JP2009510063A - 特定のトリフルオロメチル置換アルコール類の立体選択的合成 - Google Patents

特定のトリフルオロメチル置換アルコール類の立体選択的合成 Download PDF

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ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
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Abstract

式(I)で表される化合物(式中、R1、R2、R3、R4及びR5は本明細書記載のとおり)の立体選択的合成方法。

Description

発明の詳細な説明
(発明が属する技術分野)
本発明は効率的な特定のトリフルオロメチル置換アルコール類の立体選択的な合成に関する。
(背景技術)
式(I)のトリフルオロメチル置換アルコール類はグルココルチコイドレセプターに結合するリガンドとされてきた。
Figure 2009510063
これらの化合物は炎症、自己免疫及びアレルギー疾患を含むグルココルチコイドレセプター機能により調節される数々の疾患の治療において、治療薬として有効である。これらの化合物の例は米国特許出願Nos. 2003/0232823及び2004/0029932、及び米国特許No. 6,903,215に記載されており、それぞれその内容を参考文献として本明細書に組み込むものとし、また、以下「トリフルオロメチル置換アルコール特許出願」と称する。
特定の化合物のエナンチオマー間で、有効性、毒性、及び薬物動態学的特性のような生物学的特性に違いが生じる可能性があることは、当該分野でよく知られている。従って、ラセミ体の治療化合物のうち、一種類のエナンチオマーを投与することがしばしば望まれる。
上記引用した特許出願中に開示されている合成方法は、ラセミ生成物の合成について記載している。エナンチオマーの分離はキラルHPLCにより可能であり、他のエナンチオマーを分離する慣用方法によっても行うことが出来る。しかしながら、キラルHPLC及び他のエナンチオマー分離方法は一般的に単一のエナンチオマーを大規模に調製することには適さない。従って、これらの化合物の立体選択的合成が強く望まれていた。
本発明は式(I)の特定の化合物の効率的な立体選択的合成を開示する。主要工程にはβ−ヒドロキシ酸の効率的なキラル分割及び6-アザインドールサブユニットの1段階合成を含む。エステルからの新規な1段階アザインドール合成はわれわれのU.S. Serial No. 11/070,462にすでに記載されており、参考文献として本明細書に組み込む。この新規合成法はより少ない工程で及び比較的安価な出発物質を利用し、従ってより経済的な薬物の合成法を提供する。
(発明の概要)
本発明は式(I)の化合物の立体選択的合成方法を対象とする。
Figure 2009510063
(式中、
R1はアリール又はヘテロアリール基であり、それぞれ任意に1〜3個の置換基で置換され、
R1の各置換基は独立してC1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5アルキニル、C3-C8シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-C5アルコキシ、C2-C5アルケニルオキシ、C2-C5アルキニルオキシ、アリールオキシ、C1-C5アルカノイルオキシ、C1-C5アルカノイル、アロイル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、又はC1-C5アルキルチオである。
R1の各置換基は任意に、独立してメチル、メトキシ、フルオロ、クロロ又はアルコキシから選択される1〜3個の置換基で置換される。
R2及びR3はそれぞれ独立して水素又はC1-C5アルキル又はR2及びR3が共通して結合する炭素原子と一緒になってC3-C8スピロシクロアルキル環を形成し、
R4はC1-C5アルキル、C2-C5アルケニル又はC2-C5アルキニルであり、それぞれ任意に1〜3個の置換基で置換される。
前記R4の各置換基は独立してC1-C3アルキル、水酸基、ハロゲン、アミノ、又はオキソであり、及び
R5は以下の部分である。
Figure 2009510063
式中AはR4への結合点であり、W、X、Y、又はZは、N又はCHであり、及び少なくともW、X、Y、or Zの内の一つはNであり、及び、
R6はH、アルキル、又はアリールであり、及び、
R5は任意に1から3個の置換基で置換され、式中各置換基R5は独立してC1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5アルキニル、C3-C8シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-C5アルコキシ、C2-C5アルケニルオキシ、C2-C5アルキニルオキシ、アリールオキシ、アシル、C1-C5アルコキシカルボニル、C1-C5アルカノイルオキシ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルオキシ、C1-C5アルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5ジアルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5アルカノイルアミノ、C1-C5アルコキシカルボニルアミノ、C1-C5アルキルスルホニルアミノ、アミノスルホニル、C1-C5アルキルアミノスルホニル、C1-C5ジアルキルアミノスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、ニトロ、又はアミノであり、前記窒素原子は任意に独立してC1-C5アルキル又はウレイドでモノ-又はジ-置換されており、前記いずれの窒素原子も任意に独立してC1-C5アルキル又はC1-C5アルキルチオで置換され、前記硫黄原子は任意にスルホキシド又はスルホンに酸化されており、
式中各R5置換基は任意に独立して、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アミノ又はトリフルオロメチルから選択される1〜3個の置換基で置換される。

当該方法は以下の工程を含む:
(a)適切な酸の存在下、溶媒無しで又は適切な溶媒を用い、適切な温度で式Aの出発物質を式Bの不飽和エステルと反応させ、式Cのエステルを得る工程、
Figure 2009510063
(b)適切な塩基水溶液を用いて有機溶媒の存在下又は非存在下、適切な温度で式Cのエステルを加水分解し式Dの酸を得る工程、
Figure 2009510063
(c)適切な塩基の存在下、適切な溶媒中、適切な温度で式Dの酸をTFAAと反応させ、式Eのトリフルオロメチルケトンを得る工程、
Figure 2009510063
(d)適切な塩基の存在下、適切な溶媒中で、適切な温度で式Eのトリフルオロメチルケトンと酢酸塩を反応させ、式Fのエステルを得る工程、
Figure 2009510063
(e)適切な塩基で、適切な溶媒中、適切な温度で式Fのエステルを加水分解し、式Gの酸を得る工程、
Figure 2009510063
(f)式Gの酸を適切な分割塩基(resolving base)と反応させ、純粋なジアステレオマーを得、続いて純粋なジアステレオマーを適切な塩基と適切な溶媒中、適切な温度で反応させ、式Hの純粋なエナンチオマーを得るか、又は式Gの酸の純粋なジアステレオマーと適切な酸を適切な溶媒中、適切な温度で反応させ、純粋な式Hのエナンチオマーを得る工程、
Figure 2009510063
(g)続いて式Hの酸を適切なアルコールR'-OH(式中R'はアルキル基)と反応させ、次に第三級アルコールを保護基剤PG-Y(式中Yは脱離基)で適切な温度で保護し、式Iのエステルを得る工程、
