JP2009516067A - コア/シェルポリマー - Google Patents

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Abstract

コアが非溶融流動性PTFEを含み、シェルが、溶融成形可能なパーフルオロポリマーを含むコア/シェルポリマーであって、チキソトロピック溶融ブレンドと、溶融成形可能なパーフルオロポリマー単独と比べて改善された物理的特性とを与えるコア/シェルポリマーが提供される。

Description

本発明は、パーフルオロポリマーコア/シェルポリマーに関する。
所望の成形品の生産速度を上げるために、例えば、通信ケーブル用の一次絶縁またはケーブル外被のための押出速度を上げるために溶融加工温度でより高い流動性を持った溶融成形可能なパーフルオロポリマーを提供することが望ましくなってきた。高流動性パーフルオロポリマーの開発は、パーフルオロポリマーの物理的特性が依然として満足できるままであるようにパーフルオロポリマー組成の変化を伴ってきた。便宜上、溶融流動性はしばしば、関係する特定のパーフルオロポリマーについてのASTM(米国材料試験協会)試験によって構築される規定温度で規定負荷下にASTM D1238−94aのプラストメーター(Plastometer)(登録商標)から10分間に流れるグラム単位でのポリマーである溶融流量(MFR)と言われる。MFRが高ければ高いほど、パーフルオロポリマーの流動性はより高い。流動性が溶融粘度の観点から表現されるとき、MFRが高ければ高いほど、溶融粘度はより低い。高いMFRパーフルオロポリマーはより高い生産速度が達成されることを可能にしてきたが、絶縁/被覆プレナムケーブルなどの物品が使用されているビルでの火災で遭遇するかもしれないなどの高温に曝されたときに高いMFRパーフルオロポリマーがまたより流動性(流体)であるという不利点が生じた。この増加した流動性の結果は、パーフルオロポリマーが溶融しそしてドリップし、ドリップが建築基準法NFPA−255によって禁止されている煙の発生をもたらすことである。
米国特許公報(特許文献1)は、ブレンドがパーフルオロポリマー・プラス・チャー形成剤のみである場合に観察されるであろう物理的特性の劣化を防ぐための少量の炭化水素ポリマーと一緒に相当量の無機チャー形成剤の添加を開示している。得られた3成分ブレンドはNFPA−255燃焼試験に合格するのに十分にプレナムケーブル外被のように非燃焼性および無発煙の両方であるが、かかる外被組成物は、相当量の非パーフルオロポリマー、すなわち、チャー形成剤および炭化水素ポリマーを含有し、それはある種の用途では不利であり得る。
課題は、押出または射出成形によるなどの、溶融成形の容易さのために、高い溶融流量を有する、そしてまたビル火災からなどの熱に曝されたときにドリッピング(溶融流れ)に抵抗する両方のパーフルオロポリマーの取得方法である。
米国特許出願公開第2005/0187328 A1号明細書 米国特許第2,685,707号明細書 米国特許第6,841,594号明細書 米国特許第3,819,594号明細書 米国特許第4,036,802号明細書 米国特許第3,142,665号明細書 米国特許第6,870,020号明細書 米国特許第4,952,630号明細書 米国特許第4,380,618号明細書 米国特許第5,677,404号明細書 米国特許第5,932,673号明細書 米国特許第5,708,131号明細書 米国特許第4,722,122号明細書 米国特許第6,429,258号明細書 F.N.コグズウェル(F.N.Cogswell)著、「ポリマー溶融レオロジー、工業的実施のための手引き(Polymer Melt Rheology,A Guide for Industrial Practice)」、Woodhead Publishing社、1996年、31ページ
本発明は、非溶融流動性ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)と、溶融成形可能なパーフルオロポリマーとの新規組み合わせを提供することによってこの課題を解決する。このように、一態様での本発明は、ポリマーのコアが非溶融流動性ポリテトラフルオロエチレンを含み、そしてポリマーのシェルが溶融成形可能なパーフルオロポリマーを含み、この特性をコア/シェルポリマーに与えるのに有効量であるシェル中に存在するパーフルオロポリマーによって溶融成形可能であるコア/シェルポリマーである。シェルとして存在する溶融成形可能なパーフルオロポリマーの割合はまた好ましくは、前記コア/シェルポリマーの溶融混合ブレンドが溶融成形可能なパーフルオロポリマーの連続相(マトリックス)を、その中にポリテトラフルオロエチレンコアが粒子(領域)として分散された状態で提供されるのに有効な量である。
本発明のコア/シェルポリマーは微粒子であり、溶融混合時に、この微粒子特性は先に記載された分散系になる。コア/シェルポリマーは好ましくは少なくとも約0.1重量%の非溶融流動性ポリテトラフルオロエチレンをコアとして含有し、はるかにより大きい百分率の、例えばそれの少なくとも30重量%もしくは少なくとも40重量%、または少なくとも50重量%さえのPTFEコアを含有することができ、本明細書に開示される全てのコア/シェルポリマー重量%は、コアの前記非溶融流動性ポリテトラフルオロエチレンとシェルの前記溶融成形可能なパーフルオロポリマーとを合わせた重量を基準としている。本発明のコア/シェルポリマーは、コアのPTFEとシェルのパーフルオロポリマーとを合わせた重量を基準として、約65重量%PTFEまでおよび約75重量%までさえ、有利な溶融流れ性および物理的特性を示す。実施例50Bおよび50Cに開示されるコア/シェルポリマー実施形態は、特にコア/シェルポリマー中の少なくとも50重量%のコア含有率で、およびはるかにより高いコア含有率、例えば約95重量%コアでさえ、有利な特性を示す。コア含有率が実施例50Bおよび50Cの実施形態についての約75重量%から増加するとき、コア/シェルポリマーの溶融混合がシェル溶融成形可能なパーフルオロポリマーのマトリックス中へのコアの分散をもたらすことはそれほど確かではなくなる。約75重量%までのコア含有率での本コア/シェルポリマーから成形された物品は、PTFEから成形された物品のように不透明であるよりむしろ、透明から半透明であり、PTFEが分散相として存在することを裏付ける。
コア/シェルポリマーおよびシェルパーフルオロポリマーの両方を特徴づける溶融成形性は、有用であるように十分な強度を有する製品を製造するために、押出および射出成形などの、ポリマーを剪断にさらす工程を含む溶融加工によってそれらを成形することができるほど十分にそれらが溶融状態で流動性であることを意味する。この強度の一属性は、本コア/シェルポリマーの溶融ブレンドから製造されたフィルムを、フィルム亀裂または破壊なしに、繰り返し曲げる能力である。この関連で、本コア/シェルポリマーは好ましくは、少なくとも500サイクル、より好ましくは、少なくとも1000サイクル、さらにより好ましくは少なくとも2000サイクル、最も好ましくは約4000サイクルのMIT曲げ寿命を示す。溶融成形を可能にする、溶融流動性の一属性は、本発明のコア/シェルポリマーが、全て100s−1の剪断速度および約350℃〜400℃の範囲の温度で、好ましくは約5×10Pa・s以下、より好ましくは約1×10Pa・s以下、最も好ましくは約5×10Pa・s以下の溶融粘度を示すことである。本明細書に開示される溶融粘度の測定は、特に明記しない限り、(非特許文献1)に開示されているように、ポリマー溶融物に加えられる剪断応力を、ポリマー溶融物に加えられる剪断速度で割ることによる。実際に、同等溶融粘度は、剪断速度および剪断応力を測定するために用いられる流動計に付随するコンピューター読み出しから簡単に得られる。
このように、本発明のコア/シェルポリマーは、溶融成形可能なパーフルオロポリマー単独について既に使用中の溶融成形法に有用である。
PTFEコアの非溶融流動性は、PTFEが溶融状態で流れない、それ故溶融状態で混合することができないほど高い溶融粘度を有することを意味する。従って、コアのPTFEは単独では、剪断および溶融流れの両方を含む、押出および射出成形の典型的な溶融成形法によって成形することができない。代わりに、このPTFEが米国特許公報(特許文献2)に開示されているように、典型的には15℃〜150℃の温度でのPTFE/有機滑剤混合物のペースト押出、引き続くPTFE粒子を成形品へ合体させるための焼結などの非溶融流れ操作によって成形されることはよく知られている。
別の態様での本発明は、前記溶融成形可能なパーフルオロポリマーのマトリックス中の前記PTFEの分散系を得るために上記コア/シェルポリマーを溶融ブレンドする工程を含む方法を含む。コア/シェルポリマーの粒子を一緒に溶融混合する過程で、PTFEは分散相になり、溶融成形可能なパーフルオロポリマーは得られた溶融ブレンドの連続相になる。溶融流動性パーフルオロポリマーである連続相は、溶融混合組成物の溶融成形性によって裏付けられる。
驚くべきことに、PTFEコアが非溶融流動性であるにもかかわらず、それは、本コア/シェルポリマーから形成された溶融ブレンドに予期されない流動特性を与える。溶融ブレンドの溶融粘度を恒久的に増加させる代わりに、かかるコアはチキソトロピーを溶融マスに与える。こうして、溶融ブレンドに加えられる剪断速度が増加するにつれて、溶融ブレンドの粘度は減少する。これは、コア/シェルポリマーが、相当な割合の非溶融流動性PTFEを含有するかもしれないにもかかわらず、溶融成形されることを可能にする。好ましくは、コア/シェルポリマーを含む溶融ブレンドは、本明細書で後に記載されるキャピラリー流動計法によって測定される場合、剪断速度を約10s−1から約100s−1に上げたとき、溶融成形可能なパーフルオロポリマー単独に対する同じ剪断速度における粘度の減少より少なくとも約10%大きい溶融物の粘度の減少によって特徴づけられるチキソトロピーを示す。別の驚くべき溶融ブレンド特性は、匹敵するMFRの溶融成形可能なパーフルオロポリマー単独と比べて溶融ブレンドの臨界剪断速度の増加であり、それは、増加した生産速度をもたらす増加した押出性と射出成形性とを示す。臨界剪断速度は、押出物の表面が滑らかさを失って外観が粗くなり、サメ皮外観から全体メルトフラクチャーに及ぶ押出速度である。好ましくは、本発明のコア/シェルポリマーは、溶融成形可能なパーフルオロポリマー単独での臨界剪断速度より少なくとも約10%大きい臨界剪断速度を示す溶融ブレンドを提供する。本発明のコア/シェルポリマーのこれらの溶融特性は、向上した生産速度および/または実用的手段によってこれまで得ることができなかった複雑造形品の溶融成形につながる。
本溶融ブレンドのチキソトロピー性はまた、溶融ブレンドから溶融成形された物品の使用のためにもなる。それらは、剪断の不存在下では、すなわち、重力によって発揮される剪断の影響下のみでは本質的に低いからなしの溶融流れ(高い溶融粘度)を有する。このように、コア/シェルポリマーブレンドの物品がコア/シェルポリマー(ブレンド)の融点より上であるかもしれない、ビル火災へのかかる物品の暴露時に、ドリップし、そして煙を生み出す傾向は、溶融成形可能なパーフルオロポリマー単独から製造された物品よりかなり少ない。米国特許公報(特許文献1)のパーフルオロポリマー/チャー形成剤/炭化水素ポリマー組成物と比べて、本発明のコア/シェルポリマーの溶融ブレンドから溶融成形された物品は、溶融されたときにドリッピングを防ぐための添加剤をほとんどから全く必要としない。
本発明のコア/シェルポリマーを含む溶融ブレンドから溶融成形された物品はまた、本明細書で以下に議論されるように驚くべき物理的特性を示す。
本発明のコア/シェルポリマーの組成物に関して、PTFEの非溶融流動性はまた、米国特許公報(特許文献4)の比溶融粘度測定手順を参照する、米国特許公報(特許文献3)にさらに記載され、そしてそれに従って測定されるように、30分間の既知の引張応力下でのPTFEの溶融スライバーの伸び率の測定を伴う、時々比溶融粘度と呼ばれる、高い溶融クリープ粘度によって特徴づけることができる。本試験では、該試験手順に従って製造された溶融スライバーは、溶融クリープ粘度の測定が開始される前に、負荷下に30分間維持され、そしてこの測定は次に、加負荷の次の30分中に行われる。PTFEは、全て380℃で、好ましくは少なくとも約1×10Pa・s、より好ましくは少なくとも約1×10Pa・s、最も好ましくは少なくとも約1×10Pa・sの溶融クリープ粘度を有する。この温度は、それぞれ、343℃および327℃のPTFEの第1および第2溶融温度より十分に上である。PTFEコアの非溶融流動性と、溶融成形可能なパーフルオロポリマーシェルの溶融流動性との間の差は、ASTM(米国材料試験協会)D1238−94aの溶融流量(MFR)試験手順から明らかである。この手順で、MFRは、10分において、規定の温度、通常は372℃で規定の負荷下に画定されたオリフィスを通って流れる当該パーフルオロポリマーのg/10分単位での速度である。本発明に使用されるPTFEはMFRを有さない(ゼロMFR)。コア/シェルポリマーのコアに存在するPTFEの高い溶融クリープ粘度はまた、PTFEが焼結性である、すなわち、PTFEの、金型によって支持されていない(自立した)成形品をPTFEの融点より上に加熱して、成形品が流れてその形状を失うことなくPTFE粒子を共に合体(焼結)させ得ることを意味する。本発明に使用されるPTFEはまた、米国特許公報(特許文献5)およびASTM D4894−94にさらに記載されているように、規定方法で調製されたPTFE検体の空気中の重量対23℃での等容量の水の重量の比である標準比重(SSG)によってもしばしば特徴づけられる。SSGが低ければ低いほど、PTFEの分子量はより高い。ASTM D−4894−94に開示されているような検体調製手順には、試験検体の圧縮成形、金型からの圧縮成形試験検体の取り出し、および380℃での、空気中での検体の焼結、すなわち、自立が含まれる。PTFEの非溶融流動性は、試験検体がその圧縮成形形状および寸法を失うことなく焼結が実施されることを可能にする。
