JP2009508525A - プロテアーゼ耐性型vegf−d、その製造方法および使用方法 - Google Patents

プロテアーゼ耐性型vegf−d、その製造方法および使用方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、セリンプロテアーゼプロセシングに対して耐性な改変VEGF-Dポリペプチド変異体、およびそれを製造し、使用する方法、ならびにそのペプチドまたはそれをコードするポリヌクレオチドを含む医薬組成物を提供する。本VEGF-D変異体は、VEGFホモロジードメインと、(1)セリンプロテアーゼによって切断され得ないC末端プロペプチドおよび(2)セリンプロテアーゼによって切断され得ないN末端プロペプチドの少なくとも一方とを含む。本VEGF-D変異体は部位特異的突然変異誘発法を使って作製することができる。本VEGF-D変異体は、心血管疾患ならびに原発性および続発性リンパ浮腫などの疾患の処置、ならびに血管の狭窄および再狭窄の予防に役立つ。

Description

(関連出願の相互参照)
本願は、2005年9月22日に出願された米国特許出願第60/719,184号の優先権を主張し、その開示は、参照により、その全てが本明細書に組み入れられる。
血管内皮増殖因子(VEGF)-Dは、VEGF、胎盤増殖因子(PlGF)、VEGF-B、VEGF-C、およびVEGF-Dを含むVEGFファミリーの増殖因子のメンバーである(非特許文献1)。VEGF-Dは内皮細胞表面上のチロシンキナーゼ受容体VEGF受容体-2(VEGFR-2)およびVEGFR-3に結合し、それを活性化する(非特許文献2)。VEGFR-2およびVEGFR-3は、それぞれ、既存の血管からの新しい血管の成長(血管新生)および新しいリンパ管の成長(リンパ管新生)に密接に関与する(非特許文献3)。これらの過程は、がんの成長と転移、例えば血管を介した血行性転移およびリンパ管を介したリンパ行性転移に関与する。薬物開発における最近の進歩により、転移がんを処置するための抗VEGF抗体である最初の抗血管新生剤アバスチン(ベバシズマブ)が、医療現場で使用されるようになった(非特許文献4、非特許文献5)。リンパ管新生の研究も、がんの拡散を制限するための新しい薬剤を開発する機会をもたらし、この10年間の進歩で、VEGF-C、VEGF-D、リンパ内皮細胞特異的受容体VEGFR-3、およびリンパ内皮の他のマーカーが発見されている。がんおよび他の疾患がある状況で血管新生およびリンパ管新生を抑制することの他に、虚血性心疾患、末梢動脈疾患/跛行およびリンパ浮腫がある状況で、VEGF-CおよびVEGF-Dなどの増殖因子を使って血管新生およびリンパ管新生を促進することによっても、臨床的利益が得られるだろう(非特許文献6)。
ヒトでは、VEGF-Dはまず、約50kDaのサブユニット分子量を持つホモ二量体として分泌される。次にこのタンパク質はタンパク質分解プロセシングを受けて、10kDaのN末端プロペプチドと29kDaのC末端プロペプチドとが二量体の各サブユニットから切断されて、中央にある21kDa VEGFホモロジードメイン(VHD)の二量体からなる完全に活性化された成熟型を与える(非特許文献7)。この成熟型の組換え体であって各サブユニットのN末端にFLAGオクタペプチドタグを持つものが、以前に、VEGF-DΔNΔCと名付けられた。VEGF-DΔNΔCは完全長型より290倍高い親和性でVEGFR-2を結合するので、VEGF-Dのタンパク質分解プロセシングは受容体との相互作用にとって極めて重要である。さらにまた、VEGF-DΔNΔCは完全長VEGF-Dより40倍高い親和性でVEGFR-3を結合する(非特許文献7)。タンパク質分解プロセシングの際の、特に血管新生受容体VEGFR-2に関する受容体親和性の劇的な変化は、このプロセシングがVEGF-Dの生物活性の決定的調節因子であることを示している。これは、ウサギ筋モデルにおいて、完全長VEGF-Dが、インビボで、リンパ管新生を促進したが、血管新生を促進しなかったのに対して、完全にプロセシングされた成熟VEGF-Dが、同じモデルにおいて、リンパ管新生も血管新生も促進したという観察によって裏付けられる(非特許文献8)。
VEGF-Dは、いくつかの酵素、すなわちプラスミン、ならびにフリン、PC5およびPC7を含むプロテアーゼのプロタンパク質転換酵素ファミリーのメンバーによるタンパク質分解プロセシングを受ける(非特許文献9および特許文献1)。フリンによる切断は、多くのタンパク質の生物学的活性を調節する手段である。フリンは、ヒトの生理においては非常に広く発現されるセリンプロテアーゼであり、インスリン様成長因子およびいくつかのマトリックスメタロプロテイナーゼを含むさまざまなプロタンパク質を活性化する。フリンは、コンセンサス部位アルギニン(R)-X-リジン/アルギニン(K/R)-アルギニン(R)または代替部位アルギニン(R)-Xn-アルギニン(R)(n=0、2、4または6アミノ酸残基)の後ろで、その標的ペプチドを切断する。VEGF-Dのプロセシングは、その最も近縁なタンパク質であるVEGF-Cのプロセシングと、本質的に似ている(非特許文献10)。VEGF-Cの段階的タンパク質プロセシングによっていくつかの型が生成し、VEGFR-3に対するそれらの活性は次第に増加するが、VEGFR-2を活性化するのは、完全にプロセシングされた型だけである(非特許文献11)。
VEGF-Dは、ヒト異種移植片腫瘍を利用するマウスモデルにおいて、腫瘍の成長およびリンパ行性転移を増加させることが知られている(非特許文献12)。さらにまた、成熟VEGF-D、VEGF-DΔNΔCは、遺伝子治療剤としてアデノウイルスを使って送達されると、血管新生とリンパ管新生をどちらも誘導する(非特許文献8)。VEGF-DΔNΔCの心筋内送達は、ブタ心筋において強い血管新生を誘導した(非特許文献13)。ウサギの剥離された大動脈中にVEGF-DΔNΔCを同様に送達すると、一酸化窒素シンターゼの依存様式によって、内膜肥厚の減少が起こった(非特許文献14)。これらの研究は、末梢動脈疾患/跛行および冠動脈心疾患などのいくつかの臨床状態を処置するための遺伝子治療剤、ならびに血管形成術で処置された冠血管の再狭窄を抑制するための遺伝子治療剤としての、VEGF-Dの潜在能力を示している。
完全長VEGF-DとVEGF-DΔNΔCとのインビボ効果の差異は、選択的にプロセシングされた形態またはプロセシングされていない形態のこの増殖因子が、異なる臨床状況において役立ちうることを示している(非特許文献8)。例えば、特定のシナリオでは、リンパ管新生を優先的に誘導するために、安定な完全長型のVEGF-Dを使用することが有益でありうるのに対し、別の状況では、血管新生とリンパ管新生をどちらも誘導することが要求されるだろう。したがって、安定な完全長型のまたは部分的にプロセシングされた型のVEGF-Dを利用できることが、非常に望ましいだろう。これには、インビボでさらなるタンパク質分解プロセシングを受けことのできない完全長型のまたは部分的にプロセシングされた型のVEGF-Dを生成させるためのアプローチが必要になるだろう。さらにまた、そのような誘導体の純粋な調製物を入手することができれば、それぞれを、さらなるプロセシングに起因する他の誘導体の非存在下において、インビトロおよびインビボで、生化学的および生物学的に特徴づけることが可能になるだろう。これに対して、これまでに行われたVEGF-Dのいくつかの解析では、異なる誘導体の混合物が、インビトロおよびインビボアッセイに利用されていた(非特許文献15)。
したがって、タンパク質分解プロセシングに対して耐性であり、さまざまな臨床的応用に役立ちうる、VEGF-Dの誘導体が必要とされている。
米国特許第11/133,415号明細書 Tammela T. et al., Cardiovasc. Res. 65 (2005) 550-563 Achen M.G. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95 (1998) 548-553 Veikkola T. et al., Cancer Res. 60 (2000) 203-212 Yang J.C. et al., New Engl. J. Med. 349 (2003) 427-434 Kabbinavar F. et al., J. Clin. Oncol. 21 (2003) 60-65 Saharinen P. et al., Trends Immunol. 25 (2004) 387-395 Stacker S.A. et al., J. Biol. Chem. 274 (1999) 32127-32136 Rissanen T.T. et al., Circ. Res. (92) 2003 1098-1106 McColl B.K. et al., J. Exp. Med. 198 (2003) 863-868 Siegfried G. et al., J. Clin. Invest. 111 (2003) 1723-1732 Joukov V., EMBO J. 16 (1997) 3898-3911 Stacker S.A. et al., Nat. Med. 7 (2001) 186-191 Rutanen J. et al., Circulation 109 (2004) 1029-1035 Rutanen J. et al., Gene Ther. 12 (2005) 980-987 Orlandini M. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (93) 1996 11675-11680
