JP2009517131A - 体内または身体上で使用される磁力デバイスの安定または固定のためのデバイス、システムおよび方法 - Google Patents
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Abstract
システム及び方法が、上気道における磁性インプラントの移動及び突出を防止する。該システム及び方法は、磁性インプラントの移動の問題に対処する外科技術及び構造特徴の両方に関する。本発明の一態様は、相隔たる関係で支持構造体により担持されている少なくとも2つの強磁性構成要素を含むインプラントデバイスを提供する。インプラントデバイスは、支持構造体の強磁性構成要素間に形成されている少なくとも1つの開口を含む。該開口は、例えば、柔軟性及び/若しくは組織内方成長の提供、又は縫合糸若しくはステープル若しくは接着剤などの永久固定要素の設置により、埋込み後に安定化を実現することができる。
Description
(関連出願)
本出願は、米国仮特許出願第60/739,519号(2005年11月23日出願)の利益を主張する。
本出願は、米国仮特許出願第60/739,519号(2005年11月23日出願)の利益を主張する。
本発明は、体内及び/又は身体上で使用される磁力デバイスの安定化を向上させるデバイス、システム、及び方法に関する。安定化の向上は、設置中、且つ埋込み位置で実現され得る。
(I.睡眠時無呼吸の特徴)
1965年に最初に記述された睡眠時無呼吸は、睡眠中の呼吸の暫時停止(10秒以上)を特徴とする呼吸障害である。睡眠時無呼吸は、一般的であるが深刻な生死に関わる可能性のある病気であり、1800万人ものアメリカ人が罹患している。
1965年に最初に記述された睡眠時無呼吸は、睡眠中の呼吸の暫時停止(10秒以上)を特徴とする呼吸障害である。睡眠時無呼吸は、一般的であるが深刻な生死に関わる可能性のある病気であり、1800万人ものアメリカ人が罹患している。
睡眠時無呼吸には、中枢性と閉塞性の2種類がある。中枢性睡眠時無呼吸は比較的稀であり、脳が、例えば脳幹の傷害又は損傷の結果として、呼吸筋に呼吸を開始するように適切な信号を送れない場合に発生する。機械的人工換気は、呼吸を確実に継続させるために用いることができる唯一の療法である。
閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、遥かに一般的である。通常、咽喉上部の筋肉は、気流が肺内に入れるように気道を開いた状態に保つ。舌根及び口蓋垂(咽喉の奥中央から垂下している小さい肉様組織)基底部における軟口蓋の筋肉が弛緩し沈下すると、弛緩した組織は、呼吸中に気流が該組織を通過する時に振動する可能性があり、結果的にいびきをかくことになる。いびきの症状は、男性の約半数、女性の25%にあり、その人達の殆どは50歳以上である。
より重症の場合には、気道が閉塞し、呼吸が困難且つ騒がしいものになり、又は完全に停止してしまうことさえある。ある晩には、無意識の呼吸一時停止即ち「無呼吸イベント」の数は、1時間当たり20〜30回以上と多い場合もある。いびきをかく人が皆疾患を持つ訳ではないが、これらの呼吸一時停止は、無呼吸症状の発現の間に大抵いびきを伴う。睡眠時無呼吸はまた、窒息感も特徴とする可能性がある。
肺への吸気量が不足すると、血液中の酸素濃度が低下し、二酸化炭素濃度が上昇する。酸素濃度及び二酸化炭素濃度の変化は、呼吸を再開し覚醒するように脳に警報を出す。深い回復睡眠を頻繁に中断することは、早朝の頭痛、日中の過剰な眠気、抑うつ、興奮性、並びに学習困難及び記憶困難をもたらすことが多い。
医学界は、中度又は重度の閉塞性睡眠時無呼吸患者では心臓発作、高血圧、及び卒中の発生数が増加することに気付くに至った。睡眠時無呼吸患者の50%までが高血圧であると推定される。
無呼吸イベントが起こると、睡眠者は正常な呼吸機能を継続することができず、血液中の酸素飽和レベルが低下する。脳が異常を感知し、睡眠者は空気を求めてもがき喘ぐようになる。次いで、呼吸が再開し、連続して無呼吸イベントが続くことが多い。血圧の急激な補償的変動に因り、心臓及び血管がダメージを受ける可能性がある。イベント発生毎に、睡眠者は睡眠から部分的に覚醒され、その結果、睡眠の質が大幅に低下し、日中の疲労を伴う。
全ての人及び哺乳動物ではある程度の無呼吸イベントは正常であるが、疾患の重症度、及び健康被害の可能性を決定するのは閉塞の頻度である。閉塞の発生が頻繁である場合には、是正措置が取られるべきである。
(II.睡眠と上気道の生体構造)
上気道は、鼻尖部に位置している鼻弁で始まり且つ喉頭に延びる導管で構成されている。この導管に沿った全ての組織は、呼吸サイクルに対して動的且つ応答的であるが、咽頭(鼻腔の背後で開始し、声門上喉頭へのその連結部で終了する部分)のみは、全体的に虚脱し易い。
上気道は、鼻尖部に位置している鼻弁で始まり且つ喉頭に延びる導管で構成されている。この導管に沿った全ての組織は、呼吸サイクルに対して動的且つ応答的であるが、咽頭(鼻腔の背後で開始し、声門上喉頭へのその連結部で終了する部分)のみは、全体的に虚脱し易い。
上気道の横断面積は、呼吸サイクルの相で変化する。吸気開始時(第I相)、気道が拡張し始め、次いで、残りの吸気を通じて比較的一定に維持される(第II相)。呼気開始時(第III相)、気道は拡張し始め、最大直径に達し、次いで、大きさが縮小し、その結果、呼気の終了時(第IV相)、上気道拡張筋が最も不活性な時期に対応して最も狭窄した状態にあり、管腔内陽圧が最低になっている。従って、上気道は、呼気の最後に虚脱し閉塞する可能性が最も高い[参照:非特許文献1]。
睡眠は、上気道拡張筋活性の低下を特徴とする。閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)及び、恐らく、閉塞性睡眠呼吸障害(SDB)と称される実体群の大部分を含むその他の障害を持つ個人に関しては、この筋肉機能の変化に起因して、咽頭の狭窄及び虚脱が生じると考えられる。OSA患者におけるこの現象の、考えられる2つの病因が理論化されている。1つは、これらの患者は、睡眠中、非無呼吸の人よりも気道拡張筋緊張が低下するという理論である(神経理論)。もう1つは、全ての個人は睡眠において同様の拡張筋活性の低下を経験するが、無呼吸患者は構造的に不安定な咽頭を有するという理論である(解剖学的理論)。両理論とも事実上OSAの原因である可能性があるが、現在の研究は、OSA患者は本来、構造的に狭窄した、より虚脱しやすい咽頭を有するという見解を支持しているようである[参照:非特許文献2]。この現象は、口蓋帆咽頭レベル[非特許文献2]などの特定の部位で目立つことが多いが、閉鎖圧の研究[非特許文献2]は、狭窄及び虚脱が通常は咽頭の全長に沿って生じることを示す動的高速MRI画像を裏付ける。[参照:非特許文献3]。
(III.治療の選択肢)
今までのところ、上気道全体に沿った虚脱に対処する唯一の療法は、持続的気道陽圧法(CPAP)の機械などの機械的陽圧呼吸デバイスである。種々の外科的処置及び口腔装置などの他の全ての療法は、その性質上、(口蓋、舌根、及び舌骨レベルなどの)気道の特定の区域に対処するが、咽頭壁部分は治療されずに残される。OSAの防除における手術及び装置を遥かに凌ぐCPAPの高い成功率を、このことにより説明することができる。呼吸サイクルの間に実質的に気道の固定(splint)としての機能を果たすCPAPは非常に良好であるが、いくつかの極めて重大な短所がある。装着及び携帯には扱いにくく、社会的レベルで受け入れ難く、(閉所恐怖症、顔面マスク及び鼻マスクの褥瘡、気道刺激などの理由で)多くの人は耐えられない可能性がある。これらの要因により、長期順守率は比較的低いという結果になっている。1つの研究では、65%の患者が6か月後にはCPAP治療を断念することが示された。
今までのところ、上気道全体に沿った虚脱に対処する唯一の療法は、持続的気道陽圧法(CPAP)の機械などの機械的陽圧呼吸デバイスである。種々の外科的処置及び口腔装置などの他の全ての療法は、その性質上、(口蓋、舌根、及び舌骨レベルなどの)気道の特定の区域に対処するが、咽頭壁部分は治療されずに残される。OSAの防除における手術及び装置を遥かに凌ぐCPAPの高い成功率を、このことにより説明することができる。呼吸サイクルの間に実質的に気道の固定(splint)としての機能を果たすCPAPは非常に良好であるが、いくつかの極めて重大な短所がある。装着及び携帯には扱いにくく、社会的レベルで受け入れ難く、(閉所恐怖症、顔面マスク及び鼻マスクの褥瘡、気道刺激などの理由で)多くの人は耐えられない可能性がある。これらの要因により、長期順守率は比較的低いという結果になっている。1つの研究では、65%の患者が6か月後にはCPAP治療を断念することが示された。
代替の方法は、睡眠中に気道を「固定」しようとしたものであり、CPAPのいくつかの短所を伴わずにCPAPにより得られる利益をもたらし、その結果、利点をもたらしている。この方法では、磁気エネルギーを、引付けて(互いに対向する2つ以上の磁石の反対極が引力をもたらす)、又は反発させて(互いに対向する2つ以上の磁石の同極が互いに反発する力をもたらす)使用する。舌に埋め込まれた磁石は、上気道系の種々の器官に埋め込まれているか又は体外の頸部カラー内部にある他の磁石と、引力又は反発力のいずれかにより相互作用する。