PTFEは、それぞれ、懸濁または水性分散重合によって製造された、顆粒タイプまたは微粉タイプであることができる。PTFEはテトラフルオロエチレンのホモポリマーまたはそれとヘキサフルオロプロピレンもしくは好ましくはアルキル基が線状または分岐であることができ、そして1〜5個の炭素原子を含有するパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)などの、少量のコモノマーとの共重合体であることができ、コモノマーは、TFEホモポリマーと比べて、低下した透過性およびより大きい曲げ寿命のような改善を得るために、TFEの焼結性を向上させる。コア中の改質剤は、TFEと共重合して溶融成形可能なシェルを形成するパーフルオロモノマーと同じものまたはそれとは異なるものであることができる。例えば、コア中の改質剤はPAVEコモノマーであることができ、シェル中のパーフルオロモノマーは異なるPAVEコモノマーまたはHFPなどのパーフルオロオレフィンであることができる。コモノマー改質PTFEは時々、改質PTFEと言われる。改質PTFEの例は、米国特許公報(特許文献6)、米国特許公報(特許文献4)、および米国特許公報(特許文献7)に開示されており、この改質PTFEは、本発明のコア/シェルポリマーのコアとして使用することができる。米国特許公報(特許文献6)および米国特許公報(特許文献4)は、0.05〜0.3重量%の範囲内の、PTFE中の非常に少ない改質剤含有率を開示しており、米国特許公報(特許文献7)は、約0.5〜10重量%のより高い改質剤含有率を開示している。実施例50Bおよび50Cは、PTFEコアの改質剤含有率が高いときに少なくとも50重量%のコア含有率で驚くべき結果を開示している。簡単にするためにおよび改質PTFEが同じ非溶融流れ、PTFEホモポリマーの高い溶融クリープ粘度を示すので、このタイプのPTFEは、用語ポリテトラフルオロエチレンまたは本明細書で用いられるPTFEに含められる。
本発明で使用される非溶融流動性PTFEは、その低い分子量のために溶融流動性を有するが溶融成形性を持たない、低分子量PTFEと区別されるべきである。ASTM D1238−94aによって測定可能であるMFRを有する、この溶融流動性PTFEは、非常に長いポリマー鎖が形成するのを防ぐ条件下での直接重合によって、または非溶融流動性PTFEの照射分解によって得られる。かかる溶融流動性PTFEは普通はPTFE微粉と呼ばれる。それは、溶融物から成形された物品が極端な脆さのために役に立たないので、溶融成形可能であるとは見なされない。(非溶融流動性PTFEと比べて)その低い分子量のために、それは強度を全く持たない。PTFE微粉の押出フィラメントは非常に脆いので、それは曲げると破壊する。
本発明のパーフルオロポリマーシェルに関して、パーフルオロポリマーにおいて接頭辞「パー」によって示唆されるように、ポリマーを作り上げる炭素原子に結合した一価原子は全てフッ素原子である。他の原子は、ポリマー末端基、すなわち、ポリマー鎖を終わらせる基に存在してもよい。パーフルオロポリマーはパーフルオロプラスチックであり、パーフルオロエラストマーではない。
本発明に使用されるパーフルオロポリマーの溶融流量(MFR)は、コアPTFEの割合、コア/シェルポリマーに望ましい溶融成形技法、および溶融成形品に望まれる特性に依存して、広範に変わることができる。このように、溶融成形可能なパーフルオロポリマーについてのMFRは、樹脂にとって標準的である温度(例えば、両方ともプラストメーター(Plastometer)(登録商標)での樹脂溶融温度として372℃を規定している、最も一般的な溶融成形可能なフルオロポリマーに適用できるASTM D2116−91aおよびASTM D3307−93を参照されたい)で、ASTM D−1238−94aによって、そして米国特許公報(特許文献8)に開示されている詳細な条件に従って測定されるように、約0.1〜500g/10分の範囲にあることができるが、約0.5〜100g/10分、より好ましくは0.5〜50g/10分として通常は好ましいであろう。一定量の時間にプラストメーター(登録商標)から押し出されるポリマーの量は、ASTM D1238−94aの表2に従ってg/10分の単位で報告される。シェル中のパーフルオロポリマーのMFRは、シェルを形成するために用いられる同じレシピおよび重合条件を用いて、パーフルオロポリマーを単独で、すなわち、コアなしで形成するために使用されるパーフルオロモノマーの重合を実施してMFR測定に使用することができるパーフルオロポリマーを得ることによって測定される。パーフルオロポリマーのMFRが高ければ高いほど、ポリマーがNFPA−255燃焼試験にかけられるときに煙を発生させる傾向がより大きく、従ってかかる試験に不合格になる。成形品を作り上げる溶融成形可能なパーフルオロポリマーの連続相中の分散粒子としてのPTFEコアの存在は、物品が低い剪断、すなわち、重力下に流れず、従って、ドリップして煙発生を引き起こさないことを確実にするので、本発明のコア/シェルポリマーから溶融成形された物品がNFA−255燃焼試験に不合格になることなく、シェルは高い、例えば20g/10分より大きいMFRを有することができる。
本発明の別の態様は、それが0(ゼロ)のMFRを示す、すなわち、樹脂にとって標準的である温度でASTM D1238−94aによって測定されたときに10分でポリマーの流れが全くないときでさえ、コア/シェルポリマーの溶融成形性である。ゼロMFRであるにもかかわらず、本発明のコア/シェルポリマーは、それが溶融成形に関連するより高い剪断にかけられるときに該ポリマーによって示されるチキソトロピーのために溶融成形可能である。
本発明のポリマーのシェルに使用することができるパーフルオロポリマーの例には、テトラフルオロエチレン(TFE)と、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)などの、3〜8個の炭素原子を有するパーフルオロオレフィン、および/または線状もしくは分岐アルキル基が1〜5個の炭素原子を含有するパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)のような、1つまたは複数の重合性パーフッ素化コモノマーとの共重合体が挙げられる。好ましいPAVEモノマーには、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)およびパーフルオロ(ブチルビニルエーテル)(PBVE)が含まれる。製造業者によって時々MFAと呼ばれる、TFE/パーフルオロ(メチルビニルエーテル)/パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)共重合体などの共重合体は、幾つかのPAVEモノマーを使用して製造することができる。好ましいパーフルオロポリマーは、HFP含有率が約5〜17重量%であるTFE/HFP共重合体、より好ましくはHFP含有率が約5〜17重量%であり、そしてPAVE、好ましくはPEVE含有率が約0.2〜4重量%であり、共重合体について計100重量%までの残りがTFEである、PEVEまたはPPVEなどのTFE/HFP/PAVEである。第3コモノマーが存在してもしなくても、TFE/HFP共重合体は普通FEPとして知られる。PFAとして一般に知られるTFE/PAVE共重合体は、PAVEがPPVEまたはPEVEであるときをはじめとして、少なくとも約2重量%PAVEを有し、典型的には約2〜15重量%PAVEを含有するであろう。PAVEがPMVEを含むとき、組成物は約0.5〜13重量%パーフルオロ(メチルビニルエーテル)および約0.5〜3重量%PPVEであり、計100重量%までの残りがTFEであり、そして上述のように、MFAと言われてもよい。PTFEの高い溶融クリープ粘度と比べてこれらの共重合体の低い溶融粘度は、その溶融成形性のためにパーフルオロポリマー組成物に溶融流動性を提供し、パーフルオロポリマー組成物はそれ自体、パーフルオロポリマーから溶融成形された物品の実用性に必要とされる強度を提供する。溶融粘度およびMFRによって特徴づけることができる溶融成形可能なパーフルオロポリマーと溶融クリープ粘度およびSSGによって特徴づけることができる非溶融流動性PTFEとの間の溶融流れ差は、溶融成形可能なパーフルオロポリマーが溶融クリープ粘度によってまたはSSGによって特徴づけることができないことで示唆されるように大きい。溶融成形可能なパーフルオロポリマーは、溶融クリープ粘度によってもSSGによっても特徴づけることができない。溶融クリープ粘度試験で、溶融パーフルオロポリマーのスライバーは、380℃で負荷下の30分初期加熱中に溶融し、流れ、そして壊れ、その結果、第2の30分の加熱中に溶融クリープ測定のために残っているスライバーは全くない。SSG試験で、検体は380℃加熱(非溶融流動性PTFEのための焼結)中に溶融し、そして流れ、SSG測定のための検体の完全性を損なう。勿論、本発明に使用されるPTFEの非溶融流動性は、溶融クリープ粘度およびSSG測定がかかるPTFEに関して行われることを可能にする。PTFEコアの非溶融流動性はまた、ゼロMFR、すなわち、10分でキャピラリーを通る溶融流れなしによって特徴づけることができる。PTFEはチキソトロピックではないので、このゼロMFRは本発明のチキソトロピックコア/シェルポリマーについてのゼロMFRとは異なる。
シェルパーフルオロポリマー組成は、米国特許公報(特許文献9)に開示されている手順に従って、その中に開示されている特定のフルオロモノマー(HFPおよびPPVE)についてコア/シェルポリマー粒子から製造された圧縮成形フィルムに関する赤外分析法によって測定される。他のフルオロモノマーについての分析手順は、かかる他のフルオロモノマーを含有するポリマーに関する文献に開示されている。例えば、PEVEについての赤外分析法は、米国特許公報(特許文献10)に開示されている。パーフルオロポリマーシェルは、パーフルオロポリマーを単独で製造するための共重合レシピから予測可能である組成を有するようにされる。しかしながら、本発明のコア/シェルポリマーのパーフルオロポリマー組成は、全体コア/シェルポリマーに関して測定される。シェルの組成は、PTFEコアを製造するために消費されたTFEの重量を差し引くことによって計算される。コア/シェルポリマーのTFE以外のパーフルオロモノマー含有率は好ましくは、コア/シェルポリマー中でTFEとパーフルオロモノマーとの総重量を基準として少なくとも1.5重量%である。コア中のPTFEがホモポリマーであるとき、TFE以外のパーフルオロモノマーはシェル中で濃いだろう。コア中のPTFEが改質PTFEであるとき、パーフルオロモノマーはコアおよびシェルの両方に存在し、相対的な量は、コアおよびシェルの組成物にだけでなくコア/シェルポリマー中の重量%コアにも依存する。
本発明のポリマーの非溶融流動性PTFEコアと、溶融成形可能なパーフルオロポリマーシェルとの組み合わせは、同様に溶融成形可能であるコア/シェルポリマーをもたらす。非溶融流動性PTFEコアの存在は、パーフルオロポリマーシェルのMFRと比べて全体ポリマーのMFRを下げるかもしれず、かつ、MFRをASTM D1238−94aによって測定できないようにさえするかもしれないが、溶融状態で十分な剪断にかけられるときにポリマーによって示されるチキソトロピー(ずり減粘)は、得られた溶融ブレンドが溶融成形されることを可能にする。この効果は、コア/シェル組成物の全範囲に及ぶ。PTFEコアの好ましい最小量は、より大きい溶融粘度減少に向けて、コアのPTFEとシェルの溶融成形可能なパーフルオロポリマーとを合わせた重量を基準として少なくとも約0.5重量%であるが、少なくとも約0.1重量%のPTFEコアがチキソトロピー効果を感知できる前に必要とされる。PTFEコアの最大量は好ましくは、押出または射出成形で起こるなど、コア/シェルポリマーが溶融混合されるときにコアが分散相であることを可能にする当該量以下である。好ましくは、粘度の減少は、剪断速度が約10s−1から約100s−1に上げられるときにパーフルオロポリマー単独についての粘度減少より少なくとも約100%、より好ましくは少なくとも約500%大きい。これらの剪断速度は、それらを測定するために用いられる流動計の操作制限のために、「約」の観点で表現される。流動計は、その選択が方程式:剪断速度(γ)=4Q/πrにおける半径rを与える、流動計オリフィスおよび様々なオリフィスサイズを通り抜けた溶融ポリマーの体積流量(Q)を提供する可変速度ピストンを含む。特定の流動計で、ピストン速度およびオリフィスサイズを、10s−1および100s−1の正確な剪断速度が得られるように調節することは困難であるかもしれない。実施例で用いられる剪断速度は11.9s−1および101s−1であった。典型的には、流動計は、剪断速度が10s−1±3s−1および100s−1±5s−1であるように操作することができる。絶対的には、本発明のコア/シェルポリマーによる溶融粘度の好ましい減少は、上に規定された剪断速度で少なくとも約200Pa・s、より好ましくは少なくとも約400Pa・sである。
本発明によって発見されたチキソトロピーの利点は、本コア/シェルポリマーが溶融ドローダウン押出によって溶融成形可能なパーフルオロポリマー単独でより速い速度で押し出されることを可能にする100s−1より高い剪断速度にまで及ぶ。あるいはまた、溶融ドローダウン押出で形成された溶融コーンは、例えば、FEP絶縁通信ケーブル、特に建物のプレナムに使用されるかかるケーブル上の外被として適用される、押出物の肉厚の同心度を向上させるために、80〜100:1という通常のドローダウン比(DDR)より低いDDRを有することができる。DDRは、管状ダイ開口部の断面積対最終形状およびサイズの押出物、例えば先に記載されたプレナムケーブル外被の断面積の比である。
上記の組成範囲内で、物理的特性の様々な改善が存在する。好ましくは、非溶融流動性ポリテトラフルオロエチレン含有率は、非溶融流動性ポリテトラフルオロエチレンと、溶融成形可能なパーフルオロポリマーとを合わせた重量を基準として約4〜50重量%である。PTFEコア重量%がコア/シェルポリマーのコアとシェルとを合わせた重量を基準として2重量%から増加するにつれて、伸びおよび/または引張強度は増加し、分散されたコア粒子によるパーフルオロポリマー連続相の強化を示唆する。この強化は、はるかにより多い量のPTFEコア、例えば20重量%までのPTFEコア、より好ましくは30重量%までのPTFEコア、最も好ましくは少なくとも40重量%までのPTFEコアにまで及び、4重量%PTFEコアが好ましい最小値であり、全てのパーセントはコア/シェルポリマーのコアとシェルとを合わせた重量を基準としている。あるいはまた、パーフルオロポリマーシェル組成かそのMFRかのどちらかを調節して、意図される特定の実用性のための適切な物理的特性を依然として保持しながら、高生産速度溶融成形か複雑成形造形品の製造かのどちらかのために溶融流れを最適化することができる。例えば、コア/シェルポリマーの破断点伸びは、コアとシェルとを合わせた重量を基準として、少なくとも約30重量%まで、好ましくは少なくとも約40重量%のPTFEコアを含有するコア/シェル組成物については好ましくは少なくとも約200%である。実施例50A−7は、約75重量%までのコア/シェル組成物について高い伸びを示す。実施例50Bおよび50Cに開示される実施形態は、コア含有率が少なくとも50重量%、そして少なくとも75重量%でさえあり、コアがPTFEホモポリマーの代わりに高改質PTFEであるときに驚くべき特性を提供する。
