JP2009514899A - チエノピリジンB−Rafキナーゼ阻害剤 - Google Patents

チエノピリジンB−Rafキナーゼ阻害剤 Download PDF

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Abstract

本発明は、チエノピリジン化合物、同化合物を含む組成物、その製造方法、ならびに薬剤としてのその使用を提供する。

Description

本発明は、チエノピリジン誘導体、それを含む組成物および医薬、ならびに該化合物、組成物および医薬の製造方法および使用方法に関する。かかるピリジン誘導体は、不適切なB-Rafキナーゼ活性に関連した疾患の治療に有用である。
Rafプロテインキナーゼはシグナル伝達経路の鍵となる成分であり、哺乳動物細胞では、特定の細胞外刺激がこの経路を介して正確な細胞応答を誘導する。活性化された細胞表面受容体が原形質膜の内面でras/rapタンパク質を活性化し、続いてRafタンパク質を補充しかつ活性化する。活性型Rafタンパク質は細胞内プロテインキナーゼMEK1およびMEK2をリン酸化して活性化する。その後、活性化されたMEKはp42/p44マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)のリン酸化と活性化を触媒する。活性型MAPKのさまざまな細胞質基質および核基質が知られており、これらは環境変化に対する細胞応答に直接または間接的に関与する。哺乳動物では、Rafタンパク質をコードする3つの異なる遺伝子が同定されている。すなわち、A-Raf、B-RafおよびC-Raf (Raf-1としても知られる)、ならびにmRNAの異なったスプライシングにより生じるアイソフォーム変異体が公知である。
Rafキナーゼの阻害剤は、腫瘍細胞の増殖阻止、したがって癌(例えば、組織球性リンパ腫、肺腺癌、小細胞肺癌、膵臓癌、および乳癌)の治療に使用することが提唱されており、さらに、虚血現象(心停止後の大脳虚血、脳梗塞、および多重梗塞性痴呆を含む)から生じる、そしてまた、頭部の損傷、手術から、および/または出産中に起こるような大脳虚血現象後に生じる、ニューロンの変性と関連した障害の治療および/または予防に使用することも提案されている。
本発明者らは、B-Rafキナーゼの阻害剤である新規のチエノピリジン化合物を見出した。かかるピリジン誘導体は、不適切なB-Rafキナーゼ活性に関連した疾患の治療に有用である。
発明の概要
本発明の一態様においては、式(I):
Figure 2009514899
[式中、
R1は、-N(H)-C(O)R4もしくは-N(H)-C(O)-N(H)R4であり、かつR2はHであるか;または
R1とR2は、それらが結合しているフェニル環と一緒になって、次式の基(i):
Figure 2009514899
を形成し;
R3は、それぞれ独立して、ハロ、アルキル、およびハロアルキルからなる群より選択され;
R4は、シクロヘキシル; ベンジル; 無置換、モノ置換、もしくはジ置換のフェニル(ここで、置換基は、独立して、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、およびベンジルオキシからなる群より選択される); メチレン-チエニル; およびジメチル-4-イソキサゾリルからなる群より選択され;
nは、0、1、または2である]
で表される化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
本発明の第二の態様においては、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物を含有する医薬組成物を提供する。一実施形態では、医薬組成物は1種以上の製薬上許容される担体、希釈剤および賦形剤をさらに含有する。
本発明の第三の態様においては、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物を哺乳動物に投与することを含んでなる、哺乳動物における不適切なB-Rafキナーゼ活性が介在する症状を治療するための方法を提供する。
本発明の第四の態様においては、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物を哺乳動物に投与することを含んでなる、哺乳動物における神経外傷状態(neurotraumatic condition)を治療するための方法を提供する。
本発明の第五の態様においては、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物を哺乳動物に投与することを含んでなる、哺乳動物における感受性の新生物を治療するための方法を提供する。
本発明の第六の態様においては、式(IV):
Figure 2009514899
の化合物を、
式(V):
Figure 2009514899
式(VII):
Figure 2009514899
および
式(XII):
Figure 2009514899
[式中、化合物(V)、(VII)および(XII)のそれぞれにおいて、R3、R4、およびnは先に定義したとおりであり、R5はそれぞれ独立して水素もしくはC1〜C6アルキルであるか、または2個のR5基が、それらが結合しているホウ素および酸素原子と一緒になって5員もしくは6員環を形成し、該環は1〜4個のアルキル基で置換されていてもよい]
から選択される化合物と反応させることを含んでなる、式(I)の化合物の製造方法を提供する。
本発明の第七の態様においては、治療に使用するための式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
本発明の第八の態様においては、哺乳動物における不適切なB-Rafキナーゼ活性が介在する症状を治療するための医薬の製造における、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物の使用を提供する。
本発明の第九の態様においては、哺乳動物における神経外傷状態を治療するための医薬の製造における、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物の使用を提供する。
本発明の第十の態様においては、哺乳動物における感受性の新生物を治療するための医薬の製造における、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物の使用を提供する。
発明の詳細な説明
本明細書中で用いる「本発明の化合物」とは、式(I)の化合物を意味する。式(I)の化合物、ならびに単離可能な中間体、例えば式(IV)、(IX)および(XIV)の化合物に関して、「式(数字)の化合物」という語は、当該式を有する化合物とその製薬上許容される塩および溶媒和物を意味する。
本明細書中で用いる「アルキル」(および「アルキレン」)および同様の語は、原子の数を特に指定しない限り、1〜4個の炭素原子を含む無置換の直鎖状または分枝鎖状の炭化水素鎖をさす。本明細書中で用いる「アルキル」の例として、限定するものではないが、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、イソブチル、イソプロピル、およびtert-ブチルが挙げられる。本明細書中で用いる「アルキレン」の例として、限定するものではないが、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、およびイソブチレンが挙げられる。
本明細書中で用いる「シクロヘキシル」とは、無置換の飽和単環式炭素環をさす。
本明細書中で用いる「ハロ」または「ハロゲン」とは、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードをさす。
本明細書中で用いる「ハロアルキル」とは、先に定義したハロで1回以上置換された、先に定義したアルキルをさす。
本明細書中で用いる「アルコキシ」とは、-O-アルキル基(ここで、アルキルは先に定義したとおり)をさす。「アルコキシ」の例として、限定するものではないが、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、およびt-ブトキシが挙げられる。
本明細書中で用いる「フェニル」とは、特に指定しない限り、無置換のフェニルをさす。
本明細書中で用いる「ベンジル」とは、特に指定しない限り、無置換のベンジルをさす。
本明細書中で用いる「ベンジルオキシ」とは、-O-ベンジル基(ここで、ベンジルは先に定義したとおり)をさす。
本明細書中で用いる「チエニル」とは、特に指定しない限り、無置換のチエニルをさす。
本明細書中で用いる「イソキサゾリル」とは、特に指定しない限り、無置換のイソキサゾリルをさす。
本発明は、式(I):
Figure 2009514899
[式中、
R1は、-N(H)-C(O)R4もしくは-N(H)-C(O)-N(H)R4であり、かつR2はHであるか;または
R1とR2は、それらが結合しているフェニル環と一緒になって、次式の基(i):
Figure 2009514899
を形成し;
R3は、それぞれ独立して、ハロ、アルキル、およびハロアルキルからなる群より選択され;
R4は、シクロヘキシル; ベンジル; 無置換、モノ置換、もしくはジ置換のフェニル(ここで、置換基は、独立して、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、およびベンジルオキシからなる群より選択される); メチレン-チエニル; およびジメチル-4-イソキサゾリルからなる群より選択され;
nは、0、1、または2である]
で表される化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物を提供する。
本発明の一実施形態では、R1が-N(H)-C(O)R4である式(I)の化合物が特定される。本発明の別の実施形態では、R1が-N(H)-C(O)-N(H)R4である式(I)の化合物が特定される。本発明のさらに別の実施形態では、R1とR2が、それらが結合しているフェニル環と一緒になって、次式の基(i):
Figure 2009514899
を形成する式(I)の化合物が特定される。
本発明の別の実施形態では、nが0である式(I)の化合物が特定される。
本発明の別の実施形態では、R4が置換フェニルである式(I)の化合物が特定される。本発明のさらに別の実施形態では、R4がモノ置換フェニルである式(I)の化合物が特定される。本発明のさらに別の実施形態では、R4がモノ置換フェニルであり、該置換基がハロ、ハロアルキル、アルコキシ、またはベンジルオキシである式(I)の化合物が特定される。本発明の別の実施形態では、R4がジ置換フェニルである式(I)の化合物が特定される。本発明のさらに別の実施形態では、R4がジ置換フェニルであり、該置換基がハロおよびハロアルキルである式(I)の化合物が特定される。本発明のさらに別の実施形態では、R4がジ置換フェニルであり、該置換基が両方ともハロである式(I)の化合物が特定される。本発明の別の実施形態では、R4がベンジルである式(I)の化合物が特定される。本発明のさらに別の実施形態では、R4がシクロヘキシルである。
本発明は、上で定義した特定の基のあらゆる組合せおよびサブセットを包含するものであることを理解すべきである。
本発明の化合物の具体例には、以下の実施例に記載した化合物およびそれらの製薬上許容される塩または溶媒和物が含まれる。
当業者には、本発明の化合物がその製薬上許容される塩または溶媒和物の形でも利用され得ることが理解されよう。式(I)の化合物の製薬上許容される塩には、製薬上許容される(すなわち、無毒性の)無機もしくは有機の酸または塩基から形成される通常の塩、ならびに第四級アンモニウム塩が含まれる。代表的な塩としては次のものがある:酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム塩、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート、フマル酸塩、グルセプテート、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニレート(glycollylarsanilate)、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン(hydrabamine)、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル臭化物、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、マレイン酸一カリウム塩、ムケート(mucate)、ナプシル酸塩、硝酸塩、N-メチルグルカミン、シュウ酸塩、パモ酸塩(エンボネート(embonate))、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、カリウム塩、サリチル酸塩、ナトリウム塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオダイド(triethiodide)、トリメチルアンモニウム、および吉草酸塩。製薬上許容されない、シュウ酸のような他の塩は、本発明の化合物を取得する際の中間体として有用な塩の製造に用いることができ、これらは本発明のさらなる態様を構成する。