Figure 2009510063
及び
(h)式Iのエステルと式Jの化合物(式中W、X、Y又はZはN又はCHであり、W、X、Y又はZのうち少なくとも一つはNであり、及びR6はH、アルキル又はアリールである。)を適切な塩基の存在下、適切な溶媒中、適切な温度で反応させ、式(1)の化合物を得る工程。
Figure 2009510063
発明の一態様において、工程(a)に適切な溶媒は、四塩化炭素、二硫化炭素、ヘプタン、ヘキサン、クロロベンゼンのような炭化水素又はその混合物であり、好ましくは無溶媒である。発明の他の態様において、工程(a)の適切な酸はHCl、硫酸、リン酸、アルキル又はアリールスルホン酸類のようなプロトン酸又はTiCl4、AlCl3のようなルイス酸であり、好ましくはメタンスルホン酸である。発明の他の態様において、工程(a)の適切な温度は0℃〜180℃である。
発明の一態様において、工程(b)に適切な溶媒は、水、MeOH、EtOHのようなアルキルアルコール類又はジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、エチレングリコールジメチルエーテル(DME)、tert-ブチルメチルエーテル(MTBE)又はその混合物であり、好ましくはMeOH及び水である。発明の他の態様において、工程(b)に適切な塩基はNaOH又はKOHのような金属水酸化物である。発明の他の態様において、工程(b)の適切な温度は0℃〜100℃である。
発明の一態様において、工程(c)に適切な溶媒はトルエン、キシレン、ヘプタン、のような炭化水素又はジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、エチレングリコールジメチルエーテル(DME)、tert-ブチルメチルエーテル(MTBE)のようなアルキルエーテル類又はそれらの混合物であり、好ましくはトルエン又はキシレンである。発明の他の態様において、工程(c)に適切な塩基はピリジン、ルチジン又はトリエチルアミンのようなアミン塩基類又はヒューニッヒ塩基(Hunig base)であり、好ましくはピリジンである。発明の他の態様において、工程(c)に適切な温度は20℃〜150℃である。
発明の一態様において、工程(d)に適切な溶媒はTHF、DME、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、MTBE、トルエン、キシレン又はジメチルホルムアミド(DMF)である。発明の他の態様において、工程(d)に適切な塩基はリチウムヘキサメチルジシラジド(LiHMDS)、ナトリウムヘキサメチルジシラジド(NaHMDS)、カリウムヘキサメチルジシラジド(KHMDS)、LDA、LiH、NaH、KH又はNaNH2である。発明の他の態様において、工程(d)の適切な酢酸塩反応体は、酢酸エチル、酢酸エチル、酢酸プロピル又は酢酸ブチルである。発明の他の態様において、工程(d)の適切な温度は-70℃〜50℃である。
発明の他の態様において、工程(e)に適切な溶媒はメタノール、エタノール、プロパノール、磯プロピルアルコール、ブタノール、tert-ブタノール、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、エチレングリコールジメチルエーテル(DME)、tert-ブチルメチルエーテル(MTBE)又はその混合物であり、好ましくはテトラヒドロフランである。発明の他の態様において、工程(e)の適切な塩基は水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、又は水酸化リチウムである。発明の他の態様において、工程(e)の適切な温度は-40℃〜80℃である。
本発明のまた他の態様において、工程(f)に適切な分割塩基は(+又は−)シス-1-アミノ-2-インダノール、キニーネ、キニジン、(+又は−)エフェドリン、(+又は−)デオキシエフェドリン、(+又は−)メチルベンジルアミン、(+又は−)(1-ナフチル)エチルアミン又は(+又は−)(2-ナフチル)エチルアミンである。発明の他の態様において、工程(f)に適切な塩基は水酸化カリウム、水酸化リチウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、炭酸カリウム又は炭酸リチウムである。代わりに、純粋なジアステレオマーを塩酸、硫酸のような適切な酸と反応させることにより式Hの純粋なエナンチオマーを得る。発明の他の態様において、工程(f)に適切な溶媒はジクロロメタン、ジエチルエーテル、酢酸エチル又はMTBEである。発明の他の態様において、工程(f)に適切な温度は−10℃〜150℃である。
発明の他の態様において、工程(g)のエステル化は硫酸、塩酸、酢酸、p-トルエン、スルホン酸及び酢酸から選択される酸触媒の存在下、遊離酸をメタノールで処理することにより行われる。発明の他の態様において、工程(g)の保護基PG-Yは、トリアルキルシリル基、低級アルキルエーテル(例えば、メトキシメチルエーテル(MOMエーテル))、低級アルキル基であり、又はβ-ラクトンとして末端カルボキシル基で内部保護し、及び脱離基YはCl、Br、I、MsO、TsO又はTfOであり、好ましくはTfOである。発明の他の態様において、工程(g)に適切な溶媒はジクロロメタンである。発明の他の態様において、工程(g)に適切な温度は0℃〜150℃である。
発明の他の態様において、工程(h)に適切な溶媒はTHF、DME、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、MTBE、トルエン、ベンゼン、キシレン、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、塩化メチレン又はその混合物であり、好ましくはTHFである。発明の他の態様において、工程(h)に適切な塩基はn-BuLi、sec-BuLi、tert-BuLi又はLDAであり、任意にN,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン (TMEDA)、β-ジアルキルアミノアルコール類、スパルテイン又はポリエステル類、好ましくはsec-BuLiのような添加物を含む。発明の他の態様において、工程(h)に適切な温度は-70℃〜50℃である。
発明の他の態様において、式Jの化合物は3-アミノ-4-ピコリン、4-アミノ-3-ピコリン、2-アミノ-3-ピコリン又は3-アミノ-2-ピコリンであり、それぞれ任意に環上又はメチル基がアルキルリチウムと互換性のある置換基で置換され、好ましくは3-アミノ-4-ピコリンである。
特定の反応条件、溶媒、保護基及び他の試薬や反応物をはじめとする本発明の特定の具体的実施形態については、本発明の様々な態様を詳細に示すなかで前記記載したが、これらの特定の実施形態又は態様に対する個々の限定により、本発明がその最も広い概念において限定されることはないと解釈すべきではある。したがって、本発明は、様々な組合せとしてこれらの様々な態様をいずれも含まないこともあり、あるいは、そのうちのいくつか又はすべてを含むことがあると理解すべきである。
(発明の詳細な説明)
(用語の定義と使用規定)
本明細書中に具体的に定義していない用語については、開示及び内容を鑑みて当該分野の当業者が考えうる定義とする。一方、明細書及び添付のクレームで使用される限りにおいて、特に逆の指示がないかぎり、以下の用語については表示されている意味を有し、以下の規定に準拠する。
A.化学命名法、用語及び規定