磁力を使用する「固定」法は全ての磁気相互作用を排除できないので、舌及び咽頭壁内のインプラントは、それらの特定の位置で安定させることが困難であることが多かった。磁性インプラントは、互いに相互作用して折り重なるか又は型崩れする可能性があり、更に磁気器具とも相互作用する可能性があると考えられる。インプラントはまた、回転するか又はその本来の埋込み位置から移動する可能性があると考えられる。
Schwab RJ、Goldberg AN.Upper airway assessment:radiographic and other imaging techniques.Otolaryngol Clin North Am 1998年;31:931〜968頁 Isono S.Remmers J、Tanaka A Sho Y、Sato J、Nishino T.Anatomy of pharynx in patients with obstructive sleep apnea and in normal subjects.J Appl Physiol 1997年:82:1319〜1326頁 Shellock FG、Schatz CJ、Julien P、Silverman JM、Steinberg F、Foo TKF、Hopp ML、Westbrook PR.Occlusion and narrowing of the pharyngeal airway in obstructive sleep apnea:evaluation by ultrafast spoiled GRASS MR imaging.Am J of Roentgenology 1992年:158:1019〜1024頁
Schwab RJ、Goldberg AN.Upper airway assessment:radiographic and other imaging techniques.Otolaryngol Clin North Am 1998年;31:931〜968頁 Isono S.Remmers J、Tanaka A Sho Y、Sato J、Nishino T.Anatomy of pharynx in patients with obstructive sleep apnea and in normal subjects.J Appl Physiol 1997年:82:1319〜1326頁 Shellock FG、Schatz CJ、Julien P、Silverman JM、Steinberg F、Foo TKF、Hopp ML、Westbrook PR.Occlusion and narrowing of the pharyngeal airway in obstructive sleep apnea:evaluation by ultrafast spoiled GRASS MR imaging.Am J of Roentgenology 1992年:158:1019〜1024頁
体内及び/又は身体上で使用される磁力デバイスの安定化を向上させる、簡単で費用効率の高いデバイス、システム、及び方法に対するニーズが依然としてある。該安定化の向上は、設置中の且つ埋め込み位置における安定化の向上を含む。
本発明は、デバイス、及び全般的にインプラント受容性を向上させる方法を提供し、インプラントの移動を防止し、例えば舌、中咽頭、及び咽頭壁などの組織内で磁性インプラントを安定させる。本発明は、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)及び呼吸低下(睡眠中の気道の部分閉塞)などの睡眠障害疾患を予防するのに特に有用である。
本発明の一態様は、相隔たる関係で支持構造体により担持されている少なくとも2つの強磁性構成要素を含むインプラントデバイスを提供する。インプラントデバイスは、支持構造体の強磁性構成要素間に形成されている少なくとも1つの開口を含む。該開口は、例えば、柔軟性及び/若しくは組織内方成長の提供、又は縫合糸若しくはステープル若しくは接着剤などの永久固定要素の設置により、埋込み後に安定化を実現することができる。
一実施形態では、支持構造体は網様開口アレイを含む。
一実施形態では、開口は、支持構造体の幾何学的中心を占める。
一実施形態では、支持構造体は略U型又は略O型のどちらかである。
本発明の別の態様は、支持構造体上に担持されている強磁性構成要素を含むインプラントデバイスを提供する。本発明の本態様に基づき、少なくとも1つの突出部が支持構造体から延出している。該突出部は、組織に係合して支持構造体を安定させるための大きさ及び構成になっている。突出部は、例えば、返し又はフックを含み得る。一実施形態では、インプラントデバイスは、支持構造体に対して突出部を選択的に収納し延出する手段を含む。
本発明の別の態様は、支持構造体により担持されている強磁性構成要素を含むインプラントデバイスを提供する。本発明の本態様に基づき、支持構造体は、組織に接触するための大きさ及び構成になっている凹凸のある表面を有する第1の面、及び略滑らかな表面を有する第2の面を含む。気道内部での凹凸のある第1の面と組織との間の接触がインプラントを安定させる一方、気道に面する略滑らかな表面は、嚥下又は発話などの通常の機能への障害を最小限にする。
本発明の別の態様は、支持構造体上に担持されている強磁性構成要素を含むインプラントデバイスを提供する。本発明の本態様に基づき、インプラントは、組織内に埋め込まれている間の動き、移動、及び突出を防止するように形作られている。支持構造体は、例えば、丸い角部、及び/又は広い領域と狭い領域を交互に形成する凸凹の外縁、及び/又は厚さの異なる領域を有する大きさ及び構成とすることができる。
本発明の別の態様に基づき、インプラントデバイスは、複数の磁石アレイ、及びアレイ間の引付けを防いで組織領域内又は組織領域上でのデバイスの設置を容易にする手段を含む。
本発明の別の態様に基づき、磁性インプラントデバイス、及び組織内に外科的に作られるポケットを含むシステムを提供する。ポケットは、磁性インプラントがポケット内に設置された場合、インプラント周囲の無傷の組織が磁性インプラントの動きを阻止するように、凸凹な形状を有する大きさ及び構成になっている。
本発明の別の態様は、第1、第2、及び第3の磁気構造体を含むシステムを提供する。各磁気構造体は北磁極を有する。第1及び第2の磁気構造体は、相隔たる関係で第1の組織領域内又は同組織領域上に設置するための大きさ及び構成になっている。磁北極又は第1及び第2の磁気構造体は、ともに第2の組織領域の方向に向けられている。本発明の本態様に基づき、第3の磁気構造体は、第2の組織領域内又は同組織領域上に設置するための大きさ及び構成になっている。第3の磁気構造体の磁北極は、第1及び第2の磁気構造体の間にある第1の組織領域の方向に向けられている。第3の磁気構造体と第1及び第2の磁気構造体との間のオフセットが、システム内の磁石間の反発相互作用に安定性を与える。
本発明の別の態様は、反転し折り重なって折畳み式構造体を形成することができる並行する磁石アレイを含む磁性インプラントを埋め込むシステムを提供する。該システムは、折畳み式構造体を分離し組織内で磁性インプラントを配置する第1の手段、及び第1の手段が折畳み式構造体を分離する間に、磁性インプラントを所定の位置に保持する第2の手段を含む。
本発明の別の態様は、並行する第1及び第2の磁気区域を含む磁性インプラントを安定させる方法を提供する。本方法は、第1の磁気区域内の隣接する2つの内側の孔に設置縫合糸を通し、設置縫合糸を結んでループを形成する。本方法はインプラントを折畳むので、第1の区域が第2の区域に重なり、インプラントは、切開を通して壁組織に形成されているポケット内へ畳み込まれたままで設置される。本方法は、第1の器具を配置して第2の区域を筋膜に当てて保持すると同時に、縫合糸ループに通して第2の器具を設置する。本方法は、設置縫合糸の端部を引いて第1及び第2の区域を分離するために力を加えると同時に、第2の器具を使用して第1の区域を第2の区域と並行する関係になるように誘導する。本方法は、分離した磁性インプラントの四隅に固定縫合糸を配置し、次いで、ループを切断して固定縫合糸を除去する。
本発明の別の態様は、種々の形状のインプラントを軟組織内に挿入する方法を提供する。
1つの方法は、U型インプラントを埋め込む。本方法は、軟組織に2つの切開を開き、軟組織にU型ポケットを切り開く。本方法はツールを使用し、一方の切開を通して縫合糸をU型ポケット内に押し入れ、縫合糸の一方の端部が他方の切開を通って出てくるようにする。本方法は、縫合糸の一方の端部をU型インプラントに結び付ける。本方法はツールを使用し、インプラントの一方の端部から押すと同時に、インプラントの他方の端部で縫合糸を引きながら、U型インプラントを特定のポケット内に嵌め込む。本方法は2つの切開を閉じる。
別の方法は、L型インプラントを埋め込む。本方法は、軟組織に切開を開き、軟組織にL型ポケットを切り開く。本方法はツールを使用し、L型インプラントをL型ポケット内に押し込み、切開を閉じる。
別の方法は、O型インプラントを埋め込む。本方法は、軟組織内に切開を開き、該組織にO型ポケットを切り開く。本方法は、開リンクを有するO型インプラントをポケット内に挿入する。本方法は、ポケット内でO型インプラントの開リンクを閉じ、切開を閉じる。
本発明の技術特性を具現化するインプラントデバイス、システム、及び方法論は、舌、軟口蓋/口蓋垂、及び咽頭壁などの気道構造内での設置に最適である。
他の発明及び技術特性は、添付の明細書、図面、及び請求項に基づき明らかになるであろう。