本明細書中で用いる「溶媒和物」とは、溶質(式(I)の化合物)と溶媒から形成される、さまざまな化学量論量の複合体をさす。本発明の目的にかなう溶媒は溶質の生物学的活性を妨げないものである。そのような好適な溶媒の例として、限定するものではないが、水、メタノール、エタノール、および酢酸がある。好ましくは、製薬上許容される溶媒を用いる。好適な製薬上許容される溶媒の例として、水、エタノールおよび酢酸が挙げられるが、これらに限らない。一実施形態では、用いる溶媒が水である。
式(I)の化合物の製薬上許容される塩および溶媒和物の製造方法は当技術分野で一般に行われている。例えば、Burger's Medicinal Chemistry And Drug Discovery 第5版, Vol 1: Principles And Practiceを参照されたい。
当業者には明らかなように、式(I)の化合物を製造するための下記の方法において、特定の中間体は該化合物の製薬上許容される塩または溶媒和物の形をしていてもよい。これらの用語は、式(I)の化合物の製造方法で用いる中間体に適用する場合にも、式(I)の化合物に関して記載したのと同じ意味を有する。中間体の製薬上許容される塩および溶媒和物の製造方法は当技術分野で公知であり、式(I)の化合物のような化合物の製薬上許容される塩および溶媒和物の製造方法に類似している。
特定の式(I)の化合物は立体異性体の形で存在することができる(例えば、それらは1個以上の不斉炭素原子を含むか、またはシス-トランス異性を示す)。個々の立体異性体(エナンチオマーおよびジアステレオマー)とそれらの混合物は本発明の範囲内に含まれるものとする。本発明はまた、1以上のキラル中心が逆転している異性体との混合物としての式(I)で表される化合物の各異性体をも包含する。特定の式(I)の化合物は位置異性体の混合物として製造することができる。本発明は位置異性体の混合物と個々の化合物の両方を含むものである。同様に、式(I)の化合物がその式で示されるもの以外の互変異性体として存在しうることも理解されることであり、これらも本発明の範囲内に含まれる。
式(I)の化合物の具体例は医薬組成物中での使用が意図されるので、本発明のある実施形態では、式(I)の化合物がそれぞれ実質的に純粋な形態で、例えば60%以上の純度、好ましくは75%以上の純度、より好ましくは85%以上の純度、特に98%以上の純度(%は重量基準)で提供されることが、容易に理解されよう。純度の低い化合物の調製物は医薬組成物で用いる高純度の形態を調製するために使用することができる。
式(I)の化合物は単独で製造してもよいし、または少なくとも2種、例えば5〜1,000種の化合物、より好ましくは10〜100種の式(I)の化合物を含む化合物ライブラリーとして製造してもよい。式(I)の化合物のライブラリーは、コンビナトリアル「スプリット・ミックス」(split and mix)法により、または液相もしくは固相化学を用いる多重平行合成法により、当業者に公知の手順で製造することができる。
したがって、本発明のさらなる態様によれば、少なくとも2種の式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩を含んでなる化合物ライブラリーを提供する。
本発明の化合物は典型的にはB-Rafキナーゼの阻害剤である。本発明はB-Rafキナーゼに対して選択的な式(I)の化合物に限定されず、むしろ、本発明はB-Rafキナーゼ以外のキナーゼに対しても活性を保持する式(I)の化合物を明示的に包含する。「B-Raf阻害剤」とは、以下で説明するB-Raf阻害酵素アッセイでB-Rafキナーゼに対して約5以上のpIC50を示す化合物を意味するか、または以下で説明する細胞アッセイでB-Rafキナーゼ(例えば、V581E)を過剰発現する少なくとも1つの細胞株に対して少なくとも約5のIC50を示す化合物を意味する。さらに特定した実施形態では、「B-Raf阻害剤」は、以下で説明するB-Raf阻害酵素アッセイでB-Rafキナーゼに対して約6.0以上のpIC50および/または以下で説明する細胞アッセイでB-Rafキナーゼ(例えば、V581E)を過剰発現する少なくとも1つの細胞株に対して少なくとも約6.0のIC50を示す化合物をさす。
本発明はさらに、哺乳動物(例えば、ヒト)の医薬療法に使用するための式(I)の化合物を提供する。特に、本発明は、哺乳動物におけるB-Rafキナーゼが介在する症状、とりわけ、哺乳動物における不適切なB-Rafキナーゼ活性が介在する症状の治療に使用するための式(I)の化合物を提供する。
本明細書中で言及される「不適切なB-Rafキナーゼ活性」とは、特定の哺乳動物被験者において予想される正常なB-Rafキナーゼ活性から逸脱しているB-Rafキナーゼ活性のことである。不適切なB-Rafキナーゼ活性は、例えば、異常な活性増加、あるいはB-Rafキナーゼ活性のタイミングおよび/またはコントロールの乱れの形をとりうる。そうした不適切な活性は、例えば、受容体の不適切な活性化または制御不能な活性化をもたらすリガンドつまり該プロテインキナーゼの過剰発現または突然変異により生じることがある。さらに、不必要なB-Rafキナーゼ活性は悪性疾患のような異常な供給源にも存在しうることが理解される。すなわち、不適切とみなされるためには、B-Rafキナーゼ活性のレベルが異常である必要はなく、該活性はむしろ異常な供給源から導かれる。
本発明のある実施形態は、神経外傷状態の治療に使用するための式(I)の化合物を提供する。
本発明の他の実施形態は、感受性の新生物の治療に使用するための式(I)の化合物を提供する。
本発明の実施形態は、哺乳動物の重篤な状態を治療するための方法を提供するが、該方法の全ては式(I)の化合物を投与する段階を含んでなる。好ましくは、前記方法は、治療上有効な量の式(I)の化合物を哺乳動物に投与することを含んでなる。本発明の化合物による治療が必要な哺乳動物は、典型的にはヒトである。
本発明のある実施形態は、哺乳動物(例えば、ヒト)におけるB-Rafキナーゼが介在する症状を治療するための方法を提供するが、該方法は式(I)の化合物を哺乳動物に投与する段階を含んでなる。好ましくは、前記方法は、治療上有効な量の式(I)の化合物を哺乳動物に投与することを含んでなる。B-Rafキナーゼが介在する症状は当技術分野で知られており、限定するものではないが、神経外傷状態および新生物が挙げられる。
本発明のある実施形態は、不適切なB-Rafキナーゼ活性が介在する症状を患う哺乳動物の治療方法を提供し、該方法は、式(I)の化合物を哺乳動物に投与することを含んでなる。好ましくは、前記方法は、治療上有効な量の式(I)の化合物を哺乳動物に投与することを含んでなる。一実施形態において、1以上の不適切なB-Rafキナーゼ活性が介在する症状は神経外傷状態である。別の実施形態では、不適切なB-Rafキナーゼ活性が介在する症状は感受性の新生物である。
ある実施形態において、本発明は、哺乳動物(例えば、ヒト)における神経外傷状態を治療するための方法を提供し、該方法は、式(I)の化合物を哺乳動物に投与することを含んでなる。好ましくは、前記方法は、治療上有効な量の式(I)の化合物を哺乳動物に投与することを含んでなる。本明細書中で定義される「神経外傷状態」には、開放性もしくは穿通性頭部外傷(例えば、手術が原因で起こる外傷)、または閉鎖性頭部外傷(例えば、頭部領域への損傷が原因で起こる外傷)の両方が含まれる。さらに、この定義に含まれるものとして、虚血性発作(特に、脳領域の発作)、冠動脈バイパス後の一過性の虚血発作、および他の一過性虚血状態の後の認知低下がある。虚血性発作は、通常は塞栓、血栓、または血管のアテローム性閉塞の結果として、特定の脳領域への血液の供給が不十分となることが原因で起こる限局性の神経障害として定義される。この領域におけるストレス刺激(無酸素症など)、レドックス損傷、過度のニューロン興奮性刺激、および炎症性サイトカインの役割が明らかになってきており、本発明はこれらの損傷の治療可能性がある手段を提供する。これらのような急性損傷に利用可能な治療法は比較的少ない。
他の実施形態においては、本発明は、哺乳動物(例えば、ヒト)における感受性の新生物(癌もしくは腫瘍)を治療するための方法を提供し、該方法は、式(I)の化合物を哺乳動物に投与することを含んでなる。好ましくは、前記方法は、治療上有効な量の式(I)の化合物を哺乳動物に投与することを含んでなる。本明細書中で用いる「感受性の新生物」とは、B-Raf阻害剤による治療に感受性がある新生物をさす。不適切なB-Rafキナーゼ活性に関連しており、したがって、B-Raf阻害剤による治療に感受性である新生物は当技術分野で知られており、原発性と転移性の双方の腫瘍および癌が含まれる。例えば、本発明の範囲内の感受性新生物として、限定するものではないが、組織球性リンパ腫、メラノーマ、乳癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌(例えば、肺腺癌)、大腸癌、および膵臓癌が挙げられる。
本明細書中で用いる「治療」という語は、特定の状態を緩和し、その状態の症状を取り除くかまたは軽減し、その状態の進行を遅らせるかまたは停止させ、以前に罹患した患者でのその状態の再発を防止するかまたは遅らせることを意味する。
本明細書中で用いる「治療上有効な量」とは、例えば研究者または医師が求めている、細胞培養物、組織、系、哺乳動物(ヒトを含む)の生物学的もしくは医学的応答を引き出すのに、式(I)の化合物を投与された被験者において、十分である該化合物の量をさす。この用語は、その範囲内に、正常な生理学的機能を高めるのに有効な量をも含むものである。例えば、B-Rafキナーゼが介在する症状を治療するための式(I)の化合物の治療上有効な量は、被験者においてその症状を治療するのに十分な量である。もう一つの例として、神経外傷状態を治療するための式(I)の化合物の治療上有効な量は、被験者においてその神経外傷状態を治療するのに十分な量である。同様に、感受性の新生物を治療するための式(I)の化合物の治療上有効な量は、被験者においてその感受性新生物を治療するのに十分な量である。本発明の一実施形態では、式(I)の化合物の治療上有効な量は、B-Rafキナーゼの制御、調節、結合または阻害をもたらすのに十分な量である。
式(I)の化合物の正確な治療上有効な量は、治療すべき被験者の年齢と体重、治療を必要とする正確な症状およびその重症度、製剤の性質、投与経路を含めた(しかしこれらに限らない)多くの要因に左右され、最終的には医師や獣医師の判断に任されるだろう。一般的には、式(I)の化合物は、0.1〜200mg/kg(哺乳動物レシピエントの体重)/日、より一般的には1〜100mg/kg(体重)/日の範囲で治療のために投与される。受け入れられる1日用量は約0.1〜約2000mg/日、好ましくは約0.1〜約100mg/日である。したがって、B-Rafキナーゼが介在する症状の治療を受ける70kgの成人の場合、1日あたりの実際の量は通常70〜700mgとなり、この量を1日1回で投与してもよいが、より一般的には、複数回(2、3、4、5、または6回など)に分けて投与し、合計した1日量が同じになるようにする。塩または溶媒和物の治療上有効な量は、式(I)の化合物それ自体の治療上有効な量の比例計算で求めることができる。上で挙げた他の症状の治療に対しても同様の投与量が適切であると考えられる。
式(I)の化合物は、上記の症状のそれぞれの治療に単独で使用してもよいし、相加作用もしくは相乗作用を得るために、例えば特定の既存の化学療法剤と共に、使用してもよく、また、特定の既存の化学療法剤および放射線の有効性を復活させるために使用することができる。
一態様として、本発明は、B-Rafキナーゼが介在する症状の治療のために、治療上有効な量の式(I)の化合物を投与することによって、B-Rafキナーゼを制御、調節、結合または阻害する方法を提供する。「B-Rafキナーゼを制御、調節、結合または阻害する」とは、B-Rafキナーゼの活性を制御、調節、結合または阻害することだけでなく、B-Rafキナーゼの過剰発現を制御、調節、結合または阻害することをもさす。そのような症状として、神経外傷状態、およびB-Rafキナーゼの過剰発現と関連した特定の新生物(癌と腫瘍を含む)が挙げられる。