本発明は、VEGFホモロジードメイン(VHD)からのC末端プロペプチドおよびN末端プロペプチドの一方または両方のタンパク質分解切断に対して耐性な改変VEGF-Dポリペプチドを提供する。そのようなペプチドは、C末端プロペプチドおよびVHD、N末端プロペプチドおよびVHD、またはC末端プロペプチド、VHDおよびN末端プロペプチドを含みうる。
他の実施形態では、本発明は、改変VEGF-Dポリペプチドをコードする核酸、そのような核酸を含むベクター、および該ベクターを含む細胞を提供する。
別の実施形態では、本発明は、改変VEGF-Dポリペプチドを製造する方法に関する。改変VEGF-Dポリペプチドを含む組成物も提供する。
本発明は、血管新生に影響を及ぼすために、リンパ管新生に影響を及ぼすために、ならびに狭窄および再狭窄を抑制するために、改変VEGF-Dポリペプチドを使用する方法も提供する。
本発明は、Nおよび/またはC末端プロペプチドのタンパク質分解除去に対して実質的に耐性なVEGF-D分子のバリアントまたは突然変異体に関する。具体的には、セリンプロテアーゼ切断認識部位に特定の改変を加えると、VEGF-Dポリペプチドが、セリンプロテアーゼによる切断に対して耐性になる。
VEGF-Dのタンパク質分解部位は当技術分野では知られている。例えば、非特許文献7を参照されたい。図2に二つの切断部位を模式的に示す。一つはN末端プロペプチドから中央のVHDを切断する部位であり、もう一つはC末端プロペプチドから中央のVHDを切断する部位である。VEGF-D中でこれらのタンパク質分解部位の近くにある残基を改変すると、安定で、これらの部位の一方または両方がセリンプロテアーゼによるタンパク質分解プロセシングに対して耐性な、完全長VEGF-Dが得られる。
セリンプロテアーゼは、RX(K/R)Rの部位またはRXnRの部位(ここにn=0、2、4、または6)を認識する。完全長VEGF-Dはそのような認識部位を複数含有し、それらの部位の改変であってセリンプロテアーゼによって切断される能力を消失させるものは、いずれも本発明の範囲に包含される。本発明により、セリンプロテアーゼによるタンパク質分解プロセシングに対する耐性を与えるには、R残基の少なくとも二つを改変するか、RXnR部位の二つのアルギニン残基の間に1、3、または5個のアミノ酸残基を挿入すれば十分であることが発見された。言い換えると、RX(K/R)R部位をBX(K/R)B、もしくはRXJB、もしくはBXJBに変化させること、およびRXnR部位をBXnBに変化させることができ(ここに、BはR以外の任意のアミノ酸であり、JはRまたはK以外の任意のアミノ酸である);RXnR部位を、n=1、3または5になるように変化させることができる。三つ以上の変化、例えばBX3Bに変化させたRXnR部位も、タンパク質分解プロセシングに対する耐性をもたらすと理解すべきである。
一実施形態では、VEGF-DのN末端プロペプチドがVHDから切断される位置であるセリンプロテアーゼ切断部位RSTR88が改変される。この開示との関連で使用する場合、R88という表記は、図1に示す完全長VEGF-Dポリペプチドの88番目にあるアルギニン残基を表し、85番目、86番目、87番目および88番目のアミノ酸残基がそれぞれR、S、TおよびRであることを意味する。「R88S」という表記は、88番目のアミノ酸残基をR(アルギニン)からS(セリン)に変化させることを意味する。
別の実施形態では、C末端プロペプチドがVHDから切断される位置であるセリンプロテアーゼ切断部位IIRR205が改変される。IIRR205という表記は、図1に示すVEGF-D完全長ポリペプチドの202番目、203番目、204番目および205番目にある四つのアミノ酸残基を表す。
これらの認識部位における改変であって、ポリペプチドをセリンプロテアーゼによるタンパク質分解プロセシングに対して耐性にするものは、いずれも本発明の範囲の包含されることを当業者は容易に理解するであろう。好ましい一実施形態では、上記二つのセリンプロテアーゼ切断部位のそれぞれにある二つのアルギニン残基を、アルギニン以外の任意のアミノ酸に変化させる。この変化は、その部位でのセリンプロテアーゼによるタンパク質分解プロセシングに対して、ポリペプチドを耐性にするのに十分である。
アルギニンは極性正荷電アミノ酸であるから、タンパク質分解プロセシングに対する耐性を得るには、その代りに極性非荷電アミノ酸が適切であるだろうということも、当業者は容易に理解するであろう。したがって、好ましい一実施形態では、各セリンプロテアーゼ認識部位の二つのアルギニン残基を、システイン、セリン、スレオニンまたはチロシンに変化させる。好ましくは、アルギニンに代わるアミノ酸残基がセリンである。
改変VEGF-Dポリペプチドの構造および機能に対する改変の影響を最小限に抑えるために、別の極性荷電アミノ酸、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸、またはリジンなどを使って、アルギニン残基を置換してもよい。同様に、また正に荷電しているヒスチジンを使用することもできる。
本明細書で発見された改変物の、VHDからのN末端プロペプチドの切断を妨げる能力は、予想外だった。なぜなら、プロペプチドの切断は、完全長VEGF-Dタンパク質内の、複数の、クラスター位置で起こりうるからである。例えば、N末端プロペプチドの切断は、完全長野生型ヒトVEGF-Dを293EBNA細胞中で発現させると、88番目(アルギニン)または99番目(ロイシン)の直後で起こりうる(Stacker S.A.ら, J. Biol. Chem. 274 (1999) 32127-32136)。しかし、RSTR88の改変により、これらの既知切断部位におけるプロセシングは、どちらも防止される。
さらにまた、単一アミノ酸置換R88Sだけを持つVEGF-Dポリペプチドでは、VHDからのN末端プロペプチドの切断を防止するには不十分であることも、本明細書中に発見された。同様に、単一アミノ酸置換R205SまたはR204Sだけでも、VHDからのC末端プロペプチドまたはN末端プロペプチドの切断を防止するには不十分である。さらにまた、同じ単一アミノ酸変異R204Sを二重アミノ酸置換R85S、R88Sと合わせ持つ突然変異体は、N末端タンパク質分解プロセシングには耐性であるが、C末端タンパク質分解切断には耐性でない。
好ましい実施形態では、本発明は、配列番号2の85番目および88番目に対応する位置にあるアミノ酸がどちらもアルギニンではない完全長VEGF-Dポリペプチドを提供する。別の好ましい実施形態では、本発明は、配列番号2の85番目および88番目に対応する位置にあるアミノ酸が両方ともセリンである完全長VEGF-Dポリペプチドを提供する。
別の好ましい実施形態では、本発明は、配列番号2の204番目および205番目に対応する位置にあるアミノ酸がどちらもアルギニンではない完全長VEGF-Dポリペプチドを提供する。別の好ましい実施形態では、本発明は、配列番号2の204番目および205番目に対応する位置にあるアミノ酸が両方ともセリンである完全長VEGF-Dポリペプチドを提供する。
さらに別の好ましい実施形態では、本発明は、配列番号2の85番目、88番目、204番目および205番目に対応する位置にあるアミノ酸がいずれもアルギニンではない完全長VEGF-Dポリペプチドを提供する。さらに別の好ましい実施形態では、本発明は、配列番号2の85番目、88番目、204番目および205番目に対応する位置にあるアミノ酸のがそれぞれセリンである完全長VEGF-Dポリペプチドを提供する。
