JP2009508516A - 核酸構築物、薬剤組成物、及び癌治療のためのその使用方法 - Google Patents

核酸構築物、薬剤組成物、及び癌治療のためのその使用方法 Download PDF

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Abstract

(i)TNFαをコードする第1核酸配列、(ii)ジフテリア毒素をコードする第2核酸配列、及び(iii)癌特異的プロモーターを含む少なくとも1個の追加の核酸配列を含み、前記TNFαをコードする配列及びジフテリア毒素をコードする配列が前記癌特異的プロモーターの発現制御の下にある核酸構築物。構築物システム並びにその方法及び使用も提供される。

Description

本発明は、核酸構築物、薬剤組成物、及び癌治療のためのそのような構築物の使用方法に関する。
新生組織形成は癌で起きる過程であり、それにより細胞増殖及び分化を調節する正常な制御機構が損なわれ、進行性の増殖が起きる。制御機構のこのような損傷により、腫瘍は身体の重要な部分で拡大し場所を占領してしまう。前記腫瘍が周辺組織に侵入し遠隔部位に運ばれる(転移)と、おそらく個人は死亡する。
癌治療の望ましい目標は、正常細胞へ有害な効果を及ぼさずに優先的に癌細胞を死滅させることである。この目標を達成しようとして、手術、放射線療法、及び化学療法を含む数種の方法がこれまで使われてきた。
手術は利用できる最初の癌治療であったが、いまだに癌の診断、病期診断、及び治療において主な役割を果たしており、初期癌の主要な治療法だろう。しかし、手術は特定の部位に限定された腫瘍を治療するには効果的な方法ではあるが、これらの腫瘍は、腫瘍領域の外側に微小転移性疾患があるので切除しても治癒できないことがある。転移の段階を示しているいかなる癌も、手術のみでは効果的に治療することはできない。
放射線療法は、限局した癌の制御のために使われるもう1つの局所的な(非全身性の)治療法である。多くの正常細胞は、細胞内修復能力が新生細胞よりも高く、放射線損傷に対する感受性が低くなっている。放射線療法は、新生細胞と正常細胞の間の、放射線による損傷に対する感受性のこの違い、及び、正常な器官が、部分的に損傷を受けているだけの場合には十分に機能し続けられる能力に頼っている。したがって、放射線療法の成功は、腫瘍を取り囲む組織の放射線療法に対する感受性に依拠している。放射線療法には、一部投与部位に依拠し並びに疲労、局所的皮膚反応、悪心、及び嘔吐を含む副作用が付随する。さらに、放射線療法は、変異原性、発癌性、及び催奇性であり、患者を二次性腫瘍を発症する危険にさらすことがある。
局所的温熱療法、光放射療法、及び組織内照射を含む他の種類の局所的療法が探求されてきた。残念ながら、これらの取り組みはまずまずの成功しか収めていない。
放射線療法及び手術などの局所的治療は、外科的手法又は高線量の放射線療法により到達できる身体の部分で腫瘍量を減少させる方法を提供する。しかし、もっと副作用の少ないもっと効果のある局所的療法が必要である。さらに、これらの治療法は、最終的に大半の癌患者に存在する広い播種性又は循環性腫瘍細胞の破壊には適用可能ではない。腫瘍細胞の転移と戦うためには、全身療法が使われる。
1つのそのような全身治療が化学療法である。化学療法は播種性悪性癌の主な治療法である。しかし、化学療法薬は、多くの一般的固形腫瘍を含む多くの癌型を治療するには、その有効性が限られている。この不首尾は、一部には、多くの腫瘍細胞の内在性の又は後天的な薬物抵抗性によるものである。化学療法薬の使用のもう1つの欠点は、その厳しい副作用である。これらの副作用には、骨髄抑制、悪心、嘔吐、脱毛、及び口内潰瘍がある。明らかに、化学療法薬が悪性腫瘍細胞を死滅させることができる効率を高め、同時に全身的な中毒作用を回避するための新しいアプローチが必要である。
遺伝子導入が癌のあらゆる細胞に到達する見込みはないので、DNAベースの治療アプローチは「バイスタンダー」効果の誘導を必要とすると考えられている。この目的のための興味深い新規のアプローチは、サイトカインDNAベースの治療である。特に、TNF−αの使用は、たとえば、経尿道切除後の膀胱腫瘍再発を防ぐための魅力のある戦略だと思われる。
TNF−αは、直接腫瘍細胞細胞毒性を示し、血管新生阻害性を有し、樹状細胞及びT細胞などの免疫細胞を活性化することにより抗腫瘍免疫を増強する多機能性及び免疫調節性サイトカインである。TNF−αの誘導は、TCC再発の防止においてBCG免疫療法の効果に一部関与していると考えられており(1、2)、組換えサイトカイン療法は、原則として、膀胱癌に対して有効だと判明している(3)。しかし、TNF−αタンパク質の全身送達は、用量規制毒性効果が過酷であるので、臨床的に限られた成功しか得られていない。
場合によって、毒素の腫瘍特異的発現と共に、腫瘍組織においてTNF−αを発現させる腫瘍特異的プロモーターと組み合わせた遺伝子送達アプローチの使用により、この限界は克服することができる。
H19は、最初に同定されたヒト刷り込み非タンパク質コード遺伝子であり、母性対立遺伝子のみの発現を示す(Rachmilewitzら、1992年;Zhang and Tycko、1992年)。H19はマウスでも刷り込まれている(Bartolomeiら、1991年)。H19は、マウス染色体7の領域と相同な、染色体11の短腕、バンド15.5上に位置付けられた(Leibovitchら、1991年)。H19は、タンパク質産物をコードしていない可能性が非常に高い遺伝子のグループに属している(Brannanら、1990年)。
種々の腫瘍の研究から、健常組織と比べた場合の、H19遺伝子の再発現又は過剰発現は実証されている。さらに、異なる原因及び系統の癌では、対立遺伝子パターンの異常発現がいくつかのケースで観察された。H19は、成熟のある段階での及び絨毛外栄養膜における生殖細胞を例外として、発生を通じて大半の組織で単一対立遺伝子発現を示すが、「刷り込みの緩和」又はLOIと呼ばれるこの遺伝子の両対立遺伝子発現が、ますます多くの癌、たとえば、肝細胞癌、アルブミンSV40T抗原トランスジェニックラットの肝新生物、肺腺癌、食道癌、卵巣癌、横紋筋肉腫、子宮頚部癌、膀胱癌、頭頚部扁平上皮癌、結腸直腸癌、子宮癌において、及び精巣胚細胞性腫瘍において発見されている。今日、ほぼ30種類の癌が、LOIを伴うものも伴わないものも、健常組織と比べてH19遺伝子の調節不全発現を示している。最近の総説として、(Matoukら、2005年)を参照されたい。
異所性起点のH19過剰発現が、乳房上皮細胞に増殖性の利点を与えることも、軟寒天アッセイ及び数匹の重症複合免疫不全(SCID)マウスにおいて明らかにされた(Lottinら、2002年)。絨毛癌由来細胞系(JEG−3)、及び膀胱癌細胞系(T24P)の細胞の注入により形成される腫瘍において、H19レベルは、注入前の細胞でのH19のレベルと比べると非常に高い(Rachmilewitzら、1995年;Elkinら、1995年;Lustig−Yarivら、1997年)。
さらに、ある種の既知の発癌物質はH19遺伝子の発現を上方調節する。H19RNAレベルの劇的上昇が、喫煙者の気道上皮で、刷り込み(LOI)の喪失なしで検出された(Kaplanら、2003年)。BBN(N−ブチル−N−(4−ヒドロキシブチル)ニトロソアミン、膀胱の既知発癌物質)も、膀胱癌のラットモデルでH19遺伝子の発現を誘発する(Elkinら、1998年;Arielら、2004年)。同様に、ジエチルニトロソアミン(肝臓の既知発癌物質)は、肝細胞癌のマウスモデルでH19の発現を誘発する(Graveelら、2001年)。
癌細胞におけるH19遺伝子の特異的発現は、癌診断のための臨床応用におけるその使用を促してきた。
したがって、米国特許第5,955,273号は、本発明者に、H19遺伝子の腫瘍特異的マーカーとしての使用を教示している。
PCT国際公開第9524503号は、小児ウィルムス腫瘍における悪性腫瘍の存在/非存在を検出するのに有用な、in−situハイブリダイゼーションによるH19遺伝子プローブを使った悪性腫瘍の検出及びその類別を教示している。
PCT国際公開第04024957号は、標本中のH19RNAの存在を検出することによる癌、又は残存癌細胞若しくは微小転移の存在の検出を教示している。
癌細胞において細胞傷害性薬物を特異的に発現するためのH19プロモーターの使用は、転写調節配列(たとえば、H19プロモーター)の制御の下での腫瘍細胞における異種配列、特に細胞傷害性産物をコードする遺伝子の特異的発現を教示するPCT国際公開第9918195号において提案されている。
今まで、癌特異的プロモーターの下でTNFαとジフテリア毒素Aを使った癌特異的遺伝子療法は、一度も提案されたことも試みられたこともなかった。
本発明の一態様によれば、
(i)TNFαをコードする第1の核酸配列、
(ii)ジフテリア毒素をコードする第2の核酸配列、及び
(iii)癌特異的プロモーターを含む少なくとも1個の追加の核酸配列
を含み、前記TNFαをコードする配列及びジフテリア毒素をコードする配列が前記癌特異的プロモーターの発現制御の下にある核酸構築物が提供される。
下に記載する本発明の好ましい実施形態の追加の特徴によれば、前記第1の核酸配列及び前記第2の核酸配列は、リンカー核酸配列を介して転写的に連結されている。
記載の好ましい実施形態のさらに追加の特徴によれば、前記リンカー核酸配列は、IRESを含む又はプロテアーゼ切断認識部位をコードしている。
記載の好ましい実施形態のさらに追加の特徴によれば、前記TNFαは分泌型TNFαである。
記載の好ましい実施形態のさらに追加の特徴によれば、前記TNFαは非分泌型TNFαである。
記載の好ましい実施形態のさらに追加の特徴によれば、前記癌特異的プロモーターは、IGF−1、IGF−2 P3及びIGF−2 P4からなる群から選択される。
記載の好ましい実施形態のさらに追加の特徴によれば、前記少なくとも1個の追加の核酸配列は、それぞれ独立して癌特異的プロモーターを含む2個の核酸配列を含み、一方で前記TNFαをコードする配列が1個の癌特異的プロモーターの発現制御の下にあり、前記ジフテリア毒素をコードする配列がもう1個の癌特異的プロモーターの発現制御の下にある。
記載の好ましい実施形態のさらに追加の特徴によれば、前記2個の癌特異的プロモーターは同一である。
本発明の別の態様によれば、
(a)(i)TNFαをコードする第1の核酸配列、
(ii)第1の癌特異的プロモーター配列を含む第2の核酸配列
を含み、前記TNFαをコードする配列が前記第1の癌特異的プロモーター配列の発現制御の下にある第1の核酸構築物、
(b)(i)ジフテリア毒素をコードする第3の核酸配列、
(ii)第2の癌特異的プロモーター配列を含む第4の核酸配列
を含み、前記ジフテリア毒素をコードする配列が前記第2の癌特異的プロモーター配列の発現制御の下にある第2の核酸構築物
を含む核酸構築物システムが提供される。
記載の好ましい実施形態のさらに追加の特徴によれば、前記第1及び第2の癌特異的プロモーター配列はそれぞれ、IGF−1、IGF−2 P3及びIGF−2 P4からなる群から選択される。
記載の好ましい実施形態のさらに追加の特徴によれば、前記第1及び第2の癌特異的プロモーター配列は同一である。
記載の好ましい実施形態のさらに追加の特徴によれば、前記第1及び第2の癌特異的プロモーター配列は異なる。
本発明のさらに別の態様によれば、その必要のある対象の癌を治療する方法であって、前記対象の癌細胞に核酸構築物のうちのいずれかの治療有効量を投与し、それにより対象の癌を治療することを含む方法が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、対象の癌を治療する方法であって、その必要のある対象の癌細胞に前記核酸構築物システムのうちのいずれかの治療有効量を投与し、それにより対象の癌を治療することを含む方法が提供される。
記載の好ましい実施形態のさらに追加の特徴によれば、前記癌細胞はTNF−α又はジフテリア毒素に抵抗性である。
記載の好ましい実施形態のさらに追加の特徴によれば、前記方法は、対象を化学療法又は放射線療法で治療することをさらに含む。
本発明の追加の態様によれば、活性成分として前記核酸構築物のいずれか、及び薬剤的に許容可能な担体又は希釈剤を含む薬剤組成物が提供される。
本発明のさらに追加の態様によれば、活性成分として前記核酸構築物システムのいずれか、及び薬剤的に許容可能な担体又は希釈剤を含む薬剤組成物が提供される。
記載の好ましい実施形態のさらに追加の特徴によれば、前記薬剤組成物は、トランスフェクション剤をさらに含む。
本発明のさらに追加の態様によれば、癌治療のために同定された薬物を製造するための前記核酸構築物のいずれかの使用が提供される。
本発明の追加の態様によれば、癌治療のために同定された薬物を製造するための前記核酸構築物システムのいずれかの使用が提供される。
記載の好ましい実施形態のさらに追加の特徴によれば、前記薬物は、抗癌剤をさらに含む。
本発明は、癌の治療に使用することができる核酸構築物を提供することにより、現在知られている配置の欠点に取り組み成功を収めている。
本明細書において使用の専門用語及び科学用語はすべて、他の形で定義されているのでなければ、本発明が属する技術分野の当業者に一般的に理解されているのと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと類似する又は相当する方法及び材料を本発明の実施又は試験で使用することはできるが、適切な方法及び材料は以下に記載されている。対立する場合には、定義を含む本特許明細書が規制することになる。さらに、材料、方法、及び実施例は、説明に役立つのみであり、限定を意図するものではない。
本発明は、添付の図を参照して例として本明細書に記載されている。ここで図の詳細を具体的に参照して示される詳細は、例としてであり、本発明の好ましい実施形態の説明に役立つ考察のみを目的としており、本発明の原理及び概念的見地についてのもっとも有用で容易に理解される説明であると考えられるものを提供するために提示されていることを強く主張する。この点に関して、本発明の構造的詳細を、本発明の基本的理解のために必要である以上に詳細に示す試みは行っておらず、図を使って行う説明が、本発明のいくつかの形が実際に具体化される方法を当業者に明らかにする。
本発明は、癌の治療に使用することができる核酸構築物である。