本発明のある実施形態は、哺乳動物(例えば、ヒト)におけるB-Rafキナーゼが介在する症状を治療するための医薬の製造における、式(I)の化合物の使用を提供する。一実施形態では、本発明は、哺乳動物における神経外傷状態を治療するための医薬の製造における、式(I)の化合物の使用を提供する。別の実施形態では、本発明は、哺乳動物における感受性新生物を治療するための医薬の製造における、式(I)の化合物の使用を提供する。
治療法で使用するために、治療上有効な量の式(I)の化合物は未加工の化学物質として投与することも可能であるが、一般的には、それは医薬組成物または製剤の有効成分として提供される。したがって、本発明はさらに、式(I)の化合物を含有する医薬組成物を提供する。医薬組成物は1種以上の製薬上許容される担体、希釈剤および/または賦形剤をさらに含んでもよい。担体、希釈剤および/または賦形剤は、その製剤の他の成分と適合し、かつそのレシピエントに対して有害でないという意味で、許容されねばならない。本発明の別の態様によると、式(I)の化合物を1種以上の製薬上許容される担体、希釈剤および/または賦形剤と混合することを含んでなる、医薬製剤の調製方法も提供される。
医薬製剤は、単位用量あたり予め決められた量の有効成分を含有する単位剤形として提示することができる。そのような単位は、治療すべき症状、投与経路、患者の年齢、体重および健康状態に応じて、例えば0.5mg〜1g、好ましくは1mg〜700mg、さらに好ましくは5mg〜100mgの式(I)の化合物を含みうる。好適な単位用量製剤は、本明細書中で先に挙げた、有効成分の1日用量または部分用量(つまり、その適切な一部分)を含有するものである。さらに、そうした医薬製剤は薬学分野で周知の方法を用いて製造することができる。
医薬製剤は、いずれかの適切な経路、例えば経口(バッカル、舌下を含む)、経直腸、経鼻、局所(バッカル、舌下、経皮を含む)、膣内、または非経口(皮下、筋内、静脈内、皮内を含む)経路から投与できるように適合させることができる。そのような製剤は、薬学分野で知られた方法により、例えば有効成分を1種以上の担体もしくは賦形剤と混合することにより、製造することができる。
経口投与に適した医薬製剤は、個別の単位、例えばカプセル剤または錠剤;粉剤または顆粒剤;水性もしくは非水性液体中の溶液剤または懸濁液剤;食用フォーム剤またはホイップ剤;あるいは水中油型液体エマルジョンまたは油中水型液体エマルジョンとして提示することができる。
例えば、錠剤やカプセル剤の形での経口投与の場合には、活性薬物成分を経口用の製薬上許容される無毒性担体、例えばエタノール、グリセロール、水などと混合する。粉剤を製造するには、化合物を微細な大きさに粉砕し、同様に粉砕した製薬上の担体、例えば食用の炭水化物(例:デンプン、マンニトール)と混合する。香味剤、防腐剤、分散助剤および着色剤を配合してもよい。
カプセル剤を製造するには、上記のように粉末混合物を調製し、成形したゼラチンカプセルに充填する。充填作業に先だって、コロイド状シリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、または固体のポリエチレングリコールのような潤滑剤や滑沢剤を粉末混合物に添加してもよい。カプセル剤を摂取したときの医薬のバイオアベイラビリティーを改善するために、寒天、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムといった崩壊剤または可溶化剤を添加することもできる。
さらに、所望により、または必要であれば、適当な結合剤、滑沢剤、崩壊剤および着色剤を混合物に配合することができる。適当な結合剤として、デンプン、ゼラチン、天然の糖類(グルコース、β-ラクトースなど)、コーン甘味剤、天然および合成のガム(アラビアガム、トラガカント、アルギン酸ナトリウムなど)、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが挙げられる。これらの剤形中で用いられる滑沢剤としては、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどがある。崩壊剤としては、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどがあり、これらに限らない。錠剤を製造するには、例えば、粉末混合物を調製し、顆粒化またはスラグ化し、滑沢剤と崩壊剤を加えて打錠する。粉末混合物を調製するには、適当に粉砕した化合物を、上記のような希釈剤または基剤と、場合により結合剤(カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドンなど)、溶解抑制剤(パラフィンなど)、吸収促進剤(第四級塩など)および/または吸収剤(ベントナイト、カオリン、リン酸二カルシウムなど)と混合する。粉末混合物は、シロップ、デンプンペースト、アカディア粘液、またはセルロースもしくはポリマー材料の溶液のような結合剤を用いて湿らせてから、スクリーンを通過させることにより顆粒化することができる。顆粒化の別法として、粉末混合物を打錠機にかけて、不完全に成形されたスラグを取得し、このスラグを破壊して顆粒にすることができる。顆粒は、錠剤成形ダイへの付着を防止するために、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルク、または鉱油を添加して滑らかにしてもよい。その後、滑沢剤を添加した混合物を錠剤に圧縮する。本発明の化合物はまた、自由流動性の不活性担体と混合し、顆粒化またはスラグ化工程を通過せずに直接圧縮して錠剤とすることも可能である。シェラックのシールコーティング、糖もしくはポリマー材料のコーティング、およびワックスの光沢コーティングからなる透明または不透明な保護コーティングを施してもよい。これらのコーティングに色素を添加して、異なる単位投薬量を区別できるようにしてもよい。
溶液剤、シロップ剤、エリキシル剤のような経口液剤は、所定量が予め決められた量の化合物を含むような単位剤形として調製することができる。シロップ剤を調製するには、化合物を適当に香味付けした水溶液に溶解する。一方、エリキシル剤は無毒性のアルコール性媒体を用いて調製する。懸濁液剤は、化合物を無毒性の媒体に分散させて調製する。可溶化剤および乳化剤(エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエーテルなど)、防腐剤、香味添加剤(ペパーミント油、天然甘味料、サッカリンまたは他の人工甘味料)などを添加してもよい。
経口投与用の単位用量製剤は、適宜に、マイクロカプセル化することができる。この製剤はまた、例えば粒状物質をポリマー、ワックスなどでコーティングするか、またはその中に埋め込むことによって、放出を長期化または持続させるように製造することができる。
式(I)の化合物は、リポソームデリバリーシステム、例えば1枚膜リポソーム、大きな1枚膜リポソーム、および多重層リポソームの形で投与することもできる。リポソームはコレステロール、ステアリルアミン、ホスファチジルコリンのような種々のリン脂質から形成することが可能である。
式(I)の化合物はまた、該化合物分子と結合するキャリアーとしてモノクローナル抗体を用いることで送達することができる。本化合物はまた、標的化可能な薬物キャリアーとしての可溶性ポリマーと結合させてもよい。そのようなポリマーとして、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド-フェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノール、またはパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシドポリリシンが挙げられる。さらに、本化合物を、薬物の制御放出に有用なクラスの生分解性ポリマーと結合させることもでき、かかる生分解性ポリマーには、例えばポリ乳酸、ポリεカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレート、およびヒドロゲルの架橋型または両親媒性のブロックコポリマーがある。
経皮投与に適した医薬製剤は、レシピエントの皮膚に長期間接触したままにしておく個別のパッチ剤として提供される。例えば、活性成分はイオントフォレシスによりパッチ剤から送達されるが、イオントフォレシスについてはPharmaceutical Research, 3(6), 318 (1986)に概説されている。
局所投与(外用)に適した医薬製剤は、軟膏剤、クリーム剤、懸濁液剤、ローション剤、粉剤、溶液剤、ペースト剤、ゲル剤、スプレー剤、エーロゾル剤、またはオイル剤として製剤化することができる。
眼または他の外部組織(例えば、口および皮膚)を治療する場合には、製剤を局所軟膏剤またはクリーム剤として適用することが好ましい。軟膏剤として製剤化するときは、活性成分をパラフィン系または水混和性の軟膏基剤と共に用いる。あるいはまた、活性成分は、水中油型クリーム基剤または油中水型基剤を用いて、クリーム剤として製剤化することもできる。
眼への局所投与に適した医薬製剤としては点眼薬があり、この場合には活性成分が適当な担体(特に水性溶媒)中に溶解または懸濁される。
口内への局所投与に適した医薬製剤としては、ロゼンジ剤、トローチ剤、および口内洗浄剤がある。
直腸投与に適した医薬製剤は、座薬または浣腸として提供することができる。
鼻腔内投与に適した医薬製剤は、担体が固体であるとき、粒子サイズが例えば20〜50ミクロンの範囲にある粗末を含み、これは鼻から吸うやり方で、すなわち、鼻の近くに保持した粗末の容器から鼻孔への迅速な吸入により、投与することができる。経鼻スプレー剤または点鼻薬として投与するための、担体が液体である好適な製剤としては、活性成分の水溶液または油性溶液がある。
吸入による投与に適した医薬製剤は微粒子状のダストまたはミストを含み、これは各種タイプの定量式加圧エアゾール、ネブライザーまたはインサフレーターによって発生させることができる。
膣内投与に適した医薬製剤は、ペッサリー、タンポン、クリーム、ジェル、ペースト、フォーム、またはスプレー製剤として提供することができる。
非経口投与に適した医薬製剤には、水性および非水性の無菌注射溶液(酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、および製剤をレシピエントの血液と等張にする溶質を含みうる)、ならびに水性および非水性の無菌懸濁液(懸濁化剤と増粘剤を含みうる)が含まれる。これらの製剤は、単位用量または複数回用量の容器(例えば、密閉アンプルおよびバイアル)に入れて提示し、使用直前に無菌の液状担体(例えば、注射用の水)を添加するだけでよい凍結乾燥状態で保存することができる。注射用の溶液および懸濁液は無菌の粉剤、顆粒剤および錠剤から用時調製することができる。
上で特に挙げた成分に加えて、製剤はその製剤のタイプを考慮して当技術分野で慣用の他の物質を含みうることを理解すべきである。例えば、経口投与に適する製剤は香味剤を含むことができる。
式(I)の化合物は下記の方法を用いて製造することができる。下記のスキームの全てにおいて、理解されるように、必要な場合は当業者に公知の一般原則に従って保護基を使用することができ、例えば、T. W. GreenおよびP. G. M. Wuts (1991) Protecting Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sonsを参照されたい。こうした基は当業者に公知の方法を用いて化合物合成の都合のよい段階で除去することができる。方法の選択、ならびに反応条件およびその実施順序を式(I)の化合物の製造に合致するようにする。
式(I)の化合物は、下記のスキーム1〜3に例示した方法を用いて都合よく製造することができる。スキーム1〜3および一般中間体スキームにおいて、全ての記号は上で定義したとおりである。スキーム1〜3のそれぞれは、次の一般中間体スキームにより製造される中間体(IV)を利用する:
Figure 2009514899
[式中、R3およびnは、式(I)に関して先に定義したとおりであり、R5は、独立して、水素またはC1〜C6アルキルであるか、あるいは2個のR5基は、それらが結合しているホウ素および酸素原子と一緒になって、5員または6員環を形成し、該環は1〜4個のアルキル基で置換されていてもよい]。
