JP2009512707A - チロシンキナーゼインヒビター - Google Patents

チロシンキナーゼインヒビター Download PDF

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Abstract

本発明は、細胞増殖性疾患を治療するために、MET活性と関係する疾患を治療するために、また受容体チロシンキナーゼMETを阻害するために、有用なピリド[3,2−c]ベンズアゾシノン化合物及び関連化合物に関する。本発明はまたこれらの化合物を含有してなる組成物、及び哺乳動物における癌の治療にこれらを用いる方法に関する。

Description

本発明は、チロシンキナーゼインヒビター、とりわけ、受容体チロシンキナーゼMETのインヒビターであり、細胞増殖性疾患、例えば、癌、過形成、再狭窄、心臓肥大、免疫障害及び炎症の治療に有用なピリド[3,2−c]ベンズアゾシノン化合物及び関連化合物に関する。
シグナル伝達経路に関する研究により、癌治療における治療的阻害のための種々有望な分子標的が判明してきた。受容体チロシンキナーゼ(RTK)は、かかる治療標的の重要なクラスの代表である。最近、METプロト癌遺伝子ファミリーのメンバー(受容体チロシンキナーゼのサブファミリー)が、浸潤(invasion)と転移の間の関連で特別の注目を集めている。MET(cMETともいう)及びRON受容体を含むMETファミリーは、殆どのチロシンキナーゼと同様に癌遺伝子として機能することができる。METは様々な悪性腫瘍で過剰発現し、及び/又は変異していることが示されてきた。多数のMET活性化突然変異(その多くはチロシンキナーゼドメインに位置している)が、様々な固形腫瘍で検出されており、腫瘍細胞の浸潤と転移に関係があるとされてきた。
c−Metプロト癌遺伝子は、MET受容体チロシンキナーゼをエンコードする。MET受容体は、145kDaのベータ鎖にジスルフィド結合する50kDaのアルファ鎖から構成される、190kDaのグリコシル化二量体複合体である。アルファ鎖は細胞外に見出されるが、一方、ベータ鎖は細胞外膜貫通及び細胞質ドメインを含む。METは前駆体として合成され、タンパク分解的に切断されて、成熟アルファ及びベータサブユニットを生成する。これは細胞−細胞相互作用に関与するリガンド−受容体ファミリーであるセマフォリンとプレキシンに構造的類似性を示す。
METの天然リガンドは、肝細胞増殖因子(HGF)、即ち、細胞分散因子ファミリーのジスルフィド結合ヘテロ二量体メンバーであって、間葉細胞によって優先的に産生されるものであり、それは、MET−発現上皮細胞及び内皮細胞上、内分泌及び/又はパラ内分泌様式で主として作用する。HGFはプラスミノーゲンとある種の相同性を有する。
肝細胞増殖因子(細胞分散因子、HGF/SFとしても知られる)を介してのMETの刺激が、過剰の細胞の生物学的及び生化学的作用を生じることは既知である。c−Metシグナル伝達の活性化が、幅広い一連の細胞性応答、例えば、増殖、生存、血管形成、創傷治癒、組織再生、細胞分散、運動性、浸潤及び分枝形態発生などにつながり得る。HGF/METシグナル伝達はまた、軟骨、骨、血管、及び神経などの殆どの組織に見出される浸潤性増殖において、主要な役割を演じる。
種々のc−Met突然変異が、多様な固形腫瘍及びある種の血液学的悪性腫瘍によく書き込まれている。プロトタイプのc−Met突然変異の例は、遺伝及び散発性ヒト乳頭状腎癌に見られる(Schmidt,L.et al., Nat.Tenet.1997,16,68−73;Jeffers,M.et al.,Proc.Nat.Acad.Sci.1997,94,11445−11500)。c−Met突然変異の他の報告例は、卵巣癌、小児期肝細胞癌、転移性頭頚部扁平上皮癌及び胃癌などである。HGF/METは、頭頚部扁平上皮癌細胞においてアノイキス、即ち、懸濁液誘発のプログラムされた細胞死(アポトーシス)を阻害することが示されてきた。
METシグナル伝達は種々の癌、とりわけ、腎癌に関係があるとされる。METと結腸直腸癌との関係もまた証明されてきた。結腸直腸癌進行に際してc−Met発現を分析すると、隣接する正常結腸粘膜と比べて、分析した癌標本の50%が5〜50倍高いレベルのMETmRNA転写産物及びタンパク質を発現していることが示された。さらに、一次腫瘍と比較した場合、結腸直腸癌からの肝臓転移は、その70%がMETを過剰発現していることを示した。
METはグリア芽細胞腫にも関係している。高度の悪性グリオーマは、中枢神経系のもっとも一般的な癌である。外科的切除、放射線療法、及び化学療法での治療にもかかわらず、全生存率の平均は1.5年未満であり、3年を超えて生存する患者は殆どいない。ヒトの悪性グリオーマはしばしばHGFとMETの両方を発現するが、これらは生物学的に重要な自己分泌ループを確立し得る。グリオーマのMET発現は、グリオーマの等級と相関し、ヒトの腫瘍標本を分析すると、悪性のグリオーマは低等級のグリオーマよりも7倍高いHGF含量を有することが示された。多くの研究が、ヒトのグリオーマがしばしばHGFとMETを同時に発現すること、また高レベルの発現が悪性の進行と関連のあることを示してきた。さらに、HGF−METがインビトロとインビボの両方で、Aktを活性化し、グリオーマ細胞株をアポトーシス死から保護し得ることを示した。
RONはMETと類似の構造、生化学的特徴、及び生物学的性質を共有する。研究では、乳癌と結腸直腸腺癌のかなりの割合でRONが過剰発現しているが、正常な乳房上皮又は良性の病巣では発現していないことが示されてきた。交差結合実験では、RONとMETが細胞表面上で非共有結合複合体を形成し、細胞内シグナル伝達で協力し合っていることが示されてきた。RON及びMET遺伝子は、卵巣癌細胞の運動と浸潤に際して、有意に同時発現される。このことは、これら2つの関連する受容体の同時発現が、腫瘍の発生又は進行に際して、卵巣の癌細胞に選択的有利性を付与している可能性のあることを示唆している。
METと癌遺伝子としてのその機能に関する多数の総説が、最近、出版されている:Cancer and Metastasis Review 22:309−325(2003);Nature Reviews/Molecular Cell Biology 4:915−925(2003);Nature Reviews/Cancer 2:289−300(2002)。
HGF/METシグナル伝達の異常調節が、多くの腫瘍において、腫瘍の発生と疾患進行の因子として関係するとされているため、この重要なRTK分子の治療的阻害のために異なる戦略を検討すべきである。HGF/METシグナル伝達及びRON/METシグナル伝達に対する特異的な低分子インヒビターは、Met活性が浸潤/転移表現型に寄与する癌の治療のために、重要な治療的価値を有する。
発明の要旨
本発明は、細胞増殖性疾患の治療にとって、MET活性と関連する疾患の治療にとって、また受容体チロシンキナーゼMETの阻害にとって、有用な5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン誘導体に関する。本発明化合物は式I:
Figure 2009512707
により示し得る。

発明の詳細な説明
本発明化合物はチロシンキナーゼの阻害、特に、受容体チロシンキナーゼMETの阻害に有用であり、式I:
Figure 2009512707
[式中、
A及びDは独立して、−NR10−及び−CR−から選択されるが、ただし、Aが−NR10−である場合、Dは−CR−であり、そして、Dが−NR10−である場合、Aは−CR−であり;
E、G、J及びLは独立して、−NR10−及び−CR−から選択されるが、ただし、E、G、J及びLのうち、2つを限度として−NR10−であり;
Mは、−CR−、−C(=O)−、−C(=N−OR)−、−NR10C(=O)−及び−C(=O)NR10−から選択されるが、ただし、Mが−CR−、−C(=O)−又は−C(=N−OR)−である場合、A及びDのうち、1つはNR10−であり;
QはN及び−CR−から選択され;
破線は任意の二重結合を表し;
aは独立して、0又は1であり;
bは独立して、0又は1であり;
mは独立して、0、1又は2であり;
は、ハロゲン、アリール、ヘテロ環、−O−C1−6アルキル及びNR1011から選択され、当該アルキル、アリール及びヘテロ環基は1個ないし5個の置換基により置換されていてもよく、各置換基は独立してRから選択され;
及びRは独立して、水素、OH、−O−C1−6アルキル、−O−C(=O)C1−6アルキル、−O−アリール及びNR1011から選択され、各アルキル及びアリールは1個ないし5個の置換基により置換されていてもよく、各置換基は独立してRから選択され;
及びRはそれぞれ独立して、水素、C1−6アルキル、OH、−O−C1−6アルキル、−O−C(=O)C1−6アルキル、−O−アリール、S(O)mR及びNR1011から選択され、各アルキル及びアリールは1個ないし5個の置換基により置換されていてもよく、各置換基は独立してRから選択され;
は、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、OH、−O−C1−6アルキル、−O−C(=O)C1−6アルキル、−O−アリール、S(O)mR、−C(=O)NR1011、−NHS(O)NR1011及びNR1011から選択され、各アルキル、アルケニル、アルキニル及びアリールは1個ないし5個の置換基により置換されていてもよく、各置換基は独立してRから選択され;
は独立して:
1) (C=O)aObC−C10アルキル、
2) (C=O)aObアリール、
3) C−C10アルケニル、
4) C−C10アルキニル、
5) (C=O)aObヘテロシクリル、
6) COH、
7) ハロ、
8) CN、
9) OH、
10) ObC−Cペルフルオロアルキル、
11) Oa(C=O)bNR1011
12) S(O)mR
13) S(O)NR1011
14) OS(=O)R
15) オキソ、
16) CHO、
17) (N=O)R1011
18) (C=O)aObC−Cシクロアルキル、
19) ObSiR 、又は
20) NO
であり、当該アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、及びシクロアルキルはRから選択される1個、2個又は3個の置換基により置換されていてもよく;
2個のRは、同じ炭素原子に結合するとき、一緒になって、−(CH)u−(ここで、uは3ないし6であり、また炭素原子の1個又は2個は、O、S(O)m、−N(R)C(O)−、−N(R)−及び−N(COR)−から選択される基と置き換わってもよい)を形成し;
は独立して:
1) (C=O)aOb(C−C10)アルキル、
2) Ob(C−C)ペルフルオロアルキル、
3) オキソ、
4) OH、
5) ハロ、
6) CN、
7) (C−C10)アルケニル、
8) (C−C10)アルキニル、
9) (C=O)aOb(C−C)シクロアルキル、
10) (C=O)aOb(C−C)アルキレン−アリール、
11) (C=O)aOb(C−C)アルキレン−ヘテロシクリル、
12) (C=O)aOb(C−C)アルキレン−N(R
13) C(O)R
14) (C−C)アルキレン−CO
15) C(O)H、
16) (C−C)アルキレン−COH、
17) C(O)N(R
18) S(O)mR、及び
19) S(O)NR1011
から選択され、当該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール及びヘテロシクリルはR、OH、(C−C)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C−Cアルキル、オキソ、及びN(Rから選択される1個、2個又は3個の置換基により置換されていてもよく;又は
2個のRは、同じ炭素原子に結合するとき、一緒になって、−(CH)u−(ここで、uは3ないし6であり、また炭素原子の1個又は2個は、O、S(O)m、−N(R)C(O)−、−N(R)−及び−N(COR)−から選択される基と置き換わってもよい)を形成し;
10及びR11は独立して:
1) H
2) (C=O)ObC−C10アルキル、
3) (C=O)ObC−Cシクロアルキル、
4) (C=O)Obアリール、
5) (C=O)Obヘテロシクリル、
6) C−C10アルキル、
7) アリール、
8) C−C10アルケニル、
9) C−C10アルキニル、
10) ヘテロシクリル、
11) C−Cシクロアルキル、
12) SO、及び
13) (C=O)NR
から選択され、当該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アルケニル、及びアルキニルはRから選択される1個、2個又は3個の置換基により置換されていてもよいか、又は
10及びR11はそれらが結合する窒素と一緒になって、該窒素に加えて、N、O及びSから選択される1個又は2個の追加のヘテロ原子を含んでいてもよい、各環5〜7員の単環状又は二環状へテロ環を形成してもよく、当該単環状又は二環状へテロ環はRから選択される1個、2個又は3個の置換基により置換されていてもよく;
は独立して、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)シクロアルキル、アリール、−(C−C)アルキレンアリール、ヘテロシクリル及び−(C−C)アルキレンヘテロシクリルから選択され;
は独立して、H、(C−C)アルキル、アリール、−(C−C)アルキレンアリール、ヘテロシクリル、−(C−C)アルキレンヘテロシクリル、(C−C)シクロアルキル、(C=O)OC−Cアルキル、(C=O)C−Cアルキル又はS(O)から選択され;及び、
は独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)シクロアルキル、アリール、−(C−C)アルキレンアリール、ヘテロシクリル及び−(C−C)アルキレンヘテロシクリルから選択される]
で示される化合物又は医薬的に許容されるその塩若しくは立体異性体により表される。
本発明の別の実施態様は式I:
Figure 2009512707
[式中、
A及びDは独立して、−NR10−及び−CR−から選択されるが、ただし、Aが−NR10−である場合、Dは−CR−であり、そして、Dが−NR10−である場合、Aは−CR−であり;
E、G、J及びLは独立して、−NR10−及び−CR−から選択されるが、ただし、E、G、J及びLのうち、1つを限度として−NR10−であり;
Mは、−CR−、−C(=O)−、−C(=N−OR)−、−NR10C(=O)−及び−C(=O)NR10−から選択されるが、ただし、Mが−CR−、−C(=O)−又は−C(=N−OR)−である場合、A及びDのうち、1つはNR10−であり;
QはN及び−CR−から選択され;
破線は任意の二重結合を表し;
aは独立して、0又は1であり;
bは独立して、0又は1であり;
mは独立して、0、1又は2であり;
は、ハロゲン、アリール、ヘテロ環及びNR1011から選択され、当該アリール及びヘテロ環基は1個ないし5個の置換基により置換されていてもよく、各置換基は独立してRから選択され;
及びRは独立して、水素、OH、−O−C1−6アルキル、−O−C(=O)C1−6アルキル、−O−アリール及びNR1011から選択され、各アルキル及びアリールは1個ないし5個の置換基により置換されていてもよく、各置換基は独立してRから選択され;
及びRはそれぞれ独立して、水素及びC1−6アルキルから選択され、各アルキルは1個ないし5個の置換基により置換されていてもよく、各置換基は独立してRから選択され;
は、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、OH、−O−C1−6アルキル、−O−C(=O)C1−6アルキル、−O−アリール、S(O)mR、−C(=O)NR1011、−NHS(O)NR1011及びNR1011から選択され、各アルキル、アルケニル、アルキニル及びアリールは1個ないし5個の置換基により置換されていてもよく、各置換基は独立してRから選択され;
は独立して:
1) (C=O)aObC−C10アルキル、
2) (C=O)aObアリール、
3) C−C10アルケニル、
4) C−C10アルキニル、
5) (C=O)aObヘテロシクリル、
6) COH、
7) ハロ、
8) CN、
9) OH、
10) ObC−Cペルフルオロアルキル、
11) Oa(C=O)bNR1011
12) S(O)mR
13) S(O)NR1011
14) OS(=O)R
15) オキソ、
16) CHO、
17) (N=O)R1011
18) (C=O)aObC−Cシクロアルキル、
19) ObSiR 、又は
20) NO
であり、当該アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、及びシクロアルキルはRから選択される1個、2個又は3個の置換基により置換されていてもよく;
2個のRは、同じ炭素原子に結合するとき、一緒になって、−(CH)u−(ここで、uは3ないし6であり、また炭素原子の1個又は2個は、O、S(O)m、−N(R)C(O)−、−N(R)−及び−N(COR)−から選択される基と置き換わってもよい)を形成し;
は独立して:
1) (C=O)aOb(C−C10)アルキル、
2) Ob(C−C)ペルフルオロアルキル、
3) オキソ、
4) OH、
5) ハロ、
6) CN、
7) (C−C10)アルケニル、
8) (C−C10)アルキニル、
9) (C=O)aOb(C−C)シクロアルキル、
10) (C=O)aOb(C−C)アルキレン−アリール、
11) (C=O)aOb(C−C)アルキレン−ヘテロシクリル、
12) (C=O)aOb(C−C)アルキレン−N(R
13) C(O)R
14) (C−C)アルキレン−CO
15) C(O)H、
16) (C−C)アルキレン−COH、
17) C(O)N(R
18) S(O)mR、及び
19) S(O)NR1011
から選択され、当該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、及びヘテロシクリルはR、OH、(C−C)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C−Cアルキル、オキソ、及びN(Rから選択される1個、2個又は3個の置換基により置換されていてもよく;又は
2個のRは、同じ炭素原子に結合するとき、一緒になって、−(CH)u−(ここで、uは3ないし6であり、また炭素原子の1個又は2個は、O、S(O)m、−N(R)C(O)−、−N(R)−及び−N(COR)−から選択される基と置き換わってもよい)を形成し;
10及びR11は独立して:
1) H
2) (C=O)ObC−C10アルキル、
3) (C=O)ObC−Cシクロアルキル、
4) (C=O)Obアリール、
5) (C=O)Obヘテロシクリル、
6) C−C10アルキル、
7) アリール、
8) C−C10アルケニル、
9) C−C10アルキニル、
10) ヘテロシクリル、
11) C−Cシクロアルキル、
12) SO、及び
13) (C=O)NR
から選択され、当該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アルケニル、及びアルキニルはRから選択される1個、2個又は3個の置換基により置換されていてもよいか、又は
10及びR11はそれらが結合する窒素と一緒になって、該窒素に加えて、N、O及びSから選択される1個又は2個の追加のヘテロ原子を含んでいてもよい、各環5〜7員の単環状又は二環状へテロ環を形成してもよく、当該単環状又は二環状へテロ環はRから選択される1個、2個又は3個の置換基により置換されていてもよく;
は独立して、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)シクロアルキル、アリール、−(C−C)アルキレンアリール、ヘテロシクリル及び−(C−C)アルキレンヘテロシクリルから選択され;
は独立して、H、(C−C)アルキル、アリール、−(C−C)アルキレンアリール、ヘテロシクリル、−(C−C)アルキレンヘテロシクリル、(C−C)シクロアルキル、(C=O)OC−Cアルキル、(C=O)C−Cアルキル又はS(O)から選択され;及び、
は独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)シクロアルキル、アリール、−(C−C)アルキレンアリール、ヘテロシクリル及び−(C−C)アルキレンヘテロシクリルから選択される]
で示される化合物又は医薬的に許容されるその塩もしくは立体異性体により表される。
本発明の別の実施態様は式II:
Figure 2009512707
[式中、
E、G、J及びLは独立して、−NR10−及び−CR−から選択されるが、ただし、E、G、J及びLのうち、1つを限度として−NR10−であり;
Y及びZは独立して、−C(=O)−及びNH−から選択されるが、ただし、Yが−C(=O)−である場合、Zは−NH−であり、Zが−C(=O)−である場合、Yは−NH−であり;
aは独立して、0又は1であり;
bは独立して、0又は1であり;
mは独立して、0、1又は2であり;
は、ハロゲン、アリール、ヘテロ環及びNR1011から選択され、当該アリール及びヘテロ環基は1個ないし5個の置換基により置換されていてもよく、各置換基は独立してRから選択され;
は、水素及びC1−6アルキルから選択され、各アルキルは1個ないし5個の置換基により置換されていてもよく、各置換基は独立してRから選択され;
は、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、OH、−O−C1−6アルキル、−O−C(=O)C1−6アルキル、−O−アリール、S(O)mR及びNR1011から選択され、各アルキル及びアリールは1個ないし5個の置換基により置換されていてもよく、各置換基は独立してRから選択され;
は独立して:
1) (C=O)aObC−C10アルキル、
2) (C=O)aObアリール、
3) C−C10アルケニル、
4) C−C10アルキニル、
5) (C=O)aObヘテロシクリル、
6) COH、
7) ハロ、
8) CN、
9) OH、
10) ObC−Cペルフルオロアルキル、
11) Oa(C=O)bNR1011
12) S(O)mR
13) S(O)NR1011
14) OS(=O)R
15) オキソ、
16) CHO、
17) (N=O)R1011
18) (C=O)aObC−Cシクロアルキル、又は
19) ObSiR
であり、当該アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、及びシクロアルキルはRから選択される1個、2個又は3個の置換基により置換されていてもよく;
2個のRは、同じ炭素原子に結合するとき、一緒になって、−(CH)u−(ここで、uは3ないし6であり、また炭素原子の1個又は2個は、O、S(O)m、−N(R)C(O)−、−N(R)−及び−N(COR)−から選択される基と置き換わってもよい)を形成し;