本発明の原理及び作用は、図面及び付随する説明の参照により、さらによく理解されるであろう。
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用を以下の説明で述べる又は実施例により例証する詳細に限定されないことを理解すべきである。本発明は、他の実施形態が可能であり、又は種々の形で実施若しくは実行することができる。本明細書で用いる言葉遣い及び用語法は、説明のためであって、限定するものと見なすべきではないことも理解すべきである。
癌治療の主な障壁は選択性、すなわち、腫瘍細胞の増殖を阻害し、正常細胞の機能は影響を受けないままにしておく能力の問題である。したがって、癌の治療及び予防のためのより効果的な治療法が必要とされる。
癌治療における遺伝子治療の使用は、化学療法及び放射線療法などの他の治療的アプローチと同じ不利益を数多く与える。現在の最先端遺伝子治療戦略に関する問題には、治療遺伝子を標的細胞に特異的に送達することができないことがある。このために、設定標的ではない細胞に毒性がもたらされる。たとえば、p53遺伝子を操作すると、腫瘍細胞も正常細胞も増殖が抑制され、腫瘍壊死因子α(TNF−α)の静脈内注射は、発熱及び高血圧などの臨床症状を伴った全身毒性を誘発する。
これらの問題を克服する試みが行われてきた。これには、遺伝子を所望の組織に導く組織特異的受容体の使用、熱又は電離放射線誘発性エンハンサー及びプロモーターの使用、並びに、遺伝子発現を特定の組織に制限して治療遺伝子の発現を時間的に及び空間的に制御された形で増強する組織特異的プロモーターの使用がある。この後者のアプローチの十分に裏付けられた例では、組換え構築物に前立腺特異抗原(PSA)プロモーターを使用して、治療遺伝子の発現を前立腺組織に導いている(たとえば、米国特許第5,648,478号を参照されたい)。
PCT国際公開第9918195号は、癌特異的プロモーター(たとえば、H19プロモーター)の制御の下での腫瘍細胞における異種配列、特に細胞傷害性産物をコードする遺伝子の特異的発現を教示している。
本発明を実行に移す一方で、本発明者は、癌特異的H19プロモーター配列の発現制御の下でのTNFα及びジフテリア毒素Aの標的された発現を利用して、同一物を発現している腫瘍の容積を相乗的に減少させることができることを明らかにした。これらの所見は、種々の腫瘍、特にこれらの毒素のそれぞれ単独に対して抵抗性のある腫瘍の治療におけるTNFα及びジフテリア毒素Aの標的された発現の利用を実証している。
図2a〜c及び3で示し、並びにそれに続く実施例セクションの実施例1に記載するように、H19−TNFα又はH19−DTA発現ベクターのいずれか一方の細胞へのトランスフェクションにより、ルシフェラーゼアッセイを使って決定される細胞増殖活性が阻害された。さらに、図4、5a〜i、6a〜bでさらに示し、実施例1及び2に記載するように、H19−TNFαとH19−DTA発現ベクターの同時投与、又はH19プロモーターの転写制御の下でのTNFαとDTAの両方をコードする発現ベクター(pH19−TNF−IRES−DTA)の投与により、癌細胞増殖の阻害が増強された。最終的に、卵巣癌腫瘍の確立したモデルでのTNFとDTA(pH19−TNF−IRES−DTA)の同時発現により、in vivoでの腫瘍増殖が著しく阻害された(図7a〜b、それに続く実施例セクションでの実施例3)。
本治療法は、これら2種類の細胞傷害性薬物の腫瘍特異的発現は著しい安全性の利点を与える点で、Morimotoら、4)に記載されているTNFαとジフテリア毒素(DTX)というタンパク質産物の同時投与より優れている。実際に、Morimotoと共同研究者の教示は、in vivoで実施されたことは一度もなく、むしろ細胞特異的標的法の必要性を否定する組織培養設定で実施されていた。
したがって、本発明の一態様によれば、
(i)TNFαをコードする第1の核酸配列、
(ii)ジフテリア毒素をコードする第2の核酸配列、及び
(iii)癌特異的プロモーターを含む少なくとも1個の追加の核酸配列
を含み、前記TNFα及びジフテリア毒素配列が前記癌特異的プロモーターの発現制御の下にある核酸構築物が提供される。
本明細書で使用されるように、「TNFα」又は(TNFα)とは、細胞死を促進する、又はDTXと連携して働いて細胞死(当技術分野で公知の方法、たとえば、FACS、MTT及びチミジン取込みを使って測定可能である)を促進することもあるTNFα(たとえば、哺乳動物のTNFα)の少なくとも活性部分のことである。本発明に従って使用することができるTNFα核酸配列の例には、ジェンバンク受託番号NM_000594.2;NT_007592.14;NT_086688.1;AB088112.1;AF043342.1;AF098751.1;AF129756.1;AJ227911.1;AJ249755.1;AJ270944.1;及びAL662801.7があるが、これに限定されるものではない。配列番号4も参照されたい。
本発明のTNF−α配列は、非分泌型でも[細胞内又は膜結合の、たとえば、Corazza Gastroenterology、2004年、9月、127(3)、816頁〜25頁を参照されたい]、分泌型でもよい。分泌型TNF−αは、リーダー配列を含む[たとえば、配列番号4に記載する配列など。シグナル配列はコード配列(76個のアミノ酸をコードする)の5’末端に位置している]。
H19プロモーターの発現制御の下にある分泌型TNFα及び毒素を含む構築物を使って細胞にトランスフェクトする場合、前記毒素は細胞内で活性である可能性があるが、前記分泌型TNFαは細胞膜の近傍に残り、局所的に非常に効果的な濃度でTNF−α受容体に結合することが認められるであろう。理論に縛られることなく、非分泌型TNFαは、おそらく(たとえば、小胞体において)細胞内受容体に結合することにより細胞内シグナル伝達を活性化することが示唆される。
本明細書で使用するように、用語「ジフテリア毒素」(DT又はDTX)とは、細胞死を促進する、又はTNFαと連携して働いて細胞死を促進することもあるジフテリア毒素の少なくとも活性部分のことである。DTは2個のポリペプチドフラグメント、A及びBを含む[Zdanovskaia,M.V.;Zdanovsky,A.G.;Yankovsky,N.K.、「ジフテリア毒素NAD親和性及びADPリボシルトランスフェラーゼ活性は、アラニン又はフェニルアラニンに代わるトリプトファン153置換で低下する(Diphtheria toxin NAD affinity and ADP ribosyltransferase activity are reduced at tryptophan 153 substitutions for alanine or phenylalanine)」、Research in Microbiology、2000年、第151巻、557頁〜562頁;Bennet,M.J.;Choe,S.;Eisenberg,D.、「二量体ジフテリア毒素の2.0オングストローム解析度での精密構造(Refined structure of dimeric diphtheria toxin at 2.0 angstrom resolution)」、Ptotein Science、1994年、第3巻、1444頁〜1463頁]。フラグメントA(DTA)は触媒ドメイン(C)からなり、フラグメントBは受容体ドメイン(R)及び膜貫通ドメイン(T)で構成されている。前記Rドメインは、細胞表面のHB−EGF受容体に結合する受容体部分を含有する[Raab,Gerhard;Klagsbrun,Michael「ヘパリン結合EGF様増殖因子(Heparin−binding EGF−like growth factor)」Biochimica et Biophysica Acta(BBA)/Reviews on Cancer 1997年、1333、F179〜F199]。次に、前記結合した毒素はエンドサイトーシスにより細胞質に入る。次に、Tドメインとして知られる一連のC末端疎水性αシートは膜に埋め込まれ、N末端Cドメインは切断されて細胞質に移動する。Cドメインは、切断されると、活性酵素になり、タンパク質合成トランスロケーションペプチドEF−2及びNAD+からADP−リボース−EF−2の構築を触媒する[「ニコチンアミドヌクレオチド講義(Nicotinamide Nucleotide Lectures)」Online.Internet.2004年、12月12日、Available:http://chem.ch.huji.ac.il/〜eugenik/nad.pdf]。単一のCドメインは数時間内にEF−2の細胞全体の供給量を使い、タンパク質合成を停止させ、細胞死をもたらすことができる。本発明は、前記毒素の組換え好ましくは細胞内発現を予想しているので、最小のCドメインを使用してよい。本発明のこの態様の現在知られている好ましい実施形態によれば、前記毒素はジフテリアA鎖毒素である[DTA、たとえば、配列番号1(核酸配列を表す)及び配列番号2(アミノ酸配列を表す)]。
本明細書で使用するように、「癌特異的プロモーター」とは、成熟した(すなわち、胎児の又は出生後の)対象の癌細胞のみで活性なすべてのプロモーター配列のことである。プロモーター配列の選択は、当然のことながら、選択されたプロモーターが活性であることを要求する標的癌細胞集団に依存するであろう(下を参照されたい)。典型的には、癌特異的プロモーターは、癌で発現されるゲノム的に刷り込まれた遺伝子の調節領域由来である。癌細胞で発現されるゲノム的に刷り込まれた遺伝子由来の調節領域には、H19プロモーター及びエンハンサー、並びにIGF−2 P3及びP4プロモーターがあるが、これらに限定されるものではない。
本明細書には、TNFα及びDTX(すなわち、異種遺伝子)の腫瘍細胞特異的発現を導くのに利用することができるH19調節配列が記載されている。これらH19調節配列には、上流H19プロモーター領域及び/又は下流H19エンハンサー領域が含まれる。1つのH19プロモーター領域のヌクレオチド配列は、配列番号19に示されている。この831ヌクレオチド配列は、キャップ部位から−837から−7ヌクレオチドまで伸びている(Brannanら、1990年、Mol.Cell biol.第10巻、28頁〜36頁に記載されている)。コンセンサスTATA配列は、ヌクレオチド−27から−35までに存在している。2つのコンセンサスAP2結合部位(8/9対応)は転写開始部位からほぼ−500及び−40ヌクレオチド上流に存在している。異種遺伝子のコード領域の上流に置かれると、ほぼ831塩基対の調節領域は、内在性H19も発現する癌細胞における作動可能的に連結された異種遺伝子の発現を導くのに十分である。さらに、ヌクレオチド−819から+14間の別のH19プロモーター領域(配列番号19)も、癌細胞における作動可能的に連結された異種遺伝子の発現を導くのに十分である。
ヒトH19遺伝子の下流エンハンサー領域は、増強されたレベルの腫瘍細胞特異的発現を与えるために、場合によってH19プロモーター/異種遺伝子構築物に加えることができる(配列番号20〜22)。エンハンサー配列から予想されるように、下流エンハンサーは、H19プロモーターの制御の下にある異種遺伝子のコード領域から下流に(内在性H19遺伝子のH19エンハンサーの方向に対して)逆方向又は順方向のいずれかに置かれるとその効果を発揮することができる。さらに、図6、7A、7B及び8A〜8Cに示される配列(配列番号20〜22)を含有するこのエンハンサーのフラグメントも遺伝子発現を促進するのに使用してよい。
IGF−1遺伝子の発現は、肺癌及び乳癌に付随してきた。IGF−1プロモーター配列の例には、ヒトIGF−1遺伝子配列のヌクレオチド1から1630間の核酸配列がある(ジェンバンク受託番号M12659M77496;Rotweinら、1986年、J.Biol.Chem.第261巻、4828頁〜4832頁)。
IGF−2遺伝子産物は3個の異なるプロモーター領域のうちの1つ(P3及びP4)を使って発現される。P3プロモーターは肝細胞癌に関係付けられてきた。刷り込みP4プロモーター(IGF−2遺伝子のヌクレオチド配列 −546から+102(ジェンバンク受託番号NC_000011))及びP3プロモーター(IGF−2遺伝子のヌクレオチド配列 −1229から+140)はヒト膀胱癌細胞で活性化されており、作動可能的に連結された異種遺伝子の発現を腫瘍細胞に導くのに使用される可能性があることも発見されている。IGF−2 P3及びP4プロモーターは、H19エンハンサー又はその活性フラグメントと組み合わせて使用してもよい。
癌細胞で発現されるゲノム的に刷り込まれた及び刷り込まれていない遺伝子由来のこれらの調節配列は、所望の腫瘍特異的発現を得るために必要な最小調節配列を定義するためにさらに明確に描写することができる。たとえば、前記プロモーター領域は、付加、置換、又は欠失により改変し、腫瘍特異的発現機能の保持をアッセイしてもよい。H19下流エンハンサーの種々の部分は、H19プロモーターからの転写を増強する能力を個々に試験してもよい。
調節配列の変化を、当業者に公知の種々の化学的及び酵素的方法を使って生じさせることができる。たとえば、制限部位により限定される配列の領域を欠失させることができる。オリゴヌクレオチド依存性変異誘発を用いて限定された形で配列を改変する且つ/又は配列内の特定の領域に制限部位を導入することができる。さらに、欠失変異体を、Bal31などのDNAヌクレアーゼ又はExoIII及びS1ヌクレアーゼを使って作製することができる。調節配列の徐々に大きくなる欠失は、前記DNAをヌクレアーゼと共に時間を延ばしながらインキュベートすることにより作製される(変異誘発技術の概説は実施例セクションの後の参考文献を参照されたい)。
改変された配列は、適切な宿主細胞における異種コード配列の腫瘍特異的発現を導くその能力を評価される。腫瘍特異的発現を導く能力を保持するいかなる改変された調節配列も、さらに使用するために本発明の核酸構築物に組み込まれることは本発明の範囲内である。
本明細書で使用するように、用語「発現制御の下にある」とは、TNFα遺伝子又はジフテリア毒素のコード配列の、その発現パターン(空間的及び時間的発現パターンを含む)を調節するためにそこに作動可能的に連結されている癌特異的プロモーター配列からの転写のことである。
本明細書で使用するように、用語「作動可能的に連結された」とは、TNFα遺伝子又はジフテリア毒素コード配列が、前記異種遺伝子の発現を調節配列に導かせるような形で調節配列(すなわち、プロモーター)に連結されるように、TNFα遺伝子又はジフテリア毒素コード配列の位置を決めることである。
