JP2009507243A - 感染症を診断する方法 - Google Patents

感染症を診断する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009507243A
JP2009507243A JP2008530117A JP2008530117A JP2009507243A JP 2009507243 A JP2009507243 A JP 2009507243A JP 2008530117 A JP2008530117 A JP 2008530117A JP 2008530117 A JP2008530117 A JP 2008530117A JP 2009507243 A JP2009507243 A JP 2009507243A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organism
antigen
surface antigen
test
map
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008530117A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009507243A5 (ja
Inventor
スピア、シー.、エー.
栄俊 江田
Original Assignee
ユニバーシティ オブ テネシー リサーチ ファンデーション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ユニバーシティ オブ テネシー リサーチ ファンデーション filed Critical ユニバーシティ オブ テネシー リサーチ ファンデーション
Publication of JP2009507243A publication Critical patent/JP2009507243A/ja
Publication of JP2009507243A5 publication Critical patent/JP2009507243A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/569Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for microorganisms, e.g. protozoa, bacteria, viruses
    • G01N33/56911Bacteria
    • G01N33/5695Mycobacteria
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/68Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving proteins, peptides or amino acids
    • G01N33/6854Immunoglobulins

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Tropical Medicine & Parasitology (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

【解決手段】 抗原は、当該生物を崩壊させることなく且つ当該生物の内部抗原を放出させることなく、微生物等の生物の表面から除去され、これを前記生物からの前記抗原の「穏やかな除去」と呼ぶ。前記生物の遊離の表面抗原は、動物から得られた試料中における、前記遊離の表面抗原に結合する抗体の存在を決定することによって、前記生物に起因する動物の感染の存在を決定するために使用されることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、微生物等の生物に起因する感染を診断する分野に関する。
感染因子が症状の原因であると疑われる場合に患者が経験する症状の原因を診断する際に最も重要な観点は、おそらく、病因学的に当該症状の原因となる特定の生物の正体を定めることである。更に、微生物等の生物に感染している人々および動物(その生物に関連する疾患の徴候又は症状を呈していない人々及び動物を含む)を同定する方法の重大な必要性が存在する。
古典的に、特定の感染性微生物による感染の存在は、患者の身体からその生物を単離し、適切な培地上で当該生物を培養し、生化学的試験、免疫学的試験、又は他の試験に基づいて当該培養生物を同定することによって立証していた。この方法にはいくつかの不利な点がある。培養および同定による診断は、多くの場合、増殖速度の遅い生物を培養するときに相当な期間を必要とする。例えば、トリ結核菌亜種パラ結核菌(Mycobacterium avium subsp.paratuberculosis)(ウシのヨーネ病およびヒトのクローン病の原因となる生物)の標準的な培養および同定の方法には、この生物の増殖速度が非常に遅いため、8〜16週間又はそれ以上を要する可能性がある。培養し同定する診断方法の他の不利な点は、患者の疾患を引き起こしている特定の生物が標準的な培地で成長しない可能性があり、陰性培養に終わり、そして診断を失敗することである。更に、このような方法は患者からの感染性微生物の単離を必要とするため、この患者から当該生物を取り除けない場合、又は当該生物がこの患者の身体中の手の届かない場所に位置する場合に、これらの方法は時として不適当である。
近年、分子生物学的および免疫学的な方法が感染症の診断のために開発されている。これらの方法は一般に、ゲノム核酸の検出、タンパク質の検出、及び病原体に対する抗体の検出、の3つのカテゴリに分類される。
ゲノム核酸の同定による診断は、一般的に、ポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction:PCR)によるDNAの増幅後の生成PCR断片の同定、又は特に疑わしい原因生物のゲノムの一部と特異的に結合するプローブを用いること、の一方又は両方によって実行される。これらの方法は、特に併用する場合、原因生物の診断を確立する非常に感度が高く且つ特異的な方法である。これらの方法に関連するいくつかの不利な点がある。これらの方法は、高価であり、実行するために洗練された技術的専門知識を必要とし、また、診断のために十分な微生物を得るのに一般的に数日かかる。ゲノム核酸の検出による診断と関連する他の顕著に不利である点は、そのゲノム核酸を得るために生物を単離しなければならないことである。
タンパク質の同定による診断は、一般的に、酵素結合免疫吸着検定法(enzyme−linked immunosorbent assay:ELISA)によって実行される。この試験において、微生物(一般的に、崩壊された微生物又は微生物の一部)由来の抗原は、固体担体に結合され、試験試料(一般的に血清)中において目的の抗原に特異的な一次抗体と反応する。その後、試験用血清中において抗体と結合する標識化二次抗体は、前記固体担体複合体にさらされ、前記抗原の存在を同定するための手段が提供される。しかし、ELISA試験にはいくつかの不利な点があり、感度が低いこと、及び抗原の検出のために2つの異なる抗体を準備する必要があること、が挙げられる。ELISA試験には熟練した検査技師が必要であり、試料に交差反応性抗体が含まれる場合、間違った結果を提供する可能性がある。
現在利用可能な診断法では不適切な感染症の例として、トリ結核菌亜種パラ結核菌(Mycobacterium avium subsp.paratuberculosis:MAP)によって生じるウシの疾患であるヨーネ病が挙げられる。ヨーネ病はミルク生産を減少させ、感染牛の早期処分によって、米国の農産業に年間約15億ドルの損失をもたらしている。MAPがヒトのクローン病の原因生物でもあるという多数の証拠が存在する。米国経済及びヒトの健康へのこの重大な衝撃にもかかわらず、MAPによる初期感染を測定するための有効な診断試験がない。
現時点では、糞便培養がMAP感染を診断する最も正確な手段であると見られている。しかし、この診断試験は、感度が低く(50%未満)、且つそれらの糞便にMAPを活発的に放出している動物の感染しか発見することができない。更に、培養によるMAPの診断は、一般的に、その生物の成長のために8〜16週間を必要とする。
ヨーネ病のための他の診断試験には、PCR、補体結合反応、寒天ゲル免疫拡散法、及びELISAが含まれる。これらの試験(それぞれはMAPの分子抽出物を利用する)は、MAPへの特異性又は感度が本質的に低く、上記のような方法に示される不利な点を有する。