化合物(II)(WO 2004100947に記載の方法に従って製造できる)および化合物(III)(市販されているか、または市販の化合物から当業者が容易に製造できる)を1:1.1のモル比で、DMFおよび2M Na2CO3水溶液(典型的には5:1の体積比で用いる)に溶解する。当業者には理解されるように、化合物(II)と(III)の他のモル比、例えば1:1〜1:1.5が使用可能である。また、2M Na2CO3は化合物(III)に対して2〜10当量を使用できる。Na2CO3の代わりに、K2CO3、K3PO4、Cs2CO3、CsF、Ba(OH)2、NaOH、NaHCO3のような他の塩基を使用してもよい。DMFの代わりに、またはそれに加えて、DME、ジオキサン、THF、トルエン、キシレン、MeOH、エタノール、H2O、MeCN、NMPまたはこれらの2種以上の混合溶媒など、他の溶媒系を使用してもよい。触媒としてはPd(PPh3)4が好ましい。しかし、理解されるように、PPh3、PCy3、(t-Bu)2POH、(t-Bu)3Pのような好適なリガンドを伴う、Pd(OAc)2、Pd2(dba)3、[PdCl(アリル)]2などの他の触媒も使用することができる。さらに、Pd/Cのようなホスフィンを含まないパラジウム、およびポリマー結合型のパラジウムを用いてもよい。当業者には理解されるように、異なる触媒を使用すると、反応時間、温度、および/または用いる溶媒が変わってくる。この反応は120℃のマイクロ波加熱を用いて15分間行うことが好ましい。油浴やホットプレートのような他の加熱手段を利用してもよい。また、他の温度60〜180℃および他の反応時間5分〜24時間を採用してもよく、一般的な理解としては、反応温度が高くなれば、反応時間は短くなるだろう。反応混合物を濾過して、DMFで洗浄する。濾液は、例えばSCXカートリッジによりキャプチャー&リリースを行って精製する。クルードを、例えばMeOHと少量のCH2Cl2から再結晶すると、化合物IVが得られる。
Figure 2009514899
[式中、R3、R4、およびnは、式(I)に関して先に定義したとおりであり、R5は、独立して、水素またはC1〜C6アルキルであるか、あるいは2個のR5基は、ホウ素および酸素原子と一緒になって、5員または6員環を形成し、該環は1〜4個のアルキル基で置換されていてもよい]。
化合物(IV)および化合物(V)(市販されているか、または市販の化合物から当業者が容易に製造できる)を一般には1:1.3のモル比(1:1〜1:3の範囲で変更可能)で、DMFおよび2M Na2CO3水溶液(典型的には4:1の体積比で用いる)に溶解する。2M Na2CO3は化合物(V)に対して2〜10当量を使用する。Na2CO3の代わりに、K2CO3、K3PO4、Cs2CO3、CsF、Ba(OH)2、NaOH、NaHCO3のような他の塩基を使用してもよい。DMFの代わりに、またはそれに加えて、DME、ジオキサン、THF、トルエン、キシレン、MeOH、エタノール、H2O、MeCN、NMPまたはこれらの2種以上の混合溶媒など、他の溶媒系を使用してもよい。触媒としてはPd(PPh3)4が好ましい。しかし、理解されるように、PPh3、PCy3、(t-Bu)2POH、(t-Bu)3Pのような好適なリガンドを伴う、Pd(OAc)2、Pd2(dba)3、[PdCl(アリル)]2などの他の触媒も使用することができる。さらに、Pd/Cのようなホスフィンを含まないパラジウム、およびポリマー結合型のパラジウムを用いてもよい。当業者には理解されるように、異なる触媒を使用すると、反応時間、温度、および/または使用する溶媒が変わってくる。この反応は120℃のマイクロ波加熱を用いて15分間行うことが好ましい。油浴やホットプレートのような他の加熱手段を利用してもよい。また、他の温度60〜180℃および他の反応時間5分〜24時間を採用してもよく、一般的な理解としては、反応温度が高くなれば、反応時間は短くなるだろう。反応混合物を真空濃縮し、例えば質量指定LC/MSで、精製すると、化合物(VI)が得られる。
Figure 2009514899
[式中、R3、R4、およびnは、式(I)に関して先に定義したとおりであり、R5は、独立して、水素またはC1〜C6アルキルであるか、あるいは2個のR5基は、ホウ素および酸素原子と一緒になって、5員または6員環を形成し、該環は1〜4個のアルキル基で置換されていてもよい]。
化合物(VIII)を調製するには、化合物(IV)および化合物(VII)(市販されているか、または市販の化合物から当業者が容易に製造できる)を一般には1:1.2のモル比(1:1〜1:3の範囲で変更可能)で、DMFおよび2M Na2CO3水溶液(典型的には4:1の体積比で用いる)に溶解する。2M Na2CO3は化合物(VII)に対して2〜10当量を使用できる。Na2CO3の代わりに、K2CO3、K3PO4、Cs2CO3、CsF、Ba(OH)2、NaOH、NaHCO3のような他の塩基を使用してもよい。DMFの代わりに、またはそれに加えて、DME、ジオキサン、THF、トルエン、キシレン、MeOH、エタノール、H2O、MeCN、NMPまたはこれらの2種以上の混合溶媒など、他の溶媒系を使用してもよい。触媒としてはPd(PPh3)4が好ましい。しかし、理解されるように、PPh3、PCy3、(t-Bu)2POH、(t-Bu)3Pのような好適なリガンドを伴う、Pd(OAc)2、Pd2(dba)3、[PdCl(アリル)]2などの他の触媒も使用することができる。さらに、Pd/Cのようなホスフィンを含まないパラジウム、およびポリマー結合型のパラジウムを用いてもよい。当業者には理解されるように、異なる触媒を使用すると、反応時間、温度、および/または使用する溶媒が変わってくる。この反応は120℃のマイクロ波加熱を用いて90分間行うことが好ましい。油浴やホットプレートのような他の加熱手段を利用してもよい。また、他の温度60〜180℃および他の反応時間5分〜24時間を採用してもよく、一般的な理解としては、反応温度が高くなれば、反応時間は短くなるだろう。濾液は、例えばSCXカートリッジによりキャプチャー&リリースを行って精製することができる。真空濃縮すると、化合物(VIII)が得られる。
化合物(IX)を調製するには、MeOH:CH2Cl2の1:1混合溶媒に化合物(VIII)を溶解した溶液を6N HCl水溶液に加える。その際、MeOH:CH2Cl2と6N HClの体積比を10:1とする。当業者には理解されるように、エタノール、ジオキサン、H2O、CHCl3、CH2ClCH2Clなどの他の溶媒系、また10:1〜1:10の他の体積比を用いてもよい。この反応混合物を80℃で2時間加熱する。当業者には理解されるように、反応温度および時間はさまざまな温度および時間とすることができ、例えば室温〜120℃、1〜12時間でありうる。反応混合物をNa2CO3水溶液で希釈し、CH2Cl2で抽出する。他の溶離溶媒として例えばNaHCO3、K2CO3、NaOH、KHCO3を、また他の抽出溶媒として例えばCHCl3、CH2ClCH2Cl、EtOAcを用いてもよい。濾液は、例えばSCXカートリッジによりキャプチャー&リリースを行って精製し、真空濃縮する。
化合物(X)を調製するには、ピリジン中の化合物(IX)の溶液にR4C(O)Clを加える。その際、化合物(IX)と化合物R4C(O)Clのモル比を1:1〜1:1.5、好ましくは1:1.2とする。R4C(O)Clが好ましい反応物であるが、R4C(O)Brも同様の比で用いることができる。好適な溶媒はピリジンであるが、当業者には理解されるように、Et3N、ピリジン、N,N-ジエチル-2-プロパンアミンのような適当な塩基を含む、CH2Cl2、CHCl3、CH2ClCH2Clなどの他の溶媒を使用してもよい。この反応混合物を室温で2時間撹拌する。当業者には明らかなように、さまざまな反応温度0〜60℃および反応時間1〜12時間を用いることができる。真空濃縮して、例えば質量指定LC/MSで、精製すると、化合物(X)が得られる。
化合物(XI)を調製するには、R-NCOをピリジン中の化合物(IX)の溶液に添加する。その際、化合物(IX)と化合物R-NCOのモル比を1:1〜1:1.5、好ましくは1:1.2とする。好適な溶媒はピリジンであるが、当業者には明らかなように、CH2Cl2、CHCl3、CH2ClCH2Clなどの他の溶媒を使用することもできる。この反応混合物を室温で2時間撹拌する。当業者には明らかなように、さまざまな反応温度0〜60℃および反応時間1〜12時間を用いることができる。真空濃縮して、例えば質量指定LC/MSで、精製すると、化合物(XI)が得られる。
Figure 2009514899
[式中、R3、R4、およびnは、式(I)に関して先に定義したとおりであり、R5は、独立して、水素またはC1〜C6アルキルであるか、あるいは2個のR5基は、ホウ素および酸素原子と一緒になって、5員または6員環を形成し、該環は1〜4個のアルキル基で置換されていてもよい]。
化合物(XIII)を調製するには、化合物(IV)と化合物(XII)(市販されているか、または市販の化合物から当業者が容易に製造できる)を一般には1:1.2のモル比(1:1〜1:3の範囲で変更可能)で、DMEおよび2M Na2CO3水溶液(典型的には4:1の体積比で用いる)に溶解する。2M Na2CO3は化合物(XII)に対して2〜10当量を使用できる。Na2CO3の代わりに、K2CO3、K3PO4、Cs2CO3、CsF、Ba(OH)2、NaOH、NaHCO3のような他の塩基を使用してもよい。DMEの代わりに、またはそれに加えて、DMF、ジオキサン、THF、トルエン、キシレン、MeOH、エタノール、H2O、MeCN、NMPまたはこれらの2種以上の混合溶媒など、他の溶媒系を使用してもよい。触媒としてはPd(PPh3)4が好ましい。しかし、理解されるように、PPh3、PCy3、(t-Bu)2POH、(t-Bu)3Pのような好適なリガンドを伴う、Pd(OAc)2、Pd2(dba)3、[PdCl(アリル)]2などの他の触媒も使用することができる。さらに、Pd/Cのようなホスフィンを含まないパラジウム、およびポリマー結合型のパラジウムを用いてもよい。当業者には明らかなように、異なる触媒を使用すると、反応時間、温度、および/または使用する溶媒が変わってくる。この反応は120℃のマイクロ波加熱を用いて90分間行うことが好ましい。油浴やホットプレートのような他の加熱手段を利用してもよい。また、他の温度60〜180℃および他の反応時間5分〜24時間を採用してもよく、一般的な理解としては、反応温度が高くなれば、反応時間は短くなるだろう。濾液は、例えばSCXカートリッジによりキャプチャー&リリースを行って精製することができる。真空濃縮すると、化合物(XIII)が得られる。
化合物(XIV)を調製するには、MeOH:CH2Cl2の1:1混合溶媒に化合物(XIII)を溶解した溶液を6N HCl水溶液に加える。その際、MeOH:CH2Cl2と6N HClの体積比を10:1とする。当業者には明らかなように、エタノール、ジオキサン、H2O、CHCl3、CH2ClCH2Clなどの他の溶媒系、また10:1〜1:10の他の体積比を用いてもよい。この反応混合物を80℃で2時間加熱する。当業者には理解されるように、反応温度および時間はさまざまな温度および時間とすることができ、例えば室温〜120℃、1〜12時間でありうる。反応混合物をNa2CO3水溶液で希釈し、CH2Cl2で抽出する。他の溶離溶媒として例えばNaHCO3、K2CO3、NaOH、KHCO3を、また他の抽出溶媒として例えばCHCl3、CH2ClCH2Cl、EtOAcを用いてもよい。濾液は、例えばSCXカートリッジによりキャプチャー&リリースを行って、精製し、真空濃縮する。
化合物(XV)を調製するには、R4-NCOをピリジン中の化合物(XIV)の溶液に添加する。その際、化合物(XIV)と化合物R4-NCOのモル比を1:1〜1:1.5、好ましくは1:1.2とする。好適な溶媒はピリジンであるが、当業者には明らかなように、Et3N、ピリジン、N,N-ジエチル-2-プロパンアミンのような適当な塩基を含む、CH2Cl2、CHCl3、CH2ClCH2Clなどの他の溶媒を使用することもできる。この反応混合物を室温で2時間撹拌する。当業者には明らかなように、さまざまな反応温度0〜60℃および反応時間1〜12時間を用いることができる。真空濃縮して、例えば質量指定LC/MSで、精製すると、化合物(XV)が得られる。
本明細書の開示および実施例に基づいて、当業者であれば、式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物を、異なる式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物に容易に変換することができる。
以下の実施例は単なる例示であって、いかなる場合も本発明の範囲を制限するものではない。本発明は添付の特許請求の範囲により特定される。