タンパク質分解プロセシングに対して耐性な完全長VEGF-Dだけでなく、本発明は、タンパク質分解プロセシングを受けない他の安定なVEGF-D誘導体、例えばVHDおよびC末端プロペプチドからなる型、またはVHDおよびN末端プロペプチドからなる型、ならびにそれを作製するための方法にも関する。好ましい一実施形態では、ポリペプチドがN末端プロペプチドおよびVHDを含み、配列番号2の85番目および88番目に対応するアミノ酸がどちらもアルギニンではない。そのようなポリペプチドの別の好ましい実施形態では、配列番号2の85番目および88番目に対応するアミノ酸がそれぞれセリンである。別の好ましい実施形態では、ポリペプチドが、85番目および88番目のアミノ酸がそれぞれセリンである配列番号2のアミノ酸1〜205の配列を持つ。別の好ましい実施形態では、ポリペプチドが、85番目および88番目のアミノ酸がそれぞれセリンである配列番号2のアミノ酸24〜205の配列を持つ。
別の好ましい実施形態では、ポリペプチドが、VHDおよびC末端プロペプチドを含み、配列番号2の204番目および205番目に対応するアミノ酸はどちらもアルギニンではない。そのようなポリペプチドの別の好ましい実施形態では、配列番号2の204番目および205番目に対応するアミノ酸がそれぞれセリンである。別の好ましい実施形態では、ポリペプチドが、204番目および205番目のアミノ酸がそれぞれセリンである配列番号2のアミノ酸206〜354の配列を持つ。
本発明のポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列との実質的同一性に関連して定義される。特に、本明細書で使用する用語「ネイティブVEGF-D」および「完全長VEGF-D」は、配列番号2のアミノ酸配列に対して実質的同一性を有するアミノ酸配列を持つポリペプチドを指す。「N末端プロペプチド」という用語は、配列番号2のアミノ酸1〜88に対して実質的同一性を有するアミノ酸配列を持つポリペプチドを指す。「C末端プロペプチド」という用語は、配列番号2のアミノ酸206〜354に対して実質的同一性を有するアミノ酸配列を持つポリペプチドを指す。「VHD」という用語は、配列番号2のアミノ酸89〜205に対して実質的同一性を有するアミノ酸配列を持つポリペプチドを指す。「実質的同一性」という用語は、二つのポリペプチド配列が、例えばプログラムGAPまたはBESTFITなどにより、デフォルトのギャップ重みを使って、最適に整列させた場合に、少なくとも80パーセントの配列同一性、好ましくは少なくとも90パーセントの配列同一性、より好ましくは少なくとも95パーセント以上の配列同一性(例えば99パーセントの配列同一性)を持つことを意味する。
比較ウインドウを整列するための配列の最適アライメントは、SmithおよびWatermanの局所ホモロジーアルゴリズム(SmithおよびWaterman, Adv. Appl. Math. 2:482 (1981))、NeedlemanおよびWunschのホモロジーアライメントアルゴリズム(NeedlemanおよびWunsch, J. MoI. Biol. 48:443 (1970))、またはPearsonおよびLipmanの類似性検索法(PearsonおよびLipman, Proc. Natl. Acad. Sci. (U.S.A.) 85:2444 (1988))によって行うか、これらのアルゴリズムのコンピュータへの実装(Wisconsin Genetics Software Package Release 7.0(Genetics Computer Group, 575 Science Dr., Madison, Wis.)のGAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA)によって行うことができる。
ポリペプチドは断片であってもよい。すなわちポリペプチドはN末端および/またはC末端にアミノ酸の欠失を持っていてもよい。具体的には、配列番号2のN末端からの約20〜約25アミノ酸の欠失が考えられる。
ポリペプチドは、例えばシグナリング、精製および同定を容易にする目的で、非VEGF-D配列を含んでもよい。例えば本発明のポリペプチドはFLAGポリペプチド配列(DYKDDDDK)を含有しうる。別の例では、ポリペプチドはインターロイキン-3シグナル配列を含有しうる。
本発明は、上述のバリアントVEGF-Dポリペプチドを製造するための方法にも関する。ポリペプチドは、組換え法によって、または直接化学合成によって、製造することができる。好ましくは、本発明の方法は、VEGF-Dをコードするポリヌクレオチド分子を改変するための部位特異的突然変異誘発法に基づく。
部位特異的突然変異誘発のための方法および技術は確立されており、当技術分野ではよく知られている。例えばBraman編「In Vitro Mutagenesis Protocols」Methods in Molecular Biology、第182巻、第2版、Humana Press, Totowa, 2002を参照されたい(この文献の全ての内容および開示は、参照により、本明細書に組み入れられる)。
部位特異的突然変異誘発法では、ペプチドをコードするポリヌクレオチド分子の特定部位にある一つ以上のヌクレオチドを、対応する遺伝子コードが変化し、それに応じて、コードされるアミノ酸残基も変化するように、正確に変化させる。極めて高い効率を持つ方法が、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に基づく方法でも、PCRに基づかない方法でも、種々知られている。便利な市販キットをいくつか入手することができる。Kunkel, Rapid and efficient site-specific mutagenesis without phenotype selection, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 82 (1985) pp. 488-492;Weinerら、Site-directed mutagenesis of double-stranded DNA by the polymerase chain reaction, Gene, 151 (1994) pp. 119-123;Ishiiら、Site-directed mutagenesis, Methods Enzymol., 293 (1998) pp. 53-71、SawanoおよびA.Miyawaki, Directed evolution of green fluorescent protein by a new versatile PCR strategy for site-directed and semi-random mutagenesis, Nucleic Acids Research, Vol.28, No.16 (2000) p. e78を参照されたい(これらの文献の全ての内容および開示は、参照により、本明細書に組み入れられる)。
PCRの複数ラウンド(オーバーラップ伸長PCRの逐次的ラウンド、または各PCR工程前のインビトロdamメチル化/ライゲーションならびに各PCR工程後のDpnI消化およびゲル精製と組み合わされたPCRの逐次的ラウンドを含む)を使った複数部位特異的突然変異誘発法も、いくつか記述されている。Michaelianら、A general and fast method to generate multiple site directed mutations, Nucleic Acids Res., 20 (1992) p. 376;Dwivediら、Generation of multiple mutations in the same sequence via the polymerase chain reaction using a single selection primer, Anal. Biochem., 221 (1994) pp. 425-428;Bhat, Multiple site-directed mutagenesis, Methods Mol. Biol., 57 (1996) pp. 269-277;Meeteiら、Generation of multiple site-specific mutations in a single polymerase chain reaction product, Anal. Biochem., 264 (1998) pp. 288-291;Kimら、Multiple site mutagenesis with high targeting efficiency in one cloning step, Biotechniques, 28 (2000) pp. 196-198;Leeら、Multiple mutagenesis of non-universal serine codons of the Candida rugosa LIP2 gene and biochemical characterization of purified recombinant LIP2 lipase overexpressed in Pichia pastoris, Biochem. J., 366 (2002) pp. 603-611;ならびに国際特許出願公開WO 03/002761A1およびWO 99/25871を参照されたい。米国特許第6,878,531号にも、複数の突然変異誘発部位を同時に作り出すための方法が開示されている。
