JP2009508951A - カリウムイブプロフェンの極めて濃厚な注入可能な水溶液、その製造法および使用 - Google Patents

カリウムイブプロフェンの極めて濃厚な注入可能な水溶液、その製造法および使用 Download PDF

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Abstract

濃厚なカリウムイブプロフェンの液体組成物およびその製造法および使用が記載されている。これらの組成物は(i)少なくとも60重量%の溶解した形のカリウムイブプロフェン;(ii)水;(iii)1種またはそれ以上のポリエチレングリコール;(iv)随時存在する最高5重量%の少なくとも1種のC2〜3アルカノール;および(v)随時存在する遊離酸の形のイブプロフェンから成っている。(ii):(iii)の重量比は少なくとも0.9:1である。最高85.2重量%の溶解した形のカリウムイブプロフェンを含む組成物の製造に成功した。現在知られている方法に報告されている実験で達成された溶解した形のカリウムイブプロフェンの最高のレベルはわずかに24.2重量%である。本発明の組成物は、医薬製品および種々の投与形態、例えば液体を充填した軟いゼラチンのカプセル、シロップ、エリキシル剤、懸濁剤、固体の投与形態、例えば錠剤またはカプレット、および局所的な塗布製品、例えばローション、クリームまたは軟膏の製造に使用するのに適している。

Description

本発明は,少なくとも部分的に溶媒和した,および/または少なくとも部分的にイオン化した、および/または少なくとも錯化した2−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸カリウムであると推定される極めて濃厚な新規水性液体組成物に関する。この組成物は少なくとも若干のカリウム陽イオンと2−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸とを含んでいると考えられている。このような組成物からすべての液体を除去したとしても、得られる固体は少なくとも大部分は2−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸カリウム(本明細書においてはしばしば「カリウムイブプロフェン(potassium ibuprofen)」と呼ばれる)を含んで成っているであろう。
従って便宜上、また便宜の目的だけのために、本明細書においてはカリウムイブプロフェンに関連して「溶解した」という言葉が使用されることが多い。通常の意味においてこの言葉は、溶液にするためには或る量のカリウムイブプロフェンが溶液の状態にさせられたことを規定するために使用される。しかしこの言葉は、液体組成物の中に実際に2−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸カリウムそれ自身が存在することを意図しているわけではない。むしろこの言葉は、該濃厚溶液からすべての液体を除去した場合、2−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸カリウムは固相で存在し、他方濃厚な液体組成物の中では部分的にまたは完全に溶媒和した形、および/またはイオン化した形、および/または錯化した形、および/または他の溶解したまたは可溶化した形で存在することができることを意味している。要約すれば、溶解したカリウムイブプロフェンの若干量は固相またはゲル相のように視覚的に感知し得る分離した相の形にはなっていない。
特許文献1および2には、水溶液5mL当たり約25〜400mgのイブプロフェン組成物が存在する或る種の液体イブプロフェン組成物をつくる方法およびその使用が記載されている。この値は0.5〜8重量%の溶液に対応している。スクロースを含みまたは含まないメチルセルロース組成物、例えばカルボキシメチルセルロースがこれらの溶液の一成分として使用されている。特許文献2に従えば、「メチルセルロース組成物は水性媒質に可溶なイブプロフェンを与える」。
特許文献3および4には、軟いゼラチンのカプセルを充填するのに適しているとされる酸性、塩基性または両性の医薬品の溶解度を増加させる溶媒系が記載されている。これらの特許に取り扱われている医薬品の中にイブプロフェンがある。この特許の実施例IIIおよび表2には、402mgのイブプロフェン、100mgのポリエチレングリコール600、19.8mg(3.3重量%)のグリセリンまたはプロピレングリコール、38.4mg(6.4重量%)の水、および38.4mgの水酸化カリウム(イブプロフェン1モル当たり0.3モル当量の水酸化物)から成る溶媒系の中におけるイブプロフェンの溶解度は67%であることが報告されている。従ってこの溶液中のカリウムイブプロフェンの量は多くても僅かに23.9%である。この特許に報告されているイブプロフェンが使用された他の系では、溶解したカリウムイブプロフェンの量はもっと低い。この特許には、グリセリン、プロピレングリコールまたはポリビニルピロリドンが存在すると、このような溶液中における酸性の医薬品の溶解度が増加することが記載されている。
特許文献5には、イブプロフェンをポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルに溶解し、KOHで処理した組成物が記載されている。この特許の請求項1および5にそれぞれ記載された割合から、脂肪酸エステル48重量%および水3.6重量%を含む系におけ
る溶解したカリウムイブプロフェンの理論的な最高濃度は48.4重量%である。該特許に提出された実験データ(表1)では、イブプロフェン35.2重量%、ポリエチレングリコール(PEG 600)33.3重量%、および水7.3重量%から成る系においても溶解したカリウムイブプロフェンの濃度は24.2重量%であった。
特許文献6には、軟いゼラチンのカプセルの中におけるような投与形態に対して有用な溶液中に、イブプロフェンのような医薬品として活性な成分の濃度を増加させる指示された方法が記載されている。この方法には,約200〜約100,000ダルトンの分子量をもつポリエチレングリコールを,その場でつくられた医薬品として活性をもった成分のナトリウムまたはカリウム塩の中で使用することが含まれている。該特許の方法によってさらに幾分高い濃度が達成されてはいるが、不幸なことに示されたカリウムイブプロフェンの最高溶解濃度は約24.2重量%であり、この値は約50モル%以下のイブプロフェンがカリウム塩に変わった場合に得られる。また、このような成分がそのナトリウム塩またはカリウム塩のいずれかに完全に変化することはあり得ない。何故なら、反応を高濃度側に推進しようとすると、ポリエチレングリコール溶媒との望ましくない反応が生じるからである。この望ましくない副反応を最低限度に抑制するためには、この方法では面倒な処理工程が使用されている。
即ち、当業界の専門家によって行われたこれらの従来法にも拘わらず、イブプロフェンから経済的な基礎に立って容易に製造される高濃度(例えば60重量%以上)の安定で注入可能な液体のカリウムイブプロフェン組成物、およびこのような組成物の効果的な製造法および使用が必要とされている。
米国特許第4,859,704号明細書。 米国特許第4,861,797号明細書。 米国特許第5,071,643号明細書。 米国特許第5,360,615号明細書。 米国特許第5.912,011号明細書。 米国特許第6,387,400号明細書。
本発明の概要
本発明によれば特に、経済的基盤に立って容易にイブプロフェンから製造される高濃度の安定で注入可能な液体組成物が提供される。この濃厚な組成物は、少なくとも約60重量%、好ましくは少なくとも約70重量%、さらに好ましくは少なくとも80重量%、もっと好ましくは約80〜約90の近似濃度で、このような高濃度を達成し得る特殊な溶媒系の中に溶解されたカリウムイブプロフェンを含んで成っている。本発明の組成物の中には、溶解したカリウムイブプロフェンの濃度が高いために、イブプロフェンまたはそのカリウム塩を活性成分とする種々の医薬品調合物に使用するのに極めて適した組成物が含まれている。これに加えて、本発明によれば、ゼラチンのカプセルのような医薬品として許容し得るカプセルに充填するのに極めて適した粘度および揮発性をもった好適な組成物が提供される。
本発明の濃厚な液体組成物の溶媒系は水および少なくとも1種のポリエチレングリコールを含んで成っている。好ましくはこの溶媒系はまた少なくとも1種のC2〜3アルカノールを含んでいる。2種またはそれ以上のアルカノールおよび/または2種またはそれ以上のポリエチレングリコールを使用することができる。使用される溶媒系の成分は、(a)カリウムイブプロフェンまたは(b)カリウムイブプロフェンおよび遊離酸の形のイブプロフェンの混合物から成る注入可能な高濃度(例えば少なくとも約60重量%)の溶液を与えるような割合をもち、ここで(a):(b)のモル比は約9:1以上である。
本発明の好適な一具体化例は、(i)約60〜約86重量%(さらに好ましくは約70〜約86重量%、もっと好ましくは約80〜約86重量%)のカリウムイブプロフェンが、(ii)水,(iii)少なくとも1種のポリエチレングリコール、および(iv)少なくとも1種のC2〜3アルカノールの中に含まれて成り、随時(v)遊離酸の形のイブプロフェンが存在する濃厚で注入可能な液体組成物である。使用されるポリエチレングリコールは典型的には数平均分子量が約200〜2000ダルトン、好ましくは約200〜800ダルトン、さらに好ましくは200〜600ダルトンの範囲にあり、もっと好ましくは約400ダルトンである。一つのグループとして本発明に使用される最も望ましいポリエチレングリコールは、数平均分子量が少なくとも約200ダルトンであり、約20℃において液体の状態の1種またはそれ以上のポリエチレングリコールである。この組成物が遊離酸の状態のイブプロフェンを含んでいない場合、或いはこの組成物が遊離酸の状態のイブプロフェンを最高約4重量%の量しか含んでいない場合、(ii):(iii)の重量比は典型的には約1:1〜約2:1の範囲にあり、(ii):(iv)の重量比は典型的には約3〜約10の範囲にある。この具体化例においては、溶媒系の水、ポリエチレングリコールおよびアルカノール成分の割合は水:ポリエチレングリコール:アルカノールの重量比として約3.5〜8.8:2.0〜7.7:1の範囲にあることが特に望ましい。
本発明の他の具体化例は、(i)約78〜約88重量%の溶解した形のカリウムイブプロフェン;(ii)約5〜約10重量%の水;(iii)約1重量%以上で約10重量%以下(好ましくは約3〜約9.5重量%の範囲)の1種またはそれ以上のポリエチレングリコール;(iv)随時含まれる最高約5重量%の少なくとも1種のC2〜3アルカノール(好ましくはエタノール)s;および(v)随時含まれる最高約10重量%の遊離酸の形のイブプロフェンを含んで成り;ここで(ii):(iii)の重量比は少なくとも約0.9:1であり;少なくとも約25℃において注入可能な濃厚な液体組成物である。この具体化例においては、
(A)該濃厚な液体組成物は溶解した形のカリウムイブプロフェンを約80〜約86重量%含み;および/または
(B)このような組成物の中の水の量は約7.5〜約10重量%であり;および/または
(C)このような組成物の中のポリエチレングリコールの量は約3重量%以上で約10重量%以下、さらに好ましくは少なくとも5重量%であるが約10重量%以下であり;および/または
(D)このような組成物に使用されるポリエチレングリコールの数平均分子量は約200〜2000ダルトン、好ましくは約200〜800ダルトン、さらに好ましくは200〜600ダルトンの範囲にあり、もっと好ましくは約400ダルトンであり;および/または
(E)該組成物の中においては随時含まれれる成分(iv)および(v)の少なくとも一つ、さらに好ましくは随時含まれれる成分(iv)および(v)の両方が存在し;および/または
(F)遊離酸の形のイブプロフェンが該組成物の中に存在する場合、その量は最高約4重量%、さらに好ましくは最高約3重量%、もっと好ましくは最高約2重量%であり;および/または
(G)ポリエチレングリコール対遊離酸の形のイブプロフェン(該組成物の中に遊離酸の形のイブプロフェンが存在する場合)の重量比は少なくとも約2.2:1、さらに好ましくは約3.2:1であり;および/または
(H)ポリエチレングリコール+C2〜3アルカノール対遊離酸の形のイブプロフェン(該組成物の中に遊離酸の形のイブプロフェンが存在する場合)の重量比は少なくとも約3:1、さらに好ましくは約4.8:1であり;および/または