本明細書は、埋込み中の且つ埋込み位置における磁力の安定化を向上させる、種々の磁気ベースのデバイス、システム、及び方法を開示する。例えば、本発明の種々の態様は、身体内部の通路などの体内及び身体周囲において組織虚脱の制限を必要とする処置に応用されている。本発明の特徴を具現化する該デバイス、システム、及び方法はまた、組織を基礎とする用途に限定されないデバイス、システム、及び方法と共に使用することに適合する。
デバイス、システム、及び方法は、特に、睡眠時無呼吸を含む睡眠呼吸障害の治療に最適である。このため、デバイス、システム、及び方法は、これに関連して記載されるであろう。更に、開示されているデバイス、システム、及び方法は、身体のどこか他の部分の他の機能不全の治療における使用に適合することが理解されるべきである。他の機能不全は、必ずしも睡眠障害関連とは限らない。
(I.磁力システム)
図1は、解剖図において、例示的な磁力システム10を示す。磁力システム10は、睡眠中、咽頭導管内部の咽頭構造及び個々の解剖学的構成要素などの標的通路における組織の虚脱を阻止する。図1に全般的に示す通り、磁力システムは、舌の奥に埋め込まれている第1の磁気構成要素12、及び咽頭壁の後部領域に埋め込まれている第2の磁気構成要素14を含む。第1及び第2の磁気構成要素12及び14は、同一極性を有する。第1及び第2の磁気構成要素は、それらの間の反発力の生成により磁気相互作用する。該磁気反発力は、舌が後方に移動して咽頭導管又は気道を閉鎖又は制限するのを防ぐ。
図1は、解剖図において、例示的な磁力システム10を示す。磁力システム10は、睡眠中、咽頭導管内部の咽頭構造及び個々の解剖学的構成要素などの標的通路における組織の虚脱を阻止する。図1に全般的に示す通り、磁力システムは、舌の奥に埋め込まれている第1の磁気構成要素12、及び咽頭壁の後部領域に埋め込まれている第2の磁気構成要素14を含む。第1及び第2の磁気構成要素12及び14は、同一極性を有する。第1及び第2の磁気構成要素は、それらの間の反発力の生成により磁気相互作用する。該磁気反発力は、舌が後方に移動して咽頭導管又は気道を閉鎖又は制限するのを防ぐ。
磁力システム10を、解剖学的に且つ磁石の位置及び極性に関して、異なった構成及び配置とすることができることが理解されるべきである。
例えば、図2は、鼻腔及び口腔、舌、口腔咽頭部、頤、並びに頸部を見せる、ヒトの頭部の横断面を示す。磁石(又は鉄又は強磁性体)アレイ16は、舌の後面付近に埋め込まれる。外部磁石18は、磁石が下顎の下に位置決めされ、前方、頤の前面付近に配置されるように、取付けカラー20の形態で取り付けられる。柔軟パッド22は、装着者に快適さをもたらし、磁石18が頤の肌を直接押圧するのを防止する。外装24は磁石を包み込み、カラー20が磁石18を安定させ所望の位置に固定するように巻き付く。カラー20は、使い易いバックル又はベルクロ(Velcro)(登録商標)ストラップなどの閉鎖手段を含み得る。該ストラップは、更に、頭部の動き等に対してカラー20にある程度の伸縮性を提供するように、弾性的であってもよい。カラー20は、柔らかさと通気性を得るために、伸縮性織地の覆いを備えるフォーム状の内部で構成されていてもよい。
使用においては、磁石18は、磁石アレイ又は鉄アレイ又は強磁性体アレイ16の極性と異なる極性を有する。結果として、磁石18は、埋め込まれた磁石アレイ又は鉄アレイ又は強磁性体アレイ16を引き付けると同時に、舌を前方に引っ張り気道を開く。このことにより、睡眠中の気道の閉鎖及び閉塞を防止する。
図3は、頤の真下に配置されている磁石18を備える頸部カラー20の代替の実施形態を示す。
図4は、別の代替の実施形態を示す。磁石アレイ又は鉄アレイ又は強磁性体アレイ16は、舌の後面付近に埋め込まれている。異極性の外部磁石18は、磁石が頤の前面に当たった状態で配置されるように、取付けカラー20の形態で取り付けられている。この装置により、埋め込まれているアレイ16における引力の方向は、図2に示すより下向きの方向とは対照的に、真直ぐ前方となる。
図5は、代替の実施形態を示す。そこでは、外部磁石18は、取付け装置26及びカラー20の形態で所定の位置に保持されている。バックル及びストラップ装置により、又はベルクロ(登録商標)ストラップ32により、閉鎖及び調節機能を提供することができる。
図6は、更に別の実施形態を示す。そこでは、柔軟なウェビングストラップで構成されているヘッドギア30が提供されている。サイドストラップ32が下方に延び、磁石、及び磁石18を備える頤カップ34をカップ状に受けている。磁石18は、頤カップ34内部に固定されている。この装置は、睡眠中に口が開いて落ちるのを防止するという更なる利点を有する。大いびき、口の乾燥、及び舌が気道内に落ち込む傾向の悪化に関して、開口呼吸に原因があるとする者もいる。
磁力場システム(反発及び/又は引付け)は磁場を生成することができ、睡眠中、咽頭導管内部の標的咽頭構造及び個々の解剖学的構成要素内の組織の虚脱を阻止する。この領域内部の標的咽頭構造及び個々の解剖学的構成要素は、咽頭壁、舌根、谷、舌骨及びその付着物、口蓋垂を備える軟口蓋、関連する柱状組織を有する口蓋扁桃、並びに喉頭蓋を含み得る。
埋め込まれた強磁性物質及び/又は磁力源はそれぞれ、所定の所望の向きを有する単一又は別個の磁力源を含み得る。例えば、強磁性物質の本体を含む単一の永久磁石は、所定の向きを有する単一の磁力源を含み得る。
別の例として、磁石の柔軟性または順応性のあるアレイはまた、説明される通り、ユニットとして支持キャリア上に担持されているか又は別途直接連結されている個別の磁力源も含み得る。
(II.磁気の安定化)
前述の通り、2つ以上の磁石が互いの近くに置かれた場合、反発力又は引力が存在し、該2つ以上の磁石に作用する。
前述の通り、2つ以上の磁石が互いの近くに置かれた場合、反発力又は引力が存在し、該2つ以上の磁石に作用する。
引力は、鉄合金/強磁性物質と磁石との間にも生成され得る。この力は、適切に方向付けられた場合、記載した通り、種々の実施形態においてシステム10に利益をもたらす。
磁力はまた、標的組織領域において磁石の埋込み又は配置に困難を生じる可能性があり、埋込み又は配置後の組織領域内における磁石の望ましくない動き(即ち、移動又は突出)に関与する可能性がある。埋込み中又は配置中且つ埋込み後の使用中に、安定した磁場システムを提供することが望ましい。
(A.埋込み後の移動及び突出の防止)
(1.反発極の向きをオフセットする)
反発磁力システムは、本質的に、引磁力システムより不安定である。該本質な不安定性は、例えば、反発磁石の相対的向きにより緩和することができ、好適な反発位置を実現することができる。
(1.反発極の向きをオフセットする)
反発磁力システムは、本質的に、引磁力システムより不安定である。該本質な不安定性は、例えば、反発磁石の相対的向きにより緩和することができ、好適な反発位置を実現することができる。
例えば、図7Aは、比較的安定した反発位置にある3つの反発磁石302a、302b、302cのアレイ300を示す。アレイ300は、磁北極(N)が軸を平行に隣接して配置された状態で、2つの磁石302a及び302bを横方向に相隔たる関係に向ける。横空間304は、磁石302aと302bを離隔する。
アレイ300は、2つの磁石302a及び302bと間接的対向関係で第3の磁石302cを配置する。図7Aに示す通り、磁石302cの磁北極(N)は、磁石302a及び302bの磁北極(N)に対して平行に向けられているが、磁石302a及び302bの磁北極(N)と直接対向していない。代わりに、磁石302cの磁北極(N)はオフセットされており、磁石302aと302bを離隔する横空間304と対向している。オフセットされたアレイ300は、磁力場に反発力サドル306(図7B参照)を生成し、このことが、安定させるか又は好適な反発位置を与えるのに役立つ。
(2.安定化を促進する形状)
磁性インプラントの外縁の形態は、その選択された位置におけるインプラントの安定性、及び術後の治癒速度の両方に影響を及ぼす。図8Aはインプラント36を示す。該インプラントは、埋込み後、組織内に安定性を提供する形状を代表的する外郭又は外形を有するポリマーマトリックス内に配列されている磁石38の柔軟性または順応性のあるアレイを含む。図8Aが示す通り、磁性インプラント36は、交互になっている広領域及び狭領域を備える凸凹の外縁40を有する。広領域は、端部周囲に治癒が生じるにつれて、インプラントの動きを防止する。埋込み後にインプラント36の周囲に形成する皮膜は、収縮して狭い領域を捉える。組織内方成長を可能にするために、孔43が設けられてもよい。インプラント36の丸い角部は、周囲組織のより速やかな治癒を可能にする。
磁性インプラントの外縁の形態は、その選択された位置におけるインプラントの安定性、及び術後の治癒速度の両方に影響を及ぼす。図8Aはインプラント36を示す。該インプラントは、埋込み後、組織内に安定性を提供する形状を代表的する外郭又は外形を有するポリマーマトリックス内に配列されている磁石38の柔軟性または順応性のあるアレイを含む。図8Aが示す通り、磁性インプラント36は、交互になっている広領域及び狭領域を備える凸凹の外縁40を有する。広領域は、端部周囲に治癒が生じるにつれて、インプラントの動きを防止する。埋込み後にインプラント36の周囲に形成する皮膜は、収縮して狭い領域を捉える。組織内方成長を可能にするために、孔43が設けられてもよい。インプラント36の丸い角部は、周囲組織のより速やかな治癒を可能にする。
図8Bは、同じく移動を阻止するように意図されている輪郭を有する磁性インプラント56の代替の実施形態を示す。インプラントのなだらかな曲線により、周囲組織の広領域が周囲に成長しインプラントを捉えることが可能になり、このようにして自然の固定装置を提供する。このインプラント56は、特に、インプラント56の輪郭に合致する自然に湾曲した形態を有する舌での埋込みに最適である。丸い角部60及び勾配付き端部62は、更に、周囲組織のより速やかな治癒を可能にする。