さらに本発明は、本発明のVEGF-Dポリペプチドをコードする単離された核酸を提供する。好ましい実施形態では、核酸が、ポリヌクレオチドの発現を制御または調整する一つ以上の調節要素に連結される。本発明のプロテアーゼ耐性VEGF-Dポリペプチドをコードする核酸は、好ましくは、転写プロモーターおよび転写ターミネーターからなる調節要素をもさらに含む発現ベクターにライゲーションされる。
さらに本発明は、本発明の核酸を送達し発現させるためのベクターも提供する。そのようなベクターは当技術分野では知られており、例えば染色体ベクター、エピソームベクター、およびウイルス由来のベクター、例えば細菌プラスミド由来のベクター、バクテリオファージ由来のベクター、酵母エピソーム由来のベクター、酵母人工染色体を含む酵母染色体要素由来のベクター、ウイルス(バキュロウイルス、SV40などのパポバウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、デンソウイルス、ポックスウイルス、仮性狂犬病ウイルス、およびレトロウイルスなど)由来のベクターなどがある。
好ましい実施形態では、ベクターが、VEGF-Dポリペプチドをコードする核酸に作動可能に連結された構成的プロモーターまたは誘導性プロモーターを含む。誘導性プロモーターはよく知られていて、当業者は容易に入手することができ、例えばBD Biosciences(San Jose, Calif.)のtet-offおよびtet-onベクターが挙げられる。発現コンストラクトの誘導的調節を改良するために、ハイブリッドプロモーターを使用してもよい。プロモーターはさらに、適切な宿主における発現を保証するための特徴、または適切な宿主における発現を増加させるための特徴を含むことができる。ポリヌクレオチドの発現を特定の組織タイプに限定するには、組織特異的プロモーターまたはエンハンサーの使用が望ましいだろう。
構成的プロモーターもよく知られていて、容易に入手することができ、例えばCMVプロモーターが挙げられる。構成的プロモーターは、本発明の望ましいポリペプチドの発現を指示するために選択することができる。適切なプロモーターとして、例えば、哺乳動物系におけるLTR、SV40およびCMV;細菌系における大腸菌lacまたはtrp;昆虫系におけるバキュロウイルス多角体プロモーター(polh)、ならびに真核細胞および原核細胞中で発現を制御することが知られている他のプロモーターが挙げられる。真菌発現宿主における使用に好ましい強力な構成的および/または誘導性プロモーターの例は、キシラナーゼ(xlnA)、フィターゼ、ATP-シンテターゼ、サブユニット9(oliC)、トリオースリン酸イソメラーゼ(tpi)、アルコールデヒドロゲナーゼ(AdhA)、α-アミラーゼ(amy)、アミログルコシダーゼ(AG:glaA遺伝子由来)、アセトアミダーゼ(amdS)およびグリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(gpd)プロモーターの真菌遺伝子から得ることができるものである。強力な酵母プロモーターの例は、アルコールデヒドロゲナーゼ、ラクターゼ、3-ホスホグリセリン酸キナーゼおよびトリオースリン酸イソメラーゼの遺伝子から得ることができるものである。強力な細菌プロモーターの例として、SP02プロモーターならびに細胞外プロテアーゼ遺伝子由来のプロモーターが挙げられる。
発現ベクターは、プロモーターに作用して発現を増幅させる配列も含有しうる。例えばSV40、CMV、およびポリオーマシス作用要素(エンハンサー)、ならびに選択可能マーカーは、選択のための表現型形質を与えることができる(例えば哺乳動物細胞用のジヒドロ葉酸レダクターゼもしくはネオマイシン耐性、または大腸菌用のアンピシリン/テトラサイクリン耐性)。適当なプロモーターおよび選択マーカーを含有する適当なベクターの選択は、当業者の水準で十分に可能である。
本発明は、本発明のバリアントVEGF-Dポリペプチドを含む組成物、または該VEGF-Dポリペプチドをコードする本発明の核酸、ならびに該組成物を使用する方法も提供する。好ましい実施形態では、組成物が、バリアントVEGF-Dポリペプチドをコードする核酸を含む発現ベクターを含む。より好ましくは、発現ベクターがプラスミドまたはウイルスベクターである。
ウイルスベクター(例えばアデノウイルス、アデノ関連ウイルス、レンチウイルス、レトロウイルスまたはその誘導体に基づくベクター)およびプラスミドを含むベクターによる細胞の形質転換またはトランスフェクションによってベクターをインビボまたはエクスビボで患者の細胞に送達すると、該細胞内で本発明のバリアントVEGF-Dの発現が起こりうる。一実施形態では、ベクターの安定トランスフェクションおよび構成的発現が達成されるか、あるいはそのような発現は、組織または発生段階もしくは組織特異的プロモーターまたは誘導性プロモーターの制御下にあってもよい。送達はリポソームによって達成することもできる。インビボ治療には、発現ベクターの安定トランスフェクションに代えて、ポリヌクレオチドの直接送達を用いてもよい。
臨床的に使用する場合、本発明のベクターは、皮内に、筋肉内(例えば骨格筋内または心筋内)に、バルーン血管形成術送達によって冠動脈の管壁に、眼内に、または血管内(動脈内を含む)に送達することができる。好ましい実施形態では、送達は、さまざまな送達方法の二つ以上の組み合わせであってもよい。
さらに本発明は、本発明のポリヌクレオチドを(好ましくは発現ベクターの形で)含む細胞に関する。細胞株の多くの選択で、好ましくは哺乳動物細胞株、より好ましくはヒト細胞株が、本発明用の宿主細胞として適している。
VEGFR-2を活性化する本発明のプロテアーゼ耐性VEGF-Dポリペプチドは、血管新生を誘導する方法に役立つ。したがって本発明は、血管新生の誘導を必要としている哺乳動物において血管新生を誘導する方法であって、本発明のVEGF-Dポリペプチドを、哺乳動物に、血管新生を誘導するのに有効な量で投与することを含む方法を提供する。そのような方法は、虚血性心疾患および末梢動脈疾患の処置に役立つ。
VEGFR-3を活性化する本発明のプロテアーゼ耐性VEGF-Dポリペプチドは、リンパ管新生を誘導する方法に役立つ。したがって本発明は、リンパ管新生の誘導を必要としている哺乳動物においてリンパ管新生を誘導する方法であって、本発明のVEGF-Dポリペプチドを、哺乳動物に、リンパ管新生を誘導するのに有効な量で投与することを含む方法を提供する。そのような方法は、原発性および続発性リンパ浮腫の処置に役立つ。
本発明のプロテアーゼ耐性VEGF-Dポリペプチドは、狭窄または再狭窄を抑制する方法にも役立つ。血管の狭窄は血管外科手術の合併症である。狭窄は血液透析にアクセスグラフトとして使用される管およびステントでも起こる。再狭窄は、動脈を血管形成術またはステント術で処置した後に起こる動脈の再狭小化である。本発明のポリペプチドは、狭窄または再狭窄の抑制を必要としている患者に投与することができる。別の実施形態として、本発明のポリペプチドで被覆したステント、または被験体中でステントを使用した時にポリペプチドを溶出するように構成したステントも、本発明によって提供される。当業者は、例えば米国特許第7,048,962号および同第6,702,850号などに開示されている当技術分野で公知の方法により、そのようなステントを製造することができる。本発明のポリペプチドは、ポリペプチドをコードする核酸を含むベクターの形で提供することができる。
上述の方法において、VEGF-Dポリペプチドは、上述のように、ポリペプチドを含む組成物として、またはポリペプチドをコードする核酸を含むベクターとして投与することができる。
本発明のポリペプチドは、ポリペプチドと薬学的に許容できる担体とを含む医薬組成物として投与することができる。医薬組成物の製剤は当技術分野では広く知られており、Remington's Pharmaceutical Sciences、第17版、Mack Publishing Co., Easton, Paを便利に参照することができる。本発明で使用するためのポリペプチドの製剤は、製造および貯蔵条件下で安定であり、細菌および真菌などの微生物の汚染作用に対して保存される。微生物汚染に対する予防は、さまざまな抗細菌剤および抗真菌剤の添加によって達成することができる。
ポリペプチドは、医薬有効量での便利で有効な投与のために、適切な薬学的に許容できる担体および/または希釈剤と共に、治療有効量で配合される。