本明細書で使用するように、用語「核酸配列」とは、RNA配列、相補的ポリヌクレオチド配列(cDNA)、ゲノムポリヌクレオチド配列及び/又は複合性ポリヌクレオチド配列(たとえば、上記の配列の組合せ)の形で単離され提供される核酸配列のことである。
本明細書で使用するように、用語「相補的ポリヌクレオチド配列」とは、逆転写酵素又はその他のあらゆるRNA依存性DNAポリメラーゼを使ってメッセンジャーRNAの逆転写から得られる配列のことである。そのような配列は、続いてDNA依存性DNAポリメラーゼを使ってin vivo又はin vitroで増幅させることができる。
本明細書で使用するように、用語「ゲノムポリヌクレオチド配列」とは、染色体に由来する(から単離される)配列のことであり、したがって、前記配列は染色体の近接部分を表す。
本明細書で使用するように、用語「複合性ポリヌクレオチド配列」とは、少なくとも部分的に相補的な、及び少なくとも部分的にゲノム的な配列のことである。複合性配列は、本発明のポリペプチドをコードするのに必要ないくつかのエキソン配列はもちろん、それらの間に挿入されるいくつかのイントロン配列も含むことができる。前記イントロン配列は、他の遺伝子を含むいかなる供給源のものでもよく、典型的には保存されたスプライシングシグナル配列を含むであろう。そのようなイントロン配列は、シス作用性発現調節エレメントをさらに含んでいてもよい。
上記のすべての核酸配列(及び、さらに後述するようなさらに多くの核酸配列)は、少なくとも1個の核酸構築物に連結される。
本発明の核酸構築物は、好ましくは哺乳動物細胞発現に適している。
TNFα及びDTXの転写は、単一の癌特異的プロモーター配列に支配されていてよい。この場合、TNFα及びDTXコード配列は、リンカー核酸配列を介して転写的に連結されていてよい。
そのようなリンカー核酸配列は、TNFα及びDTXが、切断されると2個の別個のポリペプチドを産生する単一のポリペプチドとして翻訳されるように、プロテアーゼ切断認識部位をコードしていてよい。しかし、この場合、細胞内プロテアーゼにより認識される部位を使うように措置が講じられる。
選択的転写リンクは、配列内リボソーム進入部位(IRES)配列の使用により実現してよい。バイシストロニックベクターの使用は、以下に続く実施例セクションの実施例1に記載されている。バイシストロニックベクターは、たとえば、Millegen社、Q−BioGene社(たとえば、pAdeno Vator(商標)−CMV5−IRES−GFP及びpAdeno Vator(商標)−CMV5−IRES−BFP)、Clontech社(たとえば、pIRES1neo及びpIRES2hyg)から容易に入手可能である。
2個のプロモーターベクターは選択的に構築してもよい[たとえば、Kyung−Jin Kim(2004年)Protein Science第13巻、1698頁〜1703頁を参照されたい]。この場合、プロモーター配列は、同一でも異なっていてもよい。異なるプロモーター配列を使用する場合(たとえば、単一遺伝子の又は異なる遺伝子の異なる調節配列)、同期化した発現をほぼ類似するレベルで与える配列を使用するように措置が講じられる。転写アッセイ(たとえば、ルシフェラーゼリポーターアッセイ)を使って、そのような配列を選択してもよい(さらに下の遺伝子発現アッセイを参照されたい)。
本発明は、その好ましい配置が、
(a)(i)TNFαをコードする第1の核酸配列、
(ii)第1の癌特異的プロモーター配列を含む第2の核酸配列
を含み、前記TNFαをコードする配列が前記第1の癌特異的プロモーター配列の発現制御の下にある第1の核酸構築物、
(b)(i)ジフテリア毒素をコードする第3の核酸配列、
(ii)第2の癌特異的プロモーター配列を含む第4の核酸配列
を含み、前記ジフテリア毒素をコードする配列が前記第2の癌特異的プロモーター配列の発現制御の下にある第2の核酸構築物
を含む核酸構築物システムも企図している。
1対1の割合が現在好ましいが、第1の核酸構築物と第2の核酸構築物間の割合は1対1とは異なっていることもあり、経験的に決めてよい。
本発明の核酸構築物(本明細書では「発現ベクター」とも呼ばれる)又は構築物システムは、このベクターを原核生物、真核生物、又は好ましくは両方における複製及び組込みに適したものにする追加の配列を含んでいてよい(たとえば、シャトルベクター)。さらに、典型的なクローニングベクターは、転写及び翻訳開始配列、転写及び翻訳ターミネーター、並びにポリアデニル化シグナルも含有していてよい。
エンハンサーエレメントは、連結した相同の又は異種のプロモーターから、最大1000倍転写を刺激することができる。エンハンサーは転写開始部位の下流又は上流に置かれると活性である。ウイルス由来の多くのエンハンサーエレメントは広い宿主範囲を有し、種々の組織で活性である。たとえば、SV40初期遺伝子エンハンサーは多くの細胞型に適している。本発明に適している他のエンハンサー/プロモーターの組合せには、ポリオーマウイルス又はヒト若しくはマウスサイトメガロウイルス(CMV)由来のエンハンサー/プロモーターの組合せ、並びに、マウス白血病ウイルス、マウス若しくはラウス肉腫ウイルス、及びHIVなどの種々のレトロウイルス由来の末端反復配列(LTR)が含まれる。Gluzman,Y.及びShenk,T.、編者(1983年)、“Enhancers and Eukaryotic Gene Expression”、Cold Spring Harbor Press、Cold Spring Harbor、ニューヨーク、を参照されたい。この文献は参照により本明細書に組み込まれているものとする。本発明のこの態様に従って使うことのできるH19エンハンサー配列には、米国特許第6,306,833号に記載の配列(配列番号20〜22)があるが、これに限定されるものではない。
発現ベクターの構築において、プロモーターは好ましくは、(TNFαの、又はジフテリア毒素の)異種転写開始部位から、自然環境での転写開始部位からとほぼ同じ距離に位置している。しかし、当技術分野で公知のように、この距離のある程度の変動は、プロモーター機能を失うことなく調整することができる。
ポリアデニル化配列も、TNFα/毒素mRNA翻訳の効率を高めるために発現ベクターに加えることができる。2個の別個の配列エレメント、すなわち、ポリアデニル化部位から下流に位置するGU−又はU−が豊富な配列、及び前記部位の11〜30ヌクレオチド上流に位置している高度に保存された6ヌクレオチド、すなわちAAUAAAの配列が、正確で効率的なポリアデニル化には必要である。本発明に適した終結及びポリアデニル化シグナルには、SV40由来のものがある。
すでに記載した実施形態に加えて、本発明の発現ベクターは典型的に、クローン化した核酸の発現レベルを増やす又は組換えDNAを坦持する細胞の同定を容易にすることを目的とする他の特殊化したエレメントを含有してよい。たとえば、いくつかの動物ウイルスは、許容的な細胞型でウイルスゲノムの染色体外複製を促進するDNA配列を含有している。これらのウイルスレプリコンを有するプラスミドは、適切な因子がプラスミド上に坦持される遺伝子、又は宿主細胞のゲノムと一体の遺伝子のいずれか一方により供給される限り、エピソーム的に複製される。
本発明の発現ベクターは、真核生物レプリコンを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。真核生物レプリコンが存在する場合、前記ベクターは適切な選択可能なマーカーを使って真核細胞で増幅することができる。前記ベクターが真核生物レプリコンを含まない場合は、エピソーム的増幅は可能ではない。代わりに、組換えDNAが工学的に改変された細胞のゲノムに組み込まれ、そこでプロモーターは所望の核酸の発現を指示する。
哺乳動物発現ベクターの例には、Invitrogen社から入手可能なpcDNA3、pcDNA3.1(+/−)、pGL3、pZeoSV2(+/−)、pSecTag2、pDisplay、pEF/myc/cyto、pCMV/myc/cyto、pCR3.1、pSinRep5、DH26S、DHBB、pNMT1、pNMT41、及びpNMT81、Promega社から入手可能なpCI、Strategene社から入手可能なpMbac、pPbac、pBK−RSV、及びpBK−CMV、Clontech社から入手可能なpTRES、並びにその誘導体があるが、これらの発現ベクターに限定されるものではない。これらは、本発明の構築物のベクター骨格として働いてよい。
レトロウイルスなどの真核生物ウイルス由来の調節エレメントを含有する発現ベクターも使用することができる。SV40ベクターには、たとえば、pSVT7及びpMT2がある。ウシパピローマウイルス由来のベクターには、pBV−1MTHAがあり、エプスタインバーウイルス由来のベクターには、pHEBO及びp2O5がある。他の例となるベクターには、pMSG、pAV009/A、pMTO10/A、pMAMneo−5、バキュロウイルスpDSVE、及び、SV40初期プロモーター、SV40後期プロモーター、メタロチオネインプロモーター、マウス乳房腫瘍ウイルスプロモーター、ラウス肉腫ウイルスプロモーター、ポリヘドリンプロモーター、又は真核細胞における発現に効果的であると示されている他のプロモーターの指示の下でタンパク質の発現をさせる他のあらゆるベクターがある。これらは、本発明の構築物のベクター骨格として働いてよい。
上記のように、ウイルスは、多くの場合、宿主防御機構を回避するように進化してきた非常に特殊化した感染病原体である。典型的には、ウイルスは特定の細胞型に感染し増殖する。ウイルスベクターの標的特異性は、その自然の特異性を利用して、あらかじめ定まった細胞型を特異的に標的にし、それにより組換え遺伝子を感染した細胞に導入する。したがって、本発明が利用するベクターの種類は、形質転換される細胞型に依存することになる。形質転換される細胞型に従って適切なベクターを選択する能力は、通常の技術力をもつ当業者の能力の十分範囲内にあり、したがって、選択上考慮すべき点の概要は本明細書では与えていない。たとえば、骨髄細胞は、ヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTLV−I)を使って標的にすることができ、Liang,C.Y.ら(2004年).「バキュロウイルスベクターを使った哺乳動物腎臓細胞への高効率遺伝子移入(High efficiency gene transfer into mammalian kidney cells using baculovirus vectors)」.Arch Virol 第149巻、51頁〜60頁、が記載するように、腎臓細胞は、バキュロウイルスオートグラファカリフォルニカ(Autographa californica)マルチプル核多核体病ウイルス(AcMNPV)に存在する異種プロモーターを使って標的にしてもよい。
組換えウイルスベクターは、ラテラル感染及び標的特異性などの利点を与えるために、本発明の遺伝子のin vivo発現に有用である。ラテラル感染は、たとえば、レトロウイルスの生活環に内在的であり、1個の感染細胞が、出芽し隣接する細胞に感染する多くの子孫ビリオンを産生する過程である。そのために、その大部分に最初のウイルス粒子がはじめには感染しなかった広域の細胞に急速に感染する。これは、感染病原体が娘子孫を通じてのみ伝播する垂直型感染とは対照的である。ラテラルに伝播することができないウイルスベクターも作製することができる。この特徴は、所望の目的が、特定の遺伝子を限局的な数の標的細胞のみに導入することである場合には有用になりうる。
本発明の発現ベクターを細胞に導入するには種々の方法が利用できる。そのような方法は、Sambrookら、“Molecular Cloning”:A Laboratory Manual,Cold Springs Harbor Laboratory,ニューヨーク(1989年、1992年)、Ausubelら、“Current Protocols in Molecular Biology”、John Wiley and Sons,Baltimore,Md.(1989年)、Changら、“Somatic Gene Therapy”、CRC Press,Ann Arbor,Mich.(1995年)、Vegaら、“Gene Targeting”,CRC Press,Ann Arbor Mich.(1995年)、“Vectors:A Survey of Molecular Cloning Vectors and Their Uses”、Butterworths,Boston Mass.(1988年)、及びGilboaら、[Biotechniques 4(6):504頁〜512頁、1986年]に一般に記載されており、たとえば、安定的又は一過的なトランスフェクション、リポフェクション、エレクトロポレーション、及び組換えウイルスベクターによる感染がある。さらに、ポジティブ−ネガティブ選択法は米国特許第5,464,764号及び米国特許第5,487,992号を参照されたい。
現在好ましいin vivo核酸移入技術(すなわち、in vivo遺伝子治療)には、アデノウイルス、レンチウイルス、単純ヘルペスウイルス1型、又はアデノ随伴ウイルス(AAV)、及び脂質ベースのシステムなど、ウイルス又は非ウイルス構築物でのトランスフェクションがある。プラスミドDNAは、たとえば、カチオン性ポリマー、カチオン性リポソーム(たとえば、リポフェクチン、D.D.A.B.などのコレステロール誘導体、及びカチオン性リン脂質)の助けを借りて、又は、誘導体化して(たとえば、抗体コンジュゲートして)ポリリシンコンジュゲート、グラミシジンS、人工的ウイルスエンベロープ若しくは他のそのような細胞内担体の助けを借りて、及び裸の遺伝子構築物の直接注入、エレクトロポレーション、又はin vivoで実施されるCaPO共沈、他にもポリエチレンジアミンベースの非ウイルス遺伝子送達システム(現在好ましい)の助けを借りて送達することができる。癌遺伝子治療のための核酸移入及び発現システムに関する最新の概説には、Lungwitz(2005年)Eur.J.Phar.Biopharm.60(2):247頁〜66頁;Aigner(2006年)J.Biotechnol.254:12頁〜25頁;ChristopherとWong(2006年)Curr.Pharm.Des.1995〜2006;及びWolff(2005年)Acta Myol.24:202頁〜8頁がある。