(I)該組成物中の水対ポリエチレングリコールの重量比は少なくとも1:1、さらに
好ましくは約1.02〜1.80:1であり;および/または
(J)該組成物中の水対ポリエチレングリコールの重量比は約1:1以下であり、水対C2〜3アルカノールの重量比およびポリエチレングリコール対C2〜3アルカノールの重量比はそれぞれ独立に約6:1以上、さらに好ましくはそれぞれ独立に約7:1以上、もっと好ましくはそれぞれ独立に約8:1以上であることが好適である。
上記(A)〜(J)の好適事項は互いに独立に、或いは二つまたはそれ以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の他の具体化例は、濃厚なカリウムイブプロフェン組成物を製造する方法であって、該方法は
(a)イブプロフェン、カリウム塩基、水、および少なくとも1種のC2〜3アルカノールから成り、使用するカリウム塩基対イブプロフェンの当量比が約0.9:1〜1:1、好ましくは約0.95:1〜約0.98:1の混合物をつくり;
(b)(a)で得られた混合物からアルカノール(使用する場合)および水を部分的に除去し、これによって溶解したカリウムイブプロフェンに富んではいるがアルカノール(使用する場合)および水を全く含まないことはない生成混合物をつくり;
(c)(b)におけるようなアルカノール(使用する場合)および水の除去を連続的に行うかまたは時々中断して行い、少なくとも1種のポリエチレングリコールと(b)から得られる生成混合物とを混合して注入可能なポリエチレングリコール含有組成物をつくり;
(d)(c)におけるアルカノール(使用する場合)および水の除去を中断した場合にはアルカノール(使用する場合)および水の除去を再開し、この際(c)から得られる注入可能なポリエチレングリコール含有組成物から(i)カリウムイブプロフェン;(ii)水;(iii)少なくとも1種のポリエチレングリコール;(iv)随時使用される少なくとも1種のC2〜3アルカノール;および(v)随時含まれる遊離酸の形をしたイブプロフェンを含んで成るさらに濃厚な注入可能なカリウムイブプロフェン液体組成物をつくり;
(e)イブプロフェン、カリウム塩基、水、ポリエチレングリコールおよび随時使用されるアルカノールがこの方法において使用された量と、該アルカノール(使用された場合)および水がこの方法において除去された量とによって、少なくとも約60重量%(好ましくは少なくとも70重量%、さらに好ましくは約78〜約88重量%の範囲、もっと好ましくは約80〜約86重量%の範囲)のカリウムイブプロフェンを溶解した形で含む組成物が与えられるようにする工程を含んで成っている。
好ましくは、上記(c)においてアルカノール(使用する場合)および水の除去を中断し、(d)において再開する。しかし、必要に応じ(c)におけるように少なくとも1種のポリエチレングリコールと(b)で得られる生成混合物との混合を行いながら、アルカノール(使用する場合)および水を連続的に除去することができる。このような場合、アルカノール(使用する場合)および水の除去は少なくとも1種のポリエチレングリコールと(b)で得られる生成物との混合が終了した後に行われる。この時において、該組成物をさらに濃縮し、これによって該組成物の中にさらに多くの割合のカリウムイブプロフェンが溶解した形で含まれるようにするためには、このような除去を行うことが望ましい。
アルカノールを使用する本発明の好適具体化例においては、濃厚なカリウムイブプロフェン組成物をつくる方法は
(a)イブプロフェン、カリウム塩基、水、および少なくとも1種のC2〜3アルカノールから成り、使用するカリウム塩基対イブプロフェンの当量比が約0.9:1〜1:1の混合物をつくり;
(b)(a)で得られた混合物からアルカノールおよび水を部分的に除去して溶解したカリウムイブプロフェンに富んではいるがアルカノールおよび水を全く含まないことはな
い生成混合物をつくり;
(c)(b)におけるような除去を中断し、少なくとも1種のポリエチレングリコールと(b)で得られる生成混合物とを混合して注入可能なポリエチレングリコール含有組成物をつくり;
(d)アルカノールおよび水の除去を再開し、この際(c)から得られる注入可能なポリエチレングリコール含有組成物から(i)カリウムイブプロフェン;(ii)水;(iii)少なくとも1種のポリエチレングリコール;(iv)随時使用される少なくとも1種のC2〜3アルカノール;および(v)随時存在する遊離酸の形をしたイブプロフェンを含んで成るさらに濃厚な注入可能なカリウムイブプロフェン液体組成物をつくり;
(e)イブプロフェン、カリウム塩基、水、ポリエチレングリコールおよびアルカノールがこの方法において使用された量と、該アルカノールおよび水がこの方法において除去された量とによって、少なくとも約60重量%のカリウムイブプロフェンを溶解した形で含む組成物が与えられるようにする工程を含んで成っている。
約78〜約88重量%の範囲、もっと好ましくは約80〜約86重量%のカリウムイブプロフェンを溶解した形で含む組成物をつくる場合には、該方法に使用されるイブプロフェン、カリウム塩基、水、ポリエチレングリコールおよびアルカノールの量、および該方法で除去されるC2〜3アルカノールおよび水の量は、生成する組成物が上記(A)〜(J)の好適事項の少なくとも一つ(好ましくは二つまたはそれ以上)に従うようにすることが望ましい。このような量を調整または制御する方法が知られていない場合には、任意の与えられた状況において生成される組成物をつくりだすこれらの変化因子の効果を決定する二三の実験を簡単に行うことによってその方法を容易に決定することができる。
上記の方法を行う場合、蒸溜、フラッシュ蒸溜、共沸蒸溜、真空蒸溜などの同一または異なった蒸発方法を使用することのより、(b)および(d)におけるような除去を行うことが特に好適である。このような方法は典型的には最高約70〜80℃の温度で行われるが、満足すべき速さで除去を行うことができ且つ組成物に著しい変色または分解を起こさない任意の温度を使用することができる。このような蒸発方法の中で、ストリッピング(stripping)は少なくとも実験室的規模で行う場合には特に好適な方法である。
本発明の他の方法は、(c)におけるような除去の中断を行わないことを除いては上記方法と同じである。その代わり、除去を連続的に行い、その間少なくとも1種のポリエチレングリコールと(b)の生成混合物とを導入し、混合して濃厚な注入可能なポリエチレングリコール含有組成物をつくる。
本発明の他の具体化例は、本発明の濃厚な液体組成物を製造する方法であって、該方法は
(a)イブプロフェン、カリウム塩基、水、および少なくとも1種のC2〜3アルカノール(好ましくはエタノール)の混合物をつくり;
(b)随時アルカノールおよび水を(a)の混合物からストリッピングし;
(c)(b)のようにしてアルカノールおよび水を連続的に抜き取りながら少なくとも1種のポリエチレングリコール(数平均分子量が好ましくは約200〜約2000ダルトン、さらに好ましくは約200〜約800ダルトン、もっと好ましくは約200〜約600ダルトンの範囲内にあるもの)を(b)の生成混合物と混合してポリエチレングリコール含有混合物をつくり;
(d)(c)から得られるポリエチレングリコール含有混合物からアルカノールおよび水のストリッピングを随時続けて行う方法であり;この方法の工程(b)、(c)または(d)において随時行われるストリッピング工程の少なくとも一つは、(i)溶解した形のカリウムイブプロフェン;(ii)水;(iii)少なくとも1種のポリアルキレング
リコール(iv)随時少なくとも1種のC2−3アルカノールおよび随時含まれる遊離酸の形のイブプロフェンを含んで成る濃厚で注入可能な液体組成物がこの方法の生成物として生じるように行われ;ここで該液体組成物においては該カリウムイブプロフェンは溶解した形であり、溶解したカリウムイブプロフェンの量は約60〜約90重量%の範囲にあり、該組成物は約5〜10重量%の水を含み、且つ約1重量%以上(好ましくは約3重量%以上、さらに好ましくは少なくとも約5重量%)ではあるが、約10重量%以下の少なくとも1種のポリエチレングリコールを含んでおり、該液体組成物は約25℃において注入可能である。本発明方法の生成物はカリウムイブプロフェンおよび遊離酸の形のイブプロフェンの両方を含んでいるが、この方法において使用するカリウム塩基対カリウムイブプロフェンの当量の割合を適当に調節することにより(例えばこれらの成分をイブプロフェン1当量当たり約0.9〜約1当量のカリウム塩基の比で用いることにより)、カリウムイブプロフェン対遊離酸の形のイブプロフェンのモル比が約9:1よりも大きい本発明の生成組成物が直接得られる。しかし、反応中に生じる生成物にもっと多くのカリウム塩基を加えこのモル比を増加させるか、または逆に、イブプロフェンの添加によって沈殿が生じない限り反応中に生じる生成物にもっと多くのイブプロフェンを加えてこのモル比を減少させることにより、この方法が終了した後にカリウムイブプロフェン対遊離酸の形のイブプロフェンのモル比を調節することができる。このようないずれの場合においても、カリウムイブプロフェン対遊離酸の形のイブプロフェンの最終的なモル比は約9:1以上でなければならない。
本発明の他の特に好適な具体化例は、(i)約78〜約88重量%(さらに好ましくは約80〜約86重量%)の溶解した形のカリウムイブプロフェン;(ii)約5〜約10重量%の水;および(iii)約1重量%以上ではあるが約10重量%以下の1種またはそれ以上のポリエチレングリコール;(iv)少なくとも1種のC2〜3アルカノール、および(v)遊離酸の形のイブプロフェンを含んで成る少なくとも約25℃において注入し得る濃厚な液体組成物であり、ここで
(1)ポリエチレングリコール対遊離酸の形のイブプロフェンの比は約2.2:1(さらに好ましくは少なくとも約3.2:1)であるか;または
(2)ポリエチレングリコール+C2〜3アルカノール対遊離酸の形のイブプロフェンの重量比は少なくとも約3:1(さらに好ましくは少なくとも4.8:1)であり;且つ
(3)該組成物中の水対ポリエチレングリコールの重量比が少なくとも約1:1であるか、或いは該組成物中の水対ポリエチレングリコールの重量比が約1:1以下の場合には、該組成物中の水対C2〜3アルカノールの重量比、および該組成物中のポリエチレングリコール対C2〜3アルカノールの重量比はそれぞれ独立に約6:1以上、さらに好ましくはそれぞれ独立に約7:1以上、もっと好ましくはそれぞれ独立に約8:1以上の組成物である。
本発明のさらに他の具体化例および特徴は下記の説明および添付特許請求の範囲から明らかになるであろう。
本発明のさらに詳細な説明
カリウムイブプロフェンの濃度が高いにも拘わらず、本発明の濃厚な液体組成物は注入可能な液体であり、医薬品としての投与形態の製造に含まれる加工操作において容易に取り扱い使用することができる。本明細書に使用される「注入可能な」という言葉は、少なくとも約25℃において、重力以外の特別な力を加えないでも、本発明の液体組成物が一つの容器から他の容器への流入または落下、或いは他の容器の中または上への注入、またはその他の運動をなし得ることを意味する。
人が体内で消費する医薬品として許容される純度をもったエタノールが存在する本発明の濃厚な液体組成物は、内用薬および外用薬としてまたはその製造に使用するのに適して
いる。他方、(1)人が体内で消費する医薬品として許容される純度をもたないエタノール、(2)1−プロパノール、および(3)2−プロパノールの1種またはそれ以上を含んだ本発明の組成物は、そのまま直接人の体内における用途に使用されるものではない。その代わりこのような組成物は、皮膚に対する局所的な外用調合剤などのような他の用途に主として適している。しかし(1)、(2)および(3)のようなアルコールを1種またはそれ以上含む本発明の液体組成物は、人が体内で消費する医薬品として許容された純度をもたないエタノール、1−プロパノール、および2−プロパノールのようなどのアルコールも、仕上げられた医薬品生成物の中において害を与えないと思われる痕跡量よりも多くの量で残留していない(例えば約0.1重量%以下)ようにすることによって、人の体内で消費される医薬品調合物として、または人の体内で消費される医薬品調合物の製造に使用できるように変えることができる。換言すれば、このような任意のおよびすべてのアルコールは、それらが存在した場合、除去するか或いは人が体内で消費する医薬品として許容される成分に変えることにより、人が体内で消費する仕上げられた医薬製品の中にこのようなアルコールが無害な痕跡量よりも多くの量で含まれることのないようにしなければならない。共沸剤として使用される適当な物質(例えばベンゼン、2,2,4−トリメチルペンタン、トリクロロエチレン、またはエチルエーテル)と共に行われる共沸蒸溜は水とアルコールとを互いに効率的に分離する典型的な公知の方法である。
