JP2009513953A - 生物試料の酸化ストレスのバイオマーカを検出する方法 - Google Patents

生物試料の酸化ストレスのバイオマーカを検出する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
【解決手段】本発明は、バイオマーカ又はこの成分の存在又は欠乏に基づいて、生物試料の酸化ストレスを検出する方法、酸化損傷の累積記録を決定する方法、及び心疾患など老齢疾患の診断方法に関する。本発明は、また、生物試料の酸化ストレスを検出するキットに関するものであり、安定性反応物質及び抗体から構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、バイオマーカ又はその成分の存在又は欠乏に基づいて、生物試料の酸化ストレスを検出する方法、酸化損傷の累積記録を決定する方法、及び心疾患など老齢疾患の診断方法に関する。本発明は、また、生物試料の酸化ストレスを検出するキットに関するものであり、安定性反応物質及び抗体から構成されている。
過去30年以上にわたって、老化と心疾患(CVD)の病因における酸化ストレスの関連性を証明する多くの実験的証拠が蓄積されている〔1−3〕。「天然酸化防止剤」を用いた無作為化臨床試験は、明らかに気体を裏切るものであり(HOPE、HPS、GISSI−prevention)、いくつかの疑問点は、酸化ストレス仮説に関連している〔4−6〕。しかしながら、これらの研究の大多数は、酸化ストレス状態への抗酸化剤の関与の影響を評価していないが、もしくは、非常に批判されているチオバルビツール酸反応物方法(TBARS)〔7−9〕を使用している。これは、人体研究に利用可能な液体中の酸化ストレスバイオマーカを評価する方法を検証する際に直面する問題点によって、ある程度説明することができ、これは、しばしば、高価で複雑な質量分析技術を必要とする。近年では、インビボで酸化ストレス誘導脂質過酸化物の比較的良いマーカとして、イソプロスタンが明らかにされつつある〔7、9〕。しかしながら、単一のバイオマーカを測定することは、CVDの進行に寄与しうる事象に関連する、様々な酸化ストレスの総合的な状態を提供するものではない。
過去10年以上、かなり研究的関心がもたれている酸化ストレスに関連する分子の一つが、4−ヒドロキシ−2,3−ノネナール(HNE)である〔10〕。HNEは、最も多いクラスのn−6ポリ不飽和脂肪酸の過酸化によって作り出されるアルデヒド最終生成物である〔11〕。フリーラジカルと同様に、アルデヒドは、タンパク質、ヌクレイン酸及び脂質の求核残基と容易に反応する求電子剤であり、比較的長い半減期によって、これらは近隣細胞へ損傷を伝搬する対象となる。アルデヒドの中では、α、β二重結合によって、HNEなどの4−ヒドロキシ−2−アルケナールが最大反応種と考えられる〔11〕。
HNEステムに対する関心は、酸化ストレスを誘発する脂質過酸化物(LPO)のバイオマーカとしての使用可能性から生じているのみではなく、HNEが、CVDを特徴付ける細胞増殖、アポトーシス及び炎症に伴うシグナル経路を調節できることを示す証明が数多くなされているためでもある〔12、13〕。しかしながら、CVDにおける酸化ストレスに関する事象の活性バイオマーカとしてのHNEの役割については、多く知られている。HNEは、1,4−ジヒドロキシノネン(DHN)への還元、4−ヒドロキシノネン酸への酸化、又はグルタチオンとの結合のいずれかによって急速に細胞代謝してしまうので〔14〕、最近の研究は、遊離HNEよりも尿〔15〕又は血漿〔16〕中のジヒドロキシノネンメルカプツール酸などのHNE代謝物を測定する潜在的有用性を強調している。
また、HNEタンパク付加体も同定されている。免疫学的及びガスクロマトグラフィ質量分析(GCMS)方法によって評価される、これらの付加体の増加レベルは、心筋組織中の〔17−20〕、血中アルブミン〔21〕及び酸化リポタンパク質〔22〕中の酸化ストレス条件の下で、報告された。しかしながら、血中HNEタンパク付加体が、全身又は組織特異酸化ストレスの増加を反映できる可能性は、これまで研究されておらず、全血、血漿又は他の血液派生試料中のこれらの付加体の定量方法はこれまで述べられていない。
このように、酸化ストレスは心疾患を含む多くの老化変性疾患にかかわっており、特にヒトに関するこれらの疾患においては、脂質過酸化生成物である4−ヒドロキシ−2,3−ノネナール(HNE)及びそのタンパク質チオエーテル付加体などの、酸化ストレスに関連する事象のバイオマーカの同定がさらに必要である。上記事項を考慮すると、産業上、好適なバイオマーカを使用し、生物試料の酸化ストレスを検出及び定量する新しい方法を提供する必要がある。
第1の広い態様では、本発明は、酸化ストレスのバイオマーカを具える生物試料を使用して酸化ストレスを検出する方法に関する。この方法は、生物試料を取得するステップと、酸化ストレスのバイオマーカを化学的に安定させて酸化ストレスの安定化したバイオマーカを作り出すステップと;酸化ストレスのバイオマーカを安定させた後に、試料中の酸化ストレスの安定化したバイオマーカの存在を評価するステップとを具える。
利点として、この方法によれば、これらのプロセスの間、試料内のバイオマーカのレベルを確実にほぼ一定にしておいて、バイオマーカの存在を評価するときに、比較的複雑な、長いプロセスを行うことができる。
さらに、この方法は、標準の検査法を用いて、比較的簡単に行うことができる。
本発明のいくつかの実施例では、この方法は、キットを使用して行ってもよく、それゆえ、比較的効率的に、そして比較的少数の比較的簡単な実行ステップで簡単にこの方法を実行することができる。
この文献をさらに明確にするために、酸化ストレスのバイオマーカという用語は、例えば、限定することなく、老化と心疾患の発症及び進行に伴う酸化ストレス誘導LPO事象のバイオマーカを含めて酸化ストレスのバイオマーカそれ自体及び酸化ストレスに関する事象のバイオマーカを包含するものである。
本発明のいくつかの実施例では、酸化ストレスのバイオマーカは、アルデヒドタンパク付加体及びアルデヒド代謝産物タンパク付加体から選択される。例えば、代謝産物タンパク付加体は、代謝産物タンパク質チオエーテル付加体である。他の例では、この代謝産物は、特に、ヒスチジン又はリジンなどのいずれかの好適なアミノ酸又はその他の好適な物質に共有結合している。
本発明の特定の実施例では、このアルデヒドは、4−ヒドロキシ−2,3−ノネナール(HNE)、1,4−ジヒドロキシノネン(DHN)を含む。これらの2つの場合に、本発明のいくつかの実施例では、測定可能な成分は、DHN及び[H]DHNから選択することができる。他の実施例では、酸化ストレスのバイオマーカの測定可能な成分は、脂肪酸の過酸化によって生産される別の代謝産物、例えば非限定的に4−ヒドロキシノネナール、4−オキソノネナール、4−ヒドロキシヘキセナールと4−オキソヘキセナールである。
いくつかの実施例では、測定可能な成分の量は、質量分析に連結されたガスクロマトグラフィを使用して測定される。
本発明のいくつかの実施例では、試料中のバイオマーカを化学的に安定化するステップは、例えば、生物試料へNaB又はNaBHを加えることによってアルデヒドをアルコールに還元するステップを具える。この実施例の変形例では、アルデヒドをアルコールに還元するステップが、HNEをDHNに還元するステップ、および/または、HNEを重水素アルコール[H]DHNに還元するステップを具える。
本発明のいくつかの実施例では、生物試料は、HNE、HNEタンパク付加体、DHN、DHNタンパク付加体、HNEの代謝産物およびこれらの組み合わせから選択された分子を含んでいる。
本発明のいくつかの実施例では、測定可能な成分を分離するステップが、タンパク質結合を開裂するステップを具える。たとえば、このタンパク質結合を開裂するステップは、ラネーニッケル触媒反応を使用して、タンパク質チオエーテル結合を開裂するステップを具える。特定の例では、ラネーニッケル触媒反応は、約5乃至約20時間、約45℃乃至約60℃で行われる。
本発明のいくつかの実施例では、この生物試料は、全血、血液派生物及び、この組み合わせから選択され、血液派生物は、例えば、特に、血漿、アルブミン、酸化リポタンパク質から選択される。