言及したように、(上に記載した)本発明の核酸構築物を使って、細胞死の誘発が治療的に有利な、癌などの過剰増殖性疾患を治療することができる。
したがって、本発明の別の態様によれば、対象の癌の治療法が提供される。前記方法は、その必要がある対象の癌細胞に治療有効量の上記核酸構築物及び/又は核酸構築物システムを投与し、それにより対象の癌を治療することにより達成される。
用語「その必要がある対象」とは、哺乳動物被検体、好ましくは癌と診断されたあらゆる年齢のヒト対象のことである。
用語「治療する」とは、病態(たとえば、癌疾患)の進行を阻害する又は停止する且つ/又は病態の縮小、寛解、若しくは退行を引き起こすことである。当業者は、種々の方法論及びアッセイ法を使って病態の進行を評価することができること、同様に、種々の方法論及びアッセイ法を使って病態の縮小、寛解、又は退行を評価してもよいことを理解するであろう。好ましくは、用語「治療する」とは、癌疾患に付随する症状を軽減する又は減少させることである。好ましくは、治療は、癌に付随する症状を治療する、たとえば、実質的に除去する。
好ましくは本発明の核酸構築物で治療する癌には、小児固形腫瘍、ウィルムス腫瘍、肝芽腫、胚性横紋筋肉腫、胚細胞腫瘍及び絨毛性腫瘍、精巣胚細胞性腫瘍、卵巣の未熟型奇形腫、仙尾骨部腫瘍、絨毛癌、胎盤部トロホブラスト腫瘍、上皮成人腫瘍、膀胱癌、肝細胞癌、卵巣癌、子宮頚癌、肺癌、乳癌、頭頚部扁平上皮癌、食道癌、神経原性腫瘍、星状細胞腫、神経節芽細胞腫、神経芽細胞腫があるが、これらの癌に限定されるものではない。好ましくは、腫瘍は膀胱癌である。
治療すべき癌の種類が、使用する癌特異的プロモーターの種類を指示することになる。基本的に、選択された癌特異的プロモーターは、癌細胞において活性である(好ましくは、高発現を媒介する)べきである。
遺伝子発現アッセイを実行して、癌細胞における癌特異的プロモーターの活性化を決定してよい。これらには、in vitro、in vivo、及びin situアッセイ法が含まれていてよい(米国特許第6,306,833号を参照されたい)。In situは、すなわち、核酸精製の必要がないように、バイオプシー又は切除術から得られる患者組織の組織切片(固定された及び/又は冷凍した)に直接にという意味である。上記の試薬などの核酸試薬は、そのようなin situ法のためのプローブ及び/又はプライマーとして使用してよい(たとえば、Nuovo,G.J.、1992年、“PCR In Situ Hybridization:Protocols And Applications”、Raven Press、ニューヨークを参照されたい)。
細胞型又は腫瘍が、異種遺伝子に作動可能的に連結された特定の調節領域を含有する発現構築物を特異的に活性化することができるかどうかを判断する代替方法は、そのような発現構築物を実際に前記細胞にトランスフェクトすることである。これらの目的のために、マーカー遺伝子は調節配列の下流に位置している。前記マーカー遺伝子産物のアッセイで結果が陽性であれば、前記細胞又は細胞系が前記調節領域からの発現を活性化することができることが明らかになる。
これらの技術を使って、例となるH19発現が活性化された腫瘍型は、下の表1に収載している。
Figure 2009508516
したがって、以上の癌は本発明の方法によって治療可能である。実際、H19発現を活性化するいかなる腫瘍も本発明の方法によって治療してよい。
さらに、上述の技術を用いて、IGF−1、並びにIGF−2 P3及びP4プロモーターを活性化する腫瘍を決定してよい。そのような腫瘍も、本発明の方法によって治療可能である。たとえば、IGF−2は、ウィルムス腫瘍、横紋筋肉腫、神経芽細胞腫及び肝芽腫などの小児腫瘍で活性化されている。
DTX又はTNFα治療に抵抗性である癌は、DTXとTNF両方での併用療法の相乗効果が、そのような種類の抵抗性腫瘍においても細胞死滅を媒介すると期待されるので、なおさら好ましくは、本発明に従って治療してよいことが認識されるであろう。
用語「治療的に有効な量」とは、病態(たとえば、癌)の症状を予防し、軽減し、若しくは寛解させる、又は治療中の対象の生存を延長するのに効果がある本発明の核酸構築物及び/又は核酸構築物システムの量のことである。
言及するように、本発明の核酸構築物及び/又は核酸構築物システムの治療的に有効な量が、上文に記載のin vivo遺伝子治療法のいずれかを使ってその必要がある対象の癌細胞に投与される。
TNFαの半減期は短い(20〜30分)が、本発明の構築物の細胞傷害活性が確実に癌性細胞のみに作用する(正常な健常細胞には作用しない)よう措置が講じられる。
本発明の核酸構築物は、それ自体を、又は核酸構築物が薬剤的に許容可能な担体と混合されている薬剤組成物の一部として対象に提供することができる。
本明細書で使用するように、「薬剤組成物」とは、本明細書に記載する1個又は複数個の活性成分と、生理学的に適切な担体及び賦形剤などの他の化学成分との調製物のことである。薬剤組成物の目的は、化合物の生物への投与を促進することである。
好ましくは、前記薬剤組成物は、DOTMA、DOPE、及びDC−Cholなどのトランスフェクション剤も含むことができる[Tonkinsonら、「癌研究(Cancer Investigation)」,14(1):54頁〜65頁(1996年)]。トランスフェクション剤の好ましい例は、ポリ(エチルアミン)(PEI)である。
本明細書において、用語「活性成分」とは、その生物学的効果を説明可能である核酸構築物(複数可)調製物のことである。
以下、互換的に使用してもよい用語「生理学的に許容可能な担体」及び「薬剤的に許容可能な担体」とは、生物に著しい刺激を与えることがなく、投与された化合物の生物活性及び特性を抑制しない担体又は希釈剤のことである。アジュバンドはこれらの用語の下に含まれる。薬剤的に許容可能な担体に含まれる成分の1つは、たとえば、有機媒体でも水媒体でも広い範囲の溶解性を有する生体適合性ポリマーであるポリエチレングリコール(PEG)でよい(Mutterら、(1979年)。
本明細書では、用語「賦形剤」とは、活性成分の投与をさらに促進するために薬剤組成物に添加される不活性物質のことである。賦形剤の例には、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖類及びデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油、並びにポリエチレングリコールがあり、制限がない。
薬物の製剤及び投与の技術は、“Remington’s Pharmaceutical Sciences”,Mack Publishing Co.,Easton,PA、最新版に見える。この文献は参照により本明細書に組み込まれているものとする。
適切な投与経路には、たとえば、経口送達、直腸送達、経粘膜送達、特に、筋肉注射、皮下注射及び髄内注射の他に髄腔注射、直接脳室注射、静脈注射、腹腔注射、鼻腔注射、動脈注射、(膀胱への)小胞注射、若しくは眼内注射を含む経鼻送達、腸送達、又は、非経口送達がある。
代わりに、調製物を全身的ではなく局所的な形で、たとえば、前記調製物を患者の身体の特定領域への直接注入を介して、又は、膀胱、子宮等などの体腔への直接投与により、投与してもよい。
本発明の薬剤組成物は、当技術分野で公知の製法により、たとえば、従来の混合、溶解、顆粒化、糖衣錠製造、粉状化、乳化、カプセル化、エントラッピング、又は凍結乾燥工程により製造してよい。
本発明に従って使用するための薬剤組成物は、前記活性成分の、薬剤的に使用することができる調製物への加工を促進する賦形剤及び補助剤を含む1個又は複数個の薬剤的に許容可能な担体を使って、従来の方法で製剤してもよい。適切な製剤は選択される投与経路に依存する。
注射のためには、本発明の活性成分は水溶液に、好ましくは、ハンクス液、リンゲル液、又は生理食塩緩衝液などの生理的に適合性の緩衝液に処方してもよい。経粘膜投与のためには、透過するバリヤーに適した浸透剤が処方で使用される。そのような浸透剤は当技術分野で公知である。
鼻孔吸入による投与のためには、本発明に従って使用するための活性成分は、適切な噴霧剤、たとえば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン又は二酸化炭素を使った加圧パック又はネブライザーからエアゾールスプレー方式の形で都合よく送達される。加圧エアゾールの場合には、投与単位は、定量を送達するバルブを提供することにより決定してよい。ディスペンサーで使用するための、前記化合物の混合粉末及びラクトース又はデンプンなどの適切な粉末ベースを含有する、たとえばゼラチン製のカプセル及びカートリッジを製剤してよい。
本明細書に記載の調製物は、たとえば、ボーラス注入又は持続注入による、非経口投与用に製剤してよい。注射用の製剤は、単位用量の形で、たとえば、場合によって、保存剤を添加したアンプル又は多数回使用容器で提示してもよい。前記組成物は、油性又は水性溶媒中の懸濁液、溶液、又は乳濁液でもよく、懸濁剤、安定剤、及び/又は分散剤などの製剤化剤を含有してもよい。
非経口投与用の薬剤組成物は、前記活性調製物の水溶液を水溶性の形で含んでいる。さらに、前記活性成分の懸濁液は、適切な油性又は水性注射懸濁液として調製してもよい。適切な親油性溶剤又は溶媒には、ゴマ油などの脂肪油、又はオレイン酸エチル、トリグリセリド、又はリポソームなどの合成脂肪酸エステルがある。水性注射懸濁液は、懸濁液の粘度を増加させる、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、又はデキストランなどの物質を含有してよい。場合によって、前記懸濁液は、前記活性成分の溶解性を高めて高濃度の溶液の調製を可能にする適切な安定剤又は作用物質を含有していてもよい。
代わりに、前記活性成分は、適切な賦形剤、たとえば、無菌で発熱物質のない水性溶液との構成のために、使用前は粉末の形でもよい。
本発明の調製物は、たとえば、ココアバター又は他のグリセリドなどの従来の坐剤基剤を使って、坐剤又は保持浣腸剤などの直腸組成物に製剤してもよい。
本発明に照らして使用するのに適した薬剤組成物には、前記活性成分が本来の目的を達成するのに効果的な量で含有される組成物がある。さらに具体的には、治療有効量とは、疾病の症状を予防する、軽減する、若しくは寛解させる、又は治療中の対象の生存を延長するのに効果的な活性成分の量を意味する。
治療有効量の決定は十分当業者の能力の範囲内である。
本発明の方法において使用されるいかなる調製物でも、治療有効量又は投与量は、はじめはin vitroアッセイから評価することができる。たとえば、投与量は動物モデルで処方することができ、そのような情報を使ってヒトにおいて有用な投与量をさらに正確に決定することができる。
本明細書に記載の活性成分の毒性及び治療効果は、in vitro、細胞培養物又は実験動物での標準的な薬学的方法により決定することができる。これらのin vitro及び細胞培養アッセイ及び動物試験から得られるデータは、ヒトにおいて使用するための投与量の範囲を処方するのに使うことができる。前記投与量は、用いる剤形及び利用する投与経路によって変わってよい。正確な製剤、投与経路、及び投与量は、患者の容態を考慮して個々の医者が選択することができる。[たとえば、Finglら、(1975年)“The Pharmacological Basis of Therapeutics”、Ch.1 p.1を参照されたい]。
治療する状態の重症度及び応答性によって、投薬は、数日から数週間続く治療中、又は治療が達成されるまで、又は病状の減少が実現されるまで、1回の投与でも複数回の投与でもよい。
投与される組成物の量は、当然のことながら、治療中の対象、苦痛の重症度、投与の方法、処方医師の判断等に依存することになる。
適合性の医薬担体に製剤された本発明の調製物を含む組成物は、指示された状態の治療のために調製し、適切な容器に入れ、及びラベルを付けてもよい。
治療効果を改良するために、本発明の核酸構築物での治療は、他の抗癌療法と、後者がそのような癌の治療に効果がないと証明されたとしても、併用してもよい。
したがって、本発明の核酸構築物を使って、単独で又は癌に対する他の確立した若しくは実験的治療レジメンと併用して癌を治療することができる。そのような併用療法の相乗活性は、そのような治療の効果的臨床用量を著しく減少させ、それにより前記治療の壊滅的なことが多いマイナスの副作用及び高コストを減少させる潜在能力を有することが認識されるであろう。
本発明と併用するのに適した癌治療のための治療法には、化学療法、放射線療法、光線療法及び光線力学療法、手術、栄養療法、切除療法、併用される放射線療法と化学療法、ブラチオセラピー、陽子線療法、免疫療法、細胞療法、及び陽子線ラジオサージカル療法があるが、これらの療法に限定されるものではない。
抗癌剤