迅速に実行されることができ、非常に感度が高く、非常に特異的であり、且つ洗練された実習経験のない個人によって実行することができる、微生物等の生物による感染を検出する診断方法の重大な必要性が存在する。特に、MAPによって生じる疾患を診断するために有用であるこのような診断方法の重大な必要性が存在する。
特異性および感度等の増加からも明らかなように、特定の生物に起因する動物の感染の存在を決定する試験抗原として、微生物等の生物由来の多くの遊離の表面抗原を利用することによって、感染症診断の精度を増加し得ることが予想外にも発見されている。
本明細書において、用語「遊離の表面抗原」は、通常、微生物等の生物の表面で発見されるが、当該生物の表面から除去されている抗原を指す。
本発明は、マイコバクテリウム感染などに例示される主に細菌感染などの微生物感染に関して、特にトリ結核菌(Mycobacterium avium)に関して、そして最も特に、ウシのヨーネ病、並びにヒトのクローン病の原因生物であるトリ結核菌亜種パラ結核菌(Mycobacterium avium subsp.paratuberculosis:MAP)に関して、本明細書において詳述するものである。この生物は、ウシ及びヒトの病状の原因として立証するのが非常に困難な生物であると証明されており、従って、本発明の方法の有効性、特異性、及び感度を確立するために重要な試験を提示する。しかし、MAPは単に図示している実施例にすぎず、以下で特定されるように、本発明の方法は任意の生物に起因する感染にも適用できることが理解される。
一実施形態において、本発明は、微生物等の生物由来の遊離の表面抗原を得る方法である。本発明の本実施形態によれば、生物は化学抽出剤を含む流体の懸濁液中に維持され、前記生物の表面からの抗原は前記生物から除去され、且つ前記流体中の懸濁液又は溶液に入れられ、そして前記流体中の前記遊離の表面抗原は前記遊離の表面抗原以外の前記生物の部分から分離されているものである。
好ましくは、本発明の本実施例によれば、前記生物の完全性は、表面抗原が前記生物の表面から取り除かれる過程の間に破壊されることはない。即ち、前記生物から取り除かれる唯一の抗原が、前記生物の表面に通常存在するものであり、且つ前記生物が、その表面から抗原が失われたこと以外では完全なままであることが好ましい。
本発明によれば、微生物等の生物は液体中に懸濁され、そこで表面抗原が当該生物から取り除かれる。前記生物が固体培地で成長する場合、前記生物の1若しくはそれ以上のコロニーは、抽出剤を含む懸濁流体中に設置されても良い。前記生物が液体培地において成長又は維持される場合、例えば、前記生物を含むペレットを産生し、当該ペレット化された生物を、抽出剤を含む懸濁液中に再懸濁する遠心分離によって当該培地から前記生物を取り除くことが好ましい。前記生物由来の表面抗原の除去の後に、例えば、その上澄みを有する遠心分離によって、又は濾液流体を有する濾過によって、遊離の表面抗原は単離される。
本発明の方法に適した抽出剤は、生物の表面から抗原を取り除くために用いることができる化合物である。極性のある抗原(例えば炭水化物、ポリペプチド、及び極性脂質)は、アルコール類及びアルデヒド等の抽出剤によって抽出され得る。無極性抗原(例えば大部分の脂質)は、アセトン、クロロホルム、及びヘキサン等の抽出剤によって抽出され得る。必要に応じて、抽出剤の混合物(例えば極性抗原用および無極性抗原用の抽出剤の混合物)を使用することができる。このような混合物の例は、クロロホルム及びメタノールである。
前記表面抗原は、このような除去を実現することができる任意の方法によって、前記生物の表面から除去され得る。例えば、前記生物を機械的に処理することによって除去しても良い。機械的処理方法の例としては、超音波処理、ボルテックス処理、又は加圧型細胞破壊装置(フレンチプレス)及びRibiプレスが挙げられる。
前記生物を化学的に処理することによって表面抗原を取り除くことができる。微生物の表面から抗原を取り除くために用いることができる化学的薬剤の例としては、フェノール、メタノール、クロロホルム、イソプロピルアルコール、エタノール、第三級ブチノール、エーテル、TWEEN(商標)20又はTWEEN(商標)80のような洗浄剤、ドデシル硫酸ナトリウム、及び酸又はアルカリ処理が挙げられる。
好ましくは、前記表面抗原は、前記生物を機械的に処理することによって、また最も好ましくは、前記生物の抽出剤による処理と組み合わせて前記生物を機械的に処理することによって取り除かれる。機械的な方法については、生物自体の完全性を崩壊させることなく前記生物の表面から抗原が取り除かれるように、調整することができる。化学的薬剤のみを用いることにより、前記生物を傷つけずに表面抗原を除去することが可能であるにもかかわらず、前記生物の完全性を崩壊させることなく(即ち、通常、前記生物の内部に位置し、前記生物の表面に露出しない生物抗原から離すことなく)、これを達成することはより困難であると考えられる。
生物を崩壊させることなく、且つ生物から内部抗原を取り除くことなく、前記生物の表面から抗原を除去することは、本明細書において、表面抗原の「穏やかな除去」と呼ぶ。このような穏やかな除去は、本発明の本実施形態の方法の本質的な要素であると考えられる。
本発明の生物は、当該生物自体を崩壊させることなく当該生物から取り除くことが可能な、その表面上の1若しくはそれ以上の抗原を有する任意の感染性生物でもあっても良い。本発明に適した微生物の例としては、細菌、菌類、原生動物、リケッチア、及びクラミジアが挙げられる。本発明に適した生物は、多細胞性内部寄生虫(一般的に蠕虫)であっても良い。多くのウイルスは宿主生物に由来する表面抗原を産生するため、本発明の方法はウイルスに適用できないと考えられ、従って、ウイルスは本発明の範囲から特に除外される。
本発明の方法によって表面抗原を得ることができる特定の微生物の例は、これに限定されるものではないが、カンピロバクター、放線菌、ストレプトコッカス、ブドウ球菌、サルモネラ、クラミジア、リステリア、ボレリア菌、パスツレラ菌、エルシニア、ブルセラ菌、レプトスピラ、リステリア、赤痢菌、マイコバクテリア、ヘモフィルス属、ボルダテラ(Bordatella)、レジオネラ菌、大腸菌、アクチノバチルス、クロストリジウム、ヘリコバクター属、アイメリア属、トキソプラズマ、サクロシスティス(Sacrocystis)、ネオスポラ(Neospora)、クリプトスポリジウム、シクロスポラ属、トリパノゾーマ、プラスモディウム、バベシア属、タイレリア、エントアメーバ属、アカントアメーバ(Acanthomoeba)、ネグレリア属、及びカンジダが挙げられる。
本発明の方法によって表面抗原を得ることができる蠕虫の例は、これに限定されるものではないが、オステルタジア属、毛様線虫属、捻転胃虫属、クーペリア属、ネマトディルス(Nematodirus)、腸結節虫属、イヌ糸状虫属、カイチュウ属、トキサカラ(Toxacara)、ベンチュウ属、鉤虫属(Necator)、鉤虫属(Ancylostoma)、ギョウチュウ、住血吸虫類、及び様々な吸虫類が挙げられる。
生物から表面抗原を得るための本発明の方法の好ましい実施形態によれば、微生物等の生物を、抽出剤(例えばメタノールを含む若しくは含まないホルムアルデヒド、又はエタノール)を含む流体に懸濁し、その後、表面抗原を当該生物から穏やかに除去するのに十分な強さ且つ時間で、例えば超音波処理又はボルテックスにかけることによって当該懸濁液を撹拌する。超音波処理は、好ましくは、例えば約1/2秒〜10秒未満、好ましくは5秒未満、及び最も好ましくは約2秒までの間の短い爆発として、又はボルテックス回転によって適用される。ボルテックス回転に関しては、超音波処理より強力ではないため、当該生物の完全性を破壊する危険性がなく、処理時間をより長く費やすことができる。このように、表面抗原の穏やかな除去のために、最大数分若しくはそれ以上の1〜2秒にわたるボルテックス処理時間を費やしても良い。穏やかな除去に続いて、例えば上澄みを保持した遠心分離によって、又は粒子状物質を取り除くための液体濾液を保持したろ過によって、遊離の表面抗原を前記流体から取り除く。
本発明に従って生物から表面抗原が穏やかに除去されたと決定するための試験は、上述の表面抗原を取り除く過程によって得られる生成物の反応性の程度に基づいて行うことができる。具体的には、目的の生物の1若しくはそれ以上の表面抗原に対する抗体を含むことが知られている標準試料の結合度を決定することによって、生物の機械的または化学的処理の量が充分であるか又は多すぎるかどうかを決定することができる。このようにして、診断において使用される表面抗原を得るために、当業者が生物の処理を最適化することができる曲線が得られる。
