JP2009508043A

JP2009508043A - 空気力学的に改良されたコンプレッサホイールのポケット形体を有する軸受けハウジングを備えたターボチャージャ

Info

Publication number: JP2009508043A
Application number: JP2008530094A
Authority: JP
Inventors: フレイザー，ブロック; ラインケ，アダム; ナロン，ニール
Original assignee: ボーグワーナー・インコーポレーテッド
Priority date: 2005-09-09
Filing date: 2006-08-29
Publication date: 2009-02-26
Also published as: WO2007032906A1; EP1922489A1; US20070059188A1; KR20080042069A

Abstract

空気力学的に改良されたポケット（５２）を備えたターボチャージャユニット（１０）であって、タービンハウジング（２４）並びに軸（２０）に結合されるタービンホイール（２６）を有するタービン（１４）と、コンプレッサハウジング（１６）並びに同じ軸（２０）に装着されるコンプレッサホイール（１８）を有するコンプレッサ（１２）とを含むターボチャージャユニット（１０）。タービンハウジング（２４）およびコンプレッサハウジング（１６）の間には軸（２０）を取り囲む中間ハウジング（２８）が配置され、この中間ハウジング（２８）がコンプレッサホイールのポケット（５０）を有する。中間ハウジング（２８）内には、軸（２０）を支持する一連の軸受け（３０）が配置される。中間ハウジング（２８）内には、また、軸受け（３０）の潤滑流体を供給する一連の流体流路（３３）も設けられる。オイルがコンプレッサホイールのポケット（５０）に流入するのを防止するためにシール（４２）が用いられる。コンプレッサホイールのポケット（５０）は、コンプレッサホイール（１８）背後の圧力バランスを改善するための空気力学的に改良されたポケット（５２）を有しており、中間ハウジング（２８）内のオイルがコンプレッサハウジング（１６）に流入するのを防止する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、その全明細書が参照によって本出願に明示的に組み込まれる、２００５年９月９日に出願された米国特許仮出願第６０／７１６，０１６号明細書の利益を主張する、２００５年１０月３日に出願された米国特許出願第１１／２４２，３４４号明細書の利益を主張する。

本発明は、ターボチャージャと、コンプレッサのオイルシールを横断する不十分な圧力バランスに起因するオイルの漏洩の防止とに関する。

ターボチャージャは、エンジンの出力密度を増大させるために普通よく用いられる装置である。ターボチャージャはタービンおよびコンプレッサから構成される。タービンはタービンハウジングおよびタービンホイールを有し、コンプレッサはコンプレッサハウジングおよびコンプレッサホイールを有する。コンプレッサホイールおよびタービンホイールの両者は共通の軸に装着される。タービンハウジングとコンプレッサハウジングとの間には中間ハウジングが配置され、タービンハウジングおよびコンプレッサハウジングの両者がこれに結合される。中間ハウジングはコンプレッサホイールのポケットを有し、コンプレッサホイールは、一部はこのコンプレッサホイールのポケット内に納まり、一部はコンプレッサハウジング内に収納される。

タービンホイールは、排気マニホールドを経由してタービンハウジングに流入するエンジンからの排気ガスの流れによって回転する。タービンホイールが回転すると、コンプレッサホイールが同様に回転する。コンプレッサホイールが回転すると、新鮮空気を圧縮して、それをエンジンの吸気マニホールドに強制的に送り込む。空気がコンプレッサハウジングを通って流れる場合、特定の運転条件の下では、コンプレッサホイールは高速度で回転するが、過給圧は低い。これは、車両のエンジンが高いアイドル回転速度で運転している時に生起することがあり、コンプレッサホイールの中間ハウジング側に圧力のアンバランスを生じさせる場合がある。この圧力のアンバランスは、コンプレッサホイールと中間ハウジングとの間の領域に生じる。

中間ハウジングは軸を支持する１組の軸受けをも含む。タービンホイールおよびコンプレッサホイールは、共に、この軸受け内で回転する軸に装着される。軸受けは潤滑され、中間ハウジングは、オイルがコンプレッサハウジング内に漏洩するのを防止するためのラビリンスシールをも備えている。

前記の圧力のアンバランスは、ラビリンスシールとそれが保有するオイルとに対する圧力の欠如をもたらし、これによって、オイルがコンプレッサホイールのポケット内およびコンプレッサハウジング内に漏出する結果に至ることがある。コンプレッサホイールおよびコンプレッサハウジングへのオイルの漏出は、汚染と、エンジンに至る吸気成分に関わる問題とを引き起こす可能性がある。