は独立して:
1) (C=O)aOb(C−C10)アルキル、
2) Ob(C−C)ペルフルオロアルキル、
3) オキソ、
4) OH、
5) ハロ、
6) CN、
7) (C−C10)アルケニル、
8) (C−C10)アルキニル、
9) (C=O)aOb(C−C)シクロアルキル、
10) (C=O)aOb(C−C)アルキレン−アリール、
11) (C=O)aOb(C−C)アルキレン−ヘテロシクリル、
12) (C=O)aOb(C−C)アルキレン−N(R
13) C(O)R
14) (C−C)アルキレン−CO
15) C(O)H、
16) (C−C)アルキレン−COH、
17) C(O)N(R
18) S(O)mR、及び
19) S(O)NR1011
から選択され、当該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、及びヘテロシクリルはR、OH、(C−C)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C−Cアルキル、オキソ、及びN(Rから選択される1個、2個又は3個の置換基により置換されていてもよく;又は
2個のRは、同じ炭素原子に結合するとき、一緒になって、−(CH)u−(ここで、uは3ないし6であり、また炭素原子の1個又は2個は、O、S(O)m、−N(R)C(O)−、−N(R)−及び−N(COR)−から選択される基と置き換わってもよい)を形成し;
10及びR11は独立して:
1) H
2) (C=O)ObC−C10アルキル、
3) (C=O)ObC−Cシクロアルキル、
4) (C=O)Obアリール、
5) (C=O)Obヘテロシクリル、
6) C−C10アルキル、
7) アリール、
8) C−C10アルケニル、
9) C−C10アルキニル、
10) ヘテロシクリル、
11) C−Cシクロアルキル、
12) SO、及び
13) (C=O)NR
から選択され、当該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アルケニル、及びアルキニルはRから選択される1個、2個又は3個の置換基により置換されていてもよいか、又は
10及びR11はそれらが結合する窒素と一緒になって、該窒素に加えて、N、O及びSから選択される1個又は2個の追加のヘテロ原子を含んでいてもよい、各環5〜7員の単環状又は二環状へテロ環を形成してもよく、当該単環状又は二環状へテロ環はRから選択される1個、2個又は3個の置換基により置換されていてもよく;
は独立して、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)シクロアルキル、アリール、−(C−C)アルキレンアリール、ヘテロシクリル及び−(C−C)アルキレンヘテロシクリルから選択され;
は独立して、H、(C−C)アルキル、アリール、−(C−C)アルキレンアリール、ヘテロシクリル、−(C−C)アルキレンヘテロシクリル、(C−C)シクロアルキル、(C=O)OC−Cアルキル、(C=O)C−Cアルキル又はS(O)から選択され;及び、
は独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)シクロアルキル、アリール、−(C−C)アルキレンアリール、ヘテロシクリル及び−(C−C)アルキレンヘテロシクリルから選択される]
で示される化合物又は医薬的に許容されるその塩により表される。
本発明化合物の具体例は:
8−アミノ−3−フェニルピリド[3,2−c][2]ベンズアゾシン−6(5H)−オン
8−アミノ−3−フェニルピリド[3,2−c][1]ベンズアゾシン−5(6H)−オン
又は医薬的に許容されるその塩である。
本発明の化合物は、不斉中心、キラル軸及びキラル面を有し(記載例:E.L.Eliel and S.H.Wilen,Stereochemistry of Carbon Compounds(炭素化合物の立体化学),John Wiley & Sons,New York,1994,pages 1119−1190)、ラセミ体、ラセミ混合物、及び個々のジアステレオマーとして存在し、そのすべての可能な異性体及びその混合物など、光学異性体を含め、かかる立体異性体のすべてが本発明に包含される。さらに、本明細書に開示した化合物は、互変異性体として存在してもよく、たとえ一方の互変異性体構造しか記載されていなくても、両方の互変異性体形状が本発明の範囲に包含されるものとする。
いずれかの変数(例えば、R、R,Rなど)が、いずれかの構成要件中に一度ならず出現する場合、各出現に際しての定義は、その出現ごとに独立したものである。また、置換基と変数の組み合わせは、かかる組合せが安定な化合物を生じる場合にのみ許容される。置換基から環系に引いた線は、そこに示した結合が置換可能な環原子のいずれかに結合し得ることを表す。環系が多環式である場合は、近位の環のみの適切な炭素原子のいずれかに結合が付着しているものとする。
本発明化合物上の置換基と置換パターンは、当業者が選択し、化学的に安定で、また容易に入手し得る出発原料から、当該技術分野で既知の方法並びに下記に提示する方法により容易に合成し得る化合物を提供し得るものであると理解される。置換基がそれ自体1個を超える基により置換されている場合、安定な構造が結果として生じる限り、それら複数の基は同じ炭素上にあってもよいし、異なる炭素上にあってもよいと理解される。“1個以上の置換基により置換されていてもよい”という文言は、“少なくとも1個の置換基により置換されていてもよい”という文言と同等であると解釈すべきであり、そのような場合、別の実施態様では、0ないし3個の置換基を有する。
本明細書にて使用する場合、「アルキル」は特定数の炭素原子を有する分枝及び直鎖の飽和脂肪族炭化水素基を含むものとする。例えば、「C−C10アルキル」におけるC−C10は、直線状又は分枝状の配列の1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の炭素を有する基を包含すると定義する。例えば、「C−C10アルキル」は、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、i−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどである。用語「シクロアルキル」は特定数の炭素原子を有する単環式の飽和脂肪族炭化水素基を意味する。例えば、「シクロアルキル」はシクロプロピル、メチル−シクロプロピル、2,2−ジメチル−シクロブチル、2−エチル−シクロペンチル、シクロヘキシルなどを包含する。本発明の一実施態様において、「シクロアルキル」は上に記載した基を含み、さらに単環式不飽和の脂肪族炭化水素基を含む。例えば、本実施態様に定義した「シクロアルキル」は、シクロプロピル、メチル−シクロプロピル、2,2−ジメチル−シクロブチル、2−エチル−シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンテニル、シクロブテニルなどを包含する。
用語「アルキレン」は、特定数の炭素原子を有する炭化水素二価基を意味する。例えば、「アルキレン」は−CH−、−CHCH−などを包含する。
「C−Cアラルキル」及び「C−Cへテロアラルキル」という用語で使用する場合、「C−C」という用語はその基のアルキル部分についていい、その基のアリール及びヘテロアリール部分の原子数を記載するものではない。
「アルコキシ」は、酸素架橋を介して結合する指定した炭素原子数の環式又は非環式アルキル基を表す。従って、「アルコキシ」は上記のアルキルとシクロアルキルの定義を包含する。
炭素原子数が特定されていない場合、「アルケニル」という用語は、2ないし10個の炭素原子と少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む直鎖、分枝又は環状の非芳香族炭化水素基をいう。好ましくは、1つの炭素−炭素二重結合が存在し、また4つまでの非芳香族炭素−炭素二重結合が存在してもよい。従って、「C−Cアルケニル」とは、2ないし6個の炭素原子を有するアルケニル基を意味する。アルケニル基は、エテニル、プロペニル、ブテニル、2−メチルブテニル及びシクロヘキセニルを包含する。アルケニル基の直鎖、分枝又は環状部分は、二重結合を含んでもよく、また置換基を有するアルケニル基が指示されている場合には、置換されていてもよい。
「アルキニル」という用語は、2ないし10個の炭素原子と少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含む直鎖、分枝もしくは環状の炭化水素基をいう。3個までの炭素−炭素三重結合が存在してもよい。従って、「C−Cアルキニル」とは2ないし6個の炭素原子を有するアルキニル基を意味する。アルキニル基はエチニル、プロピニル、ブチニル、3−メチルブチニルなどを包含する。アルキニル基の直鎖、分枝もしくは環状の部分は三重結合を含んでもよく、また置換アルキニル基が指示されているならば、置換されていてもよい。
場合によっては、置換基は例えば(C−C)アルキレン−アリールなどのように、ゼロを含む範囲の炭素数で定義してもよい。もしアリールがフェニルであるとするならば、この定義にはフェニルそれ自体、並びに−CHPh、−CHCHPh、CH(CH)CHCH(CH)Phなどを包含する。
本明細書にて使用する場合、「アリール」は、各環7個までの原子を有する、安定な単環式又は二環式の炭素環であって、少なくとも1つの環が芳香族である環を意味するものとする。かかるアリール基の例は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル及びビフェニルなどである。アリール置換基が二環式であり、1つの環が非芳香族である場合、その結合は芳香環を介するものと理解される。
ヘテロアリールという用語は、本明細書にて使用する場合、各環7個までの原子を有する、安定な単環式又は二環式の環であって、少なくとも1つの環が芳香族であり、かつO、N及びSからなる群より選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む環を表す。この定義の範囲内のヘテロアリール基は、限定されるものではないが、アクリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、キノキサリニル、ピラゾリル、インドリル、ベンゾトリアゾリル、フラニル、チエニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、テトラヒドロキノリンなどである。下記へテロ環の定義と同様に、「ヘテロアリール」とはまた含窒素へテロアリールのN−オキシド誘導体も包含すると理解される。ヘテロアリール置換基が二環式であり、環の1つが非芳香族であるか又はヘテロ原子を含まない場合、結合はそれぞれ芳香環又はヘテロ原子含有環を介するものと理解される。
用語「ヘテロ環(ヘテロサイクル)」又は「ヘテロシクリル」とは、本明細書にて使用する場合、O、N及びSからなる群より選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む3員ないし10員の芳香族又は非芳香族へテロ環を意味するものとし、二環式基を包含する。従って、「ヘテロシクリル」は、上記のヘテロアリール、並びにそのジヒドロ及びテトラヒドロ類似体を包含する。さらに、「ヘテロシクリル」の例は、限定されるものではないが、以下のものを包含する:アゼチジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、カルバゾリル、カルボリニル、シンノリニル、フラニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、インドラジニル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ナフトピリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、オキサゾリン、イソキサゾリン、オキセタニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドピリジニル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラゾリル、テトラゾロピリジル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、1,4−ジオキサニル、ヘキサヒドロアゼピニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピリジン−2−オニル、ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロフラニル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロイソチアゾリル、ジヒドロオキサジアゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロテトラゾリル、ジヒドロチアジアゾリル、ジヒドロチアゾリル、ジヒドロチエニル、ジヒドロトリアゾリル、ジヒドロアゼチジニル、メチレンジオキシベンゾイル、テトラヒドロフラニル、及びテトラヒドロチエニル、並びにそのN−オキシド。ヘテロシクリル置換基の結合は炭素原子を介して、又はヘテロ原子を介して起こり得る。
一実施態様において、用語「ヘテロ環(ヘテロサイクル)」又は「ヘテロシクリル」とは、本明細書にて使用する場合、O、N及びSからなる群より選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む5員ないし10員の芳香族又は非芳香族へテロ環を意味するものとし、二環式基を包含する。従って、この実施態様において、「ヘテロシクリル」は、上記のヘテロアリール、並びにそのジヒドロ及びテトラヒドロ類似体を包含する。さらに、「ヘテロシクリル」の例は、限定されるものではないが、以下のものを包含する:ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、カルバゾリル、カルボリニル、シンノリニル、フラニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、インドラジニル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ナフトピリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、オキサゾリン、イソオキサゾリン、オキセタニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドピリジニル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラゾリル、テトラゾロピリジル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、アゼチジニル、1,4−ジオキサニル、ヘキサヒドロアゼピニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピリジン−2−オニル、ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロフラニル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロイソチアゾリル、ジヒドロオキサジアゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロテトラゾリル、ジヒドロチアジアゾリル、ジヒドロチアゾリル、ジヒドロチエニル、ジヒドロトリアゾリル、ジヒドロアゼチジニル、メチレンジオキシベンゾイル、テトラヒドロフラニル、及びテトラヒドロチエニル、並びにそのN−オキシド。ヘテロシクリル置換基の結合は炭素原子を介して、又はヘテロ原子を介して起こり得る。
別の実施態様において、ヘテロシクリルは、2−アゼピノン、ベンズイミダゾリル、2−ジアザピノン、イミダゾリル、2−イミダゾリジノン、インドリル、イソキノリニル、モルホリニル、ピペリジル、ピペラジニル、ピリジル、ピロリジニル、2−ピペリジノン、2−ピリミジノン、2−ピロリジノン、キノリニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、及びチエニルから選択される。
当業者も認識するように、「ハロ」又は「ハロゲン」とは、本明細書にて使用する場合、クロロ、フルオロ、ブロモ及びヨードを包含するものとする。
該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリル置換基は、他に特に断りのない限り、置換基を有していても、未置換であってもよい。例えば、(C−C)アルキルは、OH、オキソ、ハロゲン、アルコキシ、ジアルキルアミノ、又はヘテロシクリル(例えば、モルホリニル、ピペリジニルなど)から選択される1個、2個又は3個の置換基により置換されていてもよい。この場合、もし1個の置換基がオキソであり、他方がOHであるならば、以下のものがその定義に包含される:
―C=O)CHCH(OH)CH、−(C=O)OH、−CH(OH)CHCH(O)など。
定義として、同一炭素原子上の2個のR又は2個のRが一緒になって−(CH−を形成する場合、形成される基は以下の式で示される:
Figure 2009512707
さらに、かかる環状基は、1個又は2個のヘテロ原子を選択肢として含んでいてもよい。かかるヘテロ原子含有基の例は、限定されるものではないが、以下のとおりである。
Figure 2009512707
場合によっては、R10及びR11は、それらが結合する窒素と一緒になって、窒素に加えて、N、O及びSから選択される1個又は2個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい、各環が5〜7員の単環式又は二環式へテロ環を形成してもよいと定義されるものであり; 当該へテロ環は、Rから選択される1個以上の置換基により置換されていてもよい。このようにして形成され得るヘテロ環の例は、限定されるものではないが、以下のものであり、留意すべき点は、該へテロ環がRから選択される1個以上(別の実施態様では、1個、2個又は3個)の置換基により置換されていてもよいことである。
Figure 2009512707
式Iの下記部分:
Figure 2009512707
は、限定されるものではないが、以下の環系により説明される(以下の構造におけるC及びN原子上の置換基は、式Iの化合物における定義(例えば、R、R、R、R及びR10など)により示されているが、説明を単純化するために、下記では説明していないことに注意されたい):
Figure 2009512707
Figure 2009512707
式IIの下記部分:
Figure 2009512707
は、限定されるものではないが、以下の環系により説明される(以下の構造におけるC及びN原子上の置換基は、式IIの化合物における定義(例えば、R、R、R、R及びR10など)により示されているが、説明を単純化するために、下記では説明していないことに注意されたい):
Figure 2009512707
式IIで示される化合物の一実施態様において、その下記部分:
Figure 2009512707
は、以下の環系から選択される(以下の構造におけるC及びN原子上の置換基は、式IIの化合物における定義(例えば、R、R、R及びR10など)により示されているが、説明を単純化するために、下記では説明していないことに注意されたい):
Figure 2009512707
式IIで示される化合物のさらなる実施態様において、その下記部分:
Figure 2009512707
は、以下の環系から選択される(置換基Rの結合点が示されており、また他の置換基Rがすべて水素であることに注意されたい;以下の構造におけるC及びN原子上の置換基は、式IIの化合物における定義(例えば、R、R及びR10など)により示されているが、説明を単純化するために、下記では説明していないことに注意されたい):
Figure 2009512707
式Iで示される化合物の一実施態様において、破線は二重結合を示す。
式Iで示される化合物の一実施態様において、Rは、Cl、アリール、ヘテロ環、及びNR1011から選択され、当該アリール及びヘテロ環基は1個ないし5個の置換基により置換されていてもよく、各置換基は独立してRから選択される。式Iで示される化合物のさらなる実施態様において、Rはアリール、ヘテロ環、及びNR1011から選択される;当該アリール及びヘテロ環基は1個ないし5個の置換基により置換されていてもよく、各置換基は独立してRから選択される。式I及び(II)で示される化合物の別の実施態様において、Rはアリール及びヘテロ環から選択される;当該アリール及びヘテロ環基は1個ないし5個の置換基により置換されていてもよく、各置換基は独立してRから選択される。
式Iで示される化合物の一実施態様において、R及びRは水素である。
式Iで示される化合物の一実施態様において、R及びRは水素である。
式Iで示される化合物の一実施態様において、Rは水素、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、−O−C(=O)C1−6アルキル、−O−アリール、S(O)mR、−C(=O)NR1011、−NHS(O)NR1011及びNR1011から選択され、各アルキル及びアリールは1個ないし5個の置換基により置換されていてもよく、各置換基は独立してRから選択される。
本発明には、式Iで示される化合物の遊離型のもの、並びに医薬的に許容されるその塩及び立体異性体が包含される。本明細書に例示した具体的化合物の一部のものは、アミン化合物のプロトン付加塩である。用語「遊離型」とは、非塩型のアミン化合物をいう。包含される医薬的に許容される塩は、本明細書に記載した具体的化合物について例示した塩を包含するだけではなく、式Iで示される化合物の遊離型のものの典型的な医薬的に許容される塩のすべてを包含する。記載した具体的塩化合物の遊離型のものは、当該技術分野において既知の技術を用いて単離し得る。例えば、遊離型のものは、塩を希釈水性NaOH、炭酸カリウム、アンモニア及び重炭酸ナトリウムなどの適当な希釈塩基水溶液で処理することにより生成させ得る。遊離型のものは、特定の物理的性質(例えば、極性溶媒中での溶解性)において、そのそれぞれの塩型と幾分異なるが、本発明の目的にとっての酸塩及び塩基塩は、その他の点ではそれぞれの遊離型と医薬的に等価である。
本発明化合物の医薬的に許容される塩は、塩基性又は酸性基を含む本発明化合物から常套の化学的方法により合成することができる。一般に、塩基性化合物の塩は、イオン交換クロマトグラフィーによるか、又は遊離塩基を、化学当量もしくは過剰の所望とする塩形成性無機もしくは有機酸と適当な溶媒中又は様々な溶媒の組合わせ中で反応させることにより調製する。同様に、酸性化合物の塩は、適切な無機またな有機の塩基と反応させることにより形成する。