生物から表面抗原を取り除くための生物の最適な処理によって、結果的に、遊離の表面抗原と接触した流体に存在する抗体が最大限に結合することになる。表面抗原が当該生物から全く除去されない程度に生物が処理される場合、その処理の生成物を、当該生物に対する抗体を含むことが分かっている試験流体に接触させると、最小限に結合するか、または全く結合しない。表面抗原が当該生物から取り除かれるが、最適ではない程度に生物が処理される場合、試験流体中の抗体に対する表面抗原の結合度が減少することが観察される。一方、表面抗原が取り除かれる程度に生物が処理されるが、当該生物を破壊するためにこのような処理を続ける場合、内部微生物抗原の放出を導き、試験流体における遊離の表面抗原への抗体の結合度も最適にはならない。好ましくは、当該生物由来の遊離の表面抗原を有する試験流体における抗体の結合度の最適量を提供する処理の量を示すグラフィックデータを得るために、超音波処理又はボルテックス処理の時間を増加させる等によってこのような試験を実行しても良い。
他の実施形態において、本発明は、微生物等の生物によって生じる動物の感染症を診断する方法である。本発明の診断方法は、特定の感染性生物の表面に存在する又は存在していた1若しくはそれ以上の特異抗体結合部位への、動物から得られる流体における1若しくはそれ以上の抗体の結合に基づいている。この方法によれば、試験試料(好ましくは流体試料)を、生物に感染していることが疑われる動物から得る。前記試験試料は、前記生物の表面抗原上の抗体結合部位に結合する当該試験試料中の抗体が、当該抗体結合部位と結合することができるのに十分な時間、生物から遊離の表面抗原を得るための本発明の上述の方法によって得られる遊離の表面抗原等の、前記生物の遊離の表面抗原にさらされる。前記試験試料が前記遊離の表面抗原と結合する抗体を含むかどうかがその後決定される。例えば抗体/表面抗原接合体の存在を測定することによって、試験試料中の抗体が前記生物の遊離の表面抗原と結合することが判明した場合、前記生物への感染に関して、その試験は陽性である。
1つの好ましい実施形態において、前記試験試料は、異なる微生物等の多数の異なる生物の遊離の表面抗原にさらされる。このようにして、本発明の方法を、数多くの生物に起因する感染のスクリーニングテストとして用いても良い。この種のスクリーニングテストは、特に、特定の疾患が流行していることが知られる領域からそのような疾患が見られない領域への動物の輸送等の状況において、出荷用の動物の感染症の存在を評価するのに特に有用である。この試験が感染について陽性である場合には、その後、被験対象が感染している特定の生物を決定するために更なる試験を実行しても良い。
本発明の方法は、微生物感染の診断のために現在利用される方法とは区別されるものであり、そのような方法からは得ることのできないいくつかの利点を提供する。例えば、本発明の方法は、迅速に実行されることができる。本発明の方法の分野において、数日間又は数週間を必要とする培養方法とは対照的に、陽性又は陰性の試験結果を一般的に約2時間以内に迅速に得ることができる。本発明の方法は極めて感度が高く、現在利用できる方法より感度が高い。培養方法とは異なり、本発明の方法は、感染動物から生物を単離する必要がなく、又はインビトロで生物を培養する必要がない。感染力のある病原体が宿主動物において検出できない、又は宿主動物から単離できないときにさえ、本発明の方法は、明確な診断を提供するために用いることができる。更に、本発明の方法は、他の現在利用可能な診断方法によって得られる特異性よりも高い特異性を有する。
核酸またはタンパク質同定等に基づく診断の最近の手法とは異なり、本発明の方法は、感染動物における特定の生物に特有のいかなる特異的な高分子の存在の測定には基づいていない。また、ELISA試験等の抗体結合に基づく現在利用できる試験とは異なり、本発明の方法は、宿主動物に存在する生物の抽出物又は生物の一部と結合するかどうかを測定するために、外部の抗体を提示するものではない。むしろ、本発明の方法は、宿主動物の身体から単離される試験試料に存在する1若しくはそれ以上の抗体が特定の生物から得た抗原に結合するかどうかを決定することに基づいており、その抗原は前記試験試料に接触されるものである。
微生物を崩壊させることによって得られる結合抗体と動物由来の流体(例えば血清)とを接触させ、これにより、表層および内部微生物抗原が放出される現在利用可能なELISA試験と比較すると、本発明の診断方法は、特定の生物に起因した感染のより正確な診断を提供する。このような診断方法の正確さの増大は、例えば、感度および特異性の測定に基づくかもしれない。
このように、本発明の方法は、現在の診断方法によってこれまでには得ることができなかったいくつかの更なる利点を提供する。本発明の方法は、迅速に実行され得る。本発明の方法の分野において、一般的に約2時間以内に、陽性又は陰性の試験結果を迅速に得ることができる。本発明の方法は極めて感度が高く、現在利用できる方法より感度が高い。微生物病原体が宿主動物において検出不能であるか、又は宿主動物から単離できないときにさえ、本発明の方法は明確な診断を提供するために用いることができる。更に、本発明の方法は、他の現在利用可能な診断方法によって得られる特異性よりも高い特異性を有する。
本発明の方法は、動物の感染症の診断に有用である。このような動物には、例えば、ヒト及び非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、クマ、及びイタチ等の肉食性動物、有蹄動物、反芻動物、並びにウマ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、及びブタのような非反芻動物、ラクダ及びラマ等の非有蹄動物、アザラシ、オットセイ、及びアシカ等のアシカ亜目、ウサギ及び野ウサギ等のウサギ目、リス、ネズミ、及びマウス等の齧歯目、クジラ、イルカ、及びネズミイルカ等のクジラ目、及びゾウ等の長鼻目等の哺乳類が含まれる。このような動物には、例えば、鳥類、爬虫類、両生類、及び魚類などの哺乳類ではない脊椎動物も含まれる。
本発明の方法による動物から得られる適切な試験試料は、当該動物が生物に感染される場合に、疑わしい原因生物と特異的に結合する抗体が存在する可能性のあるいかなる流体または組織でもあっても良い。一般的に、前記試験試料は、血漿または好ましくは血清等の血液またはその一部である。しかし、他の試料源でも本発明に従って利用され得ると考えられる。試験試料のこのような原料の選択は、主として、感染動物の症状及び徴候、並びにそのような症状又は徴候の疑わしい原因次第で異なる。このように、前記試験試料は、唾液、ミルク、膿、涙及び他の眼性分泌物、鼻汁、痰、脳脊髄液、腹水または胸膜液、尿、排泄物、及び膣分泌物、子宮分泌物、又は尿道分泌物並びに放出物等の流体から得ることができる。流体には、浸出液又は濾出液等の病理過程の一部として、又は皮膚、胸膜腔若しくは腹膜腔、口腔などから、又は消化器系、呼吸器系、生殖系などから生産されるものも含まれても良い。試験試料は、特定の疾患の診断に適している場合には固体組織試料でもあって良い。
前記試験試料は、このような試料を得るのに適したどんな方法によっても得ることができる。このように、前記試験試料は、静脈穿刺などによる、又は上述のような他の原料からの流体採取による、又は生検による脈管穿刺を含むシリンジによる流体採取などの方法によって得ることができる。
本発明の方法によって診断される生物は、微生物等の任意の生物であっても良く、このような生物によって感染した動物内において反応し、且つ生物表面抗原が当該生物の崩壊とそれに伴う内部抗原、非表面抗原の放出とがなく取り出され得る抗体を誘発することができる。このように、本発明の方法によって診断され得る感染力のある微生物には、細菌、菌類、原生動物、リケッチア、及びクラミジアが含まれる。本発明の方法によって診断され得る感染性多細胞生物には、蠕虫が含まれる。
試験試料は、当該試験試料に含まれる抗体が遊離の表面抗原と相互作用できるようにする任意の方法で、微生物等の生物の遊離の表面抗原、好ましくは、生物から穏やかに取り除かれた遊離の表面抗原に曝され得る。このように、好ましい実施形態において、前記試験試料および前記遊離の表面抗原は、試験管又はウェル等の容器中で一体にされ、当該試験管又はウェルを撹拌、振動、又は軽くたたくことによって混合される。前記試験試料および前記遊離の表面抗原は、例えばスライド、フィルター、又は膜(例えばニトロセルロース膜)上の表面で共に反応されることもできる。
