JP2009517083A - 比較ハイブリダイゼーションにおける均衡型転座 - Google Patents

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Abstract

本発明は、種々の疾病もしくは種々の疾病の素因に関係する染色体もしくは遺伝子異常の検出およびマッピング、またはラージスケールのコピー数変異事象を検出するための比較ゲノムハイブリダイゼーション法を提供する。この方法は均衡型転座を検出するための1つまたはそれ以上のプローブとのハイブリダイゼーションを含む。それらのプローブは転座する移動ゲノムセグメントに相補的であるか、または転座の切断点に相補的であってもよい。

Description

発明の属する分野
本発明は種々の疾病またはその素因に関係する染色体異常を検出するための方法に関する。特定の観点では、本発明は染色体数異常および染色体転座に焦点を当てる。
発明の背景
以下の記述は読者の理解を促進するために提供するものである。提供する情報または引用する文献はいずれも、本発明の先行技術であると認められるものではない。
比較ハイブリダイゼーション法は、2つの核酸の、第3の標的核酸と相互作用する能力を試験するものである。特に、比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)は染色体異常を検出する方法である。CGHは当初、腫瘍において一般的に見られる欠失、重複、または増幅のようなDNA配列の増加(gain)または減少(loss)の位置を検出および同定するために開発された(Kallioniemiら,Science 258:818-821,1992)。例えば1つまたはそれ以上の染色体の数的異常(すなわち異数性)をもたらす遺伝子変化は、ヒト疾病の有用な診断指標(特に癌マーカーとして)とされてきた。染色体コピー数の変化はほとんど全ての主要なヒト腫瘍型に見られる。総説として、CANCER,Vol.2(Wiley-Liss,1994)の“Catalog of Chromosome Aberrations”(Mittelmanら)を参照されたい。
更に、異数性細胞の存在も遺伝的染色体異常のマーカーとして用いられてきた。種々の染色体異常は全生児出生の推定0.5%で起こりうる。例えばダウン症候群または18トリソミー(およそ生児出生800人に1人の頻度)は一般的に、種々の出生前スクリーニングまたは診断の対象とされる。染色体13、18、21、XおよびYに関する染色体の数的異常は、先天性欠損をもたらす全染色体異常生産児の95%(Whitemanら,Am. J. Hum. Genet. 49:A127-129,1991)、そして全染色体異常(均衡型転座を含む)の67%(Klingerら,Am. J. Hum. Genet. 51:52-65,1992)に上る。
CGHは配列が未知のコピー数変異を有するゲノム配列を発見し、その位置をマッピングするのに有用である。CGHでは、既知の変異を標的とするオリゴヌクレオチドプローブを必要としない。初期のCGH法は、被験DNAおよび正常な対照DNA(それぞれ異なる色で標識される)間の競合インサイチューハイブリダイゼーション、および分裂中期染色体スプレッドを用いる。被験DNA中の、正常な対照DNAに比較してコピー数がより多い、またはより少ない染色体領域は、2つの異なる色からのシグナルの比が変化している領域を検出することによって迅速に同定できる。例えば被験細胞中のコピー数が減少しているゲノム領域では、被験DNAからのシグナルは対照からのものより相対的に低い(ゲノムの他の領域に比較して(例えば欠失));一方、被験細胞中のコピー数が増加しているゲノム領域では、被験DNAからのシグナルが相対的に高い(例えば重複)。コピー数の減少または増加が1コピー配列の減少または増加に限定される場合、CGHの解析能は通常、5-10メガベース(Mb)である。
より最近では、CGHは中期染色体スプレッドではなく個々のゲノム核酸配列の分析に適合されてきた。個々の核酸配列を固相上に整列させるが、それらの配列は1つもしくはそれ以上の染色体全体、またはゲノム全体に相当する。標識された核酸のアレイ標的へのハイブリダイゼーションを、種々の標識(例えば2色性蛍光色素)を用いて検出する。従って複数の個別核酸配列を用いるアレイCGHによって、染色体スプレッドより更に特定された情報を得ることが可能となり、潜在的に感度がより高く、サンプルの分析が容易となる。
例えば一般的なアレイCGHでは、等量の被験サンプルおよび正常対照サンプルの細胞由来の全ゲノム核酸を2色の異なる蛍光色素で標識し、集合的に細胞のゲノムを網羅するクローン化核酸フラグメントを含有するBACアレイに共ハイブリダイズさせる。この共ハイブリダイゼーションから蛍光標識されたアレイが得られ、この着色は、被験および対照ゲノムDNA中の配列の、BACアレイ内の相同配列に対する競合ハイブリダイゼーションを反映する。理論的には、被験および対照ゲノム核酸サンプル中の相同な配列のコピー数の比率は、アレイ内の分離されたBACにおけるそれぞれの着色した蛍光シグナル強度の比率に正比例するはずである。アレイCGHは例えば米国特許第5,830,645号および第6,562,565号に報告されており、ここでは中期染色体スプレッドの代わりに固相支持体上に固定化された標的核酸が用いられている。
2つ以上の色または型の標識された核酸をハイブリダイゼーション混合液に混合する場合、種々の目的に応じて相対濃度および/または標識密度を調整してもよい。調整は、いくつかあるパラメータの中でも特に、好適な検出試薬(アビジン、抗体など)の選択または顕微鏡フィルターの設計によって行ってもよい。定量イメージ分析を使用する場合、数学的標準化を用いて異なる色の染色度の一般的な相違を補正することができる。従って、伝統的なCGHにおいては、異なる標識を使用して被験ゲノム核酸を対照と識別するために、更なる調整または修正が必要となり、これによってサンプルのプロセッシング、サンプル間の標準化、および得られる結果の評価が複雑になる。例えば、結果の目視観察または写真を用いる場合、個々の色の強度を調整して、それらの相対強度変化の可観測性を最適化する必要がある。
CGHは遺伝子分析の強力な手段であるが、染色体の均衡型転座の検出にはこれまで使用されていない。染色体転座は遺伝子異常の一種であり、遺伝物質がある染色体領域から別の領域に転移して起こる。ある種の転座の表現型に対する影響は軽度または知覚できない程度のものでありうるが、中にはより重篤な表現型事象、例えば精神遅滞、不妊、先天性奇形、および異形性をもたらす転座もある。
逆位およびロバートソン転座は最も発生頻度の高い種類の転座である。逆位転座は通常、異なる染色体間の相互交換を伴う。染色体が分断され、切断点から下流のセグメントの位置が入れ替わる。事象が均衡であれば遺伝物質の正味の増加または減少は起こらず、遺伝子が損傷を受けなければ、通常は個体の表現型は影響を受けない。しかしながら、個体の配偶子は、ある領域の過剰および/または他の領域の欠失を伴う不均衡な状態になる可能性を有する。これによって均衡型および不均衡型の子孫の両方の可能性が生じる。
ヒト9番および22番染色体の遺伝物質の相互転座(通称:フィラデルフィア染色体)は最も広範に研究されている均衡型転座事象の一つである。この交換によって、通常は9番染色体上にあるabl癌原遺伝子のほとんどが、22番染色体のbcr遺伝子の中央に生じる切断点に転座する。このようにして、転座によってbcr遺伝子の5’部分およびabl遺伝子の大部分を含む表現可能なBCR-Abl融合遺伝子が生じる。フィラデルフィア染色体の不適切なabl遺伝子機能は慢性骨髄性白血病(CML)に関係する。
他の例では、NDS1遺伝子の分解を起こす均衡型または不均衡型転座によってソトス症候群が発症しうる。この疾患は大型の体型と頭部、特有の顔貌を特徴とする。
ロバートソン型転座は2つの染色体が中央で融合し、本質的に一つに合わさって起こる。遺伝物質のほとんどは両染色体からのままである。均衡型相互転座の場合のように、キャリアーは正常でありうるが、遺伝子的に不均衡な配偶子を生ずる。不均衡型配偶子由来の子孫のほとんどは生存せず、妊娠初期に流産する。キャリアーに繁殖力があり、子孫が生存した場合は、種々の異常が起こりうる。あるロバートソン型転座では14および21番染色体の融合が起こる。その子孫にはダウン症候群の原因となる3コピーの21番染色体が遺伝しうる。
均衡型転座を検出するために種々の方法が使用されてきた。最も頻繁に使用される方法の一つは蛍光インサイチューハイブリダイゼーション(FISH)である。蛍光プローブによって顕微鏡スライド上の染色体、細胞、または組織内の目的の領域が検出され、物理的にマッピングされる。FISHはわずかな変化に感受性のある比較的迅速な方法であり、その分解能は約10Mbである。FISHでは、蛍光プローブがサンプルにハイブリダイズし、視覚的に検出される。均衡型転座の検出に多用される他の方法には核型分析、フローサイトメトリー、およびDNAマイクロアレイ分析を物理的マッピングと併用するものがある。核型分析は細胞の染色体の実像である。フローサイトメトリーは、悪性細胞中に存在することが知られている抗原に対する抗体のレーザー同定タグによって、細胞変化を同定する。
従前のCGH法は被験サンプルと対照サンプルとの相対的差異の検出に依存するものであるが、均衡型転座では等量の染色体交換が起こり、同じ相対量が保持されるため、均衡型転座を検出することはできない。本発明はCGHを均衡型転座の検出に使用しうる方法を提供する。
発明の概要
本発明は、部分的には、特定のゲノム配列にハイブリダイズする検出可能な標識を有するプローブをCGHと併用することができるという発見に基づく。それらのプローブを用いて均衡型転座の存在または非存在を示す配列にハイブリダイズさせてもよく、またはプローブの使用をCGHに組み込んでもよい。従って、均衡型転座を含む染色体異常の確認のためのアレイ比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)の利用を拡大することが本発明の目的である。本発明のCGH法には、例えば以下のような、均衡型転座の検出に用いられた従来の方法より優れた利点がある: CGHの解像度(約1Mbという高さである)は多くの従来の転座検出法の解像度より優れている;CGHは多くの従来の転座検出法より迅速かつ情報量の多い被験サンプル分析法である;CGH検出法は他の転座検出法より2-3倍感度が高い;従来法は日常的に無傷の細胞を可視化するか、または患者サンプルから染色体スプレッドを作製することが必要であるが、本発明のアレイCGH法はこの必要がない;そして、本発明のCGH法によれば、1回の遺伝子試験で多くの型の遺伝子異常を同時に検出できる。
従って、本発明は、均衡型転座を含む染色体異常を検出する方法を提供し、この方法は転座を検出するためのプローブと併用してアレイCGHを実施することを含む。ある観点では、この方法は、ゲノム核酸アレイに、被験ゲノム核酸サンプル、対照核酸サンプル、および均衡型転座を検出するための少なくとも1つのプローブをハイブリダイズさせ;そして、アレイにハイブリダイズした被験核酸および対照核酸の相対量を測定し、並びに、転座を検出するためのプローブ(単数または複数)のアレイへのハイブリダイゼーションを測定することを含む。
本明細書で使用する“ゲノム核酸アレイ”とは、ゲノム核酸の種々のセグメントを含有するアレイである。それらのアレイは一般的にCGH法で使用され、種々のヒトゲノムDNAセグメント(それぞれ細菌人工染色体(すなわち“BAC”)にクローニングされている)をアレイ上にスポットすることによって得られる。
好ましい態様では、この方法は、2つのゲノム核酸サンプル、すなわちゲノム核酸を含有する被験サンプル;およびゲノム核酸を含有する対照またはコントロールサンプル(後者は既知の染色体異常または遺伝子異常を有さない)を用いて実施する。表面(例えばスライドグラス)上の分離した位置にスポットされた複数の核酸または核酸セグメントを含有する核酸アレイに、被験サンプルおよび対照サンプルを共ハイブリダイズさせる。アレイはある種の既知の遺伝子変異もしくは疾病状態用の標的核酸マーカーを含有してもよく、または遺伝子プロフィールを得るために(全体として)全染色体もしくは完全量の染色体(full chromosomal complement)を成してもよい。これらの方法では、検出可能標識を被験核酸および対照核酸に結合させるが、これはハイブリダイゼーションの前または後に、任意の順で行うことができる。検出可能標識は共有結合または非共有結合、例えばリガンド-受容体相互作用または相補的ヌクレオチド配列間のハイブリダイゼーションによって結合させてもよい。更に、転座を検出するためのプローブをゲノムDNAにハイブリダイズさせる。
ある方法では、プローブは転座されるゲノムの移動セグメントに相補的である。本明細書で使用する“移動セグメント(moving segment)”とは、転座の結果としてゲノムの新たな位置に移動されるゲノムDNAのセグメントを言う。移動セグメントは転座切断点の上流もしくは5’側、または転座切断点の下流もしくは3’側に存在することができる。被験サンプルが均衡型転座を含有しなければ、プローブは移動セグメントが野生型の位置にあるアレイにハイブリダイズする。被験サンプルが均衡型転座を含有する場合、プローブは移動セグメントが野生型の位置にあるアレイと、新たに移動セグメントを含有するようになった核酸を含有するアレイ領域とにハイブリダイズする。この方法の例をBCR-Ab1転座に関して図1に示す。更に、複数のプローブ(全て、転座される移動セグメントに相補的である)を1つのハイブリダイゼーションに使用してもよい。
別の方法では、プローブは既知の転座切断点にまたがる領域に相補的であってもよい。転座の配列を含有する核酸にハイブリダイズするようにプローブを設計してもよい。このことにより、プローブが検出されることは核酸中の転座の存在を示す。この方法の例をBCR-Ab1転座に関して図2に示す。
本明細書で使用する“プローブ”という用語は、特定の核酸配列に相補的なオリゴヌクレオチドをいう。一般にプローブは、転座が起こりやすいことが知られている染色体の領域に相補的となるように設計する。オリゴヌクレオチドの設計および合成の方法は当業者に周知である。好ましくはプローブを検出可能なタグ(例えば蛍光標識)で標識するが、“検出可能標識”の項に記載する成分または方法のいずれを使用してもよい。