従って、本発明化合物の医薬的に許容される塩は、塩基性の本発明化合物と無機又は有機酸とを反応させることにより形成される、本発明化合物の通常の非毒性塩を包含する。例えば、通常の非毒性塩は、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などから誘導される塩、並びに有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ−安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸、トリフルオロ酢酸などから調製される塩を包含する。
本発明化合物が酸性である場合、適当な「医薬的に許容される塩」は、無機塩基及び有機塩基を含む医薬的に許容される非毒性塩基から調製される塩をいう。無機塩基から誘導される塩は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第一鉄、第二鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン塩、亜マンガン塩、カリウム、ナトリウム、亜鉛などの塩を包含する。特に好適な塩は、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム及びナトリウムの塩である。医薬的に許容される有機非毒性塩基から誘導される塩は、一級、二級及び三級のアミン、天然産置換アミンなどの置換アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタインカフェイン、コリン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどの塩を包含する。本発明化合物が酸性である場合、用語「遊離型」とは、酸性の機能としてなおプロトン化されるようなその非塩形状にある化合物をいう。
上記の医薬的に許容される塩及びその他の典型的な医薬的に許容される塩の調製については、文献(Berg et al.,“Pharmaceutical Salts(医薬用塩),”J.Pharm.Sci.,1977:66:1−19)により詳しい記載がある。
本発明化合物が潜在的に内部塩又は両性イオンであることも銘記される;その理由はその場合、生理条件下で、当該化合物の脱プロトンされた酸性基(例えば、カルボキシル基)がアニオン性であり得るし、またこの電荷が、プロトン化もしくはアルキル化された塩基性基(例えば、四級窒素原子など)のカチオン性電荷に対してバランスを欠く可能性があるからである。内部的に平衡電荷をもち、従って分子間対イオンと会合しない単離された化合物は、「遊離型」の化合物と考えてもよい。
反応工程図及び実施例に使用する一部の略号は、以下に定義のとおりである:
APCI 大気圧化学イオン化
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EtOAc 酢酸エチル
LCMS 液体クロマトグラフィー質量分析
MPLC 中圧液体クロマトグラフィー
NBS N−ブロモコハク酸アミド
TFA トリフルオロ酢酸
TFA トリフルオロ無水酢酸
本発明化合物は、文献上既知であるか、又は実験手順に例示した他の標準的操作法に加えて、以下の反応工程図に示す反応法を用いることにより、製造し得る。下記実例としての反応工程図は、従って、掲載した化合物によって、又は例証目的で用いた特定の置換基によって限定されるものではない。反応工程図に示す置換基の番号は、必ずしも請求項に使用した番号と相関しないし、また、しばしば明確にするために、複数の置換基が上記の式Iの定義のもとで可能な場合の化合物にも、単一の置換基が結合しているように示している。
反応工程図
環元素AがNである場合の本発明化合物の調製について、反応工程図Aにて説明する。従って、2−アミノニコチン酸はジアザイソクマリンA−1に変換する。引き続くインシチュー(in situ)で生成させたリチオ−アレン(lithio−arene)との環付加反応は、中間体/本発明化合物A−2を提供する。メトキシ基をトリフレートに変換し、次いでこれを保護アミンと置き換える。引き続き、左側の環のアリール化又はヘテロアリール化と、アミンの脱保護により、本発明化合物A−5とする。
反応工程図Bは、ピリジンなどのリチオ−ヘテロアレン(lithio−heteroarene)を使用して、本発明化合物の右側の環での窒素の取込みを説明する。
反応工程図Cは、環要素Mをアミド部分として有する本発明化合物の調製について説明する。このホモロゲーションは5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジンをヒドロキシルアミンC−1に変換することにより実施し、次いでこれをPPAで処理して転移させ、本発明化合物C−2及びC−3とする。
反応工程図Dに示すように、適宜置換された2−ブロモニコチンアルデヒドD−1とビニルトリフルオロボレートとのパラジウム媒介反応は、2−ビニルニコチンアルデヒドを提供する。適宜置換されたブロモピリジンとの反応は、アルコール中間体D−2を提供する。引き続く酸化反応と第二のビニル部分の取り込みにより、中間体D−3が与えられる。ルテニウム触媒メタセシスと、それに続く適宜置換されたアリールボロン酸との反応により、中間体化合物D−4が与えられる。中間体D−4は、すでに記載したように、環ホモロゲーションアミドに変換することができる。
反応工程図E、F及びGは、反応工程図Dでその調製を説明した化合物の位置異性体アナログの合成に有用な中間体の調製について説明する。従って、反応工程図Eは、同様の一連の反応により、変数GがNである中間体化合物の調製について説明する。この反応工程図は右側の環の官能基化をも説明する。反応工程図Fは、同様の一連の反応により、別の位置異性体シリーズ(この場合、LはNである)の中間体の調製について説明する。
反応工程図Gはすでに記載した合成に類似の合成ルートで、QがNである中間体の調製について説明する。
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用途
本発明化合物は、チロシンキナーゼ、特に、受容体チロシンキナーゼに結合させるために、及び/又はその活性を調節するために有用である。一実施態様において、受容体チロシンキナーゼはMETサブファミリーのメンバーである。さらなる実施態様において、METはヒトのMETであるが、他の生体からの受容体チロシンキナーゼの活性を本発明化合物により調節することも可能である。この文脈において、調節するとは、METのキナーゼ活性を増大又は低下させることを意味する。一実施態様において、本発明の化合物はMETのキナーゼ活性を阻害する。
本発明化合物は様々な用途で使用できることが判明している。当業者が認識しているように、METのキナーゼ活性は、種々の方法で調節し得る:すなわち、あるものはタンパク質の最初のリン酸化を調節することにより、又はタンパク質の他の活性部位の自己リン酸化を調節することにより、METのリン酸化/活性化に影響を与えることができる。あるいは、METのキナーゼ活性は、METリン酸化の基質の結合に影響を与えることにより調節され得る。
本発明化合物は細胞増殖性疾患の治療又は予防に使用される。本明細書に提供される方法及び組成物により治療し得る病状は、限定されるものではないが、癌(以下でさらに考察)、自己免疫疾患、関節炎、移植片拒絶反応、炎症性腸疾患、医療処置(例えば、限定されるものではないが、外科手術、血管形成術など)後に誘発される増殖などである。認識されることは、場合によっては、細胞が高−、又は低−増殖状態(異常状態)にはない可能性があっても、なお治療を必要とすることである。従って、一実施態様において、本明細書に記載の発明は、これらの疾患又は症状のいずれか一つに罹患しているか、又はいずれ罹患する可能性のある細胞又は個体への適用をも含む。
本明細書に提供される化合物、組成物及び方法は、皮膚、胸部、脳、子宮頸癌、睾丸癌などの固形腫瘍を含む癌の治療及び予防に特に有用であると考えられる。一実施態様において、本発明化合物は癌の治療に有用である。特に、本発明化合物、組成物及び方法によって治療し得る癌は、限定されるものではないが、以下のとおりである:心臓系:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫及び奇形腫;:気管支癌(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺癌、肉腫、リンパ腫、軟骨髄性過誤腫、中皮腫;胃腸:食道(扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(管腺癌、膵島細胞腫、グルカゴン産生腫瘍、ガストリン産生腫瘍、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸(腺癌、リンパ腫、類癌腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋肉腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺癌、管状腺種、絨毛腺種、過誤腫、平滑筋腫、家族性腺腫性ポリポーシス[FAP]);泌尿生殖器管:腎臓(腺癌、ウイルムス腫瘍[腎芽細胞腫]、リンパ腫、白血病)、膀胱及び尿道(扁平上皮癌、移行細胞癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、睾丸(精上皮腫、奇形腫、胎生期癌、奇形癌、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、線維腫、線維腺腫、腺腫様腫瘍、脂肪腫);肝臓:肝癌(肝細胞癌)、肝内胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺癌、血管腫;:骨肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨大細胞腫瘍脊索腫、骨軟骨腫(骨軟骨外骨症)、良性軟骨腫、軟骨芽腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫及び巨大細胞腫瘍;神経系:頭骨(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽腫、グリオーマ、上衣細胞腫、胚細胞腫[松果体腫]、多形性グリア細胞芽腫、希突起グリオーマ、神経鞘腫、網膜芽腫、先天性腫瘍)、脊髄(神経線維腫、髄膜腫、グリオーマ、肉腫);婦人科:子宮(子宮内膜癌)、子宮頚部(子宮頚部癌、前腫瘍子宮頚部異形性)、卵巣(卵巣癌[漿膜性のう胞腺癌、ムチン性のう胞腺癌、未分類癌]、顆粒膜−卵胞膜細胞腫瘍、セルトリ−ライディッヒ細胞腫瘍、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、陰門(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、メラノーマ)、膣(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫(胎児横紋筋肉腫))、卵管(癌腫);血液学的:血液(骨髄性白血病[急性及び慢性]、急性リンパ芽球白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫[悪性リンパ腫];皮膚:悪性メラノーマ、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、奇胎形成異常母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬;及び副腎:神経芽細胞腫。従って、本明細書にて提示される用語の「癌性細胞」は、上記の症状のいずれか一つに罹患する細胞である。別の実施態様において、本発明の化合物は、組織球性リンパ腫、肺腺癌、小細胞肺癌、すい臓癌、肝臓癌、胃癌、結腸癌、多発性骨髄腫、グリア芽細胞腫及び乳癌から選択される癌の治療又は予防に有用である。さらに別の実施態様において、本発明の化合物は、組織球性リンパ腫、肺腺癌、小細胞肺癌、すい臓癌、肝臓癌、胃癌、結腸癌、多発性骨髄腫、グリア芽細胞腫及び乳癌から選択される癌の治療に有用である。
別の実施態様において、本発明化合物は癌細胞の転移及び癌の予防又は調節に有用である。特に、本発明化合物は、卵巣癌、小児期肝細胞癌、転移性頭頚部扁平上皮癌、胃癌、乳癌、結腸直腸癌、子宮頚部癌、肺癌、上咽頭癌、膵臓癌、グリア芽細胞腫及び肉腫の転移を予防又は調節するために有用である。
本発明化合物は、哺乳動物に、好ましくは、ヒトに、単独で、又は医薬的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤と組合わせて、標準的薬学のプラクティスに従って、医薬組成物として投与し得る。本化合物は経口的に、又は静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、直腸及び局所の投与経路など非経口的に投与することができる。
有効成分を含有する医薬組成物は、経口使用に適した形状、例えば、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性もしくは油性懸濁液、分散性粉末もしくは顆粒、エマルジョン、ハードもしくはソフトカプセル、又はシロップもしくはエリキシルとし得る。経口使用を企図する組成物は医薬組成物の製造上、当該分野で技術的に既知の方法に従って調製し得る;また、かかる組成物は製剤上形のよい口に違和感のない製剤とするために、甘味剤、芳香剤、着色剤及び保存剤からなる群より選択される1種以上の剤を含有してもよい。錠剤は有効成分と、錠剤の製造に適する非毒性の医薬的に許容される賦形剤とを混合して含有する。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、乳糖、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウム);顆粒化剤及び崩壊剤(例えば、微結晶性セルロース、ナトリウム・クロスカルメロース、コーンスターチ、又はアルギン酸);結合剤(例えば、デンプン、ゼラチン、ポリビニル−ピロリドン又はアラビアゴム);及び滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルク)などである。錠剤は未被覆であってもよいし、又は薬物の不快な味をマスクするために、もしくは胃腸管での分解と吸収を遅延させて、それによって長時間作用を持続させるために、既知の技術的方法により被覆してもよい。例えば、ヒドロキシプロピル−メチルセルロースもしくはヒドロキシプロピルセルロースなどの水溶性味遮蔽物質又はエチルセルロース、酢酸酪酸セルロースなどの時間遅延物質を用いてもよい。
経口使用の剤形はハードゼラチンカプセルとしても提供し得るか(この場合、有効成分は不活性の固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はカオリンなどと混合させる);あるいはソフトゼラチンカプセルとしても提供し得る(この場合、有効成分はポリエチレングリコールなどの水溶性担体、又は油性媒体、例えば、ラッカセイ油、流動パラフィン、もしくはオリーブ油と混合させる)。
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適する賦形剤と一緒に活性物質を含有する。かかる賦形剤は懸濁化剤、例えば、ナトリウム・カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガム及びアラビアゴムなどである;分散剤又は湿潤剤は天然産のホスファチド(例えば、レシチン)、又はアルキレンオキシドと脂肪酸の縮合産物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、又はエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合産物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール由来の部分エステルとの縮合産物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール)、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール無水物由来の部分エステルとの縮合産物(例えば、モノオレイン酸ポリエチレンソルビタン)でよい。水性懸濁液はさらに1種以上の保存剤(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エチルもしくはn−プロピル)、1種以上の着色剤、1種以上の芳香剤、及び1種以上の甘味剤(例えば、スクロース、サッカリンもしくはアスパルテーム)などを含有し得る。
油性懸濁液は、有効成分を植物油(例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油もしくはヤシ油)、又は鉱油(例えば、流動パラフィン)などに懸濁することにより製剤化することができる。この油性懸濁液は増粘剤(例えば、ミツロウ、硬パラフィンもしくはセチルアルコールなど)を含有し得る。口当たりのよい経口製剤とするために、上記のような甘味剤及び芳香剤を添加してもよい。これらの組成物はブチル化ヒドロキシアニソール又はアルファ−トコフェロールなどの抗酸化剤を添加して保存してもよい。
水を加えることによる水性懸濁液の調製に適した分散性粉末及び顆粒により、分散剤又は湿潤剤、懸濁剤及び1種以上の保存剤と混合した有効成分が提供される。適当な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤はすでに上記したものにより例示される。さらなる賦形剤、例えば、甘味剤、芳香剤及び着色剤も存在してもよい。これらの組成物はアスコルビン酸などの抗酸化剤の添加により保存してもよい
本発明の医薬組成物は水中油型のエマルジョンの形態でもよい。油相は植物油(例えば、オリーブ油もしくはラッカセイ油)、又は鉱油(例えば、流動パラフィン)、又はそれらの混合物でもよい。適当な懸濁化剤は天然産のホスファチド(例えば、ダイズレシチン)、及び脂肪酸とヘキシトール無水物由来のエステル又は部分エステル(例えば、モノオレイン酸ソルビタン)、及び当該部分エステルとエチレンオキシドの縮合産物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)でよい。該エマルジョンは甘味剤、芳香剤、保存剤及び抗酸化剤をも含み得る。
シロップ及びエリキシルは甘味剤(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール又はスクロース)により製剤化し得る。かかる製剤は粘活剤、保存剤、芳香及び着色剤及び抗酸化剤をも含み得る。
該医薬組成物は無菌の注射用水性溶液の形態でもよい。使用可能な媒体と溶媒は、水、リンゲル溶液及び等張性塩化ナトリウム溶液である。
無菌の注射用製剤は、有効成分を油相に溶かした、無菌の注射用水中油型マイクロエマルジョンでもよい。例えば、有効成分を先ずダイズ油とレシチンの混合物に溶かしてもよい。次いで、その油溶液を水とグリセロールの混合物中に入れ、加工処理してマイクロエマルジョンとしてもよい。
注射用溶液又はマイクロエマルジョンは、局所のボーラス注射により患者の血流中に注入してもよい。あるいは、当該化合物の一定の循環濃度を維持するような方法で、溶液又はマイクロエマルジョンを投与することが有利でもあるかもしれない。かかる一定濃度を維持するためには、連続静脈内送達装置を利用し得る。かかる装置の一例は、デルテック・カッド−プラス(CADD−PLUS;商標)モデル5400静脈内用ポンプである。
該医薬組成物は、筋肉内及び皮下投与用の無菌注射用水性又は油脂性懸濁液の形態であってもよい。この懸濁液は既知の技術に従い、上記の適当な分散もしくは湿潤剤及び懸濁化剤を用いて製剤化し得る。無菌の注射用製剤は、非毒性の非経口投与可能な希釈剤又は溶媒中の、無菌注射用溶液又は懸濁液(例えば、1,3−ブタンジオールの溶液)でもよい。さらに、無菌の不揮発性油を溶剤又は懸濁媒体として用いるのが通常である。この目的のためには、合成のモノ−又はジグリセリドを含む刺激のないいずれの不揮発性油も採用し得る。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が注射用製剤に使用し得る。
式Iで示される化合物は、薬物を直腸投与する坐剤の形状でも投与し得る。これらの組成物は、適当な非刺激性の賦形剤であって、常温では固体であるが、直腸温度では液体であり、その結果、直腸内で融解して薬物を放出するような賦形剤と薬物を混合することにより調製し得る。かかる物質はカカオ脂、グリセリン化ゼラチン、硬化植物油、種々分子量のポリエチレングリコールとポリエチレングリコールの脂肪酸エステルとの混合物を包含する。
局所での使用には、式Iで示される化合物を含有するクリーム、軟膏、ジェリー、溶液又は懸濁液などが用いられる。(この適用の目的には、局所適用剤としてうがい薬及び含嗽剤も包含するものとする)。
本発明化合物は鼻腔内用の形態で、適当な鼻腔内媒体と送達装置を局所的に使用するか、又は当業者周知の皮膚透過性皮膚パッチの形態で、経皮経路により投与し得る。経皮送達システムの形状で投与するには、勿論、一定用量の投与を薬剤投与計画全般で断続的であるよりもむしろ連続的であるようにする。本発明化合物はカカオ脂、グリセリン化ゼラチン、硬化植物油、種々分子量のポリエチレングリコールとポリエチレングリコールの脂肪酸エステルとの混合物などの基剤を用いる坐剤としても送達し得る。
本発明化合物をヒト対象に投与する場合、その日用量は通常処方医が決定するが、その用量は一般に、年齢、体重、性別及び個々の患者の反応、並びに患者症候の重症度によって変る。
適用の一例においては、化合物の適量が癌の治療を受ける哺乳動物に投与される。投与は、1日あたり約0.1mg/kg体重ないし約60mg/kg体重の量、好ましくは、1日あたり0.5mg/kg体重ないし40mg/kg体重の量で実施される。
本発明化合物は、既知治療薬及び抗癌剤との組合わせでも有用である。例えば、本発明化合物は既知の抗癌剤との組合わせにおいて有用である。ここに開示した化合物と他の抗癌剤又は化学療法薬との組合わせは本発明の範囲内である。かかる薬剤の例は文献(Cancer Principles and Practice of Oncology(癌の原理と腫瘍学の実際)V.T.Devita and S.Hellman(editors),6th edition(2001年2月15日),Lippincott Williams & Wilkins Publishers)に見出し得る。当業者はどの薬剤との組合せが有用であるかについて、関係する薬物と癌の特性に基づいて、明確に認識し得よう。かかる抗癌剤は、限定されるものではないが、以下のとおりである:エストロゲン受容体モジュレーター、アンドロゲン受容体モジュレーター、レチノイド受容体モジュレーター、細胞傷害剤/細胞増殖抑制剤、抗増殖剤、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼインヒビター、HMG−CoAリダクターゼインヒビターと他の血管形成インヒビター、細胞増殖と生存シグナル伝達のインヒビター、アポトーシス誘発剤及び細胞周期チェックポイントに干渉する薬剤。本発明化合物は放射線療法と同時投与の場合に特に有用である。