典型的には、つくられたばかりの本発明の濃厚な液体組成物は、透明な単一相の液体組成物である(換言すれば、この組成物は裸眼で見た場合、単一の液相だけから成る固体を含まない透明な溶液である)。これに加えて、このような透明な単一相の液体組成物は典型的には(そして好ましくは)、製造後直ちに閉じた容器の中に光を当てないで約5〜約70℃の温度範囲において貯蔵した場合、少なくとも約400時間の間目で見て透明な単一相の組成物の状態を保つという意味において安定である。この好適な基準に合うかどうかで本発明の極めて濃厚な液体組成物の安定性を評価するためには、必ずしも約5〜70℃の範囲の種々の温度において試験を行う必要はない。適当な試験法は、約5℃の一定温度において約400時間の間閉じた容器の中に光を当てないで透明な単一相の試料を入れておく方法である。このような貯蔵を行った後に、可視領域の波長の光でこの組成物を見た場合、試料の中に分離した固相または分離した液相が裸眼で見えなかったならばこの試料は安定であると考えられる。約5℃以上の任意の温度において同じ貯蔵試験を行う必要はない。何故なら、試料が約5℃における上記の試験に合格すれば、経験によってその試料はこれよりも高い約5〜約70℃の範囲の温度において試験に合格することが示されているからである。
このように、存在するアルカノールが人の体内で消費される医薬品として許容される純度をもつエタノールであるような本発明の透明な単一相の濃厚な液体組成物は(特に上記に説明したような安定な組成物である場合)、所望の投与形態、例えば充填された軟いカプセル、並びにシロップ、エリキシル剤、懸濁剤、並びに固体の投与形態を含む他の医薬品としての投与形態、例えば錠剤、キャプレット(caplet)、および充填したゼラチンのかたいカプセルをもった種々の医薬品調合物の製造に使用するのに極めて適している。本発明の単一相の液体組成物は、調製後少なくとも400時間安定であるから、破壊的な高温がかけられたり安定性に対して悪影響を及ぼす他の条件に遭遇しない限り、このような組成物は同じ安定な状態を保ち続ける傾向をもっている。
存在するアルカノールが人の体内で消費する医薬品として許容される純度をもったエタノール以外の1種またはそれ以上のC2〜3アルカノールである本発明の透明な単一相の濃厚な液体組成物は(特にそれが上記に説明したような安定な組成物である場合)、外用の種々の医薬品的投与形態、例えば塗布剤、クリーム、軟膏、ローション、局所塗布液などの形の調合物に使用するのに極めて適している。
(1)存在するアルカノールが人の体内で消費する医薬品として許容される純度をもったエタノールだけである透明な単一相の濃厚な液体組成物であって、特に該組成物がまた安定な組成物である場合と,(2)少なくとも1種のC2〜3アルカノールが人の体内で使用する医薬品として許容される純度をもったエタノール以外のものである透明な単一相の濃厚な液体組成物であって、特に該組成物がまた安定な組成物である場合の中では、広い分野に使用されるために(1)の組成物の方が好適である。
或る場合においては、つくられたばかりの本発明の濃厚な液体組成物は、外観が靄を帯びたり、曇ったり、濁って見えたりするか、および/またはこれらは適当な物理的方法、例えば最高約80℃における真空濾過または遠心分離によって取り除くことができる粒子を含んでいることがあるが、それでも溶解したカリウムイブプロフェンを少なくとも約60重量%含んでいる。組成物の中に僅かな量の曇りおよび/または濁りが存在する場合には、あまり好適ではないが、この組成物は所望の投与形態、例えば人に対する外用の塗布製品、例えば懸濁液、軟膏、クリームおよびローションの形で医薬品製品の製造に使用することができる。このような組成物の中に存在するアルカノールが医薬品として許容される純度のエタノールだけの場合には、この組成物はまた必要に応じ人の内服薬に対する懸濁液の調製に使用することができる。
本発明の濃厚な液体組成物を製造するためには、カリウムイブプロフェン、水、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、またはこれらの2種またはそれ以上の混合物以外の成分を使用する必要はない。即ちカルボキシメチルセルロース組成物および/またはスクロース可溶化剤、プロピレングリコール、グリセリン、またはポリオキシメチレンソルビタン脂肪酸エステルおよび/またはプロピレングリコールのような成分は必要がない。事実、これらの添加物の或るものは、1種またはそれ以上のポリエチレングリコールを含む液体組成物中でエステルを生じる傾向があるため望ましくない可能性がある。本発明の特に好適な組成物はグリセリン、プロピレングリコール、ポリビニルピロリドン、およびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含んでいない。
本発明の濃厚な液体組成物を製造する本発明の典型的な方法は、
(a)イブプロフェン、カリウム塩基、水、および少なくとも1種のC2〜3アルカノールの混合物であって、使用するカリウム塩基対イブプロフェンの当量比が約0.9:1〜約1:1の混合物をつくり;
(b)(a)で得られた混合物からアルカノールおよび水を部分的に除去して溶解したカリウムイブプロフェンに富んではいるがアルカノールおよび水を全く含まないことはない生成混合物をつくり;
(c)(b)におけるような除去を中断し、少なくとも1種のポリエチレングリコールと(b)で得られる生成混合物とを混合して注入可能なポリエチレングリコール含有組成物をつくり;
(d)アルカノールおよび水の除去を再開し、この際(c)から得られる注入可能なポリエチレングリコール含有組成物から(i)カリウムイブプロフェン;(ii)水;(iii)少なくとも1種のポリエチレングリコール;(iv)随時使用される少なくとも1種のC2〜3アルカノール;および(v)随時使用される遊離酸の形をしたイブプロフェンを含んで成るさらに濃厚な注入可能なカリウムイブプロフェン液体組成物をつくり;ここで(b)および(d)で除去される水の量、および(c)で使用されるポリエチレングリコールの量により、溶解した形の約60重量%のカリウムイブプロフェン、約5〜約10重量%の範囲の水;約1重量%以上ではあるが約10重量%以下の範囲のポリエチレングリコール;最高5重量%の随時使用される少なくとも1種のC2〜3アルカノール;および(v)随時存在する最高約2.3重量%の遊離酸の形のイブプロフェン含む組成物が与えられることを含んで成っていることを思い起していただきたい。
上記の説明から分かるように、本発明の濃厚な液体組成物をつくる本発明の方法は、イブプロフェン、カリウム塩基、水、および好ましくは少なくとも1種のC2〜3アルカノールの混合物をつくる工程を含み、ここで使用するカリウム塩基対イブプロフェンの当量比は約0.9:1〜約1:1である。好ましくは、少なくとも1種のC2〜3アルカノールの若干量または全部をこの工程の(a)において加える。このことは、水中におけるカリウムイブプロフェンの溶解度を増加させることの他に、使用されるC2〜3アルカノールが(a)における酸−塩基反応の際に生成する泡を抑制する助けになるという利点をもっている。また、この方法の工程(a)において少なくとも1種の水と混合し得るC2〜3アルカノールが存在するとイブプロフェンの溶解が容易になり、その場におけるカリウムイブプロフェンの生成を促進する。さらに、工程(a)を行う場合、少なくとも1種のC2〜3アルカノールを加えると、この方法の工程(a)において粘度が低下するために撹拌が容易になる。しかしこのような方法の際、例えばアルカノールのほとんどまたは全部が組成物から除去された場合、組成物の粘度を減少させ泡の生成を抑制することが望ましいと思える時には、任意の時点においてさらに余分のC2〜3アルカノールを加えることができる。
本発明の濃厚な液体組成物を製造する本発明方法においては、少なくとも1種の水と混合し得るC2〜3アルカノールを使用するとさらに他の利点が得られる。何故なら、特にC2〜3アルカノールは水と共沸混合物をつくり、これによって蒸発過程において水を効率的に除去し溶解したカリウムイブプロフェンの極めて濃厚な溶液をつくることができるからである。さらに、C2〜3アルカノールと水とは混合し得るので、水とC2〜3アルカノールとの共沸混合物を工程(a)に循環させ、使用される水と混合し得るC2〜3アルカノールをさらに効率的に使用することができる。
工程(a)においては成分のイブプロフェン、カリウム塩基、水および少なくとも1種の水と混合し得るC2〜3アルカノールを種々の方法および順序で一緒にすることができる。例えばこれらの成分を個々の容器に任意の順序で装入するか、或いは2種またはそれ以上を一緒にして個別的に同時に装入することができるが、この場合も2種またはそれ以上の他の成分を装入する際、任意の順序で装入することができる。別法として、種々の予めつくられた部分的な組み合わせを用いて装入を行うことができる。即ち例えばカリウム塩基およびイブプロフェンの代わりに、適切な量の予めつくられたカリウムイブプロフェンの粉末または粒子を装入することによりイブプロフェンとカリウム塩基の全量を与えることができる。必要に応じ、このような予めつくられたカリウムイブプロフェンを装入する前、それと同時に、および/またはその後で、若干量のカリウム塩基および/またはイブプロフェンを装入することによりイブプロフェンおよびカリウム塩基の全量を与えることができる。同様に、水および水と混合し得るC2〜3アルカノールを予め混合し、混合物として加え、随時いずれのか一つを多量にし、或いは両方を別に追加して加えることができる。これらの成分を容器に入れるさらに他の方法もあり、これを使用することができる。この方法の工程(a)においてどのようにして成分を一緒にするかは全く重要ではないが、反応混合物を撹拌しながらカリウム塩基および水を少しずつ増加させ、個別的に、或いは組み合わせて、または一緒にしてイブプロフェンに加えることが好ましい。炭酸カリウムまたは水酸化カリウム、或いはこれらの組み合わせを塩基として使用することが好適である。
この方法の工程(a)を行う場合、イブプロフェンのカリウム塩を生成し得る任意のカリウム塩を使用することができる。しかし、医薬品としての用途においては、この方法に使用されるカリウム塩基はシアン化物のように医薬品として許容できない化学種を与えるものであってはならない。適切な塩基の本発明を制限しない例には、例えば炭酸カリウム、重炭酸カリウム、水酸化カリウム、珪酸カリウム、酸化カリウム、燐の無機酸の1種またはそれ以上の水溶性のカリウム塩、およびこれらの2種またはそれ以上の混合物が含ま
れる。炭酸カリウムまたは水酸化カリウム、またはこれらの組み合わせを塩基として使用することが好適である。
典型的には工程(a)に使用されるカリウム塩基の割合は、イブプロフェン対カリウム塩基の当量比が約0.9:1〜約1:1、好ましくは約0.95:1〜約0.98:1の範囲に入るような割合である。勿論、イブプロフェンとの反応においては、1分子当たりカリウム1原子を有するカリウム塩基(例えばKOH)の1当量が1モルであると理解されたい。他方、1分子当たりカリウム2原子を有するカリウム塩基、例えば炭酸カリウム(KCO)の1当量はその0.5モルである。本発明の組成物中のカリウムイブプロフェンはカリウム対イブプロフェンのモル比が約0.9:1〜約1:1、好ましくは約0.95:1〜約0.98:1である。
厳密な化学的理論に従えば、2−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸カリウムは、使用されるカリウム塩基で中和されたイブプロフェン1分子当たり1原子のカリウムからつくられる。しかしこの反応が完結しない場合、本発明のカリウムイブプロフェン組成物中に若干量の未反応のカリウム塩基または未反応のイブプロフェンが存在することができる。さらに、直前の文節に述べたように、一つまたは他のこのような反応物はカリウム対イブプロフェンの化学量論的な割合が1:1よりも過剰になるような当量比でイブプロフェンとカリウム塩基が使用されているために、本発明のカリウムイブプロフェン組成物中には若干量の遊離のカリウム塩基または若干量の遊離のイブプロフェンが存在することができる。従って便宜上、特許請求の範囲を含む本明細書においてカリウム対イブプロフェンのモル比が例えば約0.9:1〜約1.05:1の範囲にある本発明の組成物中のカリウムイブプロフェンを参照する場合、透明な、または靄がかかった、曇ったまたは濁った濃厚なカリウムイブプロフェンの液体組成物の試料を分析したとして、この分析が適切に行われたならば、組成物中のカリウム対イブプロフェンのモル比は上記の範囲に入ることを意味している。このような割合を使用することは、2−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸カリウムが固体である場合の正確な分子構造の変化を意味するものではない。むしろこのような割合を使用することは、2−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸カリウムがどのような化学的な形で存在するとしても、本発明の液体組成物の中ではそれが存在し、組成物からすべての液体が除去された場合、乾燥した残渣は固体の2−(4−イソブチルフェニル)プロピオン酸カリウムを含み、少なくとも若干量の遊離のイブプロフェンまたは若干量の遊離のカリウム塩基を含んでいることを意味すると了解すべきである。