下記に定義する基、ラジカル又は部位においては、基の前に炭素原子の数を規定する場合が多いが、例えばC1-C10アルキルとは炭素原子を1〜10個有するアルキル基又はラジカルを意味する。炭素含有基に付される「低級」という用語は、当該基に応じて炭素原子を1〜8個有する基を意味する(例えば、環状基は環を形成するのには少なくとも3個の原子が必要である)。一般に、2つ以上のサブグループを有する基の場合、最後につけられた基がラジカル結合位置であり、例えば、「アルキルアリール」は式Alk-Ar-で表される一価のラジカルを意味し、「アリールアルキル」は式Ar-Alk-の一価のラジカルを意味する(式中、Alkはアルキル基、Arはアリール基を表す)。さらに、2価のラジカルが適切であるところに1価のラジカルを指定する用語が使用されている場合は、2価のラジカルを指定するものであり、逆の場合も同様であると解釈すべきである。特に記載のないかぎりは、従来からの用語の定義と従来から考えられている安定した原子価が想定され、すべての式および基において成り立つ。
「アルキル」又は「アルキル基」という用語は、分岐又は直鎖の1価の飽和脂肪族炭化水素ラジカルを意味する。この例としては、メチル、エチル、n-プロピル、1-メチルエチル(イソプロピル)、n-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルエチル(t-ブチル)等の基が挙げられる。「Alk」と略記することができる。
「アルケニル」又は「アルケニル基」という用語は、分岐又は直鎖の1価の脂肪族炭化水素ラジカルで、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有するものを意味する。この例としては、エテニル、プロペニル、n-ブテニル、イソブテニル、3-メチルブタ-2-エニル、n-ペンテニル、ヘプテニル、オクテニル、デセニル等の基が挙げられる。
「アルキニル」又は「アルキニル基」という用語は、分岐又は直鎖の1価の脂肪族炭化水素ラジカルで、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有するものを意味する。この例としては、エチニル、プロピニル、n-ブチニル、2-ブチニル、3-メチルブチニル、n-ペンチニル、ヘプチニル、オクチニル、デシニル等の基が挙げられる。
「アルキレン」又は「アルキレン基」という用語は、分岐又は直鎖の2価の飽和脂肪族炭化水素ラジカルで、特定の炭素数を有するものを意味する。この例としては、メチレン、エチレン、プロピレン、n-ブチレン等の基が挙げられ、本明細書では上記用語の代わりに-(アルキル)-と同等に表すこともある。
「アルケニレン」又は「アルケニレン基」という用語は、分岐又は直鎖の2価の脂肪族炭化水素ラジカルで、特定の炭素数を有し、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有するものを意味する。この例としては、エテニレン、プロペニレン、n-ブテニレン等の基が挙げられ、本明細書では、上記用語の代わりに-(アルキレニル)-と同等に表すこともある。
「アルキニレン」又は「アルキニレン基」という用語は、分岐又は直鎖の2価の脂肪族炭化水素ラジカルで、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有するものを意味する。この例としては、エチニレン、プロピニレン、n-ブチニレン、2-ブチニレン、3-メチルブチニレン、n-ペンチニレン、ヘプチニレン、オクチニレン、デシニレン等の基が挙げられ、本明細書では上記用語の代わりに-(アルキニル)-と同等に表すこともある。
「アルコキシ」又は「アルコキシ基」という用語は、式AlkO-(式中、Alkはアルキル基を示す)で表される1価のラジカルを意味する。この例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペントキシ等の基が挙げられる。
「アリールオキシ」又は「アリールオキシ基」という用語は、式ArO-(式中、Arはアリール基を示す)で表される1価のラジカルを意味する。この例としては、フェノキシ、ナフトキ等の基が挙げられる。
「アルキルカルボニル」、「アルキルカルボニル基」、「アルカノイル」又は「アルカノイル基」という用語は、式AlkC(O)-(式中、Alkはアルキル基又は水素を示す)で表される1価のラジカルを意味する。
「アリールカルボニル」、「アリールカルボニル基」、「アロイル」又は「アロイル基」という用語は、式ArC(O)-(式中、Arはアリール基を示す)で表される1価のラジカルを意味する。
「アシル」又は「アシル基」という用語は、式RC(O)-(式中、Rは水素又は有機の置換基から選択される置換基を示す)で表される1価のラジカルを意味する。置換基の例としては、アルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル等が挙げられる。このようにこの用語にはアルキルカルボニル基及びアリールカルボニル基が含まれる。
「アシルアミノ」又は「アシルアミノ基」という用語は、式RC(O)N(R)-(式中、Rは、それぞれ水素又は置換基から選択される置換基を示す)で表される1価のラジカルを意味する。
「アルコキシカルボニル」又は「アルコキシカルボニル基」という用語は、式AlkO-C(O)-(式中、Alkはアルキル基を示す)で表される1価のラジカルを意味する。アルコキシカルボニル基の例としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert-ブチルオキシカルボニル等が挙げられる。
「アルキルアミノカルボニルオキシ」又は「アルキルアミノカルボニルオキシ基」という用語は、式R2NC(O)O-(式中、Rはそれぞれ独立して水素又は低級アルキルを示す)で表される1価のラジカルを意味する。
「アルコキシカルボニルアミノ」又は「アルコキシカルボニルアミノ基」という用語は、式ROC(O)NH-(式中、Rは低級アルキルを示す)で表される1価のラジカルを意味する。
「アルキルカルボニルアミノ」もしくは「アルキルカルボニルアミノ基」又は「アルカノイルアミノ」もしくは「アルカノイルアミノ基」という用語は、式AlkC(O)NH-(式中、Alkはアルキルを示す)で表される1価のラジカルを意味する。アルキルカルボニルアミノ基の例としては、アセトアミド(CH3C(O)NH-)が挙げられる。
「アルキルアミノカルボニルオキシ」又は「アルキルアミノカルボニルオキシ基」という用語は、式AlkNHC(O)O-(式中、Alkはアルキルを示す)で表される1価のラジカルを意味する。
「アミノ」又は「アミノ基」という用語は、-NH2基を意味する。
「アルキルアミノ」又は「アルキルアミノ基」という用語は、式(Alk)NH-(式中、Alkはアルキルを示す)で表される1価のラジカルを意味する。アルキルアミノ基の例としては、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノ、t-ブチルアミノ等が挙げられる。
「ジアルキルアミノ」又は「ジアルキルアミノ基」という用語は、式(Alk)(Alk)N-(式中、Alkはそれぞれ独立してアルキルを示す)で表される1価のラジカルを意味する。ジアルキルアミノ基の例としては、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、エチルプロピルアミノ等が挙げられる。
「置換アミノ」又は「置換アミノ基」という用語は、式-NR2(式中、Rはそれぞれ独立して水素又は特定の置換基から選択される置換基を示すが、Rが両方とも水素になることはない)で表される1価のラジカルを意味する。置換基の例としては、アルキル、アルカノイル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル等が挙げられる。
「アルコキシカルボニルアミノ」又は「アルコキシカルボニルアミノ基」という用語は、式AlkOC(O)NH-(式中、Alkはアルキルを示す)で表される1価のラジカルを意味する。
「ウレイド」又は「ウレイド基」という用語は、式R2NC(O)NH-(式中、Rはそれぞれ独立して水素又はアルキルを示す)で表される1価のラジカルを意味する。
「ハロゲン」又は「ハロゲン基」という用語は、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基又はヨード基を意味する。