本発明のコア/シェルポリマーの溶融ブレンド方法はまた、有利な特性結果、例えば、剪断速度がキャピラリー流動計法によって約10s−1から約100s−1に上げられるときに溶融粘度の少なくとも約10%、少なくとも約100%、または少なくとも約500%減少によって特徴づけられるチキソトロピーを示す溶融ブレンドで説明することもできる。あるいはまたこのチキソトロピーと組み合わせて、本コア/シェルポリマーは好ましくは少なくとも約200%の伸びを示し、コア/シェルポリマーの少なくとも30重量%までがPTFEコアであり、より好ましくは組成物の少なくとも40重量%がPTFEコアである。本発明はまた、本明細書に開示される溶融ブレンド法の製品も考える。得られた溶融ブレンドおよびそれから成形された物品はまた、PTFEコアがコア/シェルポリマーのシェルからのパーフルオロポリマーの連続相に分散されている、上記の構造を有することができる。
本発明のコア/シェルポリマーは水性分散重合によって製造することができる。一実施形態では、非溶融流動性PTFEコアは、シェル溶融成形可能なパーフルオロポリマーを形成する重合とは別である重合で製造され、このコアは、溶融成形可能なパーフルオロポリマーシェルをコア上へ形成するパーフルオロモノマーの重合をシードするために用いられる。別の実施形態では、コアはその場で形成され、それにシェルをコアの上に形成するための重合が続く。この実施形態では、非溶融流動性PTFEコアはTFEの重合によって形成される。次に、重合反応器へのTFE(および開始剤)フィードが停止される。重合反応はそれ自体完了させられ、そしてシェルポリマーを形成するための共重合への移行は、使用中の共重合システムに依存するであろう。例えば、反応器に残るTFEはPTFE重合によって消費されるか、ガス抜きされるかのどちらかが可能であり得るし、いずれにしても、シェルポリマーのための共重合システムが次に構築される。あるいはまた、シェルポリマーのための共重合システムは、反応器中のTFE濃度を一定に維持しながら構築される。次に、シェルを形成するための共重合が開始される。反応器への追加TFEと一緒でのコモノマーの添加はコモノマーに依存するであろう。コモノマーがHFPであるとき、総量が典型的には共重合反応の開始時に加えられるであろう。コモノマーがPAVEであるとき、それはまた共重合反応の開始時に加えられてもよいし、または共重合反応へのTFEフィードと共に反応器に共フィードされてもよい。水性媒体のかき混ぜおよび開始剤添加は、PTFEコアの早過ぎる凝固を回避するために初期装入のコモノマーが反応器にフィードされたときに停止されてもよい。シェルを形成するための共重合は、望ましいシェルポリマーの相対的な量およびコア/シェルポリマーの粒径を得るために実施される。
コア/シェルポリマーは好ましくは、先ずその場でコアを形成し、それにシェルを形成するための共重合が続くことによって形成される。これは、コアとシェルとの間の化学結合によって、シェルとコアとのより良好な統合を提供し、ここで、シェル共重合体は他の溶融成形可能なパーフルオロポリマー(他のコア/シェルポリマー粒子からの、または独立して供給される溶融成形可能なパーフルオロポリマーからの)との相溶化剤として働き、典型的には溶融混合中にブレンドのマトリックス、すなわち連続相が形成されることを可能にし、および物理的特性を損なうであろう乱れをマトリックス内に引き起こすことなくPTFEコア粒子が分散されるようになることを可能にする。
シード重合によるか、それとも懸濁もしくは水性分散重合またはその場による、非溶融流動性PTFEコアを形成するための重合は、非溶融流動性PTFEを形成するための従来の重合である。シェルを形成するための重合もまた、従来の水性分散重合である。両重合に使用される開始剤の例には、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、ビス(パーフルオロアルカンカルボン酸)ペルオキシド、アゾ化合物、過マンガン酸システム、およびジコハク酸ペルオキシドが挙げられる。水性分散重合に使用される分散剤の例には、パーフルオロオクタン酸アンモニウムおよびアンモニウム塩などのパーフルオロアルキルエタンスルホン酸塩が挙げられる。
当該技術で公知のような典型的な水性分散重合法は、水性媒体を撹拌オートクレーブにプレ装入する工程と、脱酸素する工程と、TFEで所定レベルに加圧する工程と、必要ならば改質コモノマーを加える工程と、かき混ぜる工程と、システムを所望の温度、例えば、60℃〜100℃にする工程と、開始剤を導入する工程と、所定の基準に従ってより多くのTFEを加える工程と、温度を調節する工程とを含む。同じまたは異なる速度での開始剤添加は、バッチの全体にわたってまたはバッチの一部についてのみ続いてもよい。レシピと装置によって固定されない操作パラメーターとは、温度が重合の全体にわたっておおよそ一定に維持されるように普通は選択される。この同じ一般手順が、重合温度とTFEおよび他のパーフルオロモノマーの添加順序とが追加のパーフルオロモノマーのアイデンティティに依存するであろうことを除いて、パーフルオロモノマーを重合させて溶融成形可能なパーフルオロポリマーを製造するためにフォローされる。溶融成形可能なパーフルオロポリマーを製造するための一般手順の例は、米国特許公報(特許文献10)(FEP)および米国特許公報(特許文献11)(PFA)に開示されている。コアを製造するための重合とシェルを製造するための重合との間の移行は、本明細書で実施例に示されるように変えることができる。移行のタイミングは、コアシェルポリマーに望ましいPTFEコアの重量割合を得るためにセットされる。重量%コアは、コアの重合で消費されたTFEの重量を、シェルの重合で消費されたパーフルオロモノマー、例えばTFEプラスHFPまたはパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)の重量と比較することによって求めることができる。
コア/シェルポリマーの粒径は、重合反応が完了するまでポリマー粒子が水性媒体中に分散されたままであるほど十分に小さく、反応完了時に分散したコア/シェルポリマー粒子は、重合中に加えられるかき混ぜからの増加したかき混ぜのような従来方法によってまたは電解質の添加によって意図的に凝固させることができる。あるいはまた、凝固は、米国特許公報(特許文献12)(モーガン(Morgan))に開示されているなどの凍結/解凍法によって行うことができる。
典型的には、実施例でRDPS(未加工分散粒径)と言われる、重合したままの平均コア/シェルポリマー粒径(直径)は、ASTM D4464のレーザー光散乱法によって測定されるように1マイクロメートル未満(サブマイクロメートル−サイズ)であろう。好ましくは、平均コア/シェルポリマー粒径は約0.5マイクロメートル未満、より好ましくは約0.3マイクロメートル未満、さらにより好ましくは約0.25マイクロメートル未満、最も好ましくは約0.2マイクロメートル未満である。平均コア/シェルポリマー粒径が小さければ小さいほど、ポリマー粒子の水性分散系はより安定であり、重合を停止し、そして凝固を実施する前に重合がより高いポリマー固形分含有率まで実施されることを可能にする。コア/シェルポリマーのコアの平均粒径は、コア/シェルポリマーの外径サイズおよび所望のコアの重量割合と共に変わり、いずれにしても、コア/シェルポリマー粒子の粒径より小さいであろう。このように、コア/シェルポリマー粒子は平均してサブマイクロメートル−サイズであるので、その結果コア粒子は、コア/シェルポリマー粒子が溶融混合されて溶融成形可能なパーフルオロポリマーの連続相をその中にコアPTFE粒子が分散された状態で形成するときにサブマイクロメートル−サイズであろう。同様に、前掲のコア/シェルポリマー平均粒径のそれぞれについて、コア粒子はより小さいであろう。このように、約0.3マイクロメートル未満の平均コア/シェルポリマー粒径については、その中のコアの平均粒径もまた、約0.3マイクロメートル未満であろう。溶融ブレンドへ組み入れられるコア/シェルポリマー中のコアの粒径は、PTFEの非溶融流動性のために、溶融ブレンドおよび溶融ブレンドから溶融成形された物品中のPTFE粒子のサイズであると理解される。
上記の重合したままのコア/シェルポリマー粒径は、ポリマーの一次粒子(サイズ)である。コア/シェル一次粒子の水性分散系の凝固は、これらの粒子を一緒に塊にならせ、そして乾燥すると凝固の方法に依存するが、米国特許公報(特許文献13)に開示されている乾燥−篩分析によって測定されるように、少なくとも約300マイクロメートルの平均粒径を有する微粉にならせる。一次粒子の凝集塊および従って微粉の粒子はしばしば二次粒子と言われる。
このように、本発明のコア/シェルポリマー粒子は、一次粒子のようなおよび二次粒子のような、幾つかの形態で提供することができる。これらの粒子が溶融混合される(ブレンドされる)とき、コア/シェルポリマーはその微粒子形態を失って、とりわけ、コアが分散相であり、そして溶融成形可能なパーフルオロポリマーが連続相である、2つのポリマーのブレンドになる。押出または射出成形中に起こるなどの、溶融ブレンドは、溶融成形法の一部であることができる。典型的には、溶融ブレンドは、最終品への溶融成形のために後で使用することができる成形ペレットとして押し出されるであろう。全てのこれらの溶融ブレンド形態で、コアは溶融成形可能なパーフルオロポリマーの連続相中の分散相として存在する。溶融ブレンドを含む溶融ブレンドまたは溶融成形法は典型的には、第1溶融温度(約343℃)か、それとも第2溶融温度、すなわち、それが最初に溶融(時々「一次熱(first heat)」と呼ばれる)した後ポリマーが再び溶融するとき(約327℃)かのポリテトラフルオロエチレンの溶融温度より上の温度で実施され、それによってコア/シェルポリマーは溶融状態になる。従って、溶融混合温度は典型的には少なくとも約350℃であろう。コア含有率が実施例50Bおよび50Cに実証されるように少なくとも約75重量%であるとき、シェルポリマーマトリックス中のコアの分散以外の溶融混合構造が生じるかもしれない。
本発明のコア/シェルポリマーは、コンセントレート、すなわち、別々に供給される溶融成形可能なパーフルオロポリマー単独での希釈のための比較的高いPTFE含有率の、コンセントレートとして製造することができる。別々に供給される溶融成形可能なパーフルオロポリマーは、コア/シェルポリマーによって供給されないパーフルオロポリマーである。得られた溶融ブレンドは、コア/シェルポリマーのシェルからの溶融成形可能なパーフルオロポリマーを、別々に供給される溶融成形可能なパーフルオロポリマーと溶融混合させて、それらが非溶融流動性ポリテトラフルオロエチレンの分散粒子のための連続相を一緒に形成するときに区別できないようにならせる。好ましくは、追加の(独立して供給される)溶融成形可能なパーフルオロポリマーでのコア/シェルポリマーの希釈は、各ポリマーの水性分散系の混合、引き続く混合分散系の共凝固を含み、各分散系からのポリマーの一次粒子相互の均質混合をもたらす。これは、溶融混合を伴う溶融加工での溶融ブレンドの粘度に、および本ブレンドから成形された物品の物理的特性に最良の全体結果を提供する。混合分散系の共凝固は、コア/シェルポリマーと別々に供給される溶融成形可能なパーフルオロポリマーとの両一次粒子を含有する凝集塊の形成をもたらす。これらの一次粒子および凝集塊(乾燥させられたとき微粉)の粒径は、コア/シェルポリマーおよびその凝集塊に関して単独で上に開示されたものと同じものである。独立して供給される溶融成形可能なパーフルオロポリマーは、コア/シェルポリマーのシェルのパーフルオロポリマーと相溶性であるべきである。相溶性とは、溶融成形可能なパーフルオロポリマーが上記のような連続相を形成する際に溶融混合および冷却で区別できなくなることを意味する。好ましくは、シェルの溶融成形可能なパーフルオロポリマーと独立して供給されるパーフルオロポリマーとを作り上げるモノマーは同じものであるか同族列にあるかのどちらかである。シェルポリマーと独立して供給されるパーフルオロポリマーとは、パーフルオロポリマーを単独で製造することと比べてシェルポリマーを製造する重合法の小さな差から起こるようにたとえ同じパーフルオロモノマーの濃度の小さい差および/またはMFRの差があるかもしれなくても同じものであると考えられる。これは、ブレンドの連続相を形成するための溶融混合から生じるシェルパーフルオロポリマーと独立して供給されるパーフルオロポリマーとの区別不可能性を提供する。最も普通の溶融成形可能なパーフルオロポリマー、FEPおよびPFAは、互いに非相溶性であり、その一つの証は、冷却された溶融ブレンドの拡大された凍結(すなわち、非溶融)断面が偏光下に見られるときに各パーフルオロポリマーの領域の存在を明らかにすることである。
コア/シェルポリマーがコンセントレートである、この実施形態では、コア/シェルポリマーは単独で溶融成形可能なであることができる。あるいはまた、コア/シェルポリマーは、非常に高いPTFEコア含有率、たとえば少なくとも97重量%、のためにほとんどない〜全くない溶融加工性を有することができる。この実施形態では、コア/シェルポリマーと別個の溶融成形可能なパーフルオロポリマーとのブレンドの溶融加工性は、後者によって可能にされ、コア/シェルポリマーのシェルからの溶融成形可能なパーフルオロポリマーと単独で供給されるパーフルオロポリマーとの組み合わせは、溶融混合ブレンドの連続相を提供する。
コア/シェルポリマーがコンセントレートである実施形態では、コア/シェルポリマーと独立して供給されるパーフルオロポリマーとの割合は、溶融ブレンド組み合わせで上記のコア/シェル組成物のいずれかを提供するように選ばれる。
溶融ブレンド(混合)にさらされる本発明のコア/シェルポリマーに加えて、コア/シェルポリマーはまた、ほとんどから全く溶融混合を伴わない別の溶融法、すなわち、圧縮成形によって成形することもできる。得られた圧縮成形品は、コア/シェルポリマーからかコア/シェルポリマーの溶融混合ブレンドでかのどちらかで形成される。コア/シェルポリマー粒子またはこれらの粒子の凝集塊は、圧縮金型に加えることができ、次に通常の圧縮成形が、実施例の初めの試験手順に開示されるように実施される。あるいはまた、コア/シェルポリマーは、コア/シェルポリマーがそのコア/シェルアイデンティティを失うペレットへ押し出すことができ、ペレットは圧縮金型に加えられる。このように、圧縮成形品は、コア/シェルポリマーから直接にまたは間接に形成される。