一実施態様において、本発明化合物は以下のものを包含する既知抗癌剤との組合わせでも有用である:エストロゲン受容体モジュレーター、アンドロゲン受容体モジュレーター、レチノイド受容体モジュレーター、細胞傷害剤、抗増殖剤、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼインヒビター、HMG−CoAリダクターゼインヒビター、HIVプロテアーゼインヒビター、逆転写酵素インヒビター、及び他の血管形成インヒビター。
「エストロゲン受容体モジュレーター」とは、メカニズムの如何を問わず、その受容体に対するエストロゲンの結合を干渉又は阻害する化合物をいう。エストロゲン受容体モジュレーターの例は、限定されるものではないが、タモキシフェン、ラロキシフェン、イドキシフェン、LY353381、LY117081、トレミフェン(toremifene)、フルベストラント(fulvestrant)、4−[7−(2,2−ジメチル−1−オキソプロポキシ−4−メチル−2−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]−2H−1−ベンゾピラン−3−イル]−フェニル−2,2−ジメチルプロパノアート、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン−2,4−ジニトロフェニル−ヒドラゾン、及びSH646などである。
「アンドロゲン受容体モジュレーター」とは、メカニズムの如何を問わず、その受容体に対するアンドロゲンの結合を干渉又は阻害する化合物をいう。アンドロゲン受容体モジュレーターの例は、フィナステリドと他の5α−リダクターゼ・インヒビター、ニルタミド(nilutamide)、フルタミド(flutamide)、ビカルタミド(bicalutamide)、リアロゾール(liarozole)及び酢酸アビラテロン(abiraterone acetate)などである。
「レチノイド受容体モジュレーター」とは、メカニズムの如何を問わず、その受容体に対するレチノイドの結合を干渉又は阻害する化合物をいう。かかるレチノイド受容体モジュレーターの例は、ベキサロテン(bexarotene)、トレチノイン(tretinoin)、13−シス−レチノイン酸、9−シス−レチノイン酸、α−ジフルオロメチルオルニチン、ILX23−7553、トランス−N−(4’−ヒドロキシフェニル)レチナミド、及びN−4−カルボキシフェニルレチナミドなどである。
「細胞傷害剤/細胞増殖抑制剤」とは、細胞死を惹き起こすか、又は細胞の機能化に直接干渉して細胞増殖を主として阻害するか、又は細胞の減数分裂を阻害又は干渉する化合物をいい、アルキル化剤、腫瘍壊死因子、インターカレート剤、低酸素症活性化化合物、微小管インヒビター/微小管安定化剤、有糸分裂キネシンインヒビター、ヒストンデアセチラーゼインヒビター、有糸分裂進行に関与するキナーゼのインヒビター、代謝拮抗剤、生物応答修飾因子、ホルモン/抗ホルモン治療剤、造血成長因子、モノクローナル抗体標的化治療剤、トポイソメラーゼインヒビター、プロテオソームインヒビター及びユビキチンリガーゼインヒビターを包含する。
細胞傷害剤の例は、限定されるものではないが、セルテネフ(sertenef)、カケクチン、イホスファミド、タソネルミン、ロニダミン、カルボプラチン、アルトレタミン(altretamine)、プレドニムスチン(prednimustine)、ジブロモズルシトール、ラニムスチン、フォテムスチン(fotemustine)、ネダプラチン、オキサリプラチン、テモゾロミド(temozolomide)、ヘプタプラチン、エストラムスチン(estramustine)、イムプロスルファン・トシレート(improsulfan tosilate)、トロホスファミド、ニムスチン、塩化ジブロスピジウム、プミテパ(pumitepa)、ロバプラチン、サトラプラチン、プロフィロマイシン、シスプラチン、イロフルベン、デキシフォスファミド、シス−アミンジクロロ(2−メチル−ピリジン)白金、ベンジルグアニン、グルホスファミド、GPX100、(トランス、トランス、トランス)−ビス−mu−(ヘキサン−1,6−ジアミン)−mu−[ジアミン−白金(II)]ビス[ジアミン(クロロ)白金(II)]テトラクロリド、ジアリジジニルスペルミン(diarizidinylspermine)、三酸化砒素、1−(11−ドデシルアミノ−10−ヒドロキシウンデシル)−3,7−ジメチルキサンチン、ゾルビシン、イダルビシン、ダウノルビシン、ビサントレン、ミトキサントロン、ピラルビシン、ピナフィド、バルルビシン、アムルビシン、アンチネオプラストン、3’−デアミノ−3’−モルホリノ−13−デオキソ−10−ヒドロキシカルミノマイシン、アンナマイシン、ガラルビシン、エリナフィド、MEN10755、及び4−デメトキシ−3−デアミノ−3−アジリジニル−4−メチルスルホニル−ダウノルビシン(参照WO00/50032)などである。
低酸素症活性化化合物の例は、チラパザミン(tirapazamine)である。
プロテオソームインヒビターの例は、限定されるものではないが、ラクタシスチン(lactacystin)及びボルテゾミブ(bortezomib)である。
微小管インヒビター/微小管安定化剤の例はパクリタキセル、硫酸ビンデシン、3’,4’−ジデヒドロ−4’−デオキシ−8’−ノルビンカロイコブラスチン、ドセタキソール、リゾキシン、ドラスタチン、ミボブリンイセチオネート(mivobulin isethionate)、オーリスタチン(auristatin)、セマドチン(cemadotin)、RPR109881、BMS184476、ビンフルニン、クリプトフィシン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロ−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、アンヒドロビンブラスチン、N,N−ジメチル−L−バリル−L−バリル−N−メチル−L−バリル−L−プロリル−L−プロリン−t−ブチルアミド、TDX258、エポチロン類(epothilones)(参照例:USP6,284,781及び6,288,237)及びBMS188797などである。
トポイソメラーゼインヒビターの一部の例は、トポテカン、ハイカプタミン(hycaptamine)、イリノテカン、ルビテカン、6−エトキシプロピオニル−3’,4’−O−エキソ−ベンジリデン−チャートロイシン、9−メトキシ−N,N−ジメチル−5−ニトロピラゾロ[3,4,5−kl]アクリジン−2−(6H)プロパナミン、1−アミノ−9−エチル−5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:b,7]−インドリジノ[1,2b]キノリン−10,13(9H,15H)ジオン、ラートテカン(lurtotecan)、7−[2−(N−イソプロピルアミノ)エチル]−(20S)カンプトテシン、BNP1350、BNPI1100、BN80915、BN80942、リン酸エトポシド、テニポシド、ソブゾキサン、2’−ジメチルアミノ−2’−デオキシ−エトポシド、GL331、N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−9−ヒドロキシ−5,6−ジメチル−6H−ピリド[4,3−b]カルバゾール−1−カルボキサミド、アスラクリン、(5a,5aB,8aa,9b)−9−[2−[N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−N−メチルアミノ]エチル]−5−[4−ヒドロオキシ−3,5−ジメトキシフェニル]−5,5a,6,8,8a,9−ヘキソヒドロフロ(3’,4’:6,7)ナフト(2,3−d)−1,3−ジオキソール−6−オン、2,3−(メチレンジオキシ)−5−メチル−7−ヒドロキシ−8−メトキシベンゾ[c]−フェナンスリジニウム、6,9−ビス[(2−アミノエチル)アミノ]ベンゾ[g]イソギノリン−5,10−ジオン、5−(3−アミノプロピルアミノ)−7,10−ジヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシエチルアミノメチル)−6H−ピラゾロ[4,5,1−de]アクリジン−6−オン、N−[1−[2(ジエチルアミノ)エチルアミノ]−7−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−4−イルメチル]ホルムアミド、N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)アクリジン−4−カルボキサミド、6−[[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]−3−ヒドロキシ−7H−インデノ[2,1−c]キノリン−7−オン、及びジメスナ(dimesna)などである。
有糸分裂キネシン、とりわけヒトの有糸分裂キネシンKSPのインヒビターの例は、PCT公開WO01/30768、WO01/98278、WO03/050,064、WO03/050,122、WO03/049,527、WO03/049,679、WO03/049,678及びWO03/39460及び係属中のPCT出願番号US03/06403(2003年3月4日出願)、US03/15861(2003年5月19日出願)、US03/15810(2003年5月19日出願)、US03/18482(2003年6月12日出願)及びUS03/18694(2003年6月12日出願)に記載されている。一態様において、有糸分裂キネシンのインヒビターは、限定されるものではないが、KSPのインヒビター、MKLP1のインヒビター、GENP−Eのインヒビター、MCAKのインヒビター、Kif14のインヒビター、Mphosph1のインヒビター及びRab6−KIFLのインヒビターである。
「ヒストン・デアセチラーゼ・インヒビター」の例は、限定されるものではないが、SAHA、TSA、オキサムフラチン(oxamflatin)、PXD101、MG98、バルブロ酸及びスクリプタイド(scriptaid)である。その他のヒストン・デアセチラーゼ・インヒビターに関しては、さらに、以下の文献:Miller,T.A.et al.J.Med.Chem.46(24):5097−5116(2003)に見出し得る。
「有糸分裂の進行に関わるキナーゼのインヒビター」は、限定されるものではないが、オーロラ・キナーゼのインヒビター、ポロ様キナーゼ(PLK)のインヒビター(とりわけPLK−1のインヒビター)、バブ−1のインヒビター及びバブ−R1のインヒビターを包含する。
「抗増殖剤」は、アンチセンスRNA及びDNAオリゴヌクレオチド、例えば、G3139、ODN698、RVASKRAS、GEM231、及びINX3001、及び代謝拮抗剤、例えば、エノシタビン、カルモフル、テガフル、ペントスタチン、ドキシフルリジン、トリメトレキセート(trimetrexate)、フルダラビン(fludarabine)、カペシタビン(capecitabine)、ガロシタビン(galocitabine)、シタラビン・オクホスフェート(cytarabine ocfosfate)、ホステアビン(fosteabine)ナトリウム水和物、ラルチトレキセド、パルチトレキシド、エミテフル、チアゾフリン、デシタビン、ノラトレキセド、ペメトレキセド、ネルザラビン(nelzarabine)、2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン、2’−フルオロメチレン−2’−デオキシシチジン、N−[5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフリル)スルホニル]−N’−(3,4−ジクロロフェニル)尿素、N6−[4−デオキシ−4−[N2−[2(E),4(E)−テトラデカジエノイル]グリシルアミノ]−L−グリセロ−B−L−マンノ−ヘプトピラノシル]アデニン、アプリジン、エクテイナシジン(ecteinascidin)、トロキサシタビン(troxacitabine)、4−[2−アミノ−4−オキソ−4,6,7,8−テトラヒドロ−3H−ピリミジノ[5,4−b][1,4]チアジン−6−イル−(S)−エチル]−2,5−チエノイル−L−グルタミン酸、アミノプテリン、5−フルオロウラシル、アラノシン、11−アセチル−8−(カルバモイルオキシメチル)−4−ホルミル−6−メトキシ−14−オキサ−1,11−ジアザテトラシクロ(7.4.1.0.0)−テトラデカ−2,4,6−トリエン−9−イル酢酸エステル、スワインソニン(swainsonine)、ロメトレキソール、デキスラゾキサン(dexrazoxane)、メチオニナーゼ、2’−シアノ−2’−デオキシ−N4−パルミトイル−1−B−D−アラビノフラノシルシトシン及び3−アミノピリジン−2−カルボキサルデヒド・チオセミカルバゾンなどである。
モノクローナル抗体標的化治療剤の例は、癌細胞特異的又は標的細胞特異的モノクローナル抗体に結合した細胞毒性剤又は放射性同位体を有する治療薬である。その例はベクサール(Bexxar)である。
「HMG−CoAリダクターゼインヒビター」は、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAリダクターゼのインヒビターをいう。使用し得るHMG−CoAリダクターゼインヒビターの例は、限定されるものではないが、ロバスタチン(メバコール(MEVACOR;登録商標);参照USP4,231,938、4,294,926及び4,319,039)、シンバスタチン(ゾコール(ZOCOR;登録商標);参照USP4,444,784、4,820,850及び4,916,239)、プラバスタチン(プラバコール(PRAVACHOL;登録商標);参照USP4,346,227、4,537,859、4,410,629、5,030,447及び5,180,589)、フルバスタチン(レスコール(LESCOL;登録商標);参照USP5,354,772、4,911,165、4,929,437、5,189,164、5,118,853、5,290,946及び5,356,896)及びアトルバスタチン(リピトール(LIPITOR;登録商標);参照USP5,273,995、4,681,893、5,489,691及び5,342,952)を包含する。本方法に使用し得るこれらのHMG−CoAリダクターゼインヒビター及びさらなるインヒビターの構造式については、文献(M.Yalpani,“Cholesterol Lowering Drugs(コレステロール低下剤)”,Chemistry & Industry,pp.85−89(1996年2月5日))の87ページ及びUSP4,782,084及び4,885,314に記載がある。本明細書にて使用する場合の用語HMG−CoAリダクターゼインヒビターとは、HMG−CoAリダクターゼ阻害活性を有する化合物の医薬的に許容されるラクトン及び開環酸型(すなわち、ラクトン環が開いて遊離の酸を形成する場合)のもの、並びに塩及びエステル型のものを包含し、従って、かかる塩、エステル、開環酸及びラクトン型の使用が本発明の範囲に包含される。
「プレニル−タンパク質トランスフェラーゼインヒビター」は、1種類の又は組合わせたプレニル−タンパク質トランスフェラーゼ酵素を阻害する化合物をいい、該酵素はファルネシル−タンパク質トランスフェラーゼ(FPTアーゼ)、ゲラニルゲラニル−タンパク質トランスフェラーゼI型(GGPTアーゼ−I)、及びゲラニルゲラニル−タンパク質トランスフェラーゼII型(GGPTアーゼ−II、ラブGGPTアーゼともいう)などである。
プレニル−タンパク質トランスフェラーゼインヒビターの例は、以下の公開出願及び特許に見出し得る:WO96/30343、WO97/18813、WO97/21701、WO97/23478、WO97/38665、WO98/28980、WO98/29119、WO95/32987、USP5,420,245、USP5,523,430、USP5,532,359、USP5,510,510、USP5,589,485、USP5,602,098、欧州特許公開0 618 221、欧州特許公開0 675 112、欧州特許公開0 604 181、欧州特許公開0 696 593、WO94/19357、WO95/08542、WO95/11917、WO95/12612、WO95/12572、WO95/10514、USP5,661,152、WO95/10515、WO95/10516、WO95/24612、WO95/34535、WO95/25086、WO96/05529、WO96/06138、WO96/06193、WO96/16443、WO96/21701、WO96/21456、WO96/22278、WO96/24611、WO96/24612、WO96/05168、WO96/05169、WO96/00736、USP5,571,792、WO96/17861、WO96/33159、WO96/34850、WO96/34851、WO96/30017、WO96/30018、WO96/30362、WO96/30363、WO96/31111、WO96/31477、WO96/31478、WO96/31501、WO97/00252、WO97/03047、WO97/03050、WO97/04785、WO97/02920、WO97/17070、WO97/23478、WO97/26246、WO97/30053、WO97/44350、WO98/02436、及びUSP5,532,359。血管形成に対するプレニル−タンパク質トランスフェラーゼインヒビターの役割の例については、文献(European J.of Cancer,Vol.35,No.9,pp.1394−1401(1999))を参照されたい。
「血管形成インヒビター」とは、メカニズムに関係なく、新しい血管の形成を阻害する化合物をいう。血管形成インヒビターの例は、限定されるものではないが、チロシンキナーゼインヒビター、例えば、チロシンキナーゼ受容体Flt−1(VEGFR1)及びFlk−1/KDR(VEGFR2)のインヒビター、表皮由来、線維芽細胞由来もしくは血小板由来増殖因子のインヒビター、MMP(マトリックス・メタロプロテアーゼ)インヒビター、インテグリン・ブロッカー、インターフェロン−α、インターロイキン−12、ペントサンポリ硫酸、シクロオキシゲナーゼインヒビター(アスピリン及びイブプロフェンなどの非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)並びにセレコキシブ及びロフェコキシブなどの選択的シクロオキシゲナーゼ−2インヒビター(PNAS,Vol.89,p.7384(1992);JNCI,Vol.69,p.475(1982);Arch.Opthalmol.,Vol.108,p.573(1990);Anat.Rec.,Vol.238,p.68(1994);FEBS Letters,Vol.372,p.83(1995);Clin,Orthop.Vol.313,p.76(1995);J.Mol.Endocrinol.,Vol.16,p.107(1996);Jpn.J.Pharmacol.,Vol.75,p.105(1997);Cancer Res.,Vol.57,p.1625(1997);Cell,Vol.93,p.705(1998);Intl.J.Mol.Med.,Vol.2,p.715(1998);J.Biol.Chem.,Vol.274,p.9116(1999))、ステロイド系抗炎症剤(コルチコステロイド、ミネラロコルチコイド、デキサメタゾン、プレドニソン、プレドニソロン、メチルプレッド、ベタメサゾン)、カルボキシアミドトリアゾール、コンブレタスタチンA−4、スクアラミン、6−O−クロロアセチル−カルボニル)−フマギロール、サリドマイド、アンギオスタチン、トロポニン−1、アンギオテンシンIIアンタゴニスト(参照Fernandez et al.,J.Lab.Clin.Med.105:141−145(1985))、及びVEGFに対する抗体(参照Nature Biotechnology,Vol.17,pp.963−968(1999年10月);Kim et al.,Nature,362,841−844(1993);WO00/44777;及びWO00/61186)である。
血管形成を調節又は阻害し、本発明化合物と組合わせて使用し得る他の治療薬は、凝固系及び繊維素溶解系を調節又は阻害する薬剤である(参照概説:Clin.Chem.La.Med.38:679−692(2000))。凝固及び繊維素溶解経路を調節又は阻害するかかる薬剤の例は、限定されるものではないが、ヘパリン(参照:Thromb.Haemost.80:10−23(1998))、低分子量ヘパリン及びカルボキシペプチダーゼUインヒビター(活性トロンビンを活性化し得る繊維素溶解インヒビター(TAFIa)のインヒビターとしても知られる)(参照:Thrombosis Res.101:329−354(2001))などを包含する。TAFIaインヒビターはPCT公開WO03/013,526及びUS出願番号60/349,925(2002年1月18日出願)に記載されている。
「細胞周期チェックポイントに干渉する薬剤」とは、細胞周期チェックポイントシグナルを伝達するタンパク質キナーゼを阻害し、それによってDNA傷害剤に対し癌細胞を増感する化合物をいう。かかる薬剤は、ATR、ATM、Chk1及びChk2キナーゼのインヒビター、及びcdkとcdcキナーゼインヒビターであり、具体的には7−ヒドロキシスタウロスポリン、フラボピリドール、CYC202(シクラセル(Cyclacel))及びBMS−387032などである。
「細胞増殖と生存シグナル伝達経路のインヒビター」とは、細胞表面受容体及び細胞表面受容体の下流にあるシグナル伝達カスケードを阻害する化合物をいう。かかる薬剤は、EGFRインヒビターのインヒビター(例えば、ゲフィチニブ及びエルロチニブ)、ERB−2のインヒビター(例えば、トラスツズマブ)、IGFRのインヒビター、サイトカイン受容体のインヒビター、METのインヒビター、PI3Kのインヒビター(例えば、LY294002)、セリン/スレオニンキナーゼ(限定されるものではないが、下記に記載されているAktインヒビターを含む:WO02/083064、WO02/083139、WO02/083140及びWO02/083138)、Rafキナーゼのインヒビター(例えば、BAY−43−9006)、MEKのインヒビター(例えば、CI−1040及びPD−098059)及びmTORのインヒビター(例えば、ワイスCCI−779)である。かかる薬剤は小分子インヒビター化合物及び抗体アンタゴニストを含む。