(3.軟組織固定用統合突出部)
図8Cは、組織を捉えるために凹凸のある裏面42即ち「底面トレッド」を有する図8Aに示すタイプの磁性インプラント36を示す。インプラント36(又は一般に任意のインプラント)の安定化は、以下により詳細に記載する通り、例えば、縫合糸又はステープル又は糊を使用するインプラント部品の下にある組織への装着により達成することができる。トレッド42は、組織に対する動きを制限し、速やかな治癒を促す。
図8Cは、組織を捉えるために凹凸のある裏面42即ち「底面トレッド」を有する図8Aに示すタイプの磁性インプラント36を示す。インプラント36(又は一般に任意のインプラント)の安定化は、以下により詳細に記載する通り、例えば、縫合糸又はステープル又は糊を使用するインプラント部品の下にある組織への装着により達成することができる。トレッド42は、組織に対する動きを制限し、速やかな治癒を促す。
図9Aは、組織把握面を提供するためにまだら44を含む組織対向後面を有する磁性インプラント48を示す。図9Aでは、インプラント48の反対側前面46(通常は気道に向いている)もまたまだらにすることができるが、図9Aでは、前面46は、滑らかであるように示されており、例えば、嚥下又は発話中など、周辺組織の活発な動きの間に、上皮組織がインプラント上で滑動するのを補助する。図9Aに示す二面装置では、インプラント48は、(比較的まだらでない気道対向前面46に因り)嚥下プロセスに対する障害を回避することにより、(組織対向後面上のまだら44の存在に因り)磁性インプラント48の安定性、及び患者の受容性の増大の両方を提供する。
図9B及び9Cは、更なる実施形態を示す。該実施形態は、咽頭後壁における軟組織固定に特に有用である。咽頭後壁インプラント36はそれぞれ、図9B及び9Cにそれぞれ示す尾側(下側)に向く突出部47及び49を含む。該尾側に向く突出部47及び49により、磁性インプラント36は、咽頭後壁内部での治療効果のある尾側から頭側の向き(即ち、下側から上側)で、安定化することが可能になると同時に、咽頭壁インプラント36と磁気相互作用するように設置されている舌及び/又は軟口蓋/口蓋垂の関連する磁性インプラント又は複数の磁性インプラントに関してずれを回避することが可能になる。
睡眠時無呼吸の治療は、効果的な磁場を生成すると同時に組織のかさばり及び大きな障害となるのを制限するために、大きく平坦なインプラントの挿入を必要とする場合がある。そのような場合、フック及び返しなどの突出部が、上面組織を捉え動きを制限するように設けられることが望ましい。
図10A及び10Bは、例えば舌又は口腔咽頭部の組織内に掘り進むフック52を備える略平坦なインプラント50の代表的な実施形態を示す。図10C及び10Bは、同じ機能を提供する返し52を備える略平坦なインプラント50の代表的な実施形態を示す。フック、返し、又はその2つの組合せ、又は等価の構成要素は、磁性インプラントの移動及び折重なりを防止する。
図11A(1)〜11A(4)は、少なくとも1つの組織貫通返し又はフック61を有するインプラント54の代表的な実施形態を示す。該実施形態は、特に、咽頭後壁での埋込みに適合されている。図11A(1)は、少なくとも1つの固定アセンブリ55を含むインプラント54を示す。インプラント54の頭(上)端部及び/若しくは尾(下)端部のどちらか又は両方は、真直ぐか、なだらかに丸いか、又は湾曲していてもよい。固定アセンブリ55は、一方の端部に、組織縫合糸又はステープルの通路を供給するための大きさ及び構成になっているループ57を含む。使用において、ループ57は、この目的のために、インプラント54の頭端部を越えて突出することが意図されている。固定アセンブリ55は、他方の端部に、鋭利な組織貫通又は固定用の返し又はフック61を含む。使用において、返し61は、インプラント54の尾端部を越えて突出することが意図されている。返し又はフック61は、例えば、弾性的な形状記憶NiTi針金、弾性的な形成ステンレス鋼316L、又は任意の他の医療グレード金属から製造することができる。(図11A(2)が示す通り)外部圧力の付与により、返し又はフック61を弾性的に真直ぐにすることができ、加圧の不在下では、湾曲したフック形状に弾性的に戻ることができる(図11A(1)が示す通り)。
図示されている実施形態(図11A(1)及び図11A(2)参照)では、固定アセンブリ55は、フック端部61を最初に、インプラント54内に形成されている狭くなった頭側−尾側チャネル63を通過するような大きさ及び構成になっている。チャネル63は、例えば、NiTi管から形成することができる。使用において、チャネル63は、頭側−尾側方向に延び、咽頭導管の長手方向の解剖学的軸に対して平行である。チャネル63は、インプラント54により担持されている個々の磁石65を貫通して形成されている孔を貫通して延びてもよい。或いは、図11A(1)に示す通り、チャネル63は、インプラント54自体の柔軟なポリマーマトリックス材料を貫通する。
チャネル63の頭端部内に導入されると(図11A(3)参照)、フック状端部61は、チャネル63の領域内部で弾性的に真直ぐになる。チャネル63の尾端部を離れると、フック端部61は、弾性的にそのフック形状に戻る(図11A(4)参照)。所定のインプラント54は、複数の固定アセンブリ55を収容するために、複数のチャネル63を含み得ることが理解されるべきである。複数の固定アセンブリの各々は、組織内でインプラント54を固定するための縫合糸ループ57及び返し状端部61を備える。
埋込み中(図11A(3)参照)、インプラントデバイス54を、例えば、咽頭導管壁の組織内に外科的に作られるポケットP内部に設置することができる。組織ポケットP内部でのインプラント54の位置が確実に正しくなるように、X線又は任意の他の適切な画像を撮ることが望ましい。組織ポケットP内でのインプラント54の正確な位置が確認されると、フック端部61を最初に、頭端部から尾端部へチャネル63を通って、所望の数の固定アセンブリ55が通過する(図11A(3)参照)。チャネル63を離れると、端部(単数又は複数)61は、弾性的にそのフック形状に戻り(図11A(4)参照)、ポケットP内部の咽頭壁組織を貫通し、組織ポケットP内部でインプラント54の尾部を固定する。次いで、インプラント54の頭端部は、ループ57を通過した縫合材料Sにより固定することができる(同じく図11A(4)が示す通り)。
インプラント54を再配置又は除去する必要がある場合、ループ57から縫合材料Sを除去することができる。次いで、解放されたループ57を引っ張ることにより、フック61を組織から引き抜き、チャネル63の尾端部内に戻すことができる(図11A(2)が示す通り)。フック61が引き抜かれチャネル63内で真直ぐになると、インプラント54は、ポケットPから完全に除去することができるか、又は患者のニーズに従って再配置し、次いで、再装着することができる。
図11B(1)は、少なくとも1つの組織貫通返し又はフック67を有するインプラント54の別の代表的な実施形態を示す。該返し又はフックは、特に、咽頭後壁における埋込みに適合されている。図11B(1)では、2つのフック67が示されている。各返し又はフック67は、例えば、NiTi針金、ステンレス鋼316L、又は任意の他の医療グレード金属から製造することができる。図11B(1)に示す実施形態では、各返し又はフック67は、例えば、1つ又は2つの磁気構成要素に結合することにより、インプラント54に永久的に装着されている。返し又はフック67は、インプラント54の尾端部から延出している。取外し可能な保護カバー69(例えば、U型ニチノール又は任意の他の生体適合性材料から作製される)は、使用に先立ち(図11B(1)が示す通り)且つ/又は埋込み中に(図11B(2)が示す通り)、返し又はフック67の上を覆って取り付けることが望ましい。
埋込み中に(図11B(2)参照)、インプラントポケットPは、咽頭導管組織に外科的に作られる。この配置では、形成されるポケットPは、図11B(2)においてDで示される距離、例えば少なくとも3mm、だけインプラント54自体よりも長いことが望ましい。インプラント54は、図11B(2)が示す通り、尾端部が最初に、ポケットP内に設置される。インプラント54の位置が確実に正しくなるように、X線又は任意の他の適切な画像を撮る。組織ポケット内でのインプラント54の正確な位置が確認されると、インプラント54は、Dより短い距離だけ(例えば、約2mmだけ)ポケットP内へ降下させられ、保護カバー69は取外される(図11B(3)参照)。各返し又はフック67は、ポケットP内部で咽頭壁組織を貫通し、ポケットP内部でインプラント54の尾部を固定する。次いで、インプラント54の頭端部の開口を通過した縫合材料Sにより、インプラント54の頭端部を固定することができる(図11B(3)が示す通り)。
インプラント54を除去するか又は再配置する必要がある場合、インプラントポケットPは再度開かれ、インプラント54より少なくとも3mm長いポケットPを再度作る。インプラント54の頭端部における縫合糸Sは切断され、インプラント54はポケットP内部で下降させられ、各返し又はフック67を周囲組織から解放し、その結果、保護カバー69は返し又はフック67上に取り付け戻すことができる。