工程(a)を行う場合、使用する水の量を最低限度に抑制することが望ましい。従って水対イブプロフェンの重量比は非常に大きく、例えば1:0.1またはそれ以上であることができるが、そうするとこの方法の工程(c)で除去すべき水の量は不必要に多くなるであろう。従って実際的な問題として、反応完結後過度な量の水を除去する必要がないような水の量を用いるべきである。或る与えられた状況で水対イブプロフェンの重量比を選ぶ場合、使用するカリウム塩基の水に対する溶解度を考慮しなければならない。即ち例えば重炭酸カリウムよりも水に対する溶解度が大きい水酸化カリウムまたは酸化カリウムのような塩基を用いる場合、重炭酸カリウムのような溶解度の小さい塩基を使用する場合に比べ使用する水の量を少なくすることができる。一般的に言って水対イブプロフェンの重量比は約0.2:1〜0.8:1の範囲、好ましくは約0.25:1〜約0.40:1の範囲を用いることが便利である。
本発明の工程(a)は典型的には周囲温度で行うことができるが、必要に応じ低温(例えば最低約10℃まで)または高温(例えば最高約60℃まで)で行うことができる。要約すれば不当な困難を伴わずに混合できる任意の温度を工程(a)で用いることができる。
この方法の工程(b)では、生じる生成組成物の中に眼で見えるほどの色が生じない条件下において該混合物を加熱する。混合物を加熱する温度は室温〜約80℃の範囲の任意の温度であることができる。操作時間は温度に逆比例するから、混合物を少なくとも約40℃に加熱することが望ましいが、ほぼ室温ないし約40℃の間の温度において長時間操作を行うこともできる。即ち、温度が約80℃を超えない限り、操作を行う温度は主として選択の問題である。
工程(b)においては、特に約70〜約80℃の範囲の温度で操作する場合、遊離酸素への露出を最低限度に抑制する。即ち窒素、アルゴン、ネオン、クリプトンなどのような不活性ガスの雰囲気下において操作するか、或いは部分的な真空下において操作することが望ましい。例えば約40〜約70℃の範囲のような低温においても比較的小さいヘッド・スペースをもった閉じた系の中で、不活性ガスの雰囲気下、或いは部分的な真空下において操作を行うことが賢明であるが、組成物に色が生じない限りこのことは必須なことではない。従って、工程(b)は実質的に酸素が存在しない状態で行うことが望ましい。「実質的に酸素が存在しない」とは、系が酸素を全く含まないか、或いは遊離酸素を含有量は生成する生成組成物の中に眼で見て色が生じることがないような量であることを意味する。工程(b)に使用される条件をかける場合、炭酸カリウム(または任意の他の溶解性の小さいカリウム塩基)を用いる時、および水対炭酸カリウムの重量比を1より小さくして使用する際には、炭酸カリウムを比較的少量の使用する水性溶媒媒質の中に容易に溶解させるために、約60〜約80℃の範囲の温度を用いることが望ましいことを知っておく必要がある。
上記の(a)、(b)および(c)の任意のまたはすべての工程において共沸性の溶媒を加えることができ、工程(c)において得られた組成物を濃縮する際このような共沸性の溶媒を含まない濃厚な液体組成物をつくる。本発明を限定しない適当な共沸性溶媒の例にはトルエン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、エタノール、エチルベンゼン、酢酸エチルなどが含まれる。現在のところトルエンおよびn−ヘキサンが好適な共沸性溶媒である。
工程(c)において組成物の濃縮を行うためには、(b)でつくられた組成物の全部または一部をフラッシュ蒸溜または蒸溜により若干の水および水と混合し得るC2〜3アルカノールを組成物から除去する。これらの溶媒の蒸発は通常の装置、例えばワイプト・フィルム(wiped film)蒸発器または噴霧乾燥機を用いて行うことができる。工程(c)における濃縮操作は典型的には減圧下において若干量の水および水と混合し得るC2〜3アルカノールを除去し、主として水および少なくとも1種の水と混合し得るC2〜3アルカノールから成る液体媒質の中に少なくとも約60重量%で最高約90重量%程度の溶解したカリウムイブプロフェンを含む濃縮された注入可能なカリウムイブプロフェン液体組成物を生じるのに十分な温度において行われる。しかし或る場合においては、工程(c)で生じる本発明の注入可能な組成物は、特に液体を周囲室温以下に保った時には濁っている。ここで「濁っている」と言う言葉は、該組成物が靄のかかったまたは曇った外観を呈し、遠心分離またはデカンテーションのような通常の物理的な固液分離法で除去することができる粒子または沈降物を含んでいることを意味する。本発明の透明で均一な注入可能な組成物と本発明の注入可能な濁った組成物との間では、本発明の透明で均一な注入可能な組成物が好適である。必要に応じ、通常の固液分離法、例えば遠心分離またはデカンテーションを用いるか、または組成物のアルカノール対水の比を調節することにより、本発明の濁った注入可能な組成物を本発明の透明で均一な注入可能な組成物に変え得ることが多い。
本発明の濃厚な液体組成物を製造する他の方法は、原料として使用されるカリウムイブプロフェンの予備組成物をつくる方法である。このようなカリウムイブプロフェンは過剰
の未反応のイブプロフェンまたは未反応のカリウム塩基を含んでいるが、イブプロフェン部分対カリウムのモル比は約0.9:1〜約1:1、好ましくは約0.95:1〜約0.98:1の範囲になければならない。この操作モードにおいては、カリウムイブプロフェンを水および過剰な量の少なくとも1種の水と混合し得るC2〜3アルカノールと混合し、得られた混合物を好ましくは撹拌しながら加熱し、フラッシュ蒸溜、真空蒸溜などによってアルカノール−水混合物を蒸発させ、一つまたはそれ以上の段階において本発明の組成物をつくる。この操作モードでは共沸性溶媒を使用する必要はない。
必要に応じ少量(最高約5重量%)の医薬品として許容される賦形剤、防腐剤、甘味料などを本発明の組成物の中に含ませることができる。このような材料の例にはグリセリン、メチルパラベン、およびソルビトールが含まれる。しかし好ましくは本発明の組成物は、水、少なくとも1種の水と混合し得るC2〜3アルカノール(さらに好ましくはエタノールだけ)、少なくとも1種のポリエチレングリコール、イブプロフェン、およびカリウム塩基(またはイブプロフェンおよびカリウム塩基の全部または一部の代わりとしての予備組成物にしたカリウムイブプロフェン)以外は使用しないでつくられる。即ち本発明の特に好適な組成物は、カリウムイブプロフェン(本発明の濃厚な注入可能なカリウムイブプロフェン液体組成物の中でそれがどんな化学的な形で存在しているにせよ)の他には水、少なくとも1種のポリエチレングリコール、随時加えられる少なくとも1種のC2〜3アルカノール、および随時存在する未反応のイブプロフェン、並びに本発明の組成物を製造するのに使用される材料、および/または本発明の組成物をつくるのに用いられる製造操作によって生じる材料の中に存在する可能性がある不純物だけを含んでいる。
濃厚な注入可能なカリウムイブプロフェン液体組成物を個々の医薬品としての投与形態で製造する方法は、本発明のさらに他の具体化例である。一般にこのような方法は、ゼラチンの外殻または他の適当な物質、例えば変性澱粉およびイオタカラジーナン(iota
carrageenan)を含んで成る組成物からつくられた他の軟い外殻の中に該組成物の個々の医薬品としての投与部分をカプセル化する方法を含んで成っている。これは種々の方法、例えば米国特許第2,234,479号明細書;同第5,209,978号明細書;同第6,340,473号明細書;同第6,569,363号明細書;同第6,589,536号明細書;1998年、10月1日公開の国際公開第98/42294号パンフレット;The Theory and Practice of Industrial Pharmacy,Leon Lachman,Herbert A.Lieberman and Joseph L.Kanig編,第3版,1986年,Lea
& Febiger,Philadelphia,PA,発行、およびEbert,Soft Elastic Gelatin Capsules:A Unique Dosage Form,Pharmaceutical Technology,10月号、1977年に記載された方法によって達成することができる。このような文献に記載されたカプセル化の方法は、本発明の個々の医薬品としての投与形態をつくるのに使用できる方法を説明するものとして引用により本明細書に包含される。従って当業界においてはすべて公知の回転ダイス型カプセル化法、往復ダイス型カプセル化法、同心円筒法、およびフィルム被覆(enrobing)法を使用することができる。このようなカプセル化法の中で、本発明のこの具体化例を実施するには回転ダイス型法が現在のところ好適である。
上記のタイプの軟いカプセルをつくる機械装置は種々の製造業者から入手できる。例えば米国のVanguard Pharmaceutical Machinery,Inc.製のVSG−172A Softgel型の製造ラインを使用することができる。これは進歩した設計の回転ダイス型カプセル化装置、並びに種々の付属装置を含んでいる。軟いカプセルを製造する他の市販の装置にはDaesung Corporation,Daesung B/D 3F,9−1,Yangpyong 1−dong,Youn
gdeungpo−ku,Seoul, 150−101、韓国製のCS−M3型およびCS−J1型Soft Gel machines;およびTechnophar Equipment and Service Limited,1370 Argyl Road,Windsor,Ontario,N8Y 3K7,Canada製のSGM−1000型およびSGM−2000型の機械がある。
本発明の一具体化例に従えば、,個々の医薬品としての投与形態においてカリウムイブプロフェンを提供する方法であって、該方法はゼラチンの外殻の内部に本発明の濃厚な注入可能なカリウムイブプロフェン液体組成物の個々の医薬品投与部分をカプセル化することを含んで成る方法が提供される。好ましくはこの方法を行う場合、ゼラチンのリボンを本発明の濃厚な注入可能なカリウムイブプロフェン液体組成物の個々の医薬品投与部分の周りで互いに密封することによってゼラチンの外殻をつくる。さらに好ましくは、この方法でつくられるゼラチンの外殻は軟いゼラチンの外殻である。特に好適な具体化例においては、該組成物中の溶解したカリウムイブプロフェンがカリウム対イブプロフェンの分析可能なモル比として約0.95:1〜約0.98:1の範囲の値をもち、また該組成物中の溶解したカリウムイブプロフェンの量が約80〜90重量%の範囲にあり、また特にエタノールおよび水はエタノール対水の重量比が約0.30:1〜約0.80:1の範囲にあるような本発明の濃厚な注入可能なカリウムイブプロフェン液体組成物を用いて上記方法が実施される。
また本発明によれば、内部の閉じた空間を規定する少なくとも一つの医薬品のカプセルであり、該カプセルは経口投与ができるような大きさおよび形をしており、該空間の内部には(i)溶解した形のカリウムイブプロフェン;(ii)水;および(iii)少なくとも1種のポリエチレングリコールおよび随時医薬品として許容される純度をもつエタノール、および随時遊離酸の形のイブプロフェンを含んで成る本発明の濃厚な注入可能なカリウムイブプロフェン液体組成物が一定量含まれ、該組成物は約60〜約90重量%の範囲の溶解したカリウムイブプロフェンを含んでおり、上記において(i)、(ii)、および(iii)の全重量%は少なくとも95重量%であり、該組成物は25℃において注入可能である製造製品が提供される。好ましくはこのような製品は軟いゼラチンのカプセルであり、特に継ぎ目のない軟いゼラチンのカプセルであるか、または変性澱粉およびイオタカラジーナンを含んで成る軟いカプセルである(例えば米国特許第6,340,473号明細書参照)。これらの製品においては、カプセル化された組成物の中の溶解したカリウムイブプロフェンは好ましくはカリウム対イブプロフェンの分析可能なモル比が約0.95:1〜約0.98:1であり、特に該組成物中の溶解したカリウムイブプロフェンの量は約80〜約90重量%の範囲にあり、またエタノールおよび水はエタノール対水の重量比が約0.30:1〜約0.80:1で存在している。
