JP2655891B2 - 直播用種子材 - Google Patents

直播用種子材

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JP2655891B2 JP63250853A JP25085388A JP2655891B2 JP 2655891 B2 JP2655891 B2 JP 2655891B2 JP 63250853 A JP63250853 A JP 63250853A JP 25085388 A JP25085388 A JP 25085388A JP 2655891 B2 JP2655891 B2 JP 2655891B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、被覆栽培における直播用種子材の構造に関
する。
(従来の技術) 従来、例えば、タバコ栽培においては、親床及び子床
で40数日間にわたって管理育成したタバコ苗を本畑に移
植しており、多大の労働時間(21時間/10a)を必要とし
ていた。
最近では、労働時間の節減を目的としてコーティング
種子による本畑直播栽培が検討されているが、播種後に
遭遇する低温、過湿、過乾などの環境条件の影響によっ
て発芽率の低下及びその後の生育不良となる場合がしば
しば生じ、また、雑草の繁茂によって生育不良になる場
合が多いなどの欠点が見られる。
直播栽培に関する発明については、特開昭53−107907
号公報、特開昭58−16603号公報又は特公昭62−61284号
公報などで提案されている。特開昭53−107907号公報の
発明は、田植えを行う際の直播方法であり、畑作を対象
とする本発明とは、湿度条件や雑草の繁茂などに関して
自ずと相違するものである。特開昭58−16603号公報及
び特公昭62−61284号公報の発明は、水分保持と種子の
定着の改善を意図したものであり、温度環境や雑草の繁
茂については全く改善されていない。
本特許出願人は、先に、特にコーティング種子を安定
的に発芽させ、根張りのよい苗を育成するための穴播き
育苗法(特開昭61−209506号)を提案した。この発明
は、播種穴の底における夜間の最低温度が外気より約1
℃高くなることにより、発芽の安定性が増大する原理に
基づいている。この原理を直ちに畑における直播栽培に
応用するに当たっては、次のような解決すべき課題が存
在する。すなわち、播種した穴の周囲の土壌が崩壊し、
種苗が埋没し、生育が妨げられる或いは播種した穴の周
囲に雑草が繁茂し、幼苗が雑草の生育に負けてしまう危
険性が高いなどである。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、従来技術にも見られる上記した課題を解決
せんとするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は、1個ないし複数個の作物種子と、該作物種
子を上部表面に付着した固形化した肥土塊と、該肥土塊
を底部に収容するとともにその上方空間を囲む土壌中分
解性筒とよりなることを特徴とする直播用種子材を要旨
とするものである。
本発明の作物種子は、畑作作物の種子であり、通常の
種子、コーティング種子及び人工種子を含む。
本発明に用いる肥土塊は、通常用いられる苗床肥土で
もよいが、無機質培地と有機質培地とを混合した培地を
用いてもよい。無機質培地としては、例えば、バーミキ
ュライト、パーライト、パスミ、ロックウール細粒綿、
もみがらくん炭などを単独で用いるか2種以上を混合し
て用いる。有機質培地としては、例えば、細末堆肥、ピ
ートモス、バーク、パルプスラッジ、ソーダダストなど
を単独で用いるか2種以上を混合して用いる。また、肥
土塊には、必要に応じて肥料及び/又は吸水性樹脂が混
合される。好ましくは、肥料として発芽した苗が直ちに
吸収可能な速効性肥料及び発芽30日後に吸収可能な遅効
性肥料が用いられる。吸水性樹脂としては、デンプン
系、アクリル系、DVA系及びCMC系等のものが用いられ
る。
さらに、本発明に用いる肥土塊は、上記培地素材にバ
インダーを混合して固形化したものが用いられる。固形
化する場合に、その形状は後述する土壌中分解性筒の底
面部位に密着して収容できるように形状を定める。バイ
ンダーとしては、CMC、ベントナイト、ゼオライト等が
用いられる。
肥土塊は、あらかじめ蒸気消毒し、病原菌とともに雑
草の種子を死滅させておくことが望ましい。
このような肥土塊に、作物種子を接着剤で肥土の上部