本明細書で使用する「薬学的に許容できる担体および/または希釈剤」という用語には、活性成分と不適合ではないありとあらゆる溶媒、分散媒、抗細菌剤および抗真菌剤、マイクロカプセル、リポソーム、カチオン性脂質担体、等張化剤および吸収遅延剤などが含まれる。医薬活性物質へのそのような媒質および薬剤の使用は、当技術分野ではよく知られている。補助活性成分を組成物に組み込んで、本発明の方法に使用してもよい。
当業者は、ヒトに応用される本発明の方法で使用すべき本発明ポリペプチドの正確な治療有効量を、患者の年齢、体重、疾患の程度および状態の個体差を考慮して決定することができる。
本発明の方法では、ポリペプチドを、剤形に適合した様式で、治療的に有効になるような量で、また医学的に許容できる任意の方法で、投与することができる。考えられる投与経路には、血管内、静脈内、動脈内、皮下、筋肉内、腫瘍内、腹腔内、脳室内または硬膜内(intraepidural)などの非経口経路による注射が含まれる。組成物を、例えば外科手術中に、組織表面に直接適用してもよい。デポー注射または浸食性インプラントなどの手段による徐放投与も、特に本発明に含まれる。
VEGFR-2および/またはVEGFR-3に結合するがそれを活性化しない本発明のプロテアーゼ耐性VEGF-Dポリペプチドは、内在性VEGF-D、VEGF-Cおよび/またはVEGF-Aの生物学的活性を、これらの増殖因子への受容体の接近を妨げることによって抑制する方法に役立つ。したがってそのようなポリペプチドは、過剰な血管新生および/またはリンパ管新生の処置、例えばがんの処置に役立つ。
本発明の別の実施形態では、本発明のプロテアーゼ耐性VEGF-Dポリペプチドを(好ましくはポリペプチドをコードする核酸を含むウイルスベクターとしての送達によって)腫瘍細胞に送達することにより、VEGF-Dの生物学的活性を抑制する。ポリペプチドが内在性VEGF-DまたはVEGF-Cと二量体を形成すると、内在性増殖因子二量体と比較してプロセシングによる活性化の能力が低下したハイブリッド分子がもたらされうる。
以下の限定でない実施例は本発明をさらに例示するのに役立つ。これらの実施例は、本発明の具体的実施形態を説明するのに役立つに過ぎず、決して特許請求の範囲を限定するものではないと理解すべきである。
[実施例1]
二重突然変異R85SおよびR88SはN末端プロペプチドのフリン切断を完全に消失させ、二重突然変異R204SおよびR205SはC末端プロペプチド切断部位のフリン切断を完全に消失させた。
1.材料と方法
NH2末端FLAGオクタペプチドタグを持つ完全長ヒトVEGF-DをコードするプラスミドpEFsBOS-FullNFlag(以下、pEFsBOS-VEGF-Dという;Stacker S.A.ら, J. Biol. Chem. 274 (1999) 32127-32136)を、Quikchange Site-Directed Mutagenesis Kit(Stratagene, CA, USA)を使ったポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による点突然変異に使用した。目的は、以下の四つの特異的突然変異を持つ完全長VEGF-DをコードするcDNAを作製することにあった:R85S、R88S、R204SおよびR205S。
R85SおよびR88S突然変異
VEGF-DのN末端プロペプチドがVHDから切断される部位の直前にあるアミノ酸配列はRSTR88(CGG-TCC-ACT-AGGによってコードされる)である。変換R85SおよびR88Sを含有する複合突然変異体を以下の工程によって作製し、SSTS88(TCC-TCC-ACT-TCCによってコードされる)と名付けた:
1)R85S突然変異のために、以下のプライマーを使ってpEFsBOS-VEGF-Dを増幅した:フォワード5'-GCA TCC CAT CGG TCC ACT TCC TTT GCG GCA ACT TTC TAT G-3';リバース5'-CAT AGA AAG TTG CCG CAA AGG AAG TGG ACC GAT GGG ATG C-3'。その結果得られたベクターをpEFsBOS VEGF-DRSTSと名付けた。
2)R88S突然変異のために、以下のプライマーを使ってpEFsBOS-VEGF-DRSTSを増幅した:フォワード5'-CTC GCT CAG CAT CCC ATT CCT CCA CTT CCT TTG CGG-3';リバース5'-CCG CAA AGG AAG TGG AGG AAT GGG ATG CTG AGC GAG-3'。その結果得られたベクターをpEFsBOS-VEGF-DSSTSと名付けた。
R204SおよびR205S突然変異
C末端プロペプチドがVHDから切断される部位の直前にあるアミノ酸配列はIIRR205(ATT-ATC-AGA-AGAによってコードされる)である。これをIISS205(ATT-ATC-AGC-AGCまたはATT-ATC-TCC-AGCによってコードされる)に変換した。pEFsBOS-VEGF-DSSTSをテンプレートとして使用し、以下のプライマーを使用した:
1)R204およびR205S突然変異のために、以下のプライマーを使ってpEFsBOS-VEGF-DSSTSを増幅した:フォワード5'-CCA TAC TCA ATT ATC AGC AGC TCC ATC CAG ATC CCT GAA G-3';リバース5'-CTT CAG GGA TCT GGA TGG AGC TGC TGA TAA TTG AGT ATG G-3'。その結果得られたベクターをpEFsBOS-VEGF-DSSTS.IISS(1)と名付けた。
2)第二のアプローチを使ってR204およびR205S突然変異を作製した。この場合は、以下のプライマーを使ってpEFsBOS-VEGF-DSSTSを増幅した:フォワード5'-CCA TAC TCA ATT ATC TCC AGC TCC ATC CAG ATC CCT GAA G-3';リバース5'-CTT CAG GGA TCT GGA TGG AGC TGG AGA TAA TTG AGT ATG G-3'。その結果得られたベクターをpEFsBOS-VEGF-DSSTS.IISS(2)と名付けた。このプラスミドにコードされているVEGF-Dのアミノ酸配列は、pEFsBOS-VEGF-DSSTS.IISS(1)のものと同じである。これらのプラスミドは、204番目の突然変異したセリン残基をコードするコドンだけが異なる。
PCRプログラムは製造者に従い、その結果得られたプラスミドを大腸菌に形質転換し、DNAプラスミド精製キット(Qiagen, Hilden, Germany)を使って精製した。その結果得られた点突然変異VEGF-Dコード領域を全て完全に配列決定した。次に、プラスミドを使って、293EBNAヒト胎児腎臓細胞のトランスフェクションを行った。これらの細胞を、10%ウシ胎仔血清、ペニシリン、ストレプトマイシンおよびL-グルタミンを補足したダルベッコ変法イーグル培地で成長させた。FuGENE 6 Transfection Reagent(Roche Diagnostics, Basel, Switzerland)を製造者のプロトコールに従って使用することにより、細胞に、VEGF-Dをコードする配列を欠く親発現ベクター(pEFsBOS)、緑色蛍光タンパク質をコードするトランスフェクション対照プラスミド(pEF-GFP)、または完全長VEGF-D(pEFsBOS-VEGF-D)、成熟VEGF-D(pEFsBOS-VEGF-DΔNΔC)もしくは完全長ヒトVEGF-Dの突然変異体型(pEFsBOS-VEGF-DSSTS、pEFsBOS-VEGF-DSSTS.IISS(1)およびpEFsBOS-VEGF-DSSTS.IISS(2))をコードするプラスミドを、一過性にトランスフェクトした。48時間後に馴化培地を収集し、先に記述したように、VEGF-DのVHDを結合するポリクローナルウサギ抗ヒトVEGF-D抗血清(A2)およびプロテインA-セファロースを用いる免疫沈降に付した(Stacker S.A.ら, J. Biol. Chem. 274 (1999) 32127-32136)。試料を還元NuPage 4-12%勾配ゲル(Invitrogen, CA, USA)での電気泳動に付し、ニトロセルロースフィルターに転写した。ビオチン化抗ヒトVEGF-D抗体(R&D Systems, MN, USA)を使ってイムノブロッティングを行い、フィルターを電気化学発光(ECL)反応に付して、フィルムに露出した。
2.結果