本明細書においては、これらの方法、スキームおよび実施例で用いる記号および略号は、現代の科学文献、例えばJournal of the American Chemical SocietyまたはJournal of Biological Chemistryで用いられるものに一致する。アミノ酸残基を表すために、標準的な一文字または三文字表記が一般に用いられるが、アミノ酸は、特に指定しない限り、L体であるものとする。特に断らない限り、出発物質はすべて市販品の供給元から入手し、それ以上精製せずに使用した。特に、実施例および本明細書全体を通して以下の略号が用いられる:
g (グラム); mg (ミリグラム);
L (リットル); mL (ミリリットル);
μL (マイクロリットル); psi (ポンド/平方インチ);
M (モル); mM (ミリモル);
i.v.(静脈内); Hz (ヘルツ);
MHz (メガヘルツ); mol (モル);
mmol (ミリモル); rt (室温);
min (分); h (時間);
mp (融点); TLC (薄層クロマトグラフィー);
Tr (保持時間); RP (逆相);
MeOH (メタノール); i-PrOH (イソプロパノール);
TEA (トリエチルアミン); TFA (トリフルオロ酢酸);
TFAA (無水トリフルオロ酢酸); THF (テトラヒドロフラン);
DMSO (ジメチルスルホキシド); AcOEt (EtOAc);
DME (1,2-ジメトキシエタン); DCM (CH2Cl2);
DCE (ジクロロエタン); DMF (N,N-ジメチルホルムアミド);
DMPU (N,N'-ジメチルプロピレン尿素);
CDI (1,1-カルボニルジイミダゾール);
IBCF (クロロギ酸イソブチル); HOAc (酢酸);
HOSu (N-ヒドロキシスクシンイミド);
HOBT (1-ヒドロキシベンゾトリアゾール);
mCPBA (メタ-クロロ過安息香酸);
BOC (tert-ブチルオキシカルボニル); FMOC (9-フルオレニルメトキシカルボニル);
DCC (ジシクロヘキシルカルボジイミド); CBZ (ベンジルオキシカルボニル);
Ac (アセチル); atm (気圧);
TMSE (2-(トリメチルシリル)エチル); TMS (トリメチルシリル);
TIPS (トリイソプロピルシリル); TBS (t-ブチルジメチルシリル);
DMAP (4-ジメチルアミノピリジン); BSA (ウシ血清アルブミン);
ATP (アデノシン三リン酸); HRP (ホースラディッシュペルオキシダーゼ);
DMEM (ダルベッコ改変イーグル培地);
HPLC (高圧液体クロマトグラフィー);
BOP (ビス(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)ホスフィン酸塩化物);
TBAF (フッ化テトラ-n-ブチルアンモニウム);
HBTU (O-ベンゾトリアゾール-1-イル-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート);
HEPES (4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸);
DPPA (ジフェニルホスホリルアジド);
fHNO3 (発煙HNO3);
EDC (エチルカルボジイミド塩酸塩); および
EDTA (エチレンジアミン四酢酸)。
エーテルについて言うときはすべてジエチルエーテルをさし、塩水は飽和NaCl水溶液をさす。特に示さない限り、全ての温度は℃(摂氏)で表される。特に指定しない限り、全ての反応は不活性雰囲気のもとで室温にて行われる。
1H NMRスペクトルはVarian VXR-300、Varian Unity-300、Varian Unity-400装置、Brucker AVANCE-400、またはGeneral Electric QE-300で記録した。化学シフトは百万分率 (ppm、δ単位)で表される。結合定数はヘルツ(Hz)の単位である。分裂パターンは見かけの多重度を記載し、s (一重線)、d (二重線)、t (三重線)、q (四重線)、quint (五重線)、m (多重線)、br (幅広)として表される。
低解像度質量スペクトル(MS)は、Waters社製のmicromass ZQ2000; 2695 Alliance; 2996フォトダイオードアレイ検出器で記録した。分取LC/MS精製では次の条件を使用する:
Waters FractionLynx LC/MS条件
・ オートサンプラー/フラクションコレクター: 2767インジェクトコレクター
・ 廃棄物コレクター: watersフラクションコレクター2
・ HPLC: 2525ポンプ
・ 検出器: 2996フォトダイオードアレイ検出器
・ MS: ZQ2000
・ メークアップポンプ: watersリージェントマネージャー
精製プロトコル
・ ローディング: 5〜100mg
・ 4勾配法、サイクル時間: 15分
・ 流速: 40mL/分
・ カラム: XTerraTMMSC18、30 X 150mm (10μmm)
・ 注入量: 1800μL
・ 温度: 室温
塩基性条件の移動相
A- (純H2O 3L + 28% アンモニア溶液 11mL)
B- 100% アセトニトリル
酸性条件の移動相
A- (純H2O 3L + 100% ギ酸 3mL)
B- (アセトニトリル 3L + 100% ギ酸 3mL)
メークアップ溶媒
20% H2O + 80% メタノール + 10mM 酢酸アンモニウム
勾配: 6勾配精製法 (溶媒Bの比率)
Figure 2009514899
質量スペクトルはすべて、エレクトロスプレーイオン化(ESI)、化学イオン化(CI)、および電子衝突(electron impact: EI)のもとで、または高速原子衝撃(FAB)法により測定した。反応はすべて、0.25mm E. Merckシリカゲルプレート(60F-254)での薄層クロマトグラフィーにより追跡し、紫外線、5%エタノール性ホスホモリブデン酸またはp-アニスアルデヒド溶液、あるいは質量分析装置(エレクトロスプレーまたはAP)を用いて可視化した。フラッシュカラムクロマトグラフィーはシリカゲル(230〜400メッシュ、Merck社)で行うか、自動シリカゲルクロマトグラフィー(Yamazen社製の中圧分取液体クロマトグラフィー、サンプルコレクションを開始させるUV検出)を用いて行った。
マイクロ波照射はPersonal Chemistry SmithsynthesizerまたはCreatorで行った。
SCX精製:Varian Mega Bond Elut SCX;一般方法:SCXカートリッジをMeOHで洗い、粗混合物をMeOH、DCMなどの適当な溶媒に溶かし、カートリッジにローディングした。その後カートリッジをメタノールおよびジクロロメタンで順次洗浄した。生成物はメタノール(いくつかのケースでは、DCMと混合した)中の2Mアンモニア溶液を用いて溶出し、続いて真空濃縮することにより単離した。
一般中間体:3-ブロモ-7-(3-ピリジニル)チエノ[3,2-c]ピリジン-4-アミン
Figure 2009514899
3-ブロモ-7-ヨードチエノ[3,2-c]ピリジン-4-アミン(0.71g, 2mmol)(WO 2004100947に記載の方法により調製)および3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン(0.36g, 2.2mmol、市販品)をDMF (10mL)とNa2CO3水溶液(2M, 2mL)に溶解した。得られた溶液とPd(PPh3)4 (10mol%)をMicrowaveバイアル(10〜20mL)に加えた。キャップをした後、混合物をCreatorで120℃、15分加熱した。この混合物を濾過し、DMFで洗った。濾液をSCXカートリッジによりキャプチャー&リリースを行って精製した。クルードをMeOHおよび少量のCH2Cl2から再結晶して生成物(0.42g, 69%)を固体として得た。
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) ppm 8.81 (dd, J = 0.8, 2.3 Hz, 1H), 8.61 (dd, J =1.8, 4.8 Hz, 1H), 8.04 (ddd, J = 0.8, 2.3, 7.8 Hz, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.52-7.56 (m, 1H), 6.75 (s, 2H). MS (ESI) m/z = 306, 308 [M+H]+。
実施例1: N-[3-(4-アミノ-7-ピリジン-3-イルチエノ[3,2-c]ピリジン-3-イル)フェニル]-N'-[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]尿素
Figure 2009514899
3-ブロモ-7-(3-ピリジニル)チエノ[3,2-c]ピリジン-4-アミン(30.6mg, 0.1mmol)およびN-[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-N'-[3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]尿素(55mg, 0.13mmol)をDME (1mL)とNa2CO3水溶液(2M, 0.25mL)に溶解した。得られた溶液とPd(PPh3)4 (10mol%)をMicrowaveバイアル(2〜5mL)に加えた。キャップをした後、混合物をCreatorで120℃、15分加熱した。この混合物を濾過し、MeOH/CH2Cl2で洗った。濾液をSCXカートリッジによりキャプチャー&リリースを行って精製した。真空濃縮して質量指定LC/MSで精製すると、表題化合物(6.8mg, 13%)が得られた。
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) ppm 9.57 (s, 1H), 9.14 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.89 (d, J =2.0 Hz, 1H), 8.63 (dd, J =1.5, 4.8 Hz, 1H), 8.58 (dd, J = 2.0, 7.1 Hz, 1H), 8.11 (dt, J = 2.0, 7.8 Hz, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.71 (t, J = 1.8 Hz,1H), 7.37-7.59 (m, 6H), 7.14 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 5.68 (s, 2H). MS (ESI) m/z = 524 [M+H]+。
実施例2: N-[3-(4-アミノ-7-ピリジン-3-イルチエノ[3,2-c]ピリジン-3-イル)フェニル]-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
Figure 2009514899
工程AおよびB: 3-(3-アミノフェニル)-7-(3-ピリジニル)チエノ[3,2-c]ピリジン-4-アミン
Figure 2009514899
3-ブロモ-7-(3-ピリジニル)チエノ[3,2-c]ピリジン-4-アミン(417mg, 1.36mmol)および1,1-ジメチルエチル[3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]カルバメート(522mg, 1.63mmol)をDME (10mL)とNa2CO3水溶液(2M, 2.5mL)に溶解した。得られた溶液とPd(PPh3)4 (10mol%)をMicrowaveバイアル(10〜20mL)に加えた。キャップをした後、混合物をCreatorで120℃、90分加熱した。この混合物を濾過し、MeOH/CH2Cl2で洗った。濾液をSCXカートリッジによりキャプチャー&リリースを行って精製した。真空濃縮して生成物を得たが、これは特性決定を行わずに次の工程で使用した。
MeOH:CH2Cl2の1:1混合溶媒(20mL)に上記の残留物を溶解した溶液に、HCl水溶液(6N, 2mL)を加えた。この反応混合物を80℃の油浴で2時間加熱した。反応混合物をNa2CO3水溶液で希釈し、CH2Cl2で抽出した。濾液をSCXカートリッジによりキャプチャー&リリースを行って精製した。真空濃縮して、工程Bで調製した化合物を得た(300mg, 70%)。
