JP2009516351A - 低圧力および低出力状態で燃料電池スタックを運転する方法 - Google Patents

低圧力および低出力状態で燃料電池スタックを運転する方法 Download PDF

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Abstract

複数の低圧力損失型燃料電池を備える低圧力損失型燃料電池スタックを運転する方法が提供され、低圧力および低出力運転中に、各燃料電池のカソード流動場プレートの伝熱率は、同じ燃料電池のアノ−ド流動場プレートの伝熱率よりも高い。したがって、各燃料電池のアノード電極とカソード電極との間、ならびに、同一燃料電池の少なくとも1つのアノード流動場の反応物流体と、少なくとも1つのカソード流動場の反応物流体との間に、温度勾配が生じる。その結果として、低圧力および低出力運転中の、性能安定性が改善される。

Description

本発明は、低圧力および低出力の運転条件下で、燃料電池スタック、特に、固体高分子形燃料電池スタックを運転する方法に関する。
電気化学的燃料電池は、燃料および酸化剤を電気に変換する。固体高分子形電気化学的燃料電池は、炭素繊維紙または炭素布などの多孔質で電気伝導性のシート材料の層を一般的に備える2つの電極の間に配置された、イオン交換膜すなわち固体高分子形電解質を含む膜・電極一体構造(membrane electrode assembly)を、通常は採用する。膜・電極一体構造は、所望の電気化学的反応をもたらすために、各々の膜・電極一体構造のインターフェースにおいて、一般的には微粉砕されたプラチナの、触媒層を備える。運転時には、電極は、電極の間に電子を伝導するために、外部回路を介して電気的に結合される。一般的に、多数の膜・電極一体構造が、電気的に直列に結合され、所望の出力を有する燃料電池スタックを形成する。
膜・電極一体構造は、一般的に、2つの電気伝導性のバイポーラ流動場(flow field)プレートすなわちセパレータプレートの間に間置され、バイポーラ流動場プレートは、高分子材料、炭素質材料、黒鉛材料または金属材料を備え得る。これらのバイポーラ流動場プレートは、電流コレクタの役割を果たし、電極にサポートを提供し、反応物および生成物の通路を提供する。そのようなバイポーラ流動場プレートは、燃料および酸化剤の反応物流体の流れを、MEAのアノードおよびカソード電極にそれぞれ導き、過剰な反応物ガスおよび燃料電池運転中に形成される水などの反応生成物を除去するための、流動場を備え得る。
一般的に、反応物流体を燃料電池に供給し、他の燃料電池システムコンポーネントを作動するために一定量の圧力が必要であり、そのすべてが、燃料電池の運転圧力を支配する。したがって、燃料電池スタック運転中は、反応物ストリームは、一般的に、コンプレッサ、ポンプ、ブロワー、ファンなどによって、運転圧力にまで加圧される。大抵の場合、アノードおよびカソードの反応物ストリームを加圧するために必要な寄生電力の量を低減するために、より低い運転圧力が望ましい。具体的には、高効率のブロワーまたはファンが、コンプレッサおよびポンプよりも少ない量の寄生電力を消費するために、反応物ストリームを加圧するために望ましい。しかしながら、大半の市販ブロワーおよびファンは、従来の燃料電池の運転圧力よりも著しく低い圧力、例えば最大0.21bargまで、に反応物を加圧し、最高運転圧力を不適切に制限する。
通常の燃料電池運転中、カソードで水が生成され、その水は触媒層内、ガス拡散層内、反応物流動場内またはその表面に、水滴として凝結し得る。水滴は不安定な性能(例えば、アノードおよび/またはカソードにおける水の「フラッディング」)の一因となり、不均一な反応物流体の流れおよび反応物供給不足を引き起こし得るために、過剰な水滴は望ましくない。