このため、本発明は、コンプレッサホイールと中間ハウジングとの間の圧力のアンバランスの防止を目指す。本発明は、空気力学的に改良されたポケットを備えたターボチャージャユニットであって、タービンハウジング並びに軸に結合されるタービンホイールを有するタービンと、コンプレッサハウジング並びに同じ軸に装着されるコンプレッサホイールを有するコンプレッサとを含むターボチャージャユニットである。タービンハウジングおよびコンプレッサハウジングの間には軸を取り囲む中間ハウジングが配置され、この中間ハウジングがコンプレッサホイールのポケットを有する。中間ハウジング内には、軸を支持する一連の軸受けが配置される。中間ハウジング内には、また、軸受けの潤滑流体を供給する一連の流体流路も設けられる。オイルがコンプレッサホイールのポケットに流入するのを防止するためにシールが用いられる。コンプレッサホイールのポケットは、コンプレッサホイール背後の圧力バランスを改善するための空気力学的に改良されたポケットを有しており、中間ハウジング内のオイルがコンプレッサハウジングに流入するのを防止する。

第１の実施態様においては、空気力学的に改良されたポケットが、丸められた凹部から構成されるスプーンのエッジであり、この凹部は、前記コンプレッサホイールのポケットの端部における鋭いエッジの下に位置している。

第２の実施態様においては、空気力学的に改良されたポケットが、前記コンプレッサホイールのポケットのエッジにおいて鋭角から構成されるナイフ状のエッジである。

本発明のさらなる適用分野は以下に述べる詳細な説明から明らかになるであろう。以下の詳細説明および特定の実施例は、本発明の好ましい実施態様を示しているが、例示目的用としてのみ考えられており、本発明の範囲を制限する意図は全く有していないことが理解されるべきである。

本発明は、以下の詳細説明および添付の図面からさらに完全に理解されるであろう。

好ましい実施態様に関する以下の説明は、本質的に単なる例示目的用のものであり、本発明、その適用および用途を制限する意図は全く有していない。

図１〜３を参照すると、第１実施態様を組み込んだターボチャージャユニットが、符号１０として一般的に示されている。ターボチャージャユニット１０はコンプレッサ１２およびタービン１４から構成される。コンプレッサ１２は、コンプレッサハウジング１６と、軸２０上に保持ナット２２によって保持されるコンプレッサホイール１８とから構成される。タービン１４は、タービンハウジング２４と、軸２２に溶接されるタービンホイール２６とから構成される。その中間において、中間ハウジング２８が、タービンハウジング２４およびコンプレッサハウジング１６に連結される。中間ハウジング２８の内部には、１組の軸受け３０および１つのスラスト軸受け３２が配置される。軸受け３０およびスラスト軸受け３２は一連の流体流路３３からオイルを受け入れる。一連の流体流路３３は、オイル供給流路３４と、主オイル流路３６と、第１傾斜流路３８と、第２傾斜流路４０とから構成される。オイル供給流路３４は、オイルを主オイル流路３６に送り込み、主オイル流路３６は、オイルを、直接スラスト軸受け３２と、第１傾斜流路３８と、第２傾斜流路４０とに供給する。第１傾斜流路３８および第２傾斜流路４０はオイルを軸受け３０に供給する。オイルがコンプレッサホイール１８と接触しないようにするために、図１にラビリンスシール４２として示されるシールと、オイル遮蔽４４とが用いられる。

ここで、本発明の異なる実施態様を説明する。通常の運転の間、車両のエンジンからの排気ガスはタービン１４を通って流れ、タービンホイール２６を高速度で回転する。タービンホイール２６が高速度で回転すると、軸２０およびコンプレッサホイール１８が、タービンホイール２６と同じ速度で回転する。コンプレッサホイール１８は、コンプレッサハウジング１６内の空気を圧縮し、圧縮された空気をエンジンの吸気マニホールド（図示なし）に強制的に送り込む。軸受け３０は、第１傾斜流路３８および第２傾斜流路４０から流入するオイルによって潤滑される。

鋭いエッジ４８が、中間ハウジング２８内に配置されるコンプレッサホイールのポケット５０の一部として図示されている。第１実施態様においては、このコンプレッサホイールのポケット５０は、スプーン形状の凹部５４を有する空気力学的に改良されたポケット５２として示されている。スプーン形状の凹部５４は、中間ハウジング２８内に鋭いエッジ４８を含んでおり、丸いスプーンの形状に凹陥して丸められた凹部５６を形成する。スプーン形状の凹部５４は、ターボチャージャ１０が、高オイル流量の条件、例えば高いエンジン速度でエンジン負荷が低い運転条件で作動する場合に、コンプレッサホイール１８によって惹起される圧力のアンバランスを低減する。スプーン形状の凹部５４は、中間ハウジング２８の寸法と、コンプレッサホイール１８の寸法と、コンプレッサ１２を通過する空気流れの容積とによる多様な範囲の圧力のアンバランスを補償するために、種々の半径から構成することができる。