図11B(4)が示す通り、特別なへらツール300を使用して、返し又はフック67の解放を容易にすることができる。へらツール300は、インプラント54と略同一幅の遠位端302を有する。遠位端302は、返し又はフック67の鋭利な端部に係合するための大きさ及び構造になっている柔軟ポリマー材料を含む。使用において、図11B(4)が示す通り、へらツール300は、インプラントデバイス54に対してインプラント54の背後に挿入され、返し又はフック67を組織から解放するのを助ける。インプラント54の返し又はフック67が組織から解放されると、それらは遠位端302の柔軟ポリマー材料を捉える。へらツール300及び装着されたインプラント54は、図11B(5)が示す通り、もはやポケットPから容易に除去することができる。ポケットPから除去されると、返し又はフック67を遠位端302から解放することができ、返し又はフック67上を覆って保護カバー69を取り付け戻すことができる。インプラント54は、必要に応じて、前述した方法でポケット内へ再配置するよう再び準備される。
1つ又は複数の返し又はフックを備える、記載されている固定システムは、インプラントシステムの治療効果を最大にするために、咽頭後壁インプラントが所望の位置で安定することを可能にする。
図11C(1)及び11C(2)は、少なくとも1つの組織貫通返し又はフック71を有するインプラント54の別の代表的な実施形態を示す。該実施形態は、特に、咽頭後壁における埋込みに適合されている。
図11C(1)に示す通り、インプラント54は、U型キャリア75を含む固定アセンブリ73を含む。該U型キャリアは、少なくとも1つの組織貫通返し又はフック71を保持する。図示の実施形態では、キャリア75は、複数の返し又はフック71を保持している。前述した通り、各返し又はフック71は、例えば、弾性的な形状記憶NiTi針金、弾性的な形成ステンレス鋼316L、又は任意の他の医療グレード金属から製造することができる。U型キャリア75は、インプラント54内部に第1の位置(図11C(1)に示す)と第2の位置(図11C(2)に示す)との間で形成されている軌道79内を滑動する。第1の位置(図11C(1))では、返し又はフック71はインプラント54の内部に収納されている。第2の位置(図11C(2))では、返し又はフック71は軌道79内の孔を通ってインプラント54から外側に延出している。
埋込み中、インプラント54は、外科的に形成された組織ポケットP(図11C(3)参照)(例えば、咽頭後壁に形成されている)の内部に設置される。この時、第1の位置でのキャリア75は、返し又はフック71を収納している状態にある。インプラント54の所望の位置が達成されると、キャリア75は、第2の位置(図11C(4)参照)へ移動し、ポケットP内部で返し又はフック71を前進させて組織に貫通接触させる。1つ又は複数の縫合糸Sを、インプラント54の頭端部でキャリア75に適用することができる。磁性咽頭後壁インプラント54の再配置又は除去が必要な場合、キャリア75を第1の位置まで引き上げて返し又はフック71を収納することができ、その結果、インプラント54を、ポケットP内部に再配置することができるか、又はポケットPから除去することができる。
代替の装置では、U型キャリア75は、側部の返し又はフック71を含む必要はないが、軌道79内を滑動しインプラント54の尾端部を出て組織に係合する細長いステープルを含む。この装置では、インプラント54の再配置又は除去が必要な場合、キャリア75を引き上げて尾端部でステープルを収納することができ、その結果、インプラント54は、ポケットP内部に再配置することができるか、又はポケットPから除去することができる。前述した通り、1つ又は複数の縫合糸をインプラント54の頭端部でキャリア75に適用することができる。
(4.外部固定手段)
インプラントは、インプラントの応力を低減するものの、それらがデバイス形状を維持できるようにする特性を有する必要がある。所定のインプラント62の応力を制限する別の方法は、開口64を含むことである。図12に示す通り、外部固定手段、例えば縫合糸又はステープル、は、該開口を通過してインプラントを周囲組織に装着する。この装着は、組織に対して、インプラントの頭端部又は尾端部のどちらにおいてであってもよい。更に、下にある組織の厚さが許せば、(前述した)シリコーン延出部などの返しもまた、インプラント62内に組み込まれてもよい。この構造は、インプラント端部にかかる力の量を制限し、突出を招く可能性のある動きを阻止する。(前述した)丸い角部60もまた設けられており、周囲組織のより速やかな治癒を可能にする。
インプラントは、インプラントの応力を低減するものの、それらがデバイス形状を維持できるようにする特性を有する必要がある。所定のインプラント62の応力を制限する別の方法は、開口64を含むことである。図12に示す通り、外部固定手段、例えば縫合糸又はステープル、は、該開口を通過してインプラントを周囲組織に装着する。この装着は、組織に対して、インプラントの頭端部又は尾端部のどちらにおいてであってもよい。更に、下にある組織の厚さが許せば、(前述した)シリコーン延出部などの返しもまた、インプラント62内に組み込まれてもよい。この構造は、インプラント端部にかかる力の量を制限し、突出を招く可能性のある動きを阻止する。(前述した)丸い角部60もまた設けられており、周囲組織のより速やかな治癒を可能にする。
図13は、インプラント66を示す。該インプラントの内端68は孔70を含み、インプラントを組織、例えば咽頭壁内、に固定するために外科糸又は縫合糸72の使用を可能にする。
(5.組織内方成長)
図8Aに示すインプラント36は、組織内方成長を可能にする孔又は切抜き43の網状構造を含む。孔又は切抜き43が可能にする周囲組織の内方成長は、インプラントを更に安定させる。図8Aに示すインプラント36を、例えば、組織内方成長を促進するように戦略的に配置されている所定の切抜き43を備える舌インプラントとして、使用することができる。組織内方成長を促進することは、インプラントの移動を更に阻止する固定位置を提供することにおいて有益である。
図8Aに示すインプラント36は、組織内方成長を可能にする孔又は切抜き43の網状構造を含む。孔又は切抜き43が可能にする周囲組織の内方成長は、インプラントを更に安定させる。図8Aに示すインプラント36を、例えば、組織内方成長を促進するように戦略的に配置されている所定の切抜き43を備える舌インプラントとして、使用することができる。組織内方成長を促進することは、インプラントの移動を更に阻止する固定位置を提供することにおいて有益である。
図8Bに示す湾曲したインプラント56もまた、開口58をインプラント56の中心に組み込んでいる。該開口は、組織内方成長を可能にしインプラントを更に安定させる。前述の通り、本実施形態は、特に、舌における埋込みに最適である。インプラントのなだらかな曲線により、周囲組織の広い領域が周囲で成長してインプラントを捉えることが可能になり、このようにして自然な固定を提供する。
(6.組織内方成長の刺激)
図14A及び14Bは、図8Aに示すタイプのインプラント36を示す。該インプラントでは、孔43の網状構造は成長刺激媒体74で満たされている。該成長刺激媒体は、組織上層と組織下層との間にある隙間を埋め、速やかな治癒を促す。図14Bは、インプラントに使用されている成長媒体74のクローズアップを示す。成長刺激物質74は生体吸収性とすることができるか、又は細胞増殖の足場としての役割を果たすことができると考えられる。組織内方成長は、インプラントを安定させるのに役立つ。
図14A及び14Bは、図8Aに示すタイプのインプラント36を示す。該インプラントでは、孔43の網状構造は成長刺激媒体74で満たされている。該成長刺激媒体は、組織上層と組織下層との間にある隙間を埋め、速やかな治癒を促す。図14Bは、インプラントに使用されている成長媒体74のクローズアップを示す。成長刺激物質74は生体吸収性とすることができるか、又は細胞増殖の足場としての役割を果たすことができると考えられる。組織内方成長は、インプラントを安定させるのに役立つ。
(7.生体適合性糊)
図15は、図8Aに示すタイプのインプラント36を示す。該インプラントでは、孔43の網状構造は組織接着剤76又は糊(例えば、フィブリン接着剤、シアノアクリレート)で満たされている。そのような糊は、単独で使用されてもよいか、又は手術直後の組織安定性をもたらすために成長刺激媒体74と併せて使用されてもよい(図14A及び14Bに示す)。
図15は、図8Aに示すタイプのインプラント36を示す。該インプラントでは、孔43の網状構造は組織接着剤76又は糊(例えば、フィブリン接着剤、シアノアクリレート)で満たされている。そのような糊は、単独で使用されてもよいか、又は手術直後の組織安定性をもたらすために成長刺激媒体74と併せて使用されてもよい(図14A及び14Bに示す)。
(8.ネットアレイインプラント)
図16は、ネットアレイインプラント98の平面図である。磁石ディスク又は鉄ディスク100は、磁石形状又は鉄形状のそれぞれを取り囲むフランジ102を備える網様ウェビングにより連結されている。各ディスク100は、十字ウェブ104により隣接するディスクに連結されており、該ウェブは、体液及び体組織からの保護及び隔離を提供する。
図16は、ネットアレイインプラント98の平面図である。磁石ディスク又は鉄ディスク100は、磁石形状又は鉄形状のそれぞれを取り囲むフランジ102を備える網様ウェビングにより連結されている。各ディスク100は、十字ウェブ104により隣接するディスクに連結されており、該ウェブは、体液及び体組織からの保護及び隔離を提供する。