この問題を解決するための最も一般的な方法は、流動場の圧力損失を増加すること、化学量論的に必要とされる量よりも多い反応物流体の量を提供すること、より高い運転圧力で運転すること、および/または運転温度を上昇すること、である。
例えば、アノードおよびカソードの流動場形状は、燃料電池を通過する反応物流体の流れ、および、例えば水などの反応生成物流体の燃料電池からの除去を受動的に高めるために、高い圧力損失を有するように設計され得る。しかしながら、これは、流動場の圧力損失を補うための運転圧力の増加につながり、したがって寄生電力消費を増加し、燃料効率を低下する。したがって、流動場の圧力損失は、特に低圧力燃料電池では、通常、例えば150mbarにまで、最小化される。しかしながら、低出力で低圧力燃料電池を運転するときには、少量の反応物が燃料電池に供給されるために、不安定な燃料電池の性能がしばしば見られ、したがって、低圧力燃料電池の流動場内の過剰な液体の水を除去するために不十分な反応物流速が生じ、これは特に、燃料効率を最大にするために化学量論が一般的に最小化されるアノード流動場内において生じる。
代替案として、アノードおよびカソード流動場に過剰な反応物を供給すること、反応物圧力を増加すること、または運転温度を上昇することによって、水を除去し得る。前者の方法は、カソード内の過剰な液体の水を取り除くために、せん断力をもたらすことによって水滴を除去し、後者の方法は、燃料電池内の液体の水を蒸発させることによって、水滴を除去する。しかしながら、すべてのこれらの方法もまた、寄生電力消費を増加させ、燃料効率を減少するために、好ましくない。
流動場内の過剰な水を除去する1つの方法は、公開された特許文献1に記載されており、ここでは、燃料電池システムおよびその制御方法は、フラッディングが生じた場所からのみ凝縮水を除去する能力を有する。加熱手段がセパレータ上に配置され、電解質膜の水和のための水蒸気が凝縮するときにそのスイッチが入り、凝縮水を蒸発するために電流が電源から加熱手段に供給される。加熱手段は、少なくとも1つのセパレータに提供され、加熱手段の作動および非作動は、燃料電池の状態により制御される。しかしながら、過剰な液体の水を蒸発または除去するための他のシステムコンポーネントを作動するために、電力消費は増加し、燃料効率は低下する。
別の方法は、公開された特許文献2に記載され、ここでは、燃料電池のカソードの温度は、低温での起動前、起動中、または起動後に、および凍結解凍サイクル後に、カソードからアノードへの水移動を生じるように、対応するアノードの温度よりも充分に高く保持され、カソード側を温めるかまたはアノード側を冷却することによって電極の間に温度差を与えることで、水流に影響を及ぼし、水流がさらにアノード方向に向かうようにして、性能を維持または回復する。温度は、ヒーターによって、あるいは、プロセス空気を加熱する、蒸発によって冷却されるようにアノードのみに空気を流す、アノードおよびカソードの両方に空気を流す(カソード側の空気の方がより暖かい)、または一時的にカソード内にHを注ぐことによって、制御され得る。これらの方法もまた、水がカソードで過剰にフラッディングすることを防止し、または過剰な水を蒸発させて、カソードのフラッディングによる燃料電池の性能損失を防止/回復するために、余分な寄生電力を消費する。
低出力で(例えば、0.5A/cm未満の電流密度で)運転中に、カソードに生成された水は、アノードおよびカソードの流動場内のそれぞれの燃料ストリームと酸化剤ストリームとの間の水蒸気圧力の差により、アノードに移動し得、その結果としてアノードのフラッディングを生じる。所望の発電出力を維持しつつ燃料効率を最大限にするために、燃料は通常できるだけ少ない化学量論で供給されるために、アノードのフラッディングを軽減することは困難である。さらに、低圧力で運転するとき(例えば、燃料電池スタックに反応体を供給するためにブロワーおよび/またはファンが使用される場合)には、反応物流動速度は、アノード流動場内の凝縮した水蒸気を除去するのに不十分であり、したがって性能の不安定度が増大する。