「ハロ」という用語は、基の中の1個以上の水素原子がハロゲン基に置換されていることを意味する。
「アルキルチオ」又は「アルキルチオ基」という用語は、式AlkS-(式中、Alkはアルキルを示す)で表される1価のラジカルを意味する。例としては、メチルチオ、エチルチオ、n-プロピルチオ、イソプロピルチオ、n-ブチルチオ等の基が挙げられる。
「スルホニル」又は「スルホニル基」という用語は、式-SO2-で表される2価のラジカルを意味する。
「炭素環」又は「炭素環式基」という用語は、炭素原子及び水素原子のみからなる安定した1価又は2価の3〜15員環の単環式又は多環式脂肪族ラジカルで、縮合環又は架橋環を1個以上含んでいてもよく、5〜7員環の単環式基又は7〜10員環の二環式基が好ましい。特に記載のないかぎり、炭素環は、結果的に安定した構造となるようないずれかの炭素原子に結合していればよく、また、置換基を有する場合は、結果的に安定した構造となるいずれかの適切な炭素原子の位置で置換されているとよい。この用語には、シクロアルキル(スピロシクロアルキルを含む)、シクロアルキレン、シクロアルケニル、シクロアルケニレン、シクロアルキニル、シクロアルキニレン等が包含される。
「シクロアルキル」又は「シクロアルキル基」という用語は、炭素原子及び水素原子のみからなる安定した1価の3〜15員環の単環式又は多環式飽和脂肪族ラジカルで、縮合環又は架橋環を1個以上含んでいてもよく、5〜7員環の単環式基又は7〜10員環の二環式基が好ましい。特に記載のないかぎり、シクロアルキル環は、結果的に安定した構造となるいずれかの炭素原子に結合していればよく、また、置換基を有する場合は、結果的に安定した構造となるいずれかの適切な炭素原子の位置で置換されているとよい。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、ノルボルナニル、アダマンチル、テトラヒドロナフチル(テトラリン)、1-デカリニル、ビシクロ[2.2.2]オクタニル、1-メチルシクロプロピル、2-メチルシクロペンチル、2-メチルシクロオクチル等が挙げられる。
「アリール」又は「アリール基」という用語は、炭素原子数6〜14個の1価又は2価の芳香族炭素環式ラジカルで、単環(例えばフェニル又はフェニレン)又は縮合多環(例えばナフチル又はアントラニル)を有する。特に記載のないかぎり、アリール環は、結果的に安定した構造となるいずれかの適切な炭素原子に結合していればよく、また、置換基を有する場合は、結果的に安定した構造となるいずれかの適切な炭素原子の位置で置換されているとよい。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナンスリル、インダニル、インデニル、ビフェニル等が挙げられる。「Ar」と略記することもできる。
「ヘテロアリール」又は「ヘテロアリール基」という用語は、1価又は2価の安定した5〜14員環の単環式又は多環式芳香族ラジカルで、縮合環又は架橋環を1個以上含んでいてもよく、5〜7員環の単環式基又は7〜10員環の二環式基が好ましく、環の中には窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有するもので、硫黄の場合、このヘテロ原子が酸化されていてもよく、また窒素の場合、このヘテロ原子が酸化又は4級化されてもよい。特に記載のないかぎり、ヘテロアリール環は、結果的に安定した構造となるいずれかの適切なヘテロ原子又は炭素原子に結合していればよく、また、置換基を有する場合は、結果的に安定した構造となるようないずれかの適切なヘテロ原子又は炭素原子の位置で置換されているとよい。ヘテロアリール基の適切な例としては、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、インドリジニル、アザインドリジニル、インドリル、アザインドリル、ジアザインドリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロアザインドリル、イソインドリル、アザイソインドリル、ベンゾフラニル、フラノピリジニル、フラノピリミジニル、フラノピラジニル、フラノピリダジニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロフラノピリジニル、ジヒドロフラノピリミジニル、ベンゾジオキソラニル、ベンゾチエニル、チエノピリジニル、チエノピリミジニル、チエノピラジニル、チエノピリダジニル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロチエノピリジニル、ジヒドロチエノピリミジニル、インダゾリル、アザインダゾリル、ジアザインダゾリル、ベンゾイミダゾリル、イミダゾピリジニル、ベンゾチアゾリル、チアゾロピリジニル、チアゾロピリミジニル、ベンゾオキサゾリル、オキサゾロピリジニル、オキサゾロピリミジニル、ベンゾイソキサゾリル、プリニル、クロマニル、アザクロマニル、キノリジニル、キノリニル、ジヒドロキノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、シノリニル、アザシノリニル、フタラジニル、アザフタラジニル、キナゾリニル、アザキナゾリニル、キノキサリニル、アザキノキサリニル、ナフチリジニル、ジヒドロナフチリジニル、テトラヒドロナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル等が挙げられる。
「複素環」、「複素環式基」、「ヘテロシクリル」又は「ヘテロシクリル基」という用語は、1価又は2価の安定した5〜14員環の単環式又は多環式非芳香族環で、縮合環又は架橋環を1個以上含んでいてもよく、5〜7員環の単環式基又は7〜10員環の二環式基が好ましく、環の中には、窒素、酸素及び硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するもので、硫黄の場合、このヘテロ原子が酸化されていてもよく、また窒素の場合、このヘテロ原子が酸化又は4級化されてもよい。特に記載のないかぎり、ヘテロシクリル環は、結果的に安定した構造となるいずれかの適切なヘテロ原子又は炭素原子に結合していればよく、また、置換基を有する場合は、結果的に安定した構造となるいずれかの適切なヘテロ原子又は炭素原子の位置で置換されているとよい。複素環の適切な例としては、ピロリニル、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフラニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ヘキサヒドロピリダジニル等が挙げられる。
「本発明の化合物」という用語及びこれと同等の表記については、本明細書記載の式(I)で表される化合物を包含すると解釈され、内容が許す限り、この化合物の互変異性体、プロドラッグ、塩、とりわけ医薬的に許容される塩、ならびに、溶媒和物及び水和物が含まれる。本発明の化合物及び本発明の化合物を指定する化学式は、安定した化合物のみを含み、不安定な化合物は化合物の化学式によって文言上包含されると考えられる場合であっても取り除くと解釈するのが一般的であり好ましい。同様に、中間生成物については、それ自体をクレームするか否かにかかわらず、内容が許す限り、該中間生成物の塩及び溶媒和物を包含することを意味する。明確にさせるために、許されるかぎり特定の例を本明細書中に示しているが、これらの例は単に例示にすぎず、内容が許すかぎり他の例の排除を意図するものではない。