本発明の第２の実施態様を図４に示す。この実施態様においては、中間ハウジング２８における空気力学的に改良されたポケット５２が、ナイフ形状の凹部５８の形態であり、この凹部５８は、中間ハウジング２８のスプーン形状の凹部５４の場合と同じ鋭いエッジ４８によって画成される。但し、この場合、この凹部５８は、角度６２で角度が付けられた凹部６０を形成するように、ハウジング内に凹陥している。図４に示すナイフ形状の凹部５８は、ターボチャージャ１０が、高オイル流量の条件、例えば高いエンジン速度でエンジン負荷が低い運転条件で作動する場合に、コンプレッサホイール１８によって惹起される圧力のアンバランスを低減する。ナイフ形状の凹部５８は、中間ハウジング２８の寸法と、コンプレッサホイール１８の寸法と、コンプレッサ１２を通過する空気流れの容積とによる多様な範囲の圧力のアンバランスを補償するために、種々の角度から構成することができる。

スプーン形状の凹部５４およびナイフ形状の凹部５８は、共に、中間ハウジング２８内に鋭いエッジ４８を画成することに注目するべきである。鋭いエッジ４８の直径は、上記の両実施態様において同一である。

中間ハウジング２８とコンプレッサホイール１８との間の不利な圧力バランスを減少させると、ターボチャージャ１０が負荷されない間、高速度で回転するコンプレッサホイール１８が生成するあらゆる吸引力を除去することによって、オイルを中間ハウジング２８の内部に保持するラビリンスシール４２の能力が増大する。

本発明に関する以上の説明は、本質的に単なる例示目的用のものであり、従って、本発明の要点から逸脱しない変形態は本発明の範囲内であることが意図されている。このような変形態は、本発明の本質および範囲から逸脱するものと見做されるべきではない。

本発明の第１実施態様による、空気力学的に改良されたポケットを有するターボチャージャユニットの断面図である。本発明の第１実施態様による、空気力学的に改良されたポケットを有する中間ハウジングの一部分を切り出した拡大断面図である。本発明の第１実施態様による、空気力学的に改良されたポケットを有する中間ハウジングの一部分をさらに拡大した断面図である。本発明の第２実施態様による、空気力学的に改良されたポケットを有する中間ハウジングの一部分を切り出した拡大断面図である。