したがって、低圧力および低出力状態で運転する燃料電池スタックの不安定な性能を最小限にする、当該分野における必要性が依然として存在する。本発明はこの必要性を満たし、さらなる利点を提供する。
米国特許出願第2004/0137293号明細書 国際公開第2004/107839号パンフレット
簡単に述べるならば、低圧力および低出力運転条件において改善された性能安定性を有する、低圧力損失型燃料電池スタックを運転するための方法が提供され、燃料電池スタックの各燃料電池は、アノード流動場プレート、カソード流動場プレート、および膜・電極一体構造を備え、低圧力および低出力運転中に、各燃料電池のカソード流動場プレートは、同じ燃料電池のアノード流動場プレートよりも高い伝熱率(heat transfer rate)を有する。
複数の燃料電池を備える低圧力損失型燃料電池スタックの運転の実施に際して、低圧力および低出力運転中に、各燃料電池のカソード流動場プレートの伝熱率は、同じ燃料電池のアノード流動場プレートの伝熱率よりも高い。燃料電池スタックの運転中、反応物は、ブロワーまたはファンによって、各燃料電池のアノード流動場プレートおよびカソード流動場プレートに供給される。
アノード流動場プレートの伝熱率よりも高いカソード流動場プレートの伝熱率を生成するために、一実施形態においては、例えば、アノードおよびカソード流動場プレートに異なる材料を使用することによって、カソード流動場プレート材料が、アノード流動場プレート材料よりも高い熱伝導率を有する。したがって、低圧力損失型燃料電池スタックの低圧力および低出力運転中の、各燃料電池のカソード流動場の反応物からの熱排除(heat rejection)は、同じ燃料電池のアノード流動場の反応物からの熱排除よりも大きく、それにより各燃料電池のカソードは、同じ燃料電池のアノードよりも温かく保持される。
別の実施形態においては、少なくとも1つのアノードおよびカソード流動場が、冷却剤流動場を備え、カソード流動場の伝熱率がアノード流動場よりも確実に高くなるように、アノード流動場プレートのウェブの厚さはカソード流動場プレートのウェブの厚さよりも厚く作られる。言い換えると、アノード流動場の底から冷却剤流動場の平行端までの距離は、カソード流動場の底からバイポーラ流動プレートの冷却剤流動場の反対側端までの距離よりも長い。
本発明のこれらのおよび他の局面は、添付図面および以下の詳細な説明を参照することによって明らかとなる。
図面では、同一の参照番号は同様の要素または作用を特定する。図中の要素の大きさおよび相対的部分は、必ずしも尺度に従って描かれるわけではない。例えば、種々の要素の形状および角度は、尺度に従って描かれておらず、これらの要素の一部は、任意に拡大され、図面の視認性を向上するように配置されている。さらに、図示された要素の形状は、特定の要素の実際の形状に関するいかなる情報をも伝えることを意図されず、単に、図面の理解を容易にするために選択されている。
以下の説明では、本発明の様々な実施形態の完全な理解を提供するために、特定の具体的な詳細が記載される。しかしながら、本発明がこれらの詳細がなくても実施され得ることを、当業者は理解する。他の例において、燃料電池、燃料電池スタックおよび/または燃料電池システムに関連する周知の構造は、本発明の実施形態の説明を不必要に不明瞭にすることを避けるために、詳細に図示または記述されていない。
文脈上で別途要求されない限り、以下に続く明細書および請求項を通して、「備える、包含する(comprise)」の用語および「備えている」のようなその変形は、「含むがそれらに限定されない」のように、開放的な、包括的な意味に解釈されるものとする。