第2の広い態様では、本発明は、酸化ストレスのバイオマーカを具える生物試料を取得するステップと;試料中のバイオマーカを化学的に安定させるステップと;前記試料を安定化したバイオマーカに結合する抗体に接触させるステップと;前記試料中の結合抗体の存在を検出するステップと;を具える生物試料を使用した酸化ストレスを検出する方法に関する。
第3の広い態様では、本発明は、第1時点で、哺乳動物から第1血液試料を取得するステップであって、当該血液試料がアルデヒド代謝産物タンパク付加体を具えるステップと;アルデヒド代謝産物の量に基づいて、第1血液試料中の酸化ストレスレベルを検出するステップと;第2時点で、哺乳動物から第2血液試料を取得するステップであって当該血液試料がアルデヒド代謝産物タンパク質チオエーテル付加体を具えるステップと;アルデヒド代謝産物の量に基づいて、第2血液試料中の酸化ストレスレベルを検出するステップと;第1及び第2血液試料中の測定されたアルデヒド代謝産物の量を使用して、前記哺乳動物の酸化損傷の累積記録を決定するステップとを具える、哺乳動物の酸化損傷の累積記録を経時的に決定する方法に関する。
第4の広い態様では、本発明は、HNEタンパク付加体とDHNタンパク付加体を具える生物試料を哺乳動物から取得するステップと;試料中のHNEタンパク付加体とDHNタンパク付加体の量を測定するステップと;HNEタンパク付加体とDHNタンパク付加体との間の所定の関係を決定するステップと;前記所定の関係に基づいて哺乳動物の心疾患のリスクを評価するステップとを具える、哺乳動物の心疾患のリスクを評価する方法に関する。
第5の広い態様では、本発明は、アルデヒド代謝産物タンパク付加体を具える生物試料を哺乳動物から取得するステップと;試料中のアルデヒド代謝産物付加体の量を測定するステップと;生物試料中のアルデヒド代謝産物タンパク質チオエーテル付加体の存在量が所定の閾値より大きい場合に、心疾患又はそのリスクを有する哺乳動物を診断するステップとを具える、哺乳動物、例えばヒトの心疾患又はそのリスクを診断する方法に関する。心疾患又はそのリスク因子は、例えば、高血圧、インスリン耐性、高血糖症、脂質異常症、拡張機能障害、心筋線維症、及び不整脈、心臓肥大及び頻拍から選択される。また、本明細書において、心疾患に関連する場合のリスクの用語は、心疾患が糖尿病、肥満、メタボリック・シンドロームなどの合併症である他の疾患又は状態を含む。
第6の広い態様では、本発明は、HNEタンパク質チオエーテル付加体とDHNタンパク質チオエーテル付加体を具える生物試料を哺乳動物から取得するステップと;HNEタンパク質チオエーテル付加体とDHNタンパク質チオエーテル付加体量の割合が、所定の割合より大きい場合に、心疾患又はそのリスクを有する哺乳動物を診断するステップとを具える、哺乳動物の心疾患又はそのリスクを診断する方法に関する。
本発明の他の実施例では、HNEタンパク質チオエーテル付加体の量とDHNタンパク質チオエーテル付加体量のその他の好適な関係、たとえば、これらの2つの量の合計などを用いて、心疾患又はそのリスクを診断する。
第7の広い態様では、本発明は、生物試料を使用して酸化ストレスに関する事象を検出するキットに関するものであり、ここで、生物試料は、全血及び血液派生物から選択され、アルデヒドを具え、このキットは、アルデヒドをアルコールに安定させるための安定反応剤と;この安定化したアルコールと特異的に結合する抗体とを具える。例えば、安定反応剤は、アルデヒドをアルコールに変換するのに好適である。
第8の広い態様では、本発明は、請求項28の方法に従って、ヒト対象の心疾患又はそのリスクを診断するステップと;心疾患の進行を遅らせる又は止めるために知られている所定の処置を施すステップとを具える、ヒト対象の心疾患の進行を遅らせる又は止める方法に関する。例えば、この所定の処置は、特に、治療的に有効量のプロブコールを投与するステップと、心疾患の進行を遅らせる又は止めるために有効な運動プログラムを推奨するステップと、心疾患の進行を遅らせる又は止めるために有効な治療食を与えるステップとを具える。
第9の広い態様では、本発明は、哺乳動物から血液試料を取得するステップであって、血液試料がアルデヒド代謝産物タンパク付加体を具えるステップと;前記血液試料中に存在するアルデヒド代謝産物の量に基づいて、血液試料を使用して酸化ストレスレベルを検出するステップと;血液試料中で測定されたアルデヒド代謝産物の量とアルデヒド代謝産物の所定の基準量を用いて、哺乳動物の酸化損傷の累積記録を決定するステップとを具える、哺乳動物の酸化損傷の累積記録を経時的に決定する方法に関する。
第10の広い態様では、本発明は、アルデヒド代謝産物タンパク付加体を具える生物試料を哺乳動物から取得するステップと;試料中のアルデヒド代謝産物タンパク付加体の量を測定するステップと;試料中のアルデヒド代謝産物タンパク付加体の測定量に基づいて、所定の処置に対する心疾患の進行の反応を評価するステップとを具える、ヒト対象の所定の処置に対する心疾患の進行の反応を評価する方法に関する。
例えば、所定の処置に対する心疾患の進行の反応を評価することは、提案された処置の起こりうる結果を評価すること又は所定の処置に応じて心疾患の進行を評価することを含む。
本発明の他の目的、利点及び特性は、図面を参照して、以下に非限定的に例示としてのみ記述されている好適な実施形態を読むことでさらに明らかになる。
以下の例は、上述した生物試料の酸化ストレスを検出する方法を説明するためのものであり、この方法は、例えば、脂肪酸の過酸化によって生産されるアルデヒドを使用して実行できることを示している。これらの実施例のいくつかの変形例では、酸化ストレスのバイオマーカを安定させることに、アルデヒドをアルコールに変換することが含まれている。
本発明のいくつかの実施例では、試料は、全血又は血液派生物を含む。ここでは「血液」という用語は、通常、全血及び血液派生物(例えば、血漿、アルブミンなど)を意味する。これらの試料は比較的簡単に得られ、本発明で使用する、酸化ストレスの好適なバイオマーカを含むことが分かっている。
提案されている方法に有用である酸化ストレスの好適なバイオマーカのいくつかの例には、:4−ヒドロキシ−2,3−ノネナール(HNE)、1,4−ジヒドロキシノネン(DHN)、4−ヒドロキシノネナール、4−オキソノネナール、4−ヒドロキシヘキセナールと4−オキソヘキセナールが含まれる。本発明のいくつかの実施例では、これらのバイオマーカは、アルデヒド代謝産物タンパク質チオエーテル付加体など、アルデヒド代謝産物タンパク付加体の形をしている。これらの実施例のいくつかの変形例では、この方法は、アルデヒド代謝産物タンパク質チオエーテル付加体からアルデヒド代謝産物を開裂(cliving)して、その後、生物試料からアルデヒド代謝産物タンパク質チオエーテル付加体を抽出するステップを具える。
本発明のいくつかの実施例では、例えばガスクロマトグラフィなどの好適な分析技術を用いて、試料中の酸化ストレスのバイオマーカの存在を評価するものであり、又、いくつかの実施例では、試料中に存在する酸化ストレスのバイオマーカの量を測定又は定量するものである。その他の実施例では、試料中の酸化ストレスのバイオマーカの存在を評価するステップに、抗体と酸化ストレスの安定化したバイオマーカが結合できる条件下で、試料を、酸化ストレスの安定化したバイオマーカに結合する抗体と接触させるステップ、及び試料中の抗体結合の存在を検出するステップが含まれる。
本発明は、また、ここに記載した方法に従って、心疾患又はそのリスクを診断することによって、哺乳動物(たとえば、ヒト)の心疾患の進行を遅らせる又は止める、及び心疾患の進行を遅らせる又は止めるために知られている所定の治療を施す方法に関連する。このような所定の治療の好適な例には、治療上有効量のプロブコールを投与するステップ、心疾患の進行を遅らせる又は止めるのに有効な運動プログラムを推奨するステップ、及び心疾患の進行を遅らせる又は止めるために治療食を与えて、治療上有効量のプロブコールを投与するステップとが含まれる。
動物モデル例
次に、動物モデルを使用して行った以下の例によって本発明を説明する。これらの例示した実験例及び明細書中の他のどの例も説明のためにのみ使用されており、本発明のもしくは形の範囲や意味を限定するものではない。さらに、本発明は、ここに記載された特に好適な実施例に限定されるものではない。実際に、この明細書を読んだ当業者が、本発明の改良及び変更をこの意図と範囲から外れることなくなしうることは自明である。それゆえ、本発明は、請求の範囲と均等の全範囲の請求の範囲の用語によってのみ限定される。