本発明の方法によれば、前記試験試料は、遊離の表面抗原(例えば超音波処理によって生物から穏やかに除去されたもの等)の集団にさらされ、好ましくはその生物が抽出剤を含む流体の懸濁液中に存在する間に実行される。このような遊離の表面抗原は、好ましくは、試験試料中の抗体に提示される多数の抗原性の結合部位を含む。予想外にも、生物の表面から抗原を除去するが、内部抗原を放出させるために当該生物を崩壊させないレベルで、例えば超音波処理又はボルテックスを行うことによって、このような遊離の表面抗原(生物から穏やかに除去することによって得られたもの等)が、試験試料中の抗体と結合する結合部位の最適な有用性を提供することが発見された。
必要に応じて、表面抗原の穏やかな除去の前に、例えば化学固定液に前記生物を曝すことによって、選択的に、前記生物を死滅させても良い。前記化学固定液は抽出剤として機能しても良い。1の好ましい化学固定液は、ホルムアルデヒドであり、それは例えばMAP生物を死滅させるために用いるときに、前記生物に感染した動物由来の血清中の抗体と結合するMAPの表面抗体結合部位の能力を維持するものである。ホルムアルデヒドの好ましい濃度は約1%〜10%v/vであり、最も好ましい濃度は約2%である。本発明の方法において使用される、感染生物を死滅させるために用いることができる他の化学固定液には、アセトン、グリセルアルデヒド、グルタルアルデヒド、及びパラホルムアルデヒド等の非凝固剤固定液、並びに、より好ましくはないがエタノール及び塩化第二水銀等の凝固剤固定液が含まれる。
遊離の表面抗原の集団への前記試験試料の暴露の後に、前記試験試料からの抗体が前記抗原と結合したかどうかを決定する。このような決定は、一般的に前記試験試料および遊離の表面抗原からの抗体の接合体の検出によって行われる。抗原と結合している抗体の存在を検出するのに適した任意の方法が本発明の方法に適している。
1の好ましい実施形態において、抗体−遊離の表面抗原の結合は、フローサイトメトリで測定される。このようなフローサイトメトリでの測定は、血清試料を含む懸濁液と、好ましくはガラスビーズ又はプラスチックビーズ等の流体内で表面と結合している遊離の表面抗原の集団とを混合することによって得られる試料の分析によって実行され得る。標識化した抗−抗体、一般的に、フルオレセイン標識化抗−抗体は、このような結合を測定する際に有用である可能性がある。
他の好ましい実施形態において、抗体−遊離の表面抗原の結合は、ドットブロットまたはウエスタンブロット分析等のブロット分析で測定される。このようなドットブロット測定は、血清試料を含む懸濁液と、ビオチンまたはコロイド金などによって標識化された抗−抗体を有する遊離の表面抗原の集団とを混合する工程と、この混合物を膜(ニトロセルロースまたはポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene fluoride:PVDF)膜)上にスポットする工程と、この膜上で固定された、標識化された遊離の表面抗原−抗体接合体を測定する工程とによって実行され得る。以下に詳述するように、このような方法による感染症の診断は、正確であり、感度が高く、且つ特異的である。ドットブロット分析等の方法による感染の測定は、診断が目視検査によってなされることを可能とし、従って、このような方法は、検査手技に関して技術的に高度に訓練されていない個人でも実行することができる。
抗体−遊離の表面抗原の結合の測定の他の手段は、遊離の表面抗原が1若しくはそれ以上のウェルの表面に固定されることによるELISAのような方法であり、試験試料中の抗体の結合の程度は光学密度の測定によって決定される。他の手段は、例えば、女性の妊娠を測定するのに共通して用いられる尿検査によるものである。遊離の表面抗原は、1片の紙またはニトロセルロース等の試験表面に固定され、抗原が流体に固定される前記表面を浸漬することによって、試料流体中で抗体と接触されてもたらされる。尿検査において、一般的に、前記試験表面上の可視的な色の変化によって結合が測定されるように、比色分析標識が利用される。
他の実施形態において、本発明は、微生物等の生物の遊離の表面抗原が付着した個体表面を準備する方法である。前記固体表面は、遊離の表面抗原と結合する抗体の試験試料中における存在を決定するために用いられても良く、これにより、前記生物に起因する動物の感染症を診断するために用いられることができる。
本発明の本実施形態によれば、生物の遊離の表面抗原は、上述のように穏やかな除去によって当該生物から得られる。このようにして、前記生物から収集される抗原は、実質的に、それまでに前記抗原の表面で見つかったものだけであり、前記生物の内部抗原は、まったく、実質的にまったく集められることはない。必要に応じて、多数の生物の穏やかな除去によって得られた遊離の表面抗原を利用することができる。
遊離の表面抗原は、固体表面に固定される。必要に応じて、前記抗原の前記表面への付着を強めるためにコーティング緩衝剤を用いることができる。
前記固体表面は、ガラスまたはプラスチック等の不浸透性の表面であっても良く、例えば、ウェルプレート、スライド、シャーレ、又はビーズにおいて利用される。或いは、前記固体表面は、紙またはニトロセルロース等の浸透性表面であっても良い。
他の実施形態において、本発明は、微生物等の生物の遊離の表面抗原が付着した固体表面である。好ましくは、多数の異なる遊離の表面抗原が前記固体表面に付着する。好ましくは、前記固体表面には、前記生物の表面抗原以外の抗原がない。最も好ましい実施形態において、前記表面に固定される生物の遊離の表面抗原は、上述のように穏やかな除去によって得られる。
必要に応じて、多数の異なる微生物等の生物からの多数の異なる遊離の表面抗原が前記固体表面に付着する。このように、前記固体表面は、多数の生物に起因する感染の存在をスクリーニングするために利用されることができる。
本発明は、以下の非限定的な実施例において更に図示される。実施例は、マイコバクテリア、特にトリ結核菌(Mycobacterium avium)、および最も具体的には、以下MAPと記載するトリ結核菌亜種パラ結核症(Mycobacterium avium subsp.paratuberculosis)(別名パラ結核菌)の試料を利用する。この細菌は、ウシにおけるヨーネ病及びヒトにおけるクローン病に罹患した個体を含むMAP感染は、感染した被験対象から得られる試料には多くの場合その生物が存在しないため、従来の方法によって診断するのが困難である、という理由から本発明を図示する例として選択された。
このように、感染は、表面抗原と共に内部抗原を得るという結果とともに、当該微生物を崩壊することなく表面抗原を得ることができる任意の微生物にも適用できる一般的な過程であるので、MAPによる感染の検出は本発明の広い適用性を図示する困難な試験である。
固定化遊離の表面抗原の準備
トリ結核菌亜種パラ結核症(Mycobacterium avium subsp.paratuberculosis:MAP、リンダ株)の固定化された遊離の表面抗原を以下のように準備した。2200×gの遠心分離によって900μlの細菌培養物からこの細菌を6ミリグラム収集した。300μlの、蒸留水、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトニトリル、アセトン、クロロホルム、塩化メチレン、エーテル、及びヘキサンから選択される抽出剤とこの細菌とを混合した。その後、この混合物を1分間ボルテックスにかけて再懸濁し、遠心分離してペレットを形成し、そして、50μlの上澄みをプラスチックの96穴プレートの各ウェルに添加した。そのプレートを室温で乾燥させ、材料(遊離の表面抗原)をウェル表面に付着させた。
遊離の表面抗原の様々な溶媒への結合
実施例1に記載したように、準備したウェルを100μlの緩衝液A(20%Superblock(Pierce Biotechnology,Inc.,米国イリノイ州Rockford)と0.05%Tween80とを含むリン酸緩衝生理食塩水(phosphate buffered saline:PBS))によって洗浄し、ヨーネ病を有している、若しくは有していないとわかっているウシ由来の1:50の希釈血清で室温で1時間培養した。0.5%Tween20を含む100μlのPBSで4時間洗浄した後に、そのウェルを、ビオチン化抗ウシIgGポリクローナル抗体(緩衝液Aの1:500希釈、Jackson ImmunoResearch Laboratories,Inc.,米国ペンシルベニア州West Grove)で1時間室温で培養した。0.5%Tween20を含む100μlのPBSで4時間洗浄した後に、そのウェルを、西洋ワサビペルオキシダーゼと接合したストレプトアビジン(緩衝液Aの1:1000希釈)で室温で1時間培養した。0.5%Tween20を含む100μlのPBSで4時間洗浄した後に、結合抗体を、415nmに定められたマイクロプレートリーダ(Bio−Rad Laboratories,米国カリフォルニア州Hercules)での光学密度によって定量化した。結果を図1にグラフで示した。