「脱離基」という用語は、従来より合成有機化学で脱離基と対応づけられる定義をもつ基を示すものであり、即ち、置換反応条件下で置換可能な原子又は基を意味する。脱離基の例は、ハロゲン、アルカンスルホニルオキシもしくはアリーレンスルホニルオキシ、例えばメタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、チオメチル、ベンゼンスルホニルオキシ、トシルオキシ及びチエニルオキシ、ジハロホスフィノイルオキシ、任意で置換されていてもよいベンジルオキシ、イロプロピルオキシ、アシルオキシ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
「溶媒」又は「適切な溶媒」という用語は、反応とともに記載されている反応条件下で実質的に不活性である溶媒又は溶媒の混合物を意味する。例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、エチレングリコールジメチルエーテル(DME)、t-ブチルメチルエーテル(MTBE)、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イロプロパノール、t-ブタノール、ジオキサン、ピリジン等、又はこれらの混合物が挙げられる。特に逆の指定がないかぎり、本発明の反応で使用する溶媒は実質的に不活性な溶媒である。
「保護基」という用語は、合成化学において従来から対応づけられてきた解釈において、多官能性化合物中、保護されていない反応点で化学反応が選択的に行われるように、ある別の反応点を選択的にブロックする化学基を意味するものである。本発明の合成工程のなかには、反応性原子、例えば、反応物中に存在する窒素原子又は水素原子をブロックする保護基に依存している工程もある。例えば、アミノ保護基又は窒素保護基は、合成手順中の望ましくない反応から窒素原子を保護することを目的とした有機基である。窒素保護基の例としては、トリフルオロアセチル、アセトアミド、ベンジル(Bn)、ベンジルオキシカルボニル(カルボベンジルオキシ、CBZ)、p-メトキシベンジルオキシカルボニル、p-ニトロベンジルオキシカルボニル、t-ブトキシカルボニル(BOC)等が挙げられる。同様に、ヒドロキシ保護基は、合成手順中の望ましくない反応からヒドロキシル基の酸素原子を保護することを目的とした有機基である。ヒドロキシ保護基の例としては、ベンジル基、シリル基、テトラヒドロピラニル、エステル類等が挙げられる。当該分野の当業者であれば、本明細書に基づき、取り除くことが容易であり、かつ、後続の反応に耐えることができる適切な保護基の選び方はわかるであろう。例えば、いくつかの保護基については、J.F.W. McOmie(編集)「Protective Groups in Organic Chemistry」Plenum Press社、1973、T.W. Greene及びP.G.M. Wuts「Protective Groups in Organic Synthesis」(第3版)John Wiley & Sons社、1999、ならびにP.J. Kocienski「Protecting Groups」(第2版)Theime Medical Pub社、2000に記載されており、これらはそれぞれ引用によりそのすべてが本明細書の記載に含まれるものとする。保護基は、この分野で公知の方法を用いて、後に続く工程の都合のよい段階で取り除けばよい。あるいは、代謝又はその他のin vivo投与条件によって取り除かれればよい。
「保護基剤」という用語は、所望の保護基を基質に供給する反応条件又は試薬を意味する。
「任意の」又は「任意で」という用語は、その後に記載されている事象又は状況が起こっても、起こらなくてもよいことを意味し、その記載に、当該事象又は状況が起こっている例、及び、起こっていない例の両方が含まれることを意味する。例えば、「任意で置換されていてもよいアリール」とは、アリールラジカルが置換されていても、されていなくてもよいことを意味し、その記載には、置換アリールラジカルと置換基を有していないアリールラジカルの両方を含むことを意味する。
「安定した化合物」又は「安定した構造」という用語は、反応混合物から有用な純度で分離され、効能のある治療薬又は診断薬に処方するのに十分に耐えられる頑強さを有する化合物を意味する。例えば、「ダングリング原子価(dangling valency)」を有するであろう化合物又はカルボアニオンである化合物は、本発明の対象となる化合物ではない。
「置換した」という用語は、ある基又は部位の原子上にある1個以上のいずれかの水素原子を、具体的な指定があろうとなかろうと、指示された置換基の群から選択されたものに置き換えられることを意味し、この場合、原子がもつ通常の原子価を超えないこと、また、置換によって安定した化合物になることが前提である。置換基の結合が、環の連結する2つの原子の結合と交差するように示されている場合は、その置換基は該環のいずれの原子に結合してもよい。置換基が記載されているが、その置換基のどの原子を用いて化合物の残りの部分に結合されるかが示されていない場合は、該置換基のいずれの原子を用いて結合されていてもよい。例えば、置換基がピペラジニル、ピペリジニル又はテトラゾリルである場合、特に指定のないかぎり、このピペラジニル、ピペリジニル又はテトラゾリル基は、ピペラジニル、ピペリジニル又はテトラゾリル基の中のいずれの原子を用いて本発明の化合物の残りの部分に結合していてもよい。一般に、いずれかの構成要素又は化合物中でいずれかの置換基又は基が2度以上登場する場合、その都度ごとの定義は、それ以外に登場する際の定義とはいずれも無関係である。そのため、例えば、ある基が0〜2個のR5で置換されていることが示されている場合、この基は最大2個のR5基で置換されていてもよく、それぞれのR5は、可能なR5基として定義されたリストから独立して選択される。しかしながら、置換基及び/又は変数のこうした組合せは、その組合せによって化合物が結果的に安定する場合のみ許容される。
具体的な実施形態における「約」又は「およそ」という用語は、所定の値又は所定の範囲の20%以内、好ましく10%以内、より好ましくは5%以内を意味する。
本明細書記載の反応におけるそれぞれの収量は、理論収量に対するパーセンテージで示す。
実験実施例
本発明は式(I)の製造方法を提供する。すべてのスキームにおいて、特に特定しない限り、以下の式中のR1〜R5は本明細書及びさらにトリフルオロメチル-置換アルコール特許出願に記載されている意味を持ちうる。本発明の化合物の調製に用いる中間生成物は市販されている又は当該分野で当業者に知られている方法により容易に調製することができる。
最適な反応条件及び反応時間は使用する反応体により変わっても良い。特に特定しない限り、溶媒、温度、圧力及び他の反応条件は当該技術分野において通常用いられる条件から選択する。特定の方法は実験実施例の項に提供する。通常、反応の進行は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)又は薄層クロマトグラフィー(TLC)でモニターし、もし所望であれば、中間生成物及び生成物はシリカゲルクロマトグラフィ及び/又は再結晶により精製する。
(合成例)
以下は発明の工程を例証する代表例である。生成物及び中間体の同定のために使用するHPLCはC18 Super-ODSカラム(Supelco、part No. 818197、4.6 mm x 10 cm)を用い、5%アセトニトリル/95%水/0.05%TFAから95%アセトニトリル/5%水/0.05%TFAへの勾配溶出により15分間かけて行い、続いて95%アセトニトリル/5%水/0.05%TFAを保ちし5分間溶出する。溶媒の濃縮又は蒸発は回転式エバポレーターにおける濃縮を意味する。
実施例1:(R)-1,1,1-トリフルオロ-4-(5-ブロモ-2-メトキシフェニル)-4-メチル-2-(1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-2-イルメチル)ペンタン-2-オールの合成
Figure 2009510063

Figure 2009510063

Figure 2009510063
合成の詳細は以下の通りである。
Figure 2009510063