HNEタンパク付加体の血中レベルが、(i)GCMSの精度で評価することができるか、及び(ii)酸化ストレスが増加する心筋症モデル、すなわち、自然発生高血圧ラット(SHR)において、疾患の進行及び老化を伴う変化があるかどうかを評価する実験を行った。
これらの実験はラットを使用して行ったが、ここに記載されている実験は、ヒトもしくは他の哺乳動物における生物学的効果を予測する、、および/または、ヒトもしくは他の哺乳動物において、本発明を使用するためのモデルとして有用であることを述べていると考えられる。これらの例は、生物試料の酸化ストレスを検出する、酸化損傷の累積記録を決定する、心疾患を診断する及び心疾患活性を特徴付けるなどの上記方法を説明している。
例1
NaBとラネーニッケルによる処理の後の、チオールタンパク付加体と結合した、HNE及びその不活性代謝産物、1,4−ジヒドロキシノネン(DHN)を定量する実験を行った。7、15、22及び30週齢の、SHR及び対照ウィスター系ラットから採取した血液及び血漿中のこれらの付加体レベルを測定した。血漿中ではなく血液中のナノモル範囲で比較的精度よく定量されたが、タンパク質結合HNEレベルが、疾患(SHR)及び齢によって、有意に増加した(両方とも、p<0.0001)。ウィスター系ラットと比較すると、SHRラットのHNEタンパク付加体の血液レベルは、22週及び30週で、より大きかった。検出された血液及び血漿中のタンパク質結合DHNレベルは、疾病又は齢に影響されなかった。まとめると、心筋症の動物モデルを使用して行われたこの研究結果は、前述したGCMS法によって、疾患の進行及び老化に伴う血液中のHNEタンパク質チオエーテル付加体の変化が、非常に精密に分析されることを証明している。この方法は、心疾患など、特にヒトの老齢疾患の生物活性HNEを伴う酸化ストレス関連事象の発現及び影響を評価するため有用である。
例2
酸化ストレスに関する疾患における4−ヒドロキシノネナール(HNE)の役割の評価を行うために別の実験を行った。さらに、自然発生高血圧ラット(SHR)中の高血中HNEタンパク質チオエーテル付加体(HNE−P)の測定に加えて、この研究は、心臓機能とHNE−Pの相関及び抗酸化治療の影響を試験することを目的とした。
脂質過酸化抑制プロブコール(10mg/kg/day)又は賦形剤(コーンオイル)を、18週齢SHR(9ラット/グループ)に4週間、毎日投与した(腹腔内)。心機能を、心エコー検査によって評価し、HNE−Pは、GCMSによって評価した。
左心室の弛緩(等容性弛緩時間の増加)及びコンプライアンス(E波減速速度:EDRの増加)の指標の変化(p<0.05)を反映するように、賦形剤を受けたSHRの拡張機能障害は悪化した。高血中HNE−Pは、拡張機能障害(EDR:R2=0.518;p<0.001)及び心拍数(R2=0.225;p<0.05)と相関している。プロブコールは、拡張機能の低下を抑止する一方、血中HNE−Pの平均値およびメジアンをそれぞれ21%および35%減少させた。まとめると、これらの結果は、SHRの疾患の進行に関連する病態生理学の事象におけるHNEの役割を裏付けている。
例3
次の例では、心筋組織中のタンパク質結合HNEの定量GCMS分析を使用した方法〔18〕を改良して、血液試料中のわずかなレベルのこれらの付加体を、精度の良い再現可能な一連の評価をできるようにした。特に、この方法は、チオールタンパクと結合したHNEと不活性代謝産物、DNHを定量している。しかしながら、本発明の代替的な実施例において、酸化ストレスは、例えば脂肪酸の過酸化によって生産されるその他のアルデヒド代謝産物など他の好適な物質を使用して定量することができる。HNEタンパク質チオエーテル付加体及びDHNタンパク質チオエーテル付加体は、アルデヒドタンパク付加体及びアルデヒド代謝産物タンパク付加体のクラスを代表するものと考えられる。
要約すると、この方法は、(i)重水素化アルコール[H]DHNへの還元によるHNEの安定化、(ii)チオエーテル結合を開裂するためのラネーニッケルによる処理をして、タンパク質結合DHNと[H]DHN(HNE)を遊離すること、及び、(iii)DHNクロマトグラフピークを確実に同定・定量できる重水素化内部標準[11]DHNの使用を伴う。「[H]DHN(HNE)」という用語は、ここに使用される場合、HNEの安定重水素化アルコールをいう。改良された方法を用いて、7、15、22及び33週齢の自然発生高血圧ラット(SHR)及びコントロールウィスター系ラットの血中タンパク質結合HNEとDHNのレベルが、評価されている。
SHRは、遺伝的高血圧の確立されたモデルであり、4週齢程の早期に血管壁および心筋中に〔25−27〕の抗酸化処理〔23、24〕に対応する高い酸化ストレスを示し、HNEタンパク付加体の蓄積を含む〔19〕。まとめると、この例の結果は、DHNではなく、血中HNEの増加が、チオールタンパク質を疾患の進行とSHRの老化に結びつけることを立証している。これらの結果は、これらの付加体の生物活性HNEを伴う酸化ストレスに関する事象の血中マーカとしての可能性を示唆している。
試料および方法(例3)
化学物質
化学物質、ラネーニッケル、2,6−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、有機溶剤及び酸を、それぞれ、Laboratory MAT (Quebec、Quebec、Canada)、Sigma Chemical Co (St−Louis、MO、USA)、 Bio−Rad(Hercules、CA、USA)およびFisher Scientific(Nepean、Ontario、Canada)から入手した。化学イオン化用の無水アンモニウム気体(Cl;最小純度99.99%)及び、ヘリウム気体(UHP)は、Matheson Gas Product Canada(Montreal、Quebec、Canada)から入手した。非標識HNEは、BIOMOL(Plymouth Meeting、PA、USA) から、誘導体化剤N−メチル−N−(tert−ブチルヂメチルシリル)−トリフルオロアセトアミド(TBDMS)は、Regis Chemical(Morton Grove、IL、USA)から購入した。ナトリウムボロデウテライド(NaB)及びトランス−4−ヒドロキシ−2−ノネナール−(〔5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−2H11〕[11]HNE)ジエチルアセタールは、Cambridge Isotope(Andover、MA、USA)及びCDN Isotope(Pointe−Claire、Quebec、Canada)によって供給された。出版物〔18〕は、[11]DHN及びDHNの原液の調整と、NaBH4の還元前に、HNE液の223nmの吸光度測定によるこれらの濃度測定に関して詳細に述べている。すべての水溶液は、milli−Q system(Millipore、St−Laurent、Quebec、Canada)によって精製された水で調整した。他の試薬はすべて分析用試薬である。
動物及び試料収集
動物実験は、Canadian Council on Animal Careのガイドラインに従って地方の動物管理委員会によって認可された。ラットは、屠殺前に12時間明/12時間暗周期施設の中で、少なくとも7日間、水および標準の飼料へのアクセスを制限されずに飼育された。雄SHR及び年齢適合コントロールウィスター系ラット(Charles River、St−Constant、Quebec、Canada)は、7(n=11)、15(n=13)、22(n=8)及び30(n=8)週齢で屠殺された。屠殺時の体重は、それぞれ、SHRは187±13g、332±22g、375±9g及び406±15gであり、ウィスター系ラットは、239±28g、442±31g、533±32g及び612±15gであった。ペントバルビタールナトリウム麻酔の下で(65mg/g、腹腔内;MTC Pharmaceuticals)、EDTA(10.8mg)及びBHT(0.0496mg)でプリコートされた10mlシリンジを用いて心穿刺し、血液を回収した。全血(500μl)の試料を、直ちに液体窒素で凍結した。残量を、10分間、1,500gで遠心分離し、回収した血漿試料も、直ちに液体窒素で凍結した。すべての試料は、分析するまで−80℃で保存した。