「アポトーシス誘発剤」はTNF受容体ファミリーメンバーの活性化因子である(TRAIL受容体を包含する)。
また本発明は選択的COX−2インヒビターであるNSAIDとの組合わせをも包含する。本明細書の目的上、選択的COX−2インヒビターであるNSAIDは、細胞又はミクロソームアッセイにより評価されるCOX−2のIC50のCOX−1のIC50に対する比で測定して、COX−1よりもCOX−2を少なくとも100倍阻害する特異性を有するものと定義される。かかる化合物は、限定されるものではないが、USP5,474,995、USP5,861,419、USP6,001,843、USP6,020,343、USP5,409,944、USP5,436,265、USP5,536,752、USP5,550,142、USP5,604,260、U.S.5,698,584、USP5,710,140、WO94/15932、USP5,344,991、USP5,134,142、USP5,380,738、USP5,393,790、USP5,466,823、USP5,633,272及びUSP5,932,598(これらはすべて参照により本明細書の一部とする)に開示された化合物である。
本治療方法において特に有用なCOX−2インヒビターは:3−フェニル−4−(4−(メチルスルホニル)フェニル)−2−(5H)−フラノン;及び5−クロロ−3−(4−メチルスルホニル)フェニル−2−(2−メチル−5−ピリジニル)ピリジン;又はその医薬的に許容される塩;である。
COX−2の特異的インヒビターとして記載されており、従って、本発明において有用である化合物は、限定されるものではないが、以下のものである:パレコキシブ(parecoxib)、セレブレックス(CELEBREX;登録商標)及びベクストラ(BEXTRA;登録商標)又は医薬的に許容されるその塩。
血管形成インヒビターのその他の例は、限定されるものではないが、エンドスタチン、ウクライン(ukrain)、ランピルナーゼ(ranpirnase)、IM862、5−メトキシ−4−[2−メチル−3−(3−メチル−2−ブテニル)オキシラニル]−1−オキサスピロ[2,5]オクト−6−イル(クロロアセチル)カルバメート、アセチルジナナリン、5−アミノ−1−[[3,5−ジクロロ−4−(4−クロロベンゾイル)フェニル]メチル]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド、CM101、スクアラミン(squalamine)、コンブレタスタチン(combretastatin)、RPI4610、NX31838、硫酸化マンノペンタオースリン酸、7,7−(カルボニル−ビス[イミノ−N−メチル−4,2−ピロロカルボニルイミノ[N−メチル−4,2−ピロール]−カルボニルイミノ]−ビス−(1,3−ナフタレンジスルホネート)、及び3−[(2,4−ジメチルピロール−5−イル)メチレン]−2−インドリノン(SU5416)である。
上記で使用される「インテグリン・ブロッカー」とは、生理的リガンドがαvβ3インテグリンに結合するのを選択的に拮抗、阻害又は反作用する化合物、生理的リガンドがαvβ5インテグリンに結合するのを選択的に拮抗、阻害又は反作用する化合物、生理的リガンドがαvβ3インテグリンとαvβ5インテグリンの両方に結合するのを選択的に拮抗、阻害又は反作用する化合物、及び毛細血管内皮細胞で発現される特定インテグリンの活性を拮抗、阻害又は反作用する化合物をいう。この用語はまたαvβ6、αvβ8、α1β1、α2β1、α5β1、α6β1及びα6β4インテグリンのアンタゴニストをいう。この用語はまたαvβ3、αvβ5、αvβ6、αvβ8、α1β1、α2β1、α5β1、α6β1及びα6β4インテグリンのいずれかの組合わせのアンタゴニストをいう。
チロシン・キナーゼインヒビターの一部の具体例は、N−(トリフルオロメチルフェニル)−5−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド、3−[(2,4−ジメチルピロール−5−イル)メチリデニル)インドリン−2−オン、17−(アリルアミノ)−17−デメトキシゲルダナマイシン、4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−メトキシ−6−[3−(4−モルホリニル)プロポキシル]キナゾリン、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)−4−キナゾリナミン、BIBX1382、2,3,9,10,11,12−ヘキサヒドロ−10−(ヒドロキシメチル)−10−ヒドロキシ−9−メチル−9,12−エポキシ−1H−ジインドロ[1,2,3−fg:3’,2’,1’−kl]ピロロ[3,4−i][1,6]ベンゾジアゾシン−1−オン、SH268、ゲニステイン(genistein)、イマチニブ(imatinib)(STI571)、CEP2563、4−(3−クロロフェニルアミノ)−5,6−ジメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンメタンスルホネート、4−(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン、4−(4’−ヒドロキシフェニル)アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン、SU6668、STI571A、N−4−クロロフェニル−4−(4−ピリジルメチル)−1−フタラジナミン、及びEMD121974である。
抗癌化合物以外の化合物との組合わせもまた本方法に包含される。例えば、本出願の請求項に記載した化合物とPPAR−γ(すなわち、PPAR−ガンマ)アゴニスト及びPPAR−δ(すなわち、PPAR−デルタ)アゴニストとの組合わせは、ある種悪性腫瘍の治療に有用である。PPAR−γ及びPPAR−δは核ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ及びδである。PPAR−γの内皮細胞における発現及び血管形成におけるその関与については文献(参照:J.Cardiovasc.Pharmacol.1998;31:909−913;J.Biol.Chem.1999;274:9116−9121;Invest.Ophthalmol Vis. Sci.2000;41:2309−2317)に報告されている。つい最近、PPAR−γアゴニストがインビトロでVEGFに対する血管形成応答を阻害することが示されている;トログリタゾン(troglitazone)及びマレイン酸ロシグリタゾン(rosiglitazone maleate)両方が、マウスにおいて網膜新生血管形成の進展を阻害する(Arch.Ophthamol.2001;119:709−717)。PPAR−γアゴニスト及びPPAR−γ/αアゴニストの例は、限定されるものではないが、チアゾリジンジオン類(例えば、DRF2725、CS−011、トログリタゾン(troglitazone)、ロシグリタゾン(rosiglitazone)、及びピオグリタゾン(pioglitazone))、フェノフィブレート、ゲムフィブロジル(gemfibrozil)、クロフィブレート、GW2570、SB219994、AR−H039242、JTT−501、MCC−555、GW2331、GW409544、NN2344、KRP297、NP0110、DRF4158、NN622、GI262570、PNU182716、DRF552926、2−[(5,7−ジプロピル−3−トリフルオロメチル−1,2−ベンズイソオキサゾール−6−イル)オキシ]−2−メチルプロピオン酸(USSN09/782,856に開示)、及び2(R)−7−(3−(2−クロロ−4−(4−フルオロフェノキシ)フェノキシ)プロポキシ)−2−エチルクロマン−2−カルボン酸(USSN60/235,708及び60/244,697に開示)などを包含する。
本発明のもう一つの実施態様は、癌治療のための遺伝子療法と組合わせて、本明細書に開示した化合物を使用することである。癌治療の遺伝子戦略の概観については:Hall et al(Am.J.Hum.Genet.61:785−789,1997)及びKufe et al(Cancer Medicine,5th Ed,pp876−889,BC Decker,Hamilton 2000)を参照。遺伝子療法は腫瘍抑制遺伝子を送達するために使用することができる。かかる遺伝子の例は、限定されるものではないが、p53(この遺伝子は組換えウイルス媒介遺伝子伝達を介して送達される)(例えば、USP6,069,134参照)、uPA/uPARアンタゴニスト(“uPA/uPARアンタゴニストのアデノウイルス媒介送達は、マウスにおいて血管形成依存性腫瘍増殖及び拡散を抑制する”Gene Therapy,August 1998;5(8):1105−13)、及びインターフェロン−ガンマ(J.Immunol.2000;164:217−222)などを包含する。
本発明化合物はまた本来多剤耐性(MDR)であるインヒビター、とりわけ輸送体タンパク質の高レベル発現と関係するMDRのインヒビターと組合わせて投与し得る。かかるMDRインヒビターはp−糖タンパク質(P−gp)のインヒビター、例えば、LY335979、XR9576、OC144−093、R101922、VX853及びPSC833(バルスポダール(valspodar))を包含する。
本発明化合物は、本発明化合物の単独使用又は放射線療法との併用から生じ得る急性、遅延型、後期、及び予測性の嘔吐などの悪心又は嘔吐を治療するために、抗嘔吐剤とともに使用し得る。嘔吐の予防又は治療のために、本発明化合物は他の抗嘔吐剤、とりわけ、ニューロキニン−1受容体アンタゴニスト、5HT3受容体アンタゴニスト、例えば、オンダンセトロン(ondansetron)、グラニセトロン(granisetron)、トロピセトロン(tropisetron)、及びザチセトロン(zatisetron)など、GABAB受容体アゴニスト、例えば、バクロフェンなど、コルチコステロイド、例えば、デカドロン(デキサメタゾン)など、ケナログ(Kenalog)、アリストコルト(Aristocort)、ナサリド(Nasalide)、プレフェリド(Preferid)、ベネコルテン(Benecorten)、又はUSP2,789,118、2,990,401、3,048,581、3,126,375、3,929,768、3,996,359、3,928,326及び3,749,712に開示されたその他のもの、抗ドーパミン作動性薬、例えば、フェノチアジン類(例:プロクロルペラジン、フルフェナジン、チオリダジン及びメソリダジン)、メトクロプラミド又はドロナビノールなどと共に使用し得る。一実施態様においては、ニューロキニン−1受容体アンタゴニスト、5HT3受容体アンタゴニスト、及びコルチコステロイドから選択される抗嘔吐剤が、本発明化合物の投与により生じ得る嘔吐の治療又は予防のために、アジュバントとして投与される。
本発明化合物と組合わせて使用するニューロキニン−1受容体アンタゴニストについては、例えば、以下に詳しく記載されている:米国特許USP5,162,339、5,232,929、5,242,930、5,373,003、5,387,595、5,459,270、5,494,926、5,496,833、5,637,699、5,719,147; 欧州特許公開番号EP0 360 390、0 394 989、0 428 434、0 429 366、0 430 771、0 436 334、0 443 132、0 482 539、0 498 069、0 499 313、0 512 901、0 512 902、0 514 273、0 514 274、0 514 275、0 514 276、0 515 681、0 517 589、0 520 555、0 522 808、0 528 495、0 532 456、0 533 280、0 536 817、0 545 478、0 558 156、0 577 394、0 585 913、0 590 152、0 599 538、0 610 793、0 634 402、0 686 629、0 693 489、0 694 535、0 699 655、0 699 674、0 707 006、0 708 101、0 709 375、0 709 376、0 714 891、0 723 959、0 733 632及び0 776 893;PCT国際特許公開番号WO90/05525、90/05729、91/09844、91/18899、92/01688、92/06079、92/12151、92/15585、92/17449、92/20661、92/20676、92/21677、92/22569、93/00330、93/00331、93/01159、93/01165、93/01169、93/01170、93/06099、93/09116、93/10073、93/14084、93/14113、93/18023、93/19064、93/21155、93/21181、93/23380、93/24465、94/00440、94/01402、94/02461、94/02595、94/03429、94/03445、94/04494、94/04496、94/05625、94/07843、94/08997、94/10165、94/10167、94/10168、94/10170、94/11368、94/13639、94/13663、94/14767、94/15903、94/19320、94/19323、94/20500、94/26735、94/26740、94/29309、95/02595、95/04040、95/04042、95/06645、95/07886、95/07908、95/08549、95/11880、95/14017、95/15311、95/16679、95/17382、95/18124、95/18129、95/19344、95/20575、95/21819、95/22525、95/23798、95/26338、95/28418、95/30674、95/30687、95/33744、96/05181、96/05193、96/05203、96/06094、96/07649、96/10562、96/16939、96/18643、96/20197、96/21661、96/29304、96/29317、96/29326、96/29328、96/31214、96/32385、96/37489、97/01553、97/01554、97/03066、97/08144、97/14671、97/17362、97/18206、97/19084、97/19942及び97/21702;及び英国特許公開PB−A2 266 529、2 268 931、2 269 170、2 269 590、2 271 774、2 292 144、2 293 168、2 293 169、及び 2 302 689。かかる化合物の調製については、上記の特許及び出願公開に詳しく記載されている;これらを参照により本明細書の一部とする。
一実施態様において、本発明化合物と組合わせて使用されるニューロキニン−1受容体アンタゴニストは、USP5,719,147に開示されている2−(R)−(1−(R)−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)エトキシ)−3−(S)−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(5−オキソ−1H,4H−1,2,4−トリアゾロ)メチル)モルホリン、又はその医薬的に許容される塩から選択される。
本発明化合物はまたビスホスホネート(ビスホスホネート、ジホスホネート、ビスホスホン酸及びジホスホン酸などを含むと理解される)と組合わせて、骨癌などの癌の治療又は予防に有用であり得る。ビスホスホネートの例は、限定されるものではないが、エチドロネート(ジドロネル(Didronel))、パミドロネート(アレジア(Aredia))、アレンドロネート(ホサマックス(Fosamax))、リセンドロネート(アクトネル(Actonel))、ゾレドロネート(ゾメタ(Zometa))、イバンドロネート(ボニバ(Boniva))、インカドロネート(incadronate)もしくはシマドロネート(cimadronate)、クロドロネート(clodronate)、EB−1053、ミノドロネート(minodronate)、ネリドロネート(neridronate)、ピリドロネート(piridronate)及びチルドロネート(tiludronate)並びにそのいずれかの、及びすべての医薬的に許容される塩、誘導体、水和物及びその混合物である。
本発明化合物は貧血の治療に有用な薬剤と共にも投与し得る。かかる貧血治療の薬剤は、例えば、連続的赤血球形成受容体活性化因子(エポエチンアルファなど)である。
本発明化合物は好中球減少症の治療に有用な薬剤と共にも投与し得る。かかる好中球減少症治療の薬剤は、例えば、ヒト顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)などの好中球の産生と機能を調節する造血成長因子である。G−CSFの例はフィルグラスチム(filgrastim)である。
本発明化合物はまた免疫増強剤、例えば、レバミゾール、イソプリノシン(isoprinosine)及びザダキシン(Zadaxin)などと共にも投与し得る。
本発明化合物はまたビスホスホネート(ビスホスホネート、ジホスホネート、ビスホスホン酸及びジホスホン酸などを含むと理解される)と組合わせて、骨癌などの癌の治療又は予防に有用であり得る。ビスホスホネートの例は、限定されるものではないが、エチドロネート(ジドロネル(Didronel))、パミドロネート(アレジア(Aredia))、アレンドロネート(ホサマックス(Fosamax))、リセンドロネート(アクトネル(Actonel))、ゾレドロネート(ゾメタ(Zometa))、イバンドロネート(ボニバ(Boniva))、インカドロネート(incadronate)もしくはシマドロネート(cimadronate)、クロドロネート(clodronate)、EB−1053、ミノドロネート(minodronate)、ネリドロネート(neridronate)、ピリドロネート(piridronate)及びチルドロネート(tiludronate)並びにそのいずれかの、及びすべての医薬的に許容される塩、誘導体、水和物及びその混合物である。
また、本発明化合物はアロマターゼインヒビターと組合わせて、乳癌の治療又は予防にも有用であり得る。アロマターゼインヒビターの例は、限定されるものではないが、アナストロゾール、レトロゾール及びエクゼメスタンである。
また、本発明化合物はsiRNA療法と組合わせた癌の治療又は予防にも有用であり得る。
従って、本発明の範囲は、本出願請求項に記載の化合物と、第二の化合物、すなわち、エストロゲン受容体モジュレーター、アンドロゲン受容体モジュレーター、レチノイド受容体モジュレーター、細胞傷害剤/細胞増殖抑制剤、抗増殖剤、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼインヒビター、HMG−CoAリダクターゼインヒビター、HIVプロテアーゼインヒビター、逆転写酵素インヒビター、血管形成インヒビター、PPAR−γアゴニスト、PPAR−δアゴニスト、本来多剤耐性であるもののインヒビター、抗嘔吐剤、貧血の治療に有用な薬剤、好中球減少症の治療に有用な薬剤、免疫増強剤、細胞増殖及び生存シグナル伝達のインヒビター、アポトーシス誘発剤、ビスホスホネート、アロマターゼインヒビター、siRNA療法及び細胞周期チェックポイントに干渉する薬剤から選択される化合物とを組合わせて使用することを包含する。
本発明化合物に関連する用語「投与」及びその変形(例えば、化合物を「投与する」)は、該化合物又は該化合物のプロドラッグを、治療を必要とする動物の系に導入することを意味する。本発明化合物又はそのプロドラッグが1種以上の他の活性薬剤(例えば、細胞傷害剤など)と組合わせて提供される場合、「投与」及びその変形はそれぞれ該化合物又はそのプロドラッグ及び他の薬剤を同時に、及び連続的に導入することを包含すると理解される。
本明細書にて使用する場合、用語「組成物」とは、特定量の特定成分からなる製品、並びに直接又は間接に、特定量の特定成分の組合わせから生じる製品を包含するものとする。
本明細書にて使用する場合、用語「治療有効量」とは、研究者、獣医師、医師又はその他の臨床家が求める、組織、系、動物又はヒトにおける、生物学的又は医薬的応答を生じる活性化合物又は薬剤の量を意味する。
用語「癌を治療する」又は「癌の治療」とは、癌の症状に侵された哺乳動物に投与することをいい、また癌細胞を殺すことにより癌の症状を軽減する作用をいうが、さらに癌の増殖及び/又は転移を阻害する作用をもいう。
一実施態様において、第二の化合物として使用するべき血管形成インヒビターは、チロシンキナーゼインヒビター、上皮由来増殖因子のインヒビター、線維芽細胞由来増殖因子のインヒビター、血小板由来増殖因子のインヒビター、MMP(マトリックス・メタロプロテアーゼ)インヒビター、インテグリン・ブロッカー、インターフェロン−α、インターロイキン−12、ペントサン・ポリ硫酸、シクロオキシゲナーゼ・インヒビター、カルボキシアミドトリアゾール、コンブレタスタチンA−4、スクアラミン、6−O−クロロアセチルカルボニル)フマギロール、サリドマイド、アンギオスタチン、トロポニン−1、又はVEGFに対する抗体から選択される。一実施態様において、エストロゲン受容体モジュレーターは、タモキシフェン又はラロキシフェンである。
請求項の範囲には、式Iで示される化合物の治療有効量を、放射線療法との組合わせ及び/又はエストロゲン受容体モジュレーター、アンドロゲン受容体モジュレーター、レチノイド受容体モジュレーター、細胞傷害剤/細胞増殖抑制剤、抗増殖剤、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼインヒビター、HMG−CoAリダクターゼインヒビター、HIVプロテアーゼインヒビター、逆転写酵素インヒビター、血管形成インヒビター、PPAR−γアゴニスト、PPAR−δアゴニスト、本来多剤耐性であるもののインヒビター、抗嘔吐剤、貧血の治療に有用な薬剤、好中球減少症の治療に有用な薬剤、免疫増強剤、細胞増殖及び生存シグナル伝達のインヒビター、アポトーシス誘発剤、ビスホスホネート、アロマターゼインヒビター、siRNA治療剤及び細胞周期チェックポイントに干渉する薬剤から選択される化合物とを組み合わせて投与することからなる癌の治療方法が包含される。
また本発明のなお別の実施態様は、式Iで示される化合物の治療有効量を、パクリタキセル又はトラスツズマブと組合わせて投与することからなる癌の治療方法である。
本発明はさらに式Iで示される化合物の治療有効量をCOX−2インヒビターと組合わせて投与することからなる癌の治療又は予防方法を包含する。