本明細書の中の「一実施形態」または「実施形態」の参照は、実施形態に関連して記載される具体的な特徴、構成、および性質が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書の中の種々の場所に登場する成句「一実施形態において」または「実施形態において」は、すべて必ずしも同一の実施形態を参照するわけではない。さらに、具体的な特徴、構造または性質は、1つ以上の実施形態において、任意の好適な方法で組み合わせられ得る。
本発明は、低圧力(例えば、0.21barg未満)および低出力(例えば、0.5A/cm未満)で燃料電池スタックを運転する方法を特徴とし、燃料電池スタック内の各燃料電池の性能は、各燃料電池のアノードおよびカソード流動場プレートに異なる伝熱率を確立することによって安定し、したがって各燃料電池のカソード流動場プレートの伝熱率が、同じ燃料電池のアノード流動場プレートの伝熱率よりも高くなる。
図1は、第1表面10上にアノード流動場8を有するアノード流動場プレート4、および第1表面14上にカソード流動場12を有するカソード流動場プレート6を備える、例示的なバイポーラ流動場プレート2の断面を示す。低圧力運転を助長するために、アノード流動場8およびカソード流動場12は、好ましくは150mbar未満の低圧力損失を有する必要がある。アノード流動場プレート4とカソード流動場プレート6とは、その周辺端の周辺で互いに接着結合され得(図示せず)、したがって、アノード流動場プレート4の第2表面18は、カソード流動場プレート6の第2表面20と対面し、接触する。代替案として、アノード流動場プレート4とカソード流動場プレート6とは、互いに接着結合されない。さらに、アノード流動場プレートおよびカソード流動場プレートの第2表面の少なくとも1つが、少なくとも1つの冷却剤流動場をさらに備え得る。冷却剤流体を循環するための少なくとも1つの冷却剤流動場は、アノードおよびカソード流動場内の反応物から熱を除去するために、一般的に燃料電池に用いられ、それによって、燃料電池を最適な運転温度に保持する。さらに、冷却剤流体は、膜・電極一体構造(以下、「MEA」と称する)のコンポーネントを破損する可能性のあるホットスポットが燃料電池に形成されることを防ぐために、燃料電池全体にわたり熱を均一に分散する手助けをする。例えば、図1において、カソード流動場プレート6は、カソード流動場プレート6の第2表面20上に冷却剤流動場22をさらに備える。別の代替案においては、アノードおよびカソードの両流動場プレートが、冷却剤チャネルを備え得る(図示せず)。
運転中のカソード流動場プレート6の伝熱率は、アノード流動場プレート4の伝熱率より高いことが好ましい。例えば、低圧力および低出力運転中に、酸化剤は、ブロワーまたはファン(図示せず)を使用して、カソード流動場12に供給され、燃料は、ブロワーまたはファン(図示せず)を使用して、アノード流動場8に供給され(アノード流動場8に入る前に、任意に改質器(reformer)を通過し得る)、冷却剤流体は、冷却剤流動場22に流入する。カソード流動場12の酸化剤から冷却剤流動場22の冷却剤流体に伝導または除去される熱量は、アノード流動場8の燃料から冷却剤流動場22の冷却剤流体に伝導または除去される熱量よりも多い。したがって、反応物が同一温度でアノードおよびカソード流動場に供給される場合には、燃料は酸化剤よりも高い温度になる。
前述の通り、各燃料電池のアノードおよびカソード流動場プレートに異なる伝熱率を生成することは、寄生電力損失を減少し燃料効率を増加するために、例えば、0.21barg未満で約0.5A/cm未満の低圧力および低出力運転にとって、特に重要である。好ましくは、化学量論的に必要とされる量の燃料のみがアノード流動場に供給されるが、これは、燃料を供給するブロワーおよび/ファンを動かすために必要な電力量を削減し、燃料利用率を向上し、よって燃料効率を向上するからである。しかしながら、この方法は、特に、燃料が100%の水素であり、燃料電池の温度が特に高くない場合(低出力で電圧が高いために)には、アノード流動場に供給される燃料量を最小限にし、アノード流動場における不十分な流速と、カソードからアノードへと移動した水を十分に除去するには低すぎる燃料電池の温度とを生じ得る。低圧力および低出力運転条件で、酸化剤として空気を使用するときには(空気は21%のみの酸素を有するために)、比較的多い量の酸化剤がカソードに供給されるために、カソードに水を保持することが好ましい。これは、カソード流動場に供給される酸化剤の量は、アノード流動場に供給される燃料の量よりも多く、また燃料よりも著しく速い反応物流速で供給されることを意味する。