(試験手順)
実施例で報告される溶融クリープ粘度、標準比重(SSG)、溶融流量(MFR)、コア/シェルポリマー組成、および平均コア/シェルポリマー粒径(RDPS)の測定手順は、本明細書で早期に開示されている。溶融粘度の測定もまた本明細書で早期に開示されている。実施例で開示されるコア/シェルポリマーの全ては、350℃および101s−1の剪断速度で約5×10Pa・s未満の溶融粘度を示した。
本明細書で記載されるおよび実施例で記載される溶融ブレンドのチキソトロピーは、流動計でのポリマーの溶融温度が350℃であるASTM D3835−02のキャピラリー流動計法によって測定される。この方法は、所望の剪断速度を得るためのコントロールされた力でのケイネス(Kayeness)(登録商標)キャピラリー流動計のバレルを通しての溶融ポリマーの押出を含む。結果は、溶融ポリマーに関する剪断速度を11.9s−1から101s−1に上げる際の溶融粘度変化(減少あるいは差異)、Pa・s単位でのΔηとして実施例で報告される。流動計を用いる溶融粘度の測定は、本明細書で先に議論されてきた。溶融粘度は、2つの剪断速度で測定され、粘度差は、101s−1での溶融粘度を11.9s−1での溶融粘度から差し引くことによって求められる。
破断点伸びおよび引張強度は、60ミル(1.5mm)厚さの圧縮成形プラークから打ち抜かれた、15mm幅×38mm長さのおよび5mmのウェブ厚さを有するダンベル形状の試験検体に関してASTM D638−03の手順によって測定する。本明細書での伸びおよび引張強度パラメーターと値との開示は関連しており、特に明記しない限り、圧縮成形プラークを使用して本手順に従うことによって得られる。
MIT曲げ寿命の測定手順は、8ミル(0.21mm)厚さの圧縮成形フィルムを使用するASTM D2176に開示されている。本明細書でのMIT曲げ寿命パラメーターと値との開示は関連しており、特に明記しない限り、0.21mm厚さの圧縮成形フィルムを使用して得られる。
これらの試験に使用されるプラークおよびフィルムの圧縮成形を350℃の温度で20,000ポンド(9070kg)の力下に微粉に関して実施して6×6インチ(15.2×15.2cm)圧縮成形体を製造した。さらに詳細には、60ミル厚さのプラークを製造するために、微粉を55ミル(1.4mm)厚さであるチェースにオーバーフロー量で加えた。チェースは6×6インチ・サンプルサイズを画定する。圧縮成形プレスの圧盤にくっつくことを回避するために、チェースおよび微粉填材をアルミ箔の2シートの間に挟む。プレス圧盤を350℃に加熱する。このサンドイッチを先ず、約200ポンド(91kg)で5分間プレスして微粉を溶融させ、それを合体させ、引き続き10,000ポンド(4535kg)で2分間、続いて20000ポンド(9070kg)で2分間プレスし、それにプレス力の解除、チェースおよびアルミ箔のシートからの圧縮成形体の取り出し、ならびにプラークの反りを回避するための重り下で空気中での冷却が続いた。MIT試験に使用されるフィルムは、チェースが8ミル(0.21mm)厚さであることを除いては同じ手順を用い、そして4×4インチ(10.2×10.2cm)正方形空洞を画定した。MIT試験に使用されるフィルムサンプルは、圧縮成形フィルムからカットされた1/2インチ(1.27cm)厚のストリップであった。微粉へ凝固し、乾燥したコア/シェルポリマーの圧縮成形は、シェル・パーフルオロポリマーの連続マトリックス中のPTFEコアの分散系を生成する。圧縮成形は試験検体に強度を与えるために必要である。粉末が、コーティングの融解をシミュレートするための、圧縮成形の温度で加熱することによって単に合体させられた場合、得られた合体品はほとんど強度を持たないであろう。
(比較例A)
本比較例は、FEPがシェルであるコア/シェルポリマーを製造する実施例との比較のための典型的な高機能FEPを単独で形成するための重合を示す。
約1.5の長さ対直径比および10ガロン(37.9L)の水容量を有する円筒形で水平の、水外套付き、パドル撹拌のステンレススチール反応器に、50ポンド(22.7kg)の脱塩水と330mLの水中パーフルオロオクタン酸アンモニウム界面活性剤の20重量%溶液とを装入した。反応器パドルを46rpmでかき混ぜながら、反応器を60℃に加熱し、3回排気し、テトラフルオロエチレン(TFE)でパージした。反応器温度を次に103℃に上げた。温度が103℃で定常になった後、圧力が444psig(3.1MPa)になるまでHFPを反応器にゆっくり加えた。92ミリリットルの液体PEVEを反応器へ注入した。次にTFEを反応器に加えて645psig(4.52MPa)の最終圧力を達成した。次に、1.04重量%の過硫酸アンモニウム(APS)と0.94重量%過硫酸カリウム(KPS)とを含有する40mLの新たに調製した水性開始剤溶液を反応器へ装入した。次に、この同じ開始剤溶液を重合の残りの間10mL/分で反応器へポンピングした。反応器圧力の10psig(70kPa)降下によって示唆されるように重合が始まった後、追加のTFEを、計24.5ポンド(11.1kg)のTFEをキックオフ後に反応器に加えてしまうまで24.5ポンド(11.1kg)/125分の速度で反応器に加えた。さらに、液体PEVEを反応の継続期間の間1.0mL/分の速度で加えた。全反応時間は重合の開始後125分であった。反応期間の終わりに、TFEフィード、PEVEフィード、および開始剤フィードを停止し、かき混ぜを維持しながら反応器を冷却した。反応器内容物の温度が90℃に達したとき、反応器をゆっくりガス抜きした。ほぼ大気圧へガス抜きした後、反応器を窒素でパージして残存モノマーを除去した。さらに冷却するとすぐに、分散系を70℃より下で反応器から排出させた。本分散系の固形分含有率は36.81重量%であり、未加工分散粒径(RDPS)は0.167μmであった。凝固後に、ポリマーを、濾過し、次に150℃対流エアオーブン中で乾燥させることによって単離した。このポリマーを、13モル%水を含有する湿った空気中260℃で1.5時間加熱することによって安定化させた。TFE/HFP/PEVE三元重合体(FEP)は、37.4g/10分の溶融流量(MFR)、10.5重量%のHFP含有率、1.26重量%のPEVE含有率、および260℃の融点を有した。この材料について、粘度変化(減少)、Δηは101Pa・sである。FEPは、それぞれ、2971psi(20.8MPa)および310%の引張強度および破断点伸びを示した。
(実施例1)
シェルポリマーがFEPであり、そしてコア対シェルの割合が広く変わるときのコア/シェルポリマーを本実施例で製造する。約1.5の長さ対直径比および10ガロン(37.9L)の水容量を有する円筒形で水平の、水外套付き、パドル撹拌のステンレススチール反応器に、50ポンド(22.7kg)の脱塩水と330mLの水中パーフルオロオクタン酸アンモニウム界面活性剤の20重量%溶液とを装入した。反応器パドルを46rpmでかき混ぜながら、反応器を60℃に加熱し、3回排気し、テトラフルオロエチレン(TFE)でパージした。反応器温度を次に103℃に上げた。温度が103℃で定常になった後、TFEを使用して反応器の圧力を250psig(1.75MPa)に上げた。水中1.04重量%APSと0.94重量%KPSとからなる50ミリリットルの開始溶液を反応器に注入し、次にこの同じ開始剤を0.5mL/分で加えた。反応器圧力の10psig(70kPa)降下によって示唆されるように重合が始まった後、追加のTFEを0.2ポンド(90.7g)/分で10分間加えた。2ポンド(907g)のTFEを重合が開始した後にフィードした後、TFEフィードを停止し、次に、開始剤を依然としてフィードしながら反応器内容物を10分間かき混ぜた。かき混ぜ機および開始剤ポンプを停止し、次に1280mLのHFPを反応器に加えた。かき混ぜを再開させ、同じ溶液を10mL/分の速度で使用して重合開始を再開させた。反応器圧力をTFEで600psi(4.1MPa)に上げた。PEVEの92mLのアリコートを反応器に加え、次に1mL/分PEVEおよび0.2ポンド(90.87g)/分TFEを反応の残りの間中ずっと加えた。追加の20ポンド(9070g)のTFEを反応させた後、PEVE注入を停止した。バッチについて計24ポンド(10.9kg)に向けて、もう2ポンド(907g)のTFEをフィードし、次に比較例Aと同様の方法でバッチを終わらせた。得られたTFE/HFP/PEVE共重合体の分散系の固形分含有率は35.8重量%であり、未加工分散粒径(RDPS)は0.246μmであった。ポリマーを比較例Aと同様の方法で仕上げた。このコア/シェルポリマーの組成およびその特性の詳細は、表1に実施例1として提示する。
(実施例2〜6)
実施例2〜6は、重合の各段階中にフィードされるTFEの相対的な量を変えることによってコアとシェルとの割合を変更して、実施例1と同様の方法で製造した。詳細を下の表1に与える。
Figure 2009516067
重合のそれぞれを、33.8〜35.8重量%の固形分含有率および194〜261nm(0.194〜0.261マイクロメートル)の範囲のポリマー粒子のRDPSへと実施した。典型的なFEP単独(比較例A)についての101Pa・sの溶融粘度の減少と比べて、本発明のコア/シェルポリマーは、最大減少が試験された最低のコア含有率で起こって、増加する剪断と共にはるかにより大きい溶融粘度減少を示す。このチキソトロピーは、非常に低いMFRを示すコア/シェルポリマーが溶融加工法で加えられるより高い剪断にかけられるときに、溶融加工されることを可能にする。物理的特性に関して、コア/シェルポリマーの引張強度および破断点伸びは、約30重量%までのPTFEコア含有率でFEP単独についてより良好であり、有用な引張強度および破断点伸びは、約40重量%のコア含有率を超えるコア含有率について存在する。最適のチキソトロピーと物理的特性との最良の組み合わせは、シェル中のパーフルオロポリマーがFEPであるとき約4〜20重量%PTFEコアの範囲で生じる。表1でコア/シェルポリマーについて示される低い〜ゼロMFRは、該コア/シェルポリマーから溶融加工された物品の実用性に役立つ。かかる物品(コア/シェルポリマーを溶融混合することによって得られるパーフルオロポリマー連続相中のPTFEコアの分散系)は、ビル火災でなど高熱に曝されるときに無発煙に留まるために流れおよびドリッピングに抵抗するであろう。
(比較例B)
本比較例は、PTFEが非溶融流動性であることを検証するべく、TFEを重合させて上の実施例1〜6のコア/シェルポリマーで、および後に続く実施例で非溶融流動性PTFEを製造するために用いられる本質的に同じ条件下でのPTFE単独の重合を示す。
約1.5の長さ対直径比および10ガロン(37.9L)の水容量を有する円筒形で水平の、水外套付き、パドル撹拌のステンレススチール反応器に、50ポンド(22.7kg)の脱塩水と、330mLの水中パーフルオロオクタン酸アンモニウム界面活性剤の20重量%溶液と、本願特許出願人から入手可能な、1.0gのクリトックス(Krytox)(登録商標)157FSLとを装入した。クリトックス(登録商標)157FSLは、米国特許公報(特許文献14)の表1にさらに記載されているようなパーフルオロポリエーテルカルボン酸である。反応器パドルを46rpmでかき混ぜながら、反応器を60℃に加熱し、3回排気し、テトラフルオロエチレン(TFE)でパージした。反応器温度を次に103℃に上げた。温度が103℃で定常になった後、TFEを使用して反応器の圧力を250psig(1.75MPa)に上げた。水中1.04重量%APSと0.94重量%KPSとからなる50ミリリットルの開始溶液を反応器へ注入し、次にこの同じ開始剤を0.5mL/分で加えた。反応器圧力の10psig(0.07MPa)降下によって示唆されるように重合が始まった後、追加のTFEを0.2ポンド(90.8g)/分で7.5分間加えた。1.5ポンド(681g)のTFEを重合開始後にフィードした後、TFEおよび開始剤フィードを停止し、反応器をガス抜きした。反応器の内容物を、排出させる前に80℃に冷却した。本分散系の固形分含有率は4.78重量%であり、未加工分散粒径(RDPS)は0.089μmであった。凝固後に、ポリマーを、濾過することによって単離し、次に150℃対流エアオーブン中で乾燥させた。米国特許公報(特許文献4)に記載された方法に従って測定される、生じたPTFEホモポリマーの標準比重(SSG)は2.200であると測定された。結果は、コアが、それが測定可能なSSGを有するので非溶融流動性PTFEであることを実証する。PTFEはまた、380℃で10Pa・sより大きい溶融クリープ粘度を示す。
(実施例7〜11)
この実施例は、全体コア/シェルポリマーについておよびシェルFEPについて、おおよそ同じコア含有率のならびに様々なHFPおよびPEVE含有率のコア/シェルポリマーを示す。
PTFE分散系を、表2に示されるように使用されるクリトックス(登録商標)157FSLの量を変えて、比較例Bの方法で重合させた。しかしながら、反応容器をガス抜きするよりもむしろ、TFEフィードを停止し、次に、開始剤フィードを続けながら反応器の内容物を10分間撹拌した。10分後に、開始剤フィードを停止し、次に反応器圧力をHFPで444psig(3.1MPa)に上げた。PEVEの92mLアリコートを注入し、次にTFEを650psig(4.6MPa)の圧力まで反応器に加えた。バッチの残りの間、1.04重量%APSと0.94重量%KPSとの開始剤溶液を、PEVEを1.0mL/分で加えながら、10mL/分の速度で加えた。TFEを0.2ポンド(90.7g)/分で97.5分間加えた。追加の19.5ポンド(8845g)のTFEを加えた後、TFE、開始剤、およびPEVEフィードを停止し、かき混ぜを維持しながら反応器を冷却した。反応器内容物の温度が90℃に達したとき、反応器をゆっくりガス抜きした。ほぼ大気圧へガス抜きした後、反応器を窒素でパージして残存モノマーを除去した。さらに冷却するとすぐに、分散系を70℃より下で反応器から排出させた。凝固後に、ポリマーを、濾過し、次に150℃対流エアオーブン中で乾燥させることによって単離した。このポリマーを、13モル%水を含有する湿った空気中260℃で1.5時間加熱することによって安定化させた。これらのポリマーの特性を表2に示す。
Figure 2009516067
表2に示される重合を36.2〜38.7重量%ポリマー固形分の固形分濃度まで実施し、コア/シェルポリマーの平均RDPSは76〜191nmであった。表2に示されるように、コア/シェルポリマーの物理的特性だけでなくMFRおよび溶融粘度を両方とも、同じTFE、HFPおよびPEVEコモノマーを使用して、シェル組成物を変化させることによって変えることができる。
(実施例12〜14)