287g(2.24mole)のエチル3,3-ジメチルアクリレート及び420mL(3.36mole)の4-ブロモアニソールを窒素存在下5Lの三口フラスコに入れた。ここに、944mLのメタンスルホン酸を撹拌しながら一度に加えた。Tintは18.6℃〜25.6℃に上昇した。反応混合物をTint=65℃で19時間加熱した。エチル3,3-ジメチルアクリレートから生成物への変換が〜60%進んでいることがHPLCにより示された。氷水浴により反応混合物をTint=15.0℃まで冷却した。続いて滴下漏斗によりTintが40℃未満に維持できるような速度で1Lの水を加えた。添加後、温度を〜20℃にし、1Lのヘプタンを加え混合物を5分間激しく撹拌した。層を分離した。水層をHPLCで分析しても生成物は検出されなかった。有機層を500 mLの水で2回洗浄し、減圧下濃縮し879gの粗生成物を得た。粗生成物は1Lのメタノールに溶解した。続いて358.4gのNaOHを1Lの水に溶解した溶液を加える。反応混合物をTint=65℃で3時間加熱する。HPLCによりエステルから対応する酸への完全な変換が示された。反応混合液は氷水浴でTint=18.0℃まで冷却した。1Lの水を加え、反応混合物を1LのCH2Cl2で抽出した。水層を氷水浴で冷却しながら濃HClでpH=1まで酸性化した。水層を1LのEtOAcで2回抽出し、有機層を減圧下濃縮し、粗生成物を得た。800mLのヘキサンを粗生成物に加え、混合物を30分間激しく撹拌した。当該混合物をろ過し、固形物をヘキサンで洗浄し、純粋な生成物を得た。減圧下乾燥させ、294.2gの顆粒状固体を得た(収量46%)。HPLC:99.8 面積%(area%)。副生成物は濾液中に残っていた。
Figure 2009510063
800g(2.79mole)の出発物質、カルボン酸を22Lフラスコに入れた。続いて4Lのトルエンを加え、得られたスラリーをTint = 21.0℃でN2を流し、攪拌しながら、2.36L(16.7mole)のTFAAを一度に加えた。添加後、Tint = 15.0℃ であり、均一な溶液が得られた。反応混合物はドライアイス/IPA槽(Text=−30℃)でTint = 9.0℃まで冷却し、1.81 L (22.3 mole)のピリジンを滴下ロートを用いて加えた。添加後、Tint = 16.7℃であった。ドライアイス/IPA槽を加熱用マントル(heating mantle)で置き換え、反応混合物を45分かけてTint = 60℃まで加熱した。穏やかな還流が観察された。反応色は次第に薄い黄色から焦茶色に変化した。8時間後、Tint = 60℃ で加熱を中止し、反応混合物をTint = 27.9℃に下がるまで14.5時間放置した。反応混合物をドライアイス/IPA槽(Text=−50℃)でTint = 9.0℃まで冷却した。2Lの水を滴下漏斗を用いて滴下し加えた(注意:発熱性!)。添加中、内部温度を9.0℃〜37.0℃に維持するために、必要に応じてドライアイスを加えた。最初に〜400mL(20%)の水が加えられた後、発熱はそれほど活発では無かった。添加には〜30分間かかった。添加後、冷却槽を取り除き、かわりに加熱用マントルを設置した。反応混合物をTint = 45℃で2時間加熱した。HPLCはすべての中間体が生成物に変換したことを示した。室温まで冷却した後、200 gのNaClを加え、反応混合物を5分間激しく撹拌した。層を分離し、有機層を2Lの水で洗浄し、続いて2Lの2NNaOH水溶液溶液で洗浄し最後に2Lの水を加え、〜4.1Lの焦茶色の溶液を得た。この溶液を減圧濃縮し、300mLのトルエンで2回洗浄し、さらに減圧下乾燥させ742.8 gの焦げ茶色の油状の粗生成物を得た。HPLC分析によれば91.0wt%の生成物(676.0g,71%)KF=0.01%(105.2ppm),HPLC91.7面積%であった。
Figure 2009510063
77.3mL(0.973mole)の酢酸メチルをN2存在下、5Lフラスコに入れる。1.1LのTHFをカニューレを用いて加え、Tint=-70℃まで冷却する。778mL(0.778mole)のLiHMDS(1MTHF溶液)をカニューレを用いて20分間かけて加えた。反応混合物をTint=-70℃で30分間撹拌した。165g(0.487mole)の当該トリフルオロメチルケトンを300mLのTHFに溶解した溶液を20分間かけて滴下した(添加中はTintは-67℃より低く維持した)。反応混合物を15分間撹拌した。HPLCは反応が完了したことを示した。900mLの飽和NH4Cl溶液で反応を止め、600mLのCH2Cl2で2回抽出した。有機抽出物は真空下濃縮し、次の工程で使用する256.2gの粗生成物(HPLC:96.6面積%)を得る。
Figure 2009510063
256.2 g (0.487 mole)の上記粗メチルエステルを、1.0LのMeOHに5Lフラスコ中で溶解した。136.5g(2.43mole)のKOHを1.0Lの水に溶解したものを加えた。直ちに黄色の沈殿が形成する。反応混合物は周囲温度で16時間撹拌した。HPLCは、生産物に完全に変換していることを示した。1.0Lの水を加え、反応混合物を1.0LのCH2Cl2で抽出する。水層は10% HCl水溶液を用いてpH=1まで酸性化し1.0LのCH2Cl2で2回抽出した。有機層は乾燥し、ろ過及び真空化で濃縮することにより黄褐色固体(tan solid)として179.8gの所望する酸(93% 2工程) HPLC:100面積%)を得た。
Figure 2009510063
4.04gの粗酸(10.12 mmoles)を13.7183g(15.0 mL)のEtOAcに溶解し、当該溶液を75℃まで加熱する。0.682g(4.5714 mmoles、0.4517当量)の(+)-シス-1-アミノ-2-インダノールを当該溶液に加え、15 mgの所望のジアステレオマーを種晶として加えた。10分後、半固体の懸濁液をさらに2.6152g(3.0mL)のEtOAcで78℃で希釈し、10分間熟成させた。得られたスラリーを、10分間の間隔を空けて、40分間かけ、0.171g (0.1133当量)の(+)-シス-1-アミノ-2-インダノールで4回処理し、全体で1.3660 g (9.1562mmol、9.048当量)になるまで加えた。1時間撹拌した後、バッチをリニアランプ(linear ramp)(38.7℃/h)を用いて20度まで1.5時間かけて冷却し、その後20度で1時間熟成した。スラリーをろ過し、15 mLのEtOAcを3.5 mLずつに分けて洗浄し、吸引濾過を用いて濾紙上で1時間乾燥させた。2.6g(収率93%、所望のエナンチオマーに対して)の分割生成物を得た。TGAの損失は1%未満だった(ee 99.61%)。
Figure 2009510063
773.3g(1.410mole)の塩を2.0 LのEtOAcに懸濁した。懸濁液を撹拌しながら2.0 Lの2NHCl水溶液を加えた。塩が溶解するまで混合物を撹拌した(〜20分間)。層を分離し水層を0.5LのEtOAcで抽出した。合わせた有機層は短いSiO2 カラム(1cm)を通過させ、減圧下濃縮し〜660gの粘性の油状物を得た。1LのMeOHで洗浄し、真空下〜80時間かけて乾燥し、592.5gの白色結晶固体を得た。HPLC: 99.5 面積%1H NMR分析によれば純粋な酸及び少量のMeOHが示された。水層を塩基性にしてアミノインダノールを回収しても良い。
Figure 2009510063
91.85g(0.230mole)の上記酸を0.82LのMeOHに溶解する。16mLの濃H2SO4を加え、反応混合物をTint=65℃で14時間加熱した。HPLCにより、99.3面積%の生成物が示された。環境温度にまで冷却した後、反応混合物を真空下1/2容量まで濃縮し、0.8LのEtOAcを加え、続いて500mLの飽和NaHCO3水溶液を2回注意深く加えた。有機層はMgSO4で乾燥、ろ過及び真空下濃縮し95.8gの白色結晶固体の形状の純品を得た。HPLC:100面積%.