開口106は、広い領域を提供する。該領域内では、組織の速やかな再結合及び治癒のために、外科的に作られたポケットの対向面が(縫合されて又は別途)閉じられてもよい。更に、ディスクを取り囲む狭いフランジは、組織面の更なる接近に対し隙間を提供する。ディスクの外縁(図17参照)は、勾配が付けられており108、組織がディスク周囲に近接して形成することが可能になり、インプラント98が存在することになる組織ポケットの対向面間に最大の表面組織接触を提供することが可能になる。
ネットアレイウェブを作製する材料は、ポリマー又は化合物であることが好ましい。ポリマー又は化合物は、予測可能な屈曲モジュールを提供し、通常の発話及び嚥下を可能にし、不快感、又はこれらの機能に影響を及ぼすことはない。一定の医療グレードのシリコーンゴム、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)テフロン(登録商標)、及びゴアテックス(登録商標)を使用する特定の積層は、本用途のための適切な候補である。アレイウェブを作製する材料の更なる望ましい特性は、周囲組織(内方成長)により装着を支持する表面を提供することである。広範なPTFE及びゴアテックス(登録商標)は、この特性を呈示することが知られている。
図18は、ネットアレイインプラント98の代替の実施形態を示す。この実施形態では、フランジ110は、アレイの外側周囲で連結されている。また、十字連結112は、ディスク100を対角線で結合し、更なる安定化を実現する。
ウェビングの数多くの種々の構成を採用して種々の可撓性又は剛性を提供してもよい。例えば、全ての十字のウェビング及び周囲連結は、直線の代わりに蛇行路を辿ることができる。このことにより、舌筋組織が発話、嚥下等の間に伸縮した場合、ディスクは互いに近づいたり離れたりすることが可能になる。
更に、磁石又は鉄の形状は、例えば、(次のものに限定されないが)四角形、長方形、長円形、楕円形など、円形以外でもよい。
磁石ネットアレイ98は、高度に安定した埋込み型の磁性デバイス又は鉄デバイスを提供する。該デバイスは、移動磁石反転、及び閉塞性呼吸イベントに関係する睡眠中の気道の閉塞を防止するのに必要な力の不足に関連する問題点を克服する。更に、磁石ネットアレイは、創傷面の近接により、任意の引力又は反発力の適用に先立つ外科的埋込み部位の治癒を可能にし、急速な治癒を促すことを可能にする。
ネットアレイ98を、種々の方法で安定した態様で埋め込むことができる。
図19は、舌の左後面からの開口116を備える、外科的に作られたポケット114を示す。磁石又は鉄装填ネットアレイ98は、開いたポケット内への設置のために位置決めされる。図20は、挿入されたネットアレイ98、及び縫合糸、ステープル、組織接着剤、又は他の受容される創傷縫合手段118を用いて閉じられた開口116を示す。ポケットの対向する内表面の緊密な接近を実現するために、ネットアレイ98の開いた領域において更なる縫合糸120又は他の組織固定手段を適用することができる。アレイ98の開口にける縫合糸の正確な配置を補助するために、外科医にテンプレートが提供されてもよい。
図21は、前述した水平向きの代わりに垂直に向けられる外科的に作られたポケット114を示す。この手法は外科医に好まれ、実施があまり困難でなく、又は結果的に手術の成績が向上する可能性がある。両方法又は角度のあるものなどの他の向きは、本発明の目的の範囲内である。ポケット114の開口116は上方にあり、ネットアレイ98は、ポケット114内に配置される。図22は、埋め込まれたネットアレイ98及び前述の適切な閉鎖手段118を用いて閉じられた開口を示す。更に、追加の縫合又は他の固定手段120は、ネットアレイ98の開口領域内に配置される。アレイ98の開口における縫合の正確な配置を補助するために、外科医にテンプレートが提供されてもよい。
(9.特別な寸法の外科的ポケット)
図23が示す通り、外科的に形成されたポケット96は、所定のインプラント(例えば、図8Aに示すインプラント36)の横及び縦の寸法に関して、横はきついが縦は緩く形成されてもよい。図23は、例示の目的で、インプラント36が図8Aに示すタイプであるように示すが、ポケット96は、他のタイプのインプラントを収容する大きさとすることができる。ポケットの寸法は、インプラント36の前後の動きに適応するが、インプラント36の横の動きを制限する。ポケットの寸法は、インプラントの移動を阻止する一方で、インプラント36が通常の活動中に組織、例えば舌、と共に動くことを可能にする。
図23が示す通り、外科的に形成されたポケット96は、所定のインプラント(例えば、図8Aに示すインプラント36)の横及び縦の寸法に関して、横はきついが縦は緩く形成されてもよい。図23は、例示の目的で、インプラント36が図8Aに示すタイプであるように示すが、ポケット96は、他のタイプのインプラントを収容する大きさとすることができる。ポケットの寸法は、インプラント36の前後の動きに適応するが、インプラント36の横の動きを制限する。ポケットの寸法は、インプラントの移動を阻止する一方で、インプラント36が通常の活動中に組織、例えば舌、と共に動くことを可能にする。
横はきついが縦は緩い外科的ポケットに加えて、「適合した」形状のインプラントのために、外科的ポケットの数多くの種々の実施形態が考慮されている。そのような実施形態には、U型、O型、及びL型の外科的ポケットが含まれるがそれらに限定されない。
(10.開いたインプラント)
先行する実施形態は、磁性インプラントのポリマーマトリックスの網様構造による周囲組織の成長を可能にすること及び/又は促進することにより、種々の型のインプラントを安定させる。インプラントを安定させる別の方法は、インプラントの中心にある組織を実質的に無傷のままにすることによるものである。
先行する実施形態は、磁性インプラントのポリマーマトリックスの網様構造による周囲組織の成長を可能にすること及び/又は促進することにより、種々の型のインプラントを安定させる。インプラントを安定させる別の方法は、インプラントの中心にある組織を実質的に無傷のままにすることによるものである。
図24は、(例えば、舌において)同一形状の組織ポケット82内に設置されているU型インプラント78を示す。インプラント78の中心にある組織81は、実質的に無傷のままになっている。インプラントの形状は、移動を防止し組織対インプラントの相対的動きを制限するように適合されている。
図25A〜25Dは、U型インプラント78を舌内に挿入する方法を示す。図25Aでは、舌に2つの切開80が開かれる。2つの切開80を使用して、組織内にU型インプラントポケット82を切り開く。図25Bでは、湾曲した鉗子を使用して、縫合糸84がU型ポケット82を通して押し進められる。次いで、縫合糸の一方の端部がインプラント78に結び付けられる。図25Cでは、インプラントを推し進めるために一方の端部で湾曲した鉗子を使用し、他方の端部からインプラントを徐々に引っ張り、U型インプラント78はポケット82内に嵌め込まれる。このプロセスの間、U型ポケットの1つの脚は、インプラントがポケット内で方向転換する時に拡張される。図25Dでは、2つの切開80は、縫い目84で閉じられる。本方法により、インプラントは、その特定の位置で効果的に安定することが可能になる。
図26Aは、(例えば、舌において)同一形状の組織ポケット88内に設置されているO型インプラント86を示す。U型インプラント78と同様に、O型インプラント86は、インプラント86の中心にある組織90を実質的に無傷のままにする。このインプラント形状は、同様に、移動を防止し、組織対インプラントの相対的動きを制限するように適合されている。
図26Bは、O型インプラント86を示す。そこでは、磁石87が片側上のみに配置されている。磁石のない側89は、舌の力を分配してインプラントを安定させる方向舵としての機能を果たす。中心にある開口は、偏心を阻止するために無傷の舌縫線組織を組み込んでいる。図26Cは、図26Bに示すタイプの片面O型インプラント86と対応する反発する咽頭壁インプラント101との間の相互作用の側面図を示す。
図27A〜27Dは、前述のO型インプラント86を挿入する方法を示す。O型インプラント86は、例えば図26Aに示す実施形態のように両側に、例えば図26Bに示す実施形態のように片側のみに、磁石87を有していてもよい。両タイプのO型インプラントは、同一の挿入方法を用いると考えられる。図27Aでは、切開92が舌に開かれ、O型ポケット88が組織内に作られる。図27Bでは、開リンクL1及びL2を備える(即ち、開いた構成の)O型インプラント86が、O型ポケット88内に挿入される。図27Cでは、O型インプラント86の開リンクL2は、O型ポケット88の後角部を曲がって挿入され、他方の開リンクL1を反対側の後角部まで引き寄せる。(図27Cが示す通り)リンクL1及びL2は隣接しており、このため、インプラント86を閉じた構成に変える。図27Dでは、切開92は縫い目94で閉じられる。本方法を同様に用いると、インプラントは、その特定の位置でしっかりと安定する。
(B.埋込み中及び埋込み後のインプラントの折重なり又は「反転」の防止)
埋込み中且つ(適切に安定していない場合は)埋込み後、並行する磁石アレイは互いに引き付け合いインプラントを折り重ねるか又は内側に反転させる。
埋込み中且つ(適切に安定していない場合は)埋込み後、並行する磁石アレイは互いに引き付け合いインプラントを折り重ねるか又は内側に反転させる。