タンパク質分解プロセシングを受けない型の完全長ヒトVEGF-Dを作製する試みとして、中央にあるVHDが、N末端プロペプチドから切断される部位に近いアミノ酸残基(85番目および88番目のアルギニン残基)、およびC末端プロペプチドから切断される部位に近いアミノ酸残基(204番目および205番目のアルギニン残基)を、セリン残基に突然変異させた。これら四つの残基を全てセリンに突然変異させたプラスミドコンストラクトを二つ作製し、pEFsBOS-VEGF-DSSTS.IISS(1)およびpEFsBOS-VEGF-DSSTS.IISS(2)と名付けた。これらのプラスミドは同一のVEGF-Dアミノ酸配列をコードするが、204番目の突然変異セリン残基をコードするコドンの配列が異なっている。コードされているVEGF-Dタンパク質の発現に代替的コドン使用が影響を及ぼす可能性に備えて、両方のプラスミドを使用した。また、85番目および88番目だけをセリン残基に突然変異させた完全長VEGF-Dをコードするプラスミド(pEFsBOS-VEGF-DSSTS)も使用した。コードされているVEGF-Dタンパク質のタンパク質分解プロセシングを受ける能力を評価するために、野生型完全長ヒトVEGF-Dおよび成熟VEGF-Dをコードする対照プラスミドと共に、これらのプラスミドを使って、293EBNA細胞の一過性トランスフェクションを行った。これらの細胞はVHDからの両プロペプチドの切断を促進するので、解析にはこれらの細胞を選択した(Stacker S.A.ら, J. Biol. Chem. 274 (1999) 32127-32136)。
一過性にトランスフェクトした293EBNA細胞によって発現されるVEGF-Dタンパク質を、免疫沈降とそれに続くウェスタンブロッティングによって解析した(図3)。野生型完全長VEGF-Dをこれらの細胞で発現させたところ、先に報告したとおり、完全長VEGF-D(約50kDa)、N末端プロペプチドおよびVHDを含有する部分的にプロセシングされた型(約31kDa)、ならびに成熟型(約21kDa)という三つの誘導体が検出された(Stacker S.A.ら, J. Biol. Chem. 274 (1999) 32127-32136)。対照的に、pEFsBOS-VEGF-DSSTS.IISS(1)またはpEFsBOS-VEGF-DSSTS.IISS(2)によってコードされる完全長VEGF-D突然変異体タンパク質は、完全長型(約50kDa)しか検出できなかったので、タンパク質分解プロセシングを全く受けなかった。これに対し、突然変異体型VEGF-DSSTSのC末端プロペプチドは、タンパク質から切断されて、N末端プロペプチドとVHD(約31kDa)とを含有する部分的にプロセシングされた誘導体(約31kDa)を生成させることができた。しかし、成熟型を検出することはできず、VHDおよびC末端プロペプチドだけを含有する型(予想分子量約40kDa)も一切検出することはできなかったので、N末端プロペプチドは除去されなかった。これらの発見は、完全長ヒトVEGF-DのVEGF-DSSTS.IISS突然変異体型がどちらのプロペプチドの除去に対しても耐性であるのに対して、VEGF-DSSTSはN末端プロペプチドの除去に対してのみ耐性であることを実証している。
[実施例2]
切断部位のセリンプロテアーゼ認識を消失させるには単一の置換R88Sだけでは十分でない。
上述の方法を使って、単一アミノ酸置換R88Sを持つVEGF-D突然変異体を作製し、VEGF-DRSTS.IIRRと名付けた。この置換は、N末端プロペプチドがVHDから切断される部位のすぐ隣に位置する。293細胞で発現させ、IP/ウェスタン解析(上述のとおり)を行ったところ、N末端プロペプチドおよびC末端プロペプチドは、野生型VEGF-Dの場合と同様に、この突然変異体タンパク質のVHDから切断されることが明らかになった。これは、突然変異R88Sだけでは、VHDからのN末端またはC末端プロペプチドの切断を防止できないことを示している。
[実施例3]
切断部位のセリンプロテアーゼ認識を消失させるには単一置換R205Sだけでは十分でない。
単一アミノ酸置換R205Sを持つVEGF-D突然変異体も作製し、VEGF-DRSTR.IIRSと名付けた。この置換は、C末端プロペプチドがVHDから切断される部位のすぐ隣に位置する。293細胞で発現させ、IP/ウェスタン解析を行ったところ、N末端プロペプチドおよびC末端プロペプチドは、野生型VEGF-Dの場合と同様に、この突然変異体タンパク質のVHDから切断されることが明らかになった。これは、突然変異R205Sだけでは、VHDからのN末端またはC末端プロペプチドの切断を防止できないことを示している。
[実施例4]
単一置換R204Sのみが許す切断部位のセリンプロテアーゼ認識は無視できる程度でしかなかった。
C末端R204S置換を持つ単一突然変異体を作製し、VEGF-DRSTR.IISRと名付けた。この突然変異体は、ネイティブ条件下では、C末端およびN末端プロセシング部位におけるタンパク質分解プロセシングを無視できる程度にしか受けない。ヒトフリンを同時トランスフェクトすると、この突然変異体は、C末端(IISR)およびN末端(RSTR)プロセシング部位で、完全にプロセシングされた。
[実施例5]
C末端プロセシング部位における単一置換R204は、二重突然変異R85SおよびR88Sと組み合わせても、切断部位のセリンプロテアーゼ認識を消失させるには十分でない。
単一アミノ酸置換R204Sを二重アミノ酸突然変異R85S、R88S(これはネイティブ状態およびヒトフリンの存在下でN末端タンパク質分解プロセシングを消失させる)と合わせ持つ突然変異体を作製し、VEGF-DSSTS.IISRと名付けた。この突然変異体はN末端タンパク質分解プロセシングに対して耐性だったが、C末端プロセシング部位におけるプロセシングはまだ受けることができた。これにより、C末端プロセシング部位における単一突然変異R204Sは、フリンによるその認識を消失させるには十分でないことが、さらに裏付けられた。
上記の説明および実施例は、単に本発明を例示するために記載したに過ぎず、限定を意図したものではない。開示された実施形態の変更であって、本発明の要旨および内容を取り入れたものを、当業者は思いつきうるので、本発明は、添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲に含まれる全ての変形を広く包含すると解釈すべきである。上で言及しかつ/または以下に列挙する参考文献は全て、参照により明示的に、本明細書に組み入れられる。
[実施例6]
タンパク質分解プロセシングに対して耐性な完全長VEGF-D、VEGF-DΔCおよびVEGF-DΔNの作製
材料と方法
VEGF-D SSTS.ΔCの作製
プライマー:フォワード5'-GCG TCT AGA CTA GTG CTA GC TCA TCA TCT TCT GAT AAT TGA GTA-3'、リバース5'-CCA GCT TGG CAC TTG ATG TA-3'を使用し、pEFsBOS-VEGF-DSSTS(上述)をテンプレートにして、標準的プロトコールを使ってPCRを行った。その結果得られたPCR断片をXbaIで消化し、XbaI消化pApex3ベクターに挿入した。VEGF-D SSTS.ΔCと名付けたこのタンパク質コンストラクトをコードするDNAを、制限酵素消化およびヌクレオチド配列決定を使って確認した。
VEGF-DΔN.IISSの作製
プライマー:フォワード5'-GCG ACG CGT TTT GCG GCA ACT TTC TAT-3'、リバース5'-GAT GGG GAA CAC TGC TGT TTAを使用し、pEFsBOS-VEGF-DSSTS.IISSをテンプレートにして、標準的プロトコールに従ってPCRを行った。その結果得られたPCR断片をMluIで消化し、MluI消化pEFsBOSベクターに挿入した。次にこのコンストラクトをXbaIで消化し、VEGF-D突然変異体をコードする断片をXbaI消化pApex3ベクターにライゲーションした。VEGF-DΔN.IISSと名付けたこのタンパク質コンストラクトをコードするDNAを、制限酵素消化およびヌクレオチド配列決定を使って確認した。
タンパク質発現およびウェスタンブロッティング