Figure 2009510063
39.1 g (0.574 mole)のイミダゾール3Lフラスコに入れる。95.8 g (0.230 mole) の出発物質を0.46LのDMFに溶解した溶液を加え、当該混合物を透明な溶液が得られるまで撹拌した。43.7mL(0.335 mole)のTMSClを滴下漏斗によって20分間かけて滴下し、反応混合物を周囲温度で46時間撹拌した(HPLC: 98.5面積%の生成物)。その後0.8Lのヘキサン、及び0.8Lの水を加え混合物を10分間激しく撹拌する。層を分離し、水層を0.4Lのヘキサンで抽出した。あわせた有機抽出物を0.8Lの水及び0.8Lの飽和NaHCO3溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、短いSiO2カラム(1/2インチ)を透過させ、減圧下濃縮し、108.1gの無色のオイル状の所望する生成物を得た(97% 2工程、HPLC: 100面積%)。
Figure 2009510063
59.5 g (0.550 mol)の3-アミノ-4-メチルピリジンをN2存在下乾燥したフラスコに入れた。2.36Lの無水THFをカニューレを用いて加え、混合物を撹拌しTint=-65℃まで冷却した。786 mL (1.10 mol)のsec-BuLi (1.4 M/シクロヘキサン、)をカニューレを用いてTintを-50℃未満に維持できる速度で加えた(〜50分間)。反応混合物は3時間かけてTint = 15℃になるまで放置した。橙色のスラリーを得た。反応混合物をTint=-45℃まで冷却し、80.5 g (0.166 mol)のメチルエステルを85 mLの無水THFに溶解したものを〜5分間かけて滴下し加えた。反応混合物を30分間攪拌した(Tint は-35℃まで上昇した。)。HPLC分析によれば出発物質であるエステルは検出されなかった。反応物をTint = -60℃まで冷却し315 mLの6 N HClで、Tintを-30℃未満に維持しながら (5分間)反応を停止した。反応物を室温に達するまで攪拌した。反応混合物を室温のまま一晩放置した。層を分離した。有機層を310 mLの飽和NaHCO3 溶液で洗浄し、減圧下濃縮し橙色の油状物を得た。当該油状物を2.4 Lのメタノールに溶解し溶液をTint = 12℃まで冷却した。200 mLの2 N NaOH 溶液を1分間かけて加えた。氷浴をはずし、反応混合物を室温で1.5時間攪拌した。HPLC分析によれば脱保護が完了していることが示された。80 mLの6 N HCl溶液を加えpHを〜7に調整した。溶媒を減圧下蒸発させ、橙色の油状物を得た。2.4 LのMTBE及び1 Lの水を加えた。混合後、層を分離し、有機層を0.5 Lの飽和NaHCO3溶液で洗浄し、続いて0.5 Lの塩水で洗浄した。有機層を減圧下濃縮し82.4 gの黄褐色個体を得た。250 mLのMTBEを加え、透明な溶液を得た。攪拌後、白色固体の沈殿物が析出した。混合物を室温で19時間撹拌し、濾過し、固体をろ液で洗浄した後、1:1 MTBE/ヘキサンで洗浄し、風乾し、減圧して完全に乾燥させ、58.4 g (63%)の白色粉状固体として標記の化合物を得た。HPLC:96.7面積%。 1H NMR分析によりMTBE溶媒和物であることが示された。

Claims (31)

  1. 式(I)の化合物:
    Figure 2009510063
    (式中、
    1は、アリール基又はヘテロアリール基を表し、それぞれ1〜3個の置換基でそれぞれ置換されていてもよく、
    1の置換基はそれぞれ独立して、C1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5アルキニル、C3-C8シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-C5アルコキシ、C2-C5アルケニルオキシ、C2-C5アルキニルオキシ、アリールオキシ、C1-C5アルカノイルオキシ、C1-C5アルカノイル、アロイル、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ又はC1-C5アルキルチオを表し、
    1の置換基はそれぞれ独立して、メチル、メトキシ、フルオロ、クロロ又はアルコキシから選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
    2及びR3はそれぞれ独立して水素又はC1-C5アルキルを表すか、あるいは、R2及びR3が共通して結合する炭素原子と一緒になってC3-C8スピロシクロアルキル環を形成し、
    4は、C1-C5アルキル、C2-C5アルケニル又はC2-C5アルキニルを表し、それぞれ1〜3個の置換基で独立して置換されていてもよく、
    4の置換基はそれぞれ独立して、C1-C3アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ又はオキソを表し、
    R5は以下に示される部分である。
    Figure 2009510063
    式中AはR4への結合部であり、W、X、Y、又はZは窒素又はCHであり、少なくともW、X、Y又はZのうち1つは窒素原子である。そしてR6は水素、アルキル、又は アリールであり、
    R5は1〜3個の置換基で置換されていてもよく、R5の置換基はそれぞれ独立してC1-C5アルキル、C2-C5アルケニル、C2-C5アルキニル、C3-C8シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、C1-C5アルコキシ、C2-C5アルケニルオキシ、C2-C5アルキニルオキシ、アリールオキシ、アシル、C1-C5アルコキシカルボニル、C1-C5アルカノイルオキシ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルオキシ、C1-C5アルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5ジアルキルアミノカルボニルオキシ、C1-C5アルカノイルアミノ、C1-C5アルコキシカルボニルアミノ、C1-C5アルキルスルホニルアミノ、アミノスルホニル、C1-C5アルキルアミノスルホニル、C1-C5ジアルキルアミノスルホニル、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、ニトロ、又は窒素原子が独立してC1-C5アルキルでモノ置換もしくはジ置換されていてもよいアミノ、又はどちらかの窒素原子が独立してC1-C5アルキルで置換されていてもよいウレイド又は、硫黄原子が酸化されスルホキシド又はスルホンになっていてもよいC1-C5アルキルチオを表し、
    5の置換基はそれぞれ独立して、C1-C3アルキル、C1-C3アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、アミノ又はトリフルオロメチルから選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい。)の立体選択的合成方法であって、

    前記方法が、
    (a)式Aの出発物質を式Bの不飽和エステルと適切な酸の存在下、溶媒無しで又は適切な溶媒中で、適切な温度で反応させ、式Cのエステルを得る工程、
    Figure 2009510063
    (b)式Cのエステルを適切な塩基水溶液を用いて有機溶媒中もしくは溶媒無しで、適切な温度で加水分解し、式Dの酸を得る工程、
    Figure 2009510063
    (c)式Dの酸をTFAAと適切な塩基存在下、適切な溶媒中で、適切な温度で反応させ、式Eのトリフルオロメチルケトンを得る工程、
    Figure 2009510063
    (d)式Eのトリフルオロメチルケトンを酢酸塩と適切な塩基の存在下、適切な溶媒中、適切な温度で反応させ、式Fのエステルを調製する工程、