この実施例は、重合で重合開始剤濃度を上げてMFRをさらに上げるようにFEPシェルを形成する効果を示す。
約1.5の長さ対直径比および10ガロン(37.9L)の水容量を有する円筒形で水平の、水外套付き、パドル撹拌のステンレススチール反応器に、50ポンド(22.7kg)の脱塩水と、330mLの水中パーフルオロオクタン酸アンモニウム界面活性剤の20重量%溶液と、5.0gのクリトックス(登録商標)157FSLとを装入した。反応器パドルを46rpmでかき混ぜながら、反応器を60℃に加熱し、3回排気し、テトラフルオロエチレン(TFE)でパージした。反応器温度を次に103℃に上げた。温度が103℃で定常になった後、TFEを使用して反応器の圧力を250psig(1.75MPa)に上げた。水中1.04重量%APSと0.94重量%KPSとからなる50ミリリットルの開始溶液を反応器へ注入し、次にこの同じ開始剤を0.5mL/分で加えた。反応器圧力の10psig(0.07MPa)降下によって示唆されるように重合が始まった後、追加のTFEを0.2ポンド(90.8g)/分で10分間加えた。1.5ポンド(681g)のTFEを重合開始後にフィードした後、TFEフィードを停止し、次に、開始剤を依然としてフィードしながら反応器内容物を10分間かき混ぜた。かき混ぜ機および開始剤ポンプを停止し、次に反応器の圧力をHFPで444psig(3.1MPa)に上げた。かき混ぜを再開させ、表3に示されるような溶液を10mL/分の速度で使用して重合開始を再開させた。反応器圧力をTFEで650psi(4.55MPa)に上げた。PEVEの92mLのアリコートを反応器に加え、次に1mL/分PEVEおよび0.2ポンド(90.7g)/分TFEを反応の残りの間中ずっと加えた。追加の19.5ポンド(8845g)のTFEを加えた後、TFE、開始剤、およびPEVEフィードを停止し、かき混ぜを維持しながら反応器を冷却した。反応器内容物の温度が90℃に達したとき、反応器をゆっくりガス抜きした。ほぼ大気圧へガス抜きした後、反応器を窒素でパージして残存モノマーを除去した。さらに冷却するとすぐに、分散系を70℃より下で反応器から排出させた。凝固後に、ポリマーを、濾過し、次に150℃対流エアオーブン中で乾燥させることによって単離した。このポリマーを、13モル%水を含有する湿った空気中260℃で1.5時間加熱することによって安定化させた。これらのポリマーの特性を表3に示す。
Figure 2009516067
この表に示される重合は、水性分散重合媒体について38.2〜39.3重量%のポリマー固形分含有率、および142〜230nmの平均RDPSを生成した。
(実施例15〜19)
この実施例は、コア/シェルポリマーのMFRを変えるために、唯一の開始剤として過硫酸アンモニウムを使用し、そしてほとんど一定のコア含有率で開始剤濃度を変えたコア/シェルポリマーの製造を示す。
約1.5の長さ対直径比および10ガロン(37.9L)の水容量を有する円筒形で水平の、水外套付き、パドル撹拌のステンレススチール反応器に、50ポンド(22.7kg)の脱塩水と、330mLの水中パーフルオロオクタン酸アンモニウム界面活性剤の20重量%溶液と、5.0gのクリトックス(登録商標)157FSLとを装入した。反応器パドルを46rpmでかき混ぜながら、反応器を60℃に加熱し、3回排気し、テトラフルオロエチレン(TFE)でパージした。反応器温度を次に103℃に上げた。温度が103℃で定常になった後、TFEを使用して反応器の圧力を250psig(1.75MPa)に上げた。水中1.834重量%APSからなる50ミリリットルの開始溶液を反応器へ注入し、次にこの同じ開始剤を0.5mL/分で加えた。反応器圧力の10psig(0.07MPa)降下によって示唆されるように重合が始まった後、追加のTFEを0.2ポンド(90.8g)/分で10分間加えた。1.5ポンド(681g)のTFEを重合開始後にフィードした後、TFEフィードを停止し、次に、開始剤と依然としてフィードしながら反応器内容物を10分間かき混ぜた。開始剤ポンプを停止し、次に反応器の圧力をHFPで444psig(3.1MPa)に上げた。表4に示されるような溶液を10mL/分の速度で使用して重合開始を再開させた。反応器圧力をTFEで650psi(4.55MPa)に上げた。PEVEの92mLのアリコートを反応器に加え、次に1mL/分PEVEおよび0.2ポンド(90.8g)/分TFEを反応の残りの間中ずっと加えた。追加の19.5ポンド(8853g)のTFEを加えた後、TFE、開始剤、およびPEVEフィードを停止し、かき混ぜを維持しながら反応器を冷却した。反応器内容物の温度が90℃に達したとき、反応器をゆっくりガス抜きした。ほぼ大気圧へガス抜きした後、反応器を窒素でパージして残存モノマーを除去した。さらに冷却するとすぐに、分散系を70℃より下で反応器から排出させた。凝固後に、ポリマーを、濾過し、次に150℃対流エアオーブン中で乾燥させることによって単離した。これらのポリマーの特性を表4に示す。
Figure 2009516067
表4の実施例について実施された重合は、30.9〜39.5重量%の範囲のポリマー固形分含有率および100〜184nmの平均RDPSをもたらした。
(比較例C)
本比較例は、本質的に同じPFAを含有するコア/シェルポリマーと比較するために典型的な高機能PFAを単独で製造するための共重合を示す。
約1.5の長さ対直径比および10ガロン(37.9L)の水容量を有する円筒形で水平の、水外套付き、パドル撹拌のステンレススチール反応器に、54ポンド(24.5kg)の脱塩水と240mLの水中パーフルオロオクタン酸アンモニウム界面活性剤の20重量%溶液とを装入した。反応器パドルを50rpmでかき混ぜながら、反応器を3回排気し、テトラフルオロエチレン(TFE)でパージした。圧力が8インチHg(3.93psig、2.71×10−2MPa)になるまでエタンを反応器に加え、次に200mLのパーフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)を加えた。反応器温度を次に75℃に上げた。温度が75℃で定常になった後、TFEを反応器に加えて300psig(2.07MPa)の最終圧力を達成した。0.2重量%の過硫酸アンモニウム(APS)を含有する新たに調製した水性開始剤溶液の400mLのアリコートを反応器に装入した。この同じ開始剤溶液を、バッチの残りの間5mL/分で反応器へポンピングした。反応器圧力の10psig(0.07MPa)降下によって示唆されるように、重合が始まった後、追加のTFEを、計20ポンド(9080g)のTFEをキックオフ後に加えるまで0.167ポンド/分(75.6g/分)の速度で反応器に加えた。PEVEをバッチの継続期間、120分の間2.0mL/分で加えた。反応期間の終わりに、TFE、PEVE、および開始剤フィードを停止し、反応容器をガス抜きした。本分散系の固形分含有率は29.7重量%であり、未加工分散粒径(RDPS)は0.172μmであった。凝固後に、ポリマーを、濾過することによって単離し、次に150℃対流エアオーブン中で乾燥させた。このPEVE/TFE共重合体は、29.0g/10分の溶融流量(MFR)、3.01重量%のPEVE含有率、302℃の融点、および2463サイクルのMIT曲げ寿命を有した。粘度変化は111Pa・sであった。本共重合体はまた、3027psi(21.2MPa)の引張強度および349%の破断点伸びを示した。
(実施例20)
本実施例は、シェルが比較例Cと本質的に同じPFAであるコアシェルポリマーの製造を示す。
約1.5の長さ対直径比および10ガロン(37.9L)の水容量を有する円筒形で水平の、水外套付き、パドル撹拌のステンレススチール反応器に、54ポンド(24.5kg)の脱塩水と240mLの水中パーフルオロオクタン酸アンモニウム界面活性剤の20重量%溶液とを装入した。反応器パドルを50rpmでかき混ぜながら、反応器を3回排気し、テトラフルオロエチレン(TFE)でパージした。反応器温度を次に75℃に上げた。温度が75℃で定常になった後、TFEを使用して反応器の圧力を300psig(2.1MPa)に上げた。水中0.2重量%APSからなる400ミリリットルの開始溶液を反応器に注入し、次にこの同じ開始剤を5.0mL/分で加えた。反応器圧力の10psig(0.07MPa)降下によって示唆されるように重合が始まった後、追加のTFEを0.2ポンド(90.8g)/分で5分間加えた。重合開始後に1ポンド(454g)のTFEをフィードした後、TFEおよび開始剤フィードを停止し、次に反応器をゆっくりガス抜きした。かき混ぜを停止した後、反応器蒸気空間を排気した。かき混ぜを50rpmで再開させ、次に内容物を25℃に冷却した。かき混ぜ機を再び停止し、次に反応器中の圧力をエタンで8インチHg(3.93psig、2.71×10−2MPa)に上げた。エタンの添加後に、かき混ぜ機を50rpmで再開させ、反応器の内容物を75℃に暖めた。パーフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)の200mLアリコートを加え、次に反応器中の圧力をTFE(1.72MPa)で250psig(1.75MPa)に上げた。反応の継続期間の間、PEVEを2mL/分で加え、同じ溶液を5mL/分の速度で使用して重合開始を再開させた。反応器中のTFEの圧力を、0.167ポンドTFE/分(75.7g/分)の反応速度を維持するために連続的に調節した。19ポンド(8618g)TFEが114分で反応した後、TFE、開始剤、およびPEVEフィードを停止し、次に反応器をガス抜きすることによって反応を終わらせた。本分散系の固形分含有率は26.3重量%であり、未加工分散粒径(RDPS)は0.192μmであった。凝固後に、ポリマーを、濾過することによって単離し、次に150℃対流エアオーブン中で乾燥させた。このコア/シェルポリマーは、8.6g/10分の溶融流量(MFR)、2.99重量%のPEVE含有率、301℃および324℃の融点、ならびに5384サイクルのMIT曲げ寿命を有した。本共重合体はまた、3414psi(23.5MPa)の引張強度および392%の破断点伸びを示した。PTFEコア含有率は4.9重量%であり、Δηは2051Pa・sであった。これらの結果を表5に含める。これらの結果によれば、本コア/シェルポリマーは、PFA単独でのほとんど20倍の溶融粘度減少ならびに改善された引張強度および破断点伸びを示す。
(実施例21〜24)
実施例21〜24を実施例20に記載されたように製造した。コアポリマー対シェルポリマーの比を、重合の第1段階で消費されるTFEおよび重合の第2段階で消費されるTFEの比を変えることによって変更した。実施例20〜24についての具体的な詳細を下の表5に与える。
Figure 2009516067
表5に示される重合を、18.4〜28.5重量%のポリマー固形分含有率および184〜192nmの平均RDPSへと実施した。表5の結果は、コア/シェルポリマー組成物の全体範囲にわたって溶融粘度の大きな減少と同様に全体範囲にわたって改善された引張強度および伸びとを示す。少なくとも約150%の増加から2000%より大きい増加までの範囲の、MIT曲げ寿命の増加もまた驚くべきである。好ましくは、シェルがPFAであるコア/シェルポリマーは、PFA単独でと比べて少なくとも200%のMIT曲げ寿命の増加を示す。
PTFE/FEPコアシェルポリマーはまた、4〜40重量%PTFEコアの範囲の端から端まで同じFEP単独で(1100サイクル)と比べて有利なMIT曲げ寿命を示した、すなわち、PTFE/FEPコアシェルポリマーのMIT曲げ寿命は10重量%PTFEコアおよびそれより上ではほぼ同じものであったが、より低いPTFE含有率では、実質的な改善が存在することが分かった。例えば、7重量%PTFEコアで、MIT曲げ寿命は17000サイクルであった。
(比較例D)
本比較例は、コア/シェルポリマーとの比較のための異なる典型的なPFA単独の製造を示す。
約1.5の長さ対直径比および10ガロン(37.9L)の水容量を有する円筒形で水平の、水外套付き、パドル撹拌のステンレススチール反応器に、54ポンド(24.5kg)の脱塩水と、5.0gのクリトックス(登録商標)157FSL(本願特許出願人から入手可能な)と、240mLの水中パーフルオロオクタン酸アンモニウム界面活性剤の20重量%溶液とを装入した。反応器パドルを50rpmでかき混ぜながら、反応器を3回排気し、テトラフルオロエチレン(TFE)でパージした。圧力が8インチHg(3.93psig、2.71×10−2MPa)になるまでエタンを反応器に加え、次に200mLのパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)を加えた。反応器温度を次に75℃に上げた。温度が75℃で定常になった後、TFEを反応器に加えて250psig(1.75MPa)の最終圧力を達成した。0.2重量%の過硫酸アンモニウム(APS)を含有する新たに調製した水性開始剤溶液の400mLのアリコートを反応器に装入した。この同じ開始剤溶液を、バッチの残りの間5mL/分で反応器へポンピングした。反応器圧力の10psig(0.07MPa)降下によって示唆されるように、重合が始まった後、追加のTFEを、計20ポンド(9080g)のTFEをキックオフ後に加えるまで0.167ポンド/分(75.6g/分)の速度で反応器に加えた。PPVEをバッチの継続期間、120分の間2.0mL/分で加えた。反応期間の終わりに、TFE、PPVE、および開始剤フィードを停止し、反応容器をガス抜きした。反応器圧力が5psig(0.035MPa)に達したとき、反応器を窒素で掃引し、次に、分散系を反応器から排出させる前に反応器内容物を50℃に冷却した。本分散系の固形分含有率は28.9重量%であり、未加工分散粒径(RDPS)は0.130μmであった。凝固後に、ポリマーを、濾過することによって単離し、次に150℃対流エアオーブン中で乾燥させた。TFE/PPVE共重合体は、8.2g/10分の溶融流量(MFR)、3.66重量%のPPVE含有率、232および328℃の融点、ならびに78583サイクルのMIT曲げ寿命を有した。本PFAの引張強度は3502psi(24.5MPa)であり、破断点伸びは292%であった。粘度変化は2658Pa・sであった。
(実施例25)
本実施例は、シェルポリマーが比較例Dと本質的に同じものであるコア/シェルポリマーの製造を示す。