表面に付着させる。この際の作物種子量は、肥土塊1個
当たり作物の種類によって1個ないし複数個に適宜定め
られる。
本発明に用いる土壌中分解性筒は、繊維状CMCからな
る水溶性、C/N比調整により土壌中の分解性を高めた紙
或いはC/N比調整により土壌中の分解性を高めたセルロ
ースパルプ製の不織布等からなる土壌中分解性シートで
作られた筒状体であり、円筒形、角筒形、円錐台形又は
角錐台形に構成され、筒状体の上面は開放されている。
筒状体の下面は、無底、有底又は底面の周縁部のみ有底
のいずれでも差し支えない。円錐台形又は角錐台形の場
合には、底面積の小さい方を下面にして使用し、有底の
場合には、底面積の小さい方に底を設ける。
筒状体の高さは、種子発芽後の生育用空間を形成する
ように底部に収容する肥土塊の高さよりも大きく設定さ
れる。
筒状体の素材である土壌中分解性シートは、好ましく
は太陽熱の吸収率が高い黒色とし、C/N比を土壌と同じ
に設定し、また、必要に応じて吸水製樹脂を付着させ
る。
本発明に用いる土壌中分解性筒の底面部位に、固形化
した肥土塊で該肥土塊の上部表面に種子を付着した肥土
塊を収容する。肥土塊はバインダーにより固形化されて
いるので、筒の底部は、無底、有底又は底面周縁部のみ
有底の土壌中分解筒のどれでも差し支えない。また、土
壌中分解性筒と肥土塊の接触面を背着剤で接着、固定す
ることもできる。
このようにして、肥土塊の周囲を土壌中分解性筒が囲
むとともに、土壌中分解性筒の高さは、肥土塊の高さよ
り大きく設定されているので、肥土塊の上方空間をも土
壌中分解性筒が囲むことになる。
(作用) 本発明の直播用材の使用方法は、次のとおりである。
本発明である固形化した肥土塊で種子を付着した肥土
塊を底面部位に収容した土壌中分解性筒を本畑に形成し
た作物栽培用の畦上に埋め込むことによって、直播が行
われる。埋め込む深さは、土壌中分解性筒の上端が畦面
の上に出る程度とする。発芽に必要な水は、直播用種子
材に収容した肥土塊に畦上に埋め込む前又は埋め込んだ
後に供給される。
直播用種子材を畦上に埋め込んだ後、畦面上にマルチ
フィルムが被覆されることにより肥土塊の上方に筒に囲
まれた種子の発芽後の生育用空間が形成される。
この状態において、作物種子は植穴の底に置かれるこ
とになり、前述の穴播き育苗法に見られる温湿度環境上
の利点が保証されるとともに、肥土塊の上方空間は、周
囲が土壌中分解性筒で囲まれているので、穴の周囲の土
壌が崩壊して、発芽した幼苗が埋没するおそれはない。
同時に、穴の周囲の土壌から雑草が穴内に繁茂すること
は土壌中分解性筒により阻まれ、さらに、肥土塊は予め
蒸気消毒が行われているので、雑草繁茂による幼苗の生
育が不良となる危険性もない。
土壌中分解性筒が黒色であれば、太陽熱の吸収がよ
く、肥土塊及び肥土塊上部の空間の温度は1℃を超えて
上昇するので、発芽率が向上し、発芽後の幼苗の生育が
良好になる。肥土塊に吸水性樹脂が混入されている場合
には、同樹脂に水が保持されていることにより過乾状体
となることが防がれる。また、肥土塊には、肥料が混入
されているので、種子発芽後直ちに利用され、初期生育
が良好となる。
本発明に用いる土壌中分解性筒は、土壌中において最
初は形状を保っているが、徐々に分解が進み、やがては
分解して崩壊することになる。播種された作物種子は、
発芽して成長し、その頂部、葉茎部が畦面上(マルチフ
ィルムで被覆しているので、頂部がマルチフィルムに達
するときに、フィルムのその部分を切り取る。)に達し
た後は、土壌中分解性筒は崩壊しても差し支えなく、む
しろ崩壊した方が望ましい。
土壌中分解性筒が有底であっても、土壌中分解性シー
トから成っている底面は、作物の根の伸長の妨げになら
ず、同シートを突き破って伸長することができる。
筒状体の素材である土壌中分解性シートのC/N比を土
壌のそれと同じにしておけば、土壌中分解筒の崩壊後の
土壌環境の悪化が防げられる。
(実施例) 本発明の直播用種子材について、実施例を示す図面を
もってさらに詳しく説明する。
まず、第1図について説明すると、1は本発明の直播
用種子材、2は肥土塊であり、円錐台形を成す。3はコ
ーティング種子である作物種子、4は土壌中分解性筒で
あり、円錐台形に形成されている。土壌中分解性筒4の
高さは、肥土塊2の高さより大きく、肥土塊2を底部に
収容するともにその上方空間5は土壌中分解性筒4が囲
われている。コーティング種子3は、肥土塊2の表面に
少量の接着剤で接着されている。