図1に示すように、任意の抽出剤を利用する本発明の方法によって、血清試料中のMAP特異抗体の存在を検出することができ、その抗体の結合はMAP陰性血清試料よりもMAP陽性血清試料においてのほうが顕著に高かった。この結果は、各抽出剤がMAP生物からの遊離の表面抗原を抽出することができたことを立証している。図1に示すように、アルコール類(メタノール、エタノール、及びプロパノール)がMAP特異性抗原を最も多く抽出した。
様々なエタノール濃度での異なる結合
MAP及びトリ結核菌亜種(Mycobacterium avium subsp. avium:MAA)の遊離の表面抗原を、前記抽出剤として様々なエタノール濃度を用いて、実施例1で説明したように準備した。ヨーネ病を有することが分かっている動物からの血清中の抗体の結合を、MAA又はMAPのいずれかの遊離の表面抗原を用いて、各々の様々な濃度で、実施例2で説明したように測定した。結果を図2に示した。
図2に示すように、MAA又はMAPのいずれかの抽出物を用いてヨーネ病陽性血清に接触させる場合、40%以下のエタノール濃度で抽出された抗原を含むウェルは、同様の抗体結合の濃度を示した。50%及びそれより高いエタノール濃度において、MAA抽出物と比較したMAP抽出物での抗体結合の増強を観測した。MAP抽出物とMAA抽出物との間の抗体結合の最も顕著な相違を、60%より高いエタノール濃度で、特に60%と70%との間のエタノール濃度で観測した。
特異性
MAPに感染していることがわかっているウシとMAPに感染していないことがわかっているウシとからの血清試料を、それぞれ70%エタノール濃度を使用して得たMAAおよびMAP抽出物を用いた上述の実施例のように分析した。結果を図3にグラフで示した。
図3に示すように、本発明の方法は当該試料中のMAP感染を正しく識別し、MAAの抽出物が試験抗原として用いられる場合に本発明の方法が結合を示さなかったように、偽陽性診断を示すことはなかった。この研究は、本発明の方法の高い特異性を立証し、この方法は、同じ細菌種の亜種であると現在分類されているMAPとMAAとの間でさえ、非常に密接に関連した生物を区別することができる。
固定された遊離の表面抗原の準備
500μgのMAPを、室温で20分間、10%メタノールを含む様々な濃度のホルムアルデヒド溶液に懸濁した。その懸濁液を2秒間超音波処理し、2200×gで遠心分離し、そして、上澄みを実施例1の抗原として使用した。50μlの上澄みをプラスチックの96穴プレートの各ウェルに添加した。そのプレートを室温で乾燥させ、材料(遊離の表面抗原)をウェル表面に付着させた。
様々なホルムアルデヒド濃度で抽出される遊離の表面抗原への結合
実施例5に記載したように、準備したウェルを100μlの緩衝液A(20%Superblock(Pierce Biotechnology,Inc.,米国イリノイ州Rockford)と0.05%Tween80とを含むリン酸緩衝生理食塩水(phosphate buffered saline:PBS))によって洗浄し、ヨーネ病を有している、若しくは有していないとわかっているウシ由来の1:50の希釈血清で室温で1時間培養した。0.5%Tween20を含む100μlのPBSで4時間洗浄した後に、そのウェルを、ビオチン化抗ウシIgGポリクローナル抗体(緩衝液Aの1:500希釈、Jackson ImmunoResearch Laboratories,Inc.,米国ペンシルベニア州West Grove)で1時間室温で培養した。0.5%Tween20を含む100μlのPBSで4時間洗浄した後に、そのウェルを、西洋ワサビペルオキシダーゼと接合したストレプトアビジン(緩衝液Aの1:1000希釈)で室温で1時間培養した。0.5%Tween20を含む100μlのPBSで4時間洗浄した後に、結合抗体を、415nmに定められたマイクロプレートリーダ(Bio−Rad Laboratories,米国カリフォルニア州Hercules)での光学密度によって定量化した。結果を図4にグラフで示した。
図4に示すように、ヨーネ病陽性血清に接触させた場合、様々なホルムアルデヒド濃度で抽出されたMAP抗原を含むウェルは同程度の抗体結合を示した。しかし、ホルムアルデヒド濃度が増加するにつれて、ヨーネ病陰性牛からの血清の抗体結合の程度は減少した。図4のデータは、前記抽出剤として、最大37%ホルムアルデヒド濃度までの高濃度のホルムアルデヒドを利用する場合に、MAP感染の診断用の高いレベルの特異性が得られることを示す。
様々な超音波処理時間で抽出された遊離の表面抗原への結合
抽出剤として10%メタノールと共に37%ホルムアルデヒドを使用して、様々な超音波処理時間で実施例6で説明したようにウェルを準備した。結果を図5にグラフで示した。
図5に示すように、実質的に、どんなに多くの超音波処理でもMAP感染動物からの抗体の結合を検出するのに十分であり、このことは、この1つの測定に基づいて、本発明の診断能力の感度は、超音波処理の時間に応じて変化するようには見えないことを示す。対照的に、超音波処理の時間を増加させるとMAP未感染の動物からの血清で見られる抗体結合の増加をもたらし、これは、超音波処理時間の増加に応じて、診断方法の特異性が減少することを示している。超音波処理時間の増加に伴う本発明の方法の特異性の減少は、MAPに特異的ではない抗原の中の、MAPの内部抗原の放出に起因すると考えられる。
特異性及び感度
遊離の表面抗原をMAP生物から抽出し、実施例5及び6で説明したようにウェル上に固定した。10%メタノールと共に濃度37%のホルムアルデヒドを抽出剤として用いて、約2秒間一気に超音波処理をおこなった。
ウシの2つの集団を試験し、本発明の方法の感度および特異性を測定した。35頭のヨーネ病陰性牛と23頭のヨーネ病陽性牛とからの血清試料を試験した。以下の公式を使用して、陽性の診断を決定するカットオフ値として0.3のS/P値を規定した。S/P値=(SNC)/S、ここで、Sは対照試料の光学密度(415nmの吸光度)であり、NCは陰性牛由来の血清を用いて得られた光学密度であり、PCは陽性牛由来の血清を用いて得られた光学密度である。結果を図6に示した。
図6に示すように、35頭の陰性牛のすべてが本発明の診断方法によって試験された結果、陰性であり、S/P値0.3での試験の100%の特異性を提供する。23頭の陽性牛のうち、22頭は本発明の診断方法によって陽性とされ、このS/P値での試験の95.6%の感度を提供する。図6では更に、低いS/P値(例えば、商業的なヨーネ病ELISA試験において使用される25%)を用いる場合、本発明の試験の感度は100%で測定されることを示すが、特異性は94.3%に低下する。この結果は、本発明の診断方法によって得ることのできる特異性および感度の極めて高い組み合せを明らかに示している。
血液以外の体液の診断
遊離の表面抗原をMAP生物から取得し、実施例8で説明したようにウェルに固定した。20頭のウシからの血清試料およびミルク試料(その一部はMAP陽性であり、一部はMAP陰性である)を本発明に従って試験した。結果を図7に示した。
図7に示すように、20頭のウシのうちの12頭は、血清の診断試験によってMAP感染陽性と試験された。12頭の血清陽性牛では、ミルクの診断試験によって全頭が陽性反応を示した。加えて、20頭のウシのうちの8頭は、血清の診断試験によってMAP陰性と示された。これらの8頭の血清陰性牛のうちの7頭は、ミルクの診断試験によって陰性であった。1頭のウシのみが血清試験とミルク試験との間で相違を示し、そのウシは血清試験では陰性を示し、ミルク試験をしたときには不明確な陽性試験だけを有した。
比較試験