そのようなインプラントアセンブリは、アレイ間により堅い十字支持構造体を設けて2つのアレイを互いに引き付ける動きを阻止することにより、安定させることができる。前述の通り、図13は、2つの磁石アレイ124及び126の間に堅固な区域122を備えるインプラント66を示す。堅固な区域122は、インプラントの2つの区域124及び126が埋込み中に引付けにより互いの方向への移動するのを阻止する。
図28は、埋め込み中の折重なりを防止する構造を有する磁性インプラント128の代替の実施形態を示す。磁性インプラント128は、2つのより小さな堅い構造134及び136によって柔軟に結合されている、2つの主要な磁気区域130及び132で構成されている。2つのより小さな堅い構造134及び136の柔軟性のある並置は、4つの捩れの可能性のある点を提供する。インプラント128は該捩れ点により柔軟に捻れることがあるが、インプラント128は折重なりを回避する。
図29は、磁性インプラント138の代替の実施形態を示す。該磁性インプラントは、2つの磁気区域142及び144の間で磁性インプラントデバイスに統合されており、埋込み中にインプラント138が折り重ならないように保つ中央ウェビング140を含む。中央ウェビング140は、挿入プロセス中に堅さを増すための堅い構造を含む。インプラント138が、(例えば、設けられている孔146を通る縫合糸により)所望の(且つ安定した)位置にある場合、中央ウェビング140は切断され除去されてもよい。これにより、インプラント138は、埋込み中の折重なりを阻止する一方、埋込み後に柔軟になる。
図30A〜30Cは、磁性インプラント148の代替の実施形態を示す。該磁性インプラントは、磁石ディスク158の2つのアレイ154及び156の間にある柔軟なヒンジ150及び152を含む。図30B及び30Cは、磁石ディスク158の北(N)‐南(S)の極性を示す。柔軟なヒンジ150及び152は、アレイ154及び156が旋回して蛇行形状になることを可能にするが(図30C参照)、アレイ154及び156が折り重なるのを防止することが可能になる。
前述のインプラントアセンブリの中には、磁石アレイ間の堅い十字支持構造の存在により補強され、アレイ間の引力がアレイを反転させるか又は折り重ねるのを阻止するものもある。しかし、特定のインプラントに関しては、たとえそのことにより反転し易くなるとしても、所望の柔軟性を有することが望ましい場合もある。これらのインプラントに関しては、例えば、縫合糸又は他の形態の固定によりインプラント部位におけるインプラントの固定及び安定を達成し得るまで、埋込み中に磁石アレイの分離を制御することが望ましい。
図31及び32A〜32Dは、(埋込み前に図31に示す)磁性インプラント190の磁石アレイ200及び202の分離を制御するためのツール及び関連する方法論を示す。該磁性インプラントは、磁気相互作用に応答して折り重なり反転する傾向がある。図32Aが示す通り、縫合糸192は、インプラント190の磁石アレイ200の1つに通されており、結ばれてループ194を形成する。同じく図32Aが示す通り、縫合糸ループ194が形成された後、磁石アレイ200及び202が重なるようにインプラント190は折り畳まれる。折り重なると、インプラント190は、切開を通して(例えば、図19、21、又は23に示すポケットと同様の)組織ポケット内に設置される。
図32Bが示す通り、ポケット内部では、第1の非磁性手術器具196が、組織筋膜に当ててインプラント190の磁石アレイ202を保持する。第2の非磁性手術器具198が、縫合糸ループ194に通して配置される。図32B及び32Cが示す通り、第1の器具196が組織に当てて磁石アレイ202を保持し、且つ第2の器具198が縫合糸192の両端を若干側部の方に引き上げて磁石アレイ200を磁石アレイ202から分離しながら、縫合糸ループ194は引っ張られる。縫合糸ループ194が引っ張られると同時に、第2の器具198は引き続き磁石アレイ200を誘導して、ポケット内部で磁石アレイ200及び202を分離する。図32Dが示す通り、磁石アレイ200及び202が分離した状態で、適切な固定縫合糸206が、アレイ200及び202に設けられている縫合糸孔204を通され、ポケット内部で各磁石アレイ200及び202を組織に固定する。次いで、設置縫合糸192は切断され除去される。器具196及び198は引き抜かれ、ポケットは閉じられる。
磁石アレイを分離するために使用される器具196及び198には、鉗子、コンパス様延展器、鉗子、舌圧子、及び持針器が含まれる。それらは、非磁性材料、例えばチタン、から製造される。
(C.他の技術特徴)
(1.咽頭壁用インプラント)
咽頭壁は、日常的に相当な動きに耐える動的構造体である。良好な受容性のある咽頭壁インプラントに関して、そのようなインプラントは、前後方向には柔軟であると同時に、効果的に安定させることができなければならない。
(1.咽頭壁用インプラント)
咽頭壁は、日常的に相当な動きに耐える動的構造体である。良好な受容性のある咽頭壁インプラントに関して、そのようなインプラントは、前後方向には柔軟であると同時に、効果的に安定させることができなければならない。
図33は、磁石アレイ区域162の間にあるスパン部材160を有するインプラント158を示す。該磁石アレイ区域は、中心線の両側に垂直(長)軸に沿って延びている。スパン部材160はそれぞれ、磁石アレイ区域162の厚さと比較して厚さが薄い。スパン部材160のより薄い横断面が前後方向の柔軟性を促進する一方、より厚い磁石アレイ区域162は中央−横方向の柔軟性を阻止する。この選択的柔軟性により、周囲生体構造の動きをよく模倣するので、インプラントは所定の位置に留まることが可能になる。
インプラント158は、例えば、固定のための縫合糸又はファスナの通過に適応する孔、より速やかな治癒を促すための丸い角端部及び勾配付きの側端部166など、埋込み中に安定性及び快適さをもたらす前述した他の特徴を有する。
咽頭後壁インプラントは、インプラントの尾端部の後壁内の組織への装着/縫合に関連する問題に起因する特別な課題を提示する。長方形の咽頭後壁インプラントは、脊椎に関連するずれの影響を受けることが多い。脊椎に関連するずれは、舌/軟口蓋/口蓋垂インプラントと咽頭後壁インプラントとの間の磁気相互作用をオフセットする。縫合糸を用いて上部のみで長方形のデバイスを装着した場合、舌根からの磁力は横方向に揺れ、後壁プレートをずらす。
図34A及び34Bは、後壁の自然な動きを妨げずに咽頭後壁インプラントに十分な剛性を提供して振り子様の動きを阻止するような位置内に、咽頭後壁インプラント54を安定させるのに役立つ方法を示す。換言すれば、インプラント54により、組織ポケットを破るか又は再度開いてしまうと考えられる横方向の動きを防止すると同時に、咽頭後壁の通常機能のための前後の動きが可能になる。
図34A及び34Bに示す通り、インプラント54は、インプラント54の後(組織に対向する)面に固定されている支持ブレース180を含む。支持ブレース180は薄く、十字形状と三叉形状とを併せ持っている。支持ブレース180は、尾端部及び頭端部のそれぞれにインプラント54の頭端部及び尾端部を縫合するための孔183を備える、垂直軸181を含む。支持ブレース180は、各端部から90°と180°の間の角度で持ち上がっている2つのハンドル187を備える水平構成要素185を含む。ハンドル187の各々は、支持ブレース180を咽頭後壁組織に縫合するための孔189を含む。
咽頭後壁インプラント支持体は、前後の動きにおいては弾性的であるが横方向の動きに対しては堅固であり、支持体の垂直軸まわりに捻じれる材料で作製されることが望ましい。そのような材料には、チタン、生体適合性プラスチック、及び他の生体適合性材料が含まれる。
図35は、磁性咽頭後壁インプラントの代替の構造を示す。咽頭後壁インプラント184は円形で、中央に配置されている装着孔186を備えている。該円形構造は、円の中心で脊椎の上の位置に縫合される。
舌インプラントが脊椎と同一線上にあるとすれば、円形の磁性咽頭後壁インプラントは、脊椎の上に中心で装着される。円形形状は、何らの追加の固定又は補正なしに完全な位置合わせを容易にする。円形形状が中心で装着された場合、図35に示すように、該形状はセルフセンタ形状を有する。
(2.舌用インプラント)
図36は、舌における埋込みに適合されたインプラント170を示す。インプラント170は、舌の形状及び動きを考慮にいれる選択的柔軟性を提供する。インプラント170は柔軟な十字部材172を含み、該十字部材は、短(横)軸に沿って延出する十字部材174より厚い(そのため柔軟性がより低い)長(縦)軸に沿って延びる。このインプラント170の構造は、長手方向の補強を促進し、インプラントが折り重なるのを阻止する。インプラント170のより狭い領域を通るより薄い十字部材174により、通常の口の動きの間に舌の動きを良く模倣する柔軟性が可能になる。本発明の実施形態は、インプラントの安定性に患者における受容性の増大を組み合わせる利点を有する。
図36は、舌における埋込みに適合されたインプラント170を示す。インプラント170は、舌の形状及び動きを考慮にいれる選択的柔軟性を提供する。インプラント170は柔軟な十字部材172を含み、該十字部材は、短(横)軸に沿って延出する十字部材174より厚い(そのため柔軟性がより低い)長(縦)軸に沿って延びる。このインプラント170の構造は、長手方向の補強を促進し、インプラントが折り重なるのを阻止する。インプラント170のより狭い領域を通るより薄い十字部材174により、通常の口の動きの間に舌の動きを良く模倣する柔軟性が可能になる。本発明の実施形態は、インプラントの安定性に患者における受容性の増大を組み合わせる利点を有する。