本発明はまた式Iで示される化合物の治療有効量と、エストロゲン受容体モジュレーター、アンドロゲン受容体モジュレーター、レチノイド受容体モジュレーター、細胞傷害剤/細胞増殖抑制剤、抗増殖剤、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼインヒビター、HMG−CoAリダクターゼインヒビター、HIVプロテアーゼインヒビター、逆転写酵素インヒビター、血管形成インヒビター、PPAR−γアゴニスト、PPAR−δアゴニスト、細胞増殖及び生存シグナル伝達のインヒビター、ビスホスホネート、アロマターゼインヒビター、siRNA治療剤及び細胞周期チェックポイントに干渉する薬剤から選択される化合物とを含有してなる癌の治療又は予防に有用な医薬組成物を包含する。
本発明のこれら諸々の態様は、本明細書に含まれる教示から明瞭である。
アッセイ
実施例に記載した本発明化合物について、下記のアッセイ法により試験を行い、MET阻害活性を有することを見出した。その他のアッセイは文献上既知であり、当業者は容易に実施することができよう(参照例:米国特許出願公開US2005/0075340A1(2005年4月7日;18〜19ページ)及びPCT公開WO2005/028475(2005年3月31日;236〜248ページ))。
I.インビトロ・キナーゼアッセイ
ヒトc−Metの組換えGST−標識細胞質ドメイン及びその他の受容体チロシンキナーゼ(マウスc−Met、ヒトRon、KDR、IGFR、EGFR、FGFR、Mer、TrkA及びTie2などを含む)を用いて、本発明化合物がこれらキナーゼの酵素活性を調節するかどうかを決定する。
c−Met及びその他の受容体チロシンキナーゼ類の可溶性組換えGST−標識細胞質ドメインは、製造元が推奨するプロトコールに従って、バキュロウイルス系(ファーミンジェン)で発現する。各細胞質ドメインをエンコードするc−DNAを、フレーム中に6xヒスチジンタグとGSTタグを含むバキュロウイルス発現ベクター(pGcGHLT−A、B又はC;ファーミンジェン)にサブクローンする。得られるプラスミド構築物及びバキュロゴールド・バキュロウイルスDNA(ファーミンジェン)を用いてSf9又はSf21昆虫細胞に同時形質移入する。GST−標識キナーゼ融合の発現を確認した後、高力価の組換えバキュロウイルス株を産生させ、発現条件を最適化し、ラットのKDR−GST融合のスケールアップ発現を実施する。次いで、融合キナーゼを昆虫細胞溶解液から、グルタチオンアガロース(ファーミンジェン)を用いるアフィニティクロマトグラフィーにより精製する。精製したタンパク質は、50%グリセロール、2mM−DTT、50mMトリス−HCl(pH7.4)に対して透析し、−20℃で保存する。融合タンパク質のタンパク質濃度は、BSAを標準とするクマシープラスタンパク質アッセイ(ピアース)により決定する。
c−Metと他のキナーゼのキナーゼ活性は、パークら(Park et al.Anal.Biochem.269:94−104(1999))が記載する均一系時間分解チロシンキナーゼアッセイ法の改良法により測定する。
c−Metキナーゼを阻害する化合物の効力を決定する方法は、以下の工程からなる:
1.96穴プレート中、所望最終濃度の20倍の3倍段階希釈化合物/100%ジメチルスルホキシド(DMSO)溶液を調製する。
2.6.67mM−MgCl、133.3mM−NaCl、66.7mMトリス−HCl(pH7.4)、0.13mg/mlのBSA、2.67mMジチオスレイトール、0.27nM組換えc−Met及び666.7nMビオチン化合成ペプチド基質(ビオチン−ahx−EQEDEPEGDYFEWLE−CONH)(配列番号:1)を含有するマスター反応混合物を調製する。
3.黒色アッセイプレートに、1ウエルあたり、2.5μlの化合物溶液(又はDMSO)及び37.5μlのマスター反応混合物を加える。1ウエルあたり10μlの0.25mM−MgATPを加えることによってキナーゼ反応を開始する。反応は室温で80分間進行させる。反応の最終条件は、0.2nMc−Met、0.5μM基質、50μM−MgATP、5mM−MgCl、100mM−NaCl、2mM−DTT、0.1mg/mlのBSA、50mMトリス(pH7.4)及び5%DMSOである。
4.10mM−EDTA、25mM−HEPES、0.1%トリトンX−100、0.126μg/mlのEu−キレート標識抗ホスホチロシン抗体PY20(カタログ番号AD0067、パーキンエルマー)及び45μg/mlストレプトアビジン−アロフィコシアニン複合体(カタログ番号PJ25S、プロザイム)を含有する50μlの停止/検出バッファーによりキナーゼ反応を停止する。
5.60分後に、ビクターリーダー(パーキンエルマー)上、HTRFモードでHTRFシグナルを読み取る。
6.化合物濃度とHTRFシグナルとの間に観察される関係を4−パラメータロジスティック等式とフィッティングすることによりIC50を決定する。
本質的に同じ手法を用いて、マウスc−Met、ヒトRon、KDR、IGFR、EGFR、FGFR、Mer、TrkA及びTie2を阻害する化合物の効力を決定した;ただし、酵素の濃度は個々のアッセイで変更した(0.2nMマウスc−Met;2.5nM−Ron;8nM−KDR;0.24nM−IGFR;0.24nM−EGFR;0.14nM−FGFR;16nM−Mer;8nM−TrkA;8nM−Tie2)。
実施例の化合物14及び15を上記のアッセイ法で試験したところ、IC50≦50μMを示すことが判明した。
II.細胞ベースのc−Met自己リン酸化アッセイ
サンドイッチELISAアッセイ法を用いて、METが構成的に活性化されているMKN45胃癌細胞でのMET自己リン酸化を評価する。簡単に説明すると、細胞の単層を化合物又は媒体で前処理し、次いで溶解する。細胞溶解液中のMETを、プラスチック表面に固定した抗MET抗体で捕捉した。次いで、一般的な抗ホスホチロシン抗体又は数種の特異的抗ホスホ−MET抗体の一つを、捕捉したMETに結合させ、HRP−接合第二抗体により検出する。
MKN45細胞におけるMET自己リン酸化を阻害する化合物の効力を決定する手法は以下の工程からなる:
第1日
1.96穴ELISAプレートを1μg/mlの捕捉抗体溶液(Af276、R&D)100μl/ウエルにより4℃で一夜被覆する。
2.別の96穴培養プレートに、増殖培地(RPMI1640、10%FBS、100ug/mLのペン−ストレップ、100ug/mLのL−グルタミン、及び10mM−HEPES)0.1ml中、MKN45細胞を90,000細胞/ウエルに播種し、37℃/5%COで、80〜90%集密度まで一夜培養する。
第2日
1.ELISAプレートを200μl/ウエルの洗浄バッファー(TBST+0.25%BSA)にて4回洗う。ELISAプレートを200μl/ウエルの遮断バッファー(TBST+1.5%BSA)と室温で3〜5時間インキュベートする。
2.DMSO中、200倍化合物の半長の希釈系列を調製する。この系列をアッセイ媒体(RPMI1640,10%FBS、及び10mM−HEPES)で10倍に希釈する。
3.MKN45細胞を容れた培養プレートに、10倍の化合物溶液(11μl/ウエル)を加える。このプレートを37℃/5%COで60分間インキュベートする。
4.この細胞を100μl/ウエルの溶解バッファー(30mMトリスpH7.5、5mM−EDTA、50mM−NaCl、30mMピロリン酸ナトリウム、50mM−NaF、0.5mM−NaVO、0.25mMビスペルオキソ(1,10−フェナンスロリン)−オキソバナジン酸カリウム、0.5%NP40、1%トリトンX−100、10%グリセロール、及びプロテアーゼインヒビターカクテル)により4℃で90分間溶解する。
5.ELISAプレートから遮断バッファーを除去し、200μl/ウエルの洗浄バッファーでプレートを4回洗う。90μl/ウエルのMKN45細胞溶解液を培養プレートからELISAプレートに移す。シールしたアッセイプレートを4℃でゆるやかに振盪しながら、一夜インキュベートする。
第3日
1.200μl/ウエルの洗浄バッファーによりELISAプレートを4回洗う。
2.100μl/ウエルの一次検出抗体(1μg/ml/TBST+1%BSA)と室温で1.5時間インキュベートする。以下の一次抗体を使用した:4G10(アップステートから);抗pMet(1349)及び抗pMet(1369)(共にバイオソースから)。
3.ELISAプレートを洗浄バッファーで4回洗う。100μl/ウエルの二次抗体(4G10については、TBST+1%BSA中で希釈した1:1000の抗マウスIgG−HRP、又は抗pMet(1349)及び抗pMet(1365)については、1:1000の抗ウサギIgG−HRP)を加える。ゆるやかに混合しながら室温で1.5時間インキュベートする。200ul/ウエルの洗浄バッファーで4回洗う。
4.100μl/ウエルのクァンタブルー試薬(ピアース)を加え、室温で8分間インキュベートする。スペクトラ・ジェミニEMプレートリーダー(モレキュラー・ディバイス)にて、蛍光(励起波長:314nm;発光波長:425nm)を読み取る。
5.化合物濃度と蛍光シグナルとの間の関係を4−パラメータロジスティック等式とフィッティングすることによりIC50を計算する。
III.MKN45細胞の増殖/生存度アッセイ
MKN45ヒト胃癌細胞は、活性化されたc−metを構成的に過剰発現することが知られている。c−MetをsiRNAの媒介下に部分的にノックダウンすると、MKN45細胞において顕著な増殖阻害とアポトーシスを誘発することが分かったが、このことはこの細胞内でのc−Metの極めて重要な役割を示唆している。本明細書に記載したアッセイ法では、MKN45細胞の増殖/生存度に対するc−Metインヒビターの効果を測定する。MKN45増殖/生存度を阻害する化合物の効力を決定する手法は、以下の工程からなる。
第1日:96穴プレートに、1ウエルあたり3000細胞/95μl培地(RPMI/10%FCS、100mM−HEPES、ペニシリン及びストレプトマイシン)のMKN45細胞を塗布する。このプレートを37℃/5%COのインキュベーター中に保持する。DMSO中、所望最終濃度の1000倍で、3倍段階希釈した化合物溶液を調製する。
第2日:1000倍の化合物溶液を培地で希釈して、50倍の化合物溶液を調製する。上記のMKN45細胞培養物に、1ウエルあたり5μlの20倍化合物溶液を加える。プレートをインキュベーターに戻す。
第5日:1ウエルあたり50μlの溶解バッファー(バイアライト試薬キット、カタログ番号LT07−221、コンブレックス)を加える。室温で15分間、細胞を溶解させる。次いで、50μlの検出試薬(バイアライト試薬キット)を加え、3分間インキュベートする。このプレートをトップカウント(パーキンエルマー)上、発光方式で読み取る。化合物濃度と発光シグナルとの間の関係を4−パラメータロジスティック等式とフィッティングすることによりIC50を計算する。
IV.HGF−誘発細胞移動アッセイ
HPAF膵臓癌細胞のHGF−誘発転移を、BDファルコン・フルオロブロック96−多穴インサートプレート(カタログ番号351164;BDディスカバリー・ラブウエア)により評価した。該プレートは、その各ウエルが細孔膜により、上部と底部のチャンバーに隔離されているものである。膵臓癌細胞を膜の上部側に塗布し、下部チャンバーに加えた化学誘引物質に応答して、膜の下側に移動するようにする。膜の下側の細胞は蛍光色素で標識し、蛍光プレートリーダーで検出する。細胞移動を阻害する化合物の効力を決定する手法は以下の工程からなる。
1.100%DMSO中、1000倍最終濃度の試験化合物溶液を調製する。
2.上記溶液をDMEM/10%FCSで50倍に希釈し、最終濃度の20倍の化合物溶液を得る。
3.フルオロブロック96−多穴インサートプレートの各下部チャンバーに180μlのDMEM/10%FCSを容れ、各上部チャンバーに、50ulのDMEM/10%FCS中の8,000個のHPAF膵臓癌細胞を塗布する。
4.塗布の1〜2時間後、上部と下部チャンバーそれぞれに2.5μl及び10μlの20倍化合物溶液を加える。プレートを37℃で60分間インキュベートし、次いで、下部チャンバーに濃厚HGFを加え、最終HGF濃度を15ng/mlとする。インサートプレートを一夜20時間インキュベートする。
5.濃厚カルセイン色素(モレキュラー・プローブ)の一部を各下部チャンバーに加え、5μg/mlの最終色素濃度とし、細胞を1時間標識する。各下部チャンバーを200μlのDMEM/10%FCSで洗う。
6.ビクターリーダー(パーキンエルマー)上、底部読取モードで蛍光を読み取る(励起波長:485nm;発光波長:535nm)。
7.化合物濃度と発光シグナルとの間の関係を4−パラメータロジスティック等式とフィッティングすることによりIC50を計算する。
提供する実施例は、本発明のさらなる理解の一助とするためのものである。用いた特定の物質、種類及び条件は、本発明の説明を目的とするものであり、その妥当な範囲を限定するものではない。
Figure 2009512707
実施例1
Figure 2009512707
工程12−ビニルニコチンアルデヒド
nPrOH(70mL)中、2−ブロモニコチンアルデヒド(2.0g、11mmol)の攪拌溶液に、ビニルトリフルオロホウ酸カリウム(1.5g、11mmol)、PdCl(dppf)(0.17g、0.23mmol)、及びTEA(1.6mL、12mmol)を加えた。反応混合物を3時間加熱還流し、室温に冷やし、EtOAcで希釈し、水及び食塩水で洗浄した。有機層を乾燥し(NaSO)、濃縮し、フラッシュ・クロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を得た。H−NMR(600MHz,CDCl)δ10.39(s,1H);8.77(dd,1H);8.13(dd,1H);7.59(dd,1H);7.37(dd,1H);6.48(dd,1H);5.77(dd,1H)。
工程2(2,5−ジクロロピリジン−3−イル)(2−ビニルピリジン−3−イル)メタノール
ジイソプロピルエーテル(20mL)中、nBuLi(1.6M/ヘキサン、5.5mL、8.8mL)の攪拌溶液に、ジイソプロピルエーテル(10mL)中の3−ブロモ−2,5−ジクロロピリジン(2.0g、8.8mmol)を−78℃でゆっくりと加えた。得られた懸濁液をTHF(5mL)中の2−ビニルニコチンアルデヒド(1.2g、8.8mmol)で処理し、−78℃で30分間攪拌し、次いで室温に戻した。この混合物をEtOAcで希釈し、水と食塩水で洗い、乾燥(NaSO)、濃縮し、フラッシュ・クロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を得た。H−NMR(600MHz,CDCl)δ8.58(dd,1H);8.32(d,1H);7.83(d,1H);7.54(dd,1H);7.21(dd,1H);7.06(dd,1H);6.42(dd,1H);6.37(br s,1H);5.58(dd,1H);2.79(br s,1H)。LRMS(ESI)計算値(C1310ClOとして)[M+H],281.0;測定値280.7。
工程3(2,5−ジクロロピリジン−3−イル)(2−ビニルピリジン−3−イル)メタノン
CHCl(50mL)中、(2,5−ジクロロピリジン−3−イル)(2−ビニルピリジン−3−イル)メタノール(2.0g、7.1mmol)の攪拌溶液に、NaHCO(50mg)及びデス−マーチン・ペルヨーディナン(4.0g、9.4mmol)を加えた。反応混合物を30分間攪拌放置し、水性Na溶液で処理し、EtOAcで希釈した。有機層を分離し、食塩水で洗い、乾燥(NaSO)、濃縮して、フラッシュ・クロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を得た。H−NMR(600MHz,CDCl)δ8.77(dd,1H);8.53(d,1H);7.83(d,1H);7.66(dd,1H);7.27(dd,1H);7.21(dd,1H);6.54(dd,1H);5.63(dd,1H)。
工程4(5−クロロ−2−ビニルピリジン−3−イル)(2−ビニルピリジン−3−イル)メタノン
nPrOH(20mL)中、(2,5−ジクロロピリジン−3−イル)(2−ビニルピリジン−3−イル)メタノン(0.98g、3.5mmol)の攪拌溶液に、ビニルトリフルオロホウ酸カリウム(0.56g、4.2mmol)、PdCl(dppf)(54mg、0.074mmol)、及びTEA(0.50mL、3.6mmol)を加えた。反応混合物を3時間加熱還流し、室温に冷やし、EtOAcで希釈し、水と食塩水で洗った。有機層を乾燥(NaSO)、濃縮し、フラッシュ・クロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を得た。H−NMR(600MHz,CDCl)δ8.77(dd,1H);8.67(d,1H);7.63(dd,1H);7.60(d,1H);7.27(dd,1H);7.10(dd,1H);6.94(dd,1H);6.52(dd,1H);6.47(dd,1H);5.58(dd,1H);5.54(dd,1H)。LRMS(ESI)計算値(C1511ClNOとして)[M+H],271.1;測定値270.8。
工程53−クロロ−5H−ピリド[3’,2’:4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オン(化合物1)
トルエン(90mL)中、(5−クロロ−2−ビニルピリジン−3−イル)(2−ビニルピリジン−3−イル)メタノン(0.37g、1.4mmol)の攪拌溶液に、ツァーン(Zhan)I触媒(0.18g、0.27mmol)を加えた。反応混合物を8時間加熱還流した。追加のツァーンI触媒(0.18g、0.27mmol)を加え、得られた混合物を一夜加熱還流し、室温に冷やしてSiOのパッドで濾過、濃縮し、フラッシュ・クロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を得た。H−NMR(600MHz,CDCl)δ8.98(dd,1H);8.88(d,1H);8.59(dd,1H);8.56(d,1H);7.61(d,1H);7.57(d,1H);7.55(dd,1H)。LRMS(ESI)計算値(C13ClNOとして)[M+H],243.0;測定値242.8。
実施例2
Figure 2009512707
3−フェニル−5H−ピリド[3’,2’:4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オン(化合物2)
ジオキサン(2mL)中、3−クロロ−5H−ピリド[3’,2’:4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オン(50mg、0.21mmol)の攪拌溶液に、フェニルボロン酸(38mg、0.31mmol)、Pd(PPh(12mg、0.010mmol)、及びKCO(37mg、0.27mmol)を加えた。反応混合物を5時間加熱還流し、室温に冷やし、EtOAcで希釈し、水と食塩水で洗い、乾燥(NaSO)、濃縮して、フラッシュ・クロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を得た。H−NMR(600MHz,CDCl)δ9.21(d,1H);8.98(d,1H);8.79(br s,1H);8.63(d,1H);7.46−7.75(m,8H)。
実施例3
Figure 2009512707
11−ニトロ−3−フェニル−5H−ピリド[3’,2’:4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オン(化合物3)及び10−ニトロ−3−フェニル−5H−ピリド[3’,2’:4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オン(化合物4)
CHCl(2mL)中、3−フェニル−5H−ピリド[3’,2’:4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オン(0.25g、0.88mmol)と硝酸テトラブチルアンモニウム(0.29g、0.97mmol)の攪拌溶液に、TFAA(0.19g、0.92mmol)を0℃で滴下した。得られた溶液は浴を加温して室温に戻し、一夜攪拌放置する。次いで、反応混合物を塩基性となるまで、1N−NaOHで希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を乾燥(NaSO)、濃縮して、フラッシュ・クロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を得た。一方の異性体:H−NMR(600MHz,CDCl)δ9.26(d,1H);8.98(dd,1H);8.72(d,1H);8.57(dd,1H);8.07(s,1H);7.74(d,2H),7.68(dd,1H);7.56(t,2H);7.52(t,1H)。LRMS(ESI)計算値(C1911として)[M+H],330.1;測定値。他方の異性体:H−NMR(600MHz,CDCl)δ9.20(br s,1H);9.03(br s,1H);8.72(br s,1H);8.57(d,1H);8.01(s,1H);7.72(d,2H),7.65(dd,1H);7.55(t,2H);7.51(t,1H)。LRMS(ESI)計算値(C1911として)[M+H],330.1;測定値330.0。
Figure 2009512707
実施例4
Figure 2009512707
工程15−ブロモ−2−メトキシイソニコチンアルデヒド
THF(100mL)中、LDA(64mmol)の攪拌溶液に、THF(20mL)中の5−ブロモ−2−メトキシピリジン(10g、53mmol)を−78℃でゆっくりと加えた。反応混合物を−78℃で攪拌放置し、THF(30mL)中のDMF(15.6g、213mmol)でゆっくり処理し、−78℃で1時間攪拌放置し、浴を加温して室温に戻した。反応混合物を水で処理し、EtOAcで抽出し、乾燥(NaSO)、濃縮して、フラッシュ・クロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を得た。H−NMR(600MHz,CDCl)δ10.28(s,1H);8.41(s,1H);7.16(s,1H);3.95(s,3H)。
工程22−メトキシ−5−ビニルイソニコチンアルデヒド
nPrOH(60mL)中、5−ブロモ−2−メトキシイソニコチンアルデヒド(1.45g、6.71mmol)の攪拌溶液に、ビニルトリフルオロホウ酸カリウム(0.899g、6.71mmol)、PdCl(dppf)(98mg、0.134mmol)、及びTEA(0.94mL、6.71mmol)を加えた。反応混合物を3時間加熱還流し、室温に冷やし、EtOAcで希釈し、水と食塩水で洗った。有機層を乾燥(NaSO)、濃縮して、フラッシュ・クロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を得た。H−NMR(600MHz,CDCl)δ10.08(s,1H);7.90(d,1H);7.70(dd,1H);6.93(d,1H);5.72(d,1H);5.43(d,1H);4.03(s,3H)。