特許請求の範囲を含む本明細書において使用される「カリウム対イブプロフェンの分析可能なモル比」という言葉は、参照された液体組成物が分析された場合、分析の結果該組成物が規定された範囲のカリウム対イブプロフェンのモル比をもつことが示されることを意味する。この言葉は、該組成物を分析しなければならないことを意味するものではなく、該組成物を分析することを選んだ場合、分析の結果が規定された範囲のモル比を示すことを意味している。同様にこの言葉は、暗黙のうちにまたは他の方法で、組成物中に溶解した際にカリウムイブプロフェンが存在する化学的な形を記述しているものではない。上記に指摘したように、カリウムイブプロフェンは組成物中に溶解している時には何等かの化学的な形で存在することができる。
本発明の他の具体化例は濃厚な本発明の液体組成物を構成する少なくとも1種の成分からつくられた医薬製品である。本発明の医薬製品は液体、固体、または液体と固体とを組み合わせた形(例えばゲルのカプセル化)であることができる。本発明のさらに他の具体
化例は、鎮痛的な治療をすべき少なくとも一つの症状(例えば苦痛、発熱、腫張など)を示す哺乳動物に、医薬品として有効な量の本発明の医薬製品を投与する方法である。本発明の医薬製品は典型的には通常の液体、固体および/またはカプセル化された医薬製品の中に存在する他の成分を含んでいることができる。このような他の成分の本発明を限定しない例には、粘度調節剤、香料、甘味料、着色剤、安定剤または他の防腐剤などが含まれる。これらの製品は典型的には経口的に投与される。医薬製品を投与する場合、医薬品として効果的な使用量は変化させることができるが、苦痛を伴う症状に対して認め得る応答を誘発するのに十分な量でなければならない。大部分の場合、医薬品として効果がある量は、約20〜約800mgの範囲内の酸の形のイブプロフェンをその場で哺乳動物に対して与えるのに十分な量である。何故ならカリウムイブプロフェンは通常投与された後に酸の形に変わるからである。
本発明の他の態様は、充填されたカプセルおよび他の医薬品として許容できる液体の投与形態、例えばシロップ、懸濁液、エリキシル剤などに使用するためのあまり濃厚でない液体組成物の原料として本発明の濃厚な液体組成物を利用する方法に関する。操作を行う際にもっと希薄な液体の医薬品組成物を使用することに慣れている商業的な製薬業者が、本発明の濃縮物を使用して彼らが使用するもっと希釈された液体組成物を容易につくり得ると言う点でこの態様は特に有利である。即ち本発明のさらに他の具体化例は、本明細書および/または特許請求の範囲に記載された濃厚な注入可能な本発明の液体組成物から希釈された組成物を製造する方法であって、この方法は(i)少なくとも1種の医薬品として許容できる溶媒の中に少なくとも1種の医薬品として活性な成分を含む溶液、または(ii)(a)少なくとも1種の医薬品として活性な成分と(b)少なくとも1種の医薬品として許容できる溶媒との組み合わせ、または(iii)少なくとも1種の医薬品として許容できる賦形剤または(iv)上記(i)、(ii)、および(iii)の組み合わせを該濃厚な注入可能な液体組成物と混合し、この際(a)および(b)を別々に該濃厚な注入可能な液体組成物と混合して約0〜約50℃の範囲内において安定なあまり濃厚でない均一な溶液をつくる方法である。このような組成物はイブプロフェンの種々の液体の投与形態を作るのに有用であり、特に軟いゼラチンのカプセルを充填するのに使用するのに適している。
任意の公知の医薬品として活性をもった成分がイブプロフェンと相容性をもち医薬品としての用途に許容できる組成物を生じる限り、このような成分を使用して直前の文節に記載したような方法に使用される溶液をつくることができる。同様に任意の公知の賦形剤がイブプロフェンと相容性をもち医薬品としての用途に許容できる組成物を生じる限り、このような賦形剤を上記方法に使用することができる。適当な賦形剤の中には例えばグリセリン、プロピレングリコール、およびポリビニルピロリドン、並びにこれらの組み合わせを含む適当な溶媒がある。好適な溶媒は(i)水、(ii)少なくとも1種のC2〜3アルカノール、(iii)数平均分子量が約200〜2000ダルトンの少なくとも1種のポリエチレングリコール、または(iv)(i)、(ii)および(iii)の任意の二つまたはすべての組み合わせである。
医薬品として活性な成分のポリエチレングリコール中の溶解度を増加させる他の成分が所望の粘度を保つのに十分な量だけ存在し、ゼラチンのカプセルを劣化させない限り、このような成分も使用することができる。このような他の成分の例には、これだけには限定されないが、グリセリン、ポリプロピレングリコール、およびポリビニルピロリドン、およびこれらの組み合わせが含まれる。使用される他の成分の量および組み合わせはこの方法に使用される他の成分の化学的性質によって変化するであろう。好適な医薬品として許容できる賦形剤には酸性の賦形剤が含まれる。何故なら、このような賦形剤を希薄な組成物に含ませると、pHが減少し、ゼラチンのカプセルが早期に劣化する傾向を最低限度に抑制するからである。酸性の賦形剤の本発明を限定しない例には、クエン酸、酒石酸など
が含まれる。希薄な組成物をつくるために他の通常の賦形剤を本発明方法と組み合わせて使用することができる。これらの中には防腐剤、安定剤、湿潤剤、着色剤などが含まれるが、これだけには限定されない。
本発明のこの態様の好適具体化例は、上記の説明および/または特許請求の範囲に記載された濃厚な注入可能な液体組成物から希薄な組成物を製造する方法であって、該方法は該濃厚な注入可能な液体組成物を、
(a)イブプロフェンおよび少なくとも1種の医薬品として許容できる溶媒から予めつくられた希薄な溶液であって、該濃厚な液体組成物よりも希釈された溶液;または
(b)該濃厚な注入可能な液体組成物にこれを希釈する量のイブプロフェンおよび少なくとも1種の医薬品として許容できる溶媒を別に加えたものの少なくとも一つで希釈することを含んで成っている。好適な医薬品として許容できる(a)または(b)の溶媒は(i)水、(ii)少なくとも1種のC2〜3アルカノール、(iii)数平均分子量が少なくとも約200ダルトンで20℃において液体状態にある少なくとも1種のポリエチレングリコール、または(iv)これら(i)、(ii)または(iii)の任意の二つまたは全部の組み合わせである。
下記の実施例により本発明の実施および利点を例示するが、これらの実施例においてすべての割合は重量による。
これらの実施例に使用した一般的な方法は、原料として使用するために濃厚な初期溶液をつくり、次いでこれを本発明の種々の組成物の製造に使用した。これらの初期濃厚溶液はカリウムイブプロフェン、水およびエタノールだけから成る透明で安定な極めて濃厚な液体組成物であった。すべての場合、化学量論的な量のイブプロフェンと炭酸カリウムを原料として使用した。即ち2モルのイブプロフェンおよび1モルの炭酸カリウムを使用した。
特に本発明の種々の組成物を製造するのに使用した原料としては、40μmの中程度の粒径をもったAlbemarle Corporation製のイブプロフェンを用いた。イブプロフェンをNo.12のステンレス鋼の篩に通し先ず塊を崩した。磁気撹拌機の上に載せた2リットルのフラスコの中で無水の炭酸カリウム(138.2g)を150gの脱イオン水に溶解した。磁気撹拌機の上のフラスコに2インチの磁気撹拌機の棒を加えて撹拌した。粉末濾斗を通して412gのイブプロフェンをフラスコに加えた。無水のエタノール(300g)を少しずつ増量し撹拌しながらフラスコに加えた。添加終了後、二酸化炭素の発生による気泡が全部収まるまで撹拌を続けた。次にフラスコの内容物を回転蒸発操作に適した2リットルの丸底フラスコに定量的に移した。次にフラスコをRotavapor RE11(Buchi製)回転蒸発器に連結し、回転させながら70℃に加熱した。フラスコの内容物が透明になった後に、吸引ポンプでつくった真空を用いて揮発物(二酸化炭素、水およびエタノール)の一部を蒸発させた。約300〜320gの溶媒が除去された後、蒸発操作を一時中止した。フラスコに300gのエタノールをさらに加えた後、回転蒸発器による溶媒の除去操作を再開した。さらに約320gの溶媒を除去した後、この操作を完了した。このような数回の操作で約600gの重量の透明なカリウムイブプロフェン組成物が得られた。
典型的には、3回の上記の操作から集めた材料を混合することにより液体のカリウムイブプロフェンのロットをつくった。ロットの試料に対しNMRによる分析を行った。NMRによって決定された四つのロットの組成物を表1に示す。三つのロットのすべては極めて濃厚な安定な液体のカリウムイブプロフェン組成物である。次いでこれらのロットを使用して種々の添加量のイブプロフェンおよびポリエチレングリコールを含む組成物をつくり、研究した。
Figure 2009508951
2リットルの丸底フラスコに30gのPEG400および507gのカリウムイブプロフェンのロットS−5を加えた。次いで蒸発フラスコを回転蒸発器に取り付け、回転させながら約70℃に加熱した。フラスコの内容物が透明になった後、吸引ポンプでつくられた真空を用いて蒸発により溶媒の一部(水およびエタノール)を除去した。12gの溶媒が蒸発した後、81.7重量%のカリウムイブプロフェン、9.7重量%の水、2.8重量%のエタノールおよび5.7重量%のポリエチレングリコール(PEG400)から成る本発明の極めて濃厚で安定な透明な液体を得た。重量%はすべてNMRの分析を用いて決定した。
実施例1記載の方法を繰り返したが、除去した揮発性物質の量を12gから21gに増加させた。蒸発により21gの溶媒を除去した後、フラスコは本発明の極めて濃厚な安定で透明な液を含んでいた。NMR分析ですべての重量%を決定してこの組成物は85.2重量%のカリウムイブプロフェン、7.9重量%の水、0.9重量%のエタノール、および6重量%のPEG400から成っていた。
2リットルの丸底フラスコに638gのカリウムイブプロフェンのロットS−5、17.8gのイブプロフェン、および41.2gのPEG400を加えた。次いで蒸発フラスコを回転蒸発器に取り付け、回転させながら約70℃に加熱した。フラスコの内容物が透明になった後、吸引ポンプでつくられた真空を用いて蒸発により溶媒の一部(水およびエタノール)を除去した。24gの溶媒が蒸発した後、本発明の極めて濃厚な安定で透明な液体組成物がフラスコの中に残った。この組成物は2.7重量%のイブプロフェン、80.8%のカリウムイブプロフェン(KIBU)、8.8%の水、1.9重量%のエタノールおよび6.3重量%のPEG400から成っていた。重量%はすべてNMRの分析を用いて決定した。
2リットルの丸底フラスコに800gのカリウムイブプロフェンのロットS−4、および55gのPEG400を加えた。次いで蒸発フラスコを回転蒸発器に取り付け、回転させながら約70℃に加熱した。フラスコの内容物が透明になった後、吸引ポンプでつくられた真空を用いて蒸発により溶媒の一部(水およびエタノール)を除去した。35gの溶媒が蒸発した後、本発明の極めて濃厚な安定で透明な液体組成物がフラスコの中に残った。NMR分析によればこの組成物は83.7重量%のカリウムイブプロフェン、8.5重量%の水、1.3重量%のエタノールおよび6.7重量%のPEG400から成っていることが示された。
2リットルの丸底フラスコに500gのカリウムイブプロフェンのロットS−3、62.5gのPEG400、および27gのイブプロフェンを加えた。次いで蒸発フラスコを回転蒸発器に取り付け、回転させながら約70℃に加熱した。フラスコの内容物が透明になった後、吸引ポンプでつくられた真空を用いて蒸発により溶媒の一部(水およびエタノール)を除去した。41gの溶媒が蒸発した後、フラスコの内容物を瓶に入れて貯蔵した。室温で数日貯蔵したのち、瓶の内容物は曇った液体になっていた。この組成物は4.9重量%のイブプロフェン、77.3重量%のカリウムイブプロフェン、6.6重量%の水、0.4重量%のエタノールおよび11.2重量%のPEG400から成っていることがNMRによって示された。