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) ppm 8.87 (dd, J = 0.8, 2.3 Hz, 1H), 8.61 (dd, J =1.8, 4.8 Hz, 1H), 8.09 (ddd, J = 0.8, 2.3, 7.8 Hz, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.53-7.57 (m, 1H), 7.47 (s, 1H), 7.17 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 6.54-6.69 (m, 3H), 5.77 (s, 2H), 5.38 (s, 2H). MS (ESI) m/z = 319 [M+H]+。
工程C: N-[3-(4-アミノ-7-ピリジン-3-イルチエノ[3,2-c]ピリジン-3-イル)フェニル]-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド (表題化合物)
ピリジン(1mL)に上記の残留物(15mg, 0.047mmol)を溶解した溶液に3-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライド(1.2当量, 0.0565mmol)を加えた。この反応混合物を室温で2時間撹拌した。真空濃縮して質量指定LC/MSで精製すると表題化合物が得られたが、収率は計算しなかった。
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) ppm 10.67 (s, 1H), 8.89 (dd, J = 0.8, 2.3 Hz, 1H), 8.62 (dd, J = 1.8, 4.8 Hz, 1H), 8.31 (s, 1H), 8.28 (d, J = 7.8 Hz,1H), 8.10-8.13 (m, 1H), 7.92-8.00 (m, 4H), 7.81 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.61 (s, 1H), 7.54-7.58 (m, 2H), 7.27 (dt, J = 1.2, 7.8 Hz, 1H), 5.68 (s, 2H). MS (ESI) m/z = 491 [M+H]+。
実施例3: N-[3-(4-アミノ-7-ピリジン-3-イルチエノ[3,2-c]ピリジン-3-イル)フェニル]-2-フェニルアセトアミド
Figure 2009514899
実施例2と同様の手順を用いたが、3-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライドの代わりにフェニルアセチルクロライドを使用して表題化合物を調製した。
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) ppm 10.39 (s, 1H), 8.87 (dd, J = 0.8, 2.3 Hz, 1H), 8.62 (dd, J =1.5, 4.8 Hz, 1H), 8.10 (ddd, J = 0.8, 1.8, 8.1 Hz, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.78 (t, J = 1.8 Hz,1H), 7.71 (ddd, J = 0.8, 2.0, 8.1 Hz, 1H), 7.53-7.57 (m, 2H), 7.48 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 7.15-7.36 (m, 6H), 5.63 (s, 2H), 3.67 (s, 2H). MS (ESI) m/z = 437 [M+H]+。
実施例4: N-[3-(4-アミノ-7-ピリジン-3-イルチエノ[3,2-c]ピリジン-3-イル)フェニル]-2-(2-チエニル)アセトアミド
Figure 2009514899
実施例2と同様の手順を用いたが、3-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライドの代わりに2-チエニルアセチルクロライドを使用して表題化合物を調製した。
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) ppm 10.43 (s, 1H), 8.88 (dd, J = 0.8, 2.2 Hz, 1H), 8.62 (dd, J =1.5, 4.8 Hz, 1H), 8.10 (ddd, J = 0.8, 2.2, 7.8 Hz, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.78 (t, J =1.8 Hz, 1H), 7.68-7.71 (m, 1H), 7.54-7.57 (m, 2H), 7.49 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 7.40 (dd, J = 1.5, 5.0 Hz, 1H), 7.18 (dt, J = 1.5, 7.8 Hz, 1H), 6.96-7.01 (m, 2H), 5.63 (s, 2H), 3.91 (s, 2H). MS (ESI) m/z = 443 [M+H]+。
実施例5: N-[3-(4-アミノ-7-ピリジン-3-イルチエノ[3,2-c]ピリジン-3-イル)フェニル]-2,5-ジフルオロベンズアミド
Figure 2009514899
実施例2と同様の手順を用いたが、3-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライドの代わりに2,5-ジフルオロベンゾイルクロライドを使用して表題化合物を調製した。
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) ppm 10.72 (s, 1H), 8.88 (dd, J = 0.8, 2.3 Hz, 1H), 8.62 (dd, J =1.5, 4.8 Hz, 1H), 8.11 (ddd, J = 0.8, 2.3, 7.8 Hz, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.90 (t, J =1.8 Hz, 1H), 7.81-7.84 (m, 1H), 7.43-7.60 (m, 6H), 7.26 (dt, J = 1.5, 8.1 Hz, 1H), 5.66 (s, 2H). MS (ESI) m/z = 459 [M+H]+。
実施例6: N-[3-(4-アミノ-7-ピリジン-3-イルチエノ[3,2-c]ピリジン-3-イル)フェニル]ベンズアミド
Figure 2009514899
実施例2と同様の手順を用いたが、3-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライドの代わりにベンゾイルクロライドを使用して表題化合物を調製した。
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) ppm 10.46 (s, 1H), 8.89 (dd, J = 0.8, 2.3 Hz, 1H), 8.62 (dd, J =1.5, 4.8 Hz, 1H), 8.11 (ddd, J = 0.8, 2.3, 8.1 Hz, 1H), 7.91-7.99 (m, 5H), 7.52-7.63 (m, 6H), 7.23 (dt, J = 1.5, 8.1 Hz, 1H), 5.68 (s, 2H). MS (ESI) m/z = 423 [M+H]+。
実施例7: N-{3-[4-アミノ-7-(3-ピリジニル)チエノ[3,2-c]ピリジン-3-イル]フェニル}シクロヘキサンカルボキサミド
Figure 2009514899
実施例2と同様の手順を用いたが、3-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライドの代わりにシクロヘキサンカルボニルクロライドを使用して表題化合物を調製した。
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) ppm 10.02 (s, 1H), 8.88 (dd, J = 0.8, 2.3 Hz, 1H), 8.62 (dd, J =1.8, 4.8 Hz, 1H), 8.11 (ddd, J = 0.8, 2.3, 7.8 Hz, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.80 (t, J = 1.8 Hz, 1H), 7.68-7.72 (m, 1H), 7.54-7.58 (m, 2H), 7.46 (t= 8.1 Hz, 1H), 7.13 (dt, J = 1.5, 7.8 Hz, 1H), 5.64 (s, 2H), 2.31-2.38 (m, 1H), 1.16-1.83 (m, 10H). MS (ESI) m/z = 429 [M+H]+。
実施例8: N-[3-(4-アミノ-7-ピリジン-3-イルチエノ[3,2-c]ピリジン-3-イル)フェニル]-N'-(3-メトキシフェニル)尿素
Figure 2009514899
実施例2と同様の手順を用いたが、3-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライドの代わりに1-イソシアナト-3-(メチルオキシ)ベンゼンを使用して表題化合物を調製した。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) ppm 8.90 (s, 1H), 8.88 (dd, J = 0.8, 2.5 Hz, 1H), 8.78 (s, 1H), 8.62 (dd, J = 1.5, 4.8 Hz, 1H), 8.11 (ddd, J = 0.8, 1.5, 7.8 Hz, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.67 (t, J = 1.8 Hz,1H), 7.43-7.58 (m, 4H), 7.20 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 7.17 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 7.09 (dt, J = 1.5, 7.6 Hz, 1H), 6.93 (ddd, J = 0.8, 1.8, 8.1 Hz, 1H), 6.56 (ddd, J = 0.8, 2.5, 8.1 Hz, 1H), 5.68 (s, 2H), 3.72 (s, 3H). MS (ESI) m/z = 468 [M+H]+。
実施例9: N-[3-(4-アミノ-7-ピリジン-3-イルチエノ[3,2-c]ピリジン-3-イル)フェニル]-N'-フェニル尿素
Figure 2009514899
実施例2と同様の手順を用いたが、3-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライドの代わりにイソシアナトベンゼンを使用して表題化合物を調製した。
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) ppm 8.92 (s, 1H), 8.88 (dd, J = 0.8, 2.3 Hz, 1H), 8.77 (s, 1H), 8.62 (dd, J = 1.8, 4.8 Hz, 1H), 8.11 (ddd, J = 0.8, 1.8, 7.8 Hz, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.66 (t, J = 1.8 Hz,1H), 7.52-7.58 (m, 3H), 7.43-7.48 (m, 3H), 7.25-7.30 (m, 2H), 7.09 (dt, J = 1.5, 7.6 Hz, 1H), 6.97 (tt, J = 1.2, 7.6 Hz, 1H), 5.69 (s, 2H). MS (ESI) m/z = 438 [M+H]+。
実施例10: N-[3-(4-アミノ-7-ピリジン-3-イルチエノ[3,2-c]ピリジン-3-イル)フェニル]-N'-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]尿素
Figure 2009514899
実施例2と同様の手順を用いたが、3-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライドの代わりに1-クロロ-4-イソシアナト-2-(トリフルオロメチル)ベンゼンを使用して表題化合物を調製した。