工程3(2,5−ジクロロピリジン−3−イル)(2−メトキシ−5−ビニルピリジン−4−イル)メタノール
ジイソプロピルエーテル(30mL)中、nBuLi(1.6M/ヘキサン、10.4mL、16.6mL)の攪拌溶液に、ジイソプロピルエーテル(10mL)中の3−ブロモ−2,5−ジクロロピリジン(3.78g、16.6mmol)を−78℃でゆっくりと加えた。得られた懸濁液をジイソプロピルエーテル(10mL)中の2−メトキシ−5−ビニルイソニコチンアルデヒド(1.36g、8.33mmol)で処理し、−78℃で30分間攪拌し、次いで室温に戻した。この混合物をEtOAcで希釈し、水と食塩水で洗い、乾燥(NaSO)、濃縮し、フラッシュ・クロマトグラフィーにより精製して、標題化合物を得た。H−NMR(600MHz,CDCl)δ8.32(d,1H);8.25(s,1H);7.69(d,1H);6.71(dd,1H);6.68(s,1H);6.21(s,1H);5.57(dd,1H);5.30(dd,1H);3.95(s,3H)。
工程4(2,5−ジクロロピリジン−3−イル)(2−メトキシ−5−ビニルピリジン−4−イル)メタノン
CHCl(100mL)中、(2,5−ジクロロピリジン−3−イル)(2−メトキシ−5−ビニルピリジン−4−イル)メタノール(2.58g、8.29mmol)の攪拌溶液に、MnO(12.9g,148mmol)を加えた。反応混合物を一夜攪拌し、セライトのパッドで濾過し、濃縮して標題化合物を得た。H−NMR(600MHz,CDCl)δ8.52(d,1H);8.44(s,1H);7.81(d,1H);6.85(dd,1H);6.63(s,1H);5.62(d,1H);5.30(dd,1H);3.97(s,3H)。
工程5(5−クロロ−2−ビニルピリジン−3−イル)(2−メトキシ−5−ビニルピリジン−4−イル)メタノン
nPrOH(25mL)中、(2,5−ジクロロピリジン−3−イル)(2−メトキシ−5−ビニルピリジン−4−イル)メタノン(0.61g、2.0mmol)の攪拌溶液に、ビニルトリフルオロホウ酸カリウム(0.26g、2.0mmol)、PdCl(dppf)(29mg、0.039mmol)、及びTEA(0.28mL、2.0mmol)を加えた。反応混合物を3時間加熱還流し、室温に冷やし、EtOAcで希釈し、水と食塩水で洗った。有機層を乾燥(NaSO)、濃縮して、フラッシュ・クロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を得た。H−NMR(600MHz,CDCl)δ8.66(d,1H);8.44(s,1H);7.58(d,1H);7.07(dd,1H);6.73(dd,1H);6.63(s,1H);6.48(dd,1H);5.60(d,1H);5.58(dd,1H);5.27(d,1H);3.97(s,3H)。
工程63−クロロ−7−メトキシ−5H−ピリド[4’,3’:4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オン
トルエン(70mL)中、(5−クロロ−2−ビニルピリジン−3−イル)(2−ビニルピリジン−3−イル)メタノン(0.40g、1.3mmol)の攪拌溶液に、ツァーンI触媒(88mg、0.13mmol)を加えた。反応混合物を6時間加熱還流し、フラッシュ・クロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を得た。H−NMR(600MHz,CDCl)δ8.87(d,1H);8.61(s,1H);8.53(d,1H);7.55(s,1H);7.29(d,1H);7.25(d,1H);4.05(s,3H)。LRMS(ESI)計算値(C14ClNとして)[M+H],273.0;測定値273.1。
工程73,7−ジクロロ−5H−ピリド[4’,3’:4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オン
DMF(20mL)中、3−クロロ−7−メトキシ−5H−ピリド[4’,3’:4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オン(0.28g、1.0mmol)の攪拌溶液に、POCl(0.86mL、9.2mmol)を0℃で加えた。反応混合物を0℃で1時間攪拌放置し、室温に戻し、100℃で7時間加熱した。この混合物を飽和NaHCO溶液に注入し、EtOAcで抽出した。併合した有機層を水と食塩水で洗い、乾燥(NaSO)、濃縮して、フラッシュ・クロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を得た。H−NMR(600MHz,CDCl)δ8.89(d,1H);8.78(s,1H);8.54(d,1H);8.12(s,1H);7.50(d,1H);7.29(d,1H)。
工程83−クロロ−7−[(2,4−ジメトキシベンジル)アミノ]−5H−ピリド[4’,3’:4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オン(化合物5)
iPrOH(2mL)中、3,7−ジクロロ−5H−ピリド[4’,3’:4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オン(22mg、0.079mmol)の攪拌溶液に、TEA(0.055mL、0.40mmol)及び2,4−ジメトキシベンジルアミン(0.060mL、0.40mmol)を封管中で加えた。反応混合物を一夜125℃で加熱し、フラッシュ・クロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を得た。H−NMR(600MHz,v)δ8.79(d,1H);8.52(d,1H);8.47(s,1H);7.27(s,1H);7.23(d,1H);7.15(d,1H);7.13(d,1H);6.48(d,1H);6.44(dd,1H);5.79(br s,1H);4.54(d,2H);3.87(s,3H);3.79(s,3H)。LRMS(ESI)計算値(C2218ClNとして)[M+H],408.1;測定値408.1。
実施例5
Figure 2009512707
工程17−[(2,4−ジメトキシベンジル)アミノ]−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−5H−ピリド[4’,3’:4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オン
DMF(8mL)中、3−クロロ−7−[(2,4−ジメトキシベンジル)アミノ]−5H−ピリド[4’,3’:4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オン(0.13g、0.32mmol)の攪拌溶液に、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(0.13g、0.64mmol)、テトラフルオロホウ酸トリ−tert−ブチルホスホニウム(9mg、0.032mmol)、Pd(dba)(15mg、0.016mmol)、及びKF(61mg、1.1mmol)を加えた。反応混合物を24時間135℃に加熱し、EtOAcで希釈し、水及び食塩水で洗い、乾燥(NaSO)、濃縮して、フラッシュ・クロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を得た。LRMS(ESI)計算値(C2623として)[M+H],454.2;測定値454.2。
工程27−アミノ−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−5H−ピリド[4’,3’:4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オン(化合物6)
CHCl(2mL)中、7−[(2,4−ジメトキシベンジル)アミノ]−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−5H−ピリド[4’,3’:4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オン(20mg、0.044mmol)の攪拌溶液に、TFA(1mL)を加えた。反応混合物を2時間攪拌放置し、濃縮、分取−HPLCにより精製して、標題化合物を得た。H−NMR(600MHz,CDSOCD)δ9.19(d,1H);8.56(d,1H);8.54(s,1H);8.45(s,1H);8.12(s,1H);7.23(d,1H);7.13(s,1H);7.04(d,1H);6.87(s,2H);3.91(s,3H)。LRMS(ESI)計算値(C1713Oとして)[M+H],304.1;測定値304.1。
実施例6
Figure 2009512707
N’−(3−クロロ−5−オキソ−5H−ピリド[4’,3’:4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−7−イル)−N,N−ジメチルスルファミド(化合物7)
ジオキサン(5mL)中、3,7−ジクロロ−5H−ピリド[4’,3’:4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オン(80mg、0.29mmol)の攪拌溶液に、Pd(dba)(13mg、0.014mmol)、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(25mg、0.043mmol)、N,N−ジメチルスルファミド(36mg、0.29mmol)、及びCsCO(0.28g、0.87mmol)を加えた。反応混合物を2時間95℃に加熱し、室温に冷やし、水で処理し、EtOAcで抽出した。併合した有機層を食塩水で洗い、乾燥(NaSO)、濃縮して、フラッシュ・クロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を得た。H−NMR(600MHz,CDCl)δ8.79(d,1H);8.86(d,1H);8.76(s,1H);8.66(br s,1H);8.54(d,1H);7.96(s,1H);7.38(d,1H);7.27(d,1H);2.99(s,6H)。LRMS(ESI)計算値(C1513ClNSとして)[M+H],365.0;測定値365.1。
実施例7
Figure 2009512707
7−[(2,4−ジメトキシベンジル)アミノ]−5H−ピリド[4’,3’:4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オン(化合物8)
DMF(3mL)中、3,7−ジクロロ−5H−ピリド[4’,3’:4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オン(40mg、0.14mmol)の攪拌溶液に、2,4−ジメトキシベンジルアミン(0.12g、0.72mmol)及びKCO(0.10g、0.72mmol)を加えた。反応混合物を155℃に2時間加熱し、EtOAcで希釈し、水と食塩水で洗い、乾燥(NaSO)、濃縮して、フラッシュ・クロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を副生物として得た。H−NMR(600MHz,CDCl)δ8.88(dd,1H);8.55(dd,1H);8.46(s,1H);7.41(dd,1H);7.26(s,1H);7.24(d,1H);7.18(d,1H);7.15(d,1H);6.48(d,1H);6.44(dd,1H);5.54(br s,1H);4.54(d,2H);3.86(s,3H);3.79(s,3H)。LRMS(ESI)計算値(C2219として)[M+H],374.1;測定値374.2。
以下の化合物は反応工程図2に従って調製した。化合物13は中間体として3−ブロモ−6−メトキシピリジン−2−カルバルデヒドを用いて調製した(Kelly,S.A.;Foricher,Y.;Mann,J.;Bentley,J.M.Org.Biomol.Chem.,2003,1,2865)。
Figure 2009512707
Figure 2009512707
実施例8
Figure 2009512707
工程16−クロロ−2−メチル−4H−ピリド[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン
アセトニトリル400mL中の2−アミノニコチン酸(5.00g、36.2mmol)の攪拌溶液に、N−クロロコハク酸イミド(5.80g、43.4mmol)を固体として一度に加え、次いで、80℃に加温した。6時間後、混合物を室温に冷やし、減圧下に濃縮した。次いで、残渣を無水酢酸(50mL)に懸濁し、加熱還流して一夜攪拌放置した。室温に冷やした後、溶媒を減圧下に除去し、残渣をフラッシュ・クロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を得た。H−NMR(600MHz,CDCl3)δ8.89(d,1H,J=3.0Hz);8.85(d,1H,J=2.4Hz);8.28(d,1H,J=1.8Hz);2.55(s,3H)。
工程23−クロロ−7−メトキシ−5H−ピリド[2,3−c][2]ベンズアゼピン−5−オン(化合物13)
エーテル5.0mL中の2−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジメチルイミダゾリジン(380mg、1.70mmol)の溶液に、t−BuLi(1.99mL、3.39mmol、1.7M/ペンタン)を−78℃で滴下し、得られた混合物を5時間攪拌した。先に生成させたリチオ−アレン溶液を、6−クロロ−2−メチル−4H−ピリド[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン(500mg、2.54mmol)の−78℃の懸濁液に、カニューレを介して添加した。30分後に、この懸濁液を冷却浴の交換により0℃に昇温し、0℃でさらに60分間攪拌した。次いで、HCl(20mL、0.5M)を加え、混合物を室温で1時間激しく攪拌し、飽和NaHCOで反応停止させ、EtOAc(2×100mL)で抽出した。併合した有機層をNaSOで乾燥し、濾過、減圧下に濃縮した。フラッシュ・クロマトグラフィーにより精製し、N−[5−クロロ−3−(2−ホルミル−5−メトキシベンゾイル)ピリジン−2−イル]アセトアミドを油として得た。LRMS(ESI)計算値C1614ClNとして[M+H],333.1;測定値333.1。
次いで、先に生成させたアセトアミド(118mg、0.35mmol)をMeOHと2M−HCl(1:1)の混合物4mLに溶かし、1.5時間100℃に加熱した。室温に冷やした後、飽和NaHCOで反応停止させ、EtOAc(3×50mL)で抽出した。併合した有機層を無水NaSOで乾燥し、濾過、減圧下に濃縮した。フラッシュ・クロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を油として得た。LRMS(ESI)計算値C1410ClNとして[M+H],273.1;測定値273.1。
Figure 2009512707
実施例9
工程1塩化2−[(E/Z)−2−(4−ブロモフェニル)ビニル]−3−カルボキシ−5−クロロピリジニウム
THF200mL中、4−ブロモベンズアルデヒド(5.6g、30mmol)及び5−クロロ−2−メチルニコチン酸メチル(Marcoux,J.−F.;Marcotte,F.−A.;Wu,J.;Dormer,P.G.;Davies,I.W.;Hughes,D.;Reider,P.J.J.Org.Chem.2001,66,4194−4199)(5.6g、30mmol)の溶液に、カリウムtert−ブトキシド(1M/THF溶液、60mL、60mmol)を0℃で加えた。混合物を室温に戻し、12時間攪拌した。反応スラリーを濃縮して黄色/橙色の固体を得、次いで50mLの水及び50mLの6N−HClを加えた。得られたスラリーを30分間攪拌した後、EtOH200mLを加え、スラリーを4時間攪拌した。スラリーを濾過し、乾燥して標題化合物を得た。H−NMR(600MHz,DMSO−D)δ8.76(d,1H);8.22(d,1H);8.02(d,1H);7.79(d,1H);7.60−7.54(m,4H)。LRMS(ESI)計算値C1410BrClNOとして[M+H],338.0;測定値337.9。
工程27−ブロモ−3−クロロ−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オン
塩化2−[(E/Z)−2−(4−ブロモフェニル)ビニル]−3−カルボキシ−5−クロロピリジニウム(11.2g、29.9mmol)を50mLのポリリン酸に加え、200℃に加熱した。12時間後、この溶液を氷と250mLの5N水酸化ナトリウム溶液中に注ぎ、次いで、5N水酸化ナトリウム溶液を加えてpHを調整した。この混合物をジクロロメタン2Lで希釈し、100gのセライトを加え、懸濁液を15分間攪拌した。固形物は半融ガラス漏斗で濾取し、廃棄した。液相を分液漏斗に注ぎ、有機層を単離した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過、濃縮して標題化合物を得た。H−NMR(600MHz,CDCl)δ8.82(d,1H);8.50(d,1H);8.41(d,1H);7.80(dd,1H);7.48(d,1H);7.35(d,1H);7.20(d,1H)。LRMS(ESI)計算値C14BrClNOとして[M+H],320.0;測定値320.0。
工程3N−(3−クロロ−5−オキソ−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−7−イル)メタンスルホンアミド
ジオキサン(50mL)中、7−ブロモ−3−クロロ−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−5−オン(2.9g、9.0mmol)の攪拌溶液に、メタンスルホンアミド(1.0g、11mmol)、Pd(dba)(0.16g、0.17mmol)、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(0.31g、0.54mmol)、及びCsCO(4.1g、13mmol)を加えた。反応混合物を5時間100℃に加熱し、室温に冷やし、EtOAcで希釈し、水と食塩水で洗い、乾燥(NaSO)、濃縮した。残渣をEtOAc/ヘキサン(1/1)中で破砕し、標題化合物を得た。H−NMR(600MHz、CDSOCD)δ10.43(s,1H);8.98(d,1H);8.48(d,1H);8.00(d,1H);7.81(d,1H);7.62(dd,1H);7.43(d,1H);7.23(d,1H);3.09(s,3H)。LRMS(ESI)計算値C1511ClNSとして[M+H],335.0;測定値335.0。
工程4N−(5−オキソ−3−フェニル−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−7−イル)メタンスルホンアミド
ジオキサン(30mL)中、N−(3−クロロ−5−オキソ−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−7−イル)メタンスルホンアミド(1.9g、5.7mmol)の攪拌溶液に、PhB(OH)(1.0g、8.2mmol)、Pd(PPh(0.33g、0.29mmol)、及びKCO(1.6g、12mmol)を加えた。反応混合物を一夜100℃に加熱し、室温に冷やし、EtOAcで希釈し、食塩水で洗い、乾燥(NaSO)、濃縮し、フラッシュ・クロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を得た。H−NMR(600MHz,CDSOCD)δ10.44(s,1H);9.31(d,1H);8.70(d,1H);8.07(d,1H);7.91(d,2H);7.82(d,1H);7.65(dd,1H);7.57(t,2H);7.49(t,1H);7.45(d,1H);7.32(d,1H);3.13(s,3H)。LRMS(ESI)計算値C2116Sとして[M+H],377.1;測定値377.1。
工程5N−[(5Z,E)−5−(ヒドロキシイミノ)−3−フェニル−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−7−イル]メタンスルホンアミド
EtOH(7mL)中、N−(5−オキソ−3−フェニル−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−7−イル)メタンスルホンアミド(0.10g、0.27mmol)の攪拌溶液に、NHOH・HCl(0.39g、5.7mmol)及びピリジン(0.20mL、2.0mmol)を加えた。反応混合物を93℃で1日加熱し、室温に冷やし、濃縮し、フラッシュ・クロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を3:2の混合物として得た。主たる異性体:H−NMR(600MHz,CDOD)δ8.82(d,1H);8.30(d,1H);7.69(d,2H);7.41−7.53(一連のm,5H);7.36(dd,1H);7.15(d,1H);7.01(d,1H);3.03(s,3H)。LRMS(ESI)計算値C2117Sとして[M+H],392.1;測定値392.1。
工程68−アミノ−3−フェニルピリド[3,2−c][2]ベンズアゾシン−6(5H)−オン(化合物14)及び8−アミノ−3−フェニルピリド[3,2−c][1]ベンズアゾシン−5(6H)−オン(化合物15)
N−[(5Z,E)−5−(ヒドロキシイミノ)−3−フェニル−5H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−7−イル]メタンスルホンアミド(24mg、0.061mmol)をポリリン酸(1mL)に120℃で加えた。反応混合物を120℃で2時間攪拌放置し、氷水中に注ぎ入れ、固形NaOHで塩基性とし、EtOAcで希釈した。有機層を分離し、水と食塩水で洗い、乾燥(NaSO)、濃縮して、フラッシュ・クロマトグラフィーにより精製し、標題化合物を得た。主たる異性体:H−NMR(600MHz,CDSOCD)δ9.43(s,1H);8.87(d,1H);8.02(d,1H);7.73(d,2H);7.47(t,2H);7.42(t,1H);6.33−6.90(一連のm,5H)。LRMS(ESI)計算値C2015Oとして[M+H],314.1;測定値314.2。

Claims (12)

  1. 式I:
    Figure 2009512707