実施例5でつくられた組成物に10gのPEG400を加えた。撹拌しながら60℃に加熱するとこの組成物は透明になった。室温の周囲温度条件に冷却し、室温で数日後には、この組成物は曇った状態になった。この組成物は4.8重量%のイブプロフェン、75.9重量%のカリウムイブプロフェン、6.0重量%の水、0.3重量%のエタノールおよび13重量%のPEG400から成っていることがNMR分析によって示された。
2リットルの丸底フラスコに40gのPEG400および799gのカリウムイブプロフェンのロットS−7を加えた。次いで蒸発フラスコを回転蒸発器に取り付け、回転させながら約70℃に加熱した。フラスコの内容物が透明になった後、吸引ポンプでつくられた真空を用いて蒸発により溶媒の一部(水およびエタノール)を除去した。35gの溶媒が蒸発した後、溶媒の除去を一時中断し、10gのPEG400をフラスコに加え、内容物を一緒に混合した。周囲の室温において数日貯蔵すると、この組成物は若干量の沈澱を生じた。この組成物は84.5重量%のカリウムイブプロフェン、9.4重量%の水、1.41重量%のエタノールおよび6.14重量%のPEG400から成っていることがNMR分析によって示された。
4.84重量%のイブプロフェン、75.9重量%のカリウムイブプロフェン、6.0重量%の水、0.31重量%のエタノールおよび13.0重量%のPEG400から成る実施例6でつくられた液体組成物250g、および84.5重量%のカリウムイブプロフェン、9.44重量%の水、1.41重量%のエタノールおよび4.74重量%のPEG400から成る実施例7でつくられた液体組成物750g,10gの水、および20gのPEG400を丸底フラスコに加えた。組成物が透明になるまで、フラスコを時々振盪しながら約60℃に加熱した。この系は冷却した後も透明で安定であった。この本発明の極めて濃厚な安定で透明な液体組成物は1.2重量%のイブプロフェン、80.0重量%のカリウムイブプロフェン、9.3重量%の水、1.1重量%のエタノールおよび8.5重量%のPEG400から成っていることがNMRによって示された。
2リットルの丸底フラスコに800gのカリウムイブプロフェンのロットS−7、65gのPEG400および17gのイブプロフェンを加えた。次いで蒸発フラスコを回転蒸発器に取り付け、回転させながら約70℃に加熱した。フラスコの内容物が透明になった後、吸引ポンプでつくられた真空を用いて蒸発により溶媒の一部(水およびエタノール)を除去した。30gの溶媒が蒸発した後、NMR分析によれば2.0gのイブプロフェン、80.8重量%のKIBU(カリウムイブプロフェン)、7.8重量%の水、2.2重量%のエタノールおよび7.5重量%のPEG400から成る本発明の極めて濃厚で安定な透明の液体組成物が残った。
2リットルの丸底フラスコに638gのカリウムイブプロフェンのロットS−5、17.8gのイブプロフェン、41.2gのPEG400を加えた。次いで蒸発フラスコを回転蒸発器に取り付け、回転させながら約70℃に加熱した。フラスコの内容物が透明になった後、吸引ポンプでつくられた真空を用いて蒸発により溶媒の一部(水およびエタノール)を除去した。24gの溶媒が蒸発した後、溶媒がさらに20g除去されるまで、18gのPEG400を加えた。NMR分析によればこの組成物は2.7重量%のイブプロフェン、80.6重量%のカリウムイブプロフェン、7重量%の水、0.75重量%のエタノールおよび8.8重量%のPEG400から成っていることが示された。この組成物は、周囲の室温環境下において数日貯蔵した後には濁ることが見出だされた。
実施例10で得られた生成物をさらに水およびエタノールを追加して2リットルのフラスコに加えた。フラスコの内容物が透明になるまで、これを混合しながら約60℃に加熱した。周囲室温温度に再び冷却すると、数日後にフラスコの内容物は曇った状態に変わった。NMRによればこの組成物は2.6重量%のイブプロフェン、78.7重量%のKIBU、8.5重量%の水、1.8重量%のエタノールおよび8.5重量%のPEG400から成っていることが示された。
実施例1〜11でつくられた本発明の組成物の分析データを表2にまとめる。
Figure 2009508951
実施例5〜8から分かるように、いくらか濁ったりまたは少量の沈澱が生じた本発明の組成物が得られた場合、この組成物は適当な配合法により極めて安定な本発明の組成物に変えることができる。一般的に言えば、曇るかまたは濁った組成物が遊離のイブプロフェン(即ち酸の形のイブプロフェン)を比較的高濃度で含んでいる場合、組成物にもっと多くのポリエチレングリコールおよび/またはC2〜3アルカノールを加えると、改善され
た貯蔵安定性をもった本発明の濃厚な溶液が得られるであろう。逆に、曇るかまたは濁った組成物が遊離のイブプロフェンを全くまたは低濃度でしか含んでいない場合、もっと多くの水を組成物に加えると、改善された貯蔵安定性をもつ本発明の濃厚な溶液が得られる。ポリエチレングリコールおよび/またはC2〜3または水のいずれかを添加する場合、濃縮物が過度に希釈されないように添加量は少量でなければならない。
表3および4には、随時最高約3重量%の遊離酸の形のイブプロフェンを含む、カリウムイブプロフェンと共に使用するための好適な溶媒系を例示する。表3の溶媒系は約60重量%のカリウムイブプロフェンを含む組成物に使用することが推奨され、他方表4の溶媒系は約70重量%のカリウムイブプロフェンを含む組成物に使用することが推奨される。カリウムイブプロフェンの含量が60重量%と70重量%との間にある系に対しては、表3および表4の値を線形的に内挿して使用することができる。同様に、カリウムイブプロフェンの含量が60重量%と80〜85重量%の間にある系に対しては、表4および表2の値を線形的に内挿して使用することができる。
Figure 2009508951
Figure 2009508951
上記実施例において、得られた生成物の組成物に関する数値はNMR分析に基づく値であり、従ってこのような方法を使用する場合の固有な誤差を含んでいる。またこれらの実施例の基礎となる実際の実験は全部便宜上Mallinckrodt Baker,Inc.の一部門であるJ.T.Baker Inc.から購入した無水のエチルアルコールを使用して行った。このエチルアルコールのラベルにはこの製品が5.3%(v/v)のイソプロピルアルコールで変性されており、該製品は5容量のメタノールおよび100容
量の200プルーフ・エタノールから成るSpecially Denatured Alcohol 3Aからつくられたことが記載されている。本発明に関連した実験室での実験を行うことに対しこのような変性アルコールを使用することは完全に適切であると考えた。人の体内で消費される製品に関連して実際の工業的実施工程において無水のエタノールを使用する場合には、他のアルコールが存在したとしてもそれを痕跡量しか含まない純粋な200プルーフ・エチルアルコールのようなもっと純度の高いエチルアルコールを使用しなければならない。
化学名または化学式で本明細書において参照された成分は、それが単数の形または複数の形のいずれで参照された場合でも、化学名または化学的なタイプで参照された他の物質(例えば他の成分または溶媒)と接触する前に存在したものとして識別される。また、特許請求の範囲には現在形の時制(「含んで成る」または「ある」など)で参照されているが、これらの参照は本明細書の記載に従って該物質、成分および/または構成成分が他の物質、成分および/または構成成分と接触、配合または混合される直前において存在したものとして参照される。
本明細書に使用される場合、冠詞「a」または「an」は、そうでないことが明示されていない限り、何等かの限定を行うものではなく、またこの冠詞が参照する単一の要素を指すものと考えるべきではない。むしろ冠詞「a」または「an」は、本明細書に使用されている場合、そうでないことが明示的に示されていない限り、一つまたはそれ以上のこのような要素を包含するものとする。
本発明は添付特許請求の範囲の精神および範囲を逸脱することなくかなりの変更を行うことができる。

Claims (117)

  1. 濃厚なカリウムイブプロフェン組成物を製造する方法であって、該方法は
    (a)イブプロフェン、カリウム塩基、水、および随時使用される少なくとも1種のC2〜3アルカノールから成り、使用するカリウム塩基対イブプロフェンの当量比が0.9:1〜1:1の混合物をつくり;
    (b)(a)で得られる混合物から随時使用されるアルカノールおよび水を部分的に除去し、これによって溶解したカリウムイブプロフェンに富んではいるが随時使用されるアルカノールおよび水を全く含まないことはない生成混合物をつくり;
    (c)(b)におけるような随時使用されるアルカノールおよび水の除去を連続的に行うかまたは時々中断して行い、少なくとも1種のポリエチレングリコールと(b)から得られる生成混合物とを混合して注入可能なポリエチレングリコール含有組成物をつくり;
    (d)(c)において随時使用されるアルカノールおよび水の除去を中断した場合には、随時使用されるアルカノールおよび水の除去を再開し、この際(c)から得られる注入可能なポリエチレングリコール含有組成物から(i)カリウムイブプロフェン;(ii)水;(iii)少なくとも1種のポリエチレングリコール;(iv)随時使用される少なくとも1種のC2〜3アルカノール;および(v)随時存在する遊離酸の形をしたイブプロフェンを含んで成るさらに濃厚な注入可能なカリウムイブプロフェン液体組成物をつくり;
    (e)イブプロフェン、カリウム塩基、水、ポリエチレングリコールおよび随時使用されるアルカノールがこの方法において使用された量と、随時使用される該アルカノールおよび水がこの方法において除去された量とによって、少なくとも約60重量%のカリウムイブプロフェンを溶解した形で含む組成物が与えられるようにする工程を含んで成ることを特徴とする方法。
  2. (a)イブプロフェン、カリウム塩基、水、および少なくとも1種のC2〜3アルカノールの混合物から成り、使用するカリウム塩基対イブプロフェンの当量比が0.9:1〜1:1の混合物をつくり;
    (b)(a)で得られた混合物からアルカノールおよび水を部分的に除去して溶解したカリウムイブプロフェンに富んではいるがアルカノールおよび水を全く含まないことはない生成混合物をつくり;
    (c)(b)におけるような除去を中断し、少なくとも1種のポリエチレングリコールと(b)で得られる生成混合物とを混合して注入可能なポリエチレングリコール含有組成物をつくり;
    (d)アルカノールおよび水の除去を再開し、この際(c)から得られる注入可能なポリエチレングリコール含有組成物から(i)カリウムイブプロフェン;(ii)水;(iii)少なくとも1種のポリエチレングリコール;(iv)随時使用される少なくとも1種のC2〜3アルカノール;および(v)随時存在する遊離酸の形をしたイブプロフェンを含んで成るさらに濃厚な注入可能なカリウムイブプロフェン液体組成物をつくり;
    (e)イブプロフェン、カリウム塩基、水、ポリエチレングリコールおよび随時使用されるアルカノールがこの方法において使用された個々の量と、アルカノールおよび水がこの方法において除去された個々の量によって、少なくとも60重量%のカリウムイブプロフェンを溶解した形で含む組成物が与えられるようにする工程を含んで成ることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. (e)に従って使用された量および(e)に従って除去された量によって、少なくとも70重量%の溶解した形のカリウムイブプロフェンを含む組成物が与えられることを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. (e)に従って使用された量および(e)に従って除去された量によって、少なくとも
    80重量%の溶解した形のカリウムイブプロフェンを含む組成物が与えられることを特徴とする請求項2記載の方法。
  5. (e)に従って使用された量および(e)に従って除去された量により、また5〜10重量%の範囲の水;1重量%より多いが10重量%より少ない範囲のポリエチレングリコール;随時含まれる最高5重量%の少なくとも1種のC2〜3アルカノール;および(v)随時含まれる最高2.3重量%の遊離酸の形のイブプロフェンを含む組成物が与えられることを特徴とする請求項1記載の方法。
  6. 該方法に使用される少なくとも1種のC2〜3アルカノールはエタノールであることを特徴とする請求項2記載の方法。