本発明の構築物と同時投与することができる抗癌剤には、アシビシン(Acivicin);アクラルビシン;塩酸アコダゾール(Acodazole);アクロニン;アドリアマイシン;アドゼレシン(Adozelesin);アルデスロイキン(Aldesleukin);アルトレアミン(Altretamine);アンボマイシン(Ambomycin);酢酸アメタントロン(Ametantrone);アミノグルテチミド;アムサクリン;アナストロゾール(Anastrozole);アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン(Asperlin);アザシチジン;アゼテパ(Azetepa);アゾトマイシン(Azotomycin);バチマスタト(Batimastat);ベンゾデパ(Benzodepa);ビカルタミド(Bicalutamide);塩酸ビスアントレン(Bisantrene);ビスナフィドジメシラート(Bisnafide Dimesylate);ビゼレシン(Bizelesin);硫酸ブレオマイシン;ブレキナル(Brequinar)ナトリウム;ブロピリミン(Bropirimine);ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド(Caracemide);カルベチマー(Carbetimer);カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルビシン;カルゼレシン(Carzelesin);セデフィンゴール(Cedefingol);クロラムブシル;シロレマイシン(Cirolemycin);シスプラチン;クラドリビン(Cladribine);クリスナトール(Crisnatol)メシラート;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダクチノマイシン;塩酸ダウノルビシン;デシタビン(Decitabine);デキソルマプラチン(Dexormaplatin);デザグアニン(Dezaguanine);デザグアニンメシラート;ジアジクオン(Diaziquone);デセタキセル(Docetaxel);ドキソルビシン;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン(Droloxifene);クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;デュアゾマイシン(Duazomycin);エダトレキセート(Edatrexate);塩酸エフロルニチン;エルサミトルシン(Elsamitrucin);エンロプラチン(Enloplatin);エンプロメート(Enpromate);エピプロピジン(Epipropidine);塩酸エピルビシン;エルブロゾール(Erbulozole);塩酸エソルビシン(Esorubicin);エストラムスチン;エストラムスチンリン酸ナトリウム;エタニダゾール(Etanidazole);エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン(Etoprine);塩酸ファドロゾール(Fadrozole);ファザラビン(Fazarabine);フェンレチニド(Fenretinide);フロクスウリジン;リン酸フルダラビン(Fludarabine);フルオロウラシル;フルロシタビン(Flurocitabine);ホスキドン(Fosquidone);ホストリエシン(Fostriecin)ナトリウム;ゲムシタビン(Gemcitabine);塩酸ゲムシタビン;ヒドロキシ尿素;塩酸イダルビシン(Idarubicin);イホスファミド;イルモフォジン(Ilmofosine);インターフェロンα−2a;インターフェロンα−2b;インターフェロンα−n1;インターフェロンα−n3;インターフェロンβ−1a;インターフェロンγ−1b;イプロプラチン(Iproplatin);塩酸イリノテカン(Irinotecan);酢酸ランレオチド(Lanreotide);レトロゾール(Letrozole);酢酸ロイプロリド;塩酸リアロゾール(Liarozole);ロメトレキソル(Lometrexol)ナトリウム;ロムスチン;塩酸ロソキサントロン(Losoxantrone);マソプロコル(Masoprocol);メイタンシン;塩酸メクロレタミン;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル(Menogaril);メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン;メツレデパ(Meturedepa);ミチンドミド(Mitindomide);ミトカルシン;ミトクロミン;ミトジリン(Mitogillin);ミトマルシン(Mitomalcin);マイトマイシン;ミトスペル(Mitosper);ミトタン(Mitotane);塩酸ミトザントロン;ミコフェノール酸;ノコダゾール(Nocodazole);ノガラマイシン(Nogalamycin);オルマプラチン(Ormaplatin);オキシスラン(Oxisuran);パクリタキセル(Paclitaxel);ペガスパルガーゼ(Pegaspargase);ペリオマイシン(Peliomycin);ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン;ペルホスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;塩酸ピロキサントロン;プリカマイシン(plicamycin);プロメスタン(Plomestane);ポルフィマー(Porfimer)ナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;塩酸プロカルバジン;プロマイシン;塩酸プロマイシン;ピラゾフリン(Pyrazofurin);リボプリン;ログレチミド(Rogletimide);サフィンゴル(Safingol);塩酸サフィンゴル;セムスチン;シムトラゼン(Simtrazene);スパルホサートナトリウム;スパルソマイシン(Sparsomycin);塩酸スピロゲルマニウム;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン(Streptnigrin);ストレプトゾシン;スロフェヌル(Sulofenur);タリソマイシン(Talisomycin);タキソール;テコガラン(Tecogalan)ナトリウム;テガフル;塩酸テロキサントロン;テモポルフィン(Temoporfin);テニポシド(Teniposide);テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン(Tirapazamine);塩酸トポテカン(Topotecan);クエン酸トレミフェン(Toremifene);酢酸トレストロン(Trestolone);リン酸トリシリビン(Triciribine);トリメトレキサート;グルクロン酸トリメトレキサート;トリプトレリン(Triptorelin);塩酸ツブロゾール(Tubulozole);ウラシルマスタード;ウレデパ(Uredepa);バプレオチド(Vapreotide);ベルテポルフィン(Verteporfin);硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン(Vinepidine);硫酸ビングリシネート(Vinglycinate);硫酸ビンレウロシン(Vinleurosine);酒石酸ビノレルビン(Vinorelbine);硫酸ビンロシジン(Vinrosidine);硫酸ビンゾリジン(Vinzolidine);ボロゾール(Vorozole);ゼニプラチン(Zeniplatin);ジノスタチン;塩酸ゾルビシンがあるが、これらの抗癌剤に限定されるものではない。追加の抗悪性腫瘍薬には、Chapter52、“Antineoplastic Agents”(Calabresi,P.及びChabner,B.A.)、並びに、それに加えて、Goodman及びGilman,The Pharmacological Basis of Therapeutics,第8版,1990年,McGraw−Hill,Inc.(Health Professions Division)の序論pp.1202頁〜1263頁に開示された抗悪性腫瘍薬がある。
本発明の組成物は、必要に応じて、前記活性成分を含有する1つ又は複数の単位剤形を含有してよいFDA認可キットなどのパック又はディスペンサーデバイスで提示してよい。前記パックは、たとえば、ブリスター包装などの金属製又はプラスチック製のホイルを含んでいてよい。前記パック又はディスペンサーデバイスには、投薬指示書が添付されていてよい。前記パック又はディスペンサーには、医薬品の製造、使用、又は販売を規制する政府機関により処方された形で容器に添付されている注意も取り付けられていてよく、その注意は、政府機関が前記組成物の形態又はヒトへの若しくは獣医学的な投与を認可したことを反映したものである。たとえば、そのような注意は、米国食品医薬品局によって処方薬として認可された標識化についてでもよいし、承認された製品挿入物についてでもよい。
本発明の追加の目標、利点、及び新規の特徴は、限定的であることを意図しない以下の例を検討すれば当技術分野の通常の技術を持つ当業者に明らかになるであろう。さらに、上文に描写する及び特許請求の範囲において請求する本発明の種々の実施形態及び態様はそれぞれ、以下の例において実験的に支持される。
ここで、上の説明と共に本発明を非限定的な形で例証する以下の例について言及する。
一般に、本明細書で使用の命名法及び本発明で使用する実験方法には、分子技術、生化学技術、微生物学技術、及び組換えDNA技術がある。そのような技術は、文献において完全に説明されている。たとえば、“Molecular Cloning:A laboratory Manual”Sambrookら、(1989年);“Current Protocols in Molecular Biology”Volume I−III Ausubel,R.M.,ed.(1994年);Ausubelら、“Current Protocols in Molecular Biology”,John Wiley and Sons.Baltimore,Maryland(1989年);Perbal,“A Practical Guide to Molecular Cloning”,John Wiley & Sons,New York(1988年);Watsonら、“Recombinant DNA”,Scientific American Books,New York;Birrenら(eds)“Genome Analysis:A Laboratory Manual Series”,Vols.1〜4,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York(1998年)、米国特許第4,666,828号;米国特許第4,683,202号;米国特許第4,801,531号;米国特許第5,192,659号;米国特許第5,272,057号に記載の方法、“Cell Biology:A Laboratory Handbook”,VolumesI−III Cellis,J.E.,ed.(1994年);“Current Protocols in Immunology”VolumesI−III Coligan J.E.,ed(1994年);Stitesら、(eds),“Basic and Clinical Immunology”(8th Edition),Appleton & Lange,Norwalk,CT(1994年);Mishell and Shiigi(eds),“Selected Methods in Cellular Immunology”,W.H.Freeman and Co.,New York(1980年);利用できる免疫アッセイ法は特許及び科学文献に広範に記載されている。たとえば、米国特許第3,791,932号;米国特許第3,839,153号;米国特許第3,850,752号;米国特許第3,850,578号;米国特許第3,853,987号;米国特許第3,867,517号;米国特許第3,879,262号;米国特許第3,901,654号;米国特許第3,935,074号;米国特許第3,984,533号;米国特許第3,996,345号;米国特許第4,034,074号;米国特許第4,098,876号;米国特許第4,879,219号;米国特許第5,011,771号及び米国特許第5,281,521号;“Oligonucleotide Synthesis”Gait,M.J.,ed.(1984年);“Nucleic Acid Hybridization”Hames,B.D.,and Higgins S.J.,eds.(1985年);“Transcription and Translation”Hames,B.D.,and Higgins S.J.,Eds.(1984年);“Animal Cell Culture”Freshney,R.I.,ed.(1986年);“Immobilized Cells and Enzymes”IRL Press,(1986年);“A Practical Guide to Molecular Cloning”Perbal,B.,(1984年)and“Methods in Enzymology”Vol.1〜317,Academic Press;“PCR Protocols:A Guide To Methods And Applications”,Academic Press,San Diego,CA(1990年);Marshakら、“Strategies for protein Purification and Characterization−A Laboratory Course Manual”CSHL Press(1996年)を参照されたい。これらの文献はすべてが、参照により本明細書に完全に記載されているものとして組み込まれているものとする。他の一般的参考文献は本文書の至る所に提供されている。その中の手順は当技術分野においては公知であると考えられ、読者の便宜のために提供される。その中に含まれる情報はすべて参照により本明細書に組み込まれているものとする。
一般的な材料及び実験方法。
細胞。
T24P(ATCC受託番号HTB−4)、Hep3B(ATCC受託番号HB−8064)、TOV−122D(ATCC受託番号CRL−11731)、ES−2(ATCC受託番号CRL−1978)、SK−OV3(ATCC受託番号HTB−77)L3.6PL[Bruns CJ,Harbison MT,Kuniyasu H,Eue I,Fidler IJ.Neoplasia.1999年4月;1(1):50頁〜62頁 「ヌードマウスにおける同所移植を使うことによるヒト膵臓腺癌由来転移性変異体のin vivo選択及び特徴付け(In vivo selection and characterization of metastatic variants from human pancreatic adenocarcinoma by using orthotopic implantation in nude mice)」]、HPAC(ATCC受託番号CRL2119)、Panc10.05(ATCC受託番号CRL2547、MBT2マウス膀胱癌細胞系の高度転移性変異体のT−50(MBT2−t50)は、Dr.O.Medalia(Sackler Medical School,Tel Aviv University)により提供された。
プラスミド。
H19−DTA−KANA構築物(GeneArt GmbH Regensburg D−93053);LucSV40構築物Promega Inc.