分析手順
試料調整及び血液と血漿中のHNE及びDHNタンパク付加体のGCMS分析手順が、図1に概説されている。心筋組織中のタンパク質結合HNEを検出する前述の方法〔18〕を変更して、感度を20倍に増して、血液及び血漿試料中にあるより低量のタンパク質由来HNE及びDHNを検出することができるようにすると共に、再現性及び耐久性を改善した。定期的に、血液及び血漿試料(400μl)を、Hepes39mM、EDTA0.4mM及びBHT0.9mMを含むコールドバッファ1ml(pH7.0)で別々に混合して、処理の間の脂質過酸化反応を最小にし、直ちに1MNaB200μlで処理して、HNEを化学的に安定させたそのアルコール誘導体[H]DHNに還元し、氷上に30分間置いた。
次いで、飽和スルホサリチル酸を加えて(最終濃度8%(v/v))タンパク質を沈殿させた。氷上に30分間置いた後、試料を、5000gで45分間遠心分離した。タンパク質ペレットを、メタノール:クロロホルム(2:1)3mlで洗浄して、脂質を除去し、水で3回洗浄して、グアニジン8M、トリス13mM(pH7.2)及びEDTA133mMを含む500μl溶液中で再懸濁させ、0.1nmolの重水素内部標準[11]DHNと混合した。溶液を超音波処理して(3×20sec)タンパク質の溶解を最適化し、20時間、55℃でラネーニッケル2.5gの触媒処理を行う前に、水1mlを加えた。この処理は、チオエーテル結合を開裂させて、C=C結合を減らすので、[H]DHN及びDHNの自由飽和誘導体が溶液中で遊離されて、次いでGCMS分析用に処理される。従って、1700gで3分間、室温で2回遠心分離を行った後、水溶性の上清を、濃縮塩酸によってpH2以下にして、塩化ナトリウムで飽和し、3分間ボルテックスをして、エチルアセテート10mlを用いて2回抽出した。この抽出物を、窒素雰囲気下で蒸発させて、残留物は、TBDMS50mlで処理した。誘導体化を最適にするために、試料を90℃で、4時間加熱した。タンパク質測定は、標準のウシ血清アルブミン(Fraction V、Sigma)を使用して、Bradford分析によって行った〔28〕。飽和スルホサリチル酸を用いて沈殿させた後のタンパク質の回収率は、上清のタンパク質測定に基づいて99%以上であると評価された。
GCMS分析
試薬ガスとしてアンモニアを使用してPClモードで操作される5973質量選択検出器に連結され、モデル7683シリーズのインジェクタを具えるAgilent Technologies社のモデル6890Nガスクロマトグラフから構成される卓上標準設備形で、全ての試料を測定した。300℃、パルススプリットレスモードで、注入(1μl)が行われた(注入パルス圧力35psi)。キャリアガスは、一定流速0.7ml/minの高純度ヘリウムであった。Agilent TechnologiesタイプHP−5キャピラリカラム(50m×内径0.2mm×面厚0.5μm)を以下の条件で用いた:170℃で1分間、210℃まで10℃/min、280℃まで5℃/min、それから325℃まで20℃/minで上昇させた。各運転の終わりには、カラムの温度を325℃に8分間保って洗浄した。GCMSトランスファラインは300℃であり、イオン源及び四重極温度はそれぞれ300℃及び176℃であった。電子エネルギ及び放出電流は、それぞれ65eV及び242mAであり、アンモニア圧(10torr)は、1ml/minに維持した。イオンセット257m/z、258m/z及び268m/zをそれぞれ、イオンあたり50ms滞留時間で観察して、DHN、[H]DHN(還元HNE)、及び内部標準[11]DHNを分析した。代替的に、M+H+イオンに対応するイオンセット380、390及び400を低イオン源温度を使用して〔18〕観察して、ピークの同一性を確認することもできる。しかしながら、この例では、前者のイオンを使用して、より良好なMS信号が得られた。
この研究で報告されているDHN及びHNEタンパク付加体の量は、二回もしくは三回の試料注入における平均値を表している。コンピュータ統合によって測定されたDHN及び[H]DHNピークのGCピーク領域を、内部標準[11]DHNの軽同位体不純物、及び自然発生の重同位体についてそれぞれ補正した。DHN及び[H]DHNの量は、補正した領域を使用して、上述の各試料に加えられた内部標準の量〔29〕から計算した。
方法の検証
以下の方法検証パラメータを測定した。(i)正確度を:〔1−(GCMS測定量/標準量)〕×100で計算した。(ii)精度又は相対標準偏差(RSD)をSD100/meanで計算した。(iii)検出限界(LOD)は、正確かつ高精度に処理して評価した標準DHN溶液の最小量を表す。(iv)定量限界(LOQ)は、適正な精度で血液又は血漿試料中で分析できるタンパク質由来DHN及びHNEの最小量を表している。それは、控え見本中の血液及び血漿の量(50、100、250、400及び500μl)を増やして、分析することによって決定した。(v)GCMS分析用の分析内及び分析間RSDは、1日8回、1試料を、(ii)3日間で5試料を注入することによってそれぞれ決定した。全ての分析手順についての分析内及び分析間RSDを、(a)ウィスター系ラットから回収してプールした血液試料から得た9試料を、同日に、及び(b)ウィスター系ラットから回収して、別々にアリコートで凍結した血液試料を3日間、処理して決定した。また、−80℃で凍結した試料が9ヶ月経過する前後に、ウィスター系ラットの4種の異なる血液試料の分析用に分析間RSD値を得た。最後に、HNEに対応する信号の特異性を検証するため、血液試料をプールして6画分に分割し、3画分を、NaBH4で処理し、3画分を、NaBで処理した。
統計分析
データは、平均値±SD又はSEで表されている。2元配置ANOVAを用いて、(i)SHRの疾患の発症及び進行(ii)齢(iii)疾患及び齢の相互作用の影響の有意差を試験し、次いで、Bonferroni多重比較ポストテストを行った。
結果(例3)
方法の検証
図1に示すGCMS法を、次のパラメータ:LOD、LOQ、精度、再現性及びロバストネスについて評価した。DHN標準溶液で決定した検出限界(LOD)を、50乃至500pmol間の量の正確度が90%以上であるのに対し、50pmolより少ない量を分析したときに得られた正確度は、16乃至76%と不十分であることに基づいて、50pmolであると予測した(表1)。較正曲線は、4%未満のRSD値で、試験を行ったDHN濃度の範囲では直線であった(図2)。
表1:本発明の実施例による、生物試料中の酸化ストレスバイオマーカを検出する方法に使用したDHN標準溶液のGCMS分析用に得た較正データ
Figure 2009513953
1乃至500pmolの標準液を、GCMS分析用に2重に処理した。
この方法のLOQに関し、全血中のタンパク質結合HNE及びDHNの分析(図3A)において、y切片の正の値はLOD範囲にあり、一定の偏りを示したが、直線関係を示した。y切片の値をバックグラウンドとして得て、計算された実験測定値のすべてから差し引いた。血漿中のタンパク質結合DHNの分析(図3B)により同様の結果を得たが、血漿中のタンパク質結合HNEの値は、この方法のLOD以下であった。良好な精度(RSD<12%)が、血液中のタンパク質結合HNE及びDHN及び血漿中のDHNの測定値用に得られた。この方法のLOQは、約250μl試料に対し60pmolと評価した。しかしながら、定期的アプリケーションでは、確実に最適な精度にするため、実用的な、この方法のLOQは、400μl試料に対し80pmol以上とされた。