プラスミドを使って、293EBNAヒト胎児腎臓細胞のトランスフェクションを行った。これらの細胞を、10%ウシ胎仔血清、ペニシリン、ストレプトマイシンおよびL-グルタミンを補足したダルベッコ変法イーグル培地で成長させた。Lipofectamine 2000トランスフェクション試薬(Invitrogen, CA, USA)を製造者のプロトコールに従って使用することにより、細胞に、VEGF-Dをコードする配列を欠く親発現ベクター(pApex3)、完全長VEGF-Dをコードするプラスミド(pApex3-VEGF-D)、またはヒトVEGF-Dの突然変異体型をコードするプラスミド:pApex3-VEGF-D SSTS.IISS、pApex3-VEGF-D SSTS.ΔCもしくはpApex3-VEGF-DΔN.IISSを、一過性にトランスフェクトした。48時間後に馴化培地を収集し、先に記述したように、VEGF-DのVHDを結合するポリクローナルウサギ抗ヒトVEGF-D抗血清(A2)およびプロテインA-セファロースを用いる免疫沈降に付した(Stackerら, J. Biol. Chem. 274:32127-32136, 1999)。試料を還元NuPage 4-12%勾配ゲル(Invitrogen, CA, USA)での電気泳動に付し、ニトロセルロースフィルターに転写した。VHDを結合するビオチン化抗ヒトVEGF-D抗体(R&D Systems, MN, USA)を使ってイムノブロッティングを行い、フィルターを電気化学発光(ECL)反応に付して、フィルムに露出した。
タンパク質精製ならびに受容体結合および架橋のバイオアッセイ
先に記述したように、M2(抗FLAG)ゲルでのアフィニティクロマトグラフィーによってVEGF-D変異体を馴化培地から精製し、濃縮した(Stackerら, J. Biol. Chem. 274:32127-32136, 1999)。タンパク質を分光光度法で定量した。VEGFR-2およびVEGFR-3の細胞外ドメインの結合および架橋のバイオアッセイに、タンパク質の試料を使用した。これらのアッセイでは、マウスVEGFR-2またはヒトVEGFR-3の細胞外ドメインとエリスロポエチン受容体の細胞質ドメインとからなるキメラ受容体を発現させるIL-3依存的Ba/F3プレB細胞を使用する(Stackerら, J. Biol. Chem. 274:32127-32136, 1999;Stackerら, J. Biol. Chem. 274:34884-34892, 1999;Achenら. Eur. J. Biochem. 267:2505-2515, 2000)。IL-3の非存在下で、これらのアッセイにおけるキメラ受容体の結合および架橋は、細胞の生存および増殖をもたらし、それをトリチウム化チミジンの組み込みによってモニターした。
二つの新規VEGF-D突然変異体タンパク質
VEGF-D SSTS.ΔC突然変異体は、完全長VEGF-DのC末端プロペプチドを欠く(完全長VEGF-Dのアミノ酸配列については図4Aを、また模式図については図5Aを参照されたい)。この突然変異体は、ヒトVEGF-Dのうち、アミノ酸24(アスパラギン)から205(アルギニン)までの領域を含有する。N末端プロペプチドがVEGFホモロジードメインから切断される位置である野生型タンパク質中の切断部位RSTR88↓は、この突然変異体ではSSTSに改変されている(この突然変異の配列に関する図4B、および図5Bを参照されたい)。
VEGF-DΔN.IISS突然変異体は完全長VEGF-DのN末端プロペプチドを欠く。この突然変異体は、VEGF-Dのうち、ヒトVEGF-Dのアミノ酸89(フェニルアラニン)から354(プロリン)までの領域を含有する(図4Cおよび図5C)。C末端プロペプチドがVEGFホモロジードメインから切断される位置である野生型VEGF-D中の切断部位IIRR205↓は、この突然変異体ではIISSに改変されている。
結果
突然変異体VEGF-D SSTS.ΔCおよびVEGF-DΔN.IISSを、野生型完全長VEGF-Dおよび完全長突然変異体VEGF-D SSTS.IISSと一緒に、タンパク質分解プロセシングについて試験した。材料と方法の項で述べたように、発現プラスミドを使った一過性トランスフェクションによってこれらのタンパク質を293EBNA細胞で発現させ、VEGFホモロジードメインを結合する抗体による免疫沈降およびウェスタンブロッティングによって解析した。予想どおり、完全長野生型VEGF-Dは部分的にプロセシングされて、N末端プロペプチドとVEGFホモロジードメインとからなる型(約31kDa)およびVEGFホモロジードメインだけからなる成熟型(約20kDa)を生成した(Stackerら, J. Biol. Chem. 274:32127-32136, 1999)(図6)。また、完全長型(約50kDa)もいくらか検出された。対照的に、VEGF-D SSTS.IISSは全くプロセシングされず、完全長型だけが検出された。同様に、VEGF-D SSTS.ΔCおよびVEGF-DΔN.IISSも、プロセシングされて成熟型を生成することはなかった。これは、プロセシング部位を突然変異させていないVEGF-DΔNおよびVEGF-DΔCを使った以前の研究において、これらの誘導体が成熟VEGF-Dに効率よくプロセシングされたこととは、対照的である(Stackerら, J. Biol. Chem. 274:32127-32136, 1999;McCoIlら, 未公表)。これらの発見は、VEGF-D SSTS.IISS、VEGF-D SSTS.ΔCおよびVEGF-DΔN.IISSが、この細胞に基づくアッセイ系において、タンパク質分解プロセシングに対して耐性であることを示している。
細胞表面でVEGFR-2およびVEGF-3細胞外ドメインを結合し架橋するVEGF-D突然変異体の能力を、これらの細胞外ドメインを含有するキメラ受容体を発現させるBa/F3細胞が関わるバイオアッセイで試験した。先に報告したとおり、成熟型のヒトVEGF-D(VEGF-DΔNΔC)は、VEGFR-2バイオアッセイでもVEGFR-3バイオアッセイでも、極めて活性であったことから(図7)、このタンパク質はこれらの受容体の細胞外ドメインを効率よく結合し架橋することが示された(Achenら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95:548-553, 1998;Achenら, Eur. J. Biochem. 267:2505-2515, 2000)。突然変異体VEGF-DΔN.IISSも両バイオアッセイで活性を示したが、どちらの場合も、その活性は成熟VEGF-Dの活性の約70分の1だった。これに対し、VEGF-D SSTS.IISSの活性は、VEGFR-2アッセイではかろうじて検出可能であるに過ぎず、VEGFR-3アッセイでは検出不可能だった。これらの結果は、VEGF-Dプロセシング突然変異体が、成熟VEGF-Dと比較して、明確に異なる受容体結合性を示すことを実証している。
図1AはヒトVEGF-Dをコードするヌクレオチド配列(配列番号1)を示し、図1Bは完全長ヒトVEGF-Dのアミノ酸配列(配列番号2)を示す。 完全長ヒトVEGF-Dの構造、その変異体、セリンプロテアーゼ認識部位、ならびにNおよびC末端プロペプチドを、模式的に表した略図である。図2Aは、完全長ヒトVEGF-Dが、NおよびC末端プロペプチドを除去するプロタンパク質転換酵素によって(矢じりの位置で)切断されて、成熟VEGF-Dを生成させることを示している。図2Bは、N末端プロペプチド(N)が切断されない点突然変異型VEGF-DSSTSを表す。図3Cは、NおよびC末端プロペプチドが切断されない点突然変異型VEGF-DSSTS.IISS(1)およびVEGF-DSSTS.IISS(2)を表す。(VEGF-D=ヒト完全長VEGF-D、VEGF-DSSTS=R85SおよびR88S点突然変異を持つヒト完全長VEGF-D、VEGF-DSSTS.IISS=R85S、R88SおよびR204,205S点突然変異を持つヒト完全長VEGF-D)。 ヒト完全長VEGF-Dのタンパク質分解認識部位における点突然変異がタンパク質分解プロセシングを完全に抑制するのに対して、野生型完全長ヒトVEGF-Dは成熟VHDを含むさまざまな誘導体にプロセシングされることを示すウェスタンブロットである。293EBNA細胞に点突然変異型のヒト完全長VEGF-Dをトランスフェクトした。(N=N末端プロペプチド、C=C末端プロペプチド、VHD=VEGFホモロジードメイン)。*完全成熟組換えVEGF-D、FLAGタグ(約23kDa)を持つので、サイズは完全長物質から切断された成熟VEGF-Dよりも大きい。 ヒトVEGF-D(4A)およびトランケート型突然変異体(4B、C)の配列を示す。VEGF-DのVEGFホモロジードメインに由来するVEGF-DΔN.IISSの第1残基のように、VEGF-D配列に由来するVEGF-D SSTS.ΔCの第1残基に影を付けると共に二重下線を引く。二重下線を引いたこれらの残基の前には「TR」残基、FLAGオクタペプチドタグ(「DYKDDDDK」;影付き)、およびタンパク質分泌用のインターロイキン-3シグナル配列とそれに続く「ARQ」残基(枠付き)が存在する。タンパク質分解プロセシングを妨げるために突然変異させた突然変異体中の残基を太字で表し、影を付ける(下線なし)。図4Aは野生型完全長ヒトVEGF-Dのアミノ酸配列である。図4BはVEGF-D SSTS.ΔCのアミノ酸配列である。図4CはVEGF-DΔN.IISSのアミノ酸配列である。 