H19−TNFα発現ベクターの構築。
TNFα(TNFα)のH19−DTA−KANA構築物へのサブクローン化は、前記DTA配列(配列番号1)をTNFαの配列(配列番号4)と取り換えることにより実施した。手短に言えば、ヒトTNFα遺伝子及び隣接する制限部位を合成オリゴヌクレオチドから組み立て、KpnI及びSacI制限部位を使って標準的クローニングベクター(pPCRscript)にクローン化した。前記TNFα読取り枠(配列番号3)は、BspHI及びXbaI制限酵素を使って切除し、NcoI及びXbaI制限酵素で消化したH19−DTA KANAベクターにサブクローン化した。コンピテント細菌のトランスフェクション後、単一コロニーを部位特異的PCRにより分析した。前記プラスミドDNAは1つの陽性クローンから精製した。最終構築物(図1aに図式的に示している。構築物配列は配列番号7に記載している)は、SV40 ポリA[AAACTTGTTTATTGCAGCTTATAATG(配列番号5)]及びAm5[GCTCAGGTCTCTGGGGAACTCCTCTCTCTGGGGGGATGGAGAGCGTATGTTAGTAC(配列番号6)]プライマーを使って塩基配列決定により検証した。
pH19−TNF−IRES−DTAプラスミドの構築。
2個の遺伝子エレメントIRES及びTNFα読取り枠のプラスミドpH19−DTA−KANAへの導入はその後に続くクローン化段階により実施した。
(i)ECMV由来IRES配列は、鋳型としてプラスミドpIRES2−EGFP(BD−Bioscience Clontech)、及び一対のオリゴヌクレオチドを使ってPCR増幅により作製し、NcoI(5’)[5’−TTAACCATGGCCCCTCTCCCTCCC−3’(配列番号8)]及びBspHI(3’)[5’−TTAATCATGATGTGGCCATATTATCATCGT−3’(配列番号9)]オーバーハングを導入した。前記フラグメントはNcoI及びBspHI制限酵素を使って消化し、NcoI制限消化により直線化したプラスミドpH19−DTA−KANA(Geneart GmbH)に一方向にクローン化した。コンピテント大腸菌(E.coli)のトランスフェクション後、単一コロニーを部位特異的PCRにより分析した。前記プラスミドDNAは1つの陽性クローンから精製し、濃度は紫外分光法により決定した。前記陽性構築物は塩基配列決定により検証した。
(ii)ヒトTNFα遺伝子及び隣接する制限部位を合成オリゴヌクレオチドから組み立て、KpnI及びSacI制限部位を使って標準的クローニングベクター(pPCRscript)にクローン化した。前記TNFα読取り枠はBspHI及びNcoI制限酵素を使って切除し、NcoIで消化したpH19−IRES−DTA−KANA(段階(i)で入手)にサブクローン化した。コンピテント大腸菌のトランスフェクション後、単一コロニーを部位特異的PCRにより分析した。前記プラスミドDNAは1つの陽性クローンから精製し、濃度は紫外分光法により決定した。最終構築物(図1bに図式的に示す。構築物配列は配列番号13に記載している)は、以下のプライマー、すなわち、H19−DTA−1f(825):5’−GAAAAAGCCCGGGCTAG−3’(配列番号10);H19−DTA−2r(968):5’−CCCGTGGTACGAAGAAAAG−3’(配列番号11);及びH19−DTA−4r(71IRES):5’−GACAAACGCACACCGGC−3’(配列番号12)を使って塩基配列決定により検証した。
ルシフェラーゼアッセイ。
製造業者(Promega Corp.)のプロトコルに従って実行した。
ELISAアッセイ。
製造業者(Endogen)のプロトコルに従って実行した。
動物モデルにおける腫瘍増殖。
ES−2ヒト卵巣癌細胞(200万の細胞が各マウスに注入された?)を、異所性卵巣癌のモデルを開発するために、生後6〜7週間の胸腺欠損雌マウスの背中に皮下注射した。皮下細胞接種の10日後、前記マウスは測定可能な異所性腫瘍を発症した。前記pH19−TNF−IRES−DTA、pH19−TNFα又はpH19−DTAベクターの治療可能性を、前記腫瘍に25μg/腫瘍のそれぞれの発現ベクターを直接注射することにより試験した。対照として、25μg/腫瘍のpH19−Lucベクターを注射した。
(実施例1)
H19プロモーターの転写制御の下でTNFα及び/又はジフテリア毒素(DTA)を使った癌細胞の増殖の阻害。
TNFαは広範囲の抗癌活性を有する。しかし、TNFαを全身送達しても、主に、用量規制毒性効果が厳しいので、臨床上の成功は制限された。本発明者は、この制限は、TNFタンパク質の産生が癌細胞では発現するが正常細胞では発現しない遺伝子のプロモーターに制御されている遺伝子送達アプローチを使うことによって克服できることを明らかにした。この目的のために、本発明者は、H19プロモーターの制御下にTNFαコード配列をクローン化した。
TNFα及びジフテリア毒素A(DTA)は、DNA断片化の引き金を引き、動態が類似した細胞溶解を標的にする。DTAによるタンパク質合成阻害は、細胞溶解を標的にするには十分ではない。これらの類似性に基づいて、DTA及びTNFαは、一般的な細胞溶解経路を共有していてもよいし、又はその細胞溶解経路が重複していてもよい。本発明者は、pH19−DTA構築物をpH19−TNFα構築物と併用して使い、以下のように癌細胞の増殖を阻害した。
実験結果。
細胞にpH19−DTA又はpH19−TNFα発現ベクターの一方をトランスフェクトすると、細胞増殖活性が阻害された。
DTA及びTNFαの潜在的相乗効果を決定するために、pH19−DTA又はpH19−TNFαプラスミドのいずれかのin vitro治療可能性を、T24P、Hep3B、及びTOV−122D細胞系(それぞれ、図2a、2b及び2c)で試験した。手短に言えば、細胞に、2μg/ウェルのLucSV40及び指示濃度のpH19−DTA又はpH19−TNFαプラスミドを同時トランスフェクトし、pH19−DTA又はpH19−TNFαプラスミドの存在の下でのルシフェラーゼ活性の減少を、細胞にLucSV40プラスミドのみをトランスフェクトした場合(100%ルシフェラーゼ活性と見なされる)に観察される減少と比較した。図2a〜cに示すように、LucSV40及びpH19−DTA又はpH19−TNFαベクターのいずれか一方を同時トランスフェクトした場合、ルシフェラーゼ活性の減少が3種類の細胞系すべてで検出され、H19プロモーターはDTA又はTNFαコード配列の発現を促進し、したがってLucSV40活性を低下させることができることを実証している。さらに、pH19−DTAプラスミドによって引き起こされる阻害は、pH19−TNFαベクターで引き起こされる阻害より著しいことが見出された。LucSV40と比べて低濃度のpH19−DTAベクターでも、試験した細胞系すべてにおいてルシフェラーゼ活性レベルを減少させることができた。0.0125〜0.025μg/ウェルのDTA含有ベクターの濃度では、2μgLucSV40により誘発されるルシフェラーゼ全活性が低下した。しかし、比較的高濃度(0.1μg/ウェル)のTNFα含有ベクターは、2μg/ウェルLucSV40により誘発される全ルシフェラーゼ活性の低下を引き起こした。LucSV40の量はpH19−DTA又はpH19−TNFαベクターの量よりもはるかに多いので、ルシフェラーゼ活性の減少は、細胞に入るLucSV40の量の減少を引き起こすpH19−DTA又はpH19−TNFαベクターとの競合のせいではなく、DTA又はTNFα活性の直接の結果であると考えることができる。
pH19−TNFαベクターからのTNFタンパク質のin−vitro発現。
TNFは通常は細胞から分泌され、その受容体に結合する。この結合のために、広範囲の細胞活性が形質導入される。ルシフェラーゼ活性の低下が、形質転換されたプラスミドからのTNFαの発現及び分泌により引き起こされるのかどうかを検査するために、ELISAアッセイを用いた。TOV−122D細胞へのpH19−TNFα構築物のトランスフェクションの48時間後、上澄みを集め、TNF特異的ELISAを使ってアッセイするまで−80℃で保管した。TNFαタンパク質の量は、TNFの濃度を高めながら検量線に規準化した。図3に示すように、分泌されたTNFタンパク質のレベルは、OV−122D細胞系にトランスフェクトされたpH19−TNFαプラスミドの濃度の増加とともに増加した。0.25μg/ウェルのpH19−TNFαプラスミドのトランスフェクション後、約2500pg/mlのTNFαが検出された。対照プラスミドトランスフェクト細胞ではきわめてわずかな量のTNFが検出された(データは示していない)。これらの結果から、H19プロモーターはTNFα遺伝子の発現を促進すること、及びTNFαタンパク質は培養培地に分泌されることが示されている。
pH19−DTAとpH19−TNFαベクターの併用の細胞毒性効果。
pH19−DTAとpH19−TNFαベクターの併用により、T24P細胞において細胞毒性及び競合作用が増強されるかどうかを決定するために、細胞に2μg/ウェルのLucSV40、一定濃度のpH19−DTA(0.05μg/ウェル)又はpH19−TNFα(0.25μg/ウェル)ベクター、及びそれぞれ指示濃度のpH19−DTA又はpH19−TNFαを同時トランスフェクトした。ルシフェラーゼ活性を決定し、LucSV40のみをトランスフェクトした細胞のルシフェラーゼ活性と比較した。図4に示す結果は、一定濃度のpH19−DTAと不定濃度のpH19−TNFα、又は一定濃度のpH19−TNFαと不定濃度のpH19−DTAのいずれか一方を同時トランスフェクトした細胞系において、pH19−DTA又はpH19−TNFαベクターのみをトランスフェクトした細胞系と比べて、ルシフェラーゼ活性の減少を示している。0.25μg/ウェルのpH19−TNFα及び0.1μg/ウェルのpH19−DTAの構築物を使うことによる、さらに著しいルシフェラーゼ活性の低下が注目された。
全体で、これらの結果は、DTA又はTNFαがH19プロモーターによって促進される両方の発現ベクターを使うと、癌細胞増殖の阻害において細胞毒性及び競合作用が増強されることを実証している。これは、DTA又はTNFを含む種々の薬物に抵抗性の腫瘍では特に重要である(たとえば、SK−OV3卵巣細胞)。
(実施例2)
癌細胞系におけるH19プロモーターの制御の下にあるTNFα及びDTAコード配列の細胞毒性効果。
DTA及びTNFα両方のコード配列がH19プロモーターの制御の下にあるベクターの可能性を試験するために、本発明者は、pH19−TNF−IRES−DTAベクターを構築し、このベクターを使って、以下のように種々の癌細胞系にトランスフェクトした。
実験結果。
種々の癌細胞系におけるpH19−DTA、pH19−TNFα又はpH19−TNF−IRES−DTA発現ベクターの抗増殖活性。
H19プロモーターの制御の下にあるTNFα及びDTAコード配列の両方を坦持しているベクターの細胞毒性効果を、卵巣癌細胞、膵癌細胞、膀胱癌細胞、及び肝細胞癌細胞で試験した。細胞に、2μg/ウェルのLucSV40と指示濃度のpH19−DTA、pH19−TNFα、又はpH19−TNF−IRES−DTAプラスミドを同時トランスフェクトした。ルシフェラーゼ活性を決定し、LucSV40のみをトランスフェクトした細胞のルシフェラーゼ活性と比較した。図5a〜iに示すように、プラスミドpH19−TNF−IRES−DTAの癌細胞に対する死滅効果は、pH19−DTA又はpH19−TNFαベクターのみにより示される効果より有意に高い。DTA及びTNF抵抗性卵巣細胞(SK−OV3;4)は、pH19−TNF−IRES−DTAプラスミドを使うと効率的に死滅し、DTA−H19プラスミドのみを使っても細胞毒性効果は検出されなかった。
TNFαmRNAのin−vitro発現。
TNFαmRNAレベルは、0.02μg/ウェルのpH19−TNFα若しくはpH19−TNF−IRES−DTA発現ベクターのトランスフェクション、又は10ng/ml若しくは100ng/mlのTNFαタンパク質の培養培地への添加に続いてSK−OV3細胞系(DTA及びTNF抵抗性である)においてRT−PCRにより決定した。トランスフェクション又はTNFタンパク質の培養培地への添加の48時間後、全RNAを細胞から抽出した。図6a〜bに示すように、TNFα転写物は、対照プラスミド(LucSV40)をトランスフェクトした細胞、及び無処置細胞に存在している(レーン1、6)。pH19−TNF−IRES−DTAベクターをトランスフェクトした細胞(レーン4)では、pH19−TNFαベクターをトランスフェクトした細胞(レーン2)と比べると、高いレベルのTNFα転写物が検出された。さらに、10ng/mlのTNFαタンパク質で処置した細胞(レーン3)で決定したレベルと比べると、100ng/mlのTNFαタンパク質で処置した細胞(レーン5)ではTNFαRNAレベルの減少が見られる。
全体では、これらの結果は、H19プロモーターの転写制御の下にあるTNFα及びDTAコード配列の両方の発現は、DTA及びTNF処置の両方に抵抗性であることが知られている細胞系を含む多種多様の癌細胞の増殖を抑制する点で高度に効率的であることを実証している。さらに、前記結果は、TNFαの細胞内レベルは、pH19−TNFαベクターをトランスフェクトした細胞又は培養培地に与えられる外因性TNFαタンパク質の存在の下で増殖する細胞においてより、pH19−TNF−IRES−DTAベクターをトランスフェクトした細胞のほうが高いことを実証している。
(実施例3)
pH19−TNF−IRES−DTAベクターは癌のin vivo治療に適している。
pH19−TNF−IRES−DTAベクターの癌治療能力をさらに検証するために、皮下腫瘍に以下のように種々のH19調節発現構築物を注入した。
実験結果。
異所性皮下腫瘍の治療。
pH19−TNF−IRES−DTA、pH19−TNFα、又はpH19−DTAベクターのin−vivoでの癌細胞死滅を促進し、腫瘍増殖を阻害する能力を分析した。ES−2ヒト卵巣癌細胞を、異所性卵巣癌のモデルを開発するために、生後6〜7週間の胸腺欠損雌マウスの背中に皮下注射した。皮下細胞接種の10日後、前記マウスは測定可能な異所性腫瘍を発症した。pH19−TNF−IRES−DTA、pH19−TNFα、又はpH19−DTAベクターの治療可能性を、発症した卵巣癌腫瘍に発現ベクターを直接注入することにより試験した。手短に言えば、各グループのマウスの腫瘍に、25μg/腫瘍のpH19−TNF−IRES−DTA、pH19−TNFα、又はpH19−DTAベクターを直接注入し、対照グループの腫瘍は25μg/腫瘍のpH19−Lucベクターで処置した。腫瘍のサイズを決定し、腫瘍サイズのin−vivo倍増は各処置の最後に計算した。図7a〜bに示すように、pH19−TNF−IRES−DTA、pH19−TNFα、又はpH19−DTAベクターの4回の注入により、レポーターベクターpH19−Lucの4回の注入に比べて、腫瘍成長をそれぞれ55%、41%、及び32%阻害することができた。pH19−TNF−IRES−DTA処置腫瘍の腫瘍増殖阻害は、pH19−TNFα又はpH19−DTA処置腫瘍と比べて、in vitroで観察されたような相乗的ではなく、相加効果を示した(図5a〜iを参照されたい)。