    [式中、
    A及びDは独立して、−NR10−及び−CR−から選択されるが、ただし、Aが−NR10−である場合、Dは−CR−であり、そして、Dが−NR10−である場合、Aは−CR−であり;
    E、G、J及びLは独立して、−NR10−及び−CR−から選択されるが、ただし、E、G、J及びLのうち、2つを限度として−NR10−であり;
    Mは、−CR−、−C(=O)−、−C(=N−OR)−、−NR10C(=O)−及び−C(=O)NR10−から選択されるが、ただし、Mが−CR−、−C(=O)−又は−C(=N−OR)−である場合、A及びDのうち、1つはNR10−であり;
    QはN及び−CR−から選択され;
    破線は任意の二重結合を表し;
    aは独立して、0又は1であり;
    bは独立して、0又は1であり;
    mは独立して、0、1又は2であり;
    は、ハロゲン、アリール、ヘテロ環、−O−C1−6アルキル及びNR1011から選択され、当該アルキル、アリール及びヘテロ環基は1個ないし5個の置換基により置換されていてもよく、各置換基は独立してRから選択され;
    及びRは独立して、水素、OH、−O−C1−6アルキル、−O−C(=O)C1−6アルキル、−O−アリール及びNR1011から選択され、各アルキル及びアリールは1個ないし5個の置換基により置換されていてもよく、各置換基は独立してRから選択され;
    及びRはそれぞれ独立して、水素、C1−6アルキル、OH、−O−C1−6アルキル、−O−C(=O)C1−6アルキル、−O−アリール、S(O)mR及びNR1011から選択され、各アルキル及びアリールは1個ないし5個の置換基により置換されていてもよく、各置換基は独立してRから選択され;
    は、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、OH、−O−C1−6アルキル、−O−C(=O)C1−6アルキル、−O−アリール、S(O)mR、−C(=O)NR1011、−NHS(O)NR1011及びNR1011から選択され、各アルキル、アルケニル、アルキニル及びアリールは1個ないし5個の置換基により置換されていてもよく、各置換基は独立してRから選択され;
    は独立して:
    1) (C=O)aObC−C10アルキル、
    2) (C=O)aObアリール、
    3) C−C10アルケニル、
    4) C−C10アルキニル、
    5) (C=O)aObヘテロシクリル、
    6) COH、
    7) ハロ、
    8) CN、
    9) OH、
    10) ObC−Cペルフルオロアルキル、
    11) Oa(C=O)bNR1011
    12) S(O)mR
    13) S(O)NR1011
    14) OS(=O)R
    15) オキソ、
    16) CHO、
    17) (N=O)R1011
    18) (C=O)aObC−Cシクロアルキル、
    19) ObSiR 、又は
    20) NO
    であり、当該アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、及びシクロアルキルはRから選択される1個、2個又は3個の置換基により置換されていてもよく;
    2個のRは、同じ炭素原子に結合するとき、一緒になって、−(CH)u−(ここで、uは3ないし6であり、また炭素原子の1個又は2個は、O、S(O)m、−N(R)C(O)−、−N(R)−及び−N(COR)−から選択される基と置き換わってもよい)を形成し;
    は独立して:
    1) (C=O)aOb(C−C10)アルキル、
    2) Ob(C−C)ペルフルオロアルキル、
    3) オキソ、
    4) OH、
    5) ハロ、
    6) CN、
    7) (C−C10)アルケニル、
    8) (C−C10)アルキニル、
    9) (C=O)aOb(C−C)シクロアルキル、
    10) (C=O)aOb(C−C)アルキレン−アリール、
    11) (C=O)aOb(C−C)アルキレン−ヘテロシクリル、
    12) (C=O)aOb(C−C)アルキレン−N(R
    13) C(O)R
    14) (C−C)アルキレン−CO
    15) C(O)H、
    16) (C−C)アルキレン−COH、
    17) C(O)N(R
    18) S(O)mR、及び
    19) S(O)NR1011
    から選択され、当該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール及びヘテロシクリルはR、OH、(C−C)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C−Cアルキル、オキソ、及びN(Rから選択される1個、2個又は3個の置換基により置換されていてもよく;又は
    2個のRは、同じ炭素原子に結合するとき、一緒になって、−(CH)u−(ここで、uは3ないし6であり、また炭素原子の1個又は2個は、O、S(O)m、−N(R)C(O)−、−N(R)−及び−N(COR)−から選択される基と置き換わってもよい)を形成し;
    10及びR11は独立して:
    1) H
    2) (C=O)ObC−C10アルキル、
    3) (C=O)ObC−Cシクロアルキル、
    4) (C=O)Obアリール、
    5) (C=O)Obヘテロシクリル、
    6) C−C10アルキル、
    7) アリール、
    8) C−C10アルケニル、
    9) C−C10アルキニル、
    10) ヘテロシクリル、
    11) C−Cシクロアルキル、
    12) SO、及び
    13) (C=O)NR
    から選択され、当該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アルケニル、及びアルキニルはRから選択される1個、2個又は3個の置換基により置換されていてもよいか、又は
    10及びR11はそれらが結合する窒素と一緒になって、該窒素に加えて、N、O及びSから選択される1個又は2個の追加のヘテロ原子を含んでいてもよい、各環5〜7員の単環状又は二環状へテロ環を形成してもよく、当該単環状又は二環状へテロ環はRから選択される1個、2個又は3個の置換基により置換されていてもよく;
    は独立して、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)シクロアルキル、アリール、−(C−C)アルキレンアリール、ヘテロシクリル及び−(C−C)アルキレンヘテロシクリルから選択され;
    は独立して、H、(C−C)アルキル、アリール、−(C−C)アルキレンアリール、ヘテロシクリル、−(C−C)アルキレンヘテロシクリル、(C−C)シクロアルキル、(C=O)OC−Cアルキル、(C=O)C−Cアルキル又はS(O)から選択され;及び、
    は独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)シクロアルキル、アリール、−(C−C)アルキレンアリール、ヘテロシクリル及び−(C−C)アルキレンヘテロシクリルから選択される]
    で示される化合物又は医薬的に許容されるその塩もしくは立体異性体。
  2. 式I:
    Figure 2009512707
    [式中、
    A及びDは独立して、−NR10−及び−CR−から選択されるが、ただし、Aが−NR10−である場合、Dは−CR−であり、そして、Dが−NR10−である場合、Aは−CR−であり;
    E、G、J及びLは独立して、−NR10−及び−CR−から選択されるが、ただし、E、G、J及びLのうち、1つを限度として−NR10−であり;
    Mは、−CR−、−C(=O)−、−C(=N−OR)−、−NR10C(=O)−及び−C(=O)NR10−から選択されるが、ただし、Mが−CR−、−C(=O)−又は−C(=N−OR)−である場合、A及びDのうち、1つはNR10−であり;
    QはN及び−CR−から選択され;
    破線は任意の二重結合を表し;
    aは独立して、0又は1であり;
    bは独立して、0又は1であり;
    mは独立して、0、1又は2であり;
    は、ハロゲン、アリール、ヘテロ環及びNR1011から選択され、当該アリール及びヘテロ環基は1個ないし5個の置換基により置換されていてもよく、各置換基は独立してRから選択され;
    及びRは独立して、水素、OH、−O−C1−6アルキル、−O−C(=O)C1−6アルキル、−O−アリール及びNR1011から選択され、各アルキル及びアリールは1個ないし5個の置換基により置換されていてもよく、各置換基は独立してRから選択され;
    及びRはそれぞれ独立して、水素及びC1−6アルキルから選択され、各アルキルは1個ないし5個の置換基により置換されていてもよく、各置換基は独立してRから選択され;
    は、水素、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、OH、−O−C1−6アルキル、−O−C(=O)C1−6アルキル、−O−アリール、S(O)mR、−C(=O)NR1011、−NHS(O)NR1011及びNR1011から選択され、各アルキル、アルケニル、アルキニル及びアリールは1個ないし5個の置換基により置換されていてもよく、各置換基は独立してRから選択され;
    は独立して:
    1) (C=O)aObC−C10アルキル、
    2) (C=O)aObアリール、
    3) C−C10アルケニル、
    4) C−C10アルキニル、
    5) (C=O)aObヘテロシクリル、
    6) COH、
    7) ハロ、
    8) CN、
    9) OH、
    10) ObC−Cペルフルオロアルキル、
    11) Oa(C=O)bNR1011
    12) S(O)mR
    13) S(O)NR1011
    14) OS(=O)R
    15) オキソ、
    16) CHO、
    17) (N=O)R1011
    18) (C=O)aObC−Cシクロアルキル、
    19) ObSiR 、又は
    20) NO
    であり、当該アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、及びシクロアルキルはRから選択される1個、2個又は3個の置換基により置換されていてもよく;
    2個のRは、同じ炭素原子に結合するとき、一緒になって、−(CH)u−(ここで、uは3ないし6であり、また炭素原子の1個又は2個は、O、S(O)m、−N(R)C(O)−、−N(R)−及び−N(COR)−から選択される基と置き換わってもよい)を形成し;
    は独立して:
    1) (C=O)aOb(C−C10)アルキル、
    2) Ob(C−C)ペルフルオロアルキル、
    3) オキソ、
    4) OH、
    5) ハロ、
    6) CN、
    7) (C−C10)アルケニル、
    8) (C−C10)アルキニル、
    9) (C=O)aOb(C−C)シクロアルキル、
    10) (C=O)aOb(C−C)アルキレン−アリール、
    11) (C=O)aOb(C−C)アルキレン−ヘテロシクリル、
    12) (C=O)aOb(C−C)アルキレン−N(R
    13) C(O)R
    14) (C−C)アルキレン−CO
    15) C(O)H、
    16) (C−C)アルキレン−COH、
    17) C(O)N(R
    18) S(O)mR、及び
    19) S(O)NR1011
    から選択され、当該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、及びヘテロシクリルはR、OH、(C−C)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C−Cアルキル、オキソ、及びN(Rから選択される1個、2個又は3個の置換基により置換されていてもよく;又は
    2個のRは、同じ炭素原子に結合するとき、一緒になって、−(CH)u−(ここで、uは3ないし6であり、また炭素原子の1個又は2個は、O、S(O)m、−N(R)C(O)−、−N(R)−及び−N(COR)−から選択される基と置き換わってもよい)を形成し;
    10及びR11は独立して:
    1) H
    2) (C=O)ObC−C10アルキル、
    3) (C=O)ObC−Cシクロアルキル、
    4) (C=O)Obアリール、
    5) (C=O)Obヘテロシクリル、
    6) C−C10アルキル、
    7) アリール、
    8) C−C10アルケニル、
    9) C−C10アルキニル、
    10) ヘテロシクリル、
    11) C−Cシクロアルキル、
    12) SO、及び
    13) (C=O)NR
    から選択され、当該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アルケニル、及びアルキニルはRから選択される1個、2個又は3個の置換基により置換されていてもよいか、又は
    10及びR11はそれらが結合する窒素と一緒になって、該窒素に加えて、N、O及びSから選択される1個又は2個の追加のヘテロ原子を含んでいてもよい、各環5〜7員の単環状又は二環状へテロ環を形成してもよく、当該単環状又は二環状へテロ環はRから選択される1個、2個又は3個の置換基により置換されていてもよく;
    は独立して、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)シクロアルキル、アリール、−(C−C)アルキレンアリール、ヘテロシクリル及び−(C−C)アルキレンヘテロシクリルから選択され;
    は独立して、H、(C−C)アルキル、アリール、−(C−C)アルキレンアリール、ヘテロシクリル、−(C−C)アルキレンヘテロシクリル、(C−C)シクロアルキル、(C=O)OC−Cアルキル、(C=O)C−Cアルキル又はS(O)から選択され;及び、
    は独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)シクロアルキル、アリール、−(C−C)アルキレンアリール、ヘテロシクリル及び−(C−C)アルキレンヘテロシクリルから選択される]
    で示される請求項1記載の化合物又は医薬的に許容されるその塩もしくは立体異性体。
  3. 式II:
    Figure 2009512707
    [式中、
    E、G、J及びLは独立して、−NR10−及び−CR−から選択されるが、ただし、E、G、J及びLのうち、1つを限度として−NR10−であり;
    Y及びZは独立して、−C(=O)−及びNH−から選択されるが、ただし、Yが−C(=O)−である場合、Zは−NH−であり、そして、Zが−C(=O)−である場合、Yは−NH−であり;
    aは独立して、0又は1であり;
    bは独立して、0又は1であり;
    mは独立して、0、1又は2であり;
    は、ハロゲン、アリール、ヘテロ環及びNR1011から選択され、当該アリール及びヘテロ環基は1個ないし5個の置換基により置換されていてもよく、各置換基は独立してRから選択され;
    は、水素及びC1−6アルキルから選択され、各アルキルは1個ないし5個の置換基により置換されていてもよく、各置換基は独立してRから選択され;
    は、水素、ハロゲン、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、OH、−O−C1−6アルキル、−O−C(=O)C1−6アルキル、−O−アリール、S(O)mR及びNR1011から選択され、各アルキル及びアリールは1個ないし5個の置換基により置換されていてもよく、各置換基は独立してRから選択され;
    は独立して:
    1) (C=O)aObC−C10アルキル、
    2) (C=O)aObアリール、
    3) C−C10アルケニル、
    4) C−C10アルキニル、
    5) (C=O)aObヘテロシクリル、
    6) COH、
    7) ハロ、
    8) CN、
    9) OH、
    10) ObC−Cペルフルオロアルキル、
    11) Oa(C=O)bNR1011
    12) S(O)mR
    13) S(O)NR1011
    14) OS(=O)R
    15) オキソ、
    16) CHO、
    17) (N=O)R1011
    18) (C=O)aObC−Cシクロアルキル、又は
    19) ObSiR
    であり、当該アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、及びシクロアルキルはRから選択される1個、2個又は3個の置換基により置換されていてもよく;
    2個のRは、同じ炭素原子に結合するとき、一緒になって、−(CH)u−(ここで、uは3ないし6であり、また炭素原子の1個又は2個は、O、S(O)m、−N(R)C(O)−、−N(R)−及び−N(COR)−から選択される基と置き換わってもよい)を形成し;
    は独立して:
    1) (C=O)aOb(C−C10)アルキル、
    2) Ob(C−C)ペルフルオロアルキル、
    3) オキソ、
    4) OH、
    5) ハロ、
    6) CN、
    7) (C−C10)アルケニル、
    8) (C−C10)アルキニル、
    9) (C=O)aOb(C−C)シクロアルキル、
    10) (C=O)aOb(C−C)アルキレン−アリール、
    11) (C=O)aOb(C−C)アルキレン−ヘテロシクリル、
    12) (C=O)aOb(C−C)アルキレン−N(R
    13) C(O)R
    14) (C−C)アルキレン−CO
    15) C(O)H、
    16) (C−C)アルキレン−COH、
    17) C(O)N(R
    18) S(O)mR、及び
    19) S(O)NR1011
    から選択され、当該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、及びヘテロシクリルはR、OH、(C−C)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C−Cアルキル、オキソ、及びN(Rから選択される1個、2個又は3個の置換基により置換されていてもよく;又は
    2個のRは、同じ炭素原子に結合するとき、一緒になって、−(CH)u−(ここで、uは3ないし6であり、また炭素原子の1個又は2個は、O、S(O)m、−N(R)C(O)−、−N(R)−及び−N(COR)−から選択される基と置き換わってもよい)を形成し;
    10及びR11は独立して:
    1) H
    2) (C=O)ObC−C10アルキル、
    3) (C=O)ObC−Cシクロアルキル、
    4) (C=O)Obアリール、
    5) (C=O)Obヘテロシクリル、
    6) C−C10アルキル、
    7) アリール、
    8) C−C10アルケニル、
    9) C−C10アルキニル、
    10) ヘテロシクリル、
    11) C−Cシクロアルキル、
    12) SO、及び
    13) (C=O)NR
    から選択され、当該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アルケニル、及びアルキニルはRから選択される1個、2個又は3個の置換基により置換されていてもよいか、又は
    10及びR11はそれらが結合する窒素と一緒になって、該窒素に加えて、N、O及びSから選択される1個又は2個の追加のヘテロ原子を含んでいてもよい、各環5〜7員の単環状又は二環状へテロ環を形成してもよく、当該単環状又は二環状へテロ環はRから選択される1個、2個又は3個の置換基により置換されていてもよく;
    は独立して、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)シクロアルキル、アリール、−(C−C)アルキレンアリール、ヘテロシクリル及び−(C−C)アルキレンヘテロシクリルから選択され;
    は独立して、H、(C−C)アルキル、アリール、−(C−C)アルキレンアリール、ヘテロシクリル、−(C−C)アルキレンヘテロシクリル、(C−C)シクロアルキル、(C=O)OC−Cアルキル、(C=O)C−Cアルキル又はS(O)から選択され;及び、
    は独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)シクロアルキル、アリール、−(C−C)アルキレンアリール、ヘテロシクリル及び−(C−C)アルキレンヘテロシクリルから選択される]
    で示される請求項2記載の化合物又は医薬的に許容されるその塩。
  4. 以下から選択される化合物又は医薬的に許容されるその塩:
    8−アミノ−3−フェニルピリド[3,2−c][2]ベンズアゾシン−6(5H)−オン
    8−アミノ−3−フェニルピリド[3,2−c][1]ベンズアゾシン−5(6H)−オン。
  5. 請求項1記載の化合物及び医薬的に許容される担体を含有してなる医薬組成物。
  6. 哺乳動物における癌の治療又は予防方法であって、かかる治療を必要とする哺乳動物に請求項1記載の化合物の治療有効量を投与することを特徴とする方法。
  7. 請求項6に記載の癌の治療又は予防方法であって、該癌が脳、泌尿生殖器、リンパ系、胃、喉頭及び肺の癌から選択される方法。
  8. 請求項6に記載の癌の治療又は予防方法であって、該癌が組織球リンパ腫、肺腺癌、小細胞肺癌、すい臓癌、肝臓癌、胃癌、結腸癌、多発性骨髄腫、グリア芽細胞腫及び乳癌から選択される方法。
  9. 癌の治療を必要とする哺乳動物において、かかる癌の治療又は予防に有用な医薬の製造のための請求項1記載の化合物の使用方法。
  10. 受容体チロシンキナーゼMETを阻害する処置の必要な哺乳動物において、かかる処置に有用な医薬の製造のための請求項1記載の化合物の使用方法。
  11. 癌の転移を予防又は調節することを必要とする哺乳動物において、かかる処置に有用な医薬の製造のための請求項1記載の化合物の使用方法。
  12. 該癌が、卵巣癌、小児期肝細胞癌腫、転移性頭頚部扁平上皮癌、胃癌、乳癌、結腸直腸癌、子宮頸癌、肺癌、上咽頭癌、すい臓癌、グリア芽細胞腫及び肉腫から選択されるものである請求項11記載の化合物の使用方法。
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