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) ppm 9.28 (s, 1H), 9.11 (s, 1H), 8.88 (dd, J = 0.8, 2.3 Hz, 1H), 8.62 (dd, J = 1.5, 4.8 Hz, 1H), 8.09-8.12 (m, 2H), 7.98 (s, 1H), 7.54-7.68 (m, 6H), 7.47 (t, J = 7.6 Hz,1H), 7.13 (dt, J = 1.5, 7.6 Hz, 1H), 5.68 (s, 2H). MS (ESI) m/z = 540 [M+H]+。
実施例11: N-[3-(4-アミノ-7-ピリジン-3-イルチエノ[3,2-c]ピリジン-3-イル)フェニル]-N'-(2,6-ジフルオロフェニル)尿素
Figure 2009514899
実施例2と同様の手順を用いたが、3-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライドの代わりに1,3-ジフルオロ-2-イソシアナトベンゼンを使用して表題化合物を調製した。
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) ppm 9.21 (s, 1H), 8.87 (dd, J = 0.8, 2.3 Hz, 1H), 8.62 (dd, J =1.8, 4.8 Hz, 1H), 8.24 (s, 1H), 8.10 (ddd, J = 1.8, 2.3, 7.8 Hz, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.53-7.63 (m, 4H), 7.45 (t, J = 7.8 Hz,1H), 7.27-7.35 (m, 1H), 7.07-7.17 (m, 3H), 5.67 (s, 2H). MS (ESI) m/z = 474 [M+H]+。
実施例12: N-[3-(4-アミノ-7-ピリジン-3-イルチエノ[3,2-c]ピリジン-3-イル)フェニル]-N'-ベンジル尿素
Figure 2009514899
実施例2と同様の手順を用いたが、3-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライドの代わりに(イソシアナトメチル)ベンゼンを使用して表題化合物を調製した。
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) ppm 8.87 (dd, J = 0.8, 2.3 Hz, 1H), 8.82 (s, 1H), 8.62 (dd, J =1.5, 4.8 Hz, 1H), 8.10 (ddd, J = 0.8, 2.5, 7.8 Hz, 1H), 7.96 (s, 1H), 7.61 (t, J = 1.8 Hz,1H), 7.47-7.57 (m, 3H), 7.40 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 7.22-7.38 (m, 5H), 7.01 (dt, J = 1.5, 7.8 Hz, 1H), 6.74 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 5.67 (s, 2H), 4.30 (d, J = 5.8 Hz, 2H). MS (ESI) m/z = 452 [M+H]+。
実施例13: N-[3-(4-アミノ-7-ピリジン-3-イルチエノ[3,2-c]ピリジン-3-イル)フェニル]-N'-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]尿素
Figure 2009514899
実施例2と同様の手順を用いたが、3-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライドの代わりに1-イソシアナト-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンを使用して表題化合物を調製した。
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) ppm 9.22 (s, 1H), 9.06 (s, 1H), 8.88 (dd, J = 0.8, 2.2 Hz, 1H), 8.62 (dd, J =1.8, 4.8 Hz, 1H), 8.11 (ddd, J = 0.8, 2.5, 8.1 Hz, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.54-7.69 (m, 8H), 7.48 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 7.13 (dt, J = 1.5, 7.6 Hz, 1H), 5.69 (s, 2H). MS (ESI) m/z = 506 [M+H]+。
実施例14: N-[3-(4-アミノ-7-ピリジン-3-イルチエノ[3,2-c]ピリジン-3-イル)フェニル]-N'-シクロヘキシル尿素
Figure 2009514899
実施例2と同様の手順を用いたが、3-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライドの代わりにイソシアナトシクロヘキサンを使用して表題化合物を調製した。
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) ppm 8.87 (dd, J = 0.8, 2.5 Hz, 1H), 8.62 (dd, J =1.5, 4.8 Hz, 1H), 8.53 (s, 1H), 8.10 (ddd, J = 0.8, 2.5, 7.8 Hz, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.53-7.57 (m, 3H), 7.36-7.46 (m, 2H), 6.99 (dt, J = 1.5, 7.3 Hz, 1H), 6.16 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 5.67 (s, 2H), 3.42-3.48 (m, 1H), 1.12-1.81 (m, 10H). MS (ESI) m/z = 444 [M+H]+。
実施例15: N-{3-[4-アミノ-7-(3-ピリジニル)チエノ[3,2-c]ピリジン-3-イル]フェニル}-N'-(3,5-ジメチル-4-イソキサゾリル)尿素
Figure 2009514899
実施例2と同様の手順を用いたが、3-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライドの代わりに4-イソシアナト-3,5-ジメチルイソキサゾールを使用して表題化合物を調製した。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) ppm 9.08 (s, 1H), 8.88 (dd, J = 0.8, 2.2 Hz, 1H), 8.62 (dd, J =1.8, 4.8 Hz, 1H), 8.10 (ddd, J = 0.8, 2.2, 7.8 Hz, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.84 (s, 1H), 7.53-7.64 (m, 4H), 7.44 (t, J = 8.1 Hz, 1H), 7.07 (dt, J = 1.5, 7.8 Hz, 1H), 5.67 (s, 2H), 2.29 (s, 3H), 2.12 (s, 3H). MS (ESI) m/z = 457 [M+H]+
実施例16: N-{3-[4-アミノ-7-(3-ピリジニル)チエノ[3,2-c]ピリジン-3-イル]フェニル}-N'-{4-[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}尿素
Figure 2009514899
実施例2と同様の手順を用いたが、3-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライドの代わりに1-イソシアナト-4-[(フェニルメチル)オキシ]ベンゼンを使用して表題化合物を調製した。
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) ppm 8.88 (dd, J = 0.8, 2.5 Hz, 1H), 8.84 (s, 1H), 8.62 (dd, J =1.5, 4.8 Hz, 1H), 8.58 (s, 1H), 8.11 (ddd, J = 0.8, 2.3, 7.8 Hz, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.64 t, J = 1.8 Hz, 1H), 7.30-7.58 (m, 11H), 7.07 (dt, J = 1.5, 7.6 Hz, 1H), 6.93-6.96 (m, 2H), 5.69 (s, 2H), 5.06 (s, 2H). MS (ESI) m/z = 544 [M+H]+。
実施例17: 5-(4-アミノ-7-ピリジン-3-イルチエノ[3,2-c]ピリジン-3-イル)-N-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]インドリン-1-カルボキサミド
Figure 2009514899
実施例2と同様の手順を用いたが、1,1-ジメチルエチル 3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル]カルバメートの代わりに1,1-ジメチルエチル 5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-1-カルボキシレートを使用し、また、3-(トリフルオロメチル)ベンゾイルクロライドの代わりに1-イソシアナト-3-(トリフルオロメチル)ベンゼンを使用して表題化合物を調製した。
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) ppm 8.95 (s, 1H), 8.88 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.62 (dd, J =1.5, 4.5 Hz, 1H), 7.90-8.17 (m, 5H), 7.25-7.57 (m, 6H), 5.68 (s, 2H), 4.25 (t, J = 8.3 Hz, 2H), 3.29 (t, J = 8.3 Hz, 2H). MS (ESI) m/z = 532 [M+H]+。
生物学的実施例
A.酵素アッセイ:
本発明の化合物を、蛍光異方性(fluorescence anisotropy)結合アッセイでB-Rafに対して試験した。一般的には、酵素、蛍光リガンド、および試験化合物を次の条件下で平衡化させた。つまり、試験化合物の存在下(>10x Ki)または非存在下で、該リガンドの酵素への結合を反映して、異方性の有意な差異が観察されるような条件である。このアッセイ条件は、酵素濃度が1x Kfとなり、リガンド濃度が酵素濃度より低くなるように設定した。
試験化合物をDMSOで連続希釈し、0.1μLを低容量の384ウェルプレート(黒)に加えた。次の最終アッセイ組成を有する酵素/リガンド混合物10μLを添加することによりアッセイを開始させた: 50mM HEPES (pH7.3)、10mM MgCl2、1mM CHAPS、1mM DTT、1nM 蛍光リガンド、2nM コンピテントB-Raf (コンピテンシー(応答能)は蛍光リガンドと結合できる酵素の関数として測定した)、および0.169nM〜10μM 試験化合物。2時間のインキュベーション後、蛍光異方性をLJL Acquestで励起485nMおよび発光530nMにて読み取った。バキュロウイルスで発現させた組換え体Hisタグ付きB-Raf (残基462-770)をこれらの実験に使用した。
用量応答のデータは、次式を用いて正規化した後に化合物濃度に対する阻害%としてプロットした: 100*((U-C1)/(C2-C1))、ここで、Uは未知の値であり、C1は1% DMSOについて得られた平均対照値であり、C2は既知の阻害剤についての平均対照値である。曲線のあてはめ(Curve fitting)は次の方程式を用いて行った: y = A+((B-A)/(1+(10X/10C)D))、ここで、Aはy最小値であり、Bはy最大値であり、Cはlog(XC50)であり、DはHill slope(傾き)である。各化合物の結果をpIC50値(上記方程式における-C)として記録した。
定義: Ki=阻害剤結合の解離定数