約1.5の長さ対直径比および10ガロン(37.9L)の水容量を有する円筒形で水平の、水外套付き、パドル撹拌のステンレススチール反応器に、54ポンド(24.5kg)の脱塩水と、5gのクリトックス(登録商標)157FSLと、240mLの水中パーフルオロオクタン酸アンモニウム界面活性剤の20重量%溶液とを装入した。反応器パドルを50rpmでかき混ぜながら、反応器を3回排気し、テトラフルオロエチレン(TFE)でパージした。反応器温度を次に75℃に上げた。温度が75℃で定常になった後、TFEを使用して反応器の圧力を300psig(2.1MPa)に上げた。水中0.2重量%APSからなる400ミリリットルの開始溶液を反応器に注入し、次にこの同じ開始剤を5.0mL/分で加えた。反応器圧力の10psig(0.07MPa)降下によって示唆されるように重合が始まった後、追加のTFEを0.2ポンド(90.8g)/分で5分間加えた。重合開始後4ポンド(1816g)のTFEをフィードした後、TFEおよび開始剤フィードを停止し、次に反応器をゆっくりガス抜きした。かき混ぜを停止した後、反応器蒸気空間を排気した。かき混ぜを50rpmで再開させ、次に内容物を25℃に冷却した。かき混ぜ機を再び停止し、次に反応器中の圧力をエタンで8インチHg(3.93psig、2.71×10−2MPa)に上げた。エタンの添加後に、かき混ぜ機を50rpmで再開させ、反応器の内容物を75℃に暖めた。パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)の200mLアリコートを加え、次に反応器中の圧力をTFEで250psig(1.75MPa)に上げた。反応の継続期間の間、PPVEを2mL/分で加え、同じ溶液を5mL/分の速度で使用して重合開始を再開させた。反応器中のTFEの圧力を、0.167ポンドTFE/分(75.7g/分)の反応速度を維持するために連続的に調節した。19ポンド(8618g)TFEが96分で反応した後、TFE、開始剤、およびPPVEフィードを停止し、次に反応器をガス抜きすることによって反応を終わらせた。本分散系の固形分含有率は29.3重量%であり、未加工分散粒径(RDPS)は0.105μmであった。凝固後に、ポリマーを、濾過することによって単離し、次に150℃対流エアオーブン中で乾燥させた。このコア/シェルポリマーは、検出できる溶融流量(MFR)を全く持たず(0g/10分)、3.42重量%のPPVE含有率、306℃および326℃の融点、ならびに72502サイクルのMIT曲げ寿命を有した。本コアシェルポリマーはまた、4097psi(28.7MPa)の引張強度および370%の破断点伸びを示した。PTFEコア含有率は19.3重量%であり、Δηは19568Pa・sであった。これらの結果を表6に含める。
(実施例26〜45)
実施例26〜45を実施例25に記載されたように製造した。コアポリマー対シェルポリマーの比を、重合の第1および第2段階で消費されるTFEの比を変えることによって変更した。さらに、ポリマー中のPPVE含有率を、重合中に加えられる速度だけでなく、反応器にプレ装入されたPPVEの量を両方とも変えることによって体系的に変化させた。具体的な詳細を下の表6に与える。
Figure 2009516067
Figure 2009516067
実施例45のコア/シェルポリマーが重合を16.9重量%の固形分含有率に制限する250nmの平均RDPSを有したことを除いて、表6の重合を、29.3〜31.3重量%のポリマー固形分含有率、および95〜145nmの平均RDPSへと実施した。実施例25〜35については、重合にフィードされたPPVEの量は、PTFEコア含有率が増加するにつれて、全体コア/シェルポリマーのPPVE含有率が減少するという結果で、一定に留まった。実施例36〜45については、全体コア/シェルポリマーのPPVE含有率を一定におおよそ保つために、シェルの重合へのPPVEフィードを、PTFEコア含有率が増加するにつれて増加させた。これは、PTFEコア含有率が増加するにつれて、シェルについてのPPVE含有率の増加をもたらした。表6に報告される結果は、実施例25〜35のコア/シェルポリマーの幾つかが実施例36〜45の相当するコア/シェルポリマーより良好な物理的特性か溶融粘度減少かのどちらかまたは両方を示すが、他のコア/シェルポリマーについては、実施例36〜45での相当するものがより良好であることを示す。シェルの重合でのTFEと共にコモノマーの量の調節が、コア/シェルポリマーの溶融および物理的特性を調節するための別の方法である。表6に報告される結果はまた、PTFEコア含有率の全体範囲にわたってPFA単独について得られる溶融粘度減少より200%超大きい溶融粘度減少を示す。本コア/シェルポリマーについての引張強度および破断点伸びはまた、本コア/シェルポリマーのために優れていた。
実施例20〜45は、増加する剪断と共に減少する溶融粘度ならびに高い引張強度および高い破断点伸びの1つまたは複数の有利な特性を示す、PTFEコア含有率が約4〜約50重量%の範囲である、PFAシェルについてのコア/シェルポリマー組成物を示す。
(実施例46)
本実施例は、溶融成形可能なパーフルオロポリマー単独とブレンドされる、コンセントレートとしての本発明のコア/シェルポリマーの使用を示す。
実施例33の方法で重合させた38.4重量%PTFEコアを含有するコア/シェルPFAを、凍結によって凝固させ、リンスし、150℃で一晩乾燥させた。150グラムのこの粉末を、比較例Dの方法で標準PFAの150gのペレット(約3.5mm直径×約3.5mm長さ)とドライブレンドした。この標準PFAは、13.5g/10分のMFRおよび4.3重量%のPPVE含有率を有した。生じたブレンドを、350℃に予熱された、そしてローラーブレードを備えた350cm容量ハーケ・レオミックス(Haake Rheomix)(登録商標)バッチ式強力ミキサーのミキシングボウルに導入した。混合物を50rpmで5分間ブレンドして2成分の完全な溶融および混合を達成した。生じたブレンドの引張強度は、2900psi(20.3MPa)であり、破断点伸びは316%であり、溶融流量は0g/10分であり、MIT曲げ寿命は32,562サイクルである。このブレンドの粘度減少は26,875Pa・sである。これらの結果と実施例29との比較は、ブレンドの引張強度および伸びの両方が、コア/シェルポリマーで専らできたブレンドから減少したことを示すが、チキソトロピー(せん断における溶融粘度の減少)がはるかに大きかったことを示す。
(実施例47)
本実施例は、溶融成形可能なパーフルオロポリマー単独とブレンドされる、コンセントレートとしての本発明のコア/シェルFEPポリマーの使用を示す。
38.6重量%PTFEコアを含有するコア/シェルFEPを実施例7の方法で重合させ、仕上げた。50グラムのこの粉末を比較例Aの方法で標準FEP(実施例46のペレットと同じ寸法)の250gのペレットとドライブレンドした。この標準FEPは、30g/10分のMFR、10.4重量%のHFP含有率、および1.2重量%のPEVE含有率を有した。生じたブレンドを、350℃に予熱された、ローラーブレードを備えた350cm容量ハーケ・レオミックス(登録商標)バッチ式強力ミキサーのミキシングボウルに導入した。混合物を50rpmで5分間ブレンドして2成分の完全な溶融および混合を達成した。生じたブレンドの引張強度は、3087psi(21.6MPa)であり、破断点伸びは311%であり、溶融流量は14.9g/10分であり、MIT曲げ寿命は2459サイクルである。このブレンドの粘度減少は、物理的特性の犠牲なしに、比較例AのFEP単独についてよりはるかに大きい、1086Pa・sである。
(比較例E)
本比較例は、押出によるPTFE微粉とFEP粉末との溶融ブレンドでのPTFE/FEP組成物の調製を示す。
7重量%PTFE微粉と比較例Aの方法で重合させた残りの圧縮FEP粉末とからなるドライブレンドを混転によって調製した。凝集PTFE微粉は、475マイクロメートルの平均粒径、2.175の標準比重(SSG)、および0.450重量%のHFP含有率を有した。圧縮FEP粉末は、おおよそ6mmの平均凝集体サイズ(直径)、30のMFR、10.2重量%のHFP含有率、および1.2重量%のPEVE含有率を有した。生じた粉末ブレンドを、350℃および217rpmで動作する28mm二軸スクリュー押出機に25ポンド/時(11.4kg/時)の速度でフィードした。多目的スクリュー形状を用いた。28mm二軸スクリュー押出機からの溶融アウトプットを、一般計量供給スクリューを備えた1.5インチ単軸スクリュー押出機に直接ポンピングした。単軸スクリュー押出機は350℃および22.1rpmで動作した。生じたストランドを冷水のトラフ中で急冷し、次に約3mm(長さ)ペレットへカットした。このブレンドは、たったの1070psi(7.5MPa)の引張強度を有し、破断点伸びは126%であり、MFRは3.59g/10分である。これらの結果と実施例11のそれらとの比較は、後者がはるかにより良好な物理的特性(22.6MPaの引張強度および323%の伸び)を示すことを明らかにし、溶融ブレンド法でサブマイクロメートル−サイズのコア/シェルポリマー粒子からスタートすることによって得られた、FEPの連続相中のサブマイクロメートル−サイズPTFE粒子の分散系の重要性を示唆する。
(比較例F)
本比較例は、押出によるPTFE微粉とFEPペレットとの溶融ブレンドでのPTFE/FEP組成物の調製を示す。
7重量%PTFE微粉と計100重量%への残りの比較例Aの方法で重合させたFEPペレットとからなるドライブレンドを混転によって調製した。凝集PTFE微粉は、475マイクロメートルの平均粒径、2.175の標準比重(SSG)、および0.450重量%のHFP含有率を有した。偏球FEPペレットは、直径がおおよそ3.5mmであり、30.5g/10分のMFR、10.2重量%のHFP含有率、および1.2重量%のPEVE含有率を有する。生じたブレンドを、350℃および217rpmで動作する28mm二軸スクリュー押出機に20ポンド/時(9080g/時)の速度でフィードした。多目的スクリュー形状を用いた。28mm二軸スクリュー押出機からの溶融アウトプットを、一般計量供給スクリューを備えた1.5インチ(3.8cm)単軸スクリュー押出機に直接ポンピングした。単軸スクリュー押出機は350℃および22.1rpmで動作した。生じたストランドを冷水のトラフ中で急冷し、次に約3mmペレットへカットした。このブレンドは、1121psi(7.8MPa)の引張強度、172%の破断点伸び、15.1g/10分のMFR、および2924サイクルのMIT曲げ寿命を有する。このブレンドの粘度変化は674Pa・sである。比較例Eと同様に、これらの特性は、実施例11のそれらより大きく劣っている。
(比較例G)
本比較例は、押出によるPTFE微粉とPFAペレットとの溶融ブレンドでのPTFE/PFA組成物の調製を示す。
20重量%PTFE微粉と残りの比較例Dの方法で重合させたPFAペレットとからなるドライブレンドを混転によって調製した。凝集PTFE微粉は、475マイクロメートルの平均粒径、2.175の標準比重(SSG)、および0.450重量%のHFP含有率を有した。これらの標準PFAペレットは、直径がおおよそ3.5mmの偏球であり、13.5g/10分のMFR、および4.3重量%のPPVE含有率を有した。生じたブレンドを、350℃および210rpmで動作する28mm二軸スクリュー押出機に25ポンド/時(11.4kg/時)の速度でフィードした。多目的スクリュー形状を用いた。28mm二軸スクリュー押出機からの溶融アウトプットを、一般計量供給スクリューを備えた1.5インチ(3.8cm)単軸スクリュー押出機に直接ポンピングした。単軸スクリュー押出機は350℃および21.5rpmで動作した。生じたストランドを冷水のトラフ中で急冷し、次に約3mmペレットへカットした。このブレンドは、1121psi(7.8MPa)の引張強度、172%の破断点伸び、4.1g/10分のMFRを有する。これらの特性は、28.7MPaの引張強度および370%の伸びを示したコア/シェル組成カウンターパート、実施例25のそれらより大きく劣っている。
(実施例48)
本実施例は、非常に少量の非溶融流動性PTFEを含有するコア/シェルポリマーの製造を示す。
約1.5の長さ対直径比および10ガロン(37.9L)の水容量を有する円筒形で水平の、水外套付き、パドル撹拌のステンレススチール反応器に、50ポンド(22.7kg)の脱塩水と、5.0gのクリトックス(登録商標)157FSL(本願特許出願人から入手可能な)と、330mLの水中パーフルオロオクタン酸アンモニウム界面活性剤の20重量%溶液とを装入した。反応器パドルを46rpmでかき混ぜながら、反応器を60℃に加熱し、3回排気し、テトラフルオロエチレン(TFE)でパージした。反応器温度を次に103℃に上げた。温度が103℃で定常になった後、TFEを使用して反応器の圧力を250psig(1.75MPa)に上げた。水中1.04重量%APSと0.94重量%KPSとからなる50ミリリットルの開始溶液を反応器に注入し、次にこの同じ開始剤を0.5mL/分で加えた。反応器圧力の10psig(70kPa)降下によって示唆されるように重合が始まった後、追加のTFEを0.2ポンド(90.7g)/分でおおよそ1分間加えた。重合開始後0.21ポンド(95.3g)のTFEをフィードした後、TFEフィードを停止し、次に、開始剤を依然としてフィードしながら反応器内容物を10分間かき混ぜた。かき混ぜ機および開始剤ポンプを停止し、次にポリケトルの圧力をHFPで444psigに上げた。かき混ぜ機を再スタートさせ、同じ溶液を10mL/分の速度で使用して重合開始を再開させた。反応器圧力をTFEで650psi(4.5MPa)に上げた。PEVEの92mLのアリコートを反応器に加え、次に1mL/分PEVEおよび0.2ポンド(90.87g)/分TFEを反応の残りの間中ずっと加えた。追加の20.79ポンド(9430g)のTFEを反応させた後、TFE、開始剤、およびPEVEフィードを停止し、かき混ぜを維持しながら反応器を冷却した。反応器内容物の温度が90℃に達したとき、反応器をゆっくりガス抜きした。ほぼ大気圧へガス抜きした後、反応器を窒素でパージして残存モノマーを除去した。さらに冷却するとすぐに、分散系を70℃より下で反応器から排出させた。凝固後に、ポリマーを、濾過し、次に150℃対流エアオーブン中で乾燥させることによって単離した。このポリマーを、13モル%水を含有する湿った空気中260℃で1.5時間加熱することによって安定化させた。得られたTFE/HFP/PEVE共重合体の分散系の固形分含有率は39.1重量%であり、未加工分散粒径(RDPS)は0.113μmであった。このコア/シェルポリマーのPTFEコア含有率は0.87重量%であり、HFP含有率はシェル中12.2重量%であり、PEVE含有率はシェル中1.06重量%であり、計100重量%への残りはTFEであった。この材料は3650psi(25.2MPa)の引張強度、370%の破断点伸び、14.8g/10分の溶融流量、および比較例AのFEPについてよりはるかに大きい713Pa・sの粘度減少、Δηを有した。0.1重量%PTFEコアでの粘度変化は、FEP単独についてより約100%大きいと推定される。