完全長VEGF-D(A)、VEGF-D SSTS.ΔC(B)およびVEGF-DΔN.IISS(C)の模式図である。インターロイキン-3シグナル配列およびFLAGタグは描かれていない。「N」はN末端プロペプチドを表す。(VEGF-D=ヒト完全長VEGF-D、VEGF-DSSTS.ΔC=R85SおよびR88S点突然変異を持ち、C末端プロペプチドを欠くヒトVEGF-D、VEGF-DΔN.IISS=R204,205S点突然変異を持ち、N末端プロペプチドを欠くヒトVEGF-D)。 ヒト完全長野生型VEGF-D(完全長hVEGF-D)、ヒトVEGF-D SSTS.IISS(hVEGF-D SSTS.IISS)、ヒトVEGF-D SSTS.ΔC(hVEGF-D SSTS.dC)およびヒトVEGF-DΔN.IISS(hVEGF-D dN.IISS)のプロセシングの解析を示すウェスタンブロットである。タンパク質を293EBNA細胞中で発現させ、免疫沈降させ、ウェスタンブロットに付した。VEGF-Dをコードする配列を欠くベクター(空ベクター)をトランスフェクトした細胞から得られる結果を、陰性対照として含める。このウェスタンブロットは、293EBNA1ヒト胎児腎臓細胞中に一過性にトランスフェクトした場合、VEGF-Dの点突然変異欠失突然変異体がプロセシングを受けないことを示している(N=N末端プロペプチド、C=C末端プロペプチド、VHD=VEGFホモロジードメイン)。 AおよびBは、VEGFR-2(7A)およびVEGFR-3(7B)の細胞外ドメインの結合および架橋のバイオアッセイにおける、成熟VEGF-D(ΔNΔC)、VEGF-DΔN.IISS(ΔN)および完全長突然変異体VEGF-D SSTS.IISS(FN)の成績を示すグラフである。

Claims (44)

  1. VEGFホモロジードメイン(VHD)と、(1)セリンプロテアーゼによるVHDからの切断に対して耐性なC末端プロペプチドおよび(2)セリンプロテアーゼによるVHDからの切断に対して耐性なN末端プロペプチドの少なくとも一方とを含む、改変VEGF-Dポリペプチド。
  2. セリンプロテアーゼによるVHDからの切断に対して耐性なC末端プロペプチドを含む、請求項1記載の改変VEGF-Dポリペプチド。
  3. セリンプロテアーゼによるVHDからの切断に対して耐性なN末端プロペプチドをさらに含む、請求項2記載の改変VEGF-Dポリペプチド。
  4. セリンプロテアーゼによるVHDからの切断に対して耐性なN末端プロペプチドを含む、請求項1記載の改変VEGF-Dポリペプチド。
  5. セリンプロテアーゼがフリン、PC5、PC7およびプラスミンからなる群より選択される、請求項1記載のVEGF-Dポリペプチド。
  6. セリンプロテアーゼがフリンである、請求項5記載のVEGF-Dポリペプチド。
  7. 85番目または88番目のアミノ酸残基がどちらもアルギニンではないか、204番目または205番目のアミノ酸残基がどちらもアルギニンではない、配列番号2に対応するアミノ酸配列を含む、VEGF-Dポリペプチド。
  8. 85番目および88番目のアミノ酸残基がどちらもアルギニンでない、請求項7記載のVEGF-Dポリペプチド。
  9. 204番目および205番目のアミノ酸残基がどちらもアルギニンでない、請求項7記載のVEGF-Dポリペプチド。
  10. 85番目、88番目、204番目および205番目のアミノ酸残基がいずれもアルギニンではない、請求項7記載のVEGF-Dポリペプチド。
  11. 85番目、88番目、204番目および205番目のアミノ酸残基の少なくとも一つがセリンである、請求項7記載のVEGF-Dポリペプチド。
  12. 85番目、88番目、204番目および205番目のアミノ酸残基の少なくとも二つがセリンである、請求項7記載のVEGF-Dポリペプチド。
  13. 85番目、88番目、204番目および20番目のアミノ酸残基の少なくとも三つがセリンである、請求項7記載のVEGF-Dポリペプチド。
  14. 85番目、88番目、204番目および205番目のアミノ酸残基がそれぞれセリンである、請求項7記載のVEGF-Dポリペプチド。
  15. 85番目、88番目、204番目および205番目のアミノ酸残基がそれぞれセリンである配列番号2に対応するアミノ酸配列を含む、改変VEGF-Dポリペプチド。
  16. 85番目および88番目のアミノ酸残基がどちらもアルギニンではない、VEGF-DのN末端プロペプチドおよびVHDを含むポリペプチド。
  17. 85番目および88番目のアミノ酸残基がそれぞれセリンである、請求項16記載のポリペプチド。
  18. 204番目および205番目に対応する位置にあるアミノ酸残基がどちらもアルギニンではない、VHGF-DのVHDおよびC末端プロペプチドを含むポリペプチド。
  19. 204番目および205番目に対応する位置にあるアミノ酸がそれぞれセリンである、請求項18記載のポリペプチド。
  20. VEGFホモロジードメイン(VHD)と、(1)セリンプロテアーゼによるVHDからの切断に対して耐性なC末端プロペプチドおよび(2)セリンによるVHDからの切断に対して耐性なN末端プロペプチドの少なくとも一方とを含む改変VEGF-Dポリペプチドをコードする核酸分子。
  21. 85番目または88番目のアミノ酸残基がどちらもアルギニンではないか、204番目または205番目のアミノ酸残基がどちらもアルギニンではない配列番号2に対応するアミノ酸配列を含むVEGF-Dポリペプチドをコードする核酸分子。
  22. VEGFホモロジードメイン(VHD)と、(1)セリンプロテアーゼによるVHDからの切断に対して耐性なC末端プロペプチドおよび(2)セリンによるVHDからの切断に対して耐性なN末端プロペプチドの少なくとも一方とを含む改変VEGF-Dポリペプチドをコードする核酸分子を含み、前記核酸が調節要素に作動可能に連結されているベクター。
  23. 発現ベクターである、請求項22記載のベクター。
  24. 原核細胞発現ベクターまたは真核細胞発現ベクターである、請求項23記載のベクター。
  25. ウイルス系ベクター、プラスミドベクター、または哺乳動物発現ベクターである、請求項23記載のベクター。
  26. 請求項23記載のベクターを含む細胞。
  27. 哺乳動物細胞である、請求項26記載の細胞。
  28. ヒト細胞である、請求項27記載の細胞。
  29. 請求項1記載の改変VEGF-Dポリペプチドを製造するための方法であって、部位特異的突然変異誘発法によって改変ポリヌクレオチドをコードするポリヌクレオチドを作製すること、および前記ポリヌクレオチドを発現させることを含む方法。
  30. 部位特異的突然変異誘発法がPCRに基づく方法である、請求項29記載の方法。
  31. 細胞中のVEGFR-2またはVEGFR-3を選択的/個別的に活性化するための方法であって、該細胞に有効量の請求項1記載の改変VEGF-Dポリペプチドを適用することを含む方法。
  32. VEGFR-2が選択的に活性化され、改変VEGF-Dポリペプチドがセリンプロテアーゼによって切断され得ないC末端プロペプチドおよびセリンプロテアーゼによって切断され得ないN末端プロペプチドを含む、請求項31記載の方法。
  33. 細胞中のVEGFR-2またはVEGFR-3を選択的/個別的に活性化するための方法であって、該細胞に有効量の請求項20記載の核酸を適用することを含む方法。
  34. 核酸が調節要素に作動的に連結される、請求項33記載の方法。
  35. 哺乳動物におけるリンパ管新生を誘導する方法であって、請求項1記載のポリペプチドを含む組成物を、前記哺乳動物に、リンパ管新生を誘導するのに有効な量で投与することを含む方法。
  36. 前記哺乳動物がヒトである、請求項35記載の方法。
  37. 哺乳動物における血管新生を誘導する方法であって、請求項1記載のポリペプチドを含む組成物を、前記哺乳動物に、血管新生を誘導するのに有効な量で投与することを含む方法。
  38. 前記哺乳動物がヒトである、請求項37記載の方法。
  39. 哺乳動物における狭窄または再狭窄を抑制する方法であって、請求項1記載のポリペプチドを含む組成物を、前記哺乳動物に、狭窄または再狭窄を抑制するのに有効な量で投与することを含む方法。
  40. 前記哺乳動物がヒトである、請求項39記載の方法。
  41. 組成物が、ポリペプチドを含むステントとして投与される、請求項39記載の方法。
  42. ステントが、ポリペプチドを溶出するように構成される、請求項41記載の方法。
  43. 請求項1記載の改変VEGF-Dポリペプチドを含む組成物。
  44. 請求項22記載のベクターを含む組成物。
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