本明細書における“転座”という用語は、等量のまたは等量でない、同一のまたは異なる染色体間の染色体物質の交換をいう。
“均衡型”転座とは遺伝物質の総量が減少しない転座をいう。均衡型転座は二染色体性である。
“単標識CGH”とは検出可能標識を1つだけ使用してCGH工程を実施するCGH法であり、2つの異なる標識(1つは対照ゲノム核酸用、1つは被験ゲノム核酸用)を必要とする伝統的なCGHと区別される。単標識CGHにより、比較ハイブリダイゼーション、特に比較ゲノムハイブリダイゼーション法における、異なる標識(例えば2つの異なる波長で測定しなければならない異なる蛍光色素)を使用することによる制限を打破することができる。従って、単標識CGH法により、核酸アレイにハイブリダイズした被験核酸および対照核酸の量を比較することによって比較ハイブリダイゼーションを行うことができ、その量は、同一の検出可能標識で標識されたハイブリダイズした核酸からのシグナルを検出することによって測定される。この方法は一般的に比較ハイブリダイゼーション法に、特にCGHに適用できる。従って、被験核酸および対照核酸がゲノム核酸であるCGHについての記載は、被験核酸および対照核酸がゲノム核酸以外である方法を包含することは理解されるべきである。同様に、理解されるように、使用する標識の型は重要ではなく、本明細書に記載する、当該分野で周知の、および未発見の種々の標識を本発明に使用してもよく、本明細書に開示する本発明の態様のいずれかにおいて1つの型の標識(例えば蛍光標識)について記載する場合、そのような他の型の標識も含むことは理解されるべきである。
単標識CGHのある好ましい態様では、2つのゲノム核酸サンプル、すなわちゲノム核酸を含有する被験サンプルと、既知の染色体異常または遺伝子異常を有さないゲノム核酸を含有する対照またはコントロールサンプルとを使用してCGHを実施する。表面(例えばスライドグラス)上の分離した位置にスポットされた複数の核酸または核酸セグメントを含有する核酸アレイに、被験サンプルおよび対照サンプルを共ハイブリダイズさせる。アレイはある種の既知の遺伝子変異もしくは疾病状態の標的核酸マーカーを含有するか、または核型分析と同様の遺伝子プロフィールを得るために(全体として)全染色体もしくは完全量の染色体を成してもよい。これらの方法では、検出可能標識をハイブリダイゼーション前またはハイブリダイゼーション後に被験核酸および対照核酸に結合させてもよい。別の方法では、ハイブリダイゼーション前に検出可能標識を被験核酸または対照核酸の一方に結合させ、ハイブリダイゼーション後に他方に標識を結合させる。検出可能標識は共有結合または非共有結合、例えばリガンド-受容体相互作用または相補的ヌクレオチド配列間のハイブリダイゼーションによる結合であってもよい。
単標識によるCGH法は種々の方法によって行うことができる。“減法的(subtractive)”方法と称される単標識CGHでは、検出可能標識を被験核酸および対照核酸に付着させるために使用する結合が異なっており、それによって一方の結合を他方に比較して選択的に開裂または除去することができる。第1工程として、まずアレイ上の総検出可能シグナル(アレイにハイブリダイズした被験サンプルおよび対照サンプル核酸の両方に結合した標識を示す)をその位置で定量する。次いでアレイをリンカーの選択的開裂が起こる条件または処理に施与し、ハイブリダイズした被験核酸または対照核酸のいずれか、感受性の高い結合を有する方から標識を除去する。次いで、感受性の高いリンカーに結合していない核酸を示す残存シグナルをその位置で定量する。次の工程は、2つの測定結果を用いて、感受性の高い結合を介して標識に結合しているハイブリダイズ核酸の量を測定することを含む。好ましい方法では、選択的除去を行った後の残存シグナルを総シグナルから差し引くことによって、感受性の高いリンカーを介して標識に結合している核酸を示すシグナルを測定する。このように測定した2つのサンプルからのシグナルを用いて被験サンプルゲノム核酸および対照サンプルゲノム核酸間の差異を同定し、それによって被験サンプル核酸に伴う染色体または遺伝子異常を検出する。あるいはまたは、単標識CGHを“加法的(additive)”方法で行ってもよい。この方法によれば、被験サンプル核酸は第1のタグを含有し、対照サンプル核酸は第2のタグを含有する。ハイブリダイゼーション後、検出可能標識および第1の物質を含有する第1の複合体を表面と接触させ、第1の複合体を第1のタグに選択的に結合させる。次の工程はアレイ表面に結合した検出可能標識の位置および量の測定(すなわちアレイの“読み取り”)を含む。アレイの読み取りを行って第1のタグを含有する核酸に結合した検出可能標識の量を測定した後、第1の複合体中に存在するものと同じ検出可能標識および第2の物質を含有する第2の複合体と表面とを接触させ、第2の複合体を第2のタグに選択的に結合させる。次いで2回目のアレイの読み取りを行い、表面にハイブリダイズした両核酸を示す総検出可能標識の位置および量を測定する。最終工程は、2つの読み取り結果を用いて第2のタグに結合したハイブリダイズ核酸の量を測定することを含む。好ましい方法では、第1の測定値を第2の測定値から差し引いて、第2のタグに結合した核酸を示すシグナルを得る。このように測定した2つのサンプルからのシグナルを用いて被験サンプルゲノム核酸および対照サンプルゲノム核酸間の差異を同定し、それによって被験サンプル核酸に伴う染色体または遺伝子異常を検出する。
別の単標識CGH法では、まず被験核酸および対照核酸とアレイをハイブリダイズさせるが、被験核酸および対照核酸のうちの一方を(例えばランダムプライミングによって)予め標識しておく。次いで、ハイブリダイゼーション後にアレイの読み取りを行い、特定の標識された核酸サンプルに相当するシグナルを測定する。その後アレイを検出可能標識および物質を含む複合体と接触させ、ここで、複合体は他方の被験核酸または対照核酸と、該他方の被験核酸または対照核酸に結合したタグを介して選択的に反応する。再度アッセイの読み取りを行い、両方のハイブリダイズ核酸の総シグナルを測定する。次の工程は、2つの読み取り結果を用いてタグに結合したハイブリダイズ核酸の量を測定することを含む。このように測定した2つのサンプルからのシグナルを用いて、被験サンプルゲノム核酸および対照サンプルゲノム核酸間の差異を同定し、被験サンプル核酸に伴う染色体異常または遺伝子異常を検出する。
CGHと併用して均衡型転座を検出する方法は、単標識CGHまたは伝統的な2重標識CGHに適用してもよい。同様に、この方法は、アレイCGH法または分裂中期染色体スプレッドを用いて実施するCGH法に適用してもよい。単標識CGHを使用する場合、同一の標識を被験核酸および対照核酸に結合させ、異なる検出可能標識を均衡型転座を検出するためのプローブに結合させる。2重標識CGHを用いる場合は、2つの異なる標識を被験核酸および対照核酸に結合させ、第3の型の標識を均衡型転座を検出するためのプローブに結合させる。更に、単標識または2重標識CGHのいずれの場合も、複数の異なるプローブを使用して異なる転座を検出してもよい。異なる転座に対する異なるプローブはそれぞれ、異なる検出可能標識または同一の検出可能標識を有してもよい。ただし各プローブはアレイの異なる遺伝子セグメントにハイブリダイズする。
本明細書で使用する“タグ”という用語は、サンプル核酸と直接または間接的に結合する任意の物理的分子であって、同じタグを介してそのサンプルの実質的に全ての個別核酸セグメントを標識、精製、または捕捉することができるものをいう。タグは特定の結合対、例えば、リガンド-受容体または相補的配列を有するオリゴヌクレオチド対のメンバーであってもよい。本明細書に記載するタグ/物質相互作用は、理解されるように、特異的結合対、例えばリガンド/受容体結合対または相補的配列を有するオリゴヌクレオチド対である。タグ/物質の組み合わせの選択は、比較ハイブリダイゼーションで共に使用する他のタグ/物質の組み合わせと明らかな相互作用をしないようにして行う。これによって、各タグ/物質に伴う特異的相互作用によって、対照核酸からハイブリダイズした被験核酸を同定することができる。
好ましい態様では、タグはユニーク・オリゴヌクレオチド“捕捉配列”(本質的にアッセイにユニークなヌクレオチド配列をいう)を含有する。この場合、反応性物質は、ある核酸セグメントサンプルと結合したユニーク・オリゴヌクレオチド捕捉配列に相補的なオリゴヌクレオチドを含む。好ましくは反応性物質の相補オリゴヌクレオチドはデンドリマー構築物であり、複数の検出可能標識を提供する。
本明細書で使用する特異的結合対メンバーとしては、抗原-抗体、ビオチン-アビジン、ホルモン-受容体、受容体-リガンド、酵素-基質、IgG-タンパク質Aなどが挙げられる。
本明細書で使用する“核酸”とは、DNA、cDNA、および/またはRNAのセグメントまたは一部をいう。核酸は元々任意の供与源から単離された核酸サンプルから誘導もしくは採取(例えばサンプルDNAまたはRNAから単離、精製、増幅、クローニング、逆転写)してもよいし、またはデノボ合成してもよい。核酸にはオリゴヌクレオチド、ヌクレオチドまたはポリヌクレオチド、およびそれらのフラグメントまたは部分、並びにゲノムまたは合成起源のDNAまたはRNA(1本鎖または2本鎖であってもよく、センスまたはアンチセンス鎖であってもよい)が含まれる。
“ゲノム核酸”とは、細胞の核由来のDNAの一部または全部をいう。ある態様では、ゲノムDNAは1つの遺伝子もしくは複数の遺伝子の全てもしくは一部からの配列、1つもしくはそれ以上の染色体からの配列、または細胞の全染色体からの配列を含んでもよい。これに対して“全ゲノム核酸”という用語は、本明細書では、細胞のゲノムに含有される完全量のDNAを示すために使用する。周知のように、ゲノム核酸は遺伝子コード領域、イントロン、5’および3’非翻訳領域、5’および3’隣接領域DNA、そして構造セグメント、例えばテロメアおよびセントロメアDNA、複製起点、および遺伝子間DNAを含む。ゲノム核酸は細胞の核から得るか、または遺伝子組み換えによって生成してもよい。ゲノムDNAは細胞核から直接単離されたDNAまたはRNAから転写してもよい。PCR増幅を使用してもよい。種々のサンプルからDNAおよび/またはRNAを精製する方法は当該分野で周知である。
本明細書で使用する“cDNA”とは、RNAからコピーされたDNAである。mRNAからコピーされたcDNAはゲノムDNAに特徴的である種々の非コード配列を含有しない。
本明細書で使用する“染色体異常”とは、野生型または正常細胞とのDNA配列の相違をいう。染色体異常はある生物に含有される全染色体の完全量の遺伝子またはその一部を、その生物中の全染色体の正常な完全量遺伝子と比較した場合の相違を反映しうる。例えば、染色体異常には染色体コピー数(例えば異数性)もしくはその一部(例えば欠失、増幅)の変化;または染色体構造の変化(例えば転座、変異)がある。本明細書で使用する“異数性細胞”または“異数性”とは、分裂中期において少なくとも1つの染色体の数が異常である細胞をいう。例えば、正常なヒト細胞は分裂中期において計46本の染色体を含有するか、または1-22番染色体をそれぞれ2コピーずつと、2つの性染色体(XXまたはXY)を含有する。染色体コピー数異常は、1-22番染色体が正常な染色体数である2コピー以外の数であるか、性染色体がXおよびYの2つ以外の組み合わせである。
本明細書で使用する“遺伝子異常”とは、特定の疾病状態と関係することが知られている染色体異常をいう(例えば直接疾病状態の原因となる機能不全タンパク質を生ずる特定の遺伝子変異)。染色体または遺伝子異常は遺伝性であって、世代から世代へ継承される。
本明細書で使用する“サンプル”は本質的に任意の罹患または健常生物体から得てもよく、それらにはヒト、動物、および植物、並びに細胞培養液、組換え細胞、細胞成分、および環境中の供与源がある。サンプルは任意の動物(非制限的な例としてヒト、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウシ、ブタがある)から得てもよい。サンプルは生体の組織、体液、または標本であってもよい。サンプルには、それに制限されるわけではないが、羊水、血液、血液細胞、脳脊髄液、細針生検サンプル、腹水、血漿、胸膜液、唾液、精液、血清、痰、組織または組織ホモジネート、組織培養液、尿などがある。サンプルの加工、例えば組織の切片化、分画、精製、または細胞オルガネラ分離などを行ってもよい。
“被験サンプル”は、一般的に染色体または遺伝子異常を含有する核酸を有する疑いがある、またはそのような核酸のスクリーニングを行うべき患者または細胞集団由来のゲノム核酸を含む。“対照サンプル”は、一般的に正常な遺伝子プロフィールを有する正常個体または野生型細胞集団由来のゲノム核酸を含む。“被験サンプル”はmRNAを含んでもよく、これからcDNAが生成される。
被験サンプルおよび対照サンプル由来のゲノム核酸をハイブリダイゼーション条件下で、複数の核酸セグメント(それぞれ表面上の分離された位置に固定化されている)を含有する表面に接触させる。本明細書で使用する“ハイブリダイゼーション”という用語は、実質的に相補的なヌクレオチド配列(核酸鎖)が対合し、相補的塩基対間の水素結合の形成によってデュプレックスまたはヘテロデュプレックスを形成することをいう。これは2つの相補的ポリヌクレオチド間の特異的、すなわち非ランダムな相互作用である。ハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションの強度(すなわち核酸間の結合の強さ)は、核酸間の相補性の程度、使用する条件のストリンジェンシー、および形成されるハイブリッドのTmなどの因子の影響を受ける。
被験サンプルのゲノム核酸は第1の結合を介して検出可能標識に結合してもよい。対照サンプルのゲノム核酸は第2の結合を介して同一の検出可能標識に結合してもよい。
