分に１つの種子だけを示す。したがって、種子３ａは支持材料部分２ａに、種子３ｂは支持材料部分２ｂに、などと置かれる。

そのそれぞれの種子を含む支持材料部分２ａ、２ｂ、２ｃ等は、図６のそれぞれのバッグ８ａ、８ｂ、８ｃに挿入することができる。支持材料２ａ、２ｂ、２ｃおよびバッグ８ａ、８ｂ、８ｃ中の材料は、種子の根の先端４および／または新芽５が種子テープを通って突出することが可能な弱い領域（図示せず）を有する同じ種類とすることが好ましい。

場合によって、バッグ８ａ、８ｂ、８ｃ等は、非弾性ガーゼ、好ましくは網の開口部が少なくとも約１ｍｍ、好ましくは２ｍｍ以上の主要寸法の網構造を示すガーゼの長手の織物７’上に固定することができる。

図７の上部に示したように、各バッグ８ａは、種子の根の先端４および／または新芽５が継ぎ目１１を通過できるように、穿孔された溶接継ぎ目１１によって頂部および／または底部を部分的に閉じることができる。しかし、１４で示したように、各溶接継ぎ目は各バッグ８ｃが完全に閉じられるように連続することもできる。したがって、各根の先端および／または各新芽がバッグ８ｃの壁材料中の局部的に弱い領域を貫通できることに注意を払われている。図７はバッグを閉じるいくつかの方法を示す。この図は本説明のためにだけ含まれている。実際には、種子テープの全てのバッグはバッグ８ａのように形成され、または全てのバッグはバッグ８ｂのように形成される。また、全てのバッグはバッグ８ｃのように形成することができ、または他の形を有することができる。

図５または６の支持材料部分２ａなどの各支持材料部分は、支持材料２ａの容積の少なくとも２５％の空気容積を含み、この支持材料の容積の少なくとも６０％を水が充填することができる。

各種子３または各種子群の支持材料は、場合によって、長手の織物７に固定された所定長さの吸収材料によって形成することができ、それらの吸収材料の長さは、例えば、図９の吸い取り紙１２ａ、１２ｂ、１２ｃの長さである。したがって、各種子３ａ、３ｂ、３ｃは長手の織物７と各長さの吸い取り紙１２ａ、１２ｂ、１２ｃの間に配置される。

後者の場合、栄養剤や充填剤などの添加剤は完全にまたは部分的に所定長さの吸い取り紙に吸収することができる。

替わりに、添加剤は錠剤（図示せず）の形など、十分画定された領域内に堆積することができる。

また、用いられる吸い取り紙１２ａ、１２ｂ、１２ｃは、例えば、毎秒少なくとも５０ｇ／ｍ^２のＨ_２Ｏ吸収能力を示す木質繊維塊を含むことができる。

図９に関して、図示された種子テープ１は通常約３０ｍｍの最大幅を有し、吸い取り紙１２ａ、１２ｂ、１２ｃの長さは実質上同じ幅を有することに留意されたい。各長さの吸い取り紙１２ａ、１２ｂ、１２ｃの長さＬに関しては、式、８ｍｍ＜Ｌ＜３５ｍｍが適用される。

例えば、所定長さの吸い取り紙１２ａ、１２ｂ、１２ｃに吸収されたモラーズ、ベントナイト等の材料を堆積することができる。また、栄養剤およびトリコダーマ（Ｔｒｉｃｏｄｅｒｍａ）、スードノーマ（Ｓｅｕｄｏｎｏｍａｓ）、チューリンギエンス（Ｔｈｕｒｉｇｉｅｎｓｉｓ）等の微生物などの生物制御有機物（ＢＣＯ）をこれらの所定長さの吸い取り紙に吸収することができる。

長手の織物７は、例えばガーゼから作ることができ、この長手の織物または紐状接続部分７ａ、７ｂ、７ｃに関して、これらの材料は、個々の発芽ユニットをナイフ（図示されない）または熱線、好ましくは白金線によって種子テープから切断できる厚さを有することができることに留意されたい。

本発明は、本発明の範囲から逸脱することなく多くの修正を加えることができる。

本発明による発芽ユニットの一実施形態の側面図である。 図１の発芽ユニットの断面図である。 支持材料が所定長さの吸い取り紙などのセルロース繊維の集合体から形成される、本発明による発芽ユニットの第２実施形態を示す図である。 本発明による種子テープの一実施形態の傾斜側面図である。 長手の織物が３つの紐状接続部品の形である、本発明による種子テープの第２実施形態の斜視図である。 各支持材料部分がバッグに挿入される、本発明による種子テープのさらに他の実施形態の斜視図である。 種子と支持材料を含むバッグがガーゼ状性質の長手の織物上に配置される、種子テープの一実施形態の斜視図である。 図７の種子テープの縦断面図である。 支持材料が所定長さの吸い取り紙から形成される、種子テープのさらに他の実施形態を示す図である。

Claims (18)