105頭のウシを、(1)MAPの糞便培養試験の結果と、(2)ヨーネ病の症状の進展との2つの基準に基づいて3つのグループに分類した。第Iグループには30頭のウシが含まれ、それらは糞便培養試験によりMAP陰性と診断され、ヨーネ病の徴候を示さなかった。このグループの陰性の状態を確認するために、従来のELISA試験と、陰性結果のガンマインターフェロンの試験とによって、各々のウシについてMAP感染の試験をした。第IIグループには52頭のウシが含まれ、これらは糞便培養および従来のELISAによって陰性であったが、ヨーネ病の徴候を表していた。このように、これらのウシでは、前記糞便培養および従来のELISAの結果は偽陰性の試験結果であった。第IIIグループには23頭のウシが含まれ、これらはMAP存在のための糞便培養によって陽性反応を示した。糞便培養に関して陰性であると決定する前には、糞便培養は各々のウシに対して数回(通常4回)実施した。例えば、23頭の第IIIグループのウシの中の9頭は、少なくとも1回の陰性の糞便培養試験を示したが、少なくとも1回以外の他の試験では陽性反応を示した。105頭のウシの各々から血清試料を取得し、MAPに対する抗体の存在を見つけるために、それらを2つの方法で試験した。その血清を、試料と無傷MAP生物の集団とを混合し、フローサイトメトリによって抗体/MAP結合を検出することによって試験した。この方法はEda(2004年4月27日付けで出願された米国特許出願番号第10/832,761号)において開示されており、また、微生物感染を診断する際に、従来のELISA試験よりも、より感度が高く且つ特異的な方法であることを示している。0.23若しくはそれ以上のS/P値は、前記フローサイトメトリ方法により陽性試験であると決定された。その血清を、上述の実施例で説明したような本発明の方法によって試験した。37%ホルムアルデヒド及び10%メタノールのMAP懸濁液の短い一瞬の超音波処理による穏やかな除去によって、MAPの遊離の表面抗原を得た。0.35若しくはそれ以上のS/P値は、この方法によって陽性試験であると決定された。試験の結果を以下の表1に示した。
Figure 2009507243
表1に示すように、30頭の第Iグループのウシ(糞便培養によって100%陰性と示されたグループ)の中で、これらのうちの1つは、すでに提出された特許出願の「無傷MAP」試験によって陽性であると判明した。しかし、本発明のMAP表面抗原試験によって、無傷MAP試験によって陽性であると判明したものを含む3頭の第Iグループのウシは、MAPへの感染が陽性であると測定された。
表1によって、52頭の第IIグループのウシ(糞便培養および従来のELISA試験で偽陰性と示されたグループ)の中で、無傷MAP試験によって52頭のウシのうち37頭(71%)が陽性であると正確に診断されたことが更に示されている。これは、現在利用できる診断方法と比較して、無傷MAP試験によって達成できる診断の著しい改善を示す。しかし、本発明のMAP表面抗原試験は、さらに正確な診断を提供する。この試験によって、これらの52頭のウシのうちの50頭(96%)が陽性であると正確に診断された。これらの結果は、本発明の方法の極めて高い感度を立証し、その感度とは、それ自体が現在利用できる診断方法よりも高い感度を有する無傷MAP試験の感度よりも高い。
表1のデータは、23頭の第IIIグループのウシが糞便培養試験によって陽性と診断されたことを示す。これらのうち3頭(13%)は、無傷MAPによって陰性と試験され、1頭(4.3%)は、MAP表面抗原試験によって陰性と試験された。第1の評価によれば、このデータは、糞便培養試験がその他の2つの試験よりも感度が高いことを示唆している可能性がある。しかし、個々のウシの試験に関するデータが検査される場合、本発明の無傷MAP試験およびMAP表面抗原試験の両者の特異性が糞便培養試験の特異性よりも顕著に高いことは明らかである。
個々のウシの試験に関するデータ(表1に図示せず)を図8に示した。図8に、14頭の第IIIグループのウシで糞便培養試験を4回実施し、5頭の第IIIグループのウシで3回実施し、1頭の第IIIグループのウシで2回実施し、合計88回の糞便培養試験を行ったことを示す。これらの試験のうち21頭が陰性であった。従って、糞便培養試験の感度は76%(67/88)であると算出される。対照的に、無傷MAP試験の感度(20/23)は87%であり、本発明のMAP表面抗原試験の感度(22/23)は95.7%であった。このように、このデータは本発明の試験の高感度を立証している。
本願明細書に開示される本発明の更なる変更態様、用途、及び適用は、当業者にとって明らかである。このような変更態様が請求項に含まれることが意図される。
図1は、様々な溶媒による本発明によって抽出された遊離の表面抗原と結合する抗体を示す棒グラフである。示した溶媒は、1−蒸留水、2−メタノール、3−エタノール、4−プロパノール、5−アセトニトリル、6−アセトン、7−塩化メチレン、8−クロロホルム、9−エーテル、及び10−ヘキサンである。影つきのバーは、MAP感染のないことがわかっているウシからの血清を表す。黒のバーは、MAPに感染していることがわかっているウシからの血清を表す。白地のバーは、希釈緩衝液のみを含み、血清を含まない試料を表す。様々な試料を含むウェットウェル上で光学密度を測定した。 図2は、MAPに感染していることがわかっている動物からの血清中の抗体と結合させるために様々な濃度のエタノールを用いる処理により本発明によって得られたMAP及びMAAの抽出物の相対能力を示すグラフである。黒地の円は、MAPのエタノール抽出物を表す。白地の円は、MAAのエタノール抽出物を表す。 図3は、MAPに感染していることがわかっている動物と、MAPに感染していないことがわかっている動物とにおいて70%エタノールを使用して本発明によって得られたMAP及びMAAの抽出物と結合する抗体を比較する棒グラフである。黒地のバーはMAP感染牛を表す。白地のバーはMAP非感染牛を表す。感染牛及び非感染牛において、MAP抽出物と結合する抗体は、MAA抽出物より顕著に高かった。 図4は、抽出剤として様々な濃度のホルムアルデヒドを使用したときの、MAP陽性牛及びMAP陰性牛からの血清中における結合抗体に対する効果を示すグラフである。黒地の円は、MAP陽性動物からの血清を表す。白地の円は、MAP陰性動物からの血清を表す。白地の三角形は、希釈緩衝液および無血清を表す。 図5は、MAPから表面抗原を抽出する場合に異なる超音波処理時間を用いたときの、MAP陽性牛およびMAP陰性牛からの血清中における結合抗体に対する効果を示すグラフである。黒地の円は、MAP陽性動物からの血清を表す。白地の円は、MAP陰性動物からの血清を表す。白地の三角形は、希釈緩衝液および無血清を表す。 図6は、ヨーネ病陰性およびヨーネ病陽性のウシの2つの集団のMAP感染を検出する本発明の方法の能力を示すグラフである。S/P値0.3をカットオフ値として使用し、抗体がこの値以上のときに結合すると陽性であると診断し、この値以下のときに結合すると陰性であると診断した。カラム1の血清試料はヨーネ病陰性牛由来である。カラム2の血清試料はヨーネ病陽性牛由来である。 図7は、一部がMAPに感染し、その他がMAPに感染していない、個々のウシ由来のペアミルクおよびペア血清の試料から得られたS/P値のグラフである。血清に関してはS/P値0.25をカットオフ値として測定し、ミルクに関してはS/P値−0.6をカットオフ値として測定した。グラフにおいて、水平軸(X軸)のS/P値0.25以下であり、且つ垂直軸(Y軸)のS/P値−0.6より左にある反応(白地の円)は、陰性である。 図8は、MAPに感染したウシの3グループの試験結果を示すチャートである。第Iグループ(n=30)は、糞便培養、従来のELISA、及びガンマ型インターフェロンによる試験でヨーネ病が陰性であったウシである。第IIグループ(n=52)は、糞便培養及び従来のELISAによる試験ではヨーネ病が陰性であったが、ヨーネ病の臨床兆候を発現していたウシである。第IIIグループ(n=23)は、糞便培養によって複数回試験されたウシであり、当該糞便培養試験のうちの少なくとも1回でヨーネ病が陽性であるとわかったウシである。列において、見出しの「糞便培養試験」、「陰性」は、特定のウシ由来のいずれの糞便培養試験からもMAPを確認することができなかったものを意味し、その数は連続試験で見つかったコロニー数を示す。「無傷MAP」および「MAP表面抗原」の見出しの列において、その数は光学密度を示す。「無傷MAP」の下にある試験値で0.23以上のものは、陽性試験を示す。「MAP表面抗原」の下にある試験値で0.35以上のものは、陽性試験を示す。MAPの陽性試験を示す試験値は、影付きのボックスで示した。括弧の中の数字は、負の値を示す。3xTNTCおよび4xTNTCは、当該糞便培養試験を3回又は4回行い、コロニー数を数え切れなかった(too numerous to count)ことを示す。