  7. (e)に従って使用された量および(e)に従って除去された量により、また7.5〜10重量%の範囲の水を含む組成物が与えられることを特徴とする請求項2記載の方法。
  8. (e)に従って使用された量および(e)に従って除去された量により、該組成物中の(ii):(iii)の重量比が少なくとも1:1である組成物が与えられることを特徴とする請求項2記載の方法。
  9. (e)に従って使用された量および(e)に従って除去された量により、(iv)を含む組成物が与えられることを特徴とする請求項2記載の方法。
  10. (e)に従って使用された量および(e)に従って除去された量により、(iv)を3重量%以下の量で含む組成物が与えられることを特徴とする請求項2記載の方法。
  11. (iv)はエタノールであることを特徴とする請求項9記載の方法。
  12. エタノールは医薬品として許容される純度をもっていることを特徴とする請求項11記載の方法。
  13. (iv)はエタノールであり、(e)に従って使用された量および(e)に従って除去された量により、該組成物中において水+エタノール:ポリエチレングリコールの重量比が1.4〜2.4の範囲内にある組成物が与えられることを特徴とする請求項2記載の方法。
  14. (e)に従って使用された量により(v)を含む組成物が与えられることを特徴とする請求項2記載の方法。
  15. (e)に従って使用された量により(v)を2重量%以下の量で含む組成物が与えられることを特徴とする請求項2記載の方法。
  16. (e)に従って使用された量および(e)に従って除去された量により、水を7.5〜10重量%の範囲内で含み、且つ該組成物中の(ii):(iii)の重量比が少なくとも1:1である組成物が与えられることを特徴とする請求項2記載の方法。
  17. (e)に従って使用された量および(e)に従って除去された量により、(iv)および(v)を含む組成物が与えられることを特徴とする請求項2記載の方法。
  18. この方法によって該組成物中に与えられる(iv)の量は3重量%以下であることを特徴とする請求項17記載の方法。
  19. (iv)はエタノールであることを特徴とする請求項18記載の方法。
  20. エタノールは医薬品として許容される純度をもっていることを特徴とする請求項19記載の方法。
  21. 該方法により該組成物中に与えられる水+エタノール:ポリエチレングリコールの重量比は1.4〜2.4の範囲内にあることを特徴とする請求項20記載の方法。
  22. この方法により該組成物中に与えられる(v)の量は2.3重量%以下であることを特徴とする請求項17記載の方法。
  23. この方法により該組成物中に与えられる(v)の量は2.3重量%以下であることを特徴とする請求項18記載の方法。
  24. 該(v)の量は2.0重量%以下であることを特徴とする請求項23記載の方法。
  25. (e)に従って使用された量および(e)に従って除去された量により、該組成物の7.5〜10重量%の範囲の水を含む組成物が与えられることを特徴とする請求項24記載の方法。
  26. (e)に従って使用された量および(e)に従って除去された量により、(ii):(iii)の重量比が少なくとも1:1の組成物が与えられることを特徴とする請求項24記載の方法。
  27. (e)に従って使用された量および(e)に従って除去された量により、また5〜10重量%の範囲の水;1重量%より多いが10重量%より少ない範囲のポリエチレングリコール;随時含まれる最高5重量%の少なくとも1種のC2〜3アルカノール;および(v)随時含まれる最高2.3重量%の遊離酸の形のイブプロフェンを含む組成物が与えられることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載された方法。
  28. (e)に従って使用される量および(e)に従って除去される量により、また7.5〜10重量%の範囲の水を含み、(ii):(iii)の重量比が少なくとも1:1である組成物が与えられることを特徴とする請求項17〜26のいずれか一つに記載された方法。
  29. (b)および(d)におけるような除去は、少なくとも蒸発した水および蒸発したC2〜3アルカノールが生成して該混合物から除去される蒸発工程を用いて独立に行われることを特徴とする請求項1〜26のいずれか一つに記載された方法。
  30. 使用される蒸発工程は蒸溜、フラッシュ蒸溜、共沸蒸溜、および真空蒸溜の工程から選ばれることを特徴とする請求項29記載の方法。
  31. 該方法に使用される少なくとも1種のポリエチレングリコールは数平均分子量が200〜2000ダルトンの範囲内にあることを特徴とする請求項1記載の方法。
  32. 該方法に使用される少なくとも1種のポリエチレングリコールは数平均分子量が少なくとも約200ダルトンであり、少なくとも最低20℃の温度において液体であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  33. 該方法に使用される少なくとも1種のポリエチレングリコールは数平均分子量が200
    〜2000ダルトンの範囲内にあることを特徴とする請求項2〜26のいずれか一つに記載された方法。
  34. 該方法に使用される少なくとも1種のポリエチレングリコールは数平均分子量が少なくとも約200ダルトンであり、少なくとも最低20℃の温度において液体であることを特徴とする請求項2〜26のいずれか一つに記載された方法。
  35. (b)および(d)におけるような除去は、少なくとも蒸発した水および蒸発したC2〜3アルカノールが生成し、該混合物から除去される蒸発工程を用いて独立に行われることを特徴とする請求項33記載の方法。
  36. (b)および(d)におけるような除去は、少なくとも蒸発した水および蒸発したC2〜3アルカノールが生成し、該混合物から除去される蒸発工程を用いて独立に行われることを特徴とする請求項34記載の方法。
  37. 使用される蒸発工程は蒸溜、フラッシュ蒸溜、共沸蒸溜、および真空蒸溜の工程から選ばれることを特徴とする請求項35記載の方法。
  38. 使用される蒸発工程は蒸溜、フラッシュ蒸溜、共沸蒸溜、および真空蒸溜の工程から選ばれることを特徴とする請求項36記載の方法。
  39. (b)および(d)における除去は独立したストリッピング工程を用いて行われることを特徴とする請求項35記載の方法。
  40. (b)および(d)における除去は独立したストリッピング工程を用いて行われることを特徴とする請求項36記載の方法。
  41. (a)の混合物をつくった後で且つ(b)で水およびアルカノールを部分的に除去する前において、(a)でつくられた混合物を随時撹拌しながら加熱して溶解した形のカリウムイブプロフェンの生成を助け、この際温度は該混合物が黄色い色調を帯びる温度より低くすることを特徴とする請求項1〜26のいずれか一つに記載された方法。
  42. (b)および(d)で除去されたアルカノールおよび水の量、および(c)において使用されたポリエチレングリコールの量により、少なくとも70重量%の溶解した形のカリウムイブプロフェンを含む組成物が与えられることを特徴とする請求項5〜26のいずれか一つに記載された方法。
  43. (b)および(d)で除去されたアルカノールおよび水の量、および(c)において使用されたポリエチレングリコールの量により、少なくとも80重量%の溶解した形のカリウムイブプロフェンを含む組成物が与えられることを特徴とする請求項5〜26のいずれか一つに記載された方法。
  44. (a)イブプロフェン、カリウム塩基、水、および少なくとも1種のC2〜3アルカノールから成り、使用するカリウム塩基対イブプロフェンの当量比が0.9:1〜1:1の混合物をつくり;
    (b)(a)で得られた混合物からアルカノールおよび水を部分的に除去して溶解したカリウムイブプロフェンに富んではいるがアルカノールおよび水を全く含まないことはない生成混合物をつくり;
    (c)(b)におけるような除去を続けながら、少なくとも1種のポリエチレングリコールと(b)で得られた生成混合物とを混合して注入可能なポリエチレングリコール含有組成物をつくり;
    (d)(c)におけるように混合を行った後アルカノールおよび水の除去を続け、この際(c)から得られる注入可能なポリエチレングリコール含有組成物から(i)カリウムイブプロフェン;(ii)水;(iii)少なくとも1種のポリアルキレングリコール;(iv)随時使用される少なくとも1種のC2〜3アルカノール;および(v)随時含まれる遊離酸の形をしたイブプロフェンを含んで成るさらに濃厚な注入可能なカリウムイブプロフェン液体組成物をつくり;
    (e)イブプロフェン、カリウム塩基、水、ポリエチレングリコールおよび随時使用されるアルカノールがこの方法において使用された個々の量と、随時使用されるアルカノールおよび水がこの方法で除去された個々の量により、少なくとも約60重量%のカリウムイブプロフェンを溶解した形で含む組成物が与えられるようにする工程を含んで成ることを特徴とする請求項1記載の方法。
  45. (e)に従って使用された量および(e)に従って除去された量により、少なくとも70重量%の溶解した形のカリウムイブプロフェンを含む組成物が与えられることを特徴とする請求項44記載の方法。
  46. (e)に従って使用された量および(e)に従って除去された量により、少なくとも80重量%の溶解した形のカリウムイブプロフェンを含む組成物が与えられることを特徴とする請求項44記載の方法。
  47. (e)に従って使用された量および(e)に従って除去された量により、また5〜10重量%の範囲の水;1重量%より多いが10重量%より少ない範囲のポリエチレングリコール;随時含まれる最高5重量%の少なくとも1種のC2〜3アルカノール;および(v)随時含まれる最高2.3重量%の遊離酸の形のイブプロフェンを含む組成物が与えられることを特徴とする請求項44〜46のいずれか一つに記載された方法。
  48. (i)60〜88重量%の範囲の溶解した形のカリウムイブプロフェン;(ii)5〜10重量%の範囲の水;(iii)1重量%より多いが10重量%より少ない範囲の少なくとも1種のポリエチレングリコール;(iv)随時含まれる最高5重量%の少なくとも1種のC2〜3アルカノール;および(v)随時含まれる最高2.3重量%の遊離酸の形のイブプロフェンを含んで成り;(ii):(iii)の重量比は少なくとも0.9:1であり:少なくとも25℃において注入可能であることを特徴とする濃厚な注入可能な液体組成物。
  49. 該組成物は7.5〜10重量%の範囲の水を含んでいることを特徴とする請求項48記載の組成物。
  50. (ii):(iii)の重量比は少なくとも1:1であることを特徴とする請求項48記載の組成物。
  51. 該組成物中に(iv)が存在することを特徴とする請求項48記載の組成物。
  52. 該組成物中に存在する(iv)の量は3重量%以下であることを特徴とする請求項51記載の組成物。
  53. (iv)はエタノールであることを特徴とする請求項52記載の組成物。
  54. 該組成物中の水+エタノール:ポリエチレングリコールの重量比は1.4〜2.4重量%の範囲内にあることを特徴とする請求項53記載の組成物。
  55. 該組成物中に(v)が存在することを特徴とする請求項48記載の組成物。
  56. 該組成物中に存在する(v)の量は2重量%以下であることを特徴とする請求項51記載の組成物。
  57. 該組成物は7.5〜10重量%の範囲の水を含み、(ii):(iii)の重量比は少なくとも1:1であることを特徴とする請求項48記載の組成物。
  58. 該組成物中に(iv)が存在することを特徴とする請求項57記載の組成物。
  59. 該組成物中に存在する(iv)の量は3重量%以下であることを特徴とする請求項58記載の組成物。
  60. (iv)はエタノールであることを特徴とする請求項59記載の組成物。
  61. 該組成物中の水+エタノール:ポリエチレングリコールの重量比は1.4〜2.4重量%の範囲内にあることを特徴とする請求項60記載の組成物。
  62. 該組成物中に(iv)および(v)が存在することを特徴とする請求項48記載の組成物。
  63. 該組成物中に存在する(iv)の量は3重量%以下であり、該組成物中に存在する(v)の量は2重量%以下であることを特徴とする請求項51記載の組成物。
  64. 該組成物は7.5〜10重量%の範囲の水を含んでいることを特徴とする請求項63記載の組成物。
  65. (ii):(iii)の重量比は少なくとも1:1であることを特徴とする請求項64記載の組成物。