Claims

タービンハウジング並びに軸に結合されるタービンホイールを有するタービンと、
コンプレッサハウジング並びに前記軸に装着されるコンプレッサホイールを有するコンプレッサと、
前記タービンハウジングおよび前記コンプレッサハウジングの間に配置されて前記軸を取り囲む中間ハウジングであり、コンプレッサホイールのポケットを有する中間ハウジングであって、前記コンプレッサホイールが少なくとも部分的に前記コンプレッサホイールのポケットの中に延びている中間ハウジングと、
前記軸を支持するための、前記中間ハウジング内に配置される１つ以上の軸受けと、
オイルによる前記軸受けの潤滑を可能にするための、前記中間ハウジング内に配置される１つ以上の流体流路と、
前記オイルが前記コンプレッサハウジングに流入するのを防止するためのシールと、
前記コンプレッサホイール周りの空気圧力のアンバランスを防止し、かつ、前記オイルが前記シールの周りに漏洩して前記コンプレッサハウジングに流入するのを防止するための、前記コンプレッサホイールのポケット内の空気力学的に改良されたポケットと、
を含むターボチャージャ。
前記空気力学的に改良されたポケットがスプーン形状の凹部である、請求項１に記載のターボチャージャ。
前記スプーン形状の凹部が、鋭いエッジと前記コンプレッサホイールのポケットの端部における丸められた凹部とから構成される、請求項２に記載のターボチャージャ。
前記空気力学的に改良されたポケットがナイフ形状の凹部である、請求項１に記載のターボチャージャ。
前記ナイフ形状の凹部が、前記コンプレッサホイールのポケットのエッジにおいて角度が付けられた凹部を有する鋭いエッジから構成される、請求項４に記載のターボチャージャ。
前記シールがラビリンスシールである、請求項１に記載のターボチャージャ。
タービンホイールおよびタービンハウジングを有するタービンであって、前記タービンホイールは、前記タービンハウジング内に配置されかつ軸に装着されるタービンと、
コンプレッサホイールおよびコンプレッサハウジングを有するコンプレッサであって、前記コンプレッサホイールは、前記軸に装着されかつ前記コンプレッサハウジング内に配置されるコンプレッサと、
前記タービンハウジングおよび前記コンプレッサハウジングの間に位置する中間ハウジングと、
鋭いエッジを有するコンプレッサホイールのポケットであって、前記コンプレッサホイールの一部分を受け入れる前記中間ハウジングと運転上関連付けられるコンプレッサホイールのポケットと、
前記コンプレッサホイールの周りの空気の流れを均衡させるための、前記コンプレッサホイールのポケット内の空気力学的に改良されたポケットと、
を含むターボチャージャ。
前記中間ハウジングが、前記軸を支持する１つ以上の軸受けをさらに含む、請求項７に記載のターボチャージャ。
前記中間ハウジングが、前記１つ以上の軸受けの潤滑用オイルを供給するための前記中間ハウジング内に配置される１つ以上の流体流路をさらに含む、請求項７に記載のターボチャージャ。
前記中間ハウジングが、オイルが前記コンプレッサハウジングに流入するのを防止するための前記一連の流体流路と運転上関連付けられるシールをさらに含む、請求項７に記載のターボチャージャ。
前記シールがラビリンスシールである、請求項１０に記載のターボチャージャ。
前記空気力学的に改良されたポケットがスプーン形状の凹部であり、前記スプーン形状の凹部は、丸められた凹部と、前記コンプレッサホイールに近接して前記コンプレッサホイールのポケットに配置される前記鋭いエッジとを有する、請求項７に記載のターボチャージャ。
前記空気力学的に改良されたポケットが、前記鋭いエッジおよび角度が付けられた凹部から構成されるナイフ形状の凹部であり、前記鋭いエッジおよび前記角度が付けられた凹部は前記コンプレッサホイールに近接して配置される、請求項７に記載のターボチャージャ。
ターボチャージャユニットにおいてコンプレッサハウジングを通過する空気流れを均衡させる方法であって、
タービンホイールおよびタービンハウジングを有するタービンであって、前記タービンホイールは、軸に装着されかつ前記タービンハウジングによって囲繞されるタービンを設け、
コンプレッサホイールおよびコンプレッサハウジングを有するコンプレッサであって、前記コンプレッサホイールは、前記軸に装着されかつ前記コンプレッサハウジングによって囲繞されるコンプレッサを設け、
前記タービンハウジングおよび前記コンプレッサハウジングの間に配置されかつその両者に結合される中間ハウジング、並びに、前記中間ハウジングに配備されるコンプレッサホイールのポケットを設け、
鋭いエッジを有する空気力学的に改良されたポケットであって、前記コンプレッサホイールのポケットの内部に配置される空気力学的に改良されたポケットを設け、
前記空気力学的に改良されたポケットによって前記鋭いエッジ周りの乱流空気流れの量を低減すること、並びに、前記コンプレッサホイールの少なくとも一部分を前記空気力学的に改良されたポケット内に配置することによって、前記コンプレッサホイールの周りの空気流れを均衡させる、
ことを含む方法。
前記軸を支持する少なくとも１つの軸受けを前記中間ハウジング内にさらに設ける、請求項１４に記載の方法。
１つ以上の流体流路を前記中間ハウジング内にさらに設ける、請求項１４に記載の方法。
前記少なくとも１つの軸受けを、前記１つ以上の流体流路を通過して流れるオイルで潤滑するステップをさらに含む、請求項１４に記載の方法。
前記中間ハウジングの内部に配置されるシールを設けることによって、前記オイルが前記コンプレッサハウジングに流入するのを防止するステップをさらに含む、請求項１７に記載の方法。
前記空気力学的に改良されたポケットを用いて前記コンプレッサホイール周りの空気流れを均衡させることによって、オイルが前記シールの周りに漏洩するのを防止するステップをさらに設ける、請求項１８に記載の方法。
スプーン形状の凹部から構成された前記空気力学的に改良されたポケットをさらに設ける、請求項１４に記載の方法。
前記鋭いエッジと、前記コンプレッサホイールのポケットの内部に配置される、丸められた凹部とから構成された前記スプーン形状の凹部をさらに設ける、請求項２０に記載の方法。
ナイフ形状の凹部から構成された前記空気力学的に改良されたポケットをさらに設ける、請求項１４に記載の方法。
前記鋭いエッジと、前記コンプレッサホイールのポケットの内部に配置される角度が付けられた凹部とから構成された前記ナイフ形状の凹部をさらに設ける、請求項２２に記載の方法。