表2は、400μl血液中のタンパク質結合HNE及びDHNの分析用の再現データをまとめたものである。図4は、30週齢SHRから回収した代表的な400μl血液試料の典型的なSIMクロマトグラムを示している。分析内及び分析間RSDは、全血試料のGCMS分析については11%以下であり、全方法については10%乃至20%間の範囲であった。最終的に、また、以下の追加データが、我々の方法のロバストネスを裏付けている。第1に、9ヶ月後の、ウィスター系ラットの血液試料中のタンパク質結合HNE及びDHNの分析用に得たRSD値は、−80℃で凍結されている試料のこれらの付加体の安定性を示している(表2)。第2に、HNEシグナル(イオン258)の特異性は、HNEをそれぞれ、DHN(イオンm/z257)及び[H]DHN(イオンm/z258)へ転化する、NaBH及びNaBによる平行試料の処理によって明らかにされている。我々は、NaBH処理を行ったタンパク質由来HNEシグナル(イオン258)量を、全く検出しなかったが、NaBで処理を行ったDHNプラスHNEの測定量に対応するタンパク質由来DHN(イオン m/z257)の測定量を評価した(図5)。
表2:本発明の実施例による400μl血液中のHNE及びDHNタンパク質チオエーテル付加体のGCMS分析用の再現データの概要
Figure 2009513953
試料及び方法に記載した通りに、GCMS注入及び異なった日の全血試料の処理の分析内及び分析間RSDを決定した。示されているデータは、4乃至9の個々の測定の平均値±SDである。
SHR及びウィスター系ラットのHNE及びDHNタンパク付加体の血中レベル
図6に示すタンパク質結合HNEレベルのデータは、様々な齢のSHR及びウィスター系ラットから回収した血液を評価したものである。2元配置ANOVAによると、HNEタンパク付加体の血液レベルは、疾患の進行及び齢とともに著しく増加した。ウィスター系ラットと比較して、SHRは22週から、HNEタンパク付加体の血液レベルが著しく大きくなった。齢に伴う、又はSHRとウィスター系ラット間のタンパク質結合HNEの血中レベルに観察された差は、いつも同様であった血液タンパクレベルの変化(230乃至274mg/mlの間)に起因するものではない。タンパク質結合HNEと対照的に、血液中(図7)又は血漿中(図示せず)のタンパク質結合DHNのレベルは、疾患又は齢と共に変化しなかった。
考察
本研究では、血中チオール含有タンパク質に結合したHNE及びDHNを比較的精度良く定量するGCMS法が実証された。この方法には、重水素アルコール[H]DHNへの還元、ラネーニッケルによる試料の処理及び重水素内部標準、[11]DHNの使用によるHNEの安定化が含まれている。提案された方法は、次のパラメータLOD、LOQ、精度、再現性及びロバストネスについて特徴を有する。現在評されているように、一人の技術者が、1週間あたり、約80乃至100試料を処理することができる。異なる分析間の偏差(10乃至20%)は、対象間の偏差(30乃至40%)より小さい。さらに、LOQ測定で観察された精度は、それぞれ酸化及びニトロソ化ストレスのマーカとして使用される、血漿イソプロスタン〔30〕又はニトロチロシン〔31〕のGC/LC−MS分析に匹敵するほどに良好なものである。さらに、生物試料中のLPO由来生産物の安定性がしばしば重要問題として考えられているが〔32〕、我々は、HNE及びDHNタンパク付加体のレベルが、−80℃で、9ヶ月間の試料を保存することによってほとんど影響を受けないということを発見した(表2)。これは、遊離HNEと比較してこれらのタンパク付加体のより優れた安定性に起因するものであるが、Spies−Martinら(2002)は、貯蔵前と−80℃で22ヶ月貯蔵した後の組織試料の遊離HNEが同じレベルであることを報告した〔33〕。とはいえ、我々は、EDTA中のすべての回収した血液試料に、直ちに凍結又は処理のどちらかを行うことと、HNEを安定させるためにNaBで試料を迅速に処理することが比較的重要であると考察している。
本研究では、改良されたGCMS法をうまく適用して、ラットの血中HNE及びDHNタンパク付加体を分析している。HNEタンパク付加体は、血液試料中で検出されたが、血漿試料中には検出されなかった。この結果は、GCMSによって、オキシム誘導体としてのシッフ(Schiff)塩基残基中の遊離又は結合HNEを評価したKinterら〔36〕の見解に一致する。さらに、Oliverらは、赤血球中の酸化修飾タンパク質の蓄積を立証している〔37〕。最後に、HNEは、水相より生体膜中で主に検出され〔14〕、Michael付加体を形成する赤血球膜のシステイン残基のスルフヒドリル基とインビトロで急速に反応する。血液HNE変性タンパクの半減期については、ほとんど知られていないが、遊離HNEより大きいと考えられる。実際に、HNE変性タンパクは、このLPO生産物の血中レベルよりフラックスを反映する〔22〕。この酸化損傷の累積記録は、生物活性HNEを伴う酸化ストレスに関する事象の高感度測定を提供できる。類推すると、グリコシル化血色素は、長時間の血糖コントロールを反映している〔38〕。
血液試料中の測定されたタンパク質結合HNE濃度は、0.07mM乃至0.22mM間で変化した。これらの値は、血漿遊離HNEについて報告された濃度範囲(0.026mM乃至0.85mM)〔32、33、36、39〕にあり、HNE由来2ペンチルピロールについての濃度範囲(8mM乃至35mM)〔22〕よりも小さいが、イソプロスタン(35pg/ml乃至356pg/ml)〔40乃至42〕又はニトロチロシン(2nM乃至5nM)の濃度範囲よりも大きかった〔31、43、44〕。平均タンパク質含量250mg/mlに基づいて、及び平均タンパク質分子量を30,000、血液中タンパク質結合HNE濃度を0.07mM乃至0.25mMと仮定すると、HNE修飾血液タンパクは、0.0008%乃至0.003%の間であることが示唆される。このパーセンテージは、先に測定した虚血心中のHNEタンパク付加体レベルから計算されたパーセンテージ(およそ0.025%)より低い〔18〕。しかしながら、これは、1μM未満である血中遊離HNE濃度を考慮するならば、哺乳動物細胞をHNE100μMで培養した場合にインビトロで観察されるタンパク質修飾1%乃至8%〔45〕に対応する。
この研究の結果、疾患の進行及び老化に伴って、SHRの血液中HNEタンパク付加体レベルが増加し、これらのタンパク付加体は、動物モデルで生物活性HNEに関連する酸化ストレス関連事象の血中バイオマーカであることを示唆するということが立証された。SHRは、9週乃至14週の間に高血圧及び左心室肥大を発症した〔46、47〕。15週で、肥大は代償されるが、30週で、SHRは、アポトーシスによる心筋細胞死が増加したことを示し、後者は、代償性から非代償性肥大へ変わることと関連している〔48〕。SHRに見られた血中タンパク付加体の増加は、増加した酸化ストレスの存在と一致し、4週齢と早くに報告されている〔27〕。この増加は、機能不全酸化窒素シンターゼ活性〔27〕、および/または、血管壁のアンジオテンシンIIの刺激によるNAD(P)Hオキシダーゼ活性〔49〕によって、スーパーオキシドアニオン生成物が増加したことに起因する。また、コントロールラットと比較して、SHRの心筋HNEタンパク付加体の累積は持続的により大きなものであり、疾患の進行及び年齢の影響による作用が見られた〔19〕。血液中のHNEタンパク付加体の増加が、血管壁又は心臓中よりも遅い年齢(22週対7週)で起こるという事象は、SHRではHNEが主に細胞内部位で形成されることを示唆している。組織中のHNEタンパク付加体は、間質液と比較すると、より高濃度であることが他者によって報告されており〔13〕、血中HNEタンパク付加体の蓄積により、身体全体の組織及び器官の中の解毒作用に対するHNE生成物の総合的な状態を示すことができることを示唆している。このことに関連して、タンパク質結合DHNの血中レベルは、アルドース・レダクターゼによるHNEタンパク付加体の酵素の減少によって生じうるものであり〔50〕、疾患又は齢によって影響されないことが分かった(図7)。それゆえ、HNEと血中チオールタンパク質に結合したDHNの割合が増加することは、前者のプロセスによる、疾患進行及び年齢に伴うHNE生産物対解毒作用間の不均衡を示唆している。
要約すると、ここに記述され特徴付けられたGCMS法は、比較的、精度及び再現性よく、血液中のHNEタンパク質チオエーテル付加体を定量する。この方法を使用して、血中タンパク付加体は、増加した酸化ストレスを示す心筋症の動物モデルであるSHRの疾患の進行及び齢に伴って増加することが示された〔19、26〕。まとめると、この研究結果によって、心臓疾患及び老化に生物活性HNEを伴う酸化ストレス誘導LPO事象のマーカとして、全血中で測定されたHNEタンパク質チオエーテル付加体の潜在的な有用性が示唆されている。