全体として、これらの結果は、TNFα及び/又はDTAのH19促進発現を使って、卵巣癌腫瘍などの定着した腫瘍を治療できることを実証している。
分析と考察。
TNFα及びDTAはDNA断片化の引き金を引き、動態が類似する細胞溶解を標的にする。DTAによるタンパク質合成阻害は、細胞溶解を標的にするには十分ではない。これらの類似点に基づき、DTA及びTNFαは、一般的細胞溶解経路を共有していてもよいし、その細胞溶解経路が重複していてもよい。
本明細書に提示される結果は、併用して使用した場合、DTA及びヒトTNFαは、ヒト卵巣癌細胞系、膵癌細胞系、膀胱癌細胞系、及び肝細胞癌細胞系に対するその細胞毒性活性において相乗的に作用することを実証している。細胞毒性活性は感受性細胞でも抵抗性細胞でも観察された。
したがって、細胞へのpH19−TNF−IRES−DTA構築物のトランスフェクトにより、細胞毒性が増強された。DTA及びTNF抵抗性卵巣細胞、すなわちSK−OV3は、H19−TNF−IRES−DTAプラスミドを使った場合は効率的に死滅するが、pH19−DTAプラスミドを使った場合は細胞毒性効果は検出されていない。これは、DTA又はTNFを含む種々の薬物に抵抗性の腫瘍においては重要になりそうである。
図7a〜bに示されるin−vivo実験により、pH19−TNF−IRES−DTA構築物の異所性マウスモデルへの投与によって、(pH19−TNFα又はpH19−DTAベクターの使用と比べると)相加効果が生じ、in vitro実験で示されたような相乗効果は生じないことが実証されている。これらの結果は、おそらく、動物モデルにおいてpH19−TNFαのみにより示され、細胞系では検出されなかった細胞毒性効果のせいである。
これらの結果は、ヒト卵巣又は腎細胞癌細胞系に対してDTA及びTNFタンパク質を併用して使うと、相乗的細胞毒性活性が生じた(4,30)追加の結果により支持されている。
明確にするために、別々の実施形態の文脈に記載されている本発明のある種の特徴は、1つの実施形態において組み合わせて提供されてもよいことは認識されている。逆に、簡潔にするために、1つの実施形態の文脈に記載されている本発明の種々の特徴は、別々に、又はいかなるものであれ適切なサブコンビネーションで提供されてもよい。
本発明はその特定の実施形態と併せて記載されてきたが、多くの代案、修正及び変形が当業者には明らかになることは明白である。したがって、添付の特許請求の精神と広い範囲内であるそのような代案、修正及び変形をすべて包含することが企図されている。本明細書で言及しているあらゆる出版物、特許及び特許出願公開、並びにジェンバンク受託番号は、個々の出版物、特許、若しくは特許出願公開、又はジェンバンク受託番号がそれぞれ参照により本明細書に組み込まれるように明確に及び個々に指示されている場合と同程度に、参照によりその全体が本明細書に組み込まれているものとする。さらに、本出願書類中のいかなる参考文献の引用又は確認も、そのような参考文献は本発明の先行技術として利用することができることを承認したものとして解釈してはならない。
(参考文献)
(本文中に引用された追加の参考文献)
Figure 2009508516

Figure 2009508516

Figure 2009508516
pH19−TNFα発現ベクターの構築を描く概略図である。TNFαのコード配列(核酸配列−配列番号4;アミノ酸配列−配列番号18)はH19プロモーター(H19promo)配列(配列番号3)の転写制御の下にある。 pH19−TNFα−IRES−DTA発現ベクターの構築を描く概略図である。TNFα(配列番号4)及びDTA(配列番号1)のコード配列はH19プロモーター配列(配列番号3)の転写制御の下にある。IRES−ECMV由来IRES;Kana(R)−カナマイシン耐性遺伝子。 T24P細胞系におけるpH19−DTA又はpH19−TNFα発現ベクターの死滅潜在能力を、ルシフェラーゼ活性の低下として描いているグラフである。細胞に、2μg/ウェルのLucSV40ベクター及び指示濃度のpH19−DTA(ダイアモンド)又はpH19−TNFα(三角形)を同時トランスフェクトした。対照として(100%ルシフェラーゼ活性)、細胞系それぞれにLucSV40ベクターのみをトランスフェクトした。トランスフェクション実験は48時間後に停止させ、レポーター遺伝子活性を評価した。同時トランスフェクトした細胞でのLucSV40活性の低下を、LucSV40ベクターのみをトランスフェクトした細胞のルシフェラーゼ活性と比較した。pH19−DTAベクターをトランスフェクトした細胞のルシフェラーゼ活性の著しい低下に注目されたい。 Hep3B細胞系におけるpH19−DTA又はpH19−TNFα発現ベクターの死滅潜在能力を、ルシフェラーゼ活性の低下として描いているグラフである。細胞に、2μg/ウェルのLucSV40ベクター及び指示濃度のpH19−DTA(ダイアモンド)又はpH19−TNFα(三角形)を同時トランスフェクトした。対照として(100%ルシフェラーゼ活性)、細胞系それぞれにLucSV40ベクターのみをトランスフェクトした。トランスフェクション実験は48時間後に停止させ、レポーター遺伝子活性を評価した。同時トランスフェクトした細胞でのLucSV40活性の低下を、LucSV40ベクターのみをトランスフェクトした細胞のルシフェラーゼ活性と比較した。pH19−DTAベクターをトランスフェクトした細胞のルシフェラーゼ活性の著しい低下に注目されたい。 TOV−122D細胞系におけるpH19−DTA又はpH19−TNFα発現ベクターの死滅潜在能力を、ルシフェラーゼ活性の低下として描いているグラフである。細胞に、2μg/ウェルのLucSV40ベクター及び指示濃度のpH19−DTA(ダイアモンド)又はpH19−TNFα(三角形)を同時トランスフェクトした。対照として(100%ルシフェラーゼ活性)、細胞系それぞれにLucSV40ベクターのみをトランスフェクトした。トランスフェクション実験は48時間後に停止させ、レポーター遺伝子活性を評価した。同時トランスフェクトした細胞でのLucSV40活性の低下を、LucSV40ベクターのみをトランスフェクトした細胞のルシフェラーゼ活性と比較した。pH19−DTAベクターをトランスフェクトした細胞のルシフェラーゼ活性の著しい低下に注目されたい。 pH19−TNFα発現ベクターをトランスフェクトしたTOV−122D細胞におけるTNF特異的ELISAアッセイを描くヒストグラムである。TNFαの濃度[ピコグラム(pg)/ミリリットル(ml)で測定]は、TOV−122D細胞にトランスフェクトするのに使ったpH19−TNFαベクター(μg/ウェルで測定)の濃度の関数として示している。TOV−122D細胞のトランスフェクション後に発現されるTNFα分泌タンパク質の量が前記細胞にトランスフェクトするのに使ったpH19−TNFαベクターの量に比例して増加していることに注目されたい。 pH19−DTA及びpH19−TNFα発現ベクターのT24P細胞に対する相乗的細胞毒性効果を描くグラフである。pH19−DTA(青ダイアモンド)又はpH19−TNFα(ピンク四角形)ベクター単独の、又は、一定濃度のpH19−DTAと不定濃度のpH19−TNFαの併用(茶「X」)、若しくは一定濃度のpH19−TNFαと不定濃度のpH19−DTAの併用(緑三角形)の死滅潜在能力を、T24P細胞において、LucSV40活性の低下として測定した。細胞に、2μg/ウェルのLucSV40、0.05μg/ウェルのpH19−DTA又は0.25μg/ウェルのpH19−TNFα、及びそれぞれ指示濃度のpH19−TNFα又はpH19−DTAを同時トランスフェクトした。対照として(100%ルシフェラーゼ活性)、細胞にLucSV40ベクターのみをトランスフェクトした。トランスフェクション実験は48時間後に停止させ、レポーター遺伝子活性を評価した。pH19−DTAベクターを単独で、又はpH19−TNFαベクターと併用してトランスフェクトした細胞におけるルシフェラーゼ活性の著しい低下に注目されたい。 pH19−DTA(DTA、青ダイアモンド)、pH19−TNFα(TNF、ピンク四角形)又はpH19−TNF−IRES−DTA(TNF−DTA、緑三角形)ベクターの同時トランスフェクションに続く、卵巣(ES−2、TOV−122D、SK−OV3)、膵臓(L3.6PL、CRL2119、及びCRL2547)、膀胱(T−50、T24P)、並びに肝細胞癌(Hep3B)細胞系におけるルシフェラーゼ活性の低下を描くグラフである。ES−2細胞におけるpH19−DTAベクター、pH19−TNFαベクター又はpH19−TNF−IRES−DTAベクターの死滅潜在能力をLucSV40活性の低下として測定した。細胞には、2μg/ウェルのLucSV40及び指示濃度のpH19−DTA、pH19−TNFα、又はpH19−TNF−IRES−DTAベクターを同時トランスフェクトした。対照として(100%ルシフェラーゼ活性)、細胞系それぞれに、LucSV40のみをトランスフェクトした。トランスフェクション実験は48時間後に停止させ、レポーター遺伝子活性を評価した。同時トランスフェクトした細胞でのLucSV40活性の低下を、LucSV40トランスフェクトした細胞の活性と比較した。併用したベクターの強力な死滅効果を実証する、pH19−TNF−IRES−DTAベクターのトランスフェクションに続く試験した細胞系すべてにおけるルシフェラーゼ活性の著しい低下に注目されたい。 pH19−DTA(DTA、青ダイアモンド)、pH19−TNFα(TNF、ピンク四角形)又はpH19−TNF−IRES−DTA(TNF−DTA、緑三角形)ベクターの同時トランスフェクションに続く、卵巣(ES−2、TOV−122D、SK−OV3)、膵臓(L3.6PL、CRL2119、及びCRL2547)、膀胱(T−50、T24P)、並びに肝細胞癌(Hep3B)細胞系におけるルシフェラーゼ活性の低下を描くグラフである。TOV−122D細胞におけるpH19−DTAベクター、pH19−TNFαベクター又はpH19−TNF−IRES−DTAベクターの死滅潜在能力をLucSV40活性の低下として測定した。細胞には、2μg/ウェルのLucSV40及び指示濃度のpH19−DTA、pH19−TNFα、又はpH19−TNF−IRES−DTAベクターを同時トランスフェクトした。対照として(100%ルシフェラーゼ活性)、細胞系それぞれに、LucSV40のみをトランスフェクトした。トランスフェクション実験は48時間後に停止させ、レポーター遺伝子活性を評価した。同時トランスフェクトした細胞でのLucSV40活性の低下を、LucSV40トランスフェクトした細胞の活性と比較した。併用したベクターの強力な死滅効果を実証する、pH19−TNF−IRES−DTAベクターのトランスフェクションに続く試験した細胞系すべてにおけるルシフェラーゼ活性の著しい低下に注目されたい。 pH19−DTA(DTA、青ダイアモンド)、pH19−TNFα(TNF、ピンク四角形)又はpH19−TNF−IRES−DTA(TNF−DTA、緑三角形)ベクターの同時トランスフェクションに続く、卵巣(ES−2、TOV−122D、SK−OV3)、膵臓(L3.6PL、CRL2119、及びCRL2547)、膀胱(T−50、T24P)、並びに肝細胞癌(Hep3B)細胞系におけるルシフェラーゼ活性の低下を描くグラフである。SK−OV3細胞におけるpH19−DTAベクター、pH19−TNFαベクター又はpH19−TNF−IRES−DTAベクターの死滅潜在能力をLucSV40活性の低下として測定した。細胞には、2μg/ウェルのLucSV40及び指示濃度のpH19−DTA、pH19−TNFα、又はpH19−TNF−IRES−DTAベクターを同時トランスフェクトした。対照として(100%ルシフェラーゼ活性)、細胞系それぞれに、LucSV40のみをトランスフェクトした。トランスフェクション実験は48時間後に停止させ、レポーター遺伝子活性を評価した。同時トランスフェクトした細胞でのLucSV40活性の低下を、LucSV40トランスフェクトした細胞の活性と比較した。併用したベクターの強力な死滅効果を実証する、pH19−TNF−IRES−DTAベクターのトランスフェクションに続く試験した細胞系すべてにおけるルシフェラーゼ活性の著しい低下に注目されたい。 pH19−DTA(DTA、青ダイアモンド)、pH19−TNFα(TNF、ピンク四角形)又はpH19−TNF−IRES−DTA(TNF−DTA、緑三角形)ベクターの同時トランスフェクションに続く、卵巣(ES−2、TOV−122D、SK−OV3)、膵臓(L3.6PL、CRL2119、及びCRL2547)、膀胱(T−50、T24P)、並びに肝細胞癌(Hep3B)細胞系におけるルシフェラーゼ活性の低下を描くグラフである。L3.6PL細胞におけるpH19−DTAベクター、pH19−TNFαベクター又はpH19−TNF−IRES−DTAベクターの死滅潜在能力をLucSV40活性の低下として測定した。細胞には、2μg/ウェルのLucSV40及び指示濃度のpH19−DTA、pH19−TNFα、又はpH19−TNF−IRES−DTAベクターを同時トランスフェクトした。対照として(100%ルシフェラーゼ活性)、細胞系それぞれに、LucSV40のみをトランスフェクトした。トランスフェクション実験は48時間後に停止させ、レポーター遺伝子活性を評価した。同時トランスフェクトした細胞でのLucSV40活性の低下を、LucSV40トランスフェクトした細胞の活性と比較した。併用したベクターの強力な死滅効果を実証する、pH19−TNF−IRES−DTAベクターのトランスフェクションに続く試験した細胞系すべてにおけるルシフェラーゼ活性の著しい低下に注目されたい。 pH19−DTA(DTA、青ダイアモンド)、pH19−TNFα(TNF、ピンク四角形)又はpH19−TNF−IRES−DTA(TNF−DTA、緑三角形)ベクターの同時トランスフェクションに続く、卵巣(ES−2、TOV−122D、SK−OV3)、膵臓(L3.6PL、CRL2119、及びCRL2547)、膀胱(T−50、T24P)、並びに肝細胞癌(Hep3B)細胞系におけるルシフェラーゼ活性の低下を描くグラフである。