インプラント170は、埋込み中に安定性及び快適さをもたらすために、前述した他の特徴を有する。例えば、インプラント170はまた、一体化された固定タブ176を含む。該一体化された固定タブは、磁石ディスク178から外側に延出して隣接する組織に係合し、固定及び安定を強化する。該インプラントはまた、前述の通り、組織内方成長又は組織内方成長促進物質若しくは生体接着剤の設置のために孔180を含む。
本明細書の開示は、当業者が本発明を実施することができるように詳細且つ正確であるが、本明細書に開示されている物理的な実施形態は、本発明を例示しているに過ぎず、他の特定の構造体において具現化されてもよい。好適な実施形態を記載したが、詳細は、本発明の技術特徴から逸脱することなく変更されてもよい。
Claims (42)
- 少なくとも2つの強磁性構成要素と、
該強磁性構成要素を相隔たる関係で担持する支持構造体と、
該支持構造体の該強磁性構成要素間に形成されている少なくとも1つの開口と
を備えている、インプラントデバイス。 - 前記少なくとも1つの開口は、組織内方成長に適応する大きさ及び構成になっている、請求項1に記載のインプラントデバイス。
- 前記少なくとも1つの開口に担持されている組織成長刺激物質を更に含む、請求項2に記載のインプラントデバイス。
- 前記少なくとも1つの開口に担持されている生体適合性糊を更に含む、請求項1に記載のインプラントデバイス。
- 前記少なくとも1つの開口は、外部固定要素の設置に適応する大きさ及び構成になっている、請求項1に記載のインプラントデバイス。
- 前記外部固定要素は縫合糸を備えている、請求項5に記載のインプラントデバイス。
- 前記外部固定要素はステープルを備えている、請求項5に記載のインプラントデバイス。
- 前記支持構造体はポリマーマトリックスを備えている、請求項1に記載のインプラントデバイス。
- 前記支持構造体により前記強磁性構成要素間の湾曲が可能になる、請求項1に記載のインプラントデバイス。
- 前記支持構造体は網様開口アレイを含む、請求項1に記載のインプラントデバイス。
- 前記開口は、前記支持構造体の幾何学的中心を占める、請求項1に記載のインプラントデバイス。
- 前記支持構造体は、略U型、又は略L型、又は略O型である、請求項11に記載のインプラントデバイス。
- 前記支持構造体は、略円形である、請求項11に記載のインプラントデバイス。
- 前記支持構造体は、略円形形状を形成するように隣接するリンク含む、請求項13に記載のインプラントデバイス。
- 前記支持構造体は、前記少なくとも1つの開口の近くが堅くされている、請求項1に記載のインプラントデバイス。
- 強磁性構成要素と、
該強磁性構成要素を担持する支持構造体と、
組織に係合して該支持構造体を安定させるための大きさ及び構成になっている、該支持構造体から延出する少なくとも1つの突出部と
を備えている、インプラントデバイス。 - 前記少なくとも1つの突出部は返しを備えている、請求項16に記載のインプラントデバイス。
- 前記少なくとも1つの突出部はフックを備えている、請求項16に記載のインプラントデバイス。
- 前記突出部を前記支持構造体に対して選択的に収納し延出させる手段を更に含む、請求項16に記載のインプラントデバイス。
- 前記支持構造体はポリマーマトリックスを備えている、請求項16に記載のインプラントデバイス。
- 前記支持構造体は前記強磁性構成要素に関する湾曲を可能にする、請求項16に記載のインプラントデバイス。
- 強磁性構成要素と、
該強磁性構成要素を担持し、組織と接触するための大きさ及び構成になっている凹凸のある表面を有する第1の面と略滑らかな表面を有する第2の面とを含む支持構造体と
を備えている、インプラントデバイス。 - 組織と接触するために前記第1の面から延出する少なくとも1つの突出部を更に含む、請求項22に記載のインプラントデバイス。
- 前記少なくとも1つの突出部は返しを備えている、請求項23に記載のインプラントデバイス。
- 前記少なくとも1つの突出部はフックを備えている、請求項23に記載のインプラントデバイス。
- 前記支持構造体はポリマーマトリックスを備えている、請求項22に記載のインプラントデバイス。
- 前記支持構造体は前記強磁性構成要素に関する湾曲を可能にする、請求項22に記載のインプラントデバイス。
- 強磁性構成要素と、
該強磁性構成要素を担持し、丸い角部を有する大きさ及び構成になっている支持構造体と
を備えている、インプラントデバイス。 - 前記支持構造体は、広領域と狭領域を交互に形成する凸凹の外縁を有する大きさ及び構成になっている、請求項28に記載のインプラントデバイス。
- 前記支持構造体はポリマーマトリックスを備えている、請求項28に記載のインプラントデバイス。
- 強磁性構成要素と、
該強磁性構成要素を担持し、厚さの異なる領域を含む支持構造体と
を備えている、インプラントデバイス。 - 前記支持構造体は中心線を含み、前記厚さの異なる領域は、中心線の両側に沿って延びる厚さのより薄い領域を含む、請求項31に記載のインプラントデバイス。
- 前記支持構造体は長軸及び短軸を含み、前記厚さの異なる領域は、該短軸に沿って延びる厚さよりも該長軸に沿って延びるより厚い厚さの領域を含む、請求項31に記載のインプラントデバイス。
- 前記支持構造体はポリマーマトリックスを備えている、請求項31に記載のインプラントデバイス。
- 複数の磁石アレイ、及びアレイ間の引付けを防止する手段を備えている、インプラントデバイス。
- 磁性インプラントデバイスと、
組織内に外科的に作られるポケットであって、該磁性インプラントが該ポケット内に設置された場合に該インプラント周囲の無傷の組織が該磁性インプラントの動きを阻止するような、凸凹な形状の大きさ及び構成になっている、ポケットと
を備えている、システム。 - 第1の組織領域内又は第1の組織領域上で設置するための大きさ及び構成になっている、磁北極を有する第1の磁気構造体と、
該第1の組織領域内又は該第1の組織領域上に該第1の磁気構造体と相隔たる関係で設置するための大きさ及び構成になっている、磁北極を有する第2の磁気構造体であって、該磁北極又は該第1及び第2の磁気構造体は、ともに第2の組織領域の方向に向けられている、第2の磁気構造体と、
該第2の組織領域内又は該第2の組織領域上で設置するための大きさ及び構成になっている、磁北極を有する第3の磁気構造体であって、該第3の磁気構造体の該磁北極は、該第1の磁気構造体と該第2の磁気構造体との間にある該第1の組織領域の方向に向けられている、第3の磁気構造体と
を備えている、システム。 - 折畳み構造を形成するために反転するか又は折り重なることができる並行する磁石アレイを備えている磁性インプラントを埋め込むシステムであって、
該折畳み構造を分離し且つ該磁性インプラントを組織内に配置する第1の手段と、
該第1の手段が該折畳み構造を分離する間に、該磁性インプラントを所定の位置に保持する第2の手段と
を備えている、システム。 - 並行する第1及び第2の磁気区域を備えている磁性インプラントを安定させる方法であって、
該第1の磁気区域にある2つの隣接する内側の孔を通して設置縫合糸を通すステップと、
該設置縫合糸を結んでループを形成するステップと、
該第1の区域が該第2の区域に重なるように該インプラントを折り畳むステップと、
該切開を通して壁組織内に形成されているポケット内へ折り込んだまま該インプラントを設置するステップと、
第1の器具を配置して、該第2の区域を筋膜に当てて保持するステップと、
該縫合糸ループに通して第2の器具を配置するステップと、
該設置縫合糸の両端に引っ張り力を加えて該第1及び第2の区域を分離するステップと、
該設置縫合糸が該第1及び第2の区域を分離するように力を加える時に、該第2の器具を使用して該第1の区域を誘導して該第2の区域と並行する関係にするステップと、
該設置縫合糸をそのままにしておく一方、該分離した磁性インプラントの四隅に固定縫合糸を配置するステップと、
該ループを切断するステップと、
該設置縫合糸を除去するステップと
を含む、方法。 - 軟組織内にU型インプラントを挿入する方法であって、
該軟組織内に2つの切開を開くステップと、
該軟組織内にU型ポケットを切り開くステップと、
ツールを使用し一方の切開を通して該U型ポケット内に縫合糸を押し込み、該縫合糸の一方の端部が他方の切開を通って出てくるようにする、ステップと、
該縫合糸の一方の端部を該U型インプラントに結び付けるステップと、
ツールを使用して該インプラントの一方の端部から押し込むと同時に、該インプラントの他方の端部で該縫合糸を引っ張り、該U型インプラントを該特定のポケット内に嵌め込むステップと、
該2つの切開を閉じるステップと
を含む、方法。 - 軟組織内にL型インプラントを挿入する方法であって、
該軟組織内に切開を開くステップと、
該軟組織内にL型ポケットを切り開くステップと、
ツールを使用して該L型ポケット内に該L型インプラントを押し込むステップと、
該切開を閉じるステップと
を含む、方法。 - 軟組織内にO型インプラントを埋め込む方法であって、
該軟組織内に切開を開くステップと、
該組織内にO型ポケットを切り開くステップと、
開リンクを有するO型インプラントを該ポケット内に挿入するステップと、
該ポケット内の該O型インプラントの該開リンクを閉じるステップと、
該切開を閉じるステップと
を含む、方法。
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