(実施例49)
本実施例は、本発明のコア/シェルポリマーの使用によって生じる改良された射出成形を指向する。
本実施例に使用されるPFA1は、4.1重量%のPPVE含有率および29.2g/10分のMFRの、テトラフルオロエチレン(TFE)とパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)との共重合体である。
本実施例に使用されるPFA2は、4.2重量%のPPVE含有率、およびMFRが12.6g/10分であることを除いてはPFA1と同じ共重合体である。
ステート(State)1は、4.78重量%ポリテトラフルオロエチレンコアとPFA1のそれのような組成のPFAシェルとを有するコア/シェルポリマーである。ステート1MFRは8g/10分である。
ステート2は、4.81重量%ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)コアとPFA2のそれのような組成のPFAシェルとを有するコア/シェルポリマーである。ステート2は4g/10分のMFRを有する。
これらのポリマーの全てが押出/カット・ペレットの形態にあった。ステート1およびステート2ポリマーのペレットでは、コアは、押出機でコア/シェルポリマーを溶融ブレンドすることによって製造されたシェルからのPFAのマトリックス中の分散されたサブマイクロメートル−サイズ粒子として存在した。
(本実施例についての試験手順)
曲げ寿命−MIT曲げ寿命の測定手順はASTM D2176に従っており、本実施例に報告されるMIT曲げ寿命値は、1.27mm厚さのフィルムを成形するためのチェースの厚さが50ミル(1.27mm)厚さであったことを除いて、60ミル(1.5nm)厚さのプラークの圧縮成形について実施例の初めに試験手順下で開示されたものと同じ方法で圧縮成形された50ミル(1.27mm)厚さのフィルムに関して測定した。より厚いフィルム(先行実施例で0.21mm厚さのフィルムより厚い)の使用は、曲げ試験で必要とされる時間を短縮し、それによってはるかにより小さいMIT曲げ寿命数(サイクル)をもたらす。1.27mm厚さのフィルムに関して測定されたMIT曲げ寿命は、1.27mmMIT曲げ寿命として記載することができる。
射出成形性−「スネーク・フロー」試験は、射出成形に用いられるものに典型的な剪断速度でポリマーの流動性を測定する。溶融ポリマー・サンプルを、形状が蛇行である長方形チャネル12.7mm×2.54mmを有する金型へ射出した。射出されたポリマーがチャネル中で移動する距離は、ポリマー溶融流動性の指標である。便宜上、チャネル中のポリマーの重量(「射出重量(Shot Weight)」)を報告する。
用いた装置は、ニッセイ射出成形機(Nissei Injection Molding Machine)、モデルFN−4000であった。温度分布:背面350℃、中心350℃、前面355℃、ノズル360℃;金型温度180℃;射出圧力80MPaおよび120MPa。
(射出成形)
本発明のコア/シェルポリマー、ステート1およびステート2を、80MPaの射出圧力でPFA1およびPFA2と比較する。ステート2およびPFA2はまた、120MPaでも比較する。表7および8は、それぞれ80MPaおよび120MPaの射出圧力についての結果をまとめる。
Figure 2009516067
Figure 2009516067
結果は、本発明のコア/シェルポリマーがそれらの低いMFRから予想されるよりはるかに高い溶融流動性を射出成形条件下に有し、こうして本発明のコア/シェルポリマーのずり減粘(チキソトロピック)挙動を示すことを示す。低MFRコア/シェルポリマーで高い射出重量を得ることができることの重要性の一態様は、曲げ寿命試験結果によって示される。
1.27MIT曲げ寿命を本発明のステート1およびステート2コア/シェルポリマーに関してならびにPFA1およびPFA2に関して測定した。結果を表9にまとめる。
Figure 2009516067
曲げ寿命試験結果は、ステート1および2コア/シェルポリマーが溶融加工においてはるかにより高い溶融流量のポリマーのように挙動するが、高いMIT曲げ寿命を示すことで低い溶融流量のポリマーのようにもまた挙動することを示す。
(実施例50)
本実施例は、コア/シェルポリマーのコアが米国特許公報(特許文献7)に記載されるなどの高改質PTFEである実施形態を指向する。この実施形態のコア/シェルポリマーは、コア含有率が50重量%から増加するにつれて、驚くほど高いMIT曲げ寿命を示す。本実施例に示されるように、コアがPTFEホモポリマーであるコア/シェルポリマーのMIT曲げ寿命は、コア含有率が50重量%から増加するにつれて減少する。対照的に、MIT曲げ寿命は、コアが高改質PTFEであるとき、コア含有率が50重量%から増加するにつれて増加する。溶融成形可能なパーフルオロポリマーのうちで、PFAは高MIT曲げ寿命ポリマーとして公知である。しかしながら、PFAのMIT曲げ寿命はPTFEと比べて小さい。例えば、PTFEホモポリマーのMIT曲げ寿命は典型的には、PFAのそれの少なくとも50倍であり、米国特許公報(特許文献7)の高改質PTFEについては、該差はPFAのそれの少なくとも約100倍である。本発明のコア/シェルポリマーについてのMIT曲げ寿命の増加は、コアが高度に改質されているとき、PTFEホモポリマーのMIT曲げ寿命を超えることができ、米国特許公報(特許文献7)の高改質PTFEのそれに近づく。このように、本発明のコア/シェルポリマー中のシェルポリマーとして使用されるPFAは単独で1000サイクル未満の1.27mmMIT曲げ寿命を示すであろうが、本発明のこの実施形態のコア/シェルポリマーは好ましくは、コア含有率が少なくとも50重量%であるとき少なくとも2500サイクルの1.27mmMIT曲げ寿命を示す。コア含有率が少なくとも80重量%であるとき、1.27mmMIT曲げ寿命は好ましくは少なくとも5000サイクルである。コア含有率が少なくとも90重量%であるとき、1.27mmMIT曲げ寿命は好ましくは少なくとも7000サイクルである。より好ましくは、この実施形態のコア/シェルポリマーについての1.27mmMIT曲げ寿命は、それぞれ、少なくとも80重量%および少なくとも90重量%のコア含有率で少なくとも30,000サイクルおよび少なくとも90,000サイクルである。
これらのMIT曲げ寿命値は、実施例1〜48およびMIT曲げ寿命が報告される比較例に報告されるMIT曲げ寿命測定に使用された8ミル(0.21mm)厚さのフィルムと比べて実施例49でのような曲げ試験について50ミル(1.27mm)厚さのフィルムを使用して得られた。1.27mmMIT曲げ寿命は、表9の脚注で示されるように0.21mmMIT曲げ寿命よりはるかにより小さい数(サイクル)を与える。
少なくとも50重量%のコア含有率でMIT曲げ寿命の増加を得るためにこの実施形態で使用される改質剤の好ましい量は、改質PTFEの総重量を基準として、少なくとも1.5重量%、より好ましくは少なくとも2重量%の改質剤である。コア/シェルポリマー中のコアの重量%は、コアの重合で消費されたTFEプラス改質剤の重量をシェルの重合で消費されたパーフルオロモノマーの重量と比較することによって求めることができる。コア中の改質剤の重量%は、コアの重合で消費された改質剤の重量をコアの重合で消費されたモノマーの総重量と比較することによって求めることができる。コア中に存在する改質剤の最大量は、コアの非溶融流動性によって確定され、例えばコアのMFRはゼロ(g/10分)であろう。
好ましい改質剤は、米国特許公報(特許文献7)に開示されているフッ素化ビニルエーテル、より好ましくはアルキル基が線状または分岐であることができ、そして1〜5個の炭素原子を含有するパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)である。
この実施形態のコア/シェルポリマーのコアは非溶融流動性であるが、全体ポリマーが溶融成形可能である十分な溶融成形可能なパーフルオロポリマーがシェルとして存在する。コアの非溶融流動性は、372℃でのゼロ・溶融流量(MFR)によってまたは380℃で少なくとも1×10Pa・sの最小溶融クリープ粘度によって特徴づけることができる。この実施形態のコア/シェルポリマーはまた、コア含有率が極めて高い、例えば少なくとも95重量%であり得るにもかかわらず、本発明のコア/シェルポリマーについて本明細書で先に開示されたものと同じチキソトロピック挙動によって特徴づけられる。このチキソトロピック挙動はまた、この実施形態のコア/シェルポリマーの溶融成形性の特徴である。
本発明のこの実施形態の別の態様は、この実施形態のコア/シェルポリマーかこのコア/シェルポリマーの溶融混合ブレンドかどちらかの圧縮成形品である。コア/シェルポリマー粒子またはこれらの粒子の凝集塊を圧縮金型に加えることができ、次に、実施例の初めての試験手順に開示されるなどの通常の圧縮成形を実施する。あるいはまた、コア/シェルポリマーを、コア/シェルポリマーがそのコア/シェルアイデンティティを失うペレットへ押し出すことができ、そしてペレットを圧縮金型に加える。こうして、圧縮成形品をコア/シェルポリマーから直接にまたは間接に形成する。この実施形態の別の態様は、上記のような高い改質剤含有率のコア/シェルポリマーを含む溶融混合ブレンド、すなわち、コア/シェルポリマー粒子を一緒に溶融混合することによって得られたブレンドである。この態様の最も簡単な実施形態は、コアおよびシェルポリマーの融点より上の温度で、押出機で実施するなどの、コア/シェルポリマーの溶融混合であって、コア/シェルポリマー粒子が溶融混合物から成形された、例えば押し出された物品へ合体する溶融混合である。より低いコア含有率で、ゼロMFRコアは溶融混合組成物(ブレンド)中に分散相を形成する。より高いコア含有率、例えば約75重量%以上で、ゼロMFRコアが分散相である、この分散系/マトリックス構造の存在は、組成物の特性によって暗示されるように、それほど明確ではない。コア粒子が触れ、そして結び付くことは可能であり、ここで、溶融成形可能なパーフルオロポリマーシェルは次に、接触するコアの部分間に相互貫入網状構造を形成する。
極めて高いMIT曲げ寿命と溶融成形性と組み合わせは結局、溶融成形可能なPTFEを提供する本発明のコア/シェルポリマーのこの実施形態ということになる。本実施例の次のセクションで、コア/シェルポリマーの溶融押出は極めて高いMIT曲げ寿命のPTFE様ポリマーを生成することが実証される。押出ストランドのおよび/または圧縮成形プラークの高い伸びおよび引張強度などの特性もまた実証されるであろう。
(実施例50A)
本実施例は、コアがホモポリマーPTFEであり、そしてシェルが比較例Cの溶融加工可能PFAであるコア/シェルポリマーの製造を示す。
約1.5の長さ対直径比および10ガロン(37.9L)の水容量を有する円筒形で水平の、水外套付き、パドル撹拌のステンレススチール反応器に、54ポンド(24.5kg)の脱塩水と240mLの水中パーフルオロオクタン酸アンモニウム界面活性剤の20重量%溶液とを装入した。反応器パドルを50rpmでかき混ぜながら、反応器を3回排気し、テトラフルオロエチレン(TFE)でパージした。
反応器温度を次に75℃に上げた。温度が75℃で定常になった後、TFEを使用して反応器の圧力を300psig(2.07MPa)に上げた。水中0.2重量%APSからなる80ミリリットルの開始溶液を反応器に注入した。この同じ開始剤を次に5.0mL/分で加えた。反応器圧力の10psig(0.07MPa)降下によって示唆されるように重合が始まった後、TFEを0.2ポンド(90.8g)/分で5分間加えた。重合開始後1ポンド(454g)のTFEをフィードした後、TFEおよび開始剤フィードを停止し、次に反応器をゆっくりガス抜きした。かき混ぜを停止した後、反応器蒸気空間を排気した。かき混ぜを50rpmで再開させ、次に内容物を25℃に冷却した。コアは372℃でゼロのMFRを有する。かき混ぜ機を再び停止し、次に反応器中の圧力をエタンで8インチHg(3.93psig、2.71×10−2MPa)に上げた。エタンの添加後に、かき混ぜ機を50rpmで再開させ、反応器の内容物を75℃に暖めた。パーフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)の200mLアリコートを加え、次に反応器中の圧力をTFE(1.72MPa)で250psig(1.75MPa)に上げた。反応の継続期間の間、PEVEを2mL/分で加え、同じ溶液を5mL/分の速度で使用して重合開始を再開させた。反応器中のTFEの圧力を、0.167ポンドTFE/分(75.7g/分)の反応速度を維持するために連続的に調節した。19ポンド(8618g)TFEが114分で反応した後、TFE、開始剤、およびPEVEフィードを停止し、次に反応器をガス抜きすることによって反応を終わらせた。本分散系の固形分含有率は30.2重量%であり、未加工分散粒径(RDPS)は0.099μmであった。凝固後に、ポリマーを、濾過することによって単離し、次に150℃対流エアオーブン中で乾燥させた。このコア/シェルポリマーは、4.1g/10分の溶融流量(MFR)、2.93重量%のPEVE含有率、および851サイクルの50ミルMIT曲げ寿命を有した。本コア/シェルポリマーはまた、4075psi(28.1MPa)の引張強度および353%の破断点伸びを示した。粘度変化は7780Pa・sであった。これらの結果は、コアがPTFEホモポリマーである、増加するコア含有率の追加コア/シェルポリマーについての結果と一緒に、下の表12に実施例53として含まれる。コアポリマー対シェルポリマーの比を、重合の第1段階で消費されるTFEおよび重合の第2段階で消費されるTFEの比を変えることによって変更した。
引張強度および破断点伸びは、試験手順の下で開示された手順による圧縮成形プラークに関して、ならびに350℃および4s−1で動作する試験手順の下で記載されたケイネス・キャピラリー流動計によって押し出されたストランドに関しての両方で測定した。
Figure 2009516067
表12に示されるように、PTFEホモポリマーコアについてのコア含有率が50重量%より上に増加するとき、1.27mmMIT曲げ寿命は劇的に落ちる。同じことは、圧縮成形プラークかそれとも押出ストランドかに関して測定された物理的特性についても当てはまる。コアがポリマーの95重量%を構成する、追加のコア/シェルポリマーを製造し、このポリマーもまた不満足なMIT曲げ寿命および不満足な物理的特性を示した。