  66. 使用される少なくとも1種のポリエチレングリコールは数平均分子量が200〜2000ダルトンの範囲内にあることを特徴とする請求項48〜65のいずれか一つに記載された組成物。
  67. 使用される少なくとも1種のポリエチレングリコールは数平均分子量が200〜800ダルトンの範囲内にあることを特徴とする請求項48〜65のいずれか一つに記載された組成物。
  68. 使用される少なくとも1種のポリエチレングリコールは数平均分子量が200〜600ダルトンの範囲内にあることを特徴とする請求項48〜65のいずれか一つに記載された組成物。
  69. 使用される少なくとも1種のポリエチレングリコールは数平均分子量が少なくとも約200ダルトンであり、20℃において液体状態であることを特徴とする請求項48〜65のいずれか一つに記載された組成物。
  70. 該組成物はグリセリン、プロピレングリコール、ポリビニルピロリドン、およびポリエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含んでいないことを特徴とする請求項48〜65のいずれか一つに記載された組成物。
  71. 該組成物は少なくとも70重量%の溶解したカリウムイブプロフェンを含んでいることを特徴とする請求項48〜65のいずれか一つに記載された組成物。
  72. 該組成物は少なくとも70重量%の溶解したカリウムイブプロフェンを含んでいることを特徴とする請求項69記載の組成物。
  73. 該組成物はグリセリン、プロピレングリコール、ポリビニルピロリドン、およびポリエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含んでいないことを特徴とする請求項72記載の組成物。
  74. 該組成物は少なくとも80重量%の溶解したカリウムイブプロフェンを含んでいることを特徴とする請求項48〜65のいずれか一つに記載された組成物。
  75. 該組成物は少なくとも80重量%の溶解したカリウムイブプロフェンを含んでいることを特徴とする請求項69記載の組成物。
  76. 該組成物はグリセリン、プロピレングリコール、ポリビニルピロリドン、およびポリエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含んでいないことを特徴とする請求項75記載の組成物。
  77. 随時存在する(iv)および(v)以外、また過剰な量の未反応のカリウム塩基以外、およびまた痕跡量の1種またはそれ以上の不純物および/または製造副成物以外、該組成物は(i)、(ii)および(iii)だけを含んでいることを特徴とする請求項48〜65のいずれか一つに記載された組成物。
  78. 該組成物中に(iv)は存在するが(v)は存在せず、従って該組成物中には(i)、(ii)、(iii),および(iv)が存在することを特徴とする請求項77記載の組成物。
  79. 該組成物中に(v)は存在するが(iv)は存在せず、従って該組成物中には(i)、(ii)、(iii),および(v)が存在することを特徴とする請求項77記載の組成物。
  80. 該組成物中に(iv)および(v)が存在することを特徴とする請求項77記載の組成物。
  81. 該エタノールは医薬品として許容される純度をもっていることを特徴とする請求項48〜65のいずれか一つに記載された組成物。
  82. 該組成物は透明な単一相の液体組成物であることを特徴とする請求項48〜65のいずれか一つに記載された組成物。
  83. 該透明な単一相の液体組成物は、温度5℃において光を当てずに閉じた容器の中に貯蔵した場合、製造後少なくとも400時間の間安定であることを特徴とする請求項82記載の組成物。
  84. 該組成物は少なくとも70重量%の溶解したカリウムイブプロフェンを含んでいることを特徴とする請求項82記載の組成物。
  85. 該組成物は少なくとも70重量%の溶解したカリウムイブプロフェンを含んでいることを特徴とする請求項83記載の組成物。
  86. 該組成物は少なくとも80重量%の溶解したカリウムイブプロフェンを含んでいることを特徴とする請求項82記載の組成物。
  87. 該組成物は少なくとも80重量%の溶解したカリウムイブプロフェンを含んでいることを特徴とする請求項83記載の組成物。
  88. (i)60〜86重量%の範囲の溶解した形のカリウムイブプロフェンを、(ii)水;(iii)少なくとも1種のポリエチレングリコール;(iv)随時含まれる少なくとも1種のC2〜3アルカノール;および(v)随時含まれる遊離酸の形のイブプロフェンを含んで成る溶媒系の中に含んで成っていることを特徴とする濃厚な注入可能な液体組成物。
  89. 使用されるポリエチレングリコールは約200〜2000ダルトンの範囲の数平均分子量をもっていることを特徴とする請求項88記載の組成物。
  90. 使用されるポリエチレングリコールは約200〜600ダルトンの範囲の数平均分子量をもっていることを特徴とする請求項89記載の組成物。
  91. 使用されるポリエチレングリコールは約400ダルトンの数平均分子量をもっていることを特徴とする請求項89記載の組成物。
  92. 使用されるポリエチレングリコールは少なくとも約200ダルトンの数平均分子量をもち、20℃において液体状態にあることを特徴とする請求項88記載の組成物。
  93. 水、ポリエチレングリコールおよびアルカノールは水:ポリオキシエチレングリコール:アルカノールの重量比が3.5〜8.8:2.0〜7.7:lの範囲にあることを特徴とする請求項88記載の組成物。
  94. 水、ポリエチレングリコールおよびアルカノールは水:ポリエチレングリコール+アルカノールの重量比が0.4〜2.5の範囲にあることを特徴とする請求項88記載の組成物。
  95. 該組成物は遊離酸の形のイブプロフェンを全く含んでいないか、または遊離酸の形のイブプロフェンを最高約4重量%の量しか含んでいず、(ii):(iii)の重量比は約1:1〜約2:1の範囲にあり、(ii):(iv)の重量比は約3〜約10の範囲にあることを特徴とする請求項88記載の組成物。
  96. 水:ポリオキシエチレングリコール:アルカノールの重量比は3.5〜8.8:2.0〜7.7:lの範囲にあることを特徴とする請求項92記載の組成物。
  97. 該組成物は遊離酸の形のイブプロフェンを全く含んでいないか、または遊離酸の形のイブプロフェンを最高約4重量%の量しか含んでいず、(ii):(iii)の重量比は約1:1〜約2:1の範囲にあり、(ii):(iv)の重量比は約3〜約10の範囲にあることを特徴とする請求項92記載の組成物。
  98. 水:ポリオキシエチレングリコール:アルカノールの重量比は3.5〜8.8:2.0〜7.7:1の範囲にあり、該組成物は遊離酸の形のイブプロフェンを全く含んでいない
    か、または遊離酸の形のイブプロフェンを最高約4重量%の量しか含んでいず、(ii):(iii)の重量比は約1:1〜約2:1の範囲にあり、(ii):(iv)の重量比は約3〜約10の範囲にあることを特徴とする請求項92記載の組成物。
  99. 該数平均分子量は約400ダルトンであることを特徴とする請求項98記載の組成物。
  100. 該組成物は70〜86重量%の範囲の溶解した形のカリウムイブプロフェンを含んでいることを特徴とする請求項88〜99のいずれか一つに記載された組成物。
  101. 該組成物は80〜86重量%の範囲の溶解した形のカリウムイブプロフェンを含んでいることを特徴とする請求項88〜99のいずれか一つに記載された組成物。
  102. 個々の投与形態で鎮痛性の医薬製品を製造する方法において、該方法は該鎮痛性の医薬製品の調製または調合を行う際に請求項48〜65または請求項88〜99のいずれか一つに記載された濃厚な液体組成物を使用し、該製品の個々の医薬品投与部分をゼラチンの外殻の内部にカプセル化することを特徴とする方法。
  103. 該ゼラチンの外殻は、鎮痛性医薬製品の該個々の投与部分の周囲においてゼラチンのリボンを密封することによりつくられることを特徴とする請求項102記載の方法。
  104. 該ゼラチンの外殻は、軟いゼラチンの外殻であることを特徴とする請求項102記載の方法。
  105. 該濃厚な液体組成物中の溶解したカリウムイブプロフェンは、医薬製品の調製または調合に使用する前において、カリウム対イブプロフェンのモル比が約0.95:1〜約0.98:1の範囲にあることを特徴とする請求項102記載の方法。
  106. 内部の閉じた空間を規定する少なくとも一つの医薬品のカプセルを含んで成り、該カプセルは経口投与に適した大きさおよび形を有し、該空間の内部には請求項48〜65または請求項88〜99のいずれか一つに記載された濃厚な液体組成物を使用することにより調製または調合された鎮痛性の医薬製品が含まれていることを特徴とする製造製品。
  107. 該カプセルは軟いカプセルであることを特徴とする請求項106記載の製造製品。
  108. 内部の閉じた空間を規定する少なくとも一つの医薬品のカプセルを含んで成り、該カプセルは経口投与に適した大きさおよび形を有し、該空間の内部には請求項48〜65に記載された濃厚な液体組成物を使用することにより調製または調合された鎮痛性の医薬製品が含まれおり、該医薬製品の調製または調合に使用する前における該濃厚な液体組成物中の溶解したカリウムイブプロフェンの量は少なくとも70重量%であることを特徴とする製造製品。
  109. 内部の閉じた空間を規定する少なくとも一つの医薬品のカプセルを含んで成り、該カプセルは経口投与に適した大きさおよび形を有し、該空間の内部には請求項48〜65に記載された濃厚な液体組成物を使用することにより調製または調合された鎮痛性の医薬製品が含まれおり、該医薬製品の調製または調合に使用する前における該濃厚な液体組成物中の溶解したカリウムイブプロフェンの量は少なくとも80重量%であることを特徴とする製造製品。
  110. 医薬製品の調製または調合に使用する前において該液体組成物中の溶解したカリウムイブプロフェンは、カリウム対イブプロフェンのモル比が約0.9:1〜約1:1であるこ
    とを特徴とする請求項106記載の製造製品。
  111. 医薬製品の調製または調合に使用する前において該液体組成物中の溶解したカリウムイブプロフェンは、カリウム対イブプロフェンのモル比が約0.9:1〜約1:1であることを特徴とする請求項108記載の製造製品。
  112. 医薬製品の調製または調合に使用する前において該液体組成物中の溶解したカリウムイブプロフェンは、カリウム対イブプロフェンのモル比が約0.9:1〜約1:1であることを特徴とする請求項109記載の製造製品。
  113. 鎮痛的な治療を行うべき少なくとも一つの症状を示す哺乳動物に対し、内部の閉じた空間を規定する少なくとも一つの医薬品のカプセルを投与する方法であって、該カプセルは経口投与に適した大きさおよび形を有し、該空間の内部には請求項48〜65または請求項88〜99のいずれか一つに記載された濃厚な液体組成物を使用することにより調製または調合された鎮痛性の医薬製品が含まれていることを特徴とする方法。
  114. 請求項48〜65または請求項88〜99のいずれか一つに記載された濃厚な注入可能な液体組成物から希釈された組成物を製造する方法であって、該方法は
    (a)イブプロフェンおよび少なくとも1種の医薬品として許容される溶媒から予めつくられた、該濃厚な注入可能な液体組成物よりも希薄な溶液;または
    (b)イブプロフェンおよび少なくとも1種の医薬品として許容される溶媒から成る、該濃厚な注入可能な液体組成物に対し希釈を行う量の別の添加液
    の(a)および(b)の少なくとも一つを用い該濃厚な注入可能な液体組成物を希釈することを特徴とする方法。
  115. 該希釈は(a)の希薄な溶液を用いて行われることを特徴とする請求項114記載の方法。
  116. 該希釈は(b)におけるような別の添加液を用いて行われることを特徴とする請求項114記載の方法。
  117. (a)または(b)の該医薬品として許容される溶媒は、(i)水、(ii)少なくとも1種のC2〜3アルカノール、(iii)数平均分子量が少なくとも約200ダルトンで、20℃において液体状態にある少なくとも1種のポリエチレングリコール、または(iv)上記(i)、(ii)または(iii)のいずれか二つ、または全部の組み合わせであることを特徴とする請求項114〜116のいずれか一つに記載された方法。
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