本明細書で使用する“検出可能標識”とは、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、電磁気的、放射化学的、もしくは化学的方法(例えば蛍光、化学蛍光、または化学発光)、または他の任意の好適な方法で検出可能なシグナルを生じる成分をいう。好ましい検出可能標識には蛍光色素分子またはフルオロフォア、例えばフルオレセイン、フィコエリトリン、Cy3TM、Cy5TM、アロフィコシアニン、テキサスレッド、ペリディニンクロロフィル、シアニン、 FAM、JOE、TAMRA、直列型コンジュゲート、例えばフィコエリトリン- Cy5TMなどがある。Cy3TMおよびCy5TMは一般に2色検出系で併用される。単標識CGHでは、Cy3TMはCy5TMより好ましい。検出可能標識は核酸に共有結合または非共有結合してもよい。あるいはまた、検出可能標識の結合は、例えばリガンド-受容体結合対構築を介して別の核酸に結合する分子または他の同様の特異的認識分子を直接標識することによるものであってもよい。
本明細書で使用する検出可能標識の“結合”とは、標識がサンプル中のゲノム核酸と物理的に結合することを意味する。ある態様では、第1の結合または第2の結合のいずれかが選択的除去に感受性がある、すなわち一方の標識の結合は開裂または分離されて標識が核酸から分離されるが、他方はされない。結合のペア(すなわちペアの一方が選択的除去に感受性があるような識別的結合)の例には2つの異なる化学リンカー、2つの異なるオリゴヌクレオチド、または2つの異なるペプチド配列を介する結合があり、ここで、化学リンカー、オリゴヌクレオチド、またはペプチド配列は、温度、pH、加水分解、放射線(例えば紫外線に感受性のあるヌクレオチド配列(stretches)または化学物質;例えば光開裂物質)、酸化条件、大気条件(例えばオゾンへの暴露)、バッファー条件、外部物質による加水分解(例えば制限エンドヌクレアーゼまたはホーミング・エンドヌクレアーゼのような酵素)、または化学的開裂(例えば、ジオール(NaIO4飽和水溶液を用いて30-40分間で選択的に開裂可能)を含有する結合、またはジスルフィド(ジチオトレイトールまたは他の任意の好適な還元剤(例えばFidelity Systems社、Gaithersburg、MDから購入可)で開裂可能)を含有する結合)への感受性が異なる。
“感受性”とは、感受性のある結合を含有する核酸に結合した検出可能標識が、そのサンプルのメンバーである核酸の約80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上から物理的に分離されることを意味する。特に除去されなかった分を算出して最終結果に組み込む場合、95%未満しか除去されない処理であっても許容される。他の識別的結合には、標識過程において被験または対照サンプルのいずれかの核酸と標識を異なる化学結合または物理的相互作用で結合させるものがある。サンプル(単数または複数)の核酸の標識は、アレイへのハイブリダイゼーション前またはハイブリダイゼーション後に行ってもよい。これらの全ての例において、あるサンプルの核酸について、ハイブリダイゼーションの最初の読み取りを行った後、感受性のある結合を生成し、そのサンプル中の核酸と結合した標識の選択的除去を行う。従って、同じ標識を2つの時点で読み取り:(i)アレイにハイブリダイズした被験核酸および対照核酸の両方の検出可能標識からのシグナルを検出し;そして(ii)アレイにハイブリダイズした、処理に感受性のあるリンカーで結合した標識を有する核酸からのシグナルを検出する。これらの2つの読み取り値の差から、除去処理に耐性がある結合を介して標識されたハイブリダイズ核酸を示す値を得る。
ある方法では、標識はサンプルまたは対照核酸と非共有結合し、それによって、標識を結合させる前にまず核酸を標的にハイブリダイズさせることができる。この場合、第1のユニーク・オリゴヌクレオチドが被験または対照サンプル核酸のいずれかに結合するが、このオリゴヌクレオチドはユニーク・ハイブリダイゼーション配列および制限エンドヌクレアーゼ、ホーミング・エンドヌクレアーゼ、またはレアカッターエンドヌクレアーゼ(当該分野で周知であり、例えばFermentas Life Sciencesから販売されている(例えばI-SceI))の認識部位を含有する。好ましくは他方の核酸は、異なるユニーク・ハイブリダイゼーション配列を含有するがこの認識部位は含有しない第2のオリゴヌクレオチドに結合する。オリゴヌクレオチドが結合した両核酸を、一方または他方のハイブリダイゼーション配列に相補的な別の検出可能標識で標識したオリゴヌクレオチドを用いて別々に検出する。それらの検出可能標識を施与した相補的オリゴヌクレオチドはデンドリマー複合体であってもよい。この態様を用いて、ハイブリダイズしたアレイに両標識オリゴヌクレオチドを適用した後、第1のユニーク・オリゴヌクレオチド中の認識部位に特異的なエンドヌクレアーゼと接触させることによって、第1のユニーク・オリゴヌクレオチドを介して結合した標識を選択的に除去してもよい。
本明細書で使用する“デンドリマー”とは、モノマーと呼ばれる分枝ユニットから構築された人工的に製造した、または合成したポリマー分子をいう。好ましい態様では、モノマーは会合のための塩基対が結合したDNA分子である(例えば米国特許第5,175,270号;第5,484,904号;および第5,487,973号参照)。他のモノマーには、それらに制限されるわけではないが、第1級アミン(例えば米国特許第5,530,092号参照);ポリアミドアミン、ポリエチレンイミン、およびポリプロピレンイミン(例えば米国特許第5,393,797号;第5,393,795号;第5,560,929号;および5,387,617号参照);ペプチド;および他の核酸がある。種々のタグ(例えばオリゴヌクレオチド)をデンドリマーポリマーの末端に結合させるか、デンドリマーの内部構造に組み込んでもよい。結合には共有結合(例えばオリゴヌクレオチドの3’末端がデンドリマー分枝鎖の末端に共有結合する)、並びに非共有相互作用(例えば核酸ハイブリダイゼーション)がある。複数の標識をデンドリマーに組み込むことによって、ハイブリダイゼーションのシグナル強度は劇的に向上する。
本発明の更に別の観点によれば、被験サンプルにおける遺伝子の発現と対照サンプルにおけるそれとを比較する方法を提供する。この方法の第1工程は、ハイブリダイゼーション条件下で、被験サンプルのmRNAから調製したcDNAおよび対照サンプルのmRNAから調製したcDNAを、複数の核酸セグメント(それぞれ表面上の分離した位置に固定化されている)を含有する表面に接触させることを含む。この場合、被験サンプルcDNAおよび対照サンプルcDNAをハイブリダイゼーション前または後に同一の検出可能標識(被験サンプルのcDNAには第1の結合を介して、対照サンプルのcDNAには第2の結合を介して結合)で標識する。第1の結合または第2の結合のいずれかは、選択的除去および測定する表面にハイブリダイズした核酸に結合した検出可能標識に感受性がある。支持体表面にハイブリダイズした核酸に結合した検出可能標識の位置および量を測定する。次いで、ハイブリダイズした被験サンプルcDNAまたはハイブリダイズした対照サンプルcDNAのいずれかから標識を選択的に除去する。その後、支持体上に残存する検出可能標識の位置および量を測定し、これがサンプルのうちの一方を示す。除去後に残存する位置および量と除去前の位置および量の差異が他方のサンプルを示す。アレイにハイブリダイズした各サンプル核酸の相対量は対照サンプルと比較した被験サンプル中の遺伝子の発現を示す。均衡型転座を検出するための1つまたはそれ以上のオリゴヌクレオチドは、被験および対照核酸のアレイへのハイブリダイゼーション前、ハイブリダイゼーション中、またはハイブリダイゼーション後に被験および対照核酸にハイブリダイズさせてもよい。
“発現アレイ”という用語は、特定の時点で細胞中に存在するmRNAの相補体を示すcDNA配列の集合をいう。cDNA発現アレイの構築は、六量体とのオリゴdTプライミングまたはランダムプライミングによって行ってもよい。ランダムプライマーオリゴはライゲーション可能な5’末端を有する。プライミングおよび伸長によってcDNAを生成した後、cDNAのライゲーション可能末端を、架橋オリゴを介して捕捉配列にライゲートさせる。次いで、捕捉配列を有するcDNAを、固定化された核酸プローブ配列を含有する固相にハイブリダイズさせてもよい。捕捉配列のための1本鎖セグメント(単数または複数)(別名テール(単数または複数))を有する好適な標識を施与した物質(例えば標識したデンドリマー核酸)で捕捉配列を検出してもよい。発現アレイを構築するための代表的な必要物およびプロトコールは製造者(例えばGenisphere社)から入手できる。
単標識比較ゲノムハイブリダイゼーションについて本明細書に開示する実施態様はいずれも、任意の患者(成人、小児、および新生児を含む)における染色体異常または遺伝子異常の検出に使用することができる。
図面の簡単な説明
図1は、CGHアレイフォーマットにおいて、22番染色体の末端に転座される9番染色体の一部(9q34)に特異的なプローブ(プローブ1)を用いたBCR-Ab1転座の検出結果を示す。図に示すように、被験核酸がBCR-Ab1転座を有さない症例(図の左側)では、9q32に特異的なプローブは9q32の位置には結合するが、22番染色体の位置には結合しない。被験核酸がBCR-Ab1転座を有する症例(図の右側)では、9q32に特異的なプローブは9q32の位置に結合するが、22q11.2の位置にも結合する。これはBCR-Ab1をコードするサンプル核酸が22q11.2にハイブリダイズするためである。
図2は、CGHアレイフォーマットにおいて、転座切断点に特異的なプローブ(プローブ2)を用いたBCR-Ab1転座の検出結果を示す。被験核酸がBCR-Ab1転座を有さない症例(図の左側)では、転座切断点に特異的なプローブはアレイに結合しない。被験核酸がBCR-Ab1転座を有する症例(図の右側)では、BCR-Ab1転座切断点に特異的なプローブは22q11.2の位置に結合する。
発明の詳細な説明
本発明によれば、被験サンプル中の染色体異常を検出する、または個体における遺伝子異常を診断し、同じ試験において個体が均衡型転座を有するか否かを確認するためのアレイ比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)を実施する方法が提供される。伝統的なCGHを均衡型転座検出と組み合わせるためのいくつかの方法を提供する。ある方法では、被験および対照サンプルを標識し、アレイにハイブリダイズさせる。次いで、1つまたはそれ以上の標識された転座検出プローブを、アレイに結合した標識されたDNAにハイブリダイズさせる。被験および対照DNAの後にプローブをアレイに添加し、起こりうる立体障害によってアレイへの競合ハイブリダイゼーションの歪みを回避することが有益でありうる。別の方法では、標識したプローブを対照サンプルと混合する前に被験サンプルをハイブリダイズさせ、プローブの完全なハイブリダイズを確実にする。その後、プローブが結合した被験ゲノム核酸を対照ゲノムDNAにハイブリダイズさせる。更に精度を増すために、プローブのハイブリダイゼーションを検出するように特別に設計したコントロールスポットをアレイ設計に導入してもよい。ある態様では、この方法は以下を用いてCGHを実施することを含む:少なくとも1つの転座検出プローブ;または少なくとも2つの転座検出プローブ;または少なくとも3つの転座検出プローブ;または少なくとも4つの転座検出プローブ。
理解されるように、均衡型転座を検出することを含むCGH法を、アレイCGH並びに分裂中期染色体スプレッドを用いるCGHと併用してもよい。本明細書では、転座検出プローブは変異配列の検出に限定されるものではなく、転座に関係する任意の核酸配列を検出するように設計してもよい。
ゲノム核酸の供与源
ある観点では、本発明の方法を使用して被験サンプル中の染色体異常を検出することができる。好ましい態様では、患者から被験サンプルを得る。別の好ましい態様では、被験サンプルは染色体または遺伝子異常に関係する病態または症状を有する疑いのある患者から得た細胞、組織、または体液を含有する。病態または症状の因果関係、診断、または予後を(例えばゲノム核酸塩基の置換、増幅、欠失、および/または転座を有する)遺伝子異常に関係付けてもよい。被験サンプルはガン細胞またはそれらの細胞由来の核酸を含有する疑いがあってもよい。サンプルには、それに限定されるわけではないが、羊水、生検サンプル、血液、血液細胞、骨髄、脳脊髄液、糞便サンプル、細針生検サンプル、腹水、血漿、胸膜液、唾液、精液、血清、痰、涙、組織または組織ホモジネート、組織培養液、尿などがある。サンプルの加工、例えば組織の切片化、分画、精製、または細胞オルガネラ分離などを行ってもよい。
細胞、組織、または体液サンプルの単離法は当業者に周知であり、それらには、限定されるわけではないが、吸引、組織の切片化、血液または他の体液の採取、手術による生検または針生検などがある。患者由来のサンプルは、組織学的目的のために採取した凍結切片またはパラフィン切片であってもよい。モザイク現象(染色体異常およびコピー数を含む)のレベルで検出することが望ましいかもしれない、組織培養液由来の(細胞培養液の)上清、細胞溶解物、細胞からサンプルを得てもよい。
好ましい態様では、ガン細胞を含有する疑いのあるサンプルをヒト患者から得る。サンプルは周知の方法、例えば静脈穿針、腰椎穿針、唾液または尿などの体液、組織、または針生検などによって採取してもよい。ガン細胞を含有する腫瘍を有する疑いのある患者において、サンプルは腫瘍の生検または手術的切片、例えば腫瘍生検、細針吸引、または切除腫瘍を含んでもよい。例えば頸部、気管支、膀胱など、任意の目的部位を生理食塩水洗浄し、洗浄液標本を調製してもよい。患者サンプルは、呼気ガス分析器で採取したサンプル、または咳もしくはくしゃみからの呼気サンプルであってもよい。生体サンプルは、組織および/もしくは血液を保存している細胞もしくは血液バンクから得るか、またはインビトロの供与源、例えば細胞培養液から得てもよい。サンプル供与源として使用するための細胞培養液の構築法は当業者に周知である。
別の観点では、本発明の方法を用いて胎児における染色体または遺伝子異常を検出することができる。胎児の出生前診断を、染色体または遺伝子異常を有する胎児を出産するリスクが高い女性に適用してもよい。リスク因子は当該分野で周知であり、例えば高齢出産、出生前スクリーニングにおける母体血清マーカーの異常、染色体異常児を出産した既往、身体的異常児および未知の染色体状態児の出産の既往、親の染色体異常、および反復自然流産がある。