CRL2119細胞におけるpH19−DTAベクター、pH19−TNFαベクター又はpH19−TNF−IRES−DTAベクターの死滅潜在能力をLucSV40活性の低下として測定した。細胞には、2μg/ウェルのLucSV40及び指示濃度のpH19−DTA、pH19−TNFα、又はpH19−TNF−IRES−DTAベクターを同時トランスフェクトした。対照として(100%ルシフェラーゼ活性)、細胞系それぞれに、LucSV40のみをトランスフェクトした。トランスフェクション実験は48時間後に停止させ、レポーター遺伝子活性を評価した。同時トランスフェクトした細胞でのLucSV40活性の低下を、LucSV40トランスフェクトした細胞の活性と比較した。併用したベクターの強力な死滅効果を実証する、pH19−TNF−IRES−DTAベクターのトランスフェクションに続く試験した細胞系すべてにおけるルシフェラーゼ活性の著しい低下に注目されたい。 pH19−DTA(DTA、青ダイアモンド)、pH19−TNFα(TNF、ピンク四角形)又はpH19−TNF−IRES−DTA(TNF−DTA、緑三角形)ベクターの同時トランスフェクションに続く、卵巣(ES−2、TOV−122D、SK−OV3)、膵臓(L3.6PL、CRL2119、及びCRL2547)、膀胱(T−50、T24P)、並びに肝細胞癌(Hep3B)細胞系におけるルシフェラーゼ活性の低下を描くグラフである。CRL2547細胞におけるpH19−DTAベクター、pH19−TNFαベクター又はpH19−TNF−IRES−DTAベクターの死滅潜在能力をLucSV40活性の低下として測定した。細胞には、2μg/ウェルのLucSV40及び指示濃度のpH19−DTA、pH19−TNFα、又はpH19−TNF−IRES−DTAベクターを同時トランスフェクトした。対照として(100%ルシフェラーゼ活性)、細胞系それぞれに、LucSV40のみをトランスフェクトした。トランスフェクション実験は48時間後に停止させ、レポーター遺伝子活性を評価した。同時トランスフェクトした細胞でのLucSV40活性の低下を、LucSV40トランスフェクトした細胞の活性と比較した。併用したベクターの強力な死滅効果を実証する、pH19−TNF−IRES−DTAベクターのトランスフェクションに続く試験した細胞系すべてにおけるルシフェラーゼ活性の著しい低下に注目されたい。 pH19−DTA(DTA、青ダイアモンド)、pH19−TNFα(TNF、ピンク四角形)又はpH19−TNF−IRES−DTA(TNF−DTA、緑三角形)ベクターの同時トランスフェクションに続く、卵巣(ES−2、TOV−122D、SK−OV3)、膵臓(L3.6PL、CRL2119、及びCRL2547)、膀胱(T−50、T24P)、並びに肝細胞癌(Hep3B)細胞系におけるルシフェラーゼ活性の低下を描くグラフである。T−50細胞におけるpH19−DTAベクター、pH19−TNFαベクター又はpH19−TNF−IRES−DTAベクターの死滅潜在能力をLucSV40活性の低下として測定した。細胞には、2μg/ウェルのLucSV40及び指示濃度のpH19−DTA、pH19−TNFα、又はpH19−TNF−IRES−DTAベクターを同時トランスフェクトした。対照として(100%ルシフェラーゼ活性)、細胞系それぞれに、LucSV40のみをトランスフェクトした。トランスフェクション実験は48時間後に停止させ、レポーター遺伝子活性を評価した。同時トランスフェクトした細胞でのLucSV40活性の低下を、LucSV40トランスフェクトした細胞の活性と比較した。併用したベクターの強力な死滅効果を実証する、pH19−TNF−IRES−DTAベクターのトランスフェクションに続く試験した細胞系すべてにおけるルシフェラーゼ活性の著しい低下に注目されたい。 pH19−DTA(DTA、青ダイアモンド)、pH19−TNFα(TNF、ピンク四角形)又はpH19−TNF−IRES−DTA(TNF−DTA、緑三角形)ベクターの同時トランスフェクションに続く、卵巣(ES−2、TOV−122D、SK−OV3)、膵臓(L3.6PL、CRL2119、及びCRL2547)、膀胱(T−50、T24P)、並びに肝細胞癌(Hep3B)細胞系におけるルシフェラーゼ活性の低下を描くグラフである。T24P細胞におけるpH19−DTAベクター、pH19−TNFαベクター又はpH19−TNF−IRES−DTAベクターの死滅潜在能力をLucSV40活性の低下として測定した。細胞には、2μg/ウェルのLucSV40及び指示濃度のpH19−DTA、pH19−TNFα、又はpH19−TNF−IRES−DTAベクターを同時トランスフェクトした。対照として(100%ルシフェラーゼ活性)、細胞系それぞれに、LucSV40のみをトランスフェクトした。トランスフェクション実験は48時間後に停止させ、レポーター遺伝子活性を評価した。同時トランスフェクトした細胞でのLucSV40活性の低下を、LucSV40トランスフェクトした細胞の活性と比較した。併用したベクターの強力な死滅効果を実証する、pH19−TNF−IRES−DTAベクターのトランスフェクションに続く試験した細胞系すべてにおけるルシフェラーゼ活性の著しい低下に注目されたい。 pH19−DTA(DTA、青ダイアモンド)、pH19−TNFα(TNF、ピンク四角形)又はpH19−TNF−IRES−DTA(TNF−DTA、緑三角形)ベクターの同時トランスフェクションに続く、卵巣(ES−2、TOV−122D、SK−OV3)、膵臓(L3.6PL、CRL2119、及びCRL2547)、膀胱(T−50、T24P)、並びに肝細胞癌(Hep3B)細胞系におけるルシフェラーゼ活性の低下を描くグラフである。HEP3B細胞におけるpH19−DTAベクター、pH19−TNFαベクター又はpH19−TNF−IRES−DTAベクターの死滅潜在能力をLucSV40活性の低下として測定した。細胞には、2μg/ウェルのLucSV40及び指示濃度のpH19−DTA、pH19−TNFα、又はpH19−TNF−IRES−DTAベクターを同時トランスフェクトした。対照として(100%ルシフェラーゼ活性)、細胞系それぞれに、LucSV40のみをトランスフェクトした。トランスフェクション実験は48時間後に停止させ、レポーター遺伝子活性を評価した。同時トランスフェクトした細胞でのLucSV40活性の低下を、LucSV40トランスフェクトした細胞の活性と比較した。併用したベクターの強力な死滅効果を実証する、pH19−TNF−IRES−DTAベクターのトランスフェクションに続く試験した細胞系すべてにおけるルシフェラーゼ活性の著しい低下に注目されたい。 pH19−TNFα若しくはpH19−TNF−IRES−DTAプラスミドをトランスフェクトしたSK−OV3細胞から、又は培養培地でTNFαタンパク質の存在の下で増殖したSK−OV3細胞から単離したRNAのTNFα転写物のレベルを描くRT−PCR分析の図である。プライマー5’−GCCATTGGCCAGGGC−3’(配列番号14)及び5’−CGCCACCACGCTCTTCT−3’(配列番号15)を使ったTNFα RT−PCR分析。レーン1−1.5μg/mlの制御プラスミドluc1をトランスフェクトした細胞;レーン2−0.02μg/ウェルのpH19−TNFαプラスミドをトランスフェクトした細胞;レーン3−培養培地において10ng/mlのTNFαタンパク質の存在の下で増殖した細胞;レーン4−0.02μg/ウェルのpH19−TNF−IRES−DTAプラスミドをトランスフェクトした細胞;レーン5−培養培地において100ng/mlのTNFαタンパク質の存在の下で増殖した細胞;レーン6−未処置細胞;及び、レーン7−RT−PCR反応のための負の対照(すなわち、RNAなし)。TNFα及びGADP内部標準PCR産物の位置はマークされている(黒矢印)。“M”−100−bp分子量マーカー。 pH19−TNFα若しくはpH19−TNF−IRES−DTAプラスミドをトランスフェクトしたSK−OV3細胞から、又は培養培地でTNFαタンパク質の存在の下で増殖したSK−OV3細胞から単離したRNAのTNFα転写物のレベルを描くRT−PCR分析の図である。プライマー5’−GGCTCTCCAGAACATCATCCCTGC−3’(配列番号16)及び5’−GGGTGTCGCTGTTGAAGTCAGAGG−3’(配列番号17)を使ったGADP RT−PCR分析。レーン1−1.5μg/mlの制御プラスミドluc1をトランスフェクトした細胞;レーン2−0.02μg/ウェルのpH19−TNFαプラスミドをトランスフェクトした細胞;レーン3−培養培地において10ng/mlのTNFαタンパク質の存在の下で増殖した細胞;レーン4−0.02μg/ウェルのpH19−TNF−IRES−DTAプラスミドをトランスフェクトした細胞;レーン5−培養培地において100ng/mlのTNFαタンパク質の存在の下で増殖した細胞;レーン6−未処置細胞;及び、レーン7−RT−PCR反応のための負の対照(すなわち、RNAなし)。TNFα及びGADP内部標準PCR産物の位置はマークされている(黒矢印)。“M”−100−bp分子量マーカー。 ヌードマウスにおける皮下卵巣腫瘍の増殖に対するpH19−DTA、pH19−TNFα又はpH19−TNF−IRES−DTAベクターの直接腫瘍内投与の効果を描くヒストグラムである。マウスは、2日間の間隔のうちに25μgのpH19−TNF−IRES−DTA(TNF−DTA−Kan)、pH19−TNFα(TNF−Kan)、pH19−DTA(DTA−Kan)又はPEIと複合したpH19−Luc(LUC−Kan)の注射を4回受けた。最後の処置の1日後、動物は屠殺した。腫瘍寸法はプラスミドでの処置に先立って屠殺後にin situで測定した。pH19−TNF−IRES−DTA、pH19−TNFα、pH19−DTA及びpH19−Lucベクターによる処置に続く腫瘍サイズの平均倍増(「平均倍増」は開始平均容積間に対する最終平均容積の比を表す)。 ヌードマウスにおける皮下卵巣腫瘍の増殖に対するpH19−DTA、pH19−TNFα又はpH19−TNF−IRES−DTAベクターの直接腫瘍内投与の効果を描くヒストグラムである。マウスは、2日間の間隔のうちに25μgのpH19−TNF−IRES−DTA(TNF−DTA−Kan)、pH19−TNFα(TNF−Kan)、pH19−DTA(DTA−Kan)又はPEIと複合したpH19−Luc(LUC−Kan)の注射を4回受けた。最後の処置の1日後、動物は屠殺した。腫瘍寸法はプラスミドでの処置に先立って屠殺後にin situで測定した。pH19−TNF−IRES−DTA、pH19−TNFα、pH19−DTA及びpH19−Luc処置腫瘍の腫瘍増殖プログレッション(TPG)[TPG=(Vf/Vi×100)−100],Vi=開始容積及びVf=最終容積。

Claims (22)

  1. (i)TNFαをコードする第1の核酸配列、
    (ii)ジフテリア毒素をコードする第2の核酸配列、及び
    (iii)癌特異的プロモーターを含む少なくとも1個の追加の核酸配列
    を含み、前記TNFαをコードする配列及びジフテリア毒素をコードする配列が前記癌特異的プロモーターの発現制御の下にある核酸構築物。
  2. 前記第1の核酸配列及び前記第2の核酸配列が、リンカー核酸配列を介して転写的に連結されている請求項1に記載の核酸構築物。
  3. 前記リンカー核酸配列が、IRESを含む又はプロテアーゼ切断認識部位をコードしている請求項2に記載の核酸構築物。
  4. 前記TNFαが分泌型TNFαである請求項1に記載の核酸構築物。
  5. 前記TNFαが非分泌型TNFαである請求項1に記載の核酸構築物。
  6. 前記癌特異的プロモーターが、IGF−1、IGF−2 P3及びIGF−2 P4からなる群から選択される請求項1に記載の核酸構築物。
  7. 前記少なくとも1個の追加の核酸配列が、それぞれ独立して癌特異的プロモーターを含む2個の核酸配列を含み、一方で前記TNFαをコードする配列が1個の癌特異的プロモーターの前記発現制御の下にあり、前記ジフテリア毒素をコードする配列がもう1個の癌特異的プロモーターの発現制御の下にある請求項1に記載の核酸構築物。
  8. 前記2個の癌特異的プロモーターが同一である請求項7に記載の核酸構築物。
  9. (a)(i)TNFαをコードする第1の核酸配列、
    (ii)第1の癌特異的プロモーター配列を含む第2の核酸配列
    を含み、前記TNFαをコードする配列が前記第1の癌特異的プロモーター配列の発現制御の下にある第1の核酸構築物、
    (b)(i)ジフテリア毒素をコードする第3の核酸配列、
    (ii)第2の癌特異的プロモーター配列を含む第4の核酸配列
    を含み、前記ジフテリア毒素をコードする配列が前記第2の癌特異的プロモーター配列の発現制御の下にある第2の核酸構築物
    を含む核酸構築物システム。
  10. 前記第1及び第2の癌特異的プロモーター配列がそれぞれ、IGF−1、IGF−2 P3及びIGF−2 P4からなる群から選択される請求項9に記載の核酸構築物システム。
  11. 前記第1及び第2の癌特異的プロモーター配列が同一である請求項9に記載の核酸構築物システム。
  12. 前記第1及び第2の癌特異的プロモーター配列が異なる請求項9に記載の核酸構築物システム。
  13. その必要のある対象の癌を治療する方法であって、対象の癌細胞に請求項1から7までに記載の核酸構築物のうちのいずれかの治療有効量を投与し、それにより対象の癌を治療することを含む方法。
  14. 対象の癌を治療する方法であって、その必要のある対象の癌細胞に請求項9から12までに記載の核酸構築物システムのうちのいずれかの治療有効量を投与し、それにより対象の癌を治療することを含む方法。
  15. 前記癌細胞がTNF−α又はジフテリア毒素に抵抗性である請求項13又は14に記載の方法。
  16. 前記対象を化学療法又は放射線療法で治療することをさらに含む請求項13又は14に記載の方法。
  17. 活性成分として請求項1から7までに記載の核酸構築物のいずれか、及び薬剤的に許容可能な担体又は希釈剤を含む薬剤組成物。
  18. 活性成分として請求項9から12までに記載の核酸構築物システムのいずれか、及び薬剤的に許容可能な担体又は希釈剤を含む薬剤組成物。
  19. トランスフェクション剤をさらに含む請求項17又は18に記載の薬剤組成物。
  20. 癌治療のために同定された薬物を製造するための請求項1から7までに記載の核酸構築物のいずれかの使用。
  21. 癌治療のために同定された薬物を製造するための請求項9から12までに記載の核酸構築物システムのいずれかの使用。
  22. 前記薬物が抗癌剤をさらに含む請求項20又は21に記載の使用。
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