    Figure 2009510063
    (e)式Fのエステルを適切な塩基を用いて適切な溶媒中、適切な温度で加水分解させ、式Gの酸を得る工程、
    Figure 2009510063
    (f)式Gの酸と適切な分割塩基と反応させ、純粋なジアステレオマーを得、続いて純粋なジアステレオマーを適切な塩基と適切な溶媒中、適切な温度で式Hの純粋なエナンチオマーを提供し、又は式Gの酸の純粋なジアステレオマーを適切な酸と適切な溶媒中で適切な温度で反応させ、式Hの純粋なエナンチオマーを得る工程、
    Figure 2009510063
    (g)続いて式Hの酸を適切なアルコールR'(式中R'-はアルキル基-OH)と反応させ、続いて保護基剤PG-Y(式中Yは脱離基)を用いて、適切な温度で第3級アルコールの保護を行い式Iのエステルを得る工程、
    Figure 2009510063
    及び
    (h)式Iのエステルと式Jの化合物(式中、W、X、Y又はZはN又はCHであり、少なくともW、X、Y又はZのうち一つはNであり、及びR6はH、アルキル又はアリールである)を適切な塩基の存在下、適切な温度で反応させ、式(I)の化合物を得る工程、
    Figure 2009510063
    を含む。
  2. 前記工程(a)の適切な溶媒が四塩化炭素、二硫化炭素、ヘプタン、ヘキサンのような炭化水素類、又はその混合物である請求項1記載の方法。
  3. 前記工程(a)において全く溶媒を使用しない、請求項1記載の方法。
  4. 前記工程(a)における適切な酸が塩酸、硫酸、リン酸、アルキル又はアリールスルホン酸、TiCl4又は又はAlCl3である、請求項1記載の方法。
  5. 前記工程(a)における適切な温度が0℃〜180℃である、請求項1記載の方法。
  6. 前記工程(b)における適切な溶媒が水、アルキルアルコール、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル又はそれらの混合物である、請求項1記載の方法。
  7. 前記工程(b)における適切な塩基が金属水酸化物である、請求項1記載の方法。
  8. 前記工程(b)における適切な温度が0℃〜100℃である、請求項1記載の方法。
  9. 前記工程(c)における適切な溶媒がトルエン、キシレン、ヘプタン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル又はそれらの混合物である、請求項1記載の方法。
  10. 前記工程(c)における適切な塩基がピリジン、ルチジン、トリエチルアミン、又はヒューニッヒ(Hunig)塩基である、請求項1記載の方法。
  11. 前記工程(c)における適切な温度が20℃〜150℃である、請求項1記載の方法。
  12. 前記工程(d)における適切な適切な溶媒がテトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、トルエン、キシレン又はジメチルホルムアミドである、請求項1記載の方法。
  13. 前記工程(d)における適切な塩基がリチウムヘキサメチルジシラジド(LiHMDS)、ナトリウムヘキサメチルジシラジド(NaHMDS)、カリウムヘキサメチルジシラジド (KHMDS)、LDA、LiH、NaH、KH又はNaNH2である、請求項1記載の方法。
  14. 前記工程(d)における適切なアセテート試薬がメチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート又はブチルアセテートである、請求項1記載の方法。
  15. 前記工程(d)における適切な温度が-70℃〜50℃である、請求項1記載の方法。
  16. 前記工程(e)における適切な溶媒がメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、tert-ブタノール、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル又はそれらの混合物である、請求項1記載の方法。
  17. 前記工程(e)における適切な塩基が水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、又は水酸化リチウムである、請求項1記載の方法。
  18. 前記工程(e)における適切な温度が-40℃〜80℃である、請求項1記載の方法。
  19. 前記工程(f)における適切な分解塩基が(+又は−)シス-1-アミノ-2-インダノール、キニーネ、キニジン、(+又は−)エフェドリン、(+又は−)デオキシエフェドリン、(+又は−)メチルベンジルアミン、(+又は−)(1‐ナフチル)エチルアミン又は(+又は−) (2-ナフチル)エチルアミンである、請求項1記載の方法。
  20. 前記工程(f)における適切な塩基が水酸化カリウム、水酸化リチウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、炭酸カリウム又は炭酸リチウムである、請求項1記載の方法。
  21. 前記工程(f)における適切な酸が塩酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、メタンスルホン酸、p-トリルスルホン酸又は他のアリール又はアルキルスルホン酸である、請求項1記載の方法。
  22. 前記工程(f)における適切な溶媒がジクロロメタン、ジエチルエーテル、酢酸エチル又はtert-ブチルメチルエーテルである、請求項1記載の方法。
  23. 前記工程(f)における適切な温度が−10℃〜150℃である、請求項1記載の方法。
  24. 前記工程(g)におけるエステル化が、遊離酸を、硫酸、塩酸、酢酸、p-トルエン、スルホン酸、及び酢酸から選択される酸触媒の存在下メタノールで処置することにより行われる、請求項1記載の方法。
  25. 前記工程(g)における保護基剤PG-Yにおいて、保護基PGがトリアルキルシリル基、低級アルキルエーテル、低級アルキル基である、又は末端カルボキシ基によりβ-ラクトンとして内部保護する、及び脱離基YがCl、Br、I、MsO、TsO又はTfOである、請求項1記載の方法。
  26. 前記工程(g)における適切な溶媒がジクロロメタンである、請求項1記載の方法。
  27. 前記工程(g)における適切な温度が0℃〜150℃である、請求項1記載の方法。
  28. 前記工程(h)における適切な溶媒がテトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、トルエン、ベンゼン、キシレン、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、塩化メチレン又はそれらの混合物である、請求項1記載の方法。
  29. 前記工程(h)における適切な塩基がn-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、又はtert-ブチルリチウムであり、任意にN,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、β-ジアルキルアミノアルコール類、スパルテイン、又はポリエーテル類のような添加物類を含んでも良い、請求項1記載の方法。
  30. 前記工程(h)における適切な温度が-70℃〜50℃である、請求項1記載の方法。
  31. 式Jの化合物が3-アミノ-4-ピコリン、4-アミノ-3-ピコリン、2-アミノ-3-ピコリン、又は3-アミノ-2-ピコリンであって、それぞれ任意に環又はメチル基がアルキルリチウムを用いて互換可能な置換基で置換されていても良い、請求項1記載の方法。
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