本発明の方法を使用し、任意の型の胚細胞または胎児細胞を用いて出生前診断を行うことができる。胎児細胞は妊婦または胎児のサンプルから得ることができる。従って、胎児細胞は羊水穿針で採取した羊水、注射器で吸引採取した絨毛膜絨毛、経皮臍帯血、胎児皮膚生検、4細胞期から8細胞期の胚割球(着床前)、または胚盤胞からの栄養外胚葉サンプル(着床前または子宮洗浄による)中に存在する。十分量の遺伝子核酸を含有する体液を使用してもよい。
本発明の方法は被験サンプルから得たゲノム核酸の第1集団、および対照サンプルから得たゲノム核酸の第2集団を利用する。対照サンプルは個体から得た、本明細書に記載する任意の細胞、組織、もしくは体液、または任意の細胞培養液もしくは組織培養物で遺伝子異常を含まないもの、すなわち全ての染色体で正常な遺伝子を有するものであってもよい。
均衡型転座を検出するためのプローブ
ある態様では、プローブは検出可能標識に結合したオリゴヌクレオチド認識配列である。オリゴヌクレオチド・プローブの配列は、転座の起こりうる切断点にまたがる核酸配列に実質的に相補的であってもよい。被験核酸にハイブリダイズしたプローブに結合している検出可能標識を検出することによって、被験核酸が転座を含むことを判定できる。別の方法では、プローブは転座が起こるゲノムの移動セグメントに相補的である。
プローブの設計および合成は当業者に周知の方法を用いて行うことができる。当業者は特定の配列にハイブリダイズし、異なる配列には実質的にハイブリダイズしないようにプライマーを設計することができる。例えば、転座を含む核酸にはハイブリダイズするが、転座を含まない相当配列には実質的にハイブリダイズしないようにプローブを設計してもよい。逆に、転座を含まない核酸にはハイブリダイズするが、転座を含む相当配列には実質的にハイブリダイズしないようにプローブを設計してもよい。ヒトゲノムの転座を起こしやすい多くの領域が当該分野で知られている。任意のそれらの領域に相補的であるようにプローブを設計してもよい。理解されるように、今後発見される新規の転座領域に相補的なプローブを容易に設計することができる。プローブは、目的の核酸配列を特異的に検出するために好適な任意の長さであることができる。例えばプローブは約10ヌクレオチドより長く約100ヌクレオチド未満;約15ヌクレオチドから約80ヌクレオチド;約15ヌクレオチドから約50ヌクレオチド;または約15ヌクレオチドから約30ヌクレオチドであってもよい。被験サンプルが転座の結果として非相補的領域が近傍にあるためにアレイに部分的にしか結合していなければ、プローブは被験サンプルの未結合領域に相補的であり、これに結合しうる。
標識とゲノム核酸の結合
ハイブリダイゼーションの前または後に、被験サンプルのゲノム核酸、対照サンプル、および転座検出プローブを同じ検出可能標識と結合させてもよい。好ましい態様では、標識は光学的方法で検出でき、最も好ましくは蛍光標識またはフルオロフォアである。検出可能標識を核酸に導入するか、核酸と結合させるか、または核酸とコンジュゲートさせることができる。核酸および検出可能標識間の結合は共有結合または非共有結合であってもよい。本発明の方法によれば、同じ検出可能標識を用いて被験サンプルのゲノム核酸および対照サンプルのゲノム核酸の両方を標識する。標識を種々の長さのスペーサーに結合させ、起こりうる立体障害を低減させるか、または他の有用もしくは所望の特性に影響を与えることができる。例えばMansfield,Mol.Cell.Probes 9:145-156,1995参照。
有用な標識には例えば以下がある:蛍光色素(例えばCy5TM、Cy3TM、FITC、ローダミン、ランタニド(lanthamide)蛍光体、テキサスレッド)、32P、35S、3H、14C、125I、131I、高電子密度試薬(例えば金)、(例えばELISAで一般的に使用される)酵素(例えばホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ、βガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ)、比色標識(例えばコロイド金)、磁気標識(例えばDynabeads TM)、ビオチン、ジオキシゲニン(dioxigenin)、または抗血清もしくはモノクローナル抗体の入手が可能なハプテンおよびタンパク質。標識は検出すべき核酸に直接導入するか、または検出すべき核酸にハイブリダイズもしくは結合するプローブ(例えばオリゴヌクレオチド)もしくは抗体に結合させることができる。
好ましい態様では、検出可能標識はフルオロフォアである。本明細書で使用する“フルオロフォア”という用語は、ある波長の電磁波照射1量子を吸収し、それに応答して、異なる(一般的には、より長い)波長の1つまたはそれ以上のフォトンを放射する分子をいう。好適な蛍光部分には以下のような当該分野で周知のフルオロフォアがある:
4-アセトアミド-4’-イソチオシアネートスチルベン-2,2’ジスルホン酸
アクリジンおよび誘導体:
アクリジン
アクリジンイソチオシアネート
Alexa Fluor(登録商標)350、Alexa Fluor(登録商標)488、Alexa Fluor(登録商標)546、Alexa Fluor(登録商標)555、Alexa Fluor(登録商標)568、Alexa Fluor(登録商標)594、Alexa Fluor(登録商標)647(Molecular Probes)
5-(2'-アミノエチル)アミノナフタレン-1-スルホン酸(EDANS)
4-アミノ-N-[3-ビニルスルホニルフェニル]ナフタルイミド-3,5ジスルホネート(ルシファーイエローVS)
N-(4-アニリノ-1-ナフチル)マレイミド
アントラニルアミド
ブラックホールクエンチャーTM(BHQTM)色素(biosearch Technologies)
BODIPY(登録商標)R-6G、BOPIPY(登録商標)530/550、BODIPY(登録商標)FL
ブリリアントイエロー
クマリンおよび誘導体:
クマリン
7-アミノ-4-メチルクマリン(AMC、クマリン120)
7-アミノ-4-トリフルオロメチルクマリン(クマリン151)
Cy2(登録商標)、Cy3(登録商標)、Cy3.5(登録商標)、Cy5(登録商標)、Cy5.5(登録商標)
シアノシン(cyanosine)
4',6-ジアミニジノ-2-フェニルインドール(DAPI)
5',5"-ジブロモピロガロール-スルホンフタレイン(ブロモピロガロール・レッド)
7-ジエチルアミノ-3-(4'-イソチオシアネートフェニル)-4-メチルクマリン
ジエチレントリアミン5酢酸
4,4'-ジイソチオシアネートジヒドロ-スチルベン-2,2'-ジスルホン酸
4,4'-ジイソチオシアネートスチルベン-2,2'-ジスルホン酸
5-[ジメチルアミノ]ナフタレン-1-スルホニルクロリド(DNS、ダンシルクロリド)
4-(4'-ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸(DABCYL)
4-ジメチルアミノフェニルアゾフェニル-4'-イソチオシアネート(DABITC)
EclipseTM (Epoch Biosciences社)
エオジンおよび誘導体:
エオジン
エオジンイソチオシアネート
エリスロシンおよび誘導体:
エリスロシンB
エリスロシンイソチオシアネート
エチジウム
フルオレセインおよび誘導体:
5-カルボキシフルオレセイン(FAM)
5-(4,6-ジクロロトリアジン-2-イル)アミノフルオレセイン(DTAF)
2',7'-ジメトキシ-4'5'-ジクロロ-6-カルボキシフルオレセイン(JOE)
フルオレセイン
フルオレセインイソチオシアネート(FITC)
ヘキサクロロ-6-カルボキシフルオレセイン(HEX)
QFITC(XRITC)
テトラクロロフルオレセイン(TET)
フルオレスカミン
IR144
IR1446
マラカイトグリーンイソチオシアネート
4-メチルウンベリフェロン
オルトクレゾールフタレイン
ニトロチロシン
パラローザニリン
フェノールレッド
B-フィコエリスリン、R-フィコエリスリン
o-フタルジアルデヒド
オレゴングリーン(登録商標)
ヨウ化プロピジウム
ピレンおよび誘導体:
ピレン
ピレンブチレート
スクシンイミジル1-ピレンブチレート
QSY(登録商標)7、QSY(登録商標)9、QSY(登録商標)21、QSY(登録商標)35(Molecular Probes)
Reactive Red 4(Cibacron(登録商標)ブリリアントレッド3B-A)
ローダミンおよび誘導体:
6-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)
6-カルボキシローダミン(R6G)
リサミンローダミンBスルホニルクロリド
ローダミン(Rhod)
ローダミンB
ローダミン123
ローダミングリーン
ローダミンXイソチオシアネート
スルホローダミンB
スルホローダミン101
スルホローダミン101のスルホニルクロリド誘導体(テキサスレッド)
N,N,N',N'-テトラメチル-6-カルボキシローダミン(TAMRA)
テトラメチルローダミン
テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)
リボフラビン
ロゾール酸
テルビウムキレート誘導体
他の蛍光ヌクレオチド類似体を使用することもできる。例えばJameson,Meth. Enzymol. 278:363-390,1997;Zhu,Nucl. Acids Res. 22:3418-3422,1994を参照されたい。米国特許第5,652,099号および第6,268,132号も、蛍光オリゴヌクレオチドを生成するために酵素的または化学合成のいずれかを介して核酸(例えばDNAおよび/またはRNA)またはオリゴヌクレオチドに組み込むためのヌクレオシド類似体について記載している。米国特許第5,135,717号は蛍光標識として使用するためのフタロシアニンおよびテトラベンズトリアザポルフィリン試薬について記載している。
検出可能標識は共有結合または非共有結合によって、例えば転写によって、例えばクレノウ・ポリメラーゼを用いるランダムプライマー標識、ニックトランスレーション、増幅、または当該分野で周知の同等物によって、核酸に導入することができる。例えばある観点では、ヌクレオシド塩基を検出可能部分(例えばCy3TMまたはCy5TMのような蛍光色素)にコンジュゲートさせた後、ゲノム核酸に導入する。未標識のdCTPと混合したCy3TM-またはCy5TM-dCTPコンジュゲートと共に核酸を導入してもよい。
別の観点では、核酸の標識にPCRまたはニックトランスレーション用いる際に、アリルアミン-dUTPを蛍光色素またはハプテン(例えばビオチンまたはジゴキシゲニン)のスクシンイミジルエステル誘導体に結合させることによって合成される修飾型ヌクレオチドを使用することができる;この方法により、一般的な蛍光ヌクレオチドのほとんどを必要に合わせて構築することができる(Henegariu,Nat. Biotechnol. 18:345-348,2000参照)。
他の当該分野で周知の方法を用いて、非共有結合による標識の導入を行ってもよい。例えば、Kreatech BiotechnologyのUniversal Linkage System(登録商標)(ULS(登録商標))によって非酵素的標識法を行うことができ、ここでは、白金族がDNA、RNA、またはヌクレオチドと、グアノシンのN7位に結合することによって共配位結合を形成する。この技術を用い、アミノ酸の窒素および硫黄含有側鎖に結合させることによってタンパク質を標識してもよい。例えば米国特許第5,580,990号;第5,714,327号;および第5,985,566号;並びに欧州特許第0539466号参照。従って、この系により、任意の検出可能標識を核酸集団のメンバーと、それに結合する核酸もしくはペプチド分子に直接的に、または相補的な核酸分子もしくは他のパートナー分子を介して間接的に、結合させる方法が提供される。
検出可能標識での標識は、別の生体分子に結合した核酸、例えばオリゴヌクレオチドのような核酸、または“分子ビーコン”もしくは“アプタマー・ビーコン”のようなステム-ループ構造を有する核酸を含んでもよい。検出可能部分としての分子ビーコンは当該分野で周知である;例えばSokol(Proc. Natl. Acad. Sci,USA 95:11538-11543,1998)は、対応する蛍光ドナーとアクセプター発色団をその5’および3’末端に有する“分子ビーコン”レポーター・オリゴデオキシヌクレオチドを合成した。相補的核酸鎖が存在しなければ分子ビーコンはステム-ループ構造のままであり、蛍光共鳴エネルギー移動により、シグナルは放射されない。相補配列とハイブリダイズするとステム-ループ構造が開き、ドナーおよびアクセプター間の物理的距離が広がり、それによって蛍光共鳴エネルギー移動が低下し、好適な波長の光によってビーコンを励起させると検出可能なシグナルが放射される。例えば以下参照:Antony(Biochemistry 40:9387-9395,2001。オリゴデオキシヌクレオチドを形成するGリッチ18量体トリプレックスから成る分子ビーコンについて記載);米国特許第6,277,581号および第6,235,504号。
アプタマー・ビーコンは分子ビーコンに類似している;例えばHamaguchi,Anal. Biochem.294:126-131,2001;Poddar,Mol. Cell. Probes 15:161-167,2001;Kaboev,Nucl. Acids Res. 28:E94,2000参照。アプタマー・ビーコンは2つまたはそれ以上のコンフォメーションを取りうるが、そのうちの1つでリガンドの結合が可能である。蛍光-クエンチング対を用いて、リガンド結合によって誘導されるコンフォメーション変化を明らかにする。例えばYamamoto,Genes Cells 5:389-396,2000; Smimov,Biochemistry 39:1462-1468,2000参照。
好ましい態様では、オリゴヌクレオチド結合を用いてゲノム核酸を標識する。まずゲノム核酸を制限酵素(例えばAluI)で消化してフラグメントとする;次いで架橋オリゴヌクレオチドを用いてフラグメントをユニーク捕捉配列に結合させる。好適に設計すれば、ユニークなフラグメントが核酸の末端の直ぐ隣りに位置し、ライゲーションを用いて共有結合させることができる。次いで、各フラグメントと結合したユニーク捕捉配列にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを含むデンドリマー・コンストラクトで各フラグメントを標識する。2つまたはそれ以上の核酸サンプルのフラグメントを、各々のサンプルに結合したユニーク捕捉配列を介して標識できる。特に好ましい態様では、複数コピーの検出可能標識をデンドリマーに結合させて、シグナル増幅を行う。好ましくは、本発明の方法においてデンドリマーを使用することによって10、20、50、100、または200個以上のフルオロフォアをゲノム核酸(genomic acids)に結合させることができる。フラグメントの標識は2つもしくはそれ以上の核酸サンプルをハイブリダイゼーションさせる前に行うか、または、好ましくはハイブリダイゼーション後に行ってシグナル強度を最大化する。
あるいはまた、ペプチドを介してゲノム核酸の標識を行ってもよい。第2のレポーター(例えばロイシンジッパー対配列、2次抗体の結合部位、転写活性化ポリペプチド、金属結合ドメイン、エピトープタグ)で認識される既定のポリペプチドエピトープを導入することによってペプチドを検出可能にすることができる。第1のペプチドと相互作用(例えばS-S結合)する第2のペプチド(例えば上記のデンドリマー・コンストラクト上の)を介して標識を結合させてもよい。
別の態様では、ペプチド核酸を介してゲノム核酸を標識してもよい。本明細書で使用する“ペプチド核酸”(またはPNA)という用語は、天然の核酸中に見られるが、核酸に特有の糖-リン酸バックボーンではなくペプチドバックボーンに結合している塩基または塩基類似体を含有する分子をいう。ペプチドへの塩基の結合は、塩基がオリゴヌクレオチドのそれと同様に核酸の相補塩基と塩基対を形成できるようなものである。これらの小分子(別名、抗遺伝子物質)は、それら核酸の相補鎖に結合することによって転写伸長を停止させる(Nielsenら,Anticancer Drug Des. 8:53 63,1993)。
間接的標識はハイブリダイゼーション前、または、好ましくはハイブリダイゼーション後に行ってシグナル強度を最大化する。好ましい態様では、ハイブリダイズした表面を、検出可能標識および第1の物質を含有する第1の複合体と接触させ(第1の複合体は被験サンプルまたは対照サンプルのいずれか一方の核酸と選択的に反応する);そして、同時に、または逐次的に、同じ検出可能標識および第2の物質を含有する第2の複合体と接触させる(第2の複合体は他方のサンプルの核酸と選択的に反応する)。ある態様では、第1の複合体または第2の複合体は異なる結合で結合した検出可能標識を含んでおり、それによって一方のサンプルについて検出可能標識の選択的除去を行ってもよい(すなわち減法的方法)。あるいはまた、別の態様では、第1の複合体および第2の複合体は検出可能標識を結合する、異なる結合を含んでおらず、代わりに一方を添加した後に他方を添加する(すなわち加法的方法)。
ある態様では、単離または精製された分子が所望されうる。本明細書で使用する“単離された”、“精製された”、または“実質的に精製された”という用語は、天然環境から除去、単離、または分離されており、天然では随伴している他の成分の少なくとも60%、好ましくは75%,そして最も好ましくは90%が除去されている分子(核酸またはアミノ酸配列のいずれか)をいう。従って単離された分子は実質的に精製された分子である。
任意の上記の検出可能標識または相当する方法を用いて、転座の検出に使用する被験または対照核酸またはプローブを標識してもよい。
ハイブリダイゼーション
本発明の方法に、比較ゲノムハイブリダイゼーションを実施するための全ての既知の方法および手段、並びにそれらの変法を組み込むことができる。例えば米国特許第6,197,501号;第6,159,685号;第5,976,790号;第5,965,362号;第5,856,097号;第5,830,645号;第5,721,098号;第5,665,549号;第5,635,351号;Diago,Am. J. Pathol. 158:1623-1631,2001;Theillet,Bull. Cancer 88:261-268,2001;Werner,Pharmacogenomics 2:25-36,2001;Jain,Pharmacogenomics 1:289-307,2000参照。
一般に、核酸ハイブリダイゼーションは以下の主な工程を含む:(1)標的核酸の固定化;(2)標的DNAの到達性を向上し、非特異的結合を低減するためのハイブリダイゼーション前処理;(3)核酸混合物の固相表面上核酸へのハイブリダイゼーション;(4)ハイブリダイゼーションで結合しなかった核酸フラグメントを除去するためのハイブリダイゼーション後洗浄;および(5)ハイブリダイズした核酸フラグメントの検出。間接的検出を用いる場合は、標識された物質(例えばデンドリマー)との更なるハイブリダイゼーション工程および洗浄が必要である。これらの各工程に使用する試薬およびそれらを使用するための条件は、特定の適用によって異なる。
ある適用では、反復配列のハイブリダイゼーション能力をブロックする必要がある。反復配列のハイブリダイゼーション能力を除去および/または不能化する多くの方法が知られている(例えばWO93/18186参照)。例えばバルク法を用いることができる。ヒトゲノムを含む多くのゲノムにおいて、共有反復DNAの大部分は少数の高度反復配列ファミリー(例えばAlu)内に含まれている。これらの方法は、相補的配列のハイブリダイゼーション速度がその濃度上昇に伴って増加するという事実を利用するものである。従って、一般に高濃度で存在する反復配列は、ハイブリダイゼーション条件下での変性およびインキュベーション後、他のものより迅速に2本鎖を形成する。その後2本鎖核酸を除去し、残存物をハイブリダイゼーションに使用する。2本鎖配列から1本鎖を分離する方法には、ハイドロキシアパタイトまたは固相に結合させた固定化相補核酸の使用などがある。あるいはまた、部分的にハイブリダイズした混合物を使用することができ、2本鎖配列は標的にハイブリダイズできない。
あるいはまた、ハイブリダイゼーション能力を阻害すべき配列に相補的な未標識配列をハイブリダイゼーション混合物に添加することができる。この方法を用いて、反復配列並びに他の配列のハイブリダイゼーションを阻害できる。例えばCot-1 DNAを用いてサンプル中の反復配列のハイブリダイゼーションを選択的に阻害することができる。Cot-1 DNAの調製は、DNAを抽出、剪断、変性、および復元して行う。高度反復配列はより迅速に再アニールするため、得られるハイブリッドはこれらの配列を高濃度に含有する。残存する1本鎖(すなわちシングルコピー配列)をS1ヌクレアーゼで消化し、2本鎖Cot-1 DNAを精製し、サンプル中の反復配列のハイブリダイゼーションを阻害するために使用する。Cot-1 DNAは上記のように調製できるが、市販もされている(BRL)。
本発明の方法における核酸のハイブリダイゼーション条件は当該分野で周知である。ハイブリダイゼーション条件は高、中、または低ストリンジェンシーであってもよい。理想的には、核酸はサンプル中の相補的核酸にのみハイブリダイズし、他の非相補的核酸にはハイブリダイズしない。ハイブリダイゼーション条件を変化させて、ハイブリダイゼーションにおけるストリンジェンシーの程度を変化させ、当該分野で周知のバックグラウンド・シグナルを低下させてもよい。例えば、ハイブリダイゼーション条件が高ストリンジェンシー条件の場合、核酸は非常に高度な相補性を有する核酸標的配列とのみ結合する。低ストリンジェンシー・ハイブリダイゼーション条件では、ある程度の配列相違を有する配列でもハイブリダイズできる。ハイブリダイゼーション条件は生体サンプル並びに核酸のタイプおよび配列によって様々である。本発明を実施するためのハイブリダイゼーション条件の最適化は当業者に周知である。
本明細書で使用する“ストリンジェンシー”という用語は、核酸ハイブリダイゼーションが行われる温度、イオン強度、および他の化合物の存在の条件に関連して使用する。高ストリンジェンシー条件では、高頻度の相補的塩基配列を有する十分に長いセグメントを含有する核酸間でのみ、核酸の塩基対形成が起こる。
代表的なハイブリダイゼーション条件を以下に記載する。高ストリンジェンシーは、一般に0.018M NaCl中、65℃で安定なハイブリッドを形成する核酸配列のみでハイブリダイゼーションが起こる条件をいう。高ストリンジェンシー条件は、例えば、50%ホルムアミド、5Xデンハルト液、5X SSC(クエン酸ナトリウム溶液)、0.2% SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)中、42℃でハイブリダイゼーションを行い、その後0.1X SSCおよび0.1% SDS中、65℃で洗浄することによって得られる。中ストリンジェンシーとは、50%ホルムアミド、5Xデンハルト液、5X SSC、0.2% SDS中、42℃でハイブリダイゼーションを行い、その後0.2X SSCおよび0.2% SDS中、65℃で洗浄するのと同等の条件をいう。低ストリンジェンシーとは、10%ホルムアミド、5Xデンハルト液、6X SSC、0.2% SDS中でハイブリダイゼーションを行い、その後1X SSCおよび0.2% SDS中、50℃で洗浄するのと同等の条件をいう。
本明細書で使用する“相補的”または“相補性”という用語は、塩基対合則によって関係づけられるポリヌクレオチド(すなわちオリゴヌクレオチドまたは標的核酸のようなヌクレオチド配列)に関連して使用する。本明細書で使用する核酸配列の相補体とは、一方の配列の5’末端が他方の3’末端と対合するように核酸配列を整列させた時、“アンチパラレルな関係”にあるオリゴヌクレオチドをいう。例えば配列“5’-A-G-T-3‘”は配列“3’-T-C-A-5’”に相補的である。天然の核酸には通常見られないある種の塩基が本発明の核酸に含まれてもよく、それらには例えばイノシンおよび7-デアザグアニンがある。相補性は完全である必要はない;安定なデュプレックスはミスマッチな塩基対またはアンマッチな塩基を含有しうる。核酸技術分野における当業者は、多くの変数(例えばオリゴヌクレオチドの長さ、オリゴヌクレオチドの塩基組成および配列、イオン強度、およびミスマッチ塩基対の頻度)を経験的に考慮して、デュプレックスの安定性を判定することができる。
相補性は“部分的”であって核酸の塩基のいくつかだけが塩基対合則に従ってマッチしていてもよい。あるいは、核酸間に“完全な”または“全き”相補性があってもよい。核酸鎖間の相補性の程度は、核酸鎖間のハイブリダイゼーションの効率および強度に有意な影響を与える。これは増幅反応、並びに核酸間の結合に依存する検出法において特に重要である。特にポリヌクレオチドとの関連で、個々のヌクレオチドに関していずれの用語を使用してもよい。例えば、オリゴヌクレオチドのうちで特定のヌクレオチドに注目し、別の核酸鎖中のヌクレオチドに対するその相補性または非相補性について、そのオリゴヌクレオチド中の残りのものおよび核酸鎖間の相補性と対照または比較してもよい。
“相同性”および“相同な”という用語は2つの配列間の同一性の程度をいう。部分的な相同または完全な相同がある。部分的に相同な配列は別の配列に対する同一性が100%未満のものである。好ましくは相同な配列は全体的な同一性が少なくとも70%または少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%または少なくとも85%、最も好ましくは少なくとも90%または少なくとも95%である。
本明細書で使用する“Tm”という用語は“融解温度”に関連して使用する。融解温度は2本鎖核酸分子サンプルの半数が解離して1本鎖になる温度である。核酸のTmを算出するいくつかの方程式が当該分野で知られている。標準的な文献に記載されるように、核酸が1M NaCl水溶液中に存在する場合、式:Tm=81.5+0.41(% G+C)でTm値の簡単な概算値を算出してもよい(例えばAndersonおよびYoung,Quantitative Filter Hybridization, in Nucleic Acid Hybridization,1985参照)。他の文献(例えばAllawiおよびSantaLucia,Biochemistry 36:10581-94,1997)には、Tmの算出に構造および環境、並びに配列特性を考慮した、より精度の高い計算が報告されている。
アレイ
本発明の方法に使用する核酸はアレイまたは“バイオチップ”に固定化または適用できる。本明細書で使用する“アレイ”、“マイクロアレイ”、“バイオチップ”、または“チップ” という用語は、基板表面の所定の領域上に配列された複数のエレメントをいう。本発明の方法の実施において、例えば以下に開示されるような任意の既知のアレイ並びに/またはアレイの作製および使用法をその全体もしくは一部、またはそれらの改変体として組み込んでもよい:米国特許第6,277,628号;第6,277,489号;第6,261,776号;第6,258,606号;第6,054,270号;第6,048,695号;第6,045,996号;第6,022,963号;第6,013,440号;第5,965,452号;第5,959,098号;第5,856,174号;第5,830,645号;第5,770,456号;第5,632,957号;第5,556,752号;第5,143,854号;第5,807,522号;第5,800,992号;第5,744,305号;第5,700,637号;第5,556,752号;第5,434,049号。また、例えば以下参照:WO99/51773;WO99/09217;WO97/46313;WO96/17958;Johnston,Curr. Biol. 8:R171-R174,1998;Schummer,Biotechniques 23:1087-1092,1997;Kern,Biotechniques 23:120-124,1997;Solinas-Toldo,Genes,Chromosomes & Cancer 20:399-407,1997;Bowtell,Nature Genetics Supp. 21:25-32,1999。更に、米国特許出願第20010018642号;第20010019827号;第20010016322号;第20010014449号;第20010014448号;第20010012537号;第20010008765号参照。
アレイは一般的に複数の“標的エレメント”または“スポット”であり、各標的エレメントは基板表面上の分離された位置に固定化された所定の量の1つまたはそれ以上の生体分子(例えばポリペプチド、核酸分子、またはプローブ)を含有する。好ましい態様では、複数のスポットは表面上の好ましくは少なくとも約50個、少なくとも約100個、少なくとも約300個、または少なくとも約500個の分離された位置に固定化された核酸セグメントを含む。多数(The plurality)に同じ核酸セグメントを複数反復して含有させ、例えば2重スポット、3重スポット、4重スポット、5重スポットなどとしてもよい。
アレイCGHの解像度は主に、全ゲノムを網羅できるアレイ内の核酸エレメントの数、サイズ、およびマップ位置に依存する。固定化すべき目的の各核酸を、大型核酸インサートを導入できる核酸ベクター(例えばプラスミド、コスミドなど)または人工染色体(例えば当該分野で周知の細菌人工染色体(BAC)またはP-1誘導人工染色体)内に含有させてもよい。一般に、平均約150キロベース(kb)のクローン化ゲノムDNAに対応できる細菌人工染色体またはBACをアレイの作製に使用する。好ましくは目的の各核酸セグメントは約1,000(1kB)から約1,000,000(1MB)ヌクレオチド長、より好ましくは約100,000(100kB)から300,000(kB)ヌクレオチド長である。目的の核酸セグメントは、染色体に沿って(すなわち染色体配列のセグメントを含有して)約3-4メガベース(MB)の間隔、より好ましくは染色体に沿って約2-3メガベースの間隔、最も好ましくは染色体に沿って約1-2メガベースの間隔で、少なくとも1つの染色体の配列を網羅するように(すなわち集合的にそれを表すように)選択してもよい。完全量のゲノムを表すために、そのような間隔で全染色体を網羅できるように核酸セグメントを選択する。あるいはまた、選択する目的ゲノム領域(例えば既知の変異のホットスポット)は、1つまたはそれ以上の染色体から選択してもよい。それらの目的ゲノム領域は染色体異常、連続的遺伝子異常、遺伝学的に関係する疾病または症候群に関連する核酸セグメントであってもよい。
一般に、固定化された核酸分子をサンプルと接触させ、サンプル中の分子およびアレイ間の特異的結合(例えばハイブリダイゼーション)を起こさせる。固定化された核酸セグメントは、特定のメッセージ(例えばcDNAライブラリー)または遺伝子(例えばゲノムライブラリー)からの配列、例えば実質的に全てもしくは一部分の染色体、または実質的に全てのゲノム(ヒトゲノムを含む)を含有してもよい。他の標的エレメントはポジティブおよびネガティブ・コントロールなどのような対照配列を含有してもよい。アレイの標的エレメントは種々のサイズおよび種々の密度で基板表面上に配列させてもよい。異なるアレイ標的エレメントが、同じ分子種を異なる量、密度、サイズ、標識または未標識などで含有してもよい。標的エレメントのサイズおよび密度は多くの因子、例えば標識の性質(固定化された分子を標識することもできる)、基板支持体(固体、半固体、繊維状、キャピラリー、または多孔性である)などに依存する。
各標的エレメントは実質的に同じ核酸配列、または長さおよび/もしくは配列の異なる核酸の混合物を含んでもよい。従って、例えば本明細書に記載するように標的エレメントは1コピーより多いクローン化されたDNA片を含有してもよく、各コピーを異なる長さのフラグメントに断片化してもよい。アレイ表面に固定化する核酸の長さおよび複雑性は本発明では重要でない。アレイは任意の基板、例えば固体表面(例えばニトロセルロース、ガラス、石英、溶融シリカ、プラスチックなど)上に固定化した核酸を含んでもよい。例えば、蛍光を測定する場合は、シクロオレフィン・ポリマーを含有する多ウェル・プラットフォームについて記載している米国特許第6,063,338号を参照されたい。本発明の方法に使用するアレイは、ハイブリダイゼーションおよび洗浄反応の間、湿度および温度を制御するための要素を含有するハウジングを含んでもよい。
本発明のCGH法は任意の型のアレイを用いて実施してもよい。市販のCGHアレイまたはアレイをプリントするための既製のスライドには、例えば以下がある:GeneChipsTM(Affymetrix社、Santa Clara、Calif.);Spectral chipTM Mouse BAC ArraysおよびSpectral chipTMHuman BAC Arrays並びに他のカスタム・アレイ(Spectral Genomics社、Houston、Tex.);codelinkTM Human Bioarrays(Amersham Biosciences社(GE Healthcare));およびUltraGapTM(Dow Corning社、Elizabethtown、Kentucky)。UltraGapTMスライドを製造者の推奨するプロトコールに従って使用するのが好ましい。
好ましい態様では、表面は、The BAC Resource Consortiumによる細菌人工染色体(BAC)一覧に提供される(また、当該分野ではRPIまたはCTBクローン名で称される)ヒトゲノム核酸セグメントを1個、数個、または全て含有するアレイを含む(Cheungら,Nature 409:953-958,2001参照)。この一覧は、ヒトゲノム・ドラフト配列上の7,600個の細胞遺伝学的に定義されたランドマークを含有する(McPhersonら,Nature 409:934-41,2001参照)。これらのランドマークは蛍光インサイチューハイブリダイゼーションによって染色体バンドにマッピングされる大型インサートクローンであり、それぞれはゲノム配列上に位置する配列タグを含有する。これらのクローンは24個のヒト染色体全てを約1Mbの解像度で表す。BACゲノム・コレクションの供与源にはBACPAC Resources Center(CHORI-Children’s Hospital Oakland Research Institute)、ResGen(Research Genetics(Invitrogen社を介する))、およびThe Sanger Center(英国)が含まれる。
種々の固体表面上に核酸を固定化するための多くの方法が当該分野で知られている。例えば固体表面は膜、ガラス、プラスチック、またはビーズであってもよい。所望の要素を共有結合させるか、または非特異的結合を介して非共有結合させてもよい。固体表面上の核酸の固定化については、以下により詳細に記載する。
多くの種類の有機および無機ポリマー、並びに他の物質(天然および合成)を固体表面物質として使用してもよい。代表的な固体表面にはニトロセルロース、ナイロン、ガラス、ジアゾ化膜(紙またはナイロン)、シリコン、ポリホルムアルデヒド、セルロース、および酢酸セルロースがある。更に、ポリエチレン、ポリプロピレン、プロスチレンなどのようなプラスチックも使用できる。他の使用可能な物質には紙、セラミック、金属、半金属、半導体物質、サーメットなどがある。更に、ゲルを形成する基材を使用してもよい。それらの物質にはタンパク質(例えばゼラチン)、リポ多糖、ケイ酸、アガロース、およびポリアクリルアミドがある。固体表面が多孔性である場合、系の性質に基づいて種々の孔径を用いてもよい。
アレイ・プリンティングのための固体支持体表面の作製において、複数の異なる物質を、特にラミネートとして使用し、種々の特性を得てもよい。例えばタンパク質(例えばウシ血清アルブミン)または高分子混合物(例えばデンハルト液)を使用して非特異的結合の回避、共有結合の簡素化、シグナル検出の向上などを行ってもよい。
化合物および表面間の共有結合が所望される場合、表面は多機能性であるか、または多機能化可能であってもよい。表面上に存在して結合のために使用しうる官能基にはカルボン酸、アルデヒド、アミノ基、シアノ基、エチレン基、ヒドロキシル基、メルカプト基などがある。広範な化合物を種々の表面に結合させる方法は当該分野で周知であり、文献に十分例証されている。例えば、種々の官能基を分子に導入することによって核酸を固定化する方法が知られている(例えばBischoffら,Anal. Biochem. 164:336-344,1987);Kremskyら,Nucl. Acids Res. 15:2891-2910,1987参照)。改変型ヌクレオチドを含有するPCRプライマーを用いて、または酵素による改変型ヌクレオチドでの末端標識により、標的に改変型ヌクレオチドを配することができる。
別の表面には、化学的にコーティングしたスライドガラスのような誘導型表面がある。例としてAmersham Biosciences社のCodeLinkTMActivated Slideがある。これらのスライドは長鎖(アミン反応性基を含有する親水性ポリマー)を含む新規の3-D表面化学でコーティングされており、これがマイクロアレイのためのアミン修飾されたDNAと反応して共有結合で固定化する。このポリマーをそれ自身およびスライド表面と共有結合によって架橋形成させ、固定化DNAがスライド表面から離れて位置することによってハイブリダイゼーションを向上させるように設計する。別の同様の3Dスライドには Dow Corningが販売するUltraGapTMがある。
相対的に高いエレメント密度(例えば30-40/cm2に及ぶ)で標的を配列させるための手動および自動法を利用した技術が十分確立されているので、膜支持体(例えばニトロセルロース、ナイロン、ポリプロピレン)を本発明の核酸アレイに使用することは有益である。更に、それらの膜は一般的に入手可能であり、膜へのハイブリダイゼーションのためのプロトコールおよび装置も十分知られている。しかしながら、蛍光標識を用いてハイブリダイゼーションを検出する場合、多くの膜物質は無視できない量の蛍光を発する。
所定のアッセイ・フォーマットを最適化するために、当業者は膜のタイプ、フルオロフォア、励起および発光バンド、スポットサイズなどを種々に組み合わせたものについて、蛍光検出の感度を測定できる。更に、蛍光バックグラウンドの低い膜について報告がなされている(例えばChuら,Electrophoresis 13:105-114,1992参照)。
候補となる膜上での種々の直径のスポットの検出感度は、例えば蛍光で末端標識したDNAフラグメントを一連の希釈率でスポットすることによって容易に測定できる。その後、慣例的な蛍光顕微鏡を用いてこれらのスポットをイメージ化する。このようにして、フルオロフォアおよび膜の種々の組み合わせによって得られる感度、直線性、およびダイナミック・レンジを測定できる。相対比が既知である一連の希釈率でのフルオロフォア対を分析し、検出器および膜蛍光によって得られるダイナミック・レンジにわたって、蛍光比の測定値が実際のフルオロフォア比を反映する確度を測定することもできる。
膜に比較してかなり低い蛍光を有する基板(例えばガラス、石英、または小粒ビーズ)上のアレイでは、はるかに良好な感度が得られる。例えば、直径約1mmから約1μmにわたる種々のサイズのエレメントをこれらの物質と共に使用してもよい。複雑性の高い比較ハイブリダイゼーションでは、各エレメントへの結合に利用できるプローブの総量が限定されるため、少量の高濃度標的DNAを含有する小型アレイメンバーを便宜に使用する。従って、得られるシグナルが高度に局在化し輝度が高くなるように、少量の高濃度標的DNAを含有する小型アレイメンバーを有することは有益である。それらの小型アレイメンバーは一般に104/cm2以上の密度でアレイに使用する。1 cm2の面積の定量的な蛍光イメージングができる比較的容易な方法が報告されており、これによって1つのイメージで多数のメンバーからのデータを得ることができる(例えばWittrupら,Cytometry 16:206-213,1994参照)。
標的核酸のガラスまたは合成溶融シリカへの共有結合は多くの既知の方法によって行うことができる。それらの基板は蛍光が非常に少ない基板であり、効率の高いハイブリダイゼーション環境が得られる。
市販の試薬を利用して核酸をガラスに結合させる多くの方法がある。例えば多くの官能基を有するシラン処理ガラスを作製するための物質が市販されており、また、標準的な方法を用いて作製することもできる。あるいはまた、自発蛍光がガラスより少なくとも10倍低い石英カバーガラスをシラン処理することができる。
標的を市販のコーティングされたビーズまたは他の表面に固定化することもできる。例えば、ビオチンで末端を標識した核酸を市販のアビジン・コーティング・ビーズに結合させることができる。ストレプトアビジンまたは抗ジゴキシゲニン抗体を、標準的なプロトコールに従って、(例えばプロテインAを用いて)タンパク質介在型結合によって、シラン処理したスライドガラスに結合させることもできる(例えばSmithら,Science 258:1122-1126,1992参照)。ビオチンまたはジゴキシゲニンで末端標識した核酸を標準的な方法に従って調製してもよい。
ビーズに結合した核酸へのハイブリダイゼーションは、ハイブリダイゼーション混合液にそれらを懸濁し、次いで洗浄後に分析用のガラス基板上にそれらを沈着させることによって行うことができる。あるいはまた、常磁性粒子、例えば酸化第二鉄粒子をアビジンでコーティングして、または、コーティングしないで使用することができる。
アレイCGHの解読
被験サンプルおよび対照サンプル中の特定の核酸配列のコピー数を、1つまたはそれ以上の標的核酸セグメントへサンプルをハイブリダイズさせることによって比較する。各サンプルに結合した検出可能標識によって生成されるハイブリダイゼーション・シグナルの強度および強度比を測定する。一般に、標的核酸セグメント上のシグナル強度の比率が高いほど、2つのサンプル中のそのエレメントに結合する配列のコピー数の割合が高い。従って、標的核酸セグメント間でシグナル強度比を比較することによって、2つのサンプルのゲノム核酸中の異なる配列のコピー数の割合を比較できる。
核酸の蛍光色素での標識に加え、サンプルの核酸、サンプルの核酸の個々のメンバー、もしくはアレイに固定化された核酸セグメントに結合した検出可能標識を検出するための任意の装置もしくは方法、または、互いに特異的にハイブリダイズする核酸を検出する装置もしくは方法を用いて本発明を実施してもよい。複数のフルオロフォアを検出する装置および方法は当該分野で周知である。例えば米国特許第5,539,517号;第6,049,380号;第6,054,279号;第6,055,325号;および第6,294,331号参照。任意の既知の装置もしくは方法,またはそれらを改変したものを本発明の方法の実施に使用または適合させてもよい。それらには例えば多色蛍光イメージのスキャンおよび分析のような、アレイ読み取りまたは“スキャニング”装置がある。例えば米国特許第6,294,331号;第6,261,776号;第6,252,664号;第6,191,425号;第6,143,495号;第6,140,044号;第6,066,459号;第5,943,129号;第5,922,617号;第5,880,473号;第5,846,708号;第5,790,727号;および本明細書においてアレイに関する記述の中で引用する特許;更に、米国特許出願第20010018514号;第20010007747号;国際特許公開WO0146467 A;WO9960163 A;WO0009650 A;WO0026412 A;WO0042222 A;WO0047600 A;およびWO0101144 Aを参照されたい。
例えば分光器によって光検出器の2元アレイ上に発光スペクトルをイメージングできる;アレイの全スペクトルにわたる解像イメージをこのように得る。フルオロフォアの光物理(例えば蛍光量子収量および光破壊収量)および検出器の感度は、オリゴヌクレオチド・アレイの読み取り時間パラメータである。十分なレーザー出力でCy5TMまたはCy3TM(光破壊収量がより低い)を使用して、アレイを5秒未満で読み取ることができる。
電荷結合素子(CCD)を、本発明の方法の実施を含むマイクロアレイ・スキャニング系に使用する。光の識別は3色CCDビデオイメージに基づいて行ってもよい;これらはhue値の測定によって行うことができる。hue値を導入して光を数値的に特定する。カメラの別チャンネルで記録される赤色、緑色、および青色光(RGB)の強度に基づいて計算を行う。しかしながら、RGB値をhueに変換するのに用いられる式によってデータは単純化され、光の真の物理的特性は反映されない。あるいはまた、スペクトル・イメージングを用いることができる;これは、光を波長毎の強度(光の色を正確に表すことのできる唯一の数量である)として分析するものである。更に、スペクトル・イメージングはイメージのピクセル毎にスペクトル情報を含有するので、これからスペクトルデータを得ることができる。あるいはまた、明視野顕微鏡を用いてスペクトル・イメージを作製することができる。例えば米国特許第6,294,331号参照。
本発明の方法の特定の利点は、1つの検出可能標識を使用することができることである。これによって複数の有色フルオロフォアの読み取りおよび調整を行う必要がなくなる。従って、低い範囲のシグナル強度は均一化され、容易に正規化することができる。これは、1つより多いフルオロフォア間でシグナル強度の相違を考慮しなければならないのとは対照的である。本発明のアレイCGH法の他の利点には、各染色体の全ゲノム配列を網羅することにより解像度が向上されていることと、伝統的なインサイチュー染色体ハイブリダイゼーションに比較して感度が高いことがある。
本発明の方法はデータ分析を更に含み、これは、例えば基板位置の関数としての蛍光強度の測定、“外れ値”(既定の統計分布から逸脱したデータ)の除去、または残りのデータからの標的の相対的結合親和性の算出の段階を含んでもよい。得られるデータを、発光または標的-プローブ間の親和性に従って、各領域におけるカラーイメージとして表示することができる。例えば米国特許第5,324,633号;第5,863,504号;および第6,045,996号参照。支持体上にあるサンプル上の標識されたマーカーを検出するための装置を本発明に組み込むことができる。例えば米国特許第5,578,832号参照。
本発明について、以下の非制限的な実施例を用いて更に詳細に記載する。
実施例1 ゲノム核酸アレイの構築
固相表面の複数の分離した位置にゲノム核酸物質をプリントするために、種々のマイクロアレイ装置(例えばBioRobotics Microgridなど;“アレイヤー”と総称される)が利用できる。2つの特定の表面に天然型BAC DNAをプリントし、大型インサート・クローン・マイクロアレイ作製(例えばBAC、PAC,コスミドなど)という特定の適用のためのプロトコールを確立した。
一般的な先行技術によるアレイヤーの導入および検証のプロトコールでは、色素のみの溶液または色素-オリゴDNA溶液のいずれかを用いてアレイヤーのプリンティング挙動を評価する。これらの条件は、大型クローン・アレイ製造に関係する流体力学を反映しないので、プリンティング・パラメータを生成するのには最適ではない。本明細書に記載する実施例により、アレイヤーを検証し、大型インサートクローン・マイクロアレイ作製のためのプリンティング・パラメータを確立するための簡易かつ定性的方法が確立される。
プリンティングに企図される大型インサートDNAクローン(BAC、PAC、コスミド)のサンプル・コレクションを、75-100ng/μlの濃度で塩含有プリンティング・バッファー(例えば50-150mMリン酸ナトリウム、pH8-9)に再懸濁した。DNAの簡易な断片化を、超音波水浴処理装置を用いて、100A、出力70Wで5秒間行った。ゲル電気泳動(0.8-1.0%アガロース)を用いて、断片化DNAのサイズが均質に500塩基対およびそれ以上の範囲内にわたることを確認した。30μlアリコートの超音波処理DNAに、1μlの最適な蛍光ヌクレオチド色素-コンジュゲート(1mM)を添加した。サンプルを混合し、プリンティング表面に転写した。プリンティング工程の完了時に、レーザー・スキャナー(例えばAxon 4000、4100、4200)セット用い、使用する蛍光色素の波長でスキャニングして、得られたイメージを評価した。
これらの典型的なパラメータの下で、2つの表面を試験した。第1の表面は標準的な塩基/酸プロトコールに従って洗浄した、未加工の(plain)ガラススライドであった。未加工ガラススライドの蛍光を測定したところ、バックグラウンド測定値約3000、スポット強度約10,000、そしてスポットサイズ約290μmであった。第2の表面はCodeLinkTM Activated Slide(Amersham Biosciences)であった。CodeLinkTM Activated Slide上の蛍光を測定したところ、バックグラウンド測定値約15,000、スポット強度約65,000、そしてスポットサイズ約180μmであった。
実施例2 ゲノム核酸の調製
標識
ゲノムDNAは任意の標準的なプロトコールで標識して検出可能標識を導入してもよい。フルオロフォアを用いるランダムプライミングの例を以下に示す。1ngから1μgのDNAを含有する反応液100μlを以下と混合する:1xランダムプライマー溶液(BioPrime DNA Labeling System,Gibco BRL)、1mM Tris、pH7.6、0.1mM EDTA、0.2mMずつのdATP、dTTP、およびdGTP、0.1mM dCTP、0.4mM Cy3またはCy5-dCTP(Amersham)、および160Uのクレノウ・フラグメント(BioPrime DNA Labeling System, Gibco BRL)。DNAおよびランダムプライマー溶液(総量84μl)を100℃で10分間インキュベートした後に他の試薬を添加し、最終100μlの反応液を37℃で一晩インキュベートする。Sephadex G-50カラムを用いて取り込まれなかったヌクレオチドを除去する。
デンドリマー標識
ゲノムDNAはデンドリマー・コンストラクト内に含有されるタグを有してもよい。デンドリマーは、検出を増幅するために複数コピーの所望される検出可能標識を組み込んで生成される、高度に分枝した分子である。デンドリマーの標識および構築のキットが市販されている(例えばGenisphere社)。簡単に説明すると、ゲノムDNAをAluIで消化し、平均約256bpの消化フラグメントを得る。次いでゲノムDNAフラグメントを3’TdTで処理し、各フラグメントにポリTテイルを結合させる。その後、以下:(i)ポリAテイルを有する架橋オリゴヌクレオチド、(ii)捕捉配列オリゴヌクレオチド(一端が架橋オリゴヌクレオチドに相補的である)、および(iii)Tテイル・フラグメントを含むライゲーションを行い、同一のユニークな捕捉配列をその3’末端に有する各ゲノムDNAフラグメントを得る。各ゲノムDNAサンプル(すなわち被験および対照核酸サンプル)をユニーク捕捉配列に結合させた後、ハイブリダイゼーションを行う。ハイブリダイゼーション後、1つのサンプルのユニーク捕捉配列に相補的なオリゴヌクレオチドおよび複数コピーの標識(一般的には蛍光色素分子)を含有するデンドリマーを用いてゲノムDNAフラグメントを標識する。
あるいはまた、まず、ユニーク捕捉配列およびmRNA分子のポリAテイルにハイブリダイズさせるためのポリTテイルを含有するオリゴヌクレオチド・プライマーを用いて、ゲノムmRNAを未標識のdATP、dTTP、dGTP、およびdCTPで逆転写させる。次いで反応を停止し、mRNAを分解してユニーク捕捉配列を含有するゲノムcDNAを得る。その後、ユニーク捕捉配列に相補的なオリゴヌクレオチドおよび複数コピーの標識(一般的には蛍光色素分子)を含有するデンドリマーを用いて、それらのゲノムcDNAを標識することができる。あらゆるサイズおよび蛍光強度を有する種々のデンドリマーがGenisphere社から販売されている。Array 900および350シリーズのキットは4層のデンドリマーを含有する。理論的には4層デンドリマーは324本の1本鎖DNAアームをその外層に有する。4層デンドリマーの直径は182-190nmであり、分子量は1.2x107ドルトンである。Arrey50シリーズのキットは2層デンドリマーを含有する。2層デンドリマーは理論的に45本の1本鎖DNAアームをその外層に有する。2層デンドリマーの直径は70-90nm、分子量は1.3x106ドルトンである。
実施例3 比較ゲノムハイブリダイゼーション
被験サンプルおよび対照サンプルから得たゲノム核酸(各集団はユニーク捕捉配列を含有する)(それぞれ約1-2μg)をCot-1 DNA(80-100μg)と合一し、エタノールで沈殿させる。遠心分離して沈殿を回収し、10分間風乾した後、50μlのハイブリダイゼーション混合液(50%ホルムアミド、2x SSC、10%硫酸デキストラン、4% SDS、および500μg酵母tRNA含有、pH7)に再溶解する。ハイブリダイゼーション混合液を70℃で10-15分間インキュベートしてDNAを変性させ、次いで37℃で60分間インキュベートして反復配列をブロッキングする。スライド・ブロッキング溶液(500μgサケ精子DNA/50%ホルムアミド、2x SSC、10%硫酸デキストラン、および4% SDS含有、pH7)をアレイに添加する。室温で30分間インキュベートした後、ブロッキング溶液の約3/4を除去し、変性および再アニールさせたハイブリダイゼーション混合液を添加して、37℃で16-72時間ハイブリダイズさせる。ハイブリダイゼーション後、過剰のハイブリダイゼーション液を0.1Mリン酸ナトリウム、0.1% NP40、pH8で洗浄除去し、その後アレイを50%ホルムアミド、2x SSC、pH7で45℃にて15分間(1回)、そして最後に0.1Mリン酸ナトリウム、0.1% NP40、pH8で室温にて15分間洗浄する。
実施例4 減法的標識での単標識CGH
代表的な選択的除去は、被験サンプルから得たゲノム核酸または対照サンプルから得たゲノム核酸のいずれかに結合する標識を、大気オゾンで容易に除去されるようにすることによって行うことができる。ある種のフルオロフォア(例えばCy5TMおよびAlexa647)は10-30秒という短い時間で、約5-10ppmという低さのオゾンレベルに対して感受性がある。ハイブリダイゼーション後、アレイをオゾン発生装置を含む密閉チャンバー内に配し、約10-30分間、大気オゾンレベルを約60-85ppmとする。標識化工程の物理的性質を改変する、例えばゲノムDNAから標識までの距離を大きくして大気オゾンへの暴露を増加させることによって、1つのゲノム核酸集団から選択的に標識を除去してもよい。
別の選択的除去の例として、被験サンプルから得たゲノム核酸または対照サンプルから得たゲノム核酸のいずれかに結合する標識を、制限エンドヌクレアーゼまたはホーミング・エンドヌクレアーゼでの開裂によって容易に除去されるようにしてもよい。この例では、対照サンプルゲノム核酸を第1のユニーク捕捉配列(この第1のユニーク捕捉配列に相補的なオリゴヌクレオチドおよび蛍光標識を含有するデンドリマーがこれに結合する)を有するように調製する。被験サンプルは、ヌクレアーゼの認識配列を提示するヌクレオチド伸長鎖を含有する第2のユニーク捕捉配列を有するように調製し、この第2のユニーク捕捉配列に相補的なオリゴヌクレオチドおよび第1のサンプルで使用したのと同じ蛍光標識を含有するデンドリマーがこれに結合する。複数の固定化された目的核酸セグメントを含有するアレイに被験および対照ゲノム核酸をハイブリダイズさせた後、アレイの蛍光を測定する。
次いで、デンドリマー・コンストラクトがゲノム核酸から開裂するような条件下で、第2のユニーク捕捉配列内に含有される配列を認識するエンドヌクレアーゼとアレイを接触させ、被験サンプル核酸から蛍光標識を選択的に除去する。
別の選択的除去の例では、被験サンプルから得たゲノム核酸または対照サンプルから得たゲノム核酸のいずれかに結合する標識を、UV照射で容易に除去されるようにする。光で開裂されるリンカー、例えば2-ニトロベンジル基を含有するリンカーを用いて標識を導入する(例えばBaiら,Proc. Natl. Acad. Sci. 100:409-413,2003参照)。ハイブリダイゼーション後、水を含むチャンバーにアレイを配し、UVランプで340nmの光(光強度:約20mW/cm2)を5-10分間照射し、標識を一方のゲノム核酸(すなわち光開裂リンカーを含有する核酸)集団のみから選択的に除去する。
従って、これらの選択的除去の例では、アレイからのデータを、同じフルオロフォアの測定によって、2つの時点で得る。第1の読み取りは比較ゲノムハイブリダイゼーションの後(例えば被験サンプルゲノム核酸から標識を選択的に除去する前)で合計の核酸サンプルの蛍光を測定する(FTotal)。第2の読み取りは標識の選択的除去の後で、残存する対照サンプルゲノム核酸の蛍光を測定する(FReference)。被験サンプルゲノム核酸の蛍光(FTest)は(FTotal - FReference)に等しい。このようにして、同じフルオロフォアを用いて、2つのゲノム核酸サンプル間、および異なるサンプルで実施する試験間で最大限の均一性が得られる。対照ゲノムDNAに結合する核酸を除去するように選択的除去を設計する場合、第2の読み取りはFTestであり、FTestおよびFTotalの差がFReferenceとなる。
単標識CGHにおけるクォリティー・コントロールとして、被験および対照標識の2つのリンカーを入れ替えて比較ハイブリダイゼーションを反復する。
実施例5 加法的標識を用いる単標識CGH
単標識CGHのための代表的な加法的標識は、第1の比較ハイブリダイゼーション(対照サンプルから得られるゲノム核酸が第1のユニークなオリゴヌクレオチド・タグを含み、被験サンプルから得られるゲノム核酸が第2のユニークなオリゴヌクレオチド・タグを含む)を行うことによって実施できる。複数の固定化された目的とする核酸セグメントを含有するアレイと被験および対照ゲノム核酸をハイブリダイズさせた後、第1のユニーク・オリゴヌクレオチド・タグに相補的なオリゴヌクレオチドおよび蛍光標識を含有する第1のデンドリマー複合体にアレイを暴露する。これによって対照サンプルゲノム核酸の選択的標識を行うことができる。
デンドリマー・ハイブリダイゼーションの好ましい条件には、50μgのCotI DNAおよび50-100μgのSST(断片化(超音波処理)サケ精子DNA)を含有するPronto!TMハイブリダイゼーション・バッファー(Corning社)の使用がある。CotI DNAを他の任意の非哺乳動物ゲノムDNA(例えば植物DNA、魚類DNA、細菌DNA、および非天然DNA(例えばデンドリマーDNA))で置き換えてもよい。30分間のハイブリダイゼーション後、アレイを以下のように洗浄する:
1.スライドを、0.01% SDSを含有する2x SSC(pH7.5-8.0)に室温で、カバースライドが緩むまで(<3分間)浸漬する。
2.0.01% SDSを含有する2x SSC(pH7.5-8.0)中、穏やかに撹拌しながら50℃で5分間インキュベートする。
3.2x SSC(pH7.5-8.0)中、穏やかに撹拌しながら室温で5分間インキュベートする。
4.0.2x SSC(pH7.5-8.0)中、穏やかに撹拌しながら室温で5分間インキュベートする。
SDS:ドデシル硫酸ナトリウム(界面活性剤)
1x SSC:0.15モルの塩化ナトリウムおよび0.015モルのクエン酸ナトリウム
その後、アレイからのデータを読み取り、第1の対照サンプルゲノム核酸の蛍光(FReference)を測定する。次いで、第2のユニークなオリゴヌクレオチド・タグに相補的なオリゴヌクレオチドおよび第1のデンドリマー複合体で使用したのと同じ蛍光標識を含有する第2のデンドリマー複合体にアレイを暴露する。その後2回目のアレイデータの読み取りを行い、核酸の蛍光の合計を測定する(FTotal)。被験サンプルゲノム核酸の蛍光(FTest)は(FTotal -FReference)に等しい。このようにして、同じフルオロフォアを用いることによって、2つのゲノム核酸サンプル間、および異なるサンプルで実施する試験間で最大限の均一性が得られる。第1のデンドリマー複合体がFTestに結合する場合、FTestおよびFTotalの差がFReferenceとなる。この方法を図3に図示する。この方法の変法で、1つの標識したデンドリマーをハイブリダイゼーションの際にタグ標識したゲノム核酸と共ハイブリダイズする方法を図4に示す。
単標識CGHにおけるクォリティー・コントロールとして、被験および対照ゲノム核酸に結合するユニーク・タグ配列を入れ替えて比較ハイブリダイゼーションを反復する。
特に定義しない限り、本明細書で使用する全ての技術用語および統計用語は、本発明が属する分野における通常の技術者が共通して理解するのと同じ意味を有する。
本発明について本明細書に例証的に記載したが、任意の要素(単数または複数)、制限(単数または複数)を除いて好適に実施してもよく、それらについては本明細書に特に開示しない。従って、例えば“を有する”、“を含む”、“を含有する”などの用語は、制限なしに広範に読み取ってもよい。更に、本明細書で使用する用語および表現は用語の説明として用いるものであって、制限するものではない。それらの用語および表現の使用においては、明示または記載する特性の等価物またはその一部のいずれをも除外することを意図せず、認識されるように、本発明の特許請求の範囲内で種々の改変を行うことができる。
従って、好ましい態様および別の更なる特徴によって本発明を具体的に開示したが、当業者は本明細書において具体化した本発明の改変、改良、および変更の手段をとってもよく、それらの改変、改良、および変更は本発明の範囲内に含まれるとみなされることは理解されるべきである。本明細書に記載する物質、方法、および実施例は好ましい態様を表すもので、例証であって、本発明の範囲を制限することを意図しない。
本発明について、本明細書において広範かつ一般的に記載した。包括的な開示の中に含まれるより狭い分類および亜群もそれぞれ本発明の一部を成す。これには、その属から対象物を除外する条件または負の限定付きの本発明の包括的な説明が含まれ、除外されたものが本明細書に具体的に記載されているか否かは関係がない。
更に、本発明の特徴または観点をマルクーシュ群で記載する場合、当業者に認識されるように、本発明はマルクーシュ群の任意の個別メンバーまたはメンバーのサブグループでも記述される。
本明細書に記載する全ての文献、特許出願、特許、および他の文献は、そのそれぞれが個別で参照により組み込まれるのと同じ程度に、参照によりその全体が明確に本明細書に組み込まれる。不一致がある場合は、本明細書(定義を含む)が制御する。
他の態様を添付の特許請求の範囲に記載する。
CGHアレイフォーマットにおいて、22番染色体の末端に転座される9番染色体の一部(9q34)に特異的なプローブ(プローブ1)を用いたBCR-Ab1転座の検出結果を示す。 CGHアレイフォーマットにおいて、転座切断点に特異的なプローブ(プローブ2)を用いたBCR-Ab1転座の検出結果を示す。

Claims (32)

  1. 被験ゲノム核酸サンプル中の均衡型転座を含む染色体異常を検出する方法であって、
    ゲノム核酸アレイに以下:
    a)該被験ゲノム核酸サンプル;
    b)対照ゲノム核酸;および
    c)均衡型転座を検出するための少なくとも1つのプローブ、
    をハイブリダイズさせ;そして
    アレイにハイブリダイズした被験および対照核酸の相対量を測定し、並びに該少なくとも1つの均衡型転座検出プローブへのハイブリダイゼーションを測定する、
    ことを含む上記方法。
  2. 該被験および対照ゲノム核酸は異なる検出可能標識で標識され、該少なくとも1つの転座検出プローブは検出可能標識で標識される、請求項1記載の方法。
  3. 該少なくとも1つの転座検出プローブは転座するゲノムのある領域に相補的である、請求項1記載の方法。
  4. 該少なくとも1つの転座検出プローブは転座切断点にわたる配列を有するプローブを含む、請求項1記載の方法。
  5. 該少なくとも1つの転座検出プローブは複数の転座を検出するための複数のプローブを含む、請求項1記載の方法。
  6. 該複数の転座を検出するための複数のプローブのそれぞれは、転座プローブのそれぞれを個々に識別する検出可能標識で標識される、請求項5記載の方法。
  7. 該被験および対照ゲノム核酸は転座検出プローブに使用される標識と識別できる標識で標識される、請求項6記載の方法。
  8. 該被験および対照核酸は同一の検出可能標識で標識され、該少なくとも1つの転座検出プローブは該被験および対照サンプルの標識と異なる検出可能標識で標識される、請求項1記載の方法。
  9. ハイブリダイズした被験および対照核酸の量は、
    a)ハイブリダイズした被験および対照核酸の総量を示す、アレイにハイブリダイズした検出可能標識のシグナルを測定し;
    b)ハイブリダイズした核酸を処理して該検出可能標識を該被験および対照核酸の一方から選択的に除去し、ここで該検出可能標識はそれぞれ第1および第2の化学結合を介して被験および対照核酸に結合しており、該第1の結合または該第2の結合の一方は処理工程に対して感受性であり;
    c)工程b)の後、アレイにハイブリダイズした検出可能標識のシグナルを測定し、これは該ハイブリダイズした被験または対照核酸の一方を示しており;そして
    d)c)およびb)からのシグナルを用いてハイブリダイズした被験または対照核酸の他方のシグナルを測定する、
    ことにより測定される、請求項8記載の方法。
  10. ハイブリダイズした被験および対照核酸の量は、
    a)ハイブリダイズしたアレイを、検出可能標識および第1の物質を含有する第1の複合体と接触させることによって、アレイにハイブリダイズした被験または対照核酸の一方を示すシグナルを測定し、ここで、該第1の複合体は該被験または対照核酸に結合した第1のタグを介して該被験または対照核酸の一方と選択的に反応し、該第1の物質およびタグは特異的結合ペアのメンバーであり;
    b)工程a)のハイブリダイズしたアレイを検出可能標識および第2の物質を含有する第2の複合体と接触させることによって、ハイブリダイズした被験および対照核酸の総量を示すシグナルを測定し、ここで、該第2の複合体は工程b)で検出される該被験または対照核酸の他方に結合した第2のタグを介して、該被験または対照核酸の他方と選択的に反応し、該第2の物質および第2のタグは特異的結合ペアのメンバーであり;そして
    c)a)およびb)からのシグナルを用いて、工程a)で検出されない該ハイブリダイズした被験または対照核酸の他方のシグナルを得る、
    ことにより測定される、請求項8記載の方法。
  11. 該第1のタグおよび該第2のタグはそれぞれユニークなオリゴヌクレオチド捕捉配列を有する、請求項10記載の方法。
  12. 該第1の複合体および該第2の複合体はそれぞれ該ユニーク・オリゴヌクレオチド捕捉配列の一つに相補的なオリゴヌクレオチドを含む、請求項11記載の方法。
  13. 該第1の複合体および該第2の複合体はそれぞれデンドリマー・コンストラクト中に該ユニーク・オリゴヌクレオチド捕捉配列の一つに相補的なオリゴヌクレオチドを含む、請求項11記載の方法。
  14. ハイブリダイズした被験および対照核酸の量は、
    a)アレイにハイブリダイズした被験または対照核酸の一方を示すシグナルを測定し、ここで、該検出可能標識はハイブリダイゼーション前に結合済みであり;
    b)ハイブリダイズしたアレイを検出可能標識およびある物質を含む第1の複合体と接触させることによって、ハイブリダイズした被験および対照核酸の総量を示すシグナルを測定し、ここで、該第1の複合体は該被験または対照核酸の他方に結合したタグを介して該被験または対照核酸の他方と選択的に反応し;
    c)a)およびb)からのシグナルを用いて、工程a)で検出されない該ハイブリダイズした被験または対照核酸の他方のシグナルを得る、
    ことにより測定される、請求項1記載の方法。
  15. 該タグはオリゴヌクレオチド捕捉配列を含む、請求項14記載の方法。
  16. 該第1の複合体は該オリゴヌクレオチド捕捉配列に相補的なオリゴヌクレオチドを含む、請求項15記載の方法。
  17. 該核酸アレイは、それぞれ人工染色体内に含有されている複数の核酸セグメントを含む、請求項1記載の方法。
  18. 該人工染色体は細菌人工染色体(BAC)である、請求項1記載の方法。
  19. 該核酸アレイは複数の核酸セグメントを含み、該複数の核酸セグメントのそれぞれは約1,000から約1,000,000ヌクレオチド長である、請求項1記載の方法。
  20. 該核酸アレイは少なくとも1つの染色体の核酸配列を集合的に含有する複数の核酸セグメントを含む、請求項1記載の方法。
  21. 該複数の核酸セグメントは約1-4メガベース長の染色体配列のセグメントを含む、請求項1記載の方法。
  22. 該複数の核酸セグメントは細胞の全ての染色体の核酸配列を集合的に含有する、請求項1記載の方法。
  23. 該核酸アレイは目的の少なくとも約50ゲノム領域を集合的に含有する複数の核酸セグメントを含む、請求項1記載の方法。
  24. 該核酸アレイは、複数の核酸セグメントの核酸が存在する少なくとも約300個の分離された位置を含む、請求項1記載の方法。
  25. 該核酸アレイは、複数の核酸セグメントの核酸が存在する少なくとも約500個の分離された位置を含む、請求項1記載の方法。
  26. 少なくとも1つの検出可能標識はフルオロフォアである、請求項1記載の方法。
  27. 該被験サンプルは患者から得られたものである、請求項1記載の方法。
  28. 該被験核酸および対照核酸はゲノム核酸である、請求項1記載の方法。
  29. 転座プローブの検出可能標識は、アレイに部分的に結合したプローブの未結合部分に相補的なオリゴヌクレオチド捕捉配列を有するデンドリマー複合体である、請求項1記載の方法。
  30. 転座プローブのオリゴヌクレオチド領域は少なくとも12bp長である、請求項29記載の方法。
  31. 転座プローブのオリゴヌクレオチド領域は少なくとも15bp長である、請求項29記載の方法。
  32. 転座プローブのオリゴヌクレオチド領域は少なくとも18bp長である、請求項29記載の方法。

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