1. 少なくとも１つの種子（３）ならびに場合によって栄養剤や充填剤などの添加剤を含む種類の発芽ユニット（１）であって、種子から延伸する根の先端（４）および／または新芽（５）の貫通が可能な支持材料（２）を含み、前記支持材料が前記種子（３）の配列を固定するのに適していることを特徴とする、発芽ユニット。
2. 用いられる種子（３）が、ピリングまたはフィルムコーティングなどの前処理を施されていることを特徴とする、請求項１に記載の発芽ユニット。
3. 用いられる種子が、成長促進処理、すなわち、発芽処理を施されていることを特徴とする、請求項１または２に記載の発芽ユニット。
4. 支持材料（２）が凝集性構造を有し、好ましくは互いに連絡する開放セルを含み、前記支持材料は、種子（３）から延伸する根の先端（４）および新芽（５）が貫通可能であることを特徴とする、請求項１、２、または３に記載の発芽ユニット。
5. 支持材料（２）が、繊維状材料、好ましくは、例えば、糊付けおよび／または熱処理によって凝集性構造にされたセルロース繊維の集合体によって形成されることを特徴とする、請求項１から４のいずれか一項に記載の発芽ユニット。
6. 複数の連続的に配置された請求項１から５のいずれか一項に記載の発芽ユニットを含み、種子の発芽制御を可能にする処理に適している種子テープ（６）であって、発芽ユニットの支持材料部分（２ａ、２ｂ、２ｃ）が、好ましくは分解可能な材料から作られた長手の織物（７）によって互いに保持されることを特徴とする、種子テープ（６）。
7. 長手の織物（７）が、１つ以上の紐状接続部分（７ａ、７ｂ、７ｃ）を形成するように比較的細いこと（図５および図６）を特徴とする、請求項６に記載の種子テープ（６）。
8. 各支持材料部分（２ａ、２ｂ、２ｃ）がバッグ（８ａ、８ｂ、８ｃ）中に配置され、バッグ材料および支持材料が比較的弱くて同じ種類であり、好ましくは多くの弱い領域を有し、種子の根の先端および／または新芽が種子テープの外へ突出することが可能であることを特徴とする、請求項６または７の一項以上に記載の種子テープ（６）。
9. 長手の織物（７）が、非弾性ガーゼ、好ましくは網構造を有するガーゼによって形成され、網の開口部が少なくとも約１ｍｍの主要寸法を有することを特徴とする、請求項６から８の一項以上に記載の種子テープ（６）。
10. 各バッグ（８ａ）が、種子の根の先端および／または新芽が溶接継ぎ目を容易に通過できるように、穿孔された前記溶接継ぎ目（１１）によって頂部および底部で部分的に閉じられることを特徴とする、請求項８または９に記載の種子テープ（６）。
11. 各バッグ（８ｃ）が、頂部および底部で完全に閉じられる（１４）ことを特徴とする、請求項８、９、または１０に記載の種子テープ（６）。
12. 各支持材料部分（２）が、前記支持材料の容積の少なくとも２５％の空気容積を含み、前記支持材料の容積の少なくとも６０％の水を充填できることを特徴とする、請求項６から１１の一項以上に記載の種子テープ（６）。
13. 各種子（３ａ、３ｂ、３ｃ）または種子群の支持材料が、長手の織物上に配置された吸収材料によって形成され、前記吸収材料が、好ましくは前記長手の織物（７）に好ましくは糊付けによって固定された所定長さの吸い取り紙（１２ａ、１２ｂ、１２ｃ）であることを特徴とする、請求項６に記載の種子テープ（６）。
14. 用いられる吸い取り紙（１２ａ、１２ｂ、１２ｃ）が、少なくとも毎秒５０ｇ／ｍ^２の水を吸収する能力を有する木質繊維塊を含むことを特徴とする、請求項１３に記載の種子テープ（６）。
15. 最大３０ｍｍの幅ｂを有し、各所定長さの吸い取り紙（１２ａ、１２ｂ、１２ｃ）が実質上同じ幅を有し、各所定長さの吸い取り紙の長さＬに関して、式、８ｍｍ＜Ｌ＜３５ｍｍが適用されることを特徴とする、請求項１３または１４に記載の種子テープ（６）。
16. 例えば、所定長さの吸い取り紙（１２ａ、１２ｂ、１２ｃ）に吸収されたモラーズ、ベントナイトなどの材料が堆積され、また、場合によって栄養剤およびトリコダーマ、スードノーマ、チューリンギエンスなどの生物制御微生物（ＢＣＯ）が、例えば、前記所定長さの吸い取り紙に吸収されて堆積されることを特徴とする、請求項１３、１４、または１５の一項以上に記載の種子テープ（６）。
17. 添加剤が錠剤の形などの十分画定された領域内に堆積されることを特徴とする、請求項６から１６の一項以上に記載の種子テープ（６）。
18. ガーゼ織物（７’）または紐状接続部品（７ａ、７ｂ、７ｃ）が、個々の発芽ユニットがナイフまたは熱線、好ましくは白金線によって種子テープ（６）から切断することができる厚さを有することを特徴とする、請求項６から１７のいずれか一項に記載の種子テープ（６）。

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