試料中の酸化ストレスのバイオマーカの存在を評価するキットを上述の方法の代わりとして用いることができるという仮説が立てられる。また、代替的な方法を、酸化ストレスのバイオマーカを検出するために用いることができるという仮説が立てられる。このような方法の1例では、方法は、酸化ストレスの安定化したバイオマーカと抗体が結合可能な状態下で、酸化ストレスの安定化したバイオマーカに結合する抗体を試料に接触させるステップ及び試料中の結合抗体の存在を検出するステップとを具える。
例4
インビボでHNEと心機能間の潜在的リンクを研究する基礎を提供する自然発生高血圧ラット(55乃至57)で、一連の研究を行った。SHRは、インスリン耐性に関する遺伝的高血圧性心筋症で確立されたモデルである(58)。それは、9乃至12週間で高血圧及び左心室肥大を発症する(59)。15週で、肥大が代償され、18乃至24月齢後に、非代償の機能症状が現れる。SHRは、抗酸化処理に反応する(61)、血管壁中の増加した酸化ストレスを示す(60)。7週で開始したSHRの心筋HNEタンパク付加体の蓄積の発見(57)後、GCMS法を検証して、血液中のHNEタンパク質チオエーテル付加体(HNE−P)を定量し、22週齢で開始したSHRの血中HNE−Pが比較的高いことを見いだした(55)。それゆえ、この例では、インビボで、血中HNE−Pは心機能と相関し、そして、試験を行ってプロブコールでの抗酸化処理の影響を評価した(62)。
方法(例4)
動物
カナダ動物管理協会(CCAC)のガイドラインに従って地方の動物管理委員会によって実験が認可された。18週齢雄SHR(Charles River、St.Constant、Canada)は、1週間順応させた後に、1体あたり重量10mg・kgのコーンオイルで溶解したプロブコール(P)または賦形剤(V)を、毎日、腹腔内投与を受けるよう無作為投与された。体重を毎日測定した。22週でラットを屠殺した。EDTA(10.8mg)及びブチル化ヒドロキシトルエン(0.0496mg)でプリコートした5mlシリンジを用いて、頸静脈穿刺によって、ケタミン/キシラジン麻酔(筋肉内、87.5mg/12.5mg・kg−1)をして血液を収集し、直ちに液体窒素で凍結した。
血圧及び心機能
非侵襲的収縮期血圧を測定し、イソフルラン麻酔下で、tail−cuff法及びスタンダード心エコーシステムを具えるS12フェーズドアレイトランスデューサ(Sonos 5500、Hewlett−Packard、Andover、Mass.)を使用して、治療開始前及び治療の終わりの時に、それぞれ、経胸腔心エコー評価を行った。SHRの収縮機能は、18週乃至22週で変化しないことが報告されているので(13)、我々は、ここに拡張機能を反映する心エコーパラメータのみを報告する。心尖部4腔像で、貫壁性E波減速時間(EDT)及び減速率(EDR)を、パルスドプラ法を用いて測定し、僧帽弁伝搬速度(Vp)は、カラーMモードスペクトルを通して調べた。LV等容性弛緩時間(IVRT)は、連続波ドプラを使用して、5腔像で測定し、同時に記録したECGから得たR−R間隔で補正した(IVRTc)。胸骨左縁長軸像で大動脈弁レベルのMモードを使用して、心臓拡張期(LADd)と収縮期(LADs)の両方の左心房(LA)径を測定し、それからLA短縮率(LAFS)を計算した。各測定には、3回の連続心臓サイクルの平均を使用した。
例1で記述したGCMSによって、処理の終わりに回収した全血400μl中の血中HNE−P、HNE−Pを定量した。
データ表示及び統計分析
データは、平均値±SEMである。測定した様々なパラメータ(体重、収縮期血圧及び心臓機能)の値は、処理前の値のパーセンテージとして報告されている。グループ(処理前対処理後)間及びグループ内の統計的有意差は、それぞれ対応のないt−検定及び対応のあるt−検定により評価された。相関係数を線形回帰分析によって計算した。p≦0.05の値が有意であると考えた。
結果(例4)
血行動態及び心臓機能
4週間の処理の間、両グループのSHRの体重と収縮期血圧は、同様に7%乃至8%程度、増加した(V:7.6±0.2、P:7.9±0.7;及びV:8.2±2.4、P:8.3±2.0%、それぞれ;p<0.05)。しかしながら、賦形剤を受けたSHRは、拡張機能の悪化の兆候を示した。(i)EDT(減少;図9A)及びEDR(増加;18±6%;p≦_0.05)の変化は、LVコンプライアンスの損失又は硬直の増加を反映しているが、一方で(ii)Vp(減少;図9B)及びIVRTc(減少:8.9±7.0%;p≦0.05)の変化は、減損LV弛緩を示した。また、心拍数も、20%まで増加した(図9c)。これらの有害な機能変化は全て、プロブコールグループでは観察されなかった。このグループでは、LV拡張機能は維持され、LA構造及び機能の再形成が減少した;これは、LADd(減少:−17.9±6.4%;p≦0.05)及びLAFS(増加;16.1±5.4%;p≦0.05)の変化によって反映されている。
血中HNE−P
血中HNE−Pは、処理の終わりに22週齢のSHRで評価され、拡張機能障害の指標(EDR:R2=0.518、p<0.001;EDT:R2=0.371、p<0.01(図8A))及び心拍数(図8B)に相関がみられた。プロブコール処理は、血中HNE−Pのメジアン〔最小乃至最大〕(P:170.5〔122.5−376.0〕;V:261.3〔157.0−441.5〕)及び平均値(P:208.2±34.1;V:263.8±27.4)をそれぞれ、35%及び21%ずつ低下させた(p=0.1)。
考察
この例では、SHRの血中HNE−Pレベルと心臓機能の関連性を調べて、プロブコール処理による影響を調べた。18乃至22週齢SHRを、この齢のこれらのラットは血中HNE−Pが高いという結果に基づいて使用した(55及び例1)。18乃至22週齢で、SHRは、高血圧であり、代償性心臓肥大を発現している(64)。賦形剤を4週間受けた18週齢SHRの心臓拡張機能が悪化したという結果は、Slamaらによるデータと一致する(2004)(63)。この研究では、SHRのプロブコールの処理は、心臓拡張機能の低下を弱め、左心房機能を改良し、その作用は血圧に関係しなかった。
処理の終わりに評価した血中HNE−Pレベルは、SHRの心臓拡張機能の悪化、特に、LVコンプライアンスの減少と正の相関を示した。さらに、血中HNE−Pと増加した心拍数の間に正の相関がみられた。心拍数の増加は、冠動脈疾患の患者の罹患率及び死亡率と関連する要因である(68)。最近、免疫組織化学的に測定された肥大型心筋症の患者の右心室中のHNEタンパク付加体と心機能異常の指標との相関が報告された(69)。プロブコールは、血中HNE−Pレベルを減少させたが、この結果には比較的小さい統計的有意性だけが観察された。これは、各グループの少数の動物に与えられる第2種の過誤によって生じたものと仮定される。
ここに上述した相関データは、拡張機能障害の発症原因及びSHRの心拍数の調節におけるHNEの潜在的な役割を示唆している。この結果を説明できる仮定の機構を以下に示す。HNEを含有する単離心臓は、血管拡張、収縮機能の低下及び収縮不全を現す(70)。単離ラット心室筋細胞では、HNEは、おそらくイオンチャンネルタンパク質からのシステイン残基の修飾によって催不整脈作用を及ぼす(71)。それは、また、おそらく、マイトジェン活性タンパク質キナーゼ活性化によって収縮を低下させる(72)。多くの潜在的な発症機構の中で、この研究と特に関連があるように思われるものに、線維症がある。このプロセスは、SHRに含まれるLV硬直の決定因子であると考えられ(73乃至75)、この因子はTGFb1シグナリングを介してHNEによって活性化される(53)が、プロブコールによって減少する(65)。
要約すると、この例の結果は、左心室拡張機能は18週から22週のコントロールSHRで悪化し、プロブコール処理によって改良される拡張機能障害の限定的なパターンをもたらすことを示している。HNE−Pと拡張機能障害及び心拍数の両方の間に観察された相関は、SHRの疾患の進行に関連する病態生理学の事象におけるこのアルデヒドの役割を裏付けるさらなる証拠を提供する。最終的に、血中HNE−Pは、抗酸化治療の対象になりうる特定の病原性事象に相互に関係することがある。
ヒトの例
例5