Kf=蛍光リガンド結合の解離定数
蛍光リガンドは下記の化合物である:
Figure 2009514899
記載した酵素アッセイで実施例1〜17の化合物を試験したところ、各試験化合物は5.0を超えるpIC50を示した。
B.細胞アッセイ: 過剰発現させたB-Raf (V581E)によるMEK1リン酸化
ヒトB-Raf cDNAとヒトMEK1 cDNAをPCRによりクローニングし、発現ベクターpGene/V5-His (Invitrogen社)に挿入した。PCR突然変異誘発処理により各遺伝子の点突然変異を誘発させた。基質MEK1 (キナーゼ不活性突然変異体、D208A)およびB-Raf (V581E)を両方ともGeneSwitch3T3細胞においてGeneSwitchシステム(Invitrogen社)により過剰発現させた。GeneSwitch3T3細胞を、加湿した10%CO2、90%空気のインキュベーター内の10%ウシ胎児血清(FBS)、100,000単位/Lのペニシリン、100,000単位/Lのストレプトマイシン、および50μg/mlのハイグロマイシンを含む低グルコースDMEM培地 (Sigma D6046)中で37℃にて培養した。トリプシン/EDTAを用いて細胞を回収し、血球算定器を用いて細胞数を計測し、96ウェル組織培養プレート(Becton Dickinson 354407)に20,000細胞/ウェルでまいた。6時間後、B-Raf (V581E)とFLAGタグ付きMEK1の両方をfugene 6 (Roche Diagnostics 1 814 443)により細胞にトランスフェクトした。細胞を37℃、10%CO2で18〜20時間インキュベートした。翌日、遺伝子発現の誘発剤であるミフェプリストン(mifepristone (Invitrogene社))を最終濃度10nMで用いて細胞を4時間刺激した。化合物はDMSO中の10mM原液から、必要とされる最終濃度にDMEMで希釈した。100μL/ウェルのこれらの希釈物を、培地を取り除いた後の各細胞プレートに添加した。対照ウェルには0.1%DMSOを含む培地を添加した。2時間後、培地を吸引除去した。細胞を氷冷溶解バッファー(137mM NaCl、2mM EDTA、10%グリセロール、1%トリトンX-100、1mM NaF、1mM Na3VO4、およびプロテアーゼ阻害剤を含有する20mM Tris-HCl (pH8.0))により溶解した。細胞溶解物を、PBS(-)中の5μg/mlの抗FLAG抗体M2 (Sigma F3165)でコーティングしかつPBST (0.05%tween 20を含むPBS(-))中の5%BSAで2時間ブロックした96ウェルのイムノアッセイ黒色プレート(Corning 3694)に移した。一晩インキュベーションした後、プレートをPBSTで5回洗浄し、PBST中の5%BSAで1:2000に希釈した抗phospho-MEK1/2 (Ser217/221) (Cell Signaling Technology社)を添加した。室温で6時間インキュベーションした後、プレートをPBSTで5回洗浄し、PBST中の5%スキムミルクで1:2000に希釈したHRPコンジュゲート抗ウサギIgG (Cell Signaling Technology社)を加えた。1時間インキュベーションした後、プレートをPBSTで5回洗浄した。化学発光検出のため、バッファーを除去して、BM化学発光ELISA基質(Roche Diagnostics 1 582 950)をウェルに加えた。混合によって3分間インキュベーションした後、1420 Multilabel Counter (Wallac社)を用いて化学発光シグナルを測定した。
記載した細胞アッセイで実施例1〜3、5、および8〜14の化合物を試験したところ、各試験化合物は5.0を超えるpIC50を示した。

Claims (29)

  1. 式(I):
    Figure 2009514899
    [式中、
    R1は、-N(H)-C(O)R4もしくは-N(H)-C(O)-N(H)R4であり、かつR2はHであるか;または
    R1とR2は、それらが結合しているフェニル環と一緒になって、次式の基(i):
    Figure 2009514899
    を形成し;
    R3は、それぞれ独立して、ハロ、アルキル、およびハロアルキルからなる群より選択され;
    R4は、シクロヘキシル; ベンジル; 無置換、モノ置換、もしくはジ置換のフェニル(ここで、置換基は、独立して、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、およびベンジルオキシからなる群より選択される); メチレン-チエニル; およびジメチル-4-イソキサゾリルからなる群より選択され;
    nは、0、1、または2である]
    で表される化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
  2. R1が-N(H)-C(O)R4である、請求項1に記載の化合物。
  3. R1が-N(H)-C(O)-N(H)R4である、請求項1に記載の化合物。
  4. R1とR2が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、基(i)を形成している、請求項1に記載の化合物。
  5. nが0である、請求項1に記載の化合物。
  6. R4が無置換フェニルである、請求項1に記載の化合物。
  7. R4がモノ置換フェニルである、請求項1に記載の化合物。
  8. R4がモノ置換フェニルであり、該置換基がハロ、ハロアルキル、アルコキシ、およびベンジルオキシからなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
  9. R4がジ置換フェニルであり、該置換基がハロおよびハロアルキルである、請求項1に記載の化合物。
  10. R4がジ置換フェニルであり、該置換基が両方ともハロである、請求項1に記載の化合物。
  11. R4がベンジルである、請求項1に記載の化合物。
  12. R4がシクロヘキシルである、請求項1に記載の化合物。
  13. N-[3-(4-アミノ-7-ピリジン-3-イルチエノ[3,2-c]ピリジン-3-イル)フェニル]-N'-[2-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]尿素;
    N-[3-(4-アミノ-7-ピリジン-3-イルチエノ[3,2-c]ピリジン-3-イル)フェニル]-3-(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
    N-[3-(4-アミノ-7-ピリジン-3-イルチエノ[3,2-c]ピリジン-3-イル)フェニル]-2-フェニルアセトアミド;
    N-[3-(4-アミノ-7-ピリジン-3-イルチエノ[3,2-c]ピリジン-3-イル)フェニル]-2-(2-チエニル)アセトアミド;
    N-[3-(4-アミノ-7-ピリジン-3-イルチエノ[3,2-c]ピリジン-3-イル)フェニル]-2,5-ジフルオロベンズアミド;
    N-[3-(4-アミノ-7-ピリジン-3-イルチエノ[3,2-c]ピリジン-3-イル)フェニル]ベンズアミド;
    N-{3-[4-アミノ-7-(3-ピリジニル)チエノ[3,2-c]ピリジン-3-イル]フェニル}シクロヘキサンカルボキサミド;
    N-[3-(4-アミノ-7-ピリジン-3-イルチエノ[3,2-c]ピリジン-3-イル)フェニル]-N'-(3-メトキシフェニル)尿素;
    N-[3-(4-アミノ-7-ピリジン-3-イルチエノ[3,2-c]ピリジン-3-イル)フェニル]-N'-フェニル尿素;
    N-[3-(4-アミノ-7-ピリジン-3-イルチエノ[3,2-c]ピリジン-3-イル)フェニル]-N'-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]尿素;
    N-[3-(4-アミノ-7-ピリジン-3-イルチエノ[3,2-c]ピリジン-3-イル)フェニル]-N'-(2,6-ジフルオロフェニル)尿素;
    N-[3-(4-アミノ-7-ピリジン-3-イルチエノ[3,2-c]ピリジン-3-イル)フェニル]-N'-ベンジル尿素;
    N-[3-(4-アミノ-7-ピリジン-3-イルチエノ[3,2-c]ピリジン-3-イル)フェニル]-N'-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]尿素;
    N-[3-(4-アミノ-7-ピリジン-3-イルチエノ[3,2-c]ピリジン-3-イル)フェニル]-N'-シクロヘキシル尿素;
    N-{3-[4-アミノ-7-(3-ピリジニル)チエノ[3,2-c]ピリジン-3-イル]フェニル}-N'-(3,5-ジメチル-4-イソキサゾリル)尿素;
    N-{3-[4-アミノ-7-(3-ピリジニル)チエノ[3,2-c]ピリジン-3-イル]フェニル}-N'-{4-[(フェニルメチル)オキシ]フェニル}尿素; および
    5-(4-アミノ-7-ピリジン-3-イルチエノ[3,2-c]ピリジン-3-イル)-N-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]インドリン-1-カルボキサミド;
    ならびに、これらの製薬上許容される塩および溶媒和物から選択される化合物。
  14. 請求項1に記載の化合物を含有する医薬組成物。
  15. 製薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤をさらに含有する、請求項14に記載の医薬組成物。
  16. 哺乳動物におけるB-Rafキナーゼが媒介する症状を治療するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に請求項1に記載の化合物を投与することを含んでなる、上記方法。
  17. 哺乳動物における神経外傷状態を治療するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に請求項1に記載の化合物を投与することを含んでなる、上記方法。
  18. 哺乳動物における感受性の新生物を治療するための方法であって、それを必要とする哺乳動物に請求項1に記載の化合物を投与することを含んでなる、上記方法。
  19. 感受性の新生物が組織球性リンパ腫、メラノーマ、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、乳癌、大腸癌、および膵臓癌から選択される、請求項18に記載の方法。
  20. 請求項1に記載の化合物を製造するための方法であって、
    式(IV):
    Figure 2009514899
    の化合物を、
    式(V):
    Figure 2009514899
    式(VII):
    Figure 2009514899
    および
    式(XII):
    Figure 2009514899
    [式中、R3、R4、およびnは請求項1で定義したとおりであり、化合物(V)、(VII)および(XII)のそれぞれにおいて、R5は独立して水素もしくはC1〜C6アルキルであるか、または2個のR5基が、それらが結合しているホウ素および酸素原子と一緒になって5員もしくは6員環を形成し、該環は1〜4個のアルキル基で置換されていてもよい]
    から選択される化合物と反応させることを含んでなる、上記方法。
  21. 治療に使用するための、請求項1に記載の化合物。
  22. 哺乳動物におけるB-Rafキナーゼが介在する症状の治療に使用するための、請求項1に記載の化合物。
  23. 哺乳動物におけるB-Rafキナーゼが介在する神経外傷状態の治療に使用するための、請求項1に記載の化合物。
  24. 哺乳動物におけるB-Rafキナーゼに感受性の新生物の治療に使用するための、請求項1に記載の化合物。
  25. 哺乳動物におけるB-Rafキナーゼが介在する症状を治療するための医薬の製造における、請求項1に記載の化合物の使用。
  26. 哺乳動物における神経外傷状態を治療するための医薬の製造における、請求項1に記載の化合物の使用。
  27. 哺乳動物における感受性の新生物を治療するための医薬の製造における、請求項1に記載の化合物の使用。
  28. 哺乳動物における神経外傷状態を治療するための、請求項1に記載の化合物を含有する医薬組成物。
  29. 哺乳動物における感受性の新生物を治療するための、請求項1に記載の化合物を含有する医薬組成物。
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