Claims (27)

  1. 動物における生物に起因する感染の存在を診断する方法であって、
    前記動物から試験試料を入手する工程と、
    前記生物の表面抗原の抗体結合部位に結合する前記試験試料中の抗体が、前記抗体結合部位に結合するのに十分な時間、前記生物の遊離の表面抗原に前記試験試料を曝す工程であって、この抗原は、前記生物を崩壊させることなく且つ前記生物から内部抗原を除去することなく、前記生物の表面から抗原を除去することによって得られるものである、前記曝す工程と、
    前記試験試料が前記生物の遊離の表面抗原に結合する抗体を含むかどうかを、前記遊離の表面抗原に結合される前記試験試料中の1若しくはそれ以上の抗体の存在を検出することによって決定する工程と
    を有する方法。
  2. 請求項1記載の方法において、前記生物は微生物である。
  3. 請求項2記載の方法において、前記微生物は細菌である。
  4. 請求項3記載の方法において、前記細菌はマイコバクテリアである。
  5. 請求項4記載の方法において、前記マイコバクテリアは、トリ結核菌亜種パラ結核菌(Mycobacterium avium subsp.paratuberculosis)である。
  6. 請求項1記載の方法において、前記生物の表面からの抗原の除去は、前記生物の抽出剤による処理を組み合わせた前記生物の機械的処理によってなされるものである。
  7. 請求項6記載の方法において、前記機械的処理は、超音波処理またはボルテックス処理である。
  8. 請求項1記載の方法において、前記流体は、血液、血清、又は血漿である。
  9. 請求項1記載の方法において、前記試験試料を前記遊離の表面抗原に曝す工程は、前記試験試料と前記遊離の表面抗原とを容器中で混合することによってなされるものである。
  10. 請求項9記載の方法において、結合の検出は、フローサイトメトリによってなされるものである。
  11. 請求項9記載の方法において、結合の検出は、ブロット分析によってなされるものである。
  12. 請求項1記載の方法において、前記試験試料を前記遊離の表面抗原に曝す工程は、表面上で行われるものである。
  13. 請求項12記載の方法において、前記遊離の表面抗原は、1若しくはそれ以上のウェルの表面に固定化されるものであり、前記試験試料中における前記遊離の表面抗原への抗体の結合は、光学密度の測定によって決定されるものである。
  14. 請求項12記載の方法において、前記遊離の表面抗原は、試験表面に固定化され、前記抗原が固定化された表面を流体試験試料中に浸漬することによって前記試験試料に曝されるものである。
  15. 請求項14記載の方法において、前記試験表面で結合が視覚的な色の変化によって特定されるために比色分析標識が利用されるものである。
  16. 生物から表面抗原を取得する方法であって、
    前記生物が抽出剤を含む流体中に懸濁される間、前記生物を機械的に処理する工程であって、前記処理物の量は、前記生物から表面抗原を取り除くのに十分な時間ではあるが、前記生物から内部抗原を放出させるような前記生物を崩壊させるには不十分な時間である、前記処理する工程と、
    取り除かれた表面抗原以外の前記生物の部分から、前記生物から取り除かれた表面抗原を分離させる工程と
    を有する方法。
  17. 請求項16記載の方法において、前記機械的処理は、超音波処理またはボルテックス処理である。
  18. 請求項16記載の方法において、前記生物は微生物である。
  19. 請求項18記載の方法において、前記微生物は細菌である。
  20. 請求項19記載の方法において、前記細菌はマイコバクテリアである。
  21. 請求項20記載の方法において、前記マイコバクテリアは、トリ結核菌亜種パラ結核菌である。
  22. 生物の遊離した表面抗原が付着した固体表面を取得する方法であって、
    前記生物を崩壊させることなく、且つ前記生物の内部抗体を放出させることなく前記生物の表面から抗原を取り除く工程と、
    前記取り除かれた表面抗原以外の前記生物の部分から、前記取り除かれた表面抗原を分離させる工程と、
    それによって前記生物の遊離の表面抗原を得る工程と、
    前記遊離の表面抗原を固体表面に固定化する工程と
    を有する方法。
  23. 請求項22記載の方法において、前記固体表面は、不浸透性の表面である。
  24. 請求項22記載の方法において、前記表面抗原は、前記生物が抽出剤を含む流体中に懸濁される間、前記生物を機械的に処理することによって除去されるものである。
  25. 請求項22記載の方法において、前記生物は微生物である。
  26. 請求項25記載の方法において、前記微生物は細菌である。
  27. 請求項22記載の方法によって準備される固体表面。
JP2008530117A 2005-09-06 2006-09-05 感染症を診断する方法 Pending JP2009507243A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US11/220,156 US7713715B2 (en) 2005-09-06 2005-09-06 Method for diagnosing infections
PCT/US2006/034287 WO2007030391A2 (en) 2005-09-06 2006-09-05 Method for diagnosing infections