(実施例50B)
本実施例は、シェルが比較例Cの溶融成形可能なPFAであり、そして一方コアがPEVEで改質された高分子量PTFEからなるコアシェルポリマーの製造を示す。
約1.5の長さ対直径比および10ガロン(37.9L)の水容量を有する円筒形で水平の、水外套付き、パドル撹拌のステンレススチール反応器に、54ポンド(24.5kg)の脱塩水と240mLの水中パーフルオロオクタン酸アンモニウム界面活性剤の20重量%溶液とを装入した。反応器パドルを50rpmでかき混ぜながら、反応器を3回排気し、テトラフルオロエチレン(TFE)でパージした。反応器温度を次に75℃に上げた。温度が75℃で定常になった後、TFEを使用して反応器の圧力を250psig(1.72MPa)に上げた。300ミリリットルのPEVEを反応器に迅速に加え、引き続き水中0.2重量%APSからなる80ミリリットルの開始溶液を加えた。この同じ開始剤を次に5.0mL/分で加えた。反応器圧力の10psig(0.07MPa)降下によって示唆されるように重合が始まった後、追加のPEVEを2.5mL/分で加え、TFEを0.2ポンド(90.8g)/分で20分間加えた。重合開始後4ポンド(1816g)のTFEをフィードした後、TFE、PEVEおよび開始剤フィードを停止し、次に反応器をゆっくりガス抜きした。コアポリマーは単独では372℃でゼロMFRを示す。かき混ぜを50rpmで再開させ、次に内容物を25℃に冷却した。かき混ぜ機を再び停止し、次に反応器中の圧力をエタンで8インチHg(3.93psig、2.71×10−2MPa)に上げた。エタンの添加後に、かき混ぜ機を50rpmで再開させ、反応器の内容物を75℃に暖めた。パーフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)の200mLアリコートを加え、次に反応器中の圧力をTFE(1.72MPa)で250psig(1.75MPa)に上げた。反応の継続期間の間、PEVEを2mL/分で加え、同じ溶液を5mL/分の速度で使用して重合開始を再開させた。反応器中のTFEの圧力を、0.167ポンドTFE/分(75.7g/分)の反応速度を維持するために連続的に調節した。16ポンド(7264g)TFEが96分で反応した後、TFE、開始剤、およびPEVEフィードを停止し、次に反応器をガス抜きすることによって反応を終わらせた。本分散系の固形分含有率は30.2重量%であり、未加工分散粒径(RDPS)は0.078μmであった。凝固後に、ポリマーを、濾過することによって単離し、次に150℃対流エアオーブン中で乾燥させた。このコア/シェルポリマーは、4.2g/10分の溶融流量(MFR)、3.49重量%のPEVE含有率、および857サイクルの1.27mmMIT曲げ寿命を有した。本共重合体はまた、3785psi(26.1MPa)の引張強度および311%の破断点伸びを示した。粘度変化は6422Pa・sであった。これらの結果を実施例50B−1として表13に含める。実施例50B−2〜50B−8を、実施例50B−1について記載したように製造した。重合の第1段階で消費されるTFEと重合の第2段階で消費されるTFEとの比を変えることによってコアポリマー対シェルポリマーの比を変えた。コアのPEVE含有率は、コア/シェルポリマーのコア含有率が50重量%から増加したときに4.9重量%〜6.5重量%の範囲であった。実施例50B−2〜50B−8についての具体的な詳細を表13に与える。
引張強度および破断点伸びは、圧縮成形プラークに関して、ならびに350℃および4s−1で動作するケイネス・キャピラリー流動計によって押し出されたストランドに関しての両方で測定した。
Figure 2009516067
表13に示されるように、1.27mmMIT曲げ寿命は、コアがコア/シェルポリマーの47.9重量%を構成するときのそれから増加する。この増加は、表12に報告された結果と比べて大きい。表12では、1.27mmMIT曲げ寿命は、コア重量%の増加と共に2070サイクルから116サイクルに低下する。対照的に、表13に示される曲げ寿命の増加は、増加するコア重量%と共に約2700サイクル(47.9重量%コア)から13452サイクルである。実施例50B−4〜50B−8のコア/シェルポリマーは、引張および伸び特性の驚くほど高い保持を示し(成形プラーク)、伸びは少なくとも250%であり、引張強度は少なくとも25MPaである。溶融コア/シェルポリマーから押し出されたストランドもまた、高い伸びおよび強度を示し、本発明のこの実施形態のコア/シェルポリマーの溶融成形性を裏付ける。
(実施例50C)
本実施例は、シェルが比較例Cの溶融加工可能PFAであり、そして一方コアがより少ない量のPEVEで改質された高分子量PTFEからなるコアシェルポリマーの製造を示す。PTFEポリマーのMIT曲げ寿命は、PTFEホモポリマー単独に匹敵し、コア/シェルポリマーは高いチキソトロピーを示す。
約1.5の長さ対直径比および10ガロン(37.9L)の水容量を有する円筒形で水平の、水外套付き、パドル撹拌のステンレススチール反応器に、54ポンド(24.5kg)の脱塩水と240mLの水中パーフルオロオクタン酸アンモニウム界面活性剤の20重量%溶液とを装入した。反応器パドルを50rpmでかき混ぜながら、反応器を3回排気し、テトラフルオロエチレン(TFE)でパージした。反応器温度を次に75℃に上げた。温度が75℃で定常になった後、TFEを使用して反応器の圧力を250psig(1.72MPa)に上げた。120ミリリットルのPEVEを反応器に迅速に加え、引き続き水中0.2重量%APSからなる80ミリリットルの開始溶液を加えた。この同じ開始剤を次に5.0mL/分で加えた。反応器圧力の10psig(0.07MPa)降下によって示唆されるように重合が始まった後、追加のPEVEを1.0mL/分の速度で加え、TFEを0.2ポンド(90.8g)/分で5分間加えた。重合開始後1ポンド(454g)のTFEをフィードした後、TFE、PEVE、および開始剤フィードを停止し、次に反応器をゆっくりガス抜きした。PEVE改質コアは単独では372℃でゼロMFRを示す。かき混ぜを停止した後、反応器蒸気空間を排気した。かき混ぜを50rpmで再開させ、次に内容物を25℃に冷却した。かき混ぜ機を再び停止し、次に反応器中の圧力をエタンで8インチHg(3.93psig、2.71×10−2MPa)に上げた。エタンの添加後に、かき混ぜ機を50rpmで再開させ、反応器の内容物を75℃に暖めた。パーフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)の200mLアリコートを加え、次に反応器中の圧力をTFE(1.72MPa)で250psig(1.75MPa)に上げた。反応の継続期間の間、PEVEを2mL/分で加え、同じ溶液を5mL/分の速度で使用して重合開始を再開させた。反応器中のTFEの圧力を、0.167ポンドTFE/分(75.7g/分)の反応速度を維持するために連続的に調節した。19ポンド(8618g)TFEが114分で反応した後、TFE、開始剤、およびPEVEフィードを停止し、次に反応器をガス抜きすることによって反応を終わらせた。本分散系の固形分含有率は30.1重量%であり、未加工分散粒径(RDPS)は0.099μmであった。凝固後に、ポリマーを、濾過することによって単離し、次に150℃対流エアオーブン中で乾燥させた。このコア/シェルポリマーは、12.9g/10分の溶融流量(MFR)、3.20重量%のPEVE含有率、および840.4サイクルの1.27milMIT曲げ寿命を有した。本共重合体はまた、4203psi(29.0MPa)の引張強度および338%の破断点伸びを示した。粘度変化は3816Pa・sであった。これらの結果を、実施例50C−2〜50C−10についての増加するコア含有率での結果と一緒に実施例50B−1として表14に含める。コアポリマー対シェルポリマーの比を、重合の第1段階で消費されるTFEと重合の第2段階で消費されるTFEとの比を変えることによって変更した。コアのPEVE含有率は、コア含有率が50重量%から増加したときに1.82重量%〜2.32重量%であった。
引張強度および破断点伸びは、圧縮成形プラークに関してならびに350℃および4s−1で動作するケイネス・キャピラリー流動計によって押し出されたストランドに関して測定した。
Figure 2009516067
実施例50C−1〜50C−10のコア/シェルポリマーのチキソトロピーは高く、48.79重量%以上のコア含有率で30000を超えた。実施例50C−9および50C−10のポリマーについての1.27mmMIT曲げ寿命は極めて高く、引張強度および伸びは、コア含有率が50重量%から増加したときにも本質的に保持された。

Claims (19)

  1. ポリマーのコアが非溶融流動性ポリテトラフルオロエチレンを含み、ポリマーのシェルが溶融成形可能なパーフルオロポリマーを含むコア/シェルポリマーであって、溶融成形可能であることを特徴とするコア/シェルポリマー。
  2. 溶融ブレンドされるとチキソトロピーを示す請求項1に記載のコア/シェルポリマーであって、前記チキソトロピーが、キャピラリー流動計法によって測定される場合、剪断速度を約10s−1から約100s−1に上げたとき、溶融成形可能なパーフルオロポリマー単独に対する同じ剪断速度における溶融粘度の減少より少なくとも10%大きい溶融粘度の減少によって特徴づけられることを特徴とするポリマー。
  3. 前記パーフルオロポリマーがテトラフルオロエチレンと、3〜8個の炭素原子を有するパーフルオロオレフィンおよびアルキル基が1〜5個の炭素原子を含有するパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)からなる群から選択される少なくとも1種のモノマーとの共重合体を含むことを特徴とする請求項1に記載のコア/シェルポリマー。
  4. 前記非溶融流動性ポリテトラフルオロエチレンが前記非溶融流動性ポリテトラフルオロエチレンと前記溶融成形可能なパーフルオロポリマーとを合わせた重量の少なくとも約0.1重量%を構成することを特徴とする請求項1に記載のコア/シェルポリマー。
  5. 前記ポリマーを溶融混合すると、前記溶融成形可能なパーフルオロポリマーの連続相が、前記非溶融流動性ポリテトラフルオロエチレンコアが中に分散された状態で形成されるように有効量の前記溶融成形可能なパーフルオロポリマーが前記シェル中に存在することを特徴とする請求項4に記載のコア/シェルポリマー。
  6. 前記非溶融流動性ポリテトラフルオロエチレンが前記非溶融流動性ポリテトラフルオロエチレンと前記溶融成形可能なパーフルオロポリマーとを合わせた重量の約4〜40重量%を構成することを特徴とする請求項1に記載のコア/シェルポリマー。
  7. 前記ポリテトラフルオロエチレンが改質されていることを特徴とする請求項1に記載のコア/シェルポリマー。
  8. ポリマーのコアがその少なくとも50重量%を構成し、かつ、ゼロの溶融流量を有し、前記コアが、少なくとも1.5重量%の改質剤を含有するポリテトラフルオロエチレンをさらに含み、ポリマーのシェルが溶融成形可能なパーフルオロポリマーを含み、コア/シェルポリマーが溶融ブレンドされるとチキソトロピーを示し、前記チキソトロピーが、キャピラリー流動計法によって測定される場合、剪断速度を約10s−1から約100s−1に増加させたとき、溶融成形可能なパーフルオロポリマー単独に対する同じ剪断速度における溶融粘度の減少より少なくとも約10%大きい溶融粘度の減少によって特徴づけられることを特徴とするコア/シェルポリマー。
  9. ポリマーのコアがその少なくとも50重量%を構成し、かつ、ゼロの溶融流量を有し、前記コアが、少なくとも1.5重量%の改質剤を含有するポリテトラフルオロエチレンをさらに含み、ポリマーのシェルが溶融成形可能なパーフルオロポリマーを含み、コア/シェルポリマーが溶融成形可能であり、そして少なくとも2500サイクルの1.27mmMIT曲げ寿命を示すことを特徴とするコア/シェルポリマー。
  10. 前記コアが前記ポリマーの少なくとも90重量%を構成し、かつ、前記MIT曲げ寿命が少なくとも7000サイクルであることを特徴とする請求項9に記載のコア/シェルポリマー。
  11. 前記改質剤がフッ素化ビニルエーテルであることを特徴とする請求項9に記載のコア/シェルポリマー。
  12. 請求項8に記載のコア/シェルポリマーから、あるいは前記コア/シェルポリマーの溶融混合ブレンドから作られることを特徴とする圧縮成形品。
  13. 請求項8に記載のコア/シェルポリマーを溶融混合することによって得られることを特徴とする混合物。
  14. 前記コアを形成する工程と、前記溶融成形可能なパーフルオロポリマーを前記コア上に形成するパーフルオロモノマーを重合させる工程とを含むことを特徴とする請求項1に記載のコア/シェルポリマーの製造方法。
  15. コア/シェルポリマーを溶融ブレンドする工程を含む方法であって、前記ポリマーのコアが非溶融流動性ポリテトラフルオロエチレンを含み、前記ポリマーのシェルが溶融成形可能なパーフルオロポリマーを含み、前記溶融ブレンドが、キャピラリー流動計法によって測定される場合、剪断速度を約10s−1から約100s−1に増加させたとき、溶融成形可能なパーフルオロポリマー単独に対する同じ剪断速度における溶融粘度の減少より少なくとも約10%大きい溶融粘度の減少によって特徴づけられるチキソトロピーを示すことを特徴とする方法。
  16. 請求項15に記載の方法の溶融ブレンドを含むことを特徴とする溶融成形可能なブレンド。
  17. 前記溶融ブレンドする工程が、前記溶融成形可能なパーフルオロポリマーの連続相中にコアの分散系を生成することを特徴とする請求項15に記載の方法。
  18. 前記溶融ブレンドする工程が、前記コア/シェルポリマーと、独立して供給されるパーフルオロポリマーとを溶融ブレンドすることを含み、前記独立して供給されるパーフルオロポリマーが前記シェルの前記パーフルオロポリマーと相溶性であり、前記独立して供給されるパーフルオロポリマーと前記シェルの前記パーフルオロポリマーとが前記連続相を形成することを特徴とする請求項17に記載の方法。
  19. 溶融ブレンドされるとチキソトロピーを示す請求項1に記載のコア/シェルポリマーであって、キャピラリー流動計法によって測定される場合、剪断速度を約10s−1から約100s−1に増加させたとき、溶融成形可能なパーフルオロポリマー単独に対する同じ剪断速度における溶融粘度の減少より少なくとも約10%大きい溶融粘度の減少によって特徴づけられることを特徴とする請求項1に記載のコア/シェルポリマー。
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