低圧力および低出力運転中に、アノード流動場およびカソード流動場プレートに異なる伝熱率を実現する1つの方法は、カソード流動場プレート6の熱伝導率が、アノード流動場プレート4の熱伝導率よりも高くなるように、各プレートに異なる熱伝導率の材料を使用することである。アノードおよびカソード流動場プレートの所望の熱伝導率を得るために、例えば、炭素、黒鉛、金属および/または高分子などの材料の様々な混合物が使用され得る。一実施例において、異なる樹脂が、それぞれの流動場プレートにその熱伝導率を変化するために使用され得る。代替案として、プレートの各層に異なる材料を有する層状プレート構造がまた、運転中に各流動場プレートの熱伝導率および/または伝熱率を制御するために使用され得、熱伝導率を増加するために金属層を組み入むか、または熱伝導率を減少するために相対的に断熱性の層を組み込むか、あるいは、アノードおよびカソード流動場プレートに異なるコーティングが施された金属プレートを使用する。別の代替案においては、プレートの片面の樹脂量は、流動場プレートの反対面のそれよりも多くされ得る。さらに別の代替案においては、異方性の熱特性を有する材料が、各流動場プレートの所望の伝熱率を獲得および/または制御するために、層状構造の一部として使用され得る。異方性材料の一例は、膨張黒鉛であり、その面内の熱伝導率は、その面を横切る熱伝導率よりもけた違いに高い。異なる材料およびその混合物が、アノードおよびカソード流動場プレートに使用され得るが、それぞれのプレート材料の熱膨張率は、バイポーラ流動場プレートおよび燃料電池に大きな熱応力を発生するほどには、異なるべきではないことを、当業者は理解する。
低圧力および低出力運転中に、各燃料電池のアノードおよびカソード流動場プレートに異なる伝熱率を実現する別の方法は、それらのウェブの厚さを制御することである。ウェブの厚さは、流動場プレートの第1表面上の反応物流動場の底から、同じ流動プレートの裏の第2表面までの断面的距離として定義される。裏の第2表面が冷却剤流動場をさらに備える場合には、ウェブの厚さは、反応物流動場の底から冷却剤流動場の底までの距離である。
例えば、図1で、アノード流動プレート4のアノードプレートウェブの厚さ34は、アノード流動場8の表面36からアノード流動場プレート4の第2表面18までの距離である。同様に、カソード流動場プレート6では、カソードプレートウェブの厚さ35は、カソード流動場12の表面38から冷却剤流動場22の表面40までの距離である。バイポーラ流動場プレート2は、アノード流動プレート4の第2表面18と、カソード流動場プレート8の第2表面20とが接触することによって形成される。
本方法の実施形態が、図2を参照して検討される。図2は、2つの燃料電池30および30−1を備える燃料電池スタック42を示す。燃料電池30は、アノード流動場プレート4、カソード流動場プレート6、およびMEA32を備え、MEA32は、アノード電極24、カソード電極26および膜28を備え、燃料電池30はさらに、アノード流動場8、カソード流動場12および冷却剤流動場22を備える。同様に、隣接する燃料電池30−1は、アノード流動場プレート4−1、カソード流動場プレート6−1、およびアノード電極24−1とカソード電極26−1と膜28−1とを有するMEA32−1を備え、さらにアノード流動場8−1、カソード流動場12−1、および冷却剤流動場22−1を備える。