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009507243A true JP2009507243A (ja) 2009-02-19
JP2009507243A5 JP2009507243A5 (ja) 2009-09-03

Family

ID=37830465

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008530117A Pending JP2009507243A (ja) 2005-09-06 2006-09-05 感染症を診断する方法

Country Status (7)

Country Link
US (1) US7713715B2 (ja)
EP (1) EP1928614A4 (ja)
JP (1) JP2009507243A (ja)
AU (1) AU2006287702A1 (ja)
BR (1) BRPI0615678A2 (ja)
CA (1) CA2621485C (ja)
WO (1) WO2007030391A2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011511275A (ja) * 2008-02-01 2011-04-07 サノフィ パストゥール リミテッド 診断的アッセイ

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20070062460A1 (en) * 2005-09-21 2007-03-22 Robert Simer Swine saliva sampling method
DE102008029834A1 (de) * 2008-06-25 2010-01-14 Justus-Liebig-Universität Giessen Verfahren zum spezifischen Nachweis von MAP-Antikörpern
EP2314677A4 (en) * 2008-07-23 2011-12-14 Olympus Corp METHOD OF TAKING NUCLEIC ACID FROM A CHAIR SAMPLE, NUCLEIC ACID ANALYSIS METHOD AND DEVICE FOR TREATING CHAIR SAMPLES
US9696304B2 (en) 2012-01-27 2017-07-04 University Of Tennessee Research Foundation Methods for detecting a biomarker by alternating current electrokinetics
AU2013212574C1 (en) 2012-01-27 2017-03-30 University Of Tennessee Research Foundation Method and apparatus for detection of a biomarker by alternating current electrokinetics
CA2988297A1 (en) 2016-12-28 2018-06-28 University Of Tennessee Research Foundation Methods for detecting a biomarker by alternating current electrokinetics
WO2018170436A1 (en) 2017-03-16 2018-09-20 Jacobs Farm Del Cabo Basil with high tolerance to downy mildew
US11252928B2 (en) 2017-09-21 2022-02-22 The Condard-Pyle Company Miniature rose plant named ‘Meibenbino’
US11917978B2 (en) 2017-09-21 2024-03-05 The Conard Pyle Company Miniature rose plant named ‘meibenbino’
WO2019143891A1 (en) * 2018-01-18 2019-07-25 The Penn State Research Foundation Mycobacterium avium subspecies paratuberculosis immunodiagnostic antigens, methods, and kits comprising same
US11944063B2 (en) 2020-09-30 2024-04-02 Spring Meadow Nursery, Inc. Hydrangea ‘SMNHPH’
US11155884B1 (en) 2020-10-16 2021-10-26 Klemm & Sohn Gmbh & Co. Kg Double-flowering dwarf Calibrachoa
EP3984355B1 (en) 2020-10-16 2024-05-15 Klemm & Sohn GmbH & Co. KG Double-flowering dwarf calibrachoa

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05264553A (ja) * 1990-12-04 1993-10-12 Quidel Corp ヘリコバクターピロリ検出用の抗原調製物
JP2005095101A (ja) * 2003-09-26 2005-04-14 National Agriculture & Bio-Oriented Research Organization ヨーネ菌抗原タンパク質、該タンパク質をコードする遺伝子、及び該タンパク質を用いるヨーネ病の診断方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6592877B1 (en) * 1995-09-01 2003-07-15 Corixa Corporation Compounds and methods for immunotherapy and diagnosis of tuberculosis
US6284255B1 (en) * 1996-08-29 2001-09-04 Genesis Research & Development Corporation Limited Compounds and methods for treatment and diagnosis of mycobacterial infections
US20020064801A1 (en) * 1999-12-01 2002-05-30 Ryan Jeffrey R. Novel and practical serological assay for the clinical diagnosis of leishmaniasis
EP1278544A4 (en) 2000-04-12 2004-08-18 Human Genome Sciences Inc ALBUMIN FUSION PROTEINS

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05264553A (ja) * 1990-12-04 1993-10-12 Quidel Corp ヘリコバクターピロリ検出用の抗原調製物
JP2005095101A (ja) * 2003-09-26 2005-04-14 National Agriculture & Bio-Oriented Research Organization ヨーネ菌抗原タンパク質、該タンパク質をコードする遺伝子、及び該タンパク質を用いるヨーネ病の診断方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011511275A (ja) * 2008-02-01 2011-04-07 サノフィ パストゥール リミテッド 診断的アッセイ

Also Published As

Publication number Publication date
EP1928614A2 (en) 2008-06-11
EP1928614A4 (en) 2009-06-17
WO2007030391A2 (en) 2007-03-15
US7713715B2 (en) 2010-05-11
WO2007030391A3 (en) 2007-09-20
AU2006287702A1 (en) 2007-03-15
US20070054334A1 (en) 2007-03-08
CA2621485A1 (en) 2007-03-15
BRPI0615678A2 (pt) 2011-05-24
CA2621485C (en) 2013-01-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009507243A (ja) 感染症を診断する方法
US20030073073A1 (en) Method for simultaneous detection of multiple microbial antigens in biological specimens from mastitic animals
KR101753580B1 (ko) 브루셀라 캐니스 항원의 제조 방법
Badakhsh et al. Improved rapid slide agglutination test for presumptive diagnosis of canine brucellosis
DK174032B1 (da) Sæt samt fremgangsmåde til immunometrisk dosering, der kan anvendes på hele celler
US7422869B2 (en) Method for diagnosing infectious diseases
Barbuddhe et al. Immunodetection of bacteria causing brucellosis
Hajikolaei et al. Comparison of leptospiral infection in the horse and donkey
WO2000073492A1 (en) Rapid immunoassay for cariogenic bacteria
Kumar et al. Improvement in the diagnosis of Brucella abortus infections in naturally infected water buffaloes (Bubalus bubalis) using an ELISA with a Protein-G-based indicator system
US8158371B2 (en) Assay for antibodies to Mycobacterium paratuberculosis
Biswal et al. Detection of Mycobacterium avium subsp. paratuberculosis (MAP) from subclinical caprine paratuberculosis cases of Odisha
US20230160888A1 (en) In vitro method for diagnosing subjects infected with mycobacterium species
JP4359684B2 (ja) ヨーネ病の検査方法
Bolin Leptospirosis in cattle: disease review and update.
CN111638329B (zh) 一种用于检测布鲁氏菌病elispot检测试剂盒及其应用
Wilson et al. Diagnostic Immunology and Serology: A Clinicians’ Guide
Rhawy Rapid diagnosis of the most common causes of abortion in Awassi ewes in Nineveh Governorate, Iraq
Graves et al. Laboratory diagnosis of rickettsial infection
DE102008029833A1 (de) Verfahren zum frühen Nachweis einer Infektion mit MAP
Vlahović et al. Comparison of serological procedures for diagnosis of infection with Chlamydophila sp. in bovines.
Boyle Streptococcus equi ss equi
Sockett Johne's disease diagnosis and control
Norris et al. The efficacy of the complement fixation test for the detection of Mycobacterium paratuberculosis infection in cattle
TR2022004756A2 (tr) BRUCELLA SP. SUŞLARININ ANTİJENİK OMP16, OMP25, OMP2b VE OMP31 PROTEİNLERİNİN HIZLI TANISINA VE TEŞHİSİNE İMKÂN VEREN KİT

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090710

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090710

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110415

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110426

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20111018