HNEタンパク付加体の血液レベルを、慢性心不全にかかっているヒト71人を対象として、ここで上述したように評価した。HNEタンパク質濃度の平均は、214±67nMであった。レベルは、ニューヨーク心臓境界クラス(R=0.33;p<0.05)と相関があり、疾病重症度との関連性を示唆している。
本発明は、好適な実施例によってここに上述したが、付記した請求の範囲に規定されるように、本発明の意図、範囲及び原理から外れることなく改良することができる。
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この明細書中に引用され、および/または、論じられている全ての参考文献は、参照によってここに全体を組み込んでおり、同程度に、各参考文献を参照によって個別に組み込んでいる。
図1は、概略図であり、本発明の1の実施例に従った、同位体希釈GCMSによって血液中のHNE及びチオエーテル結合を介してタンパク質と結合したその代謝産物DHN結合を定量するための実験手順の概観を示しており、記号*は、測定された分子を示している。 図2は、X−Yグラフであり、GCMS分析の線形性を証明するDHN用の標準曲線を示している;1乃至500pmolのDHN標準液は、2重に分析処理した;95%信頼区間を有する回帰直線が示されている(傾き:1.079±0.009;y切片:2.2±1.6;p<0.0001;R2=0.999) 図3は、X−Yグラフであり、血液(図A)と血漿(図B)の量を増加させて、タンパク質由来HNEおよびDHNのGCMS分析用に得た較正曲線を示している。この分析は、本発明の実施例に従って行われている。様々な量の試料が、2重に分析処理され、95%信頼区間を有する回帰直線が示されている。(パネルA)HNE:傾き=0.23±0.02;y切片:12±5;R2=0.944;p<0.0001;DHN:傾き=0.26±0.03;y切片:34±8;R2=0.922;p<0.0001;(パネルB)HNE:傾き=0.008±0.004;y切片:4±1;R2=0.346、NS;DHN:傾き=0.19±0.02;y切片:26±7;R2=0.891;p<0.0001。 図4は、X−Yグラフであり、本発明の実施例に従って処理された30週齢自然発生高血圧ラット(SHRs)の代表的な血液試料の処理から得られた、それぞれDHN、HNE及び重水素化内部標準[11]DHNに対応する、イオンm/z257(上側クロマトグラム)、m/z258(中間クロマトグラム)及びm/z268(下側クロマトグラム)の選択イオン検出クロマトグラムを説明するグラフである。 図5は、棒グラフであり、本発明による方法を使用して得られたHNE信号の特異性を示しており、このHNE信号の特異性は、平行血液試料を、HNEをDHN(イオンm/z257)に、[11]DHN(イオンm/z258)にそれぞれ転化するNaB又はNaBHで処理を行うことで示されている。NaBH処理をしたタンパク質由来HNEシグナル量は、まったく検出されなかったが、NaB処理をして評価したDHNプラスHNEのシグナルに対応するタンパク質由来DHN量は測定された。データは、3回測定した平均値±SEである。 図6は、棒グラフであり、本発明の実施例による方法を使用して得た、様々な齢のSHR及びウィスター系ラットの血液中のHNEタンパク質チオエーテル付加体レベルを示しており、7、15、22、30週齢のSHR及びウィスター系ラットから回収した血液試料(400ml)を、GCMS分析用に処理した。データは、8乃至13ラットの平均値±SEである。統計:Bonferroni多重比較ポストテストによる2元配置ANOVA法。疾患の影響:SHR対ウィスター、φφp<0.001;φp<0.05老化作用、対7週、p<0.05、**p<0.01、***p<0.001。 図7は、棒グラフであり、様々な齢のSHR及びウィスター系ラットの血液中のDHNタンパク質チオエーテル付加体レベルを示しており、このレベルは、本発明の実施例による方法を使用して得た。データは、平均値±SEである。統計:NS;Bonferroni多重比較ポストテストによる2元配置ANOVA法。 図8は、棒グラフであり、4週間プロブコール又は賦形剤を受けた後のSHRの拡張機能(図A&B)及び心拍数(図C)の変化を示す。拡張機能は、LVコンプライアンス(EDT:E波減速時間)と弛緩(Vp:僧帽弁伝搬速度)指標の減少に反映されている。結果は、処理前の値のパーセントとして示されている。処理の影響:p<0.05; 図9は、X−Yグラフであり、4週間プロブコール(・)又は賦形剤(○)を受けた後のSHRの血中HNE−Pと、(EDTに反映された)拡張機能の低下(A)と心拍数の増加(B)の双方間の相関を示している。

Claims (41)

  1. 生物試料を使用して酸化ストレスを検出する方法において:
    (a)測定可能な成分を有する酸化ストレスのバイオマーカを具える生物試料を取得するステップと;
    (b)前記試料中の前記バイオマーカを化学的に安定させるステップと;
    (c)前記測定可能な成分を分離するステップと;
    (d)前記測定可能な成分を抽出するステップと;
    (e)前記測定可能な成分の量を測定するステップ;
    とを具えることを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記酸化ストレスのバイオマーカは、アルデヒドタンパク付加体及びアルデヒド代謝産物タンパク付加体から選択されることを特徴とする方法。
  3. 請求項2に記載の方法において、前記アルデヒドは、4−ヒドロキシ−2,3−ノネナール(HNE)であることを特徴とする方法。
  4. 請求項2に記載の方法において、前記アルデヒドは、1,4−ジヒドロキシノネン(DHN)であることを特徴とする方法。
  5. 請求項1に記載の方法において、前記測定可能な成分は、DHN及び[H]DHNから選択されることを特徴とする方法。
  6. 請求項2に記載の方法が、前記アルデヒドをアルコールに還元することによって前記試料中の前記バイオマーカを化学的に安定させるステップを具えることを特徴とする方法。
  7. 請求項6に記載の方法において、前記アルデヒドをアルコールに還元する前記ステップが、前記生物試料へNaBH及びNaBの一方を加えるステップを具えることを特徴とする方法。
  8. 請求項3に記載の方法において、前記アルデヒドをアルコールに還元する前記ステップが、HNEをDHNに還元するステップ、および/または、HNEを重水素アルコール[H]DHNに還元するステップを具えることを特徴とする方法。
  9. 請求項1に記載の方法において、前記生物試料が、HNE、HNEタンパク付加体、DHN、DHNタンパク付加体、HNEの代謝産物およびこれらの組み合わせから選択された分子を含むことを特徴とする方法。
  10. 請求項1に記載の方法が、タンパク質結合を開裂することによって、前記測定可能な成分を分離するステップを具えることを特徴とする方法。
  11. 請求項10に記載の方法において、前記タンパク質結合を開裂するステップが、ラネーニッケル触媒反応を使用して、タンパク質チオエーテル結合を開裂するステップを具えることを特徴とする方法。
  12. 請求項11に記載の方法において、前記ラネーニッケル触媒反応が、約5乃至約20時間、約45℃乃至約60℃で行われることを特徴とする方法。
  13. 請求項1に記載の方法において、前記酸化ストレスのバイオマーカの前記測定可能な成分が、脂肪酸の過酸化によって生産される代謝産物であることを特徴とする方法。
  14. 請求項1に記載の方法において、前記酸化ストレスのバイオマーカの前記測定可能な成分が:4−ヒドロキシノネナール、4−オキソノネナール、4−ヒドロキシヘキセナール及び4−オキソヘキセナールから選択されることを特徴とする方法。
  15. 請求項1に記載の方法において、前記生物試料が、全血、血液派生物及びその組み合わせから選択されることを特徴とする方法。
  16. 請求項15に記載の方法において、前記血液派生物が、血漿、アルブミン及び酸化リポタンパク質から選択されることを特徴とする方法。
  17. 請求項1に記載の方法において、前記測定可能な成分の前記量は、質量分析に連結されたガスクロマトグラフィを使用して測定されることを特徴とする方法。