この燃料電池スタックの低圧力および低出力運転中に、冷却剤流体は、カソード流動場プレート6の第2表面20上の冷却剤流動場22を循環され、冷却剤流体は、燃料電池30−1のアノード流動場プレート4−1の第2表面18−1と接触して、燃料電池30および30−1の熱を均一に除去および/または分散する。アノード電極24−1に接触するアノード流動場8−1の反応物流体の温度は、関連するプレートウェブの厚さの違い(例えば、アノードウェブの厚さ34は、カソードウェブの厚さ35よりも厚い)により、カソード電極26に接触するカソード流動場12の反応物流体の温度と異なる。好ましくは、アノード流動場の反応物流体は、カソード流動場の反応物からの熱をアノード流動場の反応物からの熱よりも多く排除するように、カソード流動場の反応物流体の温度よりも高温に保持される。これは、カソード流動場内の水蒸気の凝縮を促進し、低圧力および低出力運転中の各燃料電池のカソードから、同じ燃料電池のアノードへの水の逆拡散を最小化し、それによってアノードのフラッディングを減少する。前述の方法、および/またはアノードおよびカソード流動場プレートに異なる伝熱率を受動的にもたらすための、当該分野において公知の他の方法によって、カソード流動場プレートの伝熱率は、隣接のアノード流動場プレートの伝熱率よりも高い。
図2を参照して、燃料電池スタック42は、燃料電池30のカソード流動場プレート6の第2表面20が、隣接する燃料電池30−1のアノード流動場プレート4−1の第2表面18−1と接触するように、燃料電池30を隣接する燃料電池30−1の隣に積み重ねることによって構成され得る。燃料電池スタック42において、冷却剤流動場22および22−1は、それぞれ、カソード流動場プレート6および6−1の第2表面上に形成される。例えば、燃料電池30のカソード流動場プレート6は冷却剤流動場22を備え、冷却剤流体は、燃料電池30のカソード流動場プレート6と隣接する燃料電池30−1のアノード流動場プレート4−1との間を流れ得る。さらに、上記の通り、低圧力および低出力運転中に、各燃料電池のカソード流動場プレートの伝熱率は、隣接する燃料電池の隣接するアノード流動場プレートの伝熱率よりも高い。
燃料電池スタック42において、アノード流動場プレート4および4−1と、カソード流動場プレート6および6−1の1つまたは両方の第2表面は、それぞれ冷却剤流動場22および22−1を備え得る。代替案として、冷却剤流動場が、アノード流動場プレート4またはカソード流動場プレート6のいずれの第2表面にも存在しないことがあり得る。その代わりに、バイポーラ流動場プレート2は、アノード流動場プレート4−1の第2表面18−1とカソード流動場プレート6の第2表面20との間に配置された付加的冷却剤プレートをさらに備え、冷却剤流動場は冷却剤プレート上に形成される(図示せず)。一実施形態において、冷却剤流動場プレートは、異なる熱伝導率を有する異なる材料を用いることによって、および/または冷却剤流動場がアノード流動場よりもカソード流動場に近くなるようにそれらを位置決めすることによって、および/またはアノードおよびカソード流動場プレートに異なる伝熱率を受動的にもたらすための当該分野において公知の他の方法によって、低圧力および低出力運転中に、アノード流動場プレートよりも高いカソード流動場プレートの伝熱率(例えば、カソード流動場プレートから除去される熱量が、アノード流動場プレートから除去される熱量よりも多い)を生成するような、冷却剤流動場プレートであり得る。
以下の実施例は、本発明の特定の局面および実施形態を示すために提供されるが、決して制限するものと解釈されるべきではない。