肥土塊2は、ピートモス23%、バーミキュライト24
%、くん炭24%、パスミ24%を混合した人工肥土に、硫
安8g/10L、過石23g/10L、微量要素入り化成肥料24g/10L
を加え、さらに、吸水性樹脂である日本触媒化学社製ア
クリホープ(商品名)を0.3%とバインダーとしてベン
トナイト4.7%を加えて固形状としたものである。な
お、肥土塊の形状は収容する土壌中分解性筒の底部に収
容される形に形成されている。
第2図及び第3図は、本発明の直播用種子材の他の実
施例を示す。1は本発明の直播用種子材、2は肥土塊で
あり、円錐形を成す。3はコーティング種子である作物
種子、4は土壌中分解性筒であり、円筒形に形成されて
いて、底面には周縁のみに底6を有する。5は、肥土塊
2の上方空間であり発芽後の生育用空間を形成してい
る。コーティング種子3は、第1図と同様に、肥土塊2
の表面に少量の接着剤で接着されている。
肥土塊2は、細末堆肥30%、バーミキュライト30%、
オーティファイバー10%、原野土25%を混合した人工肥
土に、硫安8g/10L、過石23g/10L、微量要素入り化成肥
料26g/10Lを加え、さらに、バインダーとしてベンナイ
ト5%を加えて固形状としたものである。
第4図は、第2図に示す本発明の直播用種子材1を本
畑の畦上に埋め込むことによって直播した状態を示す概
略説明図である。畦7の頂部に穴8を穿孔し、穴8内に
直播用種子材1を土壌中分解性筒4の先端が若干突出す
るように埋め込む。9は、畦7の表面に被覆したマルチ
フィルムである。
(試験例) タバコ植物の品種コーカ319のコーティング種子を用
いて、本発明の直播用種子材を用いて直播栽培を行った
試験結果を示す。
供試した本発明の直播用種子材は、次の通りである。
肥土塊の組成 落葉堆肥 28% バーミキュライト 28% オーティファイバー (フランス産の海洋松の木質繊維) 10% 原野土 28.5% ペントナイト(バインダーとして) 5% 吸水性樹脂 0.5% 肥土肥料 ロック&ハウス(商品名、N−10,P−8,K−24)26g/10L 硫酸アンモニウム 8g/10L 過燐酸石灰 23g/10L 肥土塊の高さ 5cm 土壌分解性筒 円筒形(直径7cm、高さ9cm) 筒状体の素材は、製鉄化学(株)製アクアキーパー(商
品名)で、約5週間で分解するように調整した。
作物種子 コーティング種子各1粒を接着剤で肥土表面
に付着した。
上記の本発明直播用種子材を本畑の畦上に、筒状体の
上部が若干でる程度に埋めることによって、直播した。
対象区として、本畑の畦上に同じコーティング種子を
直播した。
なお、両者とも直播後にマルチフィルムを被覆した。
播種後14日目の発芽率を調査した結果を第1表に示
す。
第1表 区分 発芽率 本発明直播用種子材使用区 70.8% 対照区 10.8% この表から明らかなように、本発明の直播用種子材を
用いることによって、発芽率は格段に向上し、その後の
作物の生育でも、大きな差がみられた。
(効果) 本発明の直播用種子材を用いることにより、従来の直
播栽培に較べて安定した作物生育を可能とし、作物栽培
における大幅な省力化を達成できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の直播用種子材の一実施例を示す斜視
図、第2図は、本発明の直播用種子材の他の一実施例を
示す斜視図、第3図は、同底面図、第4図は、同実施例
の使用状態を示す概略説明図である。 1……直播用種子材、2……肥土塊、3……作物種子 4……土壌中分解性筒、5……上部空間、6……周縁底 7……畦、8……穴、9……マルチフィルム

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1個ないし複数個の作物種子と該作物種子
    を上部表面に付着した固形化した肥土塊と該肥土塊を底
    部に収容するとともにその上方空間を囲む土壌中分解性
    筒とよりなることを特徴とする直播用種子材。
  2. 【請求項2】作物種子がコーティング種子又は人工種子
    である請求項1記載の直播用種子材。
  3. 【請求項3】肥土塊が人工肥土又は人工肥土を混入した
    肥土塊である請求項1又は2記載の直播用種子材。
  4. 【請求項4】肥土塊が吸収性樹脂を混入した肥土塊であ
    る請求項1、2又は3記載の直播用種子材。
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