  18. 生物試料を使用して酸化ストレスを検出する方法において:
    (a)酸化ストレスのバイオマーカを具える生物試料を取得するステップと;
    (b)前記試料中の前記バイオマーカを化学的に安定させるステップと;
    (c)前記安定化したバイオマーカに結合する抗体と前記試料を接触させるステップと;
    (d)前記試料中の前記結合抗体の存在を検出するステップと;
    を具える方法。
  19. 哺乳動物の酸化損傷の累積記録を経時的に決定する方法において:
    (a)第1時点で、アルデヒド代謝産物タンパク付加体を具える血液試料である第1血液試料を哺乳動物から取得するステップと;
    (b)前記第1血液試料中の前記アルデヒド代謝産物の量に基づいて、前記第1血液試料中の酸化ストレスレベルを検出するステップと;
    (c)第2時点で、アルデヒド代謝産物タンパク質チオエーテル付加体を具える血液試料である第2血液試料を哺乳動物から取得するステップと;
    (d)前記第2血液試料中の前記アルデヒド代謝産物の量に基づいて、前記第2血液試料中の酸化ストレスレベルを検出するステップと;
    (e)前記第1及び第2血液試料中の測定されたアルデヒド代謝産物の量を使用して、前記哺乳動物の酸化損傷の累積記録を決定するステップと;
    と具える方法。
  20. 請求項19に記載の方法において、前記アルデヒド代謝産物は、4−ヒドロキシノネナール、4−オキソノネナール、4−ヒドロキシヘキセナール、4−オキソヘキセナール、4−ヒドロキシ−2,3−ノネナール(HNE)及び1,4−ジヒドロキシノネン(DHN)から選択されることを特徴とする方法。
  21. 哺乳動物の心疾患のリスクを評価する方法において:
    (a)HNEタンパク付加体とDHNタンパク付加体を具える生物試料を哺乳動物から取得するステップと;
    (b)前記試料中のHNEタンパク付加体とDHNタンパク付加体の量を測定するステップと;
    (c)前記HNEタンパク付加体と前記DHNタンパク付加体との間の所定の関係を決定するステップと;
    (d)前記所定の関係に基づいて前記哺乳動物の心疾患のリスクを評価するステップと;
    を具えることを特徴とする方法。
  22. 請求項21に記載の方法が、前記HNEタンパク付加体とDHNタンパク付加体の量の割合及び請求項19に記載の方法に従って測定された前記哺乳動物の酸化損傷の累積記録に基づいて、前記哺乳動物の心疾患の前記リスクを評価するステップとを具えることを特徴とする方法。
  23. 哺乳動物の心疾患又はそのリスクを診断する方法において:
    (a)アルデヒド代謝産物タンパク付加体を具える生物試料を哺乳動物から取得するステップと;
    (b)前記試料中の前記アルデヒド代謝産物付加体の量を測定するステップと;
    (c)アルデヒド代謝産物タンパク質チオエーテル付加体の量が所定の閾値より大きい場合に、心疾患又はそのリスクを有する哺乳動物を診断するステップと;
    を具えることを特徴とする方法。
  24. 請求項23に記載の方法において、前記心疾患又はそのリスク因子が、高血圧、インスリン耐性、高血糖症、脂質異常症、拡張機能障害、心筋線維症、及び不整脈、心臓肥大、頻拍、糖尿病、肥満及びメタボリック・シンドロームから選択されることを特徴とする方法。
  25. 請求項23に記載の方法において、前記アルデヒド代謝産物タンパク付加体が、アルデヒド代謝産物タンパク質チオエーテル付加体であることを特徴とする方法。
  26. 請求項23に記載の方法において、前記アルデヒド代謝産物が、4−ヒドロキシノネナール、4−オキソノネナール、4−ヒドロキシヘキセナール、4−オキソヘキセナール、4−ヒドロキシ−2,3−ノネナール(HNE)及び1,4−ジヒドロキシノネン(DHN)から選択されることを特徴とする方法。
  27. 請求項23に記載の方法において、前記哺乳動物がヒトであることを特徴とする方法。
  28. 哺乳動物の心疾患又はそのリスクを診断する方法において、
    (a)HNEタンパク質チオエーテル付加体とDHNタンパク質チオエーテル付加体を具える生物試料を哺乳動物から取得するステップと;
    (b)前記生物試料中のHNEタンパク質チオエーテル付加体とDHNタンパク質チオエーテル付加体の量を測定するステップと;
    (c)HNEタンパク質チオエーテル付加体とDHNタンパク質チオエーテル付加体の存在量の割合が所定の割合より大きい場合に、心疾患又はそのリスクを有する前記哺乳動物を診断するステップと;
    を具えることを特徴とする方法。
  29. 請求項28に記載の方法において、前記心疾患又はそのリスク因子が、高血圧、インスリン耐性、高血糖症、脂質異常症、拡張機能障害、心筋線維症、及び不整脈、心臓肥大、頻拍、糖尿病、肥満及びメタボリック・シンドロームから選択されることを特徴とする方法。
  30. 請求項28に記載の方法において、前記哺乳動物がヒトであることを特徴とする方法。
  31. 生物試料を使用して酸化ストレスに関する事象を検出するキットにおいて、前記生物試料は、全血及び血液派生物から選択され、アルデヒドを具えるものであり、当該キットが:
    (a)前記アルデヒドをアルコールに安定させるための安定反応剤と;
    (b)前記安定化したアルコールと特に結合する抗体と;
    を具えることを特徴とするキット。
  32. 請求項31に記載のキットにおいて、前記安定反応剤が、前記アルデヒドをアルコールに変換するのに適していることを特徴とするキット。
  33. 請求項32に記載のキットにおいて、前記安定反応剤が、NaB及びNaBの一方を含むことを特徴とするキット。
  34. ヒト対象の心疾患の進行を遅らせる又は止める方法において:
    (a)請求項28に記載の方法に従って、ヒト対象の心疾患又はそのリスクを診断するステップと;
    (b)心疾患の進行を遅らせる又は止めるために知られている所定の処置を施すステップと;
    を具えることを特徴とする方法。
  35. 請求項34に記載の方法において、前記所定の処置が、治療的に有効量のプロブコールを投与するステップを具えることを特徴とする方法。
  36. 請求項34に記載の方法において、前記所定の処置が、心疾患の進行を遅らせる又は止めるために有効な運動プログラムを推奨するステップを具えることを特徴とする方法。
  37. 請求項34に記載の方法において、前記所定の処置を施すステップが、心疾患の進行を遅らせる又は止めるために有効な治療食を与えるステップとを具えることを特徴とする方法。
  38. ヒト対象の所定の処置に対する心疾患の進行の反応を評価する方法において:
    (a)アルデヒド代謝産物タンパク付加体を具える生物試料を哺乳動物から取得するステップと;
    (b)前記試料中の前記アルデヒド代謝産物タンパク付加体の量を測定するステップと;
    (c)前記試料中の前記アルデヒド代謝産物タンパク付加体の前記測定量に基づいて、所定の処置に対する心疾患の進行の反応を評価するステップとを具える;
    ことを特徴とする方法。
  39. 請求項38に記載の方法において、前記所定の処置に対する前記心疾患の進行の前記反応を評価するステップが、提案された処置の起こりうる結果を評価するステップを具えることを特徴とする方法。
  40. 請求項38に記載の方法において、前記所定の処置に対する前記心疾患の進行の前記反応を評価するステップが、前記所定の処置に応じて前記心疾患の前記進行を評価するステップを具えることを特徴とする方法。
  41. 哺乳動物の酸化損傷の累積記録を決定する方法において:
    (a)血液試料がアルデヒド代謝産物タンパク付加体を具える血液試料を哺乳動物から取得するステップと;
    (b)請求項1に記載の方法に従って測定された前記アルデヒド代謝産物の量に基づいて、前記血液試料を使用して酸化ストレスレベルを検出するステップと;
    (c)前記血液試料中で測定されたアルデヒド代謝産物の量及び前記アルデヒド代謝産物の所定の基準量を使用して、前記哺乳動物の酸化損傷の累積記録を決定するステップと;
    を具えることを特徴とする方法。
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