2つの10セル燃料電池スタックが、以下の条件下で試験された。希釈燃料(74%水素、20%二酸化炭素、6%窒素)が、17.2kPagの圧力、57℃の給湿温度、および1.25の化学量論でアノードに供給され、空気が10.7kPagの圧力、57℃の給湿温度、および2.0の化学量論でカソードに供給された。両スタックのアノード流動場は、120mbarの圧力損失を有し、両スタックのカソード流動場は100mbarの圧力損失を有した。第1スタックのアノード流動場プレートのアノード流動場プレートウェブの厚さは1.88ミリメートルであり、第2スタックのアノード流動場プレートのアノード流動場プレートウェブの厚さは3.6ミリメートルであった。両スタックは、0.285A/cmで約15分間運転された。
図3は、1.88ミリメートルのウェブの厚さのアノード流動場プレートを備える、第1の10セルスタックの各燃料電池の平均性能を示す。平均性能は不安定であり、セル間の大きな電圧のばらつきを有し、最良性能のセルと最悪性能のセルとの間の差は50mVを上回った。0.285A/cmでの平均性能は544mVであった。
図4は、3.6ミリメートルのウェブの厚さのアノード流動場プレートを備える、第2の10セルスタックの各燃料電池の平均性能を示す。性能は安定しており、セル間の電圧のばらつきはより少なく、最良性能のセルと最悪性能のセルとの間の差は17mV未満であった。0.285A/cmでの平均性能は722mVであり、544mVにすぎなかった第1の10セルスタックよりも著しく良いものであった。
カソードからアノードへの水の逆拡散の減少は、燃料電池のアノード出口でノックアウトされた水から凝縮した水を収集することによって検証された。同じ2つの10セル燃料電池スタックが、0.221A/cmで8時間運転された。合計15.4グラム/時間の水が、第1の10セル燃料電池スタックから収集され、合計わずか1.2グラム/時間の水が、第2の10セル燃料電池スタックから収集され、したがって、カソードからアノードへの水の逆拡散および低圧力損失型アノード流動場によるアノードのフラッディングの減少に対する、アノード流動場プレートウェブの厚さの顕著な影響が示された。
本発明の特定の要素、実施形態、および用途が、図示および記述されてきたが、特に前述の教示を踏まえて、本発明の開示の精神および範囲から逸脱することなく当業者によって変更が行われ得るために、本発明はそれに制限されるものではないことを理解されたい。
図1は、低圧力損失型アノードおよびカソード流動場を有するバイポーラ流動場プレートの断面図である。 図2は、低圧力損失型燃料電池および燃料電池スタックの断面図である。 図3は、アノード流動場プレートの第1セットを使用した第1の10セルスタックにおける、各セルの平均性能を示すセル電圧対セル位置の図である。 図4は、アノード流動場プレートの第2セットを使用した第2の10セルスタックにおける、各セルの平均性能を示すセル電圧対セル位置の図である。

Claims (3)

  1. 複数の燃料電池を有する固体高分子形燃料電池スタックを運転する方法であって、該方法は、
    a)各燃料電池のアノード流動場プレートの少なくとも1つのアノード流動場に、0.21barg未満の圧力で燃料を供給するステップと、
    b)各燃料電池のカソード流動場プレートの少なくとも1つのカソード流動場に、0.21barg未満の圧力で酸化剤を供給するステップと、
    c)少なくとも1つの冷却剤流動場に冷却剤を供給するステップと、
    を包含し、
    0.5A/cm未満の電流密度での燃料電池スタックの運転中に、各燃料電池の該アノード流動場プレートの温度は、同じ燃料電池の該カソード流動場プレートの温度よりも高い、
    方法。
  2. 前記燃料および酸化剤は、ブロワーまたはファンによって供給される、請求項1に記載の方法。
  3. 0.5A/cm未満の電流密度での燃料電池スタックの運転中に、1つの燃料電池の前記アノード流動場プレートの温度は、隣接する燃料電池の前記カソード流動場プレートの温度よりも